JP2010534709A - 9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA誘導体およびマラリアを治療するためのそれらの使用 - Google Patents

9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA誘導体およびマラリアを治療するためのそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、抗マラリア活性を有する新規な2’−O−置換9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA誘導体に関する。より詳細には、本発明は、抗マラリア活性を有する2’−O−置換−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAおよび2’−O−置換−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA誘導体、それらを調製するための中間体、それらを調製するための方法、治療剤としてのそれらの使用、ならびに抗マラリア活性を有するそれらの塩に関する。

Description

本発明は、抗マラリア活性を有する新規な2’−O−置換9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA誘導体に関する。より詳細には、本発明は、抗マラリア活性を有する2’−O−置換−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAおよび2’−O−置換−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、それらを調製するための中間体、それらを調製するための方法、治療剤としてのそれらの使用、ならびに抗マラリア活性を有するそれらの塩に関する。
マラリアは、重篤な感染症である。2〜3億の人々がマラリアに感染し、毎年、200〜300万人の人々がマラリアで死亡する。この疾患は、雌のアノフェレス属(Anopheles)の蚊により媒介される寄生虫(プラスモジウム属(Plasmodia genus)の原虫)により引き起こされる。ヒトを侵すことがある4種の寄生虫、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(P.vivax)、卵形マラリア原虫(P.ovale)、および四日熱マラリア原虫(P.malariae)がある。熱帯熱マラリア(Malaria tropica)(熱帯熱マラリア原虫により引き起こされる)、三日熱マラリア(Malaria tertiana)(三日熱マラリア原虫または卵形マラリア原虫により引き起こされる)および四日熱マラリア(Malaria quartana)(四日熱マラリア原虫により引き起こされる)は区別される。熱帯熱マラリアは、この疾患の最も重篤な形態であり、重篤な全身症状を特徴とし、死をもたらすことがある。
マラリアは、体内における新世代の寄生虫の発生に必要とされる時間によって異なる間隔で起きる悪寒、発熱、および発汗の発作を特徴とする。急性発作からの回復後に、この疾患は、時々の再発を伴って慢性化する傾向がある。この疾患は、ブラジルのアマゾン地域、東部および南部アフリカならびに東南アジアを包含する世界の熱帯および亜熱帯地域において流行する。マラリアの治療に広く使用される薬剤であるクロロキンに耐性を示すマラリア寄生虫の出現が深刻な問題になっており、したがって、有効な療法を開発する差し迫った必要性が存在する。マラリアワクチンを開発する試みも今日まで失敗している。このことは、マラリアを治療するための代替薬剤をベースとするアプローチを見いだす差し迫った必要性の度合いを増している。
クロロキン、メフロキン、ハロファントリン、およびアルテミシニン、アトバクオン/プログアニル(Malarone(商標))、ドキシサイクリン、およびプリマキンなどの多様な化学的クラスの薬剤がマラリアを治療するために開発されてきた。しかしながら、マラリアの一部の株に対してわずかに成功を収めたものの、マラリアの大部分の株は、個々の薬剤ばかりでなく薬剤の複数の組合せに対しても耐性を生じたように見える。初期に功を奏した薬剤が、暫くするとまったく無効になる。最初の寛解期の後に、この疾患に対して何も有効でないように思える期間が続くことが多い。このことは、多剤耐性として知られており、抗マラリア薬開発努力における課題として残っている。1つまたは複数の薬剤による治療に対して初期に反応するマラリア寄生虫が、以前に使用された薬剤ばかりでなく多くの他の抗マラリア薬を使用する治療に対しても耐性を示すようになる。このことは、マラリアに対する良好な有効性および最小限の毒性を示す新たな化合物を見いだす差し迫った必要性をさらに強調する。
近年になって、いくつかの報告が、マクロライドに、マラリアに対する予防上ならびに治療上の使用の可能性があることを示した。ミデカマイシニン(Midecamycinin)が、プラスモジウムベルゲイ(Plasmodium berghei)およびプラスモジウムヨエリニジェリエンシス(Plasmodium yoelii nigeriensis)(マウス)ならびにサルマラリア原虫(Plasmodium cynomolgi)(アカゲザル)を使用する2つの感染モデルで1989年に研究された[S.K.PuriおよびG.P.Duti、Chemotherap.35(1989)187]。両マウスモデルにおいて、マクロライドミデカマイシニンは、活性であった。プラスモジウムベルゲイ感染に関する投与量は、プラスモジウムヨエリニジェリエンシスに関するよりも有意に低かった。サルモデルでは、有効性は認められなかった。他の検討では、動物モデルにアジスロマイシンをチャレンジした[S.K.PuriおよびN.Singh、Exp.Parasitol.94(2000)8]。25〜50mg/kgの投与量レジメンは、抗菌治療のために使用されるのと同じ投与量を反映する。アジスロマイシンは、予防上および治療上の投与で功を奏し、ミデカマイシニンと対照的に、アジスロマイシンは、サルモデルにおいても活性であった。
マラリア感染症を治療する際のアジスロマイシンの有効性は、ガンビアにおいて研究された[S.T.Sadiqら、Lancet 346(1995)、881]。トラコーマの治療法を受けている子供(アジスロマイシンは、クラミジアトラコマチス(C.trachomatis)に対して極めて有効である)も、マラリアの予防上または治療上の効果の兆候について調べられた。マラリア感染の様々な指標の明確な改善は、アジスロマイシンの有意な治療上の利益を示唆した。アジスロマイシンの予防上の有効性は、ケニアにおいて裏付けられた[S.L.Andersonら、Ann.Intern.Med.123(1995)771]。成人志願者で有意な防御が得られ、1000mgの週1回レジメンと対比して、250mgの1日1回投与スキームの使用を通してより良い予防が得られた。同様に、インドネシアのイリアンジャヤにおけるアジスロマイシンを使った二重盲検プラセボ対照試験では[W.R.Taylorら、Clin.Infect.Dis.28(1999)74]、アジスロマイシンで治療した非免疫患者における予防上の有効性は、対照と比較して熱帯熱マラリア原虫について71.6%および三日熱マラリア原虫について98.9%であった。
本発明は、式(I)
Figure 2010534709
(式中、
は、Hまたは式(a)
Figure 2010534709
のα−L−クラジノシル基を表し、
は、式−(CH−X−(CH−(NH)−Aを表し、
は、Hまたは−C(O)C1〜3アルキルを表すか、RおよびRは、介在する原子と一緒になって、式(b)
Figure 2010534709
の環状カーボネート基を形成し、
は、Hを表すか、RおよびRは、介在する原子と一緒になって、式(b)の環状カーボネート基を形成し、
Xは、−N(R)−、−NHC(O)−または−C(O)NH−を表し、
は、HまたはC1〜3アルキルを表し、
Aは、任意の利用可能な炭素原子を介して分子の残部に結合している式(c)または(d)
Figure 2010534709
の部分を表し、
は、Hまたはハロゲンを表し、任意の利用可能な炭素原子において式(c)または(d)に結合しており、
aは、2〜6の整数であり、
bは、0〜6の整数であり、
cは、0または1であり、
ただし、cが1の場合、bは、1〜6の整数である)により表される新規な2’−O−置換−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAおよび2’−置換−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA誘導体、またはそれらの塩に関する。
本発明は、式(I)の化合物を調製するのに有用な式(II)
Figure 2010534709
(式中、
は、アミノプロピルであり、
は、HまたはC(O)CHであり、
は、Hを表し、
は、Hまたは3−アミノプロピルである)の中間体にも関する。
本発明は、式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物にも関する。
さらに、本発明は、マラリア疾患を治療する方法であって、治療上有効な量の式(I)の化合物を、それを必要としている患者に投与することを含む方法にも関する。さらに、本発明の新規な式(I)の化合物は、プラスモジウム属、特に、多剤耐性プラスモジウム種に対して良好な効力を示すことがある。
本発明の別の態様によれば、ヒトまたは動物の薬物療法において使用するための式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩が提供される。
本発明の別の態様によれば、マラリアの治療上および/または予防上の治療において使用するための式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩が提供される。
本発明の別の態様において、マラリアを治療するための医薬品の製造における式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩の使用が提供される。
本発明の一態様において、治療は、治療上または予防上の治療である。
本発明は、そのような治療を必要としている対象におけるマラリアの治療上および/または予防上の治療に有効な量で式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩を含む組成物も対象とする。
本発明は、マラリアの予防またはマラリア寄生虫に暴露された対象の治療において式(I)の化合物を使用するための方法も対象とする。
1つの特定の実施形態において、本発明は、式(I)
Figure 2010534709
(式中、
は、Hまたは式(a)
Figure 2010534709
のα−L−クラジノシル基を表し、
は、式−(CH−X−(CH−(NH)−Aを表し、
は、Hまたは−C(O)C1〜3アルキルを表すか、RおよびRは、介在する原子と一緒になって、式(b)
Figure 2010534709
の環状カーボネート基を形成し、
は、Hを表すか、RおよびRは、介在する原子と一緒になって、式(b)の環状カーボネート基を形成し、
Xは、−N(R)−、−NHC(O)−または−C(O)NH−を表し、
は、HまたはC1〜3アルキルを表し、
Aは、任意の利用可能な炭素原子を介して分子の残部に結合している式(c)または(d)
Figure 2010534709
の部分を表し、
は、Hまたはハロゲンを表し、任意の利用可能な炭素原子において式(c)または(d)に結合しており、
aは、2〜6の整数であり、
bは、0〜6の整数であり、
cは、0または1であり、
ただし、cが1の場合、bは、1〜6の整数である)により表される新規な2’−O−置換−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAおよび2’−置換−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA誘導体、またはそれらの塩を対象とする。
さらなる実施形態において、本発明は、式(I)の化合物を調製するのに有用な式(II)
Figure 2010534709
(式中、
は、アミノプロピルであり、
は、HまたはC(O)CHであり、
は、Hを表し、
は、Hまたは3−アミノプロピルである)の中間体にも関する。
本発明の組成物に関連して使用する「薬学的に許容できる」という語句は、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与された場合、生理学的に忍容性があり、典型的には、有害な反応を生じない、そのような組成物の分子実体および他の成分を指す。本明細書で使用する「薬学的に許容できる」という用語は、連邦政府または州政府の規制機関により認可されているか、哺乳動物、より詳細にはヒトで使用するために米国薬局方または他の一般的に認められた薬局方に列挙されていることを意味することが好ましい。
本発明の医薬組成物に適用される「担体」という用語は、活性化合物と一緒に投与される希釈剤、賦形剤、またはビヒクルを指す。そのような医薬担体は、水、食塩溶液、水性デキストロース溶液、水性グリセロール溶液などの無菌の液体、およびラッカセイ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などの石油、動物、植物もしくは合成起源のものを包含する油であってよい。適当な医薬担体は、参照により組み込まれているE.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第18版に記載されている。即時放出、すなわち、60分以下などの短時間に活性成分の大部分またはすべてを放出し、薬剤の迅速な吸収を可能にするのに適している担体が本発明にとって特に好ましい。
本発明の化合物は、薬学的に許容できる塩の形態であってよく、かつ/または薬学的に許容できる塩として投与することができる。適当な塩に関する総説については、Bergeら、J.Pharm.Sci.66(1977)1〜19を参照されたい。
典型的には、薬学的に許容できる塩は、望ましい酸を使用することにより容易に調製することができる。塩は、溶液から沈殿させて濾過により集めるか、溶媒の蒸発により回収することができる。例えば、塩酸などの酸の水溶液を、式(I)の化合物の水性懸濁液に加え、得られる混合物を、乾燥状態まで蒸発させ(凍結乾燥し)、固体として酸付加塩を得ることができる。代替方法として、式(I)の化合物を、適当な溶媒、例えば、イソプロパノールなどのアルコールに溶かし、酸を、同じ溶媒または別の適当な溶媒中で加えることができる。次いで、得られる酸付加塩を、直接沈殿させるか、ジイソプロピルエーテルまたはヘキサンなどの極性の低い溶媒を添加することにより、濾過により単離することができる。
適当な付加塩は、無毒性の塩を形成する無機または有機酸から形成され、例は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、オキサロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、アルキルまたはアリールスルホン酸塩(例えば、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩)およびイセチオン酸塩である。本発明の一態様において、塩は、酢酸塩である。塩の代表例は、トリフルオロ酢酸塩およびギ酸塩、例えば、ビスまたはトリストリフルオロ酢酸塩およびモノまたはジギ酸塩、特に、トリスまたはビストリフルオロ酢酸塩およびモノギ酸塩を包含する。
別の態様において、本発明の化合物は、薬学的に許容できる塩、溶媒和物およびエステルである。さらなる態様において、本発明の化合物は、薬学的に許容できる塩およびエステルである。さらなる態様において、本発明の化合物は、薬学的に許容できる塩である。
有機化学の当業者は、多くの有機化合物が、それらを反応させるか、それらを沈殿または結晶化させる溶媒と複合体を形成することがあることを理解しているであろう。これらの複合体は、「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は、「水和物」として知られている。本発明の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲内にある。式(I)の化合物の塩は、溶媒和物(例えば、水和物)を形成することがあり、本発明は、すべてのそのような溶媒和物も包含する。
本発明は、式(I)の化合物の薬学的に許容できるエステル、例えば、カルボン酸エステル−COOR(Rは、直鎖または分岐鎖アルキル、例えば、n−プロピル、n−ブチル、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えば、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシまたはアミノにより置換されていてもよいフェニル)から選択される)にも関する。別途指示されていない限り、そのようなエステル中に存在する任意のアルキル部分は、1〜18個の炭素原子、特に、1〜4個の炭素原子を含有することが適当である。そのようなエステル中に存在する任意のアリール部分は、フェニル基を含むことが適当である。
本発明による化合物への言及は、式(I)の化合物と、それらの薬学的に許容できる塩、溶媒和物およびエステルの両方を包含する。
立体異性体に関して、式(I)の化合物は、2個以上の不斉炭素原子を有する。描かれている一般式(I)において、実線のくさび形結合は、結合が、紙面の上にあることを示している。破線の結合は、結合が、紙面の下にあることを示している。
マクロライド上の置換基も、2個以上の不斉炭素原子を有していることが理解されるであろう。したがって、式(I)の化合物は、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして生じることがある。すべてのそのような異性形態は、それらの混合物を包含し、本発明内に包含される。
本発明は、本発明の化合物の個々の立体異性体および、適切な場合に、混合物と一緒に、それらの個々の立体異性形態を包含する。
ジアステレオ異性体の分離は、従来の技法により、例えば、分別結晶、クロマトグラフィーまたはHPLCにより行うことができる。個々の立体異性体も、場合に応じて、対応する光学的に純粋な中間体から、または適当なキラル支持体を用いる対応する混合物のHPLCなどの分割により、または対応する混合物を適当な光学活性な酸または塩基と反応させることにより形成されるジアステレオ異性塩の分別結晶により調製することができる。
式(I)の化合物は、結晶性形態または非晶質形態であってよい。さらに、式(I)の化合物の結晶性形態の一部は、多形体として存在することがあり、本発明に包含される。
本発明の一態様において、Rは、Hを表す。
本発明の一態様において、Rは、式(a)のα−L−クラジノシル基を表す。
本発明の一態様において、Rは、式−(CH−X−(CH−(NH)−A(式中、Xは、−NHC(O)−であり、cは、1であり、a、bおよびAは、上記で式(I)において定義されている通りである)を表す。
本発明の別の態様において、Rは、式−(CH−X−(CH−(NH)−A(式中、Xは、−NHC(O)−であり、aは、3であり、bは、3であり、cは、1であり、Aは、式(c)の部分である)を表す。
本発明の一態様において、Rは、式−(CH−X−(CH−(NH)−A(式中、Xは、−NH−であり、aは、3であり、bは、0であり、cは、0であり、Aは、式(c)の部分である)を表す。
本発明の一態様において、aとbの和は、8以下である。本発明のさらなる態様において、aとbの和は、3、4または6である。
本発明の一態様において、aは、3であり、bは、1であり、cは、1である。本発明のさらなる態様において、aは、3であり、bは、1であり、cは、0である。本発明のさらなる態様において、aは、3であり、bは、0であり、cは、0である。本発明のさらなる態様において、aは、3であり、bは、3であり、cは、1である。本発明のさらなる態様において、aは、2であり、bは、2であり、cは、1である。
本発明の一態様において、Aは、2−、3−、または4−位を介して分子の残部に結合している式(c)の部分である。本発明のさらなる態様において、Aは、1−位を介して分子の残部に結合している式(d)の部分である。
本発明のさらなる態様において、Aは、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル、7−クロロ−4−キノリニルまたは3−クロロ−1−イソキノリニルを表す。本発明のさらなる態様において、Aは、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル、または7−クロロ−4−キノリニルを表す。本発明のさらなる態様において、Aは、7−クロロ−4−キノリニルを表す。
本発明の一態様において、Rは、Hを表す。
本発明の一態様において、Rは、Hを表す。
本発明の一態様において、Rは、Hまたはメチルを表す。本発明のさらなる態様において、Rは、Hを表す。
本発明の一態様において、Rは、Hを表す。本発明のさらなる態様において、Rは、塩素原子を表す。本発明のさらなる態様において、Rは、7−位において式(c)の部分に結合している塩素原子を表す。本発明のさらなる態様において、Rは、3−位において式(d)の部分に結合している塩素原子を表す。
本発明は、本明細書に記載されている態様、適当で好都合で好ましい基のすべての組合せを包含することが理解されるであろう。
本明細書で使用する「アルキル」という用語は、表示された炭素原子数を含有する飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素ラジカルを指し、例えば、C1〜3アルキルは、1〜3個の炭素原子を含有する。「C1〜3アルキル」ラジカルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルを包含する。
本明細書で使用する「低級アルコール」という用語は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノールなどのC1〜4アルコールを指す。
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を指す。
本明細書で使用する「不活性溶媒」という用語は、ヘキサン、トルエン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、THF、ジクロロメタンなどの非極性溶媒、アセトニトリル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジンなどの極性非プロトン性溶媒、ならびに低級アルコール、酢酸、ギ酸および水などの極性プロトン性溶媒を包含する、溶けている化合物と反応することができない溶媒を指す。
式(I)の化合物は、
2’−O−[3−({4−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]ブタノイル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−[3−({4−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]ブタノイル}アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−{3−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
11−O−アセチル−2’−O−{3−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−{3−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−{3−[(4−キノリニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−[3−({2−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]エタノイル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−[3−({2−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]エタノイル}アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−[3−({2−[(4−キノリニル)アミノ]エタノイル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−[3−({2−[(4−キノリニル)アミノ]エタノイル}アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−[3−({2−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]エチル}アミノ)−3−オキソプロピル]9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−[3−({4−[(4−キノリニル)アミノ]ブタノイル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−[3−[(3−キノリニルカルボニル)アミノ]プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−{3−[(4−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−{3−[(4−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−{3−[メチル(4−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−{3−[(3−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−{3−[メチル(3−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−{3−[(3−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−{3−[(2−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O−{3−[(3−クロロ−1−イソキノリニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;および
2’−O−{3−[メチル(3−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
およびそれらの塩を包含する。
式(II)の化合物は、
2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAおよび11−O−アセチル−2’−O,4”−O−ジ−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
ならびにそれらの塩を包含する。
マラリアの「治療すること」または「治療」は、治療上の治療および予防上の治療を包含する。
マラリアの「治療上の治療」は、
i.寄生虫と接触したことがある哺乳動物において発症するマラリアの臨床症状の出現を防ぐ、または遅らせること、
ii.マラリアを阻害すること、すなわち、マラリアの発症またはその再発またはその少なくとも1つの臨床症状もしくは亜臨床症状を止める、減らす、もしくは遅らせること、または
iii.マラリアの臨床症状または亜臨床症状のうちの1つまたは複数を緩和する、または軽減することを包含する。
治療すべき対象にとっての利益は、統計的に有意であるか患者または医師に少なくとも知覚可能であるかのどちらかである。
マラリアの「予防上の治療」または「予防」は、マラリアを発症する危険性がある対象を治療することを包含する。このことは、マラリアを運ぶ蚊に曝されたことがある対象の治療、マラリアが風土性である国に旅行しようとする対象の治療およびマラリアを運ぶ蚊に曝される危険を冒そうとする対象の治療を包含する。
「維持療法」は、定まった(通常は、より少ない)投与量の薬剤を患者に送達して疾患の再発および悪化を防ぐ、病気の急性期の初期治療の成功に続く予防療法である。三日熱マラリア原虫および卵形マラリア原虫寄生虫は、何年にもわたって無症状のままであることがある肝臓内休眠期(dormant liver stages)を有する。維持療法は、これらの株にとって特に重要である。急性期の特徴は、悪寒および発熱のような症状を包含する。
「対象」は、動物、特に、哺乳動物、より詳細には、ヒトまたは家畜または疾患モデルの役割を果たす動物(例えば、マウス、サルなど)を指す。一態様において、対象は、ヒトである。本明細書で使用する患者という用語は、対象と同義で使用される。
「治療上有効な量」は、状況、障害または状態を治療するために哺乳動物に投与される場合、そのような治療を行うのに十分な化合物の量を意味する。「治療上有効な量」は、化合物、疾患およびその重症度ならびに治療すべき哺乳動物の年齢、体重、身体的状態および応答性によって変わり、最終的には主治医の裁量によるであろう。
医薬組成物
本発明の方法における使用のために、式(I)の化合物を原薬(bulk substance)として投与することが可能であるが、例えば、薬剤が、意図した投与経路および標準薬務に関して選択される少なくとも1つの薬学的に許容できる担体との混合物中にある医薬処方で活性成分を提供することが好ましい。
「担体」という用語は、活性化合物と一緒に投与される希釈剤、賦形剤、および/またはビヒクルを指す。本発明の医薬組成物は、2つ以上の担体の組合せを含有することがある。そのような医薬担体は、水、食塩溶液、水性デキストロース溶液、水性グリセロール溶液などの無菌の液体、およびラッカセイ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などの石油、動物、植物もしくは合成起源のものを包含する油であってよい。水または水溶液食塩溶液ならびに水性デキストロースおよびグリセロール溶液は、担体として、特に、注射用液剤のために用いられることが好ましい。適当な医薬担体は、E.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第18版に記載されている。医薬担体の選択は、意図した投与経路および標準薬務に関して選択することができる。医薬組成物は、担体の他に、任意の適当な1つまたは複数の結合剤、1つまたは複数の滑沢剤、1つまたは複数の懸濁化剤、1つまたは複数のコーティング剤、および/または1つまたは複数の可溶化剤を含むことがある。「薬学的に許容できる賦形剤」は、一般的に、安全で無毒であり、生物学的にも他の点でも不都合ではない、医薬組成物を調製するのに有用な賦形剤を意味し、動物への使用ならびにヒト医薬への使用に許容できる賦形剤を包含する。本出願で使用する「薬学的に許容できる賦形剤」は、1つのそのような賦形剤と2つ以上のそのような賦形剤の両方を包含する。
本発明に従って使用するための医薬組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容できる担体または賦形剤を使用して従来のように製剤化することができる経口、非経口、経皮、吸入、舌下、局所、インプラント、経鼻、または経腸で投与される(または、他の粘膜投与される)懸濁剤、カプセル剤または錠剤の形態であってよいことが理解されよう。
異なるデリバリーシステムに応じて異なる組成物/処方要件が存在することがある。化合物のすべてが同じ経路により投与される必要がないことが理解されるべきである。同様に、組成物が、2つ以上の活性成分を含む場合、それらの成分は、同じかまたは異なる経路により投与することができる。一例として、本発明の医薬組成物は、ミニポンプを使用するか粘膜経路により、例えば、鼻腔スプレーもしくは吸入用エアゾールもしくは摂取可能な溶液として、または組成物が、例えば、静脈内、筋肉内または皮下経路により送達するための注射可能な形態により製剤化される非経口的に送達されるように製剤化することができる。代替方法として、処方は、複数の経路により送達されるように設計することができる。
本発明は、さらに、薬学的に許容できるビヒクルと混合されている治療上有効な量の式(I)の化合物またはその塩のうちの1つを含有する医薬処方に関する。本発明の医薬処方は、経口、粘膜および/または非経口投与に適している液剤(liquids)、例えば、点滴剤、シロップ剤、溶液剤(solutions)、使用できる状態にあるか凍結乾燥製品の希釈により調製される注射可能な溶液剤であってよいが、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、ペレット剤、膣坐剤、坐剤、クリーム剤、軟膏剤(salves)、ゲル剤、軟膏剤(ointments)のような固体または半固体;または溶液剤、懸濁剤、乳剤、もしくは経皮経路もしくは吸入による投与に適している他の形態であることが好ましい。
本発明の化合物は、即時放出、遅延放出、放出調節、持続放出、パルス放出または制御放出の適用のために投与することができる。
一態様において、経口組成物は、持続放出、遅延放出または定位(positioned)放出(例えば、腸放出、特に、結腸放出)の錠剤またはカプセル剤である。この放出プロファイルは、胃内の条件に抵抗性であるが、結腸または病変もしくは炎症部位が特定された胃腸管の他の部分において内容物を放出するコーティングの使用により達成することができるが、これらに限定されるものではない。または、遅延放出は、崩壊するのが単に遅いコーティングにより達成することができる。または、2つの(遅延放出および定位放出)プロファイルは、1つまたは複数の適切なコーティングおよび他の賦形剤の選択により単一の処方中で組み合わせることができる。そのような処方は、本発明のさらなる特徴を構成する。
遅延放出または定位放出に適している組成物および/または腸溶コーティングされた経口処方は、耐水性で、pH感受性があり、腸液により消化されるか乳化され、または濡れた場合に遅いが一定の速度で剥がれる材料でフィルムコーティングされた錠剤処方を包含する。適当なコーティング材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸のポリマーおよびそのエステル、ならびにそれらの組合せを包含するが、これらに限定されるものではない。ポリエチレングリコール、ジブチルフタレート、トリアセチンおよびヒマシ油などであるがこれらに限定されない可塑剤を使用することができる。色素も、フィルムを着色するのに使用することができる。坐剤は、カカオ脂、Suppocire C、およびSuppocire NA50(Gattefosse Deutschaland GmbH、D−Weil am Rhein、Germanyにより供給される)ならびに水素化パーム油およびパーム核油(C〜C18トリグリセリド)のエステル交換、グリセロールおよび特定の脂肪酸のエステル化により得られる他のSuppocireタイプの賦形剤、またはポリグリコシル化グリセリド、およびホワイトプソル(whitepsol)(添加物を含む水素化植物油誘導体)などの坐剤基剤のような担体を使用することにより調製される。浣腸剤は、本発明による適切な活性化合物および懸濁剤用の溶媒または賦形剤を使用することにより製剤化される。懸濁剤は、微粉化された化合物、ならびにカルボキシメチルセルロースおよびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシビニルポリマーおよびそれらの塩、アルギン酸およびその塩、プロピレングリコールアルギネート、キトサン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミドポリマー、ポリビニルメタクリレート、ポリエチレングリコール、プルロニック、ゼラチン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、可溶性デンプン、プルランおよびメチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートのコポリマー、レシチン、レシチン誘導体、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン水和ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびプルロニックのような懸濁液安定化剤、増粘剤および乳化剤を含有する適切なビヒクルならびに6.5〜8のpH範囲の適切な緩衝系を使用することにより製造される。保存剤、マスキング剤の使用が適している。微粉化された粒子の平均直径は、1〜20マイクロメートルであってよいか、1マイクロメートル未満であってよい。化合物は、それらの水溶性塩形態を使用することにより処方に組み入れることもできる。
代替方法として、材料は、錠剤のマトリクス、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロースまたはアクリル酸およびメタクリル酸エステルのポリマー中に組み入れることができる。これら後者の材料は、圧縮コーティングにより錠剤に適用することもできる。
医薬組成物は、投与の方法に応じて、治療上有効な量の活性物質を、異なる形態を有することがある薬学的に許容できる担体と混ぜることにより調製することができる。医薬組成物は、従来の医薬賦形剤および調製方法を使用することにより調製することができる。経口投与のための形態は、ラクトース、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、マンニトールを包含する通常の固体ビヒクル、ならびにエタノール、グリセロールおよび水を包含するがこれらに限定されない通常の液体経口賦形剤が添加されていてもよいカプセル剤、散剤または錠剤であってよい。すべての賦形剤は、崩壊剤、溶媒、造粒剤、保湿剤および結合剤と混ぜることができる。固体担体が、経口組成物の調製に使用される場合(例えば、デンプン、砂糖、カオリン、結合剤、崩壊剤)、調製物は、粉末、顆粒剤またはコーティングされた粒子剤を含有するカプセル剤、錠剤、硬質ゼラチンカプセル剤、または顆粒剤であるがこれらに限定されない形態であってよく、固体担体の量は、変わることがある(1mg〜1g)。錠剤およびカプセル剤は、好ましい経口組成物形態である。
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、例えば、溶液、懸濁液、または乳濁液を包含する、意図した投与方法に適している任意の形態であってよい。液体担体は、典型的には、溶液剤、懸濁剤、および乳剤を調製するのに使用される。本発明の実施における使用が企図されている液体担体は、例えば、水、食塩水、薬学的に許容できる1つまたは複数の有機溶媒、薬学的に許容できる油または脂肪など、ならびにそれらの2つまたはそれ以上の混合物を包含する。液体担体は、可溶化剤、乳化剤、栄養素、緩衝液、保存剤、懸濁化剤、粘稠剤、粘性調節剤、安定化剤などの他の適当な薬学的に許容できる添加剤を含有することができる。適当な有機溶媒は、例えば、エタノールなどの一価アルコール、グリコールなどの多価アルコールを包含する。適当な油は、例えば、ダイズ油、ココナッツ油、オリーブ油、ベニバナ油、綿実油などを包含する。非経口投与の場合、担体は、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルなどの油状エステルであってもよい。本発明の組成物は、微粒子剤、マイクロカプセル剤、リポソームカプセル化剤など、ならびにそれらの任意の2つまたはそれ以上の組合せであってもよい
本発明において有用な経口組成物のための薬学的に許容できる崩壊剤の例は、デンプン、アルファ化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、微結晶性セルロース、アルギネート、樹脂、界面活性剤、発泡性組成物、水性ケイ酸アルミニウムおよび架橋ポリビニルピロリドンを包含するが、これらに限定されるものではない。
本明細書において有用な経口組成物のための薬学的に許容できる結合剤の例は、アカシア;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;ゼラチン、グルコース、デキストロース、キシリトール、ポリメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、トラガカント、キサンタン樹脂、アルギネート、ケイ酸マグネシウム−アルミニウム、ポリエチレングリコールまたはベントナイトを包含するが、これらに限定されるものではない。
経口組成物のための薬学的に許容できる充填剤の例は、ラクトース、アンヒドロラクトース、ラクトース1水和物、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、セルロース(特に、微結晶性セルロース)、ジヒドロ−またはアンヒドロ−リン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよび硫酸カルシウムを包含するが、これらに限定されるものではない。
本発明の組成物において有用な薬学的に許容できる滑沢剤の例は、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドのポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびコロイド状二酸化ケイ素を包含するが、これらに限定されるものではない。
経口組成物に適している薬学的に許容できる着臭剤の例は、合成芳香および油、花、果物(例えば、バナナ、リンゴ、スミノミザクラ、モモ)の抽出物およびそれらの混合物などの天然芳香油および類似の芳香を包含するが、これらに限定されるものではない。それらの使用は、多くの要因に依存するが、最も重要なのは、医薬組成物を服用することになる集団にとっての官能受容性である。
経口組成物に適している薬学的に許容できる染料の例は、二酸化チタン、β−カロテンおよびグレープフルーツ果皮の抽出物などの合成および天然染料を包含するが、これらに限定されるものではない。
経口組成物に適している薬学的に許容できる甘味料の例は、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、ラクトースおよびスクロースを包含するが、これらに限定されるものではない。
薬学的に許容できる緩衝液の適当な例は、クエン酸、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウムおよび水酸化マグネシウムを包含するが、これらに限定されるものではない。
薬学的に許容できる界面活性剤の適当な例は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベートを包含するが、これらに限定されるものではない。
薬学的に許容できる保存剤の適当な例は、溶媒、例えば、エタノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、四級アンモニウム塩、およびパラベン(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンなど)などの様々な抗菌剤および抗真菌剤を包含するが、これらに限定されるものではない。
薬学的に許容できる安定化剤および抗酸化剤の適当な例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、チオ尿素、トコフェロールおよびブチルヒドロキシアニソールを包含するが、これらに限定されるものではない。
本発明の化合物は、例えば、ヒトまたは動物用の医薬で使用するための従来の坐剤基剤を含有する坐剤として、または、例えば、従来の膣坐剤基剤を含有する膣坐剤として製剤化することもできる
本発明による化合物は、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、溶液剤、シャンプー剤、散剤(噴霧用散剤または散布用散剤を包含する)、膣坐剤、タンポン剤、スプレー剤、浸漬剤(dips)、エアゾール剤、点滴剤(例えば、点眼剤、点耳剤または点鼻剤)またはポアオン剤(pour−ons)の形態で、ヒトおよび動物用の医薬で使用するために、局所投与のために製剤化することができる。
皮膚へ局所的に適用する場合、本発明の薬剤は、例えば、下記の:鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン配合物、乳化ワックス、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール、液体パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水のうちの1つまたは複数との混合物に懸濁するか溶かした活性化合物を含有する適当な軟膏として製剤化することができる。そのような組成物は、ポリマー、油、液体担体、界面活性剤、緩衝液、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、保湿剤、皮膚軟化剤、着色剤、および着臭剤などの他の薬学的に許容できる賦形剤も含むことができる。
そのような局所組成物に適している薬学的に許容できるポリマーの例は、アクリルポリマー;カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体;アルギネート、トラガカント、ペクチン、キサンタンおよびシトサン(cytosan)などの天然ポリマーを包含するが、これらに限定されるものではない。
示されているように、本発明の化合物は、鼻腔内にまたは吸入により投与することができ、乾燥粉末インヘイラーまたは適当な噴射剤、例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134AT)もしくは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EA)、またはそれらの混合物などのヒドロフルオロアルカンを使用して、加圧容器、ポンプ、スプレーまたはネブライザーからのエアゾールスプレー提供の形態で好都合に送達される。加圧エアゾールの場合、用量単位は、一定量を送達するバルブを提供することにより決定することができる。加圧容器、ポンプ、スプレーまたはネブライザーは、例えば、滑沢剤、例えば、ソルビタントリオレエートをさらに含有することがある、溶媒としてのエタノールと噴射剤の混合物を使用し、活性化合物の溶液または懸濁液を含有することができる。
インヘイラーまたはインサフレーターにおいて使用するためのカプセル剤およびカートリッジ剤(例えば、ゼラチン製)は、化合物とラクトースまたはデンプンなどの適当な粉末基剤との粉末ミックスを含有するように製剤化することができる。
吸入による局所投与については、本発明による化合物は、ネブライザーを介してヒトまたは動物用の医薬で使用するために送達することができる。
本発明の医薬組成物は、活性材料を容量当たり0.01〜99重量%を含有することができる。例えば、局所投与の場合、組成物は、一般的に、活性材料0.01〜10%、より好ましくは、0.01〜1%を含有するであろう。
本発明の化合物の治療上有効な量は、当技術分野において知られている方法により決定することができる。治療上有効な量は、対象の年齢および一般生理学的条件、投与経路ならびに使用される医薬処方によって異なるであろう。治療上の投与量は、一般的に、約10〜2000mg/日、適当には、約30〜1500mg/日であろう。例えば、50〜500mg/日、50〜300mg/日、20〜200mg/日、100〜200mg/日を包含する他の範囲を使用することができる。成人ヒト治療のために用いられるような1日投与量は、体重1kg当たり0.01〜150mg、適当には、体重1kg当たり2〜100mg、または、適当には、体重1kg当たり5〜60mgの範囲であり、例えば、投与経路および対象の条件に応じて、1〜4の1日投与量で投与することができる。組成物が、用量単位を含む場合、各単位は、一般的に、活性成分10mg〜2g、適当には、活性成分200mg〜1gを含有するであろう。予防上有効な用量と呼ばれる予防上の治療に必要とされる化合物の量は、一般的に、治療上の治療について記載されているのと同じであるが、より少ない投与量および/または週に1回などのあまり頻繁でない投与を使用することが望ましいことがある。
投与は、1日1回、1日2回、またはより頻繁であってよく、疾患または障害の維持期の間は、例えば、毎日もしくは1日2回の代わりに2日もしくは3日毎に1回に減らすことができる。投与量および投与頻度は、当業者に知られている急性期の少なくとも1つまたは複数、好ましくは、2つ以上の臨床徴候の軽減または消失を伴う寛解期の維持を裏付ける臨床徴候によって異なるであろう。
調製の方法:
式(I)の化合物およびそれらの塩は、本発明のさらなる態様を構成する、本明細書で後に概説する一般的方法により調製することができる。下記の説明において、基R、R、R、R、R、R、X、A、a、bおよびcは、別途指示されていない限り、式(I)の化合物について定義されている意味を有する。
式(I)の化合物を調製するのに使用される中間体の保護された誘導体を使用することが望ましいことがあることは、当業者により理解されるであろう。官能基の保護および脱保護は、当技術分野において知られている方法により行うことができる。ヒドロキシルまたはアミノ基は、任意のヒドロキシルまたはアミノ保護基で保護することができる(例えば、GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley and Sons、New York、1999に記載されているように)。保護基は、従来の技法により除去することができる。例えば、アシル基(アルカノイル、アルコキシカルボニルおよびアリーロイル(aryloyl)基)は、加溶媒分解により(例えば、酸性または塩基性条件下の加水分解により)除去することができる。アリールメトキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル)は、パラジウム炭素などの触媒存在下での水素化分解により切断することができる。1,2ジオール基は、N,N−ジメチルアセトアミドのジメチルアセタール(DMADMA)またはN,N−ジメチルホルムアミドのジメチルアセタール(DMFDMA)との反応によりアセタールとして保護することができ、還流状態における水素化分解または加メタノール分解により除去することができる(Tetrahedron Lett.12(1971)、813〜816、Collection Czech.Chem.Commun.32(1967)、3159)。
標的化合物の合成は、当業者によく知られている標準的技法を使用し、最後から2番目の中間体中に存在する任意の保護基を除去することにより完了する。次いで、最終生成物を、必要に応じて、シリカゲルクロマトグラフィー、シリカゲル上のHPLCなどの標準的技法を使用するか、再結晶により精製する。
が、式a)の基であり、Xが、二価ラジカル−N(R)−であり、aが、2〜6であり、bが、1〜6であり、cが、0である式(I)の化合物は、Rが、Hまたはヒドロキシル保護基である式(III)
Figure 2010534709
のアミンの、式(IV)
Figure 2010534709
の適当なアルデヒドとの還元アミノ化による反応により調製することができる。
還元アミノ化反応は、メタノール、DMFまたはそれらの混合物などの溶媒中で行われることが好ましい。適当な還元剤は、例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
が、式a)の基であり、Xが、二価ラジカル−N(R)−であり、aが、2〜6であり、bが、0であり、cが、0である式(I)の化合物は、式(III)のアミンの、式(Va)
L−A(Va)
(式中、Lは、脱離基を表す)の試薬との反応により調製することができる。脱離基Lは、このタイプの反応に適していることが当技術分野において知られている任意の脱離基であってよい。Lは、クロライド、ブロマイド、イオダイド、トシルオキシおよびメタンスルホニルオキシ基から選択されることが好ましい。
反応は、ハロ炭化水素(例えば、ジクロロメタン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフランまたはジメトキシエタン)、アセトニトリルまたは酢酸エチルなど、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミドまたは1−メチル−ピロリドンなどの溶媒中および塩基存在下で行われることが好ましく、望ましい場合、続いて、ヒドロキシル保護基を除去する。適当な塩基の例は、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)などの有機塩基および水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの無機塩基を包含する。
が、式a)の基であり、Xが、二価ラジカル−N(R)−であり、aが、2〜6であり、bが、1〜6であり、cが、1である式(I)の化合物は、式(III)のアミンの、式(Vb)
Figure 2010534709
(式中、Lは、脱離基を表す)との、式(III)および(Va)の化合物について上記に記載されているような反応条件下での反応により調製することができる。脱離基Lは、このタイプの反応に適していることが当技術分野において知られている任意の脱離基であってよい。Lは、クロライド、ブロマイド、イオダイド、トシルオキシおよびメタンスルホニルオキシ基から選択されることが好ましい。
が、式a)の基であり、Xが、二価ラジカル−NHC(O)−であり、aが、2〜6であり、bが、0〜6であり、cが、0である式(I)の化合物は、Rが、Hであり、Rが、Hまたはヒドロキシル保護基である式(III)のアミンの、式(VI)
Figure 2010534709
の化合物との、ハロ炭化水素(例えば、ジクロロメタン)またはN,N−ジメチルホルムアミドなどの適当な非プロトン性溶媒中でのヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物(HOBt)存在下でのジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)または1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)などのカルボジイミド存在下での、所望により、ジメチルアミノピリジンまたはトリエチルアミンなどの三級有機塩基存在下または無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム)存在下での、および0℃〜120℃の範囲内の温度における反応により調製することができる。
さらに別の実施形態において、Rが、式a)の基であり、Xが、二価ラジカル−C(O)NH−であり、aが、2〜6であり、bが、0〜6であり、cが、0である式(I)の化合物は、Rが、Hまたはヒドロキシル保護基である式(VII)
Figure 2010534709
の化合物の、式(VIII)
N−(CH−A(VIII)
のアミンとの反応により調製することができる。
反応は、ハロ炭化水素(例えば、ジクロロメタン)またはN,N−ジメチルホルムアミド、低級アルコール(例えば、tert−ブタノール、iso−プロパノール、エタノールまたはメタノール)などの適当な不活性溶媒中で、所望により、EDC、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンもしくはDBUなどの有機塩基、または水酸化ナトリウム、水酸化リチウムもしくは水酸化カリウムなどの無機塩基存在下で、および0℃〜120℃の範囲内の温度にて行われることが適当である。
さらなる実施形態において、Rが、式a)の基であり、Xが、二価ラジカル−N(R)−であり、aが、2〜6であり、bが、1〜6であり、cが、1である式(I)の化合物は、Rが、Hまたはヒドロキシル保護基である式(III)の化合物の、式(IX)
Figure 2010534709
の適当なアルデヒドとの、式(III)および(IV)の化合物の反応について上記に記載されているような条件下での還元アミノ化による反応により調製することができる。
さらなる実施形態において、Rが、式a)の基であり、Xが、二価ラジカル−NHC(O)−であり、aが、2〜6であり、bが、1〜6であり、cが、1である式(I)の化合物は、Rが、水素である式(III)の化合物の、式(X)
Figure 2010534709
の化合物との、ハロ炭化水素(例えば、ジクロロメタン)またはN,N−ジメチルホルムアミドなどの適当な非プロトン性溶媒中でのヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物(HOBt)存在下でのジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)または1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)などのカルボジイミド存在下での、所望により、ジメチルアミノピリジンまたはトリエチルアミンなどの三級有機塩基存在下または無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム)存在下での、および0℃〜120℃の範囲内の温度における反応により調製することができる。
さらに別の実施形態において、Rが、式a)の基であり、Xが、二価ラジカル−C(O)NH−であり、aが、2〜6であり、bが、1〜6であり、cが、1である式(I)の化合物は、Rが、Hまたはヒドロキシル保護基である式(VII)の化合物の、式(XI)
NH−(CH−NH−A (XI)
の化合物との反応により調製することができる。
反応は、ハロ炭化水素(例えば、ジクロロメタン)またはN,N−ジメチルホルムアミド、低級アルコール(例えば、tert−ブタノール、iso−プロパノール、エタノールまたはメタノール)などの適当な不活性溶媒中で、所望により、EDC、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンもしくはDBUなどの有機塩基、または水酸化ナトリウム、水酸化リチウムもしくは水酸化カリウムなどの無機塩基存在下で、および0℃〜120℃の範囲内の温度にて行われることが適当である。
が、水素であり、aが、2〜6の整数である式(III)の化合物は、a’が、1〜5の整数である式(XII)
Figure 2010534709
の化合物から、シアノ窒素の−NHへの還元により調製することができる。
反応は、酢酸などの適当な溶媒中で、5バールなどの適当な圧力における二酸化白金などの適当な触媒存在下での水素化などの適当な還元条件を使用して行われることが適当である。
a’が、2〜6の整数である式(XII)の化合物は、R、RおよびRが、適当なヒドロキシ保護基である式(XIII)
Figure 2010534709
の化合物の、適当なビニルニトリル、例えば、a’が、2である場合にアクリロニトリルとの、NaOH、KOBu、NaOBuまたはNaHなどの強塩基存在下での、DMSOまたはt−BuOHなどの適当な溶媒中での反応により調製することができる。
a’が、1である式(XII)の化合物は、R、RおよびRが、適当なヒドロキシ保護基である式(XIII)の化合物から、適当なモノハロゲン化アセトニトリル、例えば、クロロアセトニトリルとの、NaOH、KOBu、NaOBuまたはNaHなどの強塩基存在下での、DMSOまたはt−BuOHなどの適当な溶媒中での反応により調製することができる。
a’が、4または5の整数である式(XII)の化合物は、式(XIV)
Figure 2010534709
(式中、R、RおよびRは、適当なヒドロキシ保護基である)の化合物から、式(XV)
Figure 2010534709
(式中、a”は、1または2の整数である)の化合物との、Grubbsメタセシス(A.K.Chatterjee、T.−L.Choi、D.P.Sanders、R.H.Grubbs、JACS 125(2003)11360)の条件下での反応により調製することができる。二重結合の(−CN基ではなく)選択的還元は、エタノールまたはメタノールなどのアルコールなどの適当な溶媒中でのPd/C触媒存在下での水素化により行うことができる(J.Med.Chem 51(2008)424〜431)。
aが、5または6の整数である式(III)の化合物も、上記に記載されているようなGrubbsメタセシスを使用するが、酢酸などの適当な溶媒中での、5バールなどの適当な圧力における二酸化白金などの適当な触媒存在下での水素化などの酸性還元条件を使用し、式(XIV)および(XV)の化合物から調製することができる。
式(XIV)の化合物は、例えば、中間体16についてWO2006/120541に記載されている手順に従って、式(XIII)の化合物のパラジウム触媒によるアリル化により調製することができる。
、RおよびRが、適当なヒドロキシ保護基であり、aが、2である式(VII)の化合物は、式(XIII)の化合物の、NaOH、KOtBu、NaOtBuまたはNaHなどの強塩基存在下での、DMSOまたはt−BuOHなどの適当な溶媒中でのアクリル酸メチルとの反応と、続く、当業者によく知られている条件下でのエステル加水分解により調製することができる。
aが、2〜6の整数である式(VII)の化合物は、a’が、2〜6の整数である式(XII)の化合物の加水分解により調製することができる。
aが、2〜6の整数である式(VII)の化合物は、式(XVI)
Figure 2010534709
(式中、a’は、2〜6の整数である)の化合物の酸化により調製することができる。
aが、6である式(VII)の化合物は、a’が、4である式(XVI)の化合物から、(Ph)P=C−COCHを使ったウィッティッヒ反応と、続く、例えば、触媒としてのPtまたはPd存在下での水素化、および塩基性条件下でのエステル加水分解により調製することができる。
Figure 2010534709
aが、4〜6の整数である式(VII)の化合物は、a’が、3〜5の整数である式(XVI)の化合物の、例えば、アルコール中間体を得るための水素化ホウ素ナトリウムを使用する還元と、続く、例えば、SOClを使用するハロゲン化と、続く、例えば、CO存在下でマグネシウムを使用するグリニャール反応により調製することができる。
Figure 2010534709
a’が、2〜6である式(XVI)の化合物は、aが、2〜6である式(VII)の化合物から、低温、適当には約−78℃における乾燥THF中でのDIBAI−H(水素化ジイソブチルアルミニウム)を使った還元により調製することができる。
a’が、2または3である式(XVI)の化合物は、R、RおよびRが、適当なヒドロキシ保護基である式(XIV)の化合物から、WO2006/120541に記載されている手順に従って、9−BBN、または他の適当なボランを使ったハイドロボレーションと、続く、過酸化物による処理、次いで、酸化(a=3)または四酸化オスミウム/過ヨウ素酸開裂(a=2)により調製することができる。
が、水素である式(I)の化合物は、20℃〜40℃の範囲内の温度における、Rが、式(a)の基である式(I)の化合物の希塩酸による酸加水分解により調製することができる。
Figure 2010534709
およびRが、介在する原子と一緒になって、式(b)
Figure 2010534709
の環状カーボネート基を形成する式(I)の化合物は、RおよびRが、Hである式(I)の化合物から当技術分野において知られている方法に類似した方法により調製することができる。すなわち、それらは、J.Antibiot.40(1987)、1006〜1015およびEP0307177における手順に従って調製することができる。
が、C1〜3アルキルである式(I)の化合物は、Rが、水素である式(I)の化合物のアルキル化により、例えば、Rが、メチルである場合には、Rが、水素である化合物のクロロホルム溶液を、ギ酸存在下でホルムアルデヒドを使ってアルキル化することにより調製することができる。
Aが、式c)またはd)の化合物であり、Rが、水素である式(I)の化合物は、Rが、塩素である式(I)の対応する化合物の、例えば、10%Pd/C触媒存在下での水素雰囲気への暴露により調製することができる。
式IV、Va、Vb、VI、VIII、IX、X、XIおよびXIIIの化合物は、市販されているか、当技術分野においてよく知られている方法により容易に調製することができる。
式(III)の化合物の一部である式(II)の化合物は、適切な出発材料の選択により式(III)の化合物について記載されているのと同様に調製することができる。
式(II)の化合物は、RおよびRが、介在する原子と一緒になって、式(b)の環状基を形成している式(III)の化合物の塩基性条件下での加水分解により調製することもできる。
本発明の目的でもある薬学的に許容できる酸付加塩などの塩は、式(I)の化合物を、反応に対して不活性な溶媒中で、少なくとも等モル量の塩酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、ラウリル硫酸、ステアリン酸、パルミチン酸、コハク酸、エチルコハク酸、ラクトビオン酸、シュウ酸、サリチル酸および類似の酸などの対応する無機または有機酸と反応させることにより得ることができる。付加塩は、溶媒を蒸発させることによるか、代替方法として、自然沈殿または非極性共溶媒の添加による沈殿後の濾過により単離される。
式(I)の化合物および薬学的に許容できるそれらの無機または有機酸との付加塩は、インビトロで抗マラリア活性を有する。
生物学的アッセイ
マラリアの治療および/または予防に治療上の利益を有する本発明の化合物の可能性は、例えば、下記のアッセイを使用して証明することができる。
インビトロスクリーニングプロトコール
I.材料
寄生虫。
熱帯熱マラリア原虫3D7AおよびW2株。
培養培地。
培養培地は、10%のプールヒト血清AB(Bioreclamation HMSRM−AB)およびHTサプリメント(0.15mMヒポキサンチンおよび24μMチミジン)、(GIBCO(商標)cat.ref.:41065)を添加した25mM HEPES、重炭酸ナトリウムおよびグルタミンを含むRPMI 1640(GIBCO(商標)cat.ref.:52400)を含んでいた。ヒト血清は、56℃にて30分にわたって脱補体(decomplemented)し、等分し、この培養培地で使用するまで−20℃にて保存した。
この培養培地(「完全培地」)は、通常、使用直前に新鮮調製し、37℃まで予め温めた。
赤血球。
赤血球AB−ストック懸濁液は、スペイン赤十字社により提供された不完全な献血に由来する全血バッグから調製した(サンプリング後25日未満)。この「全血」を、等分し、4℃にて保存した。
アッセイ用の赤血球を調製するため、全血を遠心分離し、血清を含まないRPMIで3回洗浄した。白血球を含有する上相を除去した。洗浄した赤血球を、完全培地中に50%懸濁液として保管した。調製した細胞を4℃にて保存し、調製後4日までの任意の時点でアッセイに用いた。
II.化合物。
化合物調製
試験化合物を、アッセイの日に100%DMSOに2mg/mlにて溶かした。必要ならば、完全な溶解を、緩やかな加熱(混合物は、37℃未満の温度にて加熱した)および超音波処理(超音波処理浴)により行った。
試験化合物を寄生虫に添加する前に、完全培地について上記に記載されているのと同じように調製したがヒポキサンチンを含有しない培養培地で溶液をさらに希釈することにより、化合物溶液中のDMSOの割合を下げた。アッセイプレートにおけるDMSOの最終濃度は、寄生虫の発育に対していかなる望ましくない効果も生じないように、0.2%を超えないようにした。IC50決定については、10個の連続2倍希釈液を、一定量のDMSOが存在する完全培地中で調製した。100%DMSO中でのストック溶液の不溶性やこれらの溶液をアッセイ培地中で希釈した場合の沈殿を示すいかなる明らかな徴候も記録した。
III.熱帯熱マラリア原虫培養物(寄生虫)
熱帯熱マラリア原虫株は、TragerおよびJensen(1、2)から出典の方法を使用する連続培養で5%のヘマトクリットにて完全培地中に維持した。
寄生虫血症は、光学顕微鏡法により寄生虫に感染した赤血球の割合をカウントすることにより計算した。血液の薄膜を、各培養フラスコから毎日作製し、メタノールで固定し、緩衝用水pH7.2中10%にてGiemsa(Merck、cat.ref.:1.09204)中で10分にわたって染色した。ガラススライドを、100×液浸油対物レンズを備えた光学顕微鏡(Nikon、Eclipse E200)で観察してカウントした。
培養物を、培地を毎日変えながら5%のヘマトクリットにて維持し、寄生虫血症が約5%に達した場合に希釈した。寄生虫集団は、非同調性であり、安定部分(約70%)の若いトロホゾイト(輪状体)からなり、1日に初めの寄生虫数の3〜3.5倍の一定した増殖率を示した。
増殖は、低酸素雰囲気下で(5%CO、5%O、95%N)37℃にてインキュベートされる培養フラスコ(カント(canted)ネック、Corning)中で行った。
IV.IC50アッセイ
H]ヒポキサンチン取り込みアッセイは、Desjardinsら(3)から出典の方法を使用して行った。アッセイは、96ウェル平底マイクロプレート中で行った。
1.試験化合物の連続希釈液(5×溶液50μl/ウェル)を二つ組で沈着させた。本発明の化合物(表1)をこのアッセイで試験した。クロロキンおよびアジスロマイシンを、各アッセイの対照化合物として使用した。
2.種菌を、完全培地について上記に記載されているのと同じように調製したがヒポキサンチンを含有しない培養培地中で2.5%のヘマトクリットおよび0.5%の寄生虫血症にて寄生虫感染赤血球(PRBC)の懸濁液として調製した。
3.[H]−ヒポキサンチン(Amersham Biosciences、cat.ref.:TRK74)を、1μCi/ml(0.25μCi/ウェルと等しい)の濃度にて種菌懸濁液に下準備なしに添加した。得られた懸濁液200μlを、各ウェル(以下に記載されている対照ウェルH12以外)中に分配し、ウェル当たり1%のヘマトクリットおよび0.4%の寄生虫血症にて、ウェル当たり250μlの最終容量とした。
4.各プレートにおいて、2つのカラムを対照ウェルのために用意した:
・カラム11:陽性対照ウェル:0.2%DMSOを含むPRBC−(i)寄生虫増殖に対するDMSO溶媒効果を決定するため(0.2%の最終濃度における)および(ii)試験化合物で処理した培養物と比較するため。
・カラム12(ウェルA12〜H12を含む):
A12〜D12−バックグラウンド値ウェル:非感染RBC−寄生虫を含まないRBCから読み取るバックグラウンドを得るためのブランク対照。
E12〜G12−溶媒効果ウェル:DMSOを含まないPRBC−これらのウェルをカラム11ウェルと比較することによりPRBCに対するDMSO溶媒効果を決定するため。
H12−非放射性ウェル:非放射性(cold)冷ヒポキサンチンを含むPRBC−(i)顕微鏡によりインキュベーション後の寄生虫血症値を決定するための薄い血液膜を行うためおよび(ii)寄生虫がアッセイ中に適切に増殖したこと保証するため。(種菌懸濁液200μlを、[H]−ヒポキサンチンの代わりに非トリチウム化ヒポキサンチンで、上記に記載されているように調製し(項目2および3)、次いで、250μlの最終容量までこのウェルに添加した)。
5.プレートを、低酸素雰囲気下で37℃にて48時間にわたってインキュベートした。アッセイが終わったら、寄生虫の発育を視覚的に管理するために非放射性サンプル(ウェルH12)を使って薄膜を作製した。取り込みは、−80℃にて一夜にわたってプレートを凍結することにより停止させた。
6.増殖を、寄生虫の核酸中への[H]−ヒポキサンチンの取り込みのレベルを測定することにより定量化した。プレートを解凍した後に、ウェルの内容物を、半自動セルハーベスター(Harvester96、TOMTEC)でガラス繊維フィルター(Wallac、cat.ref.:1450−421)上に収集した。フィルターを乾燥し、Melt−onシンチレーター(Meltilex(登録商標)A、PerkinElmer cat.ref.:1450−441)で処理した。放射活性の取り込みを、βカウンター(Wallac Microbeta、PerkinElmer)で測定した。
アッセイを、少なくとも独立して3回繰り返した。
V.データの分析
各ウェルの値を、絶対値からバックグラウンド値を差し引くことにより補正した。バックグラウンドは、未感染対照ウェルのカウント毎分(cpm)の平均値として各プレートについて計算した。
次いで、各試験化合物の各濃度について、阻害の割合を、未処理PRBCを含有する対照ウェルから得られる値(カラム11に位置するウェルからのcpmの平均値)との比較により計算した。
各化合物について、GaphPad Prism4.0ソフトウェアを使用して非線形回帰フィット(シグモイド用量応答曲線)を調整し、寄生虫発育の50%を阻害する濃度に対応するIC50値を得る。
結果は、異なる日に行われた少なくとも3回の独立した実験の平均IC50値±標準偏差として表した。
実施例
文章中では、下記の略語:高速液体クロマトグラフィーにはHPLC、ジクロロメタンにはDCM、ジメチルスルホキシドにはDMSO、酢酸エチルにはEtOAc、メタノールにはMeOH、tert−ブタノールにはt−BuOHおよびテトラヒドロフランにはTHF、トリエチルアミンにはEtN、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物にはHOBT、酢酸にはHOAc、無水酢酸にはAcO、ジシクロヘキシルカルボジイミドにはDCC、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンにはDBU、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドにはEDC、4−(ジメチルアミノ)−ピリジンにはDMAP、N,N−ジメチルアセトアミド−ジメチルアセタールにはDMA/DMA、N,N−ジメチルホルムアミド−ジメチルアセタールにはDMF/DMA、N,N−ジイソプロピルエチルアミンにはDIPEA、二酸化白金にはPtOならびに室温にはr.t.を使用する。
本発明の化合物およびプロセスは、例示のみとして意図され、本発明の範囲を限定するとは意図されていない下記の実施例に関連してより良く理解されるであろう。開示されている実施形態に対する様々な変更および修正は、当業者にとって明らかであり、化学構造、置換基、誘導体、処方および/または本発明の方法に関連するものを包含するがそれらに限定されないそのような変更および修正は、本発明の精神および添付の特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく行うことができる。
反応が、前でより完全に記載されている反応と同じように行われたと記載されている場合、使用された一般反応条件は、本質的に同じである。使用された後処理条件は、当技術分野において標準的なタイプであるが、1つの反応から別の反応に適合させたかも知れない。後に続く手順において、番号による説明または実施例の生成物への言及が、典型的には、提供される。これは、単に、使用される出発材料を当業者が特定するのを支援するために提供される。出発材料は、必ずしも、言及されているバッチから調製されたとは限らない。すべての反応は、窒素下で行われたか、別途指示されていない限り、窒素下で行うことができるかのどちらかである。
9a−メチル−9a−アザ−9−デオキソ−9a−ホモエリスロマイシンAは、J.Chem.Res.(S)1988、p152に記載されているような手順により調製することができる。
中間体:
中間体1
2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
手順A
工程1:3の調製
Figure 2010534709
9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(2)(50g、66.7mmol)を、クロロホルム(250mL)に溶かした。DMA/DMA(40mL、0.35mol、5.2当量)を一度に加え、次いで、24時間にわたって還流温度にて加熱した。溶媒を蒸発させると、表題生成物45.28gが得られた。
MS(ES+)m/z:818[MH]+。
工程2:4の調製
Figure 2010534709
工程1からの化合物3(3g、3.66mmol)を、DCM(70mL)に溶かし、氷浴中で冷却した。反応混合物中に、EtN(3.2mL、6.2当量)、DMAP(44.7mg、0.1当量)およびAcO(1.9mL、5.4当量)を加えた。温度を、ゆっくりと室温に到達させ、反応混合物を、28時間にわたって室温にて撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO溶液(100mL)(pH9)で洗浄した。DCM層をNaSOで乾燥し、真空下で濃縮すると、表題生成物2.78gが得られた。粗生成物を、EtOから、さらにアセトニトリル/HOから再結晶すると、白色の粉末として表題生成物2.13gが得られた。
MS(ES+)m/z:902.17[MH]+
工程3:5aおよび5bの調製
Figure 2010534709
工程2からの化合物4(2.13g、2.36mmol)を、MeOH(50mL)に溶かし、21時間にわたって室温にて撹拌した。メタノールを真空下で蒸発させると、白色の固体として表題生成物2.08gが得られた。
MS(ES+)m/z:860[MH]+ 5a
847[MH]+ 5b
工程4:6aおよび6bの調製
Figure 2010534709
アクリロニトリル(12mL)中の工程3からの5aおよび5bの撹拌した混合物(1.94g、2.25mmol)に、t−BuOH(0.94mL、4.4当量)を、窒素下で室温にて加え、反応混合物を0℃まで冷却した。NaH(鉱油中60%、60mg、2.47mmol、1.1当量)を、15分の間に少量ずつ加えた。温度を、ゆっくりと室温に到達させた。24時間の撹拌後、アクリロニトリルを減圧下で蒸発させた。アクリロニトリルのポリマーを、EtOAc/n−ヘキサン中で沈殿させ、濾別した。母液を蒸発させると、油状生成物が得られ、次いで、EtOAcに溶かし、水で抽出した。EtOAc層を集め、NaCOで乾燥した。溶媒を真空下で蒸発させると、表題生成物1gが得られた。
MS(ES+)m/z:914.10[MH]+ 6a
MS(ES+)m/z:900.15[MH]+ 5a
工程5:7の調製
Figure 2010534709
工程4からの化合物6aおよび6b(1g)を、精製することなく使用し、氷HOAc(10mL)に溶かし、室温にて24時間にわたって5バールのH圧力にてPtO(100mg)で水素化した。触媒を濾別し、母液を減圧下で蒸発させた。残渣を水およびDCMに溶かし、pHを9に調整し、DCM(150mL)で抽出した。DCM層を集め、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させると、白色の粉末560mgが得られた。粗生成物を、EtAc/n−ヘキサンから再結晶すると、表題生成物486.4mgが得られた。
MS(ES+)m/z:890.5[MH]
工程6:中間体1の調製
2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
工程5からの化合物7(486mg、0.54mmol)を、THF(4.5mL)に溶かし、LiOH(0.5M6mL)を加え、2時間にわたって40℃にて加熱し、72時間にわたって室温にて撹拌した。HO(10mL)を反応混合物に加え、続いて、EtOAcで抽出した。有機層を集め、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させると、白色の固体として表題生成物380mgが得られた。
MS(ES+):806[MH]
13C−NMR(CDCl)δ/ppm:178.9、102.6、94.4、82.4、80.6、78.3、77.3、77.1、74.1、73.7、73.4、72.9、72.6、70.0、68.3、65.4、64.4、62.9、49.8、45.6、42.5、39.7、39.6、36.3、34.6、29.0、27.4、26.6、26.5、22.3、21.6、21.5、18.4、16.4、14.5、11.3、8.5、7.6。
中間体1
手順B
工程1:8の調製
Figure 2010534709
CHCl(75mL)中の9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(2)(20g、0.027mol)の溶液に、DMF/DMAを加え(12.5mL、0.093mol)、反応物を5時間にわたって65℃にて撹拌し、次いで、それから17時間にわたって室温にて置いた。その後、追加のDMF/DMA(12.5mL)を加え、反応混合物を、室温にてさらに5時間にわたって撹拌した。反応の完了後、溶媒を蒸発させると、明るい黄色の非晶質の固体として表題生成物26.58gが得られた。
MS(ES+):804.6[MH]
工程2:9の調製
Figure 2010534709
DCM(250mL)中の工程1からの化合物8(26.5g、0.033mol、精製することなく使用)の溶液に、トリエチルアミン(28.6mL、0.2mol)およびDMAP(0.403g、0.0033mol)を加えた。次いで、溶液を0℃にて冷却し、無水酢酸を滴加した(17.1mL、0.18mol)。反応混合物を、4時間にわたって室温にて撹拌した。有機層を、NaHCOの飽和溶液で2回、次いで、水および食塩水で洗浄した。NaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させた後、粗生成物を、ジエチルエーテルから再結晶すると、白色の結晶として表題生成物8.3gが得られた。母液を蒸発させた後に、追加の表題生成物20.1gが単離された。
(MS(ES):888.6[MH]
工程3:10bの調製
Figure 2010534709
工程2からの化合物9(3.1g、3.49mmol)を、MeOH(125mL)に溶かし、72時間にわたって室温にて撹拌した。溶媒を蒸発させると、褐色の粉末として混合物10aおよび10b 2.55gが得られた。
MS(ES+):791[MH]; 10a
846[MH] 10b
Figure 2010534709
CHCl(15mL)中の保護されていない10aおよび保護されている化合物10bの混合物(2.49g)に、DMF/DMA(3mL)を加え、反応物を3時間にわたって65℃にて撹拌した。反応混合物を室温にて冷却し、溶媒を蒸発させると、明るい黄色の固体として表題生成物3gが得られた。
MS(ES+):846[MH]
工程4:11aおよび11bの調製
Figure 2010534709
工程3からの化合物10b(2.56g、3.03mmol)を、アクリロニトリル(25mL)に溶かし、t−BuOH(1.5mL、15.9mmol)を加え、反応混合物を0℃まで冷却し、続いて、NaH(112mg、3.33mmol、鉱油中60%懸濁液)を加えた。反応混合物を3時間にわたって撹拌し、次いで、蒸発させた。残渣をEtOAcに溶かし、水および食塩水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させると、褐色の油生成物2.4gが得られ、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH:NHOH 90:9:0.5)によりさらに精製すると、表題生成物1.69gが得られた。
MS(ES+):844[MH] 11a
899[MH] 11b
工程5:12の調製
Figure 2010534709
HOAc(30mL)中の工程4からの11aおよび11b(1.69g)の溶液に、PtO(301mg)を加え、反応混合物を20時間にわたって5バールのH圧力下で室温にて撹拌した。触媒を濾別し、溶媒を蒸発させ、残渣を水およびDCMに溶かした。pH値を、1M NaOHの添加により9.3に調整し、生成物をDCMで抽出した。集めた有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させた。粗生成物を、EtOAc/n−ヘキサンから再結晶すると、白色の粉末として表題生成物1.23gが得られた。
MS(ES+):848.5[MH]
工程6:中間体1の調製
2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
THF(15mL)中の工程5からの12(1.67g、1.97mmol)の溶液に、LiOH(HO中0.5M溶液10mL)を加えた。反応混合物を、65℃にて5時間にわたって、室温にてさらに72時間にわたって撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させると、白色の固体1.3gが得られ、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH:NHOH 90:9:0.9)によりさらに精製すると、白色の粉末として表題生成物0.77gが得られた。
MS(ES+):806.3[MH]
中間体2
11−O−アセチル−2’−O,4”−O−ジ−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
工程1:13の調製
Figure 2010534709
中間体1についての工程1からの化合物3(10g、12.22mmol)を、アクリロニトリル(68.06mL、1.04mol)に溶かし、t−BuOH(3.5mL)を加え、反応混合物を0℃にて冷却し、NaH(538mg、15.44mmol、鉱油中60%懸濁液)を加え、反応混合物を20時間にわたって4℃にて撹拌した。沈殿を濾別し、母液を蒸発させた。残渣をEtOAcに溶かし、飽和NaHCOで洗浄し、有機抽出物をNaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、粗生成物をDCM/n−ヘキサンから結晶化すると、表題生成物6.4gが得られた。
MS(ES+)m/z:924[MH]+
工程2:中間体2の調製
Figure 2010534709
工程1からの化合物13(6.3g、7.2mmol)を、氷HOAc(115mL)に溶かし、室温にて24時間にわたってPtO(630mg)存在下で5バールのH圧力にて水素化した。触媒を濾別し、母液を減圧下で蒸発させた。残渣に、水(50mL)およびDCM(100mL)を加え、pHを8に調整し、DCMで抽出した。有機抽出物を集め、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させると、白色の粉末5.60gが得られた。粗生成物を、DCM/エーテルから再結晶すると、表題生成物4.68gが得られた。
MS(ES+)m/z:905.5[MH]
中間体3
N−(7−クロロ−4−キノリニル)−1,2−エタンジアミン
Figure 2010534709
エチレンジアミン(1.7mL、26.5mmol)を、粗4,7−ジクロロキノリン(1.052g、5.31mmol)に加え、混合物を、撹拌することなく1時間にわたって80℃にて、次いで、撹拌しながら135℃にて3時間にわたって加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、10% NaOH(30mL)を加え(pH=14)、熱EtOAc(3×50ml)で抽出した。有機層を集め、NaSOで乾燥した。EtOAcを減圧下で蒸発させると、黄色の固体が得られ、熱酢酸エチル(150ml)から再結晶した。黄色の結晶を、冷却することにより形成させ、濾別した(0.45g)。母液を減圧下で蒸発させると、粗材料(0.49g)が得られ、上記に記載されているようにさらに再結晶すると、黄色の結晶として表題生成物(0.347g)が得られた。
MS(ES+):222[MH]
13C−NMR(DMSO)δ/ppm:159.5、152.3、150.6、150.5、149.4、133.7、127.8、124.5、124.3、124.2、117.8 99.0、98.8、45.5、43.9。
中間体4
2’−O−(3−カルボキシエチル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
工程1:14の調製
Figure 2010534709
化合物10b(中間体1、工程3;2g、2.36mmol)、t−BuOH(0.7mL、7.4mmol)およびNaH(0.2g、鉱油中60%懸濁液)を、0〜5℃にて冷却したアクリル酸メチル(15mL)に加えた。反応混合物を3時間にわたって撹拌し、さらにNaHを加えた(0.1g)。20時間の撹拌後、アクリル酸メチルを蒸発させ、粗生成物(2.8g)を精製することなく次の反応工程で使用した。
MS(ES+):932.6[MH]
工程2:15の調製
Figure 2010534709
水(3mL)およびHCOOH(conc.)20滴を、MeOH(50mL)中の工程1からの化合物14(2.8g)の溶液に加えた。反応混合物を15時間にわたって60℃にて撹拌し、MeOHを蒸発させると、粗表題生成物(3.2g)が得られた。
MS(ES+):877.5[MH]
工程3:中間体4の調製
Figure 2010534709
THF(50mL)中の化合物15(3.2g)の溶液に、0,5M LiOHを加えた(25mL)。反応物を48時間にわたって室温にて撹拌し、次いで、溶媒を蒸発させた。これにより、粗生成物(2.78g)得られ、SPEカラム(50g)にて精製すると、表題生成物(130.7mg)が得られた。
MS(ES+):821.4[MH]
中間体5
N−(7−クロロ−4−キノリニル)グリシン
Figure 2010534709
4,7−ジクロロキノリン(4.4g、22.22mmol)、グリシン(3.34g、44.4mmol)およびフェノール(12.02g、128mmol)を反応フラスコに入れ、反応混合物を18時間にわたって120℃にて撹拌し、次いで、追加のグリシン1当量(1.668g、22.22mmol)を加えた。反応混合物を、それから3時間にわたって撹拌し、次いで、室温にて冷却し、EtOAcで希釈した。沈殿を濾別し、EtOAcで洗浄し、次いで、10%NaCOに溶かした(加熱することにより補助した)。この溶液中に、トルエン(5mL)を加え、溶液を5℃にて冷却し、pHを5.7に調整した(6M HClにより)。沈殿を濾別し、水およびトルエンで洗浄し、一夜にわたって60℃にて減圧下で乾燥すると、表題生成物(3.75g)が得られた。
MS(ES+):237[MH]
13C−NMR(DMSO)δ/ppm:171.35、151.98、150.72、149.29、134.12、127.84、124.86、124.15、117.98、99.80、45.27。
実施例1
2’−O−[3−({4−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]ブタノイル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
CHCl(10ml)中の中間体1(0.18g、0.22mmol)の溶液に、4−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]ブタン酸(0.066g、0.25mmol)、HOBt(0.037g、0.286mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(0.071g、0.37mmol)およびEtN(0.25ml)を加え、反応混合物を、室温にて一夜にわたって撹拌した。水を加え、有機層を分離し、水層のpHを6.5に調整し、DCMで抽出した。水層にDCMを加え、pHを9.0に調整し、DCMで抽出した。pH6.5および9.0におけるDCM層を合わせ、NaSOで乾燥した。DCMを蒸発させると、明るい黄色の粉末として表題生成物0.25gが得られた。
MS(ES+):1052.7[MH]
13C−NMR(CDCl)δ/ppm:179.0、173.5、151.7、149.8、147.2、136.1、126.8、125.8、123.2、117.5、103.1、98.0、94.5、82.7、79.8、78.3、77.6、77.3、74.6、73.9、73.4、73.2、72.2、70.2、68.3、65.6、65.1、62.9、49,4、45.5、44.5、44.2、42.5、40.6、38.4、36.3、34.7、34.6、29.0、28.9、27.6、26.8、22.3、23.0、21.8、21.5、18.3、16.4、14.8、11.4、8.5、7.5。
実施例2
2’−O−[3−({4−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]ブタノイル}アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
実施例1(0.24g、0.2mmol)を、0.5M HCl(30mL)に溶かし、17時間にわたって室温にて撹拌した。反応混合物を水で希釈し、有機生成物をDCM(5×25mL)で抽出し、水層のpHを9.5に調整し、DCMで抽出した。有機抽出物(ph9.5)をNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させると、明るい黄色の結晶として表題生成物0.18gが得られた。
MS(ES+):894.5[MH]
実施例3
2’−O−{3−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
手順A
DMSO(35mL)中の中間体1(4.28g、5.3mmol)の溶液に、4,7−ジクロロキノリン(3.3g、16.7mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(2.5mL)を加えた。反応混合物を20時間にわたって110℃にて加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、EtOAcで希釈し、水で洗浄した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、有機溶媒を蒸発させた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH:NHOH 90:9:1.5)により精製すると、明るい黄色の結晶として表題生成物1.2gが得られた。
MS(ES+):967.6[MH]
13C−NMR(CDCl)δ/ppm:178.69、151.22、150.54、147.72、135.38、127.32、125.07、122.51、117.44、102.79、98.49、94.36、82.47、80.21、77.89、77.16、77.03、74.29、73.67、73.11、72.39、70.01、68.07、65.67、64.68、62.59、49.41、45.41、42.61、42.36、42.23、40.88、36.31、34.73、30.28、28.44、27.58、26.68、22.14、21.61、21.33、21.29、18.34、16.25、14.59、11.24、8.60、7.52。
手順B
2’−O−{3−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
DMSO(250mL)中の中間体1(25.0g、31mmol)の溶液に、4,7−ジクロロキノリン(30.7g、155mmol)およびTrisma塩基(18.77g、155mmol)を加えた。反応混合物を18時間にわたって105℃にて加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、蒸発させると、スラリー生成物が得られた。スラリー生成物をジクロロメタン(500ml)および水(1500ml)に溶かした。混合物のpHを、1M HClの添加により5.0に調整し、層を分離した。水層を、DCM(5×500ml)でpH5にて抽出した。層を分離した。さらなる量のDCM(500ml)を加え、pHを、1M NaOHの添加により6.0に調整し、層を分離した。水層を、DCM(22×500ml)でpH6.0〜6.5にて抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させると、明るい黄色の結晶として粗生成物(17.913g)が得られた。粗生成物(17.91g)を、アセトニトリルから再結晶すると、表題生成物(12.89g)が得られた。
MS(ES+):967.6[MH]
13C−NMR(DMSO)δ/ppm:177.39、152.09、150.45、149.42、133.60、127.87、124.37、124.29、117.86、102.34、98.98、94.67、82.65、80.10、77.73、77.40、76.69、75.23、73.95、73.19、72.84、69.952、68.959、67.12、65.07、64.31、61.85、49.17、45.14、42.01、41.85、41.31、40.38、36.04、35.00、32.43、28.87、27.77、26.20、22.38、21.77、21.38、21.31、18.89、18.04、15.10、11.32、8.70、7.07。
実施例4
11−O−アセチル−2’−O−{3−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
DMSO(5mL)中の中間体2(0.5g、0.5mmol)の溶液に、4,7−ジクロロキノリン(0.55g、2.76mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.3mL)を加えた。反応混合物を、4時間にわたって100℃にて、次いで、室温にてさらに17時間にわたって加熱した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、無水NaSOで乾燥し、有機溶媒を蒸発させると、黄色の油残渣0.83gが得られ、0.25M HClに溶かし、室温にて撹拌した。17時間後、沈殿を濾別し、母液をDCM(5×25ml)で抽出し、水層のpHを9.5に調整した。水層(pH9.5)をDCMで抽出し、pH9.5における有機抽出物をNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させると、明るい黄色の粉末として表題生成物0.115gが得られた。
MS(ES+):852[MH]
実施例5
2’−O−{3−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
手順A
THF(10mL)中の実施例4(0.235g、0.28mmol)の溶液に、LiOH(1mL、水中0.5M)を加えた。反応混合物を、5時間にわたって65℃にて、次いで、室温にて7日にわたって撹拌した。次いで、反応混合物を水で希釈し、生成物をEtOAcで抽出した。合わせたEtOAc層をNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させると、黄色の油生成物として表題生成物(0.222g)が得られた。
MS(ES):809.03[MH]
手順B
HCl(40mL、3M)中の実施例3(0.6g、0.6mmol)を、1時間にわたって室温にて撹拌した。反応混合物を水で希釈し、pHを9.24に調整し、DCMで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH:NHOH=90:9:1.5)により精製した後に、表題生成物(0.54g)が、白色の粉末として得られた。
MS(ES):809.03[MH]
13C−NMR(CDCl)δ/ppm:177.44、150.94、150.79、147.84、135.37、127.51、125.29、122.30、117.33、102.95、98.51、89.37、79.05、78.93、77.64、75.61、74.23、73.09、71.59、70.96、68.83、65.48、62.65、44.35、42.27、41.84、41.84、41.58、40.83、37.03、35.77、29.86、28.44、26.59、26.34、21.33、21.06、20.91、16.14、16.08、10.91、7.79、7.61
手順C
HCl(20mL、3M)中の実施例3(0.53g、0.5mmol)の溶液を、1.5時間にわたって室温にて撹拌した。反応混合物を水で希釈し、pHを9.0に調整し、DCMで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し(5回)、NaSOで乾燥した。白色の粉末としての表題生成物(0.301g)が、溶媒を蒸発させた後に得られた。
MS(ES):809.03[MH]
13C−NMR(DMSO)δ/ppm:175.86、152.17、150.47、149.42、133.59、127.91、124.37、124.33、117.81、100.68、98.84、84.34、79.73、76.73、76.55、76.40、73.87、72.71、69.76、69.20、67.88、64.23、61.84、43.59、41.48、41.00、36.37、35.72、35.51、31.32、29.09、26.66、25.94、22.43、21.61、21.54、20.98、18.14、16.87、14.33、10.86、8.37、6.57。
実施例6
2’−O−{3−[(4−キノリニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
10%Pd/C触媒(75mg、0.07mmol)を、実施例3(150mg、0.15mmol)のエタノール溶液(25mL)に加え、反応混合物を、水素雰囲気(5バール)下で撹拌した。4時間後、触媒を濾過により除去し、溶媒を蒸発させると、粗生成物(130mg)が得られ、カラムクロマトグラフィー(溶出液DCM:MeOH:NHOH=90:9:1.5)によりさらに精製すると、白色の粉末として表題生成物(90mg)が得られた。
MS(ES):933.6[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:177.42、150.83、150.33、148.59、129.33、128.95、124.01、121.94、119,25、102.36、98.45、94.69、82.65、80.13、77.74、77.4、76.71、75.23、73.97、73.21、72.89、70.09、68.93、67.16、65.06、64.38、61.79、49.18、45.14、42.09、41.90、41.29、40.38、36.07、35.01、32.23、29.04、27.81、26.28、22.40、21.79、21.39、21.33、18.90、18.09、15.11、11.33、8.78、7.11。
実施例7
2’−O−[3−({2−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]エタノイル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
PS−カルボジイミド樹脂(PS−CDI、ローディング:1.2mmol/g)(325mg、0.403mmol)を、乾燥反応容器に加えた。DCM(5mL)とDMF(2.5mL)の混合物に溶かした中間体5(77mg、0.326mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(29.3mg、0.217mmol)を、乾燥樹脂に加えた。混合物を、5分にわたって室温にて撹拌し、次いで、DCM(5mL)に溶かした中間体1(250mg、0.310mmol)を加えた。反応混合物を、6分にわたって70℃にてマイクロ波照射により加熱した。HOBtを、室温にて3時間にわたってPS−トリスアミン(trisamine)(ローディング:4.11mmol/g)(420mg、1.73mmol)を使用して捕捉した。生成物を濾別し、樹脂をDCM(2×10mL)で洗浄した。濾液を蒸発させた後に、白色の泡(278mg)が得られた。粗材料をEtOAc(3mL)に溶かし、n−ヘキサンを添加して沈殿させた。単離した沈殿を、アセトン/石油エーテルからさらに再結晶し、表題生成物(68mg)を単離した。濾液からさらに結晶化すると、追加量の表題生成物(85mg)が単離された。
MS(ES):1024[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:177.45、168.63、152.13、150.56、149.31、133.84、127.86、124.67、124.51、117.89、102.41、99.43、94.78、82.66、80.22、77.75、77.52、76.76、75.23、74.02、73.2、72.95、70.36、68.96、67.18、65.06、64.24、61.77、49.21、46.21、45.18、42.21、41.90、41.16、37.00、36.09、35.03、31.81、30.23、27.85、26.39、22.47、21.77、21.38、18.90、18.06、15.17、11.34、8.80、7.20。
実施例8
2’−O−[3−({2−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]エタノイル}アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
HCl(10mL、3M)中の実施例7(0.08g、0.081mmol)を、30分にわたって室温にて撹拌した。反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、pHを9.5に調整し(6M NaOHの添加により)、層を分離した。有機抽出物を水(2×20mL)で洗浄した。合わせた有機層を蒸発させると、表題生成物(50mg)が得られた。
MS(ES):866.59[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:175.97、168.63、152.2、150.52、149.32、133.82、127.87、124.68、124.50、117.89、100.71、99.47、84.29、79.83、76.84、76.55、76.53、74.01、72.82、70.12、69.18、67.89、64.13、61.81、46.19、43.67、41.25、41.02、37.18、36.49、35.87、32.66、30.27、26.72、26.17、21.81、21.56、21.01、18.21、16.89、10.91、8.58、6.69。
実施例9
2’−O−[3−({2−[(4−キノリニル)アミノ]エタノイル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
10%Pd/C触媒(60mg、0.056mmol)を、実施例7のエタノール溶液(30mL中200mg、0.195mmol)に加え、反応混合物を、水素雰囲気(4バール)下で撹拌した。4時間後、触媒を濾別し、EtOAc(20mL)および水(20mL)を濾液に加え、pHを4に調整した(1M HCl)。次いで、水層をDCM(2×30mL)で抽出し、層を分離した。1M NaOHの添加により、水層のpHを6.5に調整し、DCM(2×30mL)で抽出し、層を分離した。pH6.5における有機層を合わせ、水を加えた。NHOHの添加により、pHを、pH9.5にて調整し、層を分離した。溶媒の蒸発後に得られた粗生成物を、ジイソプロピル−エーテルから再結晶すると、表題生成物(120mg)が得られた。
MS(ES):990.6[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:176.86、168.26、150.31、149.73、147.98、128.80、128.58、123.81、121.47、118.68、101.83、98.39、94.24、82.10、79.66、77.21、76.98、76.21、74.66、73.45、72.62、72.41、69.82、68.37、66.61、64.50、63.66、61.20、48.63、45.74、44.63、41.65、41.32、40.57、36.43、35.52、34.47、31.23、29.68、27.27、25.83、21.89、21.19、20.82、20.78、18.33、17.49、14.59、10.76、8.25、6.64。
実施例10
2’−O−[3−({2−[(4−キノリニル)アミノ]エタノイル}アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
HCl(10mL、3M)中の実施例9(0.08g、0.081mmol)を、30分にわたって室温にて撹拌した。反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、pHを、6M NaOHの添加により9.5に調整し、層を分離した。有機抽出物を水(2×20mL)で洗浄した。合わせた有機層を蒸発させると、粗表題生成物(58mg)が得られた。
MS(ES):832.5[MH];LC−MS(面積%):85.9。
10%Pd/C触媒(5mg、0.0047mmol)を、粗生成物のエタノール溶液(20mL中58mg)に加え、反応混合物を、水素雰囲気(4バール)下で撹拌した。1.5時間後、触媒を濾別し、溶媒を蒸発させた。粗生成物の再結晶(溶出液酢酸エチル/n−ヘキサンと、続く、アセトン/石油エーテル)により、表題生成物(37mg)が得られた。
MS(ES):832.57[MH];LC−MS(面積%):94.1。
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:175.98、168.89、150.79、150.41、148.34、129.26、129.22、124.46、122.07、119.19、100.67、99.00、84.29、79.65、76.74、76.54、74.00、72.86、70.06、67.86、64.17、61.93、46.29、43.68、41.19、37.08、36.54、35.88、32.55、30.28、26.66、26.13、23.18、21.79、21.53、21.00、18.21、16.89、10.91、8.59、6.71。
実施例11
2’−O−[3−({2−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]エチル}アミノ)−3−オキソプロピル]9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
DCM(10ml)中の中間体4(95mg、0.1157mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.113ml、0.81192mmol)、HOBt(18mg、0.1319mmol)、中間体3(1当量、0.10149mmol)およびEDC×HCl(33mg、0.1725mmol)を加えた。反応混合物を42時間にわたって室温にて撹拌した。反応混合物に、水(30mL)を加え(pH8.0)、DCM(3×30mL)で抽出した。有機層を集め、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させると、黄色がかった固体130.7mgが得られ、CHCl/[MeOH/NH4OH]90/[9:1.5](70/0→70/1.36→70/2.72→70/4.0→70/5.4→70/6.8→70/8.1で溶出するIsolute SPE10gカラムで精製すると、表題生成物(62mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:1024.69[MH]+
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:176.8、171.5、151.6、149.8、148.8、133.1、127.3、123.9、123.4、117.1、101.7、98.3、94.1、82.3、78.9、77.1、76.9、76.1、74.7、73.4、72.6、72.3、68.4、67.4、66.6、64.5、63.5、61.2、48.5、44.5、42.3、41.6、41.3、40.3、40.3、37.7、36.4、35.5、34.4、30.0、27.2、28.8、21.8、21.1、20.8、19.9、18.3、17.4、14.5、10.7、8.1、6.6。
実施例12
2’−O−[3−({4−[(4−キノリニル)アミノ]ブタノイル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
エタノール(30ml)中の実施例1(288mg、0.27mmol)の溶液に、10%Pd/C触媒(60mg)を加え、反応混合物を、5.5時間にわたって3.2バールのH圧力下で室温にて撹拌した。触媒を濾別し、溶媒を蒸発させ、残渣を水(80ml)およびDCMに溶かした。10% NaOHの添加により、pH値を9.6に調整し、生成物をDCM(2×100ml)で抽出した。集めた有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させると、白色の粉末として表題生成物(186mg)が得られた。
MS(ES+):1018.78[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:176.9、171.5、150.5、149.8、148.2、128.9、128.5、123.6、121.5、118.8、101.9、97.9、94.3、82.2、79.6、77.3、77.1、76.3、74.8、73.5、72.7、72.5、69.9、66.7、64.6、63.8、61.3、48.7、44.7、42.1、41.4、40.6、36.4、35.6、34.6、32.9、29.6、27.3、25.9、23.8、21.9、21.3、20.9、18.4、17.6、14.7、10.8、8.3。
実施例13
2’−O−[3−[(3−キノリニルカルボニル)アミノ]プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
PS−カルボジイミド樹脂(PS−CDI、ローディング:1.2mmol/g)(38.8mg、0.048mmol)を、乾燥反応容器に加えた。DCM(1.2mL)とDMF(0.2mL)の混合物に溶かした3−キノリンカルボン酸(6.75mg、0.039mmol)およびHOBt(3.5mg、0.026mmol)を、乾燥樹脂に加えた。混合物を、5分にわたって室温にて撹拌し、次いで、DCM(1.2mL)に溶かした中間体1(30mg、0.037mmol)を加えた。反応混合物を、6分にわたって70℃にてマイクロ波照射により加熱した。HOBtを、室温にて3時間にわたってPS−トリスアミン(ローディング:4.11mmol/g)(31.63mg、0.13mmol)を使用して捕捉した。生成物を濾別し、樹脂をDCM(4×0.5mL)で洗浄した。有機溶媒を蒸発させると、表題生成物(26mg)が得られた。
MS(ES+):961.4[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:177.4、165.0、162.7、149.1、148.8、135.6、131.6、129.4、129.1、127.9、127.8、127.0、102.4、94.7、82.8、80.3、77.7、77.5、76.7、75.2、73.9、73.2、72.9、70.7、70.5、68.8、67.1、65.1、64.2、61.7、49.2、45.2、42.0、41.9、41.2、37.6、36.2、36.0、35.0、32.4、31.1、30.2、27.8、26.2、22.3、21.8、21.4、21.3、18.9、18.0、15.1、11.3、8.7、7.0。
実施例14
2’−O−{3−[(4−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
MeOH(35mL)中の中間体1(1g、1.24mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.585mL、4.2mmol)および4−キノリンカルバルデヒド(164mg、1.04mmol)を加え、反応混合物を18時間にわたって室温にて撹拌し、次いで、NaBH(94mg、2.48mmol)を加えた。反応混合物をさらに3時間にわたって撹拌し、次いで、溶媒を蒸発させた。残渣を水に溶かし、pHを9.5に調整し、DCMで抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させると、黄色の粉末生成物1.3gが得られ、カラムクロマトグラフィー(溶出液DCM:MeOH:NHOH=90:9:1.5)によりさらに精製すると、表題生成物(0.35g)が得られた。
MS(ES+):947.66[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:176.91、149.97、147.46、146.26、129.33、128.76、126.52、126.01、123.69、119.46、101.79、94.18、82.13、79.49、77.20、76.95、76.20、74.70、73.46、72.63、72.41、70.26、68.40、66.6、64.52、63.79、61.26、48.98、48.53、46.76、44.61、41.63、41.36、40.59、35.57、34.48、31.31、29.55、27.25、25.81、21.88、21.23、20.83、20.76、18.34、17.53、14.61、10.80、8.23、6.67。
実施例15
2’−O−{3−[(4−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
HCl(2.5mL、3M)中の実施例14(0.1g、0.1mmol)を、2時間にわたって室温にて撹拌した。反応混合物を水で希釈し、pHを9.5に調整し、CHClで抽出した。有機抽出物を水(7×15mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させると、白色の粉末として表題生成物(93mg)が得られた。
MS(ES):789.5[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:175.31、149.89、147.36、146.08、129.23、128.65、126.42、125.93、123.60、119.49、100.07、83.66、79.03、76.15、75.93、75.85、73.33、72.17、69.77、69.03、67.24、63.55、61.17、49.02、46.69、43.03、40.60、35.90、35.22、32.19、29.78、26.05、25.46、21.09、20.90、20.36、17.46、16.20、10.23、7.89、6.01。
実施例16
2’−O−{3−[メチル(4−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
クロロホルム(5mL)中の実施例14(0.15g、0.158mmol)の溶液に、ホルムアルデヒド(0.028mL)およびギ酸(0.149mL、4.05mmol)を加えた。反応混合物を18時間にわたって60℃にて撹拌し、次いで、DCMおよび水で希釈した。層を分離し、有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させると、粗生成物(0.16g)が得られ、カラムクロマトグラフィー(溶出液DCM:MeOH:NHOH=90:9:1.5)によりさらに精製すると、表題生成物(0.1g)が得られた。
MS(ES+):961.67[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:177.06、150.04、147.92、144.71、129.44、128.97、127.14、126.04、124.51、121.24、101.96、94.36、82.17、79.85、77.44、77.11、76.45、74.89、73.68、72.81、72.62、69.92、68.55、66.80、64.71、63.92、61.45、58.60、54.39、48.78、44.81、42.14、41.89、41.54、40.96、35.75、34.71、32.60、27.80、27.43、25.99、22.00、21.81、21.40、21.04、18.52、17.75、14.78、10.98、8.49、6.90。
実施例17
2’−O−{3−[(3−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
MeOH(35mL)中の中間体1(1g、1.24mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.585mL、4.2mmol)および3−キノリンカルバルデヒド(164mg、1.04mmol)を加え、反応混合物を18時間にわたって室温にて撹拌し、次いで、NaBH(94mg、2.48mmol)を加えた。反応混合物をさらに3時間にわたって撹拌し、次いで、溶媒を蒸発させた。溶媒の蒸発後に得られた残渣を水に溶かし、pHを9.5に調整し、DCMで抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させると、黄色の粉末(1.2g)が得られ、カラムクロマトグラフィー(溶出液DCM:MeOH:NHOH=90:9:1.5)によりさらに精製すると、表題生成物(0.14g)が得られた。
MS(ES+):947.5[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:176.88、151.36、146.59、133.62、128.57、128.47、127.52、127.37、126.33、101.76、94.18、82.14、79.50、77.18、76.95、76.16、74.69、73.43、72.59、72.38、70.18、68.34、66.56、64.49、63.72、61.20、50.35、48.51、46.24、44.59、41.61、41.31、40.56、35.53、34.45、31.47、29.44、27.22、25.79、21.86、21.20、20.94、20.79、18.31、17.49、14.62、10.76、8.18、6.62。
実施例18
2’−O−{3−[メチル(3−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
クロロホルム(12mL)中の実施例17(340mg、0.359mmol)の溶液に、ホルムアルデヒド(0.053ml、1.920mmol)およびギ酸(0.281ml、7.34mmol)を加えた。反応混合物を18時間にわたって60℃にて撹拌し、次いで、DCMおよび水で希釈した。1M NaOHの添加により、pHを6.5に調整し、層を分離した。有機層に水を加え、NHOHの添加により、pHを9.5に調整した。層を分離し、溶媒を蒸発させると、粗生成物(0.23g)が得られ、エーテル/n−ヘキサンから再結晶した。生成物を濾別すると、表題生成物(0.115g)が得られた。
MS(ES+):961.87[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:177.40、152.11、147.27、135.12、132.48、129.27、129.03、128.12、127.85、126.94、102.30、94.73、82.60、80.26、77.75、77.46、76.72、75.22、73.97、73.15、72.95、70.24、68.90、67.09、65.06、64.22、61.77、59.37、54.35、49.07、45.14、42.26、42.16、41.35、41.35、36.10、36.10、35.00、33.11、28.22、27.81、26.34、22.43、21.76、21.35、21.35、18.90、18.00、15.19、11.32、8.85、7.18。
実施例19
2’−O−{3−[(3−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
HCl(10mL、3M)中の実施例17(0.14g、0.148mmol)を、1時間にわたって室温にて撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、pHを9.5に調整し(6M NaOHの添加)、層を分離した。有機抽出物を水(7×20mL)で洗浄し、溶媒を蒸発させた。粗生成物(91mg)をエーテル/n−ヘキサンから再結晶すると、表題生成物(74mg)が得られた。
MS(ES):789.63[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:175.54、151.46、146.67、133.84、133.67、128.66、128.60、127.62、127.49、126.42、100.27、83.80、79.26、76.35、76.12、76.04、73.53、72.36、69.89、68.72、67.43、63.68、61.34、50.63、46.30、43.21、40.86、40.86、40.86、36.03、35.41、32.74、29.97、26.27、25.63、21.27、21.11、20.56、17.61、16.43、10.45、8.07、6.29
実施例20
2’−O−{3−[(2−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
MeOH(35mL)中の中間体1(1g、1.24mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.585mL、4.2mmol)および2−キノリンカルバルデヒド(164mg、1.04mmol)を加え、反応混合物を18時間にわたって室温にて撹拌し、次いで、NaBH(94mg、2.48mmol)を加えた。反応混合物をさらに2時間にわたって撹拌し、次いで、溶媒を蒸発させた。得られた残渣を水に溶かし、pHを9.5に調整し、DCMで抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させると、黄色の粉末(1.3g)が得られ、カラムクロマトグラフィー(溶出液DCM:MeOH:NHOH=90:9:1.5)によりさらに精製すると、表題生成物(0.16g)が得られた。
MS(ES+):947.78[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:176.85、160.40、146.76、135.96、129.19、128.18、127.58、126.71、125.75、120.18、101.72、94.19、82.14、79.54、77.20、76.97、76.20、74.70、73.46、72.59、72.41、70.23、68.39、66.60、64.51、63.73、61.22、54.75、48.57、46.54、44.58、41.64、41.28、40.45、35.53、34.49、31.22、29.29、27.19、25.82、21.84、21.18、20.79、18.29、17.49、14.57、10.74、8.20、6.64。
実施例21
2’−O−{3−[(3−クロロ−1−イソキノリニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
DMSO(10mL)中の1,3−ジクロロイソキノリン(100mg、0.505mmol)の溶液に、トリス(ヒドロキシメチル)アミノエタン(306mg、2.52mmol)および中間体1を加えた。反応混合物を7時間にわたって100℃にて加熱し、続いて、一夜にわたって室温にて撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、水(40mL)で洗浄した。水(20mL)を有機層に加え、pHを、1M HClの添加により5に調整した。水層をDCM(2×30mL)で抽出した。pH5における有機抽出物に水を加え、pHを、NHOHの添加により9.5に調整した。pH9.5における有機抽出物を蒸発させると、粗生成物(0.3g)が得られ、アセトン/石油エーテルから再結晶すると、表題生成物(0.273g)が得られた。
MS(ES+):967.78[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:177.49、156.09、144.29、138.70、130.82、126.25、125.87、123.55、116.85、106.57、102.4、94.63、82.60、80.22、77.75、77.38、76.69、75.21、73.95、73.18、72.86、70.34、68.99、67.12、65.03、64.16、61.80、49.22、45.18、42.05、41.95、41.35、39.12、36.04、35.01、32.75、29.50、27.83、26.23、22.34、21.78、21.39、21.34、18.90、18.07、15.10、11.34、8.67、7.08。
実施例22
2’−O−{3−[メチル(3−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
Figure 2010534709
HCl(10mL、3M)中の実施例18(70mg、0.073mmol)を、30分にわたって室温にて撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、pHを9.5に調整し(6M NaOHの添加)、層を分離した。有機抽出物を水(2×20mL)で洗浄し、溶媒を蒸発させた。粗生成物(37mg)を石油エーテルから再結晶すると、表題生成物(25mg)が得られた。
MS(ES):803.69[MH]
13C−NMR(DMSO−d6)δ/ppm:175.97、152.08、147.24、135.17、132.42、129.32、129.034、128.14、127.84、126.98、100.73、84.21、79.83、76.79、76.57、76.48、73.96、72.82、70.00、67.89、64.17、61.74、59.31、54.47、43.65、42.19、41.52、41.12、36.49、35.86、34.06、28.30、26.73、26.09、21.71、21.55、20.96、17.88、16.86、10.89、8.64、6.75。
インビトロアッセイ
化合物のインビトロ効力を、アジスロマイシンのそれと比較した。インビトロスクリーニングプロトコールに記載されている方法論を使用し、表1に列挙されている化合物を、異なる感受性を持つ2つの異なる熱帯熱マラリア原虫寄生虫(W2および3D7A)に対するそれらの抗マラリア活性についてプロファイルした。試験した化合物のIC50値は、範囲として提供される:
表の鍵
X=IC50(ng/mL)
A X≦100
B 100<X≦200
C 200<X≦1000
D 1000<X≦2500
E 2500<X≦3000
F 3000<X≦3500
G 3500<X≦5000
H 5000<X≦10000
Figure 2010534709

Claims (22)

  1. 式(I):
    Figure 2010534709
    (式中、
    は、Hまたは式(a)
    Figure 2010534709
    のα−L−クラジノシル基を表し;
    は、式−(CH−X−(CH−(NH)−Aを表し;
    は、Hまたは−C(O)C1−3アルキルを表すか、RおよびRは、介在する原子と一緒になって、式(b):
    Figure 2010534709
    の環状カーボネート基を形成し;
    は、Hを表すか、RおよびRは、介在する原子と一緒になって、式(b)の環状カーボネート基を形成し;
    Xは、−N(R)−、−NHC(O)−または−C(O)NH−を表し;
    は、HまたはC1−3アルキルを表し;
    Aは、任意の利用可能な炭素原子を介して分子の残部に結合している式(c)または(d):
    Figure 2010534709
    の部分を表し;
    は、Hまたはハロゲンを表し、任意の利用可能な炭素原子において式(c)または(d)に結合しており;
    aは、2〜6の整数であり;
    bは、0〜6の整数であり;
    cは、0または1であり;
    ただし、cが1の場合、bは、1〜6の整数である)
    で示される化合物またはその塩。
  2. がHである、請求項1記載の化合物またはその塩。
  3. が式(a)で示されるα−L−クラジノシル基である、請求項1記載の化合物またはその塩。
  4. XがNHC(O)であり、cが1である、請求項1〜3いずれか一項記載の化合物またはその塩。
  5. aが3であり、bが3であり、Aが式(c)
    Figure 2010534709
    で示される化合物である、請求項4記載の化合物またはその塩。
  6. XがNHであり、bが0であり、cが0であり、Aが式(c)
    Figure 2010534709
    で示される基である、請求項1〜3いずれか一項記載の化合物またはその塩。
  7. 2’−O−[3−({4−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]ブタノイル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−[3−({4−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]ブタノイル}アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−{3−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    11−O−アセチル−2’−O−{3−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−{3−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−{3−[(4−キノリニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−[3−({2−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]エタノイル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−[3−({2−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]エタノイル}アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−[3−({2−[(4−キノリニル)アミノ]エタノイル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−[3−({2−[(4−キノリニル)アミノ]エタノイル}アミノ)プロピル]−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−[3−({2−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]エチル}アミノ)−3−オキソプロピル]9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−[3−({4−[(4−キノリニル)アミノ]ブタノイル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−[3−[(3−キノリニルカルボニル)アミノ]プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−{3−[(4−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−{3−[(4−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−{3−[メチル(4−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−{3−[(3−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−{3−[メチル(3−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−{3−[(3−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−{3−[(2−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    2’−O−{3−[(3−クロロ−1−イソキノリニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;および
    2’−O−{3−[メチル(3−キノリニルメチル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
    から選択される、請求項1記載の化合物またはその塩。
  8. 2’−O−{3−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAである、請求項1記載の式(I)で示される化合物またはその塩。
  9. 2’−O−{3−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]プロピル}−3−O−デクラジノシル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAである、請求項1記載の式(I)で示される化合物またはその塩。
  10. 式(II)
    Figure 2010534709
    (式中:
    はアミノプロピルであり;
    はHまたはC(O)CHであり;
    はHであり;
    はHまたは3−アミノプロピルである)
    で示される化合物またはその塩。
  11. 2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;または
    11−O−アセチル−2’−O,4”−O−di−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモ−エリスロマイシンA
    から選択される、請求項10記載の式(II)で示される化合物またはその塩。
  12. 塩が医薬上許容される塩である、請求項1〜11いずれか一項記載の化合物またはその塩。
  13. が式(a)で示される基であり、Xが2価のラジカル−N(R)−であり、aが2〜6であり、bが1〜6であり、cが0である式(I)で示される化合物の製造方法であって、式(III)
    Figure 2010534709
    で示される化合物を、式(IV)
    Figure 2010534709
    で示される適当なアルデヒドで還元アミノ化することを含む方法。
  14. 式(I)で示される化合物の製造のための中間体としての請求項10記載の式(II)で示される化合物の使用。
  15. かかる処置を必要とする対象におけるマラリアの治療的および/または予防的処置方法であって、対象に、治療的に有効な量の請求項1記載の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む方法。
  16. 対象が、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫または四日熱マラリア原虫に感染している、請求項15記載の方法。
  17. 請求項1〜9いずれか一項記載の化合物またはその医薬上許容される塩と、少なくとも1種の医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
  18. 医薬療法において用いるための請求項1記載の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
  19. マラリアの治療および/または予防用の医薬の製造における、請求項1記載の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩の使用。
  20. マラリアが、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、卵形マラリア原虫またはP四日熱マラリア原虫への感染により引き起こされる、請求項19記載の使用。
  21. マラリアの治療に用いるための、請求項1記載の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
  22. 治療が治療的処置または予防的処置である、請求項21記載の化合物。
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