JP2008543934A - 昇華による有機組成物の精製 - Google Patents

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Abstract

本方法によって、室の中に置かれた固形または半固形の出発有機組成物が精製される。本方法は、ある有機分子種の分子が組成物から昇華し、所望の有機分子種の分子が組成物の中に残るように、出発固形または半固形有機組成物を加熱することを含む。本方法は、加熱工程中に室をポンピングして、昇華した有機分子を除去することを含む。本方法は次に、所望の有機分子種の分子が組成物の残り部分から昇華するように、1つまたは複数のより高い温度で組成物の残り部分を加熱することを含む。前記室の個別領域が、残り部分の加熱中に、室内の所望の種の昇華した分子の堆積を起こさせる条件の下に維持される。

Description

本発明は、有機組成物を精製するための方法およびデバイスに関する。
高純度の有機分子の試料を有することはしばしば有利である。有機組成物を合成するための工程の多くは、あいにく不純な組成物を生成する。この理由のために、所望の純度レベルを有する試料を得るために有機組成物を精製することがしばしば必要である。有機分子の純粋試料には、マイクロエレクトロニクス、化学、生物学、および薬品業界における用途がある。
不純な出発有機組成物から有機分子の精製された試料を抽出するための方法を、様々な実施形態によって提供する。出発有機組成物は、固形または半固形の形、例えば固形物、粉体、またはペーストであってもよい。
ある実施形態は、室の中に置かれた固形または半固形の出発有機組成物を精製するための方法を特色とする。この方法は、ある有機分子種の分子が組成物から昇華し、所望の分子種の分子が組成物の中に残るように、固形または半固形の出発有機組成物を加熱することを含む。この方法は、加熱工程中に室をポンピングして、昇華した有機分子を除去することを含む。次にこの方法は、所望の有機分子種の分子が組成物の残り部分から昇華するように、1つまたは複数のより高い温度で組成物の残り部分を加熱することを含む。室の個別領域が、残り部分の加熱中に室内の所望の有機分子種の昇華した分子の堆積を起こさせる条件の下に維持されている。
別の実施形態は、気密封止された細長い珪酸ガラス(silicate glass)のアンプルと、このアンプルの中に位置する単一有機分子種の純粋な試料とを含む、装置を特色とする。アンプルは、本明細書では中空空洞の両端部にガラス・バンプを有する。
別の実施形態は、室の中に位置する出発有機組成物を精製するための方法を特色とする。この方法は、出発有機組成物を1つまたは複数の第1の温度で加熱して、組成物から分子を昇華させることを含む。この1つまたは複数の第1の温度は、所望の有機分子種の昇華温度よりも低い。この方法は、第1加熱工程中に室をポンピングして昇華する分子を除去することを含む。次いで、この方法は、有機組成物の残り部分を1つまたは複数の第2温度で加熱して、有機組成物の残り部分から所望の有機分子種を昇華させることを含む。この1つまたは複数の第2の温度は、所望の分子種の昇華温度と同じか、またはこれより高い。室の一領域は、第2加熱工程中に所望の有機分子種の昇華した分子を結晶化させることができる条件の下に維持される。
様々な実施形態を、図面および例証的な実施形態の詳細な記載によって説明する。しかし本発明は様々な形で実現されることができ、図面の実施形態および例証的な実施形態の詳細な記載に限定されるものではない。
図および文中、同様の参照番号は類似の機能を有する構成要素を示す。
図1Aおよび図1Bは、不純な出発有機組成物12から所望の有機分子種を抽出するための装置10の代替実施形態を示している。出発有機組成物12は、例えば異なる昇華温度を有する異なる有機分子種の混合物を含む。出発有機組成物12はしばしば、異なる分子量の分子の混合物になる。出発有機組成物12は固形または半固形、例えば固形物、粉体、またはペーストであってもよい。有機分子種のこのような出発組成物12は、多くの従来の化学的合成によって製造される。
分子種の純粋な固形試料はしばしば広い温度範囲にわたって非ゼロ蒸気圧を有するが、このような試料の蒸気圧はしばしば、はるかに狭い温度範囲にわたって、すなわちここでは変化範囲と呼ばれるものにわたって急速に変化する。この変化範囲より上では試料は観察可能な速度で昇華し、この変化範囲より下では試料は、変化範囲より上における速度と比較して実質的に微々たる速度で昇華する。分子種の昇華温度は、分子種の純粋な試料のための上記の変化範囲の下限である。多くの分子種が、明確な昇華温度と、関連する変化範囲が狭いために上記昇華温度の近くで急に変化するように思われる昇華特性を有することは、当業者には理解されよう。
装置10は、精製室14および炉15を含む。
精製室14は、保持領域16と、結晶化領域18と、ガスのための出口および/または入口ポート20とを含む。保持領域16は、加工処理しようとする不純な出発組成物12を保持する。出発組成物12は、保持領域16の中にそれ自体置かれている別個の試料ホルダ22の中に位置してもよい。このような試料ホルダ22を、精製室14の汚染を回避する方式で組成物12を装荷するために使用してもよい。保持領域16は、2つの領域16、18の間でガスの搬送を可能にする狭いネック領域24を介して、結晶化領域18に連結している。結晶化領域18は、いくらかの昇華した有機分子が堆積して所望の分子種の精製された結晶すなわち微結晶26を形成することができる領域を提供する。結晶化領域18はまた、狭いネック27を介してポート20に連結されている。ポート20によって、ガスをポンピングして精製室14から出すか、または精製室14の中に入れることが可能である。
炉15は、複数の加熱セグメントF1、F2、F3を有する。加熱セグメントF1〜F3は、精製室14の各領域16、18、20における温度の個別制御を可能にする。特に、加熱セグメントF1〜F3は、精製工程中のこれらの領域16、18、20間の温度差の維持を可能にする。加熱セグメントF1およびF2の端部は、ネック領域24の周りで重なり合うように位置付けられ、加熱セグメントF2、F3の端部は、ネック領域27の周りで重なり合うように位置付けられている。
図1Bでは、精製室14は、保持領域16の一端部に位置する追加ポート21を含む。この第2ポート21は、調節可能なニードル・バルブ29を介して不活性ガス源に、例えばアルゴン、ヘリウム、ネオン、またはクリプトンなどの希ガス(nobel gas)の源泉に連結されている。バルブ29は、保持領域16への不活性ガス流を調整することができる。不活性ガス流は、精製工程中に、昇華した材料を保持領域16から結晶化領域18またはポート20へ移動させることに役立つことができる。
図1Aを参照して、例示的な精製室14を、硼珪酸ガラスの出発試験管、例えばPYREX(登録商標)ガラス試験管から製造してもよい。出発試験管は、約31センチメートル(cm)の長さ、約1.3cmの外径、および約1cmの内径を有する。このような出発試験管を用いて、例示的な精製室14の製造は3工程となる。
第1工程では、出発試験管に不純な有機出発組成物12を装荷することが含まれる。粉状の有機出発組成物12については、装荷は、不純な有機出発組成物12を試料ホルダ22の中に装荷すること、および次いで装荷された試料ホルダ22をより大きな出発試験管の中に滑り入れることを含むことがある。試料ホルダ22は例えば、長さが約4.4cmで外径が約0.9cmの硼珪酸ガラス試験管であってもよい。試料ホルダ22の使用は、装荷中に不純な有機出発組成物12によって別の出発試験管の別の部分が汚染されるリスクを低下させる。例えば、汚染のリスクは、粉状有機出発組成物12が出発試験管の中に直接注がれる場合よりも低い。
第2工程では、保持領域16と結晶化領域18を分離する狭いネック領域24を作るために出発試験管をガラス加工することが含まれる。ネック領域24は例えば約0.5cmの内径を有し、保持領域16と結晶化領域18がそれぞれ約8cmの長さと約12cmの長さを有するように位置決めされる。このガラス加工には、出発試験管の縦部分を加熱してその中のガラスを軟化させ、次いで出発試験管を引っ張って軟化した縦部分からネック領域24を作り、次いで軟化したガラスの冷却を可能にすることが含まれる。
第3工程では、結晶化領域18とポート20を分離する狭いネック領域27を作るために出発試験管を再びガラス加工することが含まれる。ネック領域27は例えば約0.5cmの内径を有し、結晶化領域18とポート20がそれぞれ約12cmの長さと約11cmの長さを有するように位置決めされる。このガラス加工には、出発試験管の縦部分を加熱してその中のガラスを軟化させ、次いで試験管を引っ張ってネック領域27を作り、次いで軟化したガラスの冷却を可能にすることが含まれる。
図1Bの精製室14の形成には、追加ポート21を作るための余分の工程が含まれる。この余分の工程を、31cm長の出発硼珪酸ガラス試験管の中に不純な有機試料を装荷する前に実施することができる。この余分の工程は、出発試験管の縦領域をその閉端部の近くで加熱すること、出発試験管ガラスのその端部を引っ張って軟化したガラスから管を形成すること、変形された出発試験管を冷却すること、および形成された管の遠位部分を切り離してポート21のための外部入口を作ることを含んでもよい。
図2は、図1Aおよび図1Bの装置10と共に使用するために適した例示的な真空システム30を示す。このシステム30は、可とう性真空チューブ32、34、材料トラップ36、真空計37、真空ポンプ38、調節可能ニードル・バルブ40付きカップラ39、および不活性ガス源41を含む。一方の可とう性真空チューブ32は、ポート20の上に嵌合して精製室14と材料トラップ36上の入口アダプタとの間に真空連結を形成する。他方の可とう性真空チューブ34は、材料トラップ36の出口アダプタを真空ポンプ38に連結されたカップラ39に連結する。材料トラップ36は、ドライアイスを満たしたジャケット44によって冷却されるトラップ室42を含む。材料トラップ36は、適度の重量のガス状有機分子を閉じ込め、これによって、真空ポンプ38が精製室14からの昇華した分子によって汚染されることを防止する。真空ポンプ38は、適度の真空、例えば約0.1トル以下を精製室14の中にもたらすことができる。不活性ガス源41は例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、またはクリプトンなどの希ガスの源泉である。不活性ガス源41は、カップラ39と調節可能ニードル・バルブ40とを介してポンプ38に連結されている。不活性ガス源41は、精製室14の内圧を約0.1トルから10トルまたはそれ以下の間に維持することができるように、真空システム30のための不活性ガスを提供する。
図1A、1B、および図2を参照すると、装置10およびシステム30は、不純な組成物12から有機分子種の純粋な試料を抽出することができ、この不純な組成物は、異なる有機分子種が異なる蒸気圧または昇華温度を有する混合物である。有機合成はしばしば、同様な官能基とある分子量範囲とを有する分子の混合物を生成する。分子量の差は、例えば、このような混合物の分子が異なる昇華温度を有する原因となり得る。このような混合物は、分子がその昇華に必要な温度より下の温度で化学的に変化するので、十分に昇華するためには重すぎるいくつかの分子を含むことがある。
図4は、異なる昇華温度を有する複数の有機分子種を含む出発有機組成物から、所望の有機分子種の純粋な試料を抽出するための方法50を示す。いくつかの実施形態では、方法50は、図1Aの装置10および図2の真空システム30、または図1Bの装置10および図2の真空システム30によって実施される。このような実施形態に関して、図5Aおよび図5Bは、それぞれ工程52中および工程54中における精製室14の軸に沿った例示的な空間温度分布を示す。
方法50は、1つまたは複数の有機分子種が出発有機組成物から昇華する一方で所望の有機分子種が出発有機組成物の中に残るように、出発有機組成物を加熱して1つまたは複数の第1温度Tに維持することを含む(工程52)。例えば、出発有機組成物は、図1A〜1Bの固形または半固形の出発有機組成物12であってもよい。加熱中は、精製室、例えば図1A〜1Bの精製室14の内表面は、1つまたは複数の第1温度Tに、またはそれ以上の温度に維持される。加熱中、精製室の結晶化領域、例えば図1A〜1Bの結晶化領域18の温度は、この中の昇華した分子の堆積を止めるために1つまたは複数の第1温度Tに、またはそれ以上の温度に維持される。そうしなければ、このような昇華した分子は結晶化領域を汚染する堆積物を形成する可能性がある。加熱工程中、一部の昇華した分子が精製室の出口ポートに、例えば図1A〜1Bのポート20に堆積することもあるが、出口ポートは、このような堆積によってポートが塞がれることを止める条件の下に維持されることが好ましい。例えば、精製室14の狭いネック領域24、27は、この中の堆積による閉塞を回避するために、1つまたは複数の温度Tより高い温度に保たれる。加熱工程中、出発組成物は例えば、所望の有機分子種の昇華温度Tより低く保たれて、昇華による所望の分子種のかなりの損失を止める。加熱工程中、精製室はポンピングされて、例えば真空システム30によって図1A〜1Bの出口ポート20に加えられる負圧によって、この中で真空条件を維持する。ポンピングによって、一部の昇華した分子は、中に堆積物を形成するのではなく精製室から除去される。
一般的に、加熱工程52は、所望しない軽い有機分子が昇華して出発有機組成物から除去される原因になる。透明な精製室14に関しては、このような所望されない有機分子種の除去の進み具合を、保持領域16における出発有機組成物12の残存するサイズまたは量をモニタリングすることによって視覚的に追跡し、および/または入口ポート20における材料の堆積によってモニタしてもよい。より多くの分子が昇華すると、出発組成物12のサイズおよび/または量は減少する。加熱工程52は、出発有機組成物12の残り部分のサイズおよび/または量の変化が、例えば温度Tにおいて昇華する有機分子がそこに実質的に存在しないために停止するときに終了する。
次に、方法50は、出発有機組成物の残りの昇華しない部分を、所望の有機分子種が出発有機組成物の残り部分から昇華するように加熱して、1つまたは複数のより高い温度Tに維持することを含む(工程54)。この1つまたは複数の温度Tは、例えば所望の有機分子種の昇華温度T以上であるから、この種の分子は出発有機組成物の残りの量から、例えば図1A〜1Bの出発有機組成物12の残り部分から昇華する。工程54中に、所望の分子種は、第1加熱工程52中の昇華速度より少なくとも2倍高い、および一般的にはるかに高い昇華速度を有する。この第2加熱工程54中では、精製室の個別の結晶化領域の中に、例えば図1A〜1Bの結晶化領域18の中で昇華した分子を優先的に堆積させるために、特殊な条件が使用される。これらの特殊な条件には、例えば、所望の分子種のための昇華温度Tよりも低い温度に結晶化領域を維持することが含まれる。すなわち、結晶化領域は所望の分子種の結晶化のためには十分に低い温度に維持される。特殊な条件にはまた、精製室内のアルゴンなどの不活性ガスの背景部分圧を、例えば約0.1〜10トル間にある部分圧を維持することが含まれる。不活性ガスのこの背景部分圧は、昇華した所望の有機分子の平均自由行程を、例えば精製室の内部直線寸法より短くなるように減らす。図1A〜1Bの精製室14については、結果的に得られる平均自由行程は、例えば結晶化領域18の長さより小さい。精製室14の中では、このような短い平均自由行程は、昇華した所望の有機分子がポート20を介して逸出せず、結晶化領域18の中で結晶化する確率を実質的に高める。第2加熱工程54中に、精製室のいずれかのネック領域、例えばネック領域24、27を、所望の分子種のこのような昇華温度Tより高い温度に維持して、このような昇華した分子の結晶化がネック領域を閉塞させないようにしてもよい。
この第2加熱工程54は、所望の分子種の精製された結晶を結晶化領域の中で、例えば化学的に純粋な結晶26を図1A〜1Bの結晶化領域18の中で成長させる。第2加熱工程54はまた、例えば図1A〜1Bの保持領域16の中で、出発組成物の最初の量があった箇所に不純な有機分子種を残す。不純な有機分子種は、例えばより高い昇華温度を有するより重い有機分子および/または昇華することができない有機分子種を含んでもよい。
例示的なガラス製の精製室14では、所望の有機分子種の昇華過程を、サイズまたは容積をモニタリングすることによって視覚的に追跡できる。すなわち出発組成物の残量を視覚的にモニタリングしてもよく、例えば図1A〜1Bの保持領域16における出発有機組成物12の部分、または結晶化領域における所望の分子種の堆積量、例えば図1A〜1Bの結晶化領域18における量26を視覚的にモニタリングしてもよい。より多くの分子が昇華すると、保持領域における残りの組成物の可視量は減少し、結晶化領域における可視固形量は増加する。第2加熱工程54は、例えば、図1A〜1Bの量12または量26に対する変化が停止するかまたは実質的に遅くなると精製室14全体を冷却することによって停止される。
次に、本方法50は、所望の分子の堆積し精製された量を分離して、この精製された試料を、例えば図1A〜1Bの量26を次に続く汚染から防止することを含む(工程56)。図1A〜1Bの精製室14については、分離工程は、ネック領域24、27の近くでガラスを加熱軟化することを含む。次に、結晶化領域18をゆっくりねじってネック領域24、27を密封し、これによって図3に示すような封止されたガラス・アンプルAを形成する。この分離工程は一般的に、保持領域16から個別のガラス構造Bを、ポート20においては元のガラス管から個別のガラス構造Cを生成する。分離工程はまた一般的に、アンプルAの中空空洞46の両端部において固形ガラス・バンプすなわち突出部44を形成する。
軟化したガラスが冷却した後、アンプルAは、例えば結晶などの所望の分子種の精製された量26を外部汚染から効率的に防止する密封容器となる。アンプルAを、アルゴンなどの不活性ガスの実質的な分圧の下に置きながら、すなわち最終アンプルが不活性ガス雰囲気を含むように、密封してもよい。このような不活性ガスの分圧は分離工程56中に導入される。特に、アンプルA中の不活性ガスが室温にまで冷却された後に1±0.1気圧の内圧を生成するように、アンプルAを形成することは有利であろう。このような不活性ガスの内圧は、アンプルAの一端部が後で開かれてその中の精製された有機分子の試料26の一部を除去するときに、周辺ガスがアンプルAの中に入ることを防ぐことができる。さもなければ、このような後での開放中に、周辺ガスのアンプルA内への流入がアンプルA内の残りの精製された試料26を汚染する可能性がある。
本方法50を、錯体の出発有機組成物から様々な所望の有機分子種を精製もしくは抽出するために使用することができる。例として、マイクロエレクトロニクス業界で有用な有機化学種、例えばペンタセン、ルブレン、およびテトラセン、化学分野で有用な有機化学種、生物学的用途を有する有機化学種、例えばチミン、または製薬業界で有用な有機化学種を含めることができよう。
図6は、例えば図4の方法50による有機分子の組成物を精製するための代替装置10’を示す。装置10’は、閉鎖された精製室14と発熱体F1を備えた炉15とを含む。精製室14は、不純な出発有機組成物12のための保持領域16と、所望の種の昇華した有機分子を堆積させるための結晶化領域18とを有する。結晶化領域18は、精製室14用の封止キャップ72を通過する物理的インサート70の上に位置する。インサート70は電流を伝送するためのワイヤ74を含む。ワイヤ74は別の発熱体F2を形成し、この発熱体F2は、方法50の工程52中に、結晶化領域18を加熱して保持領域16の温度より高い温度に加熱することを可能にする。封止キャップ72はまた、閉鎖された精製室14を外部の真空システム、例えば真空システム30に結合するポート20を含む。真空システムは例えば、本方法50の工程52中の昇華した気体有機分子の除去と、方法50の工程54中の不活性ガスの導入を可能にする。
装置10’では、精製室14、封止キャップ72、および物理的インサート70を、様々な材料、例えば珪酸ガラス(silicate glass)、金属、および/またはセラミックで作ってもよい。
図4の方法50によって、市販の有機組成物からチミンを抽出/精製した。図1Aの装置10とは僅かに異なった装置を抽出/精製に使用した。例えば、使用した装置は、出口ポートが図1Aに示した広いポート20ではなく細い管である精製室14を有していた。この細い管の先端直径は約0.3cmであった。抽出/精製にもまたいくらか異なった炉を使用した。炉は、精製室とほぼ同じ長さの外側発熱体と、保持領域16と出口ポート用の細い管との周りの内側発熱体とを含んでいた。出発有機組成物はSigma−Aldrich Company(www.sigmaaldrich.com)から購入し、少なくとも99重量%のチミンを有するものとして広告に出されていた。
方法50による例示的な抽出/精製は、下記の条件で進行した。第1工程52では、炉は、例示的な硼珪酸ガラスの精製室を真空条件の下で約180℃に加熱した。この第1加熱工程によって軽い有機分子の昇華が起り、これによって精製室の出口ポートの中に白い物質の可視堆積物が生成された。第2工程54では、炉F1〜F3を再調節して、保持領域16における出発有機組成物12の残り部分と、出口ポートとの両方を約250℃に加熱するようにしたが、結晶化領域18は約180℃に維持した。第2加熱工程中は、真空システム30は精製室においてアルゴンの背景分圧を約3トルに維持した。第2加熱工程54は、出発組成物12の量の観察されたサイズ/体積の減少が視覚的に止まったように見えるまで続けられた。第2加熱工程中、チミンの白い結晶26が結晶化領域18の壁の上に形成された。第3工程は、結晶化室18の両端部を加熱して中のガラスを軟化させること、および次に軟化したガラスを変形して、密封された硼珪酸ガラス・アンプル、例えば精製されたチミン粉体と不活性アルゴン・ガスの分圧とを包含する図3のアンプルAを形成することを必然的に含む。
この開示、図面、および特許請求の範囲から、本発明のその他の実施形態が当業者には明らかになろう。
有機組成物を昇華によって精製するためのある例示的な装置を示す図である。 有機組成物を昇華によって精製するための別の例示的な装置を示す図である。 図1Aおよび図1Bの装置と共に使用するための例示的な真空システムを示す図である。 図1Aまたは図1Bの精製室を不活性ガス雰囲気の下に密封して、所望の有機分子種の純粋な試料を保持するアンプルを形成する方法を示す図である。 例えば図1Aまたは図1Bの例示的な装置を使用して有機組成物を精製するための方法の、一実施形態を示す流れ図である。 図4の方法の第1昇華工程中における、図1Aおよび図1Bの精製室に沿った温度を示す図である。 図4の方法の第2昇華工程中における、図1Aおよび図1Bの精製室に沿った温度を示す図である。 例えば図4の方法による、有機分子の組成物を精製するための代替の例示的デバイスを示す図である。

Claims (10)

  1. 室の中に置かれた固形または半固形の出発有機組成物を精製する方法であって、
    ある有機分子種の分子が前記組成物から昇華し、所望の分子種の分子が前記組成物の中に残るように、前記出発固形または半固形有機組成物を加熱する第1の加熱工程と、
    昇華した有機分子を除去するために、前記加熱工程中に前記室をポンピングする工程と、
    前記所望の有機分子種の分子が前記組成物の残り部分から昇華するように、1つまたは複数のより高い温度で組成物の残り部分を加熱する第2の加熱工程とを含み、前記室の個別領域は、前記残り部分の加熱中に前記室内の前記所望の有機分子種の昇華した分子の堆積を起こさせる条件の下に維持されていることを特徴とする方法。
  2. 前記第1加熱工程は、前記組成物を前記所望の有機分子種の昇華温度より低い温度に維持し、前記第2加熱工程は、前記組成物の前記部分が前記昇華温度より高い1つまたは複数の温度を有するようにすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2加熱工程中に、前記室内の背景ガスの圧力を維持する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記背景ガスが不活性ガスであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記領域が残り部分の前記加熱中に前記昇華温度より低い温度に保たれることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  6. 前記組成物の残り部分全体を昇華させる前に、前記残り部分の加熱を停止する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記所望の分子種が、第1加熱工程中の昇華速度よりも少なくとも2倍高い第2加熱工程中の昇華速度を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 気密封止された細長い珪酸ガラスのアンプルと、
    前記アンプルの中空空洞の中に位置する単一有機分子種の純粋な試料とを含み、
    前記アンプルは前記中空空洞の両端部にガラス・バンプを有することを特徴とする装置。
  9. 前記試料は結晶の試料であることを特徴とする請求項8に記載の装置。
  10. 前記アンプルは希ガスの分圧を含み、前記分圧は約0.9気圧と約1.1気圧との間にあることを特徴とする請求項8に記載の装置。
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