JP2009006791A - 運転姿勢調整装置 - Google Patents

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Yukihiro Moriyama
幸宏 守山
Toshihiko Tomita
俊彦 富田
Tomonori Otsubo
智範 大坪
Kiyonori Umezaki
幾世紀 梅崎
Makoto Tarusawa
誠 樽澤
Terumi Akazawa
輝美 赤澤
Nobutaka Umeda
信貴 梅田
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Abstract

【課題】運転席からなる乗員用シートに着座した運転者の着座姿勢を容易かつ適正に調整することができるとともに、その設置作業等を容易に行うことできるようにする。
【解決手段】乗員用シート1のシートクッション部1aを前後移動させてその前後位置を調整するシート位置調整機構2と、上記乗員用シート1に着座した運転者が操作ペダル3を踏み込む際に足の踵部が載置される可動フロア部5を昇降駆動するフロア昇降機構6とを備えた運転姿勢調整装置であって、上記シート位置調整機構2によりシートクッション部1aを前後移動させる駆動力を車体の前方側に伝達する第1伝達ケーブルと、この第1伝達ケーブルを介して伝達された駆動力を上記フロア昇降機構6の駆動部に伝達して可動フロア部を上昇させる第2伝達ケーブルと、上記第1伝達ケーブルを第2伝達ケーブルに係脱可能に連結する連結部材とを設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、運転席からなる乗員用シートのシートクッション部を前後移動させてその前後位置を調整するシート位置調整機構と、上記乗員用シートに着座した運転者が操作ペダルを踏み込む際に足の踵部が載置される可動フロア部を昇降駆動するフロア昇降機構とを備えた運転姿勢調整装置に関するものである。
従来、例えば下記特許文献1に示されるように、乗員用シートの前後位置を調整するシート位置調整手段と、乗員用シートの前方に設けられた可動フロアの昇降駆動部とを備えた自動車の着座姿勢調整装置において、上記シート位置調整手段の駆動モータを車体側に配設するとともに、この駆動モータの回転力をトルクケーブルからなる伝達ケーブルによって上記可動フロアの昇降駆動部に伝達し、上記シート位置調整手段を使用したシート位置の調整動作に対応させて可動フロアを昇降変位させることにより、乗員の着座姿勢を運転動作に適するように調整することが行われている。
特開2006−248447号公報
上記特許文献1に開示された自動車の着座姿勢調整装置では、シート位置調整手段に設けられた駆動モータの回転力を上記可動フロアの昇降駆動部に伝達する伝達ケーブルを設け、乗員用シートに着座する乗員がその体格に対応させて上記シート位置調整手段により乗員用シートの前後位置を調整する際に、この動作に連動して足の踵部が載置される可動フロアを昇降変位させるように構成されているため、運転席に着座した運転者が操作ペダルを容易かつ適正に踏み込み得るように、上記可動フロアの設置高さを調整できるという利点がある。
しかし、上記シート位置調整手段に設けられた駆動モータの駆動力を上記トルクケーブルにより可動フロアの昇降駆動部に伝達するように構成した場合には、上記トルクケーブルを介してシート位置調整手段と可動フロアの昇降駆動部とを予め連結した状態で車室内に搬入してその設置作業を行い、あるいは上記シート位置調節手段および可動フロアの昇降駆動部をそれぞれ別々に車室内へ搭載した後、上記トルクケーブルを配策してシート位置調整手段の駆動モータにより回転駆動される回転駆動部と、可動フロアの昇降駆動部とをトルクケーブルで連結するという煩雑な作業を行う必要があった。
すなわち、上記シート位置調整手段は、シートクッションおよびシートバックを備えた乗員用シートと、この乗員用シートのシートクッションをスライド自在に支持するシートスライドレールとが一体に組み込まれてなる大型の装置である。このため、上記シート位置調整手段に上記トルクケーブル 介して可動フロア機構が一体に連結されている場合には、これらを同時に車体の側面開口部等からなる車室内に搬入して設置しなければならず、その際にトルクケーブルが邪魔になって上記搬入作業および設置作業を容易に行うことができないという問題がある。
また、上記シート位置調節手段と可動フロアの昇降駆動部とをそれぞれ別々に車室内へ搭載した後、上記トルクケーブルを配策するように構成した場合には、上記乗員用シートおよび可動フロアの下方部等に位置する限られたスペース内において、上記シート位置調整手段の回転駆動部と、可動フロアの昇降駆動部とをトルクケーブルによって連結する必要があり、この作業が繁雑であるという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑み、運転席からなる乗員用シートに着座した運転者の着座姿勢を容易かつ適正に調整することができるとともに、その設置作業等を容易に行うことできる運転姿勢調整装置を提供するものである。
請求項1に係る発明は、運転席からなる乗員用シートのシートクッション部を前後移動させてその前後位置を調整するシート位置調整機構と、上記乗員用シートに着座した運転者が操作ペダルを踏み込む際に足の踵部が載置される可動フロア部を昇降駆動するフロア昇降機構とを備えた運転姿勢調整装置であって、上記シート位置調整機構によりシートクッション部を前後移動させる駆動力を車体の前方側に伝達する第1伝達ケーブルと、この第1伝達ケーブルを介して伝達された駆動力を上記フロア昇降機構の駆動部に伝達して可動フロア部を上昇させる第2伝達ケーブルとを備え、上記第1伝達ケーブルと第2伝達ケーブルとが連結部材により係脱可能に連結されたものである。
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の運転姿勢調整装置において、上記第1伝達ケーブルおよび第2伝達ケーブルが、シート位置調整機構によりシートクッション部を前後移動させる駆動力を牽引力としてフロア昇降機構の駆動部に伝達するプルケーブルにより構成されたものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項2に記載の運転姿勢調整装置において、上記シート位置調整機構によりクッション部を前方移動させる駆動力を減速してフロア昇降機構の駆動部に伝達する減速機構が、上記第1伝達ケーブルの設置部に配設されたものである。
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の運転姿勢調整装置において、上記乗員用シートの設置部に配設されて車幅方向に延びるクロスメンバが車体フロア上に設置されるとともに、上記クロスメンバに沿って連結部材が配設されたものである。
請求項5に係る発明は、上記請求項請求項1〜4の何れか1項に記載の運転姿勢調整装置において、上記第1伝達ケーブルおよび第2伝達ケーブルからなる伝達ケーブルに付与されたテンションを調整する調整機構を備えたものである。
上記請求項1に係る発明では、上記乗員用シートとともにシート位置調節機構を車室内に搬入して設置する作業と、フロア昇降機構を設置する作業とを別々に行った後、上記連結部材を介して第1伝達ケーブルと第2伝達ケーブルとを連結することにより、シート位置調整機構の駆動力を上記フロア昇降機構の駆動部に伝達することが可能となる。したがって、乗員用シートに着座する乗員が、例えば高身長者から女性ドライバーからなる低身長者に乗り代わる等により、上記シート位置調整機構を使用して乗員用シートを車体の前方側に移動させた場合に、その駆動力が上記第1,第2伝達ケーブルを介してフロア昇降機構の駆動部に伝達され、このフロア昇降機構より上記可動フロア部が引き上げられるため、高身長者に比べて足裏長さが短い傾向にある低身長者が上記操作ペダルに足を載せてこれを適正に踏み込むことができるように、上記可動フロア部の設置高さを自動的に調整できるという利点がある。
上記請求項2に係る発明では、シート位置調整機構によりシートクッション部を前後移動させる駆動力を牽引力としてフロア昇降機構の駆動部に伝達する第1,第2伝達ケーブルをプルケーブルにより構成したため、このプルケーブルからなる上記第1,第2伝達ケーブルを大きく屈曲させた場合においても、動力の伝達機能が適性に維持されるとともに、レイアウトの自由度が制限されることなく限られたスペース内において任意に配策できるという利点がある。しかも、上記第1,第2伝達ケーブルとしてトルクケーブルを使用した場合のように、第1伝達ケーブルと第2伝達ケーブルとを連結する連結部材の構造が複雑になるのを防止できるとともに、駆動力の伝達遅れが生じることもないので、上記乗員の足裏長に応じて可動フロア部の設置高さを、簡単な構成で迅速かつ適正に調整できるという利点がある。
上記請求項3に係る発明では、シートクッション部の前方移動時に、減速機構により上記シート位置調整機構の駆動力を低減してフロア昇降機構に伝達するように構成したため、上記シート位置調整機構の駆動源として大型の駆動モータ等を用いることなく、可動フロア部をスムーズに昇降変位させることができるとともに、シートクッション部の前後ストロークと可動フロア部の昇降ストロークとを適正に一致させることができる。しかも、上記減速機構の下流側に連結部材を配設したため、この連結部材の設置部における上記第2伝達ケーブルの移動ストロークを小さくして上記連結部材の設置スペースをコンパクト化できるという利点がある。
上記請求項4に係る発明では、乗員用シートの設置部に配設されて車幅方向に延びるクロスメンバに沿って上記連結部材を配設したため、この連結部材の全長が比較的大きい場合でも、上記クロスメンバ等により邪魔されることなく上記連結部材を容易かつ適正に配設できるという利点がある。
上記請求項5に係る発明では、第1伝達ケーブルおよび第2伝達ケーブルからなる伝達ケーブルに付与されたテンションを調整する調整機構を設けたため、上記伝達ケーブルに弛みか生じることに起因したがたつきの発生を防止し、上記伝達ケーブルに入力された駆動力をフロア昇降機構の駆動部に適正に伝達できる等の利点がある。
図1は、本発明に係る運転姿勢調整装置の実施形態を示している。この運転姿勢調整装置は、運転席等からなる乗員用シート1のシートクッション部1aを前後移動させてその前後位置を調整するシート位置調整機構2と、上記乗員用シート1に着座した運転者が、アクセルペダルまたはブレーキペダル等からなる操作ペダル3を踏み込む際に足の踵部が載置されるフロア部材、つまり上記乗員用シート1に着座した運転者の足元部に位置する車体フロア4の上面を覆うように設置された可動フロア部5を昇降駆動するフロア昇降機構6とを備えている。
上記車体フロア4は、エンジンルームと車室とを区画するダッシュパネル7の下端部から後下がりの傾斜状態で車体の後方側に延びるキックアップ部8と、その後端部に連続して車体の後方側に延びる略平坦なフロア底部9とを有している。上記車体フロア4の上面には、遮音および断熱機能等を有するフェルト材またはグラスウール等からなるインシュレータと、その上面を被覆するカーペット材等からなる表層材とを備えた従来周知のフロアトリム材(図示せず)が設置されている。
図2に示すように、上記車体フロア4の中央部には、車体の前後方向に延びるフロアトンネル部10が形成されている。このフロアトンネル部10と、車室の側辺部に沿って前後方向に延びるように設置されたサイドシル(図示せず)と、上記乗員用シート1の前端部を支持するために車幅方向に延びるように設置されたクロスメンバ11と、上記車体フロア4のキックアップ部8とにより区画されたフロア底部9上には、上記可動フロア部5の左右両側辺部を支持する左右一対のフロア支持部材12,13が設置されている。
このフロア支持部材12,13は、上記フロア底部9の左右両側辺部から略鉛直に起立する壁面部を備え、この壁面部の前後端部には、それぞれ同一角度、例えば上記キックアップ部8の傾斜角度に対応した角度で前上がりに傾斜したガイド溝14が形成されている。上記フロア支持部材12,13の内側面部には、ガイド溝14に対応する切欠きを有する補強板15が取り付けられるとともに、その外側面部には、上記ガイド溝14に対応した切欠きが底部に形成された断面コ字状のチャンネル材からなるガイド部材16が取り付けられている。また、上記フロア支持部材12,13の後端部には、クロスメンバ11の上面等に固定される固定ブラケット12a,13aが一体に設けられている。
上記可動フロア部5は、図3および図4に示すように、乗員の踵部が載置される載置面を構成する平板状のボード部材18と、このボード部材18を昇降可能に支持するベース部材19とにより構成されている。このベース部材19は、棒状体がコ字状に折曲げられることにより形成された外周フレーム材20と、その左右両側辺部を互いに連結する前後一対のプレート材からなる連結部材22a,22bと、上記外周フレーム材20上に設置されて固定される外枠体23とを有し、この外枠体23および連結部材22a,22b上に上記ボード部材18が載置されてビス止め等の手段で係止されている。
また、上記外周フレーム材20には、その前部下面に沿って車幅方向に延びるスライド軸24が溶接される等により固定されるとともに、外周フレーム材20の後端部同士を連結するように車幅方向に延びるスライド軸25が溶接される等により固定されている。このスライド軸24,25は、その左右両端部が上記外周フレーム材20の側方に突出し、この突出部が上記フロア支持部材12,13のガイド溝14に挿通されることによりそれぞれスライド自在に支持されるようになっている。
上記両スライド軸24,25のうち車体の前方側に位置するスライド軸24の左右には、引張ばね等からなる付勢手段26の前端部が係止されているとともに、この付勢手段26の後端部がフロア底部9に設けられた係止用突片9a等からなる車体側部材に係止されている。この付勢手段26は、上記スライド軸24を斜め下方に引っ張ることにより、上記ガイド溝14に沿ってスライド軸24を後部下方側に付勢するように構成されている。また、上記付勢手段26には、伸縮時における騒音の発生を抑制するための合成樹脂製チューブ材27が外周部を覆うように装着されている。
上記両スライド軸24,25のうち車体の後方側に位置するスライド軸25の左右両端部には、図5および図6に示すように、左右一対の第2伝達ケーブル29,30の先端部に設けられたケーブル端リング31,32が、それぞれ鍔付きねじ等からなる係止部材33およびスペーサ34を介して係止されている。そして、上記シート位置調整機構2によりシートクッション部1aを車体の前方側に移動させる際に、後述の第1伝達ケーブル28を介して上記第2伝達ケーブル29,30に入力された駆動力が上記スライド軸25に牽引力として伝達されるように構成されている。
上記第2伝達ケーブル29,30は、可撓性を有するチューブ材からなるアウタケーシング29a,30aと、このアウタケーシング29a,30aにより摺動自在に支持されたインナワイヤ29b,30bとを有している。そして、上記第2伝達ケーブル29,30のインナワイヤ29b,30bが、アウタケーシング29a,30aに沿って摺動することにより、上記シート位置調整機構2から第1伝達ケーブル28を介して入力された駆動力が上記第2伝達ケーブル29,30のインナワイヤ29b,30bを介してスライド軸25の左右両端部に伝達されるようになっている。
上記フロア支持部材12,13の上部後方には、第2伝達ケーブル29,30のアウタケーシング29a,30aの先端部(前端部)が係止される係止部35が設けられるとともに、上記アウタケーシング29a,30aの先端部から導出されたインナワイヤ29b,30bが巻回される案内プーリ36が、上記ガイド部材16の上部前方側に設けられた支持軸36aを支点に回転自在に支持されている。
そして、上記第2伝達ケーブル29,30のインナワイヤ29b,30bが、案内プーリ36の下方から上部後方側に導出されるとともに、180°以上に亘って案内プーリ36に巻回されることにより、上記ガイド部材16の上端部から下方に向けてインナワイヤ29b,30bの先端部(ケーブル端リング31,32)が案内されるようになっている。また、上記ガイド部材16と案内プーリ36との間には、ガイド部材16と交差して案内プーリ36の下方部に案内された上記第2伝達ケーブル29,30のインナワイヤ29b,30bの設置位置を規制することにより、このインナワイヤ29b,30bの設置高さを、案内プーリ36の設置高さに一致させるための規制部37が設けられている。
上記構成において、乗員用シート1のシートクッション部1aが車体の最後方部に位置した状態では、上記スライド軸24,25を下方に付勢する上記付勢手段26の付勢力および可動フロア部5の自重等に応じ、図7に示すように、可動フロア部5が最下方位置に係止されている。この状態から、後述するように乗員用シート1のシートクッション部1aを車体の前方側に移動させる操作が行われると、その駆動力が上記第1伝達ケーブル28および第2伝達ケーブル29,30を介して上記スライド軸25の左右両端部に伝達され、このスライド軸25が、図4に示すようにガイド溝14に沿って斜め上方に引き上げられるとともに、これに対応して上記可動フロア部5が前進しつつ上昇することになる。
上記第1伝達ケーブル28の先端部(前端部)は、図2および図5に示すように、上記クロスメンバ11の背面に沿って車幅方向に延びるように設置されるとともに、このクロスメンバ11には、上記第1伝達ケーブル28と第2伝達ケーブル28,29とを係脱可能に連結するための連結部材38が設けられている。この連結部材38は、図8に示すように、開閉可能に連結された一対の半筒状体からなる筒状ケーシング39と、この筒状ケーシング39内に配設された摺動体40とを有し、上記筒状ケーシング39の両端部に上記第1伝達ケーブル28のアウタケーシング28aと第2伝達ケーブル29,30のアウタケーシング29a,30aとが係脱可能に連結されるように構成されている。
すなわち、上記筒状ケーシング39を開放した状態で、第1伝達ケーブル28のインナワイヤ28bの端部に設けられた端末金具28cが上記摺動体40の一端部に係止されるとともに、上記第2伝達ケーブル29,30のインナワイヤ29b,30bの端部に設けられた端末金具29c,30cが摺動体40の他端部に係止されることにより、この摺動体40を介して上記第1伝達ケーブル28のインナワイヤ28bと第2伝達ケーブル29,30のインナワイヤ29b,30bとが一体に連結されるようになっている。そして、上記第1伝達ケーブル28のインナワイヤ28bに牽引力が作用すると、図8の矢印に示すように、上記摺動体40が筒状ケーシング39に沿ってその一端部側に摺動することにより、上記第2伝達ケーブル29,30のインナワイヤ29b,30bをアウタケーシング29a,30aの基端部から引き出す方向の牽引力が作用し、この牽引力が上記第2伝達ケーブル29,30を介してフロア昇降機構6の駆動部(スライド軸25)に伝達されるように構成されている。
上記乗員用シート1の設置部に位置する車体フロア4および上記クロスメンバ11上には、図9〜図11に示すように、シートクッション部1aを前後移動可能に支持する左右一対のシートスライドロアレール41が設置されるとともに、このシートスライドロアレール41に沿ってシートスライドアッパレール42がスライド変位可能に支持されている。上記シートスライドロアレール41は、上面が開口したC型鋼等からなり、その前後両端部には、取付ブラケット43,44が溶接される等により一体に接合されている。そして、上記取付ブラケット43,44が、クロスメンバ11の上面等に締結ボルト等を介して固定されることにより、上記シートスライドロアレール41がやや前上がりに傾斜した状態でフロア底部9上に設置されている。
上記左右のシートスライドロアレール41内には、図11に示すように、ねじ軸からなる回転軸45が回転自在に設置されるとともに、上記左右のシートスライドアッパレール42の前端部間には、駆動モータ46により回転駆動される駆動軸47およびこれを回転可能に支持する支持部材48が車幅方向に延びるように設置されている。また、上記駆動軸47の左右両端部には、その駆動力を上記回転軸45に伝達するベベルギア機構またはウォームホイールギア等からなる動力伝達部49が設けられている。
上記シートスライドロアレール41、シートスライドアッパレール42、回転軸45、駆動モータ46、駆動軸47および動力伝達部49と、シートスライドロアレール41の底部に固定されて上記回転軸45が螺合するナットブロック41aとにより、上記シートスライドアッパレール42をシートスライドロアレール41に沿ってスライド変位させるとともに、上記乗員用シート1のシートクッション部1aを前後移動させてその前後位置を調整するシート位置調整機構2が構成されている。
すなわち、図外の前進スイッチが操作されることにより、上記駆動モータ46を正転させる制御信号が出力され、この制御信号に応じて駆動モータ46が正回転すると、上記シートクッション部1aを前進させる方向の駆動力が上記駆動軸47、動力伝達部49および回転軸45に伝達される。この回転軸45は、上記シートスライドロアレール41の底部に固定されたナットブロック41aによって支持された状態で、上記動力伝達部49から入力された駆動力により回転駆動されて車体の前方側に螺進することにより、上記シートスライドアッパレール42とともに乗員用シート1のシートクッション部1aが車体の前方側に駆動される。
一方、図外の後退スイッチが操作されることにより、上記駆動モータ46を逆回転させる制御信号が出力され、この制御信号に応じて駆動モータ46が逆転すると、上記シートクッション部1aを後退させる方向の駆動力が上記駆動軸47、動力伝達部49および回転軸45に伝達され、この回転軸45が逆転駆動されて車体の後方側に螺進することにより、上記シートスライドアッパレール42および乗員用シート1のシートクッション部1aが車体の後方側に駆動されるようになっている。
また、上記シートスライドアッパレール42には、乗員用シート1のシートクッション部1aを昇降変位させるシート昇降機構50が設けられている。このシート昇降機構50は、図9および図10に示すように、シートクッション部1aの左右両側辺部に設けられたクッションフレーム51と、シートスライドアッパレール42の前部上面に設置されて上記クッションフレーム51の前端部を支持する前部ブラケット52および前部リンク53と、シートスライドアッパレール42の後部上面に設置されて上記クッションフレーム51の後方部を支持する後部ブラケット54および三角形状の後部リンク55と、左右の後部リンク55の後端部同士および上記両クッションフレーム51の後方下端部同士を連結する連結軸56と、シートスライドアッパレール42の中央部上面に設置されて上記後部リンク55に駆動力を伝達する中央リンク57およびこれを支持する中央ブラケット58と、上記中央リンク57の上部を上記後部リンク55の前端部に連結する連結リンク59と、下記駆動軸60、駆動レバー61および昇降駆動部62とを有している。
上記中央リンク57は、その下端部が車幅方向に延びる駆動軸60に固定されるとともに、この駆動軸60を介して上記中央ブラケット58に回動自在に支持されている。上記駆動軸60には、この駆動軸60を回動変位させる駆動レバー61が固定されている。また、左右一対のシートスライドアッパレール42の一方(車幅方向に外方側)に設けられた上記中央ブラケット58には、駆動軸60に固定された上記駆動レバー61を駆動する昇降駆動部62が設けられている。
上記昇降駆動部62は、図12および図13に示すように、前端部が連結ピン63を介して上記駆動レバー61の先端部(下端部)に連結されたねじ軸64と、このねじ軸64を回転駆動する駆動モータ65およびギア機構66と、このギア機構66の前面に固着されたガイドブラケット67とを有し、このガイドブラケット67の基端部が支持ブラケット68を介して上記中央ブラケット58に支持されている。また、上記ギア機構66には、駆動モータ65の出力軸65aに固着されたウォームギア69と、このウォームギア69により回転駆動されるウォームナット70とが配設され、このウォームナット70には、上記ねじ軸64に螺合するねじ孔が形成されている。
そして、上記駆動モータ65からウォームギア69を介して入力される駆動力により上記ウォームナット70が回転駆動されるのに応じ、このウォームナット70に螺合した上記ねじ軸64が回転してねじ送りされるようになっている。このねじ軸64がねじ送りされるのに応じ、その先端部に設けられた上記連結ピン63が、ガイドブラケット67に形成された支持溝71に沿って前後移動し、その駆動力が連結ピン63を介して上記駆動レバー61に伝達されることにより、この駆動レバー61が揺動変位して上記駆動軸60が回動駆動される。
また、上記駆動軸60が回動駆動されるのに応じて上記中央リンク57が揺動変位するとともに、その駆動力が連結リンク59を介して上記後部リンク55に伝達され、この後部リンク55が揺動変位するとともに、これに対応して前部リンク53が揺動変位することにより、シートクッション部1aが昇降駆動されるように構成されている。すなわち、乗員用シート1のシートクッション部1aが車体の後方側に位置した状態では、図9に示すように、上記前部リンク53および中央リンク57が後傾した状態となるとともに、後部リンク55の後端部に設けられた連結軸56が下方に位置した状態となることにより、シートクッション部1aの座面が下方に位置した状態に保持されている。
上記構成において、車体の後方部に位置する乗員用シート1のシートクッション部1aがシート位置調整機構2により車体の前方側に駆動されると、これに対応して上記シート昇降機構50の駆動モータ65を正転駆動する制御信号が図外の制御手段から出力され、この駆動モータ65の正転駆動力が上記ギア機構66、ねじ軸64、連結ピン63、駆動レバー61および駆動軸60を介して中央リンク57に伝達され、この中央リンク57が、上記後傾状態から図13に示すように起立状態に移行する。そして、上記中央リンク57が起立状態に移行するのに応じ、その駆動力が連結リンク59を介して後部リンク55に伝達され、この後部リンク55の前端部が車体の前方側に引っ張られることにより、後部リンク55の後端部に設けられた上記連結軸56が上昇するとともに、これに応じてシートクッション部1aの後端部が押し上げられるように駆動される。
また、上記後部リンク55の揺動変位に連動して前部リンク53が後傾状態から起立状態に移行するため、これに応じてシートクッション部1aの前端部が押し上げられつつ前方に移動するように駆動され、このシートクッション部1aが上記下方位置から図14に示す上方位置に変位する。さらに、この実施形態では、上記シートクッション部1aの前端部の上方移動量に比べて後端部の上方移動量が大きく設定されることにより、上記シートクッション部1aの上方移動に応じてその座面の傾斜角度が次第に小さくなるように構成されている。
上記乗員用シート1のシートスライドロアレール41には、図15〜図17に示すように、上記シート位置調整機構2により乗員用シート1のシートクッション部1aを車体の前方側へ移動させる際に、その駆動力を、上記フロア昇降機構6の設置部からクロスメンバ11を経てその後方側に導出された上記第1伝達ケーブル28の牽引力として取り出すケーブル牽引機構72が設けられるとともに、このケーブル牽引機構72には、上記第1伝達ケーブル28の牽引ストロークを低減して上記フロア昇降機構6の駆動部(スライド軸25)に伝達する後述の減速機構と、上記第1伝達ケーブル28の弛みを除去して所定のテンションをインナワイヤ28bに付与するとともに上記可動フロア部5の設置高さを手動操作で微調整する後述の調整機構89とが設けられている。
上記ケーブル牽引機構72は、シートスライドロアレール41に固定された前後一対の取付ブラケット73と、この取付ブラケット73に前後両端部が固定されてシートスライドロアレール41の側方部に立設された支持プレート74と、この支持プレート74の後端部に突設された支持軸75と、この支持軸75によって回転可能に枢支された大径プーリ76と、この大径プーリ76と一体に回転するように連結された小径プーリ77とを有し、上記支持プレート74の前端部には、第1伝達ケーブル28のアウタケーシング28aの基端部(後端部)が係止される係止部78が設けられている。この係止部78に係止されたアウタケーシング28aの基端部から車体の後方側に向けてインナワイヤ28bが導出されるとともに、このインナワイヤ28bが上記小径プーリ77に巻回され、かつ上記インナワイヤ28bの基端部に設けられた端末金具28cが上記小径プーリ77の外周部に係止されるようになっている。
また、上記大径プーリ76には、駆動ワイヤ79が巻回されるとともに、その一端部に設けられたT型エンド金具79aが大径プーリ76の外周部に係止されている。上記駆動ワイヤ79の他端部は、支持プレート74の上面に取り付けられた断面C形鋼等からなるガイド部材80内に導入されることにより、車体の前方側に延びるように設置されている。上記ガイド部材80内には、スライドブロック81が配設されてスライド自在に支持されている。このスライドブロック81には、上記シートスライドアッパレール42の上面に取り付けられた上記中央ブラケット58から側方に向けて突設された駆動ピン83が嵌入される係合孔81aが形成されるとともに、上記駆動ワイヤ79の他端部に設けられたT型エンド金具79bが係止される係止孔が形成されている。
そして、上記スライドブロック81の係合孔81aにシートスライドアッパレール42の駆動ピン83が嵌入されることにより、第1伝達ケーブル28の基端部が、上記駆動ワイヤ79、駆動ピン83およびシートスライドアッパレール42等を介してシートクッション部1aに連結されている。そして、このシートクッション部1aの前方移動時に、その駆動力が、上記第1伝達ケーブル28のインナワイヤ28bを車体の後方側に引っ張る牽引力として取り出されるとともに、その牽引ストロークが上記大径プーリ76および小径プーリ77を備えた減速機構により低減されて上記フロア昇降機構6の駆動部(スライド軸25)に伝達されるように構成されている。
すなわち、上記シート位置調整機構2によりシートクッション部1aが車体の前方側に移動すると、これに対応して上記スライドブロック81がガイド部材80に沿って車体の前方側に移動するとともに、上記駆動ワイヤ79の他端部(T型エンド金具79b)が車体の前方側に引っ張られて上記大径プーリ76が図15の反時計方向(矢印α方向)に回転駆動される。この大径プーリ76が回転すると、上記小径プーリ77も同角度だけ回転するため、両プーリ76,77の径比に応じた減速率で上記駆動ワイヤ79の牽引ストロークが低減されて上記第1伝達ケーブル28のインナワイヤ28bに伝達される。これにより上記第1伝達ケーブル28のアウタケーシング28aからインナワイヤ28bを車体の後方側に引き出す方向(矢印β方向)の牽引力が作用し、この牽引力が上記連結部材38および第2伝達ケーブル29,30を介してフロア昇降機構6のスライド軸25からなる駆動部に伝達され、スライド軸24,25が上記ガイド溝14に沿って斜め上方にスライド変位することにより、可動フロア部5が上昇駆動されるようになっている。
一方、上記調整機構89は、支持プレート74の内壁面部に設けられたラチェット装置等からなる保持手段84と、この保持手段84の駆動部に嵌着される駆動軸85aを有する操作レバー85と、この操作レバー85の駆動軸85aに着脱可能に係止される揺動アーム86と、この揺動アーム86の先端部に支持されたダンサープーリ87と、上記揺動アーム86等の設置部を覆う保護カバー88とを有している。この保護カバー88に、第1伝達ケーブル28のインナワイヤ28b、操作レバー85および揺動アーム86等が一体に組み込まれた状態で、上記操作レバー85の駆動軸85aが上記保持手段84の駆動部に嵌着されている。
また、上記ダンサープーリ87を介して車体の後方側に導出されたインナワイヤ28bの基端部に設けられた端末金具28cが上記小径プーリ77の外周部に係止され、かつ上記保護カバー88が支持プレート74の外壁面にビス止めされる等により、上記伝達ケーブル28および駆動ワイヤ79と、上記大径プーリ76および小径プーリ77を備えたケーブル牽引機構72とを介して、フロア昇降機構6のスライド軸25が上記シートクッション部1aに接続されている。
上記調整機構89を使用して伝達ケーブル28の弛みを除去することにより所定のテンションをインナワイヤ28bに付与する際には、図15および図16の矢印γに示すように、上記操作レバー85の先端部を下降させる方向に揺動操作して上記ダンサープーリ87を上昇させる方向に揺動アーム86を揺動変位させるとともに、この操作レバー85の揺動角度を上記ラチェット装置等からなる保持手段84によって保持する。これにより上記ダンサープーリ87を介して伝達ケーブル28のインナワイヤ28bが所定位置に押し上げられた状態に保持され、この押上力に応じたテンションが上記インナワイヤ28bに付与されることになる。
さらに、上記ダンサープーリ87を上昇させる方向に操作レバー85を揺動操作すると、上記アウタケーシング28aの後端部からインナワイヤ28bを車体の後方側に引き出す方向の駆動力が作用し、この駆動力が、上記スライド軸25からなるフロア昇降機構6の駆動部に伝達されることにより、可動フロア部5が上昇駆動されてその設置高さが手動操作で微調整される。すなわち、上記第1伝達ケーブル28のインナワイヤ28bから連結部材38および第2伝達ケーブル29,30を介して上記スライド軸25に入力された駆動力に応じ、このスライド軸25が上記ガイド溝14に沿って引き上げられることにより、上記可動フロア部5が斜め上方に移動してその設置高さが微調整されるようになっている。
なお、上記調整機構89を介して伝達ケーブル28に付与されたテンションを低減し、あるいは可動フロア部5を下降させる方向にその設置高さを手動操作で微調整する際には、図外の保持解除レバーを操作して上記保持手段84による揺動アーム86の保持力を解除する。これにより、上記ダンサープーリ87によるインナワイヤ28bの押上力が解放されてインナワイヤ28bに付与されるテンションが低減されることになる。また、上記操作レバー85の先端部を上昇させる方向に揺動操作して上記ダンサープーリ87を下降させる方向に揺動アーム86を揺動変位させることにより、上記インナワイヤ28bに付与されるテンションを、さらに低減させると、上記フロア昇降機構6のスライド軸25からなる駆動部に伝達される牽引力が0になるため、上記付勢手段26の付勢力に応じ、スライド軸24が上記ガイド溝14に沿って引き下げられて上記可動フロア部5が下降するようにその設置高さが微調整される。
上記のように運転席からなる乗員用シート1のシートクッション部1aを前後移動させてその前後位置を調整するシート位置調整機構2と、上記乗員用シート1に着座した運転者が操作ペダル3を踏み込む際に足の踵部が載置される可動フロア部5を昇降駆動するフロア昇降機構6とを備えた運転姿勢調整装置において、上記記シート位置調整機構2によりシートクッション部1aを前後移動させる駆動力を車体の前方側に伝達する第1伝達ケーブル28と、この第1伝達ケーブル28を介して伝達された駆動力を上記フロア昇降機構6の駆動部(スライド軸25)に伝達して可動フロア部5を上昇させるように駆動する第2伝達ケーブル29,30とを設け、上記第1伝達ケーブル28と第2伝達ケーブル29,30とを連結部材38によって係脱可能に連結するように構成したため、運転席からなる乗員用シート1に着座した運転者の着座姿勢を容易かつ適正に調整することができるとともに、上記運転姿勢調整装置の設置作業等を容易に行うことできるという利点がある。
すなわち、運転席からなる乗員用シート1に背の高い乗員が着座した場合には、図1に示すように、乗員用シート1のシートクッション部1aを車体の後方側に位置させて、上記乗員用シート1に着座した乗員の視線を適正ラインに一致させるとともに、図7に示すように、上記可動フロア部5を下方に位置させることにより、上記乗員用シート1の前方に配設された操作ペダル3を適正に踏み込み操作することができるように上記可動フロア部5が位置合わせされている。この状態から、上記乗員用シート1に着座する乗員が高身長者から女性ドライバーからなる低身長者に乗り代わる等により、上記シート位置調整機構2を使用して乗員用シート1を車体の前方側に移動させた場合には、その駆動力が上記第1伝達ケーブル28および第2伝達ケーブル29,30を介してフロア昇降機構6の駆動部に伝達され、このフロア昇降機構6より上記可動フロア部5が引き上げられることになる。したがって、上記運転者の体格に応じて乗員用シート1の前後位置が調節された場合に、例えば高身長者に比べて足裏長さが短い傾向にある低身長者が、上記アクセルペダルまたはブレーキペダル等からなる操作ペダル3に足を載せてこれを適正に踏み込むことができるように、上記可動フロア部5の設置高さを自動的に調整できるという利点がある。
そして、上記運転姿勢調整装置の組付作業を行う際には、乗員用シート1を備えたシート位置調整機構2と、可動フロア部5を備えたフロア昇降機構6とを別々に車体内へ搬入してその設置作業を行った後に、基端部が上記ケーブル牽引機構72等を介してシートクッション部1aに接続された第1伝達ケーブル28と、先端部が上記案内プーリ36およびスライド軸25等を介して可動フロア部5に接続された上記第2伝達ケーブル29,30とを上記連結部材38を介して連結することができるため、上記シート位置調整機構2およびフロア昇降機構6の設置作業と、上記第1伝達ケーブル28および第2伝達ケーブル29,30との配策作業とを容易かつ適正に行うことができる。
上記乗員用シート1に着座する乗員が低身長者から高身長者に乗り代わって上記シート位置調整機構2により乗員用シート1のシートクッション部1aを車体の後方側に移動させた場合には、上記伝達ケーブル28による可動フロア部5の引き上げ力が解除されるため、上記付勢手段26を省略しても、可動フロア部5をその自重等に応じて自動的に下方位置へ変位させることが可能である。しかし、上記実施形態に示すように、可動フロア部5を引き下げる方向に付勢する付勢手段26をフロア昇降機構6に設けた場合には、上記シートクッション部1aの後方移動時に、可動フロア部5を速やかに下方位置へ変位させることができるとともに、上記付勢手段26の付勢力に応じて可動フロア部5を下方位置に保持することにより、そのがたつきを効果的に防止できるという利点がある。
また、上記実施形態に示すように、可動フロア部5のスライド軸24を下方に付勢する付勢手段26の後端部を、フロア底部9に設けられた係止用突片等からなる車体側部材に係止した場合には、上記付勢手段26からスライド軸24を介してフロア支持部材12,13に入力された車体の後方側への付勢力と、上記伝達ケーブル28からスライド軸25を介してフロア支持部材12,13に入力された車体の前方側への付勢力とをバランスさせることができるため、上記フロア底部9に対するフロア支持部材12,13の固定部に片寄った付勢力が作用することに起因してこのフロア支持部材12,13の取付状態が不安定になるのを効果的に防止できるという利点がある。
すなわち、上記付勢手段26の後端部をフロア支持部材12,13に係止した状態とすることも可能であるが、この場合には、付勢手段26からスライド軸24を介して入力された車体の後方側への付勢力がフロア支持部材12,13の固定部に作用することがなく、上記伝達ケーブル28からスライド軸25を介して入力された車体の前方側への付勢力だけがフロア支持部材12,13の固定部に作用することになる。これに対して上記実施形態に示すように、付勢手段26の後端部をフロア底部9からなる車体側部材に係止した場合には、この付勢手段26の付勢力と、伝達ケーブル28の付勢力とが互いに打ち消し合うように作用するため、フロア底部9に対するフロア支持部材12,13の固定部に片寄った付勢力が作用するのを防止することができる。
また、上記実施形態に示すように、シート位置調整機構2によりクッション部1aを前方移動させる駆動力を減速してフロア昇降機構6の駆動部に伝達する減速機構、具体的には上記大径プーリ76および小径プーリ77を上記第1伝達ケーブル28の設置部に配設した場合には、上記シート位置調整機構2の駆動源である駆動モータ46として大型のものを用いることなく、その駆動力を上記フロア昇降機構6に伝達して可動フロア部5をスムーズに昇降変位させることができるとともに、シートクッション部1aの前後ストロークと可動フロア部5の昇降ストロークとを適正に一致させることができる。
すなわち、上記実施形態では、第1伝達ケーブル28(具体的には駆動ワイヤ79)によって回転駆動される大径プーリ76と、この大径プーリ76と一体に連結されることにより同期して回転駆動される小径プーリ77とを備えた減速機構を上記ケーブル牽引機構72に設け、シートクッション部1aの前方移動時に、上記第1伝達ケーブル28および第2伝達ケーブル29,30を介してフロア昇降機構6の駆動部(スライド軸25)に伝達される牽引ストロークを、上記大径プーリ76および小径プーリ77の径比に応じ低減するように構成したため、上記シート位置調整機構2の駆動源である駆動モータ46として大型のものを用いることなく、その駆動力を上記フロア昇降機構6に伝達することにより、可動フロア部5をスムーズに昇降変位させることができるとともに、シートクッション部1aの前後ストロークと可動フロア部5の昇降ストロークとを適正に一致させることができる。
例えば、上記大径プーリ76と小径プーリ77との径比を2対1に設定した場合には、シートクッション部1aの前後ストロークが1/2に低減されるとともに、引張駆動力が2倍に増大されて可動フロア部5の駆動部に伝達される。また、上記ガイド溝14の傾斜が45°に設定されている場合には、上記第1伝達ケーブル28の牽引ストロークが、さらに約1/1.41に低減されて可動フロア部5の昇降ストロークに変換されるため、シートクッション部1aの前後ストロークが200mmに設定された運転姿勢調整装置において、上記シートクッション部1aの前後移動に応じ、上記可動フロア部5が、高身長者と低身長者の足裏長さの差に対応した値である70mm程度だけ昇降変位し、これによってシートクッション部1aの前後ストロークを、可動フロア部5の昇降ストロークを適正に対応させることができる。
また、上記実施形態では、乗員用シート1の設置部に配設されて車幅方向に延びるクロスメンバ11に沿って上記連結部材38を配設したため、この連結部材38の全長が比較的大きい場合でも、上記クロスメンバ11等により邪魔されることなく上記連結部材38をクロスメンバ11の壁面に沿って適正に配設できるという利点がある。
さらに、上記実施形態では、可動フロア部5の左右両側辺部を支持する支持プレート74の内壁面部に設けられたラチェット装置等からなる保持手段84と、この保持手段84の駆動部に嵌着される駆動軸85aを有する操作レバー85と、この操作レバー85の駆動軸85aに着脱可能に支持される揺動アーム86と、この揺動アーム86の先端部に支持されたダンサープーリ87と、上記揺動アーム86等の設置部を覆う保護カバー88とを有する調整機構89を設け、上記操作レバー85により揺動アーム86を揺動変位させて上記第1伝達ケーブル28のインナワイヤ28bの弛みを除去して所定のテンションを付与するよう構成し場合には、上記インナワイヤ28bに弛みか生じることに起因したがたつきの発生を防止し、上記第1伝達ケーブル28の牽引力をフロア昇降機構6の駆動部に適正に伝達できるという利点がある。しかも、上記ダンサープーリ87を上昇させる方向に操作レバー85を揺動操作して、上記アウタケーシング28aからインナワイヤ28bを車体の後方側に引き出す方向の駆動力を作用させることにより、この駆動力を上記フロア昇降機構6の駆動部(スライド軸25)に伝達して可動フロア部5の設置高さを手動操作で微調整することが可能であるという利点もある。
なお、操作レバー85の先端部を下降させる方向に揺動操作するのに応じ、揺動アーム86の先端部を上昇させる方向に揺動変位させて上記第1伝達ケーブル28のインナワイヤ28bを押し上げるように構成された上記実施形態に代え、図18に示すように、操作レバー85の先端部を上昇させる方向に揺動操作するのに応じ、揺動アーム86の先端部を下降させる方向に揺動変位させて上記第1伝達ケーブル28のインナワイヤ28bを押し下げることにより、このインナワイヤ28bに所定のテンションを付与するとともに、手動操作で上記可動フロア部5の設置高さを上昇させるよう構成してもよい。このように構成した場合には、上記操作レバー85の操作方向と、可動フロア部5の昇降方向とを一致させることができるため、この可動フロア部5の設置高さを調整する際に、上記操作レバー85をいずれの方向に操作すればよいのかを感覚的に把握し易いという利点がある。
また、図19および図20に示すように、操作レバー85の駆動軸85aに着脱自在に支持される揺動アーム86aの両端部にダンサープーリ87a,87bをそれぞれ回転自在に支持させた構造としてもよい。そして、上記操作レバー85を揺動変位させ、上記ダンサープーリ87a,87bの一方を上方側に揺動変位させるとともに、他方を下方側に揺動変位させることにより、上記伝達ケーブル28のインナワイヤ28bをS字形に変形させて大きなテンションを付与することができるため、上記操作レバー85の操作に応じて可動フロア部5の設置高さを大きく調整できるという利点がある。
さらに、上記実施形態に示すように、可動フロア部5に設けられた車幅方向に延びるスライド軸24,25の左右両端部を、フロア支持部材13に設けられた前上がりのガイド溝14に沿って摺動可能に支持した場合には、上記可動フロア部5に作用する下向きの荷重、つまり乗員の足が載置される等により可動フロア部5に作用する荷重の一部が上記ガイド溝14の下辺部に負担させることができる。このため、上記第2伝達ケーブル29,30に過大な荷重が作用するのを防止しつつ、上記可動フロア部5を安定して支持することができるとともに、この可動フロア部5を上記ガイド溝14に沿って軽い力でスムーズに昇降変位させることができるという利点がある。すなわち、可動フロア部5のスライド軸24,25をガイド溝14によって支持しつつ、上記第2伝達ケーブル29,30のインナワイヤ29b,30bから上記スライド軸25に入力された駆動力に応じ、このスライド軸25を上記ガイド溝14に沿って引き上げることにより、上記可動フロア部5をスムーズに昇降変位させることができる。
なお、上記ガイド溝14を前上がりに傾斜させてなる上記実施形態に代え、このガイド溝を後上がりに傾斜させた構造とすることもできる。しかし、上記のようにガイド溝14を前上がりに傾斜させるとともに、その傾斜角度を、車室の前部下方に設けられたダッシュパネル7の傾斜角度に対応させた場合には、上記可動フロア部5のスライド軸24,25をガイド溝14に沿って摺動変位させることにより、上記可動フロア部5を図4に示す上方位置から図7に示す下方位置に昇降変位させる際に、上記ダッシュパネル7と可動フロア部5の前端部との間隔を一定に維持できるため、この間隔が必要以上に大きくなって乗員が違和感を受けるのを防止できるという利点がある。
また、上記実施形態では、第1伝達ケーブル28により連結部材38の設置部に伝達された駆動力を、上記第2伝達ケーブル29,30に対して同時に伝達するとともに、そのインナワイヤ29b,30bを案内プーリ36により上記スライド軸25の設置部に案内してその両端部にそれぞれ係止するように構成したため、簡単な構成で上記スライド軸25の左右両端部を同時に駆動して上記可動フロア部5をスムーズに昇降変位させることができる。
なお、上記第1伝達ケーブル28を介して入力された駆動力を単一の第2伝達ケーブルに伝達する第1連結部材と、上記第2伝達ケーブルに入力された駆動力を一対の第2伝達ケーブルに分割してそれぞれ伝達するように第1,第2伝達ケーブル連結する別体の第2連結部材とを設けた構造としてもよく、このように構成した場合には、市販の第1,第2連結部材を使用して上記両伝達ケーブルを係脱可能に連結するとともに、上記第1伝達ケーブル28の駆動力を一対の第2伝達ケーブルに分割して伝達できるという利点がある。
また、上記第1伝達ケーブル28のインナワイヤ28bにより連結部材38の設置部に伝達された駆動力を、単一の第2伝達ケーブルに対して伝達するとともに、この第2伝達ケーブルを介して上記スライド軸25の一端部のみに伝達することにより、スライド軸25の一端部のみを駆動して上記ガイド溝14に沿って摺動変位させるように構成してもよく、あるいは上記スライド軸25の一端部に伝達された駆動力を、第3伝達ケーブル30を介してスライド軸25の他端部に伝達するように構成してもよい。
さらに、上記大径プーリ76および小径プーリ77を備えた減速機構を乗員用シート1の設置部、具体的にはシートスライドロアレール41に設けてなる上記実施形態に代え、上記ケーブル牽引機構72に単一の回転プーリ(図示せず)を設けてこの回転プーリに上記伝達ケーブル28インナワイヤ28bを巻回すとともに、図21〜図23に示すように、可動フロア部5の下方に位置する伝達ケーブル28の配策経路に、固定プーリ91と移動プーリ92とを備えた減速機構90を配設した構造としてもよい。
上記減速機構90は、車室内の前方部においてフロア底部9に立設された支持軸91aにより回転自在に支持された固定プーリ91と、可動フロア部5の裏面に突設された支持軸92aにより回転自在に支持された移動プーリ92と、フロア底部9に固定されて伝達ケーブル28のアウタケーシング28aの先端部を係止する係止部93と、このアウタケーシング28aの先端部から導出されて上記固定プーリ91に巻掛けられたインナワイヤ28bの設置高さを規制する第1,第2規制部94,95と、上記移動プーリ92に巻掛けられたインナワイヤ28bの設置高さを規制する第3規制部96と、上記移動プーリ92から車体の前方側に導出されたインナワイヤ28bの先端部を係止する係止部97とを備えている。そして、この係止部97により一端部が車体側に係止された伝達ケーブル28のインナワイヤ28bが、上記移動プーリ92および固定プーリ91の順に巻掛けられて上記ケーブル牽引機構72の設置部に導出されるように設置されている。
上記構成おいて、シート位置調整機構2により運転席からなる乗員用シート1のシートクッション部1aを車体の前方側に移動させる際に、上記伝達ケーブル28のアウタケーシング28aから前方に導出されたインナワイヤ28bを車体の後方側に引っ張る牽引力が入力されると、この駆動力が上記固定プーリ91を介して移動プーリ92を車体の前方側に移動させる方向に変換される。これにより、図示を省略した付勢手段の付勢力に抗して上記スライド軸24,25をガイド溝14に沿って上昇させる方向の駆動力を作用させ、上記シートクッション部1aの前方移動に応じて可動フロア部5を上昇させることができ、かつ上記可動フロア部5を上昇させる際に、上記移動プーリ92が動滑車の役目を果たすことにより、上記伝達ケーブル28の牽引ストロークを2分の1に低減するとともに、この牽引力を2倍に増大して可動フロア部に伝達することができる。
したがって、上記シート位置調整機構2の駆動源として大型のものを用いることなく、その駆動力を上記フロア昇降機構6に伝達することにより、可動フロア部5をスムーズに昇降変位させることができるとともに、上記シートクッション部1aの前後ストロークと、可動フロア部5の昇降ストロークとを、上記大径プーリ76および小径プーリ77の径比および上記ガイド溝14の傾斜角度に応じて適正に対応させることができる。しかも、上記固定プーリ91および移動プーリ92等からなる減速機構90を可動フロア部5の下方に配設して隠蔽できるため、上記減速機構が車室内に露出して美観が損なわれるのを防止できるという利点がある。
なお、アウタケーシングによりインナワイヤが摺動可能に支持されてなるプルケーブルにより上記第1伝達ケーブル28および第2伝達ケーブル29,30を構成した上記実施形態に代え、上記シート位置調整機構2に設けられた駆動モータの駆動力を上記フロアボード5の昇降駆動機構6に伝達する上記第1伝達ケーブル28および第2伝達ケーブル29,30を、外筒体により回転可能に支持された軸心体の回転に応じて駆動トルクを伝達するトルクケーブルにより構成するとともに、下記第1,第2伝達ボックス91,94等からなる連結部材98により上記第1伝達ケーブル28と第2伝達ケーブル29,30とを係脱可能に連結するように構成してもよい。
例えば、図24および図25に示すように、上記第1ケーブル28の先端部が導入される第1伝達ボックス91内には、インナワイヤ28bの先端部が連結されてこれと一体に回転するウォームギア92と、このウォームギア92により回転駆動されるウォームホイール93とが配設され、このウォームホイール93には、下方の第2伝達ボックス94に突設されたスプライン軸95が挿入されて係合される係合孔が形成されている。そして、上記第1伝達ケーブル28の回転力がウォームギア92を介してウォームホイール93に伝達されることにより、このウォームホイール93が回転駆動されるとともに、その回転力が上記スプライン軸95を介して第2伝達ボックス94に伝達されるように構成されている。
上記第2伝達ボックス94内には、スプライン軸95と一体に回転する第1ベベルギア96と、この第1ベベルギア96により回転駆動される第2ベベルギア97とが配設されている。この第2ベベルギア97には、左右一対の第2伝達ケーブル29,30のインナワイヤ29b,30bが一体に回転するように止着されることにより、この第2伝達ケーブル29,30のインナワイヤ29b,30bに上記第2ベベルギア97の回転力が伝達されるように構成されている。また、上記第1伝達ケーブル28と、第2伝達ケーブル29,30との間に配設された上記ウォームギア92およびウォームホイール93により、上記クッション部1aを前方移動させるシート位置調整機構2の駆動力を減速してフロア昇降機構6の駆動部に伝達する減速機構が構成されている。
上記第2伝達ボックス94は、例えば乗員用シート1の前方側に配設された上記クロスメンバ11の前方側に配設されて取付ボルトにより車体フロア3に固定されるとともに、その上方に第1伝達ボックス91が重ね合わされた状態で、これらが連結ボルトにより一体に連結されるように構成されている。そして、上記第2伝達ボックス94の上方に第1伝達ボックス91を重ね合わせる際に、第1伝達ボックス91内に配設されたウォームホイール93の係合孔に上記スプライン軸95が挿入されて、これらが一体に連結されることにより、上記第1伝達ケーブル28と、第2伝達ケーブル29,30とが係脱可能に連結されるようになっている。
また、上記フロア昇降機構6には、第2伝達ケーブル29,30により回転駆動されるねじ軸99と、このねじ軸99が回転駆動されることによりねじ送りされるスライドブロック100と、このスライドブロック100に下端部が枢支されるとともに、上端部が可動フロア部5の下面に枢支された駆動リンク101とが設けられている。そして、第1伝達ケーブル28から連結部材98を介して第2伝達ケーブル29,30に伝達された回転駆動力に応じ、上記スライドブロック100が車体の前後方向にねじ送りされ、上記駆動リンク101が倒伏状態から起立状態に移行し、あるいは起立状態から倒伏状態に移行して、上記可動フロア部5がその前端部を支点に揺動変位する等により昇降駆動されるようになっている。
上記のようにトルクケーブルからなる上記第1伝達ケーブル28および第2伝達ケーブル29,30によりシート位置調整機構2の駆動力を上記フロアボード5の昇降駆動機構6に伝達するように構成した場合においても、乗員用シート1とともにシート位置調節機構2を車室内に搬入して設置する作業と、フロア昇降機構6を設置する作業とを別々に行った後、上記連結部材98を介して第1伝達ケーブル28と第2伝達ケーブル29,30とを連結することにより、シート位置調整機構2の駆動力を上記フロア昇降機構6の駆動部に伝達することが可能である。
しかし、上記実施形態に示すように、第1伝達ケーブル28および第2伝達ケーブル29,30をプルケーブルにより構成した場合には、これを大きく屈曲させてもトルクケーブルのように駆動力の伝達機能が損なわれることがないため、レイアウトの自由度を充分に確保して上記第1伝達ケーブル28および第2伝達ケーブル29,30を任意に配策できるという利点がある。しかも、上記第1伝達ケーブル28および第2伝達ケーブル29,30をプルケーブルにより構成した場合には、そのアウタケーシング28a,29a,30aに沿ってインナワイヤ28b,29b,30bを摺動させることにより、その駆動力を可動フロア部5の駆動部に直接的に伝達させることができるため、上記第1,第2伝達ケーブル28〜30としてトルクケーブルを使用した場合のように、第1伝達ケーブル28と第2伝達ケーブル29,30とを連結する連結部材98の構造が複雑になるのを防止することができる。さらに、上記トルクケーブルを使用した場合のように、外筒体内に配設された軸心体がねじれ変形することに起因した位相の伝達遅れが生じることがなく、上記乗員の足裏長に応じて可動フロア部5の設置高さを迅速かつ適正に調整できるという利点がある。
しかも、上記実施形態に示すように連結部材38の上流側に位置するプルケーブルからなる第1伝達ケーブル28の設置部に、上記大径プーリ76および小径プーリ77等からなる減速機構を配設した場合には、上記第1伝達ケーブル28を介して連結部材38の設置部に入力される牽引ストロークが上記減速機構により低減されるため、上記連結部材38の設置部における第1伝達ケーブル28および第2伝達ケーブル29,30の摺動ストロークが大きくなるのを防止することが可能であり、上記連結部材38の全長が大きくなるのを抑制できるという利点がある。そして、上記第1伝達ケーブル28を介して連結部材38の設置部に入力される駆動力が上記減速機構により増大されることにより、上記シート位置調整機構2の駆動源として大型の駆動モータ等を用いることなく、可動フロア部5をスムーズに昇降変位させることができるとともに、シートクッション部1aの前後ストロークと可動フロア部5の昇降ストロークとを適正に一致させることができる。
上記実施形態では、乗員用シート1のシートクッション部1aを前後移動させるシート位置調整機構2に駆動モータ46を設けることにより、上記シートクッション部1aを電気的に前後移動させるように構成した例について説明したが、上記駆動レバーを用いた手動操作、または乗員用シート1に着座した乗員がその体を前後移動させることによりシートクッション部1aをシートスライドロアレール41に沿って前後移動させるとともに、伝達ケーブルを介してフロア昇降機構6の駆動部に上記駆動力を伝達するように構成してもよい。
本発明に係る運転姿勢調整装置の実施形態を示す説明図である。 フロア昇降機構の具体的構成を示す斜視図である。 可動フロア部の具体的構成を示す斜視図である。 フロア昇降機構の具体的構成を示す側面断面図である。 ケーブル牽引機構の具体的構成を示す分解斜視図である。 図4のA−A線断面図である。 可動フロアが下降した状態を示す図4相当図である。 連結部材の具体的構成を示す断面図である。 シート位置調整機構の具体的構成を示す側面図である。 シート位置調整機構の具体的構成を示す斜視図である。 図9のB−B線断面図である。 シートクッション部の昇降駆動部の具体的構成を示す側面断面図である。 上記昇降駆動部の具体的構成を示す側面断面図である。 シートクッション部を車体の前方側に移動させた状態を示す図4相当図である。 ケーブル牽引機構等の具体的構成を示す側面断面図である。 ケーブル牽引機構等の具体的構成を示す分解斜視図である。 図15のC−C線断面図である。 可動フロア部の調整機構の別の具体例を示す側面断面図である。 可動フロア部の調整機構のさらに別の具体例を示す側面断面図である。 上記調整機構の作動状態を示す側面断面図である。 フロア昇降機構の別の具体例を示す側面断面図である。 上記フロア昇降機構の構成を示す平面断面図である。 上記可動フロア部を前部上方に移動させた状態を示す図22相当図である。 伝達ケーブルとしてトルクケーブルを使用した例を示す斜視図である。 連結部材の具体的構成を示す断面図である。
符号の説明
1 乗員用シート
1a シートクッション部
2 シート位置調整機構
3 操作ペダル
5 可動フロア部
6 フロア昇降機構
11 クロスメンバ
28 第1伝達ケーブル
29,30 第2伝達ケーブル
38 連結部材
76 大径プーリ(減速機構)
77 小径プーリ(減速機構)
89 調整機構
90 減速機構
98 連結部材

Claims (5)

  1. 運転席からなる乗員用シートのシートクッション部を前後移動させてその前後位置を調整するシート位置調整機構と、上記乗員用シートに着座した運転者が操作ペダルを踏み込む際に足の踵部が載置される可動フロア部を昇降駆動するフロア昇降機構とを備えた運転姿勢調整装置であって、上記シート位置調整機構によりシートクッション部を前後移動させる駆動力を車体の前方側に伝達する第1伝達ケーブルと、この第1伝達ケーブルを介して伝達された駆動力を上記フロア昇降機構の駆動部に伝達して可動フロア部を上昇させる第2伝達ケーブルとを備え、上記第1伝達ケーブルと第2伝達ケーブルとが連結部材により係脱可能に連結されたことを特徴とする運転姿勢調整装置。
  2. 上記第1伝達ケーブルおよび第2伝達ケーブルは、シート位置調整機構によりシートクッション部を前後移動させる駆動力を牽引力としてフロア昇降機構の駆動部に伝達するプルケーブルにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載の運転姿勢調整装置。
  3. 上記シート位置調整機構によりクッション部を前方移動させる駆動力を減速してフロア昇降機構の駆動部に伝達する減速機構が、上記第1伝達ケーブルの設置部に配設されたことを特徴とする請求項2に記載の運転姿勢調整装置。
  4. 上記乗員用シートの設置部に配設されて車幅方向に延びるクロスメンバが車体フロア上に設置されるとともに、上記クロスメンバに沿って連結部材が配設されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の運転姿勢調整装置。
  5. 上記第1伝達ケーブルおよび第2伝達ケーブルからなる伝達ケーブルに付与されたテンションを調整する調整機構を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の運転姿勢調整装置。
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