JP2008546925A - 紙の製造における歩留りと水切れ性の改良 - Google Patents

紙の製造における歩留りと水切れ性の改良 Download PDF

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Abstract

製紙プロセスにおける歩留りと水切れ性を改良する方法が開示されている。本発明の方法は、会合性ポリマー、第2の成分、および必要に応じたケイ酸質物質を製紙用スラリーに加えることを含む。さらに、会合性ポリマーと第2の成分を含み、そして必要に応じてセルロース繊維をさらに含んだ組成物が開示されている。

Description

発明の詳細な説明
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2005年6月24日付け出願の米国仮特許出願第60/693,855号(該仮特許出願の全開示内容を参照により本明細書に含める)の利点を特許請求する。
本発明は、凝集系を使用して、セルロース系紙料(a cellulosic stock)から紙や板紙を製造する方法に関する。
歩留りと水切れ性は製紙における重要な態様である。紙や板紙の製造において、ある特定の物質が、改良された歩留りおよび/または水切れ性をもたらすことができる、ということが知られている。
セルロース系繊維シート(特に、紙や板紙)の製造は、1)セルロース系繊維の水性スラリーを得る工程;前記水性スラリーはさらに、無機増量剤や無機顔料を含有してもよい;2)このスラリーを、移動しつつある製紙用ワイヤや製紙用布帛上にデポジットさせる工程;および3)水を切ることによって、スラリーの固形成分からシートを作製する工程;を含む。
上記の工程に次いで、シートをプレスおよび乾燥して、さらに水を除去する。製紙方法をより低コスト化・迅速化するために、および/または、最終紙製品に特異的な性質を付与するために、シート作製工程の前に、スラリーに有機化学薬品や無機化学薬品を加えることが多い。
製紙業界は、紙の品質を向上させ、生産性を上げ、そして製造コストを下げるよう絶えず努力している。水切れ性/水切れ性および固形分の歩留りを改良するために、繊維質スラリーが製紙用ワイヤや製紙用布帛に達する前に、繊維質スラリーに化学薬品を加えることが多い。こうした化学薬品は、歩留り向上剤および/または水切り助剤(脱水促進剤)と呼ばれている。
製紙用ワイヤや製紙用布帛に対する繊維質スラリーの水切れ性または脱水性がよくないと、より速やかな製紙機械速度を達成する上でしばしば制約的な工程となる。水切れ性が改良されると、プレスセクションとドライヤーセクションにおいてより乾燥したシートが得られ、したがって蒸気消費量が少なくなる。さらに、水切れ性または水切れ性が、製紙方法においてシート最終特性の多くを決定づける段階であるので、歩留り向上剤・水切れ助剤が最終的な紙シートの性能特性に影響を及ぼすことがある。
固形分に関して、水切れしてペーパーウェブを形成させるというタービュラント法において、ウェブ中への微細ファーニッシュ固形分(fine furnish solids)の歩留りを増大させるのに製紙用歩留り向上剤が使用される。微細固形分の十分な歩留りがなされないと、微細固形分は、ミル廃液へと失われるか、あるいは再循環の白水ループ中に高レベルに蓄積され、したがってデポジットの増大を引き起こす恐れがある。さらに、歩留りが不十分であると、繊維上に吸着させようとする添加剤の損失が起こることから、製紙メーカーのコストが増大する。添加剤は、不透明性、強度、サイジング特性、または他の望ましい特性を紙に付与することができる。
カチオン電荷またはアニオン電荷を有する高分子量(MW)の水溶性ポリマーが、従来から歩留り向上剤・水切れ助剤として使用されている。使用されるポリマーやコポリマーの有効性は、それらを構成しているモノマーの種類、ポリマーマトリックス中のモノマーの配列、合成された分子の分子量、および合成法に応じて異なる。
最近開発の無機ミクロ粒子(歩留り向上剤・水切れ助剤として使用する場合)と高MW水溶性ポリマーとを組み合わせることで、従来の高MW水溶性ポリマーと比較して優れた歩留り・水切れ性能が示されている。米国特許第4,294,885号と第4,388,150号は、澱粉ポリマーをコロイダルシリカと共に使用することを開示している。無機粒子をアクリルアミドの線状コポリマーと共に使用することが当業界に知られている。最近の特許は、これらの無機粒子を、水溶性のアニオン性モノマーと共に使用すること(米国特許第6,454,902号)、あるいは特定の架橋物質と共に使用すること(米国特許第6,454,902号、米国特許第6,524,439号、および米国特許第6,616,806号)を開示している。
米国特許第4,643,801号と第4,750,974号は、カチオン性澱粉、コロイダルシリカ、およびアニオン性ポリマーのコアセルベート結合剤を使用することを開示している。米国特許第4,753,710号は、パルプファーニッシュ(pulp furnish)を高MWカチオン性凝集剤で凝集させること;凝集したファーニッシュに剪断力を起こさせること;次いでファーニッシュにベントナイトクレイを導入すること;を開示している。
特定の条件下で製造された水溶性コポリマーはユニークな物理的特性を示す、ということが最近見出された。これらのポリマーは、化学架橋剤を使用せずに製造することができる。これらのコポリマーはさらに、製紙用途(例えば、歩留り向上剤・水切れ助剤)を含む特定の用途において予期せぬ活性をもたらす。ユニークな特性を示すアニオン性コポリマーが、WO03/050152A1(該出願の全開示内容を参照により本明細書に含める)に開示されている。ユニークな特性を示すカチオン性コポリマーと両性コポリマーが、米国特許出願公開2004/0143039A1(該出願の全開示内容を参照により本明細書に含める)に開示されている。
しかしながら、水切れ・歩留り能を向上させることが依然として求められている。
製紙プロセスにおける歩留りと水切れ性を改良する方法が開示されている。本発明の方法は、ラジカル開始剤を選択することによって得られる改良された会合性ポリマーを使用することを提供する。
さらに、改良された会合性ポリマーを製造するための方法が開示されている。
さらに、改良された会合性ポリマーを含んだ組成物が開示されている。
さらに、改良された会合性ポリマーと他の物質を含み、そして必要に応じて、製紙プロセスにおいて改良された歩留りと水切れ性を得るのに有用なセルロース繊維をさらに含んだ組成物が開示されている。
本発明は、特定の条件下において製造される、改良された水溶性コポリマー(以後、“会合性ポリマー”と呼ぶ)を提供する。驚くべきことに、ラジカル開始剤を慎重に選択することで、当業界に公知の歩留り能や水切れ性能を凌ぐ、改良された歩留り能と水切れ性能を得ることができるということが見出された。
さらに驚くべきことに、会合性ポリマーを作製するプロセスを、重合反応の相対的な進行に依存する一連の開始工程を使用して行うと、歩留り向上剤・水切れ助剤の性能を向上させることができる、ということが見出された。
本発明はさらに、会合性ポリマーと他の物質とを含む新規組成物を提供する。
本発明はさらに、会合性ポリマーと他の物質とセルロース繊維とを含む組成物を提供する。
さらに、会合性ポリマーを歩留り向上剤・水切れ助剤として使用すると、製紙システムにおける他の添加剤の性能に対して影響を及ぼす、ということも観察されている。歩留りおよび/または水切れ性の向上は、直接的な影響と間接的な影響を及ぼすことがある。直接的な影響とは、歩留り向上剤・水切れ助剤が添加剤を保持するように作用する、ということを表わしている。間接的な影響とは、添加剤が物理的もしくは化学的な手段によって結びつくフィラーや微細物質を保持する上での、歩留り向上剤・水切れ助剤の有効性を表わしている。したがって、シート中に保持されるフィラーや微細物質の量を増大させることで、保持される添加剤の量が付随的な仕方にて増大する。“フィラー”とは、ある特性を付与すべくセルロースパルプスラリーに加えられる、あるいはセルロース繊維の一部に対するより低コストの代替物となる、一般には無機質の粒状物質を表わしている。フィラーは、サイズが比較的小さくて(0.2〜10ミクロンのオーダー)アスペクト比が低いために、そしてフィラーのもつ化学的特質のために、大きな繊維上に吸着されず、さらにはあまりにも小さすぎて、紙シートである繊維ネットワーク中に捕捉されない。“微細物質(fines)”とは、一般には長さが0.2mm未満であって、および/または、200メッシュのスクリーンを通過することができる、小さなセルロース繊維またはセルロースフィブリルを表わしている。
歩留り向上剤・水切れ助剤の使用レベルが増大するにつれて、シート中に保持される添加剤の量が増大し、したがって添加剤の効果が増大する。このことにより、シートに対して性能特性の向上がもたらされるか、あるいは製紙メーカーにとって、系に加える添加剤の量を減らすことが可能となり、このため製品のコストが低減する。さらに、製紙システムにおいて使用される再循環水(すなわち白水)中におけるこれら物質の量が減少する。ある条件下では望ましくない汚染物であると見なすことができる物質のレベルをこのように減少させることができれば、より効率的な製紙プロセスを得ることができるし、あるいは望ましくない物質のレベルを抑えるために加えられるスキャベンジャーや他の物質の必要量を低減させることができる。
上記にて使用している“添加剤”とは、紙に特異的な属性を付与すべく、および/または、製紙プロセスの効率を高めるべく紙スラリーに加えられる物質を表わしている。これらの物質としては、サイジング剤、湿潤紙力増強用樹脂、乾燥紙力増強用樹脂、澱粉もしくは澱粉誘導体、染料、汚染物質抑制剤、消泡剤、および殺生物剤などがあるが、これらに限定されない。
ラジカル開始剤の選択は、ポリマーの性能特性に大きな影響を及ぼす。特定の理論で拘束されるつもりはないが、開始剤の化学的性質が、ラジカルの形成速度、および/または、開始剤の相対的反応性に影響を及ぼすと考えられ、したがって結果として、ポリマーのモル質量、コポリマー組成、および他の物理的特性に影響を及ぼすことがある。さらに、開始剤の疎水性、ラジカルの形成速度、および/または、開始剤の相対的反応性が、開始剤の使用量に影響を及ぼすことがあり、このことは結果として、ポリマーのモル質量と他の物理的特性に影響を及ぼすことがある。
熱開始剤は、エチレン性不飽和モノマー(このうちの幾つかは、ビニルモノマー、アリルモノマー、またはアクリルモノマーとしても知られている)の重合を開始させるラジカルを形成するよう特有の温度で分解する一群の物質である。これらの物質は、工業的に利用されている最も一般的なタイプの開始剤である。熱開始剤としては、過酸化物、過硫酸塩、およびアゾ化合物などがあるが、これらに限定されない。代表的な過酸化物物質としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t-ブチルペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、およびこれらの混合物などがあるが、これらに限定されない。代表的な過硫酸塩としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、およびこれらの混合物などがあるが、これらに限定されない。代表的なアゾ化合物としては、2,2-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)(アゾビスイソブチロニトリルまたはAIBNとしても知られている)、4,4’-アゾビス(シアノバレリアン酸)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、およびこれらの混合物などがあるが、これらに限定されない。
本発明の目的に適うよう、選択される開始剤は、1種の開始剤であってもよいし、あるいは2種以上の熱開始剤の組み合わせ物であってもよい。
本発明のプロセスによって製造される会合性ポリマーは、下記のように表わすことができる:

Figure 2008546925
(式中、Bは、1種以上のエチレン性不飽和非イオン性モノマーの重合により形成される非イオン性ポリマーセグメントであり;Fは、1種以上のエチレン性不飽和アニオン性モノマーおよび/またはエチレン性不飽和カチオン性モノマーの重合により形成される、アニオン性ポリマーセグメント、カチオン性ポリマーセグメント、もしくはアニオン性ポリマーセグメントとカチオン性ポリマーセグメントとの組み合わせであり;B:Fのモル%比が95:5〜5:95である)で示される部分を含んだ水溶性コポリマー組成物;前記水溶性コポリマーは、少なくとも1種のジブロック非イオン性ポリマー界面活性剤もしくはトリブロック非イオン性ポリマー界面活性剤からなる少なくとも1種の乳化用界面活性剤を使用する油中水エマルジョン重合法によって製造され、このとき少なくとも1種のジブロック界面活性剤もしくはトリブロック界面活性剤とモノマーとの比が少なくとも約3:100であり、前記油中水エマルジョン重合法が、(a)モノマーの水溶液を作製する工程;(b)界面活性剤もしくは界面活性剤混合物を含有する炭化水素液体と前記水溶液とを接触させて、逆エマルジョンを形成させる工程;および(c)エマルジョン中のモノマーを、約2から7未満のpH範囲にて、特定の開始剤を使用することにより、ラジカル重合によって重合させる工程;を含む。
本発明の1つの好ましい実施態様においては、特定の開始剤は過酸化ラウロイルである。他の好ましい実施態様においては、開始剤は、過酸化ラウロイルと他の熱開始剤との組み合わせ物である。
本発明の他の好ましい実施態様においては、開始剤を、重合反応時に特定の時間間隔にて加える(反応が約40%〜約80%進行した時点で、開始剤の1回以上の追加アリコートを加えるのが好ましい)。
本発明の他の好ましい実施態様においては、開始剤は過酸化ラウロイルであって、重合反応時に特定の時間間隔にて加える(反応が約5%〜約90%進行した時点で、開始剤の1回以上の追加アリコートを加えるのが好ましい)。
本発明のさらに他の実施態様においては、開始剤を、重合反応時に特定の時間間隔にて加える(反応が約5%〜約90%進行した時点で、重合反応時に開始剤の2回以上の追加アリコートを加えるのが好ましい)。
会合性ポリマーはアニオン性コポリマーであってよい。本発明のアニオン性コポリマーは、0.01MのNaCl中0.0025重量%〜0.025重量%のコポリマー濃度にて測定されるハギンス定数(k’)が0.75より大きいこと;および6.3Hzでの1.5重量%活性コポリマー溶液(a 1.5wt.% actives copolymer solution)に対する貯蔵弾性率(G’)が75Paより大きいこと;を特徴とする。本発明の1つの実施態様においては、6.3Hzでの1.5重量%活性コポリマー溶液に対する貯蔵弾性率(G’)が75Pa〜170Paである。
会合性ポリマーはカチオン性コポリマーであってよい。本発明のカチオン性コポリマーは、0.01MのNaCl中0.0025重量%〜0.025重量%のコポリマー濃度にて測定されるハギンス定数(k’)が0.5より大きいことを特徴とする。カチオン性コポリマーは、6.3Hzでの1.5重量%活性コポリマー溶液に対する貯蔵弾性率(G’)が30Paより大きいと考えられる。
会合性ポリマーは両性コポリマーであってよい。本発明の両性コポリマーは、0.01MのNaCl中0.0025重量%〜0.025重量%のコポリマー濃度にて測定されるハギンス定数(k’)が0.5より大きいことを特徴とする。両性コポリマーは、6.3Hzでの1.5重量%活性コポリマー溶液に対する貯蔵弾性率(G’)が30Paより大きいと考えられる。
逆エマルジョン重合は、高分子量の水溶性ポリマーもしくは水溶性コポリマーを製造するための標準的な化学プロセスである。一般には、逆エマルジョン重合プロセスは、1)モノマーの水溶液を作製し、2)適切な乳化用界面活性剤もしくは乳化用界面活性剤混合物を含有する炭化水素液体と前記水溶液とを接触させて逆モノマーエマルジョンを形成させ、3)前記モノマーエマルジョンをラジカル重合に付し、そして必要に応じて、4)ブレーカー界面活性剤(a breaker surfactant)を加えて、水に加えたときにエマルジョンの逆転を高めることによって行われる。
逆エマルジョンポリマーは、一般にはイオン性モマーもしくは非イオン性モノマーをベースとする水溶性ポリマーである。2種以上のモノマーを含有するポリマー(“コポリマー”)も、同じプロセスによって製造することができる。これらのコモノマーは、アニオン性であっても、カチオン性であっても、両性イオン性であっても、非イオン性であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。
代表的な非イオン性モノマーとしては、アクリルアミド;メタクリルアミド;N-アルキルアクリルアミド(例えばN-メチルアクリルアミド);N,N-ジアルキルアクリルアミド(例えばN,N-ジメチルアクリルアミド);メチルアクリレート;メチルメタクリレート;アクリロニトリル;N-ビニルメチルアセトアミド;N-ビニルホルムアミド;N-ビニルメチルホルムアミド;ビニルアセテート;N-ビニルピロリドン;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート〔例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート〕;および前記物質のいずれかの混合物;などがあるが、これらに限定されない。
代表的なアニオン性モノマーとしては、アクリル酸の遊離酸と塩;メタクリル酸の遊離酸と塩;マレイン酸の遊離酸と塩;イタコン酸の遊離酸と塩;アクリルアミドグリコール酸の遊離酸と塩;2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸の遊離酸と塩;3-アリルオキシ-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸の遊離酸と塩;スチレンスルホン酸の遊離酸と塩;ビニルスルホン酸の遊離酸と塩;ビニルホスホン酸の遊離酸と塩;2-アクリルアミド-2-メチルプロパンホスホン酸の遊離酸と塩;および上記物質のいずれかの混合物;などがあるが、これらに限定されない。
代表的なカチオン性モノマーとしては、カチオン性エチレン性不飽和モノマー〔例えば、ハロゲン化ジアリルジアルキルアンモニウム(例えば塩化ジアリルジメチルアンモニウム)の遊離塩基と塩〕;ジアルキルアミノアルキル化合物の(メタ)アクリレート〔例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート〕、およびこれらの塩と第四アンモニウム化合物;N,N-ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(例えばN,N-ジメチルアミノエチルアクリルアミド)、およびこれらの塩と第四アンモニウム化合物;ならびに上記物質の混合物;などがあるが、これらに限定されない。
コモノマーは、いかなる比で存在してもよい。得られる会合性ポリマーは、非イオン性であっても、カチオン性であっても、アニオン性であっても、あるいは両性(カチオン電荷とアニオン電荷の両方を含有する)であってもよい。
1つの実施態様においては、会合性ポリマーは、非イオン性モノマーとアニオン性モノマーとのモル比(式IのB:F)が95:5〜5:95の範囲であるような、このましくは約75:25〜約25:75の範囲であるような、さらに好ましくは約65:35〜約35:65の範囲であるような、そして最も好ましくは約60:40〜約40:60の範囲であるようなアニオン性コポリマーであってよい。この点で、BとFのモルパーセントは、合計して100%とならなければならない。理解しておかなければならないことは、式I中に2種以上の非イオン性モノマーが存在してよい、という点である。さらに、式I中に2種以上のアニオン性モノマーが存在してよいという点も理解しておかねばならない。
本発明の1つの好ましい実施態様においては、会合性ポリマーは、B(非イオン性ポリマーセグメント)が、アクリルアミドの重合後に形成される反復構造単位であり;F(アニオン性ポリマーセグメント)が、アクリル酸の塩もしくは遊離酸の重合後に形成される反復構造単位であり;そしてB:Fのモル%比が約75:25〜約25:75である;という場合の式Iによって定義されるアニオン性コポリマーである。
会合性ポリマーの物理的特性は、それがアニオン性コポリマーであるときは、0.01MのNaCl中にて測定されるハギンス定数(k’)が0.75より大きく、6.3Hzでの1.5重量%活性コポリマー溶液に対する貯蔵弾性率(G’)が75Paより大きい(90Paより大きいのが好ましく、105Paより大きいのがさらに好ましい)、という点でユニークである。ハギンス定数は0.75より大きく、0.9より大きいのが好ましく、1.0より大きいのがさらに好ましい。
会合性ポリマーは、非イオン性モノマーとカチオン性モノマーとのモル比(式IのB:F)が99:1〜50:50、または95:5〜50:50、または95:5〜75:25、または90:10〜60:45の範囲であるような、さらに好ましくは、約85:15〜約60:40の範囲であるような、さらに好ましくは約80:20〜約50:50の範囲であるようなカチオン性コポリマーであってよい。この点で、BとFのモルパーセントは、合計して100%とならなければならない。理解しておかなければならないことは、式I中に2種以上の非イオン性モノマーが存在してよい、という点である。さらに、式I中に2種以上のカチオン性モノマーが存在してよいという点も理解しておかねばならない。
会合性ポリマーは、アニオン性モノマー、カチオン性モノマー、および非イオン性モノマーのそれぞれのモル%が、コポリマーを作製するのに使用されるモノマーの全量の少なくとも1%であるような、式Iの両性コポリマーであってよい。非イオン性モノマー、アニオン性モノマー、またはカチオン性モノマーの量は、コポリマーを作製するのに使用されるモノマーの全量の98%以下である。アニオン性モマー、カチオン性モノマー、および非イオン性モノマーのいずれかの量は、コポリマーを作製するのに使用されるモノマーの全量の少なくとも5%であるのが好ましく、少なくとも7%であるのがさらに好ましく、少なくとも10%であるのがさらに好ましい。この点で、アニオン性モノマー、カチオン性モノマー、および非イオン性モノマーのモルパーセントは、合計して100%とならなければならない。理解しておかなければならないことは、式I中に2種以上の非イオン性モノマーが存在してよく、式I中に2種以上のカチオン性モノマーが存在してよく、そして式I中に2種以上のアニオン性モノマーが存在してよい、という点である。
会合性ポリマーの物理的特性は、それがカチオン性コポリマーまたは両性コポリマーであるときは、0.01MのNaCl中にて測定されるハギンス定数(k’)が0.5より大きいという点でユニークである。カチオン性コポリマーまたは両性コポリマーに対する、6.3Hzでの1.5重量%活性ポリマー溶液の貯蔵弾性率(G’)は30Paより大きいと考えられ、50Paより大きいことが好ましい。ハギンス定数は0.5より大きく、好ましくは0.6より大きく、または0.75より大きく、または0.9より大きく、または1.0より大きい。
逆エマルジョン重合系において使用される乳化用界面活性剤もしくは界面活性剤混合物は、製造プロセスと得られる生成物の両方に対して重要な影響を及ぼすことがある。エマルジョン重合系において使用される界面活性剤は当業者に公知である。これらの界面活性剤は一般に、全体としての界面活性剤組成に依存する、ある範囲のHLB(Hydrophilic Lipophilic Balance;親水性・親油性バランス)値を有する。1種以上の乳化用界面活性剤を使用することができる。会合性ポリマーを製造するのに使用される、重合生成物である乳化用界面活性剤は、少なくとも1種のジブロックポリマー界面活性剤またはトリブロックポリマー界面活性剤を含む。周知のように、これらの界面活性剤は、極めて効果的なエマルジョン安定剤である。乳化用界面活性剤の種類と量は、重合のための逆モノマーエマルジョンが得られるように選択される。
ジブロックポリマー乳化用界面活性剤とトリブロックポリマー乳化用界面活性剤は、ユニークな物質を得るために使用される。WO03/050152A1およびUS2004/0143039A1(これら特許出願の全開示内容を参照により本明細書に含める)に記載のように、ジブロックポリマー乳化用界面活性剤またはトリブロックポリマー乳化用界面活性剤が必要な量にて使用されると、ユニークな特性を示すユニークなポリマーが得られる。代表的なジブロックポリマー乳化用界面活性剤およびトリブロックポリマー乳化用界面活性剤としては、脂肪酸のポリエステル誘導体とポリ(エチレンオキシド)をベースとするジブロックコポリマーとトリブロックコポリマー〔例えば、デラウェア州ニューキャッスルのユニケマ社から市販のハイパーマー(Hypermer)(登録商標)B246SF);ポリイソブチレンコハク酸無水物とポリ(エチレンオキシド)をベースとするジブロックコポリマーとトリブロックコポリマー;エチレンオキジおよびプロピレンオキシドとエチレンジアミンとの反応生成物;ならびに前記物質のいずれかの混合物;などがあるが、これらに限定されない。ジブロックコポリマーとトリブロックコポリマーは、脂肪酸のポリエステル誘導体とポリ(エチレンオキシド)をベースとするのが好ましい。トリブロックコポリマー界面活性剤が使用される場合、トリブロックは、2つの疎水性区域と1つの親水性区域を含有するのが好ましい(すなわち、疎水性物質-親水性物質-疎水性物質)。特定のHLB値を得るためには、1種以上の界面活性剤を選択するのが好ましい。
ジブロック界面活性剤もしくはトリブロック界面活性剤の量(重量%基準)は、会合性ポリマーを作製するのに使用されるモノマーの量に依存する。ジブロック界面活性剤もしくはトリブロック界面活性剤とモノマーとの比は、少なくとも約3:100である。ジブロック界面活性剤もしくはトリブロック界面活性剤とモノマーとの比は、3:100より大きくてよく、少なくとも約4:100であるのが好ましく、約5:100であるのがさらに好ましく、約6:100であるのがさらに好ましい。ジブロック界面活性剤もしくはトリブロック界面活性剤は、乳化系における基本的な界面活性剤である。
二次的な乳化用界面活性剤を加えて、処理や加工を容易にしたり、エマルジョンの安定性を高めたり、あるいはエマルジョンの粘度を変えたりすることができる。二次的な乳化用界面活性剤の例としては、ソルビタン脂肪酸エステル〔例えばソルビタンモノオレエート(例えば、デラウェア州ニューキャッスルのユニケマ社から市販のアトラスG-946)〕;エトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル;ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル;アルキルフェノールのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物;長鎖アルコールもしくは長鎖脂肪酸のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物;エチレンオキシド/プロピレンオキシド混合ブロックコポリマー;アルカノールアミド;スルホスクシネート;およびこれらの混合物;などがあるが、これらに限定されない。
逆エマルジョンの重合は、当業者の公知のいずれの方法でも行うことができる。「Allcock and Lampe,Contemporary Polymer Chemistry,(Englewood Cliffs,New Jersey,PRENTICE-HALL,1981),chapter 3-5」を含む文献中に例が見られる。
当業界において行われているように、逆エマルジョンの重合は、幾つかのタイプの開始剤を使用して開始させている。従来、開始剤を加えると反応が進行し、しばしばある時間にわたって発熱を伴う。開始剤の1回の導入で反応がスタートし、ラジカルが全て消費されるまで反応が続く。反応が終わった時点で、モノマーの殆ど(95%以上)がポリマー中に組み込まれている。しかしながら、残留モノマーが、モル基準にて数万ppmのレベルで存在することがある。残留モノマーを重合させる(しばしばバーンアウトと呼ばれる)には、開始剤の第2の(より多量であることが多い)アリコートを加える。この工程により、より分子量の低い物質がつくり出される。追加のアリコートを加えて、モノマーのレベルを、モル基準にて数百ppmのレベルに低下させることができる(これもバーンアウトであると考えられる)。
これとは別のアプローチは、重合時に開始剤の殆どを連続的に加えること、初期の反応器装入物が重合した後に、モノマーと開始剤との混合物を加えること、および開始剤と特定の重合調節剤との混合物を加えることを含む。
本発明の方法は、反応の初期時間中に開始剤の個別アリコートをある間隔で加えるという点で、標準的なやり方から逸脱している。本発明の目的に適うよう、開始剤混合物は、いかなる追加物質も組み込むことなく重合混合物に加えられる。開始剤混合物は、開始剤とキャリヤー溶媒との混合物である。いったん重合が開始されたら、追加のモノマーを開始剤と共に加えることはしない。例えば、一般的もしくは標準的な重合反応では、開始剤の初期アリコートを導入した後に4時間反応させ、この4時間の反応時にさらなる開始剤は加えず、この間に90%以上のモノマーが反応する。一般には、この4時間の反応時間の後に、反応混合物に開始剤の最終アリコートを加え、これにより反応が完了して(95%以上が反応)残留モノマーをバーンアウトすると考えられている。本発明においては、バーンアウト・アリコートを加える前に、反応時間中に開始剤のアリコートを2回以上加えることができる。これらの付加は、モノマーの最終バーンアウトに関わりのない個別の付加である。例えば、重合を開始させるために初期アリコートを加え、1時間後に開始剤の第2のアリコートを加え、そして2時間後に開始剤の第3のアリコートを加える。本発明のこの工程は、反応の最初の2時間において、最大で5回の、好ましくは最大で3回の、そしてさらに好ましくは2回の、開始剤の追加アリコートを使用して、バッチ中にまだ相当量のモノマーが存在しているときに新たなラジカルを生成させることであり、これにより殆どのモノマーが反応して、種々の用途に使用可能な高分子量物質(a high molar mass product)が形成される。
本発明の1つの実施態様においては、開始剤の初期アリコートを加えて、重合反応を開始させる。重合反応が約1%〜約90%進行した時点で、開始剤の1回以上の個別付加を行うのが好ましい。開始剤の1回以上の個別付加は、重合反応が約5%〜約90%進行した時点で行うことができる。開始剤の1回以上の個別付加は、重合反応が約5%〜約80%進行した時点で行うことができる。開始剤の1回以上の個別付加は、重合反応が約5%〜約60%進行した時点で行うことができる。開始剤の1回以上の個別付加は、重合反応が約10%〜約60%進行した時点で行うことができる。“進行率(percentage complete)”で表わしているのは、ポリマー鎖中に組み込まれた最初のモノマーのパーセントである。開始剤の追加アリコートは、反応の進行時に、および反応の終了時に加えることができる。
本発明の1つの実施態様においては、開始剤の初期アリコートを加えて、重合反応を開始させる。重合反応が約5%〜約50%進行した時点で、反応混合物に開始剤の個別アリコートを加え、重合反応が約15%〜約60%進行した時点で、反応混合物に開始剤の個別アリコートを加える。開始剤の追加の個別アリコートは、反応の進行時に、および反応の終了時に加えることができる。
本発明の他の実施態様においては、開始剤の初期アリコートを加えて、重合反応を開始させる。重合反応が約30%〜約75%進行した時点で、反応混合物に開始剤の第2のアリコートを加え、重合反応が約50%〜約90%進行した時点で、反応混合物に開始剤の第3のアリコートを加える。開始剤の追加アリコートは、反応の進行時に、および反応の終了時に加えることができる。
本発明の他の実施態様においては、重合反応を開始させる初期アリコートとは別に、反応の進行時に、反応混合物に開始剤の5回以上もの個別アリコートを加える。反応を開始させる初期アリコートの後に、反応混合物に、開始剤のわずか1回の追加アリコートを加えることができ、さらに好ましくは、開始剤のわずか2回の追加アリコートを加えることができる。反応の進行時に、重合反応を開始させる初期アリコートのほかに、開始剤の最大で6回の個別アリコートを反応混合物に加えることができる。
ラジカル開始剤の複数回の個別付加は、ポリマーの性能特性に対して大きな影響を及ぼす。開始剤は、ラジカルが形成される速度、および/またはラジカルの相対濃度に影響を及ぼす。特定の理論で拘束されるつもりはないが、このことは結果として、ポリマーのモル質量、コポリマー組成、および他の物理的特性に影響を及ぼすことがある、と考えられる。さらに、ラジカルが形成される速度、ラジカルの相対濃度、および/または開始剤の反応性は、使用する開始剤の量に影響を及ぼすことがあり、このことは結果として、ポリマーのモル質量と他の物理的特性に影響を及ぼすことがある。
0.1〜1%の活性ポリマーを含有する水溶液を得るには、一般には、本発明の会合性ポリマーを適用部位(application site)において希釈する。次いで、この会合性ポリマー希釈溶液を、歩留りと水切れ性に影響を及ぼすように製紙プロセスに加える。会合性ポリマーは、濃厚紙料に加えることもできるし、あるいは希薄紙料に加えることもできるが、好ましいのは希薄紙料である。会合性ポリマーは、1つの供給ポイントにて加えることもできるし、あるいは会合性ポリマーが、2つ以上の別個の供給ポイントに同時に供給されるように、分割供給することもできる。一般的な紙料付加ポイントとしては、ファンポンプの前の供給ポイント、ファンポンプの後で圧力スクリーンの前の供給ポイント、または圧力スクリーンの後の供給ポイントがある。
本発明の会合性ポリマーは、所望のレベルの凝集を達成するのに有効な量にて加えることができる。会合性ポリマーは、セルロースパルプの乾燥重量を基準として、セルロースパルプ1メートルトン(MT)当たり少なくとも約0.03Kg〜約0.5Kgの量にて使用するのが好ましい。適用において使用されるコポリマーの量は、1メートルトン当たり1.0Kg以上であってよい。コポリマーの濃度は、乾燥セルロースパルプ1メートルトン当たり約0.05Kg〜約0.5Kgであるのが好ましい。コポリマーは、セルロースパルプの乾燥重量を基準として、セルロースパルプ1メートルトン当たり約0.05Kg〜約0.4Kgの量にて加えるのがさらに好ましく、1メートルトン当たり約0.1Kg〜約0.3Kgの量にて加えるのがさらに好ましい。
本発明の会合性ポリマーは、1種以上の追加成分または第2の成分と共に使用することができる。追加成分または第2の成分は、幾つかの物質から選択することができる。
ケイ酸質物質を、第2の成分または追加成分として使用することができる。ケイ酸質物質は、シリカをベースとする粒子、シリカミクロゲル、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アニオン性コロイダルシリカ、シリカゾル、シリカゲル、ポリシリケート、およびポリケイ酸などからなる群から選択される物質のいずれであってもよい。これらの物質は、表面積が大きいこと、電荷密度が大きいこと、および粒径がミクロン以下であることを特徴とする。
このグループのケイ酸質物質は、球状非晶質シリカ粒子の安定なコロイド分散液(当業界ではシリカゾルと呼ばれている)を含む。“ゾル”という用語は、球状非晶質粒子の安定なコロイド分散液を表わしている。シリカゲルは三次元のシリカ凝集体鎖であって(それぞれの鎖が幾つかの非晶質シリカゾル粒子を含んでいる)、歩留り向上剤・水切れ助剤系において使用することができる。これらの凝集体鎖は、直鎖状であっても、あるいは分岐鎖状であってもよい。シリカゾルとシリカゲルは、ケイ酸モノマーを重合して環状構造物(この環状構造物は、ポリケイ酸の個別の非晶質シリカゾルとなる)とすることによって製造される。これらのシリカゾルをさらに反応させて、三次元のゲルネットワークを得ることができる。種々のシリカ粒子(ゾルやゲルなど)は、5〜50nmの外径寸法を有してよい。アニオン性のコロイダルシリカも使用することができる。
使用される無機粒子の他のタイプはクレイである。“クレイ”という用語は、層状ケイ酸塩(ケイ酸塩のサブクラス)であると考えられる多くの無機質群に適用されている。したがってクレイは、クロライト、イライト、カオリナイト、モンモリロナイト、およびスメクタイトを含む。
ベントナイトは、当業界において、ある種類の物質(一般的には、2種以上の鉱物の凝集体)に適用されている用語である。これらの鉱物凝集体は天然に産出するが、化学的および/または物理的なプロセシングを施して、それらの特性を改質することができる。水との相互作用の点から1つの重要な成分は、スメクタイトクレイ鉱物である。スメクタイト鉱物は、長さが最大で300nmで、1nm未満の均一な厚さを有する三次元粒子であって、酸素、シリカ、および金属イオン(一般には、アルミニウムおよび/またはマグネシウム)からなる。歩留りと水切れ性を付与するために現在工業的に使用されている最も一般的なクレイはモンモリロナイトである。一般には、モンモリロナイトは、コロイド状のベントナイトミクロ粒子を作製するのに使用されるスメクタイトである。モンモリロナイトは、2八面体構造と水中での強い負電荷を有する。モンモリロナイトをコロイド状粒子にしているのは、高いアニオン性電荷、溶液中での電気的二重層、および小さな粒径である。
水酸化アルミニウムやパーライト(これらに限定されない)を含めたいかなる無機粒子も使用することができる。
歩留り・水切れ系の他の追加成分もしくは第2の成分は、有機ミクロポリマーであっても、あるいは有機ミクロビーズであってもよい。有機ミクロポリマーは、架橋したイオン性有機ポリマー物質である。有機ミクロポリマーは、非イオン性モノマーとイオン性モノマーと架橋剤とのコポリマーである。さらに、イオン性モノマーは、アニオン性であっても、あるいはカチオン性であってもよい。アニオン性モノマーとカチオン性モノマーの両方を使用すると、両性物質が得られる。ミクロポリマーは一般に、アニオン性であっても、カチオン性であっても、あるいは非イオン性であってもよいエチレン性モノ不飽和モノマーまたはエチレン性ジ不飽和モノマーの重合によって作製される。これらの物質を製造するには、一般には逆エマルジョン重合が使用される。ミクロポリマーの1つの例として、ポリフレックス(Polyflex)(登録商標)CP.3(ニューヨーク州タリタウンのチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社)が挙げられる。
歩留り・水切れ系のさらに他の追加成分もしくは第2の成分は、多くのイオン性ポリマー物質(すなわちポリマー電解質)のうちの1種であってよい。これらの物質はしばしば、当業者によって、凝固剤もしくは凝集剤、増粘剤、湿潤紙力増強用樹脂、乾燥紙力増強用樹脂、およびレオロジー調整剤と呼ばれている。いかなる水溶性もしくは水分散性のポリマー電解質も、会合性ポリマーと併用することができると考えられる。これらの物質は、単一物質であっても、あるいはブレンド物質であってもよい。これらの物質は、化学的性質〔モノマー組成、イオン官能性の性質、イオン官能性の強さ(amount of ionic functionality)、ポリマー鎖に沿ったイオン官能性の分布、およびポリマーの物理的特性(例えば、分子量、電荷密度、および二次的/三次的な構造)によって影響される〕が異なっていてもよい。
歩留り・水切れ系のさらに他の追加成分もしくは第2の成分は、幾つかのアルミニウム化合物のうちの1種であってよい。特に好ましいのはミョウバン(硫酸アルミニウム)である。代表的な物質としては、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート(ACH)、ポリアルミニウムシリケートサルフェート(PASS)、および塩化ポリアルミニウム(PAC)などがあるが、これらに限定されない。PACは、Aln(OH)mCl3n-mという一般式を有する、アルミニウムのポリヒドロキシルクロライドの錯体である。最も単純なPACはAln(OH)2(H2O)8 +という化学式を有するダイマーであるが、ポリマーに対して受け入れられている式は[AlO4Al12(OH)24(H2O)12]+7である。
歩留り・水切れ系のさらに他の追加成分もしくは第2の成分はポリ(ビニルアミン)〔一般には、N-ビニルホルムアルデヒドの重合を行い、次いで加水分解を行ってアミンを形成させることによって製造される〕である。この物質は、酸性条件でも、塩基性条件でも加水分解させることができるが、好ましいのは塩基性条件である。加水分解の程度、およびこれにより得られる電荷密度は、加水分解反応を制御することによって変えることができる。ポリ(ビニルアミン)はさらに、ビニルホルムアミドとコモノマー(前記したコモノマーを含む)との共重合によって製造することもできる。ポリ(ビニルアミン)に対する他の合成経路も使用することができる。
歩留り・水切れ系のさらに他の追加成分もしくは第2の成分は、澱粉もしくは澱粉誘導体である。澱粉は、α-1,4結合を含有するグルコースのポリマーに対する一般名である。澱粉は天然に産出する物質であり、この炭水化物は、ほとんどの陸生植物の葉、茎、根、および実の中に見出すことができる。澱粉の市販供給源としては、穀物の種子(トウモロコシ、小麦、および米など)や特定の根(ジャガイモやタピオカなど)などがあるが、これらに限定されない。澱粉は、その植物源によって表わされる(例えば、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、および小麦澱粉など)。
グルコースは、炭素と水素と酸素から6:10:5の比にて構成されており(C6H10O5)、炭水化物有機化合物の種類に分類されている。澱粉は、グルコースの縮合ポリマーであると見なすことができる。
ほとんどの澱粉は、2種の多糖類(実質的に線状のポリマーであるアミロース、および高度に分岐したポリマーであるアミロペクチン)の混合物からなる。アミロースとアミロペクチンの相対的な量は供給源に応じて異なり、アミロースとアミロペクチンとの比は、一般には、タピオカの場合が17:83、ジャガイモの場合が21:79、トウモロコシの場合が28:72、そしてワクシーメイズコーン(waxy maize corn)の場合が0:100である。これらは代表的な澱粉の比であるけれども、本発明においては、アミロース対アミロペクチンのいかなる比も有用でありうる。
アミロースは、α-1,4結合によって互いに連結した、グルコース単位の鎖からなる線状ポリマーである。分子量は、約30,000〜約1,000,000の範囲であってよい。
アミロペクチンは、極めて複雑で極めて高分子量(10,000,000〜100,000,000)のポリマーを形成するようα-1,6結合を介して連結した、約2000〜約10,000の分子量を有する短いアミロース鎖で構成される高度に分岐した構造体である。
澱粉は、植物によって合成され、それぞれの植物にとって特有のグラニュールにて蓄積される。澱粉グラニュールは、粉砕プロセスと微粉砕プロセスを通して植物から分離される。グラニュールは冷水に対して不溶性であり、グラニュールが膨潤して破裂するためには、これによってポリマーを溶液中に溶解させるためには、臨界温度より高く加熱しなければならない。
澱粉は、選択された用途において有用な特定の特性をもたらすように変性を施すことができる。こうした変性は、物質の物理的構造または化学的構造に対する、あるいはこれらの両方に対する変性を含む。物理的変性法としては、分子量の減少(加水分解によって果たされるのが最も多い)がある。このような変性物質は、誘導体化澱粉(derivatized starch)または澱粉誘導体(starch derivatives)と呼ばれることが多い。
化学的変性法としては、酸化澱粉を生成する反応(例えば、次亜塩素酸塩との反応によって);架橋澱粉を形成する反応(例えば、エピクロロヒドリン、三メタリン酸ナトリウム、イソシアネート、またはN,N-メチレンビスアクリルアミド等の架橋剤を使用することによって);澱粉エステルを形成する反応(例えば、酢酸や無水コハク酸との反応によって);ヒドロキシアルキル澱粉を形成する反応(例えば、エチレンオキシドやプロピレンオキシドとの反応によって);ホスフェートモノエステルを形成する反応(例えば、トリポリリン酸ナトリウムとの反応によって);カチオン性澱粉を形成する反応(例えば、塩化ジエチルアミノエチル、第三アミンとエピクロロヒドリン、あるいはエチレンアミンとの反応によって);ジアルデヒド澱粉を形成する反応(例えば、酸による酸化(acid oxidation));およびキサントゲン酸澱粉を形成する反応;などがあるが、これらに限定されない。本発明の目的に対しては、いかなるタイプの化学的に変性した澱粉も有用であると考えられる。
歩留り・水切れ系のさらに他の追加成分もしくは第2の成分は、しばしば鉱物と呼ばれる無機物質である(しかしながら、必ずしも必要というわけではない)。これらの物質としては、クレイ、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、珪藻土(シリカ)、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、およびゼオライトなどがあるが、これらに限定されない。これらの物質は、天然に産出されるか、あるいは化学プロセスによって合成することができる。これらの物質はさらに、化学的処理または物理的処理によって変性を施すことができる。これらの物質に対し、化学的処理と物理的処理の両方を、逐次的に又は同時に施すこともできる。炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムであっても、あるいは沈降炭酸カルシウムであってもよい。
ゼオライトは、明確な構造を有する、微孔性の結晶質固体である。ゼオライトは一般に、ケイ素原子、アルミニウム原子、および酸素原子を含有する。ゼオライトは、天然物質であっても、合成物質であっても、あるいは変性を施した物質であってもよい。
歩留り・水切れ系のさらに他の追加成分もしくは第2の成分は、水相溶性の他のポリマーであってよい。“水相溶性の(water compatible)”とは、該ポリマーが、水溶性であっても、水膨潤性であっても、あるいは水分散性であってもよいということを意味している。
“水溶性”という用語は、該ポリマーが溶媒中に溶解し、視認できるような固体物質が溶媒中に残留しない、ということを示すのに使用されている。溶媒中へのポリマーの溶解は、混合の自由エネルギーが負であるときに起こる。水溶性物質の例としては、滲出物もしくはゴム質、抽出物、天然物質、変性天然物質、または合成物質などがあるが、これらに限定されない。滲出物もしくはゴム質の1つの例はトラガカントゴムである。抽出物の1つの例はペクチンである。天然物質の1つの例はグアールである。変性天然物質の1つの例はメチルセルロース等のセルロース誘導体である。合成物質の1つの例はポリ(アクリル酸)である。合成ポリマーは、最終的なポリマーに特異的な特性を付与するよう選択される1種以上のモノマーで構成されていてよい。
水膨潤性ポリマーは、水性溶媒を吸収することができて、ある程度膨潤することができるようなポリマーである。膨潤挙動は、架橋(これに限定されない)を含めた多くのファクターによって影響される。したがって、ポリマーと溶媒との間の相互作用が制限され、見かけ上は均質な溶液が得られるけれども、均一な分子分散を達成することはできない。1つの例は架橋ポリマーであり、当業界において吸収剤もしくは超吸収剤として使用されているアクリル酸ポリマーやアクリル酸コポリマーが特定の例である。水膨潤性ポリマーは、水相溶性で且つ水分散性であってよい。
水相溶性物質は、水に溶解しないが、相分離は起こさないような物質である。これらの物質は一般に、水中に懸濁されるか、あるいは他の物質を加えることによって分散性にすることができる個別の粒状物質として留まることが可能な変性表面を有する。例としては、ラテックス粒子、水中油エマルジョン、および分散クレイもしくは分散顔料などがある。
歩留り・水切れ系のさらに他の追加成分もしくは第2の成分は、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩、銅塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、およびケイ素塩(これらに限定されない)を含めた金属塩であってよい。単純な塩は、構造上の配置において陽イオンと陰イオンからなり、この結果、2つのイオン間の距離が最小となって、互いに等量の電荷のシールドが最大となる。任意の金属塩は、その組成に依存して、可溶性であっても、不溶性であってもよい。水性媒体に対する溶解性は、温度、pH、および他の物質の存在によって影響を受けることがある。可溶性塩を使用するのが好ましい。
可溶性物質は、溶液中にて他のイオン性物質と相互作用することができ、これにより特定の用途における特性と活性が改良される。これらの化学種は、他の物質の活性を媒介することができ、橋架けや中和(これらに限定されない)を含めた多くの仕方で作用する。これら化学種の影響は、ポリマー電解質に対して特に大きい。なぜなら、塩のイオン(salt ions)が存在すると、溶液中におけるポリマーの構造およびその電荷密度に対して極めて大きな影響を及ぼすことがあるからである。可溶性塩を変性させる1つの例は、米国特許第6,379,501号と第6,358,365号に記載のように、可溶性の金属シリケートを生成させることである。これらの特許は、水性環境において、一価カチオンシリケート(a monovalent cation silicate)と二価金属イオンとを組み合わせて、水溶性の金属シリケート錯体を形成させることを開示している。この錯体は、少なくとも1種のアルミニウム化合物と、少なくとも1種の水溶性シリケートを含有する。水溶性シリケートは、一価カチオンのシリケートであってもよいし、あるいは水溶性の金属シリケート錯体であってもよい。水溶性の金属シリケート錯体は、一価カチオンシリケートと二価金属イオンとの反応生成物であってよい。アルミニウム化合物と水溶性シリケートとのモル比(Al2O3とSiO2に基づいて)は約0.1〜10であり、好ましくは約0.2〜5であり、さらに好ましくは約0.5〜2である。
本発明において有用な金属塩の例としては、金属シリケート、塩化第二鉄、無水FeCl3、ZnSO4・4H2O、MgCl2、およびこれらの組み合わせ物などがあるが、これらに限定されない。
歩留り・水切れ系のさらに他の追加成分もしくは第2の成分は、環状有機物質である。これら物質のユニークな態様の1つは、他の(一般的には低分子量の)分子またはイオンと錯体を形成できる能力を有することである。こうした相互作用は、“ゲスト-ホスト”化学と呼ばれており、環状物質がホストであって、より小さなゲスト分子が錯体を形成する(ゲスト分子が、リング様“ホスト”の内部に位置すると仮定)。こうした化合物(マクロ環状化合物とも呼ばれる)の例としては、クラウンエーテル、シクロデキストリン、およびマクロ環状抗生物質などがあるが、これらに限定されない。
クラウンエーテルは、炭素、水素、および酸素を含んだ、エチレングリコールの環状オリゴマーである。それぞれの酸素原子が2つの炭素原子に結合しており、したがって“クラウン”様のリングが形成されている。これらの分子は、特定の金属元素の原子(例えば、ナトリウムやカリウム)が、リングの露出した酸素原子(exposed oxygen atoms)に結合していて、これによりリングが封鎖されている、というような分子である。これらの物質は、それらの化学とリングの大きさから、特定の分子に対して高度に選択的である。
シクロデキストリンは、天然に産出するか、あるいは酵素(例えば、シクロマルトデキストリンやグルコシルトランスフェラーゼ)を使用して合成することができる環状澱粉誘導体である。天然に産出するシクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、およびγ-シクロデキストリンと呼ばれている。シクロデキストリンは、他の化合物と安定な錯体を形成する。
マクロ環状抗生物質は、抗生物質活性を有する一連の環状化合物に与えられている用語である。マクロ環状抗生物質は、それらの構造から、分子と選択的に錯体を形成する。代表的なマクロ環状抗生物質としては、リファマイシン、バンコマイシン、およびリストセチンAなどがあるが、これらに限定されない。
歩留り・水切れ系のさらに他の追加成分もしくは第2の成分は、シリコーンをベースとする幾つかの物質の1種であってよい。1つの例は、シリコーン油〔最初は、ポリ(ジメチルシロキサン)(透明な流体)に適用された用語〕である。他の類似の物質としては、ポリ(フェニルメチルシリコーン)やポリ(テトラメチルテトラフェニルシロキサン)などがあるが、これらに限定されない。
歩留り・水切れ系のさらに他の第2の成分は、金属(例えば、アルミニウム、チタン、またはジルコニウム)をベースとする橋架け剤である。これらの物質は、他の物質と反応することによって作用し、複数の部位と相互作用してポリマー鎖間にブリッジを形成することができる。橋架けは、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、またはチオ基を介してなされる。これらの橋架け反応は、粘度の調整および表面の変性に対して有用である。コーティング剤、印刷用インク、および接着剤の性能を強化するために有機チタネートと有機ジルコネートが使用される。
チタネートエステルやジルコネートエステルがこれら物質の1つの例であり、最も好ましいのはテトラアルキルエステルである。有機チタネートや有機ジルコネートに対する適切なアルキル基としては、イソプロピル基、ブチル基、およびエチルヘキシル基などがあるが、これらに限定されない。
有機キレート剤も、橋架け剤として使用することができる。キレート剤としては、アセチルアセトネート、エチルアセトアセテート、ラクテート、グリコレート、およびトリエタノールアミン誘導体などがある。代表的なキレート剤は、デラウェア州ウィルミントンのデュポン社からタイザー(Tyzor)商品名で市販されているキレート剤である。
炭酸ジルコニウムも使用することができ、このうち最も一般的なのは炭酸ジルコニウムアンモニウムである。炭酸ジルコニウムアンモニウムは、製紙工業において橋架け剤および不溶化剤として使用されている。
歩留り・水切れ系のさらに他の追加成分もしくは第2の成分は、セルロースパルプの乾燥重量を基準として、セルロースパルプ1メートルトン当たり最大0.5kgの量にて加えることができ、このとき会合性ポリマーと追加成分もしくは第2の成分との比は1:1〜100:1である。製紙システムにおいては、2種以上の第2の成分を使用することができる、と考えられる。
必要に応じて前述のケイ酸質物質を、紙や板紙を製造する際に使用される歩留り・水切れ助剤の追加成分もしくは第3の成分として、他の第2の成分もしくは追加成分と共に使用することができる。ケイ酸質物質は、シリカをベースとする粒子、シリカミクロゲル、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アニオン性コロイダルシリカ、シリカゾル、シリカゲル、ポリシリケート、およびポリケイ酸などからなる群から選択される物質のいずれであってもよい。これらの物質は、表面積が大きいこと、電荷密度が大きいこと、および粒径がミクロン以下であることを特徴とする。
ケイ酸質物質は、球状非晶質シリカ粒子の安定なコロイド分散液(当業界ではシリカゾルと呼ばれている)を含む。“ゾル”という用語は、球状非晶質粒子の安定なコロイド分散液を表わしている。シリカゲルは三次元のシリカ凝集体鎖であって(それぞれの鎖が幾つかの非晶質シリカゾル粒子を含んでいる)、歩留り向上剤・水切れ助剤系において使用することができる。これらの鎖は、直鎖状であっても、あるいは分岐鎖状であってもよい。シリカゾルとシリカゲルは、ケイ酸モノマーを重合して環状構造物(この環状構造物は、ポリケイ酸の個別の非晶質シリカゾルとなる)とすることによって製造される。これらのシリカゾルをさらに反応させて、三次元のゲルネットワークを得ることができる。種々のシリカ粒子(ゾルやゲルなど)は、5〜50nmの外径寸法を有してよい。アニオン性のコロイダルシリカも使用することができる。
第3の成分もしくは追加成分として使用されるケイ酸質物質は、セルロース懸濁液の乾燥重量を基準として、1メートルトン当たり少なくとも0.005Kgの量にてセルロース懸濁液に加えることができる。ケイ酸質物質の量は、1メートルトン当たり50Kgという多い量であってもよい。ケイ酸質物質の量は、1メートルトン当たり約0.05〜約25Kgであるのが好ましい。ケイ酸質物質の量は、セルロース懸濁液の乾燥重量を基準として、1メートルトン当たり約0.25〜約5Kgであるのがさらに好ましい。
歩留り向上剤・水切れ助剤系の追加成分は、必要に応じて従来の凝集剤であってよい。これは、第3の成分であっても、あるいは第4の成分であってもよい。従来の凝集剤は、一般には、アクリルアミドの線状カチオン性コポリマーもしくは線状アニオン性コポリマーである。歩留り・水切れ系の追加成分は、歩留りと水切れ性を向上させる多成分系が得られるよう、アルミニウム化合物および会合性ポリマーと併用して加えられる。
本発明における従来の凝集剤は、アニオン性ポリマーであっても、カチオン性ポリマーであっても、あるいは非イオン性ポリマーであってもよい。アクリルアミド等の非イオン性モノマーを含んだコポリマーを作製するのに、イオン性モノマーが使用されることが最も多い。これらのポリマーは、懸濁重合、分散重合、および逆エマルジョン重合(これらに限定されない)を含めた種々の合成プロセスによって得ることができる。逆エマルジョン重合に対しては、ミクロエマルジョンも使用することができる。
従来の凝集剤のコモノマーは、いかなる比で存在してもよい。得られるコポリマーは、非イオン性であっても、カチオン性であっても、アニオン性であっても、あるいは両性(カチオン性電荷とアニオン性電荷の両方を含有する)であってもよい。
本発明の系の一部であってよいさらに他の追加成分は、ミョウバン(硫酸アルミニウム)、硫酸ポリアルミニウム(polyaluminum sulfate)、塩化ポリアルミニウム、およびアルミニウムクロロハイドレート等のアルミニウム源である。この物質は、系の第3の成分、第4の成分、または第5の成分であると考えることができる。
歩留り・水切れ系の成分は、セルロース系懸濁液に、実質的に同時に加えることができる。“歩留り・水切れ系”という用語は、本明細書では、改良された歩留り・水切れ性を得るべく、製紙用スラリーに加えられる2種以上の特異な物質を包含するように使用されている。例えば、これらの成分は、セルロース系懸濁液に、同じ段階の付加ポイントにて別々に加えることもできるし、あるいは異なった段階の付加ポイントにて別々に加えることもできる。本発明の系の成分を同時に加える場合、任意の2種以上の物質をブレンド物として加えることもできる。この混合物は、これらの物質を、付加ポイントにて混合することによって、あるいは付加ポイントへの供給ラインにおいて混合することによって、その場で作製することができる。これとは別に、本発明の系は、これら物質の予備ブレンド物を含む。本発明の他の態様においては、本発明の系の成分を逐次的に加える。成分の付加ポイントの間に、剪断ポイントが存在していても、存在していなくてもよい。これらの成分は、いかなる順序でも加えることができる。
本発明の系は、一般には、歩留り・水切れ性に影響を及ぼすように、製紙プロセスに加えられる。本発明の系は、濃厚紙料に加えることも、あるいは希薄紙料に加えることもできるが、好ましいのは希薄紙料である。本発明の系は、1つの供給ポイントにおいて加えることもできるし、あるいは本発明の系が2つ以上の別個の供給ポイントに同時に供給されるよう分割供給することもできる。一般的な紙料付加ポイントとしては、ファンポンプの前の供給ポイント、ファンポンプの後で圧力スクリーンの前の供給ポイント、または圧力スクリーンの後の供給ポイントがある。
本発明の会合性ポリマーは、重合の開始において過酸化ラウロイルを使用せずに製造される類似ポリマーを凌ぐ改良された歩留り・水切れ性をもたらす。本発明の会合性ポリマーは、少なくとも3%の歩留り向上(好ましくは少なくとも5%の歩留り向上)をもたらす。本発明の会合性ポリマーは、少なくとも5%の水切れ時間の向上(好ましくは少なくとも7%の水切れ時間の向上、さらに好ましくは少なくとも10%の水切れ時間の向上)をもたらす。
実施例1(比較例)
オーバーヘッド・メカニカルスターラー、温度計、窒素スパージ管、および凝縮器を取り付けた適切な反応フラスコに、界面活性剤〔10.00gのハイパーマー(Hypermer)(登録商標)B2465F(デラウェア州ニューキャッスルのユニケマ社)と5.00gのソルビタンモノオレエート〕を含有するパラフィン油の油相〔139.72g,エスカイド(Escaid)110オイル,テキサス州ヒューストンのエクソンモービル社〕を仕込んだ。
50重量%のアクリルアミド(AAm)水溶液(129.13g,全モノマーを基準として50モル%)、氷アクリル酸(66.11g,全モノマーを基準として50モル%)、脱イオン水(106.91g)、およびバーセネックス(Versenex)80(ダウケミカル社)キレート剤溶液(0.69g)を含む水性相を別に調製した。この水溶液のpHを、50%NaOH水溶液で約5〜6に調節した。
この水溶液を油相に、ホモジナイザーで攪拌しながらに加えて、安定な油中水エマルジョンを得た。次いでこのエマルジョンを、窒素で60分スパージしながら、4枚羽根のガラススターラーで混合した。窒素スパージ中は、エマルジョンの温度を57±1℃に調整した。その後、スパージを止め、窒素雰囲気のままにした。
重合は、3重量%AIBNトルエン溶液(全モノマーのモル数を基準として75ppmの初期AIBN添加量に相当する)を加えることによって開始させた。反応の進行中、逆エマルジョンの温度を57±1℃に保持した。初期AIBNの添加から4時間後に、3重量%AIBNトルエン溶液(全モノマーのモル数を基準として75ppmの第2のAIBN添加量に相当する)を約30秒で反応器に加えた。バッチを57±1℃で1.5時間保持し、0.5時間で65±1℃に加熱した。最終的なAIBN添加量の3重量%AIBNトルエン溶液(全モノマーのモル数を基準として100ppmの最終AIBN添加量に相当する)を約30秒で反応器に加えた。開始剤の最終添加の後、反応を約1時間続けた。次いでバッチを室温に冷却し、生成物を採取した。
実施例2〜5のコポリマーの製造は、下記に記載の変更以外は、実施例1の方法に従って行った。
実施例2
実施例2のコポリマーは、重合を開始させるための開始剤添加量と、重合が始まってから4時間後の開始剤添加量が、全モノマーのモル数を基準として20モルppmの過酸化ラウロイル(LP)を含有する3重量%トルエン溶液で構成されること以外は、実施例1に記載のように製造した。
実施例3
実施例3のコポリマーは、重合を開始させるための開始剤添加量、重合が始まってから1時間後の開始剤添加量、および重合が始まってから4時間後の開始剤添加量が、それぞれ、全モノマーのモル数を基準として20モルppmのLP、10モルppmのLP、および10モルppmのLPを含有する3重量%トルエン溶液で構成されること以外は、実施例1に記載のように製造した。取り扱いやすくするために、有機相を、185gのエスカイド110、5.0gのソルビタンモノオレエート、および10.0gのハイパーマーB246SFに調整し、水性相に加える脱イオン水の量を62.12gに減らした。
実施例4
実施例4のコポリマーは、重合を開始させるための開始剤添加量、重合が始まってから60分後の開始剤添加量、および重合が始まってから90分後の開始剤添加量が、それぞれ、全モノマーのモル数を基準として10モルppmのLP、10モルppmのLP、および20モルppmのLPを含有する3重量%トルエン溶液で構成されること以外は、実施例1に記載のように製造した。
本発明の性能を評価するために、合成アルカリ性ファーニッシュ(a synthetic alkaline furnish)を使用して一連の水切れ試験を行った。このファーニッシュは、硬材ドライド・マーケット・ラップ・パルプ(hardwood dried market lap pulp)と軟材ドライド・マーケット・ラップ・パルプ、水、およびさらなる物質から製造される。先ず、硬材と軟材のドライド・マーケット・ラップ・パルプを別々に精製する。次いでこれらのパルプを、水性媒体中にて、約70重量%の硬材と約30重量%の軟材との比にて混合する。ファーニッシュを作製する際に使用される水性媒体は、代表的な硬度に応じた脱イオン水と現地の硬水との混合物を含む。無機塩をこの媒体に、CaCO3として75ppmの全アルカリ度およびCaCO3として100ppmの硬度をもたらすような量にて加える。沈降炭酸カルシウム(PCC)を、80%の繊維と20%のPCCフィラーを含有する最終ファーニッシュが得られるように、代表的な重量%にてパルプファーニッシュ中に導入する。
本発明の歩留り活性を、ブリットジャーを使用して調べた。この試験の結果から、ブリットジャー微細物質歩留り試験により、保持される微細物質の量の大きさによって歩留り向上剤を差別化できることがわかる。ブリットジャー微細物質歩留り法は、羽根付きジャー、76ミクロンメッシュサイズのスクリーン、バッキングプレート、およびスクリーンから3.2mm上にセットしたローター(適切なスペーサーで所定の位置に保持)からなる。ローターは、1000rpmの速度で使用した。歩留り試験は、ファーニッシュをローターで混合し、ファーニッシュ中に種々の化学成分を導入し、個々の成分を所定時間混合してから次の成分を加えることによって行った。既知体積の濾液を採取し、濾液の濁度を測定した。次いで濾液をもう一度、より小さいメッシュサイズのスクリーンを通して濾過して、76ミクロンメッシュサイズのスクリーンを通過した繊維に対する微細物質のパーセントを求めた。
水切れ試験は、メカニカルミキサーを使用してファーニッシュを所定のミキサー速度で混合し、ファーニッシュ中に種々の化学成分を導入し、個々の成分を所定時間混合してから次の成分を加えることによって行った。本発明の水切れ活性は、真空水切れ試験(Vacuum Drainage Test;VDT)を使用して測定した。この試験の結果から、VDTにより、水切れ時間の長さを比べることで、水切れ助剤を差別化できることがわかる。装置の構成は、濾過に関する種々の参考図書〔例えば、「Perry’s Chemical Engineers’ Handbook,第7版,(McGraw-Hill,New York,1999)pp.18-78」を参照〕に記載のブフナー漏斗試験の場合と同様である。VDTは、300mlの磁気ゲルマン濾過漏斗、250mlのメスシリンダー、クイック・ディスコネクト、ウォータートラップ、および真空計とレギュレータを取り付けた真空ポンプからなる。
VDT試験は、先ず、真空ゲージとレギュレータを使用して真空ポンプを設定することによって行う。VDT試験は、先ず真空を所望のレベル(通常は250mmHg)に設定し、そして漏斗をシリンダー上に正しく配置することによって行う。次いで、0.5重量%の紙紙料250gをビーカー中に入れ、処理プログラムに従って必要とされる添加剤(例えば、澱粉、ミョウバン、および試験用凝集剤)を、オーバーヘッドミキサーで攪拌しながら紙料に加える。次いでこの紙料を濾過漏斗中に注ぎ込み、真空ポンプのスイッチを入れると同時にストップウォッチをスタートさせる。水切れ効果は、230mlの濾液を得るのに必要とされる時間(秒にて表示)として記録される。水切れ時間の値がより小さいということは、水切れ又は水切れのレベルがより高い(望ましいレスポンスである)ということを示している。
表1は、本発明の有用性を実証している。試験サンプルは、下記のように作製した:上記のように作製したファーニッシュに、最初に、ファーニッシュ1メートルトン(乾量基準)当たり5Kgのカチオン性澱粉(スタロック400,イリノイ州ジケーターのAE.,Staley)を、次いでファーニッシュ1メートルトン(乾量基準)当たり2.5Kgのミョウバン(メリーランド州ボルチモアのデルタケミカル社から50%溶液として市販の硫酸アルミニウム18水和物)を、次いでファーニッシュ1メートルトン(乾量基準)当たり0.25Kgのパーフォーム(PerForm)PC8138(デラウェア州ウィルミントンのハーキュレス社)を加えた。表に記載の実施例において、当該添加剤を表に記載のように加えた。SP9232はパーフォームSP9232〔特定の条件下で製造される歩留り向上剤・水切れ助剤(PCT WO03/050152A)を参照〕であり、デラウェア州ウィルミントンのハーキュレス社の製品である。
実施例2〜4は、比較例を凌ぐ大幅な改良を示している。AIBN開始剤をLPで置き換えると、微細物質の歩留りが5.6%改良され、水切れ性が17.1%改良された。開始剤の複数回付加を行うと、実施例2と比較して、改良された歩留り能と同等の水切れ性を有する物品が得られた。開始剤の付加タイミングのさらなる最適化が可能である。特定の理論で拘束されるつもりはないが、初めの90分以内において、あるいは反応が約30%〜約80%進行している場合には、最初の開始剤の付加後において開始剤を複数回付加するのが好ましい、と考えられる。
表1における貯蔵弾性率(G’)は、米国特許出願公開2004/0143039A1において使用されている方法に従って測定した。G’は、1.5重量%のポリマーおよび6.3Hzの周波数にて測定した。
Figure 2008546925

Claims (12)

  1. 製紙プロセスにおける歩留りと水切れ性を改良する方法であって、その改良点が、過酸化ラウロイルを使用しないで製造される会合性ポリマーと比較して、歩留り率の少なくとも3%の増大と水切れ時間の少なくとも5%の向上を含み、このとき前記会合性ポリマーが、式
    Figure 2008546925
    (式中、Bは、1種以上のエチレン性不飽和非イオン性モノマーを含んだ非イオン性ポリマーセグメントであり;Fは、少なくとも1種のエチレン性不飽和アニオン性モノマーもしくはエチレン性不飽和カチオン性モノマーを含んだポリマーセグメントであり;B:Fのモルパーセント比が99:1〜1:99である)で示される部分を含み、前記会合性ポリマーが、ジブロックポリマー界面活性剤もしくはトリブロックポリマー界面活性剤から選択される、有効量の少なくとも1種の乳化用界面活性剤によってもたらされる会合特性を有し、前記少なくとも1種のジブロック界面活性剤もしくはトリブロック界面活性剤の量と、モノマーの量との比が少なくとも約3:100である前記方法。
  2. 会合性ポリマーが、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-ジアルキルアクリルアミド、N-アルキルアクリルアミド、N-ビニルメタアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルメチルホルムアミド、N-ビニルピロリドン、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の非イオン性モノマーを含むモノマーから作製される、請求項1に記載の方法。
  3. 会合性ポリマーが、遊離のアクリル酸もしくはアクリル酸の塩、遊離のメタクリル酸もしくはメタクリル酸の塩、スチレンスルホン酸ナトリウム、遊離の2-アクリルアミド-2-アルキルスルホン酸もしくは2-アクリルアミド-2-アルキルスルホン酸の塩(このときアルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する)、またはこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のアニオン性モノマーをさらに含むモノマーから作製される、請求項2に記載の方法。
  4. 会合性ポリマーがアニオン性であって、1.5重量%活性ポリマー溶液の6.3Hzでの貯蔵弾性率が75Paより大きい、請求項1に記載の方法。
  5. 少なくとも1種のアニオン性モノマーが、遊離のアクリル酸もしくはアクリル酸の塩、遊離のメタクリル酸もしくはメタクリル酸の塩、遊離の2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸もしくは2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の塩、またはこれらの混合物から選択される、請求項3に記載の方法。
  6. 会合性ポリマーが、アクリルアミドおよび遊離のアクリル酸もしくはアクリル酸の塩を含有する、請求項5に記載の方法。
  7. 第2の物質をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 第2の物質が、ケイ酸質物質、有機ミクロポリマー、高分子電解質、澱粉もしくは澱粉誘導体、アルミニウム化合物、ポリ(ビニルアミン)、ゼオライト、水相溶性ポリマー、金属塩、シリコーン、および環状有機物質を含む群の少なくとも1種から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 会合性ポリマーがカチオン性である、請求項1に記載の方法。
  10. 会合性ポリマーがアニオン性モノマーとカチオン性モノマーを含む、請求項1に記載の方法。
  11. ジブロックもしくはトリブロックコポリマー乳化用界面活性剤が、エチレンオキシドとヒドロキシステアリン酸とのコポリマーである、請求項1に記載の方法。
  12. ジブロックもしくはトリブロックコポリマー乳化用界面活性剤が、エチレンオキシドとヒドロキシステアリン酸とのコポリマーである、請求項6に記載の方法。
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