JP2008531496A - スクロース‐6‐エステルのスズ媒介性位置選択的合成 - Google Patents

スクロース‐6‐エステルのスズ媒介性位置選択的合成 Download PDF

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Abstract

【課題】
スクロースとDBTOを使用し新規なスクロース‐スズ付加物の生成によるスクロース‐6‐アセテートの位置選択的な合成の方法を提供すること。
【解決手段】
新規なスズ付加物は式(6‐O‐スクロース)−O−Sn(ブチル)−O−(6−O−スクロース)、または1,3(ジO‐スクロース)ジブチルスタニレンと表わすことができる。付加物はアシル化されて主生成物としてスクロース‐6‐アセテートまたはスクロース‐6‐ベンゾナートを生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スクロース‐6‐エステルの合成のための方法および新規な方針に関する。スクロース‐6‐エステルは塩素殺菌されたスクロース、1’‐6’‐ジクロロ‐1’‐6’‐ジデオキシ‐β‐フルクトフラノシル‐4‐クロロ‐4‐デオキシ-ガラクトピラノシド(TGS)の前駆物質である。本発明はさらに、新規なスタニレン中間化合物の生成に関する位置選択的反応によるスクロース‐6‐エステルの合成の新規な方法を含む。
塩素殺菌されたスクロースの生成は、より反応的な位置と競合するスクロース分子中の選択的なより反応的でない位置における塩素化が必要であるため、困難なプロセスである。一般に、この目的は、アルキル/アリル無水物、酸塩化物、オルト・エステルなど様々な保護剤の使用により、糖分子のピラノース環の6‐ヒドロキシ基を本質的に保護することを含む方法によって達成され、保護されたスクロースは、所望の位置(1’‐6’、4)において塩素殺菌されて生成物のアセチル誘導体となり、その後アシル基を除去されて所望の生成物1’‐6'‐ジクロロ‐1’‐6’‐ジデオキシ‐β‐フルクトフラノシル‐4‐クロロ‐4‐デオキシ-ガラクトピラノシド、すなわち4,1’,6’トリクロロガラクトスクロース(TGS)が生成される。
特許文献1〜15において詳細に述べられている、先行技術のTGS生成方法の方針は、以下に述べる方法の範囲と類似している。すなわち、スクロース‐6‐アセテートがビルスマイヤー・ハック試薬によって塩素殺菌され、6アセチル4,1’,6’トリクロロガラクトスクロース(TGS‐6‐アセテート)を生成する。塩素化の後、6アセチルTGSのTGSへの脱アセチルは反応混合物自体において実行される。そして水非混和性の溶媒への選択的な抽出に基づいた様々な方法で、TGSから反応混合物が除去される。上記の反応では、アセチル基はまた他のアシル基であってもよい。
アシル基によるスクロース分子中の水酸基の置換は、必ずしも所望の6つの位置に制限されて生じるわけではない。一般に、通常の反応条件では、様々な位置で置換されたスクロース分子の混合物を生成する他の位置でもエステル化は起こる。それにより1つ以上の多置換スクロースエステルが生成される。所望のスクロース‐6‐エステルを他のエステルから分離することは通常厄介な方法である。
スタンノキシル化合物(非特許文献1)の生成は、炭水化物などの化合物を含む水酸基とスズ化合物の反応の結果としてデービッド(David)らによって開示される。アルキル化またはアセチル化におけるスタンノキシル化合物はエーテルまたはエステルを生成するであろう。
ヌクレオシドのジブチルスタニレン誘導体はヴァーグナー(Wagner)らによって開示される(非特許文献2)。
ベンゾイル塩化物との反応の前の6,1’,6’‐トリ‐O‐トリチルスクロースとのジブチルスズオキシド(DBTO)の反応は、ホルツアップフェル(Holzapfel)らによって、3’‐O‐ベンゾイル‐6,1’,6’‐トリ‐O‐トリチルスクロースを72%収率、2‐O‐ベンゾアート誘導体を9%、および少量の2,3’‐ジベンゾアート誘導体を生成したと報告されている(非特許文献3)。
特許文献16におけるナビア(Navia)ら(1990年)は、スクロースと1,3‐ジ(ヒドロカルビルオキシ)‐1,1,3,3‐テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサンが反応して1,3‐ジ‐(6‐O‐スクロース)‐1,1,3,3‐テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサン(新しいクラスの化合物)を生成し、その後、アシル化剤と反応させることでスクロース‐6‐エステルを生成することを含む方法を開示している。本発明の好適な態様では、1,3‐ジ(ヒドロカルビルオキシ)‐1,1,3,3‐テトラ(ヒドロカルビル)ジスタノキサン反応物が、例えばアルコールまたはフェノールとジ(ヒドロカルビル)スズオキシドまたは等価な反応物とを反応させることにより、原位置で生成される。
ナビア(Navia)らの方法(1990年)、反応物からの付加物の化学量論的変換において、スクロースとDBTOはジスタノキサン付加物を生成するためにそれぞれ1:1モルであり、その理論的な元素分析は20.63%のスズ含有量を示す。
同じものから生成された有機スズ触媒および付加物を使用する位置選択的置換方法はさらに、特許文献17においてナイディッチ(Neiditch)ら(1991)によって、特許文献18においてヴァーノン(Vernon)ら(1991)によって、かつ特許文献19においてウォーカップ(Walkup)ら(1992)によって報告されている。これらのうち、いずれにおいても、本発明の付加物、その生成方法、およびスクロース‐6‐エステルの位置選択的合成におけるその使用は開示されていない。
米国特許第4,343,934号 米国特許第4,362,869号 米国特許第4,380,476号 米国特許第4,435,440号 国際特許WO/2005/090374(インド特許出願563/MUM/2004) 国際特許WO/2005/090376 インド特許出願1316/MUM/2004(PCT/IN05/00408) インド特許出願1/MUM/2005(PCT/IN05/00434) インド特許出願545/MUM/2005 インド特許出願1047/MUM/2005 インド特許出願1048/MUM/2005 インド特許出願1127/MUM/2005 インド特許出願1173/MUM/2005 インド特許出願1172/MUM/2005 インド特許出願1176/MUM/2005 米国特許第4,950,746号 米国特許第5,023,329号 米国特許第5,034,551号 米国特許第5,089,608号 総説Tetrahedron、41巻、4番、643‐663頁、1985、図3および4 J.Org.Chem.,39,24(1974) 「Sucrose Derivatives and the Selective Benzoylation of the Secondary Hydroxyl groups of 6,1’,6’‐tri‐O‐tritylsucrose」、S.Afr.Tydskr.Chem、1984、37(3)、57‐61頁
反応により所望の位置のみで位置選択的な置換(すなわち置換)が起きる場合のみ、前述の問題を解決することが可能であろう。
本発明は、有機スズ触媒およびスクロースの反応の生成物として新規な種類のスタニレン付加物の生成を開示する。本発明はさらに、特に6つの位置のみへの反応方向の起こる機会を改善して単一の主生成物として一置換誘導体が生成されることにより、6‐置換スクロース誘導体などのスクロース化合物を合成する位置選択的な方法を開示する。スクロース‐6‐アセテートの生成は、本発明が適用可能な1つの例にすぎない。それは、より多くのそのような類似した反応への適用を見出してもよい。
本発明の方法は、スクロースと、新しい/新規な付加物である1,3(ジ‐O‐スクロース)ジブチルスタニレンを直接生成するために使用されるスクロースの量に対して1/2モルのみのDBTOとを反応させることを含む。
本発明の方法は、スクロースとジブチルスズオキシドとを反応させて、化合物、すなわち、約13.2〜13.7%のスズ含有量および図1の1,3(ジ‐O‐スクロース)ジブチルスタニレンとしての付加物の構造と一致する図2の質量分光分析結果を示す付加物を生成する。この付加物は、これまで報告されていない新規な付加物である。その後この付加物はアシル化試薬で処理されてスクロース‐6‐エステルを生成することができる。
一般に、本発明の方法はN,N‐ジメチルホルムアミド(DMF)にスクロースを溶解することを含み、DBTOはそれに加えられる。DMFの代わりにシクロヘキサンが使用されてもよい。スクロースとDBTOが反応のために使われる好ましい比率は、スクロースの1:0.5モル当量であるが、1:1でも同じ量および同じ構成で本発明のスタニレンが生成される。反応の間に生成された水は継続的に除去される必要がある。これは、混合物が80〜85℃に加熱され10〜13時間継続されて加熱されるとき、最も好適な方法で実行される。DMFは好ましくは共沸蒸留によって除去される。好ましくは1:2の体積比で塩化メチレンを加えることにより高粘度の反応物から沈殿物として付加物が分離される。
ジブチルスズオキシドは、本発明の好ましい選択肢の有機スズ触媒であるが、ブチル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、ベンジル、フェネチル、フェニル、ナフチル、シクロヘキシル、および置換フェニルを含むが限定されないアリルアルキル、アルキル、シクロアルキル、あるいはアリルであり得る。同様に、オキシドの代わりに、有機スズ触媒は、ジアルコキシド、ジハロゲン、ジアシル、または1,3(ジ‐O‐スクロース)ジブチルスタニレンと構造において類似した反応混合物中の1,3(ジ‐O‐スクロース)ジ(ヒドロキシカルビル)スタニレンを生成することができる別の有機スズ化合物であり得る。
反応に好適な溶媒はDMFまたはシクロヘキサンである。基本的に、選ばれた有機スズ触媒(好適な実施形態においてはDBTO)とスクロースを溶解することができるどんな代替溶媒も使用されてもよい。加熱に使われた温度およびその加熱の時間は、経済的で好都合と思われる条件である。しかしながら、本発明の付加物(すなわち、好適な実施形態における1,3(ジ‐O‐スクロース)ジブチルスタニレン)、または他のいかなる1,3(ジ‐O‐スクロース)ジ(ヒドロカルビル)スタニレンも生成可能な他のいかなる条件も用いられてもよい。本発明の付加物(1,3(ジ‐O‐スクロース)ジ(ヒドロカルビル)スタニレンも下記式によって表わされる「ジ(ヒドロキシカルビル)スタニレンスクロース」として指定することができる。
R’‐O‐Sn(R)‐O‐R’
式中、R’はそれぞれ本発明の好ましい実施形態におけるスクロース‐6‐エステルを表わしているが、R’は他のヒドロキシカルビルまたはヒドロカルビル基であってもよく、また、Rはそれぞれヒドロカルビル基(例えばアルキル、シクロアルキル、アリル、アラルキル)を表わす。本発明の付加物と類似した分子は、さらにR’がアルキル、シクロアルキル、アリル、またはアラルキルを表わすものを含んでいてもよく、さらにそれらは本発明の範囲内に含まれる。
1,3(ジ‐O‐スクロース)ジブチルスタニレン(本発明の新規な付加物)の生成のメカニズムを図3に示す。先行技術の方法では、スクロースの2つの分子がスズオキシドの2つの分子と反応し付加物を生成すると考えられているが、我々はアシル化後にスズオキシドの1つの分子およびスクロースの2つの分子から生成された付加物により、所望の最終生成物の生成が可能であり、その生成を明らかにするのに十分であることを見出した。
沈殿、結晶、再結晶などを含む分離と精製の技術における既知の手順は、塩化メチレンの添加による沈殿の方法に加えて、ジ(ヒドロキシカルビル)スタニレンスクロースを分離するために使用することができる。ジ(ヒドロキシカルビル)スタニレンスクロースは、さらなる精製のないアシル化に、または様々な段階までの精製の後にも使用されてもよい。また、ジ(ヒドロキシカルビル)スタニレンスクロースは、そのままで、つまり、分離していない、または分離後の反応混合物において生成されたように使用されてもよい。
ジ(ヒドロキシカルビル)スタニレンスクロースのアシル化のために使用される試薬は、通常約1モルであり、好ましくは1モルより少し多いがそれ未満にはならない。好ましいアシル化試薬は無水酢酸または安息香酸無水物である。しかし安息香酸および置換安息香酸の酸ハロゲン化物、アルカン酸、長鎖脂肪酸、飽和酸、不飽和酸、飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸などを含むがそれらに限定されない、アシル化が可能な代替物も使用されてもよい。
アシル化反応を起こさせるために本発明において使用される好ましい溶媒はNジアルキル置換アミドであり、最も好ましくはDMFである。しかしながら、反応物と反応生成物の両方がそれに可溶である限り、代替の不活発な有機溶媒または他の極性の非プロトン性化合物を使用することにより、同じ結果が実現可能である。
反応が起こっている温度範囲は75℃〜100℃(ここでの好ましい使用温度は80〜85℃)であり、さらに加熱時間は6〜18時間(好ましい時間は10〜13時間)であるとみなされた。
本発明の方法を用いて回収されたスクロース‐6‐エステルは、それが不溶で不純物が可溶の溶剤を使用して洗浄され不純物をなくしてもよい。アセトニトリルまたはアセトンは洗浄に役立つそのような溶剤である。
スクロース‐6‐エステルを生成する上記の付加物生成および処理の利点は、DBTOの消費の削減である。それにより、米国特許第4,950,746号においてクレームされた上記方法と比べて、50%の有機スズ触媒のみが必要とされるので、大幅にコストが削減される。
本発明の機能は以下に挙げられる様々な例によって説明される。明細書に記載の実施形態および実施例は単にクレームされる発明を示し、クレームされる発明の範囲と一貫している使用可能な技術、反応物、反応条件の範囲を限定しないことは合理的に理解されるべきである。本発明の変更、適合、および変形、および、ここでクレームされる当業者にとって明らかなものと類似した方法、生成物は、この開示の範囲内に含まれる。同様に、前後関係から同じであることが可能ならば、単数形は複数形も含む。したがって、「方法(単数)」は「方法(複数)」をも含む。また、「生成物(単数)」はさらに「生成物(複数)」をも含む。
実施例1
3(ジ‐O‐スクロース)ジブチルスタニレンの生成
スクロース(200g)を600mlのDMFおよび145.6gのDBTOに溶解し、80〜85℃に加熱した。加熱は10〜13時間継続されて、付加物生成中に生成された水が除去された。反応生成物は冷却され、DMFは完全に共沸蒸留によって除去された。得られた高粘度の生成物は、体積比1:2の塩化メチレンで処理された。
生成された固体はろ過され、過剰な塩化メチレンで洗浄された。得られた黄色粉末はスズ含有量が分析された。
同じ実験は、同じ方法で200gのスクロースおよび72.8gのDBTOでもう一度行なわれた。また、黄色粉末はスズ含有量が分析された。
生成物が分析された。
分析手法と分析
スズ含有量分析:原子吸光スペクトルによる
他の元素分析:CHNアナライザーによる
分子量分析:GC MSによる
DBTO付加物に対するスクロースの1:0.5モル当量の質量スペクトルは、図2に示される。スペクトルでは、スズは押し出され、2つのスクロース部分はもう1つのスクロース部分と結合する。反応メカニズムの図式的説明は図3に示される。
得られた結果は表1に示される。
Figure 2008531496
Figure 2008531496
これらの結果は、スクロースとDBTOのモル比1:0.5で生成された付加物が図1に示される構造のとおりであることを示す。
両方の反応で生成された付加物のスズ含有量は、スクロースとDBTOのモル比が1:1であるか1:0.5であるかに関係なく、両方の場合において生成された実際の付加物が同じタイプおよび構造であり、その生成のメカニズムが同じルートを経由していることを示す同様のスズ含有量を示す。その結果は、図1に示されるような付加物の構造を示す。
実施例2
スクロース‐6‐アセテート合成
A)反応経過中の3(ジ‐O‐スクロース)ジブチル・スタニレンのその場生成からのスクロース‐6‐アセテート
スクロース(200g)を600mlのDMFおよび72.8gのDBTOに溶解し、80〜85℃に加熱した。加熱は10〜13時間継続され、付加物生成中に生成された水は除去された。その後、反応生成物を室温に冷却されて0℃になるまで冷却した。75mlの無水酢酸を滴下し撹拌しながら反応生成物に加えた。その後、反応生成物を周辺温度まで徐々に上げ、アセチル化を頻繁にTLC分析することによりモニタリングした。約3〜4時間後、アセテートの生成は終了した。その後、反応は50mlの水を加えることにより終了した。生成されたアセテート中のDBTOを、1:2v/vのシクロヘキサンに2度抽出した。その後、層は分離され、反応生成物を水除去のために取り出す。水の共沸除去が終わった後、スクロース‐6‐アセテートをHPLCによって分析した。その結果、最大のピークとして、スクロース‐6‐アセテートへの転換は78%であった。
同様の実験を145.6gまでDBTO量を置換して実行した。最終的に得られたスクロース‐6‐アセテートへの転換は80%であった。
B)反応経過中に生成された、分離された3(ジ‐O‐スクロース)ジブチル・スタニレンからのスクロース‐6‐アセテート
3(ジ‐O‐スクロース)ジブチル・スタニレン付加物500gを500mlのDMFに溶解し、40〜45℃に加熱し、完全に溶解するために30分間撹拌した。その後、反応生成物を室温に冷却して0℃になるまで冷却した。75mlの無水酢酸を滴下し撹拌しながら反応生成物に加えた。その後、反応生成物を周辺温度まで徐々に上げ、アセチル化を頻繁にTLC分析することによりモニタリングした。約3〜4時間後、アセテートの生成は終了した。その後、反応は50mlの水を加えることにより終了した。生成されたアセテート中のDBTOを、1:2v/vのシクロヘキサンに2度抽出した。その後、層は分離され、反応生成物を水除去のために取り出す。水の共沸除去が終わった後、スクロース‐6‐アセテートをHPLCによって分析した。その結果、最大のピークとして、スクロース‐6‐アセテートへの転換は79.5%であった。
実施例3
スクロースのスクロース‐6‐ベンゾアートへの転換のためのジオクチルスズオキシドの使用
スクロース(20g)を100mlのDMFおよび10.6gのジオクチルスズオキシドに溶解し、85〜90℃に加熱した。加熱は10〜15時間継続され、付加物生成中に生成された水は除去された。その後、反応生成物を室温に冷却して15℃になるまで冷却した。19.8g(純度90%)の安息香酸無水物を20mlのDMFに溶解し、滴下し撹拌しながら反応生成物に加えた。その後、反応生成物を周辺温度まで徐々に上げ、ベンゾイル化を頻繁にTLC分析することによりモニタリングした。約10〜15時間後、ベンゾアートの生成は終了した。その後、反応は5mlの水を加えることにより終了した。生成されたベンゾアート中のDBTOを、1:2v/vのシクロヘキサンに2度抽出した。その後、層は分離され、反応生成物を水除去のために取り出す。水の共沸除去が終わった後、スクロース‐6‐ベンゾアートをHPLCによって分析した。その結果、最大のピークとして、スクロース‐6‐ベンゾアートへの転換は85%であった。
実施例4
スクロース‐6‐グルタラートを生成するためのアシル化剤としてのグルタル酸無水物の使用
スクロース(10g)を50mlのDMFおよび3.64gのDBTOに溶解し、80〜85℃に加熱した。加熱は5〜6時間継続され、付加物生成中に生成された水は除去された。その後、反応生成物を室温に冷却して15℃になるまで冷却した。4.3gのグルタル酸無水物を10mlのDMFに溶解し、滴下し撹拌しながら反応生成物に加えた。その後、反応生成物を周辺温度まで徐々に上げ、エステル化を頻繁にTLC分析することによりモニタリングした。約5〜8時間後、エステルの生成は終了した。その後、反応は3mlの水を加えることにより終了した。生成したグルタラート中のDBTOを、1:2v/vのシクロヘキサンに2度抽出した。その後、層は分離され、反応生成物を水除去のために取り出す。水の共沸除去が終わった後、スクロース‐6‐グルタラートを分析した。その結果、最大のピークとして、スクロース‐6‐グルタラートへの転換は75%であった。
実施例5
スクロース‐6‐ラウラートを生成するためのアシル化剤としてのラウリン酸無水物の使用
スクロース(5g)を25mlのDMFおよび1.82gのDBTOに溶解し、80〜85℃に加熱した。加熱は4〜5時間継続され、付加物生成中に生成された水は除去された。その後、反応生成物を室温に冷却して20℃になるまで冷却した。7.27gのラウリン酸無水物を15mlのDMFに溶解し、滴下し撹拌しながら反応生成物に加えた。その後、反応生成物を周辺温度まで徐々に上げ、エステル化を頻繁にTLC分析することによりモニタリングした。約10〜15時間後、エステルの生成は終了した。その後、反応は2mlの水を加えることにより終了した。生成されたラウラート中のDBTOを、1:2v/vのシクロヘキサンに2度抽出した。その後、層は分離され、反応生成物を水除去のために取り出す。水の共沸除去が終わった後、スクロース‐6‐ラウラートを分析した。その結果、最大のピークとして、スクロース‐6‐ラウラートへの転換は65%であった。
実施例6
スクロース‐6‐プロピオナートを生成するアシル化剤としてのプロピオン酸無水物の使用
スクロース(5g)を25mlのDMFおよび1.82gのDBTOに溶解し、80〜85℃に加熱した。加熱は4〜5時間継続され、付加物生成中に生成された水は除去された。その後、反応生成物を室温に冷却して20℃になるまで冷却した。2.49gのプロピオン酸無水物を滴下し撹拌しながら反応生成物に加えた。その後、反応生成物を周辺温度まで徐々に上げ、エステル化を頻繁にTLC分析することによりモニタリングした。約3〜5時間後、エステルの生成は終了した。その後、反応は2mlの水を加えることにより終了した。生成されたプロピオナート中のDBTOを、1:2v/vのシクロヘキサンに2度抽出した。その後、層は分離され、反応生成物を水除去のために取り出す。水の共沸除去が終わった後、スクロース‐6‐プロピオナートを分析した。その結果、最大のピークとしてスクロース‐6‐プロピオナートへの転換は75%であった。
スズ含有量分析により確認された、提示された分子間スタニレン誘導体、1,3(ジ‐O‐スクロース)ジブチルスタニレンを示す図である。 スクロース対DBTO付加物が1:0.5モル当量の質量分光分析結果を示す図である。 質量スペクトルの説明図である。

Claims (5)

  1. 一般式R’‐O‐Sn(R)‐O‐R’(式中、R’はそれぞれ、ヒドロキシカルビル、アルキル、シクロアルキル、アリル、またはアラルキル、Rはそれぞれ、ヒドロカルビル基、例えばアルキル、シクロアルキル、アリル、またはアラルキルを表わす)の化合物。
  2. 請求項1に記載の化合物であって、
    式(スクロース‐6‐エステル)‐O‐Sn(R)‐O‐(スクロース‐6‐エステル)、(スクロース‐6‐エステル)‐O‐Sn(R)‐O‐(スクロース‐6‐エステル)、(スクロース‐6‐エステル)‐O‐Sn(ブチル)‐O‐(スクロース‐6‐エステル)、(スクロース‐6‐アセテート)‐O‐Sn(ブチル)‐O‐(スクロース‐6‐アセテート)、(スクロース‐6‐ベンゾアート)‐O‐Sn(ブチル)‐O‐(スクロース‐6‐ベンゾアート)、(スクロース‐6‐グルタラート)‐O‐Sn(ブチル)‐O‐(スクロース‐6‐グルタラート)、(スクロース‐6‐ラウラート)‐O‐Sn(ブチル)‐O‐(スクロース‐6‐ラウラート)、(スクロース‐6‐プロピオナート‐O‐Sn(ブチル)‐O‐(スクロース‐6‐プロピオナート)などからなる化合物。
  3. 化合物が一般式(スクロース‐6‐エステル)‐O‐Sn(R)‐O‐(スクロース‐6‐エステル)である場合の請求項1に記載の化合物の生成方法であって、前記方法は順次、
    a.スクロース、およびジ(ヒドロカルビル)スズ触媒、好ましくはジブチルスズオキシドを、適切なモル比率で、好ましくはスクロースに対して約1:0.5のモル比で、溶媒、好ましくはN,N‐ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、
    b.水の連続的な除去を容易にする条件下において、6〜18時間、好ましくは約10〜13時間、反応混合物を高温で、好ましくは約80〜85℃で連続的に加熱しながら、反応が起こることを可能にし、
    c.共沸蒸留を含む適切な手段によって、前記反応混合物から任意にDMFを除去し、
    d.請求項1に記載の前記化合物の析出を引き起こすのに十分な量の、好ましくは高濃度の反応物の各量に対して2倍の量の塩化メチレンでの処理を含む分離の方法を使用して、任意に化合物を分離する
    ことを含むことを特徴とする方法。
  4. 一般式(スクロース‐6‐エステル)‐O‐Sn(R)‐O‐(スクロース‐6‐エステル)の化合物を含む反応混合物を含む溶液からのスクロース‐6‐エステルの生成方法であって、
    a.溶液または反応物を室温まで冷却し、必要があれば、約0℃までさらに冷却し、
    b.アシル化試薬、好ましくは請求項1の前記化合物のモル濃度に対して約1モル当量の無水酢酸または安息香酸無水物を撹拌しながら、好ましくは滴下して前記溶液または前記反応物に加えることにより;または、安息香酸および置換安息香酸の酸ハロゲン化物、アルカン酸、長鎖脂肪酸、飽和酸、不飽和酸、飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸などを含む、代替のアシル化試薬を使用することにより、請求項1の前記化合物をアシル化し、
    c.請求項4のサブ請求項bの前記反応物の温度を周辺温度まで、アシル化が完了するまで約3〜4時間、徐々に上昇させ、
    d.水を加えることにより反応を終了させ、
    e.生成された前記アセテートからシクロヘキサンへ、好ましくは1:2の体積比で、好ましくは2回、前記DBTOを抽出し、
    f.請求項4のサブ請求項eの反応物から、好ましくは共沸蒸留によって、水を除去する
    工程を含むことを特徴とする方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、スクロース‐6‐エステルは、スクロース‐6‐アセテート、スクロース‐6‐ベンゾアート、スクロース‐6‐グルタラート、スクロース‐6‐ラウラート、スクロース‐6‐プロピオナートなどを含むことを特徴とする方法。
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