JP2008520899A

JP2008520899A - 油吐出用の可変吐出量羽根式ポンプ

Info

Publication number: JP2008520899A
Application number: JP2007542151A
Authority: JP
Inventors: アスカーリ・エンニオ; カンパーニ・ロレンツォ
Original assignee: Hpe High Performance Engineering Srl
Current assignee: Hpe High Performance Engineering Srl
Priority date: 2004-11-19
Filing date: 2005-11-18
Publication date: 2008-06-19
Also published as: CN101137846A; WO2006054161A1; US20090175750A1; EP1812711A1; ITBO20040715A1

Abstract

油吐出用の可変吐出量羽根式ポンプは、ロータ（９）の周囲に偏心して取り付けられたステータ（１０）を備えており、ロータ（９）は、長手軸（６）を中心として回転するように配置されており、径方向外方に開口する複数の溝（１５）を有している。互いに重ね合わせられて互いに摺動可能に連結された少なくとも２枚の薄板（２５）からなる羽根（１７）が、対応する溝（１５）に摺動可能に係合している。
【選択図】図２

Description

本発明は、油吐出用の可変吐出量羽根式ポンプに関する。特に、本発明は、長手軸を中心として回転するように取り付けられており、複数の径方向外方に開口する溝を有するロータと、ロータの周囲に延在して、ロータに対して偏心して取り付けられているステータと、各々が、対応する溝内で互いに摺動可能に取り付けられおり、ステータに向き合う外縁部を有する複数の羽根と、ロータとステータとの間の偏心度、すなわちポンプの吐出量を選択的に制御する調節手段とを備えた形式の可変吐出量羽根式ポンプに関する。

上述の形式の公知の可変吐出量羽根式ポンプは、複数の羽根とステータとの間の流体密封の効率が比較的低く、ポンプの使用とともに急激に低下する事実に主として起因する欠点を有している。

本発明の目的は、上述の欠点を有しない、油吐出用の可変吐出量羽根式ポンプを提供することである。

本発明によれば、添付の特許請求の範囲に記載の可変吐出量羽根式油ポンプが提供される。

本発明は、これに限定されるわけではないが、添付図面に示す本発明の好ましい実施形態の以下の説明で明らかになるであろう。

図１〜図３には、車両（図示せず）の内燃機関（図示せず）の潤滑系統（図示せず）に油を供給する可変吐出量羽根式油ポンプ１が示されている。

ポンプ１は、矩形の断面を有する、ほぼ平行６面体の支持ケース２を有している。支持ケース２は、ほぼ平坦な面４によって側方が定められた第１支持板３を有している。第１支持板３には空洞５が設けられている。空洞５は、平坦面４に直交する長手軸６を有しており、また平坦面４に面して外方に開口しており、この第１支持板３の開口は、軸方向において平坦面４に接触して配置される第２支持板７によって閉じられている。

さらに、ポンプ１は、長手軸６を中心として回転するように第１支持板３および第２支持板７を貫通して取り付けられ、またキー溝が形成された円筒形のロータ（回転子）９を支持する駆動軸８を有している。ロータ９は、空洞５内に収容される。ロータ９の、軸６に平行に測定される幅は、軸６に平行に測定される空洞５の幅にほぼ等しく設定されている。

空洞５は、さらにステータ（固定子）１０を収容している。ステータ１０は、ロータ９の周囲に延在する。ステータ１０の、長手軸６に平行に測定される幅は、同様に長手軸６に平行に測定される空洞５の幅にほぼ等しい。ステータ１０の内側は、ロータ９に対して偏心した位置に配置されるほぼ円筒形の内表面１１によって画定されている。

ステータ１０は、長手軸６と平行である支持軸（支点軸）１３を中心として、公知の形式の調節装置１２の制御のもとで第１支持板３に対して揺動可能に第１支持板３に取り付けられている。これにより、ロータ９とステータ１０の内表面１１との間の偏心度を選択的に制御することが可能である。

ロータ９は、軸方向に対向する両側面に、２つの互いに対向する円筒形の空洞１４を有している。空洞１４は、長手軸６と同心に設けられ、一方の空洞が支持板３に面し、他方の空洞が支持板７に面している。さらに、ロータ９には、複数の放射状の溝１５（図示の例では、６つの溝１５）が設けられている。これらの溝１５は、ロータ９を貫いて長手軸６と平行に設けられており、長手軸６を中心として均等な間隔で形成され、長手軸６と同軸であるロータ９の外表面１６において径方向外方に開口しており、さらに空洞１４において軸方向外方にも開口している。

それぞれの溝１５には、長手軸６と平行に延びる外縁部１８を有する羽根１７が摺動可能に係合されている。羽根１７の外縁部１８は、ステータ１０とロータ９との間に環状のシュー（摺動部材）（shoe）１９を配置することで、ステータ１０の内表面１１にシュー１９を介して接触した状態で摺動可能に配置されている。

長手軸６に平行に測定されるシュー１９の幅と、同様に長手軸６に平行に測定される羽根１７の幅とはほぼ等しい。ステータ１０および羽根１７は共に、シュー１９の周方向に沿って、つまり、シュー１９の外表面および内表面に沿って、シュー１９の前記幅の方向にわたって接触している。これにより、シュー１９は、ステータ１０および羽根１７に対して摺動可能に連結されている。

それぞれの羽根１７は、対応する溝１５から両方の空洞１４内に突出しており、長手軸６と平行に延びる内縁部２０を有している。羽根１７は、内縁部２０が、各空洞１４内に収容された２つの環状部材２１に接触した状態で配置されている。各環状部材２１は、駆動軸８の周囲に延びており、駆動軸８の直径よりも大きく、かつ対応する空洞１４の直径よりも小さい直径を有するように設定されて、対応する空洞１４内において遊動可能となっている。

隣り合う羽根１７間で、ポンプ室２２が周方向に形成されている。ポンプ室２２は、羽根１７に加え、径方向においてロータ９およびシュー１９によって、軸方向において第１支持板３および第２支持板７によって画定されている。ポンプ室２２は、ロータ９によって軸６を中心として油の吸引口２３および吐出口２４を通過するように移動し、長手軸６を中心とするロータ９の回転およびロータ９とステータ１０の内表面１１との間の偏心にともない、ポンプ室２２の容積が変化する。

さらに、この点に関して重要なことは、それぞれのポンプ室２２の吸引口２３および吐出口２４における容積、すなわちポンプ１の吐出量が、ステータ１０を支持軸１３を中心として揺動させることによって、すなわちロータ９とステータ１０の内表面１１との間の偏心度を変更することによって選択的に制御されている点である。

図２に示されているように、それぞれの羽根１７は、互いに重ね合わせられた少なくとも２枚の薄板２５（図示の例では、４枚の薄板２５）を有しており、これらの薄板２５が、羽根１７とシュー１９との間で効果的な流体密封を確保するため、互いに径方向に摺動可能に連結されている。

図４に示すように、単一のシュー１９に代えて、複数のシュー２７（図示の例では、周方向に分割された３つのシュー２７）を用いてもよい。その場合、各シュー２７は、ステータ１０の内表面１１と対応する２つの羽根１７との間に配置されて、ステータ１０の内表面１１および対応する羽根１７に対して周方向に摺動可能に連結される。各シュー２７は、２つの湾曲端部２８を有しており、２つの湾曲端部２８のうちの一方が、対応する羽根と接触して配置されている。

環状のシュー１９に代えて、図５に示す単一のシュー２８を用いてもよい。その場合、シュー２８は、ロータ１０の内表面１１と羽根１７との間に配置され、３６０°よりも小さい角度の範囲にわたって長手軸６の周囲に延在している。このシュー２８を介して、ステータ１０と羽根１７が周方向に摺動可能に連結されている。また、シュー２８は、２つの湾曲した端部を有しており、２つの湾曲端部２８のうちの一方が、対応する羽根１７と接触状態に配置されている。

図示されていない変形例では、シュー１９，２６および２８を、ステータ１０に設けられて内表面１１において外方に開口する空洞内に収容して、羽根１７と接触するよう空洞から外方に突出させてもよい。

図示されていない他の変形例では、シュー２６，２８の湾曲端部２７，２９に代えて、長手軸６と平行な、厚肉された２つの縁部を形成してもよい。

ポンプ１の動作は、上述の説明から容易に理解することができ、したがってさらなる説明は不要である。

本発明の羽根式ポンプの好ましい実施の形態の概略縦断面図である。図１の線ＩＩ‐ＩＩに沿って切断した断面図である。図１の線ＩＩＩ‐ＩＩＩに沿って切断した断面図である。図１〜図３のシューの変形例を示す側面図である。図１〜図３のシューの他の変形例を示す側面図である。

Claims

長手軸（６）を中心として回転するように取り付けられており、前記長手軸（６）と同軸である表面（１６）を有し、この表面（１６）において径方向外方に開口する複数の溝（１５）が形成されているロータ（９）と、
ロータ（９）の周囲に延在して、ロータ（９）に対して偏心して取り付けられているステータ（１０）と、
各々が、対応する前記溝（１５）内で摺動可能に取り付けられており、ステータ（１０）に向き合う外縁部（１８）を有する複数の羽根（１７）と、
ロータ（９）とステータ（１０）との間の偏心度を選択的に制御する調節手段（１２）と、
を備えた、油吐出用の可変吐出量羽根式ポンプにおいて、
各羽根（１７）が、互いに重ね合わせられて互いに摺動可能に連結された少なくとも２枚の薄板（２５）を有していることを特徴とする可変吐出量羽根式ポンプ。
請求項１において、さらに、前記軸（６）と平行であるロータ（９）の対向する両側面に配置され、長手軸（６）の周囲に延在する２つの環状の部材（２１）を備え、
各羽根（１７）が、対応する前記溝（１５）から軸方向に突出しており、前記環状の部材（２１）に接触した状態で配置されている内縁部（２０）を有している可変吐出量羽根式ポンプ。
請求項１または２において、さらに、ステータ（１０）と羽根（１７）の外縁部（１８）との間に配置された摺動部材（１９；２６；２８）を備えた可変吐出量羽根式ポンプ。
請求項３において、前記摺動部材（１９）は、単一の部材であり、３６０°に等しい角度の範囲にわたって前記長手軸（６）の周囲に延在する可変吐出量羽根式ポンプ。
請求項３において、前記摺動部材（２８）は、単一の部材であり、３６０°よりも小さい角度の範囲にわたって前記長手軸（６）の周囲に延在する可変吐出量羽根式ポンプ。
請求項５において、前記摺動部材（２８）が、２つの湾曲した端部（２９）を有している可変吐出量羽根式ポンプ。
請求項５において、前記摺動部材（２８）が、前記長手軸（６）と平行な、厚肉された２つの縁部を有している可変吐出量羽根式ポンプ。
請求項３において、前記摺動部材は、前記長手軸（６）の周囲に配置された少なくとも２つの摺動部材（２６）からなる可変吐出量羽根式ポンプ。
請求項８において、前記摺動部材（２６）のそれぞれが、２つの湾曲した端部（２７）を有している可変吐出量羽根式ポンプ。
請求項８において、前記摺動部材（２６）のそれぞれが、前記長手軸（６）と平行な、厚肉された２つの縁部を有している可変吐出量羽根式ポンプ。
請求項３〜１０のいずれか一項において、前記摺動部材（１９；２６；２８）のそれぞれが、ステータ（１０）および羽根（１７）に対して周方向に摺動可能に連結されている可変吐出量羽根式ポンプ。
長手軸（６）を中心として回転するように取り付けられており、前記長手軸（６）と同軸である表面（１６）を有し、この表面（１６）において外方に開口する複数の溝（１５）が形成されているロータ（９）と、
ロータ（９）の周囲に延在して、ロータ（９）に対して偏心して取り付けられているステータ（１０）と、
各々が、対応する前記溝（１５）内で摺動可能に取り付けられており、ステータ（１０）に向き合う外縁部（１８）を有している複数の羽根（１７）と、
ロータ（９）とステータ（１０）との間の偏心度を選択的に制御する調節手段（１２）と、
を備えた、油吐出用の可変吐出量羽根式ポンプにおいて、
各羽根（１７）が、互いに重ね合わせられて互いに摺動可能に連結された少なくとも２枚の薄板（２５）を有しており、ステータ（１０）と羽根（１７）との間に、少なくとも１つの摺動部材（１９；２６；２８）が配置されていることを特徴とするポンプ。