JP2008526886A - ドライアイ治療 - Google Patents

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Abstract

本発明は、眼球表面からの液体の蒸発を減らす一方で摩擦潤滑を提供することができる、眼の眼球表面上に人工の涙膜を形成するための乳濁液組成物に関する。本乳濁液は、望ましくは準安定性乳濁液の形態であり、乳濁液の形成を可能にする第1界面活性剤と、界面活性剤のオートクレーブ処理を可能にする第2界面活性剤との組み合わせを含む界面活性剤を使用することを特徴とする。本発明はまた、このような乳濁液を形成するための方法にも関する。

Description

(1.導入)
本発明は、液体の蒸発を減らす一方で摩擦潤滑を提供することができる、眼の眼球表面上に人工の涙膜を形成するための乳濁液組成物に関する。本組成物はまた、眼球表面および装具表面の両方を潤し潤滑を提供する組成物として、眼球表面への薬物の送達、およびコンタクトレンズなどの眼の装具を装着している個人の治療に有用である。より詳細には本発明は、実質的な視野のぼやけも不快感をも引き起こさずに、眼球表面上に安定した涙膜を増強し維持することおよび/または前記表面に薬物を送達することが可能な乳濁液組成物に関する。本乳濁液は望ましくは準安定性乳濁液の形態であり、このような乳濁液を形成するために、および高温オートクレーブ処理の間、乳濁液の完全性を維持するために適した界面活性剤の組み合わせを使用することを特徴とする。
(2.先行技術の記載)
水性涙膜が眼球表面上に広がり眼球表面を湿潤および滑らかに保つことは当分野で公知である。また、眼から水分が除かれると不快を生じることもまた知られている。さらに、ドライアイ治療を対象とした組成物が市販されていることが知られている。市販組成物は、主に眼の表面上に水溶性ポリマーの膜を添加することにより涙膜を補充する水性物質である。この膜は寿命が短く、限られた緩和しか提供しない。
ドライアイ状態によりもたらされる不快感は、被検体および被検体の状態により、眼球乾燥、ざらざら感、灼熱感、ひりひり感またはひっかき感を含み得る。提案されているドライアイに対する原因、治療および症状については、Hollyにより編集された論文The Preocular Tear Film in Health, Disease, and Contact Lens Wear, The Dry Eye Institute, Lubbock, Tex. 1986;David A. Sullivanらにより編集された Lacrimal Gland, Tear Film, and Dry Eye Syndromes, 1994, Plenum Press, New York;David A. Sullivanらにより編集された Lacrimal Gland, Tear Film, and Dry Eye Syndromes 2, 1998, Plenum Press, New York;David A. Sullivanらにより編集された Lacrimal Gland, Tear Film, and Dry Eye Syndromes 3, Part A and B, 2002, Kluwer Academic/Plenum Publishers, New Yorkなどの概論中に記載されており、これらの文献は、ドライアイ状態およびそれらの治療に関するそれらの教示に対する参照により本明細書中に組み込まれる。
ドライアイの最も一般的な治療は、眼および関連付属器の前表面に大量の液体を添加する代用涙の局所投与によるドライアイ症状の一時的軽減を含む。一般の市販代用涙組成物は、水溶性ポリマー溶液を含む。このような溶液の例として、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースの生理食塩水溶液が挙げられる。米国特許第4,421,748号は、レシチンの水性低張液および、可溶性セルロースの溶液などの粘度調整剤を含む人工涙組成物を教示している。
ドライアイ治療溶液用代用涙の有効性を定量化するために用いられる方法は標準化されておらず、このような代用涙組成物を用いて得られる結果を定量化するために用いられる多くの方法は、しばしば不正確である。この理由により、公知の代用涙を用いるドライアイ症状の報告された緩和は被検体によってかなり変動し、代用涙を用いる緩和を定量化するために用いられる方法にかかわらず、緩和は、しばしば数分間を超えないことが知られている。
ドライアイに伴う症状は、しばしば、例えばコンタクトレンズなどの眼球装具を用いている被検体に関して悪化する。いくつかの場合において、ドライアイの状態およびその症状により部分的にまたは全体的にコンタクトレンズ不耐症が、生じる。さらに、眼からの水分蒸発の速度は、コンタクトレンズ表面の性質により加速され、コンタクトレンズの物理的存在は、適切な涙膜を有する被検体であっても追加の物理的効果および蒸発性効果を伴うメニスカス形成を生じる。多くの被検体にとって、コンタクトレンズ不耐症は、代用涙の局所投与では克服されない。従って、ドライアイ状態の治療のための改善された組成物および方法に対する、および眼球装具への耐性の改善に対する必要性が存在する。
ドライアイ治療のための改善された組成物は、米国特許第4,914,088号、第5,278,151号、第5,294,607号、第5,578,586号に開示されているが、それらの各々は、眼の表面上に、それに使用される組成物を含む油膜をいかに形成するかについての教示に対する参照により本明細書中に組み込まれる。米国特許第4,914,088号は、ドライアイ症状の治療のための一定の荷電リン脂質の使用を教示している。眼への荷電リン脂質の添加により、眼に本来存在する涙膜の複製が助けられると考えられている。この特許によれば、リン脂質組成物は、好ましくは水性乳濁液の形態で眼に局所適用されそこで眼球表面に分散し、まばたきの間に主にマイボーム腺から分泌される天然に存在する脂質が拡散することにより形成される脂質層を複製する膜を形成すると考えられている。1つの実施形態において、リン脂質が眼に適用されると、正味で陰性に荷電するので、整列した分子は、互いに反発し複合集合体の形成を妨げ、それにより安定したリン脂質膜が得られると考えられている。この特許は、荷電リン脂質から形成される膜が水層の蒸発を低減する遮断膜の形成を助け、それにより涙膜を保存すると理論付けている。このリン脂質はまた、乳濁液を安定に維持する界面活性剤として機能したこともまた理論付けられる。
上記引用した米国特許第5,278,151号、第5,294,607号、および第5,578,586号は、ドライアイ治療におけるさらなる改善を開示している。前記特許の開示によれば、米国特許第4,914,088号のドライアイ治療組成物は、眼治療組成物への油、好ましくは非極性油の添加により改善される。油を添加するとドライアイ治療組成物の性能が改善されるが、それは蒸発遮断層として機能する油膜を眼球表面上に形成する結果として(即ち、涙膜の外表面上に脱水遮断層(油層)を提供するおよび/または厚くすることにより)、眼上に形成される涙膜の寿命を延ばすことによる。このように、油はドライアイ治療溶液の効力を増大し、被検体間における性能のばらつきを低減する。
上記で引用した特許中に開示されている好ましい実施形態は、水乳濁液中の準安定性油を含むドライアイ治療組成物であるが、この組成物中では水相は、乳化剤および界面活性剤(眼球表面上に油のぼやけない膜の結合を形成するための眼上の油の拡散を助ける)の両方として機能すると考えられる荷電リン脂質を含む。好ましくは、油層は、非極性油を含む。この好ましい実施形態によれば、乳濁液は、望ましくは「準」安定であり、それにより、乳濁液が眼に適用されると、眼球表面との最初の接触で速やかに分解し眼表面に広がる。これらのことは全て前記の特許に説明されている。
前記特許の準安定性乳濁液は、眼に添加する油の総量が好ましくは25ulを超えない、さらに好ましくは約1から10ulの間で変動する、および最も好ましくは約1から5ulの間で変動するように処方される。眼に添加される油の量が25ulを超える場合、眼の表面上の油層は過度な厚さのものとなり、眼表面上に油の小球の形成を生じる可能性がある。これらの小球は長期のぼやけを生じやすい。眼に添加する油の量を調節するために、乳濁液における油の濃度限界は妥当な限界内に調節される。組成物全量の少なくとも0.1重量%の濃度で油を含有する乳濁液は、いくつかの利点を提供するが、好ましい濃度は、治療組成物の重量の少なくとも1.0%であり、最も好ましい油含量は、乳濁液の約2.5から12.5重量%の間で変動する。
界面活性剤として負荷電のリン脂質を有する水中油型準安定性乳濁液を使用することによりドライアイ治療に対して優れた臨床結果がもたらされるが、これらの使用には一定の不都合が伴う。例えば、リン脂質成分は眼への使用に必要な要件および許容度を満たすように製造される場合、高価である。更に、リン脂質の貯蔵は、特別な条件を必要とする。さらに、眼へのリン脂質の使用に関する長期の経験がないことから、安全性の問題がもちあがる可能性があり、監督官庁に懸念を与える可能性があり、承認のために長期で高価な臨床試験を必要とする可能性がある。さらなる問題としては、眼治療製品を市販している会社が不本意にも現存する市販治療製品の長期にわたる平穏無事な使用を有する成分の使用から撤退する恐れもある。
前記の理由から、前記の特許に開示されているような準安定性水中油型乳濁液を形成するために使用される荷電リン脂質に取って代わり得る1つまたはそれ以上の界面活性剤を見いだすことが望ましい。簡単な試行錯誤を用いて、適した界面活性剤を見いだすことができるように思われるかもしれないが、代替界面活性剤を見いだす課題は、難しい。例えば、代替界面活性剤はヒトへの使用が許容されるものでなければならない。入手できる多くの界面活性剤は、眼球表面への使用が認可されていない。代替界面活性剤は、望ましい乳濁液を形成するために十分な濃度で使用される場合、患者に不快感を引き起こしてはならない。ひりひりする痛みを引き起こさずに、多くの界面活性剤は適切な濃度で眼に添加され得ない。眼球表面への適用に対して約7.0から7.8の生理学的pHが、必要である。多くの界面活性剤は、pH7の上下両方において所定のpH範囲内で、界面活性剤として機能する。ドライアイ治療のための望ましい乳濁液は、好ましくは準安定なものであり、それにより眼に適用される場合、速やかに分解することができる。従って、代替界面活性剤は、製造および貯蔵において安定であり、眼球表面に適用されるときは準安定であり分解できる乳濁液を形成できなければならない。代替界面活性剤は、適用後の長期のぼやけを避けるために、油を上記のような許容できる濃度で含有する乳濁液を形成できなければならない。最後に、形成される乳濁液は、高温における殺菌に分解せずに耐えるように十分頑強であり、眼に適用される場合は分解するように十分に不安定でなければならない。安定な乳濁液を形成できる多数の代替界面活性剤は、ひりひりする痛みを引き起こさずに眼への添加に適した濃度で使用される場合、殺菌のために必要な温度でオートクレーブ処理する間に乳濁液の安定性を維持できないか、あるいはその代わりにオートクレーブ処理に十分耐えても眼に適用される場合、頑強すぎて分解できないことが見いだされた。
(発明の概要)
主題発明に従い、眼の治療のための眼球表面に適用するために適した好ましい準安定性水中油型乳濁液が、乳化剤として界面活性剤の組み合わせを用いることにより形成され得、その際1つの界面活性剤は、望ましい準安定性乳濁液を生理学的pHにおいて形成できる生理学的に許容できる界面活性剤(以降、「第1界面活性剤」と呼ぶ)であり、第1界面活性剤と組み合わせて用いられる追加の界面活性剤は、眼に適用されるとき乳濁液の分解を妨げず、75℃を超える温度でオートクレーブ処理する間、乳濁液を安定に保つことができる生理学的に許容できる界面活性剤(以降、「第2界面活性剤」と呼ぶ)であることが見いだされた。
好ましい第1界面活性剤は、1.0重量%から、それ以下では、ぼやけを引き起こす可能性のある量までの濃度の油相を有する望ましい乳濁液を形成するために十分な濃度で用いられる場合、被検体に不快感を引き起こさずにpH約7.0から7.8で準安定性水中油型乳濁液を形成することができる生理学的に許容できる界面活性剤のいずれか1つまたはそれ以上を含む。用語「準安定乳濁液」は、上記引用した米国特許第5,278,151号、第5,294,607号、第5,578,586号に記述されているように、貯蔵中は安定しているが、眼球表面に滴下する場合には速やかに分解するものを意味する。第1界面活性剤は、以下に記述する手順を用いる日常的実験法により特定され得る。驚くべきことに、上記引用した特許の主題であるリン脂質以外には、本明細書中に記載の指針を満たす準安定性乳濁液を形成する単一の界面活性剤として使用できるものは、単一の界面活性剤では見いだされなかった。ただし、乳濁液を眼に添加するとき被検体がひりひりする痛みを経験しやすいような高い濃度で、単一の界面活性剤を用いれば、このような乳濁液を形成することができることを理解されたい。
好ましい第2界面活性剤は、乳濁液の準安定形を変化させず、有効な濃度で患者に不快感を引き起こさない第1界面活性剤と組み合わせて使用され、オートクレーブ処理に必要な高められた温度(一般に75℃を超える温度、望ましくは100℃を超える温度)での分解を防ぐことにより乳濁液を安定化する、1つまたはそれ以上の生理学的に許容できる界面活性剤である。全ての第2界面活性剤にとって必須ではなく指針としてのみであるが、第2界面活性剤は望ましくは最小6つの親水性基、9またはそれ以上好ましくは12から20の範囲のHLB、および親水性基と比較して小さい、そして好ましくは第1界面活性剤の親油性基と同じまたは同様の構造の親油性基を有する比較的長鎖を有する。
文献からは、当業者は、本明細書中に記載の型の水中油型乳濁液の形成のために、約8から14、より一般的に約10から12の算術平均HLBを有する界面活性剤の組み合わせを選択することが、予期される。算術平均は、選択した個々の界面活性剤のHLBおよび用いる各界面活性剤の濃度に基づいて測定される。意外にも下記に示すように、8から14の間の算術平均HLBは、本発明の目的のために要求されない。
(好ましい実施形態の記載)
本発明の治療組成物は、水相、油相、ならびに乳濁液を安定化するおよびその眼への適用後に眼球表面上に乳濁液を広げるという二重の目的のために用いられる界面活性剤の組み合わせを有する水中油型乳濁液である。界面活性剤の組み合わせは第1界面活性剤および第2界面活性剤を含み、製造時および貯蔵中は安定であるが、眼球表面に適用されるときは望ましくは準安定である乳濁液の形成を可能にするもの(すなわち眼に適用されるときに速やかに分化し、それによりぼやけない油の膜が眼球表面上に速やかに形成されるもの)である。製造および貯蔵中に安定な乳濁液は、静置中は別々の相に分離する可能性があるが、簡単な振盪により再構成できるものである。不安定な乳濁液は、分解して一般に簡単な振盪によっても除去できない油膜またはオイルスリック(slick)を形成するものである。
使用中は、準安定な乳濁液が、本発明の目的のために望ましい。ドライアイ症状の軽減のために使用できるものであっても、安定な乳濁液は、準安定性乳濁液と反対に眼球表面に適用されるとき速やかに分化しない。これは、以下の理由により望ましくない。乳濁液は、一般に、2つの別々の相の存在により光学的に不透明である。従って、眼の表面上の不透明な乳濁液は、ぼやけを引き起こしやすい。ぼやけの持続時間は、乳濁液が分化し涙膜を複製する別々の層を形成するために必要な時間に依存する。また、乳濁液は、点眼器からの標準液滴として最も容易に眼に添加される。眼は液体の限定された容量(25μl未満の容量)を保持することができる。25μlの容量は標準液滴の容量よりも実質的に少ない。従って、乳濁液が安定であり眼への適用後に速やかに分化しない場合、過剰の乳濁液がまばたきの間に眼から排出される。眼から乳濁液の排出は、持続性のある涙膜が形成できる前に、眼から治療溶液の有効成分が排出される結果となる。この理由から、有効成分は、望ましい涙膜を形成するために十分な量では利用できない。その結果、安定な乳濁液は、ドライアイの症状を限られた時間の間、軽減できるが、それは本発明のより好ましさが劣った実施形態である。
準安定性乳濁液は、この用語を本明細書中で用いる場合、貯蔵中安定しているか、または2つの別々の層に分化しているが、使用前に簡単な振盪により容易に再構成されるものである。準安定性乳濁液が標準液滴として眼に添加される場合、それはすばやく分化してまばたきによる過剰の油の排出なしに角膜表面上の油層の迅速形成が可能となる。好ましくは、乳濁液は、眼への適用後約5回のまばたき以内に、より好ましくは約30秒未満の時間以内に分化する。過剰の液体の塊を眼角に移動させ、それを眼から排出するために必要な時間内に、ぼやけは、起こり得る。乳濁液の分化中および分化後、油膜の形成は界面活性剤の組み合わせの使用により助けられるが、その際界面活性剤の組み合わせは、乳濁液の形成を助けるためおよび乳濁液が分解するとき眼の表面上に油が広がるのを促進するために役立つ。従って、準安定性乳濁液は、本発明の好ましい実施形態である。
準安定性乳濁液を形成するために用いられる界面活性剤の組み合わせは慎重に選択されなければならず、以下の基準:
a.界面活性剤の組み合わせは、特に製造中、製剤を殺菌するために必要なオートクレーブ処理の高温にさらされる場合は長期の安定性を有する乳濁液の形成を可能にしなければならない一方、眼の表面に適用される場合は迅速な相の分化を可能にしなければならない;
b.界面活性剤の組み合わせの各成分は、乳濁液組成物の他の成分と相溶性でなければならず、約6.5から7.8の間の生理学的pH、好ましくは7.2から7.5の間のpHにおいて乳濁液の形成を可能にしなければならない;および
c.界面活性剤の組み合わせの各成分は、眼への使用のために薬学的に許容できるものでなければならず、眼と適合しなければならない(すなわち、それぞれが無毒であり、使用される濃度において、例えばひりひりする痛みなどの不快感を引き起こしてはならない);
を満たさねばならない。
上記のとおり、本発明の乳濁液を形成するために用いられる界面活性剤は、第1界面活性剤および第2界面活性剤の組み合わせを含む。
第1界面活性剤は、いずれか1つまたはそれ以上の薬学的に許容できる界面活性剤であり、それは上記の基準を満たし、望ましくはそれ自身でまたは第2界面活性剤との組み合わせで準安定乳濁液を形成するが第2界面活性剤とは化学構造が異なる。文献は、水中油型乳濁液の形成と安定化に有用と記載されている種々の化学構造を有する何千もの界面活性剤で充実している。主題発明の目的のための第1界面活性剤として機能することができる代表的な界面活性剤の網羅的なリストを提供することは面倒であろうし、多くの有用な候補物質を見落とすかもしれない。従って、以下に示す代表例に加えて、所定の界面活性剤が主題発明の好ましい実施形態に従って第1界面活性剤として使用できるかどうか決定することを当業者に可能にすることを意図して、手順を示す。この手順は、以下の段階:
a.以下に示すような有用な濃度範囲内で、眼球表面への使用が認可されている界面活性剤を選択する;
b.文献からまたは試験により、その界面活性剤が生理学的pHにおいて油および水成分と共に乳濁液を形成することができるかどうかを決定する;
c.以下に示す乳濁液成分の濃度を有する乳濁液を調製し、その乳濁液が貯蔵(通常の貯蔵条件で最低3ヶ月間の)中に安定であるか、または単純な振盪により再構成できるかどうかを決定する;および
d.乳濁液を眼球表面に適用し、乳濁液が1分またはそれ以下以内に、好ましくは30秒または5回のまばたき未満以内に眼球表面上で分解するかどうかを決定する;
を含む。
上記に示した基準を満たす第1界面活性剤の代表例は、イオン性および非イオン性界面活性剤を含むが、非イオン性界面活性剤は、眼に適用するとひりひりする痛みをもたらす傾向がより少ないので好ましい。非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルおよびポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのアルキルフェニルエーテル類;ラウリン酸ポリオキシエチレン、ステアリン酸ポリオキシエチレンおよびオレイン酸ポリオキシエチレンなどのアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテルおよびポリオキシエチレン牛脂アミノエーテルなどのアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミドおよびポリオキシエチレンオレイン酸アミドなどのアルキルアミド類;ポリオキシエチレンひまし油エーテルおよびポリオキシエチレン菜種油エーテルなどの植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミドおよびオレイン酸ジエタノールアミドなどのアルカノールアミド類;およびモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンおよびモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのソルビタンエステルエーテル類が挙げられる。上記の中で、ステアリン酸ポリオキシエチレンが、好ましい。さらなる適した界面活性剤は、例えばAsh and Ash, Encyclopedia of Surfactants, Chemical Publishing Company, New York, 1985;McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents, North American Edition, McCutcheon Publishing Company, Glen Rock, NJ, 2000;およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Edition, Vol. 1 at p. 251 (上記の手順の使用と関連して)に記載されているような界面活性剤に関する標準的なテキストを参照することにより見いだすことができる。
第2界面活性剤は、上記の基準を満たす1つまたはそれ以上の界面活性剤であり、更に、乳濁液が乳濁液の顕著な分解無しにオートクレーブ処理に耐えることを可能にする。第2界面活性剤は、望ましくは比較的小さな親油性基および最小6繰り返し親水性基を有する長鎖親水性基を有する。より好ましくは、第2界面活性剤は9またはそれ以上(最も好ましくは、12から20の間の範囲)のHLB、少なくとも9つの繰り返し親水性基の親水性基(最も好ましくは、少なくとも9つの酸化エチレン基または酸化イソプロピル基)、および第1界面活性剤の親油性基に構造が同一または類似の比較的小さな親油性基を有する。非イオン性界面活性剤類の例としては、式C17(OCHCH)OHのオクトキシノール−nシリーズ(式中、nは5から70の間、好ましくは30から50の間である)、式C19(OCHCH)OHのノノキシノール−nシリーズ(式中、pは5から40の間、好ましくは15から30の間である。)およびポリオキシエチレンC12−22アルキルエーテル類(例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルまたはポリオキシエチレンオレイルエーテルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。最も好ましい第2界面活性剤は、30から50の間の酸化エチレン基を有する界面活性剤のオクトキシノールシリーズである。約9より大きいHLB値を有し、上記の基準を満たす多くの他の界面活性剤は、上記のAsh and Ash、McCutcheons、およびRemingtonに列挙されている。
乳濁液を形成するために用いられる界面活性剤の組み合わせの濃度は、広い範囲内を変動し得る。組成物全量の0.01重量%程度に少ない量の界面活性剤の組み合わせを含有する治療組成物は、いくつかの利点を提供する。組成物全量の0.05から5.0%の間で変動する界面活性剤の組み合わせの濃度は、高めの濃度で使用される場合に被検体に界面活性剤が不快感を引き起こさない限り、本発明の目的のための臨床的に実用的な濃度範囲である。最も好ましくは、組み合わせの濃度は、組成物総重量の約0.25から2.5重量%の間で変動する。多くの界面活性剤にとって、濃度が増すにつれて眼への乳濁液の身体的な不快感(すなわちひりひりする痛み)の可能性も増すことを理解されたい。従って、乳濁液が眼球表面に適用される場合かなりのひりひりする痛みが生じる場合、界面活性剤の濃度が高すぎると考えられる。
第1界面活性剤の第2界面活性剤に対する割合は、比較的広い限界内(例えば第1界面活性剤対第2界面活性剤が0.2対1.0から1.0対0.2)で変動し得る。より好ましい範囲は、0.5から1.0および1.0から0.5の間で変動する。最も好ましくは、第1界面活性剤は第2界面活性剤よりも僅かに多い濃度で使用され、最も好ましい比率は1.0から約0.75の間で変動する。
本発明の乳濁液は、水中油型乳濁液を含む。乳濁液を形成するために用いる油は、動物、植物、ナッツ、石油などに由来するものであってよい。動物、植物の種子およびナッツ由来の油は脂肪類と類似しており、主にグリセリド類または脂肪酸類であり、従って著しい数の酸基および/またはエステル基を含有し、そのことにより極性が高くなり、本発明の目的のためにより好ましくなくなる。代わりに、石油から誘導される油類は、通常本質的に極性置換基のない脂肪族または芳香族炭化水素類であり、従って、例えば眼球表面などのヒト組織に適合するように油が精製されているという条件で本発明の目的に適している。好ましくは、油は、10から50の炭素原子を有する直鎖炭化水素油であり、より好ましくは、油は、14から26の炭素原子を有する飽和n−アルカンまたはイソアルカン炭化水素である。不飽和アルケン炭化水素類が用いられ得るが、これらは化学的により不安定である。芳香族化合物類は、その大部分において眼球表面への適用に適さないことが知られているので、芳香族油類は、より好ましくない。本発明の目的のためには鉱油が、最も好ましい油である。
乳濁液内の油成分は、眼への適用後に眼に保持されている油の量が制御された容量内であり、25ulを超えず、より好ましくは約1から10ulの間で変動し、最も好ましくは約1から5ulの間で変動するという条件で、妥当な限界内で変動することができる。眼に添加される油の量が25ulを超える場合、眼の表面上の油層は過剰な厚さになる可能性があり、長期のぼやけを生じる可能性がある。組成物全量の少なくとも0.1重量%の濃度の油を含有する治療組成物は、いくらかの利点を提供する。油の好ましい濃度は、治療組成物の重量の少なくとも1.0%である。好ましくは、治療溶液の油含有量は、組成物の約2.5から12.5重量%の間で変動する。
他の添加剤は、治療組成物中存在してよい。このような物質は、例えば1つまたはそれ以上のトリグリセリド類、コレステロールエステル類、天然ワックス類およびコレステロールなどの中性脂質類および油類、の微量;高分子量イソプレノイド類;安定化剤、追加の界面活性剤;防腐剤;好ましくは約6.5から7.8の間の、最も好ましくは約7.2から7.5の間のpHを有する組成物を提供するためのpH調整剤;等張性のまたは弱低張性の組成物を形成するために十分な濃度の塩、グリセロールまたは糖;などを含むが、これらは全て当業者には明らかであろう。
添加剤のもう1つの有用な種類は、薬物を含む。本発明の乳濁液組成物を用いる眼の表面上に形成された油膜の長期の安定性の結果として、薬物の眼への接触時間が増加するため、薬物の眼への延長され改善された送達が生じる。本発明の膜形成組成物を用いる眼への送達に適した薬物は、組成物の水相または油相のいずれかに可溶な薬物であるが、薬物が油相に可溶であるのが好ましい。薬物の例としては、例えば欧州特許出願第0092453号(1983年10月26日公開、セクション5.3.1および5.3.2、本明細書中に参照により組み込まれる。)に一部例示されているような、抗生物質、抗ウイルス薬、抗炎症薬および抗緑内障薬が挙げられる。
乳濁液に添加されるいずれかの追加の添加剤も、簡単な混合法を用いる乳濁液の形成の前に添加される。添加剤の濃度は、特定の添加剤に依存し、好ましくは界面活性剤および油に加えて、全添加剤含有量は、油相中の有機物の総重量が乳濁液総重量の15パーセントを超えない最高濃度レベルである。
本発明に従えば、乳濁液は、標準手順に従って製造され得る。望ましくは、市販のホモジナイザーが、乳濁液を形成するために用いられるが、これはこのような性質の装置が輸送および貯蔵の間の乳濁液の安定性を高めるからである。乳濁液を形成するための市販のホモジナイザーの使用は、当業者の技術の範囲内である。
本発明の乳濁液は、同様に望ましくは眼球装具を必要とする被検体に使用される。この場合、治療組成物は涙膜層を増大し、装具と眼球表面との間の界面を潤滑する。眼球装具と共に用いる場合、治療組成物は装具を眼に差し込む前に、装具の内面、または内面および外面の両方に適用することができる。添加法がどうであれ、油層を形成するために用いることができる量は上記の限界内でなければならない。
本発明は、以下の実施例を参照することにより、よりよく理解される。実施例において、眼球表面上に形成される涙膜の脂質層の厚さは、光源を眼球表面上に投射し、光源からの反射像をビデオの画面で観察することにより評価される。光源およびその位置は、約10mmの眼球表面上の表面積を照射するものである。干渉パターンが形成されその色(単数または複数)は油層の厚さを示す。光の色は、公知の手順で膜厚と関連付けられる。このように、涙膜は実時間で評価でき、以下の尺度:
Figure 2008526886
に従って評価され得る。
実験手順に関するさらなる詳細は、上記引用した米国特許第5,278,151号、第5,294,607号、および第5,578,586号中に見いだすことができる。
実施例中に示したデータは、C評価またはそれ以下のベースライン脂質層を有する個体を用いて得られた。データは、試験製剤の標準点眼薬を眼に適用した後のベースライン知見から脂質特性に対する知見への脂質層特性において得られた変化を例証している。望ましい結果は脂質層特性における改善に対するものであり、この改善は、Aが最も望ましく、Fが最も望ましくないというアルファベットにより示されるグレードにおける上昇により実証される。評価を、試験製剤滴下の5分後に行った。
最初の2つの実施例は、乳濁液が、安定した水中油型乳濁液の形成への適合性を示唆する特性およびHLB値を有する界面活性剤を用いて形成され得ることを例証しているが、このように形成された乳濁液は、オートクレーブ処理温度において不安定であり、それゆえドライアイ治療には適さないことを例証する。実施例3は、本発明の目的を満たす特性を有する乳濁液の形成に適するであろう界面活性剤が、眼に添加されるとき被検体に不快感を引き起こすので適さないことを例証する。実施例4および5は、ドライアイ乳濁液の形成に適さない第1界面活性剤が、本発明の第2界面活性剤との組み合わせで使用されるとき、算術平均HLBにかかわらず機能を発揮させることができることを例証する。
本実施例は、種々の界面活性剤の組み合わせが上述の指針の一定のもの(特にHLBに関連するもの)を満たすように用いられ得るが、製剤の殺菌に必要な上昇された温度に耐えることができる準安定性乳濁液を提供することがまだできないことを例証する。
Myrj−52、ステアリン酸ポリオキシエチレン(40)およびモノステアリン酸グリセロール(GMS)の混合物を第1界面活性剤として用いて、油相として鉱油を有するドライアイ治療乳濁液を形成した。Myrj−52は、高いHLB値(15から16.9)を有し、水溶性である。モノステアリン酸グリセロール(GMS NF)は、低いHLB値(3から5)を有し、従って油溶性であり、この組み合わせは、適する水中油型乳濁液を形成するに違いないことを示唆している。これらの界面活性剤類は、同一の親油性基(ステアリン酸)と異なる親水性基を有し、従って2つの界面活性剤のHLB値の差により示唆されるように油相または水相への分配に関して異なる物理的挙動を示す。
界面活性剤類のこの組み合わせは、Drakeol−35(市販の鉱油)の5.5%(±0.3%)を用い、2つの異なる全界面活性剤濃度(0.15%および0.30%)で11種の乳濁液を形成することにより評価した。Drakeol−35鉱油の非極性油相および0.67%NaClおよび0.05%の無水NaHPOの水層は、これら11種の製剤全てに共通しており、pHを、必要に応じて希HClで調節した。2つの個々の界面活性剤の相対濃度を変動させて、表1に示すように平均HLBの乳濁液品質への効果を評価した。11種製剤の乳化を、市販のホモジナイザー(PRO250)(Proscientific社製;30mm回転子−固定子型発電機駆動の3/4馬力のモーターを備える)を用い、全ての反応物を1つの容器に合わせ、温度を約90℃に上げて行った。表1に、Myrj−52およびGMS第1界面活性剤系を用いる11種の試験製剤に対する配合および組成(g単位表示)を示す。
Figure 2008526886
脚注
1.Myrj−52は、ステアリン酸ポリオキシエチレン(40)である。
2.モノステアリン酸グリセリル(GMS)は、ステアリン酸のグリセロールエステルである。
3.Drakeolは、Penreco Co.(Butler,PA)から市販の一連のNF鉱油を指す。文字に続く数字は油の平均分子量を表し、液体の粘度の指標を表す。
(結果)
表1の製剤は、数分間放置したときの分離の第1の基準を全てが満たす乳濁液を作成した。これらの製剤はまた、簡単な撹拌後に元の分散形態に戻る乳濁液の第2の基準を満たすように見うけられた。しかしながら、60分から1日の期間の後に、より高いHLB値を有する製剤中の油相のいくつかは、著しい油の発生を実証し、それは、個々の油滴が分解し、その結果表面上に油膜を形成するというものであった。
より低いHLB値を有する製剤は、同様な期間の後に油膜を見せない乳濁液を提供した。しかしながら、機械的振盪を用いて撹拌して輸送効果をシミュレートしたとき、油膜がある時間以内に表面上に現れ、これにより商業的に実行可能な製品製造が妨げられた。
一般に、計算されたHLB値を高くすることにより、静置時または撹拌時に品質が劣る乳濁液が製造された。しかしながら、表1中の製剤は、個々の油滴の分解とそれに続く表面油層の形成のために、いずれも適切でないことが、見いだされた。さらにまた、顕微鏡による検査、およびオートクレーブ処理および振盪の両方の前後に撮影したこれらの製剤の写真により、121℃でのオートクレーブ処理に付すか、Platform Rocker Shaker(Vari−Mix社製)で1日未満振盪することにより、油滴が分解したことが、実証された。
上記の実施例は、この実施例の物質に対してHLB値だけでは目的とするドライアイ治療組成物の開発における複雑な製剤の問題の信頼できるパラメーターにはならないことを例証している。HLB値は、製剤開発指針として一般に有用であるが、本発明の目的に適するドライアイ治療組成物の開発のためにはさらなる考慮が必要であることが明らかであった。
上記の問題を解決するためには極めて高い界面活性剤濃度を必要とすると思われるが、Myrj−52%の濃度を高めると眼球の不快症状(すなわち明らかなひりひりする痛み)を生じることが知られていた。この理由から、本製剤は、臨床的に評価されなかった。
ポリソルベートのステアリルエーテルであるポリソルベート−80(商品名Tween−80)を、総濃度7.0%のDraekol−15およびDraekol−35の鉱油混合物を用いるドライアイ治療乳濁液の形成のための、単一第1界面活性剤として評価した。この調査において、0.2%、1.0%、および1.5%のポリソルベート−80濃度を、製剤C1からC6として表2に示したような基本処方中に用いた。これらの製剤には、EDTA二ナトリウムを含むものと含まないものを調製した。6種製剤の乳化を、市販のホモジナイザー(PRO250)(Proscientific社製;30mm回転子−固定子型発電機駆動の3/4馬力のモーターを備える)を用い、全ての反応物を1つの容器に合わせ、温度を約90℃に上げて行った。表2に、Tween−80を単一界面活性剤として用いる6種の試験製剤に対する配合および組成(g単位表示)を示す。
Figure 2008526886
脚注
1.Drakeolは、Penreco Co.(Butler,PA)から市販の一連のNF鉱油を指す。文字に続く数字は、油の平均分子量を表し、液体の粘度の指標を表す。
2.ポリソルベート−80はポリソルベートのステアリルエーテルであり、ICI(Wilmington,DE)(現在はUniqema,New Castle,DEとして知られる)から商品名Tween−80で販売されている。
(結果)
単一第1界面活性剤としてポリソルベート−80を用いて調製した6種の乳濁液は、数分間容器中に静置した際に油層と水層との適切な分離を提供するという第1の基準を満たすことが、見いだされた。製品の単純撹拌による再構成という第2の基準もまた、満たされた。しかしながら、これらの製剤は、研究用シェーカー上で短時間撹拌するかまたは121℃で30分間オートクレーブ処理するとそれら全てが不安定化された(表面油膜の形成により実証されたように)ので、第3の基準を満たすことができなかった。製剤中のポリソルベート−80含有量を1.50まで増すと油滴の不安定性は減少したが、それでも第3の基準を満たすことができなかった。第3の基準を満たすことができないことは、オートクレーブ処理後の試料および振盪後の試料において確認されたが、その際、油滴の癒着により形成された表面油膜が第2の基準により必要とされるような簡単な振盪による乳濁液の再構成を妨げた。
従って、これらの製剤は、望ましい眼治療溶液の要件を満たさなかった。ポリソルベート−80のみを単一第1界面活性剤として用いた場合、以下の望ましくない結果:(1)乳濁液は、オートクレーブ処理に対して安定ではなかった、(2)より高い濃度のポリソルベート−80は、眼にひりひりする痛みをもたらした、および(3)より高い濃度のポリソルベート−80は、眼への準安定乳濁液の性能を劣化した、を伴うポリソルベート−80の高い濃度を必要とした。従って、これらの試料の性能には、ある時間撹拌した後に元の乳濁液特性を維持しているという基準を満たすための幅広い余裕が欠けていた。従って、非極性油製剤のために単一界面活性剤としてポリソルベート−80を使用することは、不適切と判断され、臨床的に評価されなかった。
本実施例では乳濁液の形成は例示しないが、他の点では水中油型乳濁液の形成に適していると思われる第1界面活性剤の拒否の根拠を例示する。
本実施例では、眼に使用するための界面活性剤系としての適合に対するSpan20(非常に粘度の高い水不溶性モノラウリン酸ソルビタン)の評価を記載する。この界面活性剤のHLB値が8.6であり、その眼内製品における使用が報告されていることから、鉱油を用いる水中油型乳濁液の形成に適した界面活性剤であることが示唆された。
眼への快適さを評価するために、緩衝生理食塩水媒体中の5つの濃度のSpan20(0.05%W/Vから1.00%W/V)を調製した。全ての製剤に用いた媒体は、Unisol4(Alcon Laboratories(Fort Worth,TX))から市販の緩衝生理食塩水溶液)であった。Unisol4については以前研究したが、眼球表面への使用のために最も快適な生理食塩水製品であることが判明している。従って、これを試験製剤の媒体として用い、また対照としても用いた。
5試験製剤のそれぞれの液滴を各被検体の眼球表面上に、40μlの液滴を送達した15ml点眼容器を用いて添加した。被検体には快適、はっきりしない、少しひりひりする、中程度にひりひりする、または大変ひりひりするの内の1つとして感覚を記載するように依頼した。
(結果)
6人の被検体について異なる2つの日に試験製剤のそれぞれを全員が評価して得た結果を表3にまとめて示す。
Figure 2008526886
脚注
1.Span20は、非常に粘度の高い水不溶性モノラウリン酸ソルビタンであり、ICI(Wilmington,DE)(現在はUniqema,New Castle,DEとして知られる)から商品名Span20で販売されている。
眼および眼表面に適用されるときのひりひりする痛みを考慮して、濃度≦0.10%においてさえも、Span20の使用は、眼治療組成物のための適した界面活性剤としては拒否された。
本実施例では、実施例2において本発明の目的のために不十分であると判明したポリソルベート−80が第2界面活性剤(本実施例の場合オクトキシノール−40)と組み合わせることにより適したものにすることができることを例証示する。
本実施例は、眼用乳濁液系における油/水界面の安定性を最大限にするための、第1界面活性剤としてのポリソルベート−80、および第2界面活性剤としてのオクトキシノール−40を含む混合界面活性剤系の最適比率を決定する。2.4%Drakeol−15および4.8%Drakeol−35を、オクトキシノール−40およびポリソルベート−80の両方と共に用いる製剤を、種々の濃度で評価した。オクトキシノール−40は19のHLB値を、ポリソルベート−80は15のHLB値を有する。組み合わせた2つの界面活性剤は、安定した水中油型乳濁液の形成に適すると考えられるHLBより大きい算術平均HLBを示す。これらの試料には、眼治療組成物に必要なレベルに他の添加剤の濃度を維持しながら、EDTA二ナトリウムを含むものと含まないものを調製した。調製された4種製剤の乳化は、市販のホモジナイザー(PRO250)(Proscientific社製;30mm回転子−固定子型発電機駆動の3/4馬力のモーターを備える)を用い、全ての反応物を1つの容器に合わせ、温度を約60℃に上げて行った。表4に、オクトキシノール−40およびポリソルベート−80界面活性剤系を用いる4試験製剤の配合および組成(g単位表示)を示す。
Figure 2008526886
脚注
1.DrakeolはPenreco Co.(Butler, PA)から市販の一連のNF鉱油を指す。文字に続く数字は油の平均分子量を表し、流体の粘度の指標を表す。
2.オクトキシノール−40はポリエチレングリコール(40)p−イソオクチルフェニルエーテルであり、ICI(Wilmington,DE)(現在はUniqema,New Castle,DEとして知られる)から商品名Synperonic OP−40で販売されている。
3.ポリソルベート−80はポリソルベートのステアリルエーテルであり、ICI(Wilmington,DE)(現在はUniqema,New Castle,DEとして知られる)から商品名 Tween−80で販売されている。
(結果)
4種の製剤は全て、適切な分離、穏やかな振盪による乳濁液の再構成および研究室用Platform Rocker Shaker(Vari−Mix製)上で少なくとも72時間という期間撹拌するとき、または121℃で30分間オートクレーブ処理するとき元の乳濁液特性を維持しているという3つの前臨床基準を満たした。
オートクレーブ処理および振盪の前後におけるこれらの試料の顕微鏡検査および写真により、油滴は、121℃でオートクレーブ処理に付すか、Platform Rocker Shaker(Vari−Mix製)で288時間振盪することによっても分解しなかったことが実証された。
オクトキシノール−40およびポリソルベート−80界面活性剤系を含む非極性油の本製剤が前臨床基準を満たしたので、製剤D1およびD3は臨床的に評価され、それらは脂質層の厚さを適切に増大し回復することが見いだされた。製剤D1およびD4の臨床評価の結果を以下の表に示す。
Figure 2008526886
患者番号1から14の臨床評価により、オクトキシノール−40およびポリソルベート−80の界面活性剤系は、改善された特性を有する脂質層を形成し回復するのに効果的であること、および両製剤は本質的に等しく有効であったことが示された。両製剤について認められた自覚的な感覚は快適として評価され、有害な感覚のいかなる形態をも認められなかった。実施例3の研究により、界面活性剤オクトキシノール−40を第2界面活性剤としてポリソルベート−80との組み合わせで添加することによりドライアイ治療組成物に対する基準を満たしたことが示された。
本研究は、最適のドライアイ治療製剤のためのポリソルベート−80(Tween−80)およびオクトキシノール−40の混合第1および第2界面活性剤系の最適濃度を決定することを目的としたものであった。
6種の製剤を調製した。それらの各々を、市販のホモジナイザー(PRO250)(Proscientific社製;30mm回転子−固定子型発電機駆動の3/4馬力のモーターを用いる)を用い、全ての反応物を1つの容器に合わせ、温度を約60℃に上げて形成した。表5に6種の製剤を例示するが、ポリソルベート−80の濃度を0.40%に一定に保つ一方、オクトキシノール−40の濃度は0.30%、0.60%および1.20%の界面活性剤レベルに変動させる。ポリソルベート−80を濃度0.40%は前の実験の結果からの選択されたものであるが、それらの実験では、この濃度が、オクトキシノール−40のより高いレベルと共に用いられる場合に前臨床の要件を満たす一方、ポリソルベート−80の濃度がより低い場合、121℃でオートクレーブ処理にかけるかまたは3日から288時間の期間Platform Rocker Shaker(Vari−Mix製)上で振盪することにより最小であるが検出し得る程度に油滴が分解を生じることが、確立された。前記の要件を満たしながらドライアイ治療組成物のためのポリソルベート−80およびオクトキシノール−40の両方の最も低い濃度を用いることが望ましいこともまた考慮されたが、それは眼球表面細胞の感受性および眼の免疫応答は、眼に添加するいかなる化合物であってもその濃度が増加するに従って増加すると予期できるためである。これらの現象は、ドライアイ状態において悪化する可能性があるが、それは表面上皮細胞がドライアイ状態に伴う乾燥と潤滑の欠乏によりしばしば損傷を受けるためである。表5に、6種の試験製剤の配合および組成(g単位表示)を提供する。
Figure 2008526886
脚注
1.ポリソルベート−80はポリソルベートのステアリルエーテルであり、ICI(Wilmington,DE)(現在はUniqema,New Castle,DEとして知られる)から商品名Tween−80で販売されている。
2.オクトキシノール−40は、ポリエチレングリコール(40)p−イソオクチルフェニルエーテルであり、ICI(Wilmington,DE)(現在はUniqema,New Castle,DEとして知られる)から商品名Synperonic OP−40で販売されている。
3.Drakeolは、Penreco Co.(Butler,PA)製の一連のNF鉱油を指す。文字に続く数字は油の平均分子量を表し、液体の粘度の指標を表す。
4.P/Oは、ポリソルベート−80成分のオクトキシノール−40成分に対するモル比である。
5.RPMは、均質化ユニットの速度である。
0.30グラムのオクトキシノール−40と0.40グラムのポリソルベート−80との最も低い濃度が3つの基準を最適に満たすことが判明した。眼球組織に対する刺激性の可能性を考慮して、低い界面活性剤濃度が望ましいが、それは眼に添加される化合物への感受性が化合物の濃度が増すに従って増すことが予期され得るからである。

Claims (35)

  1. 水中油型乳濁液であり、前記乳濁液が第1界面活性剤と第2界面活性剤との組み合わせを乳化剤として用い、前記第1界面活性剤がそれ自身でまたは第2界面活性剤(第1界面活性剤とは異なり、第1界面活性剤との組み合わせで用いられる)との組み合わせにより生理学的pHにおいて安定な乳濁液を形成することができる生理学的に許容できる界面活性剤であり、前記第2界面活性剤が、75℃を超える温度におけるオートクレーブ処理の間、乳濁液を安定に保つことができる生理学的に許容できる界面活性剤である、前記水中油型乳濁液。
  2. 乳濁液が、製造時および貯蔵中は安定であるが、眼球表面に適用されるときは準安定であり、それにより該乳濁液が、眼に差し込まれた後に速やかに別々の水相および油相に分化する、請求項1の乳濁液。
  3. 眼への添加後1分以内に相が分化する、請求項2の乳濁液。
  4. 分化が、30秒または眼の5回のまばたきに要する時間のより短い時間以内に起こる、請求項3の乳濁液。
  5. 乳濁液を形成するために用いられる界面活性剤の組み合わせの濃度が、全組成物の少なくとも0.01重量%である、請求項1の乳濁液。
  6. 界面活性剤の組み合わせの濃度が、全組成物の0.05から3.0%の間で変動する、請求項5の乳濁液。
  7. 界面活性剤の組み合わせの濃度が、全組成物の0.25から2.5重量%の間で変動する、請求項5の乳濁液。
  8. 油の濃度が、全組成物の重量の少なくとも1.0%である、請求項1の乳濁液。
  9. 油の濃度が、組成物の約2.5から12.5重量%の間で変動する、請求項8の乳濁液。
  10. 油の濃度が、油の1から10ulの間の量を眼に添加するのに必要な量である、請求項9の乳濁液。
  11. 第1界面活性剤、第2界面活性剤、またはその両方が界面活性剤類の混合物である、請求項1の乳濁液。
  12. 第2界面活性剤が、エチレンオキシド親水性基を有する、請求項1の乳濁液。
  13. 第2界面活性剤が、C17(OCHCH)OH(nは5から70の間である。)、およびC19(OCHCH)OH(pは、5から40の間である。)、およびポリオキシエチレンC12−22アルキルエーテルからなる群より選択されるメンバーである、請求項1の乳濁液。
  14. nが30から50の間で変動し、およびpが15から30の間で変動する、請求項13の乳濁液。
  15. 水中油型乳濁液であり、前記乳濁液が第1界面活性剤と第2界面活性剤との組み合わせを乳化剤として用い、前記第1界面活性剤がそれ自身でまたは第2界面活性剤(第1界面活性剤とは異なり、第1界面活性剤との組み合わせで用いられる)との組み合わせにより生理学的pHにおいて安定な乳濁液を形成することができる生理学的に許容できる界面活性剤であり、前記第2界面活性剤が75℃を超える温度におけるオートクレーブ処理の間、乳濁液を安定に保つことができる生理学的に許容できるポリエトキシレートである、前記水中油型乳濁液。
  16. 第2界面活性剤が、少なくとも9個の繰り返しエトキシレート基を有する、請求項15の乳濁液。
  17. 乳濁液が、製造および貯蔵の間は安定であるが、眼球表面に適用されるときは準安定であり、それにより該乳濁液が、眼に差し込まれた後に速やかに別々の水相と油相に分化する、請求項15の乳濁液。
  18. 眼への添加後相が1分以内に分化する、請求項17の乳濁液。
  19. 分化が、30秒または5回の眼のまばたきに要する時間のより短い時間以内に起こる、請求項18の乳濁液。
  20. 第2界面活性剤が、オクトキシノールである、請求項15の乳濁液。
  21. 第1界面活性剤が、ポリオキシエチレンエーテルである、請求項15の乳濁液。
  22. 第1界面活性剤が、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンである、請求項21の乳濁液。
  23. 乳濁液を形成するために用いられる界面活性剤の組み合わせの濃度が、全組成物の少なくとも0.01重量%である、請求項15の乳濁液。
  24. 界面活性剤の組み合わせの濃度が、全組成物の0.25から2.5重量%の間で変動する、請求項23の乳濁液。
  25. 油の濃度が、全組成物の重量の少なくとも1.0%である、請求項15の乳濁液。
  26. 油の濃度が、組成物の約2.5から12.5重量%の間で変動する、請求項25の乳濁液。
  27. 油の濃度が、油の1から10ulの間の量を眼に添加するのに必要な量である、請求項25の乳濁液。
  28. 第1界面活性剤、第2界面活性剤、またはその両方が界面活性剤類の混合物である、請求項15の乳濁液。
  29. 分離した油層を形成せずに75℃を超える温度に耐えることができる準安定性水中油型乳濁液を形成するための方法であり、該乳濁液が2.5から12.5重量%の油濃度および2.5重量%の最大界面活性剤濃度を有し、前記方法が、[1](a)ヒト眼の眼球表面上への使用が認可され、(b)生理学的pHにおいて上記の成分濃度レベルを有する乳濁液の形成を可能にし、および貯蔵の間、安定であるかまたは簡単な振盪により再構成でき、および(c)眼球表面に適用されるとき1分またはそれ以下以内に分化する乳濁液の形成を可能にする、第1界面活性剤を選択する段階;[2](a)眼の眼球表面上への使用が認可され、(b)乳濁液の残りの成分と相溶性であり、および(b)乳濁液を殺菌するために必要な温度でのオートクレーブ処理を可能にするが、眼球表面に適用されるとき、乳濁液の分解を妨げない、第2界面活性剤を選択する段階;および[3]乳濁液の成分を混合して乳濁液を形成する段階を含む、前記方法。
  30. 眼への添加後30秒または5回の眼のまばたきに要する時間のより短い時間内に分化するように処方される、請求項29の方法。
  31. 乳濁液を形成するために用いられる界面活性剤の組み合わせの濃度が、全組成物の0.25から2.5重量%の間で変動する、請求項29の方法。
  32. 油の濃度が、眼に油の1から10ulの間の量を添加するのに要する量である、請求項29の方法。
  33. 第2界面活性剤が、ポリエトキシレートである、請求項29の方法。
  34. 第2界面活性剤が、C17(OCHCH)OH(nは、5から70の間である。)、およびC19(OCHCH)OH(pは、5から40の間である。)、およびポリオキシエチレンC12−22アルキルエーテルからなる群より選択されるメンバーである、請求項29の方法。
  35. nが、30から50の間で変動し、およびpが、15から30の間で変動する、請求項34の方法。
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