JP2008525100A - 吸収用品 - Google Patents

Abstract

吸収用品の吸収コア(５)は少なくとも二つの折り込みガイド(１７,１８)を備え、この折り込みガイド(１７,１８)は、股部領域において実質的に長手方向(Ｙ)に延在すると共に、横方向(Ｘ)に見たとき吸収コアの股部領域の少なくとも一部分を中央部分(１９)と二つの側方部分(２０,２１)とに分割している。少なくとも二つの伸長可能な股部弾性部材(２２,２３)が、用品の股部に配置されており、かつ吸収コア(５)に対してかつ／または内側あるいは外側カバー(６;７)に対して取り付けられている。股部弾性部材の少なくともかなりの部分が個々の折り込みガイド(１７,１８)の横方向外側に配置されており、これによって吸収コアの二つの側方部分(２０,２１)が、中央部分(９)に対して、折り込みガイドに沿って起立させられるようになっている。

Description

本発明は、着用者の体液を吸収しかつそれを保持するための、おむつ、パンツ型おむつ、失禁症者用ブリーフ、生理用ナプキンなどのような吸収用品に関する。

上記種類の吸収用品は公知であるが、このものは、股部領域に折り込みガイドを備えた吸収コアを有しており、この折り込みガイドは、横方向に見たとき、吸収コアの股部領域を中央部および二つの側方部分に分割している。これら側方部分は、装着具合および漏れに対する密封効果を改善するために、中央部分に対して折り込むことができる。

特許文献１には吸収用品中の吸収コアが開示されているが、このものは、その各側部に脚用凹部を有する中央部分と、中央部分の個々の側部であってかつ個々の脚用凹部において、中央部分の横方向外側に配置された二つの側方部分とを具備してなる。中央部分と側方部分との間には間隙が存在し、かつ外側および内側カバーシートは、中央部分と側方部分との間の間隙において互いに接合されている。おむつの脚用伸縮体の収縮によって側部がめくり上げられ、これによって、中央部分および起立させられた側方部分によって形成される、たらい形状が得られる。

引用文献２には、中央吸収体および二つの周囲吸収体を具備してなる吸収コアを有するおむつの形態の吸収用品が開示されているが、このものでは、中央吸収体は、長手方向溝によって周囲吸収体から分離させられている。背面シートに対して取り付けられた伸長可能な弾性帯片は、この溝内で延在している。周囲吸収体は、伸長可能な弾性帯片の外側に配置されている。弾性帯片は大腿部の付け根にフィットし、中央吸収体を下腹部領域と密着させ、一方、周囲吸収体は大腿部の内側と密着させられる。

引用文献３には、コアの前部および後部に側方ウイングを備えた吸収コアを有するおむつが開示されているが、このウイングは、折り込みガイドによってコアの残部から分離させられている。伸長可能な弾性部材が、折り込みガイドの外側に長手方向に延在しており、それはその端部においてウイングに取り付けられており、それは折り込みラインに沿ってウイングを内側に折り曲げ、ウイングを着用者の身体に密着させる。

使用時に、着用者の股部に被さる用品の領域(股部領域)の幅を狭めることによって快適性が改善された吸収用品は、数多くの従来技術文献、たとえば特許文献４から公知である。だが、股部の幅が狭すぎる場合、当該領域(ここに体液が放出される)における吸収能力は不十分なものとなり、漏れが生じやすくなる。
国際公開第05/16418号パンフレット 米国特許第5,382,246号明細書 欧州特許出願公開第1 346 713号明細書 欧州特許出願公開第1 384 459号明細書

本発明の目的は、股部領域の快適性およびフィット具合が改善され、かつ使用状態では股部領域の幅が狭いものであり、その一方で同時に、十分な吸収性能および当該領域の漏れに対する密封効果が維持される吸収用品を提供することである。

他の目的は、液体収集性能の改善ならびに漏れリスクの低減のための、たらい形状へと変形させられる吸収コアを有する吸収用品を提供することである。

本発明に基づく吸収用品によって上記およびそれ以外の目的が達成されたが、当該吸収用品は少なくとも二つの折り込みガイドを備えた吸収コアを具備してなり、この折り込みガイドは、股部領域において実質的に長手方向に延在すると共に、横方向に見たときに吸収コアの股部領域の少なくとも一部分を中央部分と二つの側方部分とに分割しており、少なくとも二つの伸長可能な股部弾性部材が用品の股部に配置されてなると共に、それは、吸収コアに対してかつ／または内側および外側カバーの一方に対して取り付けられており、股部弾性部材の少なくとも相当な部分は個々の折り込みガイドの横方向外側に配置されており、これによって吸収コアの二つの側方部分が中央部分に対して折り込みガイドに沿って起立させられるようになっている。

ある実施形態によれば、上記折り込みガイドは湾曲した形状を有する。

本発明のある態様では、折り込みガイドの両端部は、吸収コアの隣接長手方向縁部まで延在しており、この結果、少なくとも二つの側方部分は、折り込みガイドによって、吸収コアの中央部分から区分されている。

さらなる実施形態では、折り込みガイドは実質的に直線状である。

本発明のある態様では、折り込みガイドの一端または両端は、吸収コアの隣接長手方向縁部の内側で終端をなしている。

ある実施形態によれば、折り込みガイドは、吸収コアのその周囲の領域よりも少ない坪量を有する溝である。あるいは、折り込みガイドは、吸収コアのスリットによって形成される。ある実施形態によれば、上記折り込みガイドは、吸収コアの厚みの少なくとも半分にわたって、好ましくは吸収コアの厚み全体にわたって形成された溝またはスリットである。

折り込みガイドは、連続的なあるいは断続的なスリットまたは溝である。

折り込みガイドは、少なくとも４０ｍｍの、好ましくは少なくとも５０ｍｍの長さを有する。

本発明のある態様においては、股部弾性部材は、個々の折り込みガイドの長手方向の延長範囲の、少なくとも４０％、好ましくは少なくとも７０％である長手方向の作用領域を有する。ある実施形態によれば、股部弾性部材は、折り込みガイドの長手方向の総延長範囲と少なくとも等しい、長手方向の作用領域を有する。

これに関して、「作用領域」との用語は、股部弾性部材の外側端部間の長手方向(Ｙ)における距離を意味する。この場合、個々の弾性部材の中間部分は非活性化されるかあるいは単に切り離されてもよく、あるいはそうされなくてもよい。そうした弾性部材の非活性化されるかあるいは欠かれた中間部分は作用領域に含まれるが、これは個々の弾性部材の活性部分の外側端部間で測定される。

本発明のある態様では、股部弾性部材は、長手方向における個々の側方部分の長さの少なくとも７５％にわたって、吸収コアの側方部分に沿って、あるいはその横方向外側に配置される。

ある実施形態によれば、股部弾性部材は、長手方向における個々の側方部分の長さの少なくとも４０％、好ましくは少なくとも５０％にわたって、吸収コアの側方部分に沿って配置される。

股部弾性部材は、直線状のあるいは湾曲した経路内で延在している。

ある実施形態では、股部弾性部材は、外側カバーに対して、かつ／または吸収コアの衣類側を向く面に対して取り付けられる。

本発明のさらなる態様では、本発明は、おむつ、パンツ型おむつ、あるいは失禁症者用装着具の形態の吸収用品に適用される。

以下、添付図面に示す、いくつかの実施形態を参照して、本発明について、さらに詳しく説明する。

[吸収用品]
「吸収用品」との用語は、着用者の肌に接して配置され、尿、ふん便および月経液のような身体滲出物を吸収しかつ保持する製品を意味する。本発明は主として使い捨て式吸収用品に関係し、これは、使用後に洗濯されたり、さもなければ吸収用品として使える状態に戻すか、あるいは再利用したりすることを意図していない用品を意味する。

[内側液体透過性カバー]
内側液体透過性カバーは吸収用品の内側カバーを形成し、それは使用時には着用者の肌と直に接した状態に置かれる。この内側液体透過性カバーは不織布材(たとえばスパンボンド、メルトブローン、毛羽立て、水中絡み合い(hydroentangled)、湿式積層(wetlaid)など)から形成できる。適当な不織布材は、木材パルプまたはコットン繊維のような天然繊維から、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビスコースなどのような人工繊維から、あるいは天然繊維と人工繊維の混合物から形成できる。内側液体透過性カバー材はさらにトウ繊維から形成されてもよく、このトウ繊維は、たとえば欧州特許出願公開第1 035 818号明細書(EP-A-1 035 818)に開示されるように、ある接合パターンで互いに接合できる。内側液体透過性カバー材のさらなる例は、多孔質フォーム、穿孔プラスチックフィルムなどである。内側液体透過性カバー材に適した素材は、柔軟でかつ肌を刺激せず、しかも体液、たとえば尿または月経液が容易に浸透するようになされたものであるべきである。内側液体透過性カバーはさらに、吸収用品の別の部分においては異なっていてもよい。

[外側液体不透過性カバー]
外側液体不透過性カバーは、少なくともそのコア領域に関して吸収用品の外側カバーを形成する。この外側液体不透過性カバーは、薄いプラスチックフィルム(例としてポリエチレンあるいはポリプロピレンフィルム)、液体不透過性物質で覆われた不織布材、疎水性の不織布材(これは液体の浸透に抗する)あるいはたとえばプラスチックフィルムおよび不織布材からなるラミネート(積層体)からなっていてもよい。外側液体不透過性カバー材は通気性を有していてもよく、これによって吸収コアから蒸気を逃がすことが可能となり、その一方で液体がそれを通過するのは依然として阻止される。通気性を有する外側液体不透過性カバー材の例としては、多孔質高分子フィルム、スパンボンドおよびメルトブローン層からなる不織布ラミネート、多孔質高分子フィルムおよび不織布材からなるラミネートが挙げられる。

[吸収コア]
「吸収コア」は吸収用品の二つのカバー間に配置される吸収構造体である。吸収コア５は従来型のものであってもよい。普通に見られる吸収材の例は、セルロース綿毛状パルプ、ティッシュ層、高吸収ポリマー(いわゆる超吸収材)、吸収フォーム材、吸収不織布材などである。セルロース綿毛状パルプと超吸収材とを吸収体内で組み合わせることも一般的である。超吸収ポリマーは、０.９重量％の塩化ナトリウムを含む水溶液中で、自身の重量の少なくとも約２０倍を吸収できる水分膨潤可能な、不水溶性の有機または無機物質である。超吸収材としての使用に適した有機物質としては、合成ヒドロゲルポリマーのような合成原料と共に、多糖類、ポリペプチドなどの天然原料が挙げられる。そうしたヒドロゲルポリマーとしては、たとえば、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジンなどのアルカリ金属塩が挙げられる。他の好適なポリマーとしては、加水分解アクリロニトリルグラフト澱粉、アクリル酸グラフト澱粉、イソブチレン無水マレイン酸共重合体およびその混合物が挙げられる。ヒドロゲルポリマーは好ましくは軽度に架橋されており、これによって素材は実質的に不水溶性を呈するようになっている。好ましい超吸収材はさらに表層架橋されており、この結果、超吸収粒子、繊維、フレーク、球体などの外面すなわち殻は、超吸収体の内側部分よりも高い架橋密度を有するようになる。超吸収材は、粒子、繊維、フレーク、球体などを含む吸収混合物において使用するのに適した、いかなる形態であってもよい。

高い吸収性能は、大量の超吸収材を使用することによって実現される。親水性繊維(たとえばセルロース繊維)のマトリックスと超吸収材とを具備してなる吸収コアに関しては、超吸収材の比率は好ましくは重量で１０ないし９０％、より好ましくは重量で３０ないし７０％である。

液体受け入れ性能、液体分散性能および貯蔵性能に関して異なる特性を有する層を具備してなる吸収コアを持つことは、吸収用品において一般的に行われている。薄い吸収体(これはたとえば幼児用おむつおよび失禁症者用保護具においては一般的なものである)は、しばしば、セルロース綿毛状パルプおよび超吸収ポリマーからなる圧縮混合構造あるいは層状構造を具備してなる。吸収コアのサイズおよび吸収性能は、異なる用途に、たとえば幼児あるいは成人失禁者に適応するよう変更可能である。

[股部ポイントおよび股部ライン]
吸収用品の股部ポイントおよび吸収用品の吸収コアの股部ポイントは、たとえば欧州特許第0 969 784号明細書(EP-B1-0 969 784)で規定されている。すなわち、それは、立った状態の着用者に本用品を配置し、続いて８の字形(図１０)に脚３２,３３の周りに伸長可能な糸３０を配置することによって特定される。糸の交差ポイントに対応する用品および吸収コアのポイントが股部ポイント３４と見なされる。股部ポイントは、意図した様式で着用者に吸収用品を配置し、そして交差する糸が用品／コアと接することになる地点を特定することによって決定されることを理解されたい。股部ラインは、股部ポイント３４を通って延在する用品／コアの横方向(Ｘ)のラインである。

[股部領域]
通常の場合、「股部領域」１２は、まず吸収コアの股部ポイント３４を突き止め、続いてこのコアの全長の２５％の距離を前方および後方へ測定することによって特定される。吸収コアが用品中に非対称に配置される場合、たとえばコアの主要部は用品の前部付近に配置され、かつコアの後方縁部は股部ポイントからコア全長の２５％以下の距離を置いて配置される場合、股部領域はコアの後端部から股部ポイント３４へと、そしてコアの全長の２５％である距離だけ前方に延在し、あるいはコアの主要部が用品の後部付近に配置される逆の場合にも同じである。ゆえに、通常の例では、吸収コアの「股部領域」は、吸収コアの全長(すなわち長手方向、Ｙ方向)の５０％に対応し、この場合、股部ポイント３４は股部領域の長手方向中心に配置される。非対称配置コアに関して、上述したように、股部領域１２はコアの全長の５０％よりも短くてもよく、しかも股部ポイント３４は股部領域１２の長手方向中心から外れて配置されてもよい。

図１は、平坦な、非収縮状態で、おむつの形態の吸収用品を示す概略平面図である。図１に示す吸収用品は、長手方向(Ｙ)および横方向(Ｘ)を有するおむつ１の形態であり、かつその長手方向に見たときに前部２、後部３、および両者間の股部４を具備してなる。その最も一般的な形態では、おむつは、吸収コア５とこの吸収コアを取り囲む(収容する)カバーとを具備してなる。当該カバーは、吸収コア５の着用者に面する側の内側液体透過性カバー６と、吸収コアの衣類に面する側の外側液体不透過性カバー７とを具備してなる。内側液体透過性カバー６はしばしば表面シートと呼ばれ、一方、外側液体不透過性カバー７はしばしば背面シートと呼ばれる。

吸収コア５は長尺形状を有し、かつ一対の長手方向縁部８,９と一対の横方向縁部１０,１１とを具備してなる。吸収コア５は、用品の長手方向(Ｙ)に見たとき、股部領域１２と、二つの外側領域１３,１４とを有する。外側領域１３,１４は、コアの個々の横方向縁部１０,１１に隣接して配置されている。股部領域１２は、先に規定したコアの領域である。用品内に非対称に配置されるコア５を有する用品に関しては、このコアは、一つの外側領域１３または１４および股部領域１２のみを有していてもよく、この場合、横方向縁部１０または１１の一方は、一長手方向の股部領域１２の終端を形成していてもよい。

内側カバー６および外側カバー７は、吸収コア５の周縁部を越えて外側に延在すると共に、たとえば接着または熱あるいは超音波による溶着によって互いに接合された内面を有する。内側および外側カバー材料はさらに、たとえば接着剤によって、吸収コアに対して接合されてもよい。

脚用開口部に隣接する用品の領域は、弾性部材１５を備えた長手方向側縁部に沿っているが、この弾性部材１５は引き伸ばされた状態で内側カバー６の材料層と外側カバー７の材料層との間に接合され、これによっておむつの脚用開口部に伸縮性が付与されるようになっている。類似の弾性部材(図示せず)を、おむつのウエスト用開口部を形成する横方向側縁部に隣接して前部領域２および後部領域３に、横方向(Ｘ)に延在するよう配置することもできる。

弾性部材は、これに代えて、何らかの手段によって(たとえば熱によって)、伸縮性が付与された状態へと活性化できる材料からなっていてもよく、この場合、それらは、引き伸ばされていない、非活性状態で用品に対して取り付けることができ、続いてそれは収縮させられた弾性状態へと活性化させられる。

背面領域３はそれに対して取り付けられたファスナー１６を備える。このファスナーは、パンツに似た形状を得るために、用品の前部領域に止着されることになる。ファスナー１６は、接着テープまたは、たとえばおむつの外側カバーシートを形成する不織布材の形態のループ材に張り付くようになされたフック要素の形態であってもよい。

図１および図２の吸収コア５は二つの折り込みガイド１７,１８を備えるが、この折り込みガイド１７,１８は、股部領域１２において実質的に長手方向Ｙに延在しており、かつ横方向Ｘに見たとき、吸収コア５の股部領域の少なくとも一部を、中央部分１９と二つの側方部分２０,２１に分割している。「実質的に長手方向」とは、本明細書中では、それが、横方向Ｘと比べて、長手方向Ｙにその最も長い延長範囲を有していることを意味する。折り込みガイド１７,１８は、直線形状を有していてもあるいは湾曲形状を有していてもよい。

折り込みガイド１７,１８は、吸収コアの厚みの全体あるいは一部にわたって延在する(形成された)スリットまたは溝とすることができる。溝は吸収コアの、その周囲の領域よりも低い坪量を有していてもよく(当該溝はたとえば数ミリメーターの一定の幅を有する)、あるいはそれは吸収コアに形成された切込みあるいはスリットであってもよい。好ましくは、それらは吸収コアの厚みの少なくとも半分にわたって延在している。吸収コアが二つ以上の層を具備してなる場合、スリットまたは溝は、一つ、それ以上あるいは全ての層にわたって延在していてもよい。スリットまたは溝が、吸収コアの総厚みにわたって延在していない場合、それは、外側カバー７に面する吸収コア５の側から延在しても、あるいは内側カバー６に面する側から延在してもよい。

内側カバー６の材料および外側カバー７の材料は、折り込みガイド１７,１８が吸収コア５の総厚みにわたって延在する場合には、折り込みガイド１７,１８を介して互いに接合されてもよいが、内側および外側カバーは、これに代えて、折り込みガイドの領域において互いに自由であってもよい。

好ましい実施形態では、折り込みガイド１７,１８は用品の長手方向Ｙに広がり(延長範囲)を有するが、これは吸収コア５の股部領域１２を越えて延在していない。

図１は、折り込みガイド１７,１８の両端が完全に吸収コア５の隣接長手方向縁部８,９まで延在しており、この結果、二つの側方部分２０,２１は折り込みガイドによって吸収コアの中央部分１９から分離させられていることを示している。これは、図３の実施形態にも当てはまるが、図５、図６および図８の実施形態では、折り込みガイド１７,１８の両端は吸収コア５の隣接長手方向縁部８,９の内側にて終わっている。折り込みガイド１７,１８は、もちろん、これに代えて、吸収コアの隣接長手方向縁部まで完全に延在する一つの端部と、吸収コアの長手方向縁部の内側で終わっている一つの端部とを有していてもよい。

折り込みガイド１７,１８の長さは、吸収コアのタイプまたはサイズに応じて(たとえば用品が幼児用であるかまたは失禁症成人用であるかに応じて)変更可能である。だが、スリットまたは溝の長さは少なくとも４０ｍｍ、好ましくは少なくとも５０ｍｍである。図８に示すように、スリットまたは溝が断続的すなわち「途切れ途切れ」である場合、すなわちそれが二つ以上の短いスリットまたは溝の列からなる場合、長さは、短いスリットまたは溝の列の長さの総和として規定される。

一対の伸長可能な股部弾性部材２２,２３が用品の股部領域４に配置されており、かつそれは吸収コア５に対してかつ／または内側あるいは外側カバー６あるいは７の一方に対して収縮可能に取り付けられている。あるいは、それは、何らかの手段、たとえば熱によって、伸縮性が付与された状態へと活性化させることができる材料からなり、この場合、それは引き伸ばされていない非活性状態で用品に取り付けることができ、その後、収縮させられた弾性を有する状態となるよう活性化させられる。

「吸収コアに対して取り付けられる」との用語は、股部弾性部材２２,２３が、吸収コア５の衣類または着用者に面する側に対して、あるいは吸収コア５内でその層間に取り付けられることを意味する。したがって、股部弾性部材２２,２３は、内側あるいは外側カバー６,７に対してのみ、内側あるいは外側カバーの一方および吸収コア５に対して、あるいは吸収コア５内でその層間に取り付けることができる。好ましくは、股部弾性部材２２,２３は外側カバー７に対して、かつ／または吸収コアの衣類に面する側に対して取り付けられる。股部弾性部材２２,２３は、直線状であっても湾曲していてもよく、しかも横方向Ｘだけでなく、長手方向Ｙにも延長範囲を有する。上記股部弾性部材２２,２３の少なくとも相当な部分(これは、その長さの少なくとも５０％、好ましくは少なくとも７５％を意味する)が、個々の折り込みガイド１７,１８の横方向外側に配置されている。股部弾性部材２２,２３の収縮によって、吸収コア５の二つの側方部分２０,２１は、中央部分１９に対して、折り込みガイド１７,１８に沿って起立させられる。

図１に示す実施形態においては、股部弾性部材２２,２３は、長手方向Ｙと実質的に平行な実質的に直線状の経路に沿って延在している。それらは、折り込みガイドの端部近傍で、この個々の折り込みガイド１７,１８と交差しており、かつそれは折り込みガイドの長手方向外側において、そこから僅かな距離だけ離れて終端をなしている。吸収コア５の側方部分２０および２１を効果的に起立させるために、股部弾性部材２２,２３が、長手方向における折り込みガイドの延長範囲の少なくとも４０％、好ましくは少なくとも７０％である長手方向の作用領域を有することが、好ましくは折り込みガイド１７,１８の長手方向における延長範囲の少なくとも１００％である作用領域を有することが望ましい。

「活性領域」との用語は、上記のとおり、すなわち股部弾性部材２２,２３の外側端部間の長手方向Ｙにおける距離ａとして規定される。ここで、個々の弾性部材の中間部分は非活性化されてもあるいは単に切り離されてもよく、あるいはそうされなくてもよい。そうした弾性領域の非活性化されたあるいは欠かれた中間部は作用領域に含まれるが、これは個々の弾性部材の作用部分の外側端部間で測定される。これは図８に示すとおりであり、ここでは、股部弾性部材２２,２３の中間部分は切り取られている(これはさもなければ吸収コア５の外側に位置するであろう)。

股部弾性部材２２,２３が、長手方向Ｙにおける個々の側方部分の長さの少なくとも７５％にわたって、吸収コア５の側方部分２０,２１の上に、その中に、あるいはその横方向外側に配置されることがさらに好ましい。好ましくは、股部弾性部材２２,２３は、吸収コア５の側方部分２０,２１上にあるいはその中に、長手方向Ｙにおける個々の側方部分の長さの少なくとも４０％、好ましくは少なくとも５０％にわたって配される。

側方部分２０,２１の起立状態は、おむつを収縮状態にて示す図３および図４に図示するとおりであるが、この状態では、側方部分２０,２１は股部弾性部材２２,２３によって上方に折り曲げられている。おむつはさらに、近位縁部および遠位縁部を有する弾性バリアフラップ２４,２５と、個々の遠位縁部に対して収縮可能に取り付けられた弾性部材２６,２７とを備え、これによってバリアフラップ２４,２５の遠位縁部と内側カバー６とが離間させられている。このバリアフラップ２４,２５は漏れバリアを形成し、かつ、その近位縁部において吸収コア５の外側あるいはその上で内側カバー６に固定されている。

図５および図６には、いわゆる、パンツ型おむつを示すが、このものでは前部領域２および後部領域３は、側方継ぎ目３１,３２を形成する、その長手方向側縁部に沿って互いに接合されており、これによってウエスト用開口部２８および一対の脚用開口部２９,３０が形成されている。前部領域２および後部領域３は、たとえば接着剤、超音波溶着、熱封止などによって、側方継ぎ目３１および３２に沿って接合されている。前部領域２および後部領域３はまた、図示するとおり、内部に面する内側カバー６を用いて上記側方継ぎ目に沿って接合できる。あるいは、それは、前部領域あるいは後部領域いずれかの内側カバー６が対向領域の外側カバー７に面する状態にて、オーバーラップ様式で接合される。

代替形態では、パンツ型おむつはコア領域を備えるが、このコア領域は、吸収コアと、上述した液体透過性内側カバーおよび液体不透過性外側カバーと、コア領域の外側の基体領域とを具備してなり、ここで、基体領域は柔らかでかつ快適な材料、たとえば弾性ラミネートからなるカバーシートを具備してなる。そうしたパンツ型おむつの例は、国際出願第SE2004/001004号明細書に開示されている。

ウエスト部領域、脚用開口部領域の少なくとも一部、そして側方継ぎ目３１および３２に隣接する側方領域には伸縮性が付与される。この伸縮性の付与は、たいてい、外側カバー７と内側カバー６との間に引き伸ばされた状態で収縮可能に取り付けられた、たとえば弾性糸３３のような複数の弾性部材によって実現される。

あるいは弾性部材３３は、何らかの手段、たとえば熱によって、伸縮性が付与された状態へと活性化させることができる材料からなり、この場合、それは引き伸ばされていない非活性状態で用品に取り付けることができ、その後、収縮させられた弾性を有する状態となるよう活性化させられる。

さらなる代替例においては、弾性材料、たとえば弾性ラミネートが、弾力性が求められる上記領域において、用品の基体を形成するために使用可能である。

図５にはパンツ型おむつを前側から見て示し、一方、図６には同じパンツ型おむつを後側から見て示す。折り込みガイド１７,１８はスリットまたは溝であり、これは吸収コアの厚み全体にわたっては形成されていない。それはさらに、吸収コア５の個々の長手方向縁部８および９まで外側に完全には延在しておらず、長手方向縁部８および９の内側で、そこから僅かな距離を置いた地点にて終端をなしている。股部弾性部材２２,２３は、折り込みガイド１７,１８とその端部近傍で交差する湾曲経路に沿って延在している。

股部弾性部材２２,２３が、どのようにして、吸収コアの側方部分２０,２１を折り込みガイド１７,１８に沿って持ち上げ、吸収コアの狭い股部幅を形成するかが図示されている。同時に、吸収コア５は股部領域において「たらい」形状をなすが、この場合、吸収コアの中央部分１９は「たらい」の底を形成し、そして側方部分２０,２１が「たらい」の起立させられた側部をなす。

図８には、着用者のパンティ内に装着される失禁症者用保護具あるいは生理用ナプキンの形態の、さらなる実施形態を示す。折り込みガイド１７,１８は断続的な、すなわち「途切れ途切れ」スリットの形態であり、かつ股部弾性部材２２,２３は湾曲経路に沿って延在している。図９において吸収コア５は多層コアとして示されており、しかも股部弾性部材２２,２３は吸収コアの二つの層間に取り付けられている。図８および図９には平らに伸ばした非収縮状態で本用品を示すが、その収縮状態では、股部弾性部材２２,２３は折り込みガイド１７,１８に沿って側方部分２０,２１を上方に持ち上げることは明白である。

上述したとおり、股部弾性部材２２,２３の中間部分は切り離されている(これは、さもなければ吸収コア５の外側に位置するであろう)。弾性部材２２,２３の上記欠けた中間部分は作用領域ａ(これは個々の弾性部材の作用部分の外側端部間で測定される)に含まれる。

図１０は、起立した状態の着用者に本用品を配置し、続いて伸長可能な糸３５を脚３６,３７の周りに８の字状に配することによって、どのように吸収用品の、そしてこの吸収用品の吸収コアの股部ポイント３４が決定されるかを示している。

折り込みガイド１７,１８および股部弾性部材２２,２３の形態は変更可能であり、かつさまざまな様式で組み合わせることができ、そして上述しかつ図面に示したさまざまな実施形態の細部は、任意選択的様式で交換しかつ組み合わせることができることを理解されたい。実質的に互いに平行に近接配置された二つ以上のスリットを具備してなる折り込みガイド１７,１８を設けることもまた実施可能であろう。

平坦な、非収縮状態で、おむつの形態の吸収用品を示す概略平面図である。 図１の線II‐IIでの断面図である。 収縮状態での、おむつの斜視図である。 図３の線IV‐IVでの断面図である。 前側から見た、パンツ型おむつの斜視図である。 図５のパンツ型おむつを後側から見て示す図である。 図５の線VII‐VIIでの断面図である。 失禁症者用保護具あるいは生理用ナプキンの形態の別な実施形態の平面図である。 図８の線IX‐IXでの断面図である。 着用者、吸収用品および対応する吸収コアの股部ポイントがどのようにして決定されるかを説明している図である。

符号の説明

１ おむつ
２ 前部
３ 後部
４ 股部
５ 吸収コア
６ 内側液体透過性カバー
７ 外側液体不透過性カバー
８,９ 長手方向縁部
１０,１１ 横方向縁部
１２ 股部領域
１３,１４ 外側領域
１５ 弾性部材
１６ ファスナー
１７,１８ 折り込みガイド
１９ 中央部分
２０,２１ 側方部分
２２,２３ 股部弾性部材
２４,２５ 弾性バリアフラップ
２６,２７ 弾性部材
２８ ウエスト用開口部
２９,３０ 脚用開口部
３１,３２ 側方継ぎ目
３３ 弾性糸
３４ 股部ポイント
３５ 糸
３６,３７ 脚

Claims (18)

1. 吸収コア(５)と、この吸収コアを収容するカバーと、を具備してなる吸収用品であって、
   前記カバーは、前記吸収コアの着用者に面する側の液体透過性内側カバー(６)と、前記吸収コアの衣類に面する側の液体不透過性外側カバー(７)と、を具備してなり、
   前記用品は、長手方向(Ｙ)および横方向(Ｘ)を有すると共に、その長手方向に見たときに、前部(２)と、後部(３)と、この前部と後部との間の股部(４)と、を具備してなり、
   前記吸収コア(５)は、長尺な形状を有すると共に、一対の長手方向縁部(８,９)と、前側横方向縁部(１０)および後側横方向縁部(１１)と、を具備してなり、
   前記コアは、前記用品の長手方向(Ｙ)に見たときに、股部領域(１２)と、少なくとも一つの外側領域(１３;１４)と、を有しており、
   前記外側領域は、前記吸収コア(５)の個々の横方向縁部(１０,１１)に隣接して配置されており、
   前記吸収コアは、さらに、少なくとも二つの折り込みガイド(１７,１８)を備え、この折り込みガイド(１７,１８)は、前記股部領域において実質的に長手方向(Ｙ)に延在すると共に、横方向に見たとき前記吸収コアの前記股部領域の少なくとも一部分を、中央部分(１９)と、二つの側方部分(２０,２１)と、に分割しており、
   少なくとも二つの伸長可能な股部弾性部材(２２,２３)が、前記用品の前記股部(４)に配置されてなると共に、それは、前記吸収コアに対してかつ／または前記内側および外側カバー(６;７)の一方に対して取り付けられており、
   前記股部弾性部材(２２,２３)の少なくともかなりの部分は、前記個々の折り込みガイド(１７,１８)の横方向外側に配置されており、これによって前記吸収コアの前記二つの側方部分(２０,２１)が、前記中央部分(１９)に対して、前記折り込みガイドに沿って起立させられるようになっていることを特徴とする吸収用品。
2. 前記折り込みガイド(１７,１８)は湾曲した形状を有することを特徴とする請求項１に記載の吸収用品。
3. 前記折り込みガイド(１７,１８)の両端部は、前記吸収コア(５)の隣接長手方向縁部(８,９)まで延在していることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の吸収用品。
4. 前記折り込みガイド(１７,１８)は実質的に直線状であることを特徴とする請求項１に記載の吸収用品。
5. 前記折り込みガイド(１７,１８)の一端または両端は、前記吸収コア(５)の隣接長手方向縁部(８,９)の内側で終端をなしていることを特徴とする請求項１、請求項２および請求項４のいずれか１項に記載の吸収用品。
6. 前記折り込みガイド(１７,１８)は、前記吸収コアのその周囲の領域よりも少ない坪量を有する溝であることを特徴とする請求項１ないし請求項５のいずれか１項に記載の吸収用品。
7. 前記折り込みガイド(１７,１８)は、前記吸収コアのスリットによって形成されることを特徴とする請求項１ないし請求項５のいずれか１項に記載の吸収用品。
8. 前記折り込みガイド(１７,１８)は、前記吸収コア(５)の厚みの少なくとも半分にわたって形成された溝またはスリットであることを特徴とする請求項６または請求項７に記載の吸収用品。
9. 前記折り込みガイド(１７,１８)は、前記吸収コア(５)の厚み全体にわたって形成された溝またはスリットであることを特徴とする請求項８に記載の吸収用品。
10. 前記折り込みガイド(１７,１８)は、連続的なあるいは断続的なスリットまたは溝であることを特徴とする請求項６ないし請求項９のいずれか１項に記載の吸収用品。
11. 前記折り込みガイド(１７,１８)は、少なくとも４０ｍｍの、好ましくは少なくとも５０ｍｍの長さを有することを特徴とする請求項１ないし請求項１０のいずれか１項に記載の吸収用品。
12. 前記股部弾性部材(２２,２３)は、前記個々の折り込みガイド(１７,１８)の長手方向(Ｙ)の延長範囲の少なくとも４０％の、好ましくは少なくとも７０％である、長手方向の作用領域を有することを特徴とする請求項１ないし請求項１１のいずれか１項に記載の吸収用品。
13. 前記股部弾性部材(２２,２３)は、前記折り込みガイド(１７,１８)の長手方向(Ｙ)の総延長範囲と少なくとも等しい長手方向の作用領域を有することを特徴とする請求項１２に記載の吸収用品。
14. 前記股部弾性部材(２２,２３)は、長手方向(Ｙ)における個々の側方部分の長さの少なくとも７５％にわたって、前記吸収コア(５)の前記側方部分(２０,２１)の上に、その中に、あるいはその横方向外側に配置されていることを特徴とする請求項１ないし請求項１３のいずれか１項に記載の吸収用品。
15. 前記股部弾性部材(２２,２３)は、長手方向(Ｙ)における個々の側方部分の長さの少なくとも４０％、好ましくは少なくとも５０％にわたって、前記吸収コア(５)の前記側方部分(２０,２１)の上に、あるいはその中に配置されていることを特徴とする請求項１４に記載の吸収用品。
16. 前記股部弾性部材(２２,２３)は、直線状のあるいは湾曲した経路内で延在していることを特徴とする請求項１２ないし請求項１５のいずれか１項に記載の吸収用品。
17. 前記股部弾性部材(２２,２３)は、前記外側カバー(７)に対して、かつ／または前記吸収コア(５)の衣類側を向く面に対して取り付けられていることを特徴とする請求項１ないし請求項１６のいずれか１項に記載の吸収用品。
18. おむつ、パンツ型おむつ、あるいは失禁症者用装着具であることを特徴とする請求項１ないし請求項１７のいずれか１項に記載の吸収用品。

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