JP2008528212A - 制御された薬物送達および調節された生体適合性のための多孔質高分子領域を有する医療機器 - Google Patents

制御された薬物送達および調節された生体適合性のための多孔質高分子領域を有する医療機器 Download PDF

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Abstract

本発明は、相分離高分子領域、および移植可能なまたは挿入可能な医療機器と関連したそれらの使用に関する。本発明のいくつかの態様では、(a)少なくとも1つの生体安定性高分子相と、(b)相分離高分子領域がin vivoでナノ多孔質高分子領域となるように生体崩壊を受ける、ナノスケール規模の、少なくとも1つの生体崩壊性高分子相とを含む相分離高分子領域が提供される。本発明の他の態様は、少なくとも1つのナノ多孔質高分子領域を有する移植可能なまたは挿入可能な医療機器を作製する方法に向けられる。これらの方法は、(a)安定性高分子相と、ナノスケール規模の崩壊性高分子相(a disintegrate polymeric phase)とを含む相分離高分子領域を準備すること、(b)その崩壊性高分子相を選択的に除去し、それによりナノ多孔質高分子領域を作り出すことを含む。さらに他の態様では、(a)少なくとも1つの生体安定性ポリマーブロックと、少なくとも1つの生体崩壊性ポリマーブロックとを有する少なくとも1つのブロックコポリマーと、(b)医療機器の移植または挿入と同時にin vivoで放出される少なくとも1種の治療薬とを含む相分離高分子領域を有する移植可能なまたは挿入可能な医療機器が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、薬物送達を制御し、および/または組織の生体適合性を調節することができる多孔質高分子領域を有する医療機器に関する。
生物活性薬剤の患者の体内へのin vivo供給および/または送達は、現代医学での慣習である。生物活性薬剤のin vivo供給および/または送達は、多くの場合、体内の標的部位に一時的にまたは永続的に設置され得る医療機器を用いて実行される。これらの医療機器は、生物活性薬剤を標的部位に供給および/または送達するために、必要に応じて、それらの標的部位に短時間または長時間維持することができる。
例えば、治療薬の体内への送達のために、多数のポリマーに基づく医療機器が開発されている。例としては、Boston Scientific社 (TAXUS)、Johnson & Johnson (CYPHER)などから市販されている薬剤溶出冠動脈ステントが含まれる。一部の典型的な送達戦略によれば、治療薬は、医療機器に付随する生体安定性または生体分解性高分子層の内部にまたは真下に準備される。一度、医療機器が患者体内の所望の位置に設置されたら、その治療薬は、例えば、その治療薬の充填量、およびその高分子層の性質に応じた速度で医療機器から放出される。
例えば、治療薬の放出速度の制御と全体用量は、多くの場合、適切な治療に重要なパラメーターである。高分子層の選択は、これらのパラメーターに大きな影響を与えるであろう。多くの設計では、その高分子層の厚さを変更して、総用量を制御することができる。しかしながら、特定の時間間隔で放出される治療薬の量(例えば、放出速度)の制御は、より重大な課題となっている。放出速度は、一般に、高分子層の材料特性に依存する。さらに、多くの場合、治療薬は剥離層に捕捉されて、決して放出されない。
ナノ多孔質表面をはじめとする多孔質表面は、細胞受容体と直接相互作用することができ、それにより細胞の多孔質表面への接着または非接着が制御されるということも分かっている。
(発明の概要)
本発明は、相分離高分子領域、および移植可能なまたは挿入可能な医療機器と関連したそれらの使用に関する。
本発明のいくつかの態様では、(a)少なくとも1つの生体安定性高分子相と、(b)相分離高分子領域がin vivoでナノ多孔質高分子領域となるように生体崩壊を受ける、ナノスケール規模の、少なくとも1つの生体崩壊性高分子相とを含む相分離高分子領域が提供される。
本発明の他の態様は、少なくとも1つのナノ多孔質高分子領域を有する移植可能なまたは挿入可能な医療機器を作製する方法に向けられる。これらの方法は、(a)安定性高分子相と、ナノスケール規模の崩壊性高分子相とを含む相分離高分子領域を準備すること、(b)その崩壊性高分子相を選択的に除去し、それによりナノ多孔質高分子領域を作り出すことを含む。
さらに他の態様では、(a)少なくとも1つの生体安定性ポリマーブロックと、少なくとも1つの生体崩壊性ポリマーブロックとを有する少なくとも1つのブロックコポリマーと、(b)医療機器の移植または挿入と同時にin vivoで放出される少なくとも1種の治療薬とを含む相分離高分子領域を有する移植可能なまたは挿入可能な医療機器が提供される。
本発明の利点は、多孔質高分子領域が準備された医療機器をin vivoまたはex vivoのいずれかで提供することができるということである。
従って、生物相互作用を制御した医療機器を提供することができる。例えば、本発明によれば、組織内殖および/または細胞の医療機器への接着を調節するために孔径を最適化することができる多孔質高分子領域を含む医療機器を提供することができる。
さらに、患者への投与後に生物活性薬剤を放出する医療機器を提供することができる。例えば、本発明によれば、治療薬が、制御された条件下でex vivoで形成された孔を有する領域の内部にまたは真下に準備された医療機器を提供することができる。もう1つの例として、本発明によれば、高分子領域の内部にまたは真下に準備された治療薬を送達するために生物学的条件下で分解または水和を受け得る相分離高分子領域を含む医療機器を提供することができる。
放出プロフィール(時間の関数としての放出速度および累積放出を含む)は、これらの実施態様では、例えば、高分子領域を構成するポリマーブロックの適切な選択により、調節することができる。例えば、放出プロフィールは、高分子領域内の様々なポリマーブロックを構成するモノマー成分、様々なポリマーブロックの分子量、様々なポリマーブロックの相対量など(これらのパラメーターは、例えば、高分子領域の極性、分解特性などに影響を及ぼし得るものである)の適切な選択により調節することができる。
さらに、本発明によれば、被膜の完全性を損なうことなく機器が寸法変化を受けることができる機械的特性を有する高分子被膜を含む医療機器を提供することができる。
本発明のこれらの実施態様、および多くの他の実施態様、並びに利点は、以下の詳細な説明、および特許請求の範囲の検討により当業者にはすぐに明らかになるであろう。
(詳細な説明)
本発明は、相分離高分子領域、および移植可能なまたは挿入可能な医療機器と関連したそれらの使用に関する。
本発明のいくつかの態様では、(a)少なくとも1つの生体安定性高分子相と、(b)相分離高分子領域がin vivoでナノ多孔質高分子領域となるように生体崩壊を受ける、ナノスケール規模の、少なくとも1つの生体崩壊性高分子相とを含む相分離高分子領域が提供される。
本発明の他の態様は、少なくとも1つのナノ多孔質高分子領域を有する移植可能なまたは挿入可能な医療機器を作製する方法に向けられる。これらの方法は、(a)安定性高分子相と、ナノスケール規模の崩壊性高分子相とを含む相分離高分子領域を準備すること、(b)その崩壊性高分子相を選択的に除去し、それによりナノ多孔質高分子領域を作り出すことを含む。
さらに他の態様では、(a)少なくとも1つの生体安定性ポリマーブロックと、少なくとも1つの生体崩壊性ポリマーブロックとを有する少なくとも1つのブロックコポリマーと、(b)医療機器の移植または挿入と同時にin vivoで放出される少なくとも1種の治療薬とを含む相分離高分子領域を有する移植可能なまたは挿入可能な医療機器が提供される。
本発明と関連して用いる高分子領域は、例えば、機器全体(例えば、ステント、グラフトまたは再生医療用スキャフォールド)に相当するか、または医療機器の一部のみ(例えば、織り込まれた繊維または医療機器基材を覆う被膜層)に相当する。
本明細書において「高分子領域」とは、1種以上のポリマーを、一般には、50重量%以上のポリマーを含む領域である。「高分子相」とは、1種以上の混和性ポリマー(例えば、ホモポリマー、周期的コポリマー、ランダムコポリマー、統計的コポリマー、もしくはグラジエントコポリマーなど)、1種以上の混和性ポリマー部分(例えば、ブロックコポリマーのポリマーブロック)、または1種以上の混和性ポリマーと1種以上の混和性ポリマー部分との組合せを含む相(「相ドメイン」と呼ばれることもある)である。よって、さらに以下に記述するように、本発明の相分離高分子領域の安定性高分子相と崩壊性高分子相は、いくつかの実施態様では、単一ポリマー(例えば、少なくとも1つの安定性ブロックと、その安定性ブロックと不混和性の少なくとも1つの崩壊性ブロックとを有するブロックコポリマー)を用いて提供され、または、他の実施態様では、2種以上のポリマー(例えば、不混和性ホモポリマーのブレンド、不混和性コポリマーのブレンド、不混和性ホモポリマーおよびコポリマーのブレンドなど)を用いて提供することができる。
本発明のいくつかの実施態様では、相分離高分子領域を、崩壊性高分子相が安定性高分子相から選択的に除去される条件に供することにより、崩壊性高分子相は安定性高分子相から除去される。例えば、崩壊性高分子相は、溶融、昇華、溶解、化学分解(酵素分解、加水分解、様々な他のin vivo生物学的作用、オゾン分解、酸化、放射線分解、熱分解などを含む)またはそれらの組合せにより除去され得る。よって、崩壊性分子相を選択的に除去するために用いることができる条件の例には、崩壊性高分子相を融解、昇華または破壊するのに有効な昇温への曝露、崩壊性高分子相を溶解するのに有効な温度および圧力での水性および/または有機溶媒(体液を含む)への曝露、崩壊性高分子相を分解するのに有効な濃度、温度および圧力での反応化学種(体液を含む)への曝露、崩壊性高分子相を分解するのに有効な放射線量への曝露などのようなin vivoおよびex vivo条件の両方が含まれる。
ある実施態様では、少なくとも1つの生体安定性高分子相と、少なくとも1つの生体崩壊性高分子相とを含む相分離高分子領域が提供される。「生体崩壊性高分子相」とは、医療機器が体内に存在するように設計されている時間の間、高分子相が溶解、分解(すなわち、加水分解などの結合切断)および/または他の崩壊過程を受けるということを意味する。同様に、「生体安定性」とは、医療機器が体内に存在するように設計されている時間の間、高分子相が実質的に原形を保つということを意味する。
いくつかの実施態様では、1つ以上の疎水性の生体安定性ポリマーブロック(例えば、ポリスチレンおよび/またはポリイソブチレン)と共有結合された1つ以上の溶解性ポリマーブロック(例えば、ポリエチレンオキシド)を含むブロックコポリマーは、少なくとも1つの他の生体安定性ポリマーとブレンドされるということには留意される。ブロックコポリマーの疎水性の生体安定性ブロックが溶解性ブロックに対して小さいならば、そのブロックコポリマーは溶解する場合があり、孔が生じる場合がある。その一方で、疎水性の生体安定性ブロックが溶解性ブロックに対して大きいならば、そのコポリマーはin vivoで溶解しない場合があり、孔は生じない。それにもかかわらず、体液への曝露と同時にin vivoで水和する、かかる溶解性ブロックを有するブロックコポリマーの存在は、一般には、それらが構成する高分子領域の放出特性に影響を及ぼす。
多くの実施態様では、本発明の相分離高分子領域はナノスケール規模の少なくとも1つの崩壊性高分子相を含む。崩壊性高分子相が「ナノスケール規模」であるということにより、崩壊性高分子相が、長さ100nm以下、多くの場合には長さ50nm以下、長さ25nm以下、長さ10nm以下、あるいは長さ5nm以下である少なくとも1つの寸法(例えば、球の直径、円筒の直径、シートまたはリボンの厚さなど)を有するということが意味される。一般に、崩壊性高分子相は、100nmを超えない少なくとも2つの直交する(すなわち、垂直)寸法を有する。崩壊性高分子相はまた、一般には、長さ100nmより大きい1つ、2つ、あるいは3つの直交する寸法を有する領域も有する。
相分離高分子組成は多種多様な相構成を示し得る。例えば、図1は、2つの高分子相、(一方は明るい陰影で示され(相A)、もう一方は暗い陰影で示される(相B))を含む高分子領域のいくつかの典型的な理想相形態を例示している。相Bに対する相Aの割合が高い方から低い方へ進むにつれて、一般的に遭遇する形態は:(a)相Aのマトリックス中の相Bの球、(b)相Aのマトリックス中の相Bの円筒、(c)共連続(すなわち、二連続)系である相A中相Bの二重迷路、(d)相Aと相Bの交互ラメラ、(e)相B中相Aの二重迷路、もう1つの共連続系、(f)相Bのマトリックス中の相Aの円筒、並びに(g)相Bのマトリックス中の相Aの球である。
多相系が適切な構成のものであるならば、および崩壊性高分子相がin vivoまたはex vivoのいずれかで除去されるならば、多孔質高分子領域が後に残される。例えば、図1の相Aが崩壊性高分子相であり、相Bが安定性高分子相であるとすれば、相Aの除去と同時に、例えば、以下に相当する多孔質高分子領域が作り出される:多くの他の考えられる構造のうち、細孔の相互連結ネットワークを含む領域(図1の構造「e」を参照されたい)、一連の平行円筒状細孔を含む領域(図1の構造「f」を参照されたい)、および孤立球状細孔を含む領域(図1の構造「g」を参照されたい)。これらの配置のうち、構造「e」は二連続構造である(すなわち、構造「e」は相Aと相Bそれぞれが高分子領域の端から端まで広がっている構造である)ため、高分子領域全体に広がる相互連結した細孔のネットワークを有する高分子領域を作り出すことができることから、場合によっては、構造「e」は好ましい。
本明細書において、「ナノ多孔質」領域はナノ細孔を含むものである。本発明では、ナノ細孔は、ナノスケール規模の崩壊性高分子相の除去により形成される。よって、「ナノ細孔」とは、上記と類似した、長さ100nmを超えない少なくとも1つの寸法を有する空隙である。一般に、ナノ細孔は、100nmを超えない少なくとも2つの直交する(すなわち、垂直)寸法を有する。ナノ多孔質領域はまた、一般には、100nmより大きい1つ、2つ、あるいは3つの直交する寸法を有する細孔も含む。
多孔質領域は様々な興味深い特性を有する場合がある。
例えば、ナノ多孔質表面をはじめとするナノ構造表面は、細胞受容体と直接相互作用することができ、それにより細胞および組織のナノ構造表面への接着または非接着が制御されるということが分かっている。
もう1つの例として、いくつかの実施態様では、ナノ細孔の横方向寸法(例えば、理想円筒状細孔の直径)が放出されるべき生物活性薬剤の横方向寸法(例えば、水和直径)にほぼ等しいナノ多孔質高分子領域が作り出される。従って、治療薬は(より小さな直径を有する細孔で捕捉されるのとは対照的に)これらの直径の細孔内を移動することができ、最後にはそれらの細孔から放出され得る。さらに、生物活性薬剤とナノ細孔壁との相互作用は、観察される放出プロフィールに重大な効果を与えると思われる。実際に、細孔の直径が送達させるべき薬剤の直径に近づくにつれて、表面相互作用が放出速度を支配し始める。例えば、ケイ素ナノ膜を通じたインスリン放出を記載している、Tejal A. Desai, Derek Hansfordの論文「免疫単離およびバイオセパレーション応用のための微小機械加工したケイ素膜のMauro Ferrari特性解析」(J. Membrane Science, 159 (1999) 221-231)を参照されたい。本発明の多孔質高分子領域は、一般に、ナノ多孔質ケイ素膜の平行細孔構造よりも規則性は劣っているが、それにもかかわらず、高度に制御された方法で治療薬を放出すると思われ、ゼロ次放出速度過程に近づく可能性がある。放出される生物活性薬剤の量およびその放出の期間は多孔質高分子領域内の細孔の深度および屈曲度の影響も受ける。
ナノ細孔ではない細孔も有用な特性を有することが分かっている。例えば、組織内殖は移植された機器(例えば、ミクロンオーダーの直径を有するもの)の多孔質表面で起こることが分かっているため、移植機器の生体組織との適合性を改善し、機器の拒絶反応を制限することも望ましい場合がある。
前述のとおり、本発明の高分子領域は多種多様な形態で提供することができる。例えば、医療機器全体または医療機器の一部に相当する高分子領域を提供することができる。例えば、高分子領域は医療機器に組み込まれる1以上の繊維の形態であり得るし;または高分子層は基礎医療機器基材の全体もしくは一部のみに対して形成され得るし;または高分子層は前もって形成され、基礎医療機器基材に取り付けられ得る。
本発明に従う高分子層は、基礎基材に対して、様々な位置に、様々な形状で提供することができ、様々な高分子材料から形成することができる。基礎医療機器基材として用いる材料には、セラミック基材、金属基材および高分子基材が含まれる。基材材料は半導体(例えば、ケイ素または炭素)であってもよい。本明細書においてある材料の「層」とは、その材料の長さおよび幅の両方と比べて厚さが小さい、その材料の領域である。本明細書において層は平面である必要はなく、例えば、基礎基材の輪郭を呈する。層は不連続であってもよい(例えば、パターンのあるもの)。「フィルム」、「層」および「被膜」などの用語は、本明細書において同義的に用いられ得る。
よって、医療機器表面に、所望の位置に、および/または所望の形状で(例えば、(例えば、リソグラフィー技術をはじめとする適切なマスキング技術を用いて)所望のパターンで)1以上の高分子領域を提供することができる。例えば、ステント(例えば、レーザーまたは機械的切断チューブ、1以上の編組、織り、または編みフィラメントなどを含み得る)などの管状機器の場合、管腔表面に、管外表面に、機器の管腔または管外長さに沿ってパターン化された、管腔表面と管外表面との間の外側面に、端部に、など、高分子領域を提供することができる。さらに、複数の高分子領域を同じまたは異なる技術を用いて形成することができ、それらの高分子領域には、以下でさらに記載するように、治療薬を含めない場合もあるし、同じ治療薬を含める場合もあるし、または異なる治療薬を含める場合もある。よって、例えば、医療機器の異なる位置から異なる速度で同じまたは異なる治療薬を放出させることが可能である。もう1つの例として、その内側の、管腔表面に第1の治療薬(例えば、抗血栓薬)を含む第1の領域と、その外側の、管外表面に(並びに端部に)第1の治療薬とは異なる第2の治療薬(例えば、抗増殖薬)を含む第2の領域とを有する管状医療機器(例えば、血管ステント)を提供することが可能である。
本発明が適用できる医療機器の例には、様々な移植可能なおよび挿入可能な医療機器、例えば、カテーテル(例えば、腎または血管カテーテル(バルーンカテーテルなど))、ガイドワイヤー、バルーン、フィルター(例えば、大静脈フィルター)、ステント(冠血管ステント、脳、尿道、尿管、胆管、気管、胃腸、および食道ステントを含む)、ステントグラフト、脳動脈瘤フィラーコイル(cerebral aneurysm filler coils)(Guglilmi着脱可能コイルおよび金属コイルを含む)、血管グラフト、心筋プラグ(myocardial plugs)、パッチ、ペースメーカーおよびペースメーカーリード、心臓弁、血管弁、生検装置、無傷および有傷皮膚(創傷を含む)への治療薬送達用パッチ;軟骨、骨、皮膚および他のin vivo組織の再生のための再生医療用スキャフォールド;手術部位における縫合糸、縫合アンカー、吻合クリップおよびリング、組織ステープル、および結紮クリップ;整形外科固定具(足首、膝、および手領域のインターフェランススクリュー、靱帯連結および半月板修復用タック、骨折固定用ロッドおよびピン、頭蓋顎顔面修復用スクリューおよびプレートなど);歯科用品(抜歯後の空隙充填剤および歯根膜手術後の組織再生誘導法用膜フィルムなど);並びに体内に移植または挿入される様々なコーティング基材が含まれる。
本発明の医療機器には、全身治療に用いられる移植可能なおよび挿入可能な医療機器、並びにいずれの哺乳類組織または器官の局所治療にも用いられるものが含まれる。限定されない例は、腫瘍(心臓、冠動脈および末梢血管系(総合して「脈管構造」と呼ばれる)、泌尿生殖器系(腎臓、膀胱、尿道、尿管、前立腺、膣、子宮および卵巣を含む)、眼、肺、気管、食道、腸、胃、脳、肝臓および膵臓、骨格筋、平滑筋、乳房、皮膚組織、軟骨、歯、並びに骨を含む器官)である。
本明細書において「治療」とは、疾病もしくは状態の予防、疾病もしくは状態と関連している症状の低減もしくは解消、または疾病もしくは状態の実質的もしくは完全解消を指す。好ましい被験体(「患者」とも呼ばれる)は脊椎動物被験体、より好ましくは、哺乳類被験体、およびより好ましくは、ヒト被験体である。
本発明と関連して用いる医療機器の具体的な例には、血管内医療機器と血管間医療機器(例えば、治療薬を脈管構造に送達する再狭窄治療用血管ステント)の両方が含まれる。これらの実施態様では、治療薬は、一般には、担体層の内部に、もしくはバリア層の真下に、またはその両方に準備される。
本明細書において「ポリマー」とは、1個以上の構成単位の複数のコピーをそれぞれが含む1以上の鎖を有する分子である。一般的なポリマーの一例は、ポリスチレン
Figure 2008528212
(式中、nは整数であり、一般には、10以上の整数、より一般には、およそ数十、数百、数千、あるいはそれ以上の整数であり、その鎖はスチレンモノマー
Figure 2008528212
を含む:(すなわち、その鎖はスチレンモノマーの重合、この場合は、スチレンモノマーの付加重合から生じたものであるか、またはそのような重合から生じたように見える))
である。本明細書において「コポリマー」とは、少なくとも2個の異なる構成単位を含むポリマーである。
本明細書において、ポリマー「ブロック」とは、10個以上の構成単位、一般的には、20個以上、50個以上、100個以上、200個以上、500個以上、あるいは1000個以上の単位の群である。ブロックは分岐または非分岐であり得る。ブロックは、単一種類の構成単位(本明細書において「ホモポリマーブロック」と称することがある)または複数の種類の構成単位(本明細書において「コポリマーブロック」と称することがある)を含み得る。「鎖」とは、10個以上の構成単位の線形(非分岐)群(すなわち、線形ブロック)である。ブロックは、完全ポリマー(例えば、ホモポリマー、またはランダムコポリマー、統計的コポリマー、グラジエントコポリマーもしくは周期的コポリマー、例えば、交互コポリマー)に相当し得る。ブロックはまた、ブロックコポリマー(そのブロックは、例えば、単一種モノマーから、周期的、ランダム、統計的、またはグラジエント分布の2種以上のコポリマーから、など、形成され得る)の部分に相当する場合もある。
本発明の相分離高分子領域に用いるポリマーは、例えば、環状構成、線形構成、および分岐構成から選択され得る数多くの構成をなす可能性がある。分岐構成には、星状構成(例えば、3以上の鎖が単一分岐点から発生する構成)、櫛状構成(例えば、1つの主鎖と複数の側鎖を有する構成)、樹枝状構成(例えば、樹枝状(arborescent)および超分岐ポリマー)などが含まれる。
本発明のいくつかの実施態様では、高分子領域の分離された安定性高分子相と崩壊性高分子相は、高分子領域に単一ポリマーを含めることにより提供される。
例えば、1以上の安定性高分子相と1以上の崩壊性高分子相は、互いに相分離される少なくとも1つの安定性ブロックと少なくとも1つの崩壊性ブロックとを含む(すなわち、それらは不混和性である)ブロックコポリマーを含めることにより、高分子領域に提供することができる。ブロックコポリマーの安定性ブロックと崩壊性ブロックは、例えば、ホモポリマーブロック(例えば、反復する一連の、単一種類の構成単位)として、またはコポリマーブロック(例えば、例えば、周期的、ランダム、統計的、またはグラジエント分布に配置された2種類以上の構成単位)として存在してよい。ブロックコポリマーは、環状、線形および分岐構成を含む様々な構成で提供され得る。少なくとも1つの安定性ブロック(または少なくとも1つの崩壊性ブロック)は、コポリマー中に、例えば、1つの末端ブロックとして(例えば、ジブロックコポリマーの1つの末端ブロックとして)、複数の末端ブロックとして(例えば、トリブロックコポリマーまたは星型コポリマーの末端ブロックとして)、1つの中間ブロックとして(例えば、トリブロックコポリマーまたは星型コポリマーの1つの中間ブロックとして)、1つの主鎖として(例えば、櫛型コポリマー内の1つの主鎖として)、1つの側鎖として(例えば、櫛型コポリマー内の1つの側鎖として)など、存在し得る。
他の実施態様では、本発明の高分子領域の分離された安定性高分子相と崩壊性高分子相は、高分子領域に2種以上のポリマーを含めることにより提供される。これらのポリマーは、例えば、ホモポリマーまたはコポリマー(例えば、周期的コポリマー、ランダムコポリマー、統計的コポリマー、グラジエントコポリマー、およびブロックコポリマー)であってよく、上記のものなどの様々な構成で提供され得る。これらの実施態様では、安定性高分子相と崩壊性高分子相は、各々、独立に、1つの完全ポリマー(例えば、1つのホモポリマー、または1つの周期的コポリマーもしくはランダムコポリマー)、1つのポリマーの一部(例えば、1つのブロックコポリマーの1つのブロック)、1つの完全ポリマーと1つのポリマーの一部、2つの完全ポリマー、2つのポリマーの2つの部分、などを含んでよい。
本発明の相分離高分子領域の安定性相および崩壊性相の各々は、独立に、同じモノマー組成のポリマーブロックを含んでよく、または異なるモノマー組成のポリマーブロックが互いに混和性である限り、異なるモノマー組成のポリマーブロックを含むことができる。
この場合も、かかる安定性相および崩壊性相は、様々な起源から、例えば、以下から提供することができる:単一コポリマー(例えば、1つのブロックコポリマー);複数のコポリマー(例えば、周期的コポリマー、ランダムコポリマー、統計的コポリマー、グラジエントコポリマー、および/またはブロックコポリマー);複数のホモポリマー;単一ホモポリマーと単一コポリマー(例えば、1つの周期的コポリマー、ランダムコポリマー、統計的コポリマー、グラジエントコポリマー、またはブロックコポリマー)、単一コポリマー(例えば、1つの周期的コポリマー、ランダムコポリマー、統計的コポリマー、グラジエントコポリマー、またはブロックコポリマー)と複数のホモポリマー;単一ホモポリマーと複数のコポリマー(例えば、周期的コポリマー、ランダムコポリマー、統計的コポリマー、グラジエントコポリマー、および/またはブロックコポリマー);など。
具体的な一例として、本発明によれば、それ自身が相分離しない安定性ホモポリマー、または安定性コポリマー(例えば、ランダムコポリマーまたは周期的コポリマー(例えば、交互コポリマー)などの非ブロックコポリマー)に相当する安定性高分子相と、それ自身が相分離しない崩壊性ホモポリマーまたは崩壊性コポリマー(例えば、非ブロックコポリマー)に相当する崩壊性高分子相とを有する高分子領域を提供することができる。
もう1つの具体的な例として、異なる組成の2つ以上の分離された安定性高分子相は、例えば、それ自身が内部で相分離する安定性ポリマー(例えば、2つの安定性相分離ブロックを含む1つのブロックコポリマー)を含めることによるか、または2つの不混和性の安定性ポリマー(例えば、2つの安定性ホモポリマー、2つの安定性非ブロックコポリマー、1つの安定性ホモポリマーと1つの安定性非ブロックコポリマー、など)を含めることにより高分子領域に提供され得る。
同様に、2つ以上の分離された崩壊性高分子相は、例えば、2つの不混和性の崩壊性ポリマー(例えば、2つの崩壊性ホモポリマー、2つの崩壊性非ブロックコポリマー、または1つの崩壊性ホモポリマーと1つの崩壊性非ブロックコポリマー)を含めることにより、高分子領域に提供することができるし、またはそれ自身が内部で相分離するポリマー(例えば、2つの相分離崩壊性ブロックを含む1つのブロックコポリマー)を含めることによっても提供することができる。
この時点で、多種多様なポリマーを用いて、分離された安定性高分子相および崩壊性高分子相を提供することができるということは分かるはずである。
いくつかの具体的な例には、以下の生体崩壊性ポリマーブロックのうちの1つ以上からなるまたはを含むホモポリマーおよびコポリマー(例えば、ランダムコポリマー、統計的コポリマー、グラジエントコポリマー、周期的コポリマー、およびブロックコポリマー)が含まれる:特に、(a)1つ以上の生体崩壊性ポリエステルを含む生体崩壊性ブロック(以下から選択される1つ以上のモノマーを含むホモポリマーおよびコポリマーブロックを含む:ヒドロキシ酸およびラクトン(グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、フマル酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ジオキサノン、カプロラクトンおよびバレロラクトンなど))、(b)1つ以上の生体崩壊性ポリ無水物を含む生体崩壊性ブロック(セバシン酸および1,6-ビス(p-カルボキシホキシ)アルカン(1,6-bis (p-carboxyphoxy) alkane)(例えば、1,6-ビス(p-カルボキシホキシ)ヘキサンおよび1,6-ビス(p-カルボキシホキシ)プロパン)などの1つ以上の二酸を含むホモポリマーおよびコポリマーブロックを含む)、(c)1つ以上のチロシン由来ポリカーボネートまたはポリエステル-アミドを含む生体崩壊性ブロック、並びに(d)1つ以上のポリオルトエステルを含む生体崩壊性ブロック。
ホモポリマーおよびコポリマーのいくつかの特に有益な例には、以下のモノマーのうちの1つ以上を含む1種以上の生体分解性ホモポリマーまたはコポリマーブロックからなるまたはを含むものが含まれる:グリコール酸、乳酸、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、P-ジオキサノン、ヒドロキシブチラート、およびヒドロキシバレレート。ホモポリマーまたはコポリマーブロックのさらなる例としては、デスアミノチロシンポリアリーレートブロック(チロシンベースのポリアリーレートはTyRx Pharma社, New Brunswick, NJ, USAおよびReva Medical社, San Diego, CA, USAから入手可能である)、デスアミノトリロシンポリカーボネートブロック(desaminotryrosine polycarbonate blocks)(Integra LifeSciences, Plainfield, NJ, USAから入手可能)、ポリ無水物ブロック(治療用物質ベースのモノマーから形成されるものなど)(ポリ無水物はPolymerix社, Piscataway, NJ, USAから入手可能である)、PEG-ポリブチルテレフタレート(SurModics社, Eden Prairie, MN, USA、IsoTis Orthobiolics社, Irvine, CA, USAから入手可能)、ポリエステルアミド(MediVas LLC, CA, USAから入手可能)、並びに生体分解性ポリウレタン(ポリ(エステルウレタン)など)が挙げられる。
さらなる具体的な例としては、以下から選択されるホモポリマーまたはコポリマーブロックからなるまたはを含む水溶性ホモポリマーおよびコポリマー(例えば、ランダムコポリマーブロック、統計的コポリマーブロック、グラジエントコポリマーブロック、周期的コポリマーブロック、およびブロックコポリマーブロック)が挙げられる:アルキルセルロース(メチルセルロースなど)、ヒドロキシアルキルセルロース(ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシブチルセルロースなど);ヒドロキシアルキルアルキルセルロース(ヒドロキシエチルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなど);カルボキシアルキルセルロース(カルボキシメチルセルロースなど);カルボキシアルキルセルロースのアルカリ金属塩(カルボキシメチルセルロースナトリウムなど);カルボキシアルキルアルキルセルロース(カルボキシメチルエチルセルロースなど);カルボキシアルキルセルロースエステル;デンプン;ペクチン(ナトリウムカルボキシメチルアミロペクチンなど);キチン誘導体(キトサンなど);多糖類(アルギン酸、およびそのアルカリ金属およびアンモニウム塩、カラゲナン、ガラクトマンナン、トラガント(traganth)、寒天、ガムアラビカム(gum arabicum)、グアーガム、並びにキサンタンガムなど);ポリアクリル酸およびその塩;ポリメタクリル酸およびその塩;ポリビニルピロリドン、1-ビニル-2-ピロリドン、ポリビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー;ポリアルキレンオキシド(ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシド、並びにエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマーなど);アクリルアミドおよびN,N ジメチルアクリルアミドのポリマーおよびコポリマー、ビニルアルコールのポリマーおよびコポリマー、メチルビニルエーテルのポリマーおよびコポリマー、など。
前述のとおり、1つ以上の溶解性ポリマーブロックと、1つ以上の疎水性の生体安定性ポリマーブロックとを含むブロックコポリマーが別の生体安定性ポリマーとのブレンドとして提供される場合、疎水性の生体安定性ブロックが溶解性ブロックと比べて小さいならば、そのブロックコポリマーがin vivoで溶解し、それにより細孔が形成される可能性がある。一方、生体安定性ブロックが溶解性ブロックと比べて大きい(さらに溶解性ブロックが分解しない)ならば、かかるコポリマーを含む高分子領域の放出特性は一般に影響を受けるが、そのコポリマーはin vivoで溶解せず、細孔は形成され得ない。
本発明のあるさらなる態様によれば、高分子領域には、様々なポリマーを用いて提供することができる1つ以上の放射線崩壊性高分子相が提供される。いくつかの具体的な例には、以下の放射線崩壊性ポリマーブロックのうちの1つ以上からなるまたはを含むホモポリマーおよびコポリマーが含まれる:ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンポリマーブロック、ポリアセタール、ポリ(メチルペンテン)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル)、コラーゲン、セルロース、酢酸セルロース、ナイロン6、ナイロン12、ポリプロピレン、ポリ(2-メチルブテン)、ポリ(2-メチルペンテン)、ポリイソブチレン、並びに第四級炭素と第二級炭素を交互に有する他のポリマーブロック、例えば、(-CH2-CR1R2-)n、(式中、nは整数であり、かつR1およびR2は有機基、例えば、C1-C10アルキル(このC1-C10アルキルは、本明細書において、直鎖または分岐、置換または非置換のものであり得る)、C2-C20アルコキシアルキル、C3-C20アルキルカルボン酸エステルなどである)。
その一方で、本発明の高分子領域に見られる1つ以上の生体安定性高分子相も、様々な構成を有する幅広いホモポリマーおよびコポリマー(例えば、ランダムコポリマー、統計的コポリマー、グラジエントコポリマー、周期的コポリマー、およびブロックコポリマー)を含む様々なポリマーを用いて提供することができる。生体安定性ホモポリマーおよびコポリマーのいくつかの具体的な例は以下から選択することができる:ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリブチレンなど)、ポリオレフィンコポリマー、例えば、エチレンコポリマー(エチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマー、エチレン-メタクリル酸コポリマー、およびエチレン-アクリル酸コポリマーなど)(これらは酸性基の一部が、例えば、亜鉛またはナトリウムイオンで中和されている場合がある(一般的には、イオノマーとして知られる));ビニル芳香族ポリマー(ポリスチレンなど);ビニル芳香族コポリマー(スチレン-エチレン-ブチレンコポリマー(例えば、Kraton(登録商標)Gシリーズポリマーとして入手可能なポリスチレン-ポリエチレン/ブチレン-ポリスチレン(SEBS)コポリマー)、スチレン-イソブチレンコポリマー(例えば、Pinchukの米国特許第6,545,097号に開示されているもののようなポリスチレン-ポリイソブチレン-ポリスチレン(SIBS)コポリマー)、ブタジエン-スチレンコポリマー、およびスチレン-マレイン酸(SMA)コポリマー(例えば、Nova Chemicalから入手可能なもののようなスチレンと無水マレイン酸のランダムコポリマー、およびScientific Polymer Products社から入手可能なもののようなスチレンと無水マレイン酸の交互コポリマー)など);ポリアセタール;クロロポリマー(ポリ塩化ビニル(PVC)など);フルオロポリマー(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など);ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)など);ポリエステル-エーテル;ポリアミド(ナイロン6およびナイロン6,6など);ポリエーテル;ポリアミドエーテル(ポリエーテルブロックアミド(PEBA)など);シリコーン;ポリカーボネート;ポリオクテナマー(polyoctenamer);熱可塑性ポリウレタン(TPU);並びにエラストマー(弾性ポリウレタンおよびポリウレタンコポリマー(ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、脂肪族系、芳香族系、およびそれらの混合物であるブロックコポリマーおよびランダムコポリマーを含む;市販のポリウレタンコポリマーの例としては、Carbothane(登録商標)、Tecoflex(登録商標)、Tecothane(登録商標)、Tecophilic(登録商標)、Tecoplast(登録商標)、Pellethane(登録商標)、Chronothane(登録商標)、およびChronoflex(登録商標)が挙げられる)など)。
本発明の実施のための生体安定性ホモポリマーおよびコポリマー(例えば、生体安定性ランダムコポリマー、統計的コポリマー、グラジエントコポリマー、周期的コポリマー、およびブロックコポリマー)の例には、1つ以上の生体安定性低Tgおよび/もしくは高Tgホモポリマー並びに/またはコポリマーブロックからなるまたはを含むものが含まれる。「低Tgポリマーブロック」とは、示差走査熱量測定(DSC)、動的熱機械測定(DMA)、または誘電分析(DEA)を含む数多くの技術のいずれかによって測定されるように、周囲温度より低い、一般には、25℃より低い、0℃より低い、-25℃より低い、あるいは-50℃より低い1以上のガラス転移温度(Tg)を示すポリマーブロックである。昇または高Tgポリマーブロックは、周囲温度より高い、より一般には、50℃より高い、75℃より高い、あるいは100℃より高い少なくとも1つのガラス転移温度を示すものである。「周囲温度」とは、一般には、25℃〜45℃、より一般には、体温(例えば、35℃〜40℃)である。低Tgポリマーブロックは、それらの低ガラス転移温度の結果として、一般には、周囲温度でエラストマーであり、その一方、高Tgポリマーブロックは一般には硬質である。(しかしながら、一部の低Tgポリマーブロックのホモポリマー(直鎖または分岐シリコーン(例えば、ポリジメチルシロキサン)など)は、室温で粘稠液または製粉可能なガムであり、共有結合による架橋によりエラストマーとなる)。
生体安定性ホモポリマーおよびコポリマーの具体的な例には、以下(そのホモポリマーの公開されているTgとともに記載される)から選択される1つ以上のモノマーを含む1つ以上の生体安定性低Tgホモポリマーまたはコポリマーブロックからなるまたはを含むものが含まれる:(1)アクリルモノマー((a)アクリル酸アルキル(アクリル酸メチル(Tg 10℃)、アクリル酸エチル(Tg -24℃)、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル(Tg -11℃、アイソタクチック)、アクリル酸ブチル(Tg -54℃)、アクリル酸sec-ブチル(Tg -26℃)、アクリル酸イソブチル(Tg -24℃)、アクリル酸シクロヘキシル(Tg 19℃)、アクリル酸2-エチルヘキシル(Tg -50℃)、アクリル酸ドデシル(Tg -3℃)、およびアクリル酸ヘキサデシル(Tg 35℃)など)、(b)アクリル酸アリールアルキル(アクリル酸ベンジル(Tg 6℃)など)、(c)アクリル酸アルコキシアルキル(アクリル酸2-エトキシエチル(Tg -50℃)およびアクリル酸2-メトキシエチル(Tg -50℃)など)、(d)アクリル酸ハロ-アルキル(アクリル酸2,2,2-トリフルオロエチル(Tg -10℃)など)、並びに(e)アクリル酸シアノ-アルキル(アクリル酸2-シアノエチル(Tg 4℃)など)を含む);(2)メタクリルモノマー((a)メタクリル酸アルキル(メタクリル酸ブチル(Tg 20℃)、メタクリル酸ヘキシル(Tg -5℃)、メタクリル酸2-エチルヘキシル(Tg -10℃)、メタクリル酸オクチル(Tg -20℃)、メタクリル酸ドデシル(Tg -65℃)、メタクリル酸ヘキサデシル(Tg 15℃)、およびメタクリル酸オクタデシル(Tg -100℃)など)、並びに(b)メタクリル酸アミノアルキル(メタクリル酸ジエチルアミノエチル(Tg 20℃)およびメタクリル酸2-tert-ブチル-アミノエチル(Tg 33℃)など)を含む);(3)ビニルエーテルモノマー((a)アルキルビニルエーテル(エチルビニルエーテル(Tg -43℃)、プロピルビニルエーテル(Tg -49℃)、ブチルビニルエーテル(Tg -55℃)、イソブチルビニルエーテル(Tg -19℃)、2-エチルヘキシルビニルエーテル(Tg -66℃)、およびドデシルビニルエーテル(Tg -62℃)など)を含む);(4)環状エーテルモノマー(テトラヒドロフラン(Tg -84℃)、トリメチレンオキシド(Tg -78℃)、エチレンオキシド(Tg -66℃)、プロピレンオキシド(Tg -75℃)、メチルグリシジルエーテル(Tg -62℃)、ブチルグリシジルエーテル(Tg -79℃)、アリルグリシジルエーテル(Tg -78℃)、エピブロモヒドリン(Tg -14℃)、エピクロロヒドリン(Tg -22℃)、1,2-エポキシブタン(Tg -70℃)、1,2-エポキシオクタン(Tg -67℃)、および1,2-エポキシデカン(Tg -70℃)を含む);(5)(アクリレートおよびメタクリレート以外の)エステルモノマー(マロン酸エチレン(Tg -29℃)、酢酸ビニル(Tg 30℃)、およびプロピオン酸ビニル(Tg 10℃)を含む);(6)アルケンモノマー(エチレン、プロピレン(Tg 8〜-13℃)、イソブチレン(Tg -73℃)、1-ブテン(Tg -24℃)、trans-ブタジエン(T8 -58℃)、4-メチルペンテン(Tg 29℃)、1-オクテン(Tg -63℃)および他のα-オレフィン、cis-イソプレン(Tg -63℃)、並びにtrans-イソプレン(Tg -66℃)を含む);(7)ハロゲン化アルケンモノマー(塩化ビニリデン(Tg -18℃)、フッ化ビニリデン(Tg -40℃)、cis-クロロブタジエン(Tg -20℃)、およびtrans-クロロブタジエン(Tg -40℃)を含む);並びに(8)シロキサンモノマー(ジメチルシロキサン(Tg -127℃)、ジエチルシロキサン、メチルエチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン(Tg -86℃)、およびジフェニルシロキサンを含む)。
生体安定性ホモポリマーおよびコポリマーの具体的な例には、以下から選択される1つ以上のモノマーを含む1つ以上の生体安定性高Tgホモポリマーまたはコポリマーブロックからなるまたはを含むものがさらに含まれる:(1)ビニル芳香族モノマー((a)非置換ビニル芳香族(アタクチックスチレン(Tg 100℃)、アイソタクチックスチレン(Tg 100℃)、および2-ビニルナフタレン(Tg 151℃)など)、(b)ビニル置換芳香族(vinyl substituted aromatics)(α-メチルスチレンなど)、並びに(c)環置換ビニル芳香族(環アルキル化ビニル芳香族(3-メチルスチレン(Tg 97℃)、4-メチルスチレン(Tg 97℃)、2,4-ジメチルスチレン(Tg 112℃)、2,5-ジメチルスチレン(Tg 143℃)、3,5-ジメチルスチレン(Tg 104℃)、2,4,6-トリメチルスチレン(Tg 162℃)、および4-tert-ブチルスチレン(Tg 127℃)など)、環アルコキシル化ビニル芳香族(4-メトキシスチレン(Tg 113℃)および4-エトキシスチレン(Tg 86℃)など)、環ハロゲン化ビニル芳香族(2-クロロスチレン(Tg 119℃)、3-クロロスチレン(Tg 90℃)、4-クロロスチレン(Tg 110℃)、2,6-ジクロロスチレン(Tg 167℃)、4-ブロモスチレン(Tg 118℃)、および4-フルオロスチレン(Tg 95℃)など)、並びに環エステル置換ビニル芳香族(4-アセトキシスチレン(Tg 116℃)など)を含む)を含む);(2)他のビニルモノマー((a)ビニルエステル(安息香酸ビニル(Tg 71℃)、4-tert-ブチル安息香酸ビニル(Tg 101℃)、シクロヘキサン酸ビニル(Tg 76℃)、ピバル酸ビニル(Tg 86℃)、トリフルオロ酢酸ビニル(Tg 46℃)、ビニルブチラール(Tg 49℃)など)、(b)ビニルアミン(2-ビニルピリジン(Tg 104℃)、4-ビニルピリジン(Tg 142℃)、およびビニルカルバゾール(Tg 227℃)など)、(c)ハロゲン化ビニル(塩化ビニル(Tg 81℃)およびフッ化ビニル(Tg 40℃)など);(d)アルキルビニルエーテル(tert-ブチルビニルエーテル(Tg 88℃)およびシクロヘキシルビニルエーテル(Tg 81℃)など)、並びに(e)他のビニル化合物(ビニルフェロセン(Tg 189℃)など)を含む);(3)他の芳香族モノマー(アセナフタレン(Tg 214℃)およびインデン(Tg 85℃)を含む);(4)メタクリルモノマー((a)無水メタクリル酸(Tg 159℃)、(b)メタクリル酸エステル(メタクリレート)((i)メタクリル酸アルキル(アタクチックのメタクリル酸メチル(Tg 105〜120℃)、シンジオタクチックのメタクリル酸メチル(Tg 115℃)、メタクリル酸エチル(Tg 65℃)、メタクリル酸イソプロピル(Tg 81℃)、メタクリル酸イソブチル(Tg 53℃)、メタクリル酸t-ブチル(Tg 118℃)、およびメタクリル酸シクロヘキシル(Tg 92℃)など)、(ii)芳香族メタクリレート(メタクリル酸フェニル(Tg 110℃)など、芳香族アルキルメタクリレート(メタクリル酸ベンジル(Tg 54℃)など)を含む)、(iii)メタクリル酸ヒドロキシアルキル(メタクリル酸2-ヒドロキシエチル(Tg 57℃)およびメタクリル酸2-ヒドロキシプロピル(Tg 76℃)など)、(iv)さらなるメタクリレート(メタクリル酸イソボルニル(Tg 110℃)およびメタクリル酸トリメチルシリル(Tg 68℃)を含む)を含む)、並びに(c)他のメタクリル酸誘導体(メタクリロニトリル(Tg 120℃)を含む)を含む);(5)アクリルモノマー((a)特定のアクリル酸エステル(アクリル酸tert-ブチル(Tg 43〜107℃)、アクリル酸ヘキシル(Tg 57℃)、およびアクリル酸イソボルニル(Tg 94℃)など);並びに(b)他のアクリル酸誘導体(アクリロニトリル(Tg 125℃)を含む)を含む)。
ある態様によれば、本発明の高分子領域には、様々なポリマーを用いて提供することができる1以上の放射線安定性高分子相が提供される。いくつかの具体的な例には、以下から選択される1つ以上の芳香族および/またはアクリルモノマーを含み得る1つ以上の放射線安定性ホモポリマーまたはコポリマーブロックからなるまたはを含むホモポリマーおよびコポリマーが含まれる:とりわけ、ビニル芳香族モノマー(上記のものなど、非置換ビニル芳香族モノマー、ビニル置換芳香族モノマー(vinyl substituted aromatic monomers)、および環置換ビニル芳香族モノマー(環アルキル化ビニル芳香族モノマー、環アルコキシル化ビニル芳香族モノマー、環ハロゲン化ビニル芳香族モノマー、および環エステル置換ビニル芳香族など)を含む);並びにビニル芳香族モノマー以外の他の芳香族モノマー(上記のものなど、芳香族メタクリレート、芳香族アクリレート、アルキルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサン、アセナフタレン、およびインデンを含む)、アクリルモノマー(上記のものなど、アクリル酸エステル(アクリル酸アルキル、アクリル酸アリールアルキル、アクリル酸アルコキシアルキル、アクリル酸ハロ-アルキル、アクリル酸シアノ-アルキルなど)、および他のアクリル酸誘導体(アクリロニトリルなど)を含む)。ポリスチレン、並びにポリ(アクリル酸ビニル)およびポリ(アクリル酸イソボルニル)は有益な放射線安定性ブロックの具体的な例である。
上記および他の基準に基づき、様々なホモポリマーおよびコポリマーを用いて、安定性ホモポリマーおよびコポリマーブロックと崩壊性ホモポリマーおよびコポリマーブロックとの様々な組合せを提供して、本発明に従う幅広い相分離高分子領域を作出することができる。
具体的な一例によれば、以下を含む相分離高分子領域が提供される:(a)生体安定性ビニル芳香族コポリマー(スチレン-エチレン-ブチレンコポリマー(例えば、SEBS)、スチレン-イソブチレンコポリマー(例えば、SIBS)、ブタジエン-スチレンコポリマー、またはスチレン-マレイン酸コポリマーなど)および、(b)生体崩壊性ポリエステル(ポリカプロラクトン、ポリラクチド、ポリグリコリド、またはポリ(ラクチド-コ-グリコリド)など)。生体分解性ポリエステルが除去されると、ビニル芳香族コポリマーからなる多孔質高分子領域が残る。ポリスチレン-ポリイソブチレン-ポリスチレントリブロックコポリマーのようなビニル芳香族コポリマーは、非常に優れた生体安定性と生体適合性を有することが分かっている。
よって、いくつかの実施態様では、ブロックコポリマーは本発明の高分子領域に含められ、それらのブロックコポリマーは以下を提供することができるものである:(a)2つ以上の安定性相に対応するブロック、(b)2つ以上の崩壊性相に対応するブロック、または(c)少なくとも1つの安定性相と少なくとも1つの崩壊性相に対応するブロック。
ブロックコポリマーは、多種多様な構成で提供することができる。2つの相分離ブロック、「A」および「B」を含むコポリマー(それらはともに安定性ブロックであるか、それらはともに崩壊性ブロックであるか、またはそれらの一方が安定性ブロックであり、それらのもう一方が崩壊性ブロックである場合がある)について、以下で数例記載する。これらのブロックはホモポリマーブロックまたはコポリマーブロック(例えば、ランダムな、または周期的に反復する構成単位を含むコポリマーブロック、それらの具体的な例はKraton(登録商標)コポリマーのようなSEBSトリブロックコポリマー内に見られる中央のエチレン-ブチレンブロックである)であり得る。これらのブロックは、例えば、様々な安定性ブロックおよび崩壊性ブロック(上記のものなど)から選択することができる。例には、以下の構造を有するブロックコポリマーが含まれる:(a)ABnまたはBAn(式中、nは整数である)、例えば、AB(ジブロック)、BABまたはABA(トリブロックコポリマー)、AB3またはBA3(3-アーム星状コポリマー)など。他の例としては、B(AB)nまたはA(BA)nのような交互構成が挙げられる。ブロックコポリマーを記載する際にはシード分子Xのような小存在物の存在を無視することが一般的であり、例えば、X(AB)nおよびX(BA)nはそれぞれ、ABnおよびBAnと表していることに留意する。
具体的な例はコポリマー、ABn(式中、Aは生体安定性低Tg弾性ブロック、例えば、ホモポリマーまたはコポリマーポリオレフィンブロック(ポリイソブチレンまたはポリ(エチレン-コ-ブチレン)など)であり、かつBは生体崩壊性ブロック、例えば、ホモポリマーまたはコポリマーポリ(α-ヒドロキシ酸)ブロック(ポリカプロラクトン、ポリラクチド、ポリグリコリド、またはポリ(ラクチド-コ-グリコリド)など)であるか、逆もまた同様である)(すなわち、式中、Aは生体安定性低Tg弾性ブロックであり、一方、Bは生体崩壊性ブロックである)である。かかるポリマーには、ジブロックコポリマー(式中、n=1)、トリブロックコポリマー(式中、n=2)、および星型コポリマー(式中、n=3以上)が含まれる。
もう1つの例は、生体安定性低Tg弾性主鎖と多数の生体崩壊性ポリマー側鎖を含むコポリマー(すなわち、櫛状コポリマー)(逆もまた同様である)である。
本明細書に記載のもののようなポリマーは、ポリマー技術で公知の数多くの手法により形成することができる。
例えば、一例によれば、コポリマーは、ポリイソブチレンブロックのような低Tgポリマーブロックを、生体崩壊性ポリマーセグメント(例えば、生体崩壊性末端ブロック)を形成することができるモノマーと共重合する(逆もまた同様である)ことにより合成することができる。例えば、ポリイソブチレン-ポリカプロラクトンのジブロックコポリマーおよびポリカプロラクトン-ポリイソブチレン-ポリカプロラクトンのトリブロックコポリマーは、イソブチレンのリビングカチオン重合とカプロラクトンの開環重合を組み合わせることにより合成することができる。例えば、マルチブロックポリマーを作出するために生体崩壊性末端ブロックの開環重合が起こり得る1以上の開始部位(例えば、ヒドロキシル末端官能性ポリイソブチレン)を含むポリイソブチレン高分子開始剤を調製することができる。よって、生体崩壊性材料が環状エステル(ラクチド、カプロラクトン、環状カーボネート、またはグリコリドなど)を含む場合には、ポリイソブチレン高分子開始剤を用いて、環状エステルの開環重合を開始させ、それにより様々なコポリマーを形成することができる。
もう1つの例として、コポリマーは、ジ-ヒドロキシ基末端ポリオレフィンを臭化2-ブロモ-イソブチルル(2-bromo-isobutyrl bromide)と反応させて、ポリオレフィン分子の両端にα-ブロモエステル開始基を形成することにより形成される。この二官能性高分子開始剤を用いて、生体崩壊性マクロモノマー(例えば、ポリラクチド)の別の一価不飽和モノマー(例えば、スチレンまたはメタクリル酸メチル)とのリビングフリーラジカル共重合により末端ブロックグラフトコポリマーを形成することができる。
さらにもう1つの例として、式B-C-A-C-Bのペンタブロックコポリマー(式中、A、BまたはCは生体崩壊性(biodistintegrable)ブロックである)が合成される。具体的な例では、Bは生体崩壊性ブロック、例えば、ホモポリマーまたはコポリマーポリ(α-ヒドロキシ酸)ブロック(ポリラクチド、ポリグリコリド、またはポリ(ラクチド-コ-グリコリド)ブロックなど)であり、かつAおよびCは生体安定性ブロックである(例えば、Aは生体安定性低Tg弾性ブロック、例えば、ホモポリマーまたはコポリマーポリオレフィンブロック(ポリイソブチレンまたはポリ(エチレン-コ-ブチレン)など)であり得、かつCは生体安定性高Tg硬質ブロック、例えば、ポリ(ビニル芳香族)ブロック(ポリスチレンなど)であり得る)。生体分解性ブロックが除去されると、ブロックコポリマーC-A-Cが残り、その例の1つがポリスチレン-ポリイソブチレン-ポリスチレン(SIBS)であり、このポリスチレン-ポリイソブチレン-ポリスチレンは機械的に強く、生体安定性であり、生体適合性であることが分かっている。かかるペンタブロックコポリマーは、モノマー付加を含む様々な技術(例えば、生体崩壊性モノマーがリビング重合反応によりA-B-Aトリブロックコポリマーに重合される)を用いて形成することができる。あるいは、前もって作られた、単官能基末端の生体崩壊性ブロックを2官能基を有するABAトリブロックコポリマーとカップリングして、ペンタブロック構造を形成することができる。
高分子領域用のポリマーを、ポリマーの相対的安定性/崩壊性に基づいて選択することの他に、ポリマーの相対的親水性/疎水性に基づいてポリマーを選択する場合がある。相対的に親水性の生体安定性ポリマーブロックを形成するためのモノマーの例には、エチレンオキシド、メタクリル酸ヒドロキシエチル、および1-ビニル-2-ピロリジノンが含まれ、相対的に疎水性の生体安定性ポリマーブロックを形成するためのモノマーの例には、スチレンおよびメタクリル酸メチルが含まれ、相対的に親水性の生体崩壊性ポリマーブロックを形成するためのモノマーの例には、グリコール酸が含まれ、相対的に疎水性の生体崩壊性ポリマーブロックを形成するためのモノマーの例には、カプロラクトンが含まれる。これらのモノマーは、本発明の高分子領域に、ホモポリマー内またはコポリマー(例えば、ランダムコポリマー、統計的コポリマー、グラジエントコポリマー、周期的コポリマー、またはブロックコポリマーとして)内のいずれかに提供することができ、例えば、選択されるモノマーの相対的疎水性/親水性と、領域内の各モノマーの相対的比率に応じて、ポリマー領域の全体的疎水性/親水性を与えることができる。
本発明の医療機器には、いくつかの実施態様では、治療薬が準備されており、他の実施態様では、治療薬は準備されていない。治療薬が含められていない場合でも、高分子領域は、やはり、細胞増殖に影響を及ぼし得る。例えば、機器移植もしくは挿入直後in vivoでの、または機器製造中ex vivoでのナノスケール規模の崩壊性高分子相の除去により、医療機器内にナノ多孔質高分子領域がもたらされる。これらのナノ細孔が表面に配置される限りにおいて、ナノ構造表面が作出され、これらのナノ構造表面は組織工学用途において非常に求められている。例えば、上述のとおり、ナノ構造表面は、細胞受容体と直接相互作用することができ、それにより細胞のナノ構造表面への接着または非接着が制御されるということが分かっている。
1種以上の治療薬を本発明の医療機器に含める場合、それらの治療薬は、数多くの方法により、例えば、治療薬を担体領域内に含めることにより、治療薬をバリア領域の真下に含めることにより、またはその両方により、組み込むことができる。
「担体領域」とは、治療薬をさらに含み、その治療薬が放出される高分子領域を意味する。例えば、いくつかの実施態様では、担体領域は医療機器全体を構成する。他の実施態様では、機器の一部のみに相当する、例えば、層形態の医療機器基材の全体または一部に配置されている担体領域が提供される。
本発明の様々な実施態様に関連しては、少なくとも2つの異なる種類の多孔質担体領域が利用される。いくつかの実施態様では、多孔質高分子領域はex vivoで相分離高分子領域から形成される。その多孔質構造に、その後、治療薬が導入され、続いて、その機器が患者に導入される。他の実施態様では、治療薬は、少なくとも1つの生体安定性高分子相と、少なくとも1つの生体崩壊性高分子相とを含む相分離高分子領域内に準備される。かかる機器に関しては、多孔質高分子領域は、in vivoでの少なくとも1つの生体崩壊性相の崩壊により作出される。これによりその領域から治療薬を逃がすためのさらなる道が作り出される可能性があり、放出される治療薬の量を増やす(それにより、最後に担体領域に残る薬物の量を減少し、送達効率が向上する)と思われる。これは、生体安定性ポリマーだけを用いて形成される高分子担体領域(この場合、治療薬はポリマーマトリックス内に捕捉され得、機器から溶出され得ない)とは対照的である。かかる捕捉問題は、高分子量治療薬(多糖類、ポリペプチド(例えば、タンパク質)、またはポリヌクレオチド(例えば、プラスミドDNA)など)にとって特に重大である。本明細書において、高分子量治療薬は、5,000より大きい、一般的には、10,000より大きい、25,000、50,000、100,000、250,000、500,000、1,000,000あるいはそれ以上の分子量を有するものである。
よって、本発明のある態様は、放出される治療薬の速度および/または累積量を増やすための機構を提供するという点において有利である。
「バリア領域」とは、治療薬の供給源と意図された放出の部位との間に配置された、治療薬が放出される速度を制御する領域を意味する。いくつかの実施態様では、本発明の医療機器は治療薬の供給源を取り囲むバリア領域を含む。他の実施態様では、バリア領域は、例えば、層形態で、治療薬の供給源上に配置され、それが次に、医療機器基材の全体または一部に配置される。
本発明に関連しては、少なくとも2つの異なる種類の多孔質バリア領域が利用される。いくつかの実施態様では、多孔質高分子領域はex vivoで相分離高分子領域から形成され、それが治療薬の供給源上に配置された後、その機器が患者に導入される。他の実施態様では、治療薬は、少なくとも1つの生体安定性高分子相と、少なくとも1つの生体崩壊性高分子相とを含む相分離高分子領域の真下に準備される。その後、多孔質高分子領域は、機器が患者に導入された直後にin vivoでの少なくとも1つの生体崩壊性相の崩壊により作出される。
よって、本発明に従う高分子領域がバリア領域として用いられるいくつかの実施態様では、高分子領域内の少なくとも1つの崩壊性相のin vivoでのまたはex vivoでの崩壊により、治療薬の患者への輸送を調節する多孔質の薬物放出膜が形成する。安定性相と崩壊性相が共連続的であり、高分子領域の厚さ全体にわたっている実施態様では、輸送が促進される。例えば、高分子領域全体に広がる相互連結されたナノ細孔を生み出す、図1の構造「e」を参照されたい。当然、多くの他の高分子相の構成が可能である。
前述のとおり、1つ以上の溶解性ポリマーブロックと、1つ以上の疎水性の生体安定性ポリマーブロックとを含むブロックコポリマーが少なくとも1つの他の生体安定性ポリマーとブレンドされる場合、生体安定性ブロックが溶解性ブロックと比べて大きい(さらに溶解性ブロックが分解しない)ならば、そのコポリマーはin vivoで溶解せず、細孔は形成され得ない。しかしながら、かかるコポリマーを含む高分子領域の放出特性は、かかる高分子領域が担体領域として使用されようと、またはバリア領域として使用されようと、一般に高められる。
本発明の医療機器に関連して、幅広い治療薬装填量を用いることができ、治療上有効な量は、当業者により、最終的には、例えば、治療しようとする状態、患者の年齢、性別、および状態、治療薬の性質、高分子領域の性質、医療機器の性質などに応じて、容易に決定される。
本発明の高分子領域に関連する放出プロフィールは、数多くの方法(生体安定性高分子相を形成するポリマーブロックの組成および分子量を変えること(その場所の崩壊性高分子相は被験体に導入される(例えば、その場所の崩壊性高分子相はex vivoでは除去されない))、生体崩壊性高分子相を形成するポリマーブロックの組成および分子量を変えること、並びに生体安定性相と生体崩壊性相の相対的体積を変えることを含む)により変更することができる。例えば、図1に関連して先に述べたように、崩壊性相と安定性相の形態は、一般には、組成中の崩壊性ポリマーブロックと安定性ポリマーブロックの相対量によって様々である。
もう1つの例として、生体崩壊性高分子相を形成する特定ポリマーブロックの分解速度と、それゆえに、ナノ細孔がで形成される速度は、選択される生体崩壊性ポリマーブロックの性質(例えば、生体崩壊性ポリマーブロックのモノマー成分、分子量、および結晶化度)や生体崩壊性ポリマーブロックが占有する生体崩壊性高分子相の大きさおよび形態によって異なる。患者体内での分解速度は、例えば、数時間から数ヶ月まで様々であると思われる。高速崩壊性ポリマーの使用は、多孔質構造に発展させるのに必要な時間を短くし、一方、低速崩壊性ポリマーはその時間を長くすることは明らかである。
生体安定性ブロックと生体崩壊性ブロックの両方を有するブロックコポリマーが使用される具体的な例では、放出プロフィールは、生体安定性ブロックおよび/もしくは生体崩壊性ブロックの組成および/もしくは長さ(分子量)を変えることにより、コポリマーの構成を変えることにより(例えば、線形コポリマーか、星状コポリマーか、櫛状コポリマーか)、並びに/またはコポリマー内の生体安定性ブロックおよび/もしくは生体崩壊性ブロックの位置(例えば、末端ブロックではなく中間ブロックに、側鎖ではなく主鎖に、など)を変えることにより変更することができる。
治療薬が少なくとも1つの生体安定性高分子相と、少なくとも1つの生体崩壊性高分子相とを含む相分離担体領域内に準備される場合、その治療薬は、例えば:(a)生体崩壊性高分子相内に、(b)生体安定性高分子相内に、(c)生体安定性相と生体崩壊性相の間の界面に、など、濃縮され得る。この分配は、例えば、前述のように様々な相の親水性/疎水性を変えることにより調整し得る。例えば、いくつかの実施態様では、生体崩壊性高分子相中の治療薬の濃度は、治療薬の親水性/疎水性を、生体崩壊性高分子相を形成するポリマーブロックのものと厳密に一致させることにより高められる。同じように、いくつかの実施態様では、生体安定性高分子相中の治療薬の濃度は、治療薬の親水性/疎水性を、生体安定性高分子相を形成するポリマーブロックのものと厳密に一致させることにより高められる。治療薬の親水性/疎水性が、安定性相の親水性/疎水性とも崩壊性相の親水性/疎水性とも実質的に異なっている場合には、その治療薬は安定性相と崩壊性相の間の界面で濃縮されると思われる。
本発明の医療機器の高分子領域に関連する放出プロフィールはまた、担体層およびバリア層の互いの数、順序、厚さ、または位置を変えることによっても変更することができる。例えば、放出プロフィールは、担体層とバリア層の厚さを変えることによって変更することができる。さらに、放出プロフィールを変更するためには、複数の高分子領域を使用することができる。例えば、(a)本発明に従うバリア層を本発明に従う担体層の上に配置してよく、(b)本発明の、同じまたは異なる含量(例えば、異なるポリマーおよび/または治療薬含量)の複数の担体層を、バリア層への干渉の有無に関わらず、相互に積み重ねてよく、(c)本発明の、異なる組成の複数の担体層を互いの外側に配置してよい、などである。
本発明の医療機器では、治療薬を単独で用いてよいし、または組み合わせて用いてもよい。「薬物」、「治療薬」、「医薬として活性な薬剤」、「医薬として活性な材料」、および他の関連用語は、本明細書において同義的に用いられ得る。これらの用語には、遺伝子治療薬、非遺伝子治療薬、および細胞が含まれる。
本発明に関連して用いる例示的な非遺伝子治療薬としては:(a)抗血栓薬(ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、およびPPack(D-フェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)など);(b)抗炎症薬(デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、および メサラミンなど);(c)抗新生物薬/増殖抑制薬/アンチミオチック薬(anti-miotic agents)(パクリタキセル、5-フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン類、エンドスタチン、アンギオスタチン、アンギオペプチン(angiopeptin)、平滑筋細胞増殖を阻止することができるモノクローナル抗体、およびチミジンキナーゼ阻害薬など);(d)麻酔薬(リドカイン、ブピバカイン、およびロピバカインなど);(e)抗凝固薬(D-Phe-Pro-Arg クロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、ヒルジン、抗トロンビン化合物、血小板受容体拮抗薬、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害薬、血小板阻害薬、およびマダニ抗血小板ペプチドなど);(f)血管細胞増殖プロモーター(増殖因子、転写活性化因子、および翻訳プロモーターなど);(g)血管細胞増殖阻害薬(増殖因子阻害薬、増殖因子受容体拮抗薬、転写レプレッサー、翻訳レプレッサー、複製阻害薬、阻害抗体、増殖因子に対する抗体、増殖因子と細胞毒素からなる二官能性分子、抗体と細胞毒素からなる二官能性分子など);(h)プロテインキナーゼおよびチロシンキナーゼ阻害薬(例えば、チルホスチン類、ゲニステイン、キノキサリン類);(i)プロスタサイクリン類似体;(j)コレステロール降下薬;(k)アンギオポエチン類;(l)抗菌薬(トリクロサン、セファロスポリン類、アミノグリコシド類、およびニトロフラントインなど);(m)細胞傷害性薬剤、細胞増殖抑制剤、および細胞増殖影響因子;(n)血管拡張薬;(o)内因性血管作動性機構を妨害する薬剤;(p)白血球動員の阻害薬(モノクローナル抗体など);(q)サイトカイン類;(r)ホルモン類;(s)HSP 90タンパク質(すなわち、分子シャペロンであるか、またはハウスキーピングタンパク質であり、細胞の増殖および生存に関与する他のクライアントタンパク質/シグナル伝達タンパク質の安定性および機能に必要な熱ショックタンパク質)の阻害薬(ゲルダナマイシンを含む);(t)β遮断薬、(u)bARKct阻害薬、(v)ホスホランバンリン阻害薬、並びに(w)Serca 2遺伝子/タンパク質が挙げられる。
好ましい非遺伝子治療薬としては、パクリタキセル、シロリムス、エベロリムス、タクロリムス、Epo D、デキサメタゾン、エストラジオール、ハロフジノン、シロスタゾール、ゲルダナマイシン、ABT-578 (Abbott Laboratories)、トラピジル、リプロスチン(liprostin)、アクチノムシン D(Actinomcin D)、Resten-NG、Ap-17、アブシキマブ、クロピドグレル、およびリドグレルが挙げられる。
本発明に関連して用いる例示的な遺伝子治療薬としては、アンチセンスDNAおよびRNA、並びに様々なタンパク質をコードするDNA(並びにタンパク質自身):(a)アンチセンスRNA、(b)欠陥または欠損内因性分子に取って代わるtRNAまたはrRNA、(c)脈管形成因子および他の因子(増殖因子(酸性および塩基性繊維芽細胞増殖因子、血管内皮増殖因子、内皮細胞分裂促進性増殖因子、上皮増殖因子、トランスフォーミング増殖因子αおよびβ、血小板由来内皮増殖因子、血小板由来増殖因子、腫瘍壊死因子α、肝細胞増殖因子、およびインスリン様増殖因子など)を含む)、(d)細胞周期阻害薬(CD阻害薬を含む)、並びに(e)細胞増殖を妨害するのに有用なチミジンキナーゼ(「TK」)および他の薬剤が挙げられる。骨形態形成タンパク質のファミリー(「BMP」類)(BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6(Vgr-1)、BMP-7(OP-1)、BMP-8、BMP-9、BMP-10、BMP-11、BMP-12、BMP-13、BMP-14、BMP-15、およびBMP-16を含む)をコードするDNAも興味深い。現在好ましいBMP類は、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、およびBMP-7のいずれかである。これらの二量体タンパク質は、ホモ二量体、ヘテロ二量体、またはそれらの組合せとして、単独でまたは他の分子分子とともに提供することができる。あるいはまたは加えて、BMPの上流または下流効果を誘導することができる分子を提供することができる。かかる分子には「ヘッジホッグ」タンパク質のいずれか、またはそれらをコードするDNA類が含まれる。
遺伝子治療薬の送達のためのベクターには、ウイルスベクター(アデノウイルス、gutted型アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、αウイルス(セムリキ森林熱ウイルス、シンドビスウイルスなど)、レンチウイルス、単純ヘルペスウイルス、複製能を有するウイルス(例えば、ONYX-015)、およびハイブリッドベクターなど);並びに非ウイルスベクター(ターゲッティング配列(タンパク質導入ドメイン(PTD)など)を有するおよび有さない、人工染色体およびミニ染色体、プラスミドDNAベクター(例えば、pCOR)、カチオン性ポリマー(例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン(PEI))、グラフトコポリマー(例えば、ポリエーテル-PEIおよびポリエチレンオキシド-PEI)、中性ポリマー PVP、SP1017(SUPRATEK)、脂質(カチオン性脂質、リポソーム、リポプレックス、ナノ粒子、または微粒子など)など)が含まれる。
本発明に関連して用いる細胞には、ヒト起源(自己由来もしくは同種異系)の細胞(全骨髄、骨髄由来単核球、前駆細胞(例えば、内皮前駆細胞)、幹細胞(例えば、間充織幹細胞、造血幹細胞、神経幹細胞)、多能性幹細胞、繊維芽細胞、筋芽細胞、衛星細胞、周皮細胞、心筋細胞、骨格筋細胞、もしくはマクロファージを含む)、または必要に応じて、目的のタンパク質を送達するように遺伝子操作することができる動物、細菌、もしくは真菌起源(異種)の細胞が含まれる。
数多くの治療薬(必ずしも上記のものを除くわけではない)は、血管処置計画の候補、例えば、再狭窄を対象とする薬剤であると確認されている。かかる薬剤は本発明の実施に有用であり、それらの薬剤には、以下のうちの1つ以上が含まれる:(a)Ca-チャネル遮断薬(ベンゾチアザピン類(benzothiazapines)(ジルチアゼムおよびクレンチアゼムなど)、ジヒドロピリジン類(ニフェジピン、アムロジピン、およびニカルダピン(nicardapine)など)、およびフェニルアルキルアミン類(ベラパミルなど)を含む)、(b)セロトニン経路モジュレーター(5-HT拮抗薬(ケタンセリンおよびナフチドロフリルなど)、並びに5-HT取込み阻害薬(フルオキセチンなど)を含む)、(c)環状ヌクレオチド経路薬(ホスホジエステラーゼ阻害薬(シロスタゾールおよびジピリダモールなど)、アデニル酸/グアニル酸シクラーゼ刺激薬(フォルスコリンなど)、およびアデノシン類似体を含む)、(d)カテコールアミンモジュレーター(α-拮抗薬(プラゾシンおよびブナゾシン(bunazosine)など)、β-拮抗薬(プロプラノロールなど)、およびα/β-拮抗薬(ラベタロールおよびカルベジロールなど)を含む)、(e)エンドセリン受容体拮抗薬、(f)一酸化窒素ドナー/放出分子(有機硝酸塩/亜硝酸塩(ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、および亜硝酸アミルなど)、無機ニトロソ化合物(ニトロプルシドナトリウムなど)、シドノンイミン類(モルシドミンおよびリンシドミンなど)、ノノアテス(nonoates)(ジアゼニウムジオラテス(diazenium diolates)およびアルカンジアミン類のNO付加物など)、S-ニトロソ化合物(低分子量化合物(例えば、カプトプリル、グルタチオン、およびN-アセチルペニシラミンのS-ニトロソ誘導体)、および高分子量化合物(例えば、タンパク質、ペプチド、オリゴ糖、多糖類、合成ポリマー/オリゴマー、および天然ポリマー/オリゴマーのS-ニトロソ誘導体)を含む)、並びにC-ニトロソ-化合物、O-ニトロソ-化合物、N-ニトロソ-化合物、およびL-アルギニンを含む)、(g)アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬(シラザプリル、フォシノプリル、およびエナラプリルなど)、(h)ATII-受容体拮抗薬(サララシンおよびロサルチン(losartin)など)、(i)血小板接着阻害薬(アルブミンおよびポリエチレンオキシドなど)、(j)血小板凝集阻害薬(シロスタゾール、アスピリン、およびチエノピリジン(チクロピジン、クロピドグレル)を含む)、およびGP IIb/IIIa阻害薬(アブシキマブ、エピチフィバチド、およびチロフィバンなど)、(k)血液凝固経路モジュレーター(ヘパリノイド類(ヘパリン、低分子量ヘパリン、硫酸デキストラン、およびβ-シクロデキストリンテトラデカサルフェート(β-cyclodextrin tetradecasulfate)など)、トロンビン阻害薬(ヒルジン、ヒルログ、PPACK(D-phe-L-プロピル-L-arg-クロロメチルケトン)、およびアルガトロバンなど)、FXa阻害薬(アンチスタチン(antistatin)およびTAP(マダニ抗凝固ペプチド)など)、ビタミンK阻害薬(ワルファリンなど)、並びに活性化プロテインCを含む)、(l)シクロオキシゲナーゼ経路阻害薬(アスピリン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、およびスルフィンピラゾンなど)、(m)天然および合成コルチコステロイド類(デキサメタゾン、プレドニゾロン、メトプレドニゾロン(methprednisolone)、およびヒドロコルチゾンなど)、(n)リポキシゲナーゼ経路阻害薬(ノルジヒドログアイレティック酸(nordihydroguairetic acid)およびコーヒー酸など)、(o)ロイコトリエン受容体拮抗薬、(p)E-およびP-セレクチンの拮抗薬、(q)VCAM-1およびICAM-1の相互作用の阻害薬、(r)プロスタグランジン類およびそれらの類似体(プロスタグランジン類(PGE1およびPGI2など)、およびプロスタサイクリン類似体(シプロステン、エポプロステノール、カルバサイクリン、イロプロスト、およびベラプロストなど)を含む)、(s)マクロファージ活性化防止薬(ビスホスフォネート類を含む)、(t)HMG-CoAレダクターゼ阻害薬(ロバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、シンバスタチン、およびセリバスタチンなど)、(u)魚油およびω-3-脂肪酸、(v)フリーラジカル捕捉剤/抗酸化剤(プロブコール、ビタミンCおよびE、エブセレン、trans-レチノイン酸、およびSOD模倣体など)、(w)様々な増殖因子に作用する薬剤(FGF経路薬(bFGF抗体およびキメラ融合タンパク質など)、PDGF受容体拮抗薬(トラピジルなど)、IGF経路薬(ソマトスタチン類似体(アンギオペプチン(angiopeptin)およびオクレオチド(ocreotide)など)を含む)、TGF-β経路薬(ポリアニオン系薬剤(ヘパリン、フコイジン)、デコリン、およびTGF-β抗体など)、EGF経路薬(EGF抗体、受容体拮抗薬、およびキメラ融合タンパク質など)、TNF-α経路薬(サリドマイドおよびその類似体など)、トロンボキサンA2(TXA2)経路モジュレーター(スロトロバン、バピプロスト、ダゾキシベン、およびリドグレルなど)、並びにタンパク質チロシンキナーゼ阻害薬(チルホスチン、ゲニステイン、およびキノキサリン誘導体など)を含む)、(x)MMP経路阻害薬(マリマスタット、イロマスタット、およびメタスタット(metastat)など)、(y)細胞運動阻害薬(サイトカラシンBなど)、(z)増殖抑制薬/抗新生物薬(代謝拮抗物質(プリン類似体(例えば、6-メルカプトプリンまたは塩素化プリンヌクレオシド類似体であるクラドリビン)、ピリミジン類似体(例えば、シタラビンおよび5-フルオロウラシル)、およびメトトレキサートなど)、ナイトロジェンマスタード類、スルホン酸アルキル類、エチレンイミン類、抗生物質(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン)、ニトロソ尿素類、シスプラチン、微小管動態に作用する薬剤(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、コルヒチン、Epo D、パクリタキセル、およびエポチロン)、カスパーゼ活性化因子、プロテアソーム阻害薬、血管形成阻害薬(例えば、エンドスタチン、アンギオスタチン、およびスクアラミン)、ラパマイシン、セリバスタチン、フラボピリドール、およびスラミンを含む)、(aa)マトリックス沈着/構築経路阻害薬(ハロフジノンまたは他のキナゾリノン誘導体、およびトラニラストなど)、(bb)内皮化促進物質(endothelialization facilitators)(VEGFおよびRGDペプチドなど)、並びに(cc)血液レオロジーモジュレーター(ペントキシフィリンなど)である。
本発明の実施に有用な、数多くのさらなる治療薬は、その全開示内容が引用により組み込まれている、NeoRx社に譲受された米国特許第5,733,925号にも開示されている。
本発明に従って相分離高分子領域を形成するのには、数多くの技術が利用可能である。例えば、選択されるポリマーまたはポリマー類が熱可塑性特性を有する場合、様々な標準的な熱可塑性材料処理技術を用いて、相分離高分子放出領域を形成することができ、それらの技術としては、圧縮成形、射出成形、吹込成形、紡糸、真空成形、およびカレンダリング(calendaring)、並びにシート、繊維、ロッド、チューブ、および様々な長さの他の断面プロフィールへの押出成形が挙げられる。これらの、および他の技術を用いて、機器全体またはそれらの一部を作製することができる。例えば、ステント全体を上記の技術を用いて押し出し成形することができる。もう1つの例として、既存ステント上に被膜層を押し出し成形することにより被膜を提供することができる。さらにもう1つの例として、被膜を、基礎となるステント本体とともに、同時押し出し成形することができる。治療薬が処理温度において安定しているならば、その治療薬をコポリマーと合わせた後に熱可塑性材料処理を行い、治療薬含有担体領域を作り出すことができる。あるいは、相分離高分子領域の形成後に、またはex vivoでの多孔質高分子領域の形成後に、インビビションなどのような、以下に記述する技術を用いて治療薬を導入することができる。
本発明の相分離高分子領域を形成するための技術としては、溶媒に基づく技術が一般に好ましい。相分離高分子領域は、これらの技術を用いて、まず最後には相分離高分子領域を形成するポリマーまたはポリマー類(いくつかの実施態様では、加えて、溶解または分散された治療薬および/または他の任意の薬剤も)を含む溶液を準備し、続いて、溶媒の除去を行う(その除去により相分離が起こる)ことにより形成することができる。ポリマー技術では、ブロックコポリマーが直径約数十nmの相ドメインへと容易に相分離し得ることは周知である。
作り出される相の形態(相の大きさ、形状、配向、および連結性を含む)は、溶液内の生体崩壊性ブロックと生体安定性ブロックの相対量、生体崩壊性ポリマーブロックおよび生体安定性ポリマーブロックの組成および分子量、溶媒を形成する特定溶媒種、溶液中のポリマー(類)濃度、溶媒の蒸発が進行する温度、溶媒の蒸発速度(例えば、溶媒の揮発性、噴霧圧力、および噴霧処理の流速により決定される)などを含む数多くの因子によって異なる。さらに、電場、磁場、ゾーンキャスティング、またはポリマー分野で公知の他の方法を用いて、相を配向することができる。
一般経験則から、平衡から大幅に外れた条件では共連続的な相(この相により細孔の相互連結ネットワークがもたらされる)を増産する傾向があり、一方、平衡状態に近い条件ではロッドおよび単層のようなより正規な構造を生産する傾向がある。かかるロッド/単層形態の一部のみが除去される場合、非常に興味深い相互連結されたナノ多孔質形態が見込まれる。
前述のとおり、典型的な、溶媒に基づく技術では、最後には相分離高分子領域を形成するポリマーまたはポリマー類(すなわち、「ポリマー溶液」)を含む溶液が作り出される。選択される溶媒は1種以上の溶媒種を含み、それらの溶媒種は、高分子領域を形成するポリマーまたはポリマー類を溶解するそれらの能力、並びに乾燥速度、表面張力などを含む他の因子に基づいて一般に選択される。一般には、最良の特性を有する高分子領域を提供するものを見極めるために、いくつかの溶媒は試験される。
好ましい、溶媒に基づく技術としては、限定されるものではないが、溶液流延技術、スピンコーティング技術、ウェブコーティング技術、溶射技術、浸漬被覆技術、機械的サスペンション(空気サスペンションを含む)によるコーティングに関連する技術、インクジェット技術、静電技術、およびこれらの方法の組合せが挙げられる。
必要に応じて、かかる技術を繰り返して、または組み合わせて、高分子層を所望の厚さに作り上げることができる。高分子層の厚さは、他の方法によっても変えることができる。例えば、好ましい一方法、溶射法では、被膜厚さはコーティング処理パラメーターを変更すること(噴霧流速を増加すること、コーティングする基材と噴霧ノズルの間の移動を減速すること、反復パスを行うことなどを含む)により増加することができる。これらのパラメーターは相形態にも影響を及ぼすであろう。
いくつかの実施態様では、ポリマー溶液を基材に塗布して、高分子領域を形成する。例えば、その基材は、移植可能なまたは挿入可能な医療機器(ステントなど)の全体または一部に相当する場合があり、それに対して高分子層が適用される。その基材が、例えば、鋳型(金型など)でもある場合があり、それから、溶媒除去後、高分子領域が取り外される。他の実施態様、例えば、繊維成形技術では、基材の助けを借りずに高分子領域が形成される。
ある実施態様では、少なくとも1種の治療薬は、例えば、溶解または分散状態の、ポリマー溶液に添加され、それゆえに、治療薬は相分離高分子領域と同時に位置づけられる。もう一方で、他の実施態様では、治療薬は溶媒に溶解または分散され、その得られた溶液を、前もって形成された高分子領域と、(例えば、浸漬被覆、吹付などのような上記の1種以上の施用技術を用いて)接触させる。前もって形成された高分子領域は、例えば、生体安定性高分子相と、生体崩壊性高分子相とを含む相分離高分子領域であり得るし、または相分離高分子領域を、崩壊性高分子相が選択的に除去されるex vivo条件に供することにより作出される多孔質高分子領域であり得る。
担体領域とは対照的に、バリア領域は治療薬含有領域上に形成される。いくつかの実施態様では、少なくとも1つの生体安定性高分子相と、少なくとも1つの生体崩壊性高分子相とを含む相分離高分子領域は、例えば、上記の溶媒に基づく技術または熱可塑性技術の1つを用いて、治療薬含有領域上に形成される。他の実施態様では、前もって形成された高分子領域は治療薬含有領域上に適用される。例えば、多孔質高分子領域は、前のパラグラフに記載のとおりにex vivoで作出され得、治療薬の供給源上に適用され得る。
溶媒に基づく技術を用いて高分子領域を形成する場合には、溶媒種を除去するために、適用後に高分子領域を乾燥させることが好ましい。高分子領域は、一般には、乾燥処理中にいずれの支持構造の表面にもさらに適合する。
前述のとおり、本発明のいくつかの実施態様では、多孔質高分子領域は、少なくとも1つの崩壊性相が少なくとも1つの安定性高分子相から選択的に除去される方法により、ex vivoで形成される。少なくとも1つの崩壊性高分子相を選択的に除去するのに用いることができる条件の例には、昇温への曝露、崩壊性高分子相を溶解するのに有効な温度および圧力での水性および/または有機溶媒への曝露、少なくとも1つの崩壊性高分子相の分解(例えば、加水分解、触媒分解などを含む化学的溶解)をもたらす濃度、温度、および圧力での反応化学種(体液を含む)への曝露、少なくとも1つの崩壊性高分子相内の鎖の切断を引き起こすのに十分な放射線照射レベルなどが含まれる。それぞれの技術の成功の鍵は、かかる条件下で安定している少なくとも1つの高分子相を含み、かつかかる条件下では安定せず、そのために除去され得る少なくとも1つの別の高分子相を含む相分離領域を提供する能力である。
例えば、相分離高分子領域を、室温または昇温において、崩壊性高分子相に対しては優れた溶媒としての役割を果たすが、最後には多孔質高分子領域を形成する安定性高分子相を溶解しない溶媒(例えば、水、有機溶媒、またはそれらの組合せ)内に浸漬することができる。かかる高分子領域の具体的な一例は、ポリスチレン-ポリイソブチレン-ポリスチレン(SIBS)、安定性トリブロックコポリマー、およびポリエチレンオキシド(PEO)の相分離ブレンドである。PEOは、水溶性であるため、溶媒として水を用いて除去することができる。ポリマーを破壊せずに、溶解させる場合には、崩壊性高分子相は、一般に、除去されない安定性高分子相を形成するホモポリマーまたはコポリマーとは異なるホモポリマーまたはコポリマーに相当する。そうでなければ、崩壊性高分子相は、(例えば、相間に共有結合が存在するために)安定性高分子相から容易に分離されず、細孔は形成されない。結合切断をもたらさない溶解の他に、他の技術(崩壊性高分子相の溶融または昇華を必要とする系を含む)でも同じである。
もう1つの具体的な例では、ポリイソブチレン-ポリスチレン-ポリイソブチレントリブロックコポリマーは、放射線感受性ポリイソブチレンブロック内の鎖の切断を引き起こすのに有効であるが、放射線安定性ポリスチレンブロック内の鎖の切断がほとんど起こらない〜全く起こらない放射線量を受ける。
崩壊性相がex vivoで除去される場合、高分子領域の特定部分を、所望により(例えば、ナノ多孔質高分子領域作出のために)マスキングし、一部の領域の崩壊性相を選択的に除去することができ、一方、他の領域も崩壊性領域は(例えば、機械的完全性を高めるために)原形を保つ。
一度、ex vivoで多孔質高分子領域が作り出されたら、いくつかの実施態様では、例えば、上述のように溶液でインビビションすることにより、またはガス拡散によるなどの他の方法により、または治療薬を細孔に運ぶ超臨界流体を用いることにより、など、治療薬はその細孔に導入される。
本発明の他の態様では、少なくとも1つの生体安定性高分子相と、少なくとも1つの生体崩壊性高分子相とを含む相分離高分子領域を有する医療機器は、その生体崩壊性高分子相は原形を保ったまま、患者に投与される。生物学的環境により崩壊性相が除去される実施態様では、多孔質高分子領域はin vivoで作り出される。場合によっては、治療薬も高分子領域の内部に、または真下に準備され、その場合には、治療薬は患者への投与直後に一般的に放出される。
生体崩壊性高分子相のin vivo崩壊は、溶解(例えば、ポリマーが溶解する場合)および/または化学分解(ポリマーが少なくとも部分的に生体分解する場合)を含む様々な機構によって進行し得る。生体崩壊性相の破壊は、一般的には、生体崩壊性相を構成する生体崩壊性ポリマーブロックの、生物学的に許容し得る、徐々に小さくなる化合物への加水分解を伴う。例えば、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、およびそれらのコポリマーは、最終的には乳酸およびグリコール酸に分解され、クレブス回路に入り、そこで二酸化炭素と水にさらに分解され、正常過程により排出される。
生体崩壊は、いくつかの実施態様では、例えば、ポリマーがポリマーマトリックス全体にわたってかなり均一に分解されるバルク加水分解によって起こるり得る。しかしながら、例えば、生体崩壊性ブロックがポリオルトエステルまたはポリ無水物を含む他の実施態様では、崩壊は一般にポリマーの表面で起こり、そのため、放出速度は放出領域の表面積に比例したものとなる。
上述のとおり、治療薬は、少なくとも1つの生体安定性高分子相と、少なくとも1つの生体崩壊性高分子相とを含む相分離高分子領域の内部に、または真下に準備してよく、その場合には治療薬は生物学的環境に放出され得る。特定の理論にとらわれるものではないが、これらの実施態様における治療薬の放出は、特に以下の機構のうちの1つ以上によって、起こると考えられる:原形のままの高分子相内での治療薬の拡散により、高分子相の膨潤/水和後の膨潤/水和した高分子相内での治療薬の拡散による、およびポリマー分解による。
ポリマー分解に関し、(例えば、上述の親水/疎水効果から)治療薬が相分離高分子領域の生体崩壊性相内に選好的に配置される実施態様では、ポリマーの分解によって、細孔内の治療薬が放出され、それにより、治療薬の放出速度が制御されると思われる。もう一方で、治療薬が相分離高分子領域の生体安定性相内に選好的に配置される実施態様では、ポリマーの分解によって、細孔またはチャネルが作出されることにより(これらの細孔またはチャネルには周囲流体が満たされ得、そこに治療薬が拡散し得る)治療薬の放出が制御されると思われる。
同様に、治療薬が相分離高分子領域の真下に準備される他の実施態様では、ポリマーの分解は、治療薬の放出速度の制御を手助けすると思われる細孔またはチャネルの作出を手助けする。言い換えれば、ポリマーの分解は速度制御する多孔質膜を作り出す。
治療薬の放出速度が、主として、細孔を通じた拡散により起こる場合、その放出速度は、多孔性マトリックスの孔径および屈曲度、並びに多孔質高分子領域の他の物理的および化学的特性により制御され得る。
(実施例1)
ポリ(カプロラクトン)-ポリイソブチレン-ポリ(カプロラクトン)ブロックコポリマーの合成および特性付け
ブロックコポリマー合成.
1. ヒドロキシル末端官能性ポリイソブチレン高分子開始剤の合成
リビングカチオン重合過程によって、カルボン酸末端基を有するポリイソブチレンを合成する。ヘキサン/塩化メチル(MeCl)(60/40 v/v)中の、[イソブチレン]=0.09M、プロトントラップとしての[2,6-ジ-tert-ブチルピリジン(DTBP, Aldrich)]=3x10-3M、および開始剤としての[2-クロロ-2,4,4-トリメチルペンタン(TMPCl)]=2x10-3Mを、予冷した400mL丸底フラスコに添加する。-80℃でTiCl4原液([TiCl]=3.6x10-2M)を添加することによりイソブチレンの重合を開始し、1時間重合する。そのリビングポリイソブチレンに、2当量の1,1-ジフェニルエチレン(DPE, Aldrich)または1,1-p-ジトリルエチレン(DTE, Aldrich)原液を添加することによりin-situでキャップして、ポリイソブチレン鎖末端を官能基化する。1時間キャッピングした後、反応混合物に2当量の[(2-メチル-1-メトキシ-1-トリメチルシロキシ-プロペン(MTSP)原液を添加する。1時間反応させた後、反応混合物を予冷したメタノールでクエンチし、それをNH4OH/メタノール(10/90 v/v)に注いで、反応混合物を中和する。得られたメトキシカルボニル末端官能基化ポリイソブチレンを、ヘキサンからメタノールへと沈殿を繰り返し、その後、真空乾燥を行うことにより精製する。
上記ポリマーのメトキシカルボニル基を還元することにより、ヒドロキシル末端官能性ポリイソブチレンを得る。THF(20mL)中のLiAlH4(1.51g, 39.8mmol)の懸濁液に、THF(20mL)中のメトキシカルボニル末端官能基化PIBポリマー(1.90g, 0.6mmol)の溶液を、窒素下、0℃で添加する。得られた溶液を室温にて1時間攪拌し、50時間還流する。その溶液に、2%H2SO4(30ml)溶液を、窒素下、0℃で添加する。H2SO4添加完了後、ヘキサン(100ml)を添加する。その溶液を水で数回、さらに希炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄する。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発濃縮する。得られたポリマーをヘキサンからメタノールへと沈殿させた後、50℃で真空乾燥を行う。
メトキシカルボニル末端官能性ポリイソブチレンの調製と、その後の、ヒドロキシル末端官能性ポリイソブチレンを形成するためのメトキシカルボニル基の還元についての概要を以下に示す:
Figure 2008528212
2. ジヒドロキシル末端官能性ポリイソブチレン高分子開始剤の合成
上記のヒドロキシル末端官能性ポリイソブチレンの合成と同様の方法で、ポリイソブチレンのリビングカチオン重合の開始剤としての塩化5-tert-ブチル m-ジクミルと、キャッピング反応のためのDTEを用いて、2つのヒドロキシル末端官能基を有するポリイソブチレンを合成する。
3. ポリ(カプロラクトン-b-イソブチレン)ジブロックコポリマーの合成.
トルエン中のヒドロキシル末端官能性ポリイソブチレン高分子開始剤、カプロラクトン、およびSn(Oct)2(1当量/ヒドロキシル末端基)を、窒素下、室温にて丸底フラスコに入れる。そのフラスコを120℃の油浴中に連続攪拌しながら24時間入れておく。24時間後、ポリマー溶液をメタノールに注ぎ、得られたポリマーを真空乾燥させる。およそ5.2kDaのMnを有するポリイソブチレンブロックと、およそ14.4kDaのMnを有するポリ(カプロラクトン)末端ブロックを用いて、ジブロックコポリマーを合成する。
4. ポリ(カプロラクトン-b-イソブチレン-カプロラクトン)トリブロックコポリマーの合成.
およそ36〜66kDaのMnを有するポリイソブチレン中間ブロックと、2.6〜18kDaの様々な分子量を有するポリ(カプロラクトン)末端ブロックを用いる上記のポリイソブチレン-ポリカプロラクトンブロックコポリマーの合成と同様の方法で、ε-カプロラクトンと、高分子開始剤としてのジヒドロキシル末端官能性ポリイソブチレンを用いて、トリブロックコポリマーを合成する。
特性付け.
1H NMRスペクトルは、CDCl3中で、Broker 250MHz装置を用いて記録する。IRnスペクトル(IR nspectra)は、PERKIN ELMER FT-IR分光光度計 1720xを用いて測定する。上記の、合成工程1〜4のポリマー生成物の分子量および分子量分布は、Viscotek GPCシステム(モデル250 RI/粘度検出器)により、以下の系:500、103、104、105、および100Å、に接続された5つのウルトラスタイラジェルカラムを用いて測定する。テトラヒドロフラン(THF)は、溶出剤として、流速1mL/分で用いる。コポリマー中のポリカプロラクトンセグメントのMnは、1H NMR分光法により、7.6〜7.7ppmのポリイソブチレン芳香族末端基のシグナルと、4.10ppmのポリカプロラクトンメチレン基のシグナルの強度比からも算出した。示差走査熱量測定(DSC)は、2910 変調DSC(TA Instruments)で、-100℃〜200℃の温度において10℃/分の加熱/冷却走査速度を用いて行う。
(実施例2)
ポリ(乳酸)-ポリイソブチレン-ポリ(乳酸)トリブロックコポリマーの合成および特性付け
ブロックコポリマー合成.
1. ジヒドロキシル末端官能性ポリイソブチレン高分子開始剤の合成
ポリイソブチレンのリビングカチオン重合の開始剤として、2つのヒドロキシル末端官能基を有するポリイソブチレンを合成する。上記合成方法の別法として、ジ-アルデヒド-テレケリックポリイソブチレンの調製により、ジヒドロキシル末端官能性ポリイソブチレン高分子開始剤を処方する。
ジ-アリル末端ポリイソブチレンをドライボックスで調製する。300mLの無水ヘキサン、200mLの塩化メチル、40.0mLのIB、0.125mLのDTBP、および0.1982gの開始剤(5-tert-ブチル-1,3-ビス(2-メトキシ-2-プロピル)ベンゼン)を、機械攪拌器を備えた1L三つ口フラスコで-80℃にて混合する。10mLの無水ヘキサンに溶かした2.5mLのTiCl4を添加することにより、反応を開始する。1時間反応させた後、2.5mLのTiCl4および2.5mLのアリル-トリメチルシランを添加する。合計反応時間は2時間である。100mLの予冷したメタノールを添加することにより、反応を終了させる。溶媒を蒸発させ、ポリマーをヘキサン(50mL)に2回溶解し、それをメタノール(200mL)で沈殿させることにより、ポリマーを精製する。そのポリマーを真空乾燥させる。
得られたジ-アリル末端ポリイソブチレンからジ-エポキシ-テレケリックポリイソブチレンを調製する。ジアリル-PIB(26.1g)を200mLのCH2Cl2に溶かす。次いで、連続攪拌中に、250mLのCH2Cl2中の5.0gの3-クロロ-過安息香酸を30分かけて添加する。その混合物をさらに6時間攪拌する。過剰のメタノールを添加することにより、ポリマーを沈殿させる。その粗ポリマーを真空乾燥させる。
エポキシ末端ポリマー(25.6g)を110℃で200mLのトルエンに溶かした後、0.1gの臭化亜鉛を添加し、その混合物を2時間沸騰させる。ZnBr2を濾去し、溶媒を蒸発させて、ジ-アルデヒド-テレケリックポリイソブチレンを得る。このアルデヒド末端ポリイソブチレン(25g)を200mLの無水テトラヒドロフランに溶かし、1.0gのLiAlH4を添加し、その混合物を一晩沸騰させる。2mLの20%(m/m)H2SO4を添加することにより、残留するLiAlH4を分解する。溶媒を蒸発させ、ポリマーをヘキサン(50mL)に溶かし、メタノール(200mL)で沈殿させることにより、ポリマーを精製する。
2. ポリ(乳酸)-ポリイソブチレン-ポリ(乳酸)コポリマーの合成
油浴および磁気攪拌装置を備えた100mL丸底フラスコにおいて、7.8gのジヒドロキシル末端官能性ポリイソブチレン(Mn 約40kDa)および0.25gのオクチル酸スズを、窒素下、100℃で30.4mLの無水トルエンに溶かす。溶解完了(55分)後、5.7gのL,L-ラクチドを添加する。反応混合物を20時間攪拌し、溶媒を蒸発させる(80℃, 20-2 Hgmm)。
高分子開始剤としてヒドロキシル末端官能性ポリイソブチレンを用いる乳酸の重合についての概要を以下に示す(式中、PIBはポリイソブチレンであり、かつPLAはポリ(乳酸)である:
Figure 2008528212
特性付け.
クロマトグラフィーカラム(38x540mm)に、CH2Cl2中300gのKieselゲル(0.063〜0.2mm)を充填する。そのカラムを600mLのCH2Cl2で洗浄する。13.0gの粗トリブロックを130mLのCH2Cl2に溶かし、そのカラムに流す。7画分へと分画することにより、画分3、4、5、6がポリ(乳酸)-ポリイソブチレン-ポリ(乳酸)ブロックコポリマーであり、画分1および2が未反応のポリイソブチレンホモポリマーを含み、画分7がトリブロックコポリマーとポリ(乳酸)ホモポリマーをほぼ確実に含む、二峰性分布を示すことを確認した。
(実施例3)
ステント被膜
1. 被膜の調製
25重量%テトラヒドロフラン(THF)、74重量%トルエン、および1重量%固体(パクリタキセルおよびポリマー)を含む溶液を準備する。パクリタキセルおよびTHFを、パクリタキセルが十分に溶解するまで混合し、その後、ポリマー、続いてトルエンを添加し、十分に(例えば、一晩)混合し、濾過することにより、全体の溶液を調製する。
以下を含む溶液を作製した:(1)0.25重量%パクリタキセルと0.75重量%の、「ブロックコポリマーを含む薬物送達組成物および医療機器」と題する米国特許出願第20020107330号および米国特許第6,545,097号に記載のポリスチレン-ポリイソブチレン-ポリスチレン(0.25重量%)トリブロックコポリマー(SIBS)およびポリカプロラクトン-ポリイソブチレン-ポリカプロラクトン(0.50重量%)トリブロックコポリマー(PCL-PIB-PCL)を含むコポリマーブレンド;(2)0.25重量%パクリタキセルと0.75重量%の、0.25重量%PCL-PIB-PCLおよび0.50重量%SIBSを含むコポリマーブレンド;(3)0.25重量%パクリタキセルと0.75重量%の、0.10重量%PCL-PIB-PCLおよび0.65重量%SIBSを含むコポリマーブレンド;(4)0.25重量%パクリタキセルと0.75重量%PCL-PIB-PCL(5)0.25重量%パクリタキセルと0.75重量%のポリ(乳酸)-ポリイソブチレン-ポリ(乳酸)トリブロックコポリマー(PLA-PIB-PLA);(6)0.088重量%パクリタキセルと0.912重量%PLA-PIB-PLA、(7)0.25重量%パクリタキセルと0.75重量%の、0.25重量%SIBSおよび0.50重量%ポリカプロラクトン-ポリイソブチレンジブロックコポリマー(PCL-PIB)を含むコポリマーブレンド;(8)0.25重量%パクリタキセルと0.75重量%の、0.65重量%SIBSおよび0.10重量%PCL-PIBを含むコポリマーブレンド;(9)0.25重量%パクリタキセルと0.75重量%PCL-PIB;(10)0.088重量%パクリタキセルと0.912重量%SIBS、(11)0.25重量%パクリタキセルと0.75重量%SIBS。
次いで、各溶液をシリンジポンプに入れ、噴霧ノズルに送る。ステントをノズルと平行に保持装置上に載せ、均一な被覆を確実に行うために回転させる。使用する噴霧装置によっては、1回以上のパスで噴霧している間にノズルがステントに沿って移動するように、ステントまたは噴霧ノズルのいずれかを噴霧中に移動させることができる。このようにして担体被膜を形成した後、ステントを、例えば、ステントを予熱したオーブン内に65℃にて30分間、続いて、70℃にて3時間入れておくことにより乾燥させる。この方法でそれぞれの溶液についての8個のステントを形成する。
2. ステント被膜からのパクリタキセルの放出
本発明に従って調製したステント被膜からのパクリタキセルの放出を時間の関数として測定する。0.5重量%Tween(登録商標)20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)(Sigma-Aldrichから入手可能)を含むPBS中へのパクリタキセルの累積放出として(時間の関数として)得た結果は以下のとおり示される:図2は、上記の溶液(1)および(11)を用いて形成された被膜で得られた結果を示したグラフであり;図3は、上記の溶液(4)および(11)を用いて形成された被膜で得られた結果を示したグラフであり;図4は、上記の溶液(5)、(6)、(10)、および(11)を用いて形成された被膜で得られた結果を示したグラフであり;図5は、上記の溶液(7)、(8)、(9)、および(11)を用いて形成された被膜で得られた結果を示したグラフであり;図6は、上記の溶液(3)、(4)、および(11)を用いて形成された被膜で得られた結果を示したグラフであり;そして、図7は、上記の溶液(1)、(2)、(4)、および(11)を用いて形成された被膜で得られた結果を示したグラフである。
本明細書では様々な実施態様を具体的に示し、記載するが、当然のことながら、本発明の修飾および変形は上記の教示の範囲であり、本発明の精神および意図された範囲を逸脱することなく添付の請求項の範囲内である。
2つの高分子相を含む高分子領域の一連の理想形態の例を示す図である。 様々なポリマーおよびポリマーブレンドでコーティングされたステントでの治療薬であるパクリタキセルの動的放出速度を時間の関数として示したグラフである。

Claims (66)

  1. 相分離高分子領域を含む移植可能なまたは挿入可能な医療機器であって、該相分離高分子領域が(a)生体安定性高分子相と、(b)該相分離高分子領域がin vivoでナノ多孔質高分子領域となるようにin vivoで生体崩壊を受ける、ナノスケール規模の、生体崩壊性高分子相とを含む、移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  2. 前記生体崩壊性高分子相と前記生体安定性高分子相が前記高分子領域の少なくとも一部において共連続的である、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  3. 前記生体崩壊性高分子相が前記高分子領域の少なくとも一部において前記高分子領域の厚さ全体にわたっている、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  4. ガイドワイヤー、バルーン、大静脈フィルター、ステント、ステントグラフト、血管グラフト、脳動脈瘤フィラーコイル、心筋プラグ、心臓弁、血管弁、および再生医療用スキャフォールドから選択される、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  5. 前記高分子領域が(a)生体安定性ホモポリマーまたはコポリマーと、(b)生体崩壊性ホモポリマーまたはコポリマーとを含む、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  6. 前記高分子領域が(a)生体安定性ホモポリマーと、(b)生体崩壊性ホモポリマーまたはコポリマーとを含む、請求項5記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  7. 前記生体安定性ホモポリマーが、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、アルキレンモノマー、ハロゲン化アルキレンモノマー、ビニルエーテルモノマー、ビニル芳香族モノマー、およびオルガノシロキサンモノマーから選択されるモノマーを含む、請求項6記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  8. 前記高分子領域が(a)生体安定性コポリマーと、(b)生体崩壊性ホモポリマーまたはコポリマーとを含む、請求項5記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  9. 前記生体安定性コポリマーが、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、アルキレンモノマー、ハロゲン化アルキレンモノマー、ビニルエーテルモノマー、ビニル芳香族モノマー、およびオルガノシロキサンモノマーから選択される1種以上のモノマーを含む、請求項8記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  10. 前記生体安定性コポリマーが、ビニル芳香族モノマーおよびアルキレンモノマーを含む、請求項9記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  11. 前記高分子領域が(a)生体安定性ホモポリマーまたはコポリマーと、(b)生体分解性ホモポリマーとを含む、請求項5記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  12. 前記生体分解性ホモポリマーが生体分解性ポリエステルホモポリマーである、請求項11記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  13. 前記高分子領域が(a)生体安定性ホモポリマーまたはコポリマーと、(b)生体分解性コポリマーとを含む、請求項5記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  14. 前記生体分解性コポリマーが生体分解性ポリエステルコポリマーである、請求項13記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  15. 前記高分子領域が(a)生体安定性ホモポリマーまたはコポリマーと、(b)生体溶解性ホモポリマーまたはコポリマーとを含む、請求項5記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  16. 前記生体溶解性ホモポリマーまたはコポリマーがアルキレンオキシドモノマーまたはアルキレンオキシドモノマーの組合せを含む、請求項15記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  17. 前記高分子領域が、生体安定性ポリマーブロックと、生体分解性ポリマーブロックとを含むブロックコポリマーを含む、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  18. 前記生体安定性ポリマーブロックが、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー、ビニルエーテルモノマー、アルケンモノマー、ハロゲン化アルケンモノマー、およびオルガノシロキサンモノマーから選択されるモノマーを含むホモポリマーブロックであり、かつ前記生体分解性ポリマーブロックが生体分解性ポリエステルホモポリマーまたはコポリマーブロックである、請求項17記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  19. 前記生体安定性ポリマーブロックが、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー、ビニルエーテルモノマー、アルケンモノマー、ハロゲン化アルケンモノマー、オルガノシロキサンモノマー、およびそれらの組合せから選択されるモノマーを含むコポリマーブロックであり、かつ前記生体分解性ポリマーブロックが生体分解性ポリエステルホモポリマーまたはコポリマーブロックである、請求項17記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  20. 前記ブロックコポリマーが、生体安定性ポリ(ビニル芳香族)ブロックと、生体安定性ポリアルキレンブロックと、ポリカプロラクトンブロック、ポリ(グリコール酸)ブロック、ポリ(乳酸)ブロック、およびポリ(乳酸−コ−グリコール酸)ブロックから選択される生体分解性ブロックとを含む、請求項17記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  21. 前記コポリマーが(i)生体安定性低Tgブロックと、(ii)生体分解性ポリマーブロックを含む、請求項17記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  22. 前記生体安定性低Tgブロックが、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ビニルエーテルモノマー、アルケンモノマー、ハロゲン化アルケンモノマー、オルガノシロキサンモノマー、およびそれらの組合せから選択されるモノマーを含むホモポリマーまたはコポリマーブロックであり、かつ前記生体分解性ポリマーブロックが生体分解性ポリエステルホモポリマーまたはコポリマーブロックである、請求項21記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  23. 前記ブロックコポリマーがポリイオスブチレン中間ブロック(polyiosbutylene midblock)と、複数の生体分解性ポリマー末端ブロックとを含む、請求項17記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  24. 前記ブロックコポリマーが生体安定性ポリマー主鎖と、複数の生体分解性ポリマー側鎖とを、または生体安定性ポリマー中間ブロックと、複数の生体分解性ポリマー末端ブロックとを含む、請求項17記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  25. 前記高分子領域が繊維である、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  26. 前記高分子領域が高分子層である、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  27. 前記高分子層が医療機器基材に対する被膜である、請求項26に記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  28. 前記高分子領域の真下にまたは内部に配置された治療薬をさらに含む、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  29. 前記高分子領域が高分子層形態であり、かつ該高分子層が前記治療薬を含む領域上に配置されている、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  30. 前記高分子領域が高分子層形態であり、かつ該高分子層が治療薬を含む、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  31. 前記高分子領域が、溶媒と溶解ポリマーとを含む溶液または分散液からの該溶媒の蒸発により形成される、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  32. 前記溶液が医療機器の表面に噴霧される、請求項31記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  33. 前記溶液が溶解または分散状態の治療薬をさらに含む、請求項31記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  34. 移植可能なまたは挿入可能な医療機器であって、(a)生体安定性ポリマーブロックと、in vivoで生体崩壊を受ける生体分解性ポリマーブロックとを含むブロックコポリマーを含む相分離高分子領域と、(b)該相分離高分子領域内部に配置され、in vivoで放出される治療薬とを含む、移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  35. 前記相分離高分子領域が、生体崩壊性高分子相と、生体安定性高分子相とを含む、請求項34記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  36. 前記相分離高分子領域が、生体崩壊性高分子相と、生体安定性高分子相とを含み、かつ前記生体崩壊性高分子相が前記高分子領域の少なくとも一部において前記高分子領域の厚さ全体にわたっている、請求項34記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  37. ガイドワイヤー、バルーン、大静脈フィルター、ステント、ステントグラフト、血管グラフト、脳動脈瘤フィラーコイル、心筋プラグ、心臓弁、血管弁、および再生医療用スキャフォールドから選択される、請求項34記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  38. 前記高分子領域が、溶媒と、溶解状態の前記ブロックコポリマーと、所望により、溶解または分散状態の前記治療薬とを含む溶液または分散液からの該溶媒の蒸発により形成される、請求項34記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  39. 前記生体安定性ポリマーブロックが、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー、ビニルエーテルモノマー、アルケンモノマー、ハロゲン化アルケンモノマー、およびオルガノシロキサンモノマーから選択されるモノマーを含むホモポリマーブロックであり;かつ前記生体分解性ポリマーブロックが生体分解性ポリエステルホモポリマーまたはコポリマーブロックである、請求項34記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  40. 前記生体安定性ポリマーブロックが、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー、ビニルエーテルモノマー、アルケンモノマー、ハロゲン化アルケンモノマー、オルガノシロキサンモノマー、およびそれらの組合せから選択されるモノマーを含むコポリマーブロックであり;かつ前記生体分解性ポリマーブロックが生体分解性ポリエステルホモポリマーまたはコポリマーブロックである、請求項34記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  41. 前記ブロックコポリマーが、生体安定性ポリ(ビニル芳香族)ブロックと、生体安定性ポリアルキレンブロックと、ポリ(グリコール酸)ブロック、ポリ(乳酸)ブロック、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)ブロック、およびポリカプロラクトンブロックから選択される生体分解性ブロックとを含む、請求項34記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  42. 前記コポリマーが(a)生体安定性低Tgブロックと、(b)生体分解性ポリマーブロックを含む、請求項34記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  43. 前記生体安定性低Tgブロックが、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ビニルエーテルモノマー、アルケンモノマー、ハロゲン化アルケンモノマー、オルガノシロキサンモノマー、およびそれらの組合せから選択されるモノマーを含むホモポリマーまたはコポリマーブロックであり、かつ前記生体分解性ポリマーブロックが生体分解性ポリエステルホモポリマーまたはコポリマーブロックである、請求項42記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  44. 前記ブロックコポリマーがポリイオスブチレン中間ブロック(polyiosbutylene midblock)と、複数の生体分解性ポリマー末端ブロックとを含む、請求項42記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  45. 前記ブロックコポリマーが生体安定性ポリマー主鎖と、複数の生体分解性ポリマー側鎖とを、または生体安定性ポリマー中間ブロックと、複数の生体分解性ポリマー末端ブロックとを含む、請求項34記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  46. 前記高分子層が医療機器基材に対する被膜である、請求項34に記載の移植可能なまたは挿入可能な医療機器。
  47. ナノ多孔質高分子領域を含む移植可能なまたは挿入可能な医療機器を作製する方法であって、(a)安定性高分子相と、ナノスケール規模の崩壊性高分子相とを含む相分離高分子領域を準備すること、(b)該崩壊性高分子相を選択的に除去し、それにより該ナノ多孔質高分子領域を作り出すことを含む、方法。
  48. 前記崩壊性高分子相の除去後に、前記ナノ多孔質高分子領域が医療機器基材に取り付けられる、請求項47記載の方法。
  49. 前記相分離高分子領域が基礎医療機器基材に対する被膜であり、かつ前記相分離高分子領域が該基材上に配置される間に、前記崩壊性高分子相が該相分離高分子被膜から除去される、請求項47記載の方法。
  50. 前記医療機器が、ガイドワイヤー、バルーン、大静脈フィルター、ステント、ステントグラフト、血管グラフト、脳動脈瘤フィラーコイル、心筋プラグ、心臓弁、血管弁、および再生医療用スキャフォールドから選択される、請求項47記載の方法。
  51. 前記相分離高分子領域が(a)溶解性ホモポリマーまたはコポリマーと、(b)非溶解性ホモポリマーまたはコポリマーとを含み、かつ該溶解性ポリマーまたはコポリマーが溶解過程により前記相分離高分子領域から除去される、請求項47記載の方法。
  52. 前記崩壊性高分子相がポリマー分解過程により除去される、請求項47記載の方法。
  53. 前記分解過程が酵素作用または加水分解によって引き起こされる、請求項52記載の方法。
  54. 前記分解過程が放射線照射によって引き起こされる、請求項52記載の方法。
  55. 前記高分子領域が、生体安定性ポリマーブロックと、生体分解性ポリマーブロックとを含むブロックコポリマーを含む、請求項52記載の方法。
  56. 前記生体安定性ポリマーブロックが、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ビニル芳香族モノマー、ビニルエーテルモノマー、アルケンモノマー、ハロゲン化アルケンモノマー、オルガノシロキサンモノマー、およびそれらの組合せから選択されるモノマーを含むホモポリマーまたはコポリマーブロックであり、かつ前記生体分解性ポリマーブロックが生体分解性ポリエステルホモポリマーまたはコポリマーブロックである、請求項55記載の方法。
  57. 前記ブロックコポリマーが、生体安定性ポリ(ビニル芳香族)ブロックと、生体安定性ポリアルキレンブロックと、ポリカプロラクトンブロック、ポリ(グリコール酸)ブロック、ポリ(乳酸)ブロック、およびポリ(乳酸−コ−グリコール酸)ブロックから選択される生体分解性ブロックとを含む、請求項55記載の方法。
  58. 前記ブロックコポリマーが(i)生体安定性低Tgブロックと、(ii)生体分解性ポリマーブロックを含む、請求項55記載の方法。
  59. 前記ブロックコポリマーがポリイオスブチレン中間ブロック(polyiosbutylene midblock)と、複数の生体分解性ポリマー末端ブロックとを含む、請求項55記載の方法。
  60. 前記ブロックコポリマーが生体安定性ポリマー主鎖と、複数の生体分解性ポリマー側鎖とを、または生体安定性ポリマー中間ブロックと、複数の生体分解性ポリマー末端ブロックとを含む、請求項55記載の方法。
  61. 前記ブロックコポリマーが放射線安定性ポリマーブロックと、放射線分解性ポリマーブロックとを含み、かつ前記ブロックコポリマーが、該放射線分解性ポリマーブロックを分解するのに有効な放射線量を受け、それによって該放射線分解性ポリマーブロックの前記相分離高分子領域からの除去を可能にする、請求項55記載の方法。
  62. 前記ブロックコポリマーが(a)放射線安定性高Tgブロックと、(b)放射線分解性ブロックを含む、請求項55記載の方法。
  63. 前記ブロックコポリマーが放射線安定性ポリスチレンブロックと、放射線分解性ポリイソブチレンブロックとを含む、請求項55記載の方法。
  64. 前記ナノ多孔質高分子領域の真下にまたは内部に治療薬を準備することをさらに含む、請求項47記載の方法。
  65. 前記相分離高分子領域が、溶媒と溶解ポリマーとを含む溶液または分散液からの該溶媒の蒸発により形成される、請求項47記載の方法。
  66. 前記高分子層が医療機器基材に対する被膜である、請求項47に記載の方法。
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