JP4016280B2 - 脂質代謝改善物質のスクリーニング方法 - Google Patents
脂質代謝改善物質のスクリーニング方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4016280B2 JP4016280B2 JP2004013728A JP2004013728A JP4016280B2 JP 4016280 B2 JP4016280 B2 JP 4016280B2 JP 2004013728 A JP2004013728 A JP 2004013728A JP 2004013728 A JP2004013728 A JP 2004013728A JP 4016280 B2 JP4016280 B2 JP 4016280B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seq
- amino acid
- acid sequence
- lxr
- abca1
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/566—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor using specific carrier or receptor proteins as ligand binding reagents where possible specific carrier or receptor proteins are classified with their target compounds
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P3/00—Drugs for disorders of the metabolism
- A61P3/06—Antihyperlipidemics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P3/00—Drugs for disorders of the metabolism
- A61P3/08—Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
- A61P3/10—Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis for hyperglycaemia, e.g. antidiabetics
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Diabetes (AREA)
- Hematology (AREA)
- Immunology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Obesity (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Pathology (AREA)
- Emergency Medicine (AREA)
- Endocrinology (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Description
これらの知見より、LXRが脂質代謝や糖代謝の改善に有用であることから、LXRを活性化する合成LXRアゴニストの探索が盛んに行われているが、これまでのLXRとの結合を指標にしたスクリーニングにより得られた合成LXRアゴニストは、マウスへの投与により血中、及び肝臓中のトリグリセリド(triglyceride:TG)含量を増加させるという望ましくない作用を惹起する(非特許文献10参照)。これはLXRが脂肪酸のホメオスタシスの制御も担っており、合成LXRアゴニストによりステロール制御因子結合蛋白(sterol regulatory element-binding protein : SREBP) 1cの発現が誘導され、TG合成を亢進したためと考えられる。また、ヒト肝癌由来HepG2細胞においても合成LXRアゴニストはSREBP1cの発現を増加させ、マウスのみならず、ヒトでもTG合成が亢進すると考えられた。
[1] (1)配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列、又は配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターにより形質転換された細胞に試験物質を接触させる工程、並びに、(2)試験物質依存的なLXRの転写活性の変化を分析する工程を含む脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングする方法、
[2] (1)配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列、又は配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター、並びに、(2)配列番号7で表される塩基配列、若しくは配列番号7で表される塩基配列との相同性が90%以上である塩基配列からなり、しかもプロモーター活性を有するSREBP1cのプロモーター領域を含むポリヌクレオチド、又は配列番号8で表される塩基配列、若しくは配列番号8で表される塩基配列との相同性が90%以上である塩基配列からなり、しかもプロモーター活性を有するABCA1のプロモーター領域を含むポリヌクレオチドと融合されたレポーター遺伝子により形質転換された細胞、
[3] LXRをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター、及び/又はRXRをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターにより形質転換された[2]に記載の細胞、
[4] レポーター遺伝子がルシフェラーゼ遺伝子である[2]又は[3]に記載の細胞、
[5] (1)[2]乃至[4]に記載の細胞に試験物質を接触させる工程、(2)レポーター遺伝子の発現を指標として試験物質依存的なABCA1、又はSREBP1cの転写活性の変化を分析する工程、並びに(3)ABCA1の転写を活性化し、及び/又はSREBP1cの転写を抑制する試験物質を選択する工程を含む、ABCA1の転写を活性化し、及び/又はSREBP1cの転写を抑制する物質をスクリーニングする方法、
[6] ABCA1の転写を活性化し、及び/又はSREBP1cの転写を抑制する物質が脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬である[5]記載のスクリーニング方法、
[7] (1)配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列、又は配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドが発現している細胞、或いはLXRのアゴニスト活性を有する化合物と接触させることにより配列番号4で表されるアミノ酸配列、又は配列番号4で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドを発現するようになる細胞に試験物質を接触させる工程、並びに(2)前記細胞内における前記ポリペプチドの試験物質依存的な発現量の変化を分析する工程を含む、配列番号2、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列、又は配列番号2、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドの細胞内における発現を抑制する物質、或いは配列番号4で表されるアミノ酸配列、又は配列番号4で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドの細胞内における発現を促進する物質からなる脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングする方法、
[8] (1)配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列、又は配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドと試験物質とを接触させる工程、並びに(2)LXRとLXRに結合する物質の試験物質依存的な相互作用の変化を分析する工程を含む、脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングする方法、
[9] (1)配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列、又は配列番号2、配列番号4、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドと試験物質とを接触させる工程、(2)前記ポリペプチドとLXRとの結合を測定する工程、並びに、(3)前記ポリペプチドとLXRとの結合を変化させる物質を選択する工程を含む、配列番号2、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列、又は配列番号2、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドとLXRとの結合を阻害する物質、或いは配列番号4で表されるアミノ酸配列、又は配列番号4で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドとLXRとの結合を促進する物質をスクリーニングする方法、
[10] 配列番号2、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列、又は配列番号2、若しくは配列番号6で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドとLXRとの結合を阻害する物質、或いは配列番号4で表されるアミノ酸配列、又は配列番号4で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドとLXRとの結合を促進する物質が、脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬である[9]記載のスクリーニング方法、
[11] [5]乃至[10]に記載のスクリーニングする方法を用いてスクリーニングする工程、及び、前記スクリーニングにより得られた物質を用いて製剤化する工程を含む、脂質代謝改善、及び/又はインスリン抵抗性改善用医薬組成物の製造方法、
に関する。
[1] 本発明の細胞
(1)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御する、好ましくは抑制する、更に好ましくは1/2倍以下に抑制するポリペプチド;
(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1〜10個、好ましくは1〜7個、更に好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御する、好ましくは抑制する、更に好ましくは1/2倍以下に抑制するポリペプチド(以下、機能的等価clone6と称する);、並びに、
(3)配列番号2で表されるアミノ酸配列との相同性が75%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御する、好ましくは抑制する、更に好ましくは1/2倍以下に抑制するポリペプチド(以下、相同clone6と称する);
について、(1)、(2)、及び(3)を総称して、以下では「機能的clone6」と称する。
(2)配列番号4で表されるアミノ酸配列において、1〜10個、好ましくは1〜7個、更に好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御する、好ましくは促進する、更に好ましくは2倍以上に促進するポリペプチド(以下、機能的等価LXRMと称する);、並びに、
(3)配列番号4で表されるアミノ酸配列との相同性が75%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御する、好ましくは促進する、更に好ましくは2倍以上に促進するポリペプチド(以下、相同LXRMと称する);
について、(1)、(2)、及び(3)を総称して、以下では「機能的LXRM」と称する。
(2)配列番号6で表されるアミノ酸配列において、1〜10個、好ましくは1〜7個、更に好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失、置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御する、好ましくは抑制する、更に好ましくは1/2倍以下に抑制するポリペプチド(以下、機能的等価EAR-2と称する);、並びに、
(3)配列番号6で表されるアミノ酸配列との相同性が75%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御する、好ましくは抑制する、更に好ましくは1/2倍以下に抑制するポリペプチド(以下、相同EAR-2と称する);
について、(1)、(2)、及び(3)を総称して、以下では「機能的EAR-2」と称する。
Pairwise Alignment Parametersとして
K tuple 1
Gap Penalty 3
Window 5
Diagonals Saved 5
また、本明細書における前記「過剰発現によりABCA1の発現を制御する」とは、あるポリペプチドを細胞に過剰発現させることによって、過剰発現させない場合と比較して、細胞内のABCA1の発現量が増加、又は減少することをいう。増加する場合は、該ポリペプチドがABCA1の発現を促進すると、また、減少する場合は、該ポリペプチドがABCA1の発現を抑制するということができる。促進、又は抑制の倍率は、該ポリペプチドを過剰発現させなかった細胞に対する、過剰発現させた細胞の細胞内におけるABCA1の発現量の比によって求めることができる。細胞に検討対象のポリペプチドを過剰発現させるには、例えば、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターで細胞を形質転換させればよい。また、比較に用いる過剰発現させない細胞は、形質転換させなくてもよいし、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含まない発現ベクターで形質転換させてもよい。形質転換により細胞に検討対象のポリペプチドが過剰発現したか否かを調べるには、また、細胞内のABCA1の発現量を調べるには、細胞抽出液を用い、検討対象のポリペプチド又はABCA1を検出できる抗体を使用したウエスタンブロッティング、或いは、検討対象のポリペプチド又はABCA1をコードするポリヌクレオチドを特異的に検出するプライマーを使用したリアルタイムPCRなどにより確認することができる。過剰発現させなかった細胞と比較して、過剰発現させた細胞で検討対象のポリペプチドの発現量が多いこと、好ましくは2倍以上になっていることを確認することにより、検討対象のポリペプチドが過剰発現されたと判断することができる。
さらに、本明細書における前記「プロモーター活性」とは、RNA重合酵素(RNA polymerase)が結合しRNA分子の合成を開始させる特定のDNA塩基配列であるプロモーターが、下流遺伝子のmRNAの転写量を制御する活性のことをいう。
機能的LXRMをコードする塩基配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号4記載のアミノ酸配列で示されるポリペプチド、機能的等価LXRM、及び相同LXRMをコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドなら何れでもよい。また、同じ分子種として同定されるもので、過剰発現によりABCA1の発現を制御するものであればいずれの種由来のものであってもよく、例えばヒト由来のもの(GenBankアクセッション番号NM_032752)、及び配列番号3記載の塩基配列との相同性が76.8%であるマウス由来のもの(GenBankアクセッション番号NM_172941)などの哺乳動物由来のものを用いることもできる。好ましくは、配列番号4記載のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドであり、更に好ましくは、配列番号3記載の塩基配列を含むポリヌクレオチドである。
機能的EAR-2をコードする塩基配列を有するポリヌクレオチドは、配列番号6記載のアミノ酸配列で示されるポリペプチド、機能的等価EAR-2、及び相同EAR-2をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドなら何れでもよい。また、同じ分子種として同定されるもので、過剰発現によりABCA1の発現を制御するものであればいずれの種由来のものであってもよく、例えばヒト(GenBankアクセッション番号NM_005234)由来のもの、配列番号5記載の塩基配列との相同性が83.5%であるマウス由来のもの(GenBankアクセッション番号NM_010150)、及び配列番号5記載の塩基配列との相同性が84.5%であるラット由来のもの(GenBankアクセッション番号NM_139113)などの哺乳動物由来のものを用いることもできる。好ましくは、配列番号6記載のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドであり、更に好ましくは、配列番号5記載の塩基配列を含むポリヌクレオチドである。
RXRは、RXRα、RXRβ、RXRγなどいずれのサブタイプであってもよく、また同じ分子種として同定されるもので、核内受容体としての生体内での機能を果すものであればいずれの種由来のものであってもよい。RXRをコードするポリヌクレオチドとしては、例えばヒト(GenBankアクセッション番号X52773、NM_021976、NM_006917)、マウス(GenBankアクセッション番号M84817、NM_011306、NM_009107)など哺乳動物由来のものを用いることができる。好ましくは、配列番号13で表されるヒトRXRαの塩基配列を含むポリヌクレオチドを用いることができる。
SREBP1cのプロモーター領域、及びABCA1のプロモーター領域を含むポリヌクレオチドは、既知の塩基配列の情報などをもとに設計し合成したプライマーやプローブを用いて、PCR法やハイブリダイゼーションによるスクリーニングにより、染色体DNAから単離できる。具体的には実施例5に記載の方法により実施できる。
具体的には、「Molecular Cloning」「Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989年」に記載の方法により、LXR、RXR、機能的clone6、機能的LXRM、及び機能的EAR-2をコードするポリヌクレオチドを単独、あるいは連結し、哺乳動物細胞用の発現ベクターpcDNA3.1に組み込むことにより、所望の蛋白質の発現ベクターを得ることができる。また、SREBP1c及びABCA1のプロモーター領域を含むポリヌクレオチドを単独でピッカジーンベーシックベクター2(東洋インキ株式会社)に組み込むことでプロモーター領域にレポーター遺伝子が融合した発現ベクターを得ることができる。
本発明のスクリーニング方法には、LXR転写共役因子(機能的clone6、機能的LXRM、又は機能的EAR-2)の作用及び/又は発現量を制御する試験物質を、以下に挙げる活性や発現量を指標にスクリーニングする方法が含まれる。
1.LXR転写共役因子存在下で、LXRの転写活性として、
A) ABCA1、及び/又はSREBP1cの転写活性
B) LXR応答配列に融合されたレポーター遺伝子の発現量
C)LXR標的遺伝子の発現量
を指標にスクリーニングする方法
2.LXR転写共役因子の発現量を指標にスクリーニングする方法
3.LXRとLXRに結合する物質の相互作用の変化を指標にスクリーニングする方法
以下にこれらのスクリーニング方法について説明する。
本発明の実施態様としては、機能的clone6、機能的LXRM、又は機能的EAR-2をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターにより形質転換された細胞に試験物質を接触させ、試験物質依存的なLXRの転写活性の変化を分析する工程を含む、脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングする方法が挙げられる。LXRの転写活性の変化を分析するには、具体的には、A)ABCA1、若しくはSREBP1cの転写活性の変化を分析してもよく、B) LXR応答配列に融合されたレポーター遺伝子の発現量の変化を分析してもよく、又はC)プロモーター領域にLXR応答配列を有するLXR標的遺伝子の発現量の変化を分析してもよい。以下にA)、B)及びC)の分析方法を用いたスクリーニング方法について説明する。
本発明の実施態様としては、前記の本発明の細胞に試験物質を接触させ、レポーター遺伝子の発現を指標として、ABCA1の転写を活性化し、及び/又はSREBP1cの転写を抑制する物質、すなわち脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングする方法が挙げられる。
レポーター遺伝子アッセイ(田村ら、転写因子研究法、羊土社、1993年)は、レポーター遺伝子の発現をマーカーとして遺伝子の発現調節を検出する方法である。一般に遺伝子の発現調節はその5'上流域に存在するプロモーター領域と呼ばれる部分で制御されており、転写段階での遺伝子発現量はこのプロモーターの活性を測定することで推測することができる。試験物質がプロモーターを活性化すれば、プロモーター領域の下流に配置されたレポーター遺伝子の転写を活性化する。このようにプロモーター活性化作用すなわち発現亢進作用、又はプロモーター抑制作用すなわち発現抑制作用をレポーター遺伝子の発現に置き換えて検出することができる。したがって、SREBP1cのプロモーター領域又はABCA1のプロモーター領域を用いたレポーター遺伝子アッセイにより、SREBP1c又はABCA1の発現調節に対する試験物質の作用をレポーター遺伝子の発現に置き換えて検出することができる。SREBP1cのプロモーター領域又はABCA1のプロモーター領域と融合されたレポーター遺伝子により形質転換された細胞に試験物質を接触した場合と接触しなかった場合のレポーター遺伝子の発現量を比較することにより試験物質依存的な転写活性の変化を分析することができる。上記工程を実施することにより、ABCA1の転写を好ましくは2倍以上に活性化し、及び/又はSREBP1cの転写を好ましくは1/2倍以下に抑制する物質、すなわち脂質代謝及び/又はインスリン抵抗性を改善する物質のスクリーニングを実施できる。具体的には、例えば、実施例5に記載の方法により、前記スクリーニングを実施できる。
本発明の実施態様としては、機能的clone6、機能的LXRM、又は機能的EAR-2をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターで形質転換された細胞に、LXR応答配列を含むポリヌクレオチドに融合されたレポーター遺伝子を同時に形質移入し、そのレポーター遺伝子の発現量の変化を分析する工程を含む脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングする方法が挙げられる。
「LXR応答配列」とは、LXRのDNA結合領域が結合し得る応答配列を含むポリヌクレオチドのことで、LXRはRXRとヘテロダイマーを形成し、5'AG(G/T)TCA 3'のモチーフが間に4塩基はさんで2回繰り返す配列に結合することが知られている。例えば、マウスSREBP1c遺伝子のプロモーターでは、-282〜-297の部位にLXR応答配列があることが知られている(Repaら、Genes ;Dev.、第14巻、第2819-2830頁、2000年)。また、ヒト、マウス、及びラットのABCA1遺伝子のプロモーターでは、エクソン1の上流約50bpの部位にLXR応答配列があることが知られている(Yangら、Genomics、第73巻、第66-76頁、2001年)。LXR応答配列は、遺伝子のプロモーターからその領域を切り出して用いてもよいし、あるいはその配列を化学的に合成してもよい。「応答配列」のより詳しい定義と実例については、「分子細胞生物学第4版」(丸山ら訳、東京化学同人社、2001年)に記載されている。
本発明の実施態様としては、機能的clone6、機能的LXRM、又は機能的EAR-2をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターにより形質転換された細胞に試験物質を接触させ、プロモーター領域にLXR応答配列を有する遺伝子の試験物質依存的な発現量の変化を分析する工程を含む脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングする方法が挙げられる。プロモーター領域にLXR応答配列を有する遺伝子としては、具体的にはSREBP1c遺伝子やABCA1遺伝子が挙げられる。機能的clone6、機能的LXRM、又は機能的EAR-2をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターにより形質転換された細胞に試験物質を接触させるには、細胞に試験物質を添加又は非添加して一定時間培養する方法がある。試験物質依存的なSREBP1c、又はABCA1の発現量の変化は、試験物質非添加の細胞と試験物質添加の細胞で、SREBP1c若しくはABCA1遺伝子の転写産物であるmRNA、または、該mRNAにより翻訳される蛋白質の量を測定し、比較することにより、分析することができる。細胞から回収したRNA中のSREBP1cやABCA1のmRNA量を、例えば、リアルタイムPCR法などにより検出することができる。また、SREBP1c又はABCA1のmRNAと特異的にハイブリダイゼーションするプローブをあらかじめ固定したプレートを用いたアッセイシステム(HPSATM;クロマジェン社)により、多数の試験物質をスクリーニングすることが可能である。更に、回収した細胞抽出液中のSREBP1cやABCA1の蛋白量を、例えば、免疫化学的な方法(ウエスタンブロッティング法など)により検出することができる。このようにして、試験物質依存的なSREBP1cやABCA1の発現量の変化を分析し、ABCA1の発現量を好ましくは2倍以上に増加させ、及び/又はSREBP1cの発現量を好ましくは1/2倍以下に低下させる試験物質、すなわち、脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングすることができる。
本発明の一つの実施態様としては、i) 細胞に試験物質を接触させる工程、及び、ii) 試験物質依存的な機能的clone6、機能的LXRM、又は機能的EAR-2発現量の変化を分析する工程を含む方法で、脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングすることができる。
本方法で使用する「細胞」としては、機能的clone6、機能的LXRM、又は機能的EAR-2を発現している細胞ならば何れでも良い。具体的には、肝細胞、脂肪細胞、腎臓由来細胞が好ましく、より具体的にはヒト肝癌由来細胞HepG2細胞やヒト胎児腎臓由来細胞HEK-293細胞、マウス由来胚繊維芽細胞NIH-3T3細胞が好ましい。LXRのアゴニスト活性を有する化合物と接触させることにより機能的LXRMを発現するようになる細胞を用いることもできる。細胞に接触させるLXRのアゴニスト活性を有する化合物としては、具体的にはT-0901317 (N-(2,2,2-trifluoroethyl)-N-[4-(2,2,2-trifluoro-1-hydroxy-1-trifluoromethylethyl)phenyl]benzenesulfonamide)(Joshuaら、Gene Dev.、第14巻、第2831-2838頁、2000年;WO2000/54759号)やGW3965 (3-{3-[N-(2-chloro-3-trifluoromethylbenzyl)-N-(2,2-diphenylethyl)amino]propoxy}phenyl)acetic acid)(Collinsら、J. Med. Chem.、第45巻、第1963-1966頁、2002年)を用いることができ、より具体的には、例えば、T-0901317を10nMの濃度以上で12時間以上接触させることにより、機能的LXRMを発現するようになる細胞を用いることができる。
上記1.C)で記載の方法と同様の方法で、細胞に試験物質を接触させ、試験物質非添加の細胞と試験物質添加の細胞で機能的clone6、機能的LXRM、若しくは機能的EAR-2の発現量の変化を分析し、機能的clone6、若しくは機能的EAR-2の発現を好ましくは1/2倍以下に抑制する物質、又は機能的LXRMの発現を好ましくは2倍以上に促進する物質、すなわち、脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングすることができる。
本発明の実施態様として、具体的には、LXRに結合する物質が、1) LXR転写共役因子(機能的clone6、機能的LXRM、又は機能的EAR-2)である場合、及び2) LXR応答配列を含むポリヌクレオチドである場合が挙げられる。以下に1)及び2)のスクリーニング方法について説明する。
本発明の具体的な実施態様として、i) LXR転写共役因子と試験物質を接触させる工程、ii) LXR転写共役因子とLXRとの結合を測定する工程、及びiii) 機能的clone6、若しくは機能的EAR-2とLXRとの結合を阻害する物質、又は機能的LXRMとLXRとの結合を促進する物質を選択する工程を含む方法で、脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングすることができる。
LXR転写共役因子と試験物質を接触させるには、LXR転写共役因子の一部、若しくは全領域、又はLXR転写共役因子の一部、若しくは全領域にグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)やFlag、Hisなどのタグを融合させたポリペプチドを発現させた細胞に試験物質を添加又は非添加して一定時間培養する方法がある。あるいは、上述のポリペプチドを発現させた細胞の抽出液に試験物質を添加又は非添加して一定時間インキュベートしてもよい。ポリペプチドを発現させる細胞には、LXRを発現している細胞、又はLXRを上記のように形質移入して得られた細胞を用いることができる。具体的には、LXRを発現している細胞としては肝細胞、脂肪細胞、腎臓由来細胞が好ましく、より具体的にはヒト肝癌由来細胞HepG2細胞やヒト胎児腎臓由来細胞HEK-293細胞が好ましい。LXRを形質移入する細胞としては、COS細胞、CHO細胞、NIH-3T3細胞が好ましい。
またLXR転写共役因子の一部、若しくは全領域、又はLXR転写共役因子一部若しくは全領域にGSTやFlag、Hisなどのタグを融合させたポリペプチドを発現させた細胞の抽出液に試験物質を添加又は非添加したものから、LXR転写共役因子とは異なるタグをつけて精製したLXRを用いたin vitroのプルダウン法(松七五三ら、実験工学、第l13巻、第528頁、1994年)と上述と同様のウエスタンブロッティングを組み合わせることによってもLXR転写共役因子とLXRの結合を阻害、又は促進する試験物質を選択することができる。これらの方法ではいずれもポリアクリルアミド電気泳動を行わずに公知のスポットウエスタンブロッティングを行うことにより多数の試験物質をスクリーニングすることが可能である。また上述と同様のタグを融合させて発現させたLXR転写共役因子の一部、若しくは全領域、及びLXRを同時に発現させた細胞の溶解液に試験物質を添加することからなる公知のELISA法に従ってもLXR転写共役因子とLXRの結合を阻害、又は促進する試験物質を選択するスクリーニングが可能である。
このようにして、機能的clone6、若しくは機能的EAR-2とLXRとの結合を好ましくは1/2倍以下に阻害する物質、又は機能的LXRMとLXRとの結合を好ましくは2倍以上に促進する物質、すなわち、脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングすることができる。
LXR転写共役因子存在下で、試験物質添加による、LXR応答配列へのLXRの結合量の変化を分析することにより、脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングすることができる。具体的には、試験物質、LXR、RXR、LXR応答配列、及び機能的clone6、機能的LXRM、若しくは機能的EAR-2を混合し、一定時間放置した後、ポリアクリルアミドゲルで電気泳動を行う公知のゲルシフトアッセイ(Electrophoretic Mobility Shift Assay)により実施することができる。機能的clone6、又は機能的EAR-2存在下ではLXR応答配列へのLXR結合量を好ましくは1/2倍以下に減少させる試験物質を選択し、機能的LXRM存在下ではLXR応答配列へのLXR結合量を好ましくは2倍以上に増加させる試験物質を選択する。このようにして、脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングすることができる。
本発明のスクリーニング法で使用する試験物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、市販の化合物(ペプチドを含む)、ケミカルファイルに登録されている種々の公知化合物(ペプチドを含む)、コンビナトリアル・ケミストリー技術(Terrettら、J. Steele. Tetrahedron、第51巻、第8135-8173頁、1995年)によって得られた化合物群、微生物の培養上清、植物や海洋生物由来の天然成分、動物組織抽出物、あるいは本発明のスクリーニング法により選択された化合物(ペプチドを含む)を化学的、又は生物学的に修飾した化合物(ペプチドを含む)を挙げることができる。
本発明には、本発明のスクリーニング方法を用いてスクリーニングする工程、及び、前記スクリーニングにより得られた物質を用いて製剤化する工程を含む、脂質代謝改善、及び/又はインスリン抵抗性改善用医薬組成物の製造方法の発明が包含される。
本発明のスクリーニング方法により得られる物質を有効成分とする製剤は、前記有効成分のタイプに応じて、それらの製剤化に通常用いられる担体、賦形剤、及び/又はその他の添加剤を用いて調製することができる。
投与としては、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、又は経口用液剤などによる経口投与、あるいは静注、筋注、若しくは関節注などの注射剤、坐剤、経皮投与剤、又は経粘膜投与剤などによる非経口投与を挙げることができる。特に胃で消化されるペプチドにあっては、静注等の非経口投与が望ましい。
経口投与のための固体組成物においては、1又はそれ以上の活性物質と、少なくとも一つの不活性な希釈剤、例えば、乳糖、マンニトール、ブドウ糖、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、又はメタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどと混合することができる。前記組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば、滑沢剤、崩壊剤、安定化剤、又は溶解若しくは溶解補助剤などを含有することができる。錠剤又は丸剤は、必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質などのフィルムで被覆することができる。
経口投与のための液体組成物は、例えば、乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、又はエリキシル剤を含むことができ、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば、精製水又はエタノールを含むことができる。前記組成物は、不活性な希釈剤以外の添加物、例えば、湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、芳香剤、又は防腐剤を含有することができる。
投与量は、有効成分すなわち本発明のスクリーニング方法により得られる物質の活性の強さ、症状、投与対象の年齢、又は性別等を考慮して、適宜決定することができる。
例えば、経口投与の場合、その投与量は、通常、成人(体重60kgとして)において、1日につき約0.1〜100mg、好ましくは0.1〜50mgである。非経口投与の場合、注射剤の形では、1日につき0.01〜50mg、好ましくは0.01〜10mgである。
Y2H法による、LXRとリガンド依存的に相互作用する蛋白質の同定
LXRにリガンド依存的に結合する転写共役因子を探索する目的で、Y2H法による候補遺伝子クローニングを実施した。LXRのDNA結合領域、及びリガンド結合領域をバイトにし、ヒト肝臓cDNAライブラリーからのスクリーニングを実施した。
(1)Y2H用バイトの作製
配列番号15及び配列番号16に示したプライマーを用いてPCR法(DNAポリメラーゼ(Taq DNA polymerase;シグマ社)を用い、94℃(5分)の後、94℃(30秒)、55℃(30秒)、72℃(40秒)のサイクルを30回繰り返した)により、LXRを含むcDNAを取得した。Y2H用発現ベクターpDBtrp(インビトロジェン社)に挿入するため、配列番号17及び18に示したプライマーを用いて、前述のPCR産物をテンプレートとして再度PCR(DNAポリメラーゼ(Taq DNA polymerase ; シグマ社)を用い、94℃(5分)の後、94℃(30秒)、55℃(30秒)、72℃(30秒)のサイクルを25回繰り返した)を行い、配列番号10に示すLXRの第93番目のアミノ酸から終止コドン直前までの355アミノ酸でDNA結合領域およびリガンド結合領域(Ligand Binding Domain;LBD)を含む領域をコードするcDNAを取得した。このLXRを含むDNA断片をpDBtrpにYeast Protocols Handbook(クロンテック社)の方法に従って挿入し、pDB-LXRを構築した。pDBtrpのGAL4のDNA結合領域のコード領域とLXR遺伝子の翻訳フレームが一致して挿入されたプラスミド(以下pDB-LXRと略称する)を含む酵母をバイトとして選択した。
上述のバイトを用いてヒト肝臓cDNAライブラリー(Match Maker cDNA library;クロンテック社)をYeast Protocols Handbook(クロンテック社)の方法に従ってスクリーニングした。なお、LXRアゴニストであることが報告されているT-0901317(200μM)(Joshuaら、Gene Dev.、第14巻、第2831-2838頁、2000年;WO2000/54759号)を特許明細書に従って合成し、培地にあらかじめ塗布しておいた。T-0901317存在下で生育してくる酵母をLXRに結合する蛋白質を発現している陽性クローンとして取得した。次に、この陽性クローンをT-0901317(2mM)を塗布したYPD固形培地上で30℃にて培養後、結合指示レポーターであるlacZ遺伝子の発現をβ-ガラクトシダーゼ活性を指標として調べた。β-ガラクトシダーゼ活性はYeast Protocols Handbook(クロンテック社)の方法に従って測定した。β-ガラクトシダーゼ活性が検出された酵母を選択することにより、これをT-0901317の存在に依存してLXRに結合する蛋白質を発現している最終的な陽性クローンとして特定した。これらからライブラリー由来のプラスミドを抽出し、これに含まれる遺伝子断片の塩基配列をシーケンシングキット(アプライドバイオシステムズ社)およびシーケンサー(ABI 3700 DNA sequencer;アプライドバイオシステムズ社)を用いて決定した結果、配列番号4に記載のLXRMの部分配列(配列番号4の第1番目〜第661番目)、配列番号6に記載のEAR-2の部分配列(配列番号6の第34番目〜第514番目)をそれぞれコードするクローンが含まれていた。なお、LXRの相互作用因子として公知であるRXRα(Willyら、Genes & Dev.、第9巻、1033-1044頁、1995年)の部分配列をコードするクローンも陽性クローンの一つとして含まれていたため、上記スクリーニングによりLXR相互作用因子を取得できることが確認された。
上述のようにY2Hスクリーニングの結果、LXRM及びEAR-2はLXRのリガンド結合領域にLXRリガンド存在下で結合することが確認された。これによりLXRM及びEAR2がLXRに結合する因子であることが明らかとなった。
LXRM及びEAR-2全長クローニング並びに発現ベクター構築
(1)LXRM全長クローニング
Y2H法で得られた部分塩基配列情報をもとに、ヒト膵臓mRNA(クロンテック社)より調製したcDNAライブラリーを用いてLXRM全長cDNAを取得した。cDNAライブラリーはスパースクリプトチョイスシステム(インビトロジェン社)のキットを用い、添付された説明書に従い合成した。プライマーにはキットに添付されたrandom
hexamerを用いた。Y2H法で得られたLXRMの部分塩基配列をBLAST検索し、高い相同性の得られた配列情報(GenBankアクセッション番号NM_032752)を基に設計した配列番号19及び配列番号20のプライマーを用いてPCR法(DNAポリメラーゼ(Pyrobest DNA Polymerase;宝酒造株式会社)を用い、98℃(10秒)、65℃(30秒)、72℃(2分30秒)のサイクルを40回繰り返した)によりLXRM全長cDNAを取得した。得られたcDNAはpCR-Blunt2-TOPO(インビトロジェン社)にクローニング後、pcDNA3.1(+)(インビトロジェン社)のCMVプロモーター下流で発現するようにHindIII、XhoI制限酵素部位に組み込んだ。得られたクローンにより、配列番号3に記載の塩基配列によりコードされるLXRM蛋白質を発現する発現ベクターを構築することができた。
Y2H法で得られた部分塩基配列情報をもとに、肝臓cDNAライブラリー(Human liver Marathon-ReadyTM cDNA;クロンテック社)を用いてEAR-2全長cDNAを取得した。Y2H法で得られたEAR-2の部分塩基配列をBLAST検索し、高い相同性の得られた配列情報(GenBankアクセッション番号X12794)を基に設計した配列番号21及び配列番号22のプライマーを用いてPCR法(DNAポリメラーゼ(Advantage 2 PCR Kit;クロンテック社)を用い、96℃(30秒)の後、96℃(30秒)、68℃(2分30秒)のサイクルを35回繰り返した)によりEAR-2全長cDNAを取得した。得られたcDNAはpCR-XL-TOPO(インビトロジェン社)にクローニング後、pcDNA3.1(-)(インビトロジェン社)のCMVプロモーター下流で発現するようにXhoI、HindIII制限酵素部位に組み込んだ。得られたクローンにより、配列番号5に記載の塩基配列によりコードされるEAR-2蛋白質を発現する発現ベクターを構築することができた。
clone6全長クローニングおよび発現ベクター構築
Y2H法で得られたLXRMの塩基配列(配列番号3)をもとに、GenBankデータベースに対してBLAST検索を実施した。その結果、KIAA0557(GenBankアクセッション番号AB011129)との相同性が確認された。KIAA0557は部分cDNA配列であったため、3'および5' RACE (Rapid Amplification of cDNA Ends) 法によりclone6全長cDNA配列(配列番号1)を同定した。配列番号23及び配列番号24のプライマーを用いて小腸のcDNAライブラリー(Human small intestine Marathon-ReadyTM cDNA;クロンテック社)を鋳型として、PCR法(DNAポリメラーゼ(Pfu DNA polymerase;ストラタジーン社)を用い、95℃(1分)の後、95℃(30秒)、68℃(4分)のサイクルを35回繰り返した)により、clone6の全長cDNAを取得した。得られたcDNAはpCR-Blunt2-TOPO(インビトロジェン社)にクローニング後、pcDNA3.1(+)(インヴィトロジェン)のCMVプロモーター下流で発現するようにEcoRI制限酵素部位に組み込んだ。得られたクローンにより、配列番号1に記載の塩基配列によりコードされるclone6蛋白質を発現する発現ベクターを構築することができた。
Y2H法によるclone6とLXRの結合確認
LXRM及びEAR-2はY2H法でリガンド依存的なLXR結合分子としてクローニングしており、LXR結合能を確認している。LXRMのホモログとして得たclone6もLXRM同様にLXR結合能を持つか確認した。
配列番号25及び配列番号26に示したプライマーを用いて、実施例3で得たclone6(配列番号1)をもとに、clone6をコードするDNA断片をPCR法(DNAポリメラーゼ(Pyrobest DNA Polymerase;宝酒造株式会社)を用い、98℃(5分)の後、98℃(10秒)、55℃(30秒)、72℃(90秒)のサイクルを25回繰り返した)により取得した。活性化ドメインベクターpACT2(クロンテック社) はヒト肝臓cDNAライブラリー(Match Maker cDNA library;クロンテック社)から精製し、制限酵素(EcoRI及びXhoI;宝酒造株式会社)で処理してインサートを除いて直鎖状にしたものを用いた。これにclone6を含むDNA断片をYeast Protocols Handbook(クロンテック社)の方法により挿入しpACT2-clone6を構築した。pDB-LXRを含む酵母をpACT2-clone6を用いて形質転換し、同方法により酵母を選択培地上で30℃にて培養した。なお、同培地中にはあらかじめLXRアゴニストであることが知られているT-0901317(200μM)を添加した。上述のY2Hの結果、LXRリガンド依存的な生育が確認され、clone6がLXRに結合する因子であることが明らかとなった。
SREBP1cレポーターアッセイ、及びABCA1レポーターアッセイ
clone6、LXRM、EAR-2によるLXRターゲット遺伝子であるSREBP1c、ABCA1の発現制御をSREBP1c、ABCA1各遺伝子の転写調節領域を含むレポーター遺伝子を用いて確認した。
(1)SREBP1c及びABCA1レポーター遺伝子の構築
配列番号27及び28に示したプライマーを用いて、マウス染色体DNA(クロンテック社)を鋳型にしてPCR法(DNAポリメラーゼ(Advantage 2 PCR Kit;クロンテック社)を用い、95℃(1分)の後、95℃(30秒)、68℃(3分)のサイクルを30回繰り返した)によりマウスSREBP1cの転写調節領域をコードする染色体DNAを取得した。このDNA断片を制限酵素(BglII及びHindIII;宝酒造株式会社)で切断し、BglII、HindIIIで切断したピッカジーンベーシックベクター2(pGV-B2;東洋インキ株式会社)と結合し、マウスSREBP1c-ルシフェラーゼレポーター遺伝子を構築した。
配列番号29及び30に示したプライマーを用いて、マウス染色体DNA(クロンテック社)を鋳型にしてPCR法(DNAポリメラーゼ(Pyrobest DNA Polymerase;宝酒造株式会社)を用い、98℃(10秒)、65℃(30秒)、72℃(1分)のサイクルを40回繰り返した)によりマウスABCA1の転写調節領域をコードする染色体DNAを取得した。このDNA断片を制限酵素(KpnI及びXhoI;宝酒造株式会社)で切断し、KpnI、XhoIで切断したピッカジーンベーシックベクター2(pGV-B2;東洋インキ株式会社)と結合し、マウスABCA1-ルシフェラーゼレポーター遺伝子を構築した。
配列番号31及び32に示したプライマーを用いて、ヒト肝臓cDNAライブラリー(クロンテック社)から、PCR法(DNAポリメラーゼ(Pfu DNA polymerase;ストラタジーン社)を用い、94℃(1分)の後、94℃(15秒)、60℃(30秒)、72℃(3分)のサイクルを30回繰り返した)により、ヒトLXR cDNAを取得した。得られたcDNAはpCR-Bluntにクローニング後、pcDNA3.1(インビトロジェン社)のCMVプロモーター下流で発現するようにEcoRV、BamHI制限酵素部位に組み込み、pcDNA-hLXRαを構築した。
ヒトRXRα発現ベクターphRXRαはpVgRXR(インビトロジェン社)をもとに構築した。pVgRXRはRXRαおよびエクダイソン受容体を同時に発現するように構築された発現ベクターである。そこで、pVgRXRから制限酵素(KpnI;宝酒造株式会社)でエクダイソン受容体部分に相当する2096bpを除去し、RXRαのみを発現するphRXRαを構築した。
NIH-3T3細胞を96ウェルプレート(コラーゲンタイプ1コートプレート;岩城硝子社)に2×104個/ウェルの密度で播種し、5%活性炭及びデキストランで処理したウシ胎児血清(ギブコ社)を含むフェノールレッド不含ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM) (ギブコ社)を用い、5%二酸化炭素存在下、37℃で一晩培養した。この細胞にトランスフェクション試薬(Lipofectamine 2000;インビトロジェン社)を用いて、トランスフェクション試薬添付のプロトコールに従い、以下i)、ii)、iii)、iv)、及びv)を一過性に同時に形質移入した。
i) 実施例5の(1)で作製したマウスSREBP1cレポーター遺伝子、若しくはマウスABCA1レポーター遺伝子(50 ng/ウェル)
ii)実施例3で作製したclone6発現ベクター、実施例2の(1)で作製したLXRM発現ベクター、若しくは実施例2の(2)で作製したEAR-2発現ベクター(0-56
ng/ウェル)
iii) 実施例5の(2)で作製したLXRα発現プラスミド(pcDNA-hLXRα)(7 ng/ウェル)
iv) 実施例5の(3)で作製したRXRα発現ベクター(phRXRα) (7 ng/ウェル)
v)β-ガラクトシダーゼ発現ベクターpCH110(アマシャム社)(40 ng/ウェル)
なお、ii)でEAR-2発現ベクターを形質移入するときは、iv)のRXRα発現ベクター(phRXRα)は形質移入しなかった。24時間培養後、細胞に内在性に存在するLXRアゴニスト(生体内リガンド)であるハイドロキシコレステロールの合成を阻害するために5μM Mevastatin (シグマ社)を含む上記培地に交換し、LXRアゴニストT-0901317(0.03μM)存在下、非存在下で培養した。さらに24時間培養後、培養上清を除き、ピッカジーン培養細胞溶解剤(ピッカジーン社)を1ウェルあたり60μl添加し、細胞を溶解した。この細胞溶解液40μlに100μlのルシフェラーゼ基質溶液(和光純薬工業社)を添加し、化学発光測定装置(ML3000型;ダイナテックラボラトリーズ社)を用いて発光量を測定し、ルシフェラーゼ活性を求めた。また、別途、前記細胞溶解液のβ-ガラクトシダーゼ活性を、β-ガラクトシダーゼ酵素測定システム(プロメガ社)を用いて測定し数値化した。これを導入遺伝子の形質転換効率として上述のルシフェラーゼ活性を各ウェル毎に補正した。レポーター活性は、clone6発現ベクター、LXRM発現ベクター、及びEAR-2発現ベクターを導入しなかった細胞を含むウェルのルシフェラーゼ活性を100とした相対活性で示した。
clone6はLXRアゴニストT-0901317存在下、及び非存在下で、SREBP1c遺伝子の発現を亢進し、ABCA1遺伝子の発現を抑制した。よって、clone6の作用を阻害するような薬剤は、SREBP1c遺伝子の発現を抑制し、ABCA1遺伝子の発現を亢進する脂質代謝改善剤、及び/又はインスリン抵抗性改善剤として好ましい特性を有することが明らかとなった。従って、clone6の活性、発現、及びLXRとの相互作用等を抑制する物質をスクリーニングすることにより、従来の合成LXRアゴニストが有するTG合成亢進作用を持たない脂質代謝改善剤、及び/又はインスリン抵抗性改善剤をスクリーニングすることができる。
さらに、EAR-2はT-0901317存在下、及び非存在下でABCA1遺伝子の発現を抑制した。EAR-2の作用を抑制するような薬剤は、ABCA1遺伝子の発現を亢進する脂質代謝改善剤、及び/又はインスリン抵抗性改善剤として有用であることが明らかとなった。従って、EAR-2の活性、発現、及びLXRとの相互作用等を抑制する物質をスクリーニングすることにより、脂質代謝改善剤、及び/又はインスリン抵抗性改善剤をスクリーニングすることができる。
Claims (10)
- (1)(i)配列番号2で表されるアミノ酸配列、(ii)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列、又は(iii)配列番号2で表されるアミノ酸配列との同一性が90%以上であるアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターにより形質転換された細胞に試験物質を接触させる工程、並びに、(2)試験物質依存的なLXRの転写活性の変化を分析する工程を含む脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングする方法。
- (1)(i)配列番号2で表されるアミノ酸配列、(ii)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列、又は(iii)配列番号2で表されるアミノ酸配列との同一性が90%以上であるアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター、並びに、(2)配列番号7で表される塩基配列、若しくは配列番号7で表される塩基配列との同一性が90%以上である塩基配列からなり、しかもプロモーター活性を有するSREBP1cのプロモーター領域を含むポリヌクレオチド、又は配列番号8で表される塩基配列、若しくは配列番号8で表される塩基配列との同一性が90%以上である塩基配列からなり、しかもプロモーター活性を有するABCA1のプロモーター領域を含むポリヌクレオチドと融合されたレポーター遺伝子により形質転換された細胞。
- LXRをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター、及び/又はRXRをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターにより形質転換された請求項2に記載の細胞。
- レポーター遺伝子がルシフェラーゼ遺伝子である請求項2又は請求項3に記載の細胞。
- (1)請求項2乃至請求項4に記載の細胞に試験物質を接触させる工程、(2)レポーター遺伝子の発現を指標として試験物質依存的なABCA1、又はSREBP1cの転写活性の変化を分析する工程、並びに(3)ABCA1の転写を活性化し、及び/又はSREBP1cの転写を抑制する試験物質を選択する工程を含む、ABCA1の転写を活性化し、及び/又はSREBP1cの転写を抑制する物質をスクリーニングする方法。
- ABCA1の転写を活性化し、及び/又はSREBP1cの転写を抑制する物質が脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬である請求項5記載のスクリーニング方法。
- (1)(i)配列番号2で表されるアミノ酸配列、(ii)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列、又は(iii)配列番号2で表されるアミノ酸配列との同一性が90%以上であるアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドが発現している細胞に試験物質を接触させる工程、並びに(2)前記細胞内における前記ポリペプチドの試験物質依存的な発現量の変化を分析する工程を含む、前記ポリペプチドの細胞内における発現を抑制する物質からなる脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングする方法。
- (1)配列番号2で表されるアミノ酸配列、又は配列番号2で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドと試験物質とを接触させる工程、並びに(2)LXRとLXRに結合する物質の試験物質依存的な相互作用の変化を分析する工程を含む、脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬をスクリーニングする方法。
- (1)(i)配列番号2で表されるアミノ酸配列、(ii)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列、又は(iii)配列番号2で表されるアミノ酸配列との同一性が90%以上であるアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドと試験物質とを接触させる工程、(2)前記ポリペプチドとLXRとの結合を測定する工程、並びに、(3)前記ポリペプチドとLXRとの結合を阻害する物質を選択する工程を含む、前記ポリペプチドとLXRとの結合を阻害する物質をスクリーニングする方法。
- (i)配列番号2で表されるアミノ酸配列、(ii)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1〜10個のアミノ酸が欠失、置換、及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列、又は(iii)配列番号2で表されるアミノ酸配列との同一性が90%以上であるアミノ酸配列を含み、しかも過剰発現によりABCA1の発現を制御するポリペプチドとLXRとの結合を阻害する物質が、脂質代謝改善薬、及び/又はインスリン抵抗性改善薬である請求項9記載のスクリーニング方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004013728A JP4016280B2 (ja) | 2004-01-21 | 2004-01-21 | 脂質代謝改善物質のスクリーニング方法 |
PCT/JP2005/000458 WO2005071098A1 (ja) | 2004-01-21 | 2005-01-17 | 脂質代謝改善物質のスクリーニング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004013728A JP4016280B2 (ja) | 2004-01-21 | 2004-01-21 | 脂質代謝改善物質のスクリーニング方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005204550A JP2005204550A (ja) | 2005-08-04 |
JP2005204550A5 JP2005204550A5 (ja) | 2005-09-15 |
JP4016280B2 true JP4016280B2 (ja) | 2007-12-05 |
Family
ID=34805394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004013728A Expired - Fee Related JP4016280B2 (ja) | 2004-01-21 | 2004-01-21 | 脂質代謝改善物質のスクリーニング方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4016280B2 (ja) |
WO (1) | WO2005071098A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111647639B (zh) * | 2020-06-28 | 2023-12-05 | 广东省实验动物监测所 | 一种基于实验鱼胚胎和基因表达快速筛选脂代谢药物的方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20030228607A1 (en) * | 2002-04-15 | 2003-12-11 | Wagner Brandee Lynn | Screening method and modulators having an improved therapeutic profile |
-
2004
- 2004-01-21 JP JP2004013728A patent/JP4016280B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2005
- 2005-01-17 WO PCT/JP2005/000458 patent/WO2005071098A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2005071098A1 (ja) | 2005-08-04 |
JP2005204550A (ja) | 2005-08-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
ES2625316T3 (es) | Neuquinasa, una proteína corriente abajo de neuregulina | |
Zhang et al. | The C-terminal domain of Nrf1 negatively regulates the full-length CNC-bZIP factor and its shorter isoform LCR-F1/Nrf1β; both are also inhibited by the small dominant-negative Nrf1γ/δ isoforms that down-regulate ARE-battery gene expression | |
Antrobus et al. | K+-Cl− cotransporter-2 KCC2 in chicken cardiomyocytes | |
Feng et al. | Identification of a functional thyroid hormone response element in the upstream flanking region of the human Na, K-ATPase β 1 gene | |
JP2004500125A (ja) | アンギオペプチンによって確認される機能性受容体としてのGPCRx11を発現し、アゴニストおよびアンタゴニストのスクリーニングに役立つ組換え細胞系 | |
JPWO2004024943A1 (ja) | インスリン含量増加剤スクリーニング方法 | |
JP4016280B2 (ja) | 脂質代謝改善物質のスクリーニング方法 | |
Seong et al. | Exonic splicing enhancer-dependent splicing of the gonadotropin-releasing hormone premessenger ribonucleic acid is mediated by tra2α, a 40-kilodalton serine/arginine-rich protein | |
US20050019320A1 (en) | Remedies for anorexia or lifestyle-related diseases and method of screening the same | |
Jaeger et al. | Identification and functional characterization of cis-regulatory elements controlling expression of the porcine ADRB2 gene | |
US20130157950A1 (en) | Method for treating and/or preventing neurodegenerative disease by adiponectin receptor agonist | |
EP1902729A1 (en) | Int6 PROTEIN INVOLVED IN HYPOXIA STRESS INDUCTION AND USE THEREOF | |
JP4419077B2 (ja) | Cap結合蛋白質 | |
US20070231812A1 (en) | Method of Screening Antidiabetic Agents | |
CN114875070B (zh) | 一种glp-1r表达载体及基于其的重组hek293细胞及构建方法和应用 | |
US20050014689A1 (en) | Remedies for life style-related diseases or cibophobia and method of screening the same | |
JP4264904B2 (ja) | 糖尿病改善薬のスクリーニングに利用できる新規蛋白質 | |
JPWO2004005497A1 (ja) | インスリン抵抗性改善薬スクリーニング方法 | |
US20050203283A1 (en) | ISOFORMS OF NUCLEAR RECEPTOR RXR a | |
US7238473B1 (en) | TTP-related zinc finger domains and methods of use | |
WO2004015103A1 (ja) | Akt2結合蛋白質 | |
EP1489172A1 (en) | Nuclear receptor err gamma 3 | |
JP2004137207A (ja) | 細胞毒性を抑制する蛋白質 | |
JP2006169200A (ja) | インスリン分泌促進薬のスクリーニング方法 | |
JP2010208980A (ja) | Id2及び/又はId3の発現を抑制するための発現抑制剤、及びその利用 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050602 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050602 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070822 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070904 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |