JP2008526948A - 抗マラリア活性を有する9a−カルバモイルおよびチオカルバモイルアザライド - Google Patents

抗マラリア活性を有する9a−カルバモイルおよびチオカルバモイルアザライド Download PDF

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Abstract

9a−カルバモイルおよびチオカルバモイルアザライドA、ならびにそれらの医薬上許容される誘導体は、マラリアの治療および予防に有用である。

Description

本発明は、マラリアの治療および予防のための9a−カルバモイルおよびチオカルバモイルアザライドならびにその医薬上許容される誘導体の使用に関する。
本発明は、マラリア原虫が耐性を生じない、マラリアの治療にこれまで使用されていない抗マラリア剤の使用を対象とする。
マラリアは深刻な感染症である。毎年、2億〜3億人が、マラリアに感染し、200万〜300万人が、マラリアで死亡する。この疾患は、雌のハマダラカ(Anopheles mosquito)によって伝搬される寄生虫(プラスモディウム属の原虫)により引き起こされる。ヒトに影響を及ぼす恐れがある4種の寄生虫、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(P.vivax)、卵型マラリア原虫(P.ovale)、および四日熱マラリア原虫(P.malariae)が存在する。熱帯熱マラリア(熱帯熱マラリア原虫によって引き起こされる)、三日熱マラリア(三日熱マラリア原虫または卵型マラリア原虫によって引き起こされる)、および四日熱マラリア(四日熱マラリア原虫によって引き起こされる)に区別される。熱帯熱マラリアは、その疾患の最も重症な型であり、重い全身症状が特徴であり、時には死を引き起こす。
マラリアは、悪寒、発熱、および発汗の発作を特徴とし、それらは、体内での寄生虫の新世代の成長に必要な時間に応じた間隔で起こる。急性発作から回復した後、この疾患は、慢性的になる傾向があり、時折再発する。この疾患は、ブラジルのアマゾン領域、東部および南部アフリカ、ならびに東南アジアを含めた世界の熱帯および亜熱帯地域で流行している。マラリアの万能薬としてかなり使用されている薬剤クロロキンに耐性を示すマラリア原虫の出現は、深刻な問題となっており、そのため有効な治療を開発する緊急の必要がある。また、マラリアワクチンを開発する試みは、うまくいっていない。これは、マラリアを治療する代替薬剤に基づく方法を見い出す緊急の必要性を増大させている。
クロロキン、メフロキン、ハロファントリン、アーテミシニン、アトバコン/プログアニル(Malarone(商標))、ドキシサイクリン、プリマキンなど、多様な化学薬品クラスの薬剤が、マラリア治療のために開発されている。しかし、マラリアのいくつかの菌株に対してはわずかに成功しているが、マラリアのほとんどの菌株は、個々の薬剤だけでなく薬剤の多数併用に対しても耐性を示しているように思われる。最初に作用した薬剤は、しばらくしてまったく効果がなくなる。寛解の最初の期間の後、しばしばこの疾患に対して効果がないように見える期間が続く。これは、多剤耐性として周知であり、抗マラリア薬開発の取り組みにおいて依然として問題となっている。1種または複数の薬剤による治療に最初に応答するマラリア原虫は、以前使用した薬剤だけでなく他の多くの抗マラリア薬を使用する治療にも耐性を示すようになる。これはさらに、マラリアおよび最小の毒性に対して良好な効果を示す新規な化合物を見い出す緊急の必要性を強調している。
ここ数年、いくつかのレポートに、マクロライドがマラリアに対して治療的使用ならびに予防的使用の可能性を有することが示された。ミデカマイシンは、プラスモディウム・ベルグヘイ(Plasmodium berghei)およびプラスモディウム・ヨエリ・ニジェリエンシス(Plasmodium yoelii nigeriensis)(マウス)、ならびにプラスモディウム・シノモルギ(Plasmodium cynomolgi)(アカゲザル)を使用する2種の感染モデルにおいて1989年に研究された[S.K.PuriおよびG.P.Duti、Chemotherap、第35巻(1989年)187頁]。両方のマウスモデルでは、ミデカマイシンは活性であった。プラスモディウム・ベルグヘイ感染症のための用量は、プラスモディウム・ヨエリ・ニジェリエンシス用より著しく低かった。サルモデルでは、効果は示されなかった。他の研究では、動物モデルは、アジヒロマイシン(azihromycin)で検証された[S.K.PuriおよびN.Singh、Exp.Parasitol、第94巻(2000年)8頁]。用量レジメン25〜50mg/kgは、抗菌治療に使用されるのと同じ用量を表している。アジスロマイシンは、予防および治療投薬で作用し、ミデカマイシンとは異なり、アジスロマイシンはまた、サルモデルにも活性であった。
マラリア感染症に対する治療でのアジスロマイシンの効果は、ガンビアで研究された[S.T.Sadiqら、Lancet、1995年、第30巻、346頁、881頁]。トラコーマ(アジスロマイシンはC.トラコマチスに対して非常に有効)の治療を受ける小児はまた、マラリア予防または治療効果の徴候に関して調査された。マラリア感染症の様々な指標の明らかな改善は、アジスロマイシンの顕著な治療上の利益を示唆していた。アジスロマイシンの予防的効果は、ケニアで確認された[S.L.Andersonら、Ann.Intern.Med.、第123巻、771頁]。成人ボランティアにおける有意な防御は、毎日250mgを摂取する方式と週に1000mgのレジメンを使用して得られたより良い予防法で実現された。また、インドネシアのイリアンジャヤにおけるアジスロマイシンを用いた二重盲検プラセボ対照試験では[W.R.Taylorら、Clin.Infect.Dis.、第28巻(1999年)522頁]、非免疫患者を治療したアジスロマイシンの予防的効果は、対照に比べて熱帯熱マラリア原虫に関しては71.6%、三日熱マラリア原虫に関しては98.9%であった。
9a−カルバモイルおよびチオカルバモイルアザライドが、抗マラリア活性を有することが見い出された。したがって、これらの化合物は、マラリアの治療および予防において使用され得る。
本発明は、一般式(I):
Figure 2008526948
(I)
[式中、
は、水素であり、またはRと一緒になって二重結合となり;
は、式(II):
Figure 2008526948
(II)
のクラジノース糖、水素、ヒドロキシル、または式(III):
Figure 2008526948
(III)
の基(式中、Yは、ハロゲン、OH、OMe、NO、およびNHから選択される1個もしくは複数の基で置換された、または非置換の単環式芳香族環である)であり;あるいは
は、Rと一緒になってケトンとなり、またはRと一緒になって二重結合となり;
は、水素であり、またはRと一緒になってケトンとなり、またはRと一緒になってエーテルとなり;
は、ヒドロキシルもしくはOMeであり、またはRと一緒になってエーテルとなり;
は、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、−(CH−Ar(式中、Arは、NおよびOから選択されるヘテロ原子を0〜3個含み、ハロゲン、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキル、もしくはC1〜6アルコキシのうちの1個もしくは複数で置換されたまたは非置換の、炭素原子が最高10個の単環または二環式芳香族環であり、mは、0〜3である)であり;あるいは
は、式(IV)の置換アリール基であり、
Figure 2008526948
(IV)
ここで、Rは、H、C〜Cアルキル、またはハロゲンであり、あるいは
は、式(V)の置換アリール基であり、
Figure 2008526948
(V)
ここで、Rは、クロロ、アミノ、フェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3,4−ジメチルイソオキサゾリル−5−アミノ、または5−メチルイソオキサゾリル−3−アミノであり;
は、水素またはヒドロキシル保護基であり;
Xは、酸素または硫黄である]
で表される9a−カルバモイルおよびチオカルバモイルアザライド、またはその医薬上許容される誘導体の投与を含むマラリアの治療または予防の方法を対象とする。
本発明はまた、マラリア疾患を予防または抑制する際の式Iの化合物の使用を対象とする。
いくつかの実施形態では、マラリアの治療または予防の方法は、式(I)の化合物[式中、
は、水素であり;
は、ヒドロキシルまたは式(II)のクラジノース糖であり;
Figure 2008526948
(II)
は、水素であり;
は、ヒドロキシルであり、
は、イソプロピル、ベンジル、3−クロロフェニル、または1−ナフチルであり;あるいは
は、式(IV)の置換アリール基であり、
Figure 2008526948
(IV)
式中、Rは、2−クロロであり、あるいは
は、式(V)の置換アリール基であり、
Figure 2008526948
(V)
式中、Rは、フェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、または5−メチルイソオキサゾリル−3−アミノであり;
は、水素またはアセチルであり;
Xは、酸素または硫黄である]
およびその医薬上許容される誘導体の投与を含む。
特に好ましい化合物としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2008526948
化合物1

Figure 2008526948
化合物2

Figure 2008526948
化合物3

Figure 2008526948
化合物4

Figure 2008526948
化合物5

Figure 2008526948
化合物6

Figure 2008526948
化合物7

Figure 2008526948
化合物8

Figure 2008526948
化合物9

Figure 2008526948
化合物10

Figure 2008526948
化合物11
式Iで記述されるアザライド化合物は、その内容を出典明示により本明細書の一部とする、米国特許第5,629,296号、欧州特許第1175429号、欧州特許第0657464号、欧州特許第1414835号(国際公開WO2002/068438A2号)、国際公開WO2004/043985号、国際公開WO2004/101591号に記載される方法によって調製され得る。特に、この化合物は、欧州特許第1414835号の4〜5頁に記載される方法、およびこの合成に類似した方法に従って調製され得る。例えば、一般式3のように欧州特許第1414835号に記載されるアザライド中間体とフェニルスルホニルイソシアナートとの反応の代わりに、
Figure 2008526948
アザライドを以下に記載される化合物と反応させることができる。
Figure 2008526948
式Iに記述される化合物の合成について。反応合成のその他の改変は、標準的な有機化学の慣習に基づいて行うことができる。例えば、式Iの化合物は、米国特許第5,629,296号、欧州特許第1175429号、欧州特許第0657464号、欧州特許第1414835号、国際公開WO2004/043985号、および/または国際公開WO2004/101591号に記載される反応条件を使用して、適切な9a−窒素非置換アザライドを適切なR−置換イソシアナートまたはチオイソシアナートと反応させることによって生成される。
式Iの化合物の調製に使用される中間体の保護された誘導体を使用することが望ましいことは、当業者なら理解されよう。官能基の保護および脱保護は、当技術分野で周知の方法によって行われ得る。ヒドロキシルまたはアミノ基を、任意のヒドロキシルまたはアミノ保護基で保護することができる(例えば、GreenおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley and Sons、ニューヨーク、1999年に記載されるように)。これらの保護基は、従来の技術によって除去され得る。例えば、アシル基(アルカノイル、アルコキシカルボニル、およびアリーロイル基など)は、加溶媒分解(例えば、酸性または塩基性条件下での加水分解)によって除去され得る。アリールメトキシカルボニル基(例えばベンジルオキシカルボニル)は、炭素担持パラジウムなどの触媒の存在下で水素化分解によって切断され得る。
目標化合物の合成は、当業者に周知の標準的な技法を使用して、最後から2番目の中間体に存在する任意の保護基を削除することによって完了する。その後、脱保護された最終生成物を、必要に応じ、シリカゲルクロマトグラフィー、シリカゲルのHPLC、その他同種のものなど標準的な技法を使用し、または再結晶によって精製する。
「塩」という用語には、酸付加塩または遊離塩基の付加塩が含まれ得る。医薬上許容される酸付加塩の形成に使用することができる酸の例としては、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸などの無毒な無機酸に由来した塩、ならびに脂肪族モノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシルアルカン酸、アルカン二酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸、酢酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸などの無毒な有機酸に由来した塩が挙げられるが、それらだけに限らない。こうした塩の非限定的な例としては、ナパジル酸塩、ベシル酸塩、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、クロリド、ブロミド、ヨウ化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、およびその他同種のものが挙げられる。また、アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、およびグルコン酸塩、ガラクツロン酸塩も考えられる(例えば、Berge S.M.ら、「Pharmaceutical Salts」、J.of Pharma.Sci.、1977年;66:1を参照)。
前記塩基性化合物の酸付加塩は、従来の方法で遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させて塩を生成させることによって調製される。この遊離塩基形態は、従来の方法で塩形態を塩基と接触させ、遊離塩基を単離することによって再生され得る。これらの遊離塩基形態は、極性溶媒での溶解性などある種の物理的特性においてそれぞれの塩形態と多少異なるが、そうでない場合は、これらの塩は、本発明の目的のそれぞれの遊離塩基と同等である。
医薬上許容される塩基付加塩は、アルカリ、アルカリ土類金属、有機アミンなど、金属またはアミンによって形成される。陽イオンとして使用される金属の例は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、およびその他同種のものである。適切なアミンの例は、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、およびプロカインである。
前記酸性化合物の塩基付加塩は、従来の方法で遊離酸形態を十分な量の所望の塩基と接触させて塩を生成させることによって調製される。この遊離酸形態は、塩形態を酸と接触させ、遊離酸を単離することによって再生され得る。
「医薬上許容される」という語句は、本発明の組成物に関して使用されるとき、生理学上許容され、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与したとき一般に有害反応を生じない分子の実体およびこうした組成物のその他の成分を指す。好ましくは、本明細書では、「医薬上許容される」という用語は、連邦政府もしくは州政府の規制当局によって是認されたか、または米国薬局方、もしくは哺乳動物、より詳細にはヒトでの使用に関する一般的に認可された他の薬局方に列挙されていることを意味する。
本明細書で使用する「医薬上許容される誘導体」という用語は、レシピエントに投与したとき、本発明の化合物またはその有効代謝産物もしくは残留物を(直接または間接的に)もたらすことができる、本発明の化合物の医薬上許容される任意の塩、溶媒和物、またはプロドラッグ、例えばエステルを意味する。こうした誘導体は、当業者なら不必要な実験作業なしで認識可能である。とは言え、こうした誘導体を教示するという点で参照により本明細書に組み込まれるBurger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery、第5版、第1巻:原理と実際(Principles and Practice)の教示を参照されたい。好ましい医薬上許容される誘導体は、塩、溶媒和物、エステル、カルバミン酸塩、およびリン酸エステルである。特に好ましい医薬上許容される誘導体は、塩、溶媒和物、およびエステルである。最も好ましい医薬上許容される誘導体は、塩およびエステルである。
式Iの化合物は、1種または複数の担体と共に投与され得る。本発明の医薬組成物に適用される「担体」という用語は、一緒に有効化合物が投与される希釈剤、賦形剤、またはビヒクルを指す。こうした製薬用担体は、水、食塩水、デキストロース水溶液、グリセリン水溶液などの無菌液体、およびラッカセイ油、大豆油、鉱油、ゴマ油など、石油、動物、植物、または合成起源のものを含めた油とすることができる。適切な製薬用担体は、E.W.Martinの「Remington’s Pharmaceutical Sciences」第18版に記載されている。即時放出、すなわち、60分以下などの短時間で有効成分のほとんどまたはすべてを放出するのに適し、薬剤の迅速な吸収を可能にする担体が、本発明において特に好ましい。
本発明はまた、式I化合物のプロドラッグ、すなわち、哺乳類の対象に投与したとき式Iによる有効な親薬剤をin vivoで放出する化合物も包含する。式I化合物のプロドラッグは、修飾物がin vivoで切断されて親化合物を放出するように、式Iの化合物に存在する官能基を修飾することで調製される。プロドラッグとしては、式I化合物のヒドロキシ、アミノ、またはカルボキシ基が、in vivoで切断されてそれぞれ遊離ヒドロキシル、アミノ、またはカルボキシ基を再生することができる任意の基に結合している式Iの化合物が挙げられる。プロドラッグの例としては、式I化合物のエステル(例えば、酢酸塩、ギ酸塩、および安息香酸塩誘導体)、または生理的pHにされたとき、もしくは酵素活性によって有効な親薬剤に変換されるその他の任意の誘導体が挙げられるが、それらだけに限らない。
本発明はまた、式Iの化合物またはそれらの塩の溶媒和物を包含する。好ましい溶媒和物は、水和物である。
式Iの化合物は、1種または複数のキラリティー中心を有し、個々の置換基の性質に応じて、それらはまた、幾何異性体も有することができる。空間での原子配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。互いに鏡像でない立体異性体は、「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いに重ならない鏡像である立体異性体は、「エナンチオマー」と呼ばれる。化合物にキラル中心がある場合、1組のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対立体配置によって特徴付けることができ、CahnおよびPrelogのRおよびS順位則または分子が偏光面を回転する方式によって説明され、右回りまたは左回り(すなわち、それぞれ(+)または(−)−異性体)として示される。キラル化合物は、個々のエナンチオマーまたはエナンチオマーの混合物として存在することができる。エナンチオマーを等しい割合で含む混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。本発明は、式Iの化合物の個々の異性体をすべて包含する。本明細書および特許請求の範囲における特定の化合物の説明または命名は、その個々のエナンチオマーおよび混合物、ラセミ、またはその別のもの(すなわち、1種または複数の異性体を多く含むもの)を含むことを意図している。立体化学の決定および立体異性体の分割のための方法は、当技術分野で周知である。
本発明はまた、syn−anti型の立体異性体、およびオキシムまたは類似の基が存在するとき生じるその混合物を包含する。オキシムの末端二重結合原子の1個に結合されたCahn−Ingold−Prelogの最優先基を、オキシムのヒドロキシル基と比較する。立体異性体は、オキシムヒドロキシルが、C=N二重結合を通過する基準面に関して最優先基と同面上にある場合、Z(zusammen=一緒に)またはSynとして指定され、別の立体異性体は、E(entgegen=逆に)またはAntiとして指定される。
処方のタイプに応じて、治療上有効な量の式Iの1種または複数の化合物に加えて、それらは、製剤使用のための固体もしくは液体の賦形剤または希釈剤、およびおそらく増粘剤、凝集剤、潤滑剤、崩壊剤、フレーバリング剤、着色剤など医薬製剤の製造で通常使用される他の添加剤を含む。
基または基の一部として本明細書で使用する「アルキル」という用語は、指定数の炭素原子を含む直線または枝分かれ状の炭化水素鎖を指す。例えば、C1〜6アルキルは、炭素原子を1〜6個含む直線または枝分かれ状のアルキル鎖を意味する。こうした基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、3−メチル−ブチル、ヘキシル、2,3−ジメチルブチルなどが挙げられる。同様に、C1〜4アルキルという用語は、炭素原子を1〜4個含む直線または枝分かれ状のアルキル鎖を意味する。
基または基の一部として本明細書で使用する「アルケニル」という用語は、指定数の炭素原子を含み、少なくとも1個の二重結合を含む直線または枝分かれ状の炭化水素鎖を指す。例えば、「C2〜4アルケニル」という用語は、炭素原子を少なくとも2個、最も多くて4個含み、少なくとも1個の二重結合を含む直線または枝分かれ状のアルケニルを意味する。本明細書で使用する「アルケニル」の例としては、エテニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、2−メチル−2−プロペニル、2−メチルブト−2−エテニルが挙げられるが、それらだけに限らない。−O−C2〜6アルケニル形の基では、二重結合が好ましくは酸素に隣接していないことが理解されるであろう。
本明細書で使用する「アルコキシ」という用語は、先に定義したように、指定数の炭素原子を含む、酸素原子を介して親分子部分に結合する直線または枝分かれ状のC1〜5アルキル基を指す。例えば、C1〜4アルコキシは、少なくとも1個、最も多くて4個の炭素原子を含む直線または枝分かれ状のアルコキシを意味する。本明細書で使用する「アルコキシ」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、プロポ−2−オキシ、ブトキシ、ブト−2−オキシ、2−メチルプロポ−1−オキシ、および2−メチルプロポ−2−オキシが挙げられるが、それらだけに限らない。
「ハロアルキル」および「ハロアルコキシ」という用語は、1個または複数のハロゲンで置換された上記で定義したような「アルキル」および「アルコキシ」基を指し、このハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子である。
マラリアの「治療(treatingまたはtreatment)」には、
(1)寄生虫に接触した哺乳動物に発症するマラリアの臨床症状の出現を予防または遅延させること、
(2)マラリアを抑制すること、すなわち、マラリアの発症もしくはその再発、または少なくとも1個のその臨床もしくは亜臨床症状を抑制、軽減、または遅延させること、あるいは
(3)マラリアの臨床または亜臨床症状の1個または複数を軽減または減弱させることが含まれる。
治療すべき対象への利益は、統計的に有意、または患者もしくは医師にとって少なくとも認知可能なものである。
マラリアの「予防的治療」には、マラリアを発症する危険のある対象を治療することが含まれる。これには、マラリアを保有するカに晒された対象の治療、マラリアが風土病である国に旅行するつもりの対象の治療、およびそれ以外では、マラリアを保有するカに晒される危険のある対象の治療が含まれる。
亜臨床症状の「軽減」の一例は、炎症誘発性サイトカインもしくはリンホカインを分泌する免疫細胞数を減少させ、またはこうしたリンホカインもしくはサイトカインをコードするmRNAを減少させる治療を施した個体において観察されるものである。
「維持療法」は、急性期後のマラリア期中の治療であり、この場合、この疾患が次に再発するまでに疾患の1種または複数の症状の寛解(全体または一部分)を実現することである。三日熱マラリア原虫および卵型マラリア原虫の寄生虫は、何年も無症状のままでいる可能性がある休止中の生存段階である。これらの菌株用維持療法は、特に重要である。急性期の特質としては、悪寒および発熱のような症状が挙げられる。
「応答者」は、特定の有効剤(または有効剤の組合せ)を特定量投与することを含めた、以前に非伝染性の炎症性疾患のための治療に応答した患者を指す。
「対象」は、動物を指し、それは、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトまたは家畜動物である。最も好ましくは、対象は、ヒトである。本明細書では、患者という用語は、対象と同義に使用される。
「治療有効量」は、状態、障害、または病態を治療するために哺乳動物に投与するとき、こうした治療を行うのに十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重さ、ならびに治療すべき哺乳動物の年齢、体重、健康状態および応答性に応じて変わるであろう。
医薬組成物
本発明の方法における使用では、式Iの化合物をバルク物質として投与することが可能であるが、医薬製剤中に有効成分を付与することが好ましく、例えば、薬剤は、所期の投与経路および標準的薬務に関して選択された製薬上許容される担体との混合状態にある。
「医薬上許容される」という語句は、一般に安全と考えられる分子の実体および組成物を指す。具体的には、本発明の医薬組成物において使用される製薬上許容される担体は、生理学上許容され、患者に投与したとき一般にアレルギーまたは同様の有害反応(例えば、異常亢進、眩暈など)を生じない。好ましくは、本明細書では、「医薬上許容される」という用語は、連邦政府もしくは州政府の規制当局によって是認されたか、または米国薬局方、もしくは動物、より詳細にはヒトでの使用に関する一般的に認可された他の薬局方に列挙されていることを意味する。
「製薬上許容される賦形剤」は、一般に安全で無毒な、生物学上でもそれ以外でも望ましい医薬組成物を調製する上で有用な賦形剤を意味し、獣医学用途ならびにヒト製剤用途に許容される賦形剤を含む。本出願で使用される「製薬上許容される賦形剤」には、1種および複数の両方のこうした賦形剤が含まれる。
「担体」という用語は、一緒に有効化合物が投与される希釈剤、賦形剤、および/またはビヒクルを指す。本発明の医薬組成物は、複数の担体の組合せを含むことができる。こうした製薬用担体は、水、食塩水、デキストロース水溶液、グリセリン水溶液などの無菌液体、およびラッカセイ油、大豆油、鉱油、ゴマ油など、石油、動物、植物、または合成起源のものを含めた油とすることができる。水または生理食塩水、ならびにデキストロースおよびグリセリン水溶液は、好ましくは、特に注射液のための担体として使用される。適切な製薬用担体は、E.W.Martinの「Remington’s Pharmaceutical Sciences」第18版に記載されている。
本発明の化合物は、ヒトまたは獣医学で使用される任意の便利な方法で投与するために配合され得、したがって、本発明は、その範囲内にヒトまたは獣医学での使用に適した本発明の化合物を含む医薬組成物を含む。こうした組成物は、1個または複数の適切な担体を用いて従来の方法で使用され得る。例えば、治療用途に許容される担体は、製薬分野で周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.(A.R.Gennaro編、1985年)に記載されている。製薬用担体の選択は、所期の投与経路および標準的薬務に関して選択され得る。医薬組成物は、担体に加えて、任意の適切な結着剤、潤滑剤、懸濁化剤、コーティング剤、および/または可溶化剤を含むことができる。
本発明に従って使用される医薬組成物は、1種もしくは複数の製薬上許容される担体または賦形剤を使用して従来の方法で配合することができる、経口、非経口、経皮、吸入、舌下、局所、インプラント、鼻、もしくは腸内投与(もしくはその他の粘膜投与)の懸濁液、カプセル、または錠剤の形態になり得ることが理解されるであろう。
様々な送達系に応じて、様々な組成物/処方要件が存在する可能性がある。化合物のすべてが同じ経路で投与される必要がないことを理解されたい。同様に、組成物が複数の有効成分を含む場合、それらの成分は、様々な経路で投与され得る。例を挙げると、本発明の医薬組成物は、ミニポンプを使用して、あるいは例えば吸入用の鼻噴霧剤もしくはエアロゾルまたは摂取可能な液剤として粘膜経路によって、あるいは送達のために組成物を注射剤形で処方する非経口的な、例えば、静脈内、筋肉内、または皮下経路によって送達されるように処方することができる。あるいは、その処方は、多数の経路で送達されるように設計することができる。
本発明はさらに、製薬上許容されるビヒクルと混合された、治療上有効な量の式Iの化合物、またはその塩の1個を含む医薬製剤に関する。本発明の医薬製剤は、経口および/または非経口投与に適した液体、例えば、使用のために準備されたか、またはフリーズドライ製品を希釈して調製されたドロップ、シロップ、溶液、注射液とすることができるが、好ましくは、錠剤、カプセル、顆粒、粉末、ペレット、膣座薬、座薬、クリーム、膏薬(salve)、ゲル、軟膏のような固体または半固体;または溶液、懸濁液、乳剤、または経皮的経路もしくは吸入での投与に適した他の形態である。
本発明の化合物を、即時、遅延、調節、持続、パルス、または制御放出用途用に投与することができる。
最も好ましい経口用組成物は、緩徐、遅延、もしくは配置型(positioned)放出(例えば、腸、特に結腸放出)用の錠剤またはカプセルである。この放出プロフィルは、限定はしないが、胃中の状態に耐性のあるコーティング剤を使用して実現されるが、結腸、または病変もしくは炎症部分が確認された消化管(GI)の他の部分に内容物を放出することができる。あるいは、分解が単に遅いコーティング剤によって、遅延放出を実現することができる。あるいは、2種(遅延および配置型放出)のプロフィルを、1種または複数の適切なコーティング剤および他の賦形剤を選択することによって単一処方で組み合わせることができる。こうした処方は、本発明のさらなる特徴を構成する。
遅延もしくは配置型放出、および/または腸溶性経口製剤に適した組成物は、耐水性、pH感受性、腸液によって消化もしくは乳化、または湿潤したときゆっくりともしくは規則的に脱落する材料でコーティングされた錠剤処方用フィルムを含む。適切なコーティング材料としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸とそのエステルのポリマー、およびこれらの組合せが挙げられるが、それらだけに限らない。ポリエチレングリコール、フタル酸ジブチル、トリアセチン、ヒマシ油など、これらだけに限らない可塑剤を使用することができる。顔料もまた、フィルムを着色するのに使用することができる。座薬は、カカオ脂、Suppocire CやSuppocire NA50(Gattefosse Deutschland GmbH、D−Weil am Rhein、ドイツから供給される)などの座薬基剤、ならびに水素化されたヤシ油とパームナッツ油(C8〜C18トリグリセリド)のエステル交換、グリセロールと特定の脂肪酸のエステル化、またはポリグリコシル化グリセリド、およびwhitepsol(添加剤を含む水素化された植物油誘導体)によって得られるその他のSuppocire型賦形剤のような担体を使用して調製される。浣腸剤は、本発明による適切な有効化合物、および懸濁液用の溶媒または賦形剤を使用して配合される。懸濁液は、微粉化合物、ならびに懸濁安定化剤を含む適切なビヒクル、カルボキシメチルセルロースおよびその塩のような増粘剤および乳化剤、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシビニルポリマーおよびその塩、アルギン酸およびその塩、アルギン酸プロピレングリコール、キトサン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミドポリマー、ポリメタクリル酸ビニル、ポリエチレングリコール、プルロニック、ゼラチン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、可溶性デンプン、プルラン、ならびにアクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルレシチンのコポリマー、レシチン誘導体、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン水和ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ならびにpH範囲が6.5〜8のプルロニックおよび適切な緩衝系を使用して生成される。保存剤、マスキング剤の使用は、適切である。微粉粒子の平均直径は、1〜20マイクロメートルでも、または1マイクロメートル未満でもよい。化合物はまた、その水溶性塩形態を使用して処方に組み込まれ得る。
あるいは、材料を、錠剤の母材、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、またはアクリル酸とメタクリル酸エステルのポリマーに組み込むことができる。これらの後者の材料を、圧縮コーティングによって錠剤に付与することもできる。
医薬組成物は、投与法に応じて、治療有効量の有効物質を、様々な形態を有することができる製薬上許容される担体と混合することによって調製され得る。医薬組成物は、従来の製薬用賦形剤および調製法を使用して調製され得る。経口投与のための形態は、カプセル、粉末、または錠剤とすることができ、ここでは、ラクトース、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、マンニトールを含めた通常の固形ビヒクル、ならびにエタノール、グリセロール、および水を含むがそれらだけに限らない通常の液体経口用賦形剤を添加することができる。賦形剤はすべて、崩壊剤、溶媒、顆粒化剤、保湿剤、および結着剤と混合され得る。固形担体が経口用組成物の調製に使用される場合(例えば、デンプン、糖、カオリン、結着剤、崩壊剤)、製剤は、粉末、顆粒含有カプセルまたはコーティングされた粒子、錠剤、硬ゼラチンカプセル、または顆粒の形状とすることができるが、それらだけに限らず、固形担体の量は、変えることができる(1mg〜1g)。錠剤およびカプセルは、好ましい経口用組成物形態である。
本発明の化合物を含む医薬組成物は、例えば、溶剤、懸濁剤、または乳剤を含めた、所期の投与方法に適した任意の形態とすることができる。液状担体は、溶剤、懸濁剤、および乳剤を調製する際に一般に使用される。本発明の実施での使用が企図される液状担体としては、例えば、水、生理食塩水、製薬上許容される有機溶媒、製薬上許容される油または脂肪など、ならびにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。液状担体は、可溶化剤、乳化剤、栄養剤、緩衝剤、保存剤、懸濁化剤、増粘剤、粘度調整剤、安定化剤など、他の適切な製薬上許容される添加剤を含むことができる。適切な有機溶媒としては、例えば、エタノールなどの一価アルコール、およびグリコールなどの多価アルコールが挙げられる。適切な油としては、例えば、大豆油、ヤシ油、オリーブ油、サフラワー油、綿実油、およびその他同種のものが挙げられる。非経口投与では、担体はまた、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルなどの油性エステルとすることができる。本発明の組成物はまた、微粒子、マイクロカプセル、リポソームカプセルなどの形状、ならびにこれらの2種以上の組合せとすることもできる。
本発明に有用な経口用組成物のための製薬上許容される崩壊剤の例としては、デンプン、事前糊化デンプン、グリコール酸ナトリウムデンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、微結晶性セルロース、アルギン酸塩、樹脂、界面活性剤、発泡性組成物、水性ケイ酸アルミニウム、および架橋ポリビニルピロリドンが挙げられるが、それらだけに限らない。
本明細書に有用な経口用組成物のための製薬上許容される結着剤の例としては、アラビアゴム;セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど;ゼラチン、グルコース、デキストロース、キシリトール、ポリメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ソルビトール、デンプン、事前糊化デンプン、トラガカント、キサンタン樹脂、アルギン酸塩、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ポリエチレングリコール、またはベントナイトが挙げられるが、それらだけに限らない。
経口用組成物のための製薬上許容される充填剤の例としては、ラクトース、無水ラクトース、ラクトース一水和物、ショ糖、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、セルロース(特に微結晶性セルロース)、ジヒドロまたは無水リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、および硫酸カルシウムが挙げられるが、それらだけに限らない。
本発明の組成物に有用な製薬上許容される潤滑剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドのポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびコロイド状二酸化ケイ素が挙げられるが、それらだけに限らない。
経口用組成物に適した製薬上許容される臭気剤の例としては、合成芳香剤、および油、花、果物(例えば、バナナ、リンゴ、スミノミザクラ、モモ)の抽出物などの天然芳香油、およびそれらの組合せ、および類似の芳香剤が挙げられるが、それらだけに限らない。これらの使用は、多くの因子に依存し、最も重要なのは、医薬組成物となっている集団に対する感覚刺激許容性である。
経口用組成物に適した製薬上許容される染料の例としては、二酸化チタンなどの合成および天然染料、βカロテン、ならびにグレープフルーツの皮の抽出物が挙げられるが、それらだけに限らない。
経口用組成物のための製薬上許容される甘味剤の適切な例としては、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、およびショ糖が挙げられるが、それらだけに限らない。
製薬上許容される緩衝剤の適切な例としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、および水酸化マグネシウムが挙げられるが、それらだけに限らない。
製薬上許容される界面活性剤の適切な例としては、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベートが挙げられるが、それらだけに限らない。
製薬上許容される保存剤の適切な例としては、溶媒、例えば、エタノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、第四級アンモニウム塩、パラベン(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンなど)などの様々な抗菌剤および抗真菌剤が挙げられるが、それらだけに限らない。
製薬上許容される安定化剤および抗酸化剤の適切な例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、チオ尿素、トコフェロール、およびブチルヒドロキシアニソールが挙げられるが、それらだけに限らない。
例えば、本発明の化合物はまた、例えば、ヒトもしくは獣医学で使用される従来の座薬基剤を含有する座薬として、または例えば従来の膣座薬基剤を含有する膣座薬としても配合され得る。
本発明による化合物は、軟膏、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、シャンプー、粉末(スプレーまたは散布剤を含む)、膣座薬、タンポン、スプレー、ディップ剤、エアロゾル、ドロップ(例えば、目、耳、または鼻用ドロップ)、またはポアオン剤(pour−on)の形状で、ヒトおよび獣医学で使用する局所投与用に配合され得る。
皮膚への局所適用では、本発明の薬剤は、例えば、鉱油、白色鉱油、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろう、モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水のうちの1種または複数との混合物中に懸濁または溶解した有効化合物を含有する適切な軟膏として配合され得る。こうした組成物はまた、ポリマー、油、液状担体、界面活性剤、緩衝剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、保湿剤、皮膚軟化剤、着色剤、および臭気剤など他の製薬上許容される賦形剤を含むこともできる。
こうした局所用組成物に適した製薬上許容されるポリマーの例としては、アクリルポリマー;セルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど;天然ポリマー、例えば、アルギン酸塩、トラガカント、ペクチン、キサンタン、およびシトサン(cytosan)などが挙げられるが、それらだけに限らない。
示したように、本発明の化合物は、鼻腔内にまたは吸入によって投与され得、好都合には、適切な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134AT””)や1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EA)などのヒドロフルオロアルカン、二酸化炭素、または他の適切なガスを使用して、加圧容器、ポンプ、スプレー、または噴霧器から乾燥粉末吸入器またはエアロゾルスプレー付与器(presentation)の形態で送達される。加圧されたエアロゾルの場合、用量単位は、測定した量を送達するバルブを備えることによって測定され得る。加圧容器、ポンプ、スプレー、または噴霧器は、例えば、潤滑剤、例えばトリオレイン酸ソルビタンを追加的に含むことができる溶媒としてエタノールと噴霧剤の混合物を使用して、有効化合物の溶液または懸濁液を含むことができる。
吸入器または注入器で使用されるカプセルおよびカートリッジ(例えばゼラチンから作製)は、化合物の粉末混合物、およびラクトースやデンプンなどの適切な粉末基剤を含むように配合され得る。
吸入による局所投与では、本発明による化合物は、ヒトまたは獣医学での使用に関して噴霧器によって送達され得る。
本発明の医薬組成物は、有効材料の1容量当たり0.01〜99重量%含むことができる。局所投与では、例えば、この組成物は、一般に、有効材料の0.01〜10%、より好ましくは0.01〜1%含む。
本発明の化合物の治療有効量は、当技術分野で周知の方法によって決定され得る。治療上有効な量は、患者の年齢および一般的な生理的状態、投与経路、ならびに使用する医薬製剤に依存する。また、対象を感染させたマラリア原虫の菌株によっても決定される。治療量は、一般に、1日当たり約10〜2000mg、好ましくは1日当たり約30〜1500mgである。例えば、1日当たり50〜500mg、1日当たり50〜300mg、1日当たり100〜200mgを含めたその他の範囲を使用してもよい。予防有効量と呼ばれる予防的治療に必要な化合物の量は、一般に治療上の処置に記載されたのと同じである。
投与は、1日1回でも2回でもさらに多くてもよく、疾患または障害の持続期間中に減少させてもよく、例えば、毎日または1日2回の代わりに2日または3日に1回でもよい。用量および投与頻度は、当業者に周知の少なくとも1種または複数、好ましくは複数の急性期の臨床的徴候の減少または欠如を伴う寛解期間の持続を裏付ける臨床的徴候に依存する。
実施例
本発明の特徴および利点を、以下の非限定的な実施例によってより完全に示す。
本発明の化合物の治療効果は、実施例で提供される実験において決定された。
in vitroスクリーニングプロトコル
内因性抗マラリア活性に関するin vitroスクリーニングは、RE.Desjardins、CJ.Canfield、JD.Haynes、JD.Chulay(半自動微量希釈技術によるin vitro抗マラリア活性の定量的評価(Quantitative assessment of antimalarial activity in vitro by a semiautomated microdilution technique)、Antimicrob Agents Chemother、1979年、12月;16(6):710〜8頁)、JD.Chulay、JD.Haynes、CL.Diggs(熱帯熱マラリア原虫:[3H]ヒポキサンチン取り込みによるin vitro増殖の評価(Plasmodium falciparum:Assessment of in vitro growth by[3H]hypoxanthine incorporation)、Exp.Parasitol、1983年、55:138〜146頁)、およびWK.Milhous、NF.Weatherly、JH.Bowdre、RE.Desjardins(抗葉酸性抗マラリア薬のin vitro活性およびそれに対する耐性機序(In vitro activities of and mechanisms of resistance to antifol antimalarial drugs)、Antimicrob Agents Chemother、1985年、4月;27(4):525〜30頁)に記載される方法の変形を基礎とした。系を、赤血球の無性生活環(抗血中繁殖体剤(blood schizontocide))に対する固有活性の評価に制限した。CDC/インドシナIII(W−2)およびCDC/シエラレオネI(D−6)由来の2種の熱帯熱マラリア原虫のクローン(AM.Oduola、NF.Weatherly、JH.Bowdre、RE.Desjardins、熱帯熱マラリア原虫:単一赤血球顕微操作によるクローン化およびin vitro異質性(Plasmodium falciparum: cloning by single−erythrocyte micromanipulation and heterogeneity in vitro)、Exp Parasitol、1988年、66(1):86〜95頁)をすべてのアッセイに使用した。タイ由来の多剤耐性単離物であるTM91C235を、プレスクリーニングアッセイに使用した。W−2は、クロロキン、キニーネ、およびピリメタミンに耐性があり、メフロキンに耐性がない。D−6は、メフロキンにより耐性があり、クロロキン、キニーネ、およびピリメタミンに耐性がない傾向がある。この節に引用した文献はすべて、参照によりその全体が組み込まれている。
すべての寄生虫を、6%洗浄済みヒトA陽性(A+)赤血球、25mMのHepes、32nMのNaHCO、および10%熱不活性化A+ヒト血漿またはALBUMAX(登録商標)(脂質に富んだウシ血清アルブミン;Invitrogen、カールスバード、カリフォルニア州)を補充したRPMI−1640培地において連続的長期培養で維持した。すべての培養およびアッセイを、Nバランスを保ちながら5%COおよび5%Oの大気下で37℃で実施した。
プレスクリーニングアッセイ
プレスクリーニングアッセイは、葉酸およびp−アミノ安息香酸を含まない培地RPMI−1640およびALBUMAX(登録商標)において1%ヘマトクリットとして0.4%血液寄生で希釈したTM91C235を使用する。一般に、化合物1mgをジメチルスルホキシド(DMSO)100μlに溶解する。化合物をさらに、1番最初の開始濃度にするのにALBUMAX(登録商標)を含む培地(FF)において希釈する。ストック薬液の残りを−70℃で維持した。単離物を、BIOMEK(登録商標)2000自動研究室用ワークステーションを使用して、96ウェルマイクロタイタープレート(MTP)において試験化合物を3種の濃度(25,000ng/ml、2,500ng/ml、および25ng/ml)で48時間2回ずつ事前暴露させた。各MTPに対照としてクロロキンを含めて、化合物の相対活性を評価し、TM91C235の応答を監視する。
プレインキュベーション後、MTPの各ウェルに[H]−ヒポキサンチンを添加した(アッセイは、再生を示す寄生虫による放射性標識ヒポキサンチンの取り込みに依拠し、同位体取り込みの抑制は、既知または候補となる抗マラリア薬の活性に起因した)。72時間の全インキュベーション後、赤血球および寄生虫を溶解するのにMTPを凍結させた。寄生虫のDNAを、Packard FilterMate(商標)セルハーベスターを使用してガラス繊維フィルタプレート上に溶解物を採取することによって回収した。放射能を、Packard TopCount(商標)マイクロプレートシンチレーションカウンタでカウントした。この結果を、各薬剤濃度のウェル当たりのカウント毎分(CPM)を3個の未処理感染寄生虫対照ウェルからのCPMの相加平均で割ったものとして記録した。
段階稀釈アッセイ
化合物が25,000ng/mlで寄生虫の増殖に影響を及ぼさなかった場合、それを不活性なものとして分類した。化合物が25,000ng/mlで未処理感染対照の相加平均からの2標準偏差を超えるが、2,500ng/mlで50%未満に抑制された場合、この化合物を部分的活性として指定した。しかし、化合物が2,500ng/mlで未処理感染対照寄生虫に関する[H]−ヒポキサンチンの取り込みの50%超を抑えた場合、この化合物を完全活性として分類し、さらに2倍段階希釈で評価して、IC50値(50%抑制濃度)を決定した。
段階稀釈アッセイを、前述の同一アッセイ条件および予備スクリーニングに使用した化合物のストック溶液を使用して実施した。D−6とW−2クローンの両方を使用した。化合物を、開始濃度は予備スクリーニングに基づく濃度とし、11種の異なる濃度範囲に関して2倍に希釈した。各薬剤に関して、濃度応答プロフィルを決定し、50%抑制濃度(IC50)は、非線形ロジスティック用量応答分析プログラムを使用して決定された。このアッセイの結果が予備スクリーニングの濃度範囲に一致しなかった場合、アッセイを繰り返した。各アッセイに関して、各クローンのIC50を、既知の抗マラリア薬クロロキンおよびメフロキンに対して決定した。これらの対照値から、既知の抗マラリア薬と比較した化合物の相対的な寄生虫罹患率プロフィルを確定した。
同様に、本明細書に記載のアッセイの様々な単離物/クローンを使用して、広範な種々の地理的位置由来の薬剤耐性単離物/クローンに関するIC50を決定することができる。化合物の抗マラリア活性を決定するのに、実施例1〜3に記載のアッセイを、式Iによるサンプルと様々なマラリア菌株からの単離物/クローンの両方を使用して繰り返すことができる。例えば、上記のアッセイは、マラリア菌株TM91C235(メフロキン、クロロキン、およびキニーネに耐性ありと報告されている)、D6(メフロキンに耐性ありと報告されている)、およびW2(クロロキン、キニーネ、およびピリメタミンに耐性ありと報告されている)に関するIC50値を決定するのに使用され得る。
アッセイの結果
前述のように、寄生虫を72時間暴露した。3種の寄生虫菌株に対するアジスロマイシンのin vitro力価試験のデータを平均化し、これらの数値を「活性な」マクロライド化合物の同定に使用した。TM91C235、D6、およびW2菌株に対するこれらの平均IC50は、それぞれ1621.2ng/mL、796.9ng/mL、および1759.2ng/mLであった。


Figure 2008526948

Figure 2008526948

Figure 2008526948
Figure 2008526948
NA:アジスロマイシンより低活性;ND:決定しなかった

Claims (11)

  1. マラリアの治療的および/または予防的処置を必要とする対象におけるその処置方法であって、治療上有効量の一般式(I):
    Figure 2008526948
    (I)
    [式中:
    は水素であり、またはRと一緒になって二重結合となり;
    は、式(II):
    Figure 2008526948
    (II)
    のクラジノース糖、水素、ヒドロキシル、または式(III):
    Figure 2008526948
    (III)
    (式中:Yは、ハロゲン、OH、OMe、NO、またはNHから選択される1個もしくは複数の基で置換された、または非置換の単環式芳香族環である)
    で示される基であるか;あるいは
    はRと一緒になってケトンとなるか、またはRと一緒になって二重結合となり;
    は水素であり、またはRと一緒になってケトンとなるか、またはRと一緒になってエーテルとなり;
    はヒドロキシルもしくはOMeであるか、またはRと一緒になってエーテルとなり;
    はC1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、−(CH−Ar(ここで、Arは、NおよびOから選択されるヘテロ原子を0〜3個含み、ハロゲン、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、C1〜6アルキル、もしくはC1〜6アルコキシのうちの1個もしくは複数で置換された、または非置換の、炭素原子が最高10個の単環または二環式芳香族環であり、mは0〜3である)であるか;あるいは
    は式(IV):
    Figure 2008526948
    (IV)
    (式中:RはH、C〜Cアルキル、またはハロゲンである)
    で示される置換アリール基であるか、あるいは
    は式(V):
    Figure 2008526948
    (V)
    (式中:Rはクロロ、アミノ、フェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、3,4−ジメチルイソオキサゾリル−5−アミノ、または5−メチルイソオキサゾリル−3−アミノである)
    で示される置換アリール基であり;
    は水素またはヒドロキシル保護基であり;
    Xは酸素または硫黄である]
    で示される9a−カルバモイルまたはチオカルバモイルアザライド、またはその医薬上許容される誘導体を該対象に投与することを含む、方法。
  2. 対象が熱帯熱マラリア原虫に感染しているところの、請求項1記載の方法。
  3. 対象が三日熱マラリア原虫に感染しているところの、請求項1記載の方法。
  4. 対象が卵型マラリア原虫に感染しているところの、請求項1記載の方法。
  5. 対象が四日熱マラリア原虫に感染しているところの、請求項1記載の方法。
  6. が水素であり;
    がヒドロキシル、または式(II):
    Figure 2008526948
    (II)
    のクラジノース糖であり;
    が水素であり;
    がヒドロキシルであり;
    がイソプロピル、ベンジル、3−クロロフェニルまたは1−ナフチルであるか、あるいは
    が式(IV):
    Figure 2008526948
    (IV)
    (式中:Rは2−クロロである)
    で示される置換アリール基であるか、あるいは
    が式(V):
    Figure 2008526948
    (V)
    (式中:Rはフェニルアミノ、2−ピリジルアミノ、または5−メチルイソオキサゾリル−3−アミノである)
    で示される置換アリール基であり;
    が水素またはアセチルであり;
    Xが酸素または硫黄である、化合物またはその医薬上許容される誘導体であるところの、請求項1方法。
  7. 9a−カルバモイルまたはチオカルバモイルアザライドが、
    Figure 2008526948

    あるいはその医薬上許容される誘導体から選択されるところの、請求項1記載の方法。
  8. 対象がマラリア寄生虫に曝された後に、式Iの化合物を投与するところの、請求項1記載の方法。
  9. マラリア寄生虫が薬物耐性マラリア菌株であるところの、請求項8記載の方法。
  10. 薬物耐性マラリア菌株が1種または複数のクロロキン、メフロキン、ハロファントリン、アーテミシニン、アトバコン/プログアニル、ドキシサイクリンまたはプリマキンに対して耐性であるところの、請求項9記載の方法。
  11. マラリアが風土病である国に旅行する前に、対象に式Iの化合物を投与するところの、請求項1記載の方法。
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