JP2008517049A - 併用治療用の細胞毒性製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルファ線放射性の内部放射性核種併用治療において使用されるリポソーム処方製剤を提供すること。
【解決手段】本発明の細胞毒性製剤はリポソームを含有し、そのリポソームが少なくとも1つのアルファ線放射性核種および少なくとも1つの他の治療薬剤、具体的には化学療法薬剤を含有する溶液を内包するリポソームである。さらに本発明は、そのような細胞毒性製剤の調製方法、それを用いる治療、特に癌の治療の方法、該製剤の製造におけるそれらの使用の方法も提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、リポソーム配合製剤、とりわけアルファ線放射性の内部放射性核種併用治療において使用されるリポソームに関する。
癌のような過形成性または新生物の疾患の治療は、制御されないか、または望ましくない増殖様式を示す細胞および細胞集団を選択的に排除するために、しばしば細胞毒性製剤の投与を必要とする。固形腫瘍のように新生物が局在化する患者において望ましくない細胞塊をそっくり除去するには手術が用いられるが、再発のリスクおよび切除する組織の量をともに最小限にとどめるために、局所の、局部的および/または全身の細胞毒性療法と
の併用で用いられることが多くなっている。
転移した癌のように散在する新生物疾患の患者にあっては、一般的に手術を唯一の治療態様として使用することはできず、 限局された、または全身の細胞毒性製剤が治療手順
の主要部になるであろう。それゆえ特に新生物疾患治療のために、新規かつ進歩した細胞毒性システムに喫緊の要請がある。
長年にわたりベータ線放射性核種が癌治療用放射性医薬品における細胞毒性製剤として使用されてきた。しかしながら、近年、抗腫瘍剤にアルファ放射体を利用しようとする努力もまたなされている。アルファ放射体はβ放射体とは区別されるいくつかの特徴(組織中で高エネルギーおよび一層短い飛程)を有するとともに、治療において高い効能を提供する可能性がある。生理的環境における代表的なアルファ粒子放射体の照射範囲は、通常100マイクロメートル未満であり、これと等しい直径を有する細胞は僅かしかない。この
ことよりかかる線源は、放射されたエネルギーが標的の細胞を通り越すことはほとんどなく、それゆえ周囲の健康な組織に与える損傷が最少になるために、微小転移を含む腫瘍の治療に好適となる。これとは対照的に、β粒子は水中で1mm以上の飛程を有する。
アルファ粒子の放射線エネルギーは、またβ粒子、γ線およびX線と比べて高く、典型的には5〜8 MeVであり、あるいはβ粒子のそれの5〜10倍、そしてγ線のエネルギーの20倍以上である。こうして、アルファ線照射は極めて短い距離に多量のエネルギーを沈積するために、γ放射線またはベータ放射線と比べた場合に、著しく高い線エネルギー付与(LET)を与える。このことがアルファ放射性核種の格別の細胞傷害を説明するとともに、許容できない副作用を回避するために必要な放射性核種分布の制御および研究のレベルにも厳しい要求を課する。
あるアルファ線放射性核種を細胞毒性製剤として極めて好適なものとし、かつインビボで正確なターゲティングの製剤として著しく魅力あるものとするさらなる要因は、それらの娘核種の特性である。とりわけ多くのアルファ線放射性核種は、最初の核種と安定娘核同位体との間でいくつかのアルファ崩壊および/またはベータ崩壊を含む崩壊系列の一部
を形成している。いずれの娘核もまたアルファ線放射体である場合、この核は健全な組織に蓄積することにより望ましくない毒性作用を惹き起こすことがないかどうか、注意を向け制御しなければならない。残念ながら物理的および化学的な要因のためにこのような制御を達成することは極めて困難なものとなっている。
放射性核が崩壊するとき、生じる娘核種は、往々にしてもとの同位体とは化学的に全く異なっている。例えばラジウム-224は、アルファ線放射体であるが、化学的には2+の酸化数の状態をとるアルカリ土類金属である。しかしながら224Raのアルファ-崩壊の直接生成
物は、貴ガスのラドン-220である。結果として、制御されたターゲティング製剤内にラジウム親イオンを安定的に保持していた、いかなる配位またはキレート化の作用もラドン娘核へのコントロールを維持できそうにもない。このため体内のどこかに拡散して、崩壊するであろう。明らかに、さらなる崩壊事象系列の全体は、そうした事象が起きる体内の至るところで、何らコントロールされずに続くであろう。
アルファ崩壊の生成する娘核種への物理的効果もまた実に劇的である。アルファ粒子であるヘリウム原子核は、4の相対原子質量を有し、典型的には光速の2%ぐらいで放射される。明らかにこのことは、生じる娘核に対して著しいエネルギーを付与するが、単純に運動量保存によって100 Km/sを超えるエネルギーで反跳すると予想される。超高速度のアルファ粒子と重い娘核に付与された反跳とが組合わさった破壊力は、化学結合を破壊し、核をキレート化から追い出すことができ、さらに核崩壊系列の下方にある核の運命をコントロールする、いずれの試みに重大な問題をもたらすことは明白である。結果的にその後の崩壊に対する制御を保つことが困難であるために、アルファ崩壊核種を治療に利用する方法は、ほとんど提示されていない。治療に有用になり得る崩壊系列のアルファ線放射同位体のあるものが以下に示される。
Figure 2008517049
Figure 2008517049
上記の表から示されるように、崩壊系列において相対的に高いアルファ線放射体が使用されるならば、一つの核が、安定同位体に到達する前に4または5個の高エネルギーでしかも高い細胞毒性のアルファ崩壊を与える可能性がある。このことは、極めて効果的であるターゲット化された細胞殺傷を与えることになるであろう。しかしながら、このことに係る問題は、所望される作用部位で崩壊する、1つの親核いずれについても、これら娘核の
運命がコントロールされないのであれば、3または4個のアルファ崩壊がさらに望まない場所で起きてしまうかも知れないということである。よってそのような核の力は甚大であるが、それらの分布についても物理的および化学的に厳格に制御することを要求するものである。
アルファ線放射金属核のキレート化に関係する方法が提案されたが、これらは一般的には1個以上のアルファ線放射性娘核を有する放射性同位体のいずれから出発する崩壊系列
全体にわたり、コントロールを保つには不充分である。このことは、上記に考察した理由により、簡単なキレート化ではこれらの娘核の制御を維持することができないからである。過去にアルファ崩壊後の娘核の分布をコントロールするのに役立つもので、さらにアルファ線放出体を有効なターゲティングならびに治療に使用することを可能とする方法も提案されてきた。これらの方法には治療を要する骨表面にアルファ線放射体を取込み、娘核が捕捉されたままにする方法(例えばWO 00/40275)、ならびにアルファ線放出体をリポソーム内に取込み、その結果、反跳する娘核が、リポソームの芯部分に捕捉されたままにする方法 (例えばWO 01/60417)などが挙げられる。
アルファ線放射性核種の投与についてさらなる困難は、アルファ線放射および反跳娘核の組成物に対する破壊的な作用である。崩壊事象の著しい高エネルギーは、放射性核をキレート化から離脱させるのみならず、組成物自体にも顕著な破壊的効果を有する。かくして例え放射性核種が数日という半減期を持っていたとしても、投与の前に直接医薬組成物を調製する必要があるかもしれない。放射性同位体が少量であってもその崩壊により放出される破壊的なエネルギーは、組成物の残りの部分を破壊することができるからである。
近年、新生物疾患、特に癌の治療に有効性が増強されてきた一つの方式は、併用療法の概念による。その併用療法の背後にあるアイデアは、望ましくない細胞集団を防除する2つまたはそれ以上の薬剤または方法が同時に、または比較的短期に連続して使用されることにある。この方式では、最初の治療方法により弱体化されるであろう標的細胞は、次の方法による殺傷に一層敏感なものとさせることができる。加えて、併用療法において用いられる2以上の療法による副作用は加算的であろうが、好ましくはそれよりも小さいものであるかも知れず、他方治療効果は加算的であるか、好ましくはそれよりも大きいかも知れない。かくしてより大きい治療効果が、患者にとり依然耐えうる治療手順を用いることで与えられ得る。
併用療法を提供する最も有効な方法の一つが、1つよりも多い活性態様を有する医薬品を製造することである。このことは、2以上の治療剤を用いる標的細胞の同時的な処置を
もたらすことになる。このことにより有効性の上昇が相加的であるより大きいものになるかもしれない。なぜならば、細胞は生き残るために2つの攻撃様式に同時に持ちこたえなければならないからである。同様に一つの治療方法に対して何らかの抵抗性を有する標的細胞の亜集団(sub-population)のいずれも他の治療方法により粉砕されてしまう可能性が高く、かようにして抵抗の拡大は遅らされるであろう。
現在のところ、同一の治療送達システムで二次的な治療(特に細胞毒性)製剤と組合わせて、重金属アルファ線放射性核種およびその娘核同位体の高い細胞毒性を制御し、送り込むことができる治療方法を生み出す有効な方法はない。このことは、同一分子に両者を結合させることは、アルファ線放射体を捕捉するためのキレート化作用に依存することになるであろうし、娘核に対するコントロールを維持するには不充分なものになるであろうからである。かくして、次のような医薬品および送達システムに対するかなりの要求がある。すなわち、同一の送達システムで二次的薬剤を同時に送達する併用において重金属アルファ線放射体の送達およびそれに対するコントロールを含む併用療法を提供することができるものである。
アルファ線放射性核種を含む、有効な併用療法用医薬品を調製するにあたり直面する困難は、例えばベータ線放出体および他の治療剤を組合わせたものを調製する際に直面する場合よりもはるかに大きい。そうした困難の中には、上記のように親核および娘核に対するコントロールを維持すること、局所的なアルファ線照射による並外れた集中的な破壊力、ならびに長寿命の同位体はそのような照射が患者にもたらす長期にわたる損傷ゆえに投与することができないという事実に関わる問題がある。例えば、ベータ線放射体の場合、核の反跳は比較的小さく、ベータ線放射体を他の治療製剤に単純なキレート化によって配位させることも可能である。同様に、ベータ線放射からの単位容積あたりのエネルギーの沈積はアルファ線放射の場合よりもおよそ4オーダーの規模で小さい。かくしてアルファ線照射に極めて近接するいずれの化学構造は、機能を有する状態にある間、ベータ線放出体である場合よりも、より大きい損傷に持ちこたえることができなければならない。調製の面からも深刻な困難さが加わる。特にアルファ線放出体の効率かつしっかりした制御が、好ましくは治療時点で、またはその直前に迅速かつ容易に詰められるターゲティング製剤によって与えられることが理想である。好適なアルファ線放射体が崩壊する前に利用できる短い期間に複雑な合成手順は行うことができない。アルファ線放出体と他の治療剤との併用製剤は、以前は製造がほぼ不可能と見られていた。それらの製剤は合成が容易であり、放射性核に対するしっかりしたコントロール、ならびに長期化する高エネルギー衝撃のもとで、二次的医薬品の破壊もしくは喪失に対する処方剤の安定性を持たねばならないからである。
驚くべきことに本発明者は、リポソームがアルファ線放射性の重金属放射性核と二次的医薬品製剤の両方を含有するように調製できることを今や確立したのである。さらに驚くべきことは、そのようなリポソームが高エネルギーのアルファ崩壊ならびに核反跳に対して充分に安定であるように作製できること、さらにリポソームは数週間の期間、安定して貯蔵でき、アルファ線放射体、二次的治療製剤、およびある場合にはアルファ崩壊後の娘核を安定的に保持することができることを確立したのである。このことはリポソームがこの期間に高エネルギー粒子によって多数回、傷をつけられるため、極めて驚くべきことである。
本発明の最初の態様において、リポソームを含有する細胞毒性製剤が提供され、そのリポソームは、少なくとも1つのアルファ線放射性核種および少なくとも1つの他の治療薬剤を含む溶液を内封している。該アルファ線放射性核種が、本明細書で規定される重金属アルファ線放射体であることが好ましい。そのリポソームは、好ましくは少なくとも1つのキレート化剤または錯化剤をも内封する。該リポソームは少なくとも1つのイオノフォアも内封することが望ましい。
他の態様として本発明は、さらに少なくとも1つのアルファ線放射性核種および少なくとも1つの他の治療薬剤を含む溶液を内封しているリポソームの作製方法を提供する。その方法において、少なくとも1つのアルファ線放射性核種とは異なる他の治療薬を含有する溶液を内封するリポソームと、少なくとも1つのイオノフォアおよび少なくとも1つのアルファ線放射性核種を含有する溶液とを接触させることを含む。本発明の方法は、本発明の細胞毒性製剤を形成する方法であることが好ましい。
別の態様の本発明は、少なくとも1つの本発明細胞毒性製剤を含む医薬組成物を提供する。さらに必要に応じて少なくとも1つの製薬上耐え得る担体および/または賦型剤を含
有することが好ましい。さらに別の態様では本発明は、治療に使用される本発明細胞毒性
製剤を提供する。
本発明の細胞毒性製剤およびそのような製剤を含有する医薬の組成物および処方製剤は、疾患治療への使用、とりわけ過形成性疾患または新生物疾患の治療への使用に極めて好適である。
さらなる態様において本発明は、疾患、好ましくは過形成性疾患または新生物疾患の治療方法を提供する。その方法は、好ましくは哺乳類の患者(ヒトまたは非ヒト)に本発明の細胞毒性製剤を投与することを含む。別の態様で本発明は、過形成性疾患または新生物疾患の治療方法に使用される医薬品製剤の調製において、本発明の細胞毒性製剤の使用を提供する。その細胞毒性製剤は、治療上、予防上および/または苦痛緩和のために有効であ
る量を投与されることが望ましい。
本発明の細胞毒性製剤は、少なくとも1つの放射性核種、好ましくはアルファ線放射性核種、および少なくとも1つの他の治療薬剤を含有する溶液をカプセル化したリポソームを含む。好ましくは本発明の放射性核種は、それらが少なくとも150 amuである相対同位
体質量(relative isotopic mass)を有するという点で、重金属の放射性核種であろう。好ましくは該放射性核種が少なくとも200、より好ましくは210と230との間の相対同位体
質量を有する。重金属アルファ線放射性同位体として、211At、 212Bi、 223Ra、 224Ra
225Acおよび227Thが含まれることが極めて好ましい。
本明細書で使用される用語、"アルファ線放射性核種"には、単一の(アルファ)放射性崩壊様式の核種、ならびに複数の崩壊様式(少なくともその同位体核の一部はアルファ線放出によって崩壊する)をもつ核種も含まれる。
核が1つより多い放射様式を有する場合、好ましくは少なくとも1%はアルファ線放射で崩壊し、好ましくは少なくとも10%、ならびにより好ましくは少なくとも30%はアルファ線放射で崩壊するであろう。
ある態様として、実質的にすべての核種がアルファ線放射で崩壊するであろう。2またはそれ以上の崩壊様式をもって「分岐する」アルファ線放射体は、比較的低い割合のアルファ粒子を生成する場合でも、本明細書で後述するように、これは「間接」のアルファ線放射体であってもよい。なぜならば非アルファ崩壊の生成物が(直接または間接に)さらなるアルファ線放射体になるからである。
本明細書で使用する用語、"アルファ線放射性核種"は、文脈上許される限り、"間接"アルファ線放射性核種をも示すためにも使用される。そのような間接的なアルファ線放出体は、アルファ崩壊を自身ではかなりの程度まで起こさないであろうが、別の様式(例えばベータ線放射)によって崩壊し、アルファ線放射体を形成する放射性同位体である。好ましくはこのアルファ線放射体が"間接"アルファ線放射体の直接の娘核であるが、1より多い非アルファ崩壊の所産であってもよい。"間接"アルファ線放射体の崩壊から形成されるそのアルファ線放射体は、短い半減期(例えば24時間未満、より典型的には1時間未満、
好ましくは10分未満)を有することが望ましい。"間接"アルファ線放出体の例として、212Pb、 212Biおよび213Bi(後二者は、自身が"分岐"アルファ線放出体でもある)が挙げられ
る。
適切なアルファ線放出体の半減期は、一般的にはそれらの調製、輸送および放射性治療剤としての使用前に限られた保管を可能とするほど充分であろう。しかし、もし治療中およびその後にその同位体のある量が体内に保持されても、通常は患者に長期間、健康上のリスクを課するほどに長くはないであろう。したがって適切なアルファ線放出体 (間接ア
ルファ線放出体も含む)は、典型的には少なくとも30分間、好ましくは少なくとも6時間、より好ましくは少なくとも1日の半減期を有するであろう。アルファ線放出体が半減期と
して少なくとも3日のものが最も好ましい。
長期の被爆を避けるために、アルファ線放出体の半減期は、一般的には1年間よりも短くあるべきである。好ましくは6ヶ月未満、より好ましくは1ヶ月未満である。身体はまた、可能性として、引き続いて起こる崩壊により生じたいずれのアルファ線放射性娘核からの放射線にも被曝するであろう。このため投与されたアルファ線放射体の崩壊系列が1またはそれ以上の他のアルファ線放出体を含むのであるなら、安定核が生成する前の最後のアルファ線放射性同位体までで、かつこれを含め、その崩壊系列で生じるいずれの同位体も、1年間よりも長い半減期を持たないことが好ましい。これは、より好ましくは6ヶ月間よりも長くなく、最も好ましくは1ヶ月間より長くない。
本発明の細胞毒性製剤は、典型的には少なくとも1つのアルファ線放射性核種および少なくとも1つの治療薬剤を治療、予防および/または苦痛緩和の効能を達成するための併
用の用量で含有する。この量は、言うまでもなく使用のために選択される具体的な同位体、他の治療薬剤の特性および数、また治療され、予防処置され、および/または苦痛緩和される病態、種、年齢、性別、体重、患者の健康および予後、投与様式、ターゲティングの有効性、滞留時間、クリアランス様式、医薬組成物の副作用のタイプおよび重篤性に依存し、ならびに当業者には歴然である他の多数の因子にも依存するであろう。放射線の全用量は、各単回投与当り、10キロBq〜10ギガBqの範囲であるのが典型であり、より好ましい範囲は、各単回の投与当り1メガBq〜1ギガBqであろう。同様に他の治療薬剤もまた、アルファ線放射体との併用で治療、予防 および/または苦痛緩和の効能が期待できるレベルで使用されるであろう。他の治療薬剤は通常、知られている治療製剤であるので、通常最少治療投与量の10%と通常の最大治療投与量の500%との間のレベルで用いられるのが典型であろう。この範囲は、より好ましくは通常最少用量の25%から通常最大用量の200%であろう。
ある好ましい態様では、本発明の細胞毒性製剤における全アルファ線の放射レベルは、単一の治療として使用される場合の治療、予防 および/または苦痛緩和の効能を得るために要求される最少用量よりも下回る。(例えばその最少用量の10〜99%、好ましくは25〜75%)である。これは体内放射性核治療によりひき起こされる副作用を減少させるが、治療は有効のままである。少なくとも1つの他の治療薬剤との併用で、本発明の細胞毒性製剤は全体的に有効である。より好ましい態様では、他の治療薬剤はそれぞれ正常の最少投与量より下回るレベルで使用される。例えば正常の最少治療用量の10〜99%で、好ましくはそれらの正常治療用量の25〜75%で用いられる。これは先と同様、副作用の危険を減らすことに役立ち、しかも患者を受け容れ難い副作用に曝すことなく、有効性全体でより高いレベルを可能とするものである。
本発明の別の好ましい態様において、本発明の細胞毒性製剤におけるアルファ線放射性核および少なくとも1つの他の治療薬剤はそれらの投与量に関して相乗的である。すなわち、本発明の細胞毒性製剤により与えられる効果が、アルファ線放射性核種および少なくとも1つの治療剤が別々に使用されたときに投与された用量の加算的な効果から期待されるよりもさらに大きいということである。代替の、しかし好ましい態様において、本発明の細胞毒性製剤にあるアルファ線放射性核および少なくとも1つの他の治療薬剤は、それらの副作用に関して相乗的である。すなわち、本発明の細胞毒性製剤により惹き起こされる副作用は、アルファ線放射性核または少なくとも1つの他の治療薬剤が別々に使用され、本発明と同等の治療効果がそれらのいずれかにより与えられる時に予想される副作用よりも小さい。
本発明のある態様で極めて有利なことは、上記細胞毒性製剤がリポソーム内で放射性核種のアルファ崩壊により産生された娘核種を驚くほど維持することができるということである。このことは、最初の放射性核種と安定同位体との間の放射性崩壊系列で産生された娘核および/または他のいずれの核もまたアルファ線放射性核種である場合に特に重要で
ある。従ってある態様において、リポソームが崩壊過程で少なくとも1個のアルファ線放
射性核種をさらに産生するアルファ線放射性核種を含む溶液をカプセル化することが好ましい。リポソームがこのさらなるアルファ線放射性核種を安定的に保持することができることが望ましい。さらにリポソームはさらなる放射性崩壊で産生される後続のアルファ線放射性核種いずれも保持することができることが望ましい。
本発明の別の態様において母核がアルファ線放射体である場合に、その娘核がかなりの程度、保持されないかも知れない。しかしながらこのことは、ある状況、特に娘核の崩壊が急速であるために、その娘同位体が生成後にかなり移行する(translocate)時間を持
てない場合には許容される。そのような急速な崩壊は、例えば1時間未満、好ましくは20
分未満および最も好ましくは1分未満の半減期を持つものであるかも知れない。同様に娘
核種の半減期が体からのクリアランスに関して長い場合には、娘核のほとんどは排除される前には崩壊せず、このため実質上、有害なことは生じない。このことは少なくとも1日
、好ましくは少なくとも3日、および より好ましくは少なくとも10日の半減期を有するものであろう。
リポソームはもし放射性崩壊から生じる娘核の少なくとも10%がリポソームにより捕獲
されている溶液内に保持されるならば、放射性崩壊で産生される娘核を安定的に保持することができると見なせる。好ましくは少なくとも娘核の25%が保持され、より好ましくは
少なくとも30%がこのカプセル化された溶液内に保持されるべきである。これはアルファ
線放射性核種の他の投与形態(崩壊するや核反跳により娘核100%が事実上喪失されてしまう)よりも相当に有利なことである。
本発明の細胞毒性製剤が非全身(特に局所的または一部領域)の使用のために配合処方される場合、リポソームはより大きくてもよく、崩壊しつつあるアルファ線放射性核をより大きい割合で保持するであろう。これらの適用では、崩壊しつつあるアルファ線放射性核種の少なくとも40%、および好ましくは少なくとも50%が保持されるであろう。
本発明の細胞毒性製剤の驚くべき、有利な面は、それらが局所でのアルファ崩壊による高エネルギー衝撃のもとでさえ、リポソーム内容物を保持することができることである。かくしてある態様において、前記細胞毒性製剤は、アルファ線放射性核種の半減期よりも大きい間、他の治療薬剤の少なくとも50%を保持する。これは好ましくは60%よりも大きく、より好ましくは少なくとも75%である。
本発明で利用されるリポソームは、いずれかの適切な脂質またはその混合物から形成されてもよく、一枚膜、二枚膜、または多重層であってもよい。本発明者は驚くべきことに、リポソームがその構造を維持でき、かつ親核および娘放射性核および1つ以上の付加的な治療薬剤を、治療レベルのアルファ線照射およびその結果の核反跳によって惹き起こされる損傷に曝される条件下でも、保持することを確立したのである。理論に拘泥するわけではないが、この驚くべき能力は、損傷に曝されると「修復する」というリポソームの能力の結果であると本発明者は信ずる。
かくしてリポソームの膜構造を形成する脂質または脂質混合物は、生理的温度または室温のあたり、あるいはそれより低い温度転移型の(thermotropic)転移温度を有することが好ましい。かようにしてリポソーム膜の流動性は、増強され、「修復する」その能力も最大化される。結果的に本発明のある態様において、リポソームがおよそ10〜50°C、好
ましくは18〜45°C、より好ましくは20〜40°Cの温度転移型の転移温度を有する脂質または脂質混合物から形成される。脂質混合物が利用される場合、必ずしも全部の成分がこれらの範囲で転移温度を有する必要がない。しかし、好ましくは少なくとも一つの脂質成分がそうした転移温度を持ち、この範囲内で該混合物が全体として転移温度を有することがより望ましい。
本発明の細胞毒性製剤は、好ましい態様において、室温で保管している間、内容物(特にアルファ線放射性核および/または少なくとも1つの他治療薬の喪失)の喪失に対して
少なくとも 3日、好ましくは少なくとも1週間、ならびに最も好ましくは 少なくとも3週
間の貯蔵で安定である。したがってこの安定性は極めて驚くべきものである。なぜならばこの保管の間、細胞毒性製剤のリポソームは、患者内で広範な細胞殺傷ができる治療用量に対して少なくとも等価である、あるレベルのアルファ粒子および反跳娘核により、繰り返し穴があけられている。
これに関連して安定して保持されるとは、保存期間の間に、リポソームから内容物(特
にアルファ線放射性核種および/または少なくとも他の活性薬剤)の20%を超えない、好ま
しくは10%以下、ならびに最も好ましくは5%以下が、周囲の溶液中に失われることを示す
。再び理論に拘泥するわけではないが、リポソーム膜のアルファ線照射および/または反
跳によって穴をあけられた後の自己修復("self heal")能力はこの驚くべき保持の度合
いを可能とするものである。
本明細書で使用される用語、「リポソーム」 は、溶媒の少なくとも一領域を取り囲ん
で内包している少なくとも1つの脂質二重層を含む小胞構造を示すために使用される。1つの二重層より多く存在してもよく、そうしたリポソームは一枚膜小胞(uni-lamellar vesicle)であるか、あるいは多重層小胞(MLV)であってもよい。同様にMLVの膜間に溶媒領域を有することによって、1つより多い領域が内包されてもよく、および/または2個またはそれ以上のリポソームが融合するかまたは会合して、2つまたはそれ以上の、少なくとも1個の脂質二重層によって区分されている溶媒領域を内包することになる。1つまたはそれ以上の脂質二重層によって本質的に取込まれている溶媒領域はいずれも内包された領域とみなされる。1以上の溶媒領域が内包されている場合、これらの領域は通常は、実質的に類似の溶媒および溶液の成分を含有するであろう。
本発明のリポソームによって内包される溶媒領域は、一般的には上記の少なくとも1つのアルファ線放射性核種および少なくとも1つの他の治療薬剤をその中に溶解または懸濁させた水溶液であろう。その溶媒領域は、追加して他の製剤上許容される成分、とりわけキレート化および/または錯化薬剤および/またはイオノフォア、pH調整剤、浸透圧調整剤、ターゲティング剤などである。
ターゲティング基のないリポソームは、腫瘍に関係した血管開窓(tumour-associated vascular fenestration)により固形腫瘍に受動的に取込まれる傾向にある。このことは
、治療する疾患が固形腫瘍を含む場合に、二元/多元の(dual/multiply)本発明活性細胞毒性製剤の受動的ターゲティングを可能とする。リポソームによる腫瘍取り込みのもととなる機構は、可能性として腫瘍の血管新生で往々に見出される毛細血管様漏出であるが、これによりリポソームは、その毛細血管壁を通して腫瘍間質内に拡散していくが、正常組織には拡散しない。
本発明のリポソームは、アルファ線放射体および/または少なくとも1つの他治療薬剤
の所望する部位をターゲットするその能力を高めるために改変してもよく、および/また
はそれらのクリアランス速度および/またはクリアランス様式を制御するために改変して
もよい。特にインビボで、リポソームのクリアランス速度はリポソーム表面を、ポリアル
キレングリコールを含む分子で修飾することによってしばしば低減させることができる。そうした分子は、通常少なくとも1つのポリアルキレン鎖(例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレンまたはそれらの混合物)および少なくとも1つの膜親和性基(例えば脂肪酸鎖またはC8〜C24アルカニル基またはアルケニル基)を有するであろう。ポリエチレングリコール-グラフト化脂質、および/またはポリプロピレングリコールで修飾した膜可溶性分子などの例が挙げられる。そのような表面修飾は、当業者に精通されている。表面が修飾されたリポソームは、極めて望ましく、特に全身的な使用の場合、それらが血流中で、より長い滞留時間を有するために望ましい。その結果、そうしたリポソームは腫瘍(新生)脈管の「漏れやすい」特質を有利に利用するためのより大きい機会を得ることになり、より大きい腫瘍ターゲティング作用を与えるであろう。
リポソームは少なくとも1つのターゲティング部分で表面修飾することにより、所望の作用部位に向けて有効に指向化される。適切なターゲティング部分として細胞表面レセプター、レセプターフラグメント、細胞接着分子およびそのフラグメント、抗体、抗体構築物、抗体フラグメントおよび単一鎖抗体といったポリペプチド、エストロゲンおよびテストステロンのようなホルモンまたはホルモンアナログ、および葉酸または葉酸アナログといった低分子などが挙げられる。特にターゲティング部分は、細胞表面あるいは標的細胞によって異常に高濃度に産生された細胞外作用物質に結合する部分が有利であろう。そうした作用物質には、エストロゲンおよびテストステロンレセプターおよび/またはエスト
ロゲンレセプターのようなホルモンレセプターが挙げられる。腫瘍細胞に結合したレセプターに親和性を持つモノクローナル抗体または他の分子をリポソームに複合化させることにより、リポソームは、より有効に固形腫瘍に局在化するだけでなく、単一の細胞または微小転移疾患に対し、積極的に指向化され得る。
ある態様においては、リポソームは、モノクローナル抗体またはそのFABフラグメント
に複合化した葉酸で表面修飾されない。本発明で使用されるリポソームは、典型的には
全身、一部の範囲および/または局所の治療に好適であろう。局所または一部の部分(例えば体腔内intracavitary) で使用されるリポソームは、血流への全身適用に意図されるも
のよりもより大きいであろう。
血流への投与(例えば系静脈または経動脈注射または注入)に向いているリポソームは、一般的にはその一番大きい次元で10μmよりも大きくなく、好ましくは1μmよりも大き
くなく、より好ましくは200nmよりも大きくない。
極めて小さいリポソームは、治療のアルファ線照射(および生じる核の反跳)による著しく破壊的な作用のもと、その内容物を効率よく保持することはないであろう。そのため一般的にはリポソームは、最大次元で10nmよりも小さくなく、好ましくは20nmよりも小さくなく、およびより好ましくは40nmよりも小さくない。
ある好ましい態様において本発明の細胞毒性製剤に使用されるリポソームは、その最大次元で100 nm(例えば105 nmまたはそれ以上)よりも小さくない。血流へ投与すること以外の治療について、リポソームの最大次元は、典型的にはより大きく、100μmまで、好ま
しくは50μmまで、さらに好ましくは30μmまでである。これらの投与方法において、低いクリアランスを与えるためにはリポソームは、その最大次元で少なくとも、100nm好ま
しくは少なくとも2μm、およびより好ましくは 少なくとも5μmである。
本発明の細胞毒性製剤において、製剤全体としてのサンプルは、アルファ線放射性核種および少なくとも1つの他の治療薬剤をともに含むリポソームを含有するであろう。一般的に言って治療効果を有するために必要なアルファ線放射性核種レベルは、他の治療薬剤のレベルと比較して著しく低い。これはアルファ線放射線の極端に高い細胞毒性によるも
のである。結果的に大部分のリポソームは、他の治療薬剤を含有するのであるが、アルファ線放射性核種を全部のリポソームが含有する必要はない。
リポソームの少なくとも80容量%は、アルファ線放射性核種以外に少なくとも1つの他
の治療薬剤を含有することが望ましい。これは好ましくは少なくとも90%、最も好ましく
は少なくとも95%(例えば実質的に100%)である。反対にリポソームの少なくとも10容量%は、放射性核種および他の活性薬剤療法を含むことが望ましい。この割合は、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、ならびに最も好ましくは少なくとも45%が望ましい。代替ではあるが、好ましさが若干低い態様では、2種類のリポソームが存在していてもよく、一方はアルファ線放射性核種を、ならびに他方は少なくとも1つの他の治療薬剤を含有している。
さらなる態様において本発明の細胞毒性製剤は、本明細書に示されるように少なくとも1つのアルファ線放射性核種および少なくとも1つの他の治療薬剤を含有するリポソームをともに含んでもよく、また追加のリポソームとして他の治療薬剤だけ、または好ましくは放射性核種だけを含むものを少量の割合(30容量%以下)で含有していてもよい。これに
よって、細胞毒性製剤の性質は投与前に特定の用途のために微調整される。そのような追加のリポソームは、投与直前に混合することが好ましい。
本発明の細胞毒性製剤を調製する際に使用される適切なリポソームは、当業界で知られた方法によって作製してもよい。あるいは、適切な組成、サイズおよび必要であれば表面修飾されたものを購入してもよい。ある好ましい態様で細胞毒性製剤は、少なくとも1つの非放射性治療薬物を予め内包させた、商業的に入手できるリポソームから調製される。ドキソルビシン(doxorubicin)のようなアントラサイクリン(anthracyclines)のPEG化リポソーム処方製剤がとりわけ好ましく、このものを合成するか商業的に入手できる。予め内包物を有するリポソームで極めて好ましいものは、市販されている処方製剤、Caelyx
(RTM)のようなドキソルビシンのリポソーム製剤である。
本明細書で言及する「他の治療薬剤」とは、本明細書に記載するアルファ線放射性核種とともに併用療法に使用されることに好適な製剤である。そのような治療薬剤は、アルファ線放射性核の望ましくない副作用を軽減するために存在させてもよいが、典型的には自ら細胞の殺傷か、あるいは標的細胞の少なくとも一部分の増殖を制限することができる薬剤である。
特にアルファ線放射性核および他の治療薬剤はともにリポソームとともに分布されるため、両者いずれも細胞毒性であることが好ましく、ならびにそれらは異なる機作によって細胞毒性であることが極めて望ましい。これによって併用療法からの利得を得るための最大の機会が提供される。ある機作に抵抗的である細胞は、別の機作には敏感であるかも知れず、一作用薬により標的細胞にもたらされたストレスは、他の作用薬については該細胞を弱体化させるかもしれないからである。適切な他の治療薬剤は他の形態の放射線を放出する放射性同位体でもよい。例えばベータ粒子、ガンマ線、X線、内部転換電子、オージェ電子またはそれらの組合わせである。また化学治療薬物としては葉酸アナログ、ヌクレオシドアナログ、トーキシン、血管形成阻害剤など;核酸をベースとする治療剤として、プロモーターに作動的にリンクしている遺伝子、アンチセンスのDNAおよび/またはRNA、およびsi(small interfering) DNA/RNA;ウイルス類、それ自体が活性であるか、または不活性であるもの、あるいは遺伝子治療用の担体としてのウイルス;必要に応じて機能化されたモノクローナル抗体、それらの構築物またはフラグメントを含む免疫療法薬;ホウ素捕獲療法(boron capture treatment)に使用されるホウ素といった、他療法を増強する薬剤などが挙げられる。
他の治療薬剤には、標的部位および/または細胞毒性薬剤の分布を可視化するのに役立
つ画像診断薬剤およびイメージング増強剤なども含まれる。そうしたイメージング薬剤にはガンマ線および/またはX線照射同位体、磁気共鳴造影剤(例えばガドリニウム錯体)、
超音波、エコー造影剤および/またはX線コントラスト増強剤(例えば重金属またはヨード原子含有化合物)などが挙げられる。
好ましくは他の治療薬剤がイメージング薬剤である場合、この治療薬剤もまた細胞毒性作用を有するであろうし(測定できるガンマ線放出を伴う細胞毒性のベータ線放射体)、あるいはアルファ線放射体および少なくとも1つの細胞毒性である「他の」治療薬剤と併用されるもので、第3の、またはさらなる治療薬剤として使用されるであろう。
上記の他の治療薬剤は、アルファ線放射体ではないことが好ましい。他の治療薬剤が1
より多い崩壊方式を有する放射性核種である場合、崩壊の1%未満、好ましくは0.5%未満がアルファ崩壊によることが望ましい。
本発明で使用される非放射性治療利用製剤の最も好ましいものは、ドキソルビシンである。
本発明の細胞毒性製剤は、好ましくは少なくとも1つの錯化剤/キレート化剤を含有す
る溶液をカプセル化している。適切な濃度の少なくとも1つの好適な錯化剤/キレート化
剤を与えることにより、リポソームは、親および娘核の放射性核を大量に保持することができ、よって細胞毒性作用のインビボ分布に発揮するコントロールをより有効なものにする。
リポソーム内の溶液は、また娘核をリポソーム外に押し出す核反跳あるいは放射性核種を生じる放射性崩壊の機会を減少させる他の作用剤、および/または他の治療薬剤が脂質
膜のいずれかの一時的な穴を通して逃げ出すことを減少させる他の作用剤を含んでもよい。
他の内部物質の好適なものとして、水溶性ポリマーまたは他の粘度調整物質 (一時的な穴が生じた事態にあって、活性物質がリポソーム外に拡散することを遅くする)ならびに
反跳の娘核が衝突するに至るまでの距離を減らす重金属イオン(放射性または好ましくは
非放射性)などの大きい断面積イオン(large cross-section ions)である。
リポソームにより内包される溶液中の錯化剤/キレート化剤は、典型的には、少なくと
も1つの多座大環状キレート化剤、例えば環状ポリエーテルおよび/または置換または非
置換環状ポリアミン、環状ポリチオエーテル、またはヘテロ原子の混合体である環状化合物などがある。
これらキーラントは単環でも多環であってもよく、その環の好適なサイズは、好ましくは約8〜約20原子、より好ましくは約10〜約18原子であり、ヘテロ原子を環内に2原子と10原子の間、好ましくは3原子と7原子の間で持つものである。環状キーラントは、いずれの炭素原子または適当なヘテロ原子(窒素原子など)において任意の置換基で置換されていてもよい。これらの任意の置換基として、1またはそれ以上のさらなる錯化基、例えばカルボン酸、ホスフォン酸、アミド、アミン(第1級、2級、3級または第4級)、エステルまたはエーテル基が挙げられ、および/または他の目的にかなうものでもよい。例えばキーラ
ントをポリマーの骨格内もしくは骨格上に結びつけて局所的濃度またはキレート化部分を増大させることになる。
好適なキレート化剤の例として
1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-四酢酸(DOTA)、
1,4,7,10-テトラアザシクロトリデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-四酢酸(TRITA
)、
1,4,7,10-テトラアザシクロテトラデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-四酢酸(TETA
)、
1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-テトラ(メチレン)ホ
スホン酸(DOTMP)、
1,4,7,10-テトラアザシクロトリデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-テトラ(メチレン)
ホスホン酸、
1,4,7,10-テトラアザシクロテトラデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-テトラ(メチレン
)ホスホン酸、
ジエチレントリアミン-N,N',N''-五酢酸およびその異性体誘導体、
クリプテート[2,2,2]、クリプテート[3,2,2]、クリプテート[2,2,1] およびそのモノ−およびジ−ベンゾ誘導体、
富電子(ドナー)基(ヒドロキシル、カルボキシル、エステル、アミド、アミン)を有する架橋カリックス[4]アレン、
1,10-ジアザ-4,7,13,16-テトラオキサシクロオクタデカン-1,10,N,N'-ビス-酢酸、および
1,10-ジアザ-4,7,13,16-テトラオキサシクロオクタデカン-1,10,N,N'-ビス-マロネートなどが挙げられる。
上記キレート化剤は重金属放射性核種ならびに適切であるならリポソーム内に望ましく保持されているいずれの娘放射性核の通常原子価および酸化状態に対応して選択されることが好ましい。例えば、当初のアルファ線放射性核として227Thを含むのであるならば、
このものは4+ 酸化状態において最も安定である遷移金属である。しかしアルファ崩壊す
ると223Raを生成し、この金属は2+の酸化状態を採るアルカリ土類金属である。223Raもまたアルファ線放射性核種であるため、親核および娘核の同位体をなるべく多い割合で保持することが重要である。それゆえ適切なリポソームが4+の遷移金属および2+のアルカリ土類金属をともに保持するのに好適であるキレート化剤を含み、同様にして必要であれば崩壊系列の他の核種イオンを保持するのに好適であるキレート化剤(そのキーラントは、最
初の2つのイオンについて検討したものと同じであってもよい。)を含んでもよい。しか
しながら同位体の半減期が極めて短い場合には対応するキレート化が存在することは特に重要ではないことは明白であろう。
かくしてある態様において、本発明の細胞毒性製剤は少なくとも1つのアルファ線放射性核種とともに、崩壊系列(該アルファ線放射性核種で始まり、安定同位体に到達する前の最終アルファ線放射性核種で終わる)における各放射性核種の1以上の共通イオンをキ
レート化するために好適であるキーラントを含有する溶液をカプセル化するリポソームを含む。しかしながら、極めて短寿命の核種についてはキレート化する必要はないため、これらのキーラントでは、10秒未満、好ましくは5秒未満、最も好ましくは1秒未満の半減期を有するいずれの同位体もキレート化の例外となるかもしれない。
キレート化は、放射性核種が例えば貴ガスのような反応性に乏しい元素である場合にも必要でないだろう。もっともそのようなケースでは、粘度効果が拡散速度を低めるために利用されることが好ましいかも知れない。上昇した重金属イオン濃度の場合と同様である。
本明細書で記載するイオノフォアもまた本発明で使用される重原子イオンをキレート化することに寄与するため(下記する)、本明細書で言及する「キレート化剤」は、本発明のある態様ではイオノフォアであってもよい。そうした場合には本発明の細胞毒性製剤にあるイオノフォアおよびキーラントの成分は同一化合物になるかも知れず、双方の役割に奏
効するのに充分なレベルで存在するであろう。
別の態様において上記キーラントは、イオノフォアにより与えられるいずれのキレート化作用とは別にさらに存在してもよい。そのような態様では、本明細書でいうキーラントは、イオノフォア成分ではない。
さらにある生物活性物質が、本発明のアルファ線放射性核および/または娘放射性核種
を複合化させるのに有用であるため、そうした複合化物質は、本明細書でいう「他の治療薬剤」であってもよい。キレート化能のある治療薬剤の好ましい例は、ドキソルビシンである。
本発明の細胞毒性製剤は少なくとも1つのイオノフォアを含有する溶液をカプセル化していることが好ましい。好適なイオノフォアは、アルファ線放射性核種がリポソームの(
少なくとも1つの)膜二重層を通過して移動することを可能とし、またリポソーム内に放
射性核(特に親核)を捕獲することを支援する。適切なイオノフォアには重金属イオンを、膜二重層を通して搬送できるいずれの分子が含まれる。あるイオノフォア (例えばカルシウムイオノフォアのA 23187)は天然に生成しており、かなりに精製した、または高度に精製した抽出物の形態で使用することができ、他のものは合成して生成することができる。合成イオノフォアは、重金属イオンをキレート化するために好ましくは2または3個の置換されたアミド基、ならびに充分な脂溶性を与える疎水性の置換基を数個(特にアミド基1つ当たり2個)含むことが望ましい。好ましい基は、例えばC1〜C18、とりわけC3〜C10
のアルキル置換基である。
カルシウムおよびマグネシウムイオノフォア、例えばA 23187; N,N,N',N'-テトラブチ
ル-3,6-ジオキサオクタンジ [チオアミド]); N,N,N',N'-テトラシクロヘキシル-3-オキサペンタンジアミド; N,N-ジシクロヘキシル-N',N'-ジオクタデシル-ジグリコリックジアミド; N,N'-ジヘプチル-N,N'-ジメチル-1-ブタンジアミド; N,N"-オクタメチレン-ビス[N'-ヘプチル-N'-メチルマロンアミド], および当業界で公知の他のものなどは、安定な2+ の酸化状態を有する金属イオン、とりわけ223Ra のようなRa2+、および/または224Raに特に好適である。同様に公知のPb イオノフォア、例えばN,N-ジオクタデシル-N',N'-ジプロピル-3,6-ジオキサオクタンジアミドは、特に4+ の酸化状態の重金属イオン、例えばTh4+(
227Th)に好適である。
本発明の細胞毒性製剤は、特異的な細胞殺傷に極めて好適であり、したがって過形成性疾患および/または新生物疾患の治療の使用に有効であり、かつ、そのような治療用医薬
品の製造のために有効である。本発明の細胞毒性製剤は、良性、悪性および/または転移
性の癌および/または白血病における疾患細胞を除去するための使用に特に向いている。
本発明製剤による治療が好適である具体的な疾患の例として、小細胞肺癌および非小細胞肺癌、悪性メラノーマ、卵巣癌、乳癌、骨癌、結腸癌、膀胱癌、子宮頸管癌、肉腫、リンパ腫、白血病および前立腺腫瘍が挙げられる。本発明の用途に特に適用可能である他の疾患として、非癌の、特に増殖性疾患および関節炎を含む疾患(特に骨の疾患)における痛みの軽減のためが挙げられる。さらに本発明の細胞毒性製剤は、細網内皮系(RES)を標
的として使用することができ、免疫調整のために使用できる。そのような治療に対する適する疾患として、自己免疫および組織拒絶反応があり、ならびに本発明の製剤は特に移植手術における移植片拒絶反応を防止することを支援するために用いられてもよい。
こうしてこれらの局面の一態様は、疾患の治療、特に腫瘍の局所的治療の方法に関する。このような治療は、治療有効量の本発明の細胞毒性製剤をかかる治療を要する対象(一般にヒト患者)に腫瘍内の注射または注入により適用されることが好ましいかもしれない。このような治療方法は腫瘍組織および/または腫瘍の血管新生の局所的照射を与え、それと併用される少なくとも1つの他治療薬剤の送達も与える、アルファ線放射性核種はこの実施態様において著しく有効である。なぜならそれらの飛程が短く、周囲の健康な組織への損傷が最小となるからである。本発明のこの実施態様から特に利益を受け得る疾患の例は、固形腫瘍を生じる疾患、例えば、非小細胞肺癌、悪性メラノーマ、卵巣癌、結腸癌、肉腫、および前立腺腫瘍である。
本発明のさらなる実施態様は、局所播種性癌(disseminated cancer)、例えば肝臓腫
瘍、あるいは腹腔内もしくは頭蓋内に限局された疾患を治療するための方法に関する。かかる治療は、本発明の細胞毒性製剤または組成物を治療有効量で、このような治療を要する対象へ、ロコ-リージョナル(loco-regional)注射または注入により適用されることが特に好ましいかもしれない。
本発明のさらなる実施態様は、局所播種性癌、例えば肝臓腫瘍を本発明の細胞毒性製剤を含有する液体処方物を、治療有効量を投与することにより治療する方法に関する。かかる治療は、本発明の細胞毒性製剤または組成物を治療有効量で、このような治療を要する対象へ、特に患部の部分、器官への血液供給路、例えば肝臓癌の場合には、肝臓への血液供給路に適用されることが特に好ましいかもしれない。これにより作用物質/組成物が腫
瘍へ搬送されることを促進するであろう。
本発明のさらなる実施態様は、本発明による細胞毒性製剤を含む医薬処方製剤の治療有効量を、このような治療を要する患者へ静脈内の注射もしくは注入、またはその他の全身投与による全身播種性癌治療のための方法に関する。
本発明のさらなる実施態様は、空洞内腫瘍(intracavitary tumors)治療のための方法に関するものである。その方法において本発明の細胞毒性製剤が、腫瘍で冒された空洞への注射または注入により、このような治療を要する患者に治療有効量で投与され、空洞表面への治療効果を得るために、充分な期間そこに保持される。このような空洞として、頭蓋腔、腹腔並びに心膜滲出(pericadial effusion)および中皮腫により生じた空洞が挙
げられ、投与は癌、例えば、頭蓋内の癌、腹腔内の癌または心膜滲出および中皮腫により生じた空洞内に位置する癌に適している。
さらなる態様において本発明は、他の治療方法(特に外部ビーム照射および特に手術)に続く局所、一部領域および/または全身の追跡治療として本発明の細胞毒性製剤の使用
を提供する。この態様では上記細胞毒性製剤は、他の方法では殺傷されなかったか、あるいは手術で除去しきれなくて残存している疾患細胞いずれも除去することを支援するために投与されてもよい。特に固形腫瘍を体の空洞から切除する場合、疾患細胞が残存する危険を減らすために腫瘍の付着場所および/または空洞表面を処置してもよい。
これは局所治療の態様であり、そこでは細胞毒性製剤が、手術処置の間に直接適用される液体、ゲル、クリーム、軟膏、塗布剤、スプレー剤、または類似のものとして処方される。この形態ではゲル、クリーム、軟膏、ペイント、とりわけゲルが極めて好適である。代わりに(または追加的に)細胞毒性製剤は手術後に空洞に適用してもよい。例えば空洞内への注射または注入により手術後の消毒作用に類似する効果を達成できる。
知られているか、疑いがあるか、さもなくば徴候がある転移疾患の場合、本発明製剤は手術切除または原発腫瘍に対する他の治療と併用して全身に投与してもよい。そうしたケースでは、本発明製剤は、通常、血流中に投与させるに好適な注射可能なおよび/または注入可能な液体として処方される。
上記したように、本発明製剤の適切な用途は注射可能なおよび/または注入可能な液体(必要なら投与前に希釈)形態の医薬組成物として、クリーム、ゲル、可溶性もしくは不溶
性のパッチ、ペースト、塗布剤、軟膏剤、スプレー剤、含浸された吸収性もしくは非吸収性のガーゼ、および当業者に公知である他の適切な処方物として処方される。
そうした組成物は少なくとも1つの製薬上寛容されるキャリヤー(担体)および賦形剤、例えば、注射用の水、無菌の生理食塩水、緩衝液、増粘剤、着色剤、安定化剤、pH調節剤、粘度改良剤、浸透圧調節剤、塩、糖、物理的支持体およびその他の当業者に公知の物質を含むことが好ましい。上記組成物は、適切な何らかの方法で投与される。例えば、カテーテル手段による注入、標準の注射針と注射器、または無針の注射器の手段による注射、あるいはスプレー、塗布などにより局所用処方物を直接適用するなどである。
本発明の好ましい態様において、本明細書に記載された細胞毒性製剤は、少なくとも3つの段階を含む、治療手順の一部として適用される。
a)少なくとも1つのイメージング剤またはイメージング増強剤を含むリポソームを投与すること。これによりリポソームの分布および腫瘍ターゲティングの潜在可能性を評価する; b)非放射性リポソームを少なくとも1回の用量を用いる予備治療。これにより肝臓/細網内皮系(RES)に蓄積されることを減らす。
c) 本発明の細胞毒性製剤を少なくとも1回投与すること。
一般的に、a), b)およびc)の段階はその順序で行われるが、a)段階のリポソームは、b)段階の予備的処理としても機能させてもよく、そうした場合、これらの段階は同時に実施されるがb)段階の予備治療は、a)のイメージング段階よりも前に行ってもよい。12時間〜10日、好ましくは24時間〜7日、さらに好ましくは2〜6日が、予備治療のb)段階と投与段
階c)との間におくことが望ましい。a)段階およびc)段階のリポソームは、本質的に同じ脂質または脂質混合物を本質的に同じ割合で含み、さらに本質的に同じ平均サイズであり、同じその分布を有することが望ましく、それによってa)段階のリポソーム分布は、正確にc)段階の治療時のその分布を反映することとなる。極めて好ましい態様における段階b)のリポソームは、アルファ線放射性核以外に、少なくとも1つの治療薬剤を担持するであろう。この態様で特に段階b)のリポソームもまた、上記のようにa) および c)の段階のリポソームに似た特徴を有することが好ましい。上記の方法は、その方法全部の1回以上の反
復および/または段階b)およびc)の反復によって強化されるであろう。
上記の方法に対する代替方法で、例えばリポソームの使用による可視化が必要とされない場合には、上記方法のb)およびc)段階は、a)段階のない形態か、それとは独立して使用されてもよい。b)およびc)段階は、本発明の細胞毒性製剤を投与する非常に好ましい方法を与える。それは肝臓のような標的としないある組織への取り込みをこの方法で制御できるからである。好ましい方法は、b)段階で「他」の治療薬剤を含有するがアルファ線放射体を含まないリポソームを投与し、次いでc)段階で対応する細胞毒性製剤を上記のように所定の時間に投与することである。
本発明は、少なくとも1つのアルファ線放射性核種および少なくとも1つの他の治療薬剤を含む溶液を内包するリポソームを生成する方法を提供する。この方法は、アルファ線放射性核種以外の少なくとも1つの治療薬剤を含有する溶液を内包しているリポソームを、少なくとも1つのイオノフォアおよび少なくとも1つのアルファ線放射性核種を含有する溶液と接触させることを含む。好ましくは本発明の方法は、ここに記載した本発明の細胞毒性製剤を生成する方法である。そのリポソームは上記のリポソームが好ましく、少なくとも1つの他の治療薬剤に加えて少なくも1つのキレート化剤を含有することが好ましい。
本発明の代替方法において、他の治療薬剤は放射性核種を有するリポソームの充填の後および/または同時にリポソーム内に充填してもよい。その充填が同時である場合、この
ことはリポソームの生成/再形成の間であってもよく、あるいはリポソームが作られてか
らでもよい。
本発明方法はアルファ線放射性核種以外に少なくとも1つの治療薬剤および少なくとも1つのキーラント(上記のようなイオノフォアであってもよい)を含有する溶液を内包するリポソームと、少なくとも1つのイオノフォアおよび少なくとも1つのアルファ線放射性核種を含有する「充填溶液(loading solution)」とを接触させることを含んでもよい。あるいはキーラントの全濃度は、上記充填溶液からリポソーム膜を横切る輸送によって与えられる。
リポソームと上記充填溶液との接触は、生理的温度よりも上の温度で実施されることが好ましい。それゆえ該温度は、好ましくはおよそ45〜90℃、より好ましくはおよそ50〜80°C および最も好ましくはおよそ60〜75°Cである。さらに、イオノフォアは適切に選択すべきで、その結果上昇した温度(上記のように) で、重金属放射性核がリポソーム膜を横切って輸送されることができることが必要であり、生理的および/または室温および/または冷蔵保存ではそうならない。この局面で適切なイオノフォアの選択は、リポソームに使用される脂質に依存するであろう。その選択は、本発明方法において充填効率ならびに生理的/室温/冷蔵保存の温度での充填安定性についての通常の試験でなし得るものである。このことは、イオノフォア中の疎水性基の数および性質は該分子が脂質膜を横切ることができる容易さに関係するであろうということを認識する当業者によって容易になし得るものであろう。
本発明方法は、充填溶液と接触させる前に、アルファ線放射性同位元素以外に少なくとも1つの治療薬剤を含むリポソームを形成する段階を追加的に含んでもよい。そのような方法もまた当業界で周知であるが、活性薬剤および/またはキーラントおよび/または他の本明細書に示すような薬剤を望みのように組み合わせるために用いてもよい。あるいは治療薬剤を含有するリポソームが医薬品純度で商業的に入手でき、これを出発物質として用いてもよい。
リポソームの形成の間またはその後および/または充填溶液との接触後に、それらのリ
ポソームは、本明細書に記載するように所望の滞留性および/またはターゲティング特性
を与えるようにその表面を機能化させ、および/または表面を改変してもよい。
リポソームを作製し、機能化させるすべての段階は、それにアルファ線放射性核種を充填させる前に実施することが好ましい。この方式で、リポソームは比較的、大スケールで効率よく作製され、(必要ならアルファ線放射性核の数倍の半減期より長い期間)貯蔵される。
予め調製されたこれらのリポソーム (本明細書に記載する本発明キットの好ましい要素を形成する) は、投与する少し前に放射性核種で充填してもよい。このようにして検査室はリポソーム成分および放射性核種源のストックを常備し、必要になれば本発明方法により簡単に充填できる。このことは、あるバッチが必要となるごとに困難なく、かつ大掛かりな調製工程も必要とせずに、比較的短寿命のアルファ線放射性核種を併用療法で日常的に使用することを可能とする点で、多大な利益を与える。本発明方法のこの態様では、イオノフォアは、(本明細書に記載の)適切なアルファ線放射性核の新鮮なサンプルと接触させ、これにより前記のイオノフォアおよびアルファ線放射性核の溶液が形成される。次いでこの溶液は本明細書に記載の本発明方法で好適なリポソームと接触させられる。.
別のさらなる態様で本発明は、リポソームを含む細胞毒性製剤の調整用キットを提供す
る。該リポソームは、少なくとも1つのアルファ線放射性核種および少なくとも1つの他の治療薬剤を含有する溶液を内包する。そのキットは以下を含む:
少なくとも1つの他の治療薬剤および好ましくは少なくとも1つのキレート化剤を含有する溶液をカプセル化したリポソーム(該リポソームは水性懸濁液であることが好ましい)少なくとも1つのアルファ線放射性核種;
イオノフォア、好ましくは溶液の形態;および
必要に応じ、本発明のキットは、また他の製薬上許容される他の担体または賦形剤および/または細胞毒性製剤を投与する手段および/または本発明の細胞毒性製剤を調製する説明指示書を含んでもよい。
本発明の細胞毒性製剤は、本発明方法により、先に作製された好適なリポソームから簡単に調製されてもよいので、さらなる局面として本発明は、以下を含むキットを提供する:
必要に応じ、および好ましくはアルファ線放射性核種以外に少なくとも1つの治療薬剤および好ましくは少なくとも1つのキレート化剤を含む溶液を先に充填したリポソーム(該リポソームは水性懸濁液の形態であることが好ましい)
イオノフォア、好ましくは溶液形態; および
必要なら、また好ましくは前記リポソームを充填させる(これにより本発明の細胞毒性製剤を製造できる)ための説明指示書。その説明書には、前記イオノフォアがアルファ線放射性核の新鮮なサンプルと接触させるべきであること(それらのイオノフォアおよびアルファ線放射性核種の溶液が形成され、引き続きまたは同時にこの生成した溶液を該リポソームと接触させる。)を示すことが最も好ましい。
以下、本発明を、限定を意図しない実施例によってさらに説明する。上記および以下の実施例で言及される文献すべては、参照により本明細書に取り込まれる。
[実施例]
材料および方法
・放射性核の調製
ラジウム-223は、227Ac (tl/2 =21 y)および227Th (tl/2 =18.7 d)から、以前に示されたHenriksen法(Henriksenら、Radiochim Acta 89, 661-666 (2001))に基づいて製造され
た。簡潔に述べると、223Raは、227Acおよび227Thのアクチニドから、Ac-樹脂の使用、次いで陽イオン交換クロマトグラフィーおよび無菌フィルター(Millex GV 0.22 mm, Millipore Carrigtwohill Co, Irland)を通すろ過によって分離された。
223Raのリポソームへの充填
1.1 リポソームに内包させたドキソルビシン(CaelyxR, Schering Plough AS, Eiksmarka, ノルウェー)は2mg doxorubicin/mlに相当し、これを20mM HEPESおよび300mMシュクロースを含み、NaOHでpH 7〜8に調整した緩衝液を使用してバッファ交換をした。次に遠心濃縮カートリッジ(Millipore UFV2BTK10, 30 KNMWL膜, 15 ml最大容量, Millipore, Bedford, IL, 米国)をエッペンドルフ遠心器 5810R (Eppendorf,ドイツ)に挿入し、20℃および1400 rpmで操作して3倍に濃縮した。カルシウムイオノフォア(Ca-イオノフォア, Calcimycin, Sigma, St Louis, MI, 米国) をクロロホルム中で溶解し、1 mg/ml濃度とした。 約15 mlを2 mlバイアル中に加えてアルゴン気流中でクロロホルムを蒸発させ、そのバイアルの内壁表面上にCa-イオノフォア薄膜を形成させた。223Ra溶液をシュクロース(300mM)およびHEPES (20mM)溶液に希釈した。
そのバイアルを60℃に予備加熱し、200 mlの濃縮Caelyxを添加した。その充填混合物を45分間、サーモミキサー(Eppendorf, Germany)で振盪し、次いで10 mM EDTA溶液、200 ml
を添加した。5〜10分間、さらに振盪して混合物をSephadex G-25 PD-10カラムに移し、0.9% NaCl溶液で溶出した。リポソームを含有する画分は、視認できる赤い色であり、 回収して10%の10 ' Dulbecco改変Eagles培地(Sigma, MI, 米国)を加えた。続いて無菌ドラフト内で、リポソームを0.22μmの無菌フィルター(Millex GV 0.22μm, Millipore Carrigtwohill Co, アイルランド) を通す無菌濾過により10 ml容バイアル中に収容し、それから金属/ゴムキャップで密封した。そのバイアルを少なくとも3時間、保管して223Raとその娘核との平衡に到達させた。その後、Capintec dose calibrator(娘核種と平衡にある223Ra系列について較正された)を使用して放射活性の定量を行なった。
1.2充填収率
CaelyxR リポソームに充填された223Ra量は、3つのそれぞれの実験について51〜67%のオーダーであった。イオノフォアを存在させないことを除く同一の条件下で、223Raおよ
びリポソームを用いるコントロール実験は、Sephadex G-25 カラムから溶出されたリポソーム画分における223Raが1%未満であることを示した。
動物実験
10匹のヌードマウスを、OHS 骨肉腫異種移植を用いて用意した。各マウスに、 Caelyx
リポソームにカプセル化した223Ra(実施例1で調製した)を375 kBq/kg用量で1回、皮下に投与した。
1時間後、1日後および4日後に、それぞれ3、3、および4匹の動物を犠死させて放
射性物質の組織分布を測定した。放射性核種の分布は、またリポソームの溶液の塩(その中にはカプセル化させていない)としてラジウムを投与したコントロールと比較した。
結果:
データは、放射活性の血液クリアランスがこのタイプのリポソームに予測されるクリアランスのものと矛盾がないことを示す。肝臓での取り込みは、調べた期間全体にわたり、比較的低いようであったが、他方著しい取り込みが脾臓であった。骨への取り込みは、大腿骨および頭骨における活性で示されるように時間とともに上昇した。これはおそらく223Raの放出をひき起こしているリポソームの分解がゆっくりであるためである。
2つの形態の223Raについて、時間分布の間で明確な差異があった。この相違は、特に
血液において高く、これは血液からのリポソームの低クリアランスおよび部分的には遊離223Raの急速なクリアランスのためである。ほとんどの軟組織で、リポソーム形態の滞留
は著しく上昇した。
この腫瘍モデルにおいてリポソーム形態の腫瘍取り込みは、当初は低い脈管化のために低調であったが、時間とともに増加した。腫瘍での保持は、ほとんどの他軟組織のおける保持よりも高かった(表3および図1)。
結論:リポソーム併用療法として、ドキソルビシンとともに投与された223Raは、ヌード
マウスにおいて相関のある生体内分布を示した。
Figure 2008517049
前処置をして生体内分布およびクリアランス
実施例3および4のために、正常な両性のBalb/C マウス(約12週齢で体重18-25g)を使用
し、実施例1に従い作製されたリポソームが充填された。研究プロトコルは、欧州会議(the Council of Europe)が発した「実験および他の科学目的に使用される脊椎動物の保護の欧州条約」(European Convention for the Protection of Vertebrate Animals used for Experimental other Scientific Purposes) (ETS 123)に従うもので、ノルウェー動物研究局(The Norwegian Animal Research Authority)により承認された。マウスは標準条件のもとに飼育され、食餌および水を自由摂取とした。
前処置の最適化
リポソーム223Raを注射する前において、その細網内皮系(RES)取り込みを減らすためにマウスをドキソルビシン・リポソーム(CaelyxR)で前処置した。最適化研究を、主となる
血液クリアランスおよび生体分布実験の前に行なって前処置と主治療との間における好適な時間間隔を決定した。この最適化研究では、マウスを各群に1匹の雌マウスおよび1匹の雄マウスを有するように4つの異なるグループに分割した。
グループ1および2は、それぞれ4日間と1日間、 静脈注射によるドキソルビシン・リ
ポソーム(8.1mg/kg)を用いる前処置を受け、その後リポソーム223Ra(500kBq/kg 223Raお
よびドキソルビシン・リポソーム 0.9mg/kg)を用いる主治療を受けた。グループ3は、前
処置および主治療を同時に受け、グループ4は前処置を受けなかった。
治療して4時間後、安楽死させる前に麻酔(ハロタン)下、心臓に穿刺して血液を抜いた。血液、尿、糞便および様々な組織における放射活性をCrystal II Multidetector System(Packard Inst. Co. Inc, Downers Grove, IL)により測定し、結果を試験製剤からの標準注入の測定と比較した。
最適化研究のためのデータが図2に提示されている。CaelyxRを使用し、1日先行して前処置を受けた動物、同時注射を受けた動物または前処置を受けなかった動物に対して、CaelyxR,8.1 mg/kgを用いて4日間、前処置した動物においては、リポソーム223Raの向上した血液対肝臓の比が達成された。これらの結果に基づき、4日間の前処置スケジュールが主実験のために採用された。
さらに前処置を伴う生体分布の研究
実施例3に続き、4日間隔の前処置/治療を用いてリポソーム223Raの血液/肝臓の比を最高に上げ、さらに広範囲の生体分布研究を実施した。.
主実験ではマウスを4つの異なるグループに分けた。各グループは、両性のマウス、6
〜7匹からなっていた。各グループで6匹のマウスは、ドキソルビシン・リポソーム(8.1mg/kg)を用いるi.v.前処置を4日間、受けてから375kBq/kg 223Raおよびドキソルビシン・リポソーム 0.9mg/kg ivの主治療を受けた。グループ2、3および4の各1匹のマウスは、治療を受けず、糞便または床敷からの製剤再取り込みがあり得るか測定するために使用した。
血液を採取し、これらのマウスは安楽死させた。放射活性の測定は、実施例3と同様に実施し、それぞれのグループのマウスについて注射後、1時間、24時間、6日間および14日間に測定した。
リポソーム内にカプセル化した223Raと遊離のものとの間における違いを調べるために
、マウスの一グループには溶解した223RaClを経静脈的に注射した。注射して1時間、24時間および14日の各時点で5匹の動物を犠死させた。組織サンプルを採取し単位重量当りの放射活性をリポソーム223Ra実験に記載したようにして決定した。組織についての局在化
インデックス(LI)を次式に従って、リポソーム223Ra 対 遊離223Raについて算出した;
LI = [% ID/gリポソーム223Ra]/[% ID/g遊離223Ra]
主要生体分布の研究データが表4と図3および図4に示されている。放射活性の血液クリ
アランス(図3)は、リポソームのこのタイプに予想されるクリアランスと矛盾しない。こ
のことはリポソームがアルファ線照射の衝撃により破壊されないことを示している。
表4 Balb/C マウス(主研究)の4時点において、リポソーム223 Raの注射投与量の%/
組織グラムa
Figure 2008517049
a 平均± SD、 n = 5〜6動物
b ND = 測定せず(バックグラウンドカウントに比べて、低い活性カウントのため)
軟組織の間で、器官当り最も高い取り込みは、肝臓で観察された(図 4)。他方、重量を調整した肝臓の取り込みは、調べた期間全体において相対的に低いようであったが、これに対してデータをグラム当りの注射投与量の%で表すと、著しい取り込みが脾臓であった(表4)。骨への取り込みは、大腿骨および頭骨における活性により反映されたが、時間と
ともに上昇した。これはおそらく223Raの放出をひき起こしているリポソームの分解がゆ
っくりであるためである。
リポソームは、大腿骨にも存在している骨髄への取り込みは、多少あることが予想されるが、頭骨(骨髄はほとんどない)における取り込みは、骨における取り込みのほとんどが遊離のラジウムからのものであることを示している。大腿骨 対 頭骨における取り込みの差異は、カチオン性ラジウムでも観察されることから、必ずしも骨髄における蓄積を反映するものではないことが言える。
図5には、注射後、1時間、24時間および14日でのリポソームラジウム 対 カチオン性ラジウムについて様々な組織での局在化インデックス(LI)が示されている。2つのラジウム223Ra形態間での顕著な相違が観察された。LIは特に血液について高く、これは一部には
血液からのリポソーム・ラジウムの低いクリアランスのためであり、部分的には遊離223Raの急速なクリアランスのためである。ほとんどの軟組織で、LIは著しく上昇した。骨サンプルのLIは、1より小さく、これはリポソーム処方製剤による生体分布の著しいコントロールを示すものであり、カルシウム類似体および向骨核種としてのラジウムの本来的な挙動を抑制するものである。
血液中に循環しているリポソーム製剤の半減期(T1/2)は24時間より大きいが、単純なカチオン性223Raの血液半減期は、1時間よりずっと短かった。
腫瘍ターゲティングの研究
腫瘍の新生毛細脈管の「漏れやすさ」特性を利用することにより、二重に充填されたPE
G化リポソームが固形腫瘍を指向させる研究。その研究のゴールは、ドキソルビシン内包
リポソーム (CaelyxR/DoxilR)にカプセル化されたアルファ粒子放射体、223Raの分布およびその 腫瘍ターゲティング特性を調べることであった。
CaelyxRを、実施例3で最適化されたように細網内皮系の取り込みを減らすべくリポソ
ーム223Raの注射前に投与した。分布および腫瘍取り込みがヒト骨肉腫の異種移植(osteosarcoma xenograft)マウスモデルおよび特発性骨肉腫を持つイヌにおいて評価された。
併用療法の血液クリアランスは比較的低く、マウスでt1/2は約28時間(BaIbC マウス)
およびイヌではt1/2は約39時間であった。マウスにおける肝臓での取り込みは、比較的低いようであったが、これに対し著しい取り込みが脾臓であった。イヌでは、その取り込みは肝臓および脾臓ともに中程度であった。
異種移植モデルでは、腫瘍 対 軟組織について、一般的には活性のより高い保持があった。イヌでは、24時間時点の取り込みは、正常組織よりも様々な器官の石灰化腫瘍転移および非石灰化腫瘍転移では、著しく増大していた。特発性骨肉腫を持つイヌでは、リポソーム223Ra併用療法が、腫瘍ターゲティングについて、関係のある生体内分布と血液クリアランスを有しており、特に腫瘍組織/正常組織の好ましい比を示した。
図1は、リポソーム併用療法におけるラジウム-223の生体内分布を示す。 図2は、リポソーム223Raを注射する前においてその細網内皮系による取り込みを減らすために、マウスをドキソルビシン・リポソーム(CaelyxR)で前処置する最適化研究の結果を示す。 図3は、単位重量当たりの放射活性の血液クリアランスを示す。 図4は、生体内分布の結果を示す。 図5は、注射後、1時間、24時間および14日でのリポソームラジウム 対 カチオン性ラジウムについて様々な組織での局在化インデックス(LI)を示す。

Claims (21)

  1. 少なくとも1つのアルファ線放射性核種および少なくとも1つの他の治療薬剤を含有する溶液を内包するリポソームを含む細胞毒性製剤。
  2. 前記アルファ線放射性核種が重金属アルファ線放射体である、請求項1に記載の細胞毒
    性製剤。
  3. 前記リポソームが少なくとも1つのイオノフォアも内包している、請求項1または2に
    記載の細胞毒性製剤。
  4. 前記リポソームが少なくとも1つのキレート化剤または錯化剤も内包している、請求項1〜3のいずれかに記載の細胞毒性製剤。
  5. 前記アルファ線放射性核種が211At, 212Bi, 212Pb, 213Bi, 223Ra, 224Ra, 225Acまた
    227Thの少なくとも1つである、請求項1〜4のいずれかに記載の細胞毒性製剤。
  6. 前記の他の治療薬剤は、ベータ粒子、ガンマ線、X線、内部転換電子、オージェ電子またはそれらの組合わせを放出する放射性同位体、葉酸アナログ、ヌクレオシドアナログ、トーキシン、血管形成阻害剤、プロモーターに作動的にリンクしている遺伝子核酸配列、アンチセンスのDNAおよび/またはRNA、 siDNAおよび/またはRNA;ウイルス類で自体が活
    性または不活性であるもの、必要に応じて機能化されたモノクローナル抗体、それらの構築物またはフラグメント、ならびにホウ素捕獲療法を促進するホウ素から少なくとも1つ選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の細胞毒性製剤。
  7. 前記のアルファ線放射性核種および/または治療薬剤の各々が、単独の治療として使用
    される場合に治療上、予防上および/または苦痛緩和の効能を得るのに通常必要な最少用
    量を下回って存在していることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の細胞毒性
    製剤。
  8. 前記のアルファ線放射性核および少なくとも1つの他の治療薬剤がそれらの投与量および/または副作用に関して相乗的である、請求項1〜7のいずれかに記載の細胞毒性製剤。
  9. 前記リポソーム が、10〜50°Cの温度転移型の転移温度を有する少なくとも1つの脂質を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の細胞毒性製剤。
  10. 少なくとも1つのアルファ線放射性核種および少なくとも1つの他の治療薬剤を含む溶液を内封しているリポソームの作製方法であって、アルファ線放射性核種以外に少なくとも1つの治療薬剤を含有する溶液を内封するリポソームと、少なくとも1つのイオノフォアおよび少なくとも1つのアルファ線放射性核種を含有する充填溶液とを接触させることを含むことを特徴とする、リポソームの作製方法。
  11. 少なくとも1つのアルファ線放射性核種および少なくとも1つの他の治療薬剤を含有する溶液を内包する前記リポソームが請求項1〜9に記載の細胞毒性製剤である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記の接触が生理温度よりも上で行なわれる、請求項10または11に記載の方法。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載の細胞毒性製剤を少なくとも1つ、ならびに少なくとも1つの製薬上寛容され得る担体および/または賦型剤を含む医薬組成物。
  14. 治療において使用される、請求項1〜9のいずれかに記載の細胞毒性製剤。
  15. 請求項1〜10のいずれかに記載の細胞毒性製剤を哺乳類患者に投与することを含む、過
    形成性疾患または新生物疾患を治療する方法。
  16. 前記投与が全身か、または腫瘍への注射もしくは注入である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記投与が固形腫瘍の少なくとも1部を切除した後に、体の空洞の少なくとも一部に直
    接に適用されることによる、請求項15に記載の方法。
  18. 前記細胞毒性製剤を投与する、好ましくは12時間〜10日前に、少なくとも一用量の非放射性リポソームの予備投与を含む、請求項15または16の方法。
  19. 過形成性疾患または新生物疾患の治療方法に使用される医薬品製剤の調製における、請求項1〜6のいずれかに記載の細胞毒性製剤の使用。
  20. 請求項1〜9のいずれかに記載の細胞毒性製剤を生成するためのキットで、以下を含む:少なくとも1つの他の治療薬剤および好ましくは少なくとも1つのキレート化剤を含有する溶液をカプセル化したリポソームであり、そのリポソームは水性懸濁液であることが好ましい;
    任意に、少なくとも1つのアルファ線放射性核種;
    イオノフォア、好ましくは溶液の形態;および
    必要に応じ、さらに少なくとも1つの他の製薬上寛容される他の担体または賦形剤および/または細胞毒性製剤を投与する手段および/または本発明の細胞毒性製剤を調製する説明指示書。
  21. 以下を含む請求項20に記載のキット;
    好ましくはアルファ線放射性核種以外に少なくとも1つの治療薬剤および好ましくは少なくとも1つのキレート化剤を含む溶液を先にカプセル化したリポソームであり、そのリポソームは水性懸濁液の形態であることが好ましい;
    イオノフォア、好ましくは溶液形態;および
    必要なら、また好ましくは前記リポソームを充填させる(それで請求項1〜9のいずれかに記載の細胞毒性製剤が製造される)ための説明指示書であり、最も好ましくはその説明書には、前記イオノフォアがアルファ線放射性核の新鮮なサンプルと接触させるべきであること(それらのイオノフォアおよびアルファ線放射性核種の溶液が形成され、引き続きまたは同時にこの生成した溶液を該リポソームと接触させる。)を示している。
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