JP2008534009A - 大腸癌診断用の多重snp、それを含むマイクロアレイ及びキット、並びにそれを利用した大腸癌の診断方法 - Google Patents
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Abstract
大腸癌診断用の多重SNP、それを含むマイクロアレイ及びキット及びそれを利用した大腸癌の診断方法に関する。これにより、大腸癌の発病または発病可能性を早期に効果的に診断しうる。
Description
関連出願
本出願は、2005年4月1日に韓国工業所有権庁に出願した韓国特許出願第10−2005−002753号の利益を主張し、そこでの開示は、参照により本願に引用される。
本出願は、2005年4月1日に韓国工業所有権庁に出願した韓国特許出願第10−2005−002753号の利益を主張し、そこでの開示は、参照により本願に引用される。
本発明は、大腸癌診断用の多重一塩基多型(SNP)、それを含むマイクロアレイ及びキット、並びにそれを利用した大腸癌の診断方法に関する。
全ての生物のゲノムは、進化の過程で子孫の核酸配列に変異体を発生させる自発的な突然変異を経る(非特許文献1)。変異体は、子孫の形態に比べて、進化学的に利益または不利益をもたらす場合もあれば、どちらともいえない場合もありうる。ある場合には、変異体が致死的な不利益をもたらし、子孫に受け継がれない場合もある。他の場合には、変異体が種に進化学的な利益をもたらし、結果として、種の大部分のDNAに組み込まれて効果的に先祖の形態となる。多くの場合、先祖の形態及び変異体は、共に生き残って種集団において共存する。配列が複数形態で共存することによって、多型が発生する。
いくつかの多型のタイプが知られており、その中には、制限酵素断片長多型(RFLP)、短塩基対反復(STR)、一塩基多型(SNP)などが含まれる。このうち、SNPは、同じ種の個体間の単一ヌクレオチドの変異の形態をとる。SNPがコーディング領域内の配列に発生すると、多型の形態の中には、同義でないアミノ酸を生じ、結果として、欠陥があるかまたは変異した蛋白質が発現しうる。他方、SNPがタンパク質の非コーディング領域内の配列に発生すると、これらの多型の中には、例えば、欠陥のあるスプライシングの結果として、欠陥があるか、または変異した蛋白質の発現を招くものもある。その他のSNPは、表現型に何らの影響も及ぼさない。
SNPは、人間の場合、1,000bpごとに1回の頻度で発生すると推定される。このようなSNPが疾病のような表現型を誘発する場合、前記SNPを含むポリヌクレオチドは、前記疾病の診断用プライマーまたはプローブとして使われうる。前記SNPに特異的に結合するモノクローナル抗体も、疾病の診断に使われうる。現在、色々な研究機関でSNPを有するヌクレオチド配列やSNPの機能に関する研究を行っている。同定された人間のSNPの塩基配列及びその他の実験結果はデータベース化して公開され、容易に利用可能となっている。
これまでに利用可能となった発見が、人間のゲノムまたはcDNA上に特異的なSNPが存在するということを示しているとしても、SNPが表現型に及ぼす影響は未だ明らかにされていない。大部分のSNPの機能は、未だに発見されていないのである。
大腸癌のほとんどは、病理学的にいえば腺癌であり、癌が発生する部位別には、結腸癌と直腸癌とに大別される。直腸癌の発生が約50%と最も多い。最近の研究によれば、食習慣の変化により、韓国でも大腸癌の発生率とそれによる死亡率とが顕著に上昇している。前記大腸癌の発生率は、1995年から2002年までに420%上昇して、癌の種類のうち最も頻発するタイプとなった(非特許文献2)。
大腸癌の原因はまだ不明であるが、遺伝的な要因、高脂肪及び低繊維質の食事に関連した食習慣、並びに炎症性腸疾患が誘因となっている。大腸癌は、全ての年齢層で発生しうる。年齢が増加するにつれて発生頻度が高まり、50〜70代で頻繁に発生する。男女の発生比をみると、結腸癌は女子、直腸癌は男子でより高く発生する。
大腸癌の治療は、外科的な切除術を基礎として、抗癌化学療法及び放射線療法が併行してなされる。手術的な療法、抗癌化学療法及び放射線療法などの進歩にもかかわらず、一旦癌が発病してしまえば、予後診断における劇的な進展はなされていない。5年生存率の平均は、1期の場合に90%以上、2期の場合に70%以上、3期の場合に50%以上、そして4期の場合には5%以下である(非特許文献3)。
上記したように、大腸癌をできるだけ早期に発見及び治療するほど、生存率が顕著に上昇するということが分かる。したがって、大腸癌の早期診断方法が緊急に必要とされている。大腸癌の診断は、大腸の疾病と関連した症状を示す患者に直腸手診検査、糞便潜血検査及び大腸照影術をすることによって行われている。また、必要に応じてS状結腸鏡検査及び結腸鏡検査を通じた組織検査が行われる。
しかし、上記のような従来の方法では、診断の正確度が低いだけでなく、大腸癌が発病する前に早期診断をすることができず、検査を受ける被検者にとって満足なものとはいえない。
本発明者は、上記した従来技術の問題点を解決するために研究を続けた結果、大腸癌が発病する個体は全て、特定の同じSNPを有しており、多重SNPを利用して大腸癌の発病の可能性及び遺伝的な感受性を予測できるということを確認し、本発明を完成した。
Gusella,Ann.Rev.Biochem.55,pp831−854,1986 2003健康保険統計年報,韓国国民健康保険公団発刊 2004癌情報,国立癌センター発刊
Gusella,Ann.Rev.Biochem.55,pp831−854,1986 2003健康保険統計年報,韓国国民健康保険公団発刊 2004癌情報,国立癌センター発刊
発明の要約
本発明の目的は、大腸癌診断用の多重一塩基多型(SNP)を提供することである。
本発明の目的は、大腸癌診断用の多重一塩基多型(SNP)を提供することである。
本発明の他の目的は、前記多重SNPのポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記ポリヌクレオチド、それによりコードされるポリペプチド、及びそのcDNAを含む、大腸癌診断用のマイクロアレイを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記マイクロアレイを含む大腸癌診断用キットを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記多重SNPを利用して大腸癌を診断する方法を提供することである。
本発明の目的を達成するために、本発明は、配列番号1〜31のヌクレオチド配列から選択される、それぞれが10以上のコンティグ塩基及び101番目の塩基を含む一以上のポリヌクレオチド、及び相補的なポリヌクレオチドを含む、大腸癌診断用の多重SNPを提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、前記ヌクレオチド配列のポリヌクレオチド、または前記ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドを提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、前記ヌクレオチド配列のポリヌクレオチド、その相補的なポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドのうちの一とハイブリダイズするポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドのうちの一によりコードされるポリペプチド、またはそのcDNAを含む、大腸癌診断用のマイクロアレイを提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、前記マイクロアレイを含む大腸癌診断用キットを提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、被験者からDNAを単離する段階と、前記DNAの多型部位の塩基配列を決定する段階と、前記被検者が大腸癌を発病しているか、または大腸癌の発病可能性が高いと判定する段階と、を含む大腸癌の診断方法を提供する。
本発明の上記実施形態及び有利な効果は、詳細に実施例を述べることにより、より明らかになるであろう。
本発明の一実施形態による大腸癌診断用の多重SNPは、配列番号1〜31のヌクレオチド配列から選択される、それぞれが10以上のコンティグ塩基及び101番目の塩基を含む一以上のポリヌクレオチド、または前記ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドを含む。
SNPは、個体のDNAにおいて、1kbごとに見られるDNA配列多型の中で、最も多く存在する一塩基対変異である。
本発明による大腸癌診断用の多重SNPは、配列番号1〜31のヌクレオチド配列から選択される、それぞれが10以上のコンティグ塩基及び101番目の塩基を含む一以上のポリヌクレオチドの組み合わせとして、表2で示される番号1〜14のいずれかであることが好ましい。
本発明による大腸癌診断用の多重SNPにおいて、選択されたポリヌクレオチドの前記101番目の塩基の対立因子は、表3の遺伝子型を有することが好ましい。
National Center for Biotechnology InformationデータベースにおけるSNPのジーンバンク登録番号は、SNPの配列及び位置を示す。当業者ならば、前記ジーンバンク登録番号を利用してSNPの位置及び配列を容易に確認可能である。NCBIに登録されているSNPのrs番号に対応する特異的な配列は、経時的に若干変更されうる。対応するrs番号が変更になったとしても、本発明の範囲が前記変更された配列も含むのは、当業者にとって自明なことである。前記配列番号1〜31のヌクレオチド配列は、前記rs1402026、rs1485217、rs1177619、rs1996489、rs1334856、rs2295706、rs158240、rs1191354、rs1028586、rs317913、rs1486945、rs1025882、rs1511045、rs954881、rs731132、rs1901223、rs1182477、rs1041316、rs1416095、rs1020922、rs1583697、rs992922、rs566419、rs1877290、rs9875627、rs1741621、rs310606、rs1504299、rs12632390、rs1408889及びrs225403のSNP(各101番目の位置)の塩基配列を含むポリヌクレオチドでもある。前記ポリヌクレオチド、及び前記ポリヌクレオチドに存在するSNPの特性に関しては、下記表4に記載されている。
前記配列番号1〜31のヌクレオチド配列は多型配列である。多型配列とは、SNPを表す多型部位を含むポリヌクレオチド配列をいう。前記ポリヌクレオチド配列は、DNAまたはRNAがありうる。
本実施形態の多重SNPは、配列番号1〜31のポリヌクレオチド配列から選択される、表1に記載されている単一のSNP、すなわち、それぞれが10以上のコンティグ塩基及び101番目の塩基を含むポリヌクレオチドである。
表4における‘多重SNPの組み合わせ中の関与数’欄は、単一のSNPが本発明による14の多重SNPの組み合わせに関与した回数を表す(表1参照)。
‘遺伝子’欄は、前記SNPを含む遺伝子を意味する。
‘SNPの機能’欄は、前記遺伝子内で単一のSNPが果たす役割を意味する。
‘染色体番号’欄は、単一のSNPが位置する染色体の番号を意味する。
本発明による多重SNPは、単一のSNPを組み合わせた14の多重SNPのうちの1つでありうる。前記組み合わせ及びそれらの遺伝子型は、表2及び表3に開示されている。表3における‘多重SNP’欄は、4つの選択された単一のSNPの組み合わせを表す。‘対立因子’欄は、多重SNPの配列番号の順序での単一のSNPの位置における対立因子の塩基を表す。例えば、表3の番号1において、rs1402026の対立因子型はA1A2またはA2A2であり、rs1177619の対立因子型はA1A1であり、rs1191354の対立因子型はA1A1またはA1A2であり、rs731132の対立因子型はA1A1またはA1A2である。
本発明の一実施形態では、大腸癌の高い発生率と関連する単一のSNP群、すなわち多重SNPを発見するために、一連の選別が行われた。前記多重SNPの選別は、男性の被験者で行われた。大腸癌患者及び正常人の血液からDNAを単離及び増幅した後、大腸癌患者で特に現れたが正常人では現れなかった、特異的なSNPの組み合わせ及びそれらの遺伝子型が同定された。この同定されたSNPの組み合わせ及びそれらの遺伝子型を、表2及び表3に表した。前記多重SNPの特性に関しては、下記表5に記載されている。
表5における‘番号’欄は、表2に記載されている番号に対応する。
‘患者群の出現頻度’欄は、247人の検査された患者のうち、前記多重SNPを有する患者の数を表す。‘正常群の出現頻度’欄は、295人の検査された正常人のうち、前記多重SNPを有する正常人の数を表す。
‘患者群の累積的出現頻度’欄は、247人の検査された患者のうち、該当する多重SNPまたは先行番号(preceding No.)の多重SNPを有する患者の数を表す。‘正常群の累積的出現頻度’欄は、295人の検査された正常人のうち、該当する多重SNPまたは先行番号(preceding No.)の多重SNPを有する正常人の数を表す。2以上の多重SNPを有している患者が多いため、前記累積的出現頻度は線形ではない。表5に表したように、14の多重SNPのうち一つ以上を有している患者は、247人のうち177人であるということが分かる。
‘オッズ比’欄は、正常群のうち前記多重SNPを有する確率に対する、患者群のうち前記多重SNPを有する確率の比を表す。すなわち、オッズ比は、ad/bcであって、前記式で、aは、患者群での多重SNPの出現頻度を表し、cは、正常群での多重SNPの出現頻度を表し、b=[(検査された患者の総数)−a]であり、d=[(正常で羅患していない人の総数)−c]である。検査された患者及び正常な人がそれぞれ247人及び295人であるので、結局、b=[247−a]であり、d=[295−c]である。
前記オッズ比が1を超える場合、前記多重SNPと前記患者群との間には相関性がある。オッズ比が大きいほど前記相関性も増加する。表5に表したように、本発明の実施形態による多重SNPの番号1〜14は、3.32〜36.08のオッズ比を有する。この数値は、1よりはるかに大きい数値であるので、本発明の実施形態による多重SNPの番号1〜14と大腸癌の発病とは緊密な相関性があるということが分かる。
‘95%信頼区間’欄または‘99%信頼区間’欄は、その区間が実際のオッズ比を含む確率がそれぞれ95%及び99%であることを表すものであって、下記の式で計算される。1が前記信頼区間を含む場合、すなわち、前記信頼区間の下限が1未満であり、上限が1を超える場合には、前記多重SNPと大腸癌との相関性はないということが分かる。
前記式で、V=1/a+1/b+1/c+1/dである。
前記式で、V=1/a+1/b+1/c+1/dである。
前記‘並べかえテスト’欄は、既に求めた前記多重SNPのオッズ比が、偶然測定された値であるか、実際にそのような数値を有しているか否かを確認するために行われる。 ‘期待値(E)’欄は、オッズ比が該当値より高い遺伝子型の期待される数を表す。前記‘観測値(O)’欄は、オッズ比が該当値より高い遺伝子型の実際に観測された数を表す。また、‘比率(O/E)’欄は、前記期待値に対する前記観測値の比を表すものである。前記比(O/E)が1以上であれば、当該分析が有意であるということを意味する。表5から分かるように、多重SNPは有意であることが証明された。
本発明の実施形態による大腸癌診断用の多重SNPは、前記多重SNPのうちの一を含み、さらに好ましくは2以上の多重SNPを含み、例えば、番号1〜14の多重SNP全てを含む。
大腸癌診断用の多重SNPに含まれる単一のSNPを有するポリヌクレオチドは、10以上のコンティグ塩基を含むことができ、例えば10〜100のコンティグ塩基を含む。
本発明の他の実施形態による大腸癌診断用のポリヌクレオチドは、本発明の一実施形態によるポリヌクレオチドまたはその相補的なポリヌクレオチドとハイブリダイズしうる。
本発明の他の実施形態による大腸癌診断用のマイクロアレイは、本発明の一実施形態によるポリヌクレオチド若しくはその相補的なポリヌクレオチド、それらのうちの1つとハイブリダイズするポリヌクレオチド、それらのうちの1つによりコードされるポリペプチド、またはそのcDNAを含む。
本発明の一実施形態によれば、前記マイクロアレイは、本発明の一実施形態によるポリヌクレオチドまたはその相補的なポリヌクレオチド、プローブとハイブリダイズするポリヌクレオチド、それらによりコードされるポリペプチド、またはそのcDNAを利用して、当業者に知られている従来の方法を用いて製造されうる。
すなわち、前記ポリヌクレオチドは、アミノ−シラン、ポリ−L−リシン及びアルデヒドの中から選択される活性基でコーティングされた基板上に固定されうる。また、前記基板は、シリコンウエハー、ガラス、石英、金属またはプラスチックから形成されうる。前記ポリヌクレオチドを前記基板上に固定化させる方法としては、圧電方式を利用したマイクロピペッティング法、またはピン状のスポッターを利用した方法のいずれかが使用可能である。
本発明の一実施形態による大腸癌診断用のキットは、前記マイクロアレイを含む。
前記キットは、被検者から前記SNPを含むDNAを単離及び増幅するのに使われるプライマーセットをさらに含む。適当なプライマーセットは、本発明の実施形態の配列を参照して、当業者が容易に設計しうる。例えば、前記プライマーセットとして、表6に示されたものを利用しうる。
本発明の他の実施形態による大腸癌を診断する方法は、本発明による多重SNPを用いる。
診断する方法は、被験者からDNAを単離する段階と、前記DNAの多型部位の塩基配列を決定する段階と、前記塩基配列が前記表3における一以上の多重SNPを含む場合、前記被検者が大腸癌を発病しているか、または大腸癌の発病可能性が高いと判定する段階と、を含む。
DNAの単離は、当業者に公知の方法を用いて行うことができる。例えば、組織または細胞からDNAを直接的に精製するか、PCRのような増幅方法を用いて特定の領域を特異的に増幅し、これを単離することがありうる。本明細書において、「DNA」とは、DNAだけでなく、mRNAから合成されるcDNAも含む意味である。被検者から核酸を得る段階は、例えば、PCR増幅、リガーゼ連鎖反応(LCR)(Wu及びWallace,Genomics 4,560(1989)、Landegrenら、Science 241、1077(1988))、転写増幅(Kwohら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86、1173(1989))、自家維持配列複製(Guatelliら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87、1874(1990))、及び核酸配列に基づく配列増幅(NASBA)のいずれかが用いられうる。
単離されたDNAの塩基配列の決定は、当業者に公知の多様な方法によってなされうる。例えば、核酸のヌクレオチドの場合、ジデオキシ法を用いたダイレクトシークエンシングが利用できる。また、SNP部位の配列を含むプローブまたはその相補的なプローブと前記DNAとをハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーションの程度を測定することによって、多型部位のヌクレオチド配列を決定することができる。ハイブリダイゼーションの程度は、例えば、検出可能な標識で標的DNAを標識し、ハイブリダイズされた標的のみを特異的に検出する方法によって測定されてもよいし、電気的信号の検出方法によって測定されてもよい。前記塩基配列を決定する段階は、前記被検者から単離されたDNAを本発明の一実施形態によるマイクロアレイにハイブリダイズさせる段階と、非特異的な反応を除去するために洗浄する段階と、前記ハイブリダイゼーションの程度を決定する段階とを含みうる。
被験者から単離された核酸中に、表3に表した一以上の多重SNPが含まれる場合、前記被験者は大腸癌患者であるか、または大腸癌を発病する確率が高いと判定される。
以下、本発明を実施例を通じてさらに詳細に説明する。しかし、これら実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
多重SNPの選別
大腸癌患者と診断されて治療中の患者群、及び大腸癌症状のない正常群のそれぞれの血液中の白血球からDNAを単離し、その後、特定のSNPの出現頻度を分析した。前記患者群及び正常群は共に韓国人からなる。本実施例のSNPは、公開データベース(NCBI dbSNP:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/)またはシーケノム社のウェブサイト(http:://www.realsnp.com/)のいずれかから選択された。前記SNPから近接した位置に設計したプライマーを利用して試料中のSNPを分析した。
多重SNPの選別
大腸癌患者と診断されて治療中の患者群、及び大腸癌症状のない正常群のそれぞれの血液中の白血球からDNAを単離し、その後、特定のSNPの出現頻度を分析した。前記患者群及び正常群は共に韓国人からなる。本実施例のSNPは、公開データベース(NCBI dbSNP:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/)またはシーケノム社のウェブサイト(http:://www.realsnp.com/)のいずれかから選択された。前記SNPから近接した位置に設計したプライマーを利用して試料中のSNPを分析した。
1−1.DNA試料の調製
大腸癌患者と診断されて治療中の247人からなる韓国人の患者群、及び大腸癌症状のない295人からなる韓国人の正常群のそれぞれの血液からDNAを抽出した(患者群の血液:MyDNA(www.biobank.co.kr/korea/ma/mydna.shtml)、正常群の血液:三星医療センター(www.smc.or.kr))。染色体DNAの抽出は、公知の分子クローニング抽出方法(molecular cloning extraction method)(A Laboratory Manual、p392、Sambrook、Fritsch and Maniatis、2nd edition、Cold Spring Harbor Press、1989)及び商業上利用可能なキット(Gentra system、D−50K)の説明書を用いてなされた。UV(260/280nm)を用いて測定された、1.7以上の純度を有するDNAのみが、前記抽出したDNAから選択され、使用された。
大腸癌患者と診断されて治療中の247人からなる韓国人の患者群、及び大腸癌症状のない295人からなる韓国人の正常群のそれぞれの血液からDNAを抽出した(患者群の血液:MyDNA(www.biobank.co.kr/korea/ma/mydna.shtml)、正常群の血液:三星医療センター(www.smc.or.kr))。染色体DNAの抽出は、公知の分子クローニング抽出方法(molecular cloning extraction method)(A Laboratory Manual、p392、Sambrook、Fritsch and Maniatis、2nd edition、Cold Spring Harbor Press、1989)及び商業上利用可能なキット(Gentra system、D−50K)の説明書を用いてなされた。UV(260/280nm)を用いて測定された、1.7以上の純度を有するDNAのみが、前記抽出したDNAから選択され、使用された。
1−2.標的DNAの増幅
分析しようとする85のSNPを含む一定のDNA領域を有する標的DNAを、PCRを利用して増幅した。PCRは従来の方法を用いて行い、その条件は、下記の通りであった。まず、染色体DNAを2.5ng/mlの濃度まで希釈した。次いで、次のPCR反応液を調製した。
水(HPLCグレード) 2.24μl
10×バッファ(15mM MgCl2、25mM MgCl2含有) 0.5μl
dNTPミックス(GIBCO)(25mM/各) 0.04μl
Taq pol(HotStart)(5U/μl) 0.02μl
フォワード/リバース プライマーミックス(1μM/各) 0.02μl
DNA 1.00μl
総反応体積 5.00μl
ここで、前記フォワード及びリバースプライマーは、公知のデータベースにより、SNPの上流及び下流において、適当な位置にそれぞれ選択した。85種類のプライマーセットのうち一部を表6に示す。
分析しようとする85のSNPを含む一定のDNA領域を有する標的DNAを、PCRを利用して増幅した。PCRは従来の方法を用いて行い、その条件は、下記の通りであった。まず、染色体DNAを2.5ng/mlの濃度まで希釈した。次いで、次のPCR反応液を調製した。
水(HPLCグレード) 2.24μl
10×バッファ(15mM MgCl2、25mM MgCl2含有) 0.5μl
dNTPミックス(GIBCO)(25mM/各) 0.04μl
Taq pol(HotStart)(5U/μl) 0.02μl
フォワード/リバース プライマーミックス(1μM/各) 0.02μl
DNA 1.00μl
総反応体積 5.00μl
ここで、前記フォワード及びリバースプライマーは、公知のデータベースにより、SNPの上流及び下流において、適当な位置にそれぞれ選択した。85種類のプライマーセットのうち一部を表6に示す。
PCRの熱サイクルは、95℃で15分間維持した後、95℃で30秒、56℃で30秒、72℃で1分間を計45回反復し、その後72℃で3分間維持し、4℃で保管した。その結果、200ヌクレオチド以下の長さを有する標的DNA断片を得た。
1−3.増幅された標的DNAについてのSNP分析
標的DNA断片についてのSNPの分析は、シーケノム社の均質的MassExtend(hME)技法を利用した。前記hME技法の原理は、次の通りである。まず、標的DNA断片のうち、SNPの直前までの塩基に相補的なプライマー(伸長プライマーともいう)を調製した。次いで、前記プライマーを標的DNA断片にハイブリダイズさせ、DNA重合反応を実行した。このとき、被験者のSNP対立因子のうち第1対立因子塩基(例えば、A対立因子)に相補的な塩基が添加された後に、反応を停止させる試薬(Termination mix:例えば、ddTTP)を前記反応液に添加した。その結果、標的DNA断片に前記第1対立因子(例えば、A対立因子)が存在する場合には、前記第1対立因子に相補的な一塩基(例えば、T)のみが付加された産物が得られる。一方、前記標的DNA断片に第2対立因子(例えば、G対立因子)が存在する場合には、第1対立因子塩基(例えば、A)まで伸長した前記第2対立因子に相補的な塩基(例えば、C)を有する産物を得た。このように得られた、前記プライマーから伸長した産物の長さを、質量分析を通じて決定することによって、標的DNAに存在する対立因子の型を決定しうる。具体的な実験条件は、次の通りであった。
標的DNA断片についてのSNPの分析は、シーケノム社の均質的MassExtend(hME)技法を利用した。前記hME技法の原理は、次の通りである。まず、標的DNA断片のうち、SNPの直前までの塩基に相補的なプライマー(伸長プライマーともいう)を調製した。次いで、前記プライマーを標的DNA断片にハイブリダイズさせ、DNA重合反応を実行した。このとき、被験者のSNP対立因子のうち第1対立因子塩基(例えば、A対立因子)に相補的な塩基が添加された後に、反応を停止させる試薬(Termination mix:例えば、ddTTP)を前記反応液に添加した。その結果、標的DNA断片に前記第1対立因子(例えば、A対立因子)が存在する場合には、前記第1対立因子に相補的な一塩基(例えば、T)のみが付加された産物が得られる。一方、前記標的DNA断片に第2対立因子(例えば、G対立因子)が存在する場合には、第1対立因子塩基(例えば、A)まで伸長した前記第2対立因子に相補的な塩基(例えば、C)を有する産物を得た。このように得られた、前記プライマーから伸長した産物の長さを、質量分析を通じて決定することによって、標的DNAに存在する対立因子の型を決定しうる。具体的な実験条件は、次の通りであった。
まず、前記PCR産物から、遊離状態のdNTPを除去した。このために、純水1.53μl、hMEバッファ0.17μl、SAP(Shrimp Alkaline Phosphatase)0.30μlを1.5mlのチューブに入れて混合してSAP酵素溶液を調製した。前記チューブを5,000rpmで10秒間遠心分離した。その後、前記PCR産物を前記SAP溶液チューブに入れ、密封した後に37℃で20分間、及び85℃で5分間維持した後、4℃で保管した。
次いで、前記標的DNA産物を鋳型として均質的な伸長反応を実行した。反応液は、次の通りであった。
水(ナノ級純水) 1.728μl
hME伸長ミックス(2.25mM d/ddNTPsを含む10×バッファー) 0.200μl
伸長プライマー(各100μM) 0.054μl
サーモシークエナーゼ(32U/μl) 0.018μl
総体積 2.00μl
前記反応液をよく混合した後、スピンダウン遠心分離した。前記反応液の入ったチューブまたはプレートをよく密封し、94℃で2分間維持した後、94℃で5秒、52℃で5秒、72℃で5秒を計40回反復し、その後4℃で保管した。このようにして得られた、均質的伸長反応産物をレジン(SpectroCLEAN,シーケノム社の#10053)で洗浄し塩を除去した。均質的伸長反応に使われた85種類の伸長プライマーのうち一部を表6に表す。
水(ナノ級純水) 1.728μl
hME伸長ミックス(2.25mM d/ddNTPsを含む10×バッファー) 0.200μl
伸長プライマー(各100μM) 0.054μl
サーモシークエナーゼ(32U/μl) 0.018μl
総体積 2.00μl
前記反応液をよく混合した後、スピンダウン遠心分離した。前記反応液の入ったチューブまたはプレートをよく密封し、94℃で2分間維持した後、94℃で5秒、52℃で5秒、72℃で5秒を計40回反復し、その後4℃で保管した。このようにして得られた、均質的伸長反応産物をレジン(SpectroCLEAN,シーケノム社の#10053)で洗浄し塩を除去した。均質的伸長反応に使われた85種類の伸長プライマーのうち一部を表6に表す。
得られた伸長反応産物について、MALDI−TOF(Matrix Assisted Laser Desorption and Ionization−Time of Flight)を利用した質量分析を実行して、多型性部位の配列を決定した。前記MALDI−TOFでは、分析しようとする物質がレーザビームを受ければ、イオン化されたマトリックス(3−ヒドロキシピコリン酸)と共に真空状態で検出器まで飛行する。検出器まで飛行するのにかかる時間を計算して質量を決定した。質量が小さな物質は、大きな物質よりも検出器に速く到達できる。このように得られる質量と既知のSNPを有するヌクレオチド配列との差に基づき、標的DNA中のSNPのヌクレオチド配列を決定しうる。
前記MALDI−TOFを利用した標的DNAのSNPを有するヌクレオチド配列を決定した結果を、表1〜3に示した。このとき、各対立因子は、各個体においてホモ接合体またはヘテロ接合体の形態に存在しうる。メンデルの遺伝法則とハーディ・ワインバーグ法則とによれば、集団を構成する対立因子の遺伝子構造は、一定の頻度で維持される。前記遺伝子構造が統計的に有意な場合、生物学的に意義のあるものと考慮されうる。本発明の実施形態によるSNPは、大腸癌患者から統計的に有意なレベルで出現するため、大腸癌の診断に効果的に利用可能である。
1−4.多重SNPの選別
247人の大腸癌患者と295人の正常人のうち、分析された85のSNP配列を基礎として、大腸癌患者で頻繁に発見されるSNPの組み合わせ、すなわち、多重SNPを選別した。
247人の大腸癌患者と295人の正常人のうち、分析された85のSNP配列を基礎として、大腸癌患者で頻繁に発見されるSNPの組み合わせ、すなわち、多重SNPを選別した。
まず、前記85のSNP配列のうち、1〜4個の組み合わせからなる多重SNPの数は、約1.4×109個であることを確認した。
1次スクリーニング後、遺伝子型比が2以上であり、遺伝子型の差が0.1×(患者の総数)で算出される値かそれ以上の値である、約13,300の多重SNPを選別した。
2次スクリーニングにおいて、下記の式で計算されるオッズ比、その95%信頼区間及び99%信頼区間を利用した。前記オッズ比はad/bcで定義され、a、b、c及びdは表7で定義されている。オッズ比が1を超える場合、前記遺伝子型と大腸癌とは相関性があるということを意味する。
前記式で、V=1/a+1/b+1/c+1/dである。
上記で選別された13,300個の多重SNPのうち、前記95%信頼区間が1.5以上という低い範囲を有する多重SNPを選別し、前記オッズ比が3.0以上である多重SNPを選別した後、前記99%信頼区間が1.5以上という低い範囲を有する多重SNPを選別することにより、9,819の多重SNPを選別した。前記オッズ比、並びに前記95%信頼区間及び前記99%信頼区間についての低い範囲が1.0を超えれば、結果は統計的に有意である。しかし、最も効果的なマーカーを選択するために、要求される基準値をそれぞれ1.5、3.0及び1.5と設定した。
前記9,819の多重SNPのうち、最適化方法のうちの一つであるグリーディー法(Cormen et al.,“Introduction to Algorithms”、MIT Press、2001)を利用して14の多重SNPを選別したが、前記14の多重SNPは、少数の単一のSNPからなり、それぞれが高いオッズ比、すなわち、患者群に対する高いカバレージ、かつ正常群に対する低いカバレージを有する。前記14の多重SNPは、表1に示されている。
実施例2
SNPが固定されたマイクロアレイの製作
上記で選別されたSNPを基板上に固定してマイクロアレイを製作した。すなわち、表2の番号1〜14が有する多重SNPは前記基板上で固定化されるが、前記多重SNPは、表1に表した各ポリヌクレオチドから選択される、20のコンティグ塩基及び各101番目の塩基を含む一以上のポリヌクレオチドの組み合わせであり、ここで、前記SNPは、11番目のヌクレオチドに位置し、前記選択されたポリヌクレオチドのうち各101番目の塩基の対立因子の遺伝子型が表3に示された遺伝子型である。
SNPが固定されたマイクロアレイの製作
上記で選別されたSNPを基板上に固定してマイクロアレイを製作した。すなわち、表2の番号1〜14が有する多重SNPは前記基板上で固定化されるが、前記多重SNPは、表1に表した各ポリヌクレオチドから選択される、20のコンティグ塩基及び各101番目の塩基を含む一以上のポリヌクレオチドの組み合わせであり、ここで、前記SNPは、11番目のヌクレオチドに位置し、前記選択されたポリヌクレオチドのうち各101番目の塩基の対立因子の遺伝子型が表3に示された遺伝子型である。
まず、前記各ポリヌクレオチドのN−末端をアミン基に置換した後、シリル化スライド(Telechem社)上にスポットし、このとき、2×SSC(pH7.0)のスポッティングバッファーを使用した。スポット後に、乾燥器中で結合を誘導し、0.2%SDSで2分間及び3回蒸溜水で2分間洗浄して、遊離のオリゴヌクレオチドを除去した。95℃まで2分間スライドの温度を上昇させることによって誘発された変性を利用し、ブロッキング溶液(1.0g NaBH4、PBS(pH7.4)300mL、EtOH 100mL)で15分間、0.2%SDS溶液で1分間、及び3回蒸溜水で2分間洗浄し、その後常温で乾燥させることによってマイクロアレイを製作した。
実施例3
マイクロアレイを利用した大腸癌診断
前記実施例1−1及び1−2で説明した方法を利用して、大腸癌の発病または発病可能性を診断するための被験者の血液から標的DNAを単離し、蛍光標識した。UniHybハイブリダイゼーション溶液(TeleChem社)中で、42℃で4時間の条件下、前記実施例2で製作されたマイクロアレイと、前記蛍光標識した標的DNAとをハイブリダイズした。2×SSCを用いて室温で5分間の洗浄を2回行い、空気中で乾燥させた。乾燥したスライドをスキャンアレイ5000(GSI Lumonics社)を用いてスキャンした。スキャンした結果をクワントアレイ(GSI Lumonics社)及びImaGeneソフトウェア(BioDiscover社)を用いて分析した。前記被験者が本発明の一実施形態による多重SNPを全部または一部有しているか否かを確認することによって、大腸癌の発病可能性及び大腸癌に対する感受性を測定した。
マイクロアレイを利用した大腸癌診断
前記実施例1−1及び1−2で説明した方法を利用して、大腸癌の発病または発病可能性を診断するための被験者の血液から標的DNAを単離し、蛍光標識した。UniHybハイブリダイゼーション溶液(TeleChem社)中で、42℃で4時間の条件下、前記実施例2で製作されたマイクロアレイと、前記蛍光標識した標的DNAとをハイブリダイズした。2×SSCを用いて室温で5分間の洗浄を2回行い、空気中で乾燥させた。乾燥したスライドをスキャンアレイ5000(GSI Lumonics社)を用いてスキャンした。スキャンした結果をクワントアレイ(GSI Lumonics社)及びImaGeneソフトウェア(BioDiscover社)を用いて分析した。前記被験者が本発明の一実施形態による多重SNPを全部または一部有しているか否かを確認することによって、大腸癌の発病可能性及び大腸癌に対する感受性を測定した。
本発明によるSNPは、大腸癌の発病または発病可能性を効果的に診断するために利用可能である。
本発明は、望ましい実施例を参照して説明されたが、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるということが分かるであろう。したがって、特許請求の範囲で規定される本発明の精神及び範囲を離れることなく決定されねばならない。
Claims (12)
- 番号1〜14の多重SNPからなる、請求項2に記載の多重SNP。
- 10〜100の前記コンティグ塩基を含む、請求項1に記載の多重SNP。
- 請求項1に記載のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、または前記ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチド。
- 請求項1または6に記載のポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、またはそのcDNAを含む、大腸癌診断用のマイクロアレイ。
- 前記ポリヌクレオチドは、アミノ−シラン、ポリ−L−リシン及びアルデヒドからなる群から選択される活性基でコーティングされた基板上に固定される、請求項7に記載のマイクロアレイ。
- 前記基板は、シリコンウエハー、ガラス、石英、金属及びプラスチックからなる群から選択される材料からなる、請求項8に記載のマイクロアレイ。
- 請求項7に記載のマイクロアレイを含む、大腸癌診断用キット。
- 被験者からDNAを単離する段階と、
前記DNAの多型部位の塩基配列を決定する段階と、
前記塩基配列が前記表3における多重SNPの一以上を含む場合、前記被検者が大腸癌を発病しているか、または大腸癌の発病可能性が高いと判定する段階と、を含む、大腸癌の診断方法。 - 前記塩基配列を決定する段階は、
前記単離されたDNAを請求項7に記載のポリヌクレオチドにハイブリダイズさせる段階と、
非特異的な反応を除去するために洗浄する段階と、
ハイブリダイゼーションの程度を決定する段階と、を含む、請求項11に記載の方法。
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