JP2009004527A - フローはんだ付用治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】確実にリード端子とプリント配線基板とのはんだ接合を行い、濡れ不良による接続不良、ブリッジ不良等のないフローはんだ付用治具を得ることを目的とする。
【解決手段】プリント配線板2に電子部品4を搭載してはんだ付を行うフローはんだ付用治具1であって、プリント配線板2が載置され、電子部品4の挿入部分に対応する箇所に開口部103を有する載置部100を有し、開口部103の側面は載置部100の載置面100aから載置部下方に向けて開口が広くなるテーパ面103aから成る。
【選択図】図4

Description

この発明は、プリント配線板に実装された挿入部品をフローはんだ付工法によりはんだ付する際に使用されるフローはんだ付用治具に関するものである。
従来のフローはんだ付用治具は、プリント配線基板にフローはんだ付用治具を取り付けた場合にはんだ付を行う電子部品のリード端子とスルーホールが存在する箇所に対応して開口部が設けられ、開口部の側壁のうち、プリント配線基板の搬送方向の上流側の側壁は、はんだに濡れる材料によって構成されるはんだ濡れ部を有している(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−41038号公報(段落番号[0015]、図4−1〜図4−6等)
従来のフローはんだ付用治具では、スルーホールが存在する箇所に開口部を設け、開口部の側壁にはんだ濡れ部を有する。そのため、はんだ濡れ部にはんだ材料が引きつけられ、搬送方向に対して最も上流側に存在する2つの隣り合うランド間でブリッジが発生することを防止することができる。しかしながら、開口部はフローはんだ付用治具に設置されるプリント配線基板に対して垂直に設けられているため、すなわち、はんだ材料の進行方向に対して開口部が垂直であるため、開口部のはんだ導入口付近ではんだ材料の流れが乱れてしまうことが考えられる。これにより、はんだ材料が開口部へ導入されにくく、リード端子とスルーホール間へのはんだの導入も困難であった。また、開口部内へはんだ材料が導入されないことにより、スルーホール付近の入熱不足によるはんだの濡れ不良が生じ、リード端子のはんだ付が確実に行われず、接触不良等が発生するという問題があった。また、プリント配線基板と開口部の側壁が垂直に接するため、導入されたはんだ材料は開口部内においても流れが乱れ、搬送方向に従うように(すなわち搬送方向と逆方向に)はんだ材料が移動しにくいことが考えられる。そのため、開口部内ではんだ材料が滞ることによりブリッジ不良が生じてしまうという問題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、確実にリード端子とプリント配線基板とのはんだ接合を行い、濡れ不良による接続不良、ブリッジ不良等のないフローはんだ付用治具を得ることを目的とする。
この発明のフローはんだ付用治具は、プリント配線板に挿入部品を搭載してはんだ付を行うフローはんだ付用治具である。このフローはんだ付用治具は、プリント配線板が載置され、挿入部品の挿入部分に対応する箇所に開口部を有する載置部を有し、開口部の側面は載置部の載置面から載置部下方に向けて開口が広くなるテーパ面から成るものである。
また、この発明のフローはんだ付用治具は、プリント配線板に挿入部品を搭載してはんだ付を行うフローはんだ付用治具である。このフローはんだ付用治具は、プリント配線板が載置され、挿入部品の挿入部分に対応する箇所およびこの挿入部分につながりプリント配線板に設けられた配線部に対応する箇所に開口部を有する載置部を有し、開口部の側面は載置部の載置面から載置部下方に向けて開口が広くなるテーパ面から成るものである。
この発明によれば、プリント配線板が載置され、挿入部品の挿入部分に対応する箇所に開口部を有する載置部を有し、開口部の側面は載置部の載置面から載置部下方に向けて開口が広くなるテーパ面から成るため、はんだ材料をテーパ面を介して滑らかに開口部へ引き込むことができ、入熱不足による濡れ不良、ブリッジ不良、接触不良等を防止してプリント配線板と挿入部品とのはんだ接合を確実に行うことができる。
また、この発明によれば、プリント配線板が載置され、挿入部品の挿入部分に対応する箇所およびこの挿入部分につながりプリント配線板に設けられた配線部に対応する箇所に開口部を有する載置部を有し、開口部の側面は載置部の載置面から載置部下方に向けて開口が広くなるテーパ面から成るため、はんだ材料をテーパ面を介して滑らかに開口部へ引き込むことができ、入熱不足による濡れ不良、ブリッジ不良、接触不良等を防止してプリント配線板と挿入部品とのはんだ接合を確実に行うことができる。また、挿入部品の挿入部分とそれにつながる配線部をはんだ材料により加熱することができ、溶融はんだが配線部に熱を奪われることにより生じるはんだの濡れ不良を防止し、接触不良等のない確実なはんだ接合を行うことができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるフローはんだ付用治具の構成を示す平面図であり、プリント配線板が装着された状態を示す。図2は図1の一部拡大図であり、図3はこのフローはんだ付用治具を裏側からみた底面図、図4は図1、図3のIV−IV線に沿う部分断面図である。
図1〜4において、フローはんだ付用治具1は、プリント配線板2を載置する載置部100と、載置部100を囲むように段状に設けられプリント配線板2を周囲から保持する枠部101と、枠部101に設けられプリント配線板2を載置部100に固定するための基板押さえ爪102とを有している。枠部101はプリント配線板2の形状に対応するように形成されており、フローはんだ付用治具1の搬送時にプリント配線板2が水平方向にずれることを防止する。
プリント配線板2のはんだ付面201には、あらかじめはんだ付等により表面実装部品3が実装されている。また、プリント配線板2には挿入部品としての電子部品4が配置される位置にスルーホール202が設けられており、電子部品4のリード端子401がスルーホール202に挿入されている。そして、スルーホール202の周囲にはリード端子401をはんだ付するためのランド203が備えられている。なお、図2は図1の電子部品4部分を拡大したものであり、図2に示すように本実施の形態1では電子部品4はリード端子401を2本備えており、このリード端子401の位置に対応してスルーホール202が2箇所設けられている。
載置部100は、プリント配線板2が載置された際に電子部品4の挿入部分に対応する箇所に載置部100を貫通する開口部103を有し、開口部103の側面は載置部100の載置面100aから載置部100の下方へ向けて開口が徐々に広くなるようなテーパ面103aにより形成されている。さらにテーパ面103aには、該側面を覆うようにはんだに濡れる材料からなるはんだ濡れ部104が備えられている。はんだに濡れる材料としては、例えば、銅、鉄、ニッケルなどが挙げられる。
また、載置部100のプリント配線板2に実装された表面実装部品3に対応する箇所には、表面実装部品3を収容する凹部からなるマスク部105が形成されている。マスク部105は後述するフローはんだ付の際に溶融はんだが表面実装部品3に接触して脱落等してしまうことを防止している。
次に、フローはんだ付の工法の一例を説明する。
まず、あらかじめ表面実装部品3が実装され、電子部品4がスルーホール202に挿入されたプリント配線板2を、フローはんだ付用治具1の載置部100に載置し、基板押さえ爪102によってプリント配線板2をフローはんだ付用治具1に固定する(図1参照)。プリント配線板2がフローはんだ付用治具1の所定位置に固定されると、電子部品4とプリント配線板2とがはんだ付される付近のはんだ付面201が開口部103に露出するような形になる(図4参照)。
次に、図5に示すように、プリント配線板2が装着されたフローはんだ付用治具1を、図示しないフローはんだ槽から噴流する溶融はんだ5上を搬送方向(図5中矢印Aの方向)に搬送する。ここで、図5はフローはんだ付の工程を説明するものであり、フローはんだ付用治具1の開口部103が溶融はんだ5上の位置にくるまで搬送された状態を示している。なお、図5の溶融はんだ5内に記した矢印Bはフローはんだ槽から噴流する溶融はんだ5の基本の流れを示している。
図5では紙面右から左へ向けてフローはんだ付用治具1が搬送されているため、溶融はんだ5は開口部103の紙面左側のテーパ面103aに備えられたはんだ濡れ部104を介して滑らかに開口部103へ引き込まれる。そして、フローはんだ付用治具1がさらに左へ搬送されるに従い、開口部103内は溶融はんだ5に満たされ、プリント配線板2に設けられたランド203に引き込まれるように、スルーホール202とリード端子401間の隙間に溶融はんだ5が流れ込む。さらにフローはんだ付用治具1が左へ搬送され開口部103が溶融はんだ5上を通過するが、この時、ランド203付近の溶融はんだ5は紙面右側のはんだ濡れ部104に引っ張られ、余分な溶融はんだがランド203から取り除かれる。そして、このテーパ面103aに備えられたはんだ濡れ部104を介して滑らかに開口部103から開口部103の外へ流れ出る。
なお、基板押さえ爪102は、このフローはんだ付工程において、溶融はんだ5の熱によるプリント配線板2の熱膨張による反りを防止し、反った際に発生する開口部103とプリント配線板2との隙間から溶融はんだ5が流れ込むことを防止する機能を有しており、同様の機能を有するものであれば形状等はどのようなものであってもよい。
また、溶融はんだ5上をプリント配線板2に実装された表面実装部品3が通過する際には、マスク部105によって、溶融はんだ5が表面実装部品3に接触し脱落等が発生することを防止している。
以上のように、本実施の形態1は、プリント配線板2が載置され、電子部品4の挿入部分に対応する箇所に開口部103を有する載置部100を有し、開口部103の側面は載置部100の載置面100aから載置部100下方に向けて開口が広くなるテーパ面103aから成る。このため、溶融はんだ5をテーパ面103aを介して滑らかに開口部103へ引き込むことができ、引き込まれた溶融はんだ5がスルーホール202とリード端子401間へ確実に導入される。そして、入熱不足による濡れ不良、ブリッジ不良、接触不良等を防止してプリント配線板2と電子部品4のはんだ接合を確実に行うことができる。
すなわち、開口部103の側面をテーパ面103aとしたことで、溶融はんだ5の導入口、すなわち開口部103の下方側にいくに従い、テーパ面103aとランド203やリード端子401との距離を広く確保することができる。また、開口部103の導入口付近における溶融はんだ5の流れを乱さないため、溶融はんだ5を滑らかに開口部103へ導入することができる。これにより、開口部103内が溶融はんだ5で確実に満たされ、スルーホール202とリード端子401間への溶融はんだ5の導入も促進される。
また、テーパ面103aと開口部103に露出するプリント配線板2のはんだ付面201との角度が鈍角となるため、開口部103内に導入される溶融はんだ5が、搬送方向下流側のテーパ面103aからはんだ付面201付近を経由し上流側のテーパ面103aに沿って滑らかに流動し、開口部103内で溶融はんだ5の流れが乱れるのを防ぐことができる。すなわち、例えば図5の状態において説明すると、開口部103内で溶融はんだ5が紙面左から右へ流動しやすい(図5の矢印C参照)。従って、溶融はんだ5がリード端子401やランド203付近で滞ることを防ぐとともに、開口部103内の溶融はんだ5の流速の低下を防ぎ、ブリッジ不良の発生を抑制することができる。
また、テーパ面103aによって開口部103が下へいくほど広がるため、開口部103内の容積が大きくなり、噴流する溶融はんだ5が開口部103内に満たされた際に下方から上方への圧力が増加するため、開口部103内に引き込まれた溶融はんだ5が下方から押圧され、スルーホール202付近での濡れ不良を抑制してスルーホール202とリード端子401間へのはんだの導入をより促進する。
さらに、開口部103の側面をテーパ面103aとするだけでなく、このテーパ面103aにはんだ濡れ部104を備える構成とすれば、開口部103が溶融はんだ5上から離れる際には、リード端子401やランド203付近の余分な溶融はんだ5は、はんだ濡れ部104に引き寄せられて容易に取り除かれる。このため、隣接するリード端子401間とのブリッジを防ぐことができる。また、はんだ濡れ部104に引き寄せられた溶融はんだ5についても、テーパ面103aのはんだ濡れ部104を介して滑らかに開口部外へ流れ出る。このため、溶融はんだ5が開口部103内に取り残されることを防ぐ。
従って、上述の通り、本実施の形態1では、フローはんだ付工程における、濡れ不良、ブリッジ不良、接触不良等を防止し、確実にはんだ接合を行うことができる。
なお、図6はテーパ面103aの角度θを変えてフローはんだ付を行った場合に、ブリッジ不良の発生との関係を示す実験結果である。テーパ面103aの角度θとは、図4のテーパ面103a付近を一部拡大した図7に示すように、プリント配線板2とテーパ面103aとのなす角度θ(載置部100側)である。
図6に示すように、角度θを45°にすればブリッジ不良の発生は30%以下となり、角度θが30°で6%以下、角度θが15°ではブリッジ不良が発生しないという実験データが得られている。
実施の形態2.
実施の形態1ではプリント配線板にベタパターンが配設されていなかったが、この実施の形態2はプリント配線板にベタパターンが配設されている。
ここで、プリント配線板のはんだ付面にベタパターンが設けられているような場合には、開口部を電子部品の挿入部分に対応する箇所にのみ設ける構成では、溶融状態のはんだ材料の熱が導体幅の広いベタパターン部分へ奪われてしまう。このため、熱不足による濡れ不良等により、接触不良等のない確実なはんだ接合を行うことが困難となることが考えられる。従って、本実施の形態2は、ベタパターンが配設された場合においても、容易で確実なはんだ接合が可能なフローはんだ付用治具を得るものである。
図8は本実施の形態2で使用されるプリント配線板を裏面側、すなわちはんだ付面側からみた底面図、図9はこのプリント配線板を装着した本実施の形態2のフローはんだ付用具を裏側からみた底面図、図10は図9のX−X線に沿う部分断面図である。なお、実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付し説明は省略する。
図8〜図10において、プリント配線板2には電子部品4がスルーホール202を介して挿入され、このスルーホール202付近からは通過電流値が大きく導体幅が広いベタパターン204が配設されている。そして、載置部100は、プリント配線板2が載置された際に電子部品4の挿入部分すなわちスルーホール202に対応する箇所と、スルーホール202につながる配線部としてのベタパターン204に対応する箇所に、載置部100を貫通する開口部103を有している。実施の形態1と同様、開口部103の側面は載置部100の載置面100aから載置部100の下方へ向けて開口が徐々にひろくなるようなテーパ面103aにより形成され、さらにテーパ面103aにははんだ濡れ部104が備えられている。
以上のように本実施の形態2は、プリント配線板2が載置され、電子部品4の挿入部分に対応する箇所およびこの挿入部分につながりプリント配線板2に設けられたベタパターン204に対応する箇所に開口部103を有する載置部100を有し、開口部103の側面は載置部100の載置面100aから載置部100下方に向けて開口が広くなるテーパ面103aから成る。このため、上記実施の形態1と同様の効果を有すると共に、電子部品4の挿入部分とともにそれにつながるベタパターン204を溶融はんだ5により加熱することができる。したがって、溶融はんだ5がベタパターン204を介して熱を奪われることにより生じるはんだの濡れ不良を防止し、接触不良等のない確実なはんだ接合を行うことができる。
さらに、開口部103の側面をテーパ面103aとするだけでなく、このテーパ面103aにはんだ濡れ部104を備える構成とすれば、開口部103が溶融はんだ5上から離れる際には、リード端子401やランド203付近の余分な溶融はんだ5は、はんだ濡れ部104に引き寄せられて容易に取り除かれる。このため、隣接するリード端子401間とのブリッジを防ぐことができる。また、はんだ濡れ部104に引き寄せられた溶融はんだ5についても、テーパ面103aのはんだ濡れ部104を介して滑らかに開口部外へ流れ出る。このため、溶融はんだ5が開口部103内に取り残されることを防ぐ。
この発明の実施の形態1におけるフローはんだ付用治具の構成を示す平面図であり、プリント配線板が装着された状態を示す。 図1の電子部品部分を拡大した一部拡大図を示す。 図1のフローはんだ付用治具を裏側からみた底面図を示す。 図1、図3におけるIV−IV線に沿う部分断面図を示す。 フローはんだ付の工程を説明するための断面図を示す。 テーパ面の角度とブリッジ不良発生との関係の実験結果を示す。 図4のテーパ面付近を拡大した一部拡大図を示す。 この発明の実施の形態2でフローはんだ付用治具に装着されるプリント配線板を裏側からみた底面図を示す。 図8のプリント配線板を装着した本実施の形態2のフローはんだ付用具を裏側からみた底面図を示す。 図9におけるX−X線に沿う部分断面図を示す。
符号の説明
1 フローはんだ付用治具、2 プリント配線板、4 電子部品(挿入部品)、
100 載置部、100a 載置面、103 開口部、103a テーパ面、
104 はんだ濡れ部、204 ベタパターン(配線部)。

Claims (3)

  1. プリント配線板に挿入部品を搭載してはんだ付を行うフローはんだ付用治具であって、上記フローはんだ付用治具は、上記プリント配線板が載置され、上記挿入部品の挿入部分に対応する箇所に開口部を有する載置部を有し、上記開口部の側面は上記載置部の載置面から載置部下方に向けて開口が広くなるテーパ面から成ることを特徴とするフローはんだ付用治具。
  2. プリント配線板に挿入部品を搭載してはんだ付を行うフローはんだ付用治具であって、上記フローはんだ付用治具は、上記プリント配線板が載置され、上記挿入部品の挿入部分に対応する箇所および上記挿入部分につながり上記プリント配線板に設けられた配線部に対応する箇所に開口部を有する載置部を有し、上記開口部の側面は上記載置部の載置面から載置部下方に向けて開口が広くなるテーパ面から成ることを特徴とするフローはんだ付用治具。
  3. 上記テーパ面には、はんだが濡れる材料から成るはんだ濡れ部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフローはんだ付用治具。
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