JP2008525545A - 官能化ブタジエン系エラストマー及び高分散性アルミニウム含有シリカを含むエラストマー組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)少なくとも1種のブタジエン系エラストマーE:
[これは、溶液状で調製され且つ少なくとも1種のアルコキシシラン基含有多官能性カップリング剤で変性された官能化ブタジエン系エラストマーを(大抵の場合、該組成物中のブタジエン系エラストマーの総重量を基準として少なくとも35重量%、好ましくは少なくとも50重量%、より一層好ましくは少なくとも80重量%の量で)含有し、
前記多官能性カップリング剤は、アルコキシシラン化合物、アルコキシシランスルフィド化合物又は次の一般式(I):
XnSi(OR)mR'4-m-n
{ここで、
各X基は独立的にハロゲン原子、好ましくは塩素、臭素又はヨウ素原子を表わし;
各R基は独立的に1〜20個の炭素原子、好ましくは少なくとも4個の炭素原子を有する炭化水素基(例えばアルキル基)を表わし、ここで、各−OR基は好ましくは非加水分解性(即ち加水分解可能ではない)アルコキシ基を表わし;
各R'基は独立的に1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するハロゲン化アルキル基及び6〜20個の炭素原子を有するアリール基から選択される基を表わし;
mは1、2、3又は4を表わし、nは0、1又は2を表わし、それらの合計m+nは2、3又は4である}
を有する多官能性カップリング剤であるのが有利である];
(2)前記ブタジエン系エラストマー中の少なくとも1種の補強用充填剤としての、アルミニウムを含有し、高分散性特性を有する特定の沈降シリカ。
・前記沈降反応を:
(i.1)ケイ酸塩及び電解質を含む初期ベース原料(initial base stock)を形成させ、その際、この初期ベース原料中のケイ酸塩濃度を(SiO2として表わして)100g/リットルより低くし且つこの初期ベース原料中の電解質濃度を17g/リットルより低くし;
(ii.1)前記ベース原料に酸性化剤を、反応混合物のpH値が少なくとも約7になるまで添加し、
(iii.1)この反応混合物に酸性化剤及びケイ酸塩を同時に添加する:
ことによって実施し;そして
・固体含有率24重量%以下の懸濁液を乾燥させる:
ことを含む前記方法によって得ることができるものであり、
前記方法は、次の工程(a1)又は(b1):
(a1)工程(iii.1)の後に、前記反応混合物に少なくとも1種のアルミニウム化合物Aを添加し、次いで塩基性試薬を添加し、前記分離が濾過及びこの濾過から得られたケークの解凝集を含み、この解凝集を少なくとも1種のアルミニウム化合物Bの存在下で実施する;
(b1)工程(iii.1)の後に、前記反応混合物にケイ酸塩及び少なくとも1種のアルミニウム化合物Aを同時に添加し、前記分離が濾過及びこの濾過から得られたケークの解凝集を含む場合に、この解凝集を好ましくは少なくとも1種のアルミニウム化合物Bの存在下で実施する:
の内の一方をさらに含む。
(iv.1)前記反応混合物(即ち得られた反応懸濁液又はスラリー)に少なくとも1種のアルミニウム化合物Aを添加し、
(v.1)この反応混合物に塩基性試薬を、好ましくは反応混合物のpH値が6.5〜10の範囲、特に7.2〜8.6の範囲になるまで、添加し、
(vi.1)この反応混合物に酸性化剤を、好ましくは反応混合物のpH値が3〜5の範囲、特に3.4〜4.5の範囲になるまで、添加する。
・前記沈降シリカS2は、アルカリ金属Mのケイ酸塩と酸性化剤との反応によって沈降シリカの懸濁液を得て、次いでこの懸濁液を分離し且つ乾燥させることを含むタイプの方法によって得ることができるものであり、
ここで、
・前記沈降は:
(i.2)アルカリ金属Mのケイ酸塩を含む初期ベース原料を形成させ、その際、この初期ベース原料中のケイ酸塩濃度を(SiO2として表わして)20g/リットルより低くし、
(ii.2)前記ベース原料に酸性化剤を、該ベース原料中に存在するM2Oの少なくとも5%の量が中和されるまで、添加し、
(iii.2)この反応混合物に酸性化剤及びアルカリ金属Mのケイ酸塩を同時に、(SiO2として表わした)ケイ酸塩の添加量/初期ベース原料中に存在する(SiO2として表わした)ケイ酸塩の量の比が4よりも大きく且つせいぜい100となるように、添加する
ことによって実施され;
前記方法はさらに次の2つの操作(a2)又は(b2):
(a2)工程(iii.2)の後に、前記反応混合物に少なくとも1種のアルミニウム化合物Aを添加し、次いで塩基性試薬を添加し、前記分離が濾過及びこの濾過から得られたケークの解凝集を含み、この解凝集を少なくとも1種のアルミニウム化合物Bの存在下で実施する;
(b2)工程(iii.2)の後に、前記反応混合物にケイ酸塩及び少なくとも1種のアルミニウム化合物Aを同時に添加し、前記分離が濾過及びこの濾過から得られたケークの解凝集を含む場合に、この解凝集を好ましくは少なくとも1種のアルミニウム化合物Bの存在下で実施する:
の内の一方を含む。
(iv.2)前記反応混合物(即ち得られた反応懸濁液又はスラリー)に少なくとも1種のアルミニウム化合物Aを添加し、
(v.2)この反応混合物に塩基性試薬を、好ましくは反応混合物のpH値が6.5〜10の範囲、特に7.2〜8.6の範囲になるまで、添加し、
(vi.2)この反応混合物に酸性化剤を、好ましくは反応混合物のpH値が3〜5の範囲、特に3.4〜4.5の範囲になるまで、添加する。
・140〜200m2/gの範囲、好ましくは145〜180m2/gの範囲のCTAB比表面積、
・140〜200m2/gの範囲、好ましくは150〜190m2/gの範囲のBET比表面積、
・300ミリリットル/100gより低い、好ましくは200〜295ミリリットル/100gの範囲のDOP油吸収値、
・3μmより小さい、好ましくは2.8μmより小さい、例えば2.5μmより小さい、超音波による解凝集後のメジアン直径値(φ50)、
・10ミリリットルより大きい、好ましくは11ミリリットルより大きい、有利には少なくとも15ミリリットル、例えば少なくとも21ミリリットルの超音波解凝集ファクター(FD)、
・少なくとも0.45重量%、好ましくは0.50〜1.50重量%の範囲、有利には0.75〜1.40重量%の範囲のアルミニウム含有率。
・「CTAB比表面積」とは、NF規格T−45007(1987年11月)(5.12)に従って測定されるシリカの外的表面積を意味する。
・「BET比表面積」とは、Journal of the American Chemical Society, Vol. 60, page 309, February 1938に記載されたブルナウアー−エメット−テーラー(BRUNAUER-EMMET-TELLER)法{NF規格T−45007(1987年11月)に対応}に従って測定される比表面積を意味する。
・「DOP油吸収値」は、フタル酸ジオクチルを用いてNF規格T−30−022(1953年3月)に従って測定される。
・「超音波による解凝集後のメジアン直径(φ50)」及び「超音波解凝集ファクター(FD)」とは、シリカの分散性及び解凝集可能性を評価するための特定の解凝集試験であり、次の手順に従って実施される。
(導入した分散液の容量の10倍の値(ミリリットル))/(粒子寸法分析機によって検知された懸濁液の光学密度)
(ここで、この光学密度は約20である)もまた決定される。この比は、微粉の割合の指標、即ち粒子寸法分析機によって検知されない0.1μmより小さい粒子の含有率の指標である。この比は超音波解凝集ファクター(FD)と称され、シリカの解凝集能力が大きければ大きいほど比例的に大きくなる。
・240〜290ミリリットル/100gの範囲のDOP油吸収値、
・少なくとも2.5cm3/g、より特定的には3〜5cm3/gの範囲の合計孔容積;及び/又は
・一般的に少なくとも0.17、例えば0.2〜0.3の範囲の粉体の充填密度(PD)。
・100〜240m2/gの範囲のCTAB比表面積、
・300ミリリットル/100gより低い、好ましくは200〜295ミリリットル/100gの範囲のDOP油吸収値、
・直径が175〜275Åの範囲である孔によって構成される孔容積が直径が400Å以下の孔によって構成される孔容積の50%未満を占めるような孔分布{与えた孔容積は水銀多孔度測定によって測定され、孔直径はウォッシュバーン関係式から、130°の接触角度θ及び484ダイン/cmの表面張力γを用いて計算される(Micromeritics 9300多孔度計)}、
・超音波による解凝集の後の5μmより小さいメジアン直径(φ50)、
・少なくとも0.45重量%、好ましくは0.50〜1.50重量%の範囲、特に0.75〜1.40重量%の範囲のアルミニウム含有率:
を有するものである。
・140〜240m2/gの範囲、好ましくは140〜225m2/gの範囲、特に150〜225m2/gの範囲、例えば150〜200m2/gの範囲のCTAB比表面積、
・5.5ミリリットル超、特に11ミリリットル超、例えば12.5ミリリットル超の超音波解凝集ファクター(FD)、
・好ましくは、140〜300m2/gの範囲、特に140〜280m2/gの範囲、例えば150〜270m2/gの範囲のBET比表面積
を有する。
・100〜140m2/gの範囲、好ましくは100〜135m2/gの範囲のCTAB比表面積、
・4.5μmより小さい、特に4μmより小さい、例えば3.8μmより小さい、超音波による解凝集後のメジアン直径値(φ50)、
・好ましくは100〜210m2/gの範囲、特に100〜180m2/gの範囲のBET比表面積
を有する。
(a)5〜45重量%、好ましくは15〜45重量%のスチレン含有率;
(b)20〜80%、好ましくは25〜70%、より一層好ましくは30〜70%のブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合含有率;
(c)−55℃〜−20℃、好ましくは−55℃〜−30℃、より一層好ましくは−45℃〜−30℃のガラス転移温度;
を有する。このガラス転移温度は、重合におけるスチレン含有率を調節することによって(例えば重合の際のスチレンの供給速度及びブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合(ビニル)含有率を調節することによって)調整することができる。
(d)全スチレン単位の中で、単一のスチレン単位から成る鎖(ブロック)(スチレン単連鎖と言う)が40重量%以上であり、8個以上のスチレン単位が連なった長いスチレン鎖(スチレン長連鎖と言う)が10重量%以下である。
スチレン単連鎖のより好ましい割合は40〜80重量%であり、スチレン長連鎖のより好ましい割合は5重量%以下である。スチレン単位中のスチレン単連鎖及び長連鎖の割合は、(1)重合温度を制御する方法、(2)ブタジエンを連続的に導入する方法によって調節することができる。特に、重合速度はスチレンとブタジエンとで異なるだけではなく、重合温度及びモノマー濃度によっても影響を受ける。これらの理由で、スチレンとブタジエンとを単純に反応させただけでは、重合の後半の温度が高い時には、温度の影響及び反応混合物中のスチレンモノマーの濃度が高いことのせいで、スチレンの方が反応性が高い。その結果として、多量の長連鎖スチレンが生成し、長連鎖の割合が高くなる。スチレン単連鎖及び長連鎖の割合を適切に調節するために、上記の方法(1)又は(2)によって多量の長連鎖の生成を減らすことができる。方法(1)においては、スチレンの反応速度とブタジエンの反応速度とが同等に保たれるように重合温度を調節する。方法(2)においては、ブタジエンの初期量を減らして反応を開始させ、次いで残りのブタジエンを連続的に供給して、製造されるスチレン連鎖の長さを適切に調節する(即ち、単連鎖及び長連鎖の割合を適切に調節する)。
・ブタジエン:68%
・スチレン:26%
・伸展油:ゴム100部当たり37.5部
・ブタジエン:70%
・スチレン:26%
・油:ゴム100部当たり37.5部
(1)官能化エラストマーT596及びAlをドープされた充填剤Z1165 MPSを含む本発明の組成物、
(2)それぞれ次のものを含む3通りのテスト用組成物:
・官能化エラストマーT596及び非ドープ充填剤Z1165 MP;
・エラストマー5525-1及びAlをドープされた充填剤Z1165 MPS;並びに
・エラストマー5525-1及び非ドープ充填剤Z1165 MP。
Claims (34)
- 少なくとも1種のブタジエン系エラストマーEを含有し且つ少なくとも1種の補強用充填剤として沈降シリカS1を含有するエラストマー組成物(C1)であって、
前記ブタジエン系エラストマーEが溶液状で調製され且つ少なくとも1種のアルコキシシラン基含有多官能性カップリング剤で変性された官能化ブタジエン系エラストマーを含み;且つ
前記沈降シリカS1が、ケイ酸塩と酸性化剤との沈降反応によって沈降シリカの懸濁液を得て、次いでこの懸濁液を分離し且つ乾燥させることを含む方法であって、
・前記沈降反応を:
(i.1)ケイ酸塩及び電解質を含む初期ベース原料を形成させ、その際、この初期ベース原料中のケイ酸塩濃度を(SiO2として表わして)100g/リットルより低くし且つこの初期ベース原料中の電解質濃度を17g/リットルより低くし;
(ii.1)前記ベース原料に酸性化剤を、反応混合物のpH値が少なくとも約7になるまで添加し、
(iii.1)この反応混合物に酸性化剤及びケイ酸塩を同時に添加する:
ことによって実施し;そして
・固体含有率24重量%以下の懸濁液を乾燥させる:
ことを含む前記方法によって得ることができるものであり、
前記方法が次の工程(a1)又は(b1):
(a1)工程(iii.1)の後に、前記反応混合物に少なくとも1種のアルミニウム化合物Aを添加し、次いで塩基性試薬を添加し、前記分離が濾過及びこの濾過から得られたケークの解凝集を含み、この解凝集を少なくとも1種のアルミニウム化合物Bの存在下で実施する;
(b1)工程(iii.1)の後に、前記反応混合物にケイ酸塩及び少なくとも1種のアルミニウム化合物Aを同時に添加し、前記分離が濾過及びこの濾過から得られたケークの解凝集を含む場合に、この解凝集を好ましくは少なくとも1種のアルミニウム化合物Bの存在下で実施する:
の内の一方をさらに含む、前記エラストマー組成物。 - 前記沈降シリカが、ケイ酸塩と酸性化剤との反応によって沈降シリカの懸濁液を得て、次いでこの懸濁液を分離し且つ乾燥させることを含む方法であって、
前記沈降を:
(i.1)ケイ酸塩及び電解質を含む初期ベース原料を形成させ、その際、この初期ベース原料中のケイ酸塩濃度を(SiO2として表わして)100g/リットルより低くし且つこの初期ベース原料中の電解質濃度を17g/リットルより低くし;
(ii.1)前記ベース原料に酸性化剤を、反応混合物のpH値が少なくとも約7になるまで添加し、
(iii.1)この反応混合物に酸性化剤及びケイ酸塩を同時に添加する:
ことによって実施し;
次いで次の連続工程:
(iv.1)前記反応混合物に少なくとも1種のアルミニウム化合物Aを添加し、
(v.1)この反応混合物に塩基性試薬を、好ましくは反応混合物のpH値が6.5〜10の範囲、特に7.2〜8.6の範囲になるまで、添加し、
(vi.1)この反応混合物に酸性化剤を、好ましくは反応混合物のpH値が3〜5の範囲、特に3.4〜4.5の範囲になるまで、添加する:
を実施し、
前記分離が濾過及びこの濾過から得られたケークの解凝集を含み、この解凝集を少なくとも1種のアルミニウム化合物Bの存在下で実施し、そして
固体含有率24重量%以下の懸濁液を乾燥させる
ことを含む前記方法によって得ることができるものである、請求項1に記載のエラストマー組成物。 - 前記沈降シリカが、ケイ酸塩と酸性化剤との反応によって沈降シリカの懸濁液を得て、次いでこの懸濁液を分離し且つ乾燥させることを含む方法であって、
前記沈降を
(i.1)ケイ酸塩及び電解質を含む初期ベース原料を形成させ、その際、この初期ベース原料中のケイ酸塩濃度を(SiO2として表わして)100g/リットルより低くし且つこの初期ベース原料中の電解質濃度を17g/リットルより低くし、
(ii.1)前記ベース原料に酸性化剤を、反応混合物のpH値が少なくとも約7になるまで添加し、
(iii.1)この反応混合物に酸性化剤及びケイ酸塩を同時に添加し、
次いで
(vii.1)この反応混合物にケイ酸塩及び少なくとも1種のアルミニウム化合物Bを同時に添加する
ことによって実施し、そして
固体含有率24%以下の懸濁液を乾燥させる
ことを含む前記方法によって得ることができるものである、請求項1に記載のエラストマー組成物。 - 少なくとも1種のブタジエン系エラストマーEを含有し且つ少なくとも1種の補強用充填剤として沈降シリカS2を含有するエラストマー組成物(C2)であって、
前記ブタジエン系エラストマーEが溶液状で調製され且つ少なくとも1種のアルコキシシラン基含有多官能性カップリング剤で変性された官能化ブタジエン系エラストマーを含み;且つ
前記沈降シリカが、アルカリ金属Mのケイ酸塩と酸性化剤との反応によって沈降シリカの懸濁液を得て、次いでこの懸濁液を分離し且つ乾燥させることを含む方法であって、
前記沈降を、
(i.2)アルカリ金属Mのケイ酸塩を含む初期ベース原料を形成させ、その際、この初期ベース原料中のケイ酸塩濃度を(SiO2として表わして)20g/リットルより低くし、
(ii.2)前記ベース原料に酸性化剤を、該ベース原料中に存在するM2Oの少なくとも5%の量が中和されるまで、添加し、
(iii.2)この反応混合物に酸性化剤及びアルカリ金属Mのケイ酸塩を同時に、(SiO2として表わした)ケイ酸塩の添加量/初期ベース原料中に存在する(SiO2として表わした)ケイ酸塩の量の比が4よりも大きく且つせいぜい100となるように、添加する
ことによって実施する
ことを含む前記方法によって得ることができるものであり、
前記方法が次の2つの操作(a2)又は(b2):
(a2)工程(iii.2)の後に、前記反応混合物に少なくとも1種のアルミニウム化合物Aを添加し、次いで塩基性試薬を添加し、前記分離が濾過及びこの濾過から得られたケークの解凝集を含み、この解凝集を少なくとも1種のアルミニウム化合物Bの存在下で実施する;
(b2)工程(iii.2)の後に、前記反応混合物にケイ酸塩及び少なくとも1種のアルミニウム化合物Aを同時に添加し、前記分離が濾過及びこの濾過から得られたケークの解凝集を含む場合に、この解凝集を好ましくは少なくとも1種のアルミニウム化合物Bの存在下で実施する:
の内の一方をさらに含む、前記エラストマー組成物。 - 前記沈降シリカが、ケイ酸塩と酸性化剤との反応によって沈降シリカの懸濁液を得て、次いでこの懸濁液を分離し且つ乾燥させることを含む方法であって、
前記沈降を:
(i.2)アルカリ金属Mのケイ酸塩を含む初期ベース原料を形成させ、その際、この初期ベース原料中のケイ酸塩濃度を(SiO2として表わして)20g/リットルより低くし、
(ii.2)前記ベース原料に酸性化剤を、該ベース原料中に存在するM2Oの少なくとも5%の量が中和されるまで、添加し、
(iii.2)この反応混合物に酸性化剤及びアルカリ金属Mのケイ酸塩を同時に、(SiO2として表わした)ケイ酸塩の添加量/初期ベース原料中に存在する(SiO2として表わした)ケイ酸塩の量の比が4よりも大きく且つせいぜい100となるように、添加する:
ことによって実施し;
次いで次の連続工程:
(iv.2) 前記反応混合物に少なくとも1種のアルミニウム化合物Aを添加し、
(v.2) この反応混合物に塩基性試薬を、好ましくは反応混合物のpH値が6.5〜10の範囲、特に7.2〜8.6の範囲になるまで、添加し、
(vi.2)この反応混合物に酸性化剤を、好ましくは反応混合物のpH値が3〜5の範囲、特に3.4〜4.5の範囲になるまで、添加する:
を実施し、
前記分離が濾過及びこの濾過から得られたケークの解凝集を含み、この解凝集を少なくとも1種のアルミニウム化合物Bの存在下で実施する
ことを含む前記方法によって得ることができるものである、請求項4に記載のエラストマー組成物。 - 前記沈降シリカが、ケイ酸塩と酸性化剤との反応によって沈降シリカの懸濁液を得て、次いでこの懸濁液を分離し且つ乾燥させることを含む方法であって、
前記沈降を:
(i.2)アルカリ金属Mのケイ酸塩を含む初期ベース原料を形成させ、その際、この初期ベース原料中のケイ酸塩濃度を(SiO2として表わして)20g/リットルより低くし、
(ii.2)前記ベース原料に酸性化剤を、該ベース原料中に存在するM2Oの少なくとも5%の量が中和されるまで、添加し、
(iii.2)この反応混合物に酸性化剤及びアルカリ金属Mのケイ酸塩を同時に、(SiO2として表わした)ケイ酸塩の添加量/初期ベース原料中に存在する(SiO2として表わした)ケイ酸塩の量の比が4よりも大きく且つせいぜい100となるように、添加し、
(vii.2) この反応混合物にケイ酸塩及び少なくとも1種のアルミニウム化合物Aを同時に添加する
ことによって実施する
ことを含む前記方法によって得ることができるものである、請求項4に記載のエラストマー組成物。 - 前記沈降シリカの調製の際に電解質を添加しないことを特徴とする、請求項5又は6に記載のエラストマー組成物。
- 前記沈降シリカが少なくとも0.45重量%のアルミニウムを含有する、請求項1〜7のいずれかに記載のエラストマー組成物。
- 前記アルミニウム化合物Aが有機又は無機アルミニウム塩であり、有機塩が好ましくはカルボン酸又はポリカルボン酸の塩から選択され、無機塩が好ましくはハロゲン化物、オキシハロゲン化物、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩及びオキシ硫酸塩から選択される、請求項1〜8のいずれかに記載のエラストマー組成物。
- 前記アルミニウム化合物Aが硫酸アルミニウムである、請求項1〜9のいずれかに記載のエラストマー組成物。
- 前記アルミニウム化合物Bがアルミン酸アルカリ金属塩、特にアルミン酸ナトリウムである、請求項1〜10のいずれかに記載のエラストマー組成物。
- 前記分離がフィルタープレスによって実施される濾過を含む、請求項1〜11のいずれかに記載のエラストマー組成物。
- 前記乾燥が噴霧によって実施される、請求項1〜12のいずれかに記載のエラストマー組成物。
- 前記乾燥がノズル式噴霧乾燥器によって実施される、請求項1〜13のいずれかに記載のエラストマー組成物。
- 少なくとも1種のブタジエン系エラストマーEを含み且つ少なくとも1種の補強用充填剤として沈降シリカS3を含有するエラストマー組成物(C3)であって、
前記ブタジエン系エラストマーEが溶液状で調製され且つ少なくとも1種のアルコキシシラン基含有多官能性カップリング剤で変性された官能化ブタジエン系エラストマーを含み;且つ
前記沈降シリカS3が、
・140〜200m2/gの範囲のCTAB比表面積、
・140〜200m2/gの範囲のBET比表面積、
・300ミリリットル/100gより低いDOP油吸収値、
・超音波による解凝集後の3μmより小さいメジアン直径値(φ50)、
・10ミリリットルより大きい超音波解凝集ファクター(FD)、
・少なくとも0.45重量%のアルミニウム含有率
を有する、前記エラストマー組成物。 - 前記沈降シリカが、直径175〜275Åの孔によって構成される孔容積が直径400Å以下の孔によって構成される孔容積の少なくとも50%を占めるような孔分布を有する、請求項15に記載のエラストマー組成物。
- 少なくとも1種のブタジエン系エラストマーEを含有し且つ少なくとも1種の補強用充填剤としての沈降シリカS4を含有するエラストマー組成物(C4)であって、
前記ブタジエン系エラストマーEが溶液状で調製され且つ少なくとも1種のアルコキシシラン基含有多官能性カップリング剤で変性された官能化ブタジエン系エラストマーを含み;且つ
前記沈降シリカが
・100〜240m2/gの範囲のCTAB比表面積、
・300ミリリットル/100gより低いDOP油吸収値、
・直径が175〜275Åの範囲である孔によって構成される孔容積が直径が400Å以下の孔によって構成される孔容積の50%未満を占めるような孔分布、
・超音波による解凝集の後の5μmより小さいメジアン直径(φ50)、
・少なくとも0.45重量%のアルミニウム含有率:
を有する、前記エラストマー組成物。 - 前記沈降シリカが0.50〜1.50重量%、特に0.75〜1.40重量%の範囲のアルミニウム含有率を有する、請求項15〜17のいずれかに記載のエラストマー組成物。
- 前記沈降シリカが少なくとも80μmの平均寸法を有する実質的に球状のビーズ、少なくとも15μmの平均寸法を有する粉体、少なくとも1mmの寸法の粒体の内の少なくとも1つの形態で組成物中に導入された、請求項15〜18のいずれかに記載のエラストマー組成物。
- 前記沈降シリカが少なくとも100μm、特に少なくとも150μmの平均寸法を有する実質的に球状のビーズの形態にある、請求項15〜19のいずれかに記載のエラストマー組成物。
- 前記ブタジエン系エラストマーEが、溶液状で調製された前記官能化ブタジエン系エラストマーを、組成物中のブタジエンエラストマーの総重量を基準として少なくとも35重量%、好ましくは少なくとも50重量%の量で含む、請求項1〜20のいずれかに記載の組成物。
- ブタジエン系エラストマーE中に存在させる前記官能化ブタジエン系エラストマーが
・アルコキシシラン;
・アルコキシシランスルフィド;及び
・次の一般式(I):
XnSi(OR)mR'4-m-n
(ここで:
各X基は独立的にハロゲン原子を表わし;
各R基は独立的に1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基を表わし;
各R'基は独立的に1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するハロゲン化アルキル基及び6〜20個の炭素原子を有するアリール基から選択される基を表わし;
mは1、2、3又は4を表わし、nは0、1又は2を表わし、それらの合計m+nは2、3又は4である)
を有する多官能性カップリング剤:
から選択される多官能性基で変性されたものである、請求項1〜21のいずれかに記載の組成物。 - 前記ブタジエン系エラストマーEが溶液状で調製された官能化ブタジエン−スチレンコポリマー(SSBR)を含む、請求項1〜20のいずれかに記載のエラストマー組成物。
- 前記の溶液状で調製された官能化ブタジエン−スチレンコポリマーが
(a)5〜45重量%のスチレン含有率;
(b)20〜80%のブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合含有率;
(c)−55℃〜−20℃のガラス転移温度;
を有する、請求項23に記載のエラストマー組成物。 - 前記の溶液状で調製された官能化ブタジエン−スチレンコポリマーが
(d)全スチレン単位中の単一のスチレン単位から成る鎖の含有率40重量%以上及び8個以上のスチレン単位が連なった長いスチレン鎖の含有率10重量%以下
を有する、請求項24に記載のエラストマー組成物。 - 前記エラストマーEが、全エラストマー成分100重量部に対して20〜50重量部の量で伸展油を用いて油展されたものである、請求項23〜25のいずれかに記載のエラストマー組成物。
- 少なくとも1種のカップリング剤を追加的に含む、請求項1〜26のいずれかに記載のエラストマー組成物。
- カップリング剤/シリカの重量比が4%以下である、請求項27に記載のエラストマー組成物。
- 生の状態又は加硫された状態にある、請求項1〜28のいずれかに記載のエラストマー組成物。
- タイヤ又はタイヤ用物品を製造するための、請求項1〜29のいずれかに記載のエラストマー組成物の使用。
- 請求項1〜28のいずれかに記載の少なくとも1種のエラストマー組成物をベースとするタイヤ用ゴム物品。
- 請求項31に記載のゴム物品を含むタイヤ。
- 請求項1〜28のいずれかに記載の少なくとも1種のエラストマー組成物をベースとするタイヤトレッド。
- 請求項33に記載のタイヤトレッドを含むタイヤ。
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