JP2008526785A - 高密度焦点式超音波療法のための増強剤および同剤のスクリーニングの方法 - Google Patents

高密度焦点式超音波療法のための増強剤および同剤のスクリーニングの方法 Download PDF

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Abstract

高密度焦点式超音波療法(HIFU)のための補助剤(adjuvant)は、HIFU療法に先立って患者に投与される物質であり、HIFU療法の標的領域においてEEFを低下させることが可能である。ここにおいて、EEF=nPt/V (J/mm3)であり、HIFUが効果的に治療することが可能な、腫瘍の単位体積当りに要する超音波エネルギーのことであり、ここにおいて、n=0.7;Pは、HIFU源の全音響パワー(W)であり;tは、HIFU療法の累積時間(秒)であり、およびVは、HIFUによってダメージを受けた組織の体積(mm3)である。補助剤を受けていない標的領域のEEFは、EEF(基準値)として定義され、補助剤を受けた領域のEEFは、EEF(測定値)として定義され、EEF(基準値)/EEF(測定値)の比は、1より大きく、好ましくは2より大きく、およびより好ましくは4より大きい。補助剤は、深い領域にある腫瘍の治療を可能にし、肋骨の切除をすることなく肝臓腫瘍に苦しむ患者においてHIFU療法を行うことを可能とする。また、HIFUを行うときの標的領域のエネルギー蓄積を増加させる方法を提供し、HIFUの補助剤をスクリーニングする方法を提供する。
【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、医薬および医学的治療の分野に関し、特に超音波療法の分野に関し、およびより詳しくはHIFU療法の際に標的部位における音響エネルギーの蓄積を増大させることができるHIFU療法のための増強剤、およびHIFU療法のための増強剤のスクリーニングの方法に関する。
高密度焦点式超音波療法(HIFU)は、腫瘍およびその他の疾病を治療するための新規な技術として、臨床応用において、すでに認識されている。HIFUは、焦点に持続的で高密度の超音波エネルギーを提供する、焦点式超音波を利用しており、即効性の温熱効果(65-100℃)、空洞化効果、機械的効果および音響化学効果をもたらし、選択的に焦点に凝固性壊死を引き起こし、腫瘍の増殖、浸潤および転移を予防する。
体内への超音波の伝達の際、伝達距離が増大するにつれて、音響エネルギーが指数関数的に減弱することが実証された(Baoqin Liu et al., Chinese Journal of Ultrasound in Medicine, 2002, 18(8):565-568)。加えて、軟部組織での超音波の伝達の際、エネルギーは、組織の吸収、散乱、屈折、回折等が原因で減弱し、とりわけ組織の吸収および散乱にエネルギー消失の主な原因があるとされている(Ruo Feng and Zhibiao Wang as editors in chief, Practical Ultrasound Therapeutics, Science and Technology Reference Publisher of China, Beijing, 2002.14)。それゆえ、HIFU療法が、根が深くサイズの大きい腫瘍の治療に使用される場合、標的に伝達される音響エネルギーは相対的に低くなることが予想される。従って、音響エネルギーの減弱化によって、治療効果は低下し、治療時間が長引くことが予想される。
もちろん、治療効果を上げるために治療用変換器(therapeutic transducer)の伝達パワーを増大させることが可能であるものの、超音波の伝達の経路にある正常組織が燃やされる傾向は、より強まる。
さらに、現在のところ、HIFU技術を超音波の伝達経路が肋骨で遮断されている肝臓腫瘍に臨床的に応用する場合、標的部位のエネルギー蓄積の増大、治療時間の短縮および治療効果の改善を目的として、通常肋骨を除去している。従って、HIFU療法の非侵襲性は保証されておらず、このことは、患者および医者にとって望ましくないことである。
上記の問題は、不都合にも、臨床的実施のための技術としてのHIFU治療の使用を制限してきた。それゆえ、標的部位におけるエネルギー蓄積を増大すること、音響経路にある周辺の正常細胞にダメージを与えることなく根が深い腫瘍を効率的に治療すること、および肋骨を除去することなく肋骨により遮断されている肝臓腫瘍を治療することに関する技術的問題は、早急に解決する必要がある。
発明の概要
本発明の目的の1つは、高密度焦点超音波療法(HIFU)の際に標的部位の音響エネルギー蓄積を増強することができる、HIFU療法のための増強剤を提供することである。
本発明の別の目的は、HIFU療法のための増強剤をスクリーニングする方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、HIFU療法の有効性を増大するために、HIFU療法のための増強剤の使用を提供することである。
上記の目的を達成するため、一実施態様において、本発明はHIFU療法のための増強剤を提供し、ここにおいて、該増強剤は、生物学的身体に投与された後HIFUによる治療を行う標的部位における音響エネルギーの吸収を増大させることができる物質であり、すなわち、HIFU療法の際に組織の単位体積当りの標的組織(腫瘍および非腫瘍組織)の病変(lesion)を引き起こすのに要する音響エネルギーを減少させるために使用することができる物質である。本発明において、HIFU療法のための増強剤として使用される物質の種類は、標的組織のエネルギー効率係数(energy efficiency factor)(EEF)を効率的に減少させるために、標的組織の音響環境を変化させ、標的部位における音響エネルギーの吸収および蓄積を促進することが可能な物質である限り、特に限定されない。それゆえ、本発明におけるHIFU療法のための増強剤は、固形、液体または気体とすることができる。
ここにおいて使用される「病変(lesion)」という用語は、腫瘍組織の生理学的状態の実質的な変化を意味し、一般に腫瘍組織の凝固壊死(coagulative necrosis)を意味する。エネルギー効率係数(EEF)は、組織の単位体積当りの標的組織の病変を起こすために要する音響エネルギーを数量化するために使用することができる。EEFは、EEF=ηPt/V (単位:J/mm3)という式によって表され、組織の単位体積当りの腫瘍組織の病変を起こすために要する音響エネルギーを意味し、ここにおいて、ηは、HIFU変換器の集束係数を意味し、変換器の超音波エネルギー集束能力を反映するものであって、ここではη= 0.7であり;PはHIFU電源の全音響パワー(単位:W)を意味し、tはHIFU療法の全時間(単位:s)を意味し;およびVはHIFUに誘導された病変の体積(単位:mm3)を意味する。投与後に標的組織のEEFを大きく減少させる物質は、HIFU療法の増強剤としての使用により適している。
1つの好ましい実施態様において、HIFU療法のための増強剤は、投与後、標的組織のEEFを減少させる。結果として、増強剤の投与前に測定した標的組織のEEF(すなわちEEF(基準値))と、増強剤の投与後に測定した標的組織のEEF(すなわちEEF(測定値))との割合は、1より大きく、好ましくは2より大きく、より好ましくは4を超える。割合の上限は、特に限定されておらず、より高い割合であることが好ましい。
1つのさらに好ましい実施態様において、HIFU療法のための増強剤は、10 nmから8μmの範囲の粒子サイズを有する生体適合性物質であって、静脈内、動脈内、または局所的注射による投与が可能であり、投与後に標的組織のEEFを減少させることが可能な物質である。従って、増強剤の投与前の標的組織のEEF(すなわち、EEF(基準値))と、増強剤の投与後の標的組織のEEF(EEF(測定値))との割合は、1より大きく、好ましくは2より大きく、およびより好ましくは4を超える。割合の上限は、特に限定されておらず、より高い割合であることが好ましい。
本発明によるHIFU療法のための増強剤は、脂質膜、タンパク質膜または炭水化物膜にてカプセル化されてよく、またはカプセルで包まず露出した形態であってよい。例えば、肝臓、脾臓、および骨髄の細胞といった細網内皮細胞に富む組織に対しては、HIFU療法のための増強剤は、増強剤の標的特異性を増強するために脂質膜にてカプセル化してよい。HIFU療法のための増強剤が静脈内投与される場合、血管の閉塞が誘導されない限り、HIFU療法のための増強剤は、脂質膜、タンパク質膜または炭水化物膜でカプセル化していない露出した形態にて投与することができる。そのうえ、本発明によるHIFU療法のための増強剤に、例えば肝臓腫瘍、腎臓腫瘍、骨腫瘍、乳癌および子宮筋腫(uterine fibroids)といった特定の腫瘍組織を標的とさせるため、腫瘍特異的抗体といった、腫瘍組織または焦点に特異的親和性を有する物質を、HIFU療法のための増強剤に添加してよい。
本発明の1つの好ましい実施態様において、HIFU療法のための増強剤は、膜形成物質によってカプセル化された核を含む不連続相、および水性培地を含む連続相を含む。不連続相は、連続相に均一に分散しており、不連続相の粒子サイズは、10 nmから8μmの範囲である;膜形成物質は生体適合性であり、核は気体、液体またはナノメーターサイズの生体適合性固体から成る。そのようなHIFU療法のための増強剤は、静脈内投与に適している。明確性および利便性の目的のために、膜形成物質にてカプセル化された生体適合性気体から成るHIFU療法のための増強剤は、以降、「微小泡(microbubble)」増強剤と呼ぶ;膜形成物質にてカプセル化される液体から成るHIFU療法のための増強剤は、以降、「粒子(particle)」増強剤と呼び、ここにおいて該液体は2つのカテゴリーに分類される:38-100℃で液体-気体相転移しない液体、および38-100℃で液体-気体相転移する液体(特に、該液体は、HIFU療法の際に動物体内またはヒト体内において気体に変換する);膜形成物質にてカプセル化されるナノメーターサイズ生体適合性固体から成るHIFU療法のための増強剤は、以降、「プラスミド」増強剤と呼ぶ。
上記の実施態様において、増強剤に含まれる膜形成材料の量は、0.1-100 g/L、好ましくは0.5-50 g/L、およびより好ましくは0.5-20 g/Lである。膜形成物質は以下のものを含む:脂質、例えば、3-sn-ホスファチジルコリン、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジルグリセロールナトリウム塩、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジルコリン、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジン酸ナトリウム、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリンおよび水素化ホスファチジルセリン、コレステロール、および糖脂質;炭水化物、例えば、グルコース、フルクトース、スクロース、デンプンおよびそれらの分解生成物を含む;タンパク質、例えば、アルブミン、グロブリン、フィブリノーゲン、フィブリン、ヘモグロビン、および植物タンパク質の分解生成物等。
微小泡増強剤の使用において、増強剤に含まれる気体の量は、5-200 ml/L、好ましくは20-150 ml/L、およびより好ましくは20-100 ml/Lである。気体は、例えば、空気、窒素、二酸化炭素、フッ化炭化水素ガス、例えば、ペルフルオロエタン(perfluoroethane)、ペルフルオロプロパン(perfluoropropane)、ペルフルオロブタン(perfluorobutane)、アルカンガス、例えば、ブタン、シクロブタン、ペンタン、ヘキサン、六フッ化硫黄等を含む。
超音波イメージング(ultrasound imaging)に広く使用される微小泡超音波コントラスト剤(contrast agents)は、本発明によるHIFU療法の増強剤として使用してよい。従って、本発明は、本発明によるHIFU療法のための増強剤としての微小泡超音波コントラスト剤の使用を提供する。
粒子増強剤が使用される場合において、38-100℃にて液体-気体相転移が起こらない、例えば、水、飽和脂肪酸、および不飽和脂肪酸、例えばダイズ油、ピーナッツ油、およびヨード化油といった液体が使用される場合、増強剤に含まれる該液体の量は、5-200 g/L、好ましくは10-100 g/L、およびより好ましくは20-80 g/Lである;38-100℃にて液体-気体相転移が起こる、例えば、C5-C6アルカン、例えばn-ペンタン、i-ペンタン等、C5-C12 フッ化炭化水素、例えば、ペルフルオロペンタン、ジヒドロデカフルオロペンタン等といった液体が使用される場合、増強剤に含まれる該液体の量は、5-200 ml/L、好ましくは10-100 ml/L、およびより好ましくは20-80 ml/Lである。
例えば、注射のための脂肪乳濁液は、脂肪の水性乳濁液であり、水に分散したホスホリピン(phospholipin)膜でカプセル化された精製大豆油から成り、静脈内注射に適している。現在、この種の乳濁液は、商業的に利用可能であり、Intralipos(登録商標)(脂肪乳濁液注射)、OMNILIPID(登録商標)(脂肪乳濁液注射)、および当該分野の基礎的医薬品のカタログに記載されている「脂肪乳濁液(長鎖)」または「脂肪乳濁液(中鎖トリグリセリド/長鎖トリグリセリド)」(中国)を含むが、これらに限定されない。これらの脂肪乳濁液は、本発明によるHIFU療法の増強剤として使用することができる。従って、本発明は、本発明によるHIFU療法のための増強剤としての脂肪乳濁液の使用を提供する。
プラスミド増強剤が使用される場合、ナノメーターサイズの生体適合性固体は、ナノメーターサイズの磁性生体適合物質、例えば、超常磁性酸化鉄(SPIO)、ナノメーターサイズのヒドロキシルアパタイト(HAP)、ナノメーターサイズの炭酸カルシウム等を含む。典型的に、ナノメーターサイズの生体適合性固体は、1 nmから500 nm、好ましくは1 nmから200 nm、およびより好ましくは10 nmから100 nmの範囲のサイズの粒子を有する。
そのうえ、上述のようなナノメーターサイズの生体適合性固体は、それ自体で、本発明による増強剤として使用することが可能である。それゆえ、本発明は、本発明による増強剤としてのナノメーターサイズの生体適合性固体の使用を提供する。
上述のような実施態様において、増強剤は、乳化剤を含んでよい。乳化剤は、典型的に、エチレングリコールモノ-C16-18-脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ-C16-18-脂肪酸エステル、ジエチレングリコールジ-C16-18-脂肪酸エステル、トリエチレングリコールモノ-C16-18-脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル(スパン(Span)タイプ)乳化剤、ポリソルベート(ツイーン(Tween)タイプ)乳化剤、ポリエチレングリコールモノラウリン酸塩ベース乳化剤、ポリオキシエチレンラウリン酸塩ベース乳化剤、3-sn-ホスファチジルコリン(レシチン)、コール酸等から成る群から選択される。増強剤の乳化剤の量は5-150 g/Lである。さらに、増強剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)、グリセリン等といった安定化剤を含んでもよい。増強剤に含まれるカルボキシメチルセルロースナトリウムの量は、0.01-10 g/L、好ましくは0.05-0.6 g/L、およびより好ましくは0.1-0.3 g/Lである。増強剤に含まれるグリセリンの量は、5-100 g/Lであってよい。
より好ましい実施態様において、無機または有機酸もしくは塩基を、増強剤の安定性を増大するために、増強剤のpH値の調整に使用してよい。粒子増強剤を用いる場合において、液体が、38-100℃で液体-気体相転移を起こす場合、粒子増強剤は、pH 7.0-9.0、好ましくは7.5-8.5に調整してよい。プラスミド増強剤を用いる場合、プラスミド増強剤を、pH 3.0-6.5、好ましくは5.0-6.0に調整してよい。
本発明によるHIFU療法のための増強剤、特に、膜形成物質でカプセル化した核の調製の方法には、特に制限はない。一般に、膜形成物質、カプセル化しようとする気体、液体または固体、乳化剤、安定化剤等が、十分に混合され乳化される。例えば、粒子脂肪乳化剤は、中国特許出願No. 97182319.7 (タイトル:還元糖を含む脂肪乳濁液および滅菌方法)または中国特許出願No. 02112860.X (タイトル:注射のための脂肪乳濁液および同液の作製方法)に開示される内容に従って作製することができる。微小泡フルオロカーボン乳濁液は、中国特許出願No. 96106566.4 (タイトル:ペルフルオロハイドロカーボンを含むブドウ糖無水物アルブミン超音波コントラスト剤および同剤の作製方法)、中国特許出願No. 98119011.1 (タイトル:超音波診断のための超音波コントラスト剤および同剤の作製方法)または中国特許出願No. ZL 89100726.1 (タイトル:超音波コントラストに使用される粒子および超音波コントラスト剤の作製の方法)に開示される内容に従って作製することができる。
本発明によるHIFU療法のための増強剤の膜形成物質は、好ましくは、例えば脂質といった、生体適合性および分解性医用材料であって、増強剤が、静脈内に注射され、血液循環を通してなめらかに輸送され、その後、細網内皮細胞に富むヒトの身体の組織によってすばやく捕食されるようなものである。それゆえ、大部分の増強剤が、一定時間ヒトの身体の組織に蓄積でき、それによって、組織の超音波吸収容量が有意に増大し、およびHIFU療法の際の標的細胞の音響エネルギー蓄積が増大し、および最終的に、腫瘍細胞を除去するための臨床的HIFU療法の有効性を大きく改善することができる。
本発明は、さらに、HIFU療法の際に標的部位におけるエネルギー蓄積を増大させる方法であって、患者にHIFU療法を適用する0-168時間前に、本発明による増強剤の有効投与量を、持続的および急速IV注入または大量注射にて患者に静脈内投与することを含む方法に向けられる。上述の有効投与量は、腫瘍の種類、患者の体重、腫瘍の位置、腫瘍の体積等により異なる。しかしながら、医師または薬剤師は、異なる患者に対する適した投与量を容易に決定することができる。例えば、微小泡増強剤を使用する場合、投与量は、0.005-0.1 ml/kg、好ましくは0.01-0.05 ml/kgの範囲から選択することができる。粒子増強剤を使用する場合において、38-100℃で液体-気体相転移が起こらない液体を使用する場合、投与量は、0.01-5 ml/kg、好ましくは0.01-2.5 ml/kgの範囲から選択することができる;および、38-100℃で液体-気体相転移が起こる液体を使用する場合、投与量は、0.005-0.1 ml/kg、好ましくは0.01-0.05 ml/kgの範囲から選択することができる。プラスミド増強剤を使用する場合、投与量は、0.1-10 ml/kg、好ましくは0.1-5 ml/kgの範囲から選択することができる。
本発明は、HIFU療法のための増強剤をスクリーニングする方法であって、以下を含む方法でもある:
(a) 生物学的組織のエネルギー効率係数(EEF)を測定し、EEF(基準値)を得る;
(b) 生物学的組織に増強剤の候補を投与する;
(c) 増強剤の候補の投与の後、組織のエネルギー効率係数(EEF)を測定し、EEF(測定値)を得る;
(d) 組織の、EEF(測定値)とEEF(基準値)とを比較し、EEF(測定値)とEEF(基準値)との割合が1を超える、好ましくは2を超える、およびより好ましくは4を超える増強剤の候補を選択する。
加えて、本発明は、HIFU療法の適用前の患者に対してHIFU療法のための増強剤を投与し、HIFUにて治療しようとする標的組織の治療的音響エネルギー吸収容量を改善することを含む、疾病の治療の方法を提供する。
発明の詳細な説明
本発明による増強剤の作製および特定の物理化学的パラメーターは、以下の実施例に関連してさらに記載されるだろう。例示される本発明による増強剤の技術的効果は、以下の動物試験の言及によりさらに記載されるだろう。これらの実施例および試験は、例証の目的のみで提供され、本発明の範囲を限定することを意図しないと理解されるべきである。
実施例I HIFU療法のための粒子増強剤の作製
実施例I-1 38-100℃で液体-気体相転移が起こらない液体のカプセル化のための使用
実施例I-1-1
以下の材料を混合した:4 gの注射用ヨード化油(Shanghai Chemical Reagent Companyより購入)、0.6 gの注射用卵黄レシチン(Shanghai Chemical Reagent Companyより購入)および1.25 gの注射用グリセリン(Shanghai Chemical Reagent Companyより購入)、およびこの混合物を溶解し、70℃に加熱後油相を形成した。1%(w/v)F-68乳化剤(Sigma Companyから購入)を含む蒸留水を、油相に添加し、最終体積17.5 mlとした。混合物を撹拌し、荒い乳濁液を得た。荒い乳濁液を煮沸したチューブに入れ、350Wの電力で2分間超音波処理して乳化した。生成される均一な乳化ヨード化油を、100℃の蒸気を流して30分間滅菌した。最終生成物は、7.5-8.5のpHであり、ヨウ素含量が0.13 g/mlであり、粒子サイズが1μm未満および浸透圧が350mosm/kg H2Oであった。
実施例I-1-2からI-1-4
実施例I-1-2からI-1-4は、注射用ヨード化油を核材料として注射用ダイズ油に置き換え、注射用卵黄レシチンを、膜形成物質としてレシチンに置き換えた以外は、実施例I-1-1に記載されるものと同様の方法および手順によって作製した。本発明によるHIFU療法のための粒子増強剤は、以下の表1に示される配合に従って得た。増強剤は、白色乳濁性液体として得られ、静脈内注射によって動物またはヒトに注射することが可能である。生成物のパラメーターもまた、表1に示してある。
Figure 2008526785
実施例I-2 38-100℃で液体-気体相転移が起こる液体のカプセル化のための使用
実施例I-2-1
以下の材料を混合し、最終体積1000 mlとした:3%(w/v)の乳濁剤Pluronic F-68(Sigma Companyから購入)、0.5%(w/v)の卵黄レシチン(Shanghai Chemical Reagent Companyから購入)、5%(v/v)のペルフルオロペンタン(Sigma Companyから購入)および蒸留水。混合物を、氷上でインキュベートし、せん断し(sheared)、および10000 rpmで5分間分散させて、荒い乳濁液を得た。荒い乳濁液を、4℃で2回、高圧ホモジナイザーで乳化した。生成される乳濁剤を、1μmのろ過膜でろ過することで、1μm未満の粒子サイズを有する乳濁剤を得た。最終的な乳濁液を分け、15 mlのバイアルに入れ、その後Co60を20KGYで10時間照射した。乳濁剤は、109/mlの粒子濃度となり、冷蔵して貯蔵した。
実施例I-2-2
以下の材料を混合し、最終体積1000 mlとした:6%(w/v)の乳濁剤Pluronic F-68(Sigma Companyから購入)、1%(w/v)の卵黄レシチン(Shanghai Chemical Reagent Companyから購入)、10%(v/v)のペルフルオロペンタン(Sigma Companyから購入)および生理食塩水。混合物を、氷上でインキュベートし、せん断し(sheared)、および10000 rpmで5分間分散させて、荒い乳濁液を得た。荒い乳濁液を、4℃で2回、高圧ホモジナイザーで乳化した。生成される乳濁剤を、1μmのろ過膜でろ過することで、1μm未満の粒子サイズを有する乳濁剤を得た。最終的な乳濁液を分け、15 mlのバイアルに入れ、その後Co60を20KGYで10時間照射した。乳濁剤は、109/mlの粒子濃度となり、冷蔵して貯蔵した。
実施例I-2-3からI-2-6
本発明によるHIFU療法のためのフルオロカーボン乳濁液増強剤を、材料およびその量を表2に示すとおりにして、実施例I-2-1に記載されるのと同じ方法および手順に従って作製した。生成物のパラメーターは表2に示してある。
Figure 2008526785
実施例II HIFU療法のためのプラスミド増強剤の作製
実施例II-1
以下の材料を混合した:粒子サイズが1 nmから100 nmである2.5 gのHAP(四川大学バイオマテリアル工学研究センター(the Engineering Research Center for Biomaterials of Sichuan University)から購入)、注射用卵黄レシチン0.3 g(Shanghai Chemical Reagent Companyから購入)および0.3 gのCMC-Na(Shanghai Chemical Reagent Companyから購入)、および最終的に100 mlの体積となるような量の蒸留水。均一に混合した後、混合液を、酢酸でpH 5.0に調整した。超音波処理器(sonicator)の伝達装置(transmitter)を、混合液の表面から1.5 cmよりも下に入れ、400Wの電力で2分間超音波処理を行った。超音波処理の後、乳白色で均一に分散し安定した懸濁液が得られた。生成された増強剤の不連続相の粒子サイズは、10 nmから1000 nmの範囲であり、主に100 nmから500 nmの範囲である。
実施例II-2
以下の材料を混合した:粒子サイズが1 nmから100 nmである2.5 gのHAP(四川大学バイオマテリアル工学研究センターから購入)、注射用卵黄レシチン0.3 g(Shanghai Chemical Reagent Companyから購入)および1 mlの注射用グリセリン、および最終的に100 mlの体積となるような量の蒸留水。均一に混合した後、混合液を、酢酸でpH 5.0に調整した。超音波処理器の伝達装置を、混合液の表面から1.5 cmよりも下に入れ、400Wの電力で2分間超音波処理を行った。超音波処理の後、乳白色で均一に分散し安定した懸濁液が得られた。生成された増強剤の不連続相の粒子サイズは、10 nmから1000 nmの範囲であり、主に100 nmから500 nmの範囲である。
実施例II-3からII-5
本発明によるHIFU療法のためのプラスミド増強剤は、材料およびその量を表3に示すとおりにして、実施例II-1に記載されるのと同じ方法および手順に従って作製した。生成物のパラメーターは、表3に示してある。
Figure 2008526785
実施例III
四川大学バイオマテリアル工学研究センターから購入したナノメーターサイズのヒドロキシルアパタイト(HAP)は、10 nmから200 nmの範囲の正規分布を示す粒子サイズである白色粉末であった。HAPを9%生理食塩水に溶解し、それぞれ濃度が25g/Lおよび50g/である、2つの乳白色懸濁液を得た。使用前に、懸濁液を、600Wの電力で超音波処理して、均一に分散するようにした。
動物試験1 実施例I-1-3で作製したHIFU療法のための粒子増強剤とHIFU治療装置との併用
性別に制限のない50個体のニュージーランド白ウサギ(New Zealand white rabbit)(約3月齢)(重慶医科大学実験動物センター(the Laboratory Animals Center of Chongqing University of Medical Sciences)から提供された)を、群Aおよび群Bに均等に分けた。群Aおよび群Bのウサギは、それぞれ2.22±0.21kgおよび2.24±0.19kg (P>0.05)の体重であった。
ニュージーランド白ウサギを、筋肉内注射で麻酔し、Chongqing Haifu (HIFU) Technology Co. Ltd.にて製造された高密度焦点超音波療法システムモデル-JCの治療台(treatment bed)に固定し、その後、このシステムを用いて治療した。高密度焦点超音波療法システムモデル-JCは、調節可能発電機(adjustable power generator)、B-モード超音波モニタリングシステム、治療用変換器(therapeutic transducer)、機械式作動調節システム(mechanical motion control system)、治療台および音響カップリング装置(acoustic coupling device)という構成であった。わずか3ppmの気体含量である脱気した水の標準的な循環を用いる、システムの治療用変換器(作動周波数1 MHz、直径150 mm、および焦点距離150 mm)は、2.3×2.4×26 mmの焦点領域をつくることが可能であり、および5500W/cm2の平均音響強度(average acoustic intensity)を伝達することが可能である。
ウサギの肝臓を、HIFU療法システムのB-モードスキャナーでプレスキャン(pre-scan)した。少なくとも2 cm間隔で照射深度2.0 cmで2つの切片を測定した。群Aのそれぞれのウサギにおいて、ウサギの肝臓の左側(左/中葉)は、対照葉(control lobe)とみなし(生理食塩水を投与)、ウサギの肝臓の右側(右葉)は実験葉(experimental lobe)とみなした(実施例I-1-3にて作製したHIFU療法のための増強剤を投与、増強剤側とも呼ぶ)。対照葉および実験葉は、群Bでは逆にした。HIFU療法の照射深度(すなわち、皮膚表面から焦点までの距離)もまた、2.0 cmとした。肝臓切片を選択した後、生理食塩水を、ウサギ耳辺縁静脈(rabbit ear border vein)から50-60 滴/分で送達した。20分後、ウサギの肝臓の左側(群A)またはウサギの肝臓の右側(群B)に、シングルパルスの照射またはマルチパルスの照射(ライン長:1 cm、スキャン速度:3 mm/s)でHIFUを照射し、標的部位における照射のグレースケール変換および時間を記録した。その後、HIFU療法システムの焦点を反対の部位に移動させた。生理食塩水の代わりに、実施例I-1-3にて作製したHIFU療法のための増強剤を静脈内投与した。その際、注射速度および時間は、肝臓の対照葉の場合と同様にした。その後、ウサギ肝臓の右側(群A)またはウサギ肝臓の左側(群B)に、HIFUを照射した。同一のウサギにおいて肝臓の両側に使用した治療様式は、同一とした。
ウサギを、HIFU療法の24時間後、屠殺し解剖した。ウサギ肝臓の病変部の凝固壊死ゾーンの大きさ(長さ、幅および厚さ)を測定した。凝固壊死の体積は、V=4/3π×1/2 長さ×1/2 幅×1/2 厚さの式に従って計算した。EEF(エネルギー効率係数)は、EEF=ηPt/V (J/mm3)という式に従って算出した。EEAを、群Aおよび群Bの群間および群内で比較した。ηは、HIFU変換器の焦点係数(focusing coefficient)を意味し、変換器の超音波エネルギー焦点容量を反映しており、ここではη=0.7である;Pは、HIFU源の全音響パワー(W)を意味する;tは、HIFU療法の全時間を意味する(s);Vは、HIFUに誘導される病変の体積(mm3)を意味する。投与後に標的組織のEEFを減少させる物質は、本発明によるHIFU療法のための増強剤としての使用により適している。表4に結果を示した。
Figure 2008526785
表4の結果は、生理食塩水を投与された群Aのウサギと群Bのウサギとの間で注目すべき違いはなかったことを表している;また、実施例I-1-3で作製したようなHIFU療法のための粒子増強剤を投与された群Aのウサギと群Bのウサギとの間で注目すべき違いはなかったことを表している。しかしながら、対照葉の実験結果と実験葉の実験結果とを比較した場合、群Aおよび群Bのそれぞれにおいて、有意な差があった。群Aおよび群Bの結果を総合すると、実験葉のEEFは大きく減少したことがわかる。実際、生理食塩水を投与した対照葉のEEFは、実験葉のEEFの約2.22倍に相当している。
動物試験2 実施例I-1-1で作製したHIFU療法のための粒子増強剤とHIFU治療装置との併用
体重がそれぞれ約2 kgのニュージーランド白ウサギ50個体(重慶医科大学実験動物センターから提供された)を、実験群および対照群に、それぞれの群にウサギ15個体となるように無作為に分けた。それぞれのウサギに2つの照射点(exposure spot)を導入した。対照群のウサギに、ウサギ耳辺縁静脈からの急速注射によって、生理食塩水(投与量:2.5 ml/kg)を投与した。実験群のウサギに、ウサギ耳辺縁静脈を介した急速注射によって、実施例I-1-1で作製した乳化ヨード化油(投与量:2.5 ml/kg)を投与し、その後1 mlの生理食塩水を流して、確実に乳化ヨード化油が完全に体内に入るようにした。1時間後、Chongqing Haifu (HIFU) Technology Co. Ltd.にて製造された高密度焦点超音波療法システムモデル-JCを使用して、シングルパルスの照射で、実験群および対照群の白ウサギの肝臓を照射した。照射のパワーは、220Wとした;周波数は1.0 MHzとした;照射深度は20 mmとし、凝固壊死が起こったときに照射を止めた。測定データは、平均値±SDで表し、統計ソフトSPSS 10.0 for Windows(登録商標)にて、独立およびペアー標本検定(independent and paired sample test)を用いて処理した。計数データは、カイ二乗(χ2)検定を用いて決定した。対照群のEEFと実験群のEEFとの比較を表5に示した。
Figure 2008526785
表5の結果は、実施例I-1-1のとおりに作製した乳化ヨード化油が、HIFU療法で肝臓組織の病変を引き起こすためのEEFのレベルを大きく減少させることができることを示している。
動物試験3 実施例I-1-3にて作製したHIFU療法のための粒子増強剤のin vitro研究
性別に制限のない10個体のニュージーランド白ウサギ(約3月齢)(重慶医科大学実験動物センターから提供された)を、実験群(実施例I-1-3にて作製したHIFU療法のための増強剤を投与)および対照群(生理食塩水を投与)に無作為に分けた。2つの群のウサギは、それぞれ2.40±0.45kgおよび2.32±0.08kg (P>0.5)の体重であった。これらのウサギを、実験前の24時間、絶食させた。Chongqing Haifu (HIFU) Technology Co. Ltd.にて製造された、HIFU婦人科用治療装置CZF-1(HIFU gynaecological therapeutic apparatus)を、ウサギの肝臓の照射のために使用した。HIFU婦人科用治療装置CZF-1は、中国特許No. 01144259.Xに記載されるように、電源、アプリケーター(applicator)および循環水で構成される。この試験においてパラメーターは、以下のように設定した:電源:4.05W;周波数:11 MHz;およびパルス:1000 Hz。
白ウサギを、筋肉内注射によって麻酔した後、実施例I-1-3にて作製したHIFU療法のための増強剤を、実験群のウサギに、ウサギ耳辺縁静脈から50-60滴/分で20分間送達し、生理食塩水を、対照群のウサギに、50-60滴/分で20分間送達した。
注入の1時間後、ウサギを、仰向けに作業台に拘束した。それぞれのウサギに、中央部に4-5 cmの切開をすることで開腹を行い、腹部壁(abdomen wall)を層ごとに開いた後、腹腔内のウサギの肝臓を露出させ、わずかに引き出した。それぞれの肝臓葉に1または2の照射点を、3秒、6秒および9秒のそれぞれの照射期間導入した。照射点を導入した後、上述したようなパラメーターを用いて実験を行った。病変が生じた後、ウサギ肝臓を、腹腔に戻し、腹部壁を層ごとに縫合した。
次の日、ウサギを過度に麻酔することで屠殺した。肝臓を取り出し撮影した。病変の大きさを測定し、EEFを計算した。全てのデータを平均値±SDで表し、統計ソフトSPSS 10.0 for Windows(登録商標)で処理し、独立標本検定を使用した。Pが0.05未満である場合、統計値が有意とした。この試験において、3秒、6秒および9秒の露出期間それぞれに21個の照射点、および全体で63 (21×3)の照射点が対照群にて得られた;3秒、6秒および9秒の露出期間それぞれに30個の照射点、および全体で90 (30×3)の照射点が実験群にて得られた。EEFを上述した式にて算出し、結果を表6に示した。
Figure 2008526785
表6の結果は、対照群において3秒、6秒および9秒のそれぞれの照射期間のEEFが、実験群の3秒、6秒および9秒のそれぞれの照射期間のEEFの、各々2.34、1.30および1.26倍であったことを示している。実際、対照群(3秒、6秒および9秒)のEEFの平均は、実験群(3秒、6秒および9秒)のEEFの平均の1.59倍に相当している。対照群と実験群との間のEEFの差が統計的に有意なものでない9秒の照射期間の場合に得られたデータを考慮しなければ、対照群(3秒および6秒)のEEFの平均は、実験群(3秒および6秒)のEEFの平均の1.78倍に相当する。
動物試験4 実施例I-2-1で作製したHIFU療法のための粒子増強剤とHIFU治療装置との併用
(1)ニュージーランド白ウサギ肝臓の病変における実験
2.21±0.56 kgの体重のニュージーランド白ウサギ(重慶医科大学実験動物センターから提供された)20個体を使用した。実験の前日に、これらのウサギの胸の下部(lower bosom)および中央部を剪毛した。Chongqing Haifu (HIFU) Technology Co. Ltd.にて製造された高密度焦点超音波療法システムモデル-JCを、これらの白ウサギを照射するために使用した。高密度焦点超音波療法システムモデル-JCは、調節可能発電機、B-モード超音波モニタリングシステム、治療用変換器、機械式作動調節システム、治療台および音響カップリング装置という構成であった。3ppm以下の気体含量である脱気した水の標準的な循環を用いた、システムの治療用変換器(作動周波数1 MHz、直径150 mm、および焦点距離150 mm)は、2.3×2.4×26 mmの焦点領域をつくることが可能であり、および5500W/cm2の平均音響強度を伝達することが可能である。この研究で使用する変換器は、直径150 mmとし、135 mmの焦点距離、1.0 MHzの作動周波数および200Wの音響パワーとした。照射深度は20 mmとし、照射期間3秒および5秒間隔の不連続シングルパルス照射(discontinuous single pulse exposure)を適用した。生理食塩水(0.02 ml/kg)を、ウサギ耳辺縁静脈を介してそれぞれのウサギにすばやく送達し、ウサギ肝臓に、60秒後に、対照側としてシングルパルスの照射でHIFUを照射した。実施例I-2-1で作製したHIFU療法のための増強剤(0.02 ml/kg)を、ウサギ耳辺縁静脈を介してそれぞれのウサギにすばやく送達し、対照側のものと同一のウサギ肝臓の別の面に、実験側として60秒後にHIFUを照射した。標的部位にグレースケール変化(gray-scale changes)が生じたときに、超音波照射を停止した。グレースケール変化が見られない場合、全照射期間は20秒未満とすべきである。超音波照射の3日後、ウサギを、首を折って屠殺し、その後解剖した。ウサギ肝臓の凝固壊死の体積(V)を測定した。EEFを、EEF=ηPt/Vの式に従って算出した。ここにおいて、tは照射時間であり、η=0.7である。EEFの中央値は、対照側で6.0160、実験側で1.2505であった。ウィルコクソン符号付き順位和検定(Wilcoxon signed rank-sum test)では、Z=-2.485、およびP=0.013であった。この研究の結果は、フルオロカーボン乳濁液は、ウサギ肝臓の病変を引き起こすHIFUの効果を増加させることを示している。実際、対照側のEEFの平均値は、実験側のEEFの平均値の4.81倍に相当する。
(2)ヤギの肝臓の病変における研究
体重22.25±4.51 kgの20頭の南江黄色ヤギ(Nanjiang yellow goats)を使用した。研究の日に、ヤギの右胸および右腹部を剪毛した。Chongqing Haifu (HIFU) Technology Co. Ltd.にて製造された高密度焦点超音波療法システムモデル-JCを、これらの黄色ヤギを照射するために使用した。この研究で使用する変換器は、直径150 mmとし、135 mmの焦点距離、0.8 MHzの作動周波数および200Wの音響パワーとした。照射深度は30 mmとし、照射期間3秒および5秒間隔の不連続シングルパルス照射を適用した。全てのヤギの肋骨を除去しなかった。HIFU照射の前にプレスキャンを行い、4つの平面を含む照射のための領域を選択した。それぞれの平面に1つの照射点を導入し、2次元超音波を、肋骨のすきま(clearance)をモニターするために使用した。生理食塩水(0.02 ml/kg)を、耳辺縁静脈を介してそれぞれのヤギにすばやく送達し、60秒後ヤギ肝臓にHIFUを照射し、それぞれのヤギの対照側に2つの照射点を導入した。実施例I-2-1で作製したHIFU療法のための増強剤(0.02 ml/kg)を、耳辺縁静脈を介してそれぞれのヤギにすばやく送達し、60秒後ヤギ肝臓にHIFUを照射し、それぞれのヤギの実験側に2つの照射点を導入した。標的部位にグレースケール変化が生じたときに、超音波照射を、さらに4または5回繰り返した。グレースケール変化が見られない場合、全照射期間は200秒未満とすべきである。超音波照射の3日後、ヤギを屠殺し解剖した。ヤギ肝臓の凝固壊死の体積(V)を測定した。EEFを、EEF=ηPt/Vの式に従って算出した。ここにおいて、Tは照射時間であり、η=0.7である。EEFの中央値は、対照側で無限大であり、HIFUとフルオロカーボン乳濁液の組み合わせを用いた実験側で5.1904である。ウィルコクソン符号付き順位和検定ではP=0.004であった。この研究は、HIFUでヤギ肝臓の病変を引き起こす効率は、ヤギの肋骨を除去することなくフルオロカーボン乳濁液を用いると有意に改善されることを示している。
(3)ヤギ腎臓の病変における研究
体重22.25±4.51 kgの20頭の南江黄色ヤギを使用した。研究の日に、これらのヤギの右胸および右腹部を剪毛した。Chongqing Haifu (HIFU) Technology Co. Ltd.にて製造された高密度焦点超音波療法システムモデル-JCを、これらの黄色ヤギを照射するために使用した。この研究で使用する変換器は、直径150 mmとし、135 mmの焦点距離、0.8 MHzの作動周波数および200Wの音響パワーとした。照射深度は20 mmとし、照射期間3秒および5秒間隔の不連続シングルパルス照射を適用した。全てのヤギの肋骨は除去しなかった。HIFU照射の前にプレスキャンを行い、それぞれ腎臓の上極に1つの平面および腎臓の下極に1つの平面を含む照射のための領域を選択した。それぞれの平面に1つの照射点を導入し、2次元超音波を、観察のために使用した。右肋骨が障害となる場合は、右肋骨は避けた。生理食塩水(0.02 ml/kg)を、耳辺縁静脈を介してそれぞれのヤギにすばやく送達し、ヤギ腎臓に、30秒後、シングルパルス照射で対照側としてHIFUを照射した。実施例I-2-1で作製したHIFU療法のための増強剤(0.02 ml/kg)を、耳辺縁静脈を介してそれぞれのヤギにすばやく送達し、ヤギ肝臓に、60秒後、実験側としてHIFUを照射した。標的部位にグレースケール変化が生じたときに、超音波照射を、さらに3または4回繰り返した。グレースケール変化が見られない場合、全照射期間は150秒未満とすべきである。超音波照射の3日後、これらのヤギを屠殺し解剖した。ヤギ腎臓の凝固壊死の体積(V)を測定した。EEFを、EEF=ηPt/Vの式に従って算出した。ここにおいて、Tは照射時間であり、η=0.7である。EEFは実験側で10.58±3.95であり、対照側で486.37±215.41であった。ウィルコクソン符号付き順位和検定ではP=0.008であった。この研究結果は、フルオロカーボン乳濁液が、正常なヤギ腎臓において病変を引き起こすHIFUの能力を大きく増大させることを示している。実際、対照側のEEFの平均値は、実験側のEEFの平均値の40倍である。
動物試験5 実施例II-1で作製したHIFU療法のためのプラスミド増強剤とHIFU治療装置との併用
36個体のニュージーランド白ウサギ(体重約2 kg、重慶医科大学実験動物センターから提供された)を、1つの対照群および2つの実験群に、1群がウサギ12個体となるように無作為に分けた。対照群のウサギに、ウサギ耳辺縁静脈からすばやい注射によって、生理食塩水(2ml/kg)を投与した。実験群のウサギに、ウサギ耳辺縁静脈からすばやい注射によって、実施例II-1で作製した薬剤(2ml/kg)を投与し、その後、薬剤が完全に体内に入ることを保証するために、1 mlの生理食塩水を流し込んだ。2つの実験群に、薬剤の注射後それぞれ24時間および48時間経ったときにHIFUを照射した。注射後24時間にHIFUを照射した群を、第1群と呼び、注射後48時間にHIFUを照射した群を、第2群と呼んだ。Chongqing Haifu (HIFU) Technology Co. Ltd.にて製造された高密度焦点超音波療法システムモデル-JCを、シングルパルス照射で、対照群および2つの実験群のウサギの肝臓を照射するために使用した。高密度焦点超音波療法システムモデル-JCは、調節可能発電機、B-モード超音波モニタリングシステム、治療用変換器、機械式作動調節システム、治療台および音響カップリング装置という構成であった。3ppm以下の気体含量である、脱気した水の標準的な循環を用いた、システムの治療用変換器(作動周波数1 MHz、直径150 mm、および焦点距離150 mm)は、2.3×2.4×26 mmの焦点領域をつくることが可能であり、および5500W/cm2の平均音響強度を伝達することが可能である。この試験において、照射のための音響パワーを220Wとし、周波数は1.0 MHzとし、照射深度は20 mm、および照射期間を15秒とした。動物は、HIFU照射後、屠殺し解剖した。標的部位の凝固壊死の大きさを測定した。対照群および2つの実験群におけるウサギ肝臓の一定の凝固壊死を生じさせるのに必要なEEFは表7に示してある。
Figure 2008526785
表7からわかるように、注射から24時間または48時間後に、同じ照射期間で行われた照射による、同じ条件下のHIFU療法の両実験群にて誘導された凝固壊死の体積は、対照群のそれよりも大きく、実験群において必要なEEFは、対照群の場合と比較して大きく減少した。凝固壊死の体積および対照群と実験群との間のEEFの違いは、統計的に有意な差であった(P<0.05)。
動物試験6 実施例IIIにて作成されたHIFU療法のためのプラスミド増強剤のin vivo研究
平均体重が2.7±0.3 kgで、性別の制限がなく、重慶医科大学実験動物センターから提供されたニュージーランド白ウサギ40個体を、それぞれ10ウサギずつ、3つのHAP群および1つの対照群に分けた。
HIFU療法の24時間前に、HAP群のそれぞれのウサギに、実施例IIIにて作製したHAP懸濁液を、様々な濃度で、すばやい注射により(<5秒)ウサギ耳周辺静脈を介して、体重1 kg当り2-3 mlの投与量で投与した。その後、懸濁液が体内に完全に入ったことを保証するために、1 mlの生理食塩水を込んだ。対照群のそれぞれのウサギに、ウサギ耳辺縁静脈を介してすばやい注射によって生理食塩水(2ml/kg)を投与した。8%硫化ナトリウムでウサギの右胸および腹部を裸出させた。HIFU療法の前に、Sumianxin (0.2ml/kg)を静脈注射してウサギに麻酔をし、腹部壁を無菌状態で切開し、肝臓を十分露出させた。
Chongqing Haifu (HIFU) Technology Co. Ltd.が製造したHIFU婦人科用治療装置CZF-1を、ウサギ肝臓の照射のために使用した。HIFU婦人科用治療装置CZF-1は、中国特許No. 01144259.Xにて開示されるように、電源、アプリケーターおよび循環水で構成される。この試験においてパラメーターは、以下のように設定した:周波数:9.85 MHz、電源:5W、焦点距離:4 mm、治療モード:シングルパルス照射。それぞれの肝臓において、1サイクルおよび2または3照射サイクルに3つの照射点を導入した。照射期間は10秒とした。HIFU療法の後に、切開を縫合した。24時間後、10 mlの空気をウサギ耳辺縁静脈にすばやく注射することで屠殺した。標的部位に形成された凝固壊死の大きさを測定し、EEFを算出した。
T検定および相関分析を群間の比較に使用した。
ドット状で灰白色(gray-white)の凝固壊死が、HIFU療法の直後、治療した領域に表れ、組織の病変と正常組織との間の境が明らかとなった。これらの群のウサギに同じ期間HIFUを照射した後、異なるHAP投与量によるHAP群で形成された焦点領域(凝固壊死)の体積は、生理食塩水を投与した対照群のそれよりも大きかった;HAP群において必要とされるEEFは、対照群と比較して大きく増加し、HAP群と対照群との間の差は、非常に統計的に有意な差であった(P<0.001)。異なるHAP群と異なるナノメーターサイズのHAP投与量との比較から、HAPの投与量が増加した場合、形成される焦点領域(凝固壊死)の体積は、大きく増大した;HAP群において必要とされるEEFは大きく増大し、再び非常に統計的に有意な差であった(P<0.001)。表8は、HIFU療法後の、異なるHAPを投与したHAP群における焦点領域(凝固壊死)の体積およびEEF(χの平均±s)を示している。
Figure 2008526785
上述の研究から、ナノメーターサイズのHAPは、in vivoでHIFUの治療効果を大きく促進することが可能であり、より多くのHAP投与量を適用するほど、HIFU療法がより効果的であると結論することができる。
動物試験7 実施例IIIで作製したHIFU療法のためのプラスミド増強剤のin vitro研究
体重2.5±0.3 kgであり、性別の制限のない80個体の健康なニュージーランドウサギ(重慶医科大学実験動物センターから購入)を、HIFU療法の前の24時間、絶食させた。その後、それぞれのウサギに、実施例IIIで作製した濃度25g/LのHAP乳白色懸濁液(2ml/kg)を、ウサギ耳辺縁静脈からすばやい注射によって投与し、1 mlの生理食塩水を流し込んだ。HAP投与の24時間後(ウサギ20個体)、48時間後(ウサギ25個体)、72時間後(ウサギ10個体)および168時間後(ウサギ15個体)に、それぞれウサギの肝臓をHIFUでスキャンした。対照群のウサギ10個体に、生理食塩水(2ml/kg)を投与し、生理食塩水の投与の24時間後にHIFUでスキャンした。HIFU療法の前に、これらのウサギを、8%硫化ナトリウムで右胸および腹部を裸出させた。Sumianxin (0.2ml/kg)を静脈注射してウサギに麻酔をし、高密度焦点超音波療法システムモデルJC-Aに固定した。
高密度焦点超音波療法システムモデルJC-Aは、重慶医科大学超音波医学工学研究所(the Institute of Ultrasound Engineering in Medicine, Chongqing University of Medical Sciences)によって製造され、その製品は、中国の国家食品薬品監督管理局(the State Food and Drug Administration)によって登録番号99-301032として認可された。このシステムは、リアルタイム超音波モニタリングおよび位置調節装置ならびに治療装置から成る。循環性脱気水を音響カップリング剤として使用した。これは、3×10-6未満の空気を含む。治療パラメーターは、以下のように設定した:電力:220W、周波数:1 MHz、焦点距離:150 mmおよび焦点長さ:12 mm。治療用アプリケーター(therapeutic applicator)は、X、YおよびZ軸方向に自由に可動できる。
それぞれのウサギの胸および腹部を、循環性脱気水に浸し、ウサギ肝臓をB-モード超音波で明瞭に映像化した(imaged)。1つまたは2つの照射点を、シングルパルス照射にてそれぞれの肝臓に導入することが可能であった。15秒の固定した照射期間の間、20 mmの照射深度で、それぞれの照射点を導入した。その後、HIFU療法の24時間後にウサギ耳辺縁静脈を介して10 mlの空気をすばやく注射して屠殺し、肝臓を体外に出し音響経路にそって切開し、最大の凝固壊死面積の切片を出した。そして、凝固壊死面積の形を決定し、TTC染色で決定した凝固壊死の大きさを測定した。その後、EEFを算出した。
T検定および相関分析を、群間の比較のために使用した。
同一の治療条件において、ナノメーターサイズのHAPを用いたHAP群にて形成された凝固壊死面積は、対照群のそれより大きかった(p<0.05);HAP群におけるHIFU療法に必要なEEFは、対照群と比較して大きく減少した。また、HAP群において、最大の凝固壊死面積は、HAP注射後24時間および48時間でのHIFU照射によって得られ、それゆえ必要とするEEFは最小となった。おそらく、HAP注射後24時間および48時間において、HIFU照射を最も効率よく行うことができるようである。にもかかわらず、HAP注射後2週間においてでさえ、HIFU療法は、対照群と比較してより効果的であった(p<0.05)(表9参照)。
Figure 2008526785
上述の実験から、ナノメーターサイズのHAPが、in vitroでHIFUの治療効果を大きく増大させることができ、HIFU照射がHAP注射後48時間から72時間に行われる場合に、HIFU療法は、より効果的であることがわかる。
動物試験8 HIFU療法のための微小泡増強剤とHIFU治療装置の併用
体重約2 kgのニュージーランド白ウサギ40個体を、それぞれ20個体ずつ、対照群および実験群に分けた。対照群に、生理食塩水(0.05ml/kg)を注射した。実験群に、南方病院(Nan Fang Hospital)から購入したQuanfuxian 微小泡超音波コントラスト剤(microbubble ultrasound contrast agent)(0.05ml/kg)を、ウサギ耳辺縁静脈を介したすばやく注射し、その後、薬剤が完全に体内に入ったことを保証するために、1 mlの生理食塩水を流し込んだ。1分後、Chongqing Haifu (HIFU) Technology Co. Ltd.にて製造された高密度焦点超音波療法システムモデル-JCを、これらのウサギの肝臓を照射するために使用した。照射は、電源200W、周波数1.0 MHz、照射深度20 mmで一定の照射期間行った。3日後、ウサギの肝臓に誘導された病変の大きさを測定し、EEFを算出した。測定したデータは、平均値±SDで表し、独立およびペアー標本検定を用いて統計ソフトSPSS 10.0 for Windows(登録商標)で処理した。計数データは、カイ二乗(χ2)検定で決定した。結果を表10に示す。
Figure 2008526785
表10の結果は、HIFU療法のための微小泡増強剤が、HIFU療法による肝臓組織の病変の誘発のためのEEFのレベルを大きく減少させることができる。
本発明による高密度焦点式超音波(HIFU)療法のための増強剤は、標的部位の音響状態を大きく変化させることが可能であり、HIFU療法の際に、標的組織(腫瘍および非腫瘍組織)の病変を引き起こすのに必要な、組織の体積当りの音響エネルギーを減らすことが可能である。従って、根深くサイズの大きい腫瘍を、音響経路に沿った正常組織にダメージを与えることなく、一定の音響パワーでより効果的に、HIFU療法で治療することが可能である。肋骨によって治療上の音響経路が遮蔽された肝臓腫瘍を有した患者に対して、肋骨を除去することなく、効果的にHIFU療法を適用するために、本発明によるHIFU療法のための増強剤をしようすることが可能となる。
本発明は、好ましい実施態様に関連して記載されたものの、上述の実施態様の記載によって本発明の範囲を限定することを意図していない。本発明に適用してよい様々な修正および改変は、当業者にとって容易に明らかとなると理解されるべきである。特許請求の範囲は、本発明の範囲を包含するよう意図される。

Claims (20)

  1. 高密度焦点式超音波(HIFU)療法のための増強剤であって、ここにおいて、該増強剤は、HIFU療法の適用前に患者に投与され、HIFUによる治療を施す標的部位におけるEEFのレベルを低下させることが可能である物質であり、該EEFは、EEF=ηPt/Vで、単位はJ/mm3であり、腫瘍を有効に治療するのに要する腫瘍の単位体積当りのHIFUエネルギーを意味し、ここにおいて、η=0.7;Pは、HIFU源の全音響パワーを意味し(単位:W);tは、HIFU療法の全時間を意味し(単位:秒);Vは、HIFUに誘導された病変の体積を意味し(単位:mm3);および
    ここにおいて、該増強剤の投与前の標的部位のEEFがEEF(基準値)と定義され、該増強剤の投与後の標的部位におけるEEFがEEF(測定値)と定義され、およびEEF(基準値)とEEF(測定値)との比が1より大きい値である増強剤。
  2. 請求項1に記載の増強剤であって、EEF(基準値)とEEF(測定値)との比が2より大きい値である増強剤。
  3. 請求項2に記載の増強剤であって、EEF(基準値)とEEF(測定値)との比が4より大きい値である増強剤。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の増強剤であって、静脈内注射、動脈注射および局所的注射に使用することが可能であり、10 nmから8μmの粒子サイズを有する増強剤。
  5. 請求項4に記載の増強剤であって、膜形成物質によりカプセル化される核から成る不連続相および水性培地から成る連続相から成る増強剤であって、該不連続相が該連続相に均一に分散し、該不連続相が10 nmから8μmの粒子サイズを有し、該膜形成物質が生体適合性であり、および該核が、気体、液体、またはナノメーターサイズの生体適合性固体で構成される増強剤。
  6. 請求項5に記載の増強剤であって、前記膜形成材料が、タンパク質、炭水化物または脂質から成る群から選択される1以上の物質である増強剤。
  7. 請求項6に記載の増強剤であって、前記脂質が、3-sn-ホスファチジルコリン、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジルグリセロールナトリウム塩、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジルコリン、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジン酸ナトリウム、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリンおよび水素化ホスファチジルセリンから成る群から選択されるホスホリピンを含む増強剤。
  8. 請求項5に記載の増強剤であって、前記気体が、空気、窒素、二酸化炭素、フッ化炭化水素ガスおよびアルカンガスから成る群から選択される増強剤。
  9. 超音波コントラスト剤である、請求項8に記載の増強剤。
  10. 請求項5に記載の増強剤であって、前記液体が、C5-C6アルカン、C5-C12フッ化炭化水素、飽和脂肪酸およびヨード化油から成る群から選択される増強剤。
  11. 静脈内注射のための脂肪乳濁液である、請求項10に記載の増強剤。
  12. 静脈内注射のための乳化ヨード化油である、請求項10に記載の増強剤。
  13. 静脈内注射のためのC5-C12ペルフルオロハイドロカーボン乳濁液である、請求項10に記載の増強剤。
  14. 請求項5に記載の増強剤であって、前記固体が、磁性生体適合物質、ヒドロキシルアパタイト、および炭酸カルシウムから成る群から選択され、および前記固体が、1 nmから500 nmの粒子サイズを有する増強剤。
  15. 請求項14に記載の増強剤であって、前記固体が、1 nmから200 nmの粒子サイズを有するヒドロキシルアパタイトである増強剤。
  16. 請求項1から請求項15の何れか1項に記載の増強剤であって、前記標的部位が、該増強剤が血液循環によって到達し得る臓器である増強剤。
  17. HIFU療法の際、標的部位における音響エネルギーの蓄積を増大させる方法であって:
    請求項1から請求項15の何れか1項に記載の増強剤の有効量を、患者の標的部位に対するHIFU療法の適用の0-168時間前に、持続的および急速IV注入または大量注射にて患者に対し静脈内に投与することを含む方法。
  18. 以下を含む、HIFU療法のための増強剤をスクリーニングする方法:
    (a) 高密度焦点式超音波(HIFU)を所定の組織に適用し、その後EEF=ηPt/Vの式に従って該組織のEEF(単位はJ/mm3)を算出し、EEF(基準値)を得る、ここにおいて、η=0.7;Pは、HIFU源の全音響パワーを意味し(単位:W);tは、HIFU療法の全時間を意味し(単位:秒);Vは、HIFUに誘導された病変の体積を意味する(単位:mm3);
    (b) 生物学的組織に候補の増強剤を投与する;
    (c) 該増強剤の投与の後、該組織のEEFを算出し、EEF(測定値)を得る;および
    (d) 該組織のEEF(測定値)とEEF(基準値)とを比較し、およびEEF(測定値)とEEF(基準値)との比が1より大きい候補増強剤を選択する。
  19. 請求項18に記載の方法であって、前記組織のEEF(測定値)とEEF(基準値)とを比較し、およびEEF(測定値)とEEF(基準値)との比が2より大きい候補増強剤を選択することを含む方法。
  20. 請求項18に記載の方法であって、前記組織のEEF(測定値)とEEF(基準値)とを比較し、およびEEF(測定値)とEEF(基準値)との比が4より大きい候補増強剤を選択することを含む方法。
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