JP2005312364A - 糖尿病治療剤スクリーニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】正常範囲内に血糖をコントロール可能な糖尿病治療剤として有用な物質を得るための新規かつ簡便なスクリーニング方法を提供する。
【解決手段】前記スクリーニング方法は、(1)SOCS-2のアミノ酸配列、又はその改変アミノ酸配列若しくは相同アミノ酸配列を含み、且つ、膵β細胞にて強制発現させることにより高グルコース濃度下のインスリン分泌を抑制する作用を示すポリペプチドを過剰発現している細胞と、試験物質とを高グルコース濃度下で接触させる工程、及び(2)前記細胞から分泌されるインスリン量を測定する工程を含む。あるいは、(1)ヒトSOCS-2プロモーター配列又はその改変配列を含むDNA断片で形質転換した細胞と試験物質とを接触させる工程、(2)SOCS2発現量を測定する工程、及び(3)SOCS2発現量を抑制する物質を選択する工程を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、糖尿病治療剤スクリーニング方法に関する。
糖尿病は、持続的高血糖状態を伴う疾患であり、多くの環境因子と遺伝的因子とが作用した結果生じると言われている。血糖の主要な調整因子はインスリンであり、高血糖は、インスリン欠乏、あるいは、その作用を阻害する諸因子(例えば、遺伝的素因、運動不足、肥満、又はストレス等)が過剰となって生じることが知られている。
糖尿病には主として2つの種類があり、自己免疫疾患などによる膵インスリン分泌機能の低下によって生じるインスリン依存性糖尿病(IDDM)と、持続的な高インスリン分泌に伴う膵疲弊による膵インスリン分泌機能の低下が原因であるインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)とに分けられる。日本人の糖尿病患者の95%以上は、NIDDMと言われており、生活様式の変化に伴い、患者数の増加が問題となっている。
糖尿病の治療は、軽症においては、食事療法、運動療法、及び肥満の改善等が主として行われ、更に進行すると、経口糖尿病薬(例えば、スルホニルウレア剤等のインスリン分泌促進剤)の投与が行われ、更に重症の場合は、インスリン製剤の投与が行われている(非特許文献1、2)。
スルホニルウレア剤は、膵β細胞を刺激し、内因性インスリン分泌を促進するが、インスリン分泌のタイミング及び分泌量は、血糖値とは関係なく、薬物の投与タイミング及び投与量によって決まる。このため、副作用として薬剤の作用持続に起因する低血糖を呈する場合がある。また、食欲不振等の消化器症状が現れる。更に、重症ケトーシス又は肝若しくは腎機能障害のある患者には禁忌である(非特許文献3)。
インスリン製剤は、確実に血糖を低下させるが、注射により投与しなければならない上に、低血糖になるおそれもある(非特許文献4)。
このように従来用いられているインスリン分泌促進剤及びインスリン製剤は、前記課題を有していた。そこで、より高度な血糖管理が可能な薬剤、すなわち、単に血糖を下げる薬剤ではなく、正常範囲内に血糖をコントロールすることのできる薬剤が切望されていた。
一方分泌されたインスリンは肝臓や筋肉の細胞膜上にあるインスリン受容体を介して、そのシグナルを伝え、最終的には細胞外からの糖の取り込みを促進するが、これらインスリンシグナル伝達経路の詳細については精力的な研究がなされている(非特許文献5〜7)が、未だその詳細な機構は解明されていない。
最近、様々なサイトカインやホルモンによって発現が誘導される情報伝達因子としてSOCS(suppressor of cytokine signaling)ファミリーが同定された。SOCSファミリーは、SH2(Src homology 2)ドメインと、SOCSボックス(SOCS box)を有する点が共通しており、SH2ドメインがリン酸化チロシンを認識し、種々のサイトカインレセプターのシグナルを抑制していると考えられている。SOCSファミリー間での配列同一性はSH2ドメインとSOCSボックスに限定されており、その分子サイズは579アミノ酸(SOCS-7)から198アミノ酸(SOCS-2)とバラエティーに富んでおり、SOCS-1又はSOCS-3のようにKIR(kinase inhibitory region)がある分子もあれば、それ以外のSOCSファミリー分子のようにKIRを持たない分子もある(非特許文献8)。SOCSファミリー分子の生体内での機能は分子により様々である。
阿部隆三及び春日雅人編集、「Evidence−Based Medicineをめざす糖尿病治療」、南江堂、1997年 日本糖尿病学会編、「糖尿病治療ガイド2000」、文光堂、2000年 「アナルズ・オブ・イマージェンシー・メディシン(Annals of Emergency Medicine)」、(米国)、2001年、第38巻、第1号、p.68-78 「ダイアビィティス・メタボリズム(Diabetes & Metabolism)」、(米国)、1994年、第20巻、第6号、p.503-512 「ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(The Journal of Clinical Investigation)」、(米国)、2000年、第106巻、第2号、p. 165-169 「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry)」、(米国)、1999年、第274巻、第4号、p. 1865-1868 「ネイチャー(Nature)」、(英国)、2001年、第410巻、第6831号、p.944-948 「プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユナイティッド・ステート・オブ・アメリカ(Proceedings of the national academy of sciences of the United States of America)」、(米国)、1998年、第95巻、p. 114-119
かかる状況下、本発明者らは、高グルコース濃度下特異的にインスリン分泌を促進する新たな糖尿病治療剤のターゲットを探索し、鋭意研究を行った結果、高グルコース濃度下で膵β細胞からのインスリン分泌量は増加するが、SOCS-2を膵β細胞に過剰発現させると、高グルコース濃度下でのインスリン分泌量が低下すること、一方、低グルコース濃度下では、SOCS-2を膵β細胞に過剰発現させてもインスリン分泌量に変化がないとの知見を得た。つまり、高グルコース濃度下で促進されるべき膵β細胞からのインスリン分泌を、SOCS-2が抑制していることが判明した。以上より、SOCS-2及びSOCS-2が過剰発現した膵β細胞は、正常範囲内に血糖をコントロール可能な糖尿病治療剤のスクリーニングツールとなることを見出し、高グルコース濃度下でSOCS-2が過剰発現した膵β細胞からのインスリン分泌を増加させる物質をスクリーニングすることができる系を構築した。また、SOCS-2のプロモーターを取得し、SOCS-2のプロモーター活性を低下させる物質をスクリーニングすることができる系を構築した。これにより、正常範囲内に血糖をコントロール可能な糖尿病治療剤であるインスリン分泌促進剤(より好ましくは、高グルコース濃度下特異的インスリン分泌促進剤)として有用な物質を得るための新規かつ簡便なスクリーニング方法を提供し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1]SOCS-2のアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加されたアミノ酸配列、あるいは、配列番号2で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つ、膵β細胞にて強制発現させることにより高グルコース濃度下のインスリン分泌を抑制する作用を示すポリペプチドからなる、糖尿病治療剤スクリーニング用ツール、
[2][1]に記載のポリペプチドを過剰発現している細胞からなる、糖尿病治療剤スクリーニング用ツール、
[3](1)[2]に記載の細胞と試験物質とを高グルコース濃度下で接触させる工程、及び
(2)前記細胞から分泌されるインスリン量を測定する工程
を含む、糖尿病治療剤のスクリーニング方法、
[4]糖尿病治療剤がインスリン分泌促進剤である、[3]に記載のスクリーニング方法、
[5]配列番号3で表される塩基配列又はその一部の配列、あるいは、配列番号3で表される塩基配列において1〜10個の塩基の欠失、置換、及び/若しくは付加された塩基配列又はその一部の塩基配列を含み、且つ、ヒトSOCS-2プロモーター活性を有するDNA断片である、糖尿病治療剤スクリーニング用ツール、
[6](1)[5]に記載のDNA断片で形質転換した細胞と試験物質とを接触させる工程、
(2)SOCS2発現量を測定する工程、及び
(3)SOCS2発現量を抑制する物質を選択する工程
を含む、糖尿病治療剤のスクリーニング方法、並びに
[7]糖尿病治療剤がインスリン分泌促進剤である、[6]に記載のスクリーニング方法
に関する。
糖尿病治療剤(好ましくはインスリン分泌促進剤、より好ましくは高血糖時特異的インスリン分泌促進剤)スクリーニングのための本発明のスクリーニングツールの使用も、本発明に含まれる。
SOCS-2は、例えば、アミノ酸配列の同一性93%であるヒトSOCS-2(NCBI Reference Sequences番号NP_003868:配列番号5)及びマウスSOCS-2(NCBI Reference Sequences番号NP_031732:配列番号2)が知られており、本発明のスクリーニングツールとしていずれを用いることもできる。ヒトSOCS-2(198アミノ酸残基)とそれぞれ198アミノ酸残基中189アミノ酸残基(95%)、191アミノ酸残基中190アミノ酸残基(99%)、198アミノ酸残基中198アミノ酸残基(100%)の同一性を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列が特許文献(US5919661-A、WO00/55174-A1、WO03/039443)に開示されている。裏づけは伴わないがそれらに関連する疾患として多数記載されているが、高グルコース濃度下でのインスリン分泌促進を阻害する作用は記載されておらず、それを示唆する記載もない。また、国際公開第WO01/35732-A1号パンフレットには、SOCS-2は成長ホルモン(GH)やインスリン様増殖因子−I(IGF-1)を含むホルモンシグナルを調整し、家畜やヒトに対して、年を取っても活発でいられる可能性や、代謝調節により肥満のコントロールに有用である可能性、慢性炎症の治療に役立つ可能性、心筋梗塞や骨折、骨粗鬆症予防に使用できる可能性などが記載されているが、高グルコース濃度下でのインスリン分泌促進を阻害する作用は記載されてない。本発明者らは、高血糖時の膵β細胞からのインスリン分泌促進を抑制するSOCS-2の作用を初めて見出し、SOCS-2が糖尿病態における高血糖時のインスリン分泌低下の原因であることを初めて明らかにした。
本発明のスクリーニング用ツール又はスクリーニング方法によれば、正常範囲内に血糖をコントロール可能な糖尿病治療剤(好ましくはインスリン分泌促進剤、より好ましくは、高グルコース濃度下特異的インスリン分泌促進剤)として有用な物質をスクリーニングすることができる。
以下、本発明で使用される用語につき説明する。
「高グルコース濃度下」とは、例えば、血中、あるいは、細胞を取り巻く環境におけるグルコース濃度が、正常な状態におけるグルコース濃度範囲を越えた状態を意味し、好ましくは16.8 mmol/Lである。
また、「低グルコース濃度下」とは、例えば、前記グルコース濃度が、正常な状態におけるグルコース濃度範囲より低い状態を意味し、好ましくは2.8 mmol/Lである。
「膵β細胞」とは、インスリン分泌可能な細胞であり、分化又は再生後の成熟した膵臓β細胞を示し、哺乳類由来の細胞又は株化された細胞が好ましい。具体的には、ラット又はマウスの膵臓から分離した膵ランゲルハンス島、若しくは、膵β細胞の研究に使用されるRIN5細胞〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA (1977) 74, 628-630〕、HIT細胞〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA (1981) 78, 4339-4342〕、MIN6細胞〔Endocrinol. (1990) 127, 126-132〕、MIN6B1細胞〔Endocrinol. (2003) 144, 1368-1379〕、βTC細胞〔Endocrinol. (1990) 126, 2815-2822, Diabetes (1993) 42, 901-907〕、NIT1細胞〔Diabetes (1991) 40, 842-849〕、INS-1細胞〔Endocrinol. (1992) 130, 167-178〕、βHC細胞〔Mol.Cell.Biol. (1993) 13, 4223-4232〕等が挙げられる。
以下に本発明を詳細に説明する。
1.本発明のスクリーニングツール
本発明の糖尿病治療剤(好ましくはインスリン分泌促進剤、より好ましくは高血糖時特異的インスリン分泌促進剤)スクリーニングツールには、(1)ポリペプチド型スクリーニングツール、(2)細胞型スクリーニングツール、及び(3)プロモーター型スクリーニングツールが含まれる。
(1)ポリペプチド型スクリーニングツール
本発明のポリペプチド型スクリーニングツールとしては、SOCS-2のアミノ酸配列、配列番号2で示されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加されたアミノ酸配列、あるいは、配列番号2で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つ、膵β細胞にて過剰発現させることにより高グルコース濃度下のインスリン分泌を抑制する作用を示すポリペプチドを利用することができるが、ヒトSOCS-2又はマウスSOCS-2を使用することがより好ましい。
或るポリペプチドが「膵β細胞にて過剰発現させることにより高グルコース濃度下のインスリン分泌を抑制する作用」を示すか否かの判定方法は、特に限定されるものではないが、例えば、実施例1又は実施例2に記載の方法によって確認することができる。
具体的には、例えば、判定対象ポリペプチドを発現可能なDNAを挿入した発現ベクターと、コントロール用空ベクターとを用いて膵β細胞を形質転換し、膵β細胞にて前記ポリペプチドを発現させた状態にした試験用細胞と、コントロール細胞とを作製し、所定期間(例えば、12時間〜2日間)が経過した後、高濃度又は低濃度のグルコースを含有する緩衝液に置換して更に所定時間(例えば、数十分〜数時間)インキュベートし、前記緩衝液(すなわち、培養上清)中のインスリン分泌量をそれぞれ測定する。このとき、低濃度グルコース刺激時はコントロールと差がないが、高濃度グルコース刺激時にのみ、インスリン分泌抑制作用が認められた場合、前記判定対象ポリペプチドは、「膵β細胞にて過剰発現させることにより高グルコース濃度下のインスリン分泌を抑制する作用」を示すと判定することができる。
ポリペプチドの機能を維持するために、置換されるアミノ酸は、置換前のアミノ酸と似た性質を有するアミノ酸であることが好ましい。例えば、以下に示すような各グループに属するアミノ酸は、そのグループ内で互いに似た性質を有するアミノ酸である。これらのアミノ酸をグループ内の他のアミノ酸に置換しても、タンパク質の本質的な機能は損なわれないことが多い。このようなアミノ酸の置換は、保存的置換と呼ばれ、ポリペプチドの機能を保持しつつアミノ酸配列を変換するための手法として公知である。
非極性アミノ酸:Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Met、Phe、及びTrp
非荷電性アミノ酸:Gly、Ser、Thr、Cys、Tyr、Asn、及びGln
酸性アミノ酸:Asp及びGlu
塩基性アミノ酸:Lys、Arg、及びHis
本明細書における配列同一性は、BLAST(Basic local alignment search tool; Altschul,S.F.ら, J.Mol.Biol., 215, 403-410, 1990)により得られた値を意味し、アミノ酸配列の相同性は、BLAST検索アルゴリズムを用いて決定することができる。具体的には、BLASTパッケージ(sgi32bit版,バージョン2.0.12;NCBIより入手)のbl2seqプログラム(Tatiana A.Tatusova及びThomas L.Madden, FEMS Microbiol.Lett., 174, 247-250, 1999)を用い、デフォルトパラメーターに従って算出することができる。ペアワイズ・アラインメント・パラメーターとして、プログラム名「blastp」を使用し、Gap挿入Cost値を「0」で、Gap伸長Cost値を「0」で、Query配列のフィルターとし「SEG」を、Matrixとして「BLOSUM62」をそれぞれ使用する。
SOCS-2の発現には、ヒトSOCS-2の配列(配列番号4及び配列番号5)若しくはそのマウスオーソログ配列(配列番号1及び配列番号2)により開示された配列情報に基づいて、一般的遺伝子工学的手法(「Molecular Cloning」[Sambrook,Jら, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989年]等)により製造されたSOCS-2をコードするDNA断片を適当なプロモーターの下流に連結することでSOCS-2を細胞内で発現させることが容易にできる。
以下、SOCS-2の発現のためのSOCS-2をコードするポリヌクレオチドの取得方法、SOCS-2発現ベクターの作成方法、SOCS-2発現細胞の作製方法を具体的に説明する。
SOCS-2をコードするDNA断片は、例えば次のように得ることができるが、この方法に限らず他の公知の操作(「Molecular Cloning」[Sambrook,Jら, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989年]等)でも得ることができる。
例えば、(1)PCRを用いた方法、(2)常法の遺伝子工学的手法(すなわちcDNAライブラリーで形質転換した形質転換株から所望のアミノ酸配列を含む形質転換株を選択する方法)を用いる方法、又は(3)化学合成法を用いた方法などを挙げることができる。各製造方法については、例えば、国際公開第WO01/34785号パンフレットに記載されているのと同様に実施することができる。
より具体的には、例えば、実施例1に記載の方法によりSOCS-2を製造することができる。
(2)細胞型スクリーニングツール
本発明の細胞型スクリーニングツールとしては、本発明のポリペプチド型スクリーニングツールとして利用することができるポリペプチドを、過剰発現している細胞を利用することができる。
SOCS-2をコードするポリヌクレオチドを含む断片は、適当なベクタープラスミドに再び組込むことにより、真核生物又は原核生物の宿主細胞を形質転換させることができる。更に、これらのベクターに適当なプロモーター及び形質発現にかかわる配列を導入することにより、それぞれの宿主細胞においてSOCS-2を発現させることが可能である。宿主細胞は、インスリンを分泌する細胞であればよいが、膵β細胞が望ましい。
より、具体的には、SOCS-2をコードするDNA断片を適当なプロモーター下に繋ぎ、適当なベクタープラスミドに組み込み、プラスミドの形で宿主細胞に導入することにより、膵β細胞でのSOCS-2の発現が可能になる。あるいは、このような構成が染色体DNAに組み込まれた細胞を取得してこれを用いてもよい。実施例1及び実施例2に記載の方法を、好ましい具体例として挙げることができる。
宿主細胞を形質転換し遺伝子を発現させる方法は、例えば、通常のリポフェクトアミン試薬を用いる方法がある。
(3)プロモーター型スクリーニングツール
本発明のプロモーター型スクリーニングツールとしては、配列番号3で示される塩基配列又はその一部の配列、あるいは、配列番号3で示される塩基配列において1〜10個の塩基の欠失、置換、及び/若しくは付加された塩基配列又はその一部の塩基配列を含み、且つ、ヒトSOCS-2プロモーター活性を有するDNA断片を利用することができる。
前記DNA断片は、一般的遺伝子工学的手法により、取得することができ、例えば、実施例3に記載の方法で得ることができる。
本明細書において「ヒトSOCS-2プロモーター活性」とは、ヒトSOCS-2遺伝子のプロモーター活性を意味し、より具体的には、配列番号3で表される塩基配列からなるDNAの有するプロモーター活性を意味する。或るDNAが「ヒトSOCS-2プロモーター活性」を有するか否かの判定方法は、特に限定されるものではないが、既知の通常の方法、例えば、前記DNAの3’下流に適当なレポーター遺伝子DNAを連結させ、これを有核細胞(好ましくは動物細胞株)に導入して培養し、前記細胞内のレポーター遺伝子の発現量を測定することにより確認することができる。より具体的には、例えば、実施例3に記載の方法で確認することができる。
2.本発明のスクリーニング方法
SOCS-2遺伝子は、膵β細胞にて過剰発現を行うと、高グルコース濃度存在下において膵β細胞からのインスリン分泌量抑制作用があることを見出した。従って、SOCS-2過剰発現膵β細胞からのインスリン分泌量を指標とする、又は、SOCS-2の発現量変化を指標とする、又は、SOCS-2が膵β細胞内でシグナルを伝える又はその機能を果たすために結合する分子に対する結合の量的若しくは質的変化を指標とする、ことからなる糖尿病治療剤(好ましくはインスリン分泌促進剤、より好ましくは高血糖時特異的インスリン分泌促進剤)のスクリーニング方法を構築することができる。
本発明のスクリーニング方法で使用する試験物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、市販の化合物(ペプチドを含む)、ケミカルファイルに登録されている種々の公知化合物(ペプチドを含む)、コンビナトリアル・ケミストリー技術(N. Terrett et al.,Drug Discov. Today,4(1):41,1999)によって得られた化合物群、微生物の培養上清、植物や海洋生物由来の天然成分、動物組織抽出物、あるいは、本発明のスクリーニング方法により選択された化合物(ペプチドを含む)を化学的又は生物学的に修飾した化合物(ペプチドを含む)を挙げることができる。
前記スクリーニングする方法として限定はされないが、具体的には例えば以下のスクリーニング方法が挙げられる。
(1)分泌されるインスリン量の測定を利用したスクリーニング方法
SOCS-2を発現可能なDNAを用いて膵β細胞を形質転換し、膵β細胞にてSOCS-2を発現させた状態にした試験用細胞を作製し、所定期間(例えば、12時間〜2日間)が経過した後、所定濃度のグルコースを含有する緩衝液に置換して更に所定時間(例えば、数十分〜数時間)インキュベートし、前記緩衝液(すなわち、培養上清)中のインスリン分泌量をそれぞれ測定する。このときグルコースを含有する緩衝液に試験物質を添加又は非添加することにより試験細胞を処理又は未処理する。この過程で試験用細胞から培養上清中に分泌されたインスリンを測定する。このとき、SOCS-2発現により引き起こされる膵β細胞でのインスリン分泌は有意に抑制されることが望ましく、試験物質処理によりインスリン分泌抑制が有意に標準状態まで回復又は促進することが望ましい。標準状態とは、SOCS-2を含まない空ベクターを発現させたコントロール細胞を高グルコース濃度存在下にて培養しインスリン分泌抑制の無い状態に分泌されるインスリン量のことを指す。またこのとき、低グルコース濃度下にてインスリン分泌量が試験物質の未処理と処理で変化がないことが望ましい。例えば、実施例1又は実施例2の記載の方法で行うことが好ましい。有意なインスリン分泌量抑制又は回復とは、例えば、試験用細胞群から分泌されるインスリン量と比較対照細胞群から分泌されるインスリン量においてスチューデントのt検定で判定することができる。試験細胞のインスリン分泌量とコントロール細胞に対する有意差が、p<0.05、好ましくはp<0.01である時、有意な変化があったと判断する。
以下、インスリン分泌量測定方法について、具体例を挙げて説明する。
本発明の細胞型スクリーニングツールとして利用できる細胞は、常法に従い培養することができ、前記培養に用いられる培地としては、採用した宿主細胞に応じて慣用される各種のものを適宜選択することができる。例えば、前記MIN6細胞であれば牛胎児血清(FBS)等の血清成分を10%添加したダルベッコ修飾イーグル最小必須培地(DMEM)等の培地を使用することができる。
インスリン分泌量の測定は、SOCS-2発現膵β細胞を一度洗浄し、高グルコース濃度存在下、又は、低グルコース濃度存在下にて数時間培養を行った間に培養上清中に存在するインスリン濃度を測定することにより可能である。インスリン濃度の測定には、例えば、実施例に挙げられるような一般的な市販のインスリン濃度測定キットを用い、添付の説明書に従うことにより可能である。
(2)SOCS-2の発現抑制を指標とするスクリーニング方法
膵β細胞でのSOCS-2の過剰発現は、高グルコース濃度下において、インスリンの分泌を抑制するため、SOCS-2の発現抑制を指標として糖尿病治療剤(好ましくはインスリン分泌促進剤、より好ましくは高グルコース濃度下特異的インスリン分泌促進剤)のスクリーニングが実施可能となる。例えば、膵β細胞での内在性のSOCS-2の発現量を分析すること、あるいは、SOCS-2のプロモーター領域を、適当なレポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼ遺伝子)の上流に連結した発現ベクターを作製し、この発現ベクターで形質転換した細胞と、試験化合物とを接触させ、前記レポーター遺伝子の発現の変化を分析することによりスクリーニングを実施し、糖尿病治療剤(好ましくはインスリン分泌促進剤、より好ましくは高グルコース濃度下特異的インスリン分泌促進剤)を選択することができる。
以下具体例を挙げて説明する。
まず試験物質で未処理又は処理した膵β細胞から通常用いられる方法によりRNAを調製することができる。このRNA調製液から公知の方法に従ってアガロースゲル電気泳動によりRNAを分離した後、ニトロセルロース膜に転写し、これをSOCS-2の部分塩基配列を含むラベルした短鎖DNAプローブを用いたノーザンブロット解析により、試験物質によるSOCS-2塩基配列を有するRNAの発現量の増減を検出することができる。これによりSOCS-2の発現量を抑制する物質を試験物質の母集団中からスクリーニングすることができる。
あるいは、試験物質で未処理又は処理した膵β細胞から通常用いられる方法によりタンパク質を調製することができる。このタンパク質調製液から公知の方法に従ってタンパク質電気泳動によりタンパク質を分離した後、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜に転写し、これをSOCS-2特異的抗体を用いたウエスタンブロット解析により、試験物質によるSOCS-2ポリペプチドの発現量の増減を検出することができる。これによりSOCS-2ポリペプチドの発現量を抑制する物質を試験物質の母集団中からスクリーニングすることができる。
あるいは、SOCS-2の部分塩基配列を含む短鎖DNAプライマーを用いたリアルタイムPCR法によっても、試験物質によるSOCS-2塩基配列を有するRNAの発現量の増減を定量的に検出することができる。リアルタイムPCRはより具体的には実施例4の方法に従って実施することができる。これによりSOCS-2の発現量を抑制する物質を試験物質の母集団中からスクリーニングすることが可能である。
又は、SOCS-2のプロモーター領域を、適当なレポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼ遺伝子)の上流に連結した発現ベクターを作製し、この発現ベクターで形質転換した細胞と、試験化合物とを接触させ、前記レポーター遺伝子の発現の変化を分析することによりスクリーニングを実施可能である。この方法により、プロモーター活性を調節する物質が得られ、直接的、又は、間接的にSOCS-2の活性を調節する物質が得られる。具体的なスクリーニング方法としては実施例3の方法が好ましい例として挙げられ、プロモーター活性を抑制する物質としては、プロモーター活性化時の活性と比較して有意にレポーター活性が抑制される能力を持つ物質を選択することが望ましい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、特に断らない限り、公知の方法(Maniatis,T.ら, ”Molecular Cloning-A Laboratory Manual”, Cold Spring Harbor Laboratory, NY, 1982等)に従って実施した。
《実施例1:SOCS-2高発現MIN6B1細胞からの分泌インスリンの測定》
(1)アデノウイルスベクターを利用したSOCS-2高発現ウイルスの作製
マウスSOCS-2をコードする遺伝子断片をNCBIリファレンス配列(Reference Sequences)番号 NM_007706を参考に、両端にそれぞれKpnI及びXhoI切断サイトを有する合成オリゴDNA[5’- CGGGGTACCGCCATGACCCTGCGGTGCCTGGAGCCCTCC -3’(配列番号6)及び5’- CCGCTCGAGTTATACCTGGAATTTATATTCTTCCAA -3’(配列番号7)]を用いてPCRを行い、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるマウスSOCS-2をコードするDNA断片(配列番号1)を取得した。PCRにはピロベスト(Pyrobest)DNAポリメラーゼ(TAKARA社)を用い、94℃にて1分処理後、98℃5秒と68℃1分とからなるサイクルを5回、98℃5秒と65℃1分とからなるサイクルを5回、98℃5秒と60℃30秒と72℃1分からなるサイクルを30回行い、最後に、72℃にて1分処理を行った。得られたDNA断片を、制限酵素KpnI及びXhoIにて切断後、アデノウイルスベクターpAdTrack-CMV(Tong-Chuan Heら, Proc.Natl.Acad.Sci,USA, vol. 95,pp. 2509-2514,1998)のマルチクローニングサイトKpnI及びXhoIに挿入し、SOCS-2/pAdTrack-CMVベクターを得た。
以下、公知のプロトコール[“A Practical Guide for using the AdEasy System”(http://www.coloncancer.org/adeasy.htm“http://www.coloncancer.org/adeasy/protocol2.htm”)]に従い、SOCS-2を発現する高力価アデノウイルス液の調製を行った。コントロール用アデノウイルスは、pAdTrack-CMVより調製した。
なお、ウイルス量は260 nmにおける吸光度(A260)を測定し、下記の計算式:
1 A260 = 1.1 x 1012ウイルス粒子 = 3.3 x 1011 pfu/mL
で換算した。
(2)マウス膵β細胞株MIN6B1細胞でのSOCS-2発現アデノウイルス添加によるSOCS-2高発現膵β細胞の作製
マウス膵β細胞株MIN6B1細胞〔Endocrinol. (2003) 144, 1368-1379〕に、先に作製したSOCS-2/pAdTrack-CMV又はコントロール用としてpAdTrack-CMVを感染させ、SOCS-2高発現膵β細胞を作製した。
先ず、24穴プレートにMIN6B1細胞(2x105細胞)を播種し、10%牛胎児血清(シグマ社)を含む最少必須培地DMEM(ギブコ社)0.5 mLで24時間培養した。その後、SOCS-2/pAdTrack-CMV又はコントロール用としてpAdTrack-CMVを1穴あたり4x108 pfuの濃度で培地に添加した。
膵β細胞へのアデノウイルスの感染は蛍光顕微鏡下でpAdTrack-CMVに含まれるGFP(green fluorescent protein)の蛍光を目視することにより行った。また、SOCS-2の発現は、一次抗体としてSOCS-2を認識する市販の抗体(抗SOCS-2抗体;ANASPEC Incorporated カタログ番号28133)、二次抗体にはラビットIgG-HRP(horseradish peroxidase)融合抗体(バイオラッド社)を用いたウェスタンブロッティングを行い確認した。
(3)SOCS-2高発現細胞におけるインスリン分泌の測定
膵β細胞へのアデノウイルスの感染14時間後、培地を吸引し、KRB-HEPES(140 mmol/L NaCl, 3.6 mmol/L KCl, 0.5 mmol/L NaH2PO4, 0.5 mmol/L MgSO4, 1.5 mmol/L-CaCl2, 10 mmol/L Hepes, 2 mmol/L NaHCO3, 0.1% BSA, pH 7.4)で3回洗い、2.8 mmol/Lグルコース含有KRB-HEPES(1 mL)を加え、5% CO2存在下、37℃で1時間インキュベートした。
前記バッファーを吸引除去した後、2.8 mmol/L又は16.8 mmol/Lグルコース含有KRB-HEPESを加え、5% CO2存在下、37℃で20分間インキュベートした。この上清をインスリン分泌量測定に供した。
インスリン分泌量の測定は、市販のインスリン・ラジオイムノアッセイキット(ラットインスリン[125I]RIAシステム;アマシャムバイオサイエンス社)により行なった。
その結果、図1に示すように、SOCS-2の発現により、低濃度(2.8 mmol/L)グルコース刺激時はコントロールと差がないが、高濃度(16.8 mmol/L)グルコース刺激時にのみ、インスリン分泌促進作用が有意に阻害された。
これによりSOCS-2は、その過剰発現により細胞へのインスリン分泌を妨げることによって糖尿病態の増悪因子として作用することがわかった。なお、図中の記号「**」はコントロール群に対する有意差がp<0.01(Studen’s t-testによる)であることを意味している。
《実施例2:SOCS-2高発現ラット膵ランゲルハンス島を用いたインスリン分泌実験》
(1)ラット膵ランゲルハンス島の単離
体重350gから450gの6〜8週齢の雄ラット4匹を麻酔し、開腹し、腹腔を露出させた。肝臓の胆管側を糸で縛り、心臓より脱血させた。胆管より、翼状針を使って0.02% リベラーゼ(Liberase;ロシュ・ダイアグノスティック社)-HBSS-HEPES(136.8 mmol/L NaCl, 5.3 mmol/L KCl, 0.8 mmol/L MgSO4, 1 mmol/L Na2HPO4, 0.44 mmol/L KH2PO4, 4.1 mmol/L NaHCO3, 10 mmol/L Hepes, 1 mmol/L CaCl2, 2 mmol/L グルコース, pH7.2)溶液5 mLを注入した。膵臓を摘出し、HBSS-HEPES 5mLの入ったチューブに入れ、37℃で20分間インキュベートした。インキュベート後、膵臓を撹拌してから、氷冷したHBSS-HEPES-0.35% BSAを加え、遠心し(1500 rpm,1分)、上清を除いた。これに、HBSS-HEPES-0.35% BSA 10 mLを加え、組織を注射針で懸濁した(2回繰り返した)。遠心後、上清を除き、8.3% フィコール−コンレイ(Ficoll-Conray)溶液10 mLを加え、懸濁後、更に、上からHBSS-HEPES-0.35% BSA 10 mLを加え、20分間遠心した。遠心後、2層に分かれた液層の間にある、膵ランゲルハンス島を回収した。更に、回収した膵ランゲルハンス島にHBSS-HEPES-0.35% BSA 10 mLを加え、遠心後、6穴プレートに60細胞ずつになるよう播種し、2 mLの10% 牛胎児血清(シグマ社)を含むRPMI1640(インビトロジェン社)で1日間培養した。
(2)ラット膵ランゲルハンス島へのSOCS-2発現アデノウイルス添加によるSOCS-2高発現ラット膵ランゲルハンス島の作製
SOCS-2/pAdTrack-CMV又はコントロール用としてpAdTrack-CMVを1.2x1010 pfuの濃度で培地に添加した。膵ランゲルハンス島へのアデノウイルスの感染及びSOCS-2の発現は実施例1(2)の方法により確認した。
(3)SOCS-2高発現膵ランゲルハンス島におけるインスリン分泌の測定
単離した膵ランゲルハンス島へアデノウイルスを添加して42時間後、培地を吸引し、2.8 mmol/Lグルコース含有KRB-HEPES-BSA(140 mmol/L NaCl, 5 mmol/L KCl, 1.2 mmol/L KH2PO4, 1.2 mmol/L MgSO4, 1.7 mmol/L CaCl2, 5.3 mmol/L NaHCO3, 10 mmol/L Hepes, 0.5% BSA, pH7.4)で3回洗浄後、1サンプルあたり5個の膵ランゲルハンス島を1.5 mLチューブに移した。このチューブに500μLの2.8 mmol/Lグルコース含有KRB-HEPES-BSAを添加し、37℃で30分間インキュベートした。
その後、グルコースの終濃度が2.8 mmol/L又は16.8 mmol/Lになるよう、グルコース含有KRB-HEPES-BSAを添加し、90分間インキュベートした。この上清をインスリン分泌量測定に供した。
インスリン分泌量の測定は、市販のインスリン・ラジオイムノアッセイキット(ラットインスリン[125I]RIAシステム;アマシャムバイオサイエンス社)により行なった。
その結果、図2に示すとおり、SOCS-2の発現により、低濃度(2.8 mmol/L)グルコース刺激時はコントロールと差がないが、高濃度(16.8 mmol/L)グルコース刺激時にのみ、インスリン分泌促進作用が有意に阻害された。
これによりSOCS-2は、その過剰発現により細胞へのインスリン分泌を妨げることによって糖尿病態の増悪因子として作用することがわかった。なお、図中の記号「**」はコントロール群に対する有意差がp<0.01(Studen’s t-testによる)であることを意味している。
《実施例3:SOCS-2プロモーターを用いたレポーター系によるSOCS-2のプロモーター活性測定》
(1)SOCS-2プロモーター領域のレポーターベクター構築
ヒトSOCS-2の登録配列(NCBI Reference Sequences番号NM_003877)を参考に、本配列が一致するゲノム配列をNCBI GenBankアクセッション番号NC_000012.5_93000001_94000000と特定した。次にヒトSOCS-2のプロモーター領域と思われる領域NC_000012.5_93000001_94000000の893,596番目から898,678番目に該当する配列、すなわち配列番号3で表される塩基配列からなるDNAを取得するために、それぞれ、NluIとNheIの制限酵素サイトを含む合成オリゴDNA[5’- gtgACGCGTGCTCCCTCCAAGTGGTGGAAAAGTTGA -3’(配列番号8)及び5’- gtgGCTAGCGCGCTGCGGAAAATGCAAACCACCAAC -3’(配列番号9)]を用いて、LATaq(TAKARA社;カタログ番号RR002A)を使用し1回目のPCRを行い、更に、PCR産物を滅菌水にて50倍希釈した液を鋳型とし、合成オリゴDNA[5’- gtgACGCGTGACCTGTATGGTCATTATCACTCATCA -3’(配列番号10)及び5’- gtgGCTAGCGCGCTCTTACCTCGACCTCGGCCGCG -3’(配列番号11)]を用いて、LATaq(TAKARA社;カタログ番号RR002A)を使用し2回目のPCRを行った。それぞれ、1回目のPCRの条件は、94℃にて1分処理後、98℃10秒と72℃5分とからなるサイクルを5回、98℃10秒と68℃5分とからなるサイクルを5回であり、2回目のPCRの条件は、98℃10秒と68℃5分とからなるサイクルを10回、98℃10秒と65℃5分とからなるサイクルを25回行い、最後に、72℃にて5分処理した。2回のPCRの結果、約5 kbのDNA断片を得、DNAシーケンス試薬BigDye3.1(アプライドバイオシステムズ社)を用い、添付の説明書に従い、DNAシーケンサー(モデルPRISM3700;アプライドバイオシステムズ社)を用いて、DNA配列を決定し、予測通り、NCBI GenBankアクセッション番号NT_019546のSOCS-2のエキソンを含む上流配列であることを確認した。このDNA断片中にはSOCS-2が反応すると言われているSTAT1、STAT3、STAT5が結合すると予測されるSTAT結合に特徴的な配列(TTCCCRKAA;STATx,TRANSFACアクセッション番号M00223)が複数個存在していた。このDNA断片を、PGVB-2(ピッカジーンベーシックベクター2;東洋インキ社)のMluI及びNheIサイトへ導入してSOCS-2レポーターベクターを構築した。
(2)SOCS-2プロモーター活性の測定
まず、内在性のSOCS-2プロモーター活性を測定した。膵β細胞にてSOCS-2のプロモーター活性を促進する刺激は不明なため、外部シグナルを伝えて最終的にSOCS-2転写活性を促進すると考えられるSTAT1、STAT3、STAT5の転写活性を上げる刺激の代表であるIL-6刺激によるSOCS-2メッセンジャーRNA量を測定した。具体的にはIL-6反応性が確認されているヒトHepG2細胞にて、IL-6刺激、又は、無刺激状態の内在性SOCS-2のメッセンジャーRNAの発現量を定量し、比較した。遺伝子発現量は、同時に測定したグリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素〔Glyceraldehyde 3-phosphate dehydrogenase(G3PDH)〕遺伝子の発現量により補正した。測定系としてはPRISM TM 7700 シークエンスディテクションシステム(Sequence Detection System)(アプライドバイオシステムズ社)とSYBRグリーンPCRマスターミックス(SYBR Green PCR Master Mix)(アプライドバイオシステムズ社)を用いた。本測定系においてはPCRで増幅された2本鎖DNAがとりこむSYBRグリーンI色素の蛍光量をリアルタイムに検出・定量することにより、目的とする遺伝子の発現量が決定される。
具体的には、以下の手順により測定した。
先ず、6穴プレートにHepG2細胞(ATCCアクセッション番号HB-8065)を播種し、10%牛胎児血清(シグマ社)を含む最少必須培地DMEM(ギブコ社)2 mLで1日間培養したHepG2をIL-6(10 ng/mL;R&D Systems)存在下で3時間培養し、全RNAをRNA抽出用試薬(RNeasy;キアゲン社)を用いて説明書に従い、調製した。次に全RNAから1本鎖cDNAへの逆転写を、0.25 μgのRNAを用い、逆転写反応用キット(AdvantageTM RT-for-PCR Kit;クロンテック社)を用いて20 μLの系で行った。そして、SOCS-2遺伝子に対しては合成オリゴDNAの5’−CCTTTATCTGACCAAACCGCTCTA-3’(配列番号12)と5’−TGTTAATGGTGAGCCTACAGAGATG-3’(配列番号13)との組合せ、G3PDH遺伝子に対しては合成オリゴDNAの5’−CCTGACCTGCCGTCTAGAAAA-3’(配列番号14)と合成オリゴDNAの5’−CGCCTGCTTCACCACCTT-3’(配列番号15)との組み合わせを使用し、PRISM TM 7700 シークエンスディテクションシステム(アプライドバイオシステムズ社)によるPCR増幅のリアルタイム測定を説明書に従って行った。各系において1本鎖cDNAは5 μL、2xSYBRグリーン試薬を12.5 μL、各プライマーは7.5 pmol使用した。なお、検量線作成には、1本鎖cDNAに代えて0.1 μg/μLのマウスゲノムDNA(クロンテック社)を適当に希釈したものを5 μL用いた。PCRは、50℃で10分に続いて95℃で10分の後、95℃で15秒、60℃で60秒の2ステップからなる工程を45サイクル繰り返すことにより行った。
各試料におけるマウスSOCS-2遺伝子の発現量は、下記式:
[SOCS-2補正発現量]=[SOCS-2遺伝子の発現量(生データ)]/[G3PDH遺伝子の発現量(生データ)]
に基づいてG3PDH遺伝子の発現量で補正した。
その結果、図3に示すとおり、内在性のSOCS-2遺伝子はIL-6刺激によって約2倍の発現上昇することが分かった。
(3)SOCS-2プロモーター活性のレポーターによる測定
HepG2細胞(ATCCアクセッション番号HB-8065)へ、実施例3(1)にて作製したSOCS-2レポーターベクター又はコントロールベクターを遺伝子導入し、IL-6刺激又は無刺激における活性を測定した。具体的には、HepG2細胞を6穴プレートに播種し、10%牛胎児血清(シグマ社)を含む最少必須培地DMEM(ギブコ社)2 mLで1日間培養した。その後、前記プラスミド(0.2 μg)及びβアクチンプロモーターによって調節されるβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を含むプラスミドpCH110(0.2 μg)を、遺伝子導入効率を標準化するために併用し、FuGENETM 6(BOEHRINGER MANNHEIM, USA社;1814 443)を用いて細胞に導入した。8時間後に細胞をIL-6刺激し、3時間培養した後、細胞を細胞溶解液LCβ(東洋インキ社)で溶解し、そのルシフェラーゼ活性をピッカジーン発光キット(東洋インキ社;309-04321)を用いて測定した。
その結果を図4に示す。それぞれのレポーター活性はβ−ガラクトシダーゼ活性によって標準化し、IL-6無添加の値を100とした相対値で表した。IL-6刺激に対して約2倍のSOCS-2遺伝子の発現が亢進した。
本実施例3(3)で得られたIL-6刺激に対するレポーター系の発現亢進が約2倍であった結果は、前記実施例3(2)で得られた内在性のSOCS-2遺伝子の発現亢進が約2倍であった結果と一致し、本実施例で取得した配列がSOCS-2遺伝子のプロモーターであることを確認することができた。
膵β細胞で発現しているSOCS-2は、高グルコース濃度下において、膵β細胞のインスリン分泌を阻害する活性を有する。従って、SOCS-2を高発現している膵β細胞を用い、正常範囲内に血糖をコントロール可能な糖尿病治療剤(好ましくはインスリン分泌促進剤、より好ましくは、高グルコース濃度下特異的インスリン分泌促進剤)として有用な物質を得るための簡便なスクリーニング系を構築することができる。また、プロモーター配列を用いた本発明のスクリーニング方法はSOCS-2の誘導を抑える糖尿病治療剤を効率よくスクリーニングすることが可能となる。
本発明のスクリーニング方法により、正常範囲内に血糖をコントロール可能な糖尿病治療用医薬組成物(好ましくはインスリン分泌促進用医薬組成物、より好ましくは、高グルコース濃度下特異的インスリン分泌促進用医薬組成物)を製造することができる。
以下の配列表の数字見出し<223>には、「Artificial Sequence」の説明を記載する。配列番号6〜15の配列で表される各塩基配列は、人工的に合成したプライマー配列である。
アデノウイルスを感染させたMIN6B1細胞に、2.8 mmol/Lと16.8 mmol/Lのグルコースを添加後、20分後の上清中のインスリン濃度(ng/mL)を測定した結果を示すグラフである。「**」はコントロール群に対する有意差がp<0.01であることを意味している。 アデノウイルスを感染させたラット膵ランゲルハンス島に、2.8 mmol/Lと16.8 mmol/Lのグルコースを添加後、1.5時間後の上清中のインスリン濃度(ng/mL)を測定した結果を示すグラフである。「**」はコントロール群に対する有意差がp<0.01であることを意味している。 HepG2細胞に、STAT1、STAT3、STAT5を誘導すると言われているIL-6を添加又は無添加し、3時間培養後のSOCS-2メッセンジャーRNA量を定量PCRを用いて測定した結果を示すグラフである。縦軸には、IL-6無添加時を100としたRNA量に対して、IL-6添加時のRNA量を相対値で示した。 SOCS-2のプロモーターを用いたレポータープラスミドをHepG2にトランスフェクションし、IL-6刺激又は無刺激し、3時間培養後のレポーター活性を測定し、同時にトランスフェクションしたβ−ガラクトダーゼ活性で標準化した結果を示すグラフである。縦軸には無刺激時を100としたプロモーター活性に対して、IL-6添加時の活性を相対値で示した。

Claims (7)

  1. SOCS-2のアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は付加されたアミノ酸配列、あるいは、配列番号2で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、且つ、膵β細胞にて強制発現させることにより高グルコース濃度下のインスリン分泌を抑制する作用を示すポリペプチドからなる、糖尿病治療剤スクリーニング用ツール。
  2. 請求項1に記載のポリペプチドを過剰発現している細胞からなる、糖尿病治療剤スクリーニング用ツール。
  3. (1)請求項2に記載の細胞と試験物質とを高グルコース濃度下で接触させる工程、及び
    (2)前記細胞から分泌されるインスリン量を測定する工程
    を含む、糖尿病治療剤のスクリーニング方法。
  4. 糖尿病治療剤がインスリン分泌促進剤である、請求項3に記載のスクリーニング方法。
  5. 配列番号3で表される塩基配列又はその一部の配列、あるいは、配列番号3で表される塩基配列において1〜10個の塩基の欠失、置換、及び/若しくは付加された塩基配列又はその一部の塩基配列を含み、且つ、ヒトSOCS-2プロモーター活性を有するDNA断片である、糖尿病治療剤スクリーニング用ツール。
  6. (1)請求項5に記載のDNA断片で形質転換した細胞と試験物質とを接触させる工程、
    (2)SOCS2発現量を測定する工程、及び
    (3)SOCS2発現量を抑制する物質を選択する工程
    を含む、糖尿病治療剤のスクリーニング方法。
  7. 糖尿病治療剤がインスリン分泌促進剤である、請求項6に記載のスクリーニング方法。
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