JP2009004235A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温時に放電可能とするとともに、電池容器破損時匂いを発散して電池容器に不具合があることを警告できるリチウム二次電池の提供。
【解決手段】正極、セパレータ、負極および電解質層からなるリチウム二次電池であって、該電解質層が、電池破損時に芳香させることが可能となる香料成分のエステル化合物を含有すること、より好ましくは、前記エステル化合物が、大気圧下、140℃以上の沸点を有する化合物であるリチウム二次電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、サイクル特性や高温放電特性に優れたリチウム二次電池に関し、例えば、140℃以上の高温環境下でも放電可能な薄型軽量リチウム二次電池に関する。因みに、消防法施行規則、建築基準法施工令により定められた社団法人日本照明器具工業会 JIL5501「非常用照明器具技術基準」によると、誘導灯、非常灯の灯火装置は140℃の雰囲気で、誘導灯では20分以上、非常灯では、30分以上の連続灯火が必要である。
なお、本明細書では、リチウムイオン二次電池とリチウムポリマー二次電池を総称してリチウム二次電池と呼ぶ場合がある。
近年、電子機器の小型化軽量化に伴い、形状の自由度の高い電池が要望されている。なかでも、非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池は高容量であることや環境負荷の少ない電池として市場から有望視されている。
リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵、放出可能なコバルト酸リチウムをアルミニウム箔に塗布した正極とリチウムイオンを電気化学的に吸蔵、放出可能な黒鉛を銅箔に塗布した負極を多孔質ポリオレフィンからなるセパレータとリチウム塩を有機溶媒に溶解した非水電解液およびこれらを収納するケースから構成されている。
特に最近では、より安全性を高めるため、リチウムイオン二次電池の電解液を液体状から固体あるいはゲル状に置き換えたリチウムポリマー電池が増加してきた。
電解液をゲル状にすることで電池ケースにアクシデントがあったとき液もれが起きないという利点がある。
リチウムポリマー電池の電解質は前記、有機電解液と高分子化合物を混合したものをゲル状に固めたものであるが、その製造方法には一般的に、2種類の製造方法が実用化されている。
第1の製造方法(前含浸)は、例えば、特許文献1に記載されるように高温にしたリチウム塩を溶解させたエチレンカーボネート〔沸点248℃、引火点143℃、粘度1.86cP(40℃)〕、プロピレンカーボネート(沸点241.7℃、引火点132℃、2.53cP)および鎖状カーボネートからなる非水電解液にポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下PVdF−HFPと略す)を溶解させ、この溶液を正極、負極に塗布後、室温に冷却することでゲル化させ、多孔質ポリオレフィンからなるセパレータを介して電極群を作製後、電池ケースに収納する方法がある。
第2の製造法(後含浸)は、例えば、特許文献2に記載されるように正極および負極を多孔質ポリオレフィンからなるセパレータを介して電極群を作製し、電池ケースに収納した後、リチウム塩とエチレンカーボネート、鎖状カーボネートからなる非水電解液に高温で重合するモノマーと重合開始材を溶解したものを前述の電池ケースに注液後、電池ケースを封止した後、加熱することでモノマーを重合させる方法がある。
これらの製造方法では、セパレータ濡れ性などを向上させる目的で、鎖状カーボネートが混合されてきた。この鎖状カーボネートは粘度の関係で、沸点および引火点の低い溶媒、たとえばジエチルカーボネート(沸点126.8℃、引火点25℃、粘度0.748cP)、ジメチルカーボネート(沸点91℃、引火点16℃、粘度0.59cP)が用いられてきた。
特開平11−312536号公報 特開2001−110446号公報
公共施設における防災器具のひとつとして、非常灯、誘導灯などの灯火機器の設置が義務付けられている。この種の灯火機器には停電時も作動させる必要性から、二次電池が搭載されているが、この二次電池には、従来ニッケルカドミウム二次電池が使われてきた。
最近になり、環境保護や小型化の目的で、ニッケル水素二次電池に置き換わりが始まっている。
更なる小型化のためリチウム二次電池への置き換えが試みられているが、従来のリチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池では120℃で放電不可能となるため、上記の灯火機器への採用は困難であった。120℃での放電不可能な理由としては大きく二つが考えられ、一つはセパレータのシャットダウンが、もう一つは電解液の沸点が挙げられる。
セパレータについては、従来からある多孔質ポリオレフィンからなるセパレータは、高温時の安全性を増すため、約110〜120℃でシャットダウン機能を有するポリエチレンを使用している。シャットダウン機能とは、一定の温度以上で電池の放電をできなくさせる機能である。
しかしながら、防災器具として利用するためには、シャットダウン機能が働く温度を、従来よりも高温とする必要があった。このため、約160〜170℃でシャットダウン機能を有するポリプロピレンの採用が検討されてきたが、ポリプロピレンをセパレータに用いた場合、ポリプロピレンを濡らすことのできる電解液の非水溶媒には鎖状カーボネートが必要となる。
しかしながら、リチウム二次電池の非水溶媒として使用可能な鎖状カーボネートはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなど沸点が130℃以下であり、140℃になると非水溶媒が沸騰蒸発し、正極、負極の電極距離が大きくなる。その結果、140℃以上の環境下では、内部抵抗が大きくなり、放電できなくなるという問題があった。
また、リチウムイオン二次電池においては、電池ケースが破損したり電解液の液もれが起きた際に、電解液が金属に対する腐食成分を含んでいるため、液漏れにより電子機器の回路が腐食され電子機器が使用不可能になるといった問題があった。
リチウムポリマー二次電池においても、電池ケースが破損した際に、外部の水分と電解液が少しずつ反応し腐食性ガスが発生するため、腐食性ガスにより電子機器の回路が腐食され電子機器が使用不可能になるといった問題があった。
本発明は、上述の問題点を解消し、サイクル特性や高温放電特性に優れたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
発明者は、セパレータをシャットダウン機能が160〜170℃で作動するポリプロピレン製とすることを検討したが、ポリプロピレン製とするとその表面は非常に疎水性が高く、非水電解液の濡れ性が悪いといった問題に直面した。そこで、かかる問題を解決するために、様々な検討をした結果、一般式〔I〕で表わされるエステル化合物とリチウム塩を溶解したエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートを主成分とする電解液に含有されることにより、ポリプロピレン製セパレータを濡らすことが可能であるとの知見を得るに至った。すなわち、一般式〔I〕で表わされるエステル化合物のカルボン酸残基C2n+1鎖のn数に特定のものを選ぶことにより、ポリプロピレンとの濡れ性が良好となること、また、エステル化合物のアルコール残基C2m+1のm数に特定のものを選ぶと非水溶媒と任意に混合することが可能となった。
また、一般式〔I〕で表わされるエステル化合物は香料に使用されるほど特有の芳香を持っているため、電池ケース破損時、香りを発し、警報を出すことが可能であることの知見を得た。
すなわち、本発明は、正極、セパレータ、負極および電解質層からなるリチウム二次電池であって、該電解質層が、電池破損時に芳香させることが可能となる香料成分のエステル化合物、好ましくは大気圧下、140℃以上の沸点を有するエステル化合物、より具体的には下記一般式〔I〕で表わされるエステル化合物を含有することを特徴とするリチウム二次電池、好ましくは140℃以上の高温環境下で30分以上放電可能であるリチウム二次電池を要旨とする。
(ただし、式中nは5〜12、mは1〜3の整数である。)
前記電解質層が非水系電解液で構成され、前記エステル化合物が該非水系電解液に5重量%以下含有され、好ましくは、非水系電解液を溶媒として、炭素数3〜5の環状アルキレンカーボネートを用いることを特徴としており、すなわち、本発明は、正極、セパレータ、負極および電解質層からなるリチウム二次電池であって、該電解質層が、非水系電解液で構成され、好ましくは非水系電解液の溶媒として、炭素数3〜5の環状アルキレンカーボネートを用いて構成され、電池破損時に芳香させることが可能となる香料成分のエステル化合物、好ましくは大気圧下で、140℃以上の沸点を有するエステル化合物、より具体的には上記一般式〔I〕で表わされるエステル化合物を非水系電解液に5重量%以下含有されていることを特徴とするリチウム二次電池、好ましくは140℃以上の高温環境下で30分以上放電可能であるリチウム二次電池を要旨とする。
前記電解質層が非水ゲル電解質で構成され、前記エステル化合物が該非水ゲル電解質に10重量%以下含有されていることを特徴としており、すなわち、本発明は、正極、セパレータ、負極および電解質層からなるリチウム二次電池であって、該電解質層が、非水ゲル電解質で構成され、構成され、電池破損時に芳香させることが可能となる香料成分のエステル化合物、好ましくは大気圧下、140℃以上の沸点を有するエステル化合物、より具体的には上記一般式〔I〕で表わされるエステル化合物を非水系電解液に10重量%以下含有されていることを特徴とするリチウム二次電池、好ましくは140℃以上の高温環境下で30分以上放電可能であるリチウム二次電池を要旨とする。
前記セパレータが、融点140℃以上の多孔質ポリオレフィン樹脂、好ましくは多孔質ポリプロピレンであることを特徴としており、すなわち、本発明は、正極、セパレータ、負極および電解質層からなるリチウム二次電池であって、該電解質層が、電池破損時に芳香させることが可能となる香料成分のエステル化合物、好ましくは大気圧下、140℃以上の沸点を有するエステル化合物、より具体的には上記一般式〔I〕で表わされるエステル化合物を含有すること、ならびに、前記セパレータが、融点140℃以上の多孔質ポリオレフィン樹脂、好ましくは多孔質ポリプロピレンであることを特徴とするリチウム二次電池、好ましくは140℃以上の高温環境下で30分以上放電可能であるリチウム二次電池を要旨とする。当該発明においても、前記電解質層が非水系電解液で構成され、前記エステル化合物が該非水系電解液に5重量%以下含有され、好ましくは、非水系電解液を溶媒として、炭素数3〜5の環状アルキレンカーボネートを用いる態様、または前記電解質層が非水ゲル電解質で構成され、前記エステル化合物が該非水ゲル電解質に10重量%以下含有されている態様を包含している。
本発明によれば、電池特性を低下させることなく、高温時に放電可能なリチウム二次電池を提供できる。
また、電解質層が、電池破損時に芳香させることが可能となる香料成分のエステル化合物を含有することにより、警報を出すことが可能である。
以下では、最良の形態の本発明を、非水電解質型二次電池の例で説明する。最良の形態の本発明は、リチウムをドープ又は脱ドープする正極活物質及び負極物質と、電解質層(非水系電解液または非水ゲル電解質)とを用いた非水電解質型二次電池であって、下記一般式〔I〕で表わされるエステル化合物が前記非水電解液に配合されていることを特徴とする非水電解質型二次電池である。
(ただし、式中nは5〜12、mは1〜3の整数である。)
一般式〔I〕で表わされるエステル化合物は香料に使用されるほど特有の芳香を持っている。また、大気圧下、140℃以上の沸点を有する化合物である(オクタン酸エチル:沸点208℃)。さらにまた、リチウム塩を溶解したエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートを主成分とする電解液に含有されることにより、ポリプロピレン製セパレータを濡らすことが可能である。また、C2m+1のm数に特定のものを選ぶことで、非水溶媒と任意に混合することが可能となる。
一般式〔I〕で表わされるエステル化合物は、ヘキサン酸メチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸エステル(メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル)、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル、オクタン酸メチル、オクタン酸エチル、ノナン酸メチル、ノナン酸エチル、デカン酸メチル、デカン酸エチルウンデカン酸メチル、ウンデカン酸エチル、ドデカン酸メチル、ドデカン酸エチル、トリデカン酸メチル、トリデカン酸エチルを例示することができる。
一般式〔I〕で表わされるエステル化合物は電解質層(非水系電解液または非水ゲル電解質)全量において0.5〜5重量%、好ましくは1〜3重量%配合させる。芳香の点からは微量の存在でもその機能が発揮されるが、ポリプロピレン製セパレータの非水系電解液または非水ゲル電解質に対する濡れの観点から0.5重量%以上存在することが望ましいが、5重量%を超えると経済的に得策ではない。
[セパレータ]
公知の非水系電解質二次電池用セパレータとして非水系電解液二次電池用セパレータを例に説明する。
セパレータを構成する熱可塑性樹脂組成物の基材樹脂としての熱可塑性樹脂は、耐熱性、耐溶剤性、可撓性のバランスに優れていることから、特に好ましいのはポリオレフィン樹脂である。本発明においては、ポリオレフィン樹脂の中でもポリプロピレンを用いるのが好ましい。セパレータを構成する熱可塑性樹脂組成物に含まれる充填剤としては、リチウム二次電池で用いられる非水系電解液を分解しない性質を有する無機充填剤が選ばれる。充填剤の配合量は、熱可塑性樹脂と充填剤とを含む熱可塑性樹脂組成物中好ましくは20ないし30体積%である。この充填剤の配合量が例えば10体積%未満であるなど極端に少ないと連通孔を形成することが難しく、セパレータとしての機能を発現することが困難となる。また、例えば50体積%を超えるなど極端に多いとフィルム成形時の粘度が高くなり加工性に劣るばかりでなく、多孔化のための延伸時にフィルム破断を生じる恐れがある。熱可塑性樹脂組成物には、更に必要に応じて低分子量化合物、熱安定剤等の他の添加剤を添加することができる。上記添加剤としては、公知のものであれば特に制限されず用いられる。
ポリプロピレン製微多孔膜は、公知のものであり、ポリプロピレンを必須成分としており、ポリプロピレンが主要マトリクスであることが好ましい。
ポリプロピレンとしては、1種類或いは複数のポリプロピレンを使用することが出来る。使用するポリプロピレンとしては、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーが挙げられるが、使用する全ポリプロピレンにおけるコモノマー(通常はエチレン)含量は1モル%以下であることが好ましく、ホモポリマーのポリプロピレンであることが好ましい。使用するポリプロピレンの重合触媒には特に制限はなく、チーグラー・ナッタ系の触媒やメタロセン系の触媒などが挙げられる。
ポリプロピレン製微多孔膜の孔閉塞温度は、電池組立時の熱乾燥工程及び電池の通常使用状態での孔閉塞防止の観点より140℃以上が好ましく、電池異常反応時の孔閉塞性の観点より170℃以下が好ましい。より好ましくは145〜165℃である。ポリプロピレン製微多孔膜の破膜温度は、20℃/minの高速昇温条件下においても190℃〜300℃と改善されている。高い破膜温度を有することにより、ポリプロピレン製微多孔膜を組み込んだ電池では、熱暴走の可能性を著しく低減できる。
ポリプロピレン製微多孔膜は、MD(微多孔膜の長手方向であり、すなわち機械方向)を固定した状態及びTD(機械方向に垂直な方向)を固定した状態で、150℃オーブン中に1時間おいた後でも、破膜しないことを特徴とする。これにより、ポリプロピレン製微多孔膜を組み込んだ電池のオーブン安全性は、ポリエチレン系などの従来品より著しく向上する。
[非水系電解液二次電池]
本発明の非水系電解液二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極と、非水系溶媒及びリチウム塩を含有する非水系電解液と、上述のポリプロピレン製の非水系電解液二次電池用セパレータとを備えるものである。
(1)非水系電解液
ア)非水系溶媒
本発明の非水系電解液二次電池に使用される電解液の非水系溶媒としては、非水系電解液二次電池の溶媒として公知の環状アルキレンカーボネートを用いる。環状アルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,3−プロピレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネートなどが挙げられるが、エチレンカーボネート(沸点248℃)、プロピレンカーボネート(沸点242℃)、ブチレンカーボネート(沸点240℃)等のアルキレンカーボネート等の環状アルキレンカーボネート(炭素数3〜5のアルキレンカーボネート)を好ましいものとして例示することができる。
これらは1種を単独で用いても良く、2種類以上を併用しても良い。環状カーボネートを用いた非水系溶媒が、充放電特性、電池寿命等の電池性能全般を高める観点から好ましい。また、該非水系溶媒は、環状カーボネートを非水系溶媒全体の70体積%以上となるように配合することが好ましい。さらに、上記の非水系溶媒は、製造されるリチウム電池の電池性能を低下させない範囲であれば、環状カーボネート以外の溶媒を含んでいても良い。非水系溶媒中における環状カーボネート以外の溶媒の割合は、通常30体積%以下、好ましくは10体積%以下である。
イ)リチウム塩
非水系電解液の溶質であるリチウム塩としては、任意のものを用いることができる。例えば、LiClO、LiPF、LiBF等の無機リチウム塩;LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CF9SO)、LiC(CFSO、LiPF(CF、LiPF(C、LiPF(CFSO、LiPF(CSO、LiBF(CF、LiBF(C、LiBF(CFSO、LiBF(CSO等の含フッ素有機リチウム塩などが挙げられる。これらのうち、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO等の含フッ素有機リチウム塩、特にLiPF、LiBFが好ましい。なお、リチウム塩についても1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらのリチウム塩の非水系電解液中の濃度の下限値としては、通常0.5mol/l以上、中でも0.75mol/l以上、上限値としては、通常2mol/l以下、中でも1.5mol/l以下である。リチウム塩の濃度がこの上限値を超えると非水系電解液の粘度が高くなり、リチウムイオン伝導度が低下する。また、下限値を下回るとリチウムイオン伝導度が低くなるので、上記濃度範囲内で非水系電解液を調製することが好ましい。
非水系電解液には、非水系溶媒及びリチウム塩以外に、必要に応じて他の有用な成分、例えば従来公知の過充電防止剤、脱水剤、脱酸剤、正極保護剤等の各種の添加剤を含有させても良い。
(2)正極
正極としては、通常、正極活物質とバインダーを含有する活物質層を集電体上に形成させたものが用いられる。正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば、その種類に制限はない。好ましい例としては、リチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。
リチウム遷移金属複合酸化物の具体例としては、LiCoOなどのリチウム・コバルト複合酸化物、LiNiOなどのリチウム・ニッケル複合酸化物、LiMnO、LiMnなどのリチウム・マンガン複合酸化物等が挙げられる。これらのリチウム遷移金属複合酸化物は、主体となる遷移金属原子の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si等の他の金属で置き換えると、安定化させることができるので好ましい。これらの正極活物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
バインダーとしては、電極製造時に使用する溶媒や電解液、電池使用時に用いる他の材料に対して安定な材料であれば、特に限定されない。その具体例としてはポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、複数種を併用しても良い。
正極活物質層中のバインダーの割合は、下限値が通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上であり、上限値が通常80重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは40重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。バインダーの割合が少ないと、活物質を十分に保持できないので、正極の機械的強度が不足し、サイクル特性等の電池性能を悪化させることがあり、逆に多すぎると電池容量や導電性を下げることになる。
正極活物質層は、通常、導電性を高めるため導電剤を含有する。導電剤としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛の微粒子や、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素微粒子等の炭素質材料を挙げることができる。これらは1種を単独で用いても、複数種を併用しても良い。
正極活物質層中の導電剤の割合は、下限値が通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは1重量%以上であり、上限値が通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは15重量%以下である。導電剤の割合が少ないと導電性が不十分になることがあり、逆に多すぎると電池容量が低下することがある。
正極活物質層には、その他、増粘剤等の通常の活物質層の添加剤を含有させることができる。 増粘剤は電極製造時に使用する溶媒や電解液、電池使用時に用いる他の材料に対して安定な材料であれば、特に限定されない。
正極の集電体には、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用される。
正極は、前述の正極活物質とバインダーと導電剤、必要に応じて添加されるその他の添加剤とを溶媒でスラリー化したものを集電体に塗布して乾燥することにより形成することができる。スラリー化のために用いる溶媒としては、通常、バインダーを溶解する有機溶剤が使用される。例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等が用いられるがこれらに限定されない。これらは1種を単独で用いても、複数種を併用しても良い。
このようにして形成される正極活物質層の厚さは、通常10〜200μm程度である。なお、塗布・乾燥によって得られた活物質層は、活物質の充填密度を上げるために、ローラープレス等により圧密化するのが好ましい。
(3)負極
負極は、通常、負極活物質とバインダーを含有する活物質層を集電体上に形成させたものが用いられる。
負極活物質としては様々な熱分解条件での有機物の熱分解物や人造黒鉛、天然黒鉛等のリチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料;酸化錫、酸化珪素等のリチウムを吸蔵・放出可能な金属酸化物材料;リチウム金属;種々のリチウム合金などを用いることができる。これらの負極活物質は、1種を単独で用いても良く、2種類以上を混合して用いても良い。
バインダーとしては、電極製造時に使用する溶媒や電解液、電池使用時に用いる他の材料に対して安定な材料であれば、特に限定されない。その具体例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いても、複数種を併用しても良い。
負極活物質層中の上述のバインダーの割合は、下限値が通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上であり、上限値が通常80重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは40重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。バインダーの割合が少ないと、活物質を十分に保持できないので負極の機械的強度が不足し、サイクル特性等の電池性能を悪化させることがあり、逆に多すぎると電池容量や導電性を下げることになる。
負極活物質層には、その他、増粘剤等の通常の活物質層の添加剤を含有させることができる。増粘剤は電極製造時に使用する溶媒や電解液、電池使用時に用いる他の材料に対して安定な材料であれば、特に限定されない。その具体例としては、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、複数種を併用しても良い。
負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用される。
負極は、前述の負極活物質とバインダー、必要に応じて添加されるその他の添加剤とを溶媒でスラリー化したものを集電体に塗布して乾燥することにより形成することができる。スラリー化のために用いる溶媒としては、通常、バインダーを溶解する有機溶剤が使用される。例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等が用いられるがこれらに限定されない。これらは1種を単独で用いても、複数種を併用しても良い。また、水に分散剤、増粘剤等を加えてSBR等のラテックスで活物質をスラリー化することもできる。
このようにして形成される負極活物質層の厚さは、通常、10〜200μm程度である。なお、塗布・乾燥によって得られた活物質層は、活物質の充填密度を上げるために、ローラープレス等により圧密化するのが好ましい。
(4)電池構成
本発明の非水系電解液二次電池は、上述した正極と、負極と、非水系電解液と、セパレータとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。更に、必要に応じて外装ケース等の他の構成要素を用いることも可能である。
その電池形状は特に制限されず、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。一般的に採用されている形状の例としては、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ、シート電極及びセパレータを積層したラミネートタイプなどが挙げられる。また、電池を組み立てる方法も特に制限されず、目的とする電池の形状に合わせて、通常用いられている各種方法の中から適宜選択することができる。
本発明の電池の一態様として、板版形状の単位電池要素である、正極、負極、セパレータから成るシングルセルを積層し、高分子−金属を複合したラミネートフィルムバッグに封入したものが挙げられる。図1は、シングルセルの構造の一例を示したものであり、集電体はアルミ箔、その下側に遷移金属リチウム酸化物(LiCoO2等)にゲル電解液を含浸させたものからなる正極、その下側に多孔質ポリマーフィルムからなるセパレータにゲル電解液を含浸させたもの、その下側にグラファイトにゲル電解液を含浸させたものからなる負極、そしてその下側に集電体の銅箔を有する。図示された上側には、電池要素として正極が位置しているが、負極を位置させてもよい。
なお、本発明は、薄板上の電極群を渦巻状に巻回した巻回型電池にも適用できるし、また、電解液をゲル化しないリチウム二次電池にも適用することができる。
本発明の電池は、シングルセルを、ハウジング内で複数積層して構成される。ハウジングは、高分子−金属を複合したラミネートフィルムで容器(例.パウチ)を構成し、内部に積層した電池を真空封入することのできる容器である。封入は主にポリオレフィンフィルム同士を熱融着することで行われる。ラミネート容器を用いることにより、外装の電位が中立となり、クラッシュ時の安全性をより高くすることができる。
本発明において、正極板、セパレータおよび負極板を積層した単位電池要素については、従来の単位電池要素と同様に構成される。例えば、正極板は正極集電体の反応部の片面に上記した正極活物質を塗布乾燥してなり、負極板は負極集電体の反応部の両面に上記したような負極活物質を塗布乾燥してなり、セパレータはポリオレフィン多孔質フィルムからなるものが例示できる。また、正極板には正極集電体が形成され、負極板には負極集電体が形成され、これらは超音波溶接等により正極端子リードおよび負極端子リードにそれぞれ接合されている。この接合は抵抗溶接によって行ってもよい。ただし、本発明の単位電池要素は、これらに何ら制限されるものではない。
以上、本発明の非水系電解液二次電池の一般的な実施形態について説明したが、本発明の非水系電解液二次電池は上記実施形態に制限されるものではなく、その要旨を越えない限りにおいて、各種の変形を加えて実施することが可能である。
以下では、本発明の詳細を実施例で説明するが、本発明は何ら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(硬化前電解質組成物の調製)
ポリエチレン製容器にテトラエチレングリコールジアクリレート500g及びモレキュラーシーブ4A(和光純薬社製)50gを入れ、5℃下で14日間静置させた。こうして脱水したテトラエチレングリコールジアクリレート7重量%、ソルライト(三菱化学社製、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの等重量混合液にLiPFを1.3mol/Lの濃度となるように溶解させたもの)93重量%、トリゴノックス23−C70(化薬アクゾ社製)0.2重量%を三角フラスコに秤取し不活性な雰囲気下で混合した。これをベース電解質と称す。
このベース電解質に鎖状エステルであるヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、オクタン酸エチルを表1の組成比で添加した。
(セパレータ含浸試験)
リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池において、セパレータが濡れる電解液であることは必須である。
今回、表1で作製した鎖状エステル入り硬化前電解質にてセパレータの濡れ性試験のため、含浸試験をした。
試験方法は、表1の硬化前電解質にポリエチレンセパレータ、ポリプロピレンセパレータを30秒間浸して、引き上げたときのセパレータの透明度で評価した。
表1の鎖状エステル入り硬化前電解質では、すべてのものでポリエチレンセパレータを濡らすことが可能であることがわかった。
表1より、オクタン酸エチルを含有させた硬化前電解質のみがポリプロピレンセパレータを濡らすことができた。
鎖状エステルのない硬化前電解質(No.D)では、ポリエチレン、ポリプロピレンセパレータとも濡らすことができなかった。
(正極の製造)
正極活物質であるLiCoO(本荘化学社製)を92重量%、導電材であるアセチレンブラック(電気化学工業製)を4重量%、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(呉羽化学製)を4重量%、さらに溶剤としてのN−メチルピロリドン80重量%を混合し、サンドミルで0.5時間混練・分散処理を行った。この混合物を厚さ15μmのアルミ箔上にドクターブレードを用いて塗布し、120℃で乾燥して溶剤を除去した後にカレンダー工程を加えて厚さが約80μmの正極を製造した。
(負極の製造)
負極活物質であるグラファイト(大阪ガス社製)を92重量%、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(呉羽化学製)を8重量%、溶剤としてのN−メチルピロリドン80重量%を混合し、サンドミルで0.5時間混練・分散処理を行った。この混合物を厚さ10μmの銅箔上にドクターブレードを用いて塗布し、120℃で乾燥して溶剤を除去した後にカレンダー工程を加えて厚さが約80μmの負極を製造した。
(電池の作製1:B−1)
正極(縦60mm×横63mm片面電極)、ポリプロピレン製セパレータ(縦64×横68、セルガード2500、セルガード社製)、負極(縦61mm×横64mm片面電極)に表1の硬化前電解質組成物(A−5)を塗布し活物質層内に含浸させた後に、正極と負極でセパレータを挟み、90℃で5分加熱して硬化させることにより正極/高分子ゲル 電解質/多孔膜/高分子ゲル 電解質/負極を1単位とする素電池を作製した。これを26組積層後、電流取出用のリードを取り付け、アルミラミネートのケースに収容して2200mAhの電池を作製した。
(初期充放電)
i)充電
電池容量の1/5の電流(以下1/5Cという)である440mAで4.2Vまで定電流充電し4.2Vで定電圧充電した。充電終止条件は充電開始から8時間とした。
ii)放電
1/5Cで3.0Vまで定電流放電した。この初期充放電試験で2100mAh以上の容量が確認できたものを良品電池として、引き続き試験評価電池とした。
(サイクル試験)
充電は、電池容量の2200mAhの電流(以下1Cという)である2200mAで
4.2Vまで定電流充電し4.2Vで定電圧充電した。充電終止条件は充電開始から
2.5時間とした。放電は1Cで3.0Vまで定電流放電した。この操作を400回繰り返した。400回後の容量を理論容量(2200mAh)で除算した値を容量維持率とした。サイクル試験の雰囲気温度は25℃±3℃で試験した。
試験結果を表2に示す。表2より、実施例1の電池の400回後の容量維持率は85%であった。
(高温放電試験)
電池容量の1/5の電流(以下1/5Cという)である440mAで4.2Vまで定電流充電し4.2Vで定電圧充電した。充電終止条件は充電開始から8時間とした。
充電状態の電池を加熱して、140℃に到達後、140℃に維持したまま1Cで放電した。
試験結果を表2に示す。表2より、実施例1の電池の140℃での容量維持率は70%であった。
[実施例2]
(電池の作製2:B−2)
電池の作製1の硬化前電解質組成物(A−5)をA−6にした以外は、同様にして電池を作製し、評価した。
試験結果を表2に示す。表2より、実施例2の電池の400回後の容量維持率は88%であった。また、140℃での容量維持率は75%であった。
[比較例1]
(電池の作製3:B−3)
電池の作製1のセパレータをポリエチレン(縦64×横68、旭化成社製)、にした以外は、同様にして電池を作製し、評価した。
試験結果を表2に示す。表2より、比較例1の電池の400回後の容量維持率は88%であった。また、140℃での放電は不可能であった。理由としては、高温でセパレータがシャットダウンしてしまったことが挙げられる。
[比較例2]
(電池の作製4:B−4)
電池の作製2のセパレータをポリエチレン(縦64×横68、旭化成社製)にした以外は、同様にして電池を作製し、評価した。
試験結果を表2に示す。表2より、比較例2の電池の400回後の容量維持率は89%であった。また、140℃での放電は不可能であった。理由として、高温でセパレータがシャットダウンしてしまったためである。
[実施例3]
(電池ケース破損時の匂い試験)
放電状態の電池B−1、B−2、B−3およびB−4のアルミラミネートに穴を開け、匂いがするかどうか確認した。その結果、これら全ての電池は匂いがし、穴が開いていることが匂いからもわかった。一方、穴の開いていない電池においては匂いがしなかった。
本発明によれば、電池を小型化することのみならず、香りによってその破損を把握でき、また、140℃以上で30分以上放電が可能であるため、公共施設における防災器具のひとつとして非常灯、誘導灯などに利用することで、それらの設置が推進されることが期待される。
本発明に係る電池のシングルセル構造の一例を示した図である。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 アルミ箔(集電材)
4 遷移金属リチウム酸化物(LiCoO)+ゲル電解液
5 多孔質ポリマーフィルム(セパレータ)+ゲル電解液
6 グラファイト+ゲル電解液
7 銅箔(集電材)

Claims (9)

  1. 正極、セパレータ、負極および電解質層からなるリチウム二次電池であって、該電解質層が、電池破損時に芳香させることが可能となる香料成分のエステル化合物を含有することを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記エステル化合物が、大気圧下、140℃以上の沸点を有する化合物である請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記エステル化合物が、下記一般式〔I〕で表わされるエステル化合物である請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
    (ただし、式中nは5〜12、mは1〜3の整数である。)
  4. 電解質層が非水系電解液で構成され、前記エステル化合物が該非水系電解液に5重量%以下含有されている、請求項1、2または3に記載のリチウム二次電池。
  5. 非水系電解液の溶媒として、炭素数3〜5の環状アルキレンカーボネートを用いる請求項4に記載のリチウム二次電池。
  6. 電解質層が非水ゲル電解質で構成され、前記エステル化合物が該非水ゲル電解質に10重量%以下含有されている、請求項1、2または3に記載のリチウム二次電池。
  7. 前記セパレータが、融点140℃以上の多孔質ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  8. 前記多孔質ポリオレフィン樹脂が多孔質ポリプロピレンである請求項7に記載のリチウム二次電池。
  9. 140℃以上の高温環境下で30分以上放電可能である請求項1から8のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
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