JP2008525667A - 紙製造における改善された歩留まりおよび濾水 - Google Patents

紙製造における改善された歩留まりおよび濾水 Download PDF

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Abstract

製紙法における歩留まりおよび濾水を改善する方法を開示する。本方法は、製紙用スラリーに、会合性ポリマー、無機粒子、および、任意にケイ酸含有材料を添加することを提供する。加えて、会合性ポリマー、および、無機粒子を含む組成物を開示し、該組成物は、セルロース繊維をさらに含んでもよい。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2004年12月29日付けで出願された米国仮出願第60/640,163号;2004年12月29日付けで出願された米国仮出願第60/639,897号;2004年12月29日付けで出願された米国仮出願第60/640,166号;2005年6月24日付けで出願された米国仮出願第60/694,057号;2005年6月24日付けで出願された米国仮出願第60/694,059号の利益を主張し、それぞれの全内容は、参照により本明細書の開示に含まれる。
発明の分野
本発明は、凝集系を用いてセルロース原料から紙および板紙を製造する方法に関する。
背景
歩留まりおよび濾水は、製紙において重要な観点である。ある種の材料が、紙および板紙の製造において改善された歩留まりおよび/または濾水特性を提供することができることがわかっている。
セルロース系繊維のシート、具体的には紙や板紙の製造は、以下を含む:1)セルロース系繊維の水性スラリーを製造すること(このスラリーには、無機鉱物性の増量剤または顔料が含まれていてもよい);2)このスラリーを、移動する製紙用のワイヤーまたはファブリック上に堆積させること;さらに、3)水を濾水することによってスラリーの固形分からシートを形成すること。
前述のようにした後、シートをプレスし、乾燥させて、さらに水分を除去する。このようなスラリーに、シートを形成する工程の前に有機および無機化学物質が添加されることが多く、そうすることによって、製紙方法にかかるコストを少なくし、より迅速にし、および/または、最終的な紙製品に特定の特性を付与する。
製紙産業は、紙の質を改善し、生産性を高め、製造コストを低減させる努力を続けている。濾水/脱水と固形分の歩留まりを改善するために、繊維スラリーが製紙用のワイヤーまたはファブリックに到達する前に、繊維スラリーに化学物質が添加されることが多く、これらの化学物質は、歩留まりおよび/または濾水性向上剤と称される。
製紙用のワイヤーまたはファブリック上での繊維スラリーの濾水または脱水が、より速い抄紙機のスピードを達成することにおいて律速段階であることが多い。また、改善された脱水法では、プレス中でより乾燥したシートが得られる可能性があり、より乾燥したセクションでは、エネルギー消費を減少させることができる。加えて、これは、製紙方法におけるシートの最終的な特性の多くを決定する段階であるため、歩留まりおよび/または濾水性向上剤は、最終的な紙のシートの性能属性に強い影響を与えることができる。
固形分に関して、製紙用の歩留まり向上剤は、濾水してペーパーウェブを形成するための乱流法(turbulent method)中に、ウェブ中の微細な完成紙料の固形分の歩留まりを高めるのに用いられる。微細な固形分の歩留まりが不足すると、固形分がミルの排水に流出するか、または、白水が循環するループ中に高レベルで蓄積し、場合によっては堆積の沈着を引き起こすかのいずれかである。加えて、歩留まりが不十分だと、繊維上に吸収させることを目的とする添加剤が損失することによって製紙コストが高くなる。添加剤は、紙に不透明性、強度、サイジングまたはその他の望ましい特性を提供することができる。
従来、カチオン性電荷またはイオン電荷のいずれかを有する高分子量(MW)水溶性ポリマーは、歩留まり向上剤および濾水性向上剤として用いられてきた。近年の無機微粒子の開発によれば、高分子量水溶性ポリマーと組み合わせて歩留まり向上剤および濾水性向上剤として用いられる場合、従来の高分子量水溶性ポリマーと比較して優れた歩留まりおよび濾水の有効性を有する。米国特許第4,294,885号、および、4,388,150号は、スターチポリマーとコロイドシリカとの併用を教示している。米国特許第4,643,801号、および、4,750,974号は、カチオン性スターチ、コロイドシリカおよびアニオン性ポリマーのコアセルベートの結合剤の使用を教示している。米国特許第4,753,710号は、高分子量カチオン性凝集剤を用いてパルプ完成紙料を凝集させ、凝集した完成紙料に剪断を誘導し、その完成紙料にベントナイト粘土を導入することを教示している。米国特許第5,274,055号、および、5,167,766号は、製紙プロセスにおいて歩留まり向上剤および濾水性向上剤として化学的に架橋された有機ミクロポリマーを用いることを開示している。
用いられるポリマーまたはコポリマーの有効性は、それらを構成する単量体のタイプ、ポリマーマトリックス中の単量体の配列、合成された分子の分子量、および、製造方法に応じて様々であると予想される。
近年、水溶性コポリマーを所定の条件下で製造すると、水溶性コポリマーは特有の物理特性を示すことが見出された。これらのポリマーは、化学的な架橋剤がなくても製造される。加えて、上記コポリマーは、歩留まり向上剤および濾水性向上剤のような製紙用途などのある種の用途において予想外の活性を示す。このような独特な特徴を示すアニオン性コポリマーは、WO03/050152A1で開示されており、その全ての内容は、参照により本明細書の開示に含まれる。このような独特な特徴を示すカチオン性および両性コポリマーは、米国特許出願第10/728,145号で開示されており、その全ての内容は、参照により本明細書の開示に含まれる。
無機粒子とアクリルアミドの直鎖状コポリマーとの併用は当業界既知である。近年の特許では、これらの無機粒子と水溶性アニオン性ポリマーとの併用(US6,454,902)、または、特定の架橋材料(US6,454,902、US6,524,439、および、US6,616,806)を教示している。
しかしながら、それでもなお濾水および歩留まり性能を改善する必要がある。
発明の要約
製紙法における歩留まりおよび濾水を改善する方法を開示する。本方法は、製紙用スラリーに、会合性ポリマーおよび無機粒子を添加することを提供する。
加えて、会合性ポリマー、および、無機粒子を含む組成物を開示し、該組成物は、セルロース繊維をさらに含んでもよい。
加えて、会合性ポリマー、無機粒子、ケイ酸含有材料を含む組成物を開示し、該組成物は、セルロース繊維をさらに含んでもよい。
製紙法における歩留まりおよび濾水を改善する方法を開示する。本方法は、製紙用スラリーに、会合性ポリマー、および、アルミニウム化合物を添加することを提供する。
製紙法における歩留まりおよび濾水を改善する方法を開示する。本方法は、製紙用スラリーに、会合性ポリマー、および、キレート剤を添加することを提供する。
製紙法における歩留まりおよび濾水を改善する方法を開示する。本方法は、製紙用スラリーに、会合性ポリマー、および、金属塩を添加することを提供する。
製紙法における歩留まりおよび濾水を改善する方法を開示する。本方法は、製紙用スラリーに、会合性ポリマー、および、シリコーンポリマーを添加することを提供する。
発明の詳細な説明
本発明は、所定の条件下で製造された水溶性コポリマー(以降、「会合性ポリマー」と称する)、および、無機粒子を含む相乗的な組み合わせを提供する。驚くべきことに、この相乗的な組み合わせにより、個々の成分の歩留まりおよび濾水性能より優れた歩留まりおよび濾水性能が得られることが見出された。相乗効果は、組み合わせた成分が一緒に用いられる場合に起こる。
意外なことに、無機粒子と、所定の条件下で製造された会合性ポリマー(例えば、WO03/050152A1、または、US2004/0143039A1で開示されたもの)との併用により、歩留まりおよび濾水が強化されることが見出された。
本発明はまた、会合性ポリマー、および、無機粒子を含む組成物を提供する。
本発明はまた、会合性ポリマー、無機粒子、および、ケイ酸含有材料を含む組成物を提供する。
本発明はまた、会合性ポリマー、および、無機粒子、および、セルロース繊維を含む組成物を提供する。
本発明はまた、会合性ポリマー、無機粒子、ケイ酸含有材料、および、セルロース繊維を含む組成物を提供する。
紙および板紙の製造に多成分系を用いることによって、プロセスおよび/または製品に様々な作用を有する材料を利用することにより性能を高める機会が得られる。その上、それらを組み合わせることによって、個々の成分では得がたい特性が得られる可能性がある。本発明の多成分系において、相乗効果が起こる。
また、歩留まり向上剤および濾水性向上剤としての会合性ポリマーの使用は、製紙系においてその他の添加剤の性能に強い影響を有することも観察される。改善された歩留まりおよび/または濾水は、直接的および間接的両方の影響を与えることができる。直接的な影響とは、歩留まり向上剤および濾水性向上剤が、添加剤を保持するように作用することを意味する。間接的な影響とは、歩留まり向上剤および濾水性向上剤が、添加剤を物理的または化学的な手段のいずれかによってその上に付着させる充填剤や微繊維を保持する効果を意味する。従って、シート内に保持された充填剤または微繊維の量が多くなると、それに付随して保持される添加剤の量も増加する。充填剤という用語は、セルロースパルプスラリーに添加される微粒子状の材料(典型的には無機性のもの)を意味し、充填剤は、所定の属性を付与したり、または、セルロース繊維の一部を置換するより低コストの物質となったりすることが可能である。充填剤のおよそ0.2〜10ミクロンの比較的小さいサイズ、低いアスペクト比、および、化学的性質のため、それらは大きい繊維には吸収されず、一方で、繊維のネットワーク(すなわち紙のシート)に封じ込めるには小さすぎる。用語「微繊維」は、細かいセルロース繊維またはフィブリルを意味し、典型的には長さが0.2mm未満であり、および、/または、200メッシュスクリーンを通過することができるものである。
歩留まり向上剤および濾水性向上剤の使用レベルが増加すると、シート内に保持される添加剤の量も増加する。これにより、特性を強化し、性能属性を向上させたシートを提供すること、または、製紙業者が系に添加する添加剤の量を減少し、製品コストを低くすることのいずれかを実現することができる。その上、製紙系で用いられる再循環水または白水中のこれらの材料の量も減少する。このようなある種の条件下では不要な汚染物質とみなされる可能性がある材料レベルを減少させることにより、より効率的な製紙プロセスを提供することができ、または、望ましくない材料のレベルを制御するためのスカベンジャーまたはその他の材料の添加の必要性を低減させることができる。
本明細書で用いられる添加剤という用語は、紙に特定の属性を提供したり、および/または、製紙プロセスの効率を改善したりするために製紙用スラリーに添加される材料を意味する。このような材料としては、これらに限定されないが、サイズ剤、湿潤紙力増強樹脂、乾燥紙力増強樹脂、スターチおよびスターチ誘導体、色素、汚染物質を制御する物質、消泡剤および殺生剤が挙げられる。
本発明において有用な会合性ポリマーは、以下のように説明することができる:
式:
Figure 2008525667
[式中、Bは、1種またはそれ以上のエチレン性不飽和非イオン性単量体の重合により形成された非イオン性ポリマーセグメントである;Fは、1種またはそれ以上のエチレン性不飽和アニオン性および/またはカチオン性単量体の重合から形成された、アニオン性ポリマーセグメント、カチオン性ポリマーセグメント、または、アニオン性およびカチオン性ポリマーセグメントの組み合わせであり;B:Fのモル%比は、95:5〜5:95である;さらに、該水溶性コポリマーは、少なくとも1種のジブロックまたはトリブロック高分子界面活性剤からなる少なくとも1種の乳化用の界面活性剤を用いる油中水型乳化重合技術によって製造され、ここで、少なくとも1種のジブロックまたはトリブロック界面活性剤の単量体に対する比率は、少なくとも約3:100である]
を含む水溶性コポリマー組成物であり、ここで、該油中水型乳化重合技術は、以下の工程を含む:(a)単量体の水溶液を製造する工程、(b)該水溶液と、界面活性剤、または界面活性剤の混合物を含む炭化水素液とを接触させて、逆エマルジョンを形成する工程、(c)該エマルジョン中の単量体を、フリーラジカル重合によって約2以上7未満のpH範囲で重合させる工程。
会合性ポリマーは、アニオン性コポリマーであってもよい。この場合のアニオン性コポリマーは、0.0025重量%〜0.025重量%のコポリマーを含む0.01MのNaCl溶液で測定されたハギンズ定数(k’)が0.75より大きく、1.5重量%活性コポリマー溶液の貯蔵弾性率(G’)が、4.6Hzで、175Paより大きいことを特徴とする。
会合性ポリマーは、カチオン性コポリマーであってもよい。この場合のカチオン性コポリマーは、0.0025重量%〜0.025重量%のコポリマーを含む0.01MのNaCl溶液で測定されたハギンズ定数(k’)が0.5より大きく;さらに、該コポリマーは、1.5重量%活性コポリマー溶液において、6.3Hzで、50Paより大きい貯蔵弾性率(G’)を有することを特徴とする。
会合性ポリマーは、両性コポリマーであってもよい。この場合の両性コポリマーは、0.0025重量%〜0.025重量%のコポリマーを含む0.01MのNaCl溶液で測定されたハギンズ定数(k’)が0.5より大きく;さらに、該コポリマーは、1.5重量%活性コポリマー溶液において、6.3Hzで、50Paより大きい貯蔵弾性率(G’)を有することを特徴とする。
逆エマルジョンの重合は、高分子量水溶性ポリマーまたはコポリマーを製造するための標準的な化学的方法である。一般的に、逆エマルジョンの重合法は、1)単量体の水溶液を製造すること、2)その水溶液と、適切な乳化用の界面活性剤または界面活性剤の混合物を含む炭化水素液とを接触させ、逆相の単量体エマルジョンを形成すること、3)その単量体のエマルジョンをフリーラジカル重合で処理することによって行われ、さらに、4)水に添加する際のエマルジョンの逆転を促進するためにブレーカーとしての界面活性剤を添加してもよい。
逆エマルジョンポリマーは、典型的には、イオン性または非イオン性単量体をベースとする水溶性ポリマーである。また、2種またはそれ以上の単量体を含むポリマーはコポリマーともいい、これも同じ方法で製造することができる。これらの共重合用単量体は、アニオン性、カチオン性、両性イオン性、非イオン性が可能であり、または、それらの組み合わせでもよい。
典型的な非イオン性単量体としては、これらに限定されないが、アクリルアミド;メタクリルアミド;N−アルキルアクリルアミド、例えばN−メチルアクリルアミド;N,N−ジアルキルアクリルアミド、例えばN,N−ジメチルアクリルアミド;アクリル酸メチル;メタクリル酸メチル;アクリロニトリル;N−ビニルメチルアセトアミド;N−ビニルホルムアミド;N−ビニルメチルホルムアミド;酢酸ビニル;N−ビニルピロリドン;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸塩、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、または、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート;前述のもののいずれかの混合物などが挙げられる。((メタ)アクリル酸とはアクリル酸とメタクリル酸を含む意味である。)
また、より疎水性の性質を有する非イオン性単量体も、会合性ポリマーの製造で用いることができる。用語「より疎水性の」とは、本明細書において、これらの単量体の水溶液への溶解性が減少していることを示すものとして用いられる;この減少は実質的にゼロでもよく、その場合、単量体が水不溶性であることを意味する。注意すべきことは、対象の単量体は、重合可能な界面活性剤またはサーフマー(surfmer)とも称されることである。これらの単量体としては、これらに限定されないが、アルキルアクリルアミド;ペンダント型芳香族およびアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体、および、式CH=CR’CHOAR(式中、R’は、水素またはメチルであり;Aは、1個またはそれ以上の環状エーテル、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドからなるポリマーであり;さらに、Rは、疎水性基であり;ビニルアルコキシレート;アリルアルコキシレート;さらに、アリルフェニルポリオールエーテル硫酸塩である)で示されるエーテルが挙げられる。典型的な材料としては、これらに限定されないが、メチルメタクリラート、スチレン、t−オクチルアクリルアミド、および、クラリアント(Clariant)がエマルソジェンAPG2019(Emulsogen(R)APG2019)として販売しているアリルフェニルポリオールエーテル硫酸塩が挙げられる。
典型的なアニオン性単量体としては、これらに限定されないが、アクリル酸;メタクリル酸;マレイン酸;イタコン酸;アクリルアミドグリコール酸;2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸;3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸;スチレンスルホン酸;ビニルスルホン酸;ビニルホスホン酸;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸の遊離酸および塩;前述のもののいずれかの混合物などが挙げられる。
典型的なカチオン性単量体としては、これらに限定されないが、カチオン性のエチレン性不飽和単量体、例えば、ジアリルジアルキルアンモニウムハロゲン化物、例えばジアリルジメチルアンモニウム塩化物;ジアルキルアミノアルキル化合物の(メタ)アクリル酸塩、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリラート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリラート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリラート、2−ヒドロキシジメチルアミノプロピル(メタ)アクリラート、アミノエチル(メタ)アクリラートの遊離塩基または塩、および、それらの塩および第四級化合物;N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、例えばN,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミドの遊離塩基または塩、および、それらの塩および第四級化合物、ならびに、前述の物質の混合物などが挙げられる。
上記共重合用単量体は、どのような比率で存在していてもよい。得られた会合性ポリマーは、非イオン性、カチオン性、アニオン性または両性(カチオン性電荷とイオン電荷の両方を含む)であり得る。
非イオン性単量体のアニオン性単量体に対するモル比(式IのB:F)は、95:5〜5:95の範囲内が可能であり、好ましくは約75:25〜約25:75の範囲であり、さらにより好ましくは約65:35〜約35:65の範囲であり、最も好ましくは約60:40〜約40:60の範囲である。これに関して、BとFのモルパーセンテージは、合計100%になっていなければならない。当然ながら、2種以上の非イオン性単量体が、式Iに存在していてもよい。また当然ながら、2種以上のアニオン性単量体が、式Iに存在していてもよい。
好ましい本発明の一実施形態において、会合性ポリマーがアニオン性コポリマーである場合、会合性ポリマーは、式Iで定義され、式中、B(非イオン性ポリマーセグメント)は、アクリルアミドの重合の後に形成された繰り返し単位であり;さらに、F(アニオン性ポリマーセグメント)は、アクリル酸の塩または遊離酸の重合の後に形成された繰り返し単位であり、B:Fのモルパーセントの比率は、約75:25〜約25:75である。
会合性ポリマーの物理特性は、それがアニオン性コポリマーである場合、それらの0.01MのNaCl中で決定されたハギンズ定数(k’)が0.75より大きく、1.5重量%活性ポリマー溶液の貯蔵弾性率(G’)が、4.6Hzで、175Paより大きく、好ましくは190より大きく、さらにより好ましくは205より大きいという特徴を有する。ハギンズ定数は、0.75より大きく、好ましくは0.9より大きく、さらにより好ましくは1.0より大きい。
非イオン性単量体のカチオン性単量体に対するモル比(式IのB:F)は、99:1〜50:50、または、95:5〜50:50、または、95:5〜75:25、または、90:10〜60:45の範囲内が可能であり、好ましくは約85:15〜約60:40の範囲であり、さらにより好ましくは約80:20〜約50:50の範囲である。これに関して、BとFのモルパーセンテージは、合計100%になっていなければならない。当然ながら、2種以上の非イオン性単量体が、式Iに存在していてもよい。また当然ながら、2種以上のカチオン性単量体が、式Iに存在していてもよい。
式Iで示される両性コポリマーのモルパーセンテージに関して、アニオン性、カチオン性および非イオン性単量体それぞれのの最小量は、コポリマーを形成するのに用いられる単量体総量の1%である。非イオン性、アニオン性またはカチオン性単量体の最大量は、コポリマーを形成するのに用いられる単量体総量の98%である。好ましくはアニオン性、カチオン性および非イオン性単量体いずれかの最小量は、コポリマーを形成するのに用いられる単量体総量の5%であり、より好ましくはアニオン性、カチオン性および非イオン性単量体いずれかの最小量は7%であり、さらにより好ましくはアニオン性、カチオン性および非イオン性単量体いずれかの最小量は10%である。これに関連して、アニオン性、カチオン性および非イオン性単量体のモルパーセンテージは、合計100%になっていなければならない。当然ながら、2種以上の非イオン性単量体が、式Iに存在していてもよく、2種以上のカチオン性単量体が、式Iに存在していてもよく、2種以上のアニオン性単量体が、式Iに存在していてもよい。
会合性ポリマーの物理特性は、それらがカチオン性または両性コポリマーである場合、それらの0.01MのNaCl中で決定されたハギンズ定数(k’)が0.5より大きく、1.5重量%活性ポリマー溶液の貯蔵弾性率(G’)が、6.3Hzで、50Paより大きく、好ましくは10より大きく、さらにより好ましくは25より大きく、または、50より大きく、または、100より大きく、または、175より大きく、または、200より大きいという特徴を有する。ハギンズ定数は、0.5より大きく、好ましくは0.6より大きく、または、0.75より大きく、または、0.9より大きく、または、1.0より大きい。
逆エマルジョンの重合系で用いられる乳化用の界面活性剤または界面活性剤の混合物は、製造工程と得られた生成物の両方に重要な作用を有する。乳化重合系で用いられる界面活性剤は当業者既知である。これらの界面活性剤は、典型的には、全体の組成に応じて様々な各種のHLB(親水親油バランス)値を有する。1種またはそれ以上の乳化用の界面活性剤を用いることができる。会合性ポリマーを製造するのに用いられる、重合生成物の乳化用の界面活性剤としては、少なくとも1種のジブロックまたはトリブロック高分子界面活性剤などが挙げられる。これらの界面活性剤は、高い有効性のエマルジョン安定剤であることがわかっている。乳化用の界面活性剤の選択および量は、重合のための逆相の単量体エマルジョンが得られるように選択される。好ましくは、1またはそれ以上の界面活性剤は、特定のHLB値が得られるように選択される。
ジブロックおよびトリブロックの高分子の乳化用の界面活性剤を用いて、特殊な材料を提供することができる。WO03/050152A1、および、US2004/0143039A1で説明されているように(これらの全内容は、参照により本明細書の開示に含まれる)、ジブロックおよびトリブロックの高分子の乳化用の界面活性剤を必要量で用いると、特殊な特徴を示す特殊なポリマーが得られる。典型的なジブロックおよびトリブロック高分子界面活性剤としては、これらに限定されないが、脂肪酸、および、ポリ(エチレンオキシド)のポリエステル誘導体をベースとするジブロックおよびトリブロックコポリマー(例えば、ハイパーマーB246SF(Hypermer(R)B246SF)、ユニケマ(Uniqema,ニューカッスル,デラウェア州))、ポリイソブチレンコハク酸無水物、および、ポリ(エチレンオキシド)をベースとするジブロックおよびトリブロックコポリマー、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドと、エチレンジアミンとの反応生成物、前述のもののいずれかの混合物などが挙げられる。好ましくは、上記ジブロックおよびトリブロックコポリマーは、脂肪酸、および、ポリ(エチレンオキシド)のポリエステル誘導体をベースとする。トリブロック界面活性剤が用いられる場合、好ましくは、トリブロックは、2個の疎水性領域と1個の親水性領域を含み、すなわち疎水性物質−親水性物質−疎水性物質である。
ジブロックまたはトリブロック界面活性剤の量(重量パーセントに基づく)は、会合性ポリマーを形成するのに用いられる単量体の量に依存する。ジブロックまたはトリブロック界面活性剤の単量体に対する比率は、少なくとも約3〜100である。ジブロックまたはトリブロック界面活性剤の単量体に対する量は、3〜100より大きい比率であってもよく、好ましくは少なくとも約4〜100であり、より好ましくは5〜100であり、さらにより好ましくは約6〜100である。ジブロックまたはトリブロック界面活性剤は、乳化系の一次的な界面活性剤である。
第二の乳化用の界面活性剤を添加して、取り扱いや加工を容易にしたり、エマルジョン安定性を改善したり、および/または、エマルジョン粘度を変更することができる。第二の乳化用の界面活性剤の例としては、これらに限定されないが、ソルビタン脂肪酸エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン(例えば、アトラスG−946(Atlas G−946)、ユニケマ(ニューカッスル,デラウェア州))、エトキシ化されたソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシ化されたソルビタン脂肪酸エステル、アルキルフェノールのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物、長鎖アルコールのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物、または、脂肪酸、混合されたエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、アルカノールアミド、スルホコハク酸塩、ならびにそれらの混合物などが挙げられる。
逆エマルジョンの重合は、当業者既知のあらゆる方法で行うことができる。例えば、AllcockおよびLampe,Contemporary Polymer Chemistry(イングルウッドクリフス,ニュージャージー州,PRENTICE−HALL,1981),3〜5章などの多くの参考文献で例を見出すことができる。
代表的な逆エマルジョンの重合は、以下のように製造される。オーバーヘッド型の機械式撹拌器、温度計、窒素散布管、および、コンデンサーを備えた適切な反応フラスコに、パラフィン油の油相(135.0g,エクソールD80(Exxsol(R)D80)オイル、エクソン(Exxon,ヒューストン,テキサス州))、および、界面活性剤(4.5gのアトラス(R)G−946、および、9.0gのハイパーマー(R)B246SF)を入れる。続いて、油相の温度を37℃に調節する。
53重量%のアクリルアミド水溶液(126.5g)、アクリル酸(68.7g)、脱イオン水(70.0g)、および、バーサネックス80(Versenex(R)80,ダウ・ケミカル(Dow Chemical))キレート化剤溶液(0.7g)を含む水相を別々に製造する。次に、水酸化アンモニウム水溶液(33.1g,NHとして29.4重量%)を添加することによって、水相をpH5.4に調節する。中和後の水相の温度は39℃である。
次に、この水相を、ホモジナイザーで混合しながら油相に入れ、安定な油中水型エマルジョンを得る。次に、このエマルジョンを、4個のブレードを有するガラス製撹拌器を用いて、窒素を散布しながら60分間混合する。窒素を散布する間、エマルジョンの温度を50±1℃に調節する。その後、散布を中止し、窒素ブランケットを取り付ける。
トルエン(0.213g)中の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の3重量%溶液を供給することによって重合を開始させる。これは、最初のAIBN分量に相当し、すなわち単量体の総量に基づき250ppmのAIBNである。供給の経過中に、バッチ温度が発熱により62℃に上昇した(〜50分間)、その後、バッチを62±1℃に維持した。供給後に、このバッチを62±1℃で1時間保持した。その後、3重量%AIBNのトルエン溶液(0.085g)を続いて1分間で入れた。これは、単量体の総量に基づき100ppmの第二のAIBN分量に相当する。次に、このバッチを62±1℃で2時間保持する。次に、このバッチを室温に冷却し、ブレーカーとしての界面活性剤を添加する。
会合性ポリマーのエマルジョンは、典型的には、適用部位で逆転させ、それにより0.1〜1%の活性なコポリマーの水溶液が得られる。続いて、この会合性ポリマーの希釈溶液が紙加工の工程に導入されることによって、歩留まりおよび濾水に作用する。会合性ポリマーは、高粘度の原料に添加してもよいし、または、低粘度の原料に添加してもよいが、好ましくは低粘度の原料に添加される。会合性ポリマーは、1ヶ所の供給ポイントで添加してもよいし、または、会合性ポリマーが2ヶ所またはそれ以上の別々の供給ポイントで同時に供給されるように分割して供給されてもよい。典型的な原料添加ポイントとしては、ファンポンプの前、ファンポンプの後、および、圧力スクリーンの前、または、圧力スクリーンの後の供給ポイントが挙げられる。
会合性ポリマーは、凝集を達成できるようなあらゆる有効量で添加することができる。コポリマーの量は、0.5Kg/メートルトン(セルロースパルプ,乾燥基準)より大きくてもよい。好ましくは、会合性ポリマーは、パルプの乾燥重量に基づき、少なくとも約0.03ポンド〜約0.5Kg(活性なコポリマー)/メートルトン(セルロースパルプ)の量で用いられる。コポリマーの濃度は、好ましくは、約0.05〜約0.5Kg(活性なコポリマー)/メートルトン(乾燥セルロースパルプ)である。より好ましくは、本コポリマーは、セルロースパルプの乾燥重量に基づき、約0.05〜0.4Kg/メートルトン(セルロースパルプ)、最も好ましくは、約0.1〜約0.3Kg/メートルトンの量で添加される。
歩留まりおよび濾水系の第二の成分は無機材料であり、これは、必ずではないが、無機物と言われることが多い。このような材料としては、これらに限定されないが、粘土、膨潤性粘土、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、アルミノケイ酸塩、珪藻土のシリカ、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、および、ゼオライトが挙げられる。これらの材料は、天然に存在するものでもよいし、または、化学的方法によって合成されたものでもよい。さらに、このような材料は、化学的または物理的処理で改変されていてもよい;化学的処理と物理的処理の両方を、連続的に、または、同時のいずれかによってこれらの材料に施してもよい。炭酸カルシウムは、粉砕されたものでもよいし、または、沈殿したものでもよい。
粘土という用語は、層状ケイ酸塩、ケイ酸塩のサブクラスとみなされる多数の鉱物群に適用される。従って、粘土としては、緑泥石、イライト、カオリナイト、および、スメクタイトが挙げられる。スメクタイトとは、膨潤性粘土であり、例えば、これらに限定されないが、ヘクトライト;モンモリロナイト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、ホルマイト(hormite)、アタパルジャイト、および、海泡石などが挙げられる。これらの材料の化学的および物理的性質は、Aloi,F.G.およびTrsksak,R.M.の、Retention and Fines Fillers During Papermaking,J.M.Gess編,TAPPIプレス(TAPPI Press),1998,第5章,61〜108頁で説明されている。
モンモリロナイトは、当業界で用いられる一般的な膨潤性粘土である。モンモリロナイトは、2八面体構造を有し、さらに、水中で強い負電荷を有する。モンモリロナイトをコロイド状の粒子にしている要因は、高いイオン電荷、溶液中での電気的二重層、および、小さい粒度である。モンモリロナイトは、1nm未満の薄く均一な厚さを有する長さ2000nm以下の三次元粒子であり、酸素、ケイ素および金属イオン、典型的には アルミニウムおよび/またはマグネシウムからなる。
ベントナイトは、歩留まりや濾水において現在商業的に使用されている最も一般的な粘土であるが、主成分はモンモリロナイトである。ベントナイトは、当業界において粘土材料の分類に適用される用語であるが、典型的には2種またはそれ以上の無機質の集合体を指す。これらの無機質の集合体は自然に存在しているが、これらの材料を化学的および/または物理的に処理してそれらの特性を改変してもよい。ゼオライトは、明確な構造を有するマイクロポーラス結晶の固体である。これらは、一般的に、ケイ素、アルミニウム、および、酸素原子を含む。ゼオライトは、天然、合成、または、改変型のいずれでもよい。
その他の無機物質を用いてもよく、例えば、これらに限定されないが、パーライト、および、バーミキュライトが挙げられる。
歩留まりおよび濾水系の代替の第二の成分としては、数種のアルミニウム化合物の一種でもよく、具体的にはアラム(硫酸アルミニウム)である。アラムおよびその他のアルミニウム化合物の化学は特殊である。
その他のアルミニウム化合物も、本発明において有用性が見出されている。その例としては、塩化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム(ACH)、ポリケイ酸硫酸アルミニウム(PASS)、および、ポリ塩化アルミニウム(PAC)が挙げられる。PACは、アルミニウムのポリ塩化ヒドロキシルの複合体に与えられた名称であり、一般式:
Figure 2008525667
で示される。
式中、nは、0より大きい整数であり、mは、0より大きい整数である
最も簡単なPACは、化学式:
Figure 2008525667
を有する二量体である。
一方で、PAGに関して認められている式は、以下の通りである:
Figure 2008525667
複雑なアルミニウム化合物は、アルミニウム材料の塩基性度、または、ヒドロキシルイオンの総レベル(m/3nのパーセンテージで簡単に決定されたレベルとして)によって特徴付けられる。アラムにはないPACの三つの利点は、これらは、カチオン性がより高いこと、より高い分子量を有すること、そのカチオン電荷をより長い期間保持することである。
本発明で用いられる会合性ポリマーの量に対するアルミニウム化合物の量は、重量に基づき約100:1〜約1:100、または、約50:1〜約1:50、または、約10:1〜約1:10であり得る。
歩留まりおよび濾水系の代替の第二の成分は、アルミニウム、チタン、または、ジルコニウムのような金属をベースとするキレート剤である。これらの材料は、その他の材料と反応することによって作用し、さらに、複数の部位で相互作用して、架橋を形成することができる;架橋形成は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、カルボキシルまたはチオ基を介して起こる可能性がある。これらの反応は、粘度の制御や表面の改変において有用である。有機チタン酸塩およびジルコン酸塩は、印刷用インクや接着剤の被膜を補強することに用いられる。
これらの材料の一例はチタン酸およびジルコン酸エステルであり、最も一般的にはテトラアルキルエステルである。有機チタン酸塩および有機ジルコン酸塩に適したアルキル基としては、これらに限定されないが、イソプロピル、ブチルおよびエチルヘキシル基が挙げられる。
また、有機キレート化剤を用いることもできる。キレート化剤は、アセチルアセトナート、エチルアセトアセテート、乳酸塩、グリコール酸塩、および、トリエタノールアミン誘導体を含む。典型的な材料は、タイゾール(Tyzor(R),デュポン(DuPont),ウィルミントン,デラウェア州)という商標で販売されている。
また、炭酸ジルコニウムを用いることもでき、なかでもアンモニウム炭酸ジルコニウムが最も一般的である。製紙産業において炭酸ジルコニウムアンモニウムは、不溶化剤として用いられる。
歩留まりおよび濾水系の代替の第二の成分は、金属塩が可能であり、このような金属塩としては、これらに限定されないが、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、および、ケイ素の塩が挙げられる。単純な塩は、構造的に配列された陽性イオンと陰イオンとからなり、それにより2つのイオン間の最小の距離が形成され、類似の電荷から互いを最大限遮蔽することができる。金属塩の組成物、可溶性または不溶性に応じて、特定の金属塩が得られる。水性媒体における溶解性は、温度、pHおよびその他の物質の存在の影響を受ける可能性がある。可溶性の塩の使用が好ましい。
可溶性物質は溶液中でその他のイオン性物質と相互作用することができ、それにより、特定の適用でそれらの特性や活性を改変することができる。これらの種はその他の材料の活性を媒介し、これらに限定されないが、架橋形成や中和などの様々な方法で影響を与えることができる。塩イオンの存在が溶液中のポリマーの構造やその電荷密度に劇的に影響を与えることができるため、これらの種の作用は、高分子電解質に特に有意な場合がある。可溶性の塩を改変する一例としては、米国特許第6,379,501号、および、6,358,365号で説明されているようにして可溶性金属ケイ酸塩を製造することが挙げられる。これらの特許は、水性環境中で1価のカチオン性ケイ酸塩と、2価の金属イオンとを組み合わせると、水溶性の金属ケイ酸塩複合体を形成することを教示している。このような複合体は、少なくとも1種のアルミニウム化合物、および、少なくとも1種の水溶性ケイ酸塩を含む。水溶性ケイ酸塩は、1価のカチオン性ケイ酸塩であってもよいし、または、水溶性金属ケイ酸塩の複合体であってもよい。水溶性金属ケイ酸塩の複合体は、1価のカチオン性ケイ酸塩と2価の金属イオンとの反応生成物であってもよい。アルミニウム化合物の水溶性ケイ酸塩に対するモル比(AlおよびSiOに基づく)は、約0.1〜10であり、好ましくは約0.2〜5であり、より好ましくは約0.5〜2である。
本発明において有用な金属塩の例としては、これらに限定されないが、金属ケイ酸塩、塩化鉄(II)、無水FeCl、ZnSO・4HO、MgCl、および、それらの組み合わせが挙げられる。
歩留まりおよび濾水系の代替の第二の成分は、シリコーンをベースとする数種の材料うち1種が可能である。本発明の目的において、このような材料は以下ののいずれか1つで説明することができる:
1.「シリコーンオイル」、これは、主として、ポリジメチルシロキサン、例えばダウ・コーニング200フルイド(Dow Corning(R)200 Fluid)(ダウ・コーニング社(Dow Corning Corporation,ミッドランド,ミシガン州))、または、ゼネラルエレクトリック(General Electric)のSF97フルイド(ウィルトン,コネチカット州)を含むシリコーンオイルを単に意味する。
2.改変されたシリコーン製品、例えばグラフト化または架橋シリコーン高分子系。一例としては、以下の構造を有するシリコーンポリエーテルが挙げられる:
Figure 2008525667
式中、Xはポリエーテルであり、例えばポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、または、コポリマーである。これらの改変されたシリコーン製品の多くは表面活性特性を有し、例えば、シリコーン界面活性剤である。
3.シリコーン配合製品。これは、1種またはそれ以上のシリコーンオイル(上述した通り)、および、改変されたシリコーン製品(上述した通り)を含む配合された混合物を含む。
4.「シリコーン材料」。この用語は、改変されたシリコーン製品(上述した通り)、および/または、シリコーン配合製品(上述した通り)を意味する。
5.「シリコーン」。この用語は、シリコーンオイルおよび/または改変されたシリコーン製品(上述した通り)、および/または、シリコーン配合製品(上述した通り)を意味する。
典型的な材料としては、これらに限定されないが、シリコーンポリマーが挙げられ、ここで、シリコーンポリマーとは、もともとポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(フェニルメチルシリコーン)、および、ポリ(テトラメチルテトラフェニルシロキサン)に適用される用語である。
歩留まりおよび濾水系の第二の成分は、パルプの乾燥重量に基づき、10Kg(活性物質)/メートルトン(セルロースパルプ)以下の量で添加することができ、会合性ポリマーの第二の成分に対する比率は、1:100〜100:1である。製紙系において2種以上の第二の成分が使用可能であると考えられる。
ケイ酸含有材料は、紙および板紙の製造で用いられる歩留まり向上剤および濾水性向上剤の追加の成分として用いてもよい。このようなケイ酸含有材料は、シリカをベースとした粒子、シリカミクロゲル、無定形シリカ、コロイドシリカ、アニオン性コロイドシリカ、シリカゾル、シリカゲル、ポリシリケート、ポリケイ酸等からなる群より選択される材料のいずれかであり得る。これらの材料は、高い表面領域、高い電荷密度、および、1ミクロン未満の粒度を特徴とする。
このようなものとして、球状の無定形のシリカ粒子の安定なコロイド分散系(当業界ではシリカゾルと呼ばれる)が挙げられる。ゾルという用語は、球状の無定形粒子の安定なコロイド分散系を意味する。シリカゲルは、3次元的にシリカが集合した鎖であり、それぞれ歩留まり向上剤および濾水性向上剤系で用いることができる数種の無定形シリカゾル粒子を含み、このような鎖は、直鎖状でもよいし、または分岐状でもよい。シリカゾルおよびゲルは、モノマーのケイ酸を環状構造に重合して、ポリケイ酸の離散的な無定形シリカゾルを生成させることによって製造される。これらのシリカゾルを反応させ、さらなる3次元ゲルネットワークを形成させることもできる。様々なシリカ粒子(ゾル、ゲルなど)は、5〜50nmの外径寸法を有する場合がある。アニオン性コロイドシリカもまたを用いることができる。
セルロース含有懸濁液にケイ酸含有材料を添加することができ、添加量は、セルロース含有懸濁液の乾燥重量に基づき少なくとも0.005Kg/メートルトンの量が可能である。ケイ酸含有材料の量は、50Kg/メートルトンのように高くてもよい。好ましくは、ケイ酸含有材料の量は、約0.05〜約25Kg/メートルトンである。さらにより好ましくは、ケイ酸含有材料の量は、セルロース含有懸濁液の乾燥重量に基づき約0.25〜約5.0Kg/メートルトンである。
歩留まりおよび濾水系の成分は、実質的に同時にセルロース含有懸濁液に添加してもよい。歩留まりおよび濾水系という用語は、本明細書において、改善された歩留まりおよび濾水を提供するために製紙用スラリーに添加された2種またはそれ以上の別個の材料を包含するものとして用いられる。例えば、このような成分は、同じ段階もしくは供給点、または、異なる段階もしくは供給点のいずれかでそれぞれセルロース含有懸濁液に添加してもよい。本発明の系の成分が同時に添加される場合、上記材料のいずれか2種またはそれ以上を、混合物として添加してもよい。このような混合物は、供給点で、または、供給点への供給ライン中で上記材料のいずれか2種またはそれ以上を混合することによってその場で形成してもよい。あるいは、本発明の系は、予備形成された2種またはそれ以上の上記材料のいずれかの混合物を含む。本発明の代替形態において、本発明の系の成分は連続的に添加される。各成分の添加ポイントの間に、剪断ポイントがあってもよいし、または、なくてもよい。上記成分は、どのような順番で添加してもよい。
本発明の系は、典型的には、紙加工の工程に導入されることによって、歩留まりおよび濾水に作用する。本発明の系は、高粘度の原料に添加してもよいし、または、低粘度の原料に添加してもよいが、好ましくは低粘度の原料に添加される。本システムは、1ヶ所の供給ポイントで添加してもよいし、または、本発明の系が2ヶ所またはそれ以上の別々の供給ポイントで同時に供給されるように分割して供給されてもよい。典型的な原料添加ポイントとしては、ファンポンプの前、ファンポンプの後、および、圧力スクリーンの前、または、圧力スクリーンの後の供給ポイントが挙げられる。
本発明で用いられる会合性ポリマーコポリマー量に対するケイ酸含有材料の量は、重量に基づき約100:1〜約1:100、または、約50:1〜1:50、または、約10:1〜1:10であり得る。
任意に、歩留まり向上剤および濾水性向上剤系の追加の成分は、従来の凝集剤でもよい。従来の凝集剤は、一般的に、直鎖状のアクリルアミドのカチオン性またはアニオン性コポリマーである。歩留まりおよび濾水系の追加の成分は、無機材料および会合性ポリマーと共に添加され、歩留まりおよび濾水を改善する多成分系を提供する。
従来の凝集剤は、アニオン性、カチオン性または非イオン性ポリマーが可能である。イオン性単量体は、ほとんどの場合、アクリルアミドのような非イオン性単量体と共にコポリマーを製造するのに用いられる。これらのポリマーは、これらに限定されないが、懸濁、分散および逆エマルジョンの重合などの合多種多様な合成法によって得るすることができる。最終工程として、マイクロエマルジョンを用いてもよい。
従来の凝集剤の共重合用単量体は、どのような比率で存在していてもよい。得られたコポリマーは、非イオン性、カチオン性、アニオン性または両性であり得る(は、カチオン性電荷とイオン電荷の両方を含む。
本発明の系の一部となり得るさらにその他の追加の成分はアルミニウム源であり、例えばアラム(硫酸アルミニウム)、ポリ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、および、クロルヒドロキシアルミニウムである。
本発明の性能を評価するために、一連の濾水試験を合成のアルカリ性完成紙料を用いて行った。この完成紙料は、市販の硬材および軟材の乾燥ラップパルプ、さらに水と追加の材料から製造される。まず、市販の硬材および軟材の乾燥ラップパルプを別々に精砕する。次に、これらのパルプを、水性媒体中、約30重量パーセントの軟材に対して約70重量パーセントの硬材の比率で混合する。完成紙料の製造に利用された水性媒体は、代表的な硬度にした現地の硬水と脱イオン水との混合物を含む。この媒体が、総アルカリ度(CaCOとして)が75ppmであり、硬度(CaCOとして)が100ppmになるようにな量で、無機塩を添加する。このパルプ完成紙料に沈降炭酸カルシウム(PCC)を代表的な重量パーセントで導入し、80%の繊維、および、20%のPCC充填剤を含む最終的な完成紙料を得る。濾水試験は、この完成紙料を機械式ミキサーで既定のミキサー速度で混合し、様々な化学成分を完成紙料に導入して、次の成分を添加する前に一つ一つの成分を既定時間混合することによって行われた。具体的な化学成分と適用量レベルは表のデータに記載した。本発明の濾水活性を、カナダ標準濾水度(CSF)を利用して決定した。CSF試験は、相対的な濾水速度、または、脱水速度を決定するのに利用することができる市販の装置であり(Lorentzen&Wettre,ストックホルム,スウェーデン)、当業界でもよく知られている;標準試験法(TAPPI試験手法T−227)が一般的である。CSF装置は、濾水チャンバーと速度を測定する漏斗からなり、これらは両方、適切な支持体にマウントされている。濾水チャンバーは円柱形であり、底部に穴の開いたスクリーンプレートとヒンジで連結されたプレートを備え、さらに、上部に真空気密性のヒンジで連結された蓋を備えている。速度を測定する漏斗は、底部の開口部と、側面のオーバーフロー用の開口部を備えている。
CSF濾水試験は、1リットルの完成紙料を用いて行われる。完成紙料は、CSF装置の外部で、説明されている処理に応じて、乱流混合を施すための正方形のビーカー中で製造される。添加剤の添加と、連続的な混合が完了したら、処理された完成紙料を濾水チャンバーに注入し、上蓋を閉じ、続いて即座に底部のプレートを開く。速度を測定する漏斗に水分を存分に排出する;底部の開口部によって溢れたとみなされた水流は、側面の開口部を通じてオーバーフローすると予想され、それらはメスシリンダーに回収される。得られた値は、ろ液のミリリットル(ml)で記載される;定量値が高いということは、濾水または脱水がより高レベルであることを示す。
表1は、本発明の有用性を説明する。試験サンプルを以下のように製造した:上述のように製造された完成紙料に、まず、5Kg/メートルトン(完成紙料,乾燥基準)のカチオン性スターチ(スタローク400(Stalok(R)400)、AE.,ステイリー(AE.,Staley,ディケーター,イリノイ州))、続いて、2.5Kg/メートルトン(完成紙料,乾燥基準)のアラム(硫酸アルミニウム十八水和物,デルタ・ケミカル社(Delta Chemical Corporation,ボルチモア,メリーランド州)から、50%溶液として得た)、続いて、0.25Kg/メートルトン(完成紙料,乾燥基準)のパーフォーム(Perform(R)PC8138)(ハーキュリーズ社(Hercules Incorporated,ウィルミントン,デラウェア州))を添加した。
続いて、表1に記載の実施例において、対象の添加剤を表1に記載した通りに添加した。SP9232とは、パーフォーム(R)SP9232であり、これは、所定の条件下で製造された歩留まり向上剤および濾水性向上剤であり(PCT WO03/050152Aを参照)、ハーキュリーズ社(ウィルミントン,デラウェア州)の製品である;ゼオライトは、ヴァルフォールCBV(Valfor(R)CBV)、水和アルカリアルミニウムシリカ(PQ社(PQ Corporation),バーウィン,ペンシルベニア州)である;粘土は、スペクトラフィルLA(Spectrafil(R)LA)であり、これは、焼成粘土である(エングルハード社(Englehard Corporation),アイズリン,ニュージャージー州);TiOは、ゾパークRG(Zopaque(R)RG)であり、これは、二酸化チタンの鋭錐石の形態(SCMグリデン(SCM Glidden),ボルチモア,メリーランド州)である;PCCは、アルバカール(Albacar(R)5970)沈降炭酸カルシウム(スペシャリティー・マテリアルズ社(Specialty Minerals, Inc.),ベツレヘム,ペンシルベニア州)である;PSは、フーバーフィル(Huberfil(R)96)無定形沈降シリカ(JMフーバー社(JM Huber Corporation),エジソン,ニュージャージー州)であり;さらに、シリカは、NP780であり、これは、コロイドシリカ製品(エカ・ケミカルズ(Eka Chemicals),マリエッタ,ジョージア州)である。
Figure 2008525667
これらのデータによれば、無機材料を添加すると、パーフォームTMSP9232を用いた場合、濾水の増加が起こることが示される。PSが最も大きい性能の増加を示し、さらに粘土、PCCおよびゼオライトも濾水の大きい増加を示した。
TiOは、他のものよりも低いが有意な増加を示した。
第三の成分であるシリカを使用することで、追加の利点が提供される。
連続的な添加が好ましいが、同時添加によっても大きい改善が観察された。
表2に記載の実施例で、以下の材料が用いられる。アラムは、デルタ・ケミカル社(ボルチモア,メリーランド州)から50%溶液として得られた硫酸アルミニウム十八水和物である。PB9007は、クロルヒドロキシアルミニウムのパーフォーム(R)9007(ハーキュリーズ社,ウィルミントン,デラウェア州)であり、PB9008は、ポリ塩化アルミニウムのパーフォーム(R)PB9008であり、SP9232は、パーフォーム(R)SP9232であり、これは、所定の条件下で製造された歩留まり向上剤および濾水性向上剤であり(PCT WO03/050152A1を参照)、PC8138は、ポリアクリルアミドのカチオン性コポリマーのパーフォーム(R)PC8138であり、PA8137は、アクリルアミドのアニオン性コポリマーのパーフォーム(R)PA8137である。
表2に、本発明の実施形態におけるCSF濾水度を示す。
Figure 2008525667
表2に記載のデータは、歩留まりおよび濾水プログラムの成分としてのアルミナ種の導入によって作用を受けた濾水の改善を説明する。
表3に記載の試験サンプルを以下のように製造した:上述のように製造された完成紙料に、まず、完成紙料1トンあたり(乾燥基準)5Kgのカチオン性スターチ(スタローク400(Stalok(R)400)、AE.,ステイリー(ディケーター,イリノイ州))、続いて、2.5Kg/メートルトン(完成紙料,乾燥基準)のアラム(硫酸アルミニウム十八水和物,デルタ・ケミカル社(ボルチモア,メリーランド州)から、50%溶液として得た)、続いて、0.25Kg/メートルトン(完成紙料,乾燥基準)のパーフォーム(R)PC8138(ハーキュリーズ社,ウィルミントン,デラウェア州))を添加した。次に、表に示す実施例において、表に記載した通りの対象の添加剤を添加した。SP9232とは、パーフォーム(R)SP9232であり、これは、所定の条件下で製造された歩留まり向上剤および濾水性向上剤である(PCT WO03/050152Aを参照)、ハーキュリーズ社(ウィルミントン,デラウェア州)の製品である;シリカは、BMA780コロイドシリカであり、これは、エカ・ケミカルズ(マリエッタ,ジョージア州)の製品であり、さらに、AZCは、炭酸ジルコニウムアンモニウム(アルドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals),ミルウォーキー,ウィスコンシン州)である。
表3に記載のデータから、AZCは、濾水に強い作用を有することが実証される。
Figure 2008525667
表4に記載の試験サンプルを以下のように製造した:上述のように製造された完成紙料に、まず、完成紙料1トンあたり(乾燥基準)5Kgのカチオン性スターチ(スタローク400(Stalok(R)400)、AE.,ステイリー(ディケーター,イリノイ州))、続いて、0.25Kg/メートルトン(完成紙料,乾燥基準)のアラム(硫酸アルミニウム十八水和物,デルタ・ケミカル社(ボルチモア,メリーランド州)から、50%溶液として得た)、続いて、0.25Kg/メートルトン(完成紙料,乾燥基準)のパーフォーム(R)PC8138(ハーキュリーズ社,ウィルミントン,デラウェア州))を添加した。次に、表に示す実施例において、表に記載した通りの対象の添加剤を添加した。SP9232とは、パーフォーム(R)SP9232であり、これは、所定の条件下で製造された歩留まり向上剤および濾水性向上剤である(PCT WO03/050152Aを参照)、ハーキュリーズ社(ウィルミントン,デラウェア州)の製品である;シリカは、NP780コロイドシリカであり、これは、エカ・ケミカルズ(マリエッタ,ジョージア州)の製品である;金属ケイ酸塩は、ハーキュリーズ社(ウィルミントン,デラウェア州)の製品であるパーフォーム(R)(PM9026とPM9028金属ケイ酸塩との混合物であり、塩化鉄(II)は、アルドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals,ミルウォーキー,ウィスコンシン州)から得られた塩化鉄(II)である。塩化鉄(III)は、無水FeClであり、これは、フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific,ハンプトン,ニューハンプシャー州)の製品である。Zn塩は、ZnSO・4HO(硫酸亜鉛,アルドリッチ,ミルウォーキー,ウィスコンシン州の製品)であり;Mg塩は、MgCl・6HO(塩化マグネシウム,スペクトラム・ケミカル(Spectrum Chemical),ガーディナ,カリフォルニア州の製品)である。
Figure 2008525667
このような表4に記載のデータによれば、これらの金属塩は、パーフォーム(R)SP9232の能力に対して相乗効果を有し、濾水を強化することができることが示される。任意の第三の成分の添加は、追加の作用を有する。
表5に記載の試験サンプルを以下のように製造した:上述のように製造された完成紙料に、まず、5Kg/メートルトン(完成紙料,乾燥基準)のカチオン性スターチ(スタローク400(Stalok(R)400)、AE.,ステイリー(ディケーター,イリノイ州))、続いて、2,5Kg/メートルトン(完成紙料,乾燥基準)のアラム(硫酸アルミニウム十八水和物,デルタ・ケミカル社(ボルチモア,メリーランド州)から、50%溶液として得た)、続いて、0.25Kg/メートルトン(完成紙料,乾燥基準)のパーフォーム(R)PC8138(ハーキュリーズ社,ウィルミントン,デラウェア州))を添加した。次に、表に示す実施例においてシリコーン材料を表に示す通りに添加した。SP9232とは、パーフォーム(R)SP9232であり、これは、所定の条件下で製造された歩留まり向上剤および濾水性向上剤である(PCT WO03/050152Aを参照)、ハーキュリーズ社(ウィルミントン,デラウェア州)の製品である;シリカは、BMA780コロイドシリカ(エカ・ケミカル,マリエッタ,ジョージア州))である:および、シリコーンは、ダウ・コーニング(R)200シリコーン油(ダウ・コーニング,ミッドランド,ミシガン州)である。
Figure 2008525667

Claims (15)

  1. 製紙法における歩留まりおよび濾水を改善する方法であって、ここで、該改善は、製紙用スラリーに、会合性ポリマーと、少なくとも1種の無機粒子とを添加することを含み、ここで、該会合性ポリマーは、式:
    Figure 2008525667
    [式中、Bは、1個またはそれ以上のエチレン性不飽和非イオン性単量体を含む非イオン性ポリマーセグメントであり;Fは、少なくとも1個のエチレン性不飽和アニオン性またはカチオン性単量体を含むポリマーセグメントであり;さらに、B:Fのモルパーセントの比率は、99:1〜1:99である]
    を含み、ここで、該会合性ポリマーは、有効量のジブロックまたはトリブロック高分子界面活性剤から選択される少なくとも1種の乳化用の界面活性剤によって付与される会合特性を有し、ここで、該少なくとも1種のジブロックまたはトリブロック界面活性剤の単量体に対する量は、少なくとも約3:10である、上記方法。
  2. 前記少なくとも1種の無機粒子は、粘土、膨潤性粘土、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、アルミノケイ酸塩、珪藻土のシリカ、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ゼオライト、および、それらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1種の無機粒子は、アルミノケイ酸塩、珪藻土のシリカ、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、および、それらの組み合わせからなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
  4. ケイ酸含有材料をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ケイ酸含有材料は、シリカをベースとした粒子、シリカミクロゲル、無定形シリカ、コロイドシリカ、アニオン性コロイドシリカ、シリカゾル、シリカゲル、ポリシリケート、ポリケイ酸、および、それらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記無機粒子および会合性ポリマーは、混合物として、同時に、または、連続的に製紙用スラリーに添加される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記会合性ポリマーは、アニオン性である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記非イオン性単量体は、アクリルアミドを含み、前記アニオン性単量体は、アクリル酸の遊離酸または塩を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記会合性ポリマーは、カチオン性である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記会合性ポリマーは、アニオン性単量体とカチオン性単量体との両方を含む請求項1に記載の方法。
  11. 会合性ポリマー、および、少なくとも1種の無機粒子を含む組成物であって、ここで、該会合性ポリマーは、式:
    Figure 2008525667
    [式中、Bは、1個またはそれ以上のエチレン性不飽和非イオン性単量体を含む非イオン性ポリマーセグメントであり;Fは、少なくとも1個のエチレン性不飽和アニオン性またはカチオン性単量体を含むポリマーセグメントであり;さらに、B:Fのモルパーセントの比率は、99:1〜1:99である]、
    を含み、ここで、該会合性ポリマーは、有効量のジブロックまたはトリブロック高分子界面活性剤から選択される少なくとも1種の乳化用の界面活性剤によって付与される会合特性を有し、ここで、該少なくとも1種のジブロックまたはトリブロック界面活性剤の単量体に対する量は、少なくとも約3:10である、上記組成物。
  12. セルロース系繊維をさらに含む、請求項11に記載の組成物。
  13. ケイ酸含有材料をさらに含む、請求項11に記載の組成物。
  14. 前記少なくとも1種の無機粒子は、粘土、膨潤性粘土、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、アルミノケイ酸塩、珪藻土のシリカ、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ゼオライト、および、それらの組み合わせからなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1種の無機粒子は、アルミノケイ酸塩、珪藻土のシリカ、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、および、それらの組み合わせからなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
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