JP2008532503A - Mgc4504の使用 - Google Patents

Mgc4504の使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2008532503A
JP2008532503A JP2008500102A JP2008500102A JP2008532503A JP 2008532503 A JP2008532503 A JP 2008532503A JP 2008500102 A JP2008500102 A JP 2008500102A JP 2008500102 A JP2008500102 A JP 2008500102A JP 2008532503 A JP2008532503 A JP 2008532503A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mgc4504
protein
carbohydrate
fragment
activity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008500102A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4960951B2 (ja
JP2008532503A5 (ja
Inventor
マルク・ディートリッヒ・フォス
ゲーオルク・チャンク
マルクス・ヘルマン・コルン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanofi Aventis France
Original Assignee
Sanofi Synthelabo SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanofi Synthelabo SA filed Critical Sanofi Synthelabo SA
Publication of JP2008532503A publication Critical patent/JP2008532503A/ja
Publication of JP2008532503A5 publication Critical patent/JP2008532503A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4960951B2 publication Critical patent/JP4960951B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/566Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor using specific carrier or receptor proteins as ligand binding reagents where possible specific carrier or receptor proteins are classified with their target compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/06Antihyperlipidemics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/08Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
    • A61P3/10Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis for hyperglycaemia, e.g. antidiabetics
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K4/00Peptides having up to 20 amino acids in an undefined or only partially defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K4/12Peptides having up to 20 amino acids in an undefined or only partially defined sequence; Derivatives thereof from animals; from humans

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

本発明は、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性な物質を同定するための、MGC4504タンパク質、それらの機能的な誘導体もしくはフラグメント、または、前記タンパク質、誘導体もしくはフラグメントをコードする核酸の使用に関する。

Description

本発明は、医薬物質を同定するためのMGC4504の使用に関する。本発明のさらなる形態は、前記物質の同定方法、および、医薬品製造のためのMGC4504の使用に関する。
糖尿病とは、頻繁に起こる内分泌系の不全である。糖尿病という用語は、様々な形態のグルコースおよび脂質代謝の不全を含み、これらは共通して、相対的または絶対的なインスリン欠乏、加えてインスリン作用不全を有する。1型糖尿病は、インスリン欠乏と高血糖症を引き起こす自己免疫介在性の膵臓ベータ細胞の破壊である。最も一般的な形態であるII型糖尿病は、肥満症、インスリン耐性および代謝症候群に関連する脂質およびグルコース代謝の調節異常を特徴とする。最初のうちは、II型糖尿病の発症にはインスリン耐性が伴い、正常血糖や正常な膵インスリン分泌は伴わない。病気が進行すると、高血糖症や、膵臓ベータ細胞の質量の損失が伴い、最終的に、インスリン欠乏や高血糖症も生じる。米国では人口の6%を超える人々が糖尿病に罹っており(すなわち、2004年には1800万を超える人々が糖尿病に罹っている)、さらに、世界的に益々人数が増えると予測されることから、増加しつつある糖尿病患者は、彼らの生活の質が著しい影響を受けることに向き合わねばならない。加えて、糖尿病は、高い直接的および間接的なコストを伴う莫大な社会経済的な重荷をもたらす。
それゆえに、糖尿病に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防および/または治療するための新規の医薬物質に対する多大な必要性がある。
従って、本発明の目的は、糖尿病の予防および/または治療において活性な物質を同定する新規の手段を提供することである。
これは、グルコースまたは脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性な物質を同定するための、MGC4504タンパク質、それらの機能的な誘導体もしくはフラグメント、または、前記タンパク質、誘導体もしくはフラグメントをコードする核酸の使用によって達成される。
本発明は、本発明者等が、糖尿病、特にII型糖尿病の基礎となる病理学的過程において、MGC4504(Q9BUX1)が密接な関係している証拠を初めて提供したという結果に基づく。これまで、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病態、または、それらによって引き起こされる病態においてMGC4504が密接な関係を有する可能性を示す知見はなかった。インスリン耐性およびII型糖尿病の動物モデルにおいて、MGC4504の発現レベルが減少していることを示し、さらに、MGC4504の発現量が増加すると、細胞のインスリン感受性の増加が起こる実験的な証拠を提供することによって、本発明者等は、このような生理学的な環境におけるMGC4504の機能的な関連を初めて実証した。従って、MGC4504活性を調節することができる物質は、必然的に、これらのメカニズムの不全に関連する病気、または、それらによって引き起こされる病気の病理学的な状態や進行に対して基本的な影響を有するとみなされる。
MGC4504(trEMBLデータベースでの登録番号は、Q9BUX1)は、推定上のChac様ドメイン(アミノ酸32〜208)を含む222個のアミノ酸からなるタンパク質であるが、標準的な配列予測によれば膜貫通ドメインではない。MGC4504のアミノ酸配列は、ヒト、ラットおよびマウスで高度に保存されている(アミノ酸同一性が85%を超える)。これまで、文献では、MGC4504には分子機能が割り当てられていなかった。
MGC4504の遺伝子座は、第15染色体にある。MGC4504のゲノム配列は、NCBIヌクレオチドデータベースでAC_020661として公共的に利用可能である(配列番号3)。MGC4504のコードポリヌクレオチド配列は、NCBIヌクレオチド−データベースにおいて以下の登録番号で利用可能である:NM_024111(配列番号1)。誘導されたタンパク質配列も、NCBIヌクレオチド−データベースにおいて以下の同様の登録番号で利用可能である:NM_024111(配列番号2)。NCBIとは、国立バイオテクノロジー情報センター(National Centre for Biotechnology Information)のことである(郵便のあて先: National Centre for Biotechnology Information, National Library of Medicine, Building 38A, Bethesda, MD 20894, USA;インターネットアドレス:www.ncbi.nhm.nih.gov)。
本発明に係る使用は、グルコースまたは脂質代謝の不全に関連する病気を予防および/または治療するための新規の物質を同定することを可能にする。本発明に係る使用は、望ましい特徴を有する物質の同定を含み、加えて、すでにグルコースまたは脂質代謝の不全に関連する病気を予防および/または治療するのに有用であると同定された物質のさらなる特徴付けを含む(すなわち本発明に係る使用は、例えば化合物のスクリーニング、加えて化合物のプロファイリングに有用である)。
本発明の様々な形態に用いることができる物質は、どのような生物学的な物質もしくは化学物質、または、天然産物の抽出物でもよく、これらは、精製された、一部精製された、合成された、または、生化学または分子生物学的な方法によって製造されたものいずれでもよい。
炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性とみなされる物質は、本発明の様々な形態において、MGC4504の機能、または、細胞中のMGC4504の量もしくは定常状態のレベル、または、MGC4504発現のいずれか1種への影響を有する物質であればどのような物質でも可能である。
この目的を達成するために、該物質は、MGC4504の機能(例えば、以下で定義されるような機能)のいずれかを調節すればよい。該物質は、例えば、MGC4504ポリペプチド/タンパク質、または、それらのフラグメントとの直接的な相互作用や干渉によって、MGC4504タンパク質活性を調節することができる。また、該物質は、例えば転写(開始、伸長、プロセシングなど)、転写安定性、翻訳のレベルでMGC4504発現を調節するものでもよい。その上、該物質は、MGC4504の翻訳後修飾、タンパク質フォールディングなどを調節するものでもよい。該物質は、上記の作用を、直接的または間接的に働かせることができる(間接的とは、すなわちMGC4504機能/タンパク質活性/発現などに影響を有する天然のシグナル伝達カスケードに(正または負に)干渉することを意味する)。その上、該物質は、MGC4504活性を模擬する(すなわちそれらの機能/役割を代行する)ものでもよい。
MGC4504のフラグメントは、それに対応する野生型よりも短いポリペプチドまたはポリヌクレオチドであればどのようなものでもよく、例えば配列番号2のポリペプチド、または、配列番号1、配列番号3または配列番号14のポリヌクレオチドのいずれか1つに記載のホモサピエンス(hs)MGC4504よりも短いポリペプチドまたはポリヌクレオチドである。
MGC4504の誘導体、または、MGC4504のフラグメントの誘導体は、MGC4504ポリヌクレオチド、ポリペプチド、または、それらのフラグメントのあらゆる修飾型が可能である。誘導体は、例えば、アミノ酸またはヌクレオチド配列の修飾、または、その他のあらゆる種類の修飾、例えば化学的または生物学的な修飾、例えばポリペプチドまたはポリヌクレオチドを安定化させるような修飾(例えば、ホスホロチオアート修飾、またはその他の種類の核酸主鎖の修飾、または、アミノ酸間の結合を置換する修飾など)、または、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを所定の細胞に特異的に標的化させることを可能にする修飾、または、その細胞への侵入、または、細胞による摂取を容易にする修飾(例えば、細胞浸透性のペプチドベクター(例えばアンテナペディア/ペネトラチン(penetratin)、TATおよびシグナルペプチドに基づく配列をベースとしたベクター)への、細胞浸透性のホスホペプチドのオルトカップリング;または、特異的な輸送体または輸入体に関するリガンドの一部へのカップリング)を含む。
MGC4504の機能的なフラグメントとは、MGC4504の機能の少なくとも1種を示すあらゆるフラグメント(ポリペプチドまたはポリヌクレオチドのいずれか)である。
MGC4504の「機能的な誘導体」という用語は、MGC4504の機能の少なくとも1種を有する天然に存在する形態(ポリペプチドまたはポリヌクレオチドのいずれか)に対する、あらゆる種類のMGC4504の修飾を含む。また本発明は、MGC4504のフラグメントの機能的な誘導体も含む。
MGC4504の機能は、膵臓ベータ細胞からのインスリン放出を改善する/増加させる能力、細胞のシグナル伝達経路に影響を与えるインスリン刺激性のグルコース処理(例えば、グルコース摂取;グリコーゲン合成、および、インスリン感受性)を改善する/増加させる能力を含み、例えば、これらに限定されないが、インスリンシグナル伝達、または、インスリン作用(例えば、Aktリン酸化、GLUT4トランスロケーション、aPKC活性化;改善されたグルコース摂取をもたらす下流のシグナル伝達カスケードの活性化)が挙げられる。MGC4504の機能はまた、一般的に、MGC4504(タンパク質もしくは核酸)、または、それらのフラグメントの他の分子(これらに限定されないが、タンパク質、核酸、合成分子など)と相互作用する能力も含み、好ましくは、インスリン刺激性のグルコース摂取を増加させる能力に関する。
本発明の一形態は、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性な物質の同定方法に関し、本方法は、以下を含む:
a.MGC4504タンパク質と、試験物質とを接触させること;および、
b.該物質が、MGC4504タンパク質の活性を調節するかどうかを決定すること。
用語「MGC4504の活性」は、MGC4504タンパク質、ポリペプチド、または、それらのフラグメントのタンパク質活性(例えば、上記で定義された機能に関与する活性のいずれか1種)に関する。
ここにおいて、MGC4504活性を調節することができる物質は、本発明に関して、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性であるみなされる物質である。
本方法は、単離されたMGC4504、または、MGC4504を含む抽出物を用いた生化学分析であってもよいし、または、細胞レベルの分析であってもよい。
上記調節は、MGC4504活性の正の調節でもよいし、または負の調節でもよく、MGC4504タンパク質活性の(完全な、または、部分的な)活性化(すなわち活性の増加)、同様に、MGC4504タンパク質活性の(完全な、または、部分的な)不活性化を含む。本発明の様々な形態の好ましい実施態様によれば、MGC4504の調節は、活性化(すなわち活性の増加)である。
試験物質は、上記で定義されたような物質のいずれでもよい。
本発明のその他の形態は、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性な物質の同定方法に関し、本方法は、以下を含む:
a.MGC4504の量または活性が減少している細胞と、試験物質とを接触させること;
b.該試験物質が、該細胞中のMGC4504の量または活性を増加させることができるかどうかを決定すること。
ここにおいて、MGC4504の量または活性を検出可能に増加させることができる物質は、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性な物質とみなされる。
好ましい一実施態様によれば、該物質は、MGC4504の量または活性を十分に復活させることができる。
MGC4504の量または活性が減少している細胞は、例えば(すなわち、機能が低められた、または、発現レベルが低い等の突然変異MGC4504タンパク質の発現により)完全なMGC4504活性を有する細胞(例えばHEK293など)の参照細胞と比較して低いが検出可能なMGC4504の量または活性を有する細胞であれば、どのような細胞でもよい。また、このような細胞としては、MGC4504、または、MGC4504活性がまったくない細胞でもよい(例えば、機能が失われたMGC4504突然変異タンパク質の発現に起因するか、または、MGC4504発現の完全な喪失に起因する)。これらは、自然状態でこれらの特徴を有する細胞を含み、加えて、これらの特徴を示すように遺伝子組換えされた細胞(例えば、ゲノムまたは誘導型MGC4504ノックアウト細胞)、加えて、MGC4504のドミナントネガティブ変異体を発現する細胞なども含む。
本発明のさらにその他の形態は、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性な物質の同定方法に関し、本方法は、以下を含む:
a.転写活性を有する系で、MGC4504タンパク質、それらの誘導体またはフラグメントをコードする核酸と、試験物質とを接触させること;
b.該物質の存在下において該系に存在するMGC4504タンパク質、それらの誘導体またはフラグメントをコードするmRNAの量を決定すること;
c.該物質の非存在下において該系に存在するMGC4504タンパク質、それらの誘導体またはフラグメントをコードするmRNAの量を決定すること;
d.該物質が、前記系中に存在するMGC4504のmRNAの量を調節できるかどうかを決定すること。
ここにおいて、前記系に存在するMGC4504のmRNAの量を調節すること、好ましくは増加させることができる物質は、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性な物質とみなされる。
転写活性を有する系とは、少なくとも転写単位の転写反応を行う能力を有するあらゆる生化学的な系または細胞系である。このような系は当業界周知であり、細胞(例えば、通常の実験用株または細胞系、加えて、真核または原核細胞の初代培養)、加えて、インビトロでの転写系またはキット(例えば、細胞抽出物をベースとするもの)を含み、市販されているものである。
このような系に存在するmRNA量の決定は、当業界周知の技術に従って行うことができる(例えば、放射標識または蛍光標識による生成物の直接の標識、または、特異的なプライマーまたはプローブの使用による生成物の検出など)。
本発明のその他の形態は、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気の予防または治療において活性な物質の同定方法に関し、本方法は、以下を含む:
a.翻訳活性を有する系で、MGC4504タンパク質、それらの誘導体またはフラグメントをコードする核酸と、物質とを接触させること;
b.該物質の存在下において該系に存在するMGC4504タンパク質、誘導体またはフラグメントの量を決定すること;
c.該物質の非存在下において該系に存在するMGC4504タンパク質、誘導体またはフラグメントの量を決定すること;
d.該物質が、該系中に存在するMGC4504タンパク質、誘導体またはフラグメントの量を調節できるかどうかを決定すること。
ここにおいて、前記系に存在するMGC4504タンパク質、誘導体またはフラグメントの量を調節すること、好ましくは増加させることができる物質は、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気の予防または治療において活性な物質とみなされる。
翻訳活性を有する系は、少なくとも転写物の翻訳反応を行う能力を有するあらゆる生化学な系または細胞系である。このような系は当業界周知であり、細胞(例えば、通常の実験用株または細胞系、加えて、真核または原核細胞の初代培養)、加えて、インビトロでの翻訳系(これはまた、例えばキットとしても市販されている)を含む。インビトロでポリヌクレオチドを翻訳するために、ポリヌクレオチドを適切なベクターにサブクローニングし、続いて適切な緩衝液中でポリペプチドを発現させ、細胞を抽出する(例えば、網状赤血球の溶解産物)。ベクター、必要な試薬、および、適切な条件のプロトコールは当業界既知であり、市販されている。
本発明に関して、用語「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって互いに結合したアミノ酸を含む分子であり、さらに、互いに直鎖状に連結した少なくとも10個のアミノ酸を含む分子を意味する。この種の分子のうちそれより短いものは、ペプチドと称される。用語「タンパク質」は、少なくとも1個のポリペプチド鎖を含む分子を意味するが、互いに会合または結合した2個またはそれ以上のポリペプチド鎖を含む分子を意味する場合もある。従って、用語「タンパク質」は、用語「ポリペプチド」を包含する。
前記系に存在するMGC4504タンパク質の検出は、当業界周知の技術に従って行うことができる(例えば、翻訳物の直接の放射標識または蛍光標識、または、特異的な抗体の使用、タンパク質のタグ付け、および、そのタグの検出など)。
本発明のその他の形態は、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性な物質の同定方法に関し、本方法は:
a.レポーター遺伝子またはそれらの機能的なフラグメントに使用できるようにカップリングされたMGC4505プロモーターまたはそれらの機能的なフラグメントを含む核酸ベクターでトランスフェクションされた細胞を提供すること;
b.機能的なMGC4504プロモーターに使用できるようにカップリングされていないレポーター遺伝子またはそれらの機能的なフラグメントを含むコントロールベクターでトランスフェクションされた細胞を提供すること;
c.物質の非存在下で、a)およびb)に記載の細胞のレポーター遺伝子の活性を決定すること;
d.該物質の存在下においてレポーター遺伝子の活性を決定すること;
を含み、ここにおいて、b)に記載のレポーター遺伝子の活性を有意に増加させないで、a)に記載のレポーター遺伝子の活性を有意に増加させることができる物質(すなわちMGC4504プロモーターの活性を特異的に増加させることができる物質)が、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気の予防または治療において活性な物質とみなされる。
有意な増加とは、標準偏差より高い増加であればよく、好ましくは、標準偏差より少なくとも2倍高い増加である。
上記の本発明の形態は、一般的に当業界で知られている典型的なレポーター遺伝子分析に基づく。この目的を達成するために、選択されたプロモーターは、選択された宿主細胞のタイプに適した発現ベクターの、プロモーターが活性化されるとレポーター遺伝子が発現できるように選択されたレポーター遺伝子の上流に挿入される。その後、このようなコンストラクトは、選択された宿主細胞に導入される。形質転換またはトランスフェクションの適切な方法は当業界周知であり、同様に、細胞培養条件、および、レポーター遺伝子発現の検出も当業界周知である(例えば以下に列挙される標準的な文献を参照)。適切な条件は当業界周知であり、同様に、ベクター、レポーター遺伝子、および、必要な試薬もは当業界周知であり、これらは市販もされている。
ベクターは、環状または直鎖状のポリヌクレオチド分子、例えばDNAプラスミド、バクテリオファージ、または、コスミドであり、これらを用いて、ポリヌクレオチドフラグメントは、(例えば、他のベクターから切り出すか、または、PCRで増幅し、クローニングベクターに挿入して)適切な細胞または生物中で特異的に増幅することができる。発現ベクターは、宿主細胞または生物中で対象の遺伝子(例えばレポーター遺伝子)を異種発現させることができる。細胞または生物の種類は、大部分が目的に応じて選択され、選択は、当業者の知見の範囲内である。核酸の増幅に適切な生物は、例えば、ほとんどが高い増殖率を有する単細胞生物であり、例えば細菌または酵母のような単細胞生物である。また、適切な生物は、多細胞組織から単離し、培養した細胞であってもよく、例えば多様な生物から生成した細胞系が挙げられる(例えば、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)由来のSF9細胞など)。適切なクローニングベクターは当業界既知であり、様々なバイオテクノロジー系の供給元で市販されており、このような供給元としては、例えばロシュ・ダイアグノスティックス(Roche Diagnostics)、ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs)、プロメガ(Promega)、ストラタジーン(Stratagene)など多くが挙げられる。適切な細胞系は、例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection;ATCC)で市販されている。
タンパク質またはポリペプチドを異種発現させるための細胞は、核酸ベクターでトランスフェクションして、対象の遺伝子(例えばレポーター遺伝子)を発現させることができるあらゆる原核細胞または真核細胞が可能である。これらは、主成分として、初代細胞、および、細胞培養物由来の細胞、好ましくは真核細胞培養物由来の細胞を含み、多細胞生物および組織(例えば、HEK293、RIN−5F、HeLa、CHO、COS、SF9または3T3細胞)、または、単細胞生物、例えば酵母(例えば、S.ポンベ(S.pombe)、または、S.セレビジエ(S.cerevisiae))、または、原核細胞培養、好ましくはピチア(Pichia)、または、E.コリ(E.coli)のいずれかから誘導された細胞を含む。組織から誘導された細胞およびサンプルは、例えば血液採取、組織穿刺または外科的技術などの周知の技術で採取することができる。
本発明に関して、用語「トランスフェクション」は、宿主細胞(原核または真核のいずれか)に核酸ベクターを導入することを意味するため、この用語は、用語「形質転換」を包含する。
トランスフェクションは、安定なトランスフェクションでもよいし、または一過性トランスフェクションでもよい。
MGC4504プロモーターは、MGC4504遺伝子の一部であり、これが適切な発現ベクターに遺伝子産物のコード配列上流で導入されると、対象の遺伝子産物を発現させることができる。好ましくは、MGC4504プロモーターは、配列番号3に記載の配列のヌクレオチド84361〜88681/NCBI登録番号AC020661[ヌクレオチド84361〜88681,これはヌクレオチド位置−4377/+1に相当する]の配列を含むか、または、それらからなる。MGC4504プロモーターの機能的なフラグメントとは、適切な発現ベクターに遺伝子産物のコード配列上流で導入されると、対象の遺伝子産物を発現させることができるMGC4504プロモーターのあらゆるフラグメントである。好ましいフラグメントは、配列番号3のヌクレオチド84361〜88681に基づくMGC4504プロモーターの機能的なフラグメントを含む。
レポーター遺伝子は、その遺伝子産物を簡単に定量することができるあらゆる遺伝子が可能である。非常に様々な真核または原核生物宿主のためのレポーター遺伝子、加えて検出方法および必要な試薬は当業界既知であり、市販されている。このようなものとしては、例えば、ベータラクタマーゼ(lacZ)、ルシフェラーゼ、緑色または青色蛍光タンパク質(GFPまたはBFP)、DsRed、HIS3、URA3、TRP1もしくはLEU2、または、ベータガラクトシダーゼの遺伝子をが挙げられる。これらの遺伝子は、可視的な(色または発光)反応によって容易に検出できるタンパク質(例えばlacZ、ルシフェラーゼ)をコードする。これらは、可視的な(色または発光)反応によって容易に検出できる遺伝子産物、または、発現されるとアンピシリンまたはカナマイシンのような抗生物質に対する耐性を付与する遺伝子産物を含む。その他のレポーター遺伝子産物も、例えば栄養要求性遺伝子のような所定の条件下で発現細胞を増殖させることが可能である。
レポーター遺伝子の機能的なフラグメントは、その遺伝子産物を簡単に定量することができる所定のレポーター遺伝子のあらゆるフラグメントである。
上記の本発明の形態に関して、コントロールベクターとは、レポーター遺伝子またはそれらの機能的なフラグメントを含むが、(機能的な)MGC4504プロモーターによってはレポーター遺伝子発現が稼働されないあらゆる適切なベクターが可能である。これは、例えば、レポーター遺伝子またはそれらの機能的なフラグメントは、機能的なMGC4504プロモーターに使用できるようにカップリングされていないことを意味する場合がある(すなわち、MGC4504プロモーターをまったく欠いているか、機能的ではないMGC4504プロモーターまたはプロモーターフラグメントを含むか、または、プロモーターとレポーター遺伝子との前記カップリングが機能的ではないかのいずれかである)。これはまた、レポーター遺伝子またはそれらの機能的なフラグメントは、MGC4504プロモーターではなくその他のプロモーター(例えば、SV40、または、その他の標準的なプロモーター)に使用できるようにカップリングされていることを意味する場合もある。また、機能的なベクター、および、コントロールベクターは、同じ細胞にトランスフェクションされてもよいが、この場合、レポーター遺伝子が異なっている必要がある。
本発明のその他の形態は、単離された個体サンプルにおいて、炭水化物もしくは脂質代謝の不全に関連する病気またはそれによって引き起こされる病気、またはそれら病気の素因を診断するための、MGC4504を検出する手段の使用に関する。
上記診断は、例えば、以下を含んでいてもよい:
1.単離されたサンプルに存在するMGC4504の量(タンパク質、または、mRNA)の検出;ここにおいて、参照サンプルと比較して量が低いことが、素因または病気を有することを示す。
2.単離されたサンプルに存在するMGC4504の活性の検出;ここにおいて、参照サンプルと比較して活性が低いことが、素因または病気を有することを示す。
3.MGC4504の量を低くしたり、または、活性を低めたり、または、機能不全をもたらす、MGC4504タンパク質/遺伝子/コード配列/プロモーターなどにおける突然変異の検出;ここにおいて、突然変異が検出されることが、素因または病気を有することを示す。
ここにおいて、参照サンプルは、例えば、平均的なMGC4504の活性または量を有する単離されたサンプル、および/または、炭水化物もしくは脂質代謝の不全に関連する病気またはそれによって引き起こされる病気、またはそれら病気の素因を有さないドナーのサンプルであり得る。
MGC4504を検出する手段は、生体サンプル中に存在するMGC4504ポリペプチド/タンパク質または核酸を特異的に検出することができるあらゆる手段が可能である。
MGC4504タンパク質またはポリペプチドを検出する手段は、野生型MGC4504タンパク質/ポリペプチドのいずれかを特異的に検出することができるあらゆる手段でもよいし、野生型ポリペプチド/タンパク質と比較して、サイズまたはアミノ酸配列に関して1個またはそれ以上の突然変異を有するMGC4504タンパク質/ポリペプチドを特異的に検出する手段でもよい。このような手段の好ましい例は、MGC4504タンパク質を特異的に検出することができる抗体を含む手段、または、MGC4504タンパク質を特異的に検出することができる抗体であり、例えば免疫組織学的な技術、または、免疫組織化学的技術(例えば、組織学的な組織切片、または、膜、チップ、ELISAプレートなどの適切なキャリアーに固定したMGC4505タンパク質において、MGC4504タンパク質、または、それらの所定の突然変異を検出すること)で使用するための抗体である。
MGC4504の核酸を検出する手段は、例えば、野生型の、または、野生型MGC4504の核酸と比較して、それらの長さ、またはそれらの核酸配列に関する1個またはそれ以上の突然変異をさらに有する、MGC4504のmRNA/cDNAまたはゲノムDNAを検出する手段が可能である。このような手段は、例えば、MGC4504のmRNAを特異的に検出および/または定量する手段が可能であり、好ましくは、MGC4504のDNAを増幅することができる、または、例えばPCR配列解析に使用するための(ヌクレオチド配列における突然変異を検出するため)、または、MGC4504のcDNAを増幅することができる、例えばRT−PCRに使用するための(MGC4504のmRNA発現の検出および/または定量化のため)、特異的なMGC4504の核酸プローブまたはプライマーセットを含むか、または、そのような核酸プローブまたはプライマーセットである。その他の手段は、例えば、標準条件下でMGC4504のmRNAまたはcDNAに特異的にハイブリダイズすることができる核酸プローブが可能であり、例えばノーザンブロットまたはチップハイブリダイゼーション技術で使用するための核酸プローブである。
野生型という用語は、自然状態で見出される遺伝子型または表現型、または、所定の生物の標準的な実験用系統で見出される遺伝子型または表現型を意味する。好ましい一実施態様によれば、MGC4504の野生型配列は、配列番号1、2、3または14に記載の配列である。
適切なプライマーの設計と合成は当業界周知である(上記も参照)。本発明の好ましい実施態様によれば、このような手段は、MGC4504核酸を増幅させるためのプライマーセットであり、好ましくは、配列番号8および/または9に記載のプライマーの少なくとも1種を含む一連のプライマーである。
本発明のさらなる好ましい実施態様によれば、このような手段は、MGC4504核酸を検出するためのプローブであり、好ましくは配列番号10に記載の配列を有するプローブである。適切なプローブの設計と合成は当業界周知である(以下の標準的な参考文献も参照)。
本発明のさらにその他の好ましい実施態様によれば、このような手段は、MGC4504タンパク質またはポリペプチドの特異的な検出のための抗体である。適切な抗体またはそれらの機能的なフラグメントの製造も同様に当業界周知であり、例えば、必要に応じて例えばフロインドアジュバント、および/または、水酸化アルミニウムゲルの存在下で、哺乳動物、例えばウサギを、MGC4504タンパク質、または、それらのフラグメントで免疫化することによって製造される(例えば、Diamond,B.A.等(1981)The New England Journal of Medicine:1344〜1349を参照)。その後、動物中で免疫反応の結果として形成されるポリクローナル抗体は、周知の方法を用いて血液から単離して、例えばカラムクロマトグラフィーによって精製してもよい。モノクローナル抗体は、例えば、Winter & Milstein(Winter,G.& Milstein,C.(1991)Nature,349,293−299)に記載の既知の方法に従って製造することができる。モノクローナル抗体を生産する適切な手法は同様に当業界周知である(例えば以下に列挙される標準的な方法に関する参考文献を参照)。本発明に関して、抗体または抗体フラグメントという用語は、組換えによって製造され、必要に応じて修飾された、抗体またはそれらの抗原結合部、例えばキメラ抗体、ヒト化抗体、多機能の抗体、二重特異性および多重特異性抗体、一本鎖抗体、ならびに、F(ab)またはF(ab)2フラグメントも含む(例えば、EP−B1−0368684、US4,816,567、US4,816,397、WO88/01649、WO93/06213、または、WO98/24884を参照)。
単離されたサンプルは、個体から単離されたあらゆる種類の生体サンプルを含み、例えば組織または器官(例えば、筋肉、膵臓、脳、血液、肝臓、脾臓、腎臓、心臓、血管など)の細胞、調製物、切片または部分である。単離されたサンプルは、周知の技術で、例えば血液採取、組織穿刺または外科的技術で採取することができる。細胞または組織抽出物の製造は当業者周知である(例えば以下に列挙される標準的な参考文献を参照)。
本発明のその他の形態は、炭水化物および/もしくは脂質代謝の不全に関連する病気またはそれによって引き起こされる病気またはそれら病気の素因を同定するための診断キットを製造するための、MGC4504を検出する手段の使用に関する。
本発明のその他の形態は、炭水化物および/または脂質代謝の不全に関する素因の診断方法に関し、本方法は、単離された個体サンプルに存在するMGC4504の量を解析することを含み、ここにおいて、1種またはそれ以上の参照サンプルと比較してMGC4504の量が低いことが、素因または機能不全を有することを示す。
本発明の様々な形態に関して、上記個体はどのような生物でもよく、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。
MGC4504の量の解析は、例えば、ノーザンブロット解析、チップ解析(cDNAマイクロアレイなど)または定量的RT−PCRなどによってサンプル中に存在するmRNA量を解析することでもよい。また、このような解析は、例えば、ELISA、ウェスタンブロッティング、チップ技術(例えばタンパク質マイクロアレイ)などの特異的な抗体を用いる技術によって、サンプル中に存在するタンパク質量を解析することでもよい。
本発明のさらにその他の形態は、炭水化物および/もしくは脂質代謝の不全に関連する病気またはそれによって引き起こされる病気、またはそれら病気の素因の診断方法に関し、本方法は、MGC4504の突然変異に関して単離された個体サンプルを、MGC4504の参照配列と比較して分析することを含み、ここにおいて、突然変異の存在が、該病気または素因を有することを示す。
突然変異、すなわち最も高頻度で見出される遺伝子型(または、遺伝子に関してはいわゆる野生型)との差異は当業界周知である。これらは、なかでも、単一ヌクレオチド多型(SNP、すなわち単一のヌクレオチド位置における置換を含む所定のヌクレオチド配列の変異体)、長さ、欠失、転位などの多型を含む。遺伝学的な突然変異は、遺伝子の発現、またはタンパク質機能に影響を与える可能性があるため、特定の病気の発病および素因に関与する可能性がある。本発明者等によって見出された糖尿病の基礎をなす病理学的過程とMGC4504との密接な関係のために、MGC4504遺伝子の突然変異、および、特にMGC4504の発現および/または機能および/または活性に影響を及ぼす突然変異は、炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気に強い影響を有するはずである。
診断方法は、MGC4504を検出するためのあらゆる既知の方法に従って行うことができ、例えば上記のサンプル中のMGC4504を検出する手段のいずれか1つの使用によって行うことができる。突然変異は、例えば、ゲノムレベルで解析することができ、例えば、MGC4504遺伝子の分子生物学的な解析(例えば、サザンブロッティング、ゲノム配列解析技術、配列の質量分光分析、DNAマイクロアレイなど)によって解析することができる。また、突然変異は、発現されたmRNAまたはタンパク質のレベルで解析することもでき、例えば、cDNAの配列解析(例えば、RT−PCRに基づき)、または、タンパク質配列解析技術、または、特異的な抗体の使用によって解析することができる。
参照サンプルは、上記で定義されたサンプルが可能である。
参考配列は、例えば、MGC4504の野生型配列(例えば上記を参照)、および/または、それゆえに、上記の病気または素因を有さないほとんどの個体に見出されるMGC4504配列が可能である(この場合、参考配列はまた、個体群のうち最大の群には存在しないが、上記の病気または素因を有さない個体群の最大の群に存在する配列でもよく、従って;この場合、野生型配列は、前記病気を発症させる危険の増加に関連する)。好ましい実施態様によれば、参考配列は、MGC4504の野生型配列のいずれか一種である(上記参照)。
本発明の前記形態の好ましい実施態様によれば、突然変異は、MGC4504の量および/または活性を低くしたり、または、MGC4504を完全に喪失させたり、および/または、活性を喪失させたりする突然変異である。
本発明のその他の形態は、炭水化物および/または脂質代謝の不全に関する素因の診断方法に関し、本方法は、単離された個体サンプルにに存在するMGC4504の活性を解析することを含み、ここにおいて、1種またはそれ以上の参照サンプルと比較してMGC4504活性が低いことが、素因または機能不全を有することを示す。
上記活性は、上記で定義されたMGC4504の機能のいずれか1種に関するタンパク質活性のいずれでもよい。上記活性は、直接的または間接的に(例えば、1種またはそれ以上のMGC4504の機能強度または程度を分析することによって)測定することができる。
本発明のその他の形態は、少なくとも1つのMGC4504を検出する手段を含む、炭水化物もしくは脂質代謝の不全に関連する病気またはそれによって引き起こされる病気またはそれら病気の素因を同定するためのキットに関する。
本発明に関して、キット(また、「パーツのキット」としても知られている)は、本願で特定された1種またはそれ以上の成分のあらゆる組み合わせと理解され、これらの成分は、一体化させて同じ空間内に存在させて一つの機能単位になっており、さらに、追加の成分を含んでいてもよい。
本発明に関して、キットは、適切には適切な緩衝液と共に、少なくともMGC4504を検出する手段、および/または、MGC4504を検出するための試薬および/またはサンプル調製物、さらに、場合によりそれぞれの検出技術を行うための取扱説明書を含む。
このような手段は、上記で定義されたどの手段でもよく、好ましくは、MGC4504の核酸を増幅することができるMGC4504の特異的な核酸プローブもしくはプライマーセットまたは特異的なMGC4504抗体を含むか、または、上記核酸プローブ、プライマーセットもしくは抗体である。
本発明のその他の形態は、炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気の治療または予防のための薬物療法の適応方法に関し、ここにおいて、単離された個体サンプルは、参考配列と比較してMGC4504の突然変異、および/または、参照サンプルと比較してMGC4504の量および/または活性の減少に関して解析され、ここにおいて、サンプル中にMGC4504の突然変異、および/または、MGC4504の量および/または活性の減少が存在する場合、前記投与量は適応している。
薬物療法の適応は、例えば、個体に適用できる薬物療法の種類の適応であってもよく、すなわち、例えば、炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を治療または予防するために、個体において、物質(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣剤、タンパク質、ペプチド、核酸、低分子物質、またはその他の薬物候補)、または、特定のクラスの物質(例えば、MGC4504タンパク質活性を直接増加させるタイプの物質、または、共通の構造的なモチーフを有する化学物質のサブクラスに属する物質)がとりあえず投与可能であるか、または、それらで効果的に治療されるかどうかの決定である。その他の例によれば、薬物療法の適応は、所定の医薬品/物質の投与量、または、物質のクラスの適応であってもよい。
炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気(例えば、MGC4504が発現される細胞または組織が関与する障害、例えば異常なMGC4504活性、または、MGC4504活性の損失に関連する筋細胞)を治療または予防するのに有用な製薬を製造するために、スクリーニング分析によって同定されたようなMGC4504発現または活性(例えばMGC4504遺伝子発現)に対して刺激作用または阻害作用(好ましくは刺激作用)を有する物質を用いることができる。このような治療と共に、個体の薬理ゲノム学(すなわち、個体の遺伝子型間の関係の研究、および、その個体の、外来化合物または薬物に対する応答)が考慮される場合もある。治療剤の代謝の差により、薬理学的に活性な薬物の用量と血中濃度との関係が変化してしまい重度の毒性が生じたり、または、治療が失敗する可能性がある。従って、個体の薬理ゲノム学により、個体の遺伝子型の考察に基づき予防または治療的処置のための有効物質(例えば薬物)を選択してもよい。このような薬理ゲノム学は、適切な投与量および治療計画を決定するのにさらに利用することができる。従って、個体中のMGC4504の活性タンパク質、MGC4504核酸の発現、または、MGC4504遺伝子の突然変異の含量を決定して、それにより個体の治療または予防的処置に適切な物質を選択することができる。
本発明のさらにその他の形態は、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を治療または予防するための医薬品を製造するための、MGC4504またはそれらの機能的なフラグメントもしくは誘導体、または、MGC4504またはそれらの機能的なフラグメントもしくは誘導体を含む組成物の使用に関する。
本発明のさらなる形態は、炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を治療または予防するための医薬品を製造するためのMGC4504の活性を調節する物質の使用、さらに、炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気に罹った個体の治療方法に関し、本方法は、前記個体に、MGC4504の活性を調節する物質を投与することを含む。
この目的を達成するために、MGC4504、または、それらのフラグメントまたは誘導体は、ポリペプチドまたはペプチド、または、オリゴもしくはポリヌクレオチドいずれかの形態で用いることができる。その必要な部位への標的化、および、その細胞への侵入、または、その安定性を確実にしたり、または、それらを容易にするための適切な修飾または添加剤が有用である。一方で、例えば皮内、皮下または筋肉内注射のような局所的な適用なども、その必要性な部位への標的化を確実にする可能性がある。その他の有用な添加剤としては、その安定化等のための塩、緩衝液などが挙げられる。
MGC4504ポリヌクレオチド、または機能的なそれらのフラグメントもしくは誘導体は、例えば、その細胞内発現を確実にしたり、または、その細胞への標的化も確実にするような適切なベクターに挿入することができる。細胞型に特異的な発現は、当業界既知の細胞型または組織特異的遺伝子の適切なプロモーター/エンハンサーを用いて確実に行うことができる。また、MGC4504オリゴヌクレオチドの使用も考えられる。
医薬品製造のために、活性な活性成分は、通常、投与の種類に応じて適切な添加剤または補助剤を用いて製剤化されるが、このような添加剤または補助剤としては、生理学的な緩衝溶液、例えば塩化ナトリウム溶液、脱塩水、安定剤、例えばプロテアーゼまたはヌクレアーゼ阻害剤、好ましくはアプロチニン、ε−アミノカプロン酸、または、ペプスタチンA、または、金属イオン封鎖剤、例えばEDTA、ゲル調合物、例えば白色ワセリン、低粘度パラフィン、および/または、黄色ワックスなどが挙げられる。
適切なさらなる添加剤は、例えば、界面活性剤、例えばトリトンX−100(Triton X−100)、または、デオキシコール酸ナトリウムであり、ポリオール、例えばポリエチレングリコール、または、グリセロール、糖類、例えばスクロースもしくはグルコース、両性イオン性化合物、例えばアミノ酸、例えばグリシン、または、具体的にはタウリンもしくはベタイン、および/または、タンパク質、例えばウシもしくはヒト血清アルブミンも可能である。好ましくは、界面活性剤、ポリオールおよび/または両性イオン性化合物である。
好ましくは、生理学的な緩衝溶液は、約6.0〜8.0のpH、好ましくは約6.8〜7.8のpH、具体的には約7.4のpHを有し、および/または、約200〜400ミリオスモル/リットルのオスモル濃度、好ましくは約290〜310ミリオスモル/リットルのオスモル濃度を有する。医薬品のpHは、通常、適切な有機または無機緩衝液を用いて調節され、例えば、好ましくはリン酸緩衝液、トリス緩衝液(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、HEPES緩衝液([4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジノ]エタンスルホン酸)、または、MOPS緩衝液(3−モルホリノ−1−プロパンスルホン酸)を用いて調節される。個々の緩衝液の選択は、通常、望ましい緩衝液のモル濃度に依存する。例えば注射および輸液のためには、リン酸緩衝液が適切である(Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,1985(for physiologically tolerable salts(anorganic or organic)も参照,特に1418頁を参照)。
このような医薬品は、適切な従来の方式のいずれかで投与することができ、例えば、経口の投薬形態、例えば錠剤またはカプセルによって投与してもよいし、本発明に係る医薬品を含む注射、輸液またはゲルによって皮膚の下に埋め込まれる貯蔵物質の形態で、粘膜(例えば鼻または口腔)によって投与してもよい。さらに、上述した特定の病気を治療するために、場合によりリポソーム複合体の形態で本医薬品を局所投与することも可能である。その上、このような治療は、医薬品の一時的な制御放出を可能にする経皮治療システム(TTS)によって行うこともできる。TTSは、例えばEP0944398A1、EP0916336A1、EP0889723A1、または、EP0852493A1から知ることができる。
投与は、MGC4504を作用部位(例えば、筋肉、脳または膵臓組織)に標的化することを可能にするような方法で適切に行われるべきであり、例えば、MGC4504誘導体または調合物の全身投与し、それ自身を必要のある部位に標的化すること、または、MGC4504またはそれらのフラグメントもしくは誘導体を含む調合物の局所(例えば筋肉内)への適用によって行われるべきである。
比較的少量の溶液または懸濁液(例えば約1〜約20ml)しか体に投与しない場合、一般的に注射液が用いられる。より大量の溶液または懸濁液(例えば1リットルまたはそれ以上)を投与する場合、一般的に輸液が用いられる。注射液の場合、輸液に比べて数ミリリットルしか投与されないため、注射の際の血液または組織液のpHや浸透圧のわずかな差は、それ自身重要ではないか、または、痛みに関してわずかに気付かされる程度である。それゆえに、使用前の本発明に係る医薬品の希釈は、通常必要ではない。しかしながら、比較的大量の投与の場合、本発明に係る医薬品は、少なくともほぼ等張の溶液が得られるような程度に、投与の前に短時間で希釈すべきである。等張溶液の例は、0.9%濃度の塩化ナトリウム溶液である。輸液の場合、希釈は、例えば滅菌水を用いて行うことができ、投与は、例えばいわゆるバイパスを介して行うことができる。
本発明のその他の形態は、MGC4504の量または活性を調節すること、好ましくは増加させることを含む、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気に罹った個体、または、その素因を有する個体の治療方法に関する。
この方法は、必要のある個体に、それらの有効量のMGC4504タンパク質または核酸を投与すること、または、MGC4504の定常状態のレベルを内因的に増加させること(例えば、必要な部位でMGC4504の量を増加させることができる物質の適用、または、適切なベクターを用いた全身の遺伝子治療によって)を含んでいてもよい。
本発明のさらなる形態は、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気の治療または予防において活性な物質を同定するための、MGC4504を異種発現する細胞の使用に関する。好ましい実施態様によれば、このような細胞は、トランスジェニック細胞である。
本発明に係るのその他の形態において、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気の治療または予防においてにおいて活性な物質を同定するために、MGC4504を異種発現するトランスジェニック非ヒト動物を用いることができる。
トランスジェニック細胞/動物は、そのゲノム中に、その正常な遺伝子群加えて導入遺伝子を有する細胞/動物である。トランスジェニック細胞および動物の製造、加えて、それに必要なベクターコンストラクトの製造は当業界周知であり(大要については、例えば、Gene targeting:A Practical Approach,第2版,Joyner AL.編,2000.IRLプレス(IRL Press),オックスフォード・ユニバーシティ・プレス(Oxford University Press),ニューヨーク州;Manipulating the Mouse Embryo:A Laboratory Manual.Nagy,A,Gertsenstein,M.,Vintersten,K.,Behringer,R.,2003,コールドスプリングハーバープレス(Cold Spring Harbor Press),ニューヨーク州;Transgenic Animal Technology:A Laboratory Handbook,Pinkert CA.編,1994,アカデミックプレス(Academic Press),ニューヨーク州を参照)、それらの製造はまた、例えばいくつかの供給元による商業的なサービスとしても提供される(ジャクソン研究所(The Jackson Laboratory),バーハーバー,メイン州,米国)。
本発明の様々な形態によれば、導入遺伝子は、MGC4504、または、それらのフラグメントまたは誘導体が可能であり、これらは、機能的であるか、または、機能が損なわれた、もしくは機能を喪失しているかのいずれかである。
本発明のその他の好ましい実施態様によれば、改変されていない状態と比較して低いMGC4504活性を有する改変細胞が用いられる。この場合、このような細胞は、試験される化学物質が、MGC4504活性の低減、または、完全な喪失を強化または回復させることができるかどうか試験することができる。
このような改変は、MGC4504活性(すなわち、その他の分子と相互作用するその能力、細胞のインスリン感受性を増加させるその能力など)の減少、MGC4504転写の定常状態のレベルの減少(すなわち、MGC4504転写の活性化または転写の安定化によって)、または、MGC4504タンパク質の定常状態のレベル(すなわち、MGC4504翻訳、または、その翻訳後プロセシングの活性化によって;MGC4504の翻訳後修飾の調節によって、または、その安定化の活性化によって、または、その分解を阻害することによって)が生じるようなあらゆるタイプの(安定な、または一過性の、好ましくは安定な)改変が可能である。これは、例えば、機能的な、またはゲノムのMGC4504ノックアウト(これは、例えば誘導型であってもよい)を作製することによって、または、当業界の現状で既知のその他の適切な技術によって、MGC4504の優性阻害変異体、MGC4504のアンチセンスオリゴヌクレオチド、RNAiコンストラクトを用いることによって達成することができる。上記の技術の大要については、例えば:Current protocols in Molecular biology(2000)J.G.Seidman,第23章,付録52,ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley and Sons,Inc.);Gene Targeting:a practical approach(1995),編集者:A.L.Joyner,IRLプレス;Genetic Manipulation of Receptor Expression and Function,2000;Antisense Therapeutics,1996;Scherr等,2003を参照。
本発明に係るのその他の形態は、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気の治療または予防においてにおいて活性な物質を同定するための、MGC4504ノックアウト細胞、または、ノックアウト非ヒト動物の使用に関する。上記ノックアウトは、ゲノムでのノックアウトでもよいし、または、機能的なノックアウトでもよい。ノックアウトを作製するのに適切な細胞系は、当業界の現状において周知であり、ノックアウトを作製するためのプロトコールは、例えば、Current protocols in Molecular Biology(2000)J.G.Seidman,第23章,付録52,ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社;または、Gene targeting:A Practical Approach,第2版,Joyner AL.編,2000.IRLプレス,オックスフォード・ユニバーシティ・プレス,ニューヨーク州; Manipulating the Mouse Embryo:A Laboratory Manual.Nagy,A,Gertsenstein,M.,Vintersten,K.,Behringer,R.,2003, コールドスプリングハーバープレス,ニューヨーク州で開示されたものを含む。その上、対象の遺伝子のノックアウトは、商業的な供給元によるサービスとして提供される(例えばジャクソン研究所,バーハーバー,メイン州,米国)。
本発明のその他の形態は、上記の活性物質を同定するための新規の方法のいずれか1つに係る方法に基づいたハイスループットスクリーニングに関する(また、このような方法は「分析」とも呼ばれる)。
分析方法または分析系(いわゆる分析)は、可能性のある製薬化合物の有効性に関するパラメーターとして、規定された標的分子(いわゆる標的であり、大部分がタンパク質または核酸である)の活性または濃度を測定するために用いられ、当業界の現状において周知である。分析としては、例えば、単離した、または、部分的に単離した成分を用いて可能性のある製薬化合物の有効性を試験することができる生化学分析方法または系があり、このような成分は、規定された空間および時間の範囲内で反応混合物と一緒に存在する。その他の分析の例としては、標的分子の活性、および、この活性に影響を与える可能性の有効性を細胞内で決定することができるような生化学分析方法または系がある。
分析は、生物学的な過程をモニターすることができるあらゆるタイプの分析方法または系が可能である(例えば、上記の分析方法を参照)。適切には、生理学的な代謝経路の一部、加えて病的状態の一部を示す分子カスケードおよびメカニズムが、細胞系または生化学的な(インビトロの)系で再現されることである。従って、これらのカスケードまたはメカニズムに干渉したり、または、調節したりするそれらの能力により、可能性のある製薬化合物の薬理活性を決定することができる。
薬物スクリーニング、特に新規の製薬化合物のハイスループットスクリーニングにおいて使用するために、分析は、再現可能であることが必要であり、好ましくは、拡張性があり、さらにエラー強さのある分析(ロバスト分析)である。本発明の範囲で、ハイスループットスクリーニングは、本発明に係る方法が極めて小さい規模で行われることを意味し、例えば、極めて少量のサンプルで96、386または1536ウェルプレートで、数ミリリットルから数ナノリットルの範囲で、または、それよりさらに少ないレベルで行われる。従って、極めて大量のサンプルを短時間で解析することができる。ハイスループットスクリーニングは大抵、1回の分析によって最高約500,000種もの異なる化合物を所定の能力に関してスクリーニングすることを含む。好ましくは、化学物質を、調査中の標的分子の活性を調節するそれらの能力に関してハイスループットスクリーニングすることに適している分析である。分析のタイプは、例えば、用いられる標的分子のタイプ(例えば、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド)、および、「読み出し」、すなわちパラメーターに依存し、それに従って標的分子の活性が決定される(以下を参照)。
様々なタイプの分析が一般的に当業界既知であり、商業的な供給元から市販されている。
様々な目的において好適な分析として放射性同位体または蛍光分析があり、例えば、標識成分と非標識成分との相互作用(例えば、標識されたタンパク質受容体とそれらの非標識リガンドとの相互作用)を測定するための蛍光偏光分析がある。
さらなる例としては、細胞ベースの分析が挙げられ、ここにおいて、細胞系は、対象の組換えタンパク質を安定して(誘導型または非誘導型;染色体またはエピソームにより)、または、一時的に発現する。このような分析は、例えば、レポーター遺伝子分析を含み、ここにおいて、所定のプロモーター、または、シグナル伝達カスケードのシグナル伝達経路の構成要素の調節は、レポーター酵素の活性に従って測定される(レポーター酵素の発現は、前記所定のプロモーターの制御下である)。このタイプの分析に関して、規定されたプロモーターの制御下に、それ自身調査予定であるか、または調査中のシグナル伝達カスケードで調節されるレポーター遺伝子を含む組換え細胞系を構築する必要がある。適切なレポーター酵素は、当業界の現状において一般的に既知であり、様々なタイプのルシフェラーゼ、または、β−ガラクトシダーゼがある。適切な細胞系は分析目的によるが、大部分が、トランスフェクションが簡単であり、培養が簡単な細胞系であり、例えばHEK293、HeLa、COS、CHO、NIH−3T3などである。
細胞内のイオンレベルを測定するための分析としては、例えばFLIPR(蛍光イメージングプレートリーダー、モレキュラー・デバイス(Molecular Devices)より市販されている)分析が挙げられ、この分析において、冷却CCDカメラと連結されたアルゴンレーザー光源が、384ウェルプレートでの、細胞(例えば、ニューロン性細胞またはその他の細胞(例えば、組換えによって、または、自然に所定のイオンチャンネルを発現する細胞)内の一過性のイオンシグナル(例えばCa2+など)の平行な測定を可能にする。FLIPR分析は、例えば、特定の蛍光色素を用いて細胞内カルシウムをモニターすること、または、特定のFLIPR分析キットを用いて膜電位変化を検出したり、または膜分極をモニターすることを可能にする。その他の細胞内イオン、例えば亜鉛またはナトリウムをモニターするために、当業界の現状において既知のその他の色素を用いることができる。一般的に、その他のタイプの分析およびその他のタイプの読み出しも当業者既知である。
cAMPレベルの測定には、例えばアルファスクリーン(ALPHAScreenTM)、蛍光偏光法、または、HTRF技術が適切である。
イオンチャンネル活性(イオンチャンネルは、例えば細胞内イオン濃度を制御するため、細胞内イオン濃度の測定に用いることができる)の決定には、例えば膜電位感受性の分析および色素を用いることができる。
GPCR活性の測定には、例えば、パッカード・バイオサイエンス(Packard BioScience)によるアルファスクリーンTMcAMP検出システムによるcAMP測定、Ca2+動員分析、または、レポーター遺伝子分析が適切である。
タンパク質のリン酸化の決定には、例えばキナーゼ活性、蛍光偏光法分析が適切であり、例えば、パンベラ(Panvera)から市販されており;さらに、HTRF(ホモジニアス時間分解蛍光、シス・バイオ(Cis Bio))、LANCE分析(パーキン・エルマー・ライフサイエンス(Perkin Elmer Life Science))、または、増幅発光近接ホモジニアスアッセイ(パッカード・バイオサイエンス製のアルファスクリーンTM)を適用することができる。その他のタイプの分析、および、その他のタイプの「読み出し」も当業界の現状において周知である。
本発明の様々な形態の好ましい一実施態様によれば、MGC4504、それらの誘導体またはフラグメントは、単離された分子として用いることができる。
本発明に関して、用語「単離された分子」は、特にMGC4504に関して、自然源から精製したMGC4504ポリヌクレオチドまたはポリペプチド、加えて精製した組換え分子を意味する(ここにおいて、精製したという用語は、部分的な精製、加えて完全な精製を含む)。
組換えポリペプチドまたはポリヌクレオチド分子の製造、および、細胞または組織からの天然に存在する分子の精製、加えて、細胞または組織抽出物の製造は当業者周知である(例えば、以下に列挙される標準的な参考文献も参照)。
これらは、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、公開されたゲノムまたはポリヌクレオチドコード配列に基づき望ましい長さを有するポリヌクレオチドを増幅すること、それに続いて、生産されたポリヌクレオチドを宿主細胞中でクローニングすることを含む(例えば、以下に列挙される標準的な文献を参照)。
PCRとは、インビトロの技術であり、それらの5’および3’近傍の既知の配列のヌクレオチド伸長物を有する配列伸長物の特異的な増幅を可能にするものである。選択された配列を増幅するために、増幅しようとするポリヌクレオチド配列を囲う配列伸長物に相補的な短い一本鎖DNA分子(「プライマー」)が用いられる。ポリヌクレオチドテンプレートは、DNAまたはRNAのいずれでもよい。規定された温度で、規定された時間間隔のインキュベート工程の定期的に繰り返される規定された順序を選択することによって、対象のポリヌクレオチドは指数関数的に増幅される。
適切なプライマーは、周知のプロトコールに従って化学合成によって作製することができる。また、このようなプライマーは、例えばMWGバイオテク(MWG Biotech)などの様々な供給元によって市販されている。
DNAおよびRNAテンプレート、さらにcDNAテンプレートは、周知の標準手法(例えば、クローニングベクターによってクローニングされたDNAテンプレート;培養細胞、組織などからのゲノムDNAまたはRNAの製造、または、このような源(RNAなど)からのcDNAの製造、例えば、以下の標準的な文献を参照)によって作製することができ、さらに、プロメガやストラタジーンなどのような商業的な供給元から購入することもできる。PCRを行うための適切な緩衝液および酵素、加えて反応プロトコールは当業界既知であり、市販もされている。反応生成物は、既知の手法(例えば、ゲル精製、または、カラム精製)によって精製することができる。
その他の単離されたポリヌクレオチドの作製方法は、望ましい配列のクローニング、それに続く標準的な方法による完全な、または部分的な精製である。単離されたポリペプチドを作製するために、ポリヌクレオチドを発現ベクターにクローニングし、そのポリペプチドを、適切な宿主生物、好ましくは単細胞生物、例えば適切な細菌株または酵母株で発現させ、それに続いてポリペプチドを完全に、または、部分的に精製する。
本発明に係る方法は、例えば、生化学分析、または、細胞レベルの分析として行うことができる。
MGC4504は、本発明の様々な形態のいずれか1つに従って、その特定の目的に応じた利用可能なあらゆる配列から誘導することができる。好ましくは、MGC4504は、ヒトMGC4504である。
好ましい一実施態様によれば、MGC4504は、ポリヌクレオチドとして用いられる。好ましくは、このようなポリヌクレオチドは、以下を含むか、または、それらからなる:
a.配列番号1;
b.MGC4504機能を有するポリペプチドをコードする、低い、中程度の、または、高いストリンジェンシー条件下でa)に記載の配列とハイブリダイズすることができる配列;
c.MGC4504機能を有するポリペプチドをコードする、a)またはb)に記載の配列から遺伝子コードの縮重によって誘導された配列;
d.MGC4504機能を有するポリペプチドをコードし、さらに配列番号2に記載の配列を含む、または、それらからなるポリペプチドをコードする、a)、b)またはc)に記載の配列のいずれか一種のフラグメント;
e.MGC4504機能を有するポリペプチドをコードする、a)、b)、c)またはd)に記載の配列のいずれか一種から、1個またはそれ以上のヌクレオチド置換によって誘導された配列(ここにおいて、該ヌクレオチド置換は、遺伝子コードの縮重によるものではないか、または、単にそれだけによるものではない)。
好ましいポリヌクレオチドフラグメントは、配列番号14に記載のフラグメントである。
用語「ストリンジェンシー」は、2本の一本鎖化された核酸分子のハイブリダイゼーションまたはアニーリングの特異性に影響を与える反応条件を説明している。
適切な反応(「アニーリング」またはハイブリダイゼーション)条件下で(温度や周囲の媒体のイオン強度に依存する)、両方の分子の一本鎖化された形態がアニールして、新しい二本鎖核酸分子を形成することができる場合、核酸分子はその他の核酸分子にハイブリダイゼーションすることができる。ハイブリダイゼーションは、2種のアニーリングする核酸分子が、相補配列を含むことを必要とする。選択されたアニーリング条件、ストリンジェンシー条件に応じて、二本鎖形成を妨害することなく塩基間のミスマッチが生じる可能性がある。
ストリンジェンシー、従って反応特異性は、特に、反応に用いられる温度および緩衝液の条件に依存し:ストリンジェンシー、従って特異性は、例えば、反応温度を高めたり、および/または、反応緩衝液のイオン強度を低くしたりすることによって高めることができる。核酸をハイブリダイゼーションさせるためのストリンジェンシーの適切な条件は、核酸の長さ、タイプ、およびそれらの相補性の程度に依存する。可変値は、当業界の現状において既知である。2種のアニーリングするヌクレオチド配列間の類似性または相同性の程度が高ければ高いほど、このような配列を含む核酸のハイブリダイゼーション産物の融解温度はより高くなる。核酸ハイブリダイゼーションの相対的な安定性は、二本鎖を形成する一本鎖化された核酸のタイプに依存し:RNA:RNA>DNA:RNA>DNA:DNAである。長さが100個より多いヌクレオチドからなるハイブリダイゼーション産物のために、融解温度を計算する方程式が当業界既知である。より短いハイブリダイゼーション産物(例えば、オリゴヌクレオチド)については、融解温度計算は長さに依存し、ミスマッチがより重要になる。
例えば、ハイブリダイゼーションが室温で2×SSC溶液中で行われる場合、低いストリンジェンシー条件(従って、低い反応特異性およびハイブリダイゼーション特異性)が生じる。高いストリンジェンシー条件は、例えば、0.1×SSC、および、0.1%SDS溶液中で、68℃でのハイブリダイゼーション反応を含む。
本発明に関して、用語「ストリンジェンシー条件下でハイブリダイゼーションする」とは、ハイブリダイゼーション反応、および、以下の洗浄工程の実施に関する条件を意味し、ここにおいて、上記洗浄工程において、典型的には、少なくとも50、55、60、65、70%、好ましくは75%またはそれ以上の相補性を有するヌクレオチド配列がハイブリダイゼーションしたままである。このような条件の所定の核酸セットに応じた選択は平均的な技術者の技術的範囲内であり、適切なプロトコールは、例えば“Current Protocols in Molecular Biology”(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ,ニューヨーク州(1989),6.3.1〜6.3.6)のような標準的な方法に関する周知の参考文献に見出すことができる(以下に列挙される参考文献も参照)。
本発明の様々な形態において、ストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーションは、好ましくは、以下のように理解される:
1)標識プローブと、解析される核酸サンプルとが、65℃で、または、オリゴヌクレオチドプローブの場合、オリゴヌクレオチドとサンプルとからなる二重鎖のアニーリングまたは融解温度(アニーリングおよび融解温度は、以下、同義語として理解される)より5℃低い温度で一晩、50mMのトリス(pH7,5)、1MのNaCl、1%SDS、10%硫酸デキストラン、0,5mg/ml変性サケまたはニシン精液DNA中で、ハイブリダイゼーションすること。
2)2×SSC中で、室温で10分間洗浄すること。
3)1×SSC/0.1%SDS中で、65℃(または、オリゴヌクレオチドの場合:
アニーリング温度より5℃低い温度で)で30分間洗浄すること。
4)0,1×SSC/0,1%SDS中で、65℃(または、オリゴヌクレオチドの場合:アニーリング温度より5℃低い温度で)で30分間洗浄すること。
オリゴヌクレオチドは、ポリヌクレオチドであり、好ましくは15〜30個、好ましくは20個のヌクレオチドの長さを有するDNAフラグメントである。アニーリング温度は、式:Tm(℃)=2×(A+Tの数)+4×(G+Cの数)に従って決定される。
2×SSC、または、0,1×SSC(またはその他のあらゆる種類のSSC希釈液)を製造するためには、例えば20×SSC溶液がそれに応じて希釈される。20×SSCは、3MのNaCl/0,3Mのクエン酸ナトリウム×2H2Oからなる。
ハイブリダイゼーション反応を行う前に、ポリヌクレオチドは、必要に応じて、電気泳動分離を行った後に(次に:サザンブロット(DNA)、または、ノーザンブロット(RNA)を行う)、または、電気泳動で分離しなかった場合に(次に:スロットまたはドットブロットを行う)、適切なメンブレン(例えばナイロンまたはニトロセルロースメンブレン)に移される。適切に標識したプローブを用いてハイブリダイゼーションを行う。適切な標識技術としては、例えば放射性標識、または、蛍光色素を用いた標識が挙げられる。このようなプローブは、一本鎖化されたポリリボまたはポリデゾキシリボヌクレオチドであり、このようなクレオチドは、自然に一本鎖化された、または、通常二本鎖の、および、変性によって一本鎖化されたものである。このプローブは、塩基対形成によってDNAまたはRNAサンプル(これらも一本鎖化された状態である)に結合する。
本発明の様々な形態の好ましい実施態様におけるストリンジェンシー条件は、高いストリンジェンシー条件である。
その他の実施態様によれば、MGC4504は、ポリペプチドとして用いられる。好ましくは、このようなポリペプチドは、以下の配列のいずれか一種によってコードされている:
a.配列番号1;
b.MGC4504機能を有するポリペプチドをコードする、低い、中程度の、または、高いストリンジェンシー条件下でa)に記載の配列とハイブリダイゼーションすることができる配列;
c.MGC4504機能を有するポリペプチドをコードする、a)またはb)に記載の配列から遺伝子コードの縮重によって誘導された配列;
d.MGC4504機能を有するポリペプチドをコードする、a)、b)またはc)に記載の配列のいずれか一種のフラグメント;
e.MGC4504機能を有するポリペプチドをコードする、a)、b)、c)またはd)に記載の配列のいずれか一種から、1個またはそれ以上のヌクレオチド置換によって誘導された配列(ここにおいて、該ヌクレオチド置換は、遺伝子コードの縮重によるものではないか、または、単にそれだけによるものではない)。
さらにその他の好ましい実施態様によれば、上記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含むか、または、それらからなる。
炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気は、好ましくは、グルコース代謝の不全、肥満症、脂質代謝異常、または、代謝症候群、または、糖尿病、またはその他のあらゆるインスリン作用の不全であり、より好ましくはI型またはII型糖尿病、または、インスリン耐性である。
以下、様々な実施例によって本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例に限定する意図はない。
図の凡例
表1:痩せたインスリン感受性コントロール、および、太ったインスリン耐性または糖尿病ZDFラットの組み合わせた複製における、MGC4504遺伝子発現のアフィメトリックス・ジーン・チップ(Affymetrix Gene Chip(R))解析である。
表2:痩せたインスリン感受性コントロール、および、太ったインスリン耐性または糖尿病ZDFラット由来のRNAサンプルの定量リアルタイムPCRである。
表3:
2型糖尿病の食餌誘導性モデルにおけるMGC4504遺伝子発現のアフィメトリックス・ジーン・チップ(R)分析である
図1:選択された様々なヒト組織の一部におけるMGC4504遺伝子発現レベルである。
図2:L6GLUT4myc筋原細胞におけるHA−MGC4504の安定な発現である。
図3:一時的にトランスフェクションされたL6GLUT4myc(図3A)、および、RIN−5F(図3B)細胞の細胞質および細胞核における、MGC4504の細胞内分配である。
図4:
図4A:2−デオキシグルコース摂取分析、および、L6GLUT4myc HA−MCG4504細胞のインスリン感受性の増加である。
図4B:RIN−5F HA−MGC4504細胞の、インスリン分泌分析、ならびに、基底のインスリン分泌およびグルコース刺激によるインスリン分泌の増加である。
図5:可溶性GST−MGC4504タンパク質の発現および精製の際に採取した様々なサンプルのクーマシー染色である。
図6:
図6A:一時的な96ウェルフォーマットのデュアルルシフェラーゼレポーター遺伝子分析における、異なる細胞系におけるMGC4504の5’−UTR位−4311/+1の活性である。
図6B:HEK293細胞で、一時的な96ウェルフォーマットのデュアルルシフェラーゼレポーター遺伝子分析で異なるトランケーションされたプロモーターフラグメントを分析することによる、MGC4504の5’−UTR位−4311/+1内のMGC4504コアのプロモーターの実験的な決定である。
図7:ヒトMGC4504のコード配列である(配列番号1)。
図8:ヒトMGC4504の誘導されたアミノ酸配列である(配列番号2)。
図9:ヒトMGC4504のゲノム配列である(配列番号3)。
図10:ラットMGC4504のmRNAの特異的な増幅のためのプライマーである(配列番号4および5)。
図11:ラットのベータアクチンのmRNAの特異的な増幅のためのプライマーである(配列番号6および7)。
図12:ヒトMGC4504のmRNAの特異的な増幅のためのプライマー(配列番号8および9)、および、ヒトMGC4504のmRNAの特異的なハイブリダイゼーションのためのプローブである(配列番号10)。
図13:cDNAからヒトMGC4504のORFをクローニングするためのプライマーである(配列番号11〜13)。
図14:コード配列を含むヒトMGC4504のcDNA配列のフラグメントである(配列番号14)。
実施例1:インスリン耐性およびII型糖尿病のインビボのモデルにおけるMGC4504の遺伝子発現
材料および方法
動物およびサンプルの調製
太った雄Zucker糖尿病肥満(ZDF)ラット(Gmi,fa/fa)の年齢を適合させた群とそれらの痩せた同腹子(Gmi,+/?)を、ジェネティック・モデルス(Genetic Models)から購入した。輸送から回復させるために到着から1週間、20℃で、12時間の明暗サイクルで、水と、4%脂肪、64%炭水化物、および、19%タンパク質を含む標準的なラット用エサ(アルトロミン(Altromin),ドイツ)を自由に摂取できるようにして、ラットをペアで飼育した。全ての実験手法は、ドイツ動物保護法(German Animal Protection Law)に従って行われた。2時間の飢餓後に、イソフルラン麻酔下で血液サンプルを採取し、頚部脱臼によって動物を死なせた。遺伝子発現解析に用いられた動物の総数は、34匹の動物であった(6週齢[n=12匹の動物]、7週齢[n=12匹の動物]、および、12週齢[n=10匹の動物])。組織プローブを迅速に切り出し、液体窒素中で軽く叩いて凍結させ、−80℃で保存した。
アフィメトリックス・ジーン・チップ (R) 解析
遺伝子発現をモニターするためのオリゴヌクレオチドアレイの一般的な使用は、US6,177,248で説明されている。我々の実際の適用において、用いられたマイクロアレイは、約8000種の既知の遺伝子、または、ESTクラスターを示すデゾキシヌクレオチド配列を含む。遺伝子またはEST配列はそれぞれ20対以下のオリゴヌクレオチドで示され、それぞれの対は、転写セグメントにマッチする1つのオリゴ、および、中心に位置する1bpのミスマッチを含むコントロールオリゴからなる。ラットに関して、既知の遺伝子またはEST配列のデータベースから誘導された総計で約24000種の遺伝子およびEST配列を示す3種のアレイ(RG U34A、RG U34B、および、RG U34C)が、アフィメトリックス(サンタクララ,カリフォルニア州,米国)によって提供された。ウルトラトゥラックス(UtraTurrax)ホモジナイザー(Janke and Kunkel IKA Labortechnik)を用いて、骨格筋プローブ(M.大臀筋)150mgをキアゲン(Qiagen)のRLT緩衝液に溶解させた。組織溶解産物由来のトータルRNAを、キアゲンRNイージー(RNeasy)キットを用いて、製造元(キアゲン)が推奨する通りに、プロテイナーゼK消化、DNアーゼ消化および追加のRNイージー洗浄を含む工程によって単離した。スーパースクリプト(Superscript)SSII RTポリメラーゼシステム(インビトロジェン(Invitrogen))、および、T7RNAポリメラーゼプロモーターに連結したT7(dT)24プライマー、および、オリゴ(デオキシチミジン)24を用いて、それぞれのトータルRNA(10μg)を用いて第一および第二鎖のcDNA合成を行った。二本鎖cDNAをフェノール−クロロホルム抽出し、続いてエタノール沈殿し、RNアーゼ−自由水(12μl)に再懸濁した。エンゾ(Enzo)製のバイオアレイ高収率RNA転写標識キット(エンゾ・ダイアグノースティック(Enzo Diagnostics))を用いて、ビオチン−UPTおよび−CTPで標識したcRNAをインビトロで転写し、RNイージー洗浄とエタノール沈殿によって精製した。UV分光光度法、アガロースゲル電気泳動、および、バイオアナライザーRNAチップ(BioAnalyzer RNA chip,アジレント(Agilent))による各精製工程の前後に、トータルRNAおよびcRNAそれぞれのアリコートをモニターした。cRNAサンプル(15μg)を、40mMのトリス/酢酸塩(pH8.1)、100mMのKOAc、および、30mMのMgOAc中で94℃で35分間断片化し、ハイブリダイゼーション緩衝液に添加し、アフィメトリックス・ジーン・チップ(R) RG−U34 A、BおよびCマイクロアレイに、45℃、60rpmで16時間ハイブリダイズした。アフィメトリックスが説明している方法に従って、マイクロアレイを洗浄し、ストレプトアビジン−フィコエリトリン複合体(モレキュラープローブス(Molecular Probes))、抗ストレプトアビジン抗体で二重に染色し、再度ストレプトアビジン−フィコエリトリン複合体で染色し、シグナル強度を強化した。洗浄の後に、共焦点ジーンアレイ・スキャナー(GeneArray Scanner,HP)で、マイクロアレイ・スート(Micro array Suite)バージョン4.0ソフトウェアを用いてマイクロアレイを解析した。各チップの品質管理は、平均差、測定したままの強度、および、ハウスキーピング遺伝子のベータアクチンとGAPDHとの3’/5’比率などのアフィメトリックスの品質基準に従って行った。全てのマイクロアレイに全般的な標準化を行う社内のソフトウェアツール(GECKO2)を用いて、それぞれの群に関する参照チップと中央数の75パーセンタイル値を用いて、発現のプロファイリングデータを解析した。差異的に発現される遺伝子を決定するための基準は、2倍を超えて高い発現レベルの変化と、0.05未満のp値とした。痩せたインスリン感受性コントロール、および、太ったインスリン耐性(または、12週齢の群として、すでに糖尿病の)ZDFラットの組み合わせて用いられた全ての複製間のMGC4504の遺伝子発現の変化倍数を、RGU−34Aでアフィメトリックス・クオリファイヤーRC_AI170665_ATを用いて解析した。表1に、これらの解析の結果を要約する。
骨格筋生検から単離されたRNAのアフィメトリックス・ジーン・チップ解析によって、太ったインスリン耐性および糖尿病ZDFラットは、MGC4504遺伝子の発現レベルが、痩せたインスリン感受性コントロールと比較して有意に低いレベルであることが検出された。これは、インスリン耐性およびII型糖尿病は、MGC4504遺伝子発現レベルの減少に関連することを示す。
定量リアルタイムPCR
6および7週齢の群の各ラット(n=24匹の動物)から単離されたトータルRNA(1μg)を、反応体積20μlで、AMV−RT第一鎖cDNA合成キット(ロシュ)を用いて逆転写した。逆転写した一本鎖cDNA(2μl)を、製造元の説明書に従ってファストスタートDNAマスターSybrグリーン(FastStart DNA Master Sybr Green,ロシュ)を用いたライトサイクラー(LightCycler(R),ロシュ診断会社)での増幅のためのテンプレートとして用いた。用いられたプライマーは、以下の通りであった:5’−ACTTCGCCTCCTTCTCTGCTCTCC−3’(配列番号4,5’ラットMGC4504)、および、5’−GGCCCTGCTAATCCCACACTACC−3’(配列番号5,3’ラットMGC4504)、5’−AAGTCCCTCACCCTCCCAAAAG−3’(配列番号6,5’ラットベータアクチン)、および、5’−CCTCAACACCTCAAACCACTCC−3’(配列番号7,3’ラットベータアクチン)。得られたフラグメント(それぞれ156および268塩基対)の正確なサイズは、アガロースゲル電気泳動によってモニターした。それぞれの増幅したフラグメントの濃度標準曲線を用いてトータルRNA含量を計算し、ハウスキーピング遺伝子のベータアクチンの発現レベルに標準化し、これを表2に、痩せたインスリン感受性コントロールと太ったインスリン耐性ZDFラットとの間のMGC4504の遺伝子発現の変化倍数として要約した。
骨格筋生検から単離されたRNAの定量リアルタイムPCR解析において、太ったインスリン耐性および糖尿病ZDFラットは、MGC4504遺伝子の発現レベルが、痩せたインスリン感受性コントロール比較してより有意に低いレベルであることが検出された。これは、インスリン耐性およびII型糖尿病は、MGC4504遺伝子発現レベルの減少に関連することを示す。
実施例2:ヒト組織におけるMGC4504の遺伝子発現
材料および方法
ヒト組織におけるMGC4504遺伝子発現のTaqMan解析
様々なヒト組織におけるMGC4504発現レベルを、プライマー5’−GGCAGGGAGACACCTTCCAT−3’(5’ヒトMGC4504、配列番号8)、および、5’−TGCAGCCCTCATGATCTTCA−3’(3’ヒトMGC4504,配列番号9)、および、プローブ5’−GCTGCCCCGATGGAA−3’(配列番号10)を用いたTaqMan解析によって決定した。全ての値をヒトベータ−2−ミクログロブリンの発現レベルに標準化し、ローディングが等しくなるように統一した。図1は、試験される様々なヒト組織の選択された部分におけるMGC4504遺伝子発現レベルを要約する。
TaqMan解析により、MGC4504の最大発現は、脳、骨格筋、膵臓および腎臓の異なる部分で検出されることが明らかになった。これは、MGC4504発現が筋肉および膵臓ではほとんど制限されていることを示す。
実施例3:MGC45045過剰発現のグルコース代謝およびインスリン分泌に対する作用
材料および方法
クローニングおよびプラスミド
ヒトMGC4504の完全なORFを、5’−プライマーMGC4504−5’:5’−CGGGATCCCGCATGAAGCAGGAGTCTGCAGCC−3’(配列番号11)、または、HA−MGC4504−5’:5’−CGGGATCCCGCATGTACCCATACGACGTCCCAGACTACGCTATGAAGCAGGAGTCTGCAGCC−3’(配列番号12)、および、MGC4504−3’−STOP:5’−CCGGAATTCCGGTCACACCAGCGCCAGAGCCTG−3’(配列番号13)を用いたPCRでヒト骨格筋のcDNAから増幅した。後者の5’プライマーには、フレーム内にHA−エピトープタグを有するアミノ末端をコードする配列が導入された。得られたフラグメントを、pGEX−6P1およびpcDNA3.1(+)ハイグロ(hygro)ベクター(インビトロジェン)に、BamHI/EcoRIまたはBamHI(5’)、および、平滑末端化された(3’)EcoRI(インサート)、および、NotI(ベクター)部位でクローニングし、それぞれpGEX−6P1MGC4504、または、pcDNA3.1(+)ハイグロHA−MGC4054を得た。配列解析によって全てのコンストラクトの同一性を確認した。
細胞培養、トランスフェクションおよび免疫蛍光法
myc−エピトープタグを有するGLUT4を発現するラットL6GLUT4myc筋原細胞は、A.Klip氏からのある種の寄贈である(The Hospital for Sick Children,トロント,オンタリオ州,カナダ)。L6(ATCC番号:CRL−1458)、および、L6GLUT4mycを、10%FCSゴールド(PAA,A15−609)、ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(PAA番号P11−010)が添加されたグルタマックス(Glutamax,ギブコ(Gibco)番号32571)を含むアルファ−MEM中で維持した。GLUT4myc発現を選択するために、L6GLUT4mycの培地に、さらに2μg/mlブラストサイジン(カルバイオケム(Calbiochem)番号203350)を添加した。RIN−5Fラットのインスリノーマ細胞(ATCC番号:CRL−2058)を、10%FCSゴールド(PAA,番号A15−609)、ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(PAA番号P11−010)、および、1mMのピルビン酸ナトリウム(ギブコ番号11360−039)が添加されたHEPES/L−グルタミン/NaHCO3(ギブコ番号52400−025)を含むRPMI1640中で維持した。HEK293細胞(ATCC番号:CRL−1573)を、10%FCSゴールド(PAA,A15−609)、ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(PAA番号P11−010)、および、1mMのL−グルタミン(ギブコ番号25030−032)が添加されたDMEM(ギブコ番号41965−039)中で維持した。全ての細胞系を、37℃で、5%CO2中で、95%湿度で培養し、週2回継代培養した。タンパク質発現を研究するためのトランスフェクションを、6ウェルプレート中で60%密集度まで増殖させたL6GLUT4mycまたはRIN−5F細胞、プラスミドDNA(2.5μg)、および、フージーン6(Fugene 6)試薬(ロシュ)を用いて製造元が推奨する通りに行った。全ての一過性トランスフェクション、または、安定して選択された細胞クローンにおいて、空のpcDNA3.1(+)ハイグロベクターをネガティブコントロールとして用いた(以下、WT細胞という)。安定な細胞クローンを500μg/mlハイグロマイシンBで選択し、耐性を有する単一の細胞クローンを手動でピックアップし、増殖させた。HA−MGC4504発現レベルを、SDS−PAGE、および、抗HA3F10モノクローナル抗体(ロシュ)、および、抗ラットホースラディッシュペルオキシダーゼ 二次抗体を用いたウェスタンブロッティング(NuPAGE、インビトロジェン)、ならびに、ECL化学ルミネセンス検出(アマシャム(Amersham))によって決定した。説明されている通りに、カバースライド上で70%密集度まで増殖させた安定なL6GLUT4mycもしくはRIN−5F HA−MGC4504細胞、または、pcDNA3.1(+)HA−MGC4504で一時的にトランスフェクションしたL6GLUT4mycもしくはRIN−5F細胞を用いて免疫蛍光分析を行った(Voss等,2001)。抗HA3F10抗体(ロシュ)、および、抗ラット・アレクサ・フルオロ488(alexa fluor 488)抗体(モレキュラープローブス)を用いて、HA−MGC4504発現をモニターした。PBS(モレキュラープローブス)中の1μMのToProヨウ化物を用いて核を可視化した。共焦点像をライカ(Leica)のTCS SP2共焦点レーザー走査型顕微鏡で撮影した。図2は、L6GLUT4myc筋原細胞におけるHA−MGC4504の安定な発現を示す。図3は、一時的にトランスフェクションされたL6GLUT4myc(図3A)、および、RIN−5F(図3B)細胞の細胞質および細胞核におけるMGC4504の細胞内分布を示す。
MGC4504のcDNAは、ラット筋原細胞およびインスリノーマ細胞に容易にトランスフェクションして、HAエピトープ−タグを有するMGC4504タンパク質を発現することができ、ここで、この発現は細胞質において局所的であり、細胞核において顕著である。
2−デオキシグルコース摂取およびインスリン分泌の解析
96ウェルのサイトスター−T(Cytostar−TTM)シンチレーションマイクロプレート(アマシャム)中で、ウェルあたり4.0×104個の生存可能な細胞で、L6GLUT4myc細胞、または、L6GLUT4myc HA−MGC4504、および、WT細胞クローンを平板培養した。32時間後、2%ウシ胎児血清(PAA)、および、ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(PAA番号P11−010)が添加されたアルファ−MEMを用いて、細胞を16時間血清飢餓の状態にした。グルコース摂取を解析するために、細胞をpH7.3のクレブスリンガー緩衝液(KRB)で2回洗浄し、所定のインスリン濃度のKRB中で25分間インキュベートした。14C2−デオキシグルコース(0.3μCi/ウェル)を添加し、総体積150μl/ウェルで細胞をさらに25分間インキュベートした。40μMサイトカラシンBを添加することによって摂取を止め、密封し、シンチレーションをワラック(Wallac)のマイクロベータカウンター(パーキン・エルマー)で測定した。非特異的な摂取は、コントロールウェルを20μMサイトカラシンBと共にインキュベートし、それぞれの値から差し引くことによって決定した。インスリン分泌をモニターするために、RIN−5F細胞またはRIN−5F HA−MGC4504、および、WT細胞クローンを12ウェルプレート中で平板培養し、24時間増殖させた。2%ウシ胎児血清(PAA)、および、抗生物質(Pen/Strep)が添加されたアルファ−MEMで16時間、血清飢餓にした後、細胞をKRBで2回洗浄し、様々な量のグルコース(0〜20mM)を含むKRB中で2時間インキュベートした。上清のインスリン含量を、ラット用インスリンELISA(メルコデイア(Mercodia))を製造元のプロトコールに従って用いることによって決定し、タンパク質含量を決定して同等のローディングを確実にするために細胞をさらに溶解させた。図4Aは、典型的なL6GLUT4myc HA−MCG4504細胞の2−デオキシグルコース摂取分析、および、インスリン感受性の増加を示す。図4Bは、典型的なRIN−5F HA−MGC4504細胞のインスリン分泌分析、および、基底の、およびグルコース刺激によるインスリン分泌の増加である。これらの結果によれば、MGC4504の過剰発現により、筋肉細胞系におけるインスリン感受性の増加、および、インスリン刺激性のグルコース摂取の増加、さらに、インスリノーマ細胞系におけるグルコース刺激によるインスリン分泌の増加が生じたことから、MGC4504発現は、インスリン感受性、および、グルコースの処理、加えてインスリン分泌に関連があることが示される。
実施例4:可溶性組換えMGC4504融合タンパク質の組換え発現
E.コリ株BL21DE3細菌(インビトロジェン)を、空のpGEX−6P1ベクター、または、pGEX−6P1 MGC4504で形質転換し、LB中で増殖させ、OD600が0.6の段階で0.1mMのIPTGで誘導し、4時間増殖させた。細胞を溶解させ、GST−アフィニティークロマトグラフィーによって、アマシャムによるGST−マイクロスピンカラムの標準的なプロトコールに従って精製し、抗GST抗体(アマシャム)を用いたSDS−PAGE、および、ウェスタンブロッティングでGSTおよびGST−MGC4504タンパク質の発現をモニターした。図5は、様々な可溶性GST−MGC4504タンパク質の発現および精製工程を示しており、それによれば、組換え可溶性MGC4504タンパク質は、E.コリ発現系で容易に得ることができることが示される。
実施例5:MGC4504発現を調節する化合物を決定するためのHTSによる分析
材料および方法
ヌクレオチド−4311〜+1(転写開始部位に相対的な位置:ゲノム配列AC020661中のヌクレオチド84361〜88681)を含むヒトMGC4504の5’−UTRを、PCRで増幅し、pGL3ネオベーシック(pGL3neo basic)にXhoIおよびBglIIでクローニングし、pGL3ネオベーシックMGC4504−4311/+1を得た。さらに、pGL3ネオベーシックMGC4504−4311/+1をBfrBI、XhoIまたはAvrIIで消化し、続いてクレノーで平滑化し、BglIIで消化することによってトランケーションされたコンストラクトを作製した。得られたフラグメントを、KpnIで消化し、クレノーで平滑化し、その後BglIIで消化したpGL3ネオベーシックベクターにライゲーションし、pGL3ネオベーシックMGC4504〜1944/+1,−847/+1、および、−546/+1プラスミドを得た。配列解析することによって、全てのコンストラクトの同一性を確認し、RIN−5Fラットインスリノーマ細胞を、10%FCSゴールド(PAA,番号A15−609)、ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(PAA番号P11−010)、および、1mMのピルビン酸ナトリウム(ギブコ番号11360−039)が添加されたHEPES/L−グルタミン/NaHCO3(ギブコ番号52400−025)を含むRPMI1640中で維持した。HEK293細胞を、10%FCSゴールド(PAA,A15−609)、ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(PAA番号P11−010)、および、1mMのL−グルタミン(ギブコ番号25030−032)が添加されたDMEM(ギブコ番号41965−039)中で維持した。全ての細胞系を、37℃で、5%CO2中で、95%湿度で培養し、週2回継代培養した。RIN−5F細胞を、pCMV−RL(プロメガ)1ng、および、キャリアーとしてpBluescript−SK+(ストラタジーン)0.4ng、および、様々な量のpGL3.1ネオベーシックの空のベクター、または、プロモーターコンストラクトのpGL3.1ネオベーシックMGC4504−5’−UTR−4311/+1、−1944/+1,−847/+1、または、−546/+1で、96ウェルのマイクロタイタープレート(コーニング・コースター(Corning costar)番号3610)中で、フージーン6(ロシュ)を用いることによって一時的にトランスフェクションした。HEK細胞を、ポリフェクト(Polyfect,キアゲン)を用いることによってトランスフェクションした。製造元のプロトコールに従ってトランスフェクションを行った。pGL3.1ネオベーシックコンストラクトの濃度を、ウェルあたり10ng(HEK)、および、40ng(RIN5F)プラスミドに最適化し、最大限のレポーター活性を得た。トランスフェクションに用いられた全てのプラスミドを、キアゲンのエンドフリーマキシプレップキット(Endofree MaxiPrep kit)を製造元のプロトコールに従って用いて単離した。48時間後、これら細胞を溶解させ、ホタルおよびウミシイタケルシフェラーゼ活性を、製造元のプロトコール(プロメガのデュアル−ルシフェラーゼシステム)に従って、ワラックマイクロベータカウンター(パーキン・エルマー)でそれぞれの活性を測定することによって決定した。ホタルルシフェラーゼの値をウミシイタケルシフェラーゼ活性に標準化し、空のpGL3.1ネオベーシックコントロールに対する誘導の倍数としてプロットした。安定なHEK293細胞系をpGL3.1ネオベーシックMGC4504−5’−UTR−4311/+1を用いて作製し、500μg/mlゲネチシン(ギブコ)で選択し、ルシフェラーゼ活性に関して陽性のクローンを選択した。得られたHEK MGC4504の5’−UTR−4311/+1細胞を、96ウェルのマイクロタイタープレート(コーニング・コースター番号3610)で平板培養し、24時間増殖させた。化合物を、DMSO中に10mMの濃度になるように溶解させ、2%ウルトロサール(Ultroser,番号12039−012,バイオセプラ(BioSepra))、1%ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(番号15140−122、インビトロジェン)、および、2mMのL−グルタミン(番号25030−024、インビトロジェン)が添加されたDMEM培地(番号41965−039、インビトロジェン)でそれぞれの実験濃度に希釈した(10μM〜100pM)。MGC4504プロモーターのコンストラクトのプロモーター/転写活性を調節することができる化合物を分析するために、細胞から培地を吸引し、例えばそれぞれの希釈した化合物を含む培地100μlを直接添加した。例えば48時間インキュベートした後、上述のようにホタルルシフェラーゼ活性を決定した。生データをエクセルファイルに移し、各ウェルあたりのホタル/ウミシイタケ活性の比率を決定することができる。用量/活性の関係は、XL−Fitで製造元(IDBS)のプロトコールに従って決定することができる。図6は、一時的な96ウェルフォーマットのデュアルルシフェラーゼレポーター遺伝子分析において、異なる細胞系におけるMGC4504の5’−UTR位−4311/+1の活性を示す。これらの結果によれば、MGC4504プロモーターの活性は、HTSによるレポーター遺伝子分析で分析することができ、MGC4504の自然に発生する発現パターンを示す細胞系における十分なシグナル/ノイズ比を得ることができることが示される。
その上、MGC4504に必要な最小プロモーターは、MGC4504の5’−UTR位−546/+1で構成されていた。
実施例6:MGC4504タンパク質活性に正の作用/刺激を与える能力に関して物質を試験するための、仮定のHTSによる細胞レベルの分析
MGC4504タンパク質活性に関して分析するために、本発明に係る方法のいずれか1種を行い、MGC4504を(内因的または異種的に)弱くしか発現せず、弱い、または中程度のインスリン感受性を有する細胞を利用し、細胞と試験物質とを接触させ、インスリン感受性が調節されるかどうか(すなわち、増加または減少するかどうか)を試験した。1またはそれ以上のネガティブコントロール細胞を使用して、その物質が、前記細胞に存在するMGC4504の量を(転写またはタンパク質レベルで)調節することによってインスリン感受性を調節しないが、MGC4504タンパク質活性を調節することによって調節することを確認した。
細胞系(例えば、HEK293)を、pCDNA3.1+ハイグロHA−MGC4504で見られるようなSV40などのプロモーター(または、それより弱いプロモーター)の制御下に配列番号1に記載のMGC4504を含む発現ベクターで、標準的な手法に従って安定してトランスフェクションした。コントロールとして、同じ細胞系(例えば、HEK293)を、同じプロモーターの制御下にウミシイタケルシフェラーゼのようなレポーター遺伝子を含む同じ発現ベクター(例えば、pCDNA3.1ルシフェラーゼ)で安定してトランスフェクションした。両方の細胞を試験物質とインキュベートした後、標準的手法に従って、試験物質の存在下および非存在下で、両方の細胞におけるインスリン刺激性のグルコース摂取を決定した。コントロール細胞のルシフェラーゼ活性も、標準的手法によって、試験物質の存在下および非存在下で決定された。MGC4504を発現する細胞中でインスリン刺激性のグルコース摂取を増加させることができるが、MGC4504を発現しないコントロール細胞のルシフェラーゼ活性またはインスリン感受性を増加させない物質が、MGC4504活性を増加させるとみなすことができる物質である。
実施例7:II型糖尿病の食餌誘導モデルにおけるMGC4504の遺伝子発現
材料及び方法
動物及びサンプルの調製:
年齢を適合させた雌Zucker糖尿病肥満(ZDF)ラット(Gmi、fa/fa)をジェネティックモデルズ社(Genetic Models)から購入した。同時に3匹のラットを20℃で、12時間の明暗サイクルで、水と高脂肪食餌(Research Diets、米国)を自由に摂取できるようにして、数週間飼育した。全ての実験方法は、ドイツ動物保護法(German Animal Protection Law)に従って行った。高脂肪食餌を与えられた動物は以下の2つのサブグループに分類される:II型糖尿病状態を発現しなかった非応答グループ(血液グルコース<<12mM)と発現した応答グループ(>12mM)。応答グループの7匹の動物と非応答グループの6匹の動物をイソフルオランで麻酔をかけ、頚部脱臼により死なせた。膵臓サンプルを手早く切除し、RNAlaterへ移し、−80℃で長期間貯蔵した。
アフィメトリックス・ジーン・チップ(R)解析及びRNA単離を2つの例外を除いて実施例1に記載のとおりに行った:プロテイナーゼK消化を行ったが、RNAの調製及びハイブリダイゼーションは約28000のラット遺伝子を表わすRAE230_2アレイを用いて行った。ハイブリダイゼーションとして、単離したRNAを同時に各グループ2つのプール(非応答及び応答)に組み合わせた。データ解析はResolver4.0(Rosetta社、米国)を用いてソフトウエア製作者の取扱説明書に従って行った。
差異的に発現される遺伝子を決定するための基準は、1.5倍を超えて高い発現レベルの変化と、0.001未満のp値とした。非応答グループと応答グループとのあいだのMGC4504の遺伝子発現の変化倍数を、RAE230_2でアフィメトリックス・クオリファイアー1389573を用いて解析した。この解析結果を表3に要約する。
非応答動物に比較してII型糖尿病発現する応答グループにおいて、MGC4504の遺伝子発現レベルが有意に低いことが膵臓生検から単離されたRNAのアフィメトリックス・ジーン・チップ(R)解析によって検出できた。このことは、II型糖尿病の発現は高脂肪食餌によって惹起され、MGC4504の遺伝子発現レベルの減少に関連するということを示している。
参考文献
Voss, M.D., Hille, A., Barth, S., Spurk, A., Hennrich, F., Holzer, D., Mueller-Lantzsch, N., Kremmer, E., Grasser, F.A. (2001) J. Virol 75, 11781-90
Literature for standard laboratory methods
If not indicated otherwise, standard laboratory methods were or can be performed according to procedures disclosed in the following standard literature:
Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual. Second edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY. 545 pp;
Current Protocols in Molecular Biology; regularly updated, e.g. Volume 2000; Wiley & Sons, Inc; Editors: Fred M. Ausubel, Roger Brent, Robert Eg. Kingston, David D. Moore, J.G. Seidman, John A. Smith, Kevin Struhl.
Current Protocols in Human Genetics; regularly uptdated; Wiley & Sons, Inc; Editors: Nicholas C. Dracopoli, Honathan L. Haines, Bruce R. Korf, Cynthia C. Morton, Christine E. Seidman, J.G. Seigman, Douglas R. Smith.
Current Protocols in Protein Science; regularly updated; Wiley & Sons, Inc; Editors: John E. Coligan, Ben M. Dunn, Hidde L. Ploegh, David W. Speicher, Paul T. Wingfield.
Molecular Biology of the Cell; third edition; Alberts, B., Bray, D., Lewis, J., Raff, M., Roberts, K., Watson, J.D.; Garland Publishing, Inc. New York & London, 1994;
Short Protocols in Molecular Biology, 5th edition, by Frederick M. Ansubel (Editor), Roger Brent (Editor), Robert E. Kingston (Editor), David D. Moore (Editor), J.G. Seidman (Editor), John A. Smith (Editor), Kevin Struhl (Editor), October 2002, John Wiley & Sons, Inc., New York“
Transgenic Animal Technology: A Laboratory Handboook. C.A. Pinkert, editor; Academic Press Inc., San Diego, California, 1994 (ISBN: 0125571658)
Gene targeting: A Practical Approach, 2nd Ed., Joyner AL, ed. 2000. IRL Press at
Oxford University Press, New York;
Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual. Nagy, A, Gertsenstein, M., Vintersten, K., Behringer, R., 2003, Cold Spring Harbor Press, New York;
Figure 2008532503
選択された様々なヒト組織の一部におけるMGC4504遺伝子発現レベルである。 L6GLUT4myc筋原細胞におけるHA−MGC4504の安定な発現である。 一時的にトランスフェクションされたL6GLUT4myc(A)、および、RIN−5F(B)細胞の細胞質および細胞核における、MGC4504の細胞内分配である。 2−デオキシグルコース摂取分析、および、L6GLUT4myc HA−MCG4504細胞のインスリン感受性の増加である。 RIN−5F HA−MGC4504細胞の、インスリン分泌分析、ならびに、基底のインスリン分泌およびグルコース刺激によるインスリン分泌の増加である。 可溶性GST−MGC4504タンパク質の発現および精製の際に採取した様々なサンプルのクーマシー染色である。 A:一時的な96ウェルフォーマットのデュアルルシフェラーゼレポーター遺伝子分析における、異なる細胞系におけるMGC4504の5’−UTR位−4311/+1の活性である。B:HEK293細胞で、一時的な96ウェルフォーマットのデュアルルシフェラーゼレポーター遺伝子分析で異なるトランケーションされたプロモーターフラグメントを分析することによる、MGC4504の5’−UTR位−4311/+1内のMGC4504コアのプロモーターの実験的な決定である。 ヒトMGC4504のコード配列である(配列番号1)。 ヒトMGC4504の誘導されたアミノ酸配列である(配列番号2)。 ヒトMGC4504のゲノム配列である(配列番号3)。 図9−1の続きである。 図9−2の続きである。 ラットMGC4504のmRNAの特異的な増幅のためのプライマーである(配列番号4および5)。 ラットのベータアクチンのmRNAの特異的な増幅のためのプライマーである(配列番号6および7)。 ヒトMGC4504のmRNAの特異的な増幅のためのプライマー(配列番号8および9)、および、ヒトMGC4504のmRNAの特異的なハイブリダイゼーションのためのプローブである(配列番号10)。 cDNAからヒトMGC4504のORFをクローニングするためのプライマーである(配列番号11〜13)。 コード配列を含むヒトMGC4504のcDNA配列のフラグメントである(配列番号14)。

Claims (57)

  1. 炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性な物質を同定するための、MGC4504タンパク質、その機能的な誘導体もしくはフラグメント、または、該タンパク質、誘導体もしくはフラグメントをコードする核酸の使用。
  2. 炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性な物質の同定方法であって、
    a.MGC4504タンパク質と、試験物質とを接触させること;および、
    b.該試験物質が、MGC4504タンパク質の活性を調節するかどうかを決定すること、
    を含む、上記方法。
  3. 炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性な物質の同定方法であって、
    a.MGC4504の活性または量が減少した細胞と、試験物質とを接触させること;
    b.該物質が、該細胞中に存在するMGC4504の活性または量を増加させることができるかどうかを決定すること、
    を含む、上記方法。
  4. 炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性な物質の同定方法であって、
    a.転写活性を有する系で、MGC4504タンパク質、その誘導体またはフラグメントをコードする核酸と、試験物質とを接触させること;
    b.該物質の存在下において該系に存在するMGC4504タンパク質、その誘導体またはフラグメントをコードするmRNAの量を決定すること;
    c.該物質の非存在下において該系に存在するMGC4504タンパク質、その誘導体またはフラグメントをコードするmRNAの量を決定すること;
    d.該物質が、該系中に存在するMGC4504のmRNAの量を調節できるかどうかを決定すること、
    を含む、上記方法。
  5. 炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気の予防または治療において活性な物質の同定方法であって、
    a.翻訳活性を有する系で、MGC4504タンパク質、その誘導体またはフラグメントをコードする核酸と、試験物質とを接触させること;
    b.該物質の存在下において該系に存在するMGC4504タンパク質、誘導体またはフラグメントの量を決定すること;
    c.該物質の非存在下において該系に存在するMGC4504タンパク質、誘導体またはフラグメントの量を決定すること;
    d.該物質が、該系中に存在するMGC4504タンパク質、誘導体またはフラグメントの量を調節できるかどうかを決定すること、
    を含む、上記方法。
  6. 炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を予防または治療することにおいて活性な物質の同定方法であって、
    a.レポーター遺伝子またはその機能的なフラグメントに使用できるようにカップリングされたMGC4505プロモーターまたはその機能的なフラグメントを含む核酸ベクターでトランスフェクションされた細胞を提供すること;
    b.機能的なMGC4504プロモーターに使用できるようにカップリングされていないレポーター遺伝子またはその機能的なフラグメントを含むコントロールベクターでトランスフェクションされた細胞を提供すること;
    c.試験物質の存在下で、a)およびb)に記載の細胞のレポーター遺伝子の活性を決定すること;
    d.該物質の非存在下で、該レポーター遺伝子の活性を決定すること、
    を含み、ここにおいて、活性な物質とは、b)に記載のレポーター遺伝子の活性を増加させることなく、a)に記載のレポーター遺伝子の活性を増加させることができる物質である、上記方法。
  7. 単離された個体サンプルにおいて、炭水化物または脂質代謝の不全に関連する病気、もしくはそれによって引き起こされる病気、またはその病気の素因を診断するための、MGC4504を検出する手段の使用。
  8. 炭水化物および/もしくは脂質代謝の不全に関連する病気またはそれによって引き起こされる病気、またはその病気の素因を同定するための診断キットを製造するための、MGC4504を検出する手段の使用。
  9. 炭水化物および/もしくは脂質代謝の不全に関連する病気またはそれによって引き起こされる病気、またはその病気の素因の診断方法であって、単離された個体サンプルに存在するMGC4504の量を解析することを含み、ここにおいて、該サンプルに存在するMGC4504の量が1種またはそれ以上の参照サンプルと比較して低いことが、該素因または病気を有することを示す、上記方法。
  10. 炭水化物および/もしくは脂質代謝の不全に関連する病気またはそれによって引き起こされる病気、またはその病気の素因の診断方法であって、単離された個体サンプルとMGC4504の参照配列とを、MGC4504の突然変異に関して比較解析することを含み、ここにおいて、突然変異の存在が、該病気または素因を有することを示す、上記方法。
  11. 炭水化物および/もしくは脂質代謝の不全に関連する病気またはそれによって引き起こされる病気、またはその病気の素因の診断方法であって、単離された個体サンプルと参照サンプルとを、MGC4504活性の損失または低減に関して比較解析することを含み、ここにおいて、活性の損失または低減が、該病気または素因を有することを示す、上記方法。
  12. 少なくとも1つのMGC4504を検出する手段を含む、炭水化物および/もしくは脂質代謝の不全に関連する病気またはそれによって引き起こされる病気、またはその病気の素因を同定するためのキット。
  13. 炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気の治療または予防のための薬物療法の適応方法であって、ここにおいて、単離された個体サンプルは、MGC4504の突然変異に関して参考配列と比較して解析されるか、または、MGC4504の量または活性の減少に関して、参照サンプルと比較して解析され、この場合、該サンプル中に、MGC4504の突然変異、または、MGC4504の量または活性の減少が存在する場合、その薬物療法は適応している、上記方法。
  14. 炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を治療または予防するための医薬品を製造するための、MGC4504またはその機能的なフラグメントもしくは誘導体、または、MGC4504またはその機能的なフラグメントもしくは誘導体を含む物質からなる組成物の使用。
  15. 炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気に罹った個体の治療方法であって、該個体中のMGC4504の量を調節すること、好ましくは増加させることを含む、上記方法。
  16. 炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気を治療または予防するための医薬品を製造するための、MGC4504の活性を調節する物質の使用。
  17. 炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気に罹った個体の治療方法であって、該個体に、MGC4504の活性を調節する物質を投与することを含む、上記方法。
  18. 炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気の治療または予防において活性な物質を同定するための、MGC4504を異種発現する細胞の使用。
  19. 炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気の治療または予防において活性な物質を同定するための、MGC4504を異種発現する非ヒト動物の使用。
  20. 炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気の治療または予防において活性な物質を同定するための、MGC4504ノックアウト細胞の使用。
  21. 炭水化物および/または脂質代謝の不全に関連する病気、または、それによって引き起こされる病気の治療または予防において活性な物質を同定するための、非ヒトMGC4504ノックアウト動物の使用。
  22. 配列番号8または9に記載のヌクレオチド配列を有するプライマー。
  23. 配列番号10に記載のヌクレオチド配列を有する核酸プローブ。
  24. 請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法に基づく、ハイスループットスクリーニング(HTS)。
  25. MGC4504、その誘導体またはフラグメントは、単離された分子として用いられる、請求項1もしくは14に記載の使用、請求項2、4および5のいずれかに記載の方法、または、請求項24に記載のHTS。
  26. MGC4504、その誘導体またはフラグメントは、生化学分析、または、細胞レベルの分析で用いられる、請求項1に記載の使用、請求項2、4および5のいずれかに記載の方法、または、請求項24に記載のHTS。
  27. 分析は細胞レベルの分析であり、細胞は、MGC4504を異種発現するように一時的に、または安定してトランスフェクションされており、好ましくは安定してトランスフェクションされている、請求項26に記載の使用、方法またはHTS。
  28. 細胞は哺乳動物細胞である、請求項27に記載の使用、方法もしくはHTS、または、請求項18もしくは20に記載の使用。
  29. 細胞は、げっ歯類細胞であり、好ましくはマウスの細胞である、請求項28に記載の使用、方法またはHTS。
  30. 細胞は、ヒト細胞である、請求項28に記載の使用、方法またはHTS。
  31. 動物は、脊椎動物または無脊椎動物であり、好ましくは脊椎動物であり、より好ましくは非ヒト哺乳動物、さらにより好ましくはマウスまたはラットである、請求項19または21に記載の使用。
  32. 異種発現されたMGC4504は、導入遺伝子である、請求項18または19に記載の使用。
  33. MGC4504は、哺乳動物のMGC4504であり、好ましくはヒトMGC4504である、請求項1、14および16のいずれかに記載の使用、請求項2〜6、15および17のいずれかに記載の方法、または、請求項24に記載のHTS。
  34. 個体は、ヒトである、請求項7もしくは16に記載の使用、または、請求項9〜11、13、15および17のいずれかに記載の方法。
  35. MGC4504、またはその誘導体もしくはフラグメントは、核酸である、請求項1もしくは14に記載の使用、請求項3、5、9および10のいずれかに記載の方法、請求項12に記載のキット、または、請求項24に記載のHTS。
  36. 核酸は、以下の配列:
    a.配列番号1または14に記載の配列;
    b.MGC4504機能を有するタンパク質またはポリペプチドをコードする、低い、中程度の、または高いストリンジェンシー条件下でa)に記載の配列とハイブリダイゼーションすることができる配列;
    c.MGC4504機能を有するタンパク質またはポリペプチドをコードする、a)またはb)に記載の配列から遺伝子コードの縮重によって誘導された配列;
    d.MGC4504機能を有するタンパク質またはポリペプチドをコードする、a)、b)またはc)に記載の配列のいずれか一種のフラグメント、ここにおいて、該タンパク質またはポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含む、または、それらからなるポリペプチド配列を有する;
    e.MGC4504機能を有するタンパク質またはポリペプチドをコードする、a)、b)、c)またはd)に記載の配列のいずれか一種から、1個またはそれ以上のヌクレオチド置換によって誘導された配列(ここにおいて、該ヌクレオチド置換は、遺伝子コードの縮重によるものではないか、または、単にそれだけによるものではない)
    のいずれか一種を含むか、または、それらからなる、請求項35に記載の使用、方法もしくはハイスループットスクリーニング、または、請求項4に記載の方法。
  37. MGC4504、またはその誘導体もしくはフラグメントは、タンパク質またはポリペプチドである、請求項1、14および16のいずれかに記載の使用、請求項3、5、9、10および17のいずれかに記載の方法、請求項12に記載のキット、または、請求項24に記載のハイスループットスクリーニング。
  38. ポリペプチドまたはタンパク質は、以下の配列:
    a.配列番号1または14に記載の配列;
    b.MGC4504機能を有するタンパク質またはポリペプチドをコードする、低い、中程度の、または高いストリンジェンシー条件下でa)に記載の配列とハイブリダイズすることができる配列;
    c.MGC4504機能を有するタンパク質またはポリペプチドをコードする、a)またはb)に記載の配列から遺伝子コードの縮重によって誘導された配列;
    d.MGC4504機能を有するタンパク質またはポリペプチドをコードする、a)、b)またはc)に記載の配列のいずれか一種のフラグメント;
    e.MGC4504機能を有するタンパク質またはポリペプチドをコードする、a)、b)、c)またはd)に記載の配列のいずれか一種から、1個またはそれ以上のヌクレオチド置換によって誘導された配列(ここにおいて、該ヌクレオチド置換は、遺伝子コードの縮重によるものではないか、または、単にそれだけによるものではない)
    のいずれか一種によってコードされている、請求項37に記載の使用、方法、キットもしくはハイスループットスクリーニング、請求項2に記載の使用、または、請求項2もしくは4に記載の方法。
  39. タンパク質またはポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含むか、または、それらからなる、請求項37または38に記載の使用、方法、キットまたはハイスループットスクリーニング。
  40. 病気は、代謝症候群、肥満症、I型もしくはII型糖尿病、または、インスリン耐性であり、好ましくはインスリン耐性である、請求項1〜39のいずれか一項に記載の使用、方法またはハイスループットスクリーニング。
  41. 調節は、活性化である、請求項1〜40のいずれか一項に記載の使用、方法またはハイスループットスクリーニング。
  42. レポーター遺伝子は、ウミシイタケまたはホタルルシフェラーゼ、緑色または青色蛍光タンパク質、ベータ−ガラクトシダーゼ、または、クロラムフェニコール−アセチル−トランスフェラーゼをコードする遺伝子である、請求項6に記載の方法。
  43. 細胞は、初代細胞であるか、または、細胞系に属するものである、請求項3、6、18または20のいずれかに記載の方法。
  44. 細胞は、HEK293、RIN−5F、CHO、または、NIH3T3細胞である、請求項43に記載の方法。
  45. 細胞は、トランスジェニック非ヒト動物から単離される、18または30に記載の使用。
  46. 細胞は、ノックアウト非ヒト動物から単離される、請求項20に記載の使用。
  47. トランスフェクションは、一過性の、または、安定なトランスフェクションであり、好ましくは安定なトランスフェクションである、請求項6に記載の方法。
  48. 個体に、有効量のMGC4504を投与することを含む、請求項11または34に記載の方法。
  49. MGC4504の定常状態のレベルを内因的に増加させることを含む、請求項11または34に記載の治療方法。
  50. MGC4504のmRNAのレベルを特異的に解析する手段の使用、好ましくは、MGC4504のcDNAまたはそのフラグメントを特異的に増幅することができる、特異的なMGC4504の核酸プローブまたはプライマーセットの使用を含む、請求項9に記載の方法。
  51. MGC4504タンパク質レベルを特異的に解析する手段の使用、好ましくは、特異的なMGC4504抗体の使用を含む、請求項9に記載の方法。
  52. MGC4504のmRNAを検出する手段、好ましくはMGC4504のmRNAまたはcDNAを増幅することができるmRNAプローブまたはプライマーセットを用いた、請求項7もしくは8に記載の使用、請求項9に記載の方法、または、請求項12に記載のキット。
  53. MGC4504タンパク質を検出する手段、好ましくは特異的なMGC4504抗体を用いた、請求項7もしくは8に記載の使用、請求項9に記載の方法、または、請求項12に記載のキット。
  54. MGC4504の核酸における突然変異を検出する手段、好ましくは、MGC4504の核酸を増幅することができる核酸プローブまたはプライマーセットを用いた、請求項7もしくは8に記載の使用、請求項10に記載の方法、または、請求項12に記載のキット。
  55. MGC4504タンパク質における突然変異を検出する手段、好ましくは特異的な抗体を用いた、請求項7もしくは8に記載の使用、請求項10に記載の方法、または、請求項12に記載のキット。
  56. 手段は、MGC4504のmRNAまたはゲノムDNAを特異的に解析する手段であり、好ましくは、MGC4504のゲノムDNAまたはcDNAまたはそのフラグメントを増幅することができるMGC4504の特異的な核酸プローブまたはプライマーセットを含むか、または、該核酸プローブまたはプライマーセットである、請求項7に記載の使用、または、請求項9に記載のパーツのキット。
  57. ノックアウトは、機能的なノックアウトであるか、または、ゲノムのノックアウトである、請求項20または21に記載のノックアウト細胞または動物の使用。
JP2008500102A 2005-03-11 2006-03-06 Mgc4504の使用 Expired - Fee Related JP4960951B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP05005383.4 2005-03-11
EP05005383 2005-03-11
PCT/EP2006/002020 WO2006094735A1 (en) 2005-03-11 2006-03-06 Use of mgc4504

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008532503A true JP2008532503A (ja) 2008-08-21
JP2008532503A5 JP2008532503A5 (ja) 2008-11-27
JP4960951B2 JP4960951B2 (ja) 2012-06-27

Family

ID=34934214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008500102A Expired - Fee Related JP4960951B2 (ja) 2005-03-11 2006-03-06 Mgc4504の使用

Country Status (13)

Country Link
US (1) US20080249011A1 (ja)
EP (1) EP1861711B1 (ja)
JP (1) JP4960951B2 (ja)
KR (1) KR101338885B1 (ja)
CN (1) CN101147066A (ja)
AT (1) ATE541212T1 (ja)
AU (1) AU2006222204B2 (ja)
BR (1) BRPI0609209A2 (ja)
CA (1) CA2600209A1 (ja)
DK (1) DK1861711T3 (ja)
IL (1) IL185806A (ja)
MX (1) MX2007010835A (ja)
WO (1) WO2006094735A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2397559A1 (en) 2010-06-17 2011-12-21 Max-Delbrück-Centrum Für Molekulare Medizin Stage-specific biomarkers for the diagnosis of acute kidney injury

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000026245A2 (en) * 1998-11-04 2000-05-11 Incyte Pharmaceuticals, Inc. Human membrane transport proteins

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8308235D0 (en) 1983-03-25 1983-05-05 Celltech Ltd Polypeptides
US4816567A (en) 1983-04-08 1989-03-28 Genentech, Inc. Recombinant immunoglobin preparations
WO1988001649A1 (en) 1986-09-02 1988-03-10 Genex Corporation Single polypeptide chain binding molecules
JP2919890B2 (ja) 1988-11-11 1999-07-19 メディカル リサーチ カウンスル 単一ドメインリガンド、そのリガンドからなる受容体、その製造方法、ならびにそのリガンドおよび受容体の使用
US6300129B1 (en) 1990-08-29 2001-10-09 Genpharm International Transgenic non-human animals for producing heterologous antibodies
WO1993006213A1 (en) 1991-09-23 1993-04-01 Medical Research Council Production of chimeric antibodies - a combinatorial approach
FR2739031B1 (fr) 1995-09-27 1997-11-21 Lhd Lab Hygiene Dietetique Systeme matriciel transdermique d'administration d'un oestrogene et/ou d'un progestatif a base de copolymere styrene-isoprene-styrene, procede de preparation et utilisation en therapeutique
US5736154A (en) 1996-03-11 1998-04-07 Fuisz Technologies Ltd. Transdermal delivery system
NZ332033A (en) 1996-03-25 1999-09-29 Lohmann Therapie Syst Lts Transdermal therapeutic system (tts) with small application-area thickness and great flexibility, and production process
AUPO379596A0 (en) 1996-11-22 1996-12-19 Soltec Research Pty Ltd Percutaneous delivery system
KR20000070357A (ko) * 1997-01-23 2000-11-25 다께우찌 마사야쓰 당뇨병 치료제
US6177248B1 (en) * 1999-02-24 2001-01-23 Affymetrix, Inc. Downstream genes of tumor suppressor WT1
WO2002098441A2 (en) 2001-06-07 2002-12-12 Azign Bioscience A/S Method of treating metabolic disorders using neuronatin polypeptides
WO2003063889A1 (en) * 2002-01-31 2003-08-07 Joslin Diabetes Center, Inc. METHODS OF MODULATING β CELL FUNCTION
WO2005072076A2 (en) * 2002-12-20 2005-08-11 Nuvelo, Inc. Legal Department Novel nucleic acids and polypeptides
EP1602666A4 (en) * 2003-03-10 2006-05-24 Takeda Chemical Industries Ltd NEW PROTEIN AND ITS DNA

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000026245A2 (en) * 1998-11-04 2000-05-11 Incyte Pharmaceuticals, Inc. Human membrane transport proteins

Also Published As

Publication number Publication date
EP1861711B1 (en) 2012-01-11
CN101147066A (zh) 2008-03-19
ATE541212T1 (de) 2012-01-15
AU2006222204A1 (en) 2006-09-14
JP4960951B2 (ja) 2012-06-27
IL185806A0 (en) 2008-01-06
AU2006222204B2 (en) 2012-09-27
DK1861711T3 (da) 2012-04-16
MX2007010835A (es) 2007-11-09
BRPI0609209A2 (pt) 2010-03-02
KR20080005185A (ko) 2008-01-10
CA2600209A1 (en) 2006-09-14
IL185806A (en) 2013-07-31
KR101338885B1 (ko) 2013-12-12
WO2006094735A1 (en) 2006-09-14
US20080249011A1 (en) 2008-10-09
EP1861711A1 (en) 2007-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7511018B2 (en) Juvenile hemochromatosis gene (HFE2A) cleavage products and uses thereof
Schäfer et al. Ataxin-10 is part of a cachexokine cocktail triggering cardiac metabolic dysfunction in cancer cachexia
AU2023202663A1 (en) Hydroxysteroid 17-beta dehydrogenase 13 (HSD17B13) variants and uses thereof
JP4960951B2 (ja) Mgc4504の使用
US8084198B2 (en) Use of a GIP promoter polymorphism
Berger et al. Genetic variants of insulin receptor substrate‐1 (IRS‐1) in syndromes of severe insulin resistance. Functional analysis of Ala513Pro and Gly1158Glu IRS‐1
US7422898B2 (en) Nucleic acid encoding monkey Gpr103
AU2009297425A1 (en) Biomarker for microdomain disorder
Zhang et al. HSF1 promotes the viability of islet β-cells via upregulating SIRPα expression.
JP4801596B2 (ja) 炎症性疾患の検査方法及び炎症性疾患治療薬のスクリーニング方法
JP2004194534A (ja) 炎症性腸疾患疾患マーカーおよびその利用
KR101985577B1 (ko) Cry1의 당뇨병 치료제 및 이를 표적으로 하는 당뇨병 치료제 스크리닝 용도
EP2020447A1 (en) Method for identifying compounds modulating adiponectin gene expression
JP2005312364A (ja) 糖尿病治療剤スクリーニング方法
JP5830329B2 (ja) 腎障害の新規マーカー
WO2004016783A1 (ja) アトピー性皮膚炎の検査方法
WO2006043701A1 (ja) 糖新生関連遺伝子の転写因子のリン酸化阻害方法およびリン酸化阻害剤
JP2010059078A (ja) 神経伝達及び/又はシナプス形成関連物質の転写調節用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081008

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120228

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120323

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150330

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees