JP2008537763A - 金属複合材料およびこれを形成する方法 - Google Patents

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Abstract

少なくとも1つの延性相を有するスピノーダル構造を含む金属複合体、およびこれを製造する方法が開示される。該金属複合体は、液体状態で正の混合熱を含む合金を形成すること;前記合金を精製すること;および少なくとも1つの延性サブネットワークを含む前記合金のネットワーク構造を形成すること、により形成される。

Description

本発明は一般に金属複合材料およびこれを形成する方法に関し、特に、少なくとも1つの延性サブネットワークを有するネットワーク構造を有する金属複合材料に関する。
ナノ構造材料とは、1nm以上1,000nm以下の粒径を有する材料と定義される。材料中のナノ構造の存在により、ナノ構造なしで形成される同じ材料と比べて、機械的特性が改善される。
ナノ構造材料は一般に、ガラス状材料の粉末焼結または熱アニーリング、およびフラクシングにより合成されてきた。粉末焼結においては、ナノメートルサイズの粉末を一緒に圧縮し、アニーリングすることができ、ナノ構造材料を生成する。粉末焼結により作製されるナノ構造材料は一般に円盤形状であり、約1cmの直径と1mm〜2mmの厚さを有する。粉末状焼結材料は一般に脆性で、空洞および非均一な粒子の成長を示す。
代替的に、非晶質金属の熱アニーリングは、非晶質マトリクス中にナノ結晶を生成する。金属溶融物を急冷するとガラス状または非晶質金属になり、これを次にそのガラス遷移温度近くの温度においてアニーリングすると、非晶質マトリクス中に不均一に分散されたナノ結晶を生じる。非晶質マトリクスも結晶化する場合、結晶ナノ構造が生成されることもある。
フラクシング技術はより最近になって、ナノ構造材料の製造に用いられている。この方法では、液体状態のスピノーダル分解が起こり、脆性の固体のスピノーダルが生じる。典型的なPd−Siナノ構造を図1に示す。図1に示すように、離散したPd析出物(白色で示される)が固体スピノーダル内部に位置している。しかし、離散したPd析出物はわずかな体積分率においてのみ存在するため、固体スピノーダルは脆性のまま残る。
従って、従来のナノ構造の主要な構成成分相は脆性であり、広い範囲の粒径分布を有する。従来のナノ構造はまた、強度が低く、衝撃破壊エネルギーが低い。さらに、従来の非晶質合金は一般に全体寸法が小さく、例えば30〜50ミクロンの厚さのリボン状またはフォイル状であり、このため商業用途に適さない。
発明の概要
1つの態様において、本発明は、構成成分で合金を形成すること、該合金を精製すること、および少なくとも1つの延性サブネットワーク構造を含む、該合金のネットワーク構造を形成することを含む、方法を対象とする。
他の態様は、延性スピノーダル構造を含有する金属複合材料を対象とする。他の態様は、金属複合材料を含有する金属物品を対象とする。他の態様において、金属物品はナノ構造の複合材料である。
他の態様は、金属複合材料を形成する方法であって、合金を形成すること、該合金を精製すること、1または2以上のスピノーダルを形成すること、および前記1または2以上のスピノーダルを加熱して、前記1または2以上のスピノーダルの少なくとも1つを1または2以上の延性相に変換することを含む、前記方法を対象とする。
本発明のその他の利点、新規な特徴および目的は、付属の図と合わせて考慮する場合、本発明の非限定的な態様についての以下の詳細な説明から明らかである。本明細書および参照として組み込まれた文献が相反する開示を含む場合、本明細書が効力を持つものとする。
詳細な説明
本発明はその用途において、以下の記載または図中に描かれた要素の構成および配置の詳細に限定されない。本発明は他の態様でも可能であり、種々の方法で実用化し実施することができる。また、本明細書で用いる表現および専門用語は説明のためのものであり、限定するものと理解すべきではない。本明細書中における「含む(including)」、「含む(comprising)」または「有する」、「含む(containing)」「関連する(involving)」およびこれらの変形は、その後に挙げた項目およびそれらの均等物、並びに付加的な項目を包含することを意味する。
本発明は、少なくとも2つのスピノーダルもしくはサブネットワークのネットワークを含む金属複合材料、およびこれを形成するための方法を提供する。用語「スピノーダル」および「サブネットワーク」は、本明細書において同じ意味であり、液体状態スピノーダル分解および続く凝固の後の、分離したクラスターおよび/または相互連結された領域の、固体形態を規定するために用いる。例えば、二元合金のスピノーダル分解および続く凝固は2つのサブネットワークを生じる。同様に、三元合金のスピノーダル分解は2つまたは3つのサブネットワークを生じる。サブネットワークは離散した析出物を含んでもよいが、ただし少量のみである。
1つの態様において、金属複合材料の少なくとも1つのスピノーダルまたはサブネットワークは、延性相である。本明細書において、「延性相」の語句は、可鍛相(malleable phase)として定義される。延性スピノーダルは、分離したクラスター、部分的に相互連結したもの、実質的に相互連結したもの、およびこれらの組合せであってよい。すなわち、延性スピノーダルの相互連結の程度は、金属複合材料中で異なっていてよい。1つの態様において金属複合材料は、延性スピノーダルおよび脆性スピノーダルを含む。他の態様において、金属複合材料は、第1の延性スピノーダルおよび第2の延性スピノーダルを含む。本発明の1つの態様において、延性および脆性相の相対的体積分率を変化させて、任意の所望の特性、例えば限定することなく、硬度、疲労強度、圧縮降伏強度、耐摩耗性および最大作動温度などを変えることができる。
金属複合材料は、主要構成成分が正の混合熱を有する任意の合金および、少なくとも1種の液体状態の他の構成成分から形成することができる。本明細書において、語句「混合熱」は、1モルの混合物がその純粋成分から温度Tにおいて形成される場合の、エンタルピー変化として定義される。本明細書において、用語「主要な」とは、合金の意図された主要構成成分と定義される。液体状態は、安定または準安定であってよい。正の混合熱の構成成分を有する合金の例は、偏晶合金、共晶合金および包晶合金を含む。正の混合熱の構成成分を有する合金の他の例は、Richard A. Swalinによるテキスト「Thermodynamics of Solids」(John Wiley & Sons, Inc. (1962)出版)に挙げられており、このテキストは本明細書において参照として組み込まれる。1つの態様において、合金は金属および半金属を含んでよい。
1つの態様において、合金中の全構成成分全体の混合熱は正であってよい。別の態様において、合金中の全構成成分の液体状態における全体の混合熱は、負であってよい。例えば、第1、第2および第3成分を含む合金は、液体状態において全体で負の混合熱を有することができるが、ただし第1構成成分(主要構成成分)は、第2成分とは液体状態において正の混合熱を有し、また第3成分とも液体状態において正の混合熱を有する。この例において、全体として負の混合熱は、第2および第3構成成分の液体状態における大きな負の混合熱から生じ得て、これが、第1の主要構成成分の第2および第3構成成分との液体状態における正の混合熱を圧倒している。
選択された金属が、合金の少なくとも1種の他の構成成分と液体状態において混合された場合に正の混合熱を有する限り、任意の金属を用いて、所望の複合材料特性を得ることができる。例えば、金属は、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、PtなどのVIII族金属およびこれらの組合せであってよい。1つの態様において、金属は、Fe、Co、Ni、Cu、Pd、Pt、Mn、Al、T、Zr、Cr、Wおよびこれらの組合せからなる群から選択することができる。1つの態様において、金属はCoである。他の態様において、金属はFeである。さらに他の態様において、金属はNiである。
選択された半金属が、他の主要な構成成分と液体状態において混合された場合に正の混合熱を有する限り、任意の半金属を用いて、所望の複合材料特性を得ることができる。例えば、半金属は、B、C、Si、As、Sb、Te、Poおよびこれらの組合せであってよい。1つの態様において、半金属は、B、C、Siおよびこれらの組合せのいずれかであってよい。他の態様において、半金属はCである。
他の態様において、合金は、Feおよび、SiとCのうちの少なくとも1種を含む。この態様において、Feは、約70原子%以上約92原子%以下の範囲であることができ、Siは、約0原子%以上約20原子%以下の範囲であることができ、Cは、約0原子%以上約30原子%以下の範囲であることができる。用いられる範囲は個々の成分の最小値と最大値を表わすが、ただし個々の成分は、合金の原子百分率が100%となるように組み合わせることが理解される。Fe、SiおよびCのこれらの範囲は、本明細書に開示された方法に従って加工された場合、延性スピノーダルネットワークを生じると考えられる。これらの範囲を超える組成も所望の延性のナノ構造を生成することができるが、加工条件下においてはこれらの範囲がより効率的であると考えられる。
1つの態様において、Fe−C−Si組成は、上下限を含み次の範囲であってよい:Fe7624Si;Fe8119Si;Fe85.5Si14.5;Fe88.5Si11.5およびこの範囲内の全組成物。この範囲およびその中の全ての点が、空気冷却および実質的な過冷却により、延性のスピノーダルを含むナノ構造を生じることが見出された。
他の態様において、Fe−C−Si組成は、上下限を含み次の範囲であってよい:Fe8119Si;Fe8416Si;Fe90Si10;Fe88.5Si11.5およびこの範囲内の全ての点。さらに他の態様において、他の態様のFe−C−Si組成は、上下限を含み次の範囲であってよい:Fe7327Si;Fe7624Si;Fe84Si16;Fe85.5Si14.5およびこの範囲内の全ての点。この範囲およびその間の全ての点でのこれらの組成から形成される混合材料の一部が、空気冷却により延性スピノーダルを含むナノ構造を形成することが見出された。しかし、冷却率を増加させて、これらの組成物の試料全体が所望のナノ構造を形成するようにすることができる。
他の態様において、Fe−C−Si組成は、上下限を含み次の範囲であってよい:Fe8416Si;Fe8713Si;Fe90Si10;Fe92Siおよびこの範囲内の全ての点。さらに他の態様において、他の態様のFe−C−Si組成は、上下限を含み次の範囲であってよい:Fe7030Si;Fe7327Si;Fe82Si18;Fe84Si16およびこの範囲内の全ての点。これらの範囲を用いて、所望のナノ構造を、ガス媒体を満たした落下搭内に形成できると考えられる。
他の態様において、Bを、Fe−C−Si合金に加えてもよい。例えば、Bを約0原子%以上約5原子%以下の範囲で、スピノーダル構造の形成に重大な影響を与えることなく、加えることができる。
さらに他の態様において、合金は、Ge、P、Sおよびこれらの組合せの群から選択される、任意の非金属を含んでもよい。1つの態様において、ナノ構造に重大な影響を与えることなく、GeをSiの代わりに用いるか、またはSiに加えることができる。しかし、場合によっては、Geの存在は空洞を形成する。他の態様において、Pを合金に加えて、スピノーダル構造の形成を増加させることができる。例えば、約0.5原子%以上約4原子%以下のPをFe−C−Si合金に加えて、複合材料全体がスピノーダル構造を含むようにすることができる。PをFe−C−Si合金に加えると、共晶組織を低減するかまたは除去するため、スピノーダル構造の量が増加することが見出された。
他の態様において、NiをFe−C−Si合金に加えて、延性相の体積分率を増加させることができる。例えば、約1原子%から約3原子%を超えるまでのNiをFe−C−Si合金に加えて、延性相の体積分率を増加させることができる。
合金は、本明細書でガラス遷移温度(T)の液体温度(T)に対する比率として定義されるガラス形成能(GFA)の値として0.35以上を有することができ、形成されたナノ構造は十分に大きいため、複合材料に所望の物理特性を与える。1つの態様において、GFAは約0.49以上である。例えば、Fe82.517.5は約0.35のGFAを有し;Fe8020は約0.49のGFAを有し;Fe8013は約0.58のGFAを有し;Fe79Si1011は約0.58のGFAを有し、そしてCo75Si1510は約0.56のGFAを有する。
合金は、構成成分の選択された組成物を所望の割合において加熱することにより、形成することができる。加熱は、標準の合金化条件下で、例えば高周波誘導炉または高温炉などの従来の機器を用いて行うことができる。
随意的に、形成された合金はより小さい部分に分けて、さらなる加工を行ってもよい。合金は、第1部分とそれより小さい第2部分を有する容器の、第1部分に入れることができる。この容器を真空にする。容器を加熱して合金を溶融し、第1溶融合金を形成する。第1溶融合金を、加圧ガスと共に容器の第2部分に強制的に入れる。容器および第1溶融合金を冷却して、固化合金を形成する。固化合金を容器の第2部分から取り出して、所望の寸法または質量に分割することができる。
1つの態様において、容器の第1部分の断面積は第2部分の断面積より小さくてよい。従って、第2部分は、溶融合金全体をより狭い断面積中に入れるのに十分長くすることができる。第1溶融合金および容器を冷却し、固化合金を種々の厚さに切って、所望の用途に適するようにすることができる。
さらに分割されない合金、またはより小さな部分にさらに分割される固化合金は、従来方法に従って、さらに加工されて不純物を除去することができる。例えば、固化合金は、フラックスの存在下でその液相線温度(liquidus)(T)以上の温度まで加熱することができて、第2溶融合金を形成する。1つの態様において、固化合金およびフラックス材料は、約1,000℃より高い温度まで加熱することができる。
第2溶融合金と反応しない限り、任意のフラックスを用いることができる。例えば、フラックスは酸化ホウ素、ガラス、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化リチウム、およびこれらの混合物であってよい。1つの態様において、フラックスはガラスである。他の態様において、フラックスは酸化ホウ素である。通常は無水である酸化ホウ素(B)は、Atomergic Chemetals Corporation (Farmingdale, NY)から入手可能である。
次に、第2溶融合金を、第2固化合金を形成するのに十分な温度まで冷却することができる。1つの態様において、第2溶融合金は、第2溶融合金をその液相線温度より低い温度まで冷却することにより、過冷却することができる。第2溶融合金は、臨界温度Tc以下まで、一般に液相線温度より低い温度まで冷却することができ、液体状態スピノーダル分解が可能となり、これによって液体スピノーダルが形成される。いかなる特定の理論にも縛られず、フラクシングプロセスによって第2溶融合金を精製し、その液相線温度よりはるか下の温度で液体状態を維持することが可能になると考えられる。第2溶融合金が、その液相線温度より下の温度で液体状態を維持することが可能になることにより、第2溶融合金は準安定液体であり、この準安定液体は多くの場合、合金の液相線温度より実質的に低い温度である混和性ギャップ(臨界温度Tc)に入ると、スピノーダル分解を起こす。スピノーダル分解中、溶融合金は、液相波長λを有する多数の準安定液体スピノーダルに分割される。本明細書において、波長(λ)は、スピノーダルの側方寸法または直径として定義される。1つの態様において、準安定液体は約300nmより小さい、好ましくは約100nmより小さい、液相λを有することができる。
冷却すると、第2溶融合金は固化して、スピノーダルまたはサブネットワーク構造を有する過冷却試料を形成する。固体スピノーダルは結晶質、非晶質、準結晶質、およびこれらの混合物であってよい。1つの態様において、合金を、約100K〜約500KのΔTまで冷却する。本明細書において、用語ΔTは、液相線温度と実際温度の差(T−T)として定義される。
第2溶融合金の液体状態スピノーダル分解により形成される固相波長(λ)は、典型的にはミクロンからナノメートルの範囲に渡る。得られる複合材料は微細なミクロ構造を有することができ、1nm以上100,000nm以下の粒径または波長を有する材料として定義される。複合材料はナノ構造を含むことができ、ここで1つの構成成分相の1つの物理的寸法は、約1,000nm以下である。ネットワーク組織全体中の各スピノーダルまたはサブネットワークは、互いに類似しているかまたは異なる、固相波長を有することができる。
1つの態様において、形成されるスピノーダルまたはサブネットワーク構造は、約50ミクロン未満の固相λを有してよい。他の態様において、形成されるスピノーダルまたはサブネットワーク構造は、約10ミクロン以下の固相λを有してよい。さらに他の態様において、形成されるスピノーダル構造は、約300nm以下の、好ましくは約100nm未満の固相λを有する。
固相波長は試料内で変化してもよい。例えば、固相波長は結晶化の間に変化してよい。結晶化の間に、結晶化の最前部は溶融物中を移動し、このため固相λは増加して、より粗いスピノーダル構造を効率的に生成する。従って固相波長は、結晶化が開始される部位において最小であってよく、その開始部位から結晶化が進むにつれて増加する。結晶化が開始される部位における固相スピノーダルの波長は、液体スピノーダルの波長と類似であってよい。1つの態様において、結晶化が開始された部位からある距離におけるスピノーダル形態は、樹脂状または共晶を含む他の構造によって(部分的にまたは全体を)置き換えることもできる。
準安定な液体合金が準安定な液体スピノーダル分解を起こした後に結晶化が回避された場合、液体スピノーダルは、さらに冷却されると非晶質スピノーダルに固化することができる。固化は均一に起こることができ、すなわち、硬化はいずれかの単一の場所において開始されるのではない。硬化はさらなる冷却により全ての液体スピノーダルが非晶質固体になるまで続く。このモードの固化において、固相λは実質的に均一であることが予想されるため、液体スピノーダルの液相λは、非晶質スピノーダルの固相λに類似していてよい。固体スピノーダルも、非晶質および結晶質スピノーダルの混合物として形成され、そのためλは固体の中で変化してよい。
結晶の場合、スピノーダルにおける相は、コヒーレントな粒界を含むミクロ構造を形成してもよいが、必ずしもその必要はない。本明細書において、用語「コヒーレントな粒界」は、コヒーレントな境界および/または半コヒーレントな境界として定義される。コヒーレントな境界は、約10〜100mJ/mの界面エネルギーを有し、2つの結晶が境界面で完全に整合し、2つの格子が境界に渡って連続している場合に生じる。半コヒーレントな境界は、境界が一連の端部またはらせん転位を有し、約200〜約500mJ/mの境界エネルギーを有する場合に生じる。
本発明の他の態様において、試料中に存在する任意の脆性スピノーダルはさらに処理されて、1つまたは2つ以上の延性スピノーダルへの相変化を起こすことができる。例えば、アニーリングにより、FeSiはFeと黒鉛に分解され、これにより試料の強度と衝撃破壊がさらに増加する。1つの態様において、1つまたは2つ以上の脆性スピノーダルをアニーリングして、延性相を形成することができる。得られた延性相は、部分的または実質的に完全に相互連結した分離したクラスターおよびそれらの組合せであってよい。延性相は他の延性相と、そしてまたは脆性相と相互連結してもよい。
金属複合材料は、特定の目的に好適な任意の形状を有するバルク材料であってよい。本明細書において、語句「バルク材料」は、全方向に約1mm以上の断面寸法の形を有する材料として定義される。例えば、複合材料は、球、円錐、角錐、正方形、長方形または不規則な形状であってよい。1つの態様において、複合材料は球状である。他の態様において、バルク材料は、少なくとも1つの断面寸法が約2.54cm、好ましくは約1cmである。さらに他の態様において、金属複合材料は、特定の目的に好適な、任意の直径を有する球であってよい。例えば、金属複合材料は、約1インチ未満の、約2cm以下の、約1.0cm以下の、および約5mm以下の直径をそれぞれ有する球であってよい。他の態様において、球状の金属複合材料は、約0.1mmの直径を有してよい。金属複合材料を例えばボールベアリングなどの球に形成する方法は、鋼球を作製する従来の方法と比べて有利である。例えば、費用のかかる典型的な方法を簡単で安価なフラクシング法に置き換えることができ、従来の熱処理プロセスを除くことができる。

本発明は、以下の例を参照してさらに理解することができ、これらの例は例示としてのみ用いることを意図しており、本明細書のクレームに規定された本発明を限定することは意図していない。
以下に挙げた組成の各々についての合金は、次のようにして調製する:
Fe、Co、Ni、C、Si、B、GeおよびPから選択される原材料の所望の組成物を、RF誘導炉内で、最低温度約1,000℃にて合金化した。合金は空気冷却して固化し、次に溶融石英管の大きい部分に入れた。溶融石英管は、内径が約10mm〜約30mmの大きな部分と、内径が約2mm〜約8mmの長細い小さい部分とを有する。小さい部分は約10mm〜約600mmの長さであった。合金を含んだ石英管から機械ポンプにより気体を排出し、石英管を十分な温度の炉内に、合金を溶融するのに十分な時間入れた。合金が完全に溶解したら、石英管の大きな部分に加圧ガスを導入し、溶融合金を管の小さな部分へと強制的に移動させた。管と合金を冷却し、ロッド形状の合金を形成させた。ロッド形状の合金を管から取り出し、約1mm以上約10mm以下の範囲の厚さを有する、小さな円盤状の複数片に切り分けた。
各円盤を、無水Bと共に、内径約3mm〜約15mm、長さ約10mm〜約100mmの個別の溶融石英管へ入れた。合金円盤と無水Bを含む多数の溶融石英管を、内径約20mm〜約100mmの大きな溶融石英管に入れた。この大きな溶融石英管を真空にし、これにより、合金円盤と無水Bを含む個別の石英管も真空となった。大きな管を次に十分な温度で、約15分〜8時間の範囲の規定時間加熱して、合金を完全に溶融した。溶融合金を冷却し、次に示すΔT温度において結晶化させた。
例I.
Fe:80原子%
C:15原子%
Si:5原子%
この合金は、フラックス中の溶融Fe8015Siをその液相線温度より高い温度で精製し、続いてその液相線温度より低い温度まで過冷却することにより、調製した。
Fe−C−Si系は精密なボールベアリングに形成し、その特性の幾つかを表1に示した。表にはさらに、従来のクロム鋼球(FAG Bearing, Danbury, CTより入手可能)との比較結果も示す。
表1
特性 Fe−C−Si系 クロム鋼球
(FAG Bearing, Danbury, CTより入手可能)
硬度(HV) 750〜850
疲労強度 >3,600** <2,600***
(最大圧縮圧力(MPA))
圧縮降伏強度(MPA) 約7,000 約3,600
最大作動温度 550℃ 150℃
疲労強度は、最小圧縮力が約0MPA、最大周期圧縮力が約3,600MPAで10サイクルの周期的圧縮力を用いて決定した。
**試料は、試験後も無傷で残った。
***試料は試験後まで残らなかった。
Fe−C−Si系は、従来の鋼球とほぼ同じ耐磨耗性および硬度を有することが見出された。しかし、Fe−C−Si系から作製された球は、従来の鋼球に比べてほぼ2倍の圧縮降伏強度を示した(3,600MPAに比べて7,000MPA)。Fe−C−Si系から作製された球はまた、2,600MPAで破壊した従来の鋼球に比べて、破壊することなく3,600MPAというより高い疲労強度を示した。同様に、Fe−C−Si系の球は、従来の鋼球より高いヤング係数および高い熱安定性を示した。さらに、Fe−C−Si系の球は、SiNから作られたセラミック精密ボールベアリングの値に近い、衝撃破壊エネルギーを示した。
図3Aは、Fe8015Si球の2相スピノーダル微細構造のSEMである。Fe8015Siを、球内の種々の位置において解析した。図3Aの顕微鏡写真は、相互連結した微細構造を有する、2相スピノーダル構造を示す。両方の相が結晶構造であり、約300nmの平均波長を有する。微細構造のランダムさは、これが結晶化が開始された部位であることを示す。図3Bは、図3Aの試料の中心の顕微鏡写真である。図3Bは、試料中心近くのスピノーダル構造の配列および、配列の異なる向きを示す。図3Cは、開始部位の反対の端における試料の顕微鏡写真である。図3Cは、開始部位の反対の端における共晶組織の形成を示す。図3Dは、この系の破壊挙動を示し、破壊表面は鱗状または雲状である。図3Dの白い曲線は稜線であり、延性破壊が起こったことを示す。図3Eは、試料の破壊表面を示す、図3Aの試料の別の顕微鏡写真である。金属複合材料中の2つの固体スピノーダルは、FeSiおよび、体心立法(BCC)FeまたはFeの固溶体である。前者のスピノーダルは脆性であり、一方後者は延性である。破壊すると、延性スピノーダルは破壊表面に稜線を形成する。いかなる特定の理論にも縛られず、高い強度および高い衝撃破壊エネルギーは、BCCFe(または固溶体Fe)のためであると考えられている。
非常に大きいΔT、例えば100〜500Kにおいて、溶融物は2つの液体スピノーダルに分離する。これら2つの液体スピノーダルは準安定であり、従って結晶化しやすい傾向にあった。結晶化は溶融試料の表面の1点において開始された(初期結晶化部位と呼ぶ)。次に結晶化の最前部は、溶融試料全体が結晶となるまで広がった。結晶化の間熱が開放され(結晶化熱)、これは初期結晶化部位からの距離が増加した位置での、微細構造における変化の部分的な原因となり得た。初期結晶化部位において結晶の成長は速く、開放される熱は比較的小さいため、液体スピノーダルの形態は固体スピノーダルの形態に類似する場合もあった。初期結晶化部位から離れるにつれて、スピノーダル形態は進化した。
比較すると、図2は、典型的にはオーステナイトとマルテンサイトの混合物であり、従来方法により作製した従来の鋼球の微細構造のSEMである。一般に、コイル線(オーステナイト、柔らかい)形態の鋼を製造する。短い円筒形の片を線から切り取り、ヘッディングマシン(heading machine)で冷間鍛造する。ヘッディングした球の表面は、フラッシングマシン(flashing machine)で研磨する。球を次に炉内で硬化し、オーステナイトの半分以上を硬いマルテンサイトに変換する。硬化後、球はさらに2回研磨過程を通って(研磨およびラッピング)所望の表面仕上げが施される。次に球を洗浄し、ポリッシュする。鋼球を調製する従来方法の欠点は、高品質のコイル線を用いる必要性および、熱処理が全てのオーステナイトをマルテンサイトに変換しないことを保証する必要性である。さらに、全てのオーステナイトが変換されないため、従来の鋼球は、例えば150℃より高い、高温での用途に好適でない可能性がある。
いかなる特定の理論にも縛られず、本発明の延性相を含む微細構造は、従来方法で作製した類似のものと比較した場合、独自の物理特性を有するミクロ構造またはナノ構造の物体を提供し、その特性の例としては:高い圧縮破壊強度、高いヤング率、高い疲労耐性、および高い熱安定性であり、一方で、同様の耐磨耗性および硬度を維持しつつ、セラミック球と同様の衝撃破壊エネルギーを示す。
例II.
Fe:40.5原子%
CO:40.5原子%
C:14原子%
Si:5原子%
結晶化温度は約800℃であった。形成されたFe40.5CO40.514Siインゴット(試料)の微細構造を、図4A〜4Dに示す。図4Aは、最初に結晶化した、試料の自由表面に位置する試料部分の微細構造を示す。図4Aには異なる相の2つの固体スピノーダルがあり、これらは一緒になってランダムネットワークを形成している。図4Bは、試料の反対側の端において最後に結晶化した試料部分の微細構造を示す。図4Bに示すように、この微細構造はスピノーダル形態と共晶構造の混合である。図4Cは、試料の破壊表面を示し、明るい稜線は2つのスピノーダルの1つで延性破壊が起こったことを示す。稜線の分布は、スピノーダル機構の予想と整合する。共晶が主である領域においては、図4Dにおいて破壊表面上に共晶形態が示される。
例III.
CO:75原子%
Si:15原子%
B:10原子%
結晶化は約800℃で起こった。形成されたCO75Si1510インゴット(試料)の微細構造を図5A〜5Dに示す。図5Aは、最初に結晶化した、インゴットの自由表面に位置する試料部分の微細構造を示す。図5Aには異なる相の2つの固体スピノーダルがあり、ネットワークを形成している。ネットワーク形態は、試料中でその位置が結晶化が開始された部位から遠くなるにつれて変化する。試料の中心に近づくと、図5Bに示すように、1つの固体スピノーダルがはっきりと長細い粒状に分解している。長細い粒子は約20ミクロンを超えることができる。複数相の層が長細い粒子を分離している。図5Cは、最初の結晶化の部位から遠い位置における微細構造を示す。図5Cに示すように、最後に結晶化した試料部分の長細い粒子を囲む層は、実質的に均一に見える。図5Dは試料の破壊表面であり、長細い粒子を囲む層が延性であることを示す。いかなる特定の理論にも縛られず、延性層は、衝撃破壊エネルギーおよび強度を有する試料を提供すると考えられる。
例IV.
Fe:82原子%
C:18原子%
結晶化温度は約650℃であった。調製されたFe8218のインゴットの微細構造を図6Aに示す。図6Aには多くのドメインがあり、それらの各々は整列したネットワーク様構造により占領されている。ドメインの間の境界は比較的平らであり、境界近くのネットワークの配列は鮮明である。明らかに、ネットワーク分枝の再配列の形状が、境界を形成する結晶化の間に生じていた。図6Bは、図6Aの試料の破壊表面の微細構造を示す。図6Aに示すように、顕微鏡写真の中心近くに2本の垂直な線が見出され、上記の境界を表わしている。これらの境界に付着しているのは、樹枝状結晶のものに似た整列した特徴である。境界からさらに遠ざかると、鱗状または雲状の構造が微細構造を再び支配している。図6Bの明るい部分は、延性破壊した稜線を示す。
本発明の少なくとも1つの態様の幾つかの側面をこのように記載したので、当業者は容易に、種々の改変、修飾および改善を思い付くであろうことが理解される。かかる改変、修飾および改善は本開示の一部とすることを意図し、本発明の精神および範囲内であることを意図する。従って、前記の説明および図面は、例示目的のみを意図する。
従来のPd−Siナノ構造のTEM顕微鏡写真(倍率75,000×)である。 従来の鋼球の微細構造を示すSEM顕微鏡写真(倍率9,500×)である。 Fe8015Siの2相スピノーダル微細構造の一部を示すSEM顕微鏡写真(倍率35,000×)である。 図3Aの2相スピノーダル微細構造の他の一部を示すSEM顕微鏡写真(倍率6,000×)である。 図3Aの2相スピノーダル微細構造の他の一部を示すSEM顕微鏡写真(倍率34,000×)である。 図3Aの2相スピノーダル微細構造の他の破壊表面を示すSEM顕微鏡写真(倍率8,500×)である。
図3Aの2相スピノーダル微細構造の破壊表面を示すSEM顕微鏡写真(倍率9,400×)である。 Fe40.540.514Siのスピノーダル構造の一部を示すSEM顕微鏡写真(倍率34,000×)である。 図4Aのスピノーダル構造の他の一部を示すSEM顕微鏡写真(倍率5,400×)である。 図4Aのスピノーダル構造の破壊表面を示すSEM顕微鏡写真(倍率13,500×)である。 図4Aのスピノーダル構造の他の破壊表面を示すSEM顕微鏡写真(倍率4,100×)である。
Co75Si1510のスピノーダル微細構造の一部を示すSEM顕微鏡写真(倍率34,000×)である。 図5Aのスピノーダル構造の他の一部を示すSEM顕微鏡写真(倍率2,000×)である。 図5Aのスピノーダル構造の他の一部を示すSEM顕微鏡写真(倍率5,400×)である。 図4Aのスピノーダル構造の破壊表面を示すSEM顕微鏡写真(倍率1,400×)である。 Fe8218のスピノーダル構造の一部を示すSEM顕微鏡写真(倍率4,100×)である。 図6Aのスピノーダル構造の破壊表面を示すSEM顕微鏡写真(倍率9,500×)である。

Claims (69)

  1. 合金を形成すること;
    該合金を精製すること;および
    少なくとも1つの延性サブネットワーク構造を含む、該合金のネットワーク構造を形成すること
    を含む、方法。
  2. 形成された合金が、約0.35以上のT対T比を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 形成された合金が、約0.49以上のT対T比を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 形成された合金が、金属および半金属を含む、請求項2に記載の方法。
  5. 合金を精製することが、
    合金を加熱して、溶融合金を形成すること;および
    該溶融合金をフラックス材料と接触させること
    を含む、請求項4に記載の方法。
  6. ネットワーク構造を形成することが、溶融合金を冷却することを含む、請求項2に記載の方法。
  7. 溶融合金を冷却することが、溶融合金を過冷却することを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 溶融合金を、約100K〜約500KのΔTに冷却する、請求項7に記載の方法。
  9. 形成された合金が、Fe、Co、Cu、Ni、Pd、Pt、Mn、Al、Ti、Zr、Cr、Wおよびこれらの組合せからなる群から選択される金属を含む、請求項4に記載の方法。
  10. 形成された合金が、Fe、Co、Niおよびこれらの組合せからなる群から選択される金属を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 形成された合金がNiを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 形成された合金がCoを含む、請求項10に記載の方法。
  13. 形成された合金がFeを含む、請求項10に記載の方法。
  14. 形成された合金が、B、Si、Cおよびこれらの組合せからなる群から選択される半金属を含む、請求項4に記載の方法。
  15. 形成された合金が、Ge、P、Sおよびこれらの組合せからなる群から選択される非金属をさらに含む、請求項4に記載の方法。
  16. 半金属がCである、請求項14に記載の方法。
  17. 形成された合金が、C、Siおよびこれらの組合せからなる群から選択される元素を含む、請求項10に記載の方法。
  18. 形成された合金がさらにGeを含む、請求項15に記載の方法。
  19. 合金を、B、ガラス、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化リチウムおよびこれらの組合せからなる群から選択されるフラックス材料と接触させる、請求項5に記載の方法。
  20. 合金を、B、ガラスおよびこれらの組合せからなる群から選択されるフラックス材料と接触させる、請求項19に記載の方法。
  21. 合金をBと接触させる、請求項20に記載の方法。
  22. 合金をガラスと接触させる、請求項20に記載の方法。
  23. 合金およびフラックス材料を約1,000℃より高い温度に加熱することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  24. 合金を容器の第1の部分中に入れること;
    容器の第1の部分を真空下で加熱し、合金を溶融して容器の第2の部分中に流入させること;および
    容器の第2の部分を冷却すること
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  25. 約50ミクロン以下の固相λを有するネットワーク構造が形成される、請求項1に記載の方法。
  26. 約10ミクロン以下の固相λを有するネットワーク構造が形成される、請求項25に記載の方法。
  27. 約300nm以下の固相λを有するネットワーク構造が形成される、請求項26に記載の方法。
  28. 約100nm以下の固相λを有するネットワーク構造が形成される、請求項27に記載の方法。
  29. 液体状態において正の混合熱を含む合金が、偏晶合金、共晶合金および包晶合金の1種である、請求項1に記載の方法。
  30. 実質的に等しい液相λおよび固相λを有するスピノーダル構造が形成される、請求項25に記載の方法。
  31. 実質的に等しい液相λおよび固相λが、結晶化が開始される位置にある、請求項30に記載の方法。
  32. 合金が、液体状態における正の混合熱を含む少なくとも2種の構成成分から形成される、請求項1に記載の方法。
  33. 液体状態が準安定である、請求項32に記載の方法。
  34. 液体状態が安定である、請求項32に記載の方法。
  35. 延性スピノーダル構造を含む、金属複合材料。
  36. スピノーダル構造がコヒーレントな粒界を含む、請求項35に記載の金属複合材料。
  37. 複合材料がバルク材料である、請求項35に記載の金属複合材料。
  38. スピノーダル構造が約50ミクロン以下の液相λを有する、請求項37に記載の金属複合材料。
  39. スピノーダル構造が約50ミクロン以下の固相λを有する、請求項37に記載の金属複合材料。
  40. スピノーダル構造が、実質的に等しい液相λおよび固相λを有する、請求項38に記載の金属複合材料。
  41. 金属および半金属をさらに含む、請求項35に記載の金属複合材料。
  42. 金属が、Fe、Co、Cu、Ni、Pd、Pt、Mn、Al、Ti、Zr、Cr、W、これらの組合せからなる群から選択される、請求項41に記載の金属複合材料。
  43. 金属が、Fe、Co、Niおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項42に記載の金属複合材料。
  44. 金属がNiである、請求項43に記載の金属複合材料。
  45. 金属がCoである、請求項43に記載の金属複合材料。
  46. 金属がFeである、請求項43に記載の金属複合材料。
  47. 半金属が、B、Si、Cおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項41に記載の金属複合材料。
  48. Ge、P、Sおよびこれらの組合せをさらに含む、請求項41に記載の金属複合材料。
  49. 半金属が、C、Siおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項47に記載の金属複合材料。
  50. Siをさらに含む、請求項42に記載の金属複合材料。
  51. Cをさらに含む、請求項42に記載の金属複合材料。
  52. 約0.35以上のT対T比をさらに含む、請求項42に記載の金属複合材料。
  53. 約0.49以上のT対T比をさらに含む、請求項52に記載の金属複合材料。
  54. 請求項34に記載の金属複合材料を含む、金属物品。
  55. 物品が球形の形状を有する、請求項54に記載の金属物品。
  56. 球形の形状が約1インチ以下の直径を有する、請求項55に記載の金属物品。
  57. 球形の形状が約2cm以下の直径を有する、請求項56に記載の金属物品。
  58. 球形の形状が約1cm以下の直径を有する、請求項57に記載の金属物品。
  59. 球形の形状が約5mm以下の直径を有する、請求項58に記載の金属物品。
  60. 球形の形状が約0.1mmの直径を有する、請求項59に記載の金属物品。
  61. 物品がさらに共晶組織を含む、請求項54に記載の金属物品。
  62. 金属物品がナノ構造の複合材料である、請求項54に記載の金属物品。
  63. 金属複合材料を形成する方法であって、
    合金を形成すること;
    該合金を精製すること;
    1または2以上のスピノーダルを形成すること;および
    前記1または2以上のスピノーダルを加熱して、1または2以上の脆性スピノーダルの少なくとも1つを1または2以上の延性相に変換すること、
    を含む、前記方法。
  64. 1または2以上のスピノーダルを形成することが、1または2以上の脆性スピノーダルを形成することを含む、請求項63に記載の方法。
  65. 1または2以上の延性相が相互連結されている、請求項63に記載の方法。
  66. 1または2以上の延性相が部分的に相互連結されている、請求項65に記載の方法。
  67. 1または2以上の延性相が実質的に完全に相互連結されている、請求項65に記載の方法。
  68. 1または2以上の延性相が脆性相と相互連結されている、請求項65に記載の方法。
  69. 1または2以上の延性相が分離したクラスターである、請求項63に記載の方法。
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