JP2008540583A - 自己免疫疾患を治療するための化合物とそれら化合物の使用 - Google Patents

自己免疫疾患を治療するための化合物とそれら化合物の使用 Download PDF

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Abstract

自己免疫疾患の治療に対して有用な化合物は、下記の一般式(I)
Figure 2008540583

〔式中、
R1とR3は、NH2、F、Cl、C1-C4アルコキシ、またはフェノキシ基であるが、R1とR3は、必ずしも等しい必要はなく;
R2は、H、F、Cl、NH2、またはNH-R-XHであって、ここでRは、-(CH2)p-(式中、pは2〜4である)、
Figure 2008540583

(式中、qは0〜3である)であり、Xは、CH2、NH、O、またはSであり;
nは0〜2であり;
mは0〜2であり;
mとnは、必ずしも等しい必要はない〕によって示される。

Description

発明の詳細な説明
関連出願の相互参照
本出願は、2005年5月16付け出願の米国仮特許出願第60/681,141号がもたらす恩恵を特許請求する。
本発明は、下記の式
Figure 2008540583
〔式中、
R1とR3は、NH2、F、Cl、C1-C4アルコキシ、またはフェノキシ基であるが、R1とR3は、必ずしも等しい必要はなく;
R2は、H、F、Cl、NH2、またはNH-R-XHであって、ここでRは、-(CH2)p-(式中、pは2〜4である)、
Figure 2008540583
(式中、qは0〜3である)であり、Xは、CH2、NH、O、またはSであり;
nは0〜2であり;
mは0〜2であり;
mとnは、必ずしも等しい必要はない〕で示される新規化合物を含む。
これらの化合物は、自己免疫疾患の治療に対して使用することができる、という点において有用である。
自己免疫疾患とは、組織の損傷が、体成分に対する液性反応および/または細胞介在性免疫反応と関連している、あるいはより広い意味においては、自己に対する免疫反応と関連している一群の疾患もしくは障害のいずれかを表わしている。病理学的な免疫反応は、全身性の場合もあるし、あるいは臓器特異的の場合もある。すなわち、例えば、自己に向けられた免疫反応は、関節、皮膚、ニューロンを保護するミエリン鞘、腎臓、肝臓、膵臓、甲状腺、副腎、および卵巣に対して影響を及ぼすことがある。実際、自己免疫疾患のリストは、80を超える障害で構成されている。幾つかの自己免疫疾患(例えば、皮膚の斑が色素沈着を消失する白斑など)は、単にうっとうしい(悩ませられる)だけである。他の障害の殆どは、体を衰弱させていくものであり、しばしば時間と共に進行し、最終的には命にかかわるものとなる。例えば全身性紅斑狼瘡(SLE)は、患者の10〜15%が診断の10年以内に死亡する慢性疾患である。一部の自己免疫疾患を除いて、性比は女性のほうに偏っている。例えばSLEにおいては、女性対男性の比は9:1である。免疫システムが甲状腺を攻撃する橋本病という特定の場合においては、女性対男性の比は50:1である。
免疫複合体の形成は、自己免疫疾患の病因と進行に対してある役割を果たしている、ということが長い間知られている。例えば、GoodmanとGilmanによる「The Pharmacological Basis of Therapeutics,第16版(1980),マクミランパブリッシング社,p.683」においては、関節炎に罹っている患者の炎症は、抗原、抗体、および補体で構成される複合体(免疫複合体)の白血球による食作用がおそらく関与していると説明されている。しかしながら現在では、関節(関節炎)、腎臓(糸球体腎炎)、および血管(脈管炎)における、免疫複合体によって引き起こされる炎症が、自己免疫疾患における罹患状態の主因であると認識されている(「Hogarth,P.M.et al.,Annual Reports in Medicinal Chemistry 37:17-224(2002)」を参照)。免疫複合体形成の増大と、自己に向けられる抗体(いわゆる自己抗体)の存在とは相関関係にあり、自己抗体の存在はさらに、免疫複合体の一部として、あるいは抗原に対して未結合の状態にて(遊離抗体)、組織の炎症の一因となることがある。自己免疫疾患によっては、遊離自己抗体の存在が疾患の病状に大きく寄与する。このことは、例えば、SLE(抗DNA抗体)、ITP(血小板に向けられる抗体応答)、およびより程度は小さいが関節リウマチ(IgG反応性リウマチ因子)において明確に実証されている。特定の免疫吸着法を使用して免疫複合体と遊離抗体を除去することで、特定の自己免疫疾患の治療が成功裡に達成される、という事実によって免疫複合体と遊離自己抗体の重要な役割がさらに実証されている。例えば、免疫親和性〔PROSORBA(登録商標)〕カラムを介して患者の血液を通すことによって免疫複合体と抗体を除去するという血漿交換法(アフェレーシス)の使用が、免疫性血小板減少症に関しては1987年に、そして関節リウマチに関しては1999年に米国食品医薬品局によって認可された。しかしながら現在、薬物を投与することで免疫複合体と自己抗体の除去を容易にする、自己免疫疾患を治療するための認可されている方法はない。
自己免疫疾患の病因と進行に関する他の態様は、プロ炎症性サイトカインの役割である。通常の環境下では、腫瘍壊死因子α(TNFα)やインターロイキン-1(IL-1)等のプロ炎症性サイトカインは、感染症や細胞ストレスに対する応答において保護の役割を果たしている。しかしながら、TNFαとIL-1の慢性的および/または過剰な産生から生じる病理学的な結果が、多くの自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、クローン病、炎症性腸疾患、および乾癬など)の進行の根底をなしているものと考えられている。他のプロ炎症性サイトカインとしては、インターロイキン-6、インターロイキン-8、インターロイキン-17、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子などがある。しかしながら、TNFαは、プロ炎症性サイトカインカスケードの先端に位置するものと考えられる。すなわち、あるプロ炎症性サイトカインを遮断するという点に関しては、TNFαの遮断が最大の治療効果をもたらす。TNFαが他のプロ炎症性サイトカインをダウンレギュレートする能力は、「Feldman,M.,in Perspectives 2:364-371(2002)」によって概説されている。実際、関節炎、乾癬性関節炎、乾癬、およびクローン病に対する治療法選択肢としての、TNFαの拮抗作用の影響は、REMICADE(登録商標)(キメラ抗TNFαモノクローナル抗体)、ENBREL(登録商標)(可溶性のTNFαp75レセプター融合タンパク質)、およびHUMIRA(登録商標)(ヒト抗TNFαモノクローナル抗体)が米国食品医薬品局によって認可されていることで実証されている。
自己免疫疾患の病因と進行に関する上記の議論から推測されるように、その発生病理は複雑で多因子的である。したがって、利用可能な治療法がたくさんある。しかしながら自己免疫疾患の大部分は、従来の治療法では十分に抑えられているとはいえない。従来技術の治療法は、有効性が一様ではなく、しばしば中程度〜相当程度の毒性と関係している。それにもかかわらず、上記の議論から、体が免疫複合体を除去するのを助けることができるか、あるいは少なくとも、循環している免疫複合体の堆積を防止することができるか、および/または、患者がよく耐えている間に(同時に)TNFαの活性を阻害する単純で明確な有機化合物が求められている、ということがわかる。要約すれば、慢性自己免疫疾患に対する有効で、さらに耐容性の良好な治療法が求められている。
本発明は、慢性自己免疫疾患の治療に対して有用な化合物を提供する。自己免疫疾患の殆どは、最初は命にかかわるものではないが、衰弱状態へと徐々に進行していく慢性症状である。多くの治療薬が利用できるけれども、従来の治療薬がいつも決まって有効というわけではない。より問題なのは毒性が付随することであり、このことが慢性疾患の場合に必要な長期の使用をしばしば妨げることになる。自己免疫疾患に対する現在の治療薬は、大きく2つのグループに分けることができる:すなわち、自己に対する免疫応答を弱めるか又は抑える薬物;および慢性炎症から生じる症状に対処する薬物;である。より詳細に説明すると、自己免疫疾患(例えば、主として関節炎)に対する従来の治療薬は以下のとおりである:
1. 非ステロイド系抗炎症剤(NSAID):
NSAIDとしては、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、エトドラック、およびケトプロフェンなどがある。NSAIDは、それほど強力ではない薬物であり、したがって疾患の初期段階に(例えば、関節炎に伴う痛みと腫れを緩和するために)抗炎症剤として最も一般的に使用されている。しかしながらNSAIDには、胃腸刺激や肝臓毒性が付きものである。多くのNSAIDの使用に関連した胃腸潰瘍形成に対処するために、シクロオキシゲナーゼ-2を選択的に阻害するか〔VIOXX(登録商標)、CELEBREX(登録商標)〕、またはシクロオキシゲナーゼ-2を優先的に阻害する〔MOBICOX(登録商標)〕、より選択性の高いNSAID薬物(すなわちCOX-2阻害剤)が最近開発されている。しかしながらCOX-2阻害剤は、特に、使用がより長期にわたる場合は、胃腸刺激を含めた厄介な副作用を示す。
2. コルチコステロイド
コルチコステロイドとしては、プレドニゾンとデキサメタゾンがある。コルチコステロイドは、関節リウマチの治療に対して最も広く使用されている抗炎症剤である。しかしながらコルチコステロイドは、骨粗鬆症、胃腸毒性、および全身性の免疫抑制から生じる感染症のリスクを大幅に増大させる。したがってコルチコステロイドは、慢性疾患の治療に対してではなく、疾患拡大(例えばSLE)の処置に対して使用される傾向がある。
3. 予防維持抗リウマチ薬(DMARD)
DMARDとしては、メトトレキサート、アザチオプリン、およびシクロホスファミド等の細胞毒性剤;シクロスポリンA〔SANDIMMUNE(登録商標)、NEORAL(登録商標)〕やFK506(タクロリマス)等の強力な免疫抑制剤;ならびに、ヒドロクロロキンや有機金塩(例えば金チオグルコース)等の他の種々の薬物;などがある。DMARDは強力な薬物であり、このため炎症の緩和や疾患進行速度の遅速化に高い効能を示すことができる。したがって医師は、従来からDMARDを、NSAID後の二次治療薬として使用している。しかしながらDMARDは、強力な薬物なので、それらの使用と関連したかなり高い毒性を有する。例えば、細胞毒性剤は、多くの毒性作用を伴った兆候が現れるDNA複製を妨げる。毒性作用としては、骨髄抑制、ならびにその後の感染症や新生組織形成のリスクなどがある。シクロスポリンAやFK506の使用は、腎臓毒性や肝臓毒性を含めた重大な副作用によって制限される。ヒドロクロロキンの使用に関連した毒性作用としては、失明、ニューロミオパシー、および胃腸障害などがある。金塩を使用する治療法から生じる最も一般的な副作用は皮膚炎である。しかしながら金中毒は、腎炎や骨髄抑制を引き起こすことがある。
4. 生物学的製剤
生物学的製剤としては、組み換えタンパク質であるREMICADE(登録商標)、ENBREL(登録商標)、およびHUMIRA(登録商標)(これらはいずれもTNFαを標的にする);インターロイキン-1を標的にするKINERET(登録商標);T細胞を標的にするAmevive(CD2表面糖タンパク質);ならびにT細胞を標的にするRAPTIVA(登録商標)(抗CD11a抗体);などがある。しかしながら、組み換えタンパク質および特に組み換え抗体は、広範囲に及ぶ使用ができるよう造り出すのが困難であり、また使用に付きものの毒性副作用を有する。毒性は、特に、慢性症状に対して必要とされる長期使用の場合に、潜在的な免疫学的反応を含む。キメラ抗体やヒト化抗体に関連した、よく知られているHAMA(ヒト抗マウス抗体)応答に加えて、抗体媒介による(ADCC媒介および補体媒介による)細胞毒性メカニズムが副作用を引き起こすことがある。ごく最近、抗体は、供給源や抗原の特異性にかかわりなく、酸素分子を過酸化水素とオゾンに転化させることができる、ということが見出された〔「Wentworth,P.et al.,Science 293:1806-1811(2001)および298:2195-2199(2002)」を参照〕。このことは細胞と組織の損傷を引き起こし、長期使用を伴う自己免疫疾病の治療を悪化させることがある。例えば、抗体による過酸化水素とオゾンの産生は、ラットにおける炎症応答(いわゆるアルツス反応)に関連付けることができる、ということが示されている。REMICADE(登録商標)抗体の抗TNFα活性が強力であることから、結核症、ヒストプラスマ症、リステリア症、および間質性形質細胞性肺炎(pneumocytosis)を含めた日和見感染症のリスクが増大する。
本発明の目的は、自己免疫疾患を治療する際に使用するための新規化合物を提供することにある。自己免疫疾患(特に、関節炎やSLEのような慢性疾病)は、本明細書に記載の化合物を哺乳動物(好ましくはヒト)に投与することによって治療することができる。したがって本発明によれば、免疫複合体のクリアランスを促進することができる、もしくは体器官(例えば腎臓)内の堆積を制限することができる、および/またはTNFαのプロ炎症性作用を阻害することができるジ置換もしくはトリ置換プリン類、およびそれらの製薬組成物が提供される。
本発明の1つの態様においては、これらのプリン化合物は、炎症プロセスの両方の態様(免疫複合体とTNFα)に影響を及ぼす。こうした作用のデュアルメカニズムから生じる治療上の利点は、改良された毒性プロフィールに関して現れる。すなわち、本発明において説明されているプリン化合物は、TNFαの強力な阻害剤ではなく、また免疫複合体を完全に除去するわけでもない。TNFαは、感染症に対する保護においてある役割を果たすが、免疫複合体は、免疫応答を調整するフィードバックメカニズムにおいてある役割を果たす(特発性決定因子)。治療効力は、こうした作用の2つのメカニズムの相加効果によって生じる。さらに、組み合わせて使用される慢性疾患治療薬および/または他の薬物による毒性を、少なくとも減少させるか又は避けることができる。
本発明の他の態様においては、プリン化合物が、炎症プロセスの1つの態様だけに影響を及ぼす。すなわち、これらの化合物が免疫複合体またはTNFαのいずれかに影響を及ぼす。プリン化合物が免疫複合体の除去に影響を及ぼすか、または免疫複合体の堆積を防止する場合、このような化合物は、関節炎、全身性紅斑狼瘡(SLE)、免疫性血小板減少症(ITP)、糸球体腎炎、および脈管炎の治療に対して特に有用であると考えられる。プリン化合物がTNFαを阻害する場合、このような化合物は、関節リウマチ、乾癬性関節炎、乾癬、クローン病、炎症性腸疾患、強直性脊椎炎、シェーグレン症候群、スティル病(マクロファージ活性化症候群)、ブドウ膜炎、強皮症、筋炎、ライター症候群、およびウェゲナー症候群の治療に対して特に有用であると考えられる。当然のことながら、本発明の幾つかのプリン化合物が、免疫複合体および/またはTNFαに及ぼす影響に加えて、そして免疫複合体および/またはTNFαに及ぼす影響とは異なった生化学的メカニズムによって炎症プロセスに影響を及ぼす可能性がある。こうした別の可能なメカニズムの1つ(例えば、プリン骨格による)が、アデノシンレセプターに及ぼす影響である。しかしながら、プリン化合物が、標的とする自己免疫疾患に影響を及ぼすメカニズムとは関わりなく、前記化合物が、炎症プロセスのどの様相に対しても強くは影響を及ぼさず、したがって治療の耐容性が良好である、というのが本発明の重要な態様である。
本発明のさらなる態様は、以下に記載の説明と特許請求の範囲、およびこれらに対する一般化を考察すれば、当業者には明らかであろう。
(発明の詳細な説明と特定の実施態様)
本発明は、下記の一般式
Figure 2008540583
〔式中、
R1とR3は、NH2、F、Cl、C1-C4アルコキシ、またはフェノキシ基であるが、R1とR3は、必ずしも等しい必要はなく;
R2は、H、F、Cl、NH2、またはNH-R-XHであって、ここでRは、-(CH2)p-(式中、pは2〜4である)、
Figure 2008540583
(式中、qは0〜3である)であり、Xは、CH2、NH、O、またはSであり;
nは0〜2であり;
mは0〜2であり;
mとnは、必ずしも等しい必要はない〕で示される化合物、または前記化合物の製薬的に許容しうる誘導体を含む。
nとmが等しくなく(例えば、n=0,m=2)、R1がNH2であり、そしてR3が、NH2、F、またはClであるか、あるいはこれらのあらゆる組み合わせであるのが、本発明の好ましい実施態様である。R1がメタ-NH2、F、またはClであるのがさらに好ましい。
特に好ましいのは下記の化合物である。
Figure 2008540583
Figure 2008540583
Figure 2008540583
Figure 2008540583
本発明の化合物は、食作用によって免疫複合体のクリアランスを促進するか、あるいは器官や組織の表面への免疫複合体の結合を弱める能力によって、体器官や生体組織内への免疫複合体の堆積を制限する。免疫複合体が種々の表面に結びつくメカニズムは、細胞表面のFcレセプターへの結合を含むことがある。Fcレセプターは、免疫グロブリンのFc(テール)部分に結合する、炎症性白血球の糖タンパク質である。Fcレセプターはさらに、多くの組織上に存在し、組織表面への免疫複合体の結合とそれに引き続く堆積のための部位として機能する。例えば、Fcレセプターに結合することによる、複合体を含有する自己抗体の腎臓組織上への堆積は、SLE(糸球体腎炎を引き起こすことがある)に典型的な炎症応答を誘発すると考えられる。十分に特性決定されているFcレセプターとしては、FcγRI、FcγRII、およびFcγRIII(IgGレセプター);FcεRI(IgEレセプター);ならびにFcαRI(IgAレセプター);などがある。興味あることに、スタフィロコッカル・アウレウス(Staphylococcal aureus)タンパク質Aは、殆どの抗体のFc(テール)部分に結合することができる細胞表面のバクテリアタンパク質である。例えば、タンパク質Aは、ヒトのIgG1免疫グロブリン、IgG2免疫グロブリン、およびIgG4免疫グロブリンに結合する。さらに重要なのは、タンパク質Aが、IgG抗体含有免疫複合体のFcレセプターへの結合を阻害することがある、ということが長年にわたって知られているということである。例えば、「Sulica,A.,et al.Immunology 38:173-179(1979)」は、タンパク質Aは、FcレセプターへのIgG含有免疫複合体の結合を阻害するが、リンパ球やマクロファージへのIgGの結合を増大させる、と報告している。
ごく最近では、Fcレセプター(γ鎖)を欠いたマウスの入手可能性を利用して、SLEや関節リウマチ等の自己免疫疾患において見られるエフェクター応答を媒介する際の、IgG Fcレセプター(FcγR)の本来の役割を立証することが可能になった〔「Marino,M.,et al.Nature Biotechnology 18:735-739(2000)を参照〕。さらに詳細に言うと、これらの報告者らは、FcγRへの免疫複合体の結合を妨げることができる薬剤はSLEを改善するはずである、と述べている。彼らは、ヒトSLEに似た症候群を発現する特殊な系統のマウス(MRL/lpr)を、IgGのFc部分に結合するペプチドで処置することによって、この報告に対する実験的な裏付けを与えた。処置した動物の生存率(80%)は、未処置の動物より大幅に高かった。「Hogarth,P.M.,Current Opinion in Immunology 14:798-802(2002)」による最近の総論によれば、FcγRは炎症プロセスの初期に作用し、免疫複合体による接触状態(engagement)は、プロ炎症性サイトカイン(例えばTNFα)の放出に対する強力なシグナルである、ということが述べられている。本発明の化合物が、免疫複合体のクリアランスや堆積の幾つかの態様に影響を及ぼす場合には、本発明の化合物は、タンパク質Aを模倣する能力によってそうすると思われる。すなわち、このような化合物は、ヒトIgGのFc部分に結合することができる。これは、ヒトIgGへのタンパク質Aの結合を阻害する能力によって確認されており、インビトロでの競争ELISAによって確認されている。タンパク質Aに似た仕方でヒトIgGをFc部分に結合させることによって、このようなタンパク質A模倣化合物は、FcγRへのIgG含有免疫複合体の結合を阻害することがある。したがってこのことが免疫複合体の堆積を防ぎ、これによりそれらのクリアランスが促進されるだけでなく、プロ炎症性サイトカインの放出が減少する。
加えて、あるいはこれとは別に、本発明の化合物は、TNFαのプロ炎症作用を阻害することがある。現在認可されている組み換え抗TNFαモノクローナル抗体[REMICADE(登録商標)、HUMIRA(登録商標)]や可溶性TNFαレセプター[ENBREL(登録商標)]とは異なって、本発明の化合物は、p55 TNFαレセプター(CD120a)やp75 TNFαレセプター(CD120b)へのTNFαの結合を阻害しない。それにもかかわらず、本発明の化合物は、WEHI 164(13var)マウス細胞株での、TNFαにより誘発されるアポトーシス/細胞毒性を阻害する能力によって確認されているように、TNFαの作用を阻害することがある。本発明の化合物はさらに、J774A 1マウス細胞株での、LPSにより誘発されるTNFα産生を阻害する能力によって確認されているように、TNFαの産生を阻害することがある。
TNFαは、線維芽細胞や多数の免疫細胞サブセットを含む多くの細胞型によって産生される。後者の例としては、マクロファージ、単核細胞、B細胞、T細胞、および肥満細胞などがある。TNFαは、種々の刺激に応答して産生される多面発現性の分子であり、殆どの細胞型に対して影響を及ぼすことがある。通常の環境下においては、低レベルの血清TNFαが、病原体、腫瘍、および組織損傷に対する保護をもたらす。したがって、本発明の化合物を治療薬として長期使用もしくは継続使用するという点に関して、これらの化合物は、TNFαの作用または産生に対する強力な阻害剤でもなく、またTNFαのそのレセプターへの結合を強力には阻害しない、というのが本発明の1つの態様である。本発明の化合物の長期使用に対する有効可能性が、本発明の化合物を約1年にわたって使用した、NZBW/F1マウス(ヒトSLEに対する別のモデル)の治療によって実証されている(いかなる深刻な毒性も観察されない)。
前述した生物製剤と同様に、他のTNFα阻害剤は、長期使用や継続使用を制限しなければならないような毒性を示す。例えば、タリドミド(N-フタルイミド-グルタルイミド)は、TNFα合成を阻害する合成抗炎症剤である。しかしながら、関節リウマチに罹患した患者に対する臨床試験では、容認できない毒性のために、殆どの場合が成功していない。眠気、末梢性ニューロパシー、および激しい発疹などが、深刻な副作用として認められた。免疫抑制剤として一般的に使用されている多くの薬物(例えば、シクロスポリンAやメトトレキサートなど)は、TNFαに対する阻害特性を示すものの、毒性があるために長期使用の形で使用することはできない。
実際、多くの自己免疫疾患においてTNFαが果たす役割が極めて重要(長期処置に対して使用できるさらに無毒性の有効な薬物がないことと共に、最近認可された生物製剤の治療上の成功によって明らかになっている)であることから、TNFαの阻害に関して多くのアプローチに基づいて研究されるようになった。これらのアプローチは、ホスホジエステラーゼIVの阻害剤、アデノシンのアゴニスト、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(例えば、TACEの阻害剤)、シグナル変換阻害剤(例えばp38MAPキナーゼ)、および転写調節因子の阻害剤(例えばNFκB)の探究を含んでいる。したがって、TNFαの作用を効果的に阻害するが、慢性自己免疫疾患の治療に対して長期使用が可能であるような化合物が求められているのは明らかである。
本発明は、慢性自己免疫疾患の治療に対して有用な、前記一般式によって定義される新規化合物を提供する。これらの化合物は、食作用によって免疫複合体のクリアランスを促進することもあるし、あるいは、器官や組織の表面への免疫複合体の結合を打ち消す能力によって、体器官や組織内の免疫複合体の堆積を抑えることもある。この場合には、このような化合物は、免疫複合体が疾患病理学において重要な役割を果たしている場合の自己免疫疾患(例えば、関節炎、SLE、ITP、糸球体腎炎、および脈管炎)の治療に対して特に有用である。本発明の化合物はさらに、TNFαのプロ炎症作用を阻害することがある。この場合には、このような化合物は、TNFαの生物学的活性の阻害が疾患病理学にとって重要である場合の自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、乾癬、クローン病、炎症性腸疾患、強直性脊椎炎、シェーグレン症候群、スティル病(マクロファージ活性化症候群)、ブドウ膜炎、強皮症、筋炎、ライター症候群、およびウェゲナー症候群)の治療に対して特に有用である。これらの化合物がバクテリアタンパク質Aの活性を模倣し、これによって免疫複合体のクリアランスを促進する、というのが本発明の好ましい実施態様である。いずれにしても、自己免疫疾患を示している炎症状態の改善が起こるメカニズムによって本発明の範囲が限定される、ということを意図してはいない。実際、本発明の化合物を使用することで自己免疫疾患の改善が、あまりはっきりしないか又は未知のメカニズムによって起こることがあるが、前記改善は、適切な動物モデルにおいて示されるインビボ活性によって確認されている。したがって、化合物の効能が現れるメカニズムは、本発明の重要な態様ではないし、または限定態様でもない。しかしながら重要なのは、本発明の化合物は毒性が低く、したがって慢性自己免疫疾患の治療に対し、それに応じて投与することができる、という事実にある。
本発明の化合物は、全ての製薬的に許容しうる誘導体(例えば、それらの塩やプロドラッグ)や類縁体、ならびに全ての幾何異性体やエナンチオマーを含む。本発明の活性化合物の製剤は、経腸粘膜投与(舌下投与、肺投与、および直腸投与を含む);非経口投与(筋内投与、皮内投与、皮下投与、および静脈内投与を含む);または局所投与(軟膏、クリーム、およびローションを含む);に適した形態の製薬組成物が得られるように製造することができる。特に、本発明の化合物は、アルコールもしくはポリオール溶媒〔例えば、ソルトールHS15(BASF社から市販のポリエチレングリコール660ヒドロキシステアラート)、グリセロール、エタノールなど〕中に、あるいは他の生体適合性溶媒〔例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)やクレモフォアEL(BASFから市販)〕中に可溶化することができる。製剤は、必要に応じて、個別の単位剤形にて適切に供給することもできるし、製薬製剤業界によく知られている方法のいずれかによって製造することもできる。これらの方法はいずれも、活性製薬成分を液体キャリヤーもしくは微細固体キャリヤーと、または必要に応じてこれらの両方と混合する工程を含む。適切な場合には、上記製剤を、活性製薬成分の持続放出が得られるよう適合させることができる。当業界によく知られている持続放出製剤は、生体適合性ポリマーもしくはリポソームのボーラス注入または持続注入を使用することを含む。
用量、投与のタイミング、製剤、および投与経路の適切な選択は、哺乳動物における好ましい反応を達成する(すなわち有効性)という目標、および過度の毒性もしくは毒性に対する他の危害を避ける(すなわち安全性)という目標に基づいて行うことができる。したがって、“有効な(effective)”とは、所望の効果が得られるよう、疾病に対して通常の操作〔例えば、体成分(副腎、眼、関節、腎臓、肝臓、肺、膵臓、神経系統、皮膚、および甲状腺などのような器官と組織)に対する免疫応答に関連した組織損傷を減少させるか、あるいは改善すること;免疫学的な状態を修復させるか、あるいは哺乳動物の病理学的な障害/状態(抗体力値、免疫細胞サブセット、サイトカインやケモカインによる信号伝達、および抗体-抗原免疫複合体など)を正常化すること;遊離抗体および/または抗体-抗原免疫複合体を循環から取り除くこと;自己免疫疾患の実験室的な特徴(laboratory indicia)(炎症の可溶性メディエイタの濃度と絶対量、自己抗体の存在、および細胞増殖など);ならびにこれらの組み合わせ〕を施すことを含めた選択を表わしている。特に、抗TNFαによる従来の治療の悪影響を避けることができる。
投与する化合物の量は、例えば、化合物の生物活性とバイオアベイラビリティ(例えば、体内での半減期、安定性、および代謝);化合物の化学的特性(例えば、分子量、疎水性、および可溶性);投与経路と投与計画;およびこれらに類似したファクター;等のファクターに依存する。さらに、ある特定の患者に対して達成すべき特定の用量レベルは、年齢、健康状態、病歴、体重、1種以上の他の薬物との組み合わせ、および疾患の重症度を含めた様々なファクターに依存する、ということが理解されるであろう。
“治療(treatment)”または“治療すること(treating)”という用語は、とりわけ、罹患しているか、または疾患を発現する危険性がある哺乳動物(例えばヒト)における自己免疫疾患の1つ以上の症状を減少もしくは緩和することを表わしている。ある患者に対し、症状の改善、悪化、緩解、または進行は、客観的な計測でも、あるいは主観的な計測でも調べることができる。“治療”はさらに、現行の他の治療方式や薬剤(例えば、抗炎症薬、TNFαのような抗体や可溶性レセプターに結合する薬剤、NSAID、コルチコステロイド、DMARD)との組み合わせを含んでよい。したがって、組み合わせ治療を行うことができる。このような実施態様においては、本発明の化合物を含まない治療と比較して、使用する追加薬剤の量または濃度を減少させることによって、患者に対して実質的に同等の効果を得つつ、長期治療または追加薬剤による毒性を、少なくとも減少させるか、または避けるのが好ましい。
当業者には言うまでもないことであるが、ここに記載の治療法は、罹患した自己免疫疾患や慢性の自己免疫疾患の治療だけでなく予防にも適用することができる。当然のことながら、治療に必要とされる本発明の化合物の量は、治療に使用される化合物の種類に応じてだけでなく、投与経路、治療しようとする自己免疫疾患の特質、および患者の年齢と一般的な健康状態に応じて変わる。投与される用量は、最終的には医師の判断による。しかしながら一般には、用量は、一日当たり体重1kg当たり約0.1〜約200mgの範囲である。用量は、一日当たり体重1kg当たり約1〜約100mgの範囲であるのが好ましい。用量は、一日当たり体重1kg当たり2〜50mgの範囲であるのがさらに好ましい。一日当たりの単位用量(dosage unit)は、10mg以上、100mg以上、10g以下、40g以下、またはこれらの間の任意の範囲であってよい。
最後に、そして必要に応じて、本発明の化合物は、当業界によく知られている自己免疫疾患に対する他の治療薬と組み合わせて使用することができる。従来技術による他の治療薬としては、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)(例えば、イブプロフェン、アスピリン、ナプロキセン、エトドラック、およびケトプロフェン);コルチコステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン(pregnisone)、およびデキサメタゾン);予防維持抗リウマチ薬(DMARD)(例えば、メトトレキサートやアザチオプリン等の細胞毒性薬、シクロスポリンやFK506等の免疫抑制剤、ヒドロクロロキン、および有機金塩);ならびに生物製剤;として示されているような前述の治療薬がある。このような組み合わせ物の個々の成分を、個別製薬製剤または組み合わせ製薬製剤にて、逐次的または同時的に投与することができる。これとは別に、新たな製薬製剤を、本発明の化合物と自己免疫疾患用の従来の治療薬との組み合わせ物を収容するように造りだすこともできる。
本発明の化合物はさらに、抗体(例えば、IgM、IgD、IgA1、IgA2、IgE、IgG1、IgG2、IgG3、および/またはIgG4等のヒトアイソタイプ)を結合させるための親和性薬剤として使用することもできる。遊離の(すなわち、抗原に結合していない)抗体および/または抗体-抗原免疫複合体は、このような親和性薬剤によって特異的に結合させることができる。大きな親和性複合体は、選択的沈殿法や分画遠心法によって単離することもできるし、あるいは凝集アッセイによって同定することもできる。しかしながら、1種以上の化合物を不溶性担体物質(例えば、アガロース、デキストラン、セルロース、ポリアクリルアミド、他のポリマー物質、シリカ、およびガラス)に、好ましくは共有結合により直接に、あるいはリンカーを介して間接的に固定するのが好ましい。本発明の化合物は、その場で担体上に合成することもできるし、あるいは活性化された有機リンカーを介して合成することもできる。必要に応じて、リンカーは、化合物(結合抗体を含む場合とそうでない場合を含む)を担体から引き離すことができるよう開裂可能(例えば、還元剤や部位特異的プロテアーゼによって)であってよい。例えば、本発明の1種以上の化合物は、スライドガラス、マルチウェルプレート、光ファイバー、タンパク質チップ、またはアッセイや分析用の試験管;細胞や抗原をインキュベートするための組織培養皿;および、電磁ビーズ、多孔質メンブラン、または分離用のクロマトグラフィー媒体;の形態の担体に共有結合することができる。抗体もしくは他のFc含有物質を本発明の1種以上の化合物に結合させ(すなわち単離)、次いで必要に応じて未結合物質から分離して(洗浄および異なった条件下での複数回の結合を含む場合とそうでない場合を含む)、Fc含有物質を精製することができる。例えば、イオン強度(例えば、塩の濃度)やpHによって結合条件が変わり、これを利用してFc含有物質を放出させることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の実施をさらに説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定されることはない。
本発明において有用な化合物を製造するための一般的な合成シーケンスを、スキーム1と2に概略的に示す。スキーム1は、本明細書に記載のジ置換プリン誘導体を得るのに使用される合成ルートを示しており、スキーム2は、本明細書に記載のトリ置換プリン誘導体を得るための合成法を示している。
Figure 2008540583
Figure 2008540583
計測:
HPLCクロマトグラムとマススペクトルは全て、ダイオードアレイ検出器を使用するHP1100LC-MSアジレント機器(Agilent instrument)により記録した。分析は、下記4つの方法のうちの1つによって行った:分析用C18カラム(75×4.6mm,5ミクロン)、0.01%のTFAを含有するアセトニトリル-水系において1%から40%までの勾配にて6分、流量は2ml/分(方法1);分析用C18カラム(75×4.6mm,5ミクロン)、0.01%のTFAを含有するアセトニトリル-水系において10%から99%までの勾配にて6分、流量は2ml/分(方法2);分析用C18カラム(75×4.6mm,5ミクロン)、0.01%のTFAを含有するアセトニトリル-水系において15%から99%までの勾配にて6分、流量は2ml/分(方法3);または、分析用C18カラム(75×4.6mm,5ミクロン)、0.01%のTFAを含有するアセトニトリル-水系において1%から20%までの勾配にて6分、流量は2ml/分(方法4)。
実施例1(スキーム1の代表的な例): N-{9-[2-(4-アミノフェニル)エチル]-9H-プリン-6-イル}ベンゼン-1,3-ジアミン二塩酸塩(化合物1)の合成
Figure 2008540583
4-アミノフェネチルアルコール(3.0g,21.8ミリモル)をテトラヒドロフラン(100ml)中に溶解して得た溶液に、ジ-tert-ブチルジカーボネート(5.2g,23.6ミリモル)とトリエチルアミン(4.7ml,32.8ミリモル)を室温にて加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌した。本溶液を水(100ml)と酢酸エチル(100ml)で希釈した。水性層を酢酸エチル(100ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。保護されたアミンが白色固体として得られた(4.3g,83%)。本化合物(1.7g,7.4ミリモル)とトリフェニルホスフィン(1.9g,7.4ミリモル)を、6-クロロプリン(761mg,4.9ミリモル)を乾燥テトラヒドロフラン(13ml)中に混合して得た懸濁液に室温にて加えた。得られた混合物から溶媒を蒸発除去した。乾燥テトラヒドロフラン(13ml)を加え、懸濁液を0℃に冷却してから、ジエチルアゾジカルボシレート(891μl,5.7ミリモル)を滴下した。室温にて16時間後、減圧にて溶液を濃縮した。粗製残留物をバイオテージ(Biotage)(登録商標)25Mカラムにより精製して(シリカ、ヘキサン/AcOEt 95:5〜65:35)、N-9アルキル化プリンを白色固体として得た(1.8g,定量的)。
1,3-フェニレンジアミン(8.2g,75.4ミリモル)を塩化メチレン(21ml)中に混合して得た懸濁液に、ジ-tert-ブチルジカーボネート(2.7g,12.6ミリモル)を塩化メチレン(130ml)中に溶解して得た溶液を、室温にて1時間で滴下した。本溶液を、室温にて一晩攪拌した。18時間反応させた後、減圧にて本溶液から溶媒を蒸発除去した。残留油状物を酢酸エチル(50ml)中に溶解し、2Nの炭酸ナトリウム(50ml)で洗浄した。水性層を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を蒸発除去した。粗製残留物をバイオテージ(登録商標)40Sカラムにより精製して(シリカ、ヘキサン/AcOEt 95:5〜1:1)、N-1-tert-ブチルオキシカルボニル-1,3-フェニレン-ジアミンを白色固体として得た(2.4g,93%)。本化合物(40mg,0.2ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(50μl,0.3ミリモル)を、6-クロロ-N-9-アルキル化プリン(35mg,0.1ミリモル)をn-ブタノール(2.0ml)中に溶解して得た溶液に室温にて加えた。90℃にて48時間反応させた後、褐色の溶液を減圧にて濃縮した。粗製残留物をバイオテージ(登録商標)12Mカラムにより精製して(シリカ、ヘキサン/AcOEt 6:4〜AcOEt/MeOH 8:2)、ジ置換プリンを褐色固体として得た(32mg,63%)。本物質(32mg,0.06ミリモル)をジクロロメタン(2.0ml)中に溶解して得た溶液に、ジオキサン中4N HClの溶液(2.0ml)を室温にて加えた。25℃で3時間反応させた後、溶液を減圧にて濃縮し、減圧にて16時間乾燥して化合物1を淡褐色固体として得た。生成物の収量:23mg(94%);Rf=0.4(AcOEt/MeOH 95:5);
Figure 2008540583
実施例2(スキーム2の代表的な例): N6-(3-アミノ-フェニル)-9-[2-(4-アミノ-フェニル)-エチル]-N2-シクロプロピルメチル-9H-プリン-2,6-ジアミン(化合物3)の合成
Figure 2008540583
テトラフルオロホウ酸を水(100ml)中に溶解して得た溶液中に2-アミノ-6-クロロプリン(5.0g,29.5ミリモル)を溶解して得た溶液に、亜硝酸ナトリウム(3.5g,50ミリモル)を水(160ml)中に溶解して得た溶液を−15℃にて1.5時間で滴下した。室温にて20分後、50%水酸化ナトリウム水溶液を使用して、溶液のpHを6に調節した。得られた溶液を減圧にて濃縮した。粗製残留物をバイオテージ(登録商標)40Sカラムにより精製して(シリカ、CH2Cl2/MeOH 9:1)、2-フルオロ-6-クロロプリンを得た(2.3g,52%)。本化合物(1.5g,8.6ミリモル)を、25℃にて乾燥テトラヒドロフラン(20ml)中に懸濁させた。次いで、4-(N-1-tert-ブチルオキシカルボニル)-アミノフェネチルアルコール(3.4g,14.5ミリモル)とトリフェニルホスフィン(3.8g,14.5ミリモル)を加え、本混合物から溶媒を蒸発除去した。乾燥テトラヒドロフラン(20ml)を加え、懸濁液を0℃に冷却してからジエチルアゾジカルボキシラート(1.5ml,9.8ミリモル)を滴下した。室温で16時間反応させた後、減圧にて溶液を濃縮した。粗製残留物をバイオテージ(登録商標)25Mカラムにより精製して(シリカ、ヘキサン/AcOEt 95:5〜75:25)、N-9アルキル化プリンを白色固体として得た(2.9g,87%)。アルキル化2-フルオロ-6-クロロプリン(3.0g,7.7ミリモル)をn-ブタノール(15ml)中に溶解して得た溶液に、N-1-tert-ブチルオキシカルボニル-1,3-フェニレンジアミン(1.8g,8.8ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(2.7ml,15.3ミリモル)を加えた。65℃にて48時間反応させた後、褐色の溶液を減圧にて濃縮した。粗製残留物をバイオテージ(登録商標)40Mカラムにより精製して(シリカ、ヘキサン/AcOEt 65:45〜0:1)、フルオロプリン誘導体を褐色固体として得た(2.8g,63%)。本生成物(2.8g,4.9ミリモル)をn-ブタノール(15ml)中に溶解して得た溶液に、アミノメチルシクロプロパン(1.2g,17.1ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(1.7ml,9.8ミリモル)を室温にて加えた。110℃で48時間反応させた後、褐色の溶液を減圧にて濃縮した。粗製残留物をバイオテージ(登録商標)40Mカラムにより精製して(シリカ、ヘキサン/AcOEt 60:40〜AcOEt/MeOH 98:2)、保護されたトリ置換プリンを白色固体として得た(2.3g,73%)。本化合物(2.08g,3.38ミリモル)をジクロロメタン(10m)中に溶解して得た溶液に、ジオキサン中4N HCl(10ml)を室温にて加えた。反応混合物を25℃で5時間攪拌し、本溶液を減圧にて濃縮した。次いで固体を16時間減圧乾燥して、化合物3を褐色固体として得た。生成物の収量:1.4g(定量的);Rf=0.1(CH2Cl2/MeOH 98:2);
Figure 2008540583
実施例3: N6-(3-アミノ-フェニル)-9-[2-(4-アミノ-フェニル)-エチル]-9H-プリン-2,6-ジアミン(化合物2)
上記化合物は、2-アミノ-6-クロロプリンからスタートして、実施例1に記載のように製造した。
Figure 2008540583
実施例4: 6-{6-(3-アミノ-フェニルアミノ)-9-[2-(4-アミノ-フェニル)-エチル]-9H-プリン-2-イルアミノ}-ヘキサン-1-オール(化合物4)
上記化合物は、アミノメチルシクロプロパンの代わりに6-アミノヘキサノールを使用したことを除いて、実施例2に記載のように製造した。
Figure 2008540583
実施例5: N6-(3-アミノ-フェニル)-9-[2-(4-アミノ-フェニル)-エチル]-N2-シクロプロピル-9H-プリン-2,6-ジアミン(化合物5)
上記化合物は、アミノメチルシクロプロパンの代わりにシクロプロピルアミンを使用したことを除いて、実施例2に記載のように製造した。
Figure 2008540583
実施例6: N6-(3-アミノ-フェニル)-9-[2-(4-アミノ-フェニル)-エチル]-N2-tert-ブチル-9H-プリン-2,6-ジアミン(化合物6)
上記化合物は、アミノメチルシクロプロパンの代わりにtert-ブチルアミンを使用したことを除いて、実施例2に記載のように製造した。
Figure 2008540583
実施例7: N-[9-(4-アミノ-ベンジル)-9H-プリン-6-イル]-ベンゼン-1,3-ジアミン(化合物7)
上記化合物は、4-(N-1-tert-ブチルオキシカルボニル)-アミノフェネチルアルコールの代わりに臭化4-ニトロベンジルと炭酸カリウムを使用したことを除いて、実施例1に記載のように製造した。ニトロ基の還元は、10%Pd/Cとギ酸アンモニウムを使用して行った。
Figure 2008540583
実施例8: 2-{6-(3-アミノ-フェニルフミノ)-9-[2-(4-アミノ-フェニル)-エチル]-9H-プリン-2-イルアミノ}-エタノール(化合物8)
上記化合物は、アミノメチルシクロプロパンの代わりに2-アミノエタノールを使用したことを除いて、実施例2に記載のように製造した。
Figure 2008540583
実施例9: N-{9-[2-(4-ベンジルオキシ-フェニル)-エチル]-2-フルオロ-9H-プリン-6-イル}-ベンゼン-1,3-ジアミン(化合物9)
上記化合物は、2-フルオロ-6-クロロプリンからスタートして、実施例1に記載のように製造した。
Figure 2008540583
実施例10: N6-(3-アミノ-フェニル)-9-[2-(4-アミノ-フェニル)-エチル]-N2-(2,2-ジメチル-プロピル)-9H-プリン-2,6-ジアミン(化合物6)
上記化合物は、アミノメチルシクロプロパンの代わりにネオペンチルアミンを使用したことを除いて、実施例2に記載のように製造した。
Figure 2008540583
実施例11: N6-(3-アミノ-フェニル)-9-[2-(4-アミノ-フェニル)-エチル]-N2-イソブチル-9H-プリン-2,6-ジアミン(化合物11)
上記化合物は、アミノメチルシクロプロパンの代わりにイソブチルアミンを使用したことを除いて、実施例2に記載のように製造した。
Figure 2008540583
実施例12: N-{9-[2-(3-アミノ-フェニル)-エチル]-9H-プリン-6-イル}-ベンゼン-1,3-ジアミン(化合物12)
上記化合物は、4-(N-1-tert-ブチルオキシカルボニル)-アミノフェネチルアルコールの代りに3-ニトロフェネチルアルコールを使用したことを除いて、実施例1に記載のように製造した。ニトロ基の還元は、10%Pd/Cとギ酸アンモニウムを使用して行った。
Figure 2008540583
実施例13: N6-(3-アミノ-フェニル)-9-[2-(4-アミノ-フェニル)-エチル]-N2-シクロペンチル-9H-プリン-2,6-ジアミン(化合物13)
上記化合物は、アミノメチルシクロプロパンの代わりにシクロペンチルアミンを使用したことを除いて、実施例2に記載のように製造した。
Figure 2008540583
実施例14: N-{9-[2-(4-フルオロ-フェニル)-エチル]-9H-プリン-6-イル}-ベンゼン-1,3-ジアミン(化合物14)
上記化合物は、4-(N-1-tert-ブチルオキシカルボニル)-フェネチルアルコールの代わりに4-フルオロフェネチルアルコールを使用したことを除いて、実施例1に記載のように製造した。
Figure 2008540583
実施例15: 化合物がタンパク質Aを模倣する能力(タンパク質A競争結合ELISAによって確認)
前述したように、このアッセイは、例示された化合物がタンパク質Aを模倣する能力を評価する。このような化合物は、ヒトIgGのFc部分に結合することができる(ヒトIgGへのタンパク質Aの結合の阻害によって確認される)。タンパク質A競争結合ELISAアッセイは、プレート底部へのタンパク質Aの結合を増大させるよう、96ウェルプレートのマキシソープ(MAXISORP)(登録商標)表面上で行った。ウェルに100μlのタンパク質A(0.8μg)をコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。インキュベーション後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で3回洗浄することによって未結合のタンパク質Aを取り除いた。次いで、非特異的なタンパク質結合を阻止するよう、ウシ血清アルブミン(BSA)の2%溶液をウェル1つ当たり100μlコーティングしたプレートを37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、プレートをPBSで3回洗浄した。50μlの化合物またはタンパク質A(PBSまたはPBS-20%DMSO中に適切な濃度にて希釈されている)をウェルに加え、次いで50μlのペルオキシダーゼ共役ヒトIgG(HRP-IgG)を加えた。37℃で1時間インキュベーションした後、プレートをPBSで3回洗浄して未結合のHRP-IgGを除去した。結合HRP-IgGは、2,2’-アジノ-ジ-[3-エチルベンゾチアゾリンスルホネート]ジアンモニウム塩結晶(ABTS)溶液100μlを使用して、室温にて暗所で20分インキュベーションすることによって検出した。次いでプレートに対し、バイオ-テック(BIO-TEK)(登録商標)EL800ユニバーサルマイクロプレートリーダー(Universal Microplate Reader)により405nmにて読み取りを行った。データをマイクロソフト(登録商標)エクセル(登録商標)スプレッドシートにて解析し、タンパク質Aの結合を50%阻止する化合物濃度(IC50)を、プリズム(PRISM)(登録商標)ソフトウェアを使用して算出した(表1に示す)。
Figure 2008540583
実施例16: マウスJ774A-1細胞株における、LPS誘発性TNFα産生に及ぼす化合物の影響
リポ多糖体(LPS)によって刺激されたJ774-1細胞を使用するELISAによって、TNFα産生に及ぼす化合物の影響を測定した。J774-1細胞は、LPSと化合物が存在する場合と存在しない場合について培養した。細胞は37℃で24時間培養し、次いで上澄み液を採取して、メーカー(BDバイオサイエンス社)推奨のELISAによってTNFαの濃度を調べた。データをマイクロソフト(登録商標)・エクセル(登録商標)・スプレッドシートにて解析しTNFαの産生を50%阻止する化合物濃度(IC50)を、プリズム(登録商標)・ソフトウェアを使用して算出した(表2に示す)。
Figure 2008540583
実施例17: オキサゾロン誘発性遅延型過敏症(DTH)に及ぼす化合物1の影響
マウスにおけるオキサゾロン誘発性遅延型過敏症(DTH)を治療できる能力に関して化合物を試験した。0日目に、オキサゾロンの5%アセトン溶液100μlでマウスを感作した。0日、1日、および2日目に、ビヒクル(対照標準)、メトトレキサート(MTX;正の対照標準)、または本発明の化合物の静脈内投与(体重1kg当たり50mgにて)によってマウスを処置した。マウスの右耳の表面に50μlのオキサゾロンを塗ってマウスを攻撃した(1回目の攻撃、3日目;2回目の攻撃、10日目)。4〜7日目と11〜14日目に耳の厚さを測定した。赤みと痂皮形成が認められた。14日目にマウスを犠牲にした。TDTH(CD4)細胞は、DTH応答の強さを調節する上で重要な役割を果たす。
表3に示すように、化合物1は炎症の大幅な減少を引き起こす(耳の厚さがより小さくなっていることからわかる)。化合物1だけで、メトトレキサートと同等の効力を有する。化合物1はさらに、赤み、痂皮形成、および耳の腫れを減少させる。
Figure 2008540583
化合物1を、0日から13日まで、体重1kg当たり50mgまたは150mgにて経口投与したことを除き、上記のプロトコルに従って化合物1の経口投与の影響を調べた。正の対照標準はヒドロコルチゾンであった。図1は、DTHに及ぼす化合物1の影響を示している。化合物1は炎症の大幅な減少を引き起こす(攻撃1と2の両方において、耳の厚さがより小さくなっていることからわかる)。
実施例18: フロイントアジュバント誘発性関節炎(AIA)に及ぼす化合物1の影響
凍結乾燥したマイコバクテリウム・ブチリカム(Mycobacterium butyricum)の鉱油中懸濁液を足裏の肉(foot pad)中に注射することによって、雌のルイスラットにAIAを誘発させた。関節炎の発現を、アジュバント注射後から3週間にわたってモニターした。炎症は、アジュバント投与から3日目に最大になった。免疫活性化は、約14日目に起こるようである。アジュバント注射の3日前、2日前、および1日前に化合物を静脈内注射し、そしてアジュバント注射の10日後、11日後、および12日後に化合物を静脈内注射した。体重を記録した。関節炎指数〔炎症(浮腫)、赤み、および関節のこわばりに対する1つの尺度である〕を使用して疾患の発現をモニターした。中外側平面(mediolateral plane)と背腹平面(dorsoventral plane)における足関節の2つの垂直径をカリパスを使用して測定することによって、関節炎の程度を調べた。次いでミリメートル表示での関節周囲径を、幾何式(geometric formula)を使用して算出した。関節炎の発生率と重症度を評価した。発生率とは、試験期間中における、関節の炎症に対する臨床上の証拠を有するラットの数であると定義される。
図2に示すように、動物の100%が速やかに滑膜炎を発現した。13日以上にわたるメトトレキサート(正の対照標準)の静脈内注射によって、関節炎の重症度(炎症指数)の大幅な減少(20%)が観察された。化合物1の場合も、1日目から21日目まで、炎症指数の大幅な減少(最大で25%)が観察された。
化合物1を、-3日目から19日目まで、体重1kg当たり50mgにて経口投与したことを除いて、化合物1の経口投与の効果を上記のプロトコルに従って調べた。正の対照標準はインドメタシンであった。図3に示すように、1日以上にわたるインドメタシン(正の対照標準)の経口投与によって、関節炎の重症度(炎症指数)の大幅な減少(10〜40%)が観察された。化合物1の場合も、1日目から20日目まで、炎症指数の大幅な減少(10〜30%)が観察された。
本明細書中に引用した特許、特許出願、および他の刊行物の全内容を参照により本明細書に含める。
特許請求の範囲とそれらの法的同等物の範囲に含まれる全ての改良物と置き換え物も、本発明の範囲内に包含されるべきである。“含む(comprising)”という用語を使用しているクレームは、クレームの範囲内に他の成分を包含することが可能である。本発明はさらに、“含む(comprising)”という用語の代わりに、“実質的に〜からなる(consisting essentially of)”(すなわち、本発明の実施に実質的に悪影響を及ぼさないならば、クレームの範囲内に他の成分を包含することが可能である)という用語、および“〜からなる(consisting)”(すなわち、通常は本発明と関連している不純物もしくは重要ではない作用物以外の、クレームに記載の成分だけを含む)という用語を使用したクレームによって表わされている。これら3つの用語のいずれも、本発明を特許請求するのに使用することができる。
理解しておかなければならないことは、本明細書に記載の成分は、クレーム中に明記されていなければ特許請求されている本発明の限定として見なされるべきではない、という点である。したがってクレームは、クレーム中に読み込まれている本明細書からの限定の代りに、認められる法的保護の範囲を定めるための基礎となっている。これとは対照的に、従来技術は、特許請求されている本発明に先んずるか又は新規性をそこなうような特定の実施態様の程度にまで、本発明から明確に排除されている。
さらに、特許請求の範囲の限定間における特定の関係がクレーム中に明記されていない場合は、このような特定の関係は意図されていない(例えば、物クレームにおける成分の配列、あるいは方法クレームにおける工程の順序は、そのように明記されていない場合は、クレームの限定ではない)。本明細書に開示の個々の成分のあらゆる可能な組み合わせと置き換えは、本発明の態様であると考えるべきであり;同様に、本発明の説明の一般化も、本発明の一部として考えるべきである。
上記の説明から、本発明は、本発明の精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形で具現化することができる、ということは当業者には明らかであろう。本明細書に記載の実施態様は、単に例証のためのものであって、限定のためのものではないと考えるべきである。なぜなら、本発明に対して与えられている法的保護の範囲は、本明細書によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示されているからである。
遅延型過敏症(DTH)に関して、ヒドロコルチゾンと比較したときの、化合物1の経口投与の効果を示している。 アジュバント誘発性関節炎に関して、メトトレキサートと比較したときの、化合物1の静脈内投与の効果を示している。 アジュバント誘発性関節炎に関して、インドメタシンと比較したときの、化合物1の経口投与の効果を示している。

Claims (16)

  1. 下記の式
    Figure 2008540583
    〔式中、
    R1とR3は、NH2、F、Cl、C1-C4アルコキシ、またはフェノキシ基であるが、R1とR3は、必ずしも等しい必要はなく;
    R2は、H、F、Cl、NH2、またはNH-R-XHであって、ここでRは、-(CH2)p-(式中、pは2〜4である)、
    Figure 2008540583
    (式中、qは0〜3である)であり、Xは、CH2、NH、O、またはSであり;
    nは0〜2であり;
    mは0〜2であり;
    mとnは、必ずしも等しい必要はない〕で示される化合物。
  2. R1とR3が等しくて、NH2、F、またはClであり、nが0であり、mが2である、請求項1に記載の化合物。
  3. R1とR2が等しくて、メタ-NH2、F、またはClであり、R2がHであり、nが0であり、mが2である、請求項1に記載の化合物。
  4. Figure 2008540583
    Figure 2008540583
    Figure 2008540583
    Figure 2008540583
    からなる群から選択される化合物。
  5. 抗体に非共有結合的に結合することができる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を含む組成物であって、前記化合物が製薬的に許容しうるキャリヤーと組み合わされている前記組成物。
  7. ヒトTNFαに結合することができる組み換えタンパク質をさらに含む、請求項6に記載の組成物。
  8. メトトレキサート、抗炎症性コルチコステロイド、非ステロイド系抗炎症剤、またはこれらの組み合わせ物をさらに含む、請求項6に記載の組成物。
  9. 請求項5に記載の化合物を、少なくとも抗体もしくは抗体-抗原免疫複合体に結合させ;そして未結合の物質を分離して、前記の抗体もしくは抗体-抗原免疫複合体を単離すること;を含む、請求項5に記載の化合物を親和性促進薬剤として使用する方法。
  10. 1種以上の化合物を不溶性の担体に固定する、請求項9に記載の方法。
  11. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、または請求項6〜8のいずれか一項に記載の組成物の治療有効量を、自己免疫疾患に罹っている患者に投与することを含む、自己免疫疾患に罹っている患者を治療する方法。
  12. 前記自己免疫疾患が、全身性紅斑狼瘡、関節炎、糸球体腎炎、免疫性血小板減少症、および脈管炎からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 自己免疫疾患を治療するための医薬を製造するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  14. 前記自己免疫疾患が、全身性紅斑狼瘡、関節炎、糸球体腎炎、免疫性血小板減少症、および脈管炎からなる群から選択される、請求項13に記載の化合物の使用。
  15. インビトロにて少なくとも抗体もしくは抗体-抗原免疫複合体に結合させるための、請求項5に記載の化合物の使用。
  16. 1種以上の化合物を不溶性の担体に固定する、請求項15に記載の化合物の使用。
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