JP2009007297A - 3,4’−ジアミノジフェニルエーテルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】3,4’−ジアミノジフェニルテーテルを製造する際、縮合反応にて形成する無機塩に同伴する有効成分量を低減し、低エネルギー且つ高収率で高品質のジアミノジフェニルエーテルの製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の上記課題は、3−アミノフェノールと4−クロロニトロベンゼンとを非プロトン性極性溶媒中にて塩基性化合物の存在下で縮合反応させ、縮合反応により生成する無機塩を分離後、更にニトロ基を還元する反応を行い、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルを製造する方法であって、縮合反応により生成した無機塩を分離後、該無機塩の重量の1.0〜3.0重量倍の非水溶性溶媒により該無機塩を洗浄して洗浄液を得た後、該非水溶性溶媒により洗浄された無機塩を水に溶解させ、水に対して層分離された無機塩含有非水溶性溶媒を得て、該洗浄液の溶質の一部又は該洗浄液の溶質の全量及び該無機塩含有非水溶性溶媒の溶質の一部又は該無機塩含有非水溶性溶媒の溶質の全量を縮合反応時に添加することを特徴とする3,4’−ジアミノジフェニルエーテルの製造方法によって解決する事ができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、機能性ポリアミドやポリイミドの重合用モノマー原料或いは改質添加物などに用いられるジアミノジフェニルエーテルの製造方法に関する。
ジアミノジフェニルエーテル類は、高性能なポリアミド、或いはポリイミドの製造原料及び改質添加剤として有用な化合物である。ジアミノジフェニルエーテルを製造する代表的な方法として、まず、ハロゲン化ニトロベンゼンとアミノフェノールとを塩基性化合物の存在下で非プロトン性溶媒を用いて縮合反応させることで、中間生成物であるアミノフェニルニトロフェニルエーテルを得て、次いで得られたアミノフェニルニトロフェニルエーテルを触媒の存在下、水素添加反応を行う方法が公知であると共に商業化技術として確立されている。例えば非プロトン性溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドを含む溶媒中で、アルカリ金属触媒下、アミノフェニルニトロフェニルエーテルを生成させ、その後、反応媒質中で貴金属触媒存在下、水素添加反応を行い、ジアミノジフェニルエーテルを形成する方法が開示されている(例えば特許文献1参照。)。
本製造過程の縮合反応においては水が発生し、この水を除去することで反応が促進されることは公知であり、特許文献2には反応系に炭化水素化合物を添加し、共沸作用を利用して水留出を促進する方法が報告されている。しかしながら、炭化水素化合物として脂肪族炭化水素化合物を使用する場合、水−炭化水素化合物−ジメチルホルムアミドの3成分系共沸作用により水と共にジメチルホルムアミドをも留出させてしまい、ジメチルホルムアミドが混入した留出水の処理に多大なエネルギーが必要となるという問題があった。
また、当該縮合反応においては塩基性化合物とハロゲン化ニトロベンゼンから無機塩が形成されることは不可避であり、ハロゲン化合物は一般的に使用される水素添加反応の触媒に対し被毒作用がある上、水素添加反応時にハロゲン化水素を発生させ、装置腐食、製品へのハロゲン成分の混入可能性が高く、水素添加反応前に分離する必要があった。また反応により形成される無機塩の粒子は数十ミクロン程度であることから固液分離された無機塩の含液率は高く、そのまま廃棄した場合、含液中に同伴している有効成分は少なくない。このため、一般的には反応で使用するジメチルホルムアミドにより洗浄し回収する方法がとられる。しかし、本方法では高含液率により、洗浄効率が低く、繰り返し洗浄回数を増加させる必要があるほか、非プロトン性溶媒に僅かながら無機塩が溶解するため、その無機塩の存在に起因して水素添加反応へ持ち込まれるハロゲン元素含有量が増加する問題があった。また、ジメチルホルムアミド使用量増加により、水素添加反応時の必要容積が増加し装置効率の低下を招くと同時に、ジメチルホルムアミド回収エネルギー量も増加し好ましくなかった。
特開昭48−22433号公報 特公昭63−19503号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、縮合反応にて発生する無機塩を少ない薬剤量で効率的に洗浄し、回収すると同時に重縮合反応を促進させ、低エネルギー且つ高収率で高品質のジアミノジフェニルエーテルの製造方法を提供するものである。
発明者らは、上記目標を達成すべく鋭意検討を試みた結果、芳香族炭化水素を原料、反応中間体及び製品と共存しても副生成物の増加はなく、また、縮合反応過程に添加することにより共沸作用によりジメチルホルムアミドをほとんど同伴することなく水を留出除去させ反応促進効果が得られること、更に洗浄分離後の無機塩の含液率は低下し、高い洗浄効率で洗浄が可能であることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち本発明の構成は、3−アミノフェノールと4−クロロニトロベンゼンとを非プロトン性極性溶媒中にて塩基性化合物の存在下で縮合反応させ、縮合反応により生成する無機塩を分離後、更にニトロ基を還元する反応を行い、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルを製造する方法であって、縮合反応により生成した無機塩を分離後、該無機塩の重量の1.0〜3.0重量倍の非水溶性溶媒により該無機塩を洗浄して洗浄液を得た後、該非水溶性溶媒により洗浄された無機塩を水に溶解させ、水に対して層分離された無機塩含有非水溶性溶媒を得て、該洗浄液の溶質の一部又は該洗浄液の溶質の全量及び該無機塩含有非水溶性溶媒の溶質の一部又は該無機塩含有非水溶性溶媒の溶質の全量を縮合反応時に添加することを特徴とする3,4’−ジアミノジフェニルエーテルの製造方法からなる。
本発明の製造方法によれば、製品ジアミノジフェニルエーテル中の無機塩に由来するハロゲン元素の含有量の増加を抑制でき、製造過程で発生する無機塩に同伴する微量の原料化合物・中間製品化合物・最終製品化合物等の有効成分を少ない洗浄薬剤量及び洗浄回数で回収可能となり、高品質のジアミノジフェニルエーテルを高収率で回収することが可能となる。
以下、好ましい実施の形態をあげて発明を詳細に説明する。本発明において、原料とするアミノフェノールとは、具体的にはo−、m−、p−アミノフェノールが挙げられ、クロロニトロベンゼンとは具体的にはo−、m−、p−クロロニトロベンゼンが挙げられる。またこれらの中でも上記の様に3,4’−ジアミノジフェニルエーテルを製造するには3−アミノフェノールと4−クロロニトロベンゼンの原料の組み合わせが良く用いられていることからも、m−アミノフェノールとp−クロロニトロベンゼンを用いる事が好ましい。アミノフェノールとクロロニトロベンゼンの縮合反応は非プロトン性極性溶媒中、塩基性化合物存在下で行われることが知られている。本発明においても非プロトン性極性溶媒中でこの反応を行うが、その非プロトン性極性溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、スルホランなどを挙げる事ができる。それらの中で価格面からN,N−ジメチルホルムアミドなどが好ましい。反応に使用される非プロトン性極性溶媒の量には特に限定はないが、使用した非プロトン性極性溶媒は製品を取り出す際にすべて留出除去する必要があるため、エネルギー的観点からアミノフェノール100重量部に対し、200〜300重量部であることが好ましい。また、縮合反応時に使用する塩基性化合物としてはアルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸水素塩が使用可能であり、具体的には炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムを挙げる事ができる。これらの中でも、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩が最も好ましい。塩基性化合物量はアルカリ金属としてアミノフェノール1モルに対し1.0〜1.5倍量のモル数の使用が好ましい。1.0倍量以下では反応が不完全となり、また、過剰な場合には副生する無機塩の分離時に未反応塩基性化合物をそのまま分離除去することとなるので経済的に好ましくない。反応の形態は特に限定されるものではなく、回分式と連続式でも、どちらでも問題なく採用することができる。縮合反応は常圧において温度130〜170℃で行い、反応温度は4〜12時間である。
上記の操作にて得られた縮合反応の溶液は縮合反応時に生成する無機塩を含有するスラリー状態で得られるのが通常である。従ってこれらの無機塩を縮合反応液から分離する必要がある。縮合反応液からの無機塩の分離には遠心分離機、真空濾過装置などの汎用固液分離装置を使用することができる。固液分離された無機塩は洗浄工程にて非水溶性溶媒で洗浄される。本発明において使用可能な非水溶性溶媒としてはジメチルホルムアミドより低い沸点を持つ芳香族炭化水素化合物であり、トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼンなどが好ましい。逆に非水溶性溶媒に該当しない溶媒としては、炭素数4以下のアルコール、炭素数6以下のグリコールといったプロトン性極性溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、スルホランといった非プロトン性極性溶媒を挙げる事ができる。水溶性溶媒では水との共沸効果があっても、縮合反応に用いるジメチルホルムアミドをはじめとする非プロトン性極性溶媒をその非水溶性溶媒が同伴した状態で留出する可能性が高いのみでなく、洗浄後の無機塩中に残存する溶媒を分離回収するのに多くのエネルギーを要するため好ましくない。また、脂肪族炭化水素を使用する場合にはジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒を含めた3成分での共沸作用が強く、またジメチルホルムアミドと洗浄溶媒が層分離するため、洗浄効果が十分に得られない。洗浄の形態は特に限定されるものではなく、一般的な洗浄方法であるリンス型洗浄及び攪拌槽内での混合洗浄などが使用可能である。洗浄に使用する非水溶性溶媒の量は縮合反応により生成し、縮合反応液より固液分離した無機塩の重量に対し1.0倍〜3.0重量倍の範囲が好ましい。1.0重量倍未満では洗浄効果が十分でなく、3.0重量倍を超える場合は縮合反応時に留出させるための必要エネルギー或いは非水溶性溶媒を循環使用するための精製エネルギーが増加するため好ましくない。このような操作にて洗浄液を得ることができる。
非水溶性溶媒にて洗浄後の無機塩は汎用固液分離装置により再度固液分離された後、完全に溶解するまで水を添加される。固液分離の際の液体成分は上記の洗浄液と混合されることが好ましい。次に無機塩に含有する非水溶性溶媒は水と層分離される。この層分離状態を良好にすると共に水中のジメチルホルムアミドを更に低減するため洗浄に使用する非水溶性溶媒を更に追加し、抽出操作を行うことも可能である。このような操作にて非水層を回収することにより、無機塩含有非水溶性溶媒を得ることができる。層分離した無機塩含有非水溶性溶媒は固液分離にて発生した洗浄濾液分(上記洗浄液)と混合された後、又は混合することなく、双方とも縮合反応に添加使用される。本操作によりKClを代表とする無機塩が溶解した水溶液中に残留する有機成分(原料化合物・中間製品化合物・最終製品化合物など)は極めて少ない状態となり、一般的に行われる排水処理により安定して処理可能なものとなる。
縮合反応に添加使用される洗浄液及び無機塩含有非水溶性溶媒は、上記のようにそのまま液体状態として加えても、一部溶媒を蒸留などの操作により留去して濃縮してから縮合反応槽に添加使用しても良い。或いは完全に洗浄液や無機塩含有非水溶性溶媒の溶媒を留去して残余成分であるこれらの液体中の溶質を縮合反応槽に添加使用しても良い。本発明の製造方法においては、洗浄液や無機塩含有非水溶性溶媒の溶媒を縮合反応に添加することではなく、溶解している溶質成分を再び縮合反応に戻すことに本質があるからである。操作としては溶媒を留去するにはエネルギーが増加するため、洗浄液、無機塩含有非水溶性溶媒をそのまま用いるのが簡便で好ましい。再び縮合反応槽に戻す洗浄液、無機塩含有非水溶性溶媒は得られた洗浄液、無機塩含有非水溶性溶媒の一部であっても全部であっても良い。原料化合物基準で収率を挙げるためには全部を用いたほうがより好ましいのは言うまでもない。
縮合反応においては、反応液中に非水溶性溶媒が残留しないように留出させることにより水素添加反応などへの影響はなく、縮合反応への洗浄液、無機塩含有非水溶性溶媒の添加量は制限されるものではないが、非水溶性溶媒の一部を蒸発回収した後、再度縮合反応に添加することも可能である。縮合反応に洗浄液等を循環させることにより縮合反応で発生する無機塩に含有する有効成分を高効率で回収可能となるだけでなく、洗浄に使用した非水溶性溶媒と水の共沸作用により縮合反応も促進され、反応時間の短縮が可能となる。
引き続き、無機塩を分離除去した縮合反応液は更にニトロ基を還元する反応を行う。ニトロ基を還元する反応としては通常実施可能な還元反応が進行する方法であれば、特に限定はないが、一般的には水素添加反応に供給され、還元反応を行う。水素添加反応は通常金属触媒(ラネーニッケル触媒、パラジウム触媒、白金触媒、ルテニウム触媒など)の存在下、20℃〜160℃程度、好ましくは50〜120℃程度の温度にて水を供給して行われる。これらの触媒は必要に応じて担体に坦持されたものを用いる事も可能である。好ましくはパラジウムを炭素に坦持させたPd/C触媒を用いる事ができる。反応圧力は常圧〜5MPaG程度好ましくは常圧〜2MPaG程度である。この水素添加反応を適切に行うことにより、ニトロ基が還元されアミノ基になり、目的とするジアミノジフェニルエーテルが生成する。水素添加反応後、濾過などの分離方法により触媒を除去し、蒸留又は晶析、好ましくは減圧蒸留により溶媒を除去し、粗ジアミノジフェニルエーテルを得る。更に真空蒸留、好ましくは高真空下での精密蒸留により高収率にて99.9%以上の純度のジアミノジフェニルエーテルを得ることができる。
このようにして得られたジアミノジフェニルエーテル類は塩素濃度が低く、高性能なポリアミド、或いはポリイミドの製造原料及び改質添加剤として使用できる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、実施例において3−アミノ−4’−ニトロジフェニルエーテル(以下、3,4’−ANPEと呼ぶ)の選択率、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下、3,4’−DAPEと呼ぶ)の収率、及び3−アミノフェノール(以下、MAPと呼ぶ)、4−ニトロクロロベンゼン(以下、PNCBと呼ぶ)の反応混合液中の反応率などはそれぞれガスクロマトグラフ(GC)分析により求めた値である。また、3,4’−DAPE中の塩素濃度については硝酸銀による電位差滴定により求めた数値である。
<参考例>
3−アミノフェノール(MAP)100重量部と炭酸カリウム76重量部、4−ニトロクロロベンゼン(PNCB)152重量部をジメチルホルムアミド235重量部と共に反応槽に仕込み、反応で生成する水を蒸発させながら130〜155℃で4時間縮合反応させた。縮合反応液を分析した結果、MAP基準の反応率は92%であった。更に2時間縮合反応を継続した結果MAP基準の反応率は99%であり、3,4’−ANPE選択率は98%であった。
<実施例1>
上記縮合反応液を50℃まで冷却後ろ過により固液分離を行い、縮合反応液446重量部と塩化カリウム117重量部を得た。固液分離した塩化カリウム117重量部に対し、トルエン150重量部を混合し、10分間攪拌した後、ろ過により固液分離した結果、92重量部の白色塩化カリウムと175重量部のトルエン洗浄液を得た。更に、白色塩化カリウムを450重量部の水により溶解させ、2層に分離した上層(トルエン層)を回収し、上記トルエン洗浄液175重量部と混合しトルエン洗浄液185重量部を得た。このトルエン洗浄液185重量部をエバポレーターにより濃縮し、濃縮液70重量部とトルエン115重量部を回収した。2層に分離した下層の水溶液をGC分析した結果、水溶液中にはMAP、PNCB、3,4’−ANPEは検出されなかった。
3−アミノフェノール(MAP)100重量部と炭酸カリウム76重量部4−ニトロクロロベンゼン(PNCB)152重量部、及び、上記濃縮液70重量部をジメチルホルムアミド235重量部と共に反応槽に仕込み、トルエン/水を蒸発させながら110〜155℃で4時間縮合反応させた。縮合反応液を分析した結果、MAP基準の反応率は99%であり、3,4’−ANPE選択率は98.5%であった。引き続き縮合反応液からろ過により塩化カリウムを除去した後、縮合反応液に対して5重量%のPd/C触媒と共に縮合反応液をオートクレーブに仕込み、水素圧0.7MPaG、反応温度100℃で3時間水素添加反応を行った。水素添加反応終了後、反応液を室温まで冷却し、触媒を濾別した後、減圧下でジメチルホルムアミドを蒸留により除去し、更に、40mmHg(5.33kPa)で精密蒸留することにより3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(3,4’−DAPE)を得た。3,4’−DAPEの収率は93%であり、3,4’−DAPE中の塩素濃度は10ppmであった。
<実施例2>
実施例1と同条件の下でトルエンを使用して固液分離した塩化カリウムを洗浄し、トルエン洗浄液185重量部を得た。このトルエン洗浄液を濃縮せず、185重量部全量を反応槽に仕込んで、トルエン/水を蒸発させながら110〜155℃で4時間縮合反応させた。その結果、MAP基準の反応率は98.7%であり、3,4’−ANPE選択率は98%であった。また、引き続き同様の操作にて水素添加反応及び精密蒸留までを行い、3,4’−DAPEを製造した。3,4’−DAPEの収率は91%であった。
<実施例3>
実施例1においてトルエンの代わりにベンゼンを使用した以外は実施例1と同様の操作を行った結果、3,4’−DAPEの収率は93%であった。
<比較例1>
参考例1と同様にして得られる縮合反応液を50℃まで冷却後ろ過により固液分離を行い、縮合反応液446重量部と塩化カリウム117重量部を得た。固液分離した塩化カリウムに対し、ジメチルホルムアミド150重量部を混合し、10分間攪拌した後、ろ過により固液分離した結果、110重量部の黄色に着色した塩化カリウムと157重量部のジメチルホルムアミド溶液を得た。上記縮合反応液全量446重量部とジメチルホルムアミド溶液の全量157重量部を混合後、この混合液に対して5重量%のPd/C触媒と共にオートクレーブに仕込み、水素圧0.7MPaG、反応温度100℃で3時間水素添加反応を行った。水素添加反応終了後、反応液を室温まで冷却し、触媒を濾別した後、減圧下でジメチルホルムアミドを蒸留により除去し、更に、40mmHg(5.33kPa)で精密蒸留することにより3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(3,4’−DAPE)を得た。3,4’−DAPEの収率は82%であり、3,4’−DAPE中の塩素濃度は80ppmであった。また、蒸留後の釜残部には塩化カリウム及び高沸点物が多く残り、蒸留器からの取り出しが困難な状態であった。
<比較例2>
実施例1と同条件の下でトルエンを使用して固液分離した塩化カリウムを洗浄し、固液分離された塩化カリウムに含有されるトルエン分は回収せず、トルエン洗浄液のみをエバポレーターにより濃縮し、濃縮液70重量部を得た。この濃縮液を他の原料と一緒に反応槽に仕込み同様に縮合反応、水素添加反応及び蒸留精製を行った結果、3,4’−DAPEの収率は88%であった。
<比較例3>
実施例1と同条件にてトルエン50重量部を使用して固液分離した塩化カリウム117重量部を洗浄し、固液分離された薄黄色の塩化カリウムを450重量部の水により溶解させ、2層に分離した上層を回収し、洗浄液と混合し洗浄液65重量部を得た。全量を反応槽に仕込んで、トルエン/水を蒸発させながら110〜155℃で4時間反応させた結果、MAP基準の反応率は98.7%であり、3,4’−ANPE選択率は98%であった。また、引き続き同様の操作にて水素添加反応及び蒸留を行い、3,4’−DAPEを回収した。3,4’−DAPEの収率は87%であった。
本発明により、3,4’−ジアミノジフェニルテーテルを製造する際、縮合反応にて形成する無機塩に同伴する有効成分量を低減すると共に、縮合反応での反応促進が可能となり、低エネルギー且つ高収率で高品質のジアミノジフェニルエーテルの製造が可能となり、その工業的意義は大きい。

Claims (2)

  1. 3−アミノフェノールと4−クロロニトロベンゼンとを非プロトン性極性溶媒中にて塩基性化合物の存在下で縮合反応させ、縮合反応により生成する無機塩を分離後、更にニトロ基を還元する反応を行い、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルを製造する方法であって、縮合反応により生成した無機塩を分離後、該無機塩の重量の1.0〜3.0重量倍の非水溶性溶媒により該無機塩を洗浄して洗浄液を得た後、該非水溶性溶媒により洗浄された無機塩を水に溶解させ、水に対して層分離された無機塩含有非水溶性溶媒を得て、該洗浄液の溶質の一部又は該洗浄液の溶質の全量及び該無機塩含有非水溶性溶媒の溶質の一部又は該無機塩含有非水溶性溶媒の溶質の全量を縮合反応時に添加することを特徴とする3,4’−ジアミノジフェニルエーテルの製造方法。
  2. 非水溶性溶媒が芳香族炭化水素化合物であり、且つ非水溶性溶媒の沸点がジメチルホルムアミドより沸点が低いことを特徴とする請求項1に記載の3,4’−ジアミノジフェニルエーテルの製造方法。
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