JP4419077B2 - Cap結合蛋白質 - Google Patents

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Description

本発明は、c−CbI−associated protein(CAP)に結合する新規なポリペプチド、及び該ポリペプチドをコードする新規なポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを含有するベクター、及び該ベクターを含有する形質転換細胞に関する。
インスリンは膵臓ランゲルハンス島のβ細胞より分泌され、主に筋肉、肝臓、脂肪に作用して血中の糖を細胞に取り込ませて貯蔵、消費させることにより血糖値を降下させる。糖尿病は、このインスリンの作用不足から引き起こされるが、患者にはインスリンの生産・分泌に障害をもつ1型と、インスリンによる糖代謝促進が起こりにくい2型の2つのタイプが存在する。いずれの患者でも血糖値が健常人より高くなるが、1型では血中インスリンが絶対的に不足するのに対して、2型ではインスリンの存在にもかかわらず血糖の取り込み・消費が促進されないインスリン抵抗性が生じている。2型糖尿病は遺伝的素因に加えて過食や運動不足、ストレスなどが原因となり惹起されるいわゆる生活習慣病である。今日先進諸国では摂取カロリーの増大に伴いこの2型糖尿病患者が急激に増加しており、日本では糖尿病患者の95%を占めている。そのため糖尿病の治療薬には単純な血糖降下剤のみでなく、インスリン抵抗性の改善により糖代謝を促進する2型糖尿病の治療を対象とした研究の必要性が高まっている。
現在1型糖尿病患者の治療にはインスリン注射製剤が処方されている。一方2型患者に処方される血糖降下剤としては、インスリン注射製剤に加えて膵臓のβ細胞に作用してインスリンの分泌を促すスルホニル尿素系血糖降下剤(SU剤)や、嫌気的解糖作用による糖利用の増大や糖新生の抑制、及び糖の腸管吸収を抑制する作用を持つビグアナイド系血糖降下剤の他、糖質の消化吸収を遅らせるα−グルコシダーゼ阻害剤が知られている。これらは間接的にインスリン抵抗性を改善するが、近年より直接的にインスリン抵抗性を改善する薬剤としてチアゾリジン誘導体が使われるようになった。その作用は細胞内へのブドウ糖の取り込みと細胞内におけるブドウ糖利用の促進である。このチアゾリジン誘導体はペルオキシソーム増殖剤応答性受容体ガンマ(peroxisome proliferator activated receptor:PPARγ)のアゴニストとして作用することが示されている(非特許文献1)。しかしチアゾリジン誘導体はインスリン抵抗性を改善するのみでなく、浮腫を惹起する副作用が知られている(非特許文献2−3)。この浮腫の惹起は心肥大をもたらす重篤な副作用なので、インスリン抵抗性改善のために、PPARγにかわるより有用な創薬標的分子が求められている。
インスリン作用のシグナルは細胞膜上にあるインスリン受容体を介して細胞内へ伝達される。このインスリンの作用経路には第一と第二の2経路が存在する。(非特許文献4)。第一経路においては、活性化されたインスリン受容体からIRS−1及びIRS−2、PI3キナーゼ、PDK1を介してAkt1(PKBα)あるいはAkt2(PKBβ)、またはPKCλあるいはPKCζへ順次シグナルが伝達され、結果として細胞内に存在するグルコーストランスポーターGLUT4を細胞膜上へ移行させることにより、細胞外からの糖の取り込みを促進する。(非特許文献5)。一方、第二経路ではインスリン受容体からc−CbI及びCAPを介してCrK II、C3G、及びTC10へ順次シグナルが伝達され、結果GLUT4による糖の取り込みを促進する(非特許文献6)。しかし、これらインスリンシグナル伝達経路の詳細についてはいまだ不明な部分が多く、特にこれらのシグナルが最終的にどのような機構を経てグルコーストランスポーターを介した細胞の糖取り込みを促進するのか明らかではない。
CAPはインスリンシグナル第二経路に存在するアダプタータンパク質で、インスリン感受性組織である肝臓、骨格筋、腎臓や心臓で強く発現している(非特許文献7)。またCAPの発現はPPARγのアゴニストであるチアゾリジン誘導体によって亢進することが知られている(非特許文献8)。CAPはそのC末端側にあるSH3ドメインを介してc−CbIと結合する。このCAP/c−CbI複合体はインスリンシグナルに応答してCrkII−C3G複合体を介してTC10を活性化し、グルコーストランスポーターGLUT4の細胞膜への移行を促進する。c−CbIとの結合ドメインであるSH3を欠損させたCAP(CAP ΔSH3)は、PI3キナーゼ活性には影響は与えないが、細胞の糖取り込みを阻害することが報告されている(非特許文献9)。これらの事実から、CAPはc−CbIとの結合に依存して細胞内への糖取り込みに働くシグナル仲介因子であり、その機能阻害はインスリンシグナル伝達の部分的な遮断によりインスリン抵抗性を惹起し、2型糖尿病様態を引き起こすと考えられている。
国際公開第01/75067号パンフレット 米国特許出願公開第2002/0119919号明細書 国際公開第00/58473号パンフレット 「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biologicai Chemistry)」、(米国)、1995年、第270巻、p.12953−12956 「ダイアビーティーズ フロンティア(Diabetes Frontier)」,(米国),1999年,第10巻,p.811−818 「ダイアビーティーズ フロンティア(Diabetes Frontier)」,(米国),1999年,第10巻,p.819−824 「ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(The Journal of Clinical Investigation)」(米国)、2000年、第106巻、第2号、p.165−169 「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry)」、(米国)、1999年、第274巻、第4号、p.1865−1868 「ネイチャー(Nature)」、(英国)、2001年、第410巻、第6831号、p.944−948 「モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー(Molecular and Cellular Biology)」(米国)、1998年、第18巻、第2号、p.872−879 「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry)」、(米国)、2000年、第275巻、第13号、p.9131−9135 「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry)」、(米国)、2001年、第276巻、第9号、p.6065−6068 「モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー(Molecular and Cellular Biology)」(米国)、2002年、第22巻、第11号、p.3599−3609
本発明者らは、上述の知見からCAPの働きを増強させることができれば、インスリン抵抗性を改善できると考えた。そしてこの目的は、アダプター蛋白質であるCAPに結合してその作用を制御している細胞内因子を同定し、その作用を調節することにより達成できると考えた。そこで本発明者らはCAPに結合する蛋白質を、酵母ツーハイブリッドシステムにより同定した。その結果、インスリン応答組織である骨格筋に発現している蛋白質CAPBP1(CAP binding protein 1)をコードする新規な塩基配列のヒト由来cDNAのクローニングに成功した。さらに同蛋白質のマウスオルソログは糖尿病モデルマウスの筋肉組織において正常個体より発現量が顕著に増加していること、脂肪細胞において同蛋白質を過剰に発現させると細胞への糖取り込みが阻害されること、及び同蛋白質がグリコーゲン合成酵素を不活性化するリン酸化酵素GSK3蛋白質と相互作用することから同蛋白質が糖尿病態の原因因子であることを見出した。これらの結果、本発明者らはインスリン抵抗性改善薬及び/又は糖代謝改善薬の探索に有用な新規なポリペプチド、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドを含む発現ベクター、前記発現ベクターで形質転換された細胞、インスリン抵抗性改善薬及び/又は糖代謝改善薬をスクリーニングする方法、並びに、インスリン抵抗性改善用及び/又は糖代謝改善用医薬組成物の製造方法を提供し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
[1]配列番号2又は4で表されるアミノ酸配列を含み、しかも、CAPと結合するポリペプチド、あるいは配列番号2または4で表されるアミノ酸配列において、1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列からなり、しかもCAPと結合するポリペプチド、
[2]配列番号2又は4で表されるアミノ酸配列との相同性が90%以上であるアミノ酸配列からなり、しかも、CAPに結合する蛋白質であるポリペプチド、
[3][2]又は[4]で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、
[4][1]乃至[3]に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
[5][4]に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター、
[6][5]に記載の発現ベクターで形質転換された細胞、
[7][1]乃至[3]に記載のポリペプチドと試験物質とを接触させる工程、
該ポリペプチドとCAPとの結合の変化を測定する工程、及び
前記結合を阻害する物質を選択する工程、
を含むことを特徴とする前記ポリペプチドとCAPとの結合阻害剤をスクリーニングする方法、
[8]結合阻害剤がインスリン抵抗性改善薬及び/又は糖代謝改善薬である[7]に記載のスクリーニングする方法、
[9][1]乃至[3]に記載のポリペプチドを発現している細胞に試験物質を接触させる工程、及び該ポリペプチドの発現量の変化を測定する工程を含むことを特徴とするインスリン抵抗性改善薬及び/又は糖代謝改善薬をスクリーニングする方法、
[10][7]乃至[9]に記載のスクリーニングする方法を用いてスクリーニングする工程、及び
前記スクリーニングによって得られた物質を用いて製剤化する工程
を含むことを特徴とする、インスリン抵抗性改善用及び/又は糖代謝改善用医薬組成物の製造方法
に関する。
本発明のポリヌクレオチドと相同性を有する塩基配列が特許文献1〜特許文献3に開示されている。特許文献1及び特許文献3には本発明のポリヌクレオチドと相同性を有する配列を含む1137塩基又は1515塩基の配列と同時に多数の塩基配列が開示され、それら全体に対して診断やスクリーニングに使用できると記載されているが、個々に対する具体的な用途については記載されていない。特許文献2には多数の塩基配列が開示され、その中に本発明のポリヌクレオチドと相同性を有する配列を含む32204塩基の配列が開示され、多数の疾患、特には消化器疾患に関与することが記載されているがその実験的裏づけはない。配列データベースGenBank及びGenPeptのアクセッション番号AF514992に本発明のポリヌクレオチド及びポリペプチドと相同性を有する配列が収載されているが、その具体的用途については記載されていない。更に特許文献3には本発明のポリペプチドと相同性を有する配列が開示されているが、上記ポリヌクレオチドと同様に多数の配列に対して診断やスクリーニングに使用できると記載されているが、個々の具体的な用途については全く記載されていない。なお、本願優先日後に公開されたWO03/023002号パンフレットには本発明のポリペプチド及びポリヌクレオチドと相同性を有する配列を含む多数の配列が開示され、それらが関与する疾患として糖尿病を含む多数の疾患名が列挙されている。しかしながらこれらの配列を現実に取得したとの具体的記載はなく実験的な用途の裏づけは全くない。従って、本発明者らが本発明のポリペプチド及びポリヌクレオチドを初めて見出し、その蛋白質の増加が糖尿病態の原因であることを初めて明らかにした。また、本発明のポリペプチドとCAPとの結合を利用した本発明のスクリーニング方法は本発明者らが初めて見出した方法である。
図1は、糖尿病モデルマウスKKA及びdb/dbと正常マウスにおける筋肉組織でのCAPBP1発現量の比較を示す図である。縦軸はマウス筋肉における相対発現量を示している。バーAはC57BL/6Jマウス、バーBはKKAy/Taマウス、バーCはC57BL/KsJ−dbm m+/m+マウス、バーDはC57BL/KsJ−dbm db/dbマウスをサンプルとした結果を示す。
図2は、CAPBP1を過剰発現させた脂肪細胞における糖取り込み能の阻害を示す図である。図の縦軸は2−デオキシ−グルコースの取り込み量(cpm)を、横軸はインスリン濃度を示している。
以下に本発明を詳細に説明する。
CAPに結合する性質を有し、糖尿病態において発現量が増加する本発明のポリペプチド及びポリヌクレオチドは、糖尿病の診断に有用である。また、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、発現ベクター及び細胞は糖尿病治療剤のスクリーニングに有用である。本発明のポリヌクレオチドを検出できるPCR用プライマーを利用することにより、糖尿病の診断が可能である。
<本発明のポリペプチド>
本発明のポリペプチドには、
(1)配列番号2または4で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(2)配列番号2または4で表されるアミノ酸配列を含み、しかもCAPに結合するポリペプチド、あるいは、配列番号2または4で表されるアミノ酸配列において、1〜10個(好ましくは1〜7個、より好ましくは1〜5個、更に好ましくは1〜3個)のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列からなり、しかもCAPに結合するポリペプチド(以下、機能的等価改変体と称する);及び
(3)配列番号2または4で表されるアミノ酸配列との相同性が90%以上であるアミノ酸配列からなり、しかも、CAPに結合する蛋白質であるポリペプチド(以下、相同ポリペプチドと称する);
が含まれる。
本発明の相同ポリペプチドは、配列番号2または4で表されるアミノ酸配列との相同性が90%以上であるアミノ酸配列からなり、しかも、CAPに結合するポリペプチドである限り、特に限定されるものではないが、配列番号2または4で表されるアミノ酸配列に関して、好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドが好ましい。
なお、本明細書における前記「相同性」とは、Clustal program(Higgins and Sharp,Gene 73,237−244,1998;Thompson et al.Nucl.Acids Res.22,4673−4680,1994)検索によりデフォルトで用意されているパラメータを用いて得られた値Identitiesを意味する。前記のパラメータは以下のとおりである。
Pairwise Alignment Parametersとして
K tuple 1
Gap Penalty 3
Window 5
Diagonals Saved 5
また、本発明のポリペプチドは、他の脊椎動物(例えばマウス、ラット、ウサギ、ウマ、ヒツジ、イヌ、サル、ネコ、クマ、ブタ、ニワトリなど)由来のものも包含する。
<本発明のポリヌクレオチド>
本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチド、すなわち、配列番号2または4に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、その機能的等価改変体、または、その相同ポリペプチドをコードする塩基配列なら何れでもよい。また、いずれの種由来のものであってもよい。好ましくは、配列番号2または4に記載のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるポリヌクレオチドであり、さらに好ましくは、配列番号1または3に記載の塩基配列である。なお、本明細書における「ポリヌクレオチド」には、DNA及びRNAの両方が含まれる。
本発明のポリヌクレオチドには、本発明のポリペプチドをコードする限り、あらゆる変異体を含むことが出来る。より具体的には天然に存在するアレル変異体、天然に存在しない変異体、欠失、置換、付加及び挿入を有する変異体を含むことが出来る。前記の変異は、例えば天然において突然変異によって生じることもあるが、人為的に改変、作製することも出来る。本発明は、上記ポリヌクレオチドの変異の原因及び手段を問わず、上記本発明のポリペプチドをコードする全ての変異遺伝子を包含する。上記の変異体作製にいたる人為的手段としては、例えば塩基特異的置換法(Methods in Enzymology、(1987)154、350,367−382)等の遺伝子工学的手法の他、リン酸トリエステル法やリン酸アミダイド法などの化学合成手段(Science(1968)150,178)を挙げることができる。それらの組み合わせによって所望の塩基置換を伴うDNAを得ることが可能である。あるいはPCR法の繰り返し作業や、その反応液中にマンガンイオンなどを存在させることによりDNA分子中の非特定塩基に置換を生じさせることが可能である。
本発明のポリヌクレオチド及びポリペプチドは、本発明により開示された配列情報に基づいて一般的遺伝子工学的手法により容易に製造及び取得することが出来る。
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、例えば次のように得ることができるが、この方法に限らず公知の操作「Molecular Cloning」[Sambrook,Jら、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989年]でも得ることができる。
例えば、(1)PCRを用いた方法、(2)常法の遺伝子工学的手法(すなわちcDNAライブラリーで形質転換した形質転換株から所望のアミノ酸を含む形貿転換株を選択する方法)を用いる方法、又は(3)化学合成法などを挙げることができる。各製造方法については、WO01/34785に記載されているのと同様に実施できる。
PCRを用いた方法では、例えば、前記特許文献の「発明の実施の形態」1)蛋白質遺伝子の製造方法a)第1製造法に記載された手順により、本明細書記載のポリヌクレオチドを製造することができる。該記載において、「本発明の蛋白質を産生する能力を有するヒト細胞あるいは組織」とは、例えば、ヒト骨格筋を挙げることができる。ヒト骨格筋からmRNAを抽出する。次いで、このmRNAをランダムプライマーまたはオリゴdTプライマーの存在下で、逆転写酵素反応を行い、第一鎖cDNAを合成することが出来る。得られた第一鎖cDNAを用い、目的遺伝子の一部の領域をはさんだ2種類のプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に供し、本発明のポリヌクレオチドまたはその一部を得ることができる。より具体的には、例えば実施例1に記載の方法により本発明のポリヌクレオチドを製造することが出来る。
常法の遺伝子工学的手法を用いる方法では、例えば、前記特許文献の「発明の実施の形態」1)蛋白質遺伝子の製造方法b)第2製造法に記載された手順により、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを製造することができる。
化学合成法を用いた方法では、例えば、前記特許文献の「発明の実施の形態」1)蛋白質遺伝子の製造方法c)第3製造法、d)第4製造法に記載された方法によって、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを製造することができる。
このようにして得られる本発明のポリヌクレオチドの一部または全部の塩基配列を利用することにより、個体もしくは各種組織における本発明のポリヌクレオチドの発現レベルを特異的に検出することが出来る。
かかる検出方法としては、RT−PCR(Reverse transcribed−Polymerase chain reaction)、ノーザンブロッティング解析、in situハイブリダイゼーションなどの方法を挙げることが出来る。RT−PCRによって本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを検出する場合に用いられるプライマーは、該ポリヌクレオチドのみを特異的に増幅できるものである限り特に制限は無く、本発明のポリヌクレオチドの配列情報に基づいて適宜設定することが出来る。本発明のポリヌクレオチドを特異的に増幅するプライマーは、本発明のポリヌクレオチドを検出するための特異プライマー及び特異プローブとして利用できる。
<本発明の発現ベクター及び細胞>
上述のように得られた本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、「Molecular Cloning」[Sambrook,Jら、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989年]等に記載の方法により、適当なプロモーターの下流に連結することで本発明のポリペプチドを試験管内、あるいは試験細胞内で発現させることに利用できる。
具体的には特定のプロモーター配列を含むポリヌクレオチドの下流に上述のように得られた本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを付加することにより、これを鋳型として用いた無細胞系での遺伝子の転写、翻訳による本発明のポリペプチドの発現が可能である。
あるいは上述の本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを適当なベクタープラスミドに組み込み、プラスミドの形で宿主細胞に導入すれば細胞内で本発明のポリペプチドの発現が可能になる。あるいは、このような構成が染色体DNAに組み込まれた細胞を取得してこれを用いてもよい。より具体的には、単離されたポリヌクレオチドを含む断片は、適当なベクタープラスミドに再び組込むことにより、真核生物及び原核生物の宿主細胞を形質転換させることができる。さらに、これらのベクターに適当なプロモーター及び形質発現にかかわる配列を導入することにより、それぞれの宿主細胞において本発明のポリペプチドを発現させることが可能である。宿主細胞は、特に限定されるわけではなく、本発明のポリペプチドの発現量をメッセンジャーRNAレベルで、あるいは蛋白質レベルで検出できるものであればよい。内在性のCAPが豊富に存在する脂肪由来細胞、あるいは筋由来細胞を宿主細胞として用いることがより好ましい。
宿主細胞を形質転換し遺伝子を発現させる方法は、例えば、前記特許文献の「発明の実施の形態」2)本発明のベクター、本発明の宿主細胞、本発明の組換え蛋白の製造方法に記載された方法により実施できる。発現ベクターは、所望のポリヌクレオチドを含む限り、特に限定されるものではない。例えば、用いる宿主細胞に応じて適宜選択した公知の発現ベクターに、所望のポリヌクレオチドを挿入することにより得られる発現ベクターを挙げることができる。本発明の細胞は、例えば、前記発現ベクターにより所望の宿主細胞をトランスフェクションすることにより得ることができる。より具体的には、例えば、実施例2に記載のように所望のポリヌクレオチドを哺乳類動物細胞用の発現ベクターpcDNA3.1に組み込むことにより、所望の蛋白質の発現ベクターを得ることができ、該発現ベクターをリポフェクトアミン試薬を用いてCOS−1細胞に取り込ませて本発明の形質転換細胞を製造することができる。
上記で得られる所望の形質転換細胞は、常法に従い培養することができ、該培養により所望の蛋白質が生産される。該培養に用いられる培地としては、採用した宿主細胞に応じて慣用される各種のものを適宜選択できる。例えば上記COS−1細胞であれば牛胎児血清(FBS)等の血清成分を添加したダルベッコ修飾イーグル最小必須培地(DMEM)等の培地にG418を加えたものを使用できる。
本発明の細胞を培養することにより、細胞中で産生した本発明のポリペプチドを検出、定量、さらには精製することが出来る。例えば、本発明のポリペプチドと結合する抗体を用いたウエスタンブロット法、あるいは免疫沈降法により本発明のポリペプチドを検出、精製することが可能である。あるいは、本発明のポリペプチドを、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、プロテインA、β−ガラクトシダーゼ、マルトース−バインディングプロテイン(MBP)など適当なタグ蛋白質との融合蛋白質として発現させることにより、これらタグ蛋白質に特異的な抗体を用いてウエスタンブロット法、あるいは免疫沈降法により本発明のポリペプチドを検出し、タグ蛋白質を利用して精製することが出来る。あるいは所望により、該蛋白質の物理的性質、化学的性質を利用した各種の分離操作によっても精製できる。具体的には限外濾過、遠心分離、ゲル濾過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーの利用を例示することが出来る。
本発明のポリペプチドは、配列番号2または4に示すアミノ酸配列情報に従って、一般的な化学合成法により製造することが出来る。具体的には液相、及び固相法によるペプチド合成法が包含される。合成はアミノ酸を1個ずづ逐次結合させても、数アミノ酸からなるペプチド断片を合成した後に結合させてもよい。これらの手段により得られる本発明ポリペプチドは前記した各種の方法に従って精製を行うことが出来る。
<本発明のスクリーニング方法>
本発明のポリペプチドを使用し、本発明のポリペプチドとCAPとの相互作用を利用して、CAPとc−CbIの結合の変化を指標とすることからなる糖代謝改善作用を有する物質のスクリーニング方法を構築できる。
本発明のポリペプチドの一つであるCAPBP1は、CAPと結合すること、糖尿病モデルマウスでマウスオルソログの発現が亢進していること、及びCAPBP1を過剰発現させた脂肪細胞で糖の取り込みが阻害されることから、本発明のポリペプチドはCAPとの結合を介してインスリンシグナルを負に制御していることがわかった。従って、上述のスクリーニングする方法によりインスリン抵抗性改善薬及び/又は糖代謝改善薬をスクリーニングすることができる。
上記スクリーニング方法の一つの実施態様としては、本発明のポリペプチドの一部あるいは全長域を発現させた試験用細胞を用い、これを試験物質と共存させ、試験用細胞において試験物質によるCAPとc−CbIとの結合の量的あるいは質的変化を指標とすることからなる糖代謝改善作用を有する物質のスクリーニング方法が挙げられる。
本発明のスクリーニング法で使用する試験物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、市販の化合物(ペプチドを含む)、ケミカルファイルに登録されている種々の公知化合物(ペプチドを含む)、コンビナトリアル・ケミストリー技術(N.Terrett et al.,Drug Discov.Today,4(1):41,1999)によって得られた化合物群、微生物の培養上清、植物や海洋生物由来の天然成分、動物組織抽出物、あるいは、本発明のスクリーニング法により選択された化合物(ペプチドを含む)を化学的又は生物学的に修飾した化合物(ペプチドを含む)を挙げることができる。
上記スクリーニングする方法として限定はされないが具体的には以下のスクリーニング方法が挙げられる。
1)本発明のポリペプチドとCAPとの結合を利用したスクリーニング方法
本発明のポリペプチドはCAPとの結合を介してインスリンシグナルを負に制御していることから、本発明のポリペプチドとCAPとの結合を指標とした以下のスクリーニング方法が挙げられる。具体的には、本発明のポリペプチドの一部又は全長域、あるいはGSTやFlag、HISなどのタグを融合させた本発明のポリペプチドの一部又は全長域を発現させた試験用細胞を試験物質で未処理又は処理する。試験用細胞としてはインスリンに応答する細胞が好ましく、より具体的には脂肪細胞、肝細胞、あるいは骨格筋由来細胞が好ましい。前記細胞から抗CAP抗体を用いた免疫沈降によりCAP蛋白質とそこに結合する蛋白質を濃縮することができる。この濃縮過程では反応液中に上記で細胞を処理した同じ試験物質を含有させておくことが望ましい。得られたCAPおよびその結合蛋白質の濃縮液を公知の方法によりポリアクリルアミドゲル電気泳動法により分離し、抗体を用いたウエスタンブロティングにより本発明のポリペプチドの量を測定することにより、本発明のポリペプチドとCAPの結合を阻害する試験物質を選択することができる。ここで用いる抗体は、本発明のポリペプチドあるいはその部分配列をもとに作製した本発明のポリペプチドに対する抗体(例えば抗CAPBP1抗体)、あるいは上記タグを認識する抗体を利用することができる。また上述と同様に本発明のポリペプチドを発現させた細胞の抽出液に試験物質を添加あるいは未添加したものから、GSTなどのタグをつけて精製したCAP蛋白質を用いたin vitroのプルダウン法(実験工学、Vol13、No.6、1994年528頁 松七五三ら)と上述と同様のウエスタンブロッティングを組み合わせるによってもCAPと本発明のポリペプチドの結合を阻害する試験物質を選択することができる。あるいはここで本発明のポリペプチドを発現させた細胞の抽出液を用いずに、本発明のポリペプチドの発現プラスミド(例えば実施例1(5)で作製したCAPBP1発現プラスミド)から直接本発明のポリペプチドである蛋白質(例えばCAPBP1蛋白質)をTNTキット(プロメガ社)等を用いてin vitroで転写及び翻訳して作製した蛋白質混合液に試験物質を添加あるいは未添加したものを用いても同様にCAPと本発明のポリペプチド(例えばCAPBP1)の結合を阻害する試験物質を選択することができる。これらの方法ではいずれもポリアクリルアミド電気泳動法を行わずに公知のスポットウエスタンブロッティングを行うことにより多数の試験物質をスクリーニングすることが可能である。またタグを融合させて発現させた本発明のポリペプチドおよびCAPを同時に発現させた細胞の溶解液に試験物質を添加することからなる公知のELISA法に従ってもCAPと本発明のポリペプチドの結合を阻害する試験物質を選択するスクリーニングが可能である。また公知の哺乳類細胞におけるツーハイブリッドシステム(クロンテック社)を利用して、ベイトにGAL4のDNA結合領域と融合させたCAPを、プレイ側にVP16の転写促進領域を融合させた本発明のポリペプチドを配置することにより、既存のCATあるいはルシフェラーゼ活性の検出によりCAPと本発明のポリペプチドの結合を阻害する試験物質を大多数の母集団からスクリーニングし選択することが可能である。
2)本発明のポリペプチドの発現量測定を利用したスクリーニング方法
インスリン抵抗性改善薬及び/又は糖代謝改善薬をスクリーニングする方法として、上述(1)の他に本発明のポリペプチドの発現量を測定することによるスクリーニング方法が挙げられる。糖尿病モデルマウスでCAPBP1のマウスオルソログの発現が亢進していること(実施例4)、およびCAPBP1を過剰発現させた脂肪細胞で糖の取り込みが減弱していること(実施例6)から、内在性のCAPBP1の発現量を試験物質により減少させることが可能であれば、該試験物質はインスリン抵抗性を改善する作用を持つことが予想される。このような物質は具体的には以下の方法によって選択することができる。
まず試験物質で未処理又は処理した細胞から実施例4(1)に示した方法に従ってRNAを調製することができる。該細胞としてはインスリンに応答する細胞が好ましく、より具体的には脂肪細胞、肝細胞、あるいは骨格筋由来細胞が好ましい。このRNA調製液から公知の方法に従ってアガロースゲル電気泳動によりRNAを分離した後、ニトロセルロース膜に転写し、これを本発明のポリヌクレオチドの配列を含むラベルした短鎖DNAプローブを用いたノーザンブロット解析により、試験物質による本発明ポリヌクレオチド配列を有するRNAの発現量の増減を検出できる。これにより本発明ポリペプチドの発現量を抑制する物質を試験物質の母集団中からスクリーニングすることができる。あるいは本発明のポリヌクレオチドの配列を含む短鎖DNAプライマーを用いたリアルタイムPCR法によっても試験物質による本発明ポリヌクレオチド配列を有するRNAの発現量の増減を定量的に検出できる。リアルタイムPCRはより具体的には実施例4の方法に従って実施できる。これにより本発明のポリペプチドの発現量を抑制する物質を試験物質の母集団中からスクリーニングすることが可能である。本発明のポリヌクレオチドは本スクリーニング方法に利用することができる。
<インスリン抵抗性改善用及び/又は糖代謝改善用医薬組成物の製造方法>
本発明には、本発明のスクリーニング方法を用いてスクリーニングする工程、及び前記スクリーニングにより得られた物質を用いて製剤化する工程を含むことを特徴とする、インスリン抵抗性改善用及び/又は糖代謝改善用医薬組成物の製造方法が包含される。
本発明のスクリーニング方法により得られる物質を有効成分とする製剤は、前記有効成分のタイプに応じて、それらの製剤化に通常用いられる担体、賦形剤、及び/又はその他の添加剤を用いて調製することができる。
投与としては、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、又は経口用液剤などによる経口投与、あるいは、静注、筋注、若しくは関節注などの注射剤、坐剤、経皮投与剤、又は経粘膜投与剤などによる非経口投与を挙げることができる。特に胃で消化されるペプチドにあっては、静注等の非経口投与が好ましい。
経口投与のための固体組成物においては、1又はそれ以上の活性物質と、少なくとも一つの不活性な希釈剤、例えば、乳糖、マンニトール、ブドウ糖、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、又はメタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどと混合することができる。前記組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば、滑沢剤、崩壊剤、安定化剤、又は溶解若しくは溶解補助剤などを含有することができる。錠剤又は丸剤は、必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質などのフィルムで被覆することができる。
経口のための液体組成物は、例えば、乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、又はエリキシル剤を含むことができ、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば、精製水又はエタノールを含むことができる。前記組成物は、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば、湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、芳香剤、又は防腐剤を含有することができる。
非経口のための注射剤としては、無菌の水性若しくは非水性の溶液剤、懸濁剤、又は乳濁剤を含むことができる。水溶性の溶液剤又は懸濁剤には、希釈剤として、例えば、注射用蒸留水又は生理用食塩水などを含むことができる。非水溶性の溶液剤又は懸濁剤の希釈剤としては、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、アルコール類(例えば、エタノール)、又はポリソルベート80等を含むことができる。前記組成物は、更に湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解若しくは溶解補助剤、又は防腐剤などを含むことができる。前記組成物は、例えば、バクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合、又は照射によって無菌化することができる。また、無菌の固体組成物を製造し、使用の際に、無菌水又はその他の無菌用注射用媒体に溶解し、使用することもできる。
投与量は、有効成分、すなわち本発明のスクリーニング方法により得られる物質の活性の強さ、症状、投与対象の年齢、又は性別等を考慮して、適宜決定することができる。
例えば、経口投与の場合、その投与量は、通常、成人(体重60kgとして)において、1日につき約0.1〜100mg、好ましくは0.1〜50mgである。非経口投与の場合、注射剤の形では、1日につき0.01〜50mg、好ましくは0.01〜10mgである。
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明は該実施例によって限定されるものではない。なお、特に断りがない場合は、公知の方法(「Molecular Cloning」Sambrook,Jら、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989年、等)に従って実施可能である。また、市販の試薬やキットを用いる場合には市販品の指示書に従って実施可能である。
(実施例1)CAPBP1遺伝子のクローニングと発現ベクターの構築
(1)CAPのクローニング
遺伝子データベースGenBankのアクセッション番号U58883に記載されたマウスCAP(c−CbI associated protein)の全長領域をコードするcDNA配列を参照して、mCAP−5HS,mCAP−1,mCAP−2,mCAP−3SEと命名した以下の4つのオリゴヌクレオチドをプライマーとして設計した(配列番号5−8)。mCAP−5HSには制限酵素HindIIIサイトを、またmCAP−3SEには制限酵素EcoRIサイトを各プライマーの5’側に付加してある。
15週齢のオスのC57BL/6Jマウス(日本クレア社)の骨格筋から全RNAを調製して逆転写により1本鎖cDNAを作成し、CAP遺伝子クローニングのためのPCRの鋳型として用いた。ここで全RNAはRNA抽出用試薬(Isogen;ニッポンジーン社)を用いて説明書に従い調製した。調製した全RNAはその後デオキシリボヌクレアーゼ(ニッポンジーン社)を用いて処理し、フェノール/クロロホルム処理、エタノール沈殿して滅菌水に溶解した。全RNAから1本鎖cDNAへの逆転写は、1μgの全RNAを逆転写反応用キット(AdvantageTM RT−for−PCR Kit;クロンテック社)を用いて20μlの系で行った。
配列番号5と配列番号6のプライマーの組み合せによりCAPのN末側半分をコードする遺伝子を、また配列番号7と配列番号8のプライマーの組合せによりCAPのC末側半分をコードする遺伝子をそれぞれPCRを用いて増幅した。PCRは上述の1本鎖cDNAを5μl、Pyrobest DNA Polymerase(宝酒造社)を0.5μl、プライマーを各50pmol用いて、全量50μlの反応系で行った。温度条件は95℃で3分おいたのち、98℃で10秒、60℃で30秒、74℃で90秒の3ステップからなる工程を40サイクル繰り返し、最後に74℃で7分反応させた。
次に増幅断片を制限酵素EcoRVで消化したプラスミドpZEr0−2.1(インビトロジェン社)にサブクローニングした。サブクローニングした遺伝子断片の塩基配列はシークエンサー(ABI 3700 DNA sequencer アプライドバイオシステムズ社)を用いて決定し、報告されている塩基配列と一致することを確認した。
PCRで増幅されたN末側半分をコードする遺伝子断片の3’側とC末側半分をコードする遺伝子断片の5’側は、CAP遺伝子に内在性にただひとつ存在する制限酵素SacIサイトをどちらも有している。よってN末側半分をコードする遺伝子断片は制限酵素HindIIIとSacIを用いて、またC末側半分をコードする遺伝子断片は制限酵素SacIとEcoRIを用いてそれぞれサブクローニングされたプラスミドから切り出すことができ、それらを制限酵素HindIIIとEcoRIで消化したプラスミドpcDNA3.1(+)(インビトロジェン社)に同時にライゲーションすることによりマウスCAP遺伝子の全長がクローニングできた。
(2)酵母ツーハイブリッド用発現プラスミドの作製
マウスCAPのcDNAを酵母ツーハイブリッド用発現ベクターpDBtrp(インビトロジェン社)に挿入するため、マウスCAP遺伝子配列のそれぞれ5’側及び3’側にpDBtrpベクターのマルチクローニングサイトの前後40ヌクレオチドと相同な領域を付加した配列番号9及び10に示すプライマーを設計した。PCRは上述でクローニングしたマウスCAPプラスミドを鋳型として、DNAポリメラーゼ(Pyrobest DNA polymerase;宝酒造社)を用い、98℃(1分)の後、98℃(5秒)、55℃(30秒)、72℃(5分)のサイクルを35回、繰り返した。その結果得られたDNA断片はマウスCAP遺伝子の全コード領域を有している。
制眼酵素SalI及びNcoIで切断して直鎖上にしたベクターpDBtrp及び上記で得られたマウスCAPのcDNAを含むPCR断片を同時にツーハイブリッド用酵母株MaV203(インビトロジェン社)へ添加し、リチウム酢酸法により形質転換した(Guthrie C.and Fink R.,Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology,Academic San Diego,1991年)。その結果同酵母細胞内で相同組換えが生じ、pDBtrpのマルチクローニングサイトにマウスCAP cDNAが挿入されたプラスミド(以下pDB−CAPと略称する)が形成された。同プラスミドを有する酵母細胞を、プラスミドの選択マーカーであるトリプトファンを欠乏させた固形合成最小培地(DIFCO社)(20%アガロース)上にて培養することにより選択し、同酵母細胞をザイモリエース(生化学工業)で室温にて30分処理した後、アルカリ法でプラスミドを単離精製し、シーケンシングキット(アプライドバイオシステム社)及びシーケンサー(ABI 3700 DNA sequencer アプライドバイオシステムズ社)を用いて塩基配列の決定を行い、CAPのcDNAが、pDBtrpのGAL4 DNA結合領域のコード領域と翻訳フレームが一致して挿入されているものを選択した。
(3)酵母ツーハイブリッドスクリーニング
上述のpDB−CAPにより形質転換したツーハイブリッド用酵母株MaV203を400mlのYPD液体培地(DIFCO社)に懸濁し、波長590ナノメートルの吸光度が0.1から0.4になるまで30℃で約6時間振とう培養した後、リチウム酢酸法でコンピテントセルとし、最終量を1.0mlの0.1Mリチウム−トリス緩衝液に懸濁した。同細胞をヒト骨格筋cDNAライブラリー(クロンテック社Match Maker cDNA library)各20μgで形質転換し、同細胞をpDB−CAP及びライブラリーそれぞれのプラスミドの選択マーカーであるトリプトファン、ロイシンを欠乏させた固形合成最小培地(DIFCO社)(20%アガロース)上にて培養することにより選別し、両プラスミドが導入された形質転換株を得た。同時に同じ形質転換細胞をトリプトファン、ロイシンのほかに、ツーハイブリッドシステムにおいて人工的に発現させたGAL4 DNA 結合領域の融合蛋白質に、GAL4転写促進領域の融合蛋白質が結合した場合に発現するレポーター遺伝子HIS3が作動した細胞を選択するため、ヒスチジンを培地から除き、さらにHIS3がコードする酵素の阻害剤である3AT(3−AMINO−1,2,4−TRIAZOLE;シグマ社)20mMを添加した固形最小倍地(20%アガロース)上で30℃で5日間培養した。同条件下でCAPに結合する蛋白質を発現していることを示す3AT耐性の酵母のコロニーを取得した。これらの酵母細胞を24時間YPD固形培地上で成長させた後、HIS3とは別のツーハイブリッド システムの結合指示レポーターであるlacZ遺伝子の発現をβ−ガラクトシダーゼ活性を指標として調べた。β−ガラクトシダーゼ活性は培地上の酵母細胞をニトロセルロースフィルターに移し取り、液体窒素に付けて凍結させた後、室温で解凍し、フィルターを0.4%のX−GAL(シグマ社)溶液を浸した濾紙上にのせて37℃で24時間静置し、β−ガラクトシダーゼ青色変化を測定した。フィルター上に写し取った細胞内容物が白色から青色に変化したコロニーを選択することにより、CAPに結合する蛋白質を発現している酵母細胞を特定し、同細胞からクロンテック社Yeast Protocols Handbookの方法に従ってライブラリー由来のプラスミドを抽出した。そこに含まれる遺伝子断片の塩基配列を、配列番号11で表される塩基配列(GAL4 AD領域に結合する配列;GenBankアクセッション番号U29899 Cloning vector pACT2由来)をプライマーとし、シーケンシングキット(アプライドバイオシステム社)及びシーケンサー(ABI 3700 DNA sequencer アプライドバイオシステムズ社)を用いて決定した結果、配列番号1に示す塩基配列を含む1クローンと配列番号1の第64番目から9塩基挿入のある配列番号3に示す塩基配列を含む2クローンが含まれていることを確認した。
(4)CAPBP1遺伝子の全長cDNAのクローニング
前述(3)の結果、配列番号1又は3で表される塩基配列の全長を含む遺伝子断片を持ったプラスミド各1と配列番号1で表される塩基配列の第16番目の塩基以降の配列を含むプラスミドがそれぞれcDNAライブラリから得られ、CAPに結合する因子の存在が示された。そこで配列番号1で示された塩基配列の第525番目から第504番目の塩基配列の相補鎖に相当する配列番号12で表される塩基配列のプライマーを合成(プロリゴ社)し、該プライマーと配列番号11で表される塩基配列のプライマーを用いて前述の骨格筋由来cDNAライブラリー中からPCR法により全長cDNAの増幅を試みた。PCR反応はDNAポリメラーゼ(TAKARA LA Taq;宝酒造社)を用い、94℃(3分)の後、94℃(30秒)・58℃(1.5分)・72℃(4分)のサイクルを35回繰り返し、そのPCR産物を鋳型にしてさらに同じ条件でPCRを行った。PCR産物をアガロースゲル電気泳動によって分離した結果、約600塩基対のDNA断片が増幅されたことを確認した。そこで反応液中の同DNA断片を発現ベクター(pcDNA3.1/V5−His−TOPO;インビトロジェン社)にTOPO TA Cloningシステム(インビトロジェン社)を用いてクローニングした。得られたプラスミド中の挿入DNA断片の塩基配列を、ベクター上のT7プロモーター領域に結合するプライマー(TOPO TA Cloning kit/インビトロジェン社;配列番号13)とシーケンシングキット(アプライドバイオシステム社)及びシーケンサー(ABI 3700 DNA sequencer アプライドバイオシステムズ社)を用いて決定した。その結果、配列番号1または3に示すDNA配列を含むクローンであることを確認し、配列番号1または3よりさらに5’側上流に約250塩基対のDNA断片の付随が認められたが、配列番号2または4に示すアミノ酸配列をコードするDNAのトリプレットに従うと配列番号1及び3の初めにあるATG(開始コドン)より上流には別の開始コドンは認められず、ストップコドンのトリプレットが存在した。これにより配列番号1及び3に示す遺伝子のオープンリーディングフレームを確定した。この遺伝子をCAPBP1遺伝子と名付けた。
(5)CAPBP1発現ベクターの作製
前述(4)で得られたCAPBP1遺伝子の全長配列を含むプラスミドから、配列番号1及び3に示す塩基配列情報に従い、正味CAPBP1蛋白質をコードするCAPBP1 cDNAを、配列番号14、及び配列番号12を用いてPCR法により増幅した。これら2種類のDNAプライマーはそれぞれ配列番号1または3に示すCAPBP1遺伝子の5’側、3’側の一部と相同な塩基配列を有する。配列番号12に示すプライマーはクローニング後3’にベクター由来のV5エピトープ(paramyxovirus SV5のV protein由来、Southern J A(1991)J.Gen.Virol.72,1551−1557,1991)及びHis6タグ(Lindner P(1997)BioTechniques 22,140−149)がCAPBP1遺伝子のトリプレットと同じフレームで続くように、CAPBP1のストップコドン配列が除かれるよう設計した。PCR反応はDNAポリメラーゼ(TAKARA pyrobest;宝酒造社)を用い、98℃(1分)の後、98℃(5秒)・58℃(30秒)・72℃(2分)のサイクルを40回繰り返した。その結果得られた525塩基対および534塩基対のCAPBP1 cDNAをそれぞれ含むDNA断片を、前述の発現ベクターpcDNA3.1/V5−His−TOPOにクローニングした。得られたプラスミド中の挿入DNA断片の塩基配列を上述(4)と同様にして決定した結果、配列番号1および3に示すDNA配列の3’側のストップコドンを除いたDNAがそれぞれ挿入されていることを確認した。以下これらの発現プラスミドのうち配列番号1の配列を含むものをpcDNA−CAPBP1(−)、配列番号3の配列を含むものをpcDNA−CAPBP1(+3)と略記する。
(実施例2)CAPBP1蛋白質を発現する培養細胞の作成
(1)CAPBP1発現細胞の作製
上述の実施例1(5)で作成した発現プラスミドpcDNA−CAPBP1(−)およびpcDNA−CAPBP1(+3)をそれぞれCOS−1細胞に導入した。COS−1細胞は6ウェル培養プレート(ウェル直径35mm)の培養皿に各ウェル2mlの10%牛胎児血清(シグマ社)を含む最少必須培地DMEM(ギブコ社)を加えて70%コンフルエントの状態になるまで培養した。この細胞にリン酸カルシウム法(Graham et al.,Virology,52,456,1973、新井直子、遺伝子導入と発現/解析法13−15頁1994年)により、pcDNA−CAPBP1(−)あるいはpcDNA−CAPBP1(+3)(1.0μg/ウェル)を一過性にトランスフェクトした。48時間培養した後、培地を除去し、細胞をリン酸緩衝液(以下PBSと略称する)で洗浄した後にウェルあたり0.1mlの細胞溶解液(100mM リン酸カリウム(pH7.8)、0.2%トリトンX−100)を添加して細胞を溶解した。
(2)CAPBP1蛋白質の検出
上述<実施例2>(1)のCAPBP1発現細胞の溶解液10μlに10μlの2倍濃度SDSサンプルバッファー(125mM トリス塩酸(pH6.8)、3%ラウリル硫酸ナトリウム、20%グリセリン、0.14M β−メルカプトエタノール、0.02%ブロムフェノールブルー)を添加し、100℃で2分間処理した後、10%のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、試料中に含まれている蛋白質を分離した。セミドライ式ブロッティング装置(バイオラッド社)を用いてポリアクリルアミド中の蛋白質をニトロセルロース膜に転写した後、常法に従いウエスタンブロッティング法により該ニトロセルロース上のCAPBP1蛋白質の検出を行った。一次抗体にはCAPBP1のC末端に融合させたV5エピトープを認識するモノクローナル抗体(インビトロジェン社)を用い、二次抗体にはラビットIgG−HRP融合抗体(バイオラッド社)を用いた。45アミノ酸からなるC末端側のタグを含む220あるいは223アミノ酸からなるCAPBP1−V3−His6融合蛋白質を示す約24kDaの蛋白質が発現ベクターpcDNA−CAPBP1(−)あるいはpcDNA−CAPBP1(+3)の存在に依存して検出されることを確認した。これにより、培養細胞中でクローニングした前述のCAPBP1遺伝子は全長領域が確かに発現し、蛋白質として安定な構造をとることが明らかになった。
(実施例3)CAPBP1遺伝子の組織別発現分布解析
CAPBP1蛋白質はCAPと相互作用することから、該蛋白質はインスリンに応答する組織で発現し、インスリンシグナル第二経路に作用することが予想された。そこで上述の配列番号12、及び配列番号14に示すCAPBP1に相同な一対のプライマーを用いて、配列番号1あるいは3に示すCAPBP1遺伝子の全長cDNA断片を、各種組織由来cDNAからPCR反応を用いて増幅を試み、各種組織におけるCAPBP1の発現の有無を調べた。ヒト骨髄、脳、軟骨、心臓、腎臓、白血球、肝臓、肺、リンパ球、乳腺、卵巣、膵臓、胎盤、前立腺、骨格筋、HeLa細胞由来のcDNAライブラリー(クロンテック社)各1μgをテンプレートとしてDNAポリメラーゼ(AmpliTaq(r)DNA polymerase;アプライドバイオシステム社)を用い、98℃(1分)の後、98℃(5秒)、58℃(30秒)、72℃(1.5分)のPCRサイクルを35回繰り返した。得られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動によって分離した結果、骨格筋、HeLa細胞、脳、リンパ球、乳腺由来の各cDNAライブラリーからは所望するCAPBP1の部分断片を含むと思われる約500塩基対のDNA断片が増幅された。これらのDNA断片を各々アガロースゲル中から分離した後、上述の<実施例1>(4)に記した方法に従い配列番号14に示すプライマーを用いて該DNA断片の塩基配列をそれぞれ決定した結果、配列番号1あるいは3に示したCAPBP1と同一の配列を有することが確認された。このことから、配列番号1及び配列番号3で示される本発明CAPBP1遺伝子の発現は、インスリンシグナルに応答する骨格筋を含む限定された臓器で特異的に制御されていることが判明した。
(実施例4)正常及び糖尿病モデルマウスにおけるCAPBP1発現量の測定
上述の知見により本発明のCAPBP1蛋白質はCAPと結合し、骨格筋などのインスリン応答組織で発現していることが判明した。CAP蛋白質はインスリンシグナル第二経路に作用する因子であることから、本発明CAPBP1の作動の様態がインスリン抵抗性に関わることが予想された。そこで2種類の糖尿病モデルマウスKKA/Ta(Iwatsuka et al.Endocrinol.Japon.:17,23−35,1970、Taketomi et al.,Horm.Metab.Res.,7,242−246,1975)、およびC57BL/KsJ−db/db(Chen et al.,Cell,84,491−495,1996、Lee et al.,Nature,379,632−635,1996、Kaku et al.,Diabetologia,32,636−643,1989)の骨格筋におけるCAPBP1遺伝子のメッセンジャーRNA(mRNA)発現量を測定し、比較した。
遺伝子発現量は、本発明CAPBP1遺伝子のマウスオルソログの発現量を測定し、同時に測定したグリセルアルデヒド3−リン酸脱水素酵素(Glyceraldehyde 3−phosphate dehydrogenase(G3PDH))遺伝子の発現量により補正した。測定系としてはPRISMTM 7700 Sequence Detection SystemとSYBR Green PCR Master Mix(アプライドバイオシステムズ社)を用いた。本測定系においてはPCRで増幅された2本鎖DNAがとりこむSYBR Green I色素の蛍光量をリアルタイムに検出・定量することにより、目的とする遺伝子の発現量が決定される。
具体的には、以下の手順により測定した。
(1)全RNAの調製
全RNAはRNA抽出用試薬(Isogen;ニッポンジーン社)を用いて説明書に従い、15週齢のオスのC57BL/6Jマウス、KKA/Taマウス、C57BL/KsJ−dbm m+/m+マウス、C57BL/KsJ−dbm db/dbマウス(いずれも日本クレア社)の骨格筋から調製した。C57BL/6JマウスとC57BL/KsJ−dbm m+/m+マウスは健常マウス、KKA/TaマウスとC57BL/KsJ−dbm db/dbマウスは2型糖尿病モデルマウスとして知られている。調製した全RNAはその後デオキシリボヌクレアーゼ(ニッポンジーン社)を用いて処理し、フェノール/クロロホルム処理、エタノール沈殿して滅菌水に溶解し−20℃で保存した。
(2)1本鎖cDNAの合成
全RNAから1本鎖cDNAへの逆転写は、0.25μgのRNAを用い、逆転写反応用キット(AdvantageTM RT−for−PCR Kit;クロンテック社)を用いて20μlの系で行った。逆転写後、滅菌水180μlを加えて−20℃で保存した。
(3)PCRプライマーの作製
CAP1403,CAP1404,G3PDH F,G3PDH Rと命名した以下の4つのオリゴヌクレオチド(配列番号15−18)を(4)の項で述べるPCRのプライマーとして設計した。CAPBP1遺伝子に対しては配列番号15と配列番号16の組合せ、G3PDH遺伝子に対しては配列番号17と配列番号18の組み合わせで使用した。
(4)遺伝子発現量の測定
PRISMTM 7700 Sequence Detection SystemによるPCR増幅のリアルタイム測定は25μlの系で説明書に従って行った。各系において1本鎖cDNAは5μl、2xSYBR Green試薬を12.5μl、各プライマーは7.5pmol使用した。なお検量線作成には、1本鎖cDNAに代えて0.1μg/μlのマウスゲノムDNA(クロンテック社)を適当に希釈したものを5μl用いた。PCRは、50℃で10分に続いて95℃で10分の後、95℃で15秒、60℃で60秒の2ステップからなる工程を45サイクル繰り返すことにより行った。
各試料におけるマウスCAPBP1遺伝子の発現量は、下記式に基づいてG3PDH遺伝子の発現量で補正した。
[CAPBP1補正発現量]=[CAPBP1遺伝子の発現量(生データ)]/[G3PDH遺伝子の発現量(生データ)]
上述の結果、図1に示す通り、本発明CAPBP1のマウスオルソログ遺伝子の発現は糖尿病モデルマウスの骨格筋において顕著に増加していることが判明した。従って本発明のCAPBP1は筋肉における機能亢進によりインスリン抵抗性を惹起すると考えられる。以上のことからインスリン抵抗性に本発明のCAPBP1の関与が大きいと結論づけられる。
また本実施例の結果より、CAPBP1発現量の測定により糖尿病病態の診断が出来ることが明らかとなった。
(実施例5)CAPBP1とCAPの相互作用の検証
(1)CAP遺伝子のリクローニング
上述実施例1でクローニングしたマウスCAPの全長領域をコードするcDNA配列を鋳型として、C末端にFLAG配列を付加するように設計した配列番号19及び配列番号20で示されるオリゴヌクレオチドをプライマーとして、DNAポリメラーゼ(Pyrobest DNA Polymerase(宝酒造社)を用いて、95℃3分間の熱変性反応の後、98℃10秒間、60℃30秒間、74℃1分30秒からなるサイクルを40回、さらに74℃7分間の条件で、PCRを行なった。これにより生成した約2.5kbpのDNA断片を、プラスミドpcDNA3.1/V5−His−TOPO(インビトロジェン社)にクローニングした。得られたプラスミドを、pcDNA−CAP−FLAGと名付けた。ベクター上にクローニングしたCAP cDNAの配列は前述の配列番号13に示すオリゴヌクレオチドをプライマーとして、シーケンシングキット(アプライドバイオシステム社)及びシーケンサー(ABI 3700 DNA sequencer アプライドバイオシステムズ社)を用いて塩基配列を決定し、報告された配列と一致することを確認した。
(2)GST融合CAPBP1発現プラスミドの作製
ヒトCAPBP1のcDNAをGST融合発現ベクターpGEX−6P−1(アマシャムバイオサイエンス社)に挿入するため、上記で得られたpcDNA−CAPBP1(−)をBamHI及びXhoIで酵素処理してCAPBP1のcDNA断片を調製した。更に、両端にEcoRIおよびBamHI断片を形成するリンカーオリゴ(配列番号21および22)を用いて、pGEX−6P−1のEcoRIおよびXhoI部位に組み換え、pGEX−CAPBP1を得た。
(3)GST融合CAPBP1タンパク質の精製
上述の(2)で得られたプラスミドpGEX−CAPBP1を大腸菌BL21を用いて、heat shock法による形質転換を行い、2.4mLの培養液で一晩振盪培養した後、その全量を400mL培養液に移し変え、37℃で3時間振盪培養した後、最終濃度が2.5mMとなるようにIPTG(シグマ社)を添加し、更に3時間振盪培養してGST融合CAPBP1蛋白質(以下GST−CAPBP1と略記する)の発現を誘導した。菌体を回収し、公知の方法(実験工学、Vol13、No.6、1994年528頁 松七五三ら)に従ってGST−CAPBP1をグルタチオンセファロースビーズ(Glutathione Sepharose 4B;アマシャム・ファルマシア社)上に精製した。コントロールとしてpGEX−6P−1で形質転換した大腸菌BL21からGST部分のみの蛋白質(以下GST蛋白質と略記する)を上述と同様に発現誘導して精製した。精製したこれらの蛋白質は、公知の方法に従ってSDSゲル電気泳動法による分離と、クーマジーブリリアントブルー染色により期待される分子量の蛋白質(GST−CAPBP1;50kDa、GST蛋白質;26kDa)が精製されていることを確認した。
(4)CAP蛋白質とCAPBP1蛋白質との生化学的結合の確認
上述(3)で作製したGST融合CAPBP1蛋白質(GST−CAPBP1)を用いて、CAPBP1蛋白質とCAP蛋白質の直接の相互作用の有無をGST−pull down法(実験工学、Vol13、No.6、1994年528頁 松七五三ら)によって確認した。
まず、(1)で作製したpcDNA−CAP−FLAG 15μgをlipofectamine 2000を用いて、10cm−dishに培養した293T細胞に遺伝子導入した。陰性コントロールとしてプラスミドなしで、同様の操作を行った。遺伝子導入48時間後に、細胞を細胞溶解液(50mMトリス塩酸(pH7.5)、10%グリセロール、120mM NaCl、1mM EDTA、0.1mM EGTA、0.5mM PMSF、0.5%NP−40)1mLに溶解した。この細胞溶解液各300μlと上述(3)でグルタチオンビーズ上に精製したGST蛋白質あるいはGST−CAPBP1各30μgを混合し、4℃で1時間振盪した。その後遠心分離によりビーズ上のGST蛋白質あるいはGST−CAPBP1に結合する蛋白質を共沈殿させた。これを上述の細胞溶解液ののNaCl濃度を100mMに置換した緩衝液0.5mlでけん濁し、再度遠心分離により共沈殿させた。この操作を4回繰り返したのち、沈殿物中の蛋白質を公知の方法に従ってSDSゲル電気泳動法により分離し、抗FLAG抗体(シグマ社)を用いたウエスタンブロット法により解析した。その結果、pcDNA−CAP−FLAG導入細胞溶解液とGST−CAPBP1とを混合した場合にのみ、CAP−FLAGと思われるサイズのバンドが抗FLAG抗体により検出された。このことはCAPBP1にCAPが結合し共沈殿されたことを示している。以上のように、本発明のCAPBP1は、CAP蛋白質と相互作用することが明らかになった。従って本発明のCAPBP1は、CAP蛋白質との相互作用を介してインスリン抵抗性の惹起に関与すると考えられる。
(実施例6)CAPBP1高発現細胞における糖取り込み能の測定
(1)アデノウイルスベクターを利用したCAPBP1高発現ウイルスの作製
ヒトCAPBP1をコードする遺伝子断片を、pcDNA−CAPBP1(−)ベクターより制限酵素BamHI、PstIを用いて切り出し、さらに、FLAG配列をふくみ両端にPstI,NotI切断片を形成するリンカーオリゴ(配列番号23および配列番号24)を用いて、アデノウイルスベクターpAdTrack−CMV(ジョンズホプキンス癌センターより入手)のマルチクローニングサイト(BamHIおよびNotI)に挿入し、CAPBP1/pAdTrack−CMVベクターを得た。
以下、公知のプロトコール[“A Practical Guide for using the AdEasy System”](HYPERLINK http://www.coloncancer.org/adeasy.htm、“http://www.coloncancer.org/adeasy/protocol2.htm”)]に従い、CAPBP1を発現する高力価アデノウイルス液の調製を行った。コントロール用アデノウイルスは、pAdTrack−CMVより調製した。
なおウイルス量は260nmにおける吸光度(A260)を測定し、下記の計算式で換算した。
[式] 1 A260=1.1×1012ウイルス粒子=3.3×1011pfu/ml
(2)脂肪細胞の分化とCAPBP1発現アデノウイルスの添加
3T3−L1細胞を用いてCAPBP1の糖とりこみに対する効果を評価した。3T3−L1細胞を10%ウシ胎児血清(FCS)を含むダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)に懸濁し、コラーゲンコートした24穴プレート(旭テクノグラス社)に1.6×10個/穴になるように分注した。翌日、10μg/mlインスリン、250nMデキサメサゾン、0.5mM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)を加えたDMEM(10%FCS)に培地を交換して3T3−L1細胞の分化を誘導した。その2日後、培地を0.4mlのDMEM(10%FCS)に戻した。その4日後、CAPBP1を発現させるアデノウイルスを1穴あたり1.6×1010pfuの濃度で培地に添加した。コントロールとしてはeGFPのみを発現させるアデノウイルスを用いた。
(3)CAPBP1高発現細胞における糖取り込み能の測定
アデノウイルス添加して36時間後、ウシ胎児血清を含まないDMEMに交換して3時間おいた。その後、糖取り込みに対する効果を評価した。まず培地を所定濃度のインスリンを含むKRP緩衝液(136mM NaCl,4.7mM KCl,1.25mM CaCl2,1.25mM MgSO4,5mM Na2HPO4,pH7.4)0.25mlに交換し、37℃で20分インキュベートした。次に1mMの2−デオキシ−D−グルコースを含むKRPに1mlあたり15μlの2−デオキシ−D−[U−14C]グルコース(アマシャムバイオサイエンス社)を加えたものを用意し、各穴に50μlずつ添加して37℃で10分インキュベートした。その後、氷冷リン酸緩衝生理食塩液(PBS)で3回洗い、0.1%ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)を用いて細胞を溶解し、2mlのシンチレーター(Aquazol−2、パッカードバイオサイエンス社)と混合して、細胞内に取り込まれたグルコース量を液体シンチレーションアナライザー(トライカーブB2500TR、パッカード社)を用いて測定した。図2に示すとおり、CAPBP1の発現により、細胞内に取り込まれるグルコース量は有意に低下した。これにより本発明CAPBP1は、その過剰発現により細胞への糖取り込みを妨げることによって糖尿病態の増悪因子として作用することがわかった。なお、図中の記号「*」はStuden’s t−testにおける評価を示す。「*」は、コントロール群に対する有意差がp<0.05であることを、「***」は同有意差がp<0.001であることを意味している。
(実施例7)CAPBP1とGSK−3αの相互作用の検出
上述の結果からCAPBP1はインスリンシグナル下流にあるCAPに結合して細胞内への糖取り込みを阻害することが明らかとなった。CAPBP1が細胞の糖代謝に関わるのであればCAP以外の糖代謝関連蛋白質にも作用することが予想される。そこで複数の糖代謝関連蛋白質とCAPBP1の相互作用を調べた結果、あらたに同蛋白質はグリコーゲン合成酵素をリン酸化して不活性化する作用を持つGSK−3α蛋白質と結合することを見い出した。
(1)GSK−3α遺伝子のクローニング
GenBankアクセッション番号NM_019884にあるヒトGSK3αの配列情報に従って配列番号25および配列番号26に示すDNAオリゴプライマー(プロリゴ社)を用いてヒト平滑筋cDNA library(クロンテック社)から前述実施例1(4)に示したものと同一のPCR法およびクローニング法によりGSK3αの全長cDNAを取得し、発現ベクター(pcDNA3.1/V5−His−TOPO;インビトロジェン社)にクローニングした。このときGSK3αのN末端側にFLAGタグが挿入されるように設計した。この発現プラスミドをpcDNA3.1−FLAG−GSK3αと名付けた。
(2)CAPBP1とGSK3αの生化学的結合の検出
上述実施例1(5)で作製したpcDNA−CAPBP1(−)と前述のpcDNA3.1−FLAG−GSK3αをともに、上述実施例2(1)に示した方法に従ってCOS−1細胞にコトランスフェクトして48時間培養した。細胞を回収した後、抗FLAG抗体(シグマ)を用いて公知の免疫沈降法(実験医学別冊バイオマニュアルシリーズ7、羊土社、1994年91頁 浜口道成)に従いGSK3αに結合する蛋白質を分離した。SDSポリアクリルアミド電気泳動および抗V5抗体(インビトロジェン社)を用いたウエスタンブロット法により、分離した蛋白質中に発現させたCAPBP1−V3−His6融合蛋白質が含まれるかを調べた結果、同蛋白質とFLAG−GSK3αとを同時に発現させた細胞の分画のみからCAPBP1−V3−His6融合蛋白質の24kDaのバンドが検出され、両蛋白質が結合することが明らかとなった。
GSK−3はグリコーゲン合成酵素(glycogen synthase)をリン酸化して不活性化させ、細胞への糖取り込みを抑制する。またGSK−3αはインスリンシグナルによって活性化したPKBによりリン酸化されその活性が抑制される。これらの事実から同蛋白質はインスリンシグナルに対して負の方向へ作用する分子であると考えられている(Biochem J.1993年 294(3):p625−629)。このGSK3αと結合するという事実から本発明のCAPBP1はインスリンシグナルを負に制御することにより、糖尿病態の惹起に関わることがわかった。
CAPBP1はインスリンシグナルに関わる新たな新規分子であり、本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、発現ベクター及び細胞は、インスリン抵抗性改善薬及び/又は糖尿病改善薬の同定、及びスクリーニングに用いることが出来る。また、糖尿病態において発現量が増加する本発明のポリヌクレオチドは糖尿病の診断に有用である。
以下の配列表の数字見出し<223>には、「Artificial Sequence」の説明を記載する。具体的には、配列表の配列番号5〜10、12〜18、23、24の配列で表される各塩基配列は、人工的に合成したプライマー配列である。配列番号11の配列で表される塩基配列は、クローニングベクターpACT2(GenBank U29899)の第5183番目(5’)〜第5162番目(3’)の塩基からなる配列である。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。

Claims (5)

  1. 配列番号2又は4で表されるアミノ酸配列を含み、しかも、c−Cbl−associated proteinと結合するポリペプチド、あるいは配列番号2又は4で表されるアミノ酸配列において、1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列からなり、しかもc−Cbl−associated proteinと結合するポリペプチド。
  2. 配列番号2又は4で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド。
  3. 請求の範囲に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  4. 請求の範囲に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  5. 請求の範囲に記載の発現ベクターで形質転換された細胞。
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