JP2009001647A - 潤滑油添加剤及びそれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化防止性能が良好で、且つ腐食性の少ない潤滑油添加剤、及びそれを含有した潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】5価及び/又は6価の無機モリブデン化合物と、酸性リン酸エステルを除く有機リン化合物、特に下記の一般式(1)
【化1】
Figure 2009001647

(h、k、m、nは、0又は1の数であり、nが0の時はh+k+m=0〜3の数になり、nが1の時はh+k+m=0〜2の数になり、R1〜R3は水素原子又は炭化水素基を表し、R1〜R3が同時に水素原子になることはない。)
で表される酸性有機リン化合物
とを反応することによって得られるリンモリブデン化合物を含有することを特徴とする潤滑油添加剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化防止性が高く、腐食性の少ない潤滑油添加剤、及びそれを含有する潤滑油組成物に関する。
近年の環境問題等により潤滑油組成物には様々な課題が課せられているが、その中に、潤滑油組成物の使用期間の長期化(ロングドレイン化)や、潤滑油組成物中の金属分(主にリン原子)を削減するという課題がある。ロングドレイン化は資源を有効に使う観点から、また、金属分の削減は潤滑油の廃棄を安全にかつ経済的に行うために、更にエンジン油として使用する場合は排ガス触媒を保護する目的等から、ロングドレイン化と金属分の削減が推進されている。
ロングドレイン化と金属分の削減に関し、最も重要な技術となるのが潤滑油の酸化防止性能の向上である。特にエンジン油等の潤滑油は、熱や水分、酸化窒素ガス等によって劣化を受けるため、潤滑油のロングドレイン化を達成するためには、酸化防止性能を向上させるのが不可欠である。そのため、既存の酸化防止剤で対応するには、酸化防止剤の添加量を増量する必要があった。しかし、潤滑油の酸化防止剤として最も使用される化合物は亜鉛ジチオホスフェートである。亜鉛ジチオホスフェートは、金属分として亜鉛原子とリン原子を含有しており、酸化防止剤(亜鉛ジチオホスフェート)を増量すると金属分の削減はできなかった。また、酸化防止剤にはフェノール系やアミン系など、金属分を含有しないものもあるが、これらの酸化防止剤の添加量を増やすと、スラッジ等が発生してしまうため一定量以上増やすことができず、現在までロングドレイン化と金属分の削減の二つを同時に達成することはできていなかった。
そこで様々な酸化防止剤が検討されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしこれらの酸化防止剤を使用しても、潤滑油のロングドレイン化と金属分の削減を同時に達成することはできなかった。
また、モリブデン化合物と酸性リン酸エステルとを反応させた化合物を、酸化防止性能を持つ化合物として本出願人は出願している(特許文献3参照)。しかし酸性リン酸エステルを使用した化合物を潤滑油に添加した場合、金属の腐食が問題になることがあった。
特開平9−53087号公報 特開2004−83868号公報 特願2006−188948号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、酸化防止性能が良好で、且つ腐食性の少ない潤滑油添加剤、及びそれを含有した潤滑油組成物を提供することにある。
そこで本発明者等は、潤滑油組成物に要求される酸化防止性能を持つ化合物について鋭意検討し、特定のリンモリブデン化合物に金属に対する腐食性が少なく、優れた酸化防止性能があることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、5価及び/又は6価の無機モリブデン化合物と、酸性リン酸エステルを除く有機リン化合物とを反応することによって得られるリンモリブデン化合物を含有することを特徴とする潤滑油添加剤である。
本発明の効果は、ロングドレイン化に対応した酸化防止性能を有し、金属に対する腐食性が少なく、且つ金属分を削減した潤滑油組成物を提供したことにある。
本発明に使用できる6価のモリブデン化合物としては、例えば、三酸化モリブデン又はその水和物(MoO3・nH2O)、モリブデン酸(H2MoO4)、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム等のモリブデン酸金属塩(M2MoO4;Mは金属原子)、モリブデン酸アンモニウム[(NH42MoO4又は(NH4)6(Mo724)・4H2O]、MoOCl4、MoO2Cl2、MoO2Br2、Mo23Cl6等が挙げられるが、入手しやすい三酸化モリブデン又はその水和物、モリブデン酸金属塩、モリブデン酸アンモニウム等が好ましい。
また5価のモリブデン化合物としては、上記に挙げた6価のモリブデン化合物を還元剤で還元したものが挙げられる。この反応に使用できる還元剤としては、例えば、スルホキシル酸、亜二チオン酸(ハイドロサルファイト)、亜硫酸、亜硫酸水素、ピロ亜硫酸、チオ硫酸、二チオン酸、スルフィン酸、二酸化チオ尿素、又はこれらのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩等が挙げられる。こうした還元剤の中でも、反応率が高いことから、スルフィン酸、二酸化チオ尿素、又はそれらのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が好ましく、二酸化チオ尿素、又はそれらのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩がより好ましい。
6価のモリブデン化合物を還元剤で還元するためには、これらを水に溶解又は分散させる必要がある。モリブデン酸ナトリウム等のモリブデン酸金属塩やモリブデン酸アンモニウムは水溶性であり、このまま水に溶解させることができるが、三酸化モリブデン等の水に不溶なモリブデン化合物を使用する場合は、アルカリ剤を添加して溶解させればよい。アルカリ剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属や、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の塩基性窒素化合物が挙げられる。これらの中でも、取り扱いが容易で安価なことから、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアが好ましい。溶解させる水の量は、6価のモリブデン化合物が溶解又は分散すればいずれの量でもよく、好ましくは固形分が10〜90質量%になるように調整すればよい。また、溶解させる際の温度は、10〜80℃、好ましくは20〜60℃、より好ましくは20〜40℃である。
6価のモリブデン化合物は、水溶液若しくは水分散液にした後に還元剤で還元するが、還元剤の添加量は、水溶液中のモリブデン1モルに対して0.1〜2モル、好ましくは0.1〜1モル、より好ましくは0.2〜0.8モルである。還元剤の量が0.1モル以下だと十分に還元できず、2モルより多いと、過剰であるため経済的に不利になる場合がある。また、還元剤を添加する場合の系内の温度は40〜90℃であることが好ましく、50〜80℃がより好ましく、還元剤を添加後0.5〜3時間撹拌してやればよい。
6価のモリブデンを還元した後は鉱酸によって中和する。使用できる鉱酸としては、例えば、塩酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、過塩素酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸等の無機の酸が挙げられるが、反応効率および高純度で生成物が得られる点から塩酸、硝酸、硫酸が好ましく、さらに不揮発性のものが取り扱い容易であるため、とくに硫酸の使用が好ましい。鉱酸の添加量は、水溶液中のモリブデン1モルに対して1価の酸であるなら1〜6モル、好ましくは2〜5モル、より好ましくは3〜5モルである。また、2価の酸であるなら1価の酸の1/2モル量、3価の酸であるなら1価の酸の1/3モル量でよく、例えば、水溶液中のモリブデン1モルに対して2価の酸は0.5〜3モル、好ましくは1〜2.5モル、より好ましくは1.5〜2.5モルである。鉱酸の添加量が少なすぎると、本発明の化合物が生成せず、多すぎると添加量に見合った効果が現れず、更に鉱酸の後処理が困難になる場合がある。また、鉱酸を添加するときの系内の温度は30〜90℃であることが好ましく、40〜80℃がより好ましい。更に、鉱酸を添加すると中和熱によって発熱するので、安全のために0.1〜3時間かけてゆっくり添加することが好ましく、0.5〜2時間かけて添加するのがより好ましい。更に添加後は、30〜90℃で0.1〜5時間熟成することが好ましく、0.5〜3時間熟成するのがより好ましい。
上記5価及び/又は6価の無機モリブデン化合物と反応させる酸性リン酸エステルを除く有機リン化合物としては、例えば、亜リン酸、亜ホスホン酸、亜ホスフィン酸、ホスフィン、ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスフィンオキサイド等のリン化合物を有機化した誘導体や、テトラアルキルホスホニウム塩、テトラアルケニルホスホニウム塩、テトラアリールホスホニウム塩等が挙げられるが、これらの有機リン化合物の中でも、下記の一般式(1)で表される有機リン化合物が好ましい。
Figure 2009001647
(h、k、m、nは、0又は1の数であり、nが0の時はh+k+m=0〜3の数になり、nが1の時はh+k+m=0〜2の数になり、R1〜R3は水素原子又は炭化水素基を表し、R1〜R3が同時に水素原子になることはない。)。
また、一般式(1)で表される化合物のR1、R2、R3は、それぞれ独立した水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ターシャリブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル(ラウリル)基、トリデシル基、テトラデシル(ミリスチル)基、ペンタデシル基、ヘキサデシル(パルミチル)基、ペプタデシル基、オクタデシル(ステアリル)基等のアルキル基;ビニル基、1−メチルエテニル基、2−メチルエテニル基、プロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ぺンタデセニル基、エイコセニル基、トリコセニル基等のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−ターシャリブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−オクチルフェニル基、4−(2−エチルヘキシル)フェニル基、4−ステアリルフェニル基等のアリール基;シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、メチルシクロヘプテニル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。
これらの炭化水素基の中でも、潤滑油に入れたときの安定性がよく、スラッジ等が生成しないことから、アルキル基とアリール基であることが好ましく、油への溶解性と性能のバランスから、炭素数6〜12のアルキル基及びアリール基がより好ましく、中でもヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基が最も好ましい。
また、これらの有機リン化合物の中でも、無機モリブデン化合物との反応性が良好で収率が高いことから、水酸基(OH基)を持つ有機リン化合物が好ましく、亜リン酸エステル(n=1、h+k+m=2)がより好ましく、水酸基を含有する亜リン酸エステルが更に好ましい。
本発明に使用できる有機リン化合物に、酸性リン酸エステルは使用することはできない。酸性リン酸エステルには、モノエステル、ジエステル、トリエステルがあるが、これらの化合物と無機モリブデン化合物とを反応させると、酸化防止性能を持つ化合物を得ることができる。こうして得られた化合物は、本発明のリンモリブデン化合物と同等の酸化防止性能を有しているが、本発明のリンモリブデン化合物と比較すると、金属に対する腐食性、特に銅に対する腐食性が高い。銅は自動車のエンジン等の潤滑油を必要とする場所にほとんど使用されているため、実際の使用において不具合を生じる場合がある。
次に、5価及び/又は6価の無機モリブデン化合物と酸性リン酸エステルを除く有機リン化合物との反応について述べる。本発明のリンモリブデン化合物を製造するには、5価及び/又は6価の無機モリブデン化合物を水に分散又は溶解させ、その後酸性リン酸エステルを除く有機リン化合物を添加して反応させればよい。
6価の無機モリブデン化合物の場合、固形分が10〜90質量%になるように水を添加し、水に分散又は溶解させてから次の有機リン化合物との反応に進んでもよいが、反応収率を上げるために、三酸化モリブデン等の水に溶解しない無機モリブデン化合物の場合には、アルカリ剤を添加して水に溶解させ、その後添加したアルカリ剤を完全に中和できる量の鉱酸で中和することが好ましい。
また、モリブデン酸ナトリウム等のモリブデン酸金属塩やモリブデン酸アンモニウム等の水に溶解する無機モリブデン化合物の場合は、水に溶解した後、対イオンであるナトリウムやアンモニウムを完全に中和できる量の鉱酸で中和することが好ましい。使用できるアルカリ剤や鉱酸は、上記5価の無機モリブデン化合物の製造に使用できるものを使用することができる。また、5価の無機モリブデン化合物の場合は、上記の5価の無機モリブデン化合物の製造方法で製造したものが、次の反応へそのまま使用できる。
上記のように水に分散あるいは溶解させた5価及び/又は6価の無機モリブデン化合物に、そのまま酸性リン酸エステルを除く有機リン化合物を添加して反応を進めてもよいが、反応後の粘度が大きくなる場合や、固形物が析出する場合があるため、有機リン化合物添加前に溶媒を添加することが好ましい。
使用できる溶媒としては、非水溶性の溶媒ならいずれでもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;へキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素系溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;メチルエチルケトン等のケトン系溶媒等が挙げられる。また、全ての反応が終了した後に残留してもよいのであれば、鉱油や合成油等の除去が困難な溶媒を使用してもよい。こうした溶媒は、系内の固形分100質量部に対して30〜300質量部添加するのが好ましく、50〜200質量部添加するのがより好ましい。
その後、酸性リン酸エステルを除く有機リン化合物を添加して反応させるが、無機モリブデン化合物の価数によって有機リン化合物の反応モル数を変える必要がある。本発明で使用できる無機モリブデン化合物において、6価の無機モリブデン化合物の構造骨格は下記の一般式(2)で表され、5価の無機モリブデン化合物の構造骨格は下記の一般式(3)で表されると推定されている。
Figure 2009001647
Figure 2009001647
上記の構造からわかるように、6価の無機モリブデン化合物の場合は、モリブデン原子1モルに対して反応する箇所が2つあり、5価の無機モリブデン化合物の場合は、モリブデン原子1モルに対して反応する箇所が1つになる。
以上のことから、有機リン化合物の添加量は、無機のモリブデン化合物が6価の場合、系内のモリブデン原子1モルに対して好ましくは1〜3モル、より好ましくは1.5〜2.5モル、更に好ましくは1.8〜2.2モル、最も好ましくは2モルである。また、無機のモリブデン化合物が5価の場合は、系内のモリブデン原子1モルに対して好ましくは0.5〜1.5モル、より好ましくは0.6〜1.4モル、更に好ましくは0.8〜1.2モル、最も好ましくは1モルである。有機リン化合物の添加量が少なすぎると、本発明のリンモリブデン化合物の収率が悪くなる場合があり、多すぎると未反応の有機リン化合物が大量に残留する場合がある。更に、5価と6価の無機モリブデン化合物が共存する系においては、それぞれの無機モリブデン化合物に対応する量の有機リン化合物の総和を添加してやればよい。
また、一般式(1)で表される有機リン化合物において、nが1の場合は5価の有機リン化合物となる。この有機リン化合物は、OH基あるいはOR基(RはR1又はR2又はR3を表す)のいずれか、もしくは両方を持っているが、OH基はそのまま無機モリブデン化合物と反応してP−O−Mo結合を形成し、OR基は加水分解をしてから無機モリブデン化合物と反応して、OH基と同様にP−O−Mo結合を形成する。このため、加水分解工程を必要とするOR基よりも、OH基のほうが容易に無機モリブデン化合物と反応するため、OH基を持たない5価の有機リン化合物を使用すると、OH基を持つものより収率が低くなる。
更に、一般式(1)で表される有機リン化合物において、nが0の場合は3価の有機リン化合物となる。3価の有機リン化合物の場合も、上記と同様の理由からOH基を持つ化合物の収率が良い。また、OH基もOR基も持たない有機リン化合物も存在するが、こうした化合物はリン原子が持つ不対電子が反応に関与すると考えられ、例えば、下記一般式(4)の反応式のように、生成物は塩の形になると推定される。しかし、この反応は効率の良い反応ではなく、収率はOH基やOR基を持つ有機リン化合物と比較して更に低くなる。よって3価の有機リン化合物の場合も、最も収率が高くなるOH基を持つ有機リン化合物の使用が最も好ましい。
Figure 2009001647
有機リン化合物を添加する場合の系内の温度は40〜90℃であることが好ましく、50〜80℃がより好ましい。有機リン化合物を添加する場合、0.1〜3時間かけてゆっくり添加することが好ましく、0.5〜2時間かけて添加するのがより好ましい。更に添加後は40〜90℃、好ましくは50〜80℃で、1〜30時間熟成することが好ましく、3〜20時間熟成するのがより好ましい。
有機リン化合物との反応によってリンモリブデン化合物は生成するが、純度の高いものを得るためには生成したリンモリブデン化合物を精製することが好ましい。精製の方法は公知の方法いずれを使用してもよく、例えば、水を蒸留等によって除去した後に副生した固形物をろ過によって取り除く方法、水を除去した後に本発明のリンモリブデン化合物を蒸留して得る方法、有機溶媒によって本発明のリンモリブデン化合物を抽出する方法等が挙げられる。これらの精製方法の中でも、精製工程が容易で純度の高いものが得られることから、有機溶媒を使用して精製する方法が好ましい。
有機溶媒を使用して精製する具体的な方法としては、例えば、水と分離する有機溶媒を反応の終わった系内に入れ、撹拌した後静置して2層に分離させる。水層が上層になる場合と下層になる場合があるが、いずれの場合でも水層を除去した後、得られた有機溶媒層の有機溶媒を減圧等で除去することによって、本発明のリンモリブデン化合物を得ることができる。また、副生物や不純物を減らすために、得られた有機溶媒層に更に水を添加して洗浄することが好ましい。
使用できる有機溶媒としては、水と分離する有機溶媒であればいずれを使用してもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘミメリテン、プソイドクメン、メシチレン、クメン等の芳香族系溶媒;ペンタン、へキサン、オクタン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素系溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン系溶媒等が挙げられる。また、除去する必要がないのであれば、鉱油や合成油等の沸点の高い有機溶媒でもよい。これらの有機溶媒の中でも、水層と有機層との分離が容易なことから、芳香族系溶媒の使用が好ましく、ベンゼン、トルエン、キシレンの使用がより好ましい。これらの有機溶媒の使用量は、系内の固形分100質量部に対して、20〜400質量部、好ましくは50〜200質量部であるが、反応前に溶媒や鉱油等を添加した場合は、その使用量を考慮する必要がある。
本発明の潤滑油組成物は、本発明のリンモリブデン化合物を潤滑基油に溶解したものである。使用できる潤滑基油に特に制約はなく、従来潤滑基油として慣用されている一般的な潤滑基油、例えば、鉱油、合成油及びこれらの混合物等が挙げられる。より具体的には、ポリ-α-オレフィン、エチレン-α-オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、アルキル置換ジフェニルエーテル、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、炭酸エステル、シリコーン油、フッ素化油、GTL(Gas to Liquids)等の合成油、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油あるいはこれらを精製した精製鉱油類等を用いることができる。これらの潤滑基油はそれぞれ単独で用いてもよく、混合物で用いてもよい。これらの潤滑基油の中でも、粘度指数が100以上の潤滑基油を使用するのが好ましく、粘度指数が100以上のポリ-α-オレフィン、GTL、精製鉱油の使用がより好ましい。
本発明の潤滑油組成物全量に対する本発明のリンモリブデン化合物の含量は、リン含量として、10〜200質量ppm、好ましくは20〜100質量ppm、より好ましくは30〜80質量ppmである。10質量ppm以下になると、酸化防止剤としての効果が表れない場合があり、200質量ppmを超えると、添加量に見合った効果が得られない場合や、スラッジを発生させる場合がある。
本発明の潤滑油組成物は、更に下記一般式(5)で表される亜鉛ジチオホスフェートを含有することにより、更に酸化防止性能が向上する。
Figure 2009001647
一般式(5)において、R及びRは炭素数1〜24の炭化水素基を表わし、aは0〜1/3の数を表わす。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシル、ウンデシル、2級ウンデシル、ドデシル、2級ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、2級トリデシル、テトラデシル、2級テトラデシル、ヘキサデシル、2級ヘキサデシル、ステアリル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−ブチルオクチル、2−ブチルデシル、2−ヘキシルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシル、2−オクチルドデシル、2−デシルテトラデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−ヘキサデシルオクタデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分枝−イソステアリル等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、スチレン化フェニル、p−クミルフェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
これらの炭化水素基の中でも、R及びRとしては、アルキル基が好ましく、2級アルキル基が更に好ましい。炭素数は、3〜14であることが好ましく、3〜10であることが更に好ましく、3〜8、例えば、ブチル基、イソブチル基、2級ブチル基、ターシャリブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2級ペンチル基、ネオペンチル基、ターシャリペンチル基、ヘキシル基、2級ヘキシル基であることが最も好ましい。又、R及びRは、同一の炭化水素基でも異なる炭化水素基でもよい。
また、一般式(5)において、a=0の場合、中性亜鉛ジチオホスフェート(中性塩)と呼ばれ、aが1/3の場合は、塩基性亜鉛ジチオホスフェート(塩基性塩)と呼ばれている。
亜鉛ジチオホスフェートは、これら中性塩と塩基性塩の混合物であるため、aは0〜1/3の数で表される。aの数は亜鉛ジチオホスフェートの製法によって異なるが、0.08〜0.3が好ましく、0.15〜0.3が更に好ましく、0.18〜0.3が最も好ましい。aが0.3より大きくなると、加水分解安定性が悪くなる場合があり、aが0.08より小さくなると、配合した潤滑油の耐磨耗性が悪くなる場合がある。
亜鉛ジチオホスフェートの添加量は、本発明のリンモリブデン化合物の添加量を考慮して決定する必要がある。亜鉛ジチオホスフェートは、本発明の潤滑油組成物中の総リン含量が800質量ppm以下になるように添加するのが好ましく、600質量ppm以下になるように添加するのがより好ましく、500質量ppm以下になるように添加するのが更に好ましい。800質量ppmを超えるとスラッジを発生させる場合や、ガソリンエンジンオイルに用いる場合は排ガス触媒に悪影響を与える場合がある。また、本発明の潤滑油組成物中の総リン含量が100質量ppm以下になると、酸化防止性能が足らなくなる場合がある。
本発明の潤滑油組成物は、更にフェノール系酸化防止剤及び/又はアミン系酸化防止剤を含有することにより酸化防止性能が向上する。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6―ジ―ターシャリブチルフェノール(以下、ターシャリブチルをt−ブチルと略記する。)、2,6―ジ―t−ブチル−p―クレゾール、2,6―ジ―t―ブチル―4―メチルフェノール、2,6―ジ―t―ブチル―4―エチルフェノール、2,4―ジメチル―6―t−ブチルフェノール、4,4’―メチレンビス(2,6―ジ―t−ブチルフェノール)、4,4’―ビス(2,6―ジ―t―ブチルフェノール)、4,4’―ビス(2―メチル―6―t−ブチルフェノール)、2,2’―メチレンビス(4―メチル―6―t−ブチルフェノール)、2,2’―メチレンビス(4―エチル―6―t−ブチルフェノール)、4,4’―ブチリデンビス(3―メチル―6―t―ブチルフェノール)、4,4’―イソプロピリデンビス(2,6―ジ―t―ブチルフェノール)、2,2’―メチレンビス(4―メチル―6―シクロヘキシルフェノール)、2,2’―メチレンビス(4―メチル―6―ノニルフェノール)、2,2’―イソブチリデンビス(4,6―ジメチルフェノール)、2,6―ビス(2’―ヒドロキシ―3’―t―ブチル―5’―メチルベンジル)―4―メチルフェノール、3―t−ブチル−4―ヒドロキシアニソール、2―t―ブチル―4―ヒドロキシアニソール、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ―t―ブチルフェニル)プロピオン酸オクチル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ―t―ブチルフェニル)プロピオン酸ステアリル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ―t−ブチルフェニル)プロピオン酸オレイル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ―t−ブチルフェニル)プロピオン酸ドデシル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ―t−ブチルフェニル)プロピオン酸デシル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ―t−ブチルフェニル)プロピオン酸オクチル、テトラキス{3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ―t−ブチルフェニル)プロピオニルオキシメチル}メタン、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ―t−ブチルフェニル)プロピオン酸グリセリンモノエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ―t−ブチルフェニル)プロピオン酸とグリセリンモノオレイルエーテルとのエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ―t−ブチルフェニル)プロピオン酸ブチレングリコールジエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ―t−ブチルフェニル)プロピオン酸チオジグリコールジエステル、4,4’―チオビス(3―メチル―6―t―ブチルフェノール)、4,4’―チオビス(2―メチル―6―t−ブチルフェノール)、2,2’―チオビス(4―メチル―6―t−ブチルフェノール)、2,6―ジ―t―ブチル―α―ジメチルアミノ―p―クレゾール、2,6―ジ―t―ブチル―4―(N,N’―ジメチルアミノメチルフェノール)、ビス(3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシベンジル)サルファイド、トリス{(3,5―ジ―t−ブチル―4―ヒドロキシフェニル)プロピオニル―オキシエチル}イソシアヌレート、トリス(3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5―トリス(3,5―ジ―t−ブチル―4―ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ビス{2―メチル―4―(3―n―アルキルチオプロピオニルオキシ)―5―t―ブチルフェニル}サルファイド、1,3,5―トリス(4―t−ブチル−3―ヒドロキシ―2,6―ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラフタロイル―ジ(2,6―ジメチル―4―t−ブチル−3―ヒドロキシベンジルサルファイド)、6―(4―ヒドロキシ―3,5―ジ―t−ブチルアニリノ)―2,4―ビス(オクチルチオ)―1,3,5―トリアジン、2,2―チオ―{ジエチル―ビス―3―(3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシフェニル)}プロピオネート、N,N’―ヘキサメチレンビス(3,5―ジ―t−ブチル−4―ヒドロキシ―ヒドロシナミド)、3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシ―ベンジル―リン酸ジエステル、ビス(3―メチル―4―ヒドロキシ―5―t−ブチルベンジル)サルファイド、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t―ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス{3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グリコールエステル等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤の含量は、本発明の潤滑油組成物全量に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜4質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が更に好ましい。0.01質量%以下になると、フェノール系酸化防止剤の効果が現れない場合があり、5質量%を超えると、添加量に見合った効果が得られない場合やスラッジを発生させる場合がある。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、1―ナフチルアミン、フェニル―1―ナフチルアミン、p―オクチルフェニル―1―ナフチルアミン、p―ノニルフェニル―1―ナフチルアミン、p―ドデシルフェニル―1―ナフチルアミン、フェニル―2―ナフチルアミン等のナフチルアミン系酸化防止剤;N,N’―ジイソプロピル―p―フェニレンジアミン、N,N’―ジイソブチル―p―フェニレンジアミン、N,N’―ジフェニル―p―フェニレンジアミン、N,N’―ジ―β―ナフチル―p―フェニレンジアミン、N―フェニル―N’―イソプロピル―p―フェニレンジアミン、N―シクロヘキシル―N’―フェニル―p―フェニレンジアミン、N―1,3―ジメチルブチル―N’―フェニル―p―フェニレンジアミン、ジオクチル―p―フェニレンジアミン、フェニルヘキシル―p―フェニレンジアミン、フェニルオクチル―p―フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系酸化防止剤;ジピリジルアミン、ジフェニルアミン、p,p’―ジ―n―ブチルジフェニルアミン、p,p’―ジ―t―ブチルジフェニルアミン、p,p’―ジ―t―ペンチルジフェニルアミン、p,p’―ジオクチルジフェニルアミン、p,p’―ジノニルジフェニルアミン、p,p’―ジデシルジフェニルアミン、p,p’―ジドデシルジフェニルアミン、p,p’―ジスチリルジフェニルアミン、p,p’―ジメトキシジフェニルアミン、4,4’―ビス(4―α,α―ジメチルベンゾイル)ジフェニルアミン、p―イソプロポキシジフェニルアミン、ジピリジルアミン等のジフェニルアミン系酸化防止剤;フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、フェノチアジンカルボン酸エステル、フェノセレナジン等のフェノチアジン系酸化防止剤等が挙げられる。
アミン系酸化防止剤の含量は、本発明の潤滑油組成物全量に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜4質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が更に好ましい。0.01質量%以下になると、アミン系酸化防止剤の効果が現れない場合があり、5質量%を超えると、添加量に見合った効果が得られない場合やスラッジを発生させる場合がある。
更に、本発明の潤滑油組成物は、公知の潤滑油添加剤の添加を拒むものではなく、使用目的に応じて、摩擦低減剤、極圧剤、油性向上剤、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、腐食防止剤、消泡剤などを本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。但し、これらの中でリン系の添加剤を使用する場合は、エンジン油中の総リン含量が増えるので、本発明で規定した範囲を超えないようにする必要がある。
摩擦低減剤としては、例えば、硫化オキシモリブデンジチオカルバメート、硫化オキシモリブデンジチオフォスフェート等の有機モリブデン化合物が挙げられる。これら摩擦低減剤の好ましい配合量は、基油に対してモリブデン含量で30〜2000質量ppm、より好ましくは50〜1000質量ppmである。ただし、リン原子を含有している硫化オキシモリブデンジチオフォスフェートより、硫化オキシモリブデンジチオカルバメートの使用が好ましく、炭素数8〜13のアルキル基を持つ硫化オキシモリブデンジチオカルバメートの使用がより好ましい。
極圧剤としては、例えば、硫化油脂、オレフィンポリスルフィド、ジベンジルスルフィド等の硫黄系添加剤;モノオクチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリフェニルフォスファイト、トリブチルフォスファイト、チオリン酸エステル等のリン系化合物;チオリン酸金属塩、チオカルバミン酸金属塩、酸性リン酸エステル金属塩等の有機金属化合物等が挙げられる。これら極圧剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜2質量%、より好ましくは0.05〜1質量%である。ただし、リン原子を含有している化合物の使用はできるだけ避けるのが好ましい。
油性向上剤としては、例えば、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸類;オレイルグリセリンエステル、ステアリルグリセリンエステル、ラウリルグリセリンエステル等のエステル類;ラウリルアミド、オレイルアミド、ステアリルアミド等のアミド類;ラウリルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン等のアミン類;ラウリルグリセリンエーテル、オレイルグリセリンエーテル等のエーテル類等が挙げられる。これら油性向上剤の好ましい配合量は、基油に対して0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜3質量%である。
清浄剤としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどのスルフォネート、フェネート、サリシレート、フォスフェート及びこれらの過塩基性塩等が挙げられる。これらの中でも過塩基性塩が好ましく、過塩基性塩の中でもTBN(トータルベーシックナンバー)が30〜500mgKOH/gのものがより好ましい。更に、リン及び硫黄原子のないサリシレート系の清浄剤が好ましい。これらの清浄剤の好ましい配合量は、基油に対して0.5〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%である。
分散剤としては、例えば、重量平均分子量約500〜3000のアルキル基又はアルケニル基が付加されたコハク酸イミド、コハク酸エステル、ベンジルアミン又はこれらのホウ素変性物等が挙げられる。これらの分散剤の好ましい配合量は、基油に対して0.5〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%である。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリ(C1〜18)アルキルメタクリレート、(C1〜18)アルキルアクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ジエチルアミノエチルメタクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、エチレン/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ポリイソブチレン、ポリアルキルスチレン、エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体、スチレン/イソプレン水素化共重合体等が挙げられる。あるいは、分散性能を付与した分散型もしくは多機能型粘度指数向上剤を用いてもよい。平均分子量は10,000〜1,500,000程度である。これらの粘度指数向上剤の好ましい配合量は、基油に対して0.1〜20質量%。より好ましくは0.3〜15質量%である。
流動点降下剤としては、例えば、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリビニルアセテート等が挙げられ、重量平均分子量は1000〜100,000である。これらの流動点降下剤の好ましい配合量は、基油に対して0.005〜3質量%、より好ましくは0.01〜2質量%である。
防錆剤としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、酸化パラフィンワックスカルシウム塩、酸化パラフィンワックスマグネシウム塩、牛脂脂肪酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアミン塩、アルケニルコハク酸又はアルケニルコハク酸ハーフエステル(アルケニル基の分子量は100〜300程度)、ソルビタンモノエステル、ノニルフェノールエトキシレート、ラノリン脂肪酸カルシウム塩等が挙げられる。これらの防錆剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜3質量%、より好ましくは0.02〜2質量%である。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール ベンゾイミダゾール ベンゾチアゾール テトラアルキルチウラムジサルファイド等が挙げられる。これら腐食防止剤の好ましい配合量は、基油に対して0.01〜3質量%、より好ましくは0.02〜2質量%である。
消泡剤としては、例えば、ポリジメチルシリコーン、トリフルオロプロピルメチルシリコーン、コロイダルシリカ、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、アルコールエトキシ/プロポキシレート、脂肪酸エトキシ/プロポキシレート、ソルビタン部分脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの消泡剤の好ましい配合量は、基油に対して0.001〜0.1質量%、より好ましくは0.001〜0.01質量%である。
本発明の潤滑油組成物は、様々な悪影響を及ぼすリン原子の含有量を抑えながら、同時に酸化防止性能を高めている。リン原子の含有量は使用用途、使用環境によって変化させ、潤滑油組成物全量に対して800質量ppm以下であることが好ましい。ただし、排ガス触媒等を搭載していないディーゼル車の潤滑油等では、リン含量が800質量ppmを超えても問題にならない場合がある。こうした場合でも、本発明のリンモリブデン化合物を添加することによって、添加しない場合と比較して、潤滑油の酸化防止性能が格段に向上する。
本発明の潤滑油組成物は、潤滑の用途であればいずれにも使用することができ、例えば、エンジン油、ギヤー油、タービン油、作動油、難燃性作動液、冷凍機油、コンプレッサー油、真空ポンプ油、軸受油、絶縁油、しゅう動面油、ロックドリル油、金属加工油、塑性加工油、熱処理油、グリース等の潤滑油に使用することができる。これらの中でも、使用環境が厳しく、酸化防止性能が要求されるエンジン油やタービン油で好適に使用することができる。
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。尚、以下の実施例等において%及びppmは特に記載が無い限り質量基準である。以下の方法で化合物を合成し、それを実施例に使用した。
<化合物1>
窒素導入管、還流管、撹拌装置及び温度計を備えた3000mlフラスコに、モリブデン酸ナトリウム2水和物1モル(242g)に水242g加えて溶解させた後、2モルの20%硫酸(980g)を1時間で滴下し、さらに2時間熟成させた。熟成後30〜40℃に冷却し、下記一般式(6)で表される2モルの2−エチルヘキシル(2−エチルヘキシル)ホスファイト(612g)を1時間で滴下し、更に10時間反応させた。得られた反応物にn−ヘキサン300mlを加えて30分撹拌し、その後1時間放置して水層と油層の2層に分離させて水層を除去した。最後に得られた油層を減圧下で脱溶媒し、淡青色オイル状生成物751gを得た。得られた淡青色オイル状生成物を分析した結果、モリブデン含量は12.0%であり、リン含量は3.8%であり、収率は96%であった。
Figure 2009001647
<化合物2>
化合物1の製造と同様の装置を使い、2モルの2−エチルヘキシル(2−エチルヘキシル)ホスファイトのかわりに、下記一般式(7)で表される2モルのブチル(ブチル)ホスファイト(388g)を使って化合物1と同様の反応を行い、青色オイル状生成物530gを得た。得られた淡青色オイル状生成物を分析した結果、モリブデン含量は17.1%であり、リン含量は5.4%であり、収率は95%であった。
Figure 2009001647
<化合物3>
化合物1の製造と同様の装置を使い、2モルの2−エチルヘキシル(2−エチルヘキシル)ホスファイトのかわりに、下記一般式(8)で表される2モルのオレイル(オレイル)ホスファイト(1164g)を使って化合物1と同様の反応を行い、青色オイル状生成物1267gを得た。得られた淡青色オイル状生成物を分析した結果、モリブデン含量は7.1%であり、リン含量は2.3%であり、収率は95%であった。
Figure 2009001647
<化合物4>
化合物1の製造と同様の装置を使い、2モルの2−エチルヘキシル(2−エチルヘキシル)ホスファイトのかわりに、下記一般式(9)で表される2モルのジ2−エチルヘキシルホスファイト(612g)を使って化合物1と同様の反応を行い、青色オイル状生成物513gを得た。得られた淡青色オイル状生成物を分析した結果、モリブデン含量は12.0%であり、リン含量は3.8%であり、収率は92%であった。
Figure 2009001647
<化合物5>
化合物1の製造と同様の装置を使い、2モルの2−エチルヘキシル(2−エチルヘキシル)ホスファイトのかわりに、下記一般式(10)で表される2モルのトリ2−エチルヘキシルホスファイト(836g)を使って化合物1と同様の反応を行い、青色オイル状生成物712gを得た。得られた淡青色オイル状生成物を分析した結果、モリブデン含量は9.2%であり、リン含量は2.9%であり、収率は91%であった。
Figure 2009001647
<化合物6>
化合物1の製造と同様の装置に、モリブデン酸ナトリウム2水和物1モル(242g)に水242g加えて溶解させた後、50〜60℃でハイドロサルファイト0.5モル(87.1g)を添加し、1時間反応させる。次いで2モルの20%硫酸(980g)を1時間で滴下し、さらに2時間熟成させた。熟成後30〜40℃に冷却し、一般式(6)で表される1モルの2−エチルヘキシル(2−エチルヘキシル)ホスファイト(306g)を1時間で滴下し、更に10時間反応させた。得られた反応物にn−ヘキサン300mlを加えて30分撹拌し、その後1時間放置して水層と油層の2層に分離させて水層を除去した。最後に得られた油層を減圧下で脱溶媒し、淡青色オイル状生成物474gを得た。得られた淡青色オイル状生成物を分析した結果、モリブデン含量は19.3%であり、リン含量は6.2%であり、収率は96%であった。
<化合物7>
化合物1の製造と同様の装置に、モリブデン酸ナトリウム2水和物1モル(242g)に水242g加えて溶解させた後、50〜60℃でハイドロサルファイト0.5モル(87.1g)を添加し、1時間反応させる。次いで2モルの20%硫酸(980g)を1時間で滴下し、さらに2時間熟成させた。熟成後30〜40℃に冷却し、下記一般式(11)で表される1モルのトリ2−エチルヘキシルホスフィンオキサイド(386g)を1時間で滴下し、更に10時間反応させた。得られた反応物にn−ヘキサン300mlを加えて30分撹拌し、その後1時間放置して水層と油層の2層に分離させて水層を除去した。最後に得られた油層を減圧下で脱溶媒し、淡青色オイル状生成物509gを得た。得られた淡青色オイル状生成物を分析した結果、モリブデン含量は16.2%であり、リン含量は5.2%であり、収率は86%であった。
Figure 2009001647
<化合物8>
窒素導入管、還流管、撹拌装置及び温度計を備えた3000mlフラスコに、モリブデン酸ナトリウム2水和物1モル(242g)に水242g加えて溶解させた後、50〜60℃でハイドロサルファイト0.5モル(87.1g)を添加し、1時間反応させる。次いで2モルの20%硫酸(980g)を1時間で滴下し、さらに2時間熟成させた。熟成後30〜40℃に冷却し、下記一般式(12)で表される1モルのトリ2−エチルヘキシルホスフィン(370g)を1時間で滴下し、更に10時間反応させた。得られた反応物にn−ヘキサン300mlを加えて30分撹拌し、その後1時間放置して水層と油層の2層に分離させて水層を除去した。最後に得られた油層を減圧下で脱溶媒し、淡青色オイル状生成物478gを得た。得られた淡青色オイル状生成物を分析した結果、モリブデン含量は16.6%であり、リン含量は5.3%であり、収率は83%であった。
Figure 2009001647
<化合物9>
窒素導入管、還流管、撹拌装置及び温度計を備えた3000mlフラスコに、モリブデン酸ナトリウム2水和物1モル(242g)に水206g加えて溶解させた後、2モルの20%硫酸(980g)を1時間で滴下し、さらに2時間熟成させた。熟成後30〜40℃に冷却し、下記一般式(13)で表される2モルのジ2−エチルヘキシルリン酸エステル(644g)を1時間で滴下し、更に10時間反応させた。得られた反応物にn−ヘキサン300mlを加えて30分撹拌し、その後1時間放置して水層と油層の2層に分離させて水層を除去した。最後に得られた油層を減圧下で脱溶媒し、淡青色オイル状生成物757gを得た。得られた淡青色オイル状生成物を分析した結果、モリブデン含量は8.3%であり、リン含量は5.7%であり、収率は93%であった。
Figure 2009001647
<化合物10>
窒素導入管、還流管、撹拌装置及び温度計を備えた3000mlフラスコに、モリブデン酸ナトリウム2水和物1モル(242g)に水242g加えて溶解させた後、50〜60℃でハイドロサルファイト0.5モル(87.1g)を添加し、1時間反応させる。次いで2モルの20%硫酸(980g)を1時間で滴下し、さらに2時間熟成させた。熟成後30〜40℃に冷却し、下記一般式(14)で表される1モルのモノ2−エチルヘキシルリン酸エステル(210g)を1時間で滴下し、更に10時間反応させた。得られた反応物にn−ヘキサン300mlを加えて30分撹拌し、その後1時間放置して水層と油層の2層に分離させて水層を除去した。最後に得られた油層を減圧下で脱溶媒し、淡青色オイル状生成物378gを得た。得られた淡青色オイル状生成物を分析した結果、モリブデン含量は24.1%であり、リン含量は7.7%であり、収率は95%であった。
Figure 2009001647
<化合物11>
亜鉛ジチオホスフェート
(一般式(5)においてR=直鎖ブチル基、R=直鎖オクチル基、a=0.2、リン含量8.2%)
<化合物12>
フェノール系酸化防止剤(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)
<化合物13>
アミン系酸化防止剤(p、p'−ジオクチルジフェニルアミン)
<酸化劣化試験>
ガラス製内筒管に基油10gに対して、上記化合物を表1及び表2に記載した量で配合し、攪拌して分散・溶解させた後、100mlのオートクレーブにセットし、圧力センサー及び排気管の取り付けてある蓋で密閉した。真空ポンプを利用してオートクレーブ内の空気を排気管から排出し、代わりに酸素を入れ、オートクレーブ内を100%酸素雰囲気下にし、同時に圧力を101kPaにした。このオートクレーブを160℃の恒温槽に入れて1時間おきに圧力をチェックし、圧力が80kPaを切るまでの時間を酸化誘導期間として測定した。酸化劣化が進むと酸素が消費されて圧力が減少するので、酸化誘導期間が長いほど良好な酸化防止性能を持つと判断できる。使用した基油は、動粘度4.24mm/秒(100℃)、19.65mm/秒(40℃)、粘度指数=126の鉱物油系高度VI油であり、結果を表3に示した。なお、0時間が147kPaになっているのは、160℃に昇温することにより、室温で101kPaに調整したオートクレーブ内の圧力が上がったためである。
<腐食試験>
JIS−K2513で定められる銅板腐食試験に準じて銅板腐食試験を実施した。長さ5cm×幅1cm×厚さ3mmの銅板の表面を紙やすりで磨き、下記の基油中にモリブデン含量が450ppmになるよう試験化合物を溶解させた試験油を100℃に過熱した後、上記の銅板を試験油内に完全に浸るように投入して3時間放置した。その後、試験油から取り出した銅板をヘキサンで軽くすすいだ後、銅板表面の状態を下記の基準で判断した。試験結果を表4に示す。なお、使用した基油は、動粘度4.24mm/秒(100℃)、19.65mm/秒(40℃)、粘度指数=126の鉱物油系高度VI油である。
(腐食試験評価方法)
◎:磨きたての銅板と同等
○:薄いだいだい色にわずかに変色している
△:紫色あるいは青色に変色している
×:赤茶色に変色している
Figure 2009001647
Figure 2009001647
Figure 2009001647
Figure 2009001647
以上の結果より、本発明の潤滑油添加剤は、既存の酸化防止剤としてよく知られる亜鉛ジチオホスフェートやフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤と比較して、いずれも酸化防止性能が良好で銅板に対する腐食性もないことがわかる。一方、原料にリン酸エステルを使用した化合物9及び10は、本発明の潤滑油添加剤と比較して、酸化防止性能は同等であるが銅板に対する腐食性が大きい。
また、本発明の潤滑油添加剤に、亜鉛ジチオホスフェートやフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤を共に添加すると、酸化防止性能はさらに向上し、なおかつ銅板に対する腐食は見られない。

Claims (6)

  1. 5価及び/又は6価の無機モリブデン化合物と、酸性リン酸エステルを除く有機リン化合物とを反応することによって得られるリンモリブデン化合物を含有することを特徴とする潤滑油添加剤。
  2. 有機リン化合物が、下記の一般式(1)
    Figure 2009001647
    (h、k、m、nは、0又は1の数であり、nが0の時はh+k+m=0〜3の数になり、nが1の時はh+k+m=1〜2の数になり、R1〜R3は水素原子又は炭化水素基を表し、R1〜R3が同時に水素原子になることはない。)
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油添加剤。
  3. 前記有機リン化合物が亜リン酸エステルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の潤滑油添加剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の潤滑油添加剤と基油を含有する潤滑油組成物。
  5. 亜鉛ジチオホスフェートを更に含有することを特徴とする請求項4に記載の潤滑油組成物。
  6. フェノール系及び/又はアミン系酸化防止剤を更に含有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の潤滑油組成物。
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