JP2008544514A - 処理チャンバ内の圧力を制御する方法 - Google Patents
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Abstract
1つのエッチングステップおよびパッシベーション化ステップを交番に含む、弁を介して真空ラインに連結された処理チャンバ内で半導体基板をプラズマ処理する方法に関する。(a)処理を行いたい基準圧力Prefが規定されるステップと、(b)第1のエッチングステップ中に弁の位置が固定されるステップと、(c)処理チャンバ内の圧力を、n回のサイクル中に安定化させることを可能にするステップと、(d)2であるm回のサイクル中のエッチングステップ中に処理チャンバ内の圧力が測定され、平均圧力値Pcが行われる測定から計算されるステップと、(e)n+m回のサイクルの後に、弁の位置が基準圧力値Prefに近接する処理チャンバ内の圧力を得るように調整されるステップと、(f)計算された平均圧力Pcが基準圧力値Prefとほぼ同じになり、弁の位置を調整する必要がなくなるまでステップ(c)から(e)が繰り返される。
Description
本発明は、マイクロ電気機械システム(MEMS)またはマイクロ光電気機械システム(MOEMS)の製造のために半導体基板をマイクロ機械加工する分野に関する。より詳細には、交番(alternating)プラズマエッチング技術による半導体部品の製造の異なるステップ中の処理チャンバ内の気体圧力の制御および調整、より詳細には利用されるプロセスに関する。
極めて低い圧力で処理気体が供給されたエンクロージャ内で生成品を製造または処理するための工業的プロセスでは、エンクロージャ内の圧力を調整する必要がある。これは例えば、半導体およびマイクロ電気機械システム(MEMS)を製造および処理する方法の場合である。
基板は、プラズマ生成手段によってイオン化された活性気体を含む真空エンクロージャ内に配置されている。処理は普通、プラズマを確立および維持することを可能にする低圧環境の処理チャンバ内で起こる連続したステップを含んでいる。
特定の応用例では、異なる気体の交番の流れを利用する処理が使用される。例えばシリコンをエッチングする場合、SF6などのフッ素を含む気体または気体混合物の導入を含むエッチングステップと、例えばC4F8などの気体CxFyの導入を含む表面上へのパッシベーション被膜の蒸着ステップの2つのステップをそれぞれ含む連続したサイクルを使用することは普通の方法である。中性または洗浄気体の導入を含む1つまたはいくつかの補足ステップを加えることもできる。各ステップは、処理チャンバ内への気体の同時注入を含み、各ステップでは、一定の気体流量が規定されている。しかし、気体の性質および流量はステップ毎に変わり、それによって各ステップで処理チャンバ内の圧力の変化が生じる。この圧力は、処理ステップの性能の制御および再現性にとって重要なパラメータである。したがって、各ステップは、最適に制御および調整する必要がある処理チャンバ内の気体圧力を特徴としている。
異なる処理ステップに必要な適当な真空は、処理チャンバに連結された真空ポンプを備えた真空ラインによって生成および維持される。ポンプラインの入口に配置された絞り弁を使用して、処理チャンバ内の圧力を調節することが可能である。しかし、各ステップの持続時間は可変であり比較的短い(数ミリ秒から数秒まで)ので、弁の応答時間が圧力の正確な制御を妨げる。したがって、処理全体を通して一定であり、圧力を大体制御するのを可能にする位置に弁を位置付ける選択肢が普通行われる。
時間にしたがった圧力の変化がまた、同じプロセスで観察される。弁の同じ位置に対して、処理チャンバ内の圧力は炉の状態によって変化する可能性があることが知られており、他のものは全て同一である。観察した圧力ドリフトは、例えば処理中に発生する劣化の生成物の堆積があることによる、炉の清浄度の状態の変化によるものである可能性がある。この変化はまた、絞り弁のタイプに左右される。したがって、各装置に対して、炉の状態の変化に応じて、行われる処理の各ステップに対して弁の異なる位置を規定する必要がある。
国際特許出願公開第WO−2004/093165号は、エッチングおよびパッシベーション化ステップの交番中の圧力を制御する方法を提案している。この方法は、処理の最初に、各ステップとは無関係にターボポンプに処理チャンバを連結させる弁の位置を固定するステップからなる。弁の開始位置は、同じタイプの1つまたは複数の前のステップ中に取得されるデータに応じて決定される(これは、「位置」モード制御と呼ばれる)。その位置でのステップの少なくとも一部の後に、圧力はその後、制御アルゴリズムにより弁の位置を変えることによって調整される(これは、「圧力」モード制御と呼ばれる)。
処理チャンバ内の圧力はプラズマエッチング処理の性能の制御および再現性に重要なパラメータであるので、このパラメータを正確に調整することが必要である。
本発明の目的は、処理チャンバ内の圧力を制御および調整する方法を提案することによって、処理中の圧力ドリフトを最小限に抑えることである。
本発明の主題は、弁を介して真空ラインに連結された処理チャンバ内での半導体基板のプラズマ処理方法であり、前記処理は、エッチング気体が導入されて、パッシベーション気体が前記チャンバ内に案内される少なくとも1つのパッシベーション化ステップと交番する少なくとも1つのエッチングステップを含む複数のサイクルを含んでおり、(a)処理を行いたい基準圧力Prefが規定されるステップと、(b)第1のエッチングステップ中に弁の位置が固定されるステップと、(c)処理チャンバ内の圧力を、n回のサイクル中に安定化させることを可能にするステップと、(d)少なくとも2であるm回のサイクル中のエッチングステップ中に処理チャンバ内の圧力が測定され、平均圧力値Pcが行われる測定から計算されるステップと、(e)m+n回のサイクルの後に、弁の位置が基準圧力値Prefに近似する処理チャンバ内の圧力を得ることを望んで補正されるステップと、(f)計算された平均圧力Pcが基準圧力値Prefとほぼ同じになり、それによって弁の位置を補正する必要がなくなるまでステップ(c)から(e)が繰り返されるステップとを含んでいることを特徴とする。
「ほぼ同じ」という表現は、測定した圧力から計算された平均圧力が±1%から±5%までの基準値として規定された圧力値のあたりの許容範囲領域内にあることを意味している。
圧力の測定は有利には、安定した圧力を得るために、エッチングステップの合計時間の約3分の1の時間Δtの後に行われる。
圧力の測定はより有利には、エッチングステップ中に処理チャンバ内の平均圧力を示す値を得るために、エッチングステップの合計時間の約3分の1の時間Δtmの間に行われる。
弁の初期位置は、前に行われるキャリブレーション、または処理で得られる経験に基づき決定される。実際の条件では、弁の位置は段階的に修正される。例えば、各ステップは弁の合計開度の1%を示すことができる。この場合、弁の位置はいずれかの方向に多くても10ステップによって修正することができる。もちろん、あらゆる他のステップ値を同様に選択することもできる。
測定は、少なくとも3であるm回のサイクルで行われることが好ましい。
パッシベーション被膜の蒸着のステップ中に、弁の位置はすぐ前のエッチングステップと同じである。弁の位置は、蒸着ステップ中には変わらない。
本発明の他の特性および利点は、もちろん、例示的であり非限定的な例として与えられた一実施形態の以下の説明を読み、添付の図面により明らかになるだろう。
図1に示す装置は、プラズマエッチングによってシリコン基板をマイクロ機械加工するのに従来から使用されている装置である。基板1は、移動可能である支持体2上に配置され、処理チャンバ3内に配置されている。
処理中、SF6などのフッ素化気体のプラズマで基板1をエッチングするステップは、例えばC4F8などの気体CxFyのプラズマを使用して表面パッシベーション化ステップと交番する。また、中性または洗浄気体Gの導入を行うこともできる。処理気体は、弁4を含む吸気装置によって処理チャンバ3内に導入される。処理チャンバ3内の圧力は、ポンプを備えた真空ライン6の入口に配置され、コンピュータ8によって制御された制御装置7に関連付けられた絞り弁5により制御される。処理チャンバ3内の圧力は、マノメータなどの装置9によって測定される。
エッチングステップ中に、活性気体が励起されて、アダプタネットワーク12を介して高周波発生装置11によって電力が供給された巻線10によりプラズマを形成する。生成されるイオンは、アダプタネットワーク14に取り付けられ、衝撃方向に垂直である基板1の表面を衝撃する高周波または低周波発生装置13による基板の分極化の効果によって基板1に向かって加速される。基板1は、フッ素原子、および基板1の表面で化学反応するエッチング気体の励起により得られる中性種によって等方的に攻撃される。
パッシベーション化ステップ中に、気体または気体混合物は、高周波発生システム10、11、12によって同じ方法で励起され、プラズマに曝された基板1の表面全てにわたってポリマーフィルムの形で蒸着される重合可能種を生成する。垂直表面および水平表面は、このようにして覆われている。
その後のエッチングステップ中に、基板の負分極化のために得られる垂直イオン衝撃の組み合わせた動作によって、ポリマーフィルムは水平表面上に噴霧され取り除かれ、基板の垂直エッチングを続けることができるが、垂直表面上に残っているポリマーは一時的にこれらの垂直表面上のプラズマの動作に対抗する。フッ素化気体プラズマでのエッチングステップ、および気体CxFyのプラズマを使用したパッシベーション化ステップをこのように繰り返すことによって、基板の等方性エッチングが得られる。
サイクルはまた、中性または洗浄気体を使用して、パッシベーション化ステップでもエッチングステップでもない補助的ステップを含むことができる。
2つのステップを含む処理サイクル中、図2に示すように大まかに言えば圧力が変化する。
エッチングステップの開始t0では、フッ素化気体は曲線20によって示される分圧で処理チャンバ内に導入される。曲線20の部分21は、圧力値Pgまで上昇する。パッシベーション化気体は、曲線24の部分23によって示される分圧P’dを有する(図2B)。
エッチングステップの終了tfでは、エッチング気体の導入が停止し、圧力曲線20の部分22は、エッチング気体の分圧が値P’gまで低下することを示している(図2A)。同時に、パッシベーション化気体は曲線24によって示される分圧で導入される。曲線24の部分25は、パッシベーション化気体の分圧が圧力値Pdまで上昇することを示している(図2B)。
図3は、本発明の方法を略図的に示している。エッチングステップの開始t0では、エッチング気体は弁4を介して処理チャンバ3内に導入される。絞り弁5はその後、ポンプ速度を調節するために、任意の位置V0内に配置されている。弁の位置V0は、圧力を安定化させることができるように、数サイクル中に一定に維持されている。さらに、作動したいと望む基準圧力Prefが画定される。
エッチングステップの開始t0の後に、弁の位置V0はエッチングステップの合計持続時間の約3分の1に対応することが好ましい時間間隔Δtだけ維持される。時間tm1=t0+Δtの後、処理チャンバ内の平均圧力が時間Δtmの間測定され、値P1を有する。したがって、平均圧力の値Pcはここでは、考えられる時間間隔で測定された平均圧力の値P1である。
処理チャンバ内の圧力は、図4の曲線40によって示されるように変化する。エッチング気体の導入中、絞り弁5は固定位置に維持されているので、圧力は時間間隔Δtに対応する曲線40の部分41によって示されるように上昇する。基板のエッチングによる気体の消費はその後減少し、圧力はその後安定化される(曲線40の部分42)。平均圧力が測定されるのはこの期間Δtmの間である。測定時間Δtmは、このステップの合計持続時間の3分の1に達する可能性がある。エッチングステップの終了において、エッチング気体の吸気が停止し、圧力はパッシベーション気体の吸気により再び上昇する前に、短い期間の間低下する(曲線40の部分43)。
次のサイクルのエッチングステップの間、次のサイクルのエッチングステップの開始t1から同じ時間間隔Δtの後、圧力測定が繰り返される。時間tm2=t1+Δtの後、処理チャンバ内の平均圧力が時間Δtmの間測定され、値P2を有する。平均圧力の計算した値Pcはその後、2つの測定の平均値(P1+P2)/2となるように再び規定される。
次のサイクルのエッチングステップの開始t2から時間tm3=t2+Δtの後、処理チャンバ内の平均圧力の測定を図3に示すように繰り返すことができる。計算した平均圧力Pcの値は、3つの測定の平均値(P1+P2+P3)/2となるように再び規定される。
P1、P2およびP3の値は普通、0.5Paから30Paまでである。この測定は、必要に応じた数のサイクルにわたって行うことができる。
計算した平均圧力Pcが基準圧力Prefの値と異なる場合、処理チャンバ内の計算した平均圧力Pcと基準圧力Prefの値の観察した差Pc−Prefを小さくするように、絞り弁5は位置V0から位置V1まで移動される。
弁の位置が修正された場合、ちょうど説明したのと同様の一連の測定を繰り返す前に、圧力を安定化させることを可能にするように数サイクルの待機がある。基準圧力Prefの値は必要に応じて再び規定され、弁5の位置はそれに応じて変えられる。基準値Prefと測定により計算された平均圧力値Pcの間の1%から5%までの差は、許容範囲である。
特定の数のサイクルの終了後、圧力は安定化する。絞り弁の位置を変更する必要がなくなる。計算した平均圧力Pcの値が一定であり、基準圧力Prefの値とほぼ同じである場合、弁の位置は測定後に変更されない。その後、必要に応じてより少ない頻度での圧力検査を行うことができる。
基準圧力Prefの値と比べてエッチングステップ中に処理チャンバ内で計算された平均圧力Pc内のドリフトが時間の経過と共に観察される場合、再び測定を行うことができ、絞り弁5の位置を再び調整することができる。
図5は、処理時間t中の処理チャンバ内の圧力Pの変化に関する本発明の方法の効果を示している。n回のサイクル中(ここでは3回のサイクルが示されている)、圧力は弁の初期位置によって維持されている。次のm回のサイクル中、圧力測定が行われ、平均圧力は各サイクル後に再び計算される。(n+m)回のサイクルの後に、弁の位置が変えられる(図のVによって示される)。与えられた例では、測定した圧力は高すぎ、弁の位置は圧力を僅かに低くするように変更されていた。
圧力はその後、n’回のサイクルにわたって安定化することが可能であり、その後、m’回のサイクルにわたって測定が再び行われる。必要に応じて、弁の位置を再び変えることができる。
本発明は、明示的に説明した実施形態に限るものではなく、当業者に自明である様々な変更形態および一般形態を含んでいる。
Claims (7)
- 弁を介して真空ラインに連結された処理チャンバ内での半導体基板のプラズマ処理方法であって、前記処理はエッチング気体が導入されて、パッシベーション気体が前記チャンバ内に案内される少なくとも1つのパッシベーション化ステップと交番する少なくとも1つのエッチングステップを含む複数のサイクルを含んでいる方法であって、
(a)処理を行いたい基準圧力Prefが規定されるステップと、
(b)第1のエッチングステップ中に弁の位置が固定されるステップと、
(c)処理チャンバ内の圧力を、n回のサイクル中に安定化させることを可能にするステップと、
(d)少なくとも2であるm回のサイクル中のエッチングステップ中に処理チャンバ内の圧力が測定され、平均圧力値Pcが行われる測定から計算されるステップと、
(e)n+m回のサイクルの後に、弁の位置が基準圧力値Prefに近似する処理チャンバ内の圧力を得ることを望んで補正されるステップと、
(f)計算された平均圧力Pcが基準圧力値Prefとほぼ同じになり、それによって弁の位置を補正する必要がなくなるまでステップ(c)から(e)が繰り返されるステップとを含んでいることを特徴とする、方法。 - 圧力の測定が、エッチングステップの合計時間の約3分の1の時間Δtの後に行われる、請求項1に記載の方法。
- 圧力の測定が、エッチングステップの合計時間の約3分の1の時間Δtmの間に行われる、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
- mが、少なくとも3である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- nが、少なくとも2である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 弁の位置が各一連の測定の後に1ステップだけ修正され、各ステップは弁の合計開度の1%を示す、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
- 弁の位置が、処理の間に両方の方向に最大10ステップだけ修正される、請求項6に記載の方法。
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