JP5468597B2 - 軟組織疾患の放射線治療におけるトリウム−227を用いた医薬組成物、複合体及びその調製方法、並びにキット - Google Patents

軟組織疾患の放射線治療におけるトリウム−227を用いた医薬組成物、複合体及びその調製方法、並びにキット Download PDF

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Description

本発明は放射線治療の方法に関し、具体的には軟組織疾患の治療にトリウム-227使用を含む方法に関する。
哺乳類の患者における様々の疾患を成功裏に治療するには、特定の細胞を殺傷することが必須であることもある。その典型例には、肉腫および癌腫といった悪性疾患の治療にある。しかしながら、あるタイプの細胞の選択的な除去が他の疾患、特に過形成疾患および新生物疾患の治療では、重要な役割を果たす。
現在、選択的な治療の最も一般的な方法は、手術、化学療法およびビーム外部照射である。しかし、標的化放射性核種による治療は、望ましくない種類の細胞に強力に細胞毒性のある放射線を送り込む可能性を秘めており、最も有望であり、発展する分野である。現在、ヒトに用いることが認可されている放射性医薬品の最も一般的な形態は、ベータ線放射性核種および/またはガンマ線放射性核種を用いる。しかしながら、より特異的な細胞
殺傷の可能性があるために、治療にアルファ線放射性核種の使用に興味が持たれている。
生理的環境における代表的なアルファ粒子放出体の照射範囲は、通常、100マイクロメーター未満であり、これと等しい直径を持つ細胞は僅かしかない。
このことから、上記の線源が、放射されたエネルギーが標的の細胞を通り越すことはほとんどなく、よって周囲の健全な組織に与える損傷が最少になるために、腫瘍(微小転移を含む)の治療に好適となる(Feinendegen ら, Radiat Res 148: 195-201 (1997)を参照)。これとは対照的に、ベータ粒子は水中で、1 mm以上の飛程を有する(Wilbur, Antibody Immunocon Radiopharm 4 : 85-96(1991)参照)。
アルファ-粒子の放射線エネルギーは、ベータ粒子、ガンマ線およびX線に比較して極めて高く、典型的には5〜8 MeVであり、あるいはベータ粒子のエネルギーの5〜10倍、ならびにガンマ線エネルギーの20倍またはそれ以上のエネルギーである。したがって、α線照射は大量のエネルギーを極めて短い距離に沈積するために、ガンマ線 およびベータ線に比べて著しく高い線エネルギー付与(LET)、高い相対的生物学的効果比(RBE)および低い酸素増感比(OER)を与える。
(Hall, "Radiobiology for the radiologist", 第5版, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia PA, 米国,2000年参照)。
これは異常なアルファ線放射性核種の細胞毒性を説明し、受け容れられない副作用を回避するために必要とされる制御のレベルおよびアルファ粒子放射性核種の分布の研究に厳格な要求を課するものである。
極めて少数のアルファ線放射性核種が現在、標的分子的な治療に有効であると見なされている(例えば、Feinendegenの上記文献およびWilburの上記文献を参照)。特定の核種がはたして適切であるかを確立するために、その候補は、物理学的特性、化学的性質、さらには崩壊産物(すなわち、それらの娘核種)の性質に基づいて注意深く評価しなければならない。治療に使用される潜在性のあるアルファ線放射性核種の崩壊により形成される娘核種もまたアルファ線放出体であり、ならびに/あるい は今度はそれらが崩壊する際にはアルファ線放射性の同位体に至ることは往々にしてある。それゆえアルファ粒子放出体の治療活性の評価には、潜在的な娘核種の特質も考慮することが必須である。
次の表1は、これまで治療に効能のあると文献上で広範に提示されてきたアルファ放出体の物理学的な崩壊の特質を示す。
Figure 0005468597
これまでは、主に211Atおよび2l3Biに関心が向けられてきた。またこれらの2つの核種は、臨床的な免疫治療学の試行に追求がなされてきている。提案されている放射性核種のいくつかは短寿命であり、12時間未満の半減期を有する。そのように短い半減期では、商業的な方式でこれらの放射性核種に基づく放射医薬品を製造して流通させることが困難となる。短寿命核の投与は、標的部位に到達する前に体内で放射する放射線線量の割合を増大させる。
この点、2つのより長寿命の核種、223Raおよび225Acは、より好適な半減期を有する。これらの放射性核種は、ともに短寿命娘核である崩壊産物(母核および娘核は、合せて全部で4個のアルファ粒子を放出する)を持ち、もし母核および娘核の崩壊が同じ場所で起こるならば、強力なアルファ線カスケードを作り出せる。
しかし、もし娘核種が標的の領域に含まれないならば、これらの核種は、健全な組織に大量の有害な放射線を放出する可能性を有している。アルファ崩壊に続く娘核の反跳が著しく高エネルギーであるという深刻で基本的な問題もある(ヘリウム核が光速の2%ぐらいで放出されると、残っている娘核に膨大な量のモーメントを付与する。)。
アルファ粒子放出の反跳エネルギーは、大抵、親核が崩壊している位置からの娘核種解放を惹き起こす。この反跳エネルギーは親核を支持する化学的環境(例えば親核は、キレート化剤のようなリガンドによって複合体化されている)から多数の娘原子核を飛び出せるのに充分である。このことは娘核が化学的にその同じリガンドと適合的であっても、すなわち該リガンドにより錯化される場合でも起こり得る。
同じく娘核が気体、特にラドンのような希ガスであるか、あるいは上記リガンドと化学的に不適合である場合、その放出効果は、一層強大となる。娘核種が数秒よりも大きい半減期を有するなら、母核を担持する錯体化合物に拘束されずに血流系を拡散して行くことができる。これらの遊離の放射性娘核は、ひいては望ましくない全身的な毒性をもたらし得る。
最近、アクチニウム-225がある注目を引いている。しかしこの核に関する研究は、供給材料の入手可能性が低いために阻まれてきた。225Acを、モノクローナル抗体に結合させることができ、抗原を含む組織のターゲティングに使用できることが示されてきた。しかしながらこれまでの研究は、225Ac標識抗体が動物実験において極めて毒性が強いことを示している。
医学的なアルファ粒子放出体治療の候補として挙げられてきた他の核種に、224Raおよび226Ra (T1/2=1600 年)がある。これらの核種は、前世紀の初期に広範に用いられたが、後に骨ガンを含め、長期の芳しくない効果のために断念された。これら2つのラジウム核種はラドン娘核を有し、そのラドンは気体状で、母核が占める部位から急速に拡散消失して行く。またラジウムを分子であるターゲティング剤に結び付けるための リンカーとして好適なものが一般にはない。さらに226Raの極端に長い半減期は、放射線安全性および汚染危険性の見地から極めて問題がある。
かくしてアルファ-線放射性核種のほとんどは、不適当な半減期のため、あるいはその崩 壊産物が医学的な利用に合わないと見なされる、例えば娘核種が向骨性であるという理由のために一般的には不適切であると見なされている(Mausner, Med Phys 20, 503-509 (1993) 参照)。このため、例えば、ラジウムはカルシウム類縁体であることから、特別に強力な骨指向物質であり、もしインビボで227Thから娘核223Raが放出されると(Muller, Int J Radiat Biol 20 : 233-243 (1971)参照)、骨格に有害な蓄積を起こすことが知られている。この場合、深刻な骨髄毒性が予想される。
Feinendegenら("医学治療用アルファ粒子放出体" Second Bi-Annual Workshop, トロント, 1998年6月, 米国エネルギー省報告No. DOE/NE-0116)によると、治療用の候補となる2つの放射性核種があり、これらは少なくとも3個のアルファ線放射性の子孫を経て崩壊する放射性核種である。これらの核は225Acおよび223Raである。動物モデルにおいて、アクチニウム-225(Tl/2=10.0 日)の放射性免疫複合体を用いる治療に関する研究から、6.3 kBq(約250 kBq/kg、動物の平均体重が25gと想定)の注射線量で、播種性異種移植リンパ腫を担持するマウスの生存率を強力に改善させたことが示された。このア クチニウム-225系列は4個のアルファ粒子を放出し、系列において始めの3つのアルファ粒子放出体は、5分未満の半減期を持ち、他方、系列最後のアル ファ粒子放出体であるビスマス-213は、46分の半減期を有する。
223Raの抗腫瘍効果を示すインビボのデータは、文献にまだ示されていない。この核の有利なことは、その短寿命の娘核群である。すなわち2l9Rn (T1/2=3.96 秒)からの娘核は、さらに数秒の内に2個のアルファ粒子を放出し、他方、系列最後のアルファ粒子放出体である211Biは、211Pb(Tl/2=36.1分)に先行される他、2.17分の半減期を持ち、223Raから拡散し去るかもしれない。
しかしながら、4個のアルファ粒子放出体のうち3個は、225Acばかりでなく223Raとともに、母核の近傍で崩壊するであろう。この点は、4個のアルファ粒子を放出する子孫(すべて11.4日の半減期の娘核223Raに先行される)を有する227Thとは強く対照をなしている。この長い半減期である223Ra娘核は、母核227Thに比較するとおそらく子孫のほぼ完全なトランス局在化(trans-localization)を生じさせ、かくしてこれら4個のアルファ粒子が放出される部位の制御が著しく困難となり、結果的には望ましくない副作用の高い可能性がある。
しかし、トリウム-227 (T1/2=18.7日)が、最近、治療用放射性核種として提案されている(WO01/60417 および WO02/05859参照)。これは娘核種が閉鎖された環境に保持されるようにできる担体系を使用する限りである。あるケースでは、該放射性核種がリポ ソーム内に配され、ならびにそのリポソームの実際のサイズが(反跳距離と比較して)、娘核種をリポソーム内に保持するのに役立っている。第二のケースで は、放射性核種の向骨性錯体が用いられ、これは骨の基質中に取り込まれ、これにより娘核種が外へ出ることは制限される。これらのことがらは、潜在的には極めて有利な方法になるが、リポソームの投与がある状況では望ましくなく、また娘核同位体が閉じ込められるように石化した基質に放射性核種が取り囲まれない軟組織の疾患が多数ある。
トリウム-227のラジウム娘核を保持する特別の手段がないため、ラジウム毒性に関して公に入手できる情報に基づくなら、治療剤としてトリウム-227を使用することは可能でないことが明白である。トリウム-227崩壊から治療効果を得るのに要求されるその用量は、高度に毒性となってしまい、おそらくラジウム娘核の崩壊からの放射線が致死的な投与になるであろう。よって治療のために開けられる範囲はない。
それゆえ軟組織の放射性核種による治療の開発についての強い要求が依然として残っている。それは、アルファ粒子放出体を用いて、許容できない副作用、特に骨髄毒性を惹き起こすことなく、悪性および非悪性疾患の治療的処置を可能とするものである。
[発明の開示]
本発明者は、今や以下の予想できない事実を見出したのである:治療的処置のために開けられる範囲が実在しており、そこでは許容できない骨髄毒性を惹き起こすのに充分なラジウム-223量を生じさせることなく、標的トリウム-227放射性核種の治療有効量が患者(典型的には哺乳動物)に投与することができる。
本発明の概要
本発明の一面から、哺乳動物の患者(好ましくはヒトまたはイヌの患者)における軟組織疾患の治療方法を提供する。その方法には、患者にトリウム-227と 錯化剤との軟組織指向性複合体の治療有効量が投与されることが含まれる。その量は、投与されたトリウム-227の核崩壊によりインビボで生成したラジウム-223の、骨髄毒性でない許容できる量である。
本発明の別の面から軟組織疾患の治療方法に使用される、トリウム-227と錯化剤との軟組織指向性複合体を含む医薬の製造におけるトリウム-227の使用が提供される。
本発明のさらに別の面から、医薬組成物が提供され、それにはトリウム-227および錯化剤とともに、少なくとも1以上の医薬用の担体または賦型剤を一緒に含む軟組織指向性複合体である。
本発明のさらに別の面では、トリウム-227と錯化剤との軟組織指向性複合体が提供される。非放射性トリウム錯化合物から明確に区別するために、トリウム複合体およびその組成物は、それゆえ本明細書ではトリウム227を天然に相対的に存在する割合よりも多く、例えば少なくとも20%は多く含有していることが理解されるべきである。このことは、本発明の方法の定義に影響しない。そこではトリウム-227の治療に有効な量が明らかに必要とされる。
本発明のさらなる面から、本発明による方法において使用されるキットもまた提供される。そのキットには、トリウム-227と錯化剤との軟組織指向性複合体の溶液とともに、本発明に基づく方法においてその溶液を使用するための説明書が含まれる。
本発明のさらに別の面から、本発明の方法において使用されるキットも提供される。そのキットには、トリウムイオンを錯化させることができる錯化剤を含む。 その錯化剤は、軟組織指向性錯化剤ではなく、軟組織指向性化合物であり、必要に応じて該錯化剤と複合して軟組織指向性複合体を形成できるリンカー化合物、ならびにそれらからトリウム-227および錯化剤の軟組織指向性複合体を調製する説明書、必要であれば本発明による方法において該複合体を使用するための 説明書を含む。
すなわち、このような本発明からは、以下の[1]〜[]に示すものが提供される。

少なくとも1つの医薬用の担体または賦型剤と一緒に、トリウム-227と錯化剤との軟組織指向性複合体を含み、そのトリウム-227は、生体親和性を有するターゲティング部分(ただし、向骨性化合物、リポソームならびに葉酸結合抗体もしくは葉酸結合抗体フラグメントを除く)に結合され、かつ該トリウム-227が、その治療有効量の少なくとも36kBq/Kgで存在することを特徴とする医薬組成物。

生体親和性を有するターゲティング部分(ただし、向骨性化合物、リポソームならびに葉酸結合抗体もしくは葉酸結合抗体フラグメントを除く)に結合したトリウム-227と錯化剤との軟組織指向性複合体。

トリウム-227が、1,4,7,10-tetraazacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetic acid誘導体にキレート化されている、上記[]に記載の複合体。

前記トリウム-227を、1,4,7,10-tetraazacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetic acid誘導体とともに加熱して、キレート化されたトリウム-227を形成させること、次いでそのキレート化トリウム-227をターゲティング部分に結合させることを含む、上記[]に記載の複合体の調製方法。

哺乳類患者の軟組織疾患の治療のために使用されるキットであって、そのキットはトリウム-227と錯化剤との軟組織指向性複合体の溶液を、該治療においてその溶液の使用のための指示書とともに含み、該トリウム-227は、生体親和性を有するターゲティング部分(ただし、向骨性化合物、リポソームならびに葉酸結合抗体もしくは葉酸結合抗体フラグメントを除く)に結合されることを特徴とするキット。
図1は、トリウム-227 崩壊による放射活性が時間とともに低下し、また本発明によってトリウム-227複合体が投与された後に続くラジウム-223の崩壊に基づく放射活性の上昇を示すグラフである。
[本発明の詳細な説明]
本明細書でいう「軟組織指向性(ターゲティング)」とは、問題の物質が、トリウム複合体の形態にある場合に、そのトリウムを放射性崩壊が望まれる軟組織の ある部位に運ぶように働くことを意味する。このことは、疾患に冒された細胞または疾患に冒された細胞の近傍にある細胞に存在する細胞表面マーカー(例えば、レセプター)に結合する錯化剤の成分(例えば、病変細胞の表面において健全細胞の表面よりも著しく発現しているタンパク質、あるいは休止相期間中よりも、増殖もしくは複製の期間中に細胞表面で著しく発現しているタンパク質)によるか、あるいはさらなる軟組織結合薬剤に結合する成分によるものである(こ の場合にそのさらなる薬剤物質は、トリウム複合体のための「先導役」として最初に投与されることになる)。代わりにその指向性物質は、抗原に対するものであっ てもよい。その抗原は標的細胞と関係するが、それに直接には付かず、そうした抗原は、標的細胞間の基質に存在するであろうし、よって病変組織に取り囲まれるであろう。その例として、テナシン(tenascin)のような基質抗原があり、これは脳腫瘍と関係があるが、細胞間の基質において発現される。かかる 基質の抗原は、直接にまたは先に論じたように、予備的な結合薬剤によって標的化される。
本明細書で使用される「軟組織」なる用語は、「硬く」石灰化した基質を持たない組織を示している。とりわけ、本明細書で用いる「軟組織」は、骨格組織ではない、いずれの組織であってもよい。これにより本明細書で用いる「軟組織疾患」とは、本明細書にいう「軟組織」に発生しており疾患を表している。本発明は、癌の治療に特に好適であり、このため「軟組織疾患」には、癌腫、肉腫、骨髄腫、白血病、リンパ腫およびあらゆる「軟」(すなわち石灰化していない)組織に生じている混合型の癌も包含される。そのような組織の他の非癌性疾患も同様である。癌性の「軟組織疾患」には、転移した腫瘍および微小な転移腫瘍ばかりでなく軟組織に形成されている固形腫瘍も含まれる。実際、軟組織疾患は軟組織の原発性固形腫瘍を含み、また同じ患者における軟組織の転移腫瘍の少なくとも1つを含んでもよい。あるいは「軟組織疾患」は、固形の癌だけからなってもよく、または骨格疾患である原発性腫瘍を持つ転移癌だけでもよい。
本明細書で使用する用語、「骨髄毒性でない許容」は、生成するラジウム量が、最も重要なこととして通常、患者にとり直接的に致死的であるためには充分でないことを示すために使用される。しかしながら、そのような治療の許容され得る副作用となる骨髄損傷の程度(および致死的な反応の確率)が、治療される疾患のタイプ、治療計画の目標、および患者の予後とともに著しく変化するであろうことは、当業者には明らかなことである。本発明の好ましい患者は、ヒトであるが、他の哺乳動物、とりわけイヌもまた本発明の使用から恩恵を受ける。骨髄損傷の許容できるレベルもまた、患者の生物種を反映するかもしれない。骨髄損傷 の許容できるレベルは、通常、非悪性疾患よりも悪性疾患の治療の方が大きくなるであろう。骨髄毒性のレベルについてよく知られた尺度のうち1つは、好中球 細胞の数であり、本発明においては、223Raの骨髄毒性でない許容量は、典型的には、好中球のフラクションが、その最も低い点(最下点;nadir)で、治療前のカウントの10%ほどもあるように調整される量である。好ましくは、223Raの骨髄毒性でない許容量は、好中球細胞のフラクションが、最下点で少なくとも20%、さらに好ましくは少なくとも30%となる量である。最下点での好中球細胞フラクションが少なくとも40%が最も好ましい。
さらに227Th含有化合物は、生成した223Raによる骨髄毒性が通常耐え得ない場合でも、幹細胞の擁護または相応の回復方法が含められている時には、高い線量の配合で用いることができる。このような場合好中球細胞のカウントは、最下点で10%未満に減少し、例外的に5%、または必要なら5%未満に減少するかも知れない。ただし、適切に予防措置が講じられ、ならびに後で幹細胞が保護されればの話である。そうした技術は当業界で知られている。
トリウム-227は、製造することが比較的容易であり、226Raに中性子を照射したもの(227Thの母核、すなわち227Ac (T1/2=22年)を含むであろう)から間接的に製造できる。アクチニウム-227は、極めて容易に226Ra標的から分離することができ、227Thのジェネレータとして用いられる。この方法は、必要ならば工業的規模に上げることも可能である。このため、標的化分子放射線治療のために候補として検討された多くの他のアルファ粒子-放出体について見られる供給問題は回避できる。
トリウム-227はラジウム-223を経て崩壊する。この場合、第一番目の娘核は、11.4 日の半減期を持っている。純粋な227Th源からは、最初の数日間で、並みの量のラジウムしか生成しない。しかしながら223Raの潜在的な毒性は、227Thの毒性よりもさらに高い。アルファ粒子の223Raからの放射後、数分内にさらに短寿命の娘核から3個のアルファ粒子の放出が続くからである(トリウム-227の崩壊系列を表す下記の表2を参照)。
Figure 0005468597
潜在的に有害な崩壊産物を生成することもあって、トリウム-227 (T1/2 =18.7 日)は、これまでアルファ粒子による治療に広く検討されて来なかった。本発明者は、耐え難い骨髄抑制を引き起こすほど多くのラジウム-223を生成することなく、期待する治療効果をあげるのに充分な量のトリウム-227を投与してもよいことを初めて確立したのである。
腫瘍細胞を殺傷する効果が想定されるは、主としてトリウム-227によるものでその娘核からではない。この同位体の確からしい治療的な線量は、他のアルファ粒子放出体と比較することにより確立することができる。
例えば動物におけるアスタチン-211についての治療的な線量は、典型的には2〜10 MBq/kgであった。半減期およびエネルギーを補正することにより、相当するトリウム-227の投与線量は、少なくとも36〜200 kBq/kg体重になるであろう。このことから、治療効果を期待して効果的に投与できる227 Th 量についての下方限界が設定されよう。この計算は、アスタチンおよびトリウムの同様の保持を仮定している。しかしながら、明らかにトリウムの半減期、 18.7日からは、それが崩壊するまえにこの同位体の大部分が除去されてしまうことになりそうである。それゆえにこの算定された投与量は、最少有効量であるとみなされるべきである。
充分に保持される227Th(すなわち、体内から除去されない227Th) によって表される治療的線量は、典型的には少なくとも18または25 kBq/kg、好ましくは少なくとも36 kBq/kg、ならびにより好ましくは少なくとも75 kBq/kg、例えば100 kBq/kgであるかそれより多い。トリウム量が多いと、それだけより治療効果が期待されるが、耐え難い副作用が生じるのであれば投与することはできない。同様に投与されたトリウムが、短い生物学的半減期 (すなわち、トリウムを有する体内から排除される前の半減期)の形態にあるならば、該放射性同位体は、治療効果のためにはより多い量が必要となるであろう。なぜならば多くのトリウムが、崩壊する前に排泄されてしまうからである。しかしながら、生成するラジウム-223量もこれに対応して減少するであろう。
投与されるべきトリウム-227の上記の量は、該同位体が完全に保持される場合、より短い生物学的半減期を持つ等価な線量に容易に関係づけることができる。そのような計算が下記の実施例1および2に与えられている。
一例として、完全に保持される特別の線量に等価である227Th の計算量は、標的位置で保持が無視できると仮定して算出できる。この場合、
Figure 0005468597
ここで
Daddは、投与される線量;
Dret は、等価であり完全に保持される線量;
TTh は、227Thの物理学的半減期(18.7日); および
Tbio は、投与したトリウム複合体の生物学的半減期
かくしてトリウム複合体の最少有効線量が容易に見積もることができる。さらに生物学的半減期は、放射性形態のトリウム複合体を使用する必要なく決定することができる。
もし放射性標識化合物が娘核種を放出するのであれば、当てはまる場合にこれらの放射活性な娘核の運命を知ることが重要である。227Thに関しては、その主要な娘核産物は223Ra であるが、その向骨的特性のために臨床的な評価の下に置かれている。ラジウム-223は、極めて急速に血流から消失して骨格に蓄積されるか、あるいは腸管 および腎臓の経路を経て排泄される(Larsen, J Nucl Med 43 (5, Supplement): 160P (2002)参照)。インビボで227Thから放出されたラジウム-223は、それゆえ健康な軟組織には大して影響を与えない。溶解したクエン酸塩としての227Thの分布に関するMullerの研究(Int. J. Radiat. Biol. 20: 233-243 (1971))で、軟組織にある227Thから生成した223Ra は、容易に骨に再分布するか、あるいは排泄されることがわかった。したがって227Thがインビボで使用される場合、223Raの知られている毒性、とりわけ骨髄に対する毒性が、制限因子になりそうである。
本発明者は、227Thの複合体(例えば、錯体化合物)が、227Thの崩壊後に223Raを放出する ことを確立した(下記実施例6を参照)。このことは、核の反跳、または不適合であるキレート化または諸要因の結合の結果かもしれない。このことは、安全性 の重要な特性として、アルファ粒子放出体化合物は、いずれの放射性娘核種を親核キレート内に保持するべきであるということに関し、アルファ粒子放出体についての好ましい性質として当業界で受け入れられていることがらとは対立する(例えば Feinendegenら、1998,上掲参照)。現在当業界で入手できるデータによると、ラジウム-223の最大許容線量は、39〜113 kBq/kgの 範囲にあると推測できる(下記実施例7参照)。娘核同位体の有害な副作用には、現実的かつ控えめの見積もりを採用しなければならないことは当業界において 受け入れられており(例えばFinendagen (1998) 上掲参照)、このことからラジウム-223の最大値、39 kBq/kgは、許容できると見なされるだろう。これより大きいいずれの線量においても、ラジウムは患者にとり致死的になると推測され、当然、許容できないものとされなければならない。
インビボでの223Raの生成は、227Thの停留時間とともに変化するであろう。100%保持される場合、1 kBqの227Thは多数の223Ra 原子を産出し、これは1.6 kBqの223Raが注入されて完全に保持された場合の線量と等価になる。したがって、ラジウム-223の最大認容線量、39 kBq/kgは、投与され完全に保持される227Th、24.4 kBq/kgと等価になる。これは、期待される最少の治療線量、36 kBq/kgをかなり下回っており、これもまた完全な保持に基づいて見積もられたものである(上掲の考察を参照)。トリウムの保持が減少すると、投与したトリウム単位量当りに生成するラジウムはより少なくなる。しか し、トリウムの有効性も相応に低下するため、その場合線量を増やさなければならない。したがって、当業界で得られる証拠から予想されることは、治療上のい かなる利益を与えるのに充分な227Thの最少量は、致死的な骨髄毒性を引き起こすと推測される量よりもずっと大きくなるであろうということであった。このことから、227Thの投与については、治療に用い得る空きの範囲は存在しているようには見えなかった。
重要なこととして、本発明者は、このたび線量として少なくとも200 kBq/kg の223Ra を実際に投与することができ、しかもヒトの患者にとり耐え得ることを確立したのである。これらのデータは、下記の実施例8に収録されている。これより全く予想外のことであるが、治療上使える空きの範囲が実は存在しており、そこでは治療上、有効な量の227Th (36 kBq/kgよりも多い量)を哺乳類患者に対して投与することができる。その際に患者は深刻なまたは致死的であるような骨髄毒性の受け入れ難いリスクを被るだろうという予測がされないのである。
227Th医薬品から生成する223Ra 量は、放射性標識化合物の生物学的半減期に依存するであろう。理想的な状況は、急速に腫瘍組織に取り込まれること、さらには腫瘍細胞内への内在化、腫瘍に 強く保持されること、ならびに正常組織では短い生物学的半減期を有する複合体を使用することになるであろう。しかしながら、理想的な生物学的半減期よりも 短い半減期を持つ錯体化合物は、223Raの線量が耐え得るレベル内に維持される限り有用であり得る。インビボで生成する ラジウム-223量は、投与されるトリウム量およびトリウム複合体の生物学的な保持期間の要因となるであろう。いずれの具体的な場合であっても、生成する ラジウム-223量は、当業者にとり容易に計算でき、典型的な計算例が、下記の実施例1および2に与えられている。227Thの投与可能な最大量は、インビボで生成するラジウムのこの量によって決定され、ならびに耐え難いレベルの副作用、とりわけ骨髄毒性を生じさせる量よりも少なくなければならない。この量は、一般的には300kBq/kgよりも少なく、特に200kBq/kgよりも少なく、より好ましくは170 kBq/kgよりも少ない(例えば130 kBq/kg未満)。
かくして本発明の方法において、トリウム複合体はトリウム-227投与様式で、18〜400kBq/kg体重、好ましくは36〜200kBq /kg(50〜200 kBq/kgのように)、より好ましくは、75〜170kBq/kg、特に100〜130 kBq/kgで投与されることが望ましい。さらにトリウムの投与線量、その錯化剤および投与経路は、インビボで生成したラジウム-223の線量が、300 kBq/kg未満、より好ましくは200 kBq/kg未満、さらにより好ましくは150 kBq/kg未満、特に100 kBq/kg未満となるようにすることが望ましい。上記の線量レベルは、227Thが完全に保持される線量であることが望ましいが、227Thの一部が崩壊するまえに体内から排泄されるだろうということを考慮して投与された線量であってもよい。
227Th複合体の生物学的半減期が短い場合(例えば7日よりも短い、特に3日よりも短い)、 保持される等価線量を提供するためには著しく多めの投与線量が必要となるかもしれない。したがって、例えば完全に保持される線量、150 kBq/kgは、本明細書で上記に示された式に従って、711 kBq/kgの線量で投与され半減期が5日である複合体に対して等価となる。この式の使用により、上記の保持されるいずれの線量に対する投与等価線量も、 該複合体の生物学的クリアランス速度から算出されるであろう。1個の227Th核の崩壊は、1個の223Ra原子を与えるため、227Thの保持と治療活性は、患者が被る223Ra線量に直接に関係するであろう。
単純化された計算では、標的の組織において有意の保持がないことを仮定することにより、インビボで生じる223Raは、投与した227Th量に関係している。 227Thの最大許容線量は次式で表される:
Figure 0005468597
ここで、
Tbio は、227Th複合体の生物学的半減期;
TTh は、227Thの物理学的半減期(18.7日);
Daddは、投与された227Th複合体の活性(kBq/kg); および
Max Ra は、本明細書で論議したように223Raの骨髄毒性でない許容量(kBq/kg);
好ましい態様において本発明は、哺乳類患者における軟組織疾患の治療のための方法を提供する。その方法には、その患者にトリウム-227と錯化剤との軟組織指向性複合体の治療有効量を投与することが含まれる。治療有効量はDaddであり、下式Iにより計算される。その場合、ラジウム-223の骨髄毒性でない許容量DRaが、投与したトリウム-227の核崩壊によりインビボで生成する;
Figure 0005468597
Tbio は、トリウム-227と錯化剤との軟組織指向性複合体の生物学的半減期;
TTh は、227Thの物理学的半減期(18.7日);
Daddは、投与された227Th複合体の活性(kBq/kg); および
Ra は、223Raの骨髄毒性でない許容量(例えば75〜200 kBq/kg);
Th-227と錯化剤との軟組織指向性複合体の生物学的半減期は、いずれも非放射性トリウムを使用する技術、あるいは極めて低レベルのTh-227を非放 射性トリウムと併用して特性ガンマ線放射を測定することにより求めることができよう。上式から、例えばトリウム- 227と錯化剤との軟組織指向性複合体(その生物学的半減期が10日)から、100 kBq/kgなる223Raの骨髄毒性でない線量が発生することがわかる。投与した線量は、[100 x 18.7 x(10-1 + 18.7-1)]/1.65 =173 kBq/kgである。
明らかに、223Ra 娘核同位体に対する患者の被爆は、その核の性質が有益に利用されないのであれば、最小限にすることが望ましい。しかし充分な227Th量が投与されるためには、ある量のラジウムも生成されることは避けがたい。その量は、227Thが治療的に有効な投与となる充分なものであり、予測された223Ra骨髄毒性の観点から最大許容量として以前から見なされてきた量よりも一般的には高くなるであろう(後述の実施例7および8、ならびに上掲の議論を参照)。特にインビボで生成するラジウム -223の量は、典型的には40 kBq/kgよりも多く、例えば60 kBq/Kgよりも多いであろう。ある場合にはインビボで生成した223Raが、80 kBq/kgよりも多く、例えば100または115 kBq/kgよりも多くなることが避けられないであろう。
適当な担体溶液にあるトリウム-227標識複合体は、経静脈的に、腔内に(例えば、腹腔内に)、皮下に、経口的に、または局所的に、単回の適用として、または分割された適用処方において投与してもよい。好ましくはその複合体は、溶液として非経口的な経路、特に経静脈的に、または腔内的な経路により投与されるだろう。本発明組成物は、非経口的投与のために無菌溶液に配合されることが望ましい。
本発明の方法および産物におけるトリウム-227は、単独で使用できるが、他の態様の治療方法、例えば手術、放射線外部照射治療、化学療法、他の放射性核 種、または組織温度の調節などと併用することができる。このことは、本発明の方法の好ましい態様をさらに形成する。とりわけ好ましい態様においては、患者 はラジウム-223が誘起する骨髄毒性作用を軽減するための幹細胞治療を受けることになる。
本発明によれば227Thは、ターゲティング錯化剤(複合体形成剤)と複合化してもよい。一般的にこれらは、100 g/mol〜数100万g/molの分子量を持ち、ならびに227Th投与に先立って、疾患に関係するレセプター、および/または予め投与され、疾患を標的とする分子に結合する適切なレセプター(例えばビオチン またはアビジン)に、親和力を有することが好ましい。適切なターゲティング部分には、ポリ-およびオリゴ-ペプチド、タンパク質、DNAおよびRNAのフラグメント、アプタマーなど、好ましくはタンパク質、例えばアビジン、ストレプトアビジン、ポリクローナルもしくはモノクローナル抗体 (IgGおよびIgM 型抗体を含む)、あるいはタンパク質またはフラグメントの混合物、あるいはタンパク質構築物などが挙げられる。抗体、抗体構築体、抗体のフラグメント(例えば FABフラグメント)、フラグメント構築体(例えば、抗体の単一鎖)またはそれらの混合物が特に好ましい。
本発明では、227Thと、ペプチド、アミノ酸、ステロイド性もしくは非ステロイド性のホルモン、葉酸、エストロゲン、テストステロン、ビオチンまたは特異的な結合をする他の化合物(典型的には分子量が10 000 g/mol未満)との治療用複合体を使用することも適切である。
かくして軟組織指向性の錯化剤は、二官能性の物質であることが認識されるであろう。すなわち、1つの部分はトリウムイオンと錯化するのに与り、好ましくは キレート複合体であり、そのなかでトリウムは多重に錯化されている複合体である。ならびにもう一つの部分は該複合体を治療すべき軟組織に差し向ける運び手として作用しなければならない。この複合化部分(complexing moiety)は、1またはそれ以上の機能性基からなる。これらの基は、ターゲティング部分に存在するが、化学的処理によりそのターゲティング部分に導入 されてもよい。しかしながら、さらに一般的には、その複合化部分が直接的にまたは間接的に(例えばリンカー部分を介して)ターゲティング部分に結合する。
活性のある(例えば治療的に作用するか、診断上で活性のある)金属-複合化部分-任意ながらリンカー部分-ターゲティング部分からなる、そうした構築体は、ターゲット化された放射性医薬品およびターゲット化された造影剤の分野ではよく知られており、トリウムについても類似の様式で選択され、構築されてもよい。この点に関して、例えば"Handbook of Targeted Delivery of Imaging Agents", Torchilin(編集), CRCプレス, 1995年を参照されてもよい。
本発明ではトリウム-227は、二官能性キレート化剤を用いることによりターゲティング分子に結合されることが好ましい。該キレート化剤は環状、線状また は分岐したキレート化剤であり得る。特筆すべきは、ポリアミノポリ酸のキレート化剤であり、これは環状、線状または分岐したポリアザアルカン骨格からな り、その骨格の窒素に結合している酸基(例えば、カルボキシアルキル)を持つ。適切なキレート化剤の例として、p- isothiocyanatobenzyl-1, 4, 7,10- tetra-azacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetic acid (p-SCN-Bz-DOTA)のようなDOTA 誘導体、ならびにp-isothiocyanatobenzyl-diethylenetriamine-pentaacetic acid (p-SCN-Bz-DTPA)のようなDTPA 誘導体が挙げられ、前者は環状キレート化剤、後者は線状のキレート化剤である。
本発明では、1,4,7,10-tetraazacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetic acidの誘導体が、トリウムに特に好ましいキレート化剤であるが、トリウムのような4価の金属に配位結合をする能力については知られていない。トリウム をDOTA誘導体でキレート化するために、標準的方法が簡単には使用することはできないけれども、下記の実施例に示すようにトリウムをDOTA誘導体とともに加熱すると、効率よくキレート化合物が提供されるというのは、本発明者の驚くべき発見である。本発明の別の態様として、本発明複合体を形成する方法または本発明の方法において適切な使用の方法を提供する。その方法は、トリウム-227を、1,4,7,10-tetraazacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetic acidの誘導体と加熱して、キレート化されたトリウム-227を形成し、その後キレート化されたトリウム-227をターゲティング部分に付けることを含 む。その適切なターゲティング部分は、本明細書で示されるもの(例えば下記)を使用してもよい。
複合化部分の金属付加(Metallation)は、ターゲティング部分に該複合化部分が結合する前、または後に実施されてもよい。しかし、上記の加熱方法が使用される場合には、ターゲティング部分に結合する前に、その金属を配位結合させることが望ましい。キレート化剤は非ホスホネート分子であることが好ましく、本発明において227Thは、好ましくはホスホネートに結合せず、あるいは他の骨-指向性基にも結合しない。
キレート化剤を介してトリウム-227に結合させ得るターゲティング化合物の種類として、モノクローナルまたはポリクローナル抗体、成長因子、ペプチド、 ホルモンおよびホルモンアナログ、葉酸および葉酸誘導体、ビオチン、アビジンおよびストレプトアビジンまたはそれらのアナログなどが挙げられる。
他の可能な担体として、RNA、DNA、またはそれらのフラグメント、オリゴヌクレオチド、炭水化物、脂質、あるいはそのような基をタンパク質に結合させて、または結合させないで作られた化合物なども挙げられる。治療目的で軟組織を照射するために、トリウム-227は生体親和性を有するターゲティング部分 に結合されるが、好ましくは向骨性の化合物、リポソームおよび葉酸を結合させた抗体もしくは抗体フラグメントは除かれる。
本発明のトリウム-227標識分子は、癌の疾患または癌でない疾患を治療するために、疾患に関係するレセプターを標的とすることにより使用することができる。典型的には、そうした227Thの医学的な使用は、癌疾患または癌でない疾患の治療のために、227Thをキレート化剤により抗体、抗体フラグメント、または抗体もしくは抗体フラグメントの構築物に結合させることに基づく放射性免疫治療法によってなされるであろう。本発明に基づく治療方法および医薬品における227Thの使用は、とりわけいかなる形態のガンおよびリウマチ系疾患の治療、具体的には皮膚、前立腺、頚部、または乳房の癌、あるいは関節炎または結合組織炎といった炎症性疾患の治療に好適である。
本明細書で提示された、モノクローナル抗体のトリウム標識のインビトロ実験は、トリウム-227が二官能性キレート化剤を介して担体分子に結合され得ることを示している。またそのような227Th免疫複合体が、CD20抗原を発現しているヒトリンパ腫細胞系DAUDIへの特異的な結合能力があること、さらに細胞当り、適切な数の227Th原子が結合されることも示されている。それゆえ、227Th-標識分子を用いるレセプター・ターゲティングが実施可能であることが初めて提示されたのである。
トリウム-227を使用する興味深い特徴は、放射強度が娘放射性核種の内部増殖のために時間経過とともに増大すること、すなわち正常な器官に照射される線量が、取り込みおよび排除の過程では低く保たれ得るということである。このことは、添付した図1によって説明される。もし腫瘍における保持が高ければ、そこにおける線量率は、腫瘍による娘核保持に依存して娘核種の内部成長により時間とともに増加するであろう。 しかしながら反跳エネルギーという困難さがあるために標的部位における娘核の有効な保持は、通常リポソーム内に、あるいは放射性核種を石灰化した骨中に取り込ませるといった極めて特別な送達方法が要求されるものである。
227Thを担持する分子がインビボで生物学的保持の短い半減期を有するのであれば、223Raの放出量は減少するであろう。これは227Thの大部分が223Raに崩壊する前に、放射性核種がほとんど排除されてしまうためである。しかしながら本発明によると、227Th量は、治療上有効のままであるために増加させる必要がある。インビボで好ましい生物学的半減期は7日未満、より好ましくは4日未満、特に好ましくは2日未満である。もし錯化剤が、227Thを標的細胞の内部に送達するように選択されるならば、これによって特定の細胞毒性が増大し、ならびに放射性娘核による全身的な毒性作用は減じられる。娘核同位体が腫瘍部位において少なくとも部分的にも滞留するからである。これらの特徴は、227Th治療の適用範囲を拡げ、よって本発明の好ましい態様を形成する。
本発明の更なる態様において、軟組織疾患および骨格系疾患をともに持つ患者は、227Thならびに投与されたトリウムからインビボで生成した223Raの両方によって治療されてもよい。この特別に有利な態様において、処置への追加の治療的な要素は、骨格系疾患へのターゲティングによる骨髄毒性でない許容量の223Raに由来するものである。かかる治療方法においては、227Thが軟組織の原発性の癌および/または転移癌を治療するために、典型的にはそこへの適切なターゲティングによって利用される。さらに227Thの崩壊により生じた223Raが、同一患者における関連する骨格系疾患を治療するために使用される。この骨格系疾患は、原発性の軟組織癌から発生した、骨格への転移であってもよく、あるいは軟組織での治療が転移癌を迎撃することになる原発性の疾患であっても よい。軟組織と骨格系疾患とは、互いに関係がない (例えばリウマチ系の軟組織疾患を有する患者に骨格系疾患の追加的な治療をすること)ことも往々にしてある。
本明細書で言及した文献は、参照により本明細書に取り込まれる。本発明を以下の限定的に解するべきでない実施例でさらに説明する。
前提となる背景
患者において腫瘍組織の重量は、一般的に体重に比べると低い。仮に腫瘍においてトリウム複合体の著しい濃度と保持が得られるとしても、典型的には1 % 以下のトリウムが、ヒトの腫瘍組織に到達するであろう。軟組織の被爆は、それゆえトリウム複合体の全身のクリアランスに基づいて推定される。腫瘍ターゲ ティングの効果は、このため実施例1および 2では無視されている。これは投与した227Th量に関してインビボで生成した223Ra量に対する生物学的半減期の影響が示されている。
材料
酢酸アンモニウム(AmAc)、L-アスコルビン酸(AscA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、炭酸ナトリウム (Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、酢酸テトラメチルアンモニウム (TMAA, 90% 純度)は、Aldrich社(ミルウォーキー, WI, 米国)から入手し、純度は特に記載しない限り99%を超えている。2-(p-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン(NCS-DOTA)は、Macrocyclics社(ダラス, TX, 米国)から入手した。ウシ血清アルブミン(BSA)およびアルブミン・ウシフラクションVは、シグマ社(セントルイス,MO,米国)から得た。
リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、胎児ウシ血清 (FBS)および glutamax RPMI 1640培地は、Gibco社(Paisley, スコットランド, 英国)から得た。そのRPMI 1640 培地は、15% FBS、ペニシリンおよびストレプトマイシンが含まれていた。陰イオン交換材料はBio-RadLaboratories社(Hercules, CA, 米国)から入手した。 Mabthera (リツキシマブ) は、F. Hoffmann-La Roche AG(バーゼル、スイス)から得た。使用したCD20陽性リンパ腫 DAUDI細胞系は、ヨーロッパ培養細胞株収集所(ECACC)(Salisbury, 英国)から購入した。
[実施例1]
・12時間という全身の保持半減期を持つトリウム標識化合物の投与後、223Raインビボ生成の推定
227Thの有効半減期(腫瘍に保持される227Thの無視できるフラクションを想定)は、1/T1/2 effective =1/T1/2phys + 1/T1/2biol⇒ T1/2 effective =0.487 日。体内で崩壊する227Thのフラクションは、T1/2 effective /T1/2 physical=0.0262と同一になるであろう。これは、注入した227Th 100 kBq 当り、6.1 x 109 原子の223Ra の生成に相当する。その娘核種に由来する有毒成分は、大まかに言って223Ra 4.3 kBq/100 kBq 227Th(当初)でのラジウム-223投与と等価になるであろう。投与されたトリウム、0.0262の崩壊は、各100 kBq 投与について、完全に保持された227Th 2.6 kBqと等価である。
[実施例2]
・4日という全身の保持半減期を持つトリウム標識化合物の投与後、223Raインビボ生成の推定
計算は実施例1の場合と同じであり、全身クリアランスについて、T1/2effective=3.3日である。これは、体内で崩壊するTh原子の0.176フラクションと等価である。これは、227Th 100 kBq 当り、4.1 x 1010原子の223Ra の生成に相当する。娘核種からの有毒成分は、大まかに言って223Ra 29 kBq /100 kBq 注入227Thでのラジウム-223と等価である。この生物学的半減期でもって、投与された227Thの100 kBqは、完全に保持される17.6 kBqと等価である。
[実施例3]
227Thの調製
トリウム-227は、2週間の間に娘核を増していた227Ac混合物から選択的に分離された。Ac 混合物(乾固されていた)に0.25 mlの7 M HN03を 添加し、次いでその溶液を陰イオン交換カラムに通した。そのカラムは、内側の直径が2 mmおよび長さが30 mmであり、約70 mgのAG-1 X8陰イオン交換樹脂 (Biorad Laboratories, Hercules, CA,米国) (硝酸塩の形態)が充填されていた。そのカラムを2〜4 mlの7 M HN03で洗浄し227Ac、223RaおよびRa娘核を除去し、他方、227Thを保持させた。次いで、227Thを該カラムから12 M HCl数mlで溶出した。最終的に乾固するまで塩酸を蒸発して除き、227Thを0.2 M HClに溶解した。
[実施例4]
・二官能性キレート化剤 NCS-DOTAのトリウム-227標識.
特に記載しない限り使用した薬剤は、Aldrich社(ミルウォーキー, ウィンスコンシン,米国)からのもので、純度は99%またはそれ以上であった。半グラムのバイアルにある0.2MHCl溶液の227Th、100μlに、p-SCN-Benzyl-DOTA (10 mg/ml) (Macrocyclics Inc, ダラス, テキサス, 米国) 25 μl、L-アスコルビン酸(150 mg/ml) 20μl、および酢酸テトラメチルアンモニウム(純度90%) (300 mg/ml)、50μlを含有する溶液(pHが、およそ5.5)が添加された。反応混合物は、振盪機付きインキュベータ (Thermomixer Comfort, Eppendorf AG, ハンブルグ, ドイツ)上で55℃、1時間、反応させた。(これによって典型的には、0.5 ml Sephadex C-25 カラムから、2.5mlの0.9% NaCl溶液を用いて定量的に溶出され、他方、223Ra(錯化しない)は、ほとんど定量的にそのカラム内にとどまることとなる。キレート化剤のない"反応"溶液で227Thを用いる対照実験で、227Thおよび223Raがともに90%を超えてカラムに保持されることが実証された。)。227Th-p-SCN-Benzyl -DOTAの未精製産物が、リツキシマブ(rituximab)標識に使用された。
[実施例5]
227Thをベースとする放射免疫複合体(RIC)のに調製
標識化は、2段階の操作で実施された。最初の工程では、227Thとキレート化剤(実施例4に記載)との結合である。2番目の工程は、放射性キレート化剤の抗体へのカップリングである。反応溶液(実施例4)をリツキシマブ(10 mg/ml, Mabthera(登録商標)、F. Hoffmann-La Roche AG, バーゼル、スイス)、200μlに加えて反応溶液のpHを、1 M Na2C03/NaHC03をおよそ100μl添加することによりほぼ9に調整した。その反応溶液を35℃、1時間、振盪器(Thermomixer Comfort, Eppendorf AG, ハンブルグ、ドイツ)上で、ゆっくり混合した。その後、10 mM diethylenetriamine pentaacetic acid (DTPA, Fluka Chemie AG Buchs, Neu-Ulm, ドイツ) 50μlおよび200μlの0.2 M グリシン飽和ホウ酸溶液(sodium tetraborate decahydrate, Fluka社から)を加え、インキュベーションを5分間継続した。それから反応混合物をSephadex G-25 PD 10 カラムに移し、次いでPBS (Gibco, Paisley, Scotland, 英国)中の1% BSA(アルブミン, ウシ フラクション V, Sigma Chemical Co., St. Louis, MO,米国)の溶液を用いることにより溶出した。溶出液は略0.6 mlフラクションで集めて、線量検定器(dose calibrator)(CRC-127R, Capintec, Ramsey, NJ, 米国)でカウントした。タンパク質溶出液に対応するフラクションは、各フラクションについて、その後使用する前に、「227Th ガンマ線 対 223Ra ガンマ線」を決定するために、ガンマ線スペクトロスコピー (GEM15-P 検出器 および Gammavision 5.20 ソフトウェア、いずれもEG&G Ortec社, Oak Ridge, TN、米国)によって分析した。
次のガンマ線ピークがそれぞれ使用された: 227Th; 236.0 keV(11.6 % 存在比), 256.3keV (7.4%), 329.9 keV (2.8%),223Ra ; 154.2 keV (6.0 %), 269.4 keV (13.6%), 323.9 keV (3.7%) 約50%のタンパク質の溶出に対応するフラクション6および7 (125I-標識リツキシマブを、PD-10カラムを通して溶出することにより確認された)が、本質的に223Raを含有しないために使用された。
フラクション8および9はより多い量の223Raを含有しており、これらのフラクションではタンパク質とこれより小さい分子との間でかなりの重なりを示している(PD-10カラム上で再精製すると、これら2つのフラクションは、6および7フラクション中にある227Thの約50%が、新しい溶出液から生成した。これは227Th-リツキシマブの存在を立証している)。PD-10 溶出液フラクションについてGe-検出器での測定に基づき、標識の全収率は、およそ12%であったと見積もられる。227Th-抗体複合体は、227Thの崩壊から生起する223Raを除くためにPD-10カラムで容易に精製できることも、また8℃で保存された5日齢調製物により示された。以上より227Thは二官能性キレート化剤を介してターゲティング分子に結合させ得ること、ならびに娘核産物から精製され得ることが示された。保存する場合、生成した娘核産物、223Raはキレート化剤から放出され、ゲルろ過/サイズ排除の精製により純粋な227Th- 抗体複合体を再生することが可能であった。
[実施例6]
・DAUDIヒトリンパ腫細胞への227Th標識抗体の結合
DAUDI細胞をヨーロッパ培養細胞株収集所(ECACC, Salisbury, 英国)から購入し、さらにGibco 社(Paisley, Scotland、英国)からの培養培地および補充添加物、ならびに500 ml培養フラスコ(Cell Star, Greiner Bio-One GmbH, Frickenhausen、ドイツ)を用いて、供給者の指示書に基づいて増殖させた。DAUDI細胞(0.7 mlのPBS中、2×107細胞)が、インビトロで227Th標識リツキシマブの結合を調べるために用いられた。非特異的な結合のコントロールとして、非標識リツキシマブ、40μgで15分間予め飽和(ブロック)させたDAUDI細胞が使用された。試験管(ポリスチレン培養試験管, 12 × 75 mm, Elkay, Shrewsbury, MA, 米国)に、227Th標識リツキシマブをそれぞれ1.3, 5.3, または26 μg/mlに相当するように加えられた。
実験は、ブロックしない細胞およびブロックした細胞を使用して、各濃度レベル、2つ組で実施された。インキュベーションは、2時間、8℃で行なわれた。イ ンキュベーション後、細胞懸濁液は放射能(Crystal II Multidetector, Packard Instrument Company Inc. Downers Grove, IL, 米国)についてカウントされた。該細胞は、2 mlの1% BSA (アルブミン, ウシフラクション V, Sigma Chemical Co., St. Louis, MO, 米国) PBS溶液(Gibco, Paisley, Scotland, 英国)で洗浄され、次いで200rpmで5分間遠心分離された(遠心機5810R、エッペンドルフ AG、ハンブルグ、ドイツ)。この洗浄/遠心分離を2回反復した。その後、細胞ペレットはその放射能を測定された。その結果(各々、2つ組測定の平均)が、下記の表3に示されている。
Figure 0005468597
これらの結果から、227Th-標識リツキシマブはDAUDI 細胞に特異的に結合したことが示されている。平均的には、ブロック細胞に対して約12倍もの多くのRICが、非ブロック細胞に結合していた。さらに細胞当りに治療的に有効となる数の227Th 原子が結合していた。かくして、抗体、ペプチドおよびビタミンなどへ結合させるのに有用な二官能性キレート化剤を用いて、227Th-標識RICは、治療的に有効な数の227Th原子が腫瘍細胞に特異的に結合する能力を有するように調製することが可能であった。
[実施例7]
・先行技術から223Ra毒性の推定
ラジウム-223およびラジウム-224の毒性に関して、ヒトのデータがないために、223Raについての推定放射性毒性が、イヌにおけるラジウム-224についての公開されたデータを用いて、以下のように導き出される。224Raおよび223Raの崩壊系列(娘核種の崩壊を含む)は、4個のアルファ粒子/ラジウム原子の放射をもたらす。
娘核と平衡にある223Raおよび224Raからの全アルファ粒子線量は、それぞれ変換(transformation)当りにおおよそ26.3および27.1 MeVであり、したがってきっちり等価である。224Raの半減期は、3.62日、ならびに223Raについては11.43日である。このことは、アルファ線エネルギーおよび半減期の相違を考慮に入れ、ならびに放射性核種の長期にわたる生物学的保持(すなわちクリアランスは、放射性核種の物理学的半減期に支配される)を仮定して、注入した放射能単位当り、223Raからの骨格線量は、224Raからのそれよりもおおよそ3.1倍になることを意味する。この仮定は、RaがCaの類縁体であり、容易に骨格系に取り込まれることから妥当な仮定である。
224Raまたは223Raを用いる治療後に最も強く影響を被る血液細胞の種類は、好中球であるようである。成犬における224Ra の生物学的効果に関する公表された研究(Muggenburg, Radiat Res 146: 171-186, (1996)参照)からのデータは、1回の静脈注射として投与されると、120および350 kBq/kg体重(kBq/kg)でも好中球細胞の数が下記の表4に示すよう
に、著しく減少した。
Figure 0005468597
350 kBq/kgで、骨の骨髄損傷から生じる血液学的な障害によってもたらされる死が、幾頭かの対象に起きた(8頭のイヌのうち3頭)。それゆえイヌにおいては、224Raの最大許容線量は、120〜350 kBq/kgの間にあると推定される。上記のように223Raに変換すると、この範囲は223Raの39〜113 kBq/kgに相当する。イヌとヒトにおいて血液学的毒性が類似であると仮定すると223Raの最大許容線量は、ヒトでは39〜113 kBq/kgの範囲内になると想定 される。一般的には、2つの異なる生物種からのデータを比較する場合には注意深くなければならない。しかしながらイヌとヒトでは、放射線からの骨の骨髄毒 性に関しては極めて類似している(Hall, "Radiobiology for the radiologist, "Lippincott Williams &Wilkins, Philadelphia, PA, 米国, 2000年参照)、したがって、この計算はヒトにおける223Raの最大許容線量の有効な推測を与えるであろうと期待されよう。
[実施例8]
・ヒトにおける223Raの実験室的研究
第1相の研究で乳癌の患者または前立腺ガンの患者に、223Raが線量レベルとして37, 74, 130, 170 および 200 kBq/kgを単回投与された。好中球細胞のフラクションが血液学的な毒性の鋭敏な尺度として追跡された。その結果が次の表5に表されている。
Figure 0005468597
驚くべきことにヒトにおいて高い線量レベルでも耐えうることがわかり、このことから不都合な血液学的な毒性を引き起こすことなく、223Raについて以前想定されたレベルよりもかなり高い放射線投与を骨表面へ送達できることを示している。
[実施例9]
・ヒトにおける223Raの更なる研究
実施例8の実験が、高い精度に検定された線量計測を用いて実施された。223Raの線量レベルとして46, 93, 163, 213, および250kBq/kgが、単回投与または多数回投与のスケジュールで導入された。
患者および研究の基準
骨格系に癌転移を有する31名の患者、すなわち乳癌からの転移10名ならびに前立腺ガンからの転移21名全員が、第1A相および第1B相の試験に登録されていた。
前立腺ガン患者は、60〜85歳であり、体重が50〜120 kgの範囲で分布していた。彼ら全員が、ホルモン無反応性と考えられる進行性疾患を抱えていた。乳癌患者は、40〜70歳で、体重は50〜95 kgであった。全員が2番目にホルモン療法および/または化学療法を進めていた。主たる目的は、223Raの安全性および認容性(tolerance)を評価することにある。
フォローアップ
フォローアップの期間は8週間であった。
線量レベルおよび治療スケジュール
単回注射の試験において、次の平均投与線量レベルが用いられた;46, 93, 163, 213, および250-kBq・kg -1体重(b.w.)。それぞれ5名の患者が各線量レベルに含まれていた。15名の前立腺癌および10名の乳癌患者が含まれていた。
反復注射のスケジュールにおいては、6名の患者が含まれ、すべて前立腺ガンを患っていた。3名の患者は、3週間隔で5回の投与を受け、各回50 kBq kg-1 b. w.であり、残り3名の患者は、6週間隔で2回の投与を受け、各回125 kBq kg-1 b. w.であった。
血液クリアランス
単回注射のスケジュールに含まれていた25名の患者の血液クリアランス・プロファイルを決定するために、注射後の異なる時点で約1 mlの血液が採取され、放射能の測定に使用された。各血液サンプルの重量が測定され、血液1ml当りのカウント速度が算出された(1mlの血液が1 gであると仮定)。放射能は、NaIウェル型カウンターによって測定された。100%の放射能が当初血液中にあり、全血液重量が体重の7%を占めると仮定されて、注射直後の放射能レベルが算出された。そのデータは、注射時点および測定時点の間における放射性崩壊を調整して、生物学的データとして表された。
放射性核種の産生
ラジウム-223は、W00040275に記載されたように、227Ac/227Thから製造され、Ac-樹脂を使用して227Acおよび227Thを固定化して精製した。産物の濃縮物、すなわち溶解223RaCl2は、使用する前に放射性核種純度についてガンマ線スペクトロスコピーにより試験した。NaClおよびクエン酸ナトリウム中の223Ra濃縮物は、無菌的製造に送られた。等張性、pHおよび放射能濃度が調整され、病原体および発熱物質の試験のためのサンプルが保管された。最終産物は、無菌のバイアルに詰めて、次いで注射針を貫ける密封用ゴム膜でキャップした。バイアルは鉛容器に収めて病院へ出荷した。
副作用
線量に限定された毒性は、本研究の線量段階的上昇部分において観察されなかった。注射後、最下点2〜3週間で可逆的骨髄抑制が発生し、フォローアップ期間 の間に回復した。25名の患者のうち2名に、最大でグレード3の好中球減少症が発生した。最高線量レベルの2例ですら、血小板は僅かにグレード1の毒性を 示しただけである。一般に線量レベルが上昇すると、より強い骨髄抑制の方へ向かう傾向が少しあったが、その効果は大して目立つほどでもなかった。悪い症状 はほとんど見られなかったが、最高線量レベルで、5名の患者のうち4名に頻繁に現れたのは吐き気であった。可逆的な下痢(グレード1および2であり、医薬 投与で好転する)が、すべての線量グループで観察され、全部で患者のおよそ50%に達した。最高線量グループでは、5名の患者のうち4名で、嘔吐が発生し た。このことは他の線量グループでは観察されなかった。
反復注射のスケジュール
50×5 スケジュールにおける3名の患者は、治療反復に関係したさらなる毒性を全く経験しなかった。単回投与(5つに分けられたものを一緒にすると同じ)と比べると、分割のスケジュールのために、血液学的プロファイルは平らに伸ばされたようである。
223Raに無関係の不利な事象
125×2 スケジュールにおける患者のうちただ一名が、反復投与のスケジュールで、実際に2回目の投与を受けた。フォローアップの投与を受けなかった2名の患者のうち、1人は、肝臓転移が進行したために死亡し、他の者は以前の心臓症状の再発に基づく治療をさらに受けることから不適格とされた。
骨髄毒性
好中球細胞フラクション、血小板、白血球カウントおよびヘモグロビンへのラジウム-223の作用が、血液学的毒性についての広範囲にわたる基準を与えるために追跡された。好中球および白血球への作用は最も著しく、これらは骨髄毒性についての鋭敏なマーカーであることが示された。その結果は研究対象の患者数 で表され、CTC 毒性グレードのスケールについて特定レベルの毒性を示して下記表6にまとめられている。
Figure 0005468597

Claims (5)

  1. 少なくとも1つの医薬用の担体または賦型剤と一緒に、トリウム-227と錯化剤との軟組織指向性複合体を含み、そのトリウム-227は、生体親和性を有するターゲティング部分(ただし、向骨性化合物、リポソームならびに葉酸結合抗体もしくは葉酸結合抗体フラグメントを除く)に結合され、かつ該トリウム-227が、その治療有効量の少なくとも36kBq/Kgで存在することを特徴とする医薬組成物。
  2. 生体親和性を有するターゲティング部分(ただし、向骨性化合物、リポソームならびに葉酸結合抗体もしくは葉酸結合抗体フラグメントを除く)に結合したトリウム-227と錯化剤との軟組織指向性複合体。
  3. トリウム-227が、1,4,7,10-tetraazacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetic acid誘導体にキレート化されている、請求項2に記載の複合体。
  4. 前記トリウム-227を、1,4,7,10-tetraazacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetic acid誘導体とともに加熱して、キレート化されたトリウム-227を形成させること、次いでそのキレート化トリウム-227をターゲティング部分に結合させることを含む、請求項3に記載の複合体の調製方法。
  5. 哺乳類患者の軟組織疾患の治療のために使用されるキットであって、そのキットはトリウム-227と錯化剤との軟組織指向性複合体の溶液を、該治療においてその溶液の使用のための指示書とともに含み、該トリウム-227は、生体親和性を有するターゲティング部分(ただし、向骨性化合物、リポソームならびに葉酸結合抗体もしくは葉酸結合抗体フラグメントを除く)に結合されることを特徴とするキット。
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