JP2009006878A - 車線逸脱防止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車線逸脱防止装置は、車両状態を基にヨーモーメントを補償する補償値を算出し(ステップS9)、その算出した補償値により補償されたヨーモーメントが車両に付与されるように車線逸脱防止制御を行うものであり(ステップS13)、補償値のばらつき度合いを推定し(ステップS10)、推定したばらつき度合いが高くなるほど、補償値を制限する度合いを高くする(ステップS11)。
【選択図】図2
Description
しかしながら、その制御量補償をする値自体がばらつくことがあり、この場合、ヨーモーメントが過大になってしまう。しかし、ヨーモーメントが過大になるからと言って制御量補償を行わないとすれば、ブレーキ装置のパッドμの低下によるヨーモーメントの不足を補うことができなくなる。
本発明は、制御量補償をする値自体がばらつく場合でも、ヨーモーメントが過大になってしまうのを防止することである。
(第1の実施形態)
先ず第1の実施形態を説明する。
(構成)
第1の実施形態は、本発明に係る車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。この後輪駆動車両は、自動変速機とコンベンショナルディファレンシャルギヤとを搭載し、前後輪とも左右輪の制動力を独立制御可能な制動装置を搭載している。
図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧を各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給する。また、マスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御部7が介装されており、この制動流体圧制御部7によって、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能になっている。
また、この車両には、駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。駆動トルクコントロールユニット12は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比及びスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL,5RRへの駆動トルクを制御する。駆動トルクコントロールユニット12は、燃料噴射量や点火時期を制御したり、同時にスロットル開度を制御したりすることで、エンジン9の運転状態を制御する。この駆動トルクコントロールユニット12は、制御に使用した駆動トルクTwの値を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
また、この車両には、画像処理機能付きの撮像部13が設けられている。撮像部13は、自車両の車線逸脱傾向検出用として、走行車線内の自車両の位置を検出するために備えられている。撮像部13は、自車両前方を撮像するように設置されたCCD(Charge Coupled Device)カメラからなる単眼カメラで撮像するように構成されている。この撮像部(フロントカメラ)13は車両前部に設置されている。
このように、撮像部13は、走行車線をなす白線を検出して、その検出した白線に基づいて、ヨーφfrontを算出している。よって、ヨー角φfrontは、撮像部13の白線の検出精度に大きく影響される。この撮像部13は、算出したこれらヨー角φfront、横変位Xfront及び走行車線曲率β等を制駆動力コントロールユニット8に出力する。
また、この車両には、ナビゲーション装置14が設けられている。ナビゲーション装置14は、自車両に発生する前後加速度Yg或いは横加速度Xg、又は自車両に発生するヨーレイトφ´を検出する。このナビゲーション装置14は、検出した前後加速度Yg、横加速度Xg及びヨーレイトφ´を、道路情報とともに、制駆動力コントロールユニット8に出力する。
また、この車両には、自車両と前方障害物との間の距離等を計測するレーダ16が設けられている。レーダ16は、レーザ光を前方に掃射して先行障害物からの反射光を受光して、自車両と前方障害物との間の距離等を計測する。そして、レーダ16は、その計測結果を制駆動力コントロールユニット8に出力する。このレーダ16による計測結果は、ACCや追突速度低減ブレーキ装置等の処理のために使用される。
なお、このように算出したヨー角φfrontは、撮像部13による実測値になるが、実測値を用いる代わりに、撮像部13が撮像した車両近傍の白線に基づいて、ヨー角φfrontを算出することもできる。すなわち例えば、前記ステップS1で読み込んだ横変位Xfrontを用いて、下記(1)式によりヨー角φfrontを算出する。
φfront=tan−1(V/dX´(=dY/dX)) ・・・(1)
ここで、dXは、横変位Xの単位時間当たりの変化量であり、dYは、単位時間当たりの進行方向の変化量であり、dX´は、前記変化量dXの微分値である。
角φfrontを算出することもできる。また、Vは車速、例えば後述のステップS3で算出される車速である。この場合、後述のステップS3の処理後に、ステップS2の処理を行うことになる。
前輪駆動の場合
V=(Vwrl+Vwrr)/2
後輪駆動の場合
V=(Vwfl+Vwfr)/2
・・・(2)
ここで、Vwfl,Vwfrは左右前輪それぞれの車輪速度であり、Vwrl,Vwrrは左右後輪それぞれの車輪速度である。すなわち、この(2)式では、従動輪の車輪速の平均値として車速Vを算出している。なお、本実施形態では、後輪駆動の車両であるので、後者の式、すなわち前輪の車輪速度により車速Vを算出する。
続いてステップS4において、推定横変位を算出する。具体的には、前記ステップS1で得た走行車線曲率β及び現在の車両の横変位Xfront、前記ステップS2で得たヨー角φfront、並びに前記ステップS3で得た車速Vを用いて、下記(3)式により推定横変位Xsを算出する。
Xs=Tt・V・(φfront+Tt・V・β)+Xfront ・・・(3)
続いてステップS5において、車線逸脱防止制御として車両に付与するヨーモーメント(以下、基準ヨーモーメントという。)を算出する。
車線逸脱防止制御では、走行車線に対して車両が逸脱傾向にある場合、車両に所定のヨーモーメント(所定の車線逸脱防止制御量)を付与して、車両が走行車線から逸脱するのを回避しており、このステップS5では、実際の走行状態に基づいて、該ヨーモーメント(基準ヨーモーメントMs0)を算出する。図3には、この処理で用いる値の定義を示す。
Ms0=K1・K2・(|Xs|−XL) ・・・(4)
ここで、K1は車両諸元から決まる比例ゲインであり、K2は車速Vに応じて変動するゲインである。図4はゲインK2の例を示す。図4に示すように、低速域でゲインK2は小さい値になり、車速Vがある値になると、車速Vの増加とともにゲインK2も増加し、その後ある車速Vに達するとゲインK2は大きい値で一定値となる。
位置を示す値であり、下記(5)式により算出される。
XL=(L−H)/2 ・・・(5)
ここで、Lは走行車線の車線幅(走行車線をなす白線間の幅)であり、Hは車両の幅である。車線幅Lについては、撮像部13が撮像画像を処理して得ている。
また、後述のステップS6で設定する逸脱判断フラグFoutがONの場合に基準ヨーモーメントMs0を前記(4)式により算出するものとし、逸脱判断フラグFoutがOFFの場合、基準ヨーモーメントMs0を0に設定する。
ここで、推定横変位(絶対値)Xsが逸脱傾向判定用しきい値XL以上の場合(|Xs|≧XL)、車線逸脱傾向ありと判定して、逸脱判断フラグFoutをONに設定し、推定横変位Xsが逸脱傾向判定用しきい値XL未満の場合(|Xs|<XL)、車線逸脱傾向なしと判定して、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定する。
また、逸脱判断フラグFoutをONに設定可能とする条件としては、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定した後に車両が逸脱状態でない状態((|Xs|<XL)又は(|Xfront|<XL))となった場合とする。また、逸脱判断フラグFoutをONに設定可能とする条件として、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定した後、所定時間経過した後とするなどの、時間的な条件を加えることもできる。
なお、アンチスキッド制御(ABS)、トラクション制御(TCS)又はビークルダイナミックスコントロール(VDC)が作動している場合には、車線逸脱防止制御を作動させないようにするために、逸脱判断フラグFoutをOFFに設定しても良い。
変更する。また、方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)と、前記逸脱方向Doutが示す方向とが異なる場合、逸脱判断フラグFoutを維持し、逸脱判断フラグFoutをONのままにする。すなわち、車線逸脱傾向ありとの判定結果を維持する。
前記ステップS6による逸脱傾向の判定に基づけば、車両が走行車線に戻ったり、車両が運転者の意思で車線変更したりすることで、車線逸脱傾向が解消するとされており(Fout=OFF)、これにより、車線逸脱防止制御を終了、すなわち車両へのヨーモーメントの出力(付与)が終了するようになっている。
図5に示すように、制御終了判定用横変位Xendから逸脱傾向判定用しきい値XLを減算した値ls_w_LMT(=Xend−XL)が、逸脱傾向判定用しきい値XLから走行車線外側の車線逸脱防止制御の制御範囲になる。ここで、制御終了判定用横変位Xendは、実験値又は経験値である。
続いてステップS8において、目標ヨーモーメントを設定する。
このステップS8では、このようなヨーモーメントの出力形態にすることを前提として、前記ステップS5で算出した基準ヨーモーメントMs0に対するリミッタ処理をして目標ヨーモーメントMsを算出している。このようなことから、先ず、リミッタ処理するためのリミッタを既定値として設定する。
図6に示すように、基準ヨーモーメントMs0の増加側(制御始期又は制御前半の値)の増加割合を制限するリミッタとして増加側変化量リミッタLupを設定し、基準ヨーモーメントMs0の最大値(制御中盤の値)を制限するリミッタとして最大値リミッタLmaxを設定し、基準ヨーモーメントMs0の減少側(制御終期又は制御後半の値)の減少割合を制限するリミッタとして減少側変化量リミッタLdownを設定する。
逸脱防止制御の1回の処理ルーチン時間内の変化量相当になる。また、増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax、減少側変化量リミッタLdownは、経験値や実験値等に基づいて、車両が走行車線から逸脱回避するのに最低限必要なヨーモーメントをスムーズに変化させるものとして決定される。
以上のような増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax及び減少側変化量リミッタLdownを既定値として設定し、その設定した増加側変化量リミッタLup、最大値リミッタLmax及び減少側変化量リミッタLdownにより制限した基準ヨーモーメントMs0を目標ヨーモーメントMsとして算出する。
なお、増加側変化量リミッタLupが小さくなると、目標ヨーモーメントMsの増加側の傾き(増加割合)は小さくなり、減少側変化量リミッタLdownが小さくなると、目標ヨーモーメントMsの減少側の傾き(減少割合)は小さくなる。
続いてステップS9において、最終的な目標ヨーモーメントを決定(目標ヨーモーメントを補償)する。
Msa´=t/(t+s)・Msa ・・・(6)
一方、減速度ΔV及び駆動力等を基に推定可能な、車両に実際に発生している実ヨーモーメントMsbは、下記(7)式及び(8)式により得られる。
Msb=KMsb・M・Tred/2 ・・・(7)
KMsb=ΔV−(RF(V)+WFet(Trq,Gear,Trm)+SF(Slunt))/M ・・・(8)
図8に示すように、車速Vとともに、RF(V)も増加する。このような関係を基に、車速Vに対応するRF(V)を算出する。
また、WFet(Trq,Gear,Trm)については、次のように算出する。
先ず、エンジン回転数に対応するトルク値を算出して、その算出したトルク値に、スロットル開度に応じた補正係数を掛けることで、エンジン出力トルクTrqを算出する。
以上のような図9及び図10に示すような関係を基に、エンジン回転数に対応するトルク値を算出するとともに、スロットル開度に対応する補正係数を算出し、その算出したトルク値に補正係数を掛けることで、エンジン出力トルクTrq(=トルク値×補正係数)を算出する。
続いて、エンジン出力トルクTrqに対して、デフギア比Gear及びトランスミッション比Trmを掛けることで、車軸トルクpm_axle_force(=Trq×Gear×Trm)を算出する。
最後に、そのように算出した車軸トルクpm_axle_forceを用いた下記(9)式により、WFet(Trq,Gear,Trm)を算出する。
WFet(Trq,Gear,Trm)=pm_axle_force/pm_tire_force/pm_weight ・・・(9)
ここで、pm_tire_forceはタイヤ半径であり、pm_weightは車重である。
また、SF(Slunt)については、車重Wに、角度を勾配角度Sluntにより算出されるsin(Slunt)を掛けて算出する(SF(Slunt)=W×sin(Slunt))。
そして、ヨーモーメントの補償量Mscは、前述のように算出した実ヨーモーメントMsa´((6)式参照)及びMsb((7)式参照)を用いて、下記(10)式により算出される。
Msc=Msa´−Msb ・・・(10)
このように、補償量Mscは、実ヨーモーメントMsbといった実際の車両状態を示す値を基に算出される。
Ms=Ms+Msc ・・・(11)
すなわち、前記ステップS8で算出した目標ヨーモーメントMsに補償量Mscを加算した値を、最終的な目標ヨーモーメントMsにしている。これにより、フィードバック制御により、補償量Mscで補償した目標ヨーモーメントMsを得ている。
例えば、前記ステップS8で算出した目標ヨーモーメントMsa(Ms)、実ヨーモーメントMsa´及びMsb並びに補償量Mscの関係は、図11に示すようになる。
前記(10)式に示したように、ヨーモーメントの補償量Mscを実ヨーモーメントMsbを用いて得ており、この実ヨーモーメントMsbは、前記(7)式及び(8)式により得ている。前記(8)式に示すように、実ヨーモーメントMsbは、走行抵抗等を示すRF(V)及び推定駆動力を示すWFet(Trq,Gear,Trm)を変数としている。以上より、ヨーモーメントの補償量Mscは、走行抵抗等を示す要素RF(V)及び推定駆動力を示す要素WFet(Trq,Gear,Trm)の影響を受けることがわかる。
このように、走行抵抗等を示す要素RF(V)及び推定駆動力を示す要素WFet(T
rq,Gear,Trm)、すなわち、ヨーモーメントの補償量Mscは、主に外的要因によりばらつく。
図12に示すように、横加速度、操舵角、ヨーレイト又は走行路の曲率が小さい領域でばらつき度合いは低くなり、横加速度、操舵角、ヨーレイト又は走行路の曲率がある値になると、これら横加速度、操舵角、ヨーレイト又は走行路の曲率とともにばらつき度合いも高くなり、その後ある横加速度、操舵角、ヨーレイト又は走行路の曲率に達すると、ばらつき度合いは、ある高い値で一定値となる。
図13に示すように、走行高度が所定の高度以上の場合、ばらつき度合いが高くなる。
続いてステップS11において、前記ステップS10で検出したばらつき度合いに応じて補償量Mscを制限する。具体的には、ばらつき度合いに応じて変化する上限値で、補償量Mscの最大値を制限する。
図14に示すように、ばらつき度合いが低い領域で最大値は大きい値になり、ばらつき度合いがある値になると、ばらつき度合いが高くなるほど、最大値は小さくなり、その後あるばらつき度合いに達すると、最大値は、ある小さい値で一定値となる。
又は、下記(12)式によりヨーモーメントの補償量Mscの最大値を制限する。
Msc=Msc・KMsc ・・・(12)
ここで、KMscは、ばらつき度合いが大きくなるほど、小さくなるゲインである(KMsc≦1)。
図15に示すように、ばらつき度合いが低い領域でゲインKMscは大きい値になり、ばらつき度合いがある値になると、ばらつき度合いが高くなるほど、ゲインKMscは小さくなり、その後あるばらつき度合いに達すると、ゲインKMscは、ある小さい値で一定値となる。
又は、前記ステップS8で目標ヨーモーメントMsを設定したのと同様な方法により、ヨーモーメントの補償量Mscを制限することもできる。
前記(10)式によりヨーモーメントの補償量Mscが図16に示すように変化する値として得られている場合、図17に示すように、ヨーモーメントの補償量Mscの増加側(制御始期又は制御前半の値)の増加割合を制限するリミッタとして設定した増加側変化量リミッタLupMsc、ヨーモーメントの補償量Mscの最大値(制御中盤の値)を制限するリミッタとして設定した最大値リミッタLmaxMsc、及びヨーモーメントの補償量Mscの減少側(制御終期又は制御後半の値)の減少割合を制限するリミッタとして設定した減少側変化量リミッタLdownMscにより、ヨーモーメントの補償量Mscを制限する。
なお、逸脱判断フラグFoutがONの場合、車線逸脱回避制御として自車両へのヨーモーメント付与を開始するから、この自車両へのヨーモーメント付与と同時に当該警報出力がされる。しかし、警報の出力タイミングは、これに限定されるものではなく、例えば、前記ヨーモーメント付与の開始タイミングよりも早くしても良い。
続いてステップS13において、各車輪の目標制動液圧を算出する。具体的には次のように算出する。
Psfl=Psfr=Pmf ・・・(13)
Psrl=Psrr=Pmr ・・・(14)
ここで、Pmfは前輪用の制動液圧である。また、Pmrは後輪用の制動液圧であり、前後配分を考慮して前輪用の制動液圧Pmfに基づいて算出した値になる。例えば、運転者がブレーキ操作をしていれば、制動液圧Pmf,Pmrはそのブレーキ操作の操作量(マスタシリンダ液圧Pm)に応じた値になる。
ΔPsf=2・Kbf・(Ms+Msc)・FRratio)/T ・・・(15)
ΔPsr=2・Kbr・((Ms+Msc)・(1−FRratio))/T ・・・(16)
Psfl=Pmf
Psfr=Pmf+ΔPsf
Psrl=Pmr
Psrr=Pmr+ΔPsr
・・・(17)
すなわち右側の白線に対して車線逸脱傾向がある場合、下記(18)式により各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
Psfl=Pmf+ΔPsf
Psfr=Pmf
Psrl=Pmr+ΔPsr
Psrr=Pmr
・・・(18)
この(17)式及び(18)式によれば、車線逸脱回避側の車輪の制動力が大きくなるように、左右輪の制動力差が発生する。
動作は次のようになる。
車両走行中、各種データを読み込むとともに(前記ステップS1)、車速V及びヨー角φfrontを算出する(前記ステップS2、ステップS3)。続いて、推定横変位(逸脱推定値)Xsを算出し(前記ステップS4)、その算出した推定横変位Xsに基づいて車線逸脱傾向の判定(逸脱判断フラグFoutの設定)を行うとともに、その車線逸脱傾向の判定結果(逸脱判断フラグFout)を、運転者の車線変更の意思に基づいて修正する(前記ステップS6)。
作用及び効果は次のようになる。
前述のように、補償を行うことで最終的な目標ヨーモーメントMs(=Ms+Msc)を算出しており、その補償に用いる補償量Mscについては、そのばらつき度合いに応じて制限している。具体的には、ばらつき度合いが高くなるほど、補償量Mscの最大値を小さくしている。又は、ばらつき度合いが高くなるほど、ゲインを小さくして、補償量Mscの変動を抑制している(結果的に、補償量Mscが大きくなるのを抑制している)。
これにより、車両状態に応じて補償量Mscがばらつくことがあっても、ヨーモーメントの不足量となる補償量Mscが過大になってしまうのを防止でき、これにより、ヨーモーメントによる車両の押さえ感が円滑でなくなってしまうようなことを防止し、車線逸脱防止制御が運転者に違和感を与えてしまうのを防止できる。
次に第2の実施形態を説明する。
(構成)
第2の実施形態は、前記第1の実施形態と同様に、本発明に係る車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。
第2の実施形態では、ヨーモーメントの補償量Mscを制限していることに対応して、車線逸脱防止制御の終了タイミング(車線逸脱防止制御の制御動作時間)を変化させてい
る。例えば、第2の実施形態では、制駆動力コントロールユニット8で行う演算処理の処理手順について、前記図2に示す処理手順と同じであり、前記第1の実施形態と同様な処理手順になるが、前記ステップS11に続くステップS21において、車線逸脱防止制御の終了タイミングを変更する。
図21に示すように、ステップS11に続くステップS21において、車線逸脱防止制御の終了タイミングを変更する。
前記ステップS11では、前記第1の実施形態のように、上限値、ゲイン又はリミッタLupMsc、LmaxMsc及びLdownMscを用いて、ヨーモーメントの補償量Mscを制限している。このように、上限値、ゲイン又はリミッタLupMsc、LmaxMsc及びLdownMsc(特にLupMsc、LmaxMsc)を用いてヨーモーメントの補償量Mscを制限することで、該ヨーモーメントの補償量Mscは、本来のヨーモーメントの補償量Msc(前記(10)式で算出の値)よりも小さくなる。
これに対応して、先ず、前記ステップS11で制限をかけたことにより減少させた量の積分値(カット積分値)を算出する。
続いて、ステップS21において、その算出した積分値に応じて車線逸脱防止制御の終了タイミング、すなわち制御終了判定用横変位Xendを変更する。
図22に示すように、積分値が小さい領域で制御終了判定用横変位Xendは小さい値(通常用いる値)になり、積分値がある値になると、積分値とともに制御終了判定用横変位Xendも増加し、その後ある積分値に達すると、制御終了判定用横変位Xendは、ある大きい値で一定値となる。
このように、積分値が大きくなるほど、制御終了判定用横変位Xendを大きくしており、これにより、積分値が大きくなるほど、車線逸脱防止制御の終了タイミングが遅くなる方向に変更される。
動作、作用及び効果は次のようになる。
特に第2の実施形態では、目標ヨーモーメントMsを補償する補償量Mscを、補償量Mscのばらつき度合いに応じて制限しているところ、その制限により減少させた量の積分値を算出し、その算出した積分値に応じて車線逸脱防止制御の終了タイミングを変更している。具体的には、積分値が大きくなるほど、すなわち補償量Mscの制限度合いが高くなるほど、車線逸脱防止制御の終了タイミングを遅くしている。
これにより、前記第1の実施形態における効果、すなわち、ヨーモーメントによる車両の押さえ感が円滑でなくなってしまうようなことを防止し、車線逸脱防止制御が運転者に違和感を与えてしまうのを防止するといった効果を維持しつつも、車線逸脱防止制御の終
了タイミングを延期することで、所定の制御量(ヨーモーメントの積分値)を確保して、車両の逸脱を確実に防止できるようにしている。
なお、前記第2の実施形態を次のような構成により実現することもできる。
次に第3の実施形態を説明する。
(構成)
第3の実施形態は、前記第1の実施形態等と同様に、本発明に係る車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。
第3の実施形態では、補償量Mscをオフセット補正している。例えば、第3の実施形態では、制駆動力コントロールユニット8で行う演算処理の処理手順について、前記図2に示す処理手順と同じであり、前記第1の実施形態と同様な処理手順になるが、前記ステップS9に続くステップS31において、補償量Mscをオフセット補正する。
図24に示すように、ステップS9に続くステップS31において、補償量Mscをオフセット補正する。
前述のように、補償量Mscを実ヨーモーメントMsbを用いて得ており(前記(10)式参照)、実ヨーモーメントMsbについては、前記(7)式により得ている。そして、実ヨーモーメントMsbは、KMsbを用いて算出されるものであり(前記(8)式参照)、車線逸脱防止制御を動作させていない場合(車線逸脱防止制御動作前)には、零になる。
このような関係を基に、車線逸脱防止制御動作前に、KMsbを用いて算出した実ヨーモーメントMsbが零以外のある値Msboffを示すような場合には、車線逸脱防止制御動作後に、実ヨーモーメントMsbからその値Msboffを減算することで、補償量Mscのオフセット補正をする。
なお、以上の処理は、車線逸脱防止制御動作前であっても、KMsbや実ヨーモーメントMsbを逐次算出していることが前提となる。
動作、作用及び効果は次のようになる。
特に第3の実施形態では、車線逸脱防止制御動作前の値を基に、補償量Mscのオフセット補正をしている。
図25はヨーモーメントの変化を示す。
図25に示すように、目標ヨーモーメントMsa等が算出されていない車線逸脱防止制御前に、補償量Mscの算出に用いる実ヨーモーメントMsbをみた場合に、実ヨーモーメントMsbが零以外のある値を示す場合がある。このような場合には、車線逸脱防止制御動作前に、KMsbを用いて算出した実ヨーモーメントMsbである値Msboffを、車線逸脱防止制御動作後に、実ヨーモーメントMsbから減算して、補償量Mscのオフセット補正をする。
なお、横加速度、操舵角、ヨーレイト及び走行路の曲率等から求められるばらつき度合い(前記図12等)が所定値以下である場合の値Msboffを用いることで、補償量Mscのオフセット補正をすることもできる。すなわち、ばらつき度合いが所定値以下である場合にのみ、補償量Mscのオフセット補正を実現する値Msboffを更新する(図25参照)。
すなわち、前記実施形態では、走行抵抗等や推定駆動力、詳しくは横加速度、操舵角、ヨーレイト及び走行路の曲率等に基づいてばらつき度合いを算出している。しかし、これに限定されるものではない。例えば、パワーステアリングの動作状態に基づいてばらつき度合いを算出することもできる。パワーステアリングシステムでは、操舵に応じて油圧パワステポンプを駆動しており、この結果、油圧パワステポンプの駆動ロスが、ヨーモーメントに影響を及ぼすものとなるので、パワーステアリングの動作状態に応じて補償量Mscのばらつき度合いを算出することもできる。
また、ばらつき度合いと、該ばらつき度合いに応じて変更する値、例えばゲインKMscとの関係におけるヒステリシスを考慮して、補償量Mscの制限(補正)を実施するようにすることもできる。例えば、図26に示すように、本来であれば、ばらつき度合いに応じてゲインKMscを変更しなければならない場合(減少させる場合)でも、ゲインKMscが所定値以上にならないと、ゲインKMscを変更しないようにする。
Claims (9)
- 走行車線に対する車両の逸脱傾向を判定する車線逸脱傾向判定手段と、
前記車線逸脱傾向判定手段が逸脱傾向が高いと判定した場合、車線逸脱防止制御として車両に付与するヨーモーメントを該逸脱傾向の度合いに応じて算出するヨーモーメント算出手段と、
車両状態を基に、前記ヨーモーメント算出手段が算出したヨーモーメントを補償する補償値を算出する補償値算出手段と、
前記補償値算出手段が算出した補償値により補償されたヨーモーメントが車両に付与されるように車線逸脱防止制御を行う制御手段と、
前記補償値算出手段が算出する補償値のばらつき度合いを推定するばらつき度合い推定手段と、
前記ばらつき度合い推定手段が推定するばらつき度合いが高くなるほど、前記補償値算出手段が算出する補償値の制限をする度合いを高くする制限手段と、
を備えることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 前記制御手段は、前記制限手段による補償量の制限度合いが高くなるほど、車両へのヨーモーメントの付与時間を長くすることを特徴とする請求項1に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記制限手段は、前記補償値の上限値を制限することを特徴とする請求項1又は2に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記制限手段は、前記補償値のゲインを小さくすることで、前記補償値の制限をすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記制限手段は、前記補償値の変化割合を制限することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記車線逸脱防止制御の動作前に得たオフセット用の値に基づいて、車線逸脱防止制御の動作中の前記補償値をオフセット補正するオフセット補正手段を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
- 発明者原稿の実施例
前記車線逸脱防止制御の動作前に前記補償値算出手段が算出する補償値のばらつき度合いが所定のしきい値以下の場合に、前記オフセット用の値を取得することを特徴とする請求項6に記載の車線逸脱防止装置。 - 前記ばらつき度合い推定手段は、車両の走行状態及び車両がおかれている外部環境の状態のうちの少なくとも一方に基づいて、補償値のばらつき度合いを推定することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記ばらつき度合い推定手段は、車両の横加速度、操舵角、ヨーレイト、走行路の曲率、ヨージャーク、走行高度及び外気温度のうちの少なくとも一の値に基づいて、補償値のばらつき度合いを推定することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
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