JP2009001176A - スタッドレスタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な雪氷上性能と耐摩耗性とをバランスよく保持させたスタッドレスタイヤを提供する。
【解決手段】スタッドレスタイヤのトレッド部は、少なくともジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、加硫促進剤が0.5〜5.0質量部、硫黄が1.0〜3.5質量部、酸化亜鉛が0.5〜5.0質量部、炭酸カルシウム粉末が0.4〜2.0質量部配合されているトレッドゴム組成物からなり、前記トレッドパターンのタイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる溝の密度を0.012mm/mm〜0.018mm/mm、タイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる前記サイピングの密度を0.051mm/mm〜0.059mm/mmとしている。
【選択図】図2

Description

本発明は、スタッドレスタイヤに関し、詳しくは、良好な雪氷上性能と耐摩耗性をバランスよくスタッドレスタイヤに保持させるもので、特に、乗用車に好適に装着されるものである。
スタッドレスタイヤは、スタッド(スパイクピン)がなくても積雪路面や氷結路面を安全に走行できるように開発され、現在では、スパイクタイヤに代わって冬季の寒冷地等で広く使用されている。
スタッドレスタイヤは、例えば、特開2001−130228号公報(特許文献1)等において、図3に示すように、トレッド部の接地面側に深い溝2を凹設してトレッドパターン1を形成していると共に、前記溝2によって囲まれたブロック3にスリット状のサイピング4を多数形成している。このような構成により、ブロック3表面と路面の接触による粘着、凝着摩擦力だけでなく、溝2やサイピング4のエッジによる掘りおこし摩擦力を高めることができるため、スタッドレスタイヤのグリップ力を高め、雪氷上性能を向上させることができる。
さらに、前記特許文献1では、スタッドレスタイヤのトレッドゴムとして、グラスファイバーをトレッド部の厚さ方向に配向させており、グラスファイバーによって掘りおこし摩擦力を一層高めることができる。
しかし、スタッドレスタイヤの雪氷上性能を高めるためにグラスファイバーの配合量を増量すると、耐磨耗性が悪化する傾向がある。
また、スタッドレスタイヤの溝2やサイピング4を増やすことによってもスタッドレスタイヤの雪氷上性能は向上するが、トレッドパターンの溝2やサイピング4を細かくするとブロック剛性が低下し、この場合にも耐磨耗性が悪化する傾向がある。
即ち、スタッドレスタイヤにおいては、良好な雪氷上性能と耐摩耗性をバランスよく保持させることが難しいという問題がある。
特開2001−130228号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、良好な雪氷上性能と耐摩耗性とをバランスよく保持させたスタッドレスタイヤを提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、トレッド部の接地面側にトレッドパターンとサイピングを有するスタッドレスタイヤであって、
前記トレッド部は、少なくともジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、加硫促進剤が0.5〜5.0質量部、硫黄が1.0〜3.5質量部、酸化亜鉛が0.5〜5.0質量部、炭酸カルシウム粉末が0.4〜2.0質量部配合されているトレッドゴム組成物からなり、
前記トレッドパターンのタイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる溝の密度が0.012mm/mm〜0.018mm/mm、タイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる前記サイピングの密度が0.051mm/mm〜0.059mm/mmとされていることを特徴とするスタッドレスタイヤを提供している。
本発明における「タイヤの進行方向に対して有効エッジ成分となる溝(サイピング)」とは、トレッド部に形成された溝(スリットからなるサイピング)を、タイヤ周方向成分とタイヤ軸線方向成分とに分解したときのタイヤ軸線方向成分の溝(サイピング)で、かつ、該溝およびサイピングのタイヤの進行方向後端側の端縁(エッジ)を意味している。したがって、接地単位面積当たりの前記端縁の長さを、タイヤの進行方向に対して有効エッジ成分となる溝(サイピング)の密度[mm/mm]と定義している。
具体的には、例えば、タイヤ周方向に平行に縦溝が形成され、タイヤの軸線方向に平行に横溝が形成されている場合、タイヤの進行方向に対して有効エッジ成分となる溝とは、タイヤ軸線方向に平行な横溝で、かつ、該横溝のタイヤ進行方向後端側の端縁を意味する。
また、例えば、溝がタイヤ軸線方向に対して所定角度傾斜して形成されている場合、タイヤの進行方向に対して有効エッジ成分となる溝とは、前記溝をタイヤ周方向成分とタイヤ軸線方向成分とに分解したときのタイヤ軸線方向成分の溝で、かつ該タイヤ軸線方向成分の溝のタイヤ進行方向後端側の端縁を意味する。
また、前記サイピングの形成方向はタイヤ軸線方向とすることが好ましく、サイピングは直線状(タイヤ軸線方向から45度程度まで傾斜させたものを含む)や、波形等の屈曲形状としてもよい。サイピングを前記波形とした場合、波形のサイピング全長におけるタイヤ軸線方向成分が、タイヤの進行方向に対して有効エッジ成分となる。
前記のように、トレッドパターンのタイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる溝の密度を0.012mm/mm〜0.018mm/mmの範囲としているのは、前記溝の密度が0.012mm/mm未満では、溝のエッジ成分が不足して雪氷上性能が悪化する一方、前記溝の密度が0.018mm/mmを越えると、トレッドパターンが細かくなり過ぎてブロック剛性が低下するため耐磨耗性が悪化することに因る。
特に、良好な雪氷上性能と耐磨耗性をバランスよく保持させるために、タイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる溝の密度を0.013mm/mm〜0.015mm/mmとすることが好ましい。
また、前記のように、トレッドパターンのタイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となるサイピングの密度を0.051mm/mm〜0.059mm/mmの範囲としているのは、前記サイピングの密度が0.051mm/mm未満では、サイピングのエッジ成分が不足して雪氷上性能が悪化する一方、前記サイピングの密度が0.059mm/mmを越えると、トレッドパターンが細かくなり過ぎてブロック剛性が低下するため耐磨耗性が悪化することに因る。
特に、良好な雪氷上性能と耐磨耗性をバランスよく保持させるために、タイヤ進行方向に対して有効なエッジ成分となるサイピングの密度を0.053mm/mm〜0.057mm/mmとすることが好ましい。
また、前記のように、トレッド部を形成するトレッドゴム組成物は、少なくともジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、炭酸カルシウム粉末0.4〜2.0質量部を配合することにより、良好な雪氷上性能を維持しつつ耐磨耗性や乾燥路面での操縦安定性も高めることができる。
前記ゴム成分100質量部に対して、炭酸カルシウム粉末の配合量が0.4質量部未満であると、タイヤ進行方向に対する有効エッジ成分となる溝やサイピングの密度を前記範囲内に設定した場合でも、十分な雪氷上性能が得られない場合がある一方、炭酸カルシウム粉末の配合量が2.0質量部を越えると、耐摩耗性が悪化してしまう場合がある。
特に、良好な雪氷上性能と耐磨耗性をバランスよく保持させるために、前記炭酸カルシウム粉末の配合量を、前記ゴム成分100質量部に対して0.7〜1.5質量部とすることが好ましい。
前記炭酸カルシウム粉末の平均粒子径としては、20μm〜70μmであることが好ましい。前記炭酸カルシウム粉末の平均粒子径が20μm未満の場合には、十分な雪上特性が得られないおそれがある一方、前記炭酸カルシウム粉末の平均粒子径が70μmを越えると、摩耗性能が悪くなるとなるおそれがある。
一方、前記のように、トレッドゴム組成物を構成するゴム成分は少なくともジエン系ゴムを含んでおり、ジエン系ゴムとしては、例えば、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどがあげられ、単独または2種以上混合して用いることができる。
なかでも、本発明においては、前記トレッドゴム組成物のゴム成分がブタジエンゴムと天然ゴムとからなり、該ゴム成分100質量部に対してブタジエンゴムが20〜80質量部であることが好ましい。
前記のように、ブタジエンゴムと天然ゴムとからなるゴム成分100質量部に対してブタジエンゴムを20〜80質量部配合することにより、雪氷上性能と耐磨耗性のバランスをより良好に保つことができる。特に、前記ゴム成分100質量部に対してブタジエンゴムを30〜70質量部配合することがより好ましく、45〜55質量部配合することがさらに好ましい。
また、前記トレッドゴム組成物には、前記ゴム成分100質量部に対して、更に、グラスファイバーが1〜3質量部、オイルが5〜25質量部、平均粒子径が20〜26nmであるカーボン粉体が33〜55質量部で配合されていることが好ましい。
前記のように、グラスファイバーの配合量を、前記ゴム成分100質量部に対して1〜3質量部配合することにより、雪氷上性能と耐磨耗性のバランスを一層良好に保つことができる。グラスファイバーの配合量が1質量部未満の場合には、雪氷上性能が不十分となるおそれがある一方、グラスファイバーの配合量が3質量部を越えると、耐磨耗性が悪化するおそれがある。特に、前記グラスファイバーを前記ゴム成分100質量部に対して、2質量部程度配合することが好ましい。
前記グラスファイバーの平均繊維径は、20μm〜50μmであることが好ましい。前記グラスファイバーの平均繊維径が20μm未満の場合、氷雪路面を引っ掻き、掘りおこす効果が得られにくくなる一方、前記グラスファイバーの平均繊維径が50μmを越えると、ゴムの粘着、凝着摩擦が妨げられ、トレッド部と路面との間に十分な粘着、凝着摩擦力が得られにくくなるおそれがある。
また、前記グラスファイバーの平均繊維長は、0.3mm〜0.8mmであることが好ましい。前記グラスファイバーの平均繊維長が0.3mm未満の場合、走行によりグラスファイバーが脱落しやすくなる一方、前記グラスファイバーの平均繊維長が0.8mmを越えると、トレッドゴムの加工が難しくなる傾向がある。
前記グラスファイバーは、トレッド部の厚さ方向に配向させることが好ましい。これにより、トレッド部の厚さ方向に配向したグラスファイバーが、氷雪路面とトレッド部表面との間に形成される水膜を押しのけ、粘着、凝着摩擦力を高めると共に、氷雪路面の掘りおこし摩擦力を高めることが可能となり、雪氷上性能をより向上させることができる。
また、前記のように、オイルの配合量を、前記ゴム成分100質量部に対して5〜25質量部とすることにより、スタッドレスタイヤとして適した硬度Hsにコントロールすることができる。前記オイルの配合量が5質量部未満の場合には、硬度Hsが高くなり雪氷上性能が不十分となりやすい一方、前記オイルの配合量が25質量部を超えると、硬度Hsが低くなり、耐磨耗性が悪化しやすくなる。
特に、前記オイルを前記ゴム成分100質量部に対して、5〜40質量部配合することが好ましく、前記オイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどのミネラルオイルを用いることが好ましい。
また、前記のように、平均粒子径が20〜26nmであるカーボン粉体の配合量を、前記ゴム成分100質量部に対して33〜55質量部で配合とすることが好ましいのは、前記カーボン粉体の配合量が33質量部未満では耐摩耗性が悪化しやすい一方、前記カーボン粉体の配合量が55質量部を越えるとトレッドゴムの硬度Hsが高くなり過ぎて雪氷上性能が悪化しやすくなるためである。
特に、ゴム成分100質量部に対して、前記カーボン粉体を40〜50質量部配合することがより好ましく、カーボン粉体としてはISAF等のカーボンブラックを用いることが好ましい。
前記サイピングは、トレッドパターンのタイヤ周方向の縦溝とタイヤ軸線方向の横溝に囲まれた各ブロック内においてタイヤ軸線方向に形成されており、前記1ブロック内において周方向に3〜7mmピッチで形成されていることが好ましい。
また、ブロック剛性の低下を防止するために、前記縦溝と横溝に囲まれた1ブロックの面積は300〜1600mm程度とすることが好ましく、その中に、長さ10〜35mm程度のサイピングがタイヤ周方向にほぼ均等なピッチで形成されていることが好ましい。
また、前記トレッドパターンの縦溝や横溝の溝幅や溝深さは、特に限定はされないが、例えば、溝幅が4〜9mm程度、溝深さが3〜11mm程度であることが好ましい。
本発明のスタッドレスタイヤは、2枚のスチールベルトと、1枚のプライ構造を備えた空気入りタイヤからなることが好ましい。
また、本発明のスタッドレスタイヤは、良好な耐磨耗性と共に、優れた雪氷上性能を有しているため、乗用車装着用として好適である。
本発明のスタッドレスタイヤのゴム硬度Hsは42〜50であること好ましい。
なお、前記ゴム硬度Hsは、JIS K6253に規定された方法に従って0℃において測定されたものである。
ゴム硬度Hsが42未満である場合には、ゴムそのものが柔らか過ぎて耐磨耗性が悪化しやすい一方、ゴム硬度Hsが50を越えると、トレッド部と氷雪路面との接地性が悪化し、特に乗用車装着用として必要な雪氷上性能が得られないおそれがある。
また、例えば、10000km実車走行後にトレッド部の溝深さを測定し、タイヤの溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し、該走行距離を耐磨耗性の指標とした場合、本発明のスタッドレスタイヤの耐磨耗性としては、前記走行距離が2000km以上となることが好ましい。
さらに、例えば、時速30km/hrから氷路面で急停止させ、停止するまでに要した氷上の停止距離を測定して該停止距離を雪氷上性能の指標とした場合、本発明のスタッドレスタイヤの雪氷上性能としては、前記停止距離が45m以下となることが好ましい。
前述したように、本発明によれば、トレッドパターンのタイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる溝の密度を0.012mm/mm〜0.018mm/mm、サイピングの密度を0.051mm/mm〜0.059mm/mmとすると共に、ジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、炭酸カルシウム粉末を0.4〜2.0質量部配合させたトレッドゴム組成物からトレッド部を形成することにより、スタッドレスタイヤに良好な雪氷上性能と耐磨耗性をバランスよく保持させることができ、乾燥路面での操縦安定性も高めることが可能となる。
また、前記のように、ブタジエンゴムと天然ゴムとからなるゴム成分100質量部に対してブタジエンゴムを20〜80質量部配合すると共に、前記ゴム成分100質量部に対して、グラスファイバーを1〜3質量部配合することにより、雪氷上性能と耐磨耗性のバランスを一層良好に保つことが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る乗用車装着用のスタッドレスタイヤ10を示し、スタッドレスタイヤ10が正規リム30にリム組みされ、正規内圧が充填された状態を示している。
スタッドレスタイヤ10は、トレッド部11から両側のサイドウォール部12を経てビード部13のビードコア14の周りを内側から外側に折り返されて係止されるカーカス15と、トレッド部11の内側で、かつカーカス15の外側に配置された2枚のスチールベルト16からなるベルト層とを備えている。
カーカス15は1枚のカーカスプライからなり、カーカスプライは、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して75〜90度の角度で配列している。カーカスコードとしては、スチールコードの他、芳香族ポリアミド、ナイロン、レーヨン、ポリエステルなどの有機繊維コードを用いることができる。
図2は、スタッドレスタイヤ10におけるトレッド部11のトレッドパターン17を示している。
図2に示すように、タイヤ周方向の縦溝18とタイヤ軸方向の横溝19をトレッド部11に設けてトレッドパターン17を形成し、縦溝18と横溝19とで囲まれた各ブロック20には、タイヤ軸線方向にサイピング21を形成している。
なお、縦溝18および横溝19は、タイヤ周方向やタイヤ軸線方向に平行に設ける必要はなく、図2に示すように、タイヤ周方向やタイヤ軸線方向に対して所定角度傾斜させたり、ジグザグ状(屈曲形状)に設けたりしていてもよい。同様にサイピング21も、タイヤ軸線方向に平行に設ける必要はなく、図2に示すように、タイヤ軸線方向に対して所定角度傾斜させて設けていてもよいし、波形形状としていてもよい。また、縦溝18および横溝19の溝幅や溝深さも適宜相違させることができる。
本実施形態においては、各ブロック20の面積を370〜1400mm2程度とし、各ブロック20の中に、長さ13〜25mmのサイピング21をタイヤ周方向に5mm程度のピッチで設けている。
また、縦溝18および横溝19の溝幅を5〜7mm程度とし、溝深さを7〜10mm程度としている。
前記のようなトレッドパターン17およびサイピング21を形成することにより、タイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる溝の密度を0.012〜0.018mm/mmとし、タイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となるサイピングの密度を0.051〜0.059mm/mmとしている。
一方、トレッド部11を形成するトレッドゴム組成物は、ブタジエンゴムと天然ゴムとからなるゴム成分に、炭酸カルシウム粉末、グラスファイバー、ミネラルオイル、カーボン粉体であるISAFカーボンブラック、加硫促進剤、硫黄、酸化亜鉛を配合している。
前記ブタジエンゴムは、全ゴム成分100質量部に対して、20〜80質量部、好ましくは、30〜70質量部、より好ましくは45〜55質量部配合している。
前記炭酸カルシウム粉末は、前記ゴム成分100質量部に対して、0.4〜2.0質量部、好ましくは、0.7〜1.5質量部配合している。
また、前記炭酸カルシウム粉末の平均粒子径を20〜70μmとし、本実施形態においては、40μmを最頻値として5〜150μmに亘り分布している炭酸カルシウム粉末を用いている。
前記グラスファイバーは、前記ゴム成分100質量部に対して、1〜3質量部、好ましくは2質量部配合している。
また、前記グラスファイバーの平均繊維径を、27〜39μmとし、平均繊維長を、0.5〜0.8mmとしている。
前記ミネラルオイルは、前記ゴム成分100質量部に対して、5〜40質量部、好ましくは、20〜30質量部配合している。
前記カーボンブラックは、前記ゴム成分100質量部に対して、33〜55質量部、好ましくは、40〜50質量部配合している。
また、カーボンブラックの平均粒子径を20〜26nmとしている。
前記加硫促進剤としては、例えば、グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオカルバミン酸系などの化合物が挙げられ、特にスルフェンアミドを用いることが好ましい。
前記加硫促進剤は、前記ゴム成分100質量部に対して、0.5〜5.0質量部、好ましくは、1.0〜3.5質量部配合している。
前記硫黄は、前記ゴム成分100質量部に対して、1.0〜3.5質量部、好ましくは、2〜3質量部配合している。
前記酸化亜鉛は、前記ゴム成分100質量部に対して、0.5〜5.0質量部、好ましくは、2〜4質量部配合している。
さらに、前記成分に加え、トレッドゴム組成物の製造に用いられる添加剤、例えば、老化防止剤やワックス、ステアリン酸なども配合することが好ましい。
トレッドゴム組成物は、公知の方法、例えば、前記各成分をバンバリーミキサー等の混練機を用い、混練温度120〜180℃、混練時間3〜10分で混練し、これを成形、加硫することにより得ることができる。
なお、前記グラスファイバーをトレッド部の厚さ方向へ配向させるために、例えば、前記グラスファイバーを配合したトレッドゴム組成物をカレンダーロールにて圧延加工し、得られたシートを繰り返し折りたたむことにより厚さ方向への配向が可能となる。
前記のように、スタッドレスタイヤ10のトレッドパターン17のタイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる溝の密度を0.012mm/mm〜0.018mm/mm、サイピングの密度を0.051mm/mm〜0.059mm/mmとすると共に、ジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、炭酸カルシウム粉末を0.4〜2.0質量部配合させたトレッドゴム組成物からトレッド部11を形成することにより、スタッドレスタイヤ10に良好な雪氷上性能と耐磨耗性をバランスよく保持させることができ、乾燥路面での操縦安定性も高めることが可能となる。
また、前記のように、ブタジエンゴムと天然ゴムとからなるゴム成分100質量部に対してブタジエンゴムを20〜80質量部配合すると共に、前記ゴム成分100質量部に対して、グラスファイバーを1〜3質量部配合することにより、雪氷上性能と耐磨耗性のバランスを一層良好に保つことが可能となる。
次に、本発明の実施例および比較例を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜24、比較例1、2)
図1に示す構造を有し、タイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる溝の密度およびサイピング密度が表1〜表3に示す値となるトレッドパターンおよびサイピングを有する乗用車装着用スタッドレスタイヤ(タイヤサイズ:195/65R15 91Q)を試作した。
前記試作した各スタッドレスタイヤの乾燥路面での操縦安定性、耐磨耗性および雪氷上性能をテストした。
前記テスト結果を、各スタッドレスタイヤのゴム硬度Hs、コスト指数と共に表1〜表3に示す。
また、前記各試作タイヤに使用したトレッドゴム組成物の組成も表1〜表3に合わせて示している。
なお、表1〜表3中、各種成分の配合量を示す数値は質量部を表し、「溝密度」、「サイピング密度」は、「タイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる溝の密度」、「タイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となるサイピングの密度」をそれぞれ意味している。
Figure 2009001176
Figure 2009001176
Figure 2009001176
実施例および比較例で使用した各種成分は次のとおりである。
・天然ゴム;「TSR20」グレード
・ブタジエンゴム;宇部興産(株)製「BR150B」
・カーボンブラック;三菱化学(株)製「ダイヤブラックI N220 ISAF」
・グラスファイバー;日本板硝子(株)製 平均繊維径11μm、繊維長3mm
・炭酸カルシウム粉末;キューピータマゴ(株)製「ESパウダー」
・ミネラルオイル;出光興産(株)製「ダイアナプロセスオイル」
・老化防止剤;精工化学(株)製「オゾノン6C」
・ワックス;大内新興化学工業(株)製「サンノックワックス」
・ステアリン酸;日本油脂(株)製「桐」
・酸化亜鉛;三井金属鉱業(株)製「酸化亜鉛2種」
・硫黄;軽井沢硫黄(株)製「粉末硫黄」
・加硫促進剤;大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ」
表1〜表3に示すスタッドレスタイヤのゴム硬度Hs、乾燥路面操縦安定性、耐磨耗性、雪氷上性能の測定方法、コスト指数の算出方法は以下のとおりである。
(1)ゴム硬度Hs
JIS K6253に規定された方法に従って、0℃におけるゴム硬度Hs(JIS−A)を測定した。
(2)乾燥路面操縦安定性
実施例および比較例のスタッドレスタイヤを、内圧200kPa、リム15×6.0JJにて、2.0L国産FR車の四輪に装着し、乾燥路面での操縦安定性(制駆動、コーナリングでのフィーリング)を評価し、比較例1を100として指数表示した。この指数が大きいほど、乾燥路面操縦安定性が優れていることを意味している。
(3)耐磨耗性
実施例および比較例のスタッドレスタイヤを、内圧200kPa、リム15×6.0JJにて、2.0L国産FR車の四輪に装着し、10000km実車走行後にトレッド部の溝深さを測定し、タイヤの溝深さが1mm減るときの走行距離を算出した。
実施例5における走行距離を100とし、他の実施例および比較例の走行距離を指数表示した。即ち、この指数が大きいほど、耐磨耗性が優れていることを意味している。
(4)雪氷上性能
実施例および比較例のスタッドレスタイヤを、内圧200kPa、リム15×6.0JJにて、2.0L国産FR車の四輪に装着し、時速30km/hrから氷路面で急停止させて、停止するまでに要した氷上の停止距離を測定した。各停止距離の逆数をとり、実施例1における1/(停止距離)を100として、他の実施例および比較例の1/(停止距離)を指数表示した。即ち、この指数が大きいほど、雪氷上性能が優れていることを意味している。
(4)コスト
トレッドゴムの単位重量当たりのコストの逆数をとり、比較例1における1/(単位質量当たりのコスト)を100として、他の実施例および比較例の1/(単位質量当たりのコスト)を指数表示した。即ち、この指数が大きいほど、低コストであることを意味している。
表1〜表3より明らかなように、タイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる溝の密度が0.012mm/mm未満、サイピングの密度が0.051mm/mm未満であり、炭酸カルシウム粉末を配合していない比較例1では、雪氷上性能、耐磨耗性共に不十分であった。また、乾燥路面操縦安定性と耐磨耗性と雪氷上性能とコストの指数合計[(2)+(3)+(4)+(5)]も他のスタッドレスタイヤに比べて低値であり、前記4項目に関する総合的評価も低かった。
また、炭酸カルシウム粉末を配合していない比較例2では、タイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる溝の密度およびサイピングの密度が本発明の規定範囲内であっても、耐磨耗性や乾燥路面操縦安定性が不十分であり、比較例1同様、総合的評価も低かった。
即ち、比較例1、2では、スタッドレスタイヤに、良好な雪氷上性能と耐摩耗性とをバランスよく保持させることができなかった。
一方、実施例1〜実施例24のスタッドレスタイヤは、全般的に、良好な雪氷上性能と耐摩耗性をバランスよく持ち合わせ、乾燥路面操縦安定性にも優れていた。また、コストも比較的低く抑えることができ、前記4項目に関する総合的評価も比較例1、2に比べて高かった。
本発明の実施形態に係るスタッドレスタイヤの断面図である。 トレッドパターンの平面図である。 従来例を示す図面である。
符号の説明
10 スタッドレスタイヤ
11 トレッド部
12 サイドウォール部
13 ビード部
14 ビードコア
15 カーカス
16 スチールベルト
17 トレッドパターン
18 縦溝
19 横溝
20 ブロック
21 サイピング
30 リム

Claims (5)

  1. トレッド部の接地面側にトレッドパターンとサイピングを有するスタッドレスタイヤであって、
    前記トレッド部は、少なくともジエン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対して、加硫促進剤が0.5〜5.0質量部、硫黄が1.0〜3.5質量部、酸化亜鉛が0.5〜5.0質量部、炭酸カルシウム粉末が0.4〜2.0質量部配合されているトレッドゴム組成物からなり、
    前記トレッドパターンのタイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる溝の密度が0.012mm/mm〜0.018mm/mm、タイヤ進行方向に対して有効エッジ成分となる前記サイピングの密度が0.051mm/mm〜0.059mm/mmとされていることを特徴とするスタッドレスタイヤ。
  2. 前記トレッドゴム組成物のゴム成分はブタジエンゴムと天然ゴムとからなり、該ゴム成分100質量部に対してブタジエンゴムが20〜80質量部である請求項1に記載のスタッドレスタイヤ。
  3. 前記トレッドゴム組成物には、前記ゴム成分100質量部に対して、更に、グラスファイバーが1〜3質量部、オイルが5〜25質量部、平均粒子径が20〜26nmであるカーボン粉体が33〜55質量部で配合されている請求項1または請求項2に記載のスタッドレスタイヤ。
  4. 2枚のスチールベルトと、1枚のプライ構造を備えた空気入りタイヤからなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスタッドレスタイヤ。
  5. 乗用車装着用とされる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のスタッドレスタイヤ。
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