JP2008515923A - 安定な多相パーソナルケア組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも2つの視覚的に区別できる相を含み、少なくとも1つの視覚的に区別できる相はクレンジング相の約2重量%〜約90重量%の界面活性剤構成成分を含むクレンジング相を含み;及び前記クレンジング相は高分子相構造化剤を含み;及び前記視覚的に区別できる相は模様を形成する、安定な多相パーソナルケア組成物である。

Description

本発明は、少なくとも2つの視覚的に区別できる相を含み、少なくとも1つの視覚的に区別できる相はクレンジング相の約2重量%〜約90重量%の界面活性剤構成成分を含むクレンジング相を含み;及び前記クレンジング相は高分子相構造化剤を含み;及び前記視覚的に区別できる相は模様を形成する、安定な多相パーソナルケア組成物に関する。
パーソナルケア組成物は米国及び世界中で益々普及しつつある。パーソナルケア組成物は周知であり広く用いられている。望ましいパーソナルケア組成物は多くの基準を満たさなければならない。例えば、消費者に受け入れられるために、パーソナルケア組成物は良好な洗浄性を示さなければならず、良好な起泡特性を示さなければならず、皮膚に優しくなければならず(乾燥又は炎症を引き起こさない)、及び好ましくは更には皮膚にコンディショニング効果をも提供すべきである。パーソナルケア組成物はまた、皮膚の色及び外見を変えるためにも用いられてきた。
皮膚コンディショニング効果の提供を企図するパーソナルケア組成物は既知である。これらの組成物の多くは、乳化したコンディショニングオイル又は他の類似物質を起泡性界面活性剤と組み合わせて含む水性系である。これらの製品は、コンディショニング効果及びクレンジング効果の双方を提供するが、使用時に十分な量の皮膚コンディショニング剤を皮膚上に付着させる製品を配合するのは、多くの場合困難である。クレンジング界面活性剤による皮膚コンディショニング剤の乳化に対抗するために、多量の皮膚コンディショニング剤が、組成物に添加されるが、これらのクレンジングとコンディショニングとの2重製品に関連した別の問題を招くことになる。付着の増加を達成するために皮膚コンディショニング剤の濃度を引き上げると、製品の起泡性能及び安定性に悪影響を与える。起泡性能の減少に対抗するために、多くの場合界面活性剤の濃度が増加されるが、これは皮膚コンディショニングに悪影響を与える。界面活性剤濃度を低減することは一般にマイルド性を改善するためには望ましいが、特に疎水性の利益構成成分の存在下では、マイルド性を改善すること並びに安定性及び起泡性能を維持することは不可能であることが多い。
安定性を維持しながら、パーソナルクレンジング製品のコンディショニング効果及びクレンジング効果をもたらす試みの1つは、複室型パッケージの使用であった。これらのパッケージは、分離したクレンジング組成物及びコンディショニング組成物を含み、その2つの組成物を単一又は二重の流れで同時に分与することが可能である。したがって、分離されたコンディショニング及びクレンジング組成物は、長期にわたる保管の間及び適用の直前には、物理的に分離し安定な状態を保っているが、その後、分与中又は分与後に混合されて、物理的に安定な系からコンディショニング効果及びクレンジング効果を提供する。このような複室型送達系は、慣用系の使用よりも改良されたコンディショニング効果を提供するが、これら複室型パッケージからのクレンジング相とコンディショニング相との分配比が均一ではないため、一貫した一様な性能を達成することが困難な場合が多い。更に、これらの包装システムは、最終製品のコストを大幅に増大させる。
したがって、増大された起泡寿命及び改善された起泡特性を伴う洗浄、並びに絹のような肌感触、改善された柔らかな肌感触、及び改善された滑らかな肌感触のような皮膚効果を提供する、安定な多相パーソナルケア組成物が依然として必要とされている。長期間にわたって安定なまま物理的接触状態にある2つの相を含むパーソナルケア組成物もまた依然として必要とされている。
したがって本発明の目的は、利益構成成分が高濃度で付着されることができるとともに優れた起泡性能、安定性及びマイルド性を維持することができるように、組成物中に乳化されないが別個の利益相中に含まれる高濃度の利益構成成分を含むことのできる第2の視覚的に区別できる相と組み合わされた、構造化ドメインを有する界面活性剤を含む視覚的に区別できる相を含む、安定な多相パーソナルケア組成物を提供することである。
本発明は、少なくとも2つの視覚的に区別できる相を含み、少なくとも1つの視覚的に区別できる相はクレンジング相の約2重量%〜約90重量%の界面活性剤構成成分を含むクレンジング相を含み;及び前記クレンジング相は高分子相構造化剤を含み;及び前記視覚的に区別できる相は模様を形成する、安定な多相パーソナルケア組成物に関する。
本発明は更に、少なくとも2つの視覚的に区別できる相を含み、少なくとも1つの視覚的に区別できる相はクレンジング相の約2重量%〜約90重量%の界面活性剤構成成分を含むクレンジング相を含み;及び前記クレンジング相は少なくとも約45%の構造化ドメイン体積比を有する、安定な多相パーソナルケア組成物に関する。
本発明は更に、少なくとも2つの視覚的に区別できる相を含み;アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、石鹸、及びこれらの混合物から成る群から選択される、クレンジング相の約2重量%〜約90重量%の界面活性剤を含むクレンジング相を含む第1の相を含み;前記クレンジング相は非ニュートンずり減粘性であり、約3,000cps(3Pa.s)以上の粘度を有し;脂質類、炭化水素類、脂肪類、油類、疎水性植物抽出物類、脂肪酸類、精油類、シリコーンオイル類、及びこれらの混合物から成る群から選択される、利益相の約1重量%〜約100重量%の疎水性物質を含む疎水性組成物を含む利益相を含み;前記クレンジング相と前記利益相との重量比は約1:99〜約99:1であり、前記クレンジング相及び利益相は同一パッケージ中で物理的に接触した状態にあって、周囲条件で少なくとも約180日間安定なままであり;前記クレンジング相及び利益相は模様を形成し;少なくとも1つの相は高分子相構造化剤を含み;前記視覚的に区別できる相は安定である、多相パーソナルケア組成物に関する。
本発明は更に、少なくとも2つの視覚的に区別できる相を含み;アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、石鹸、及びこれらの混合物から成る群から選択される、クレンジング相の約2重量%〜約90重量%の界面活性剤を含むクレンジング相を含む第1の相を含み;前記クレンジング相は非ニュートンずり減粘性であり、約3,000cps(3Pa.s)以上の粘度を有し;別個の非起泡性構造化水相を含み;前記クレンジング相と非起泡性構造化水相との比率は約90:1〜約1:90であり;前記クレンジング相及び非起泡性構造化水相は模様として存在し;少なくとも1つの相は高分子相構造化剤を含み、前記視覚的に区別できる相は安定である、多相パーソナルケア組成物に関する。
本発明はまた、上記の組成物を皮膚に適用することにより、皮膚を洗浄する、皮膚に潤いを与える、及び皮膚に有効な成分及び粒子を皮膚に送達する方法も対象とする。
本発明は、少なくとも2つの視覚的に区別できる相を含み、少なくとも1つの視覚的に区別できる相はクレンジング相の約2重量%〜約90重量%の界面活性剤構成成分を含むクレンジング相を含み;及び前記クレンジング相は高分子相構造化剤を含み;及び前記視覚的に区別できる相は模様を形成する、安定な多相パーソナルケア組成物に関する。本発明の組成物及び方法のこれら及び他の必須制限事項、並びに本明細書に使用するのに好適な多くの任意成分については、本明細書の以下で詳細に説明する。
用語「無水」は、本明細書で使用するとき、特に指示のない限り、水を約10重量%未満、より好ましくは約5重量%未満、更により好ましくは約3重量%未満、更により好ましくは0重量%含有する組成物又は物質を意味する。
用語「周囲条件」は、本明細書で使用するとき、1気圧、相対湿度50%及び25℃における周辺条件を言う。
用語「化粧品用に有効な濃度」は、本明細書で使用するとき、組成物の使用中に利益を与える濃度である。
用語「稠度値」又は「k」は、本明細書で使用するとき、粘度の尺度であり、その粘度が剪断力の関数である物質の粘度を定義するため、剪断指数と組み合わせて使用される。測定は25℃で行われ、単位はPa.s(1000センチポアズに等しい)である。
用語「ドメイン」は、本明細書で使用するとき、超遠心分離のような物理力によって濃縮されることはできるが、それ以上分離されることはできない分子混合物を含む物質、構成成分、組成物、又は相の体積を意味する。例えば、界面活性剤ラメラ、界面活性剤ミセル、界面活性剤結晶、油、ろう、水−グリセリン混合物、水和された親水性ポリマーはすべて、超遠心分離によって濃縮されること及び観察されることができるが、同じ力によって個々の分子構成要素に更に分離されることはできないドメインを構成する。
用語「疎水変性干渉顔料」又は「HMIP」は、本明細書で使用するとき、その表面が、分子の物理的及び化学的の両方の結合を包含し、疎水性物質でコーティングされた干渉顔料の一部を意味する。
本明細書で使用するとき、「干渉顔料」という用語は、粒子基体物質(一般に小板状体の形状である)の表面を薄膜でコーティングすることにより調製される真珠光沢を有する顔料を意味する。薄膜は高屈折率を有する透明又は半透明な物質である。高屈折率物質は、小板状体基体/コーティング層の境界面からの入射光線の反射と、コーティング層の表面からの入射光線の反射との間の相互干渉作用の結果として生じる真珠光沢を示す。
用語「液晶相誘発構造化剤」とは、本明細書で使用するとき、界面活性剤構成成分と適合性であり、好ましくは界面活性剤分子の横方向の配列に直接参加することによって、ラメラ相の形成を誘発する及び/又はラメラ相の百分率を増加させる構成成分を意味する。用語「多相の」又は「多相」は、本明細書で使用するとき、本明細書の少なくとも2つの相が、それらが保存されているパッケージ内に別個であるが区別される物理的空間を占有しているが、互いに直接接触している(すなわち、これらは境界により分離されているのではなく、またいかなる有意な程度によっても乳化又は混合されていない)ことを意味する。本発明の1つの好ましい実施形態では、少なくとも2つの可視的な相を含む「多相の」パーソナルケア組成物が、視覚的に区別可能な模様として容器内に存在する。この模様は、「多相の」組成物を混合又は均質化した結果として生じる。この「模様」("patterns" or "patterned")には、次の例が挙げられるが、これらに限定されない:縞模様、大理石模様、直線的模様、中断縞模様、チェック模様、斑点模様、脈状模様、クラスター模様、斑紋模様、幾何学模様、まだら模様、リボン模様、らせん模様(helical)、渦模様(swirl)、配列模様、ふ入り模様、織物模様、溝模様、隆起線模様、波形模様、正弦波模様、渦巻き模様(spiral)、ねじれ模様、曲線模様、周期模様、筋模様、横紋模様、輪郭模様、不均等模様、レース模様、織り込み又は織り出し模様、バスケット織り模様、まだら模様、及びモザイク模様。好ましくは模様は、縞模様、幾何学模様、大理石模様、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
好ましい実施形態では、縞模様は、パッケージの寸法にわたって相対的に一様且つ均一であってもよい。あるいは、縞模様は一様でなくてもよく、すなわち波形であってもよいし、又は寸法において均一でなくてもよい。縞模様は、必ずしもパッケージの寸法全体にわたって伸びている必要はない。縞の大きさは、幅が少なくとも約0.1mm及び長さが10mmとすることができ、好ましくは幅が少なくとも約1mm及び長さが少なくとも20mmである。存在するその他の相(類)からその外観を目立たせるために、相は様々な異なる色であってよく、及び/又は相の少なくとも1つの中に粒子、きらめき剤又はパールエッセンス剤を包含してもよい。
用語「安定な多相パーソナルケア組成物」は、本明細書で使用するとき、使用の間それらの外観及び特徴を本質的に保持する、すなわち振盪も複雑な包装又は分与手段も必要としない、皮膚又は毛髪への局所適用が企図された組成物を言う。
用語「相」は、本明細書で使用するとき、異なる平均的な組成を有する別の領域と区別されている場合の1つの平均的な組成を有する組成物の領域を言い、この領域は肉眼で見ることができる。これは、1つの相が、顔料、染料、粒子、及び様々な任意成分を含むため異なる平均的組成の領域となる2つの同様の相を、区別される領域が含むことを除外しない。相は一般に、それが含むコロイド状又は準コロイド状構成成分よりも大きな寸法を有する空間(1つ又は複数)を占める。相はまた、その特性を観察するために、例えば遠心分離、濾過又は同様のものによってバルク相へと構成されても又は再構成されてもよい。
本明細書で使用するとき、「安定な」という用語は、特に指定のない限り、少なくとも約180日間周囲条件で物理的に接触した状態においた場合に少なくとも2つの「別個の」相を維持し、パッケージ中の異なる位置における2つの相の分布が経時的に変化しない組成物を指す。「分離」とは、視覚的に区別できる相の良好に分配された性質及びまた模様をなした外観が崩れ、その結果少なくとも1つの相のより大きい領域が、2つ以上の組成物の互いに対してバランスのとれた分配比が崩れるまで集まることを意味する。
用語「不透明な」構造化ドメインとは、本明細書で使用するとき、規則正しい構造(例えば、ラメラ構造、嚢状体構造、立方体構造等)を有するドメインを含有する界面活性剤を指すが、それは本明細書に記載の超遠心分離法の後、10mm内径プラスチック遠心分離管中で肉眼で視覚的に不透明である。クレンジング相中の不透明な構造化ドメインは、構造を有する不透明な界面活性剤ポリマードメインを包含する。
用語「剪断指数」又は「n」は、本明細書で使用するとき、粘度の尺度であり、その粘度が剪断力の関数である物質の粘度を定義するため、稠度値と組み合わせて使用される。測定は、25℃で行われ、その単位は、無次元である。
語句「実質的に含まない」は、本明細書で使用するとき、組成物が、所定の成分を組成物の約3重量%未満、好ましくは約1重量%未満、より好ましくは約0.5重量%未満、更により好ましくは約0.25重量%未満、最も好ましくは約0.1重量%未満しか含まないことを意味する。
ヴォーン溶解度パラメータ(VSP)は、本明細書で使用するとき、疎水性物質を含む疎水性組成物の溶解度を定義するために使用されるパラメータである。ヴォーン溶解度パラメータは、多様な化学及び製剤技術において周知であり、かつ典型的に約5〜約25(cal/cm31/2の範囲を有する。
用語「ゼロ剪断粘度」とは、本明細書で使用するとき、本明細書の方法によって決定される場合の、流動開始の前の低応力領域におけるクレンジング相の粘度の尺度である。
本明細書で用いる全ての百分率、部及び比率は、特に指示がない限り、全組成物の重量による。列記された成分に関するこのような重量はすべて、活性濃度に基づくものであり、したがって特に明記しない限りは、市販材料に含有される可能性がある溶媒又は副産物を包含しない。
本発明のマイルドな多相パーソナルケア組成物及び方法は、本明細書に記載の発明の必須要件及び制限事項と同様に、本明細書に記載されているか、さもなければ毛髪又は皮膚への局所適用が意図されるパーソナルケア組成物において有用である、あらゆる追加成分若しくは任意成分、構成要素、又は制限事項を含むこと、それらから成ること、あるいはそれらから本質的に成ることができる。
製品形態
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は、典型的には液体の形態である。用語「液体」は、本明細書で使用するとき、組成物が一般にある程度流動性であることを意味する。したがって「液体」は、皮膚への局所適用が意図される液体、半液体、クリーム、ローション又はゲル組成物を包含することができる。組成物は典型的に、同時係属出願番号60/542,710(2004年2月6日出願)に記載されている粘度法によって測定した場合、約1,500cps(1.5Pa.s)〜約1,000,000cps(1000Pa.s)の粘度を示す。これらの組成物は、少なくとも2つの相を含有し、これらは本明細書の以下でより詳細に記載される。
安定な多相パーソナルケア組成物を本明細書に記載の方法により評価する場合、個別の相はそれぞれ、個別の方法論において特に指示がない限り、組み合わされる前に評価されるのが好ましい。しかし、相が組み合わされている場合、それぞれの相は遠心分離、超遠心分離、ピペッティング、濾過、洗浄希釈、濃縮、又はこれらの組み合わせによって分離することができ、その後分離した構成成分又は相を評価することができる。好ましくは、分離手段は、結果として得られる評価されている分離された構成成分が破壊されることなく安定な多相パーソナルケア組成物中に存在する場合の構成成分の標本となるように、すなわちその組成物及びその組成物中における構成成分の分布が分離手段によって実質的に変化しないように選択される。一般に、模様をなす多相組成物は、コロイドの寸法よりも著しく大きなドメインを含むためバルクへの相分離は比較的到達し易く、一方その中の構成成分のコロイドの又は微細な分布は保持される。本発明の組成物及び方法を定義するために考慮される製品形態はすべてリンスオフ型配合物であり、それは製品が皮膚又は毛髪に局所的に適用され、その後(すなわち数分内に)、皮膚又は毛髪が水によってすすがれるか、そうでなければ基材又はその他の好適な除去手段を使用することにより組成物の付着部分が拭き取られることを意味する。
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物の好ましい実施形態では、この組成物は、少なくとも1つの相が第2の相から視覚的に区別できる、少なくとも2つの視覚的に区別できる相を有する。視覚的に区別できる相は互いに物理的に接触して包装され、安定している。

本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は少なくとも2つの視覚的に区別できる相を含み、組成物は第1相、第2相などを有することができる。第1相と第2相との比率は約1:99〜約99:1、好ましくは90:10〜約10:90、より好ましくは約80:20〜約20:80、更により好ましくは約70:30〜約30:70、なお更により好ましくは約60:40〜約40:60、更になおより好ましくは約50:50である。相はそれぞれ、以下を包含する非限定例(クレンジング相、利益相、及び非起泡性構造化水相)のうちの1つ以上であり、これらは、本明細書の以下でより詳細に記載される。クレンジング相が第2相とともに存在する場合には、クレンジング相と第2相との比率は約99:1〜約1:99である。クレンジング相と第2相との比率は好ましくは約50:50〜、より好ましくは約70:30〜約30:70、更により好ましくは約80:20〜約20:80、なお更により好ましくは約90:10〜約10:90である。
クレンジング相
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は、クレンジング相を含むことができる。クレンジング相は、界面活性剤構成成分又は界面活性剤類の混合物を含む。安定な多相パーソナルケア組成物は、組成物の約1重量%〜約99重量%のクレンジング相を含む。
界面活性剤構成成分を含むクレンジング相は好ましくは構造を有する。降伏応力及びゼロ剪断粘度は、その組成物をパッケージから分与するための応力のような応力を適用されたときに生ずる構造を有するクレンジング相にとって有用な特性である。本明細書に記載される方法によって決定されるように、降伏点はクレンジング相の流動を開始するために必要な応力の量であり、ゼロ剪断粘度は流動の開始の前の応力領域における平均粘度である。クレンジング相は約0.5パスカルよりも大きな、好ましくは約1.0パスカルよりも大きな、より好ましくは1.5パスカルよりも大きな、更により好ましくは約2パスカルよりも大きな降伏点を与える。クレンジング相は少なくとも約500Pa−s、好ましくは少なくとも約1,000Pa−s、より好ましくは少なくとも約1,500Pa−s、更により好ましくは少なくとも約2,000Pa−sのゼロ剪断粘度を与える。
界面活性剤成分
界面活性剤構成成分は、界面活性剤又は界面活性剤類の混合物を含む。界面活性剤構成成分は、皮膚又は毛髪への適用に好適な界面活性剤類を含む。本明細書に用いるのに好適な界面活性剤には、あらゆる既知の又はその他の有効な、皮膚への適用に適した、及びそうでなけば水を包含する安定な多相パーソナルケア組成物における他の必須成分と適合性がある、クレンジング界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤には、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双極性若しくは両性界面活性剤類、石鹸、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
安定な多相パーソナルケア組成物は好ましくは界面活性剤構成成分を、クレンジング相の約2重量%〜約90重量%、より好ましくは約5重量%〜約40重量%、更により好ましくは約10重量%〜約30重量%、なおより好ましくは約12重量%〜約25重量%、なお更により好ましくは約13重量%〜約25重量%、更になおより一層好ましくは約14重量%〜約18.5重量%の範囲の濃度で含む。安定な多相パーソナルケア組成物の好ましいpH範囲は、約5〜約8である。本発明の界面活性剤構成成分は、非ニュートンずり減粘の挙動を示す。
界面活性剤構成成分を含むクレンジング相は、構造化界面活性剤系を含む構造化ドメインを含む。構造化ドメインは、組成物中に乳化されない別個の相中への高濃度の利益構成成分の組み込みを可能にする。好ましい実施形態では、構造化ドメインは不透明な構造化ドメインである。不透明な構造化ドメインは、好ましくはラメラ相を含む。ラメラ相は、ラメラゲル網状組織を生ずる。ラメラ相は、粒子及び液滴を懸濁するための、剪断に対する抵抗性、十分な降伏を与え、同時に、それが熱力学的に安定であることから、長期の安定性を与える。ラメラ相は、粘度変性剤を必要とすることなく高い粘度を有する。界面活性剤構成成分を含むクレンジング相は、本明細書で後述する超遠心分離法によって測定した場合に、少なくとも約45%の、好ましくは少なくとも約50%の、より好ましくは少なくとも約55%の、更により好ましくは少なくとも約60%の、なおより好ましくは少なくとも約65%の、なお更により好ましくは少なくとも約70%の、なお更により一層好ましくは少なくとも約80%の構造化ドメイン体積比を有する。
クレンジング相は、本明細書で後述する起泡体積試験によって測定した場合、少なくとも約600ml、好ましくは約800mlよりも大きな、より好ましくは約1000mlよりも大きな、更により好ましくは約1200mlよりも大きな、なおより好ましくは約1500mlよりも大きな総起泡体積を有する。界面活性剤構成成分は好ましくは、本明細書で後述する起泡体積試験よって測定した場合に、少なくとも約300mlの、好ましくは約400mlよりも大きな、更により好ましくは約500mlよりも大きな瞬間起泡体積を有する。
構造化ドメインは、本明細書で後述する起泡体積試験によって測定した場合に、少なくとも約450mlの、好ましくは約500mlよりも大きな、より好ましくは約600mlよりも大きな、更により好ましくは約800mlよりも大きな、なおより好ましくは約1000mlよりも大きな、なお更により好ましくは約1250mlよりも大きな、総起泡体積を有する。構造化ドメインは好ましくは、本明細書で後述する起泡体積試験によって測定した場合に、少なくとも約200mlの、好ましくは約250mlよりも大きな、更により好ましくは約300mlよりも大きな瞬間起泡体積を有する。
好適な界面活性剤は、マカッチャン(McCutcheon)の「洗剤及び乳化剤(Detergents and Emulsifiers)」、北アメリカ版(1986年)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版;及びマカッチャンの「機能材料(Functional Materials)」、北アメリカ版(1992年);及び米国特許第3,929,678号に記載されている。
クレンジング相に使用するのに好適なアニオン性界面活性剤には、アルキルサルフェート類及びアルキルエーテルサルフェート類が挙げられる。これらの物質は、それぞれ、式、ROSO3M及びRO(C24O)xSO3Mを有し、式中、Rは、炭素原子数約8〜約24個のアルキル又はアルケニルであり、xは、1〜10であり、Mは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、及びトリエタノールアミンのような水溶性のカチオンである。アルキルエーテルサルフェート類は、典型的にはエチレンオキシドと約8〜約24個の炭素原子を有する一価アルコール類との縮合生成物として製造される。好ましくは、Rは、アルキルサルフェート類及びアルキルエーテルサルフェート類の両方において約10〜約18個の炭素原子を有する。アルコール類は、脂肪類、例えばココヤシ油若しくは獣脂から誘導されること、又は合成であることができる。本明細書では、ココヤシ油から誘導されるラウリルアルコール及び直鎖アルコール類が好ましい。このようなアルコール類は、約1〜約10、好ましくは約3〜約5、より好ましくは約3のモル比のエチレンオキシドと反応し、例えば、アルコール1モル当たり平均3モルのエチレンオキシドを有する、結果として得られる分子種の混合物が硫酸化され、中和される。
クレンジング相で使用してもよいアルキルエーテルサルフェート類の具体例は、ココナッツアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、タローアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、及びタローアルキルヘキサオキシエチレンサルフェートの、ナトリウム塩及びアンモニウム塩である。非常に好ましいアルキルエーテルサルフェート類は、個々の化合物の混合物を含むものであり、混合物は約10〜約16個の炭素原子の平均アルキル鎖長、及び約1〜約4モルのエチレンオキシドの平均エトキシル化度を有する。
他の好適なアニオン性界面活性剤類には、一般式[R1-SO3−M]の有機硫酸反応生成物の水溶性塩類が挙げられ、式中、R1は約8〜約24個、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルから成る群から選択され、Mはカチオンである。好適な例は、約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する、イソ−、ネオ−、インエソ−及びn−パラフィン類を包含するメタン系の炭化水素と、漂白及び加水分解を包含する既知のスルホン化法によって得られるスルホン化剤、例えば、SO3、H2SO4、発煙硫酸との、有機硫酸反応生成物の塩類である。好ましいものは、アルカリ金属及びアンモニウムスルホン化C10〜18n−パラフィン類である。
クレンジング相で使用するのに好ましいアニオン性界面活性剤には、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ココイル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
一部の実施形態では、例えばトリデセス硫酸ナトリウムのような分枝状アルキル鎖を有するアニオン性界面活性剤が好ましい。一部の実施形態では、アニオン性界面活性剤類の混合物を使用してもよい。
両性、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び/又は非イオン性界面活性剤の部類からの追加的な界面活性剤を、クレンジング相組成物に組み込んでもよい。
クレンジング相で使用するのに好適な両性界面活性剤には、脂肪族第二級及び第三級アミン類の誘導体として広く記述されるものであって、その脂肪族ラジカルが直鎖若しくは分枝鎖であることができ、その脂肪族置換基のうちの1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つがアニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートを含有するものが挙げられる。この定義に該当する化合物の例は、3−ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従ってドデシルアミンとイセチオン酸ナトリウムとを反応させることで調製されるもののようなN−アルキルタウリン類、米国特許第2,438,091号の教示に従って生成されるもののようなN−高級アルキルアスパラギン酸類、及び米国特許第2,528,378号に記載の生成物である。
クレンジング相で使用するのに好適な双極性界面活性剤には、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記述されるものであって、その脂肪族ラジカルが直鎖若しくは分枝鎖であることができ、その脂肪族置換基のうちの1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つがアニオン性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートを含有するものが挙げられる。そのような好適な双極性界面活性剤は、次の式で表すことができ:
Figure 2008515923
式中、R2は、約8〜約18個の炭素原子のアルキル、アルケニル又はヒドロキシアルキルラジカル、0〜約10個のエチレンオキシド部分及び0〜約1個のグリセリル部分を含有し;Yは、窒素、リン及びイオウ原子から成る群から選択され;R3は、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル又はモノヒドロキシアルキル基であり;Xは、Yがイオウ原子のとき1であり、Yが窒素又はリン原子のとき2であり;R4は、約1〜約4個の炭素原子のアルキレン又はヒドロキシアルキレンであり、Zは、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスホネート及びホスフェート基から成る群から選択されるラジカルである。
クレンジング相で使用するのに好適な他の双極性界面活性剤には、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルαカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルγ−カルボキシプロピルベタイン、及びラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)α−カルボキシエチルベタインのような高級アルキルベタイン類を含むベタイン類が挙げられる。スルホベタイン類は、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタインなどで代表されてもよく、RCONH(CH23ラジカルがベタインの窒素原子に結合しているアミドベタイン類及びアミドスルホベタイン類も、本発明で有用である。
また、アンホアセテート類及びジアンホアセテート類を使用してもよい。
アンホアセテート
Figure 2008515923
ジアンホアセテート
Figure 2008515923
アンホアセテート類及びジアンホアセテート類は、式(上記)に従い、式中、Rは、炭素原子数8〜18個の脂肪族基である。Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又は置換アンモニウムのようなカチオンである。一部の実施形態では、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸二ナトリウム、及びココジアンホ酢酸二ナトリウムが好ましい。
また、カチオン性界面活性剤も、クレンジング相で使用することができるが、一般的にはあまり好ましくなく、組成物の約5重量%未満に相当することが好ましい。
水性クレンジング相での使用に好適な非イオン性界面活性剤には、アルキレンオキシド基(性質上、親水性)と、性質上、脂肪族又はアルキル芳香族であってもよい有機疎水性化合物との縮合生成物が挙げられる。
本発明の別の実施形態では、クレンジング相は少なくとも1つの非イオン性界面活性剤、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、及び少なくとも1つの両性界面活性剤の混合物を含む界面活性剤構成成分、並びに電解質を含む。
非イオン性界面活性剤
本発明の別の実施形態では、安定な多相パーソナルケア組成物は、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含むことができる。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、約1.0〜約15.0、好ましくは約3.4〜約15.0、より好ましくは約3.4〜約9.5、更により好ましくは約3.4〜約5.0のHLBを有する。多相パーソナルケア組成物は、好ましくは非イオン性界面活性剤を、界面活性剤構成成分の約0.01重量%〜約50重量%、より好ましくは約0.10重量%〜約10重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約5.0重量%の範囲の濃度で含む。
本明細書において有用な非イオン性界面活性剤としては、アルキルグルコシド類、アルキルポリグルコシド類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、アルコキシル化脂肪酸エステル類、起泡性スクロースエステル類、アミンオキシド類、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
本明細書に用いるのに好ましい非イオン性界面活性剤の非限定例は、C8〜C14グルコースアミド類、C8〜C14アルキルポリグルコシド類、スクロースココエート、スクロースラウレート、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものである。好ましい実施形態では、非イオン性界面活性剤は、グリセリルモノヒドロキシステアレート、ステアレス−2、ヒドロキシステアリン酸、プロピレングリコールステアレート、PEG−2ステアレート、ソルビタンモノステアレート、グリセリルステアレート、グリセリルラウレート、ラウレス−2、及びこれらの混合物から成る群から選択される。好ましい実施形態では、非イオン性界面活性剤はステアレス−2である。
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤としてはまた、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシドも挙げられる。
アニオン性界面活性剤
本発明の別の実施形態では、安定な多相パーソナルケア組成物は、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含むことができる。好適なアニオン性界面活性剤の非限定例については前述した。
両性界面活性剤
本発明の別の実施形態では、安定な多相パーソナルケア組成物は、少なくとも1つの両性界面活性剤を含むことができる。好適な両性界面活性剤の非限定例については前述した。
電解質
電解質は、使用される場合、それ自体で安定な多相パーソナルケア組成物に加えられること、又は原料物質の1つに包含される対イオンによってその場で形成されることができる。電解質は、好ましくは、ホスフェート、クロライド、サルフェート又はシトレートを含むアニオン、及びナトリウム、アンモニウム、カリウム、マグネシウム又はこれらの混合物を含むカチオンを含む。一部の好ましい電解質は、塩化ナトリウム若しくは塩化アンモニウム、又は硫酸ナトリウム若しくは硫酸アンモニウムである。好ましい電解質は、塩化ナトリウムである。電解質は、組成物の界面活性剤構成成分に添加されるのが好ましい。
電解質は、存在する場合、安定な組成物(非ニュートンずり減粘挙動)の形成を容易にする量で存在すべきである。一般に、この量は、多相パーソナルケアの約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約6重量%であるが、必要ならば変更してもよい。
本発明の更に別の実施形態では、クレンジング相で使用するための界面活性剤は、界面活性剤類の混合物であることができる。好適な界面活性剤混合物は、水、前述したような少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、前述したような電解質、及び少なくとも1つのアルカノールアミドを含むことができる。アルカノールアミドは、存在する場合、次の一般構造を有し:
Figure 2008515923
式中、Rは、C8〜C24、又は好ましくは一部の実施形態ではC8〜C22、又は他の実施形態ではC8〜C18の、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝状の脂肪族基であり;R1及びR2は、同一の又は異なるC2〜C4直鎖又は分枝状脂肪族基であり;xは、0〜10であり;yは、1〜10であり;xとyの合計は、10以下である。
組成物中のアルカノールアミドの量は、典型的には、起泡性クレンジング相の約0.1重量%〜約10重量%であり、一部の実施形態では、好ましくは起泡性クレンジング相の約2重量%〜約5重量%である。好適なアルカノールアミドには、コカミドMEA(ココモノエタノールアミド(Coco monethanolamide))及びコカミドMIPA(ココモノイソプロパノールアミド(Coco monoisopropranolamide))が挙げられる。
高分子相構造化剤
安定な多相パーソナルケア組成物のクレンジング相は、高分子相構造化剤を含むことができる。本発明の組成物は、約0.05%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約4%、より好ましくは約0.2%〜約2%の高分子相構造化剤を含む。高分子相構造化剤の非限定例としては、以下の例が挙げられるがこれらに限定されない:解膠ポリマー類、天然由来のポリマー類、合成ポリマー類、架橋ポリマー類、ブロックポリマー類、ブロックコポリマー類、コポリマー類、親水性ポリマー類、非イオン性ポリマー類、アニオン性ポリマー類、疎水性ポリマー類、疎水変性ポリマー類、会合性ポリマー類、オリゴマー類、及びこれらのコポリマー類。
高分子相構造化剤はまた、クレンジング相又は利益相又は非起泡性構造化水相の他の構成成分と包括的な又は排他的な態様で関連して、例えば組成物の安定性を高め、組成物のマイルド性を改善し、組成物から皮膚への付着を増加させるようにクレンジング相中に区別できるポリマーリッチな副相を形成するように、有益に作用する。このような相は、特にそれらが組成物又はクレンジング相の希釈時に形成され、クレンジング相の水中への5〜10%希釈のような単純な希釈及び観察によって観察される場合には、広くコアセルベート及び/又はフロックとみなすことができ、これらは軽く遠心分離することができる。理論はカチオン性ポリマー−アニオン性界面活性剤相互作用のような特定のコアセルベートに対し相当な支持を与え、それらを含む技術は商業化されてきたが、ポリマー相互作用は複雑であり、分子、巨大分子、電解質、イオン、及び溶媒分子間のエンタルピー及びエントロピー相互作用によって左右され、それらは本明細書に開示されるクレンジング相及び組成物中で完全な濃度における(例えばパッケージ中の)又は希釈時(例えば使用時)における前述した利益をもたらす種々の構成成分からのフロック、相、コアセルベートなどの形成を除外しない。前記フロック、コアセルベート、又は相の存在は、理論又は既存の専門用語によって限定されるものではない。
好ましくは、高分子相構造化剤は、第1のモノマー及び第2のモノマーを含み、第1のモノマーは、アクリル酸、アクリル酸の塩類、C1〜C4アルキル置換アクリル酸、C1〜C4アルキル置換アクリル酸の塩類、アクリル酸のC1〜C4アルキルエステル類、C1〜C4アルキル置換アクリル酸のC1〜C4アルキルエステル類、無水マレイン酸、及びこれらの混合物から成る群から選択され;このモノマーは、アクリル酸のC10〜C30アルキルエステル類、C1〜C4アルキル置換アクリル酸のC10〜C30アルキルエステル類、及びこれらの混合物から成る群から選択される長鎖エステルモノマーである。前文において記載した酸類の塩類は、アルカリ金属塩類、アルカリ性の金属塩類、アンモニウム塩類、及びモノ−、ジ−、トリ−、及びテトラ−アルキルアンモニウム塩類から成る群から選択される。この段落の最初の文において記載したC1〜C4アルキル置換アクリル酸類としては、メタクリル酸類、エタクリル酸類等が挙げられ、アルキル置換は酸分子のC2又はC3位のどちらでもなされることができる。この段落の最初の文で記載したC1〜C4アルキルエステル類としては、メチルエステル類及びエチルエステル類並びに分枝状C3エステル類及びC4エステル類が挙げられる。
好ましくは、これらの高分子相構造化剤は架橋されており、1分子当たり2以上のアルケニルエーテル基を含有する多価アルコールのポリアルケニルポリエーテルである架橋剤を更に含み、元の多価アルコールは少なくとも3個の炭素原子及び少なくとも3個のヒドロキシル基を含有する。好ましい架橋剤は、スクロースのアリルエーテル類、ペンタエリスリトールのアリルエーテル類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものである。本発明で有用なこれらの高分子相構造化剤については、米国特許第5,087,445号(ハッフィー(Haffey)ら、1992年2月11日発行);米国特許第4,509,949号(ファング(Huang)ら、1985年4月5日発行)、米国特許第2,798,053号(ブラウン、1957年7月2日発行)に更に詳細に記載されており、それらの全体が参考として本明細書に組み込まれる。CTFA国際化粧品原料辞典(CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary)、第4版、1991年、12〜80頁もまた参照のこと;これもまたその全体が参考として本明細書に組み込まれる。
クレンジング相中で使用できる天然由来のポリマー類の具体的な例には、デンプン及びデンプン誘導体、例えばアミロース及びアミロペクチン、デンプンヒドロキシプロピルホスフェート、デンプンオクテニルスクシネート;アルギネート類及びアルギン酸誘導体、例えばアルギン酸プロピレングリコールなどの海洋ガム類;高メトキシペクチンなどのペクチン類;カラギーナン類、アラビアゴム又はアカシアゴム、グアーガム、イナゴマメゴムなどの食品及び植物ガム類;キサンタンガムなどのバイオ糖類;キトサン及びその誘導体などの甲殻類糖類;メチルセルロース(methlcellulose)、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及び他のセルロース誘導体などのセルロース誘導体;ゼラチン、カゼイン、及び他のタンパク質類がある。
クレンジング相中で使用できる市販の高分子相構造化剤、合成ポリマー類、及びコポリマー類の例には、水溶性合成ポリマー類、例えばポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリアクリルアミド類、ポリメタクリルアミド類、ポリウレタン類、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリビニルアルコール類、PPG−15デシルエーテルのようなポリアルキレンオキシドアルキルエーテル類、ビニルエステル類、例えばポリビニルピロリドン、ペムレン(Pemulen)TR−1、ペムレンTR−2、ETD2020、カーボポール1382(アクリレート類/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー−ノベオン(Noveon))、カーボポール940、カーボポール980、カーボポール954、カーボポールアクア(Carbopol Aqua)SF−1、カルボマー、アクリレート類/アクリルアミドコポリマー類、アクリレート類コポリマー類、アクリレート類クロスポリマー類、アクリレート類/アクリルアミドコポリマー類、アクリレート類/アクリルアミドクロスポリマー類、アクリレート類/アルキルアクリレート類コポリマー類、アクリレート類/アルキルアクリレート類クロスポリマー類、アクリレート類/VAコポリマー類、アクリレート類/VAクロスポリマー類、アミノアルキル及びアミノアルカノールアクリレート類コポリマー類、アクリレート類/ジメチコンコポリマー類、アクリレート類/ジメチコンクロスポリマー類、アクリルアミド/アクリレートコポリマー類、アクリルアミド/アクリレートクロスポリマー類、アンモニウムポリアクリレート、アンモニウムアクリレート類コポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムデンプン、TEA−アクリレート類コポリマー類、TEA−アクリレート類クロスポリマー類、ナトロゾルCSプラス(Natrosol CS Plus)330、430、ポリサーフ(Polysurf)67(セチルヒドロキシエチルセルロース−ハーキュレス(Hercules))、アクリン(Aculyn)22(アクリレート類/ステアレス−20メタクリレートコポリマー−ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas))、アクリン25(アクリレート類/ラウレス25メタクリレートコポリマー−ローム・アンド・ハース)、アクリン28(アクリレート類/ベヘネス−25メタクリレートコポリマー−ローム・アンド・ハース)、アクリン46(PRG−150/ステアリルアルコール/SMDIコポリマー−ローム・アンド・ハース)スタビレン(Stabylen)30(アクリレート類/ビニルイソデカノエート−3V)、ストラクチャー(Structure)2001(アクリレート類/ステアレス−20イタコネートコポリマー−ナショナル・スターチ(National Starch))、ストラクチャー3001(アクリレート類/セテス−20イタコネートコポリマー−ナショナル・スターチ)、ストラクチャープラス(Structure Plus)(アクリレート類/アミノアクリレート類/C10〜30アルキルPEG20イタコネートコポリマー−ナショナル・スターチ)、ストラクチャーXL、クアトリソフト(Quatrisoft)LM−200(ポリクアテルニウム−24)及び混合物並びに親水性ポリマー類と親水性又は疎水性のいずれかの側鎖とのコポリマー類がある。
クレンジング相中で使用できる親水性ポリマー類の具体的な例は、デンプン類、セルロース類、ポリアクリレート類、ポリアクリルアミド類、キサンタンガム、並びにこれらのコポリマー類及び誘導体である。
液晶相誘発構造化剤
本組成物のクレンジング相は任意選択的に、しかし好ましくは、液晶相誘発構造化剤を更に含み、存在する場合、クレンジング相の約0.3重量%〜約15重量%、より好ましくはクレンジング相の約0.5重量%〜約5重量%の範囲の濃度で含む。理論に束縛されないが、液晶相誘発構造化剤は組成物中で熱力学的ドメイン、好ましくはラメラ(構造化)ドメインを形成するように働く。ラメラドメインは、本組成物の相間の界面の安定性を高めると考えられる。
好適な液晶相誘発構造化剤としては、脂肪酸又はそのエステル誘導体、脂肪族アルコール、トリヒドロキシステアリン(レオックス社(Rheox, Inc.)から商標名チクシン(THIXCIN)(登録商標)Rで入手可能)が挙げられる。使用してもよい脂肪酸類の追加の非限定例は、以下のようなC10〜C22酸類である:ラウリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、エライジン酸、アラキドン酸(arichidonic acid)、ミリストレイン酸及びパルミトレイン酸などである。エステル誘導体としては、プロピレングリコールイソステアレート、プロピレングリコールオレエート、グリセリルイソステアレート、グリセリルオレエート、及びポリグリセリルジイソステアレート、プロピレングリコールジラウレートなどが挙げられる。好ましくは、液晶相誘発構造化剤は、ラウリン酸又はトリヒドロキシステアリンから選択される。
利益相
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は、利益相を含むことができる。本発明における利益相は、好ましくは無水である。利益相は、疎水性物質を含む疎水性組成物を含む。利益相は、疎水性物質を約1%〜約100%、好ましくは少なくとも約35%、最も好ましくは少なくとも約50%含む。本発明での使用に好適な疎水性組成物は、約5〜約15のヴォーン溶解度パラメータを有する。疎水性組成物は、好ましくは、選択された稠度値(k)及び剪断指数(n)を包含する、本明細書で後述する定義されたレオロジー特性を有するものから選択される。これらの好ましいレオロジー特性は、疎水性物質の皮膚への付着が改良されている安定な多相パーソナルケア組成物を提供するのに特に有用である。
ヴォーン溶解度パラメータ値(VSP)
安定な多相パーソナルケア組成物の利益相で使用される疎水性組成物は、約5〜約15、好ましくは約5〜約10、より好ましくは約6〜約9のヴォーン溶解度パラメータ(VSP)を有する。これらの溶解度パラメータは、配合分野では周知であり、ヴォーン(Vaughan)により、化粧品及びトイレタリー(Cosmetics and Toiletries)、103巻、47〜69頁、1988年10月、において定義されている。
約5〜約15の範囲のVSP値を有する疎水性物質の非限定例には、次のものが挙げられる:
Figure 2008515923
溶解度とその製品、パッケージ、浸透性、及び貯蔵への影響(Solubility, Effects in Product, Package, Penetration and Preservation)、C.D.ボーガン(C. D. Vaughan)、化粧品及びトイレタリー(Cosmetics and Toiletries)、第103巻、1988年10月にて報告。
レオロジー
肌感触レオロジー(Skin Feel Rheology)は、安定な多相パーソナルケア組成物が皮膚に付着した場合に、皮膚が潤ったように感じるが重く又はべとついたように若しくはまとわりつくようには感じられないような、利益相の好ましいレオロジー特性を判定するために使用される。稠度値は、稠度値(K)及び剪断指数(n)によって定義される利益相の肌感触の尺度である。利益相は、約30〜約350Pa−s、好ましくは約35〜約300Pa−s、より好ましくは約40〜約250Pa−s、なおより好ましくは約45〜約150Pa−s、及び更になおより好ましくは約15〜約125Pa−sの稠度値(K)を有する。利益相は、約0.025〜約0.93、好ましくは約0.05〜約0.70、より好ましくは約0.09〜約0.60の剪断指数を有する。この値は25℃で決定される。
利益相は、上述の範囲によって定義されるような稠度値(K)及び剪断指数(n)の値によって特徴付けることができ、これらの定義された範囲は、多相パーソナルケア組成物を毛髪又は皮膚へと適用している間又は適用後のべとつきを低減するように選択される。
剪断指数(n)及び稠度値(K)は、指数法則モデルを用いて適用された剪断速度と共に変化する粘度を有する物質の粘度特性を報告するための手段として既知であり、受け入れられている。
利益相に関する粘度(μ)は、TAインストルメンツ(TA Instruments)AR2000(TAインストルメンツ(TA Instruments)、米国19720、デラウェア州ニューキャッスル(New Castle))のようなレオメーターを用いて剪断応力を適用して剪断速度を測定することによって測定することができる。粘度は、異なる剪断速度で、次の方式により決定される。第1に、利益相を得る。組成物中に1つよりも多くの区別できる(例えば、非混和性の)利益相、例えばシリコーンオイル相及び炭化水素相が存在する場合、それらは互いに別々に調製され評価される。
測定のためには、0.25mmよりも大きな粒子が存在しない限り、1mmのギャップを有する直径40mmの平行板形状が用いられ、そのような粒子が存在する場合には2mmのギャップが用いられる。レオメーターは、標準的な平行板の従来品を用いて試験の剪断速度として縁部における剪断速度を報告し;ファクター2/(πR3)を用いてトルクを応力に変換する。スパチュラを用いて、小過剰の利益相を含むサンプルを25℃のレオメーター基板上に載せ、ギャップを得てから、上部測定形状の外側の過剰の組成物を取り除き、過剰のサンプルを除去しながら上部板を所定の位置にロックする。サンプルを基板温度に2分間平衡化させる。50インバースセコンド(1/秒)の剪断速度での15秒の剪断を含む前剪断工程を行う。当業者には既知であるように、平行板形状での剪断速度は縁部における剪断速度として表され、これは最大剪断速度でもある。前剪断工程の後、測定が実施され、この測定は25℃で2.0分間かけて10Paから1,000Paまで応力を傾斜させることを含み、その間に均一に間隔を空けた直線的進行において60の粘度データポイントを収集する。この試験中に少なくとも500(1/秒)の剪断速度が得られるか、又は同一の構成成分を有する新しいサンプルを用いて時間当たりの応力増加を同じ割合に保ち最終応力値をもっと高くして、測定時間中に少なくとも500(1/秒)の剪断速度が得られるまでこの試験を繰り返す。測定時には、測定中に上部平行板の下の領域がいずれの縁位置でもサンプルを流出しないことを確認するために観察するか、又はサンプルが試験の間留まっているまで測定を繰り返す。数回の試行の後、縁部におけるサンプル流出のために結果が得られない場合には、縁部に過剰の物質を溜めたまま(かき集めないで)測定を繰り返す。流出がなお避けられない場合には、負荷中の空洞部を回避するために同心円筒形状を過剰のサンプルと共に使用する。剪断速度25〜500(1/秒)の間のみのデータポイント、粘度(Pa−s)、剪断速度(1/秒)を選択し、及び粘度の対数対剪断速度の対数の最小二乗回帰を用いることにより結果を指数法則モデルに合致させて、以下の指数法則の等式に従うK及びnの値を得る:
μ=K(γ’)(n-1)
対数−対数の傾きについて得られる値は(n−1)であり、この場合nは剪断指数であり、Kについて得られる値はPa−sの単位で表される稠度値である。
疎水性組成物は、疎水性物質を含む。本明細書での使用に好適な疎水性物質の非限定例には、種々の炭化水素類、油類及びろう類、シリコーン類、脂肪酸誘導体、コレステロール、コレステロール誘導体、ジグリセリド類、トリグリセリド類、植物油類、植物油誘導体、アセトグリセリドエステル類、アルキルエステル類、アルケニルエステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ラノリン及びその誘導体、ろうエステル類,蜜蝋誘導体、ステロール類及びリン脂質類、並びにこれらの組み合わせを挙げることができる。
本明細書での使用に好適な炭化水素油類、及びろう類の非限定例には、ワセリン、鉱油、微結晶ろう類、ポリアルケン類、パラフィン類、ケラシン、オゾケライト、ポリエチレン、ペルヒドロスクアレン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なシリコーン油類の非限定例には、ジメチコンコポリオール、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、混合C1〜C30アルキルポリシロキサン類、フェニルジメチコン、ジメチコノール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましいものは、ジメチコン、ジメチコノール、混合C1〜C30アルキルポリシロキサン及びこれらの組み合わせから選択される不揮発性シリコーン類である。本明細書で有用なシリコーン油類の非限定例は、米国特許第5,011,681号(チオッティ(Ciotti)ら)に記載されている。
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なジグリセリド類及びトリグリセリド類の非限定例には、ヒマシ油、大豆油、マレアート化大豆油のような誘導体化した大豆油類、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、クルミ油、ピーナッツ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油及びゴマ油、植物油類、ヒマワリ種子油、及び植物油誘導体;ココヤシ油及び誘導体化したココヤシ油、綿実油及び誘導体化した綿実油、ホホバ油、カカオバター、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なアセトグリセリドエステル類の非限定例には、アセチル化モノグリセリド類が挙げられる。
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なアルキルエステル類の非限定例には、脂肪酸類のイソプロピルエステル類、及び長鎖(すなわち、C10〜C24)脂肪酸類の長鎖エステル類、例えばセチルリシノレエートが含まれ、その非限定例には、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、セチルリコノレエート、及びステアリルリコノレエートが挙げられる。他の例には、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソヘキシル、アジピン酸ジヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、イソノナン酸アシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、及びこれらの組み合わせがある。
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なアルケニルエステル類の非限定例には、ミリスチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なポリグリセリン脂肪酸エステル類の非限定例としては、デカグリセリルジステアレート、デカグリセリルジイソステアレート、デカグリセリルモノミリエート、デカグリセリルモノラウレート、ヘキサグリセリルモノオレエート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なラノリン及びラノリン誘導体の非限定例には、ラノリン、ラノリン油、ラノリンろう、ラノリンアルコール類、ラノリン脂肪酸類、イソプロピルラノレート、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール類、ラノリンアルコールリノレエート、ラノリンアルコールリコノレエート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
更に他の好適な疎水性物質としては、ミルクトリグリセリド類(例えば、ヒドロキシル化ミルクグリセリド)及びポリオール脂肪酸ポリエステル類が挙げられる。
更に他の好適な疎水性物質には、ろうエステル類が挙げられ、その非限定例には、蜜蝋及び蜜蝋誘導体、鯨蝋、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。また、カルナウバ蝋及びキャンデリラ蝋のような植物性ろう類;コレステロール、コレステロール脂肪酸エステル類のようなステロール類;並びにレシチン及び誘導体のようなリン脂質類、スフィンゴ脂質類、セラミド類、スフィンゴ糖脂質類、並びにこれらの組み合わせも有用である。
組成物の利益相は、好ましくは1つ以上の疎水性物質を含むことができ、疎水性物質の少なくとも20重量%は、ワセリン、鉱油、ヒマワリ種子油、微結晶ろう類、パラフィン類、オゾケライト、ポリエチレン、ポリブテン、ポリデセン及びペルヒドロスクアレンジメチコン類、シクロメチコン類、アルキルシロキサン類、ポリメチルシロキサン類及びメチルフェニルポリシロキサン類、ラノリン、ラノリン油、ラノリンろう、ラノリンアルコール類、ラノリン脂肪酸類、イソプロピルラノレート、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール類、ラノリンアルコールリノレエート、ラノリンアルコールリコノレエート、ヒマシ油、大豆油、マレアート化大豆油、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、クルミ油、ピーナッツ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、及びゴマ油、並びにこれらの組み合わせから選択される。より好ましくは、疎水性物質の少なくとも約50重量%は、ワセリン、鉱油、パラフィン類、ポリエチレン、ポリブテン、ポリデセン、ジメチコン類、アルキルシロキサン類、シクロメチコン類、ラノリン、ラノリン油、ラノリンろうから成る群から選択される。残りの疎水性皮膚コンディショニング剤は、好ましくは以下から選択される:パルミチン酸イソプロピル、セチルリコノレエート、イソノナン酸オクチル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、ヒドロキシル化ミルクグリセリド及びこれらの組み合わせ。
非起泡性構造化水相
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は、非起泡性構造化水相を含むことができる。組成物の非起泡性構造化水相は、水構造化剤及び水を含む。非起泡性構造化水相は、親水性であることができ、好ましい実施形態では、非起泡性構造化水相は、親水性ゲル化水相である。加えて、非起泡性構造化水相は、典型的には、非起泡性構造化水相の約5重量%未満、好ましくは約3重量%未満、及びより好ましくは約1重量%未満の界面活性剤を含む。本発明の一実施形態では、非起泡性構造化水相は処方において起泡性の界面活性剤を含まない。
本発明の非起泡性構造化水相は、非起泡性構造化水相の約30重量%〜約99重量%の水を含む。非起泡性構造化水相は、一般に、非起泡性構造化水相の約50重量%を超える、好ましくは約60重量%を超える、更により好ましくは約70重量%を超える、なおより好ましくは約80重量%を超える水を含む。
非起泡性構造化水相は、典型的には、約5〜約9.5、より好ましくは約7のpHを有する。非起泡性構造化水相は、適切なpH範囲を促進するために、任意選択的にpH調整剤を含むことができる。
非起泡性構造化水相のための水構造化剤は、実効カチオン性電荷、実効アニオン性電荷、又は中性電荷を有することができる。好ましい実施形態において、非起泡性構造化水相のための水構造化剤は実効アニオン性電荷を有する。
本組成物の非起泡性構造化水相は、本明細書で後述するもののような任意成分を更に含むことができる。非起泡性構造化水相のための好ましい任意成分には、顔料、pH調整剤、及び防腐剤が挙げられる。一実施形態では、非起泡性構造化水相は、水構造化剤(例えば、アクリレート類/ビニルイソデカノエートクロスポリマー)、水、pH調整剤(例えば、トリエタノールアミン)、及び防腐剤(例えば、1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン(商標名グリダント(GLYDANT)(登録商標)でロンザ(Lonza)から入手可能な「DMDMH」)を含む。
A)水構造化剤
非起泡性構造化水相は、非起泡性構造化水相の約0.1重量%〜約30重量%、好ましくは約0.5重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約5重量%の水構造化剤を含む。
水構造化剤は、典型的には、無機水構造化剤、帯電高分子水構造化剤、水溶性高分子構造化剤、会合性水構造化剤及びこれらの混合物から成る群から選択される。
多相パーソナルケア組成物で使用するための無機水構造化剤の非限定例には、シリカ類、粘土類、例えば合成シリケート類(サザン・クレー(Southern Clay)からのラポナイト(Laponite)XLG及びラポナイトXLS)、高分子ゲル化剤、例えばポリアクリレート類、ポリアクリルアミド類、デンプン類、変性デンプン類、架橋高分子ゲル化剤類、コポリマー類、又はこれらの混合物が挙げられる。
多相パーソナルケア組成物で使用するための帯電高分子水構造化剤の非限定例には、アクリレート類/ビニルイソデカノエートクロスポリマー(3Vからのスタビレン(Stabylen)30)、アクリレート類/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー(ペムレン(Pemulen)TR1及びTR2)、カルボマー類、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VPコポリマー(クラリアント(Clariant)からのアリストフレックス(Aristoflex)AVC)、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ベヘネス−25メタクリレートクロスポリマー(クラリアントからのアリストフレックスHMB)、アクリレート類/セテス−20イタコネートコポリマー(ナショナル・スターチ(National Starch)からのストラクチャー(Structure)3001)、ポリアクリルアミド(SEPPICからのセピゲル(Sepigel)305)、又はこれらの混合物が挙げられる。
多相パーソナルケア組成物で使用するための水溶性高分子構造化剤の非限定例には、セルロース系ゲル、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート(ナショナルスターチ(National Starch)からのストラクチャード(Structured)XL)、ポリビニルアルコール、又はこれらの混合物が挙げられる。
多相パーソナルケア組成物で使用するための会合性水構造化剤の非限定例には、キサンタンガム(xanthum gum)、ジェランガム(gellum gum)、ペクチン、アルギネート、又はこれらの混合物が挙げられる。
有機カチオン性沈着ポリマー
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は、本明細書の以下に記載する有益剤の付着助剤として、クレンジング相に有機カチオン性沈着ポリマーを追加的に含むことができる。カチオン性沈着ポリマーの濃度は、好ましくはクレンジング相組成物の約0.025重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜約1重量%の範囲である。
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物での使用に好適なカチオン性沈着ポリマー類は、第四級アンモニウム又はカチオン性プロトン化アミノ部分のようなカチオン性窒素含有部分を含有する。カチオン性プロトン化アミン類は、パーソナルクレンジング組成物の特定の種類及び選択されたpHに応じて、第一級アミン類、第二級アミン類、又は第三級アミン類(好ましくは第二級又は第三級)とすることができる。カチオン性沈着ポリマーの平均分子量は、約5,000〜約10,000,000、好ましくは少なくとも約100,000、より好ましくは少なくとも約200,000であるが、好ましくは約2,000,000以下、より好ましくは、約1,500,000以下である。ポリマーはまた、カチオン電荷密度がパーソナルクレンジング組成物の意図する使用のpHにおいて約0.2meq/g〜約5meq/gの範囲、好ましくは少なくとも約0.4meq/g、より好ましくは少なくとも約0.6meq/gであり、このpHは一般にpH約4〜pH約9、好ましくはpH約5〜pH約8の範囲である。
電荷密度は、当該技術分野で周知の技術に従って制御し調節することができる。本明細書で使用するとき、カチオン性ポリマー類の「電荷密度」はポリマーの1グラム原子量(分子量)当たりのカチオン部位の数として定義され、カチオン電荷のmeq/gにより表すことができる。一般に、ポリマーのアミン又は第四級アンモニウム部分の比率の調整、並びにアミン類の場合は多相パーソナルケア組成物のpHが、電荷密度に影響することになる。
ポリマー類が、水中、安定な多相パーソナルケア組成物中、又は安定な多相パーソナルケア組成物のコアセルベート相中で可溶性を維持する限り、並びに対イオンがパーソナルクレンジング組成物の必須構成成分と物理的及び化学的に適合性があるか、さもなければ製品性能、安定性又は審美性を過度に損なわない限り、カチオン性沈着ポリマー類と関連してあらゆるアニオン性対イオンを使用することができる。このような対イオンの非限定例としては、ハロゲン化物(例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
安定な多相パーソナルケア組成物で使用するためのカチオン性沈着ポリマー類の非限定例としては、カチオン性セルロース誘導体のような多糖類ポリマー類が挙げられる。好ましいカチオン性セルロースポリマー類はトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩類であり、業界(CTFA)ではポリクアテルニウム(Polyquaternium)10と呼ばれ、これはアマコール社(Amerchol Corp.)(米国ニュージャージー州エディソン(Edison))より、ポリマー(Polymer)KG、JR及びLRシリーズのポリマー類として入手可能であり、最も好ましいものはKG−30Mである。
他の好適なカチオン性沈着ポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドのようなカチオン性グアーガム誘導体が挙げられ、その具体例としては、ローディア社(Rhodia Inc.)より市販されているジャガー(Jaguar)シリーズ(好ましくはジャガーC−17)、及びアクアロン(Aqualon)より市販されているN−ハンス(N-Hance)ポリマーシリーズが挙げられる。
本明細書のカチオン性ポリマー類はクレンジング相に可溶であるか、又は好ましくはカチオン性沈着ポリマーと本明細書中で前述されたアニオン性界面活性剤構成成分によって形成される安定な多相パーソナルケア組成物中の複合コアセルベート相に可溶である。カチオン性沈着ポリマーの複合コアセルベート類はまた、安定な多相パーソナルケア組成物中の他の帯電された帯電物質、イオン性及び非イオン性界面活性剤類並びに/又はイオン性及び非イオン性ポリマー類と共に形成されることもできる。
コアセルベートの形成は、分子量、構成成分濃度、相互作用するイオン性構成成分の比率、イオン強度(例えば塩類の添加による、イオン強度の修正を包含する)、カチオン性及びアニオン性構成成分の電荷密度、pH並びに温度のような種々の基準に左右される。コアセルベート系及びこれらのパラメータの効果は、例えば、J.カエルス(J. Caelles)ら、「混合系におけるアニオン性及びカチオン性化合物(Anionic and Cationic Compounds in Mixed Systems)」、化粧品及びトイレタリー(Cosmetics & Toiletries)、第106巻、1991年4月、49〜54頁、C.J.バン オス(C. J. van Oss)、「コアセルベーション、複合コアセルベーション、及び凝集(Coacervation, Complex-Coacervation and Flocculation)」、分散科学技術誌(J. Dispersion Science and Technology)、第9巻(5,6)、1988〜89年、561〜573頁、及びD.J.バージェス(D. J. Burgess)、「複合コアセルベート系の実践的分析(Practical Analysis of Complex Coacervate Systems)」、コロイド及び界面科学ジャーナル(J. of Colloid anti Interface Science)、第140巻、第1号、1990年11月、227〜238頁、に記載されており、これらの記述を参考として本明細書に組み入れる。
カチオン性沈着ポリマーが安定な多相パーソナルケア組成物中に存在する場合、コアセルベート相中に存在すること、又は皮膚にこの安定な多相パーソナルケア組成物を適用するか若しくは皮膚から安定な多相パーソナルケア組成物をすすぐときに、コアセルベート相を形成することは特に有利であると考えられている。複合コアセルベート類はより容易に皮膚に付着し、これにより有益物質の改善された付着が得られると考えられている。したがって、一般に、カチオン性沈着ポリマーが安定な多相パーソナルケア組成物中にコアセルベート相として存在するか、又は希釈時にコアセルベート相を形成することが好ましい。コアセルベートが安定な多相パーソナルケア組成物に既に存在しないのであれば、カチオン性沈着ポリマーは、水によって希釈されるときに安定な多相パーソナルケア組成物中に複合コアセルベートの形態で存在するのが好ましい。
複合コアセルベート類の形成の分析技術は、当該技術分野において既知である。例えば、希釈のいずれかの選択された段階において多相パーソナルケア組成物の遠心分離分析を使用して、コアセルベート相が形成されたか否かを確認することができる。
粒子
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は、粒子を含むことができる。多様な形状及び密度の非水溶性固体粒子が有用である。好ましい実施形態では、粒子は、球形、楕円形、不規則、又は他のあらゆる形状を有する傾向があり、最大寸法と最小寸法の比(縦横比として定義される)は約10未満である。より好ましくは、粒子の縦横比は、約8未満であり、更により好ましくは、粒子の縦横比は、約5未満である。
本発明の粒子は、約10,000μm未満の粒径(後述される粒径測定に基づく体積平均)、好ましくは約1,000μm未満、より好ましくは100μm未満の粒径を有する。
本発明の一部の粒子は、好ましくは、約0.1μmよりも大きな粒径、好ましくは約0.5μmよりも大きな粒径、より好ましくは約1μmよりも大きな粒径、なおより好ましくは約2μmよりも大きな粒径、更により好ましくは約3μmよりも大きな粒径、なお更により好ましくは約4μmよりも大きな粒径を有する。
粒子は、直径約1μm〜約70μm、より好ましくは約2μm〜約65μm、更により好ましくは約2μm〜約60μmの直径を有する。
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は、化粧品用に有効な濃度で粒子を含む。好ましくは、粒子は、組成物の少なくとも約0.1重量%、より好ましくは組成物の少なくとも約0.2重量%、更により好ましくは少なくとも約0.5重量%、なおより好ましくは少なくとも約1重量%、更になおより好ましくは組成物の少なくとも約2重量%で存在する。本発明の多相パーソナルケア組成物において、好ましくは、粒子は、組成物の約50重量%以下、より好ましくは約30重量%以下、なおより好ましくは約20重量%以下、更により好ましくは組成物の約10重量%以下で含まれる。
好ましくは、粒子はまた、組成物の典型的な加工により顕著に影響されない物理的特性を有する。好ましくは、約70℃よりも高い融点を有する、より好ましくは約80℃よりも高い融点を有する、更により好ましくは約95℃よりも高い融点を有する粒子が使用される。本明細書で使用されるとき、融点は、粒子が液体若しくは流体状態へ転移する温度、又は顕著な変形若しくは物理的特性の変化を受ける温度を指す。加えて、本発明の粒子の多くは架橋されているか、又は架橋表面膜を有する。これらの粒子は、明確な融点を示さない。架橋粒子はまた、組成物の製造に用いられる加工及び貯蔵条件下でそれらが安定である限り有用である。
本発明において存在することができる粒子は、天然、合成、又は半合成であることができる。加えて、ハイブリッド粒子も存在することができる。合成粒子は、架橋又は非架橋ポリマーのいずれかから製造することができる。本発明の粒子は表面電荷を有すること、又はそれらの表面が、界面活性剤、ポリマー、及び無機物質のような有機若しくは無機物質により改質されることができる。粒子錯体が存在することができる。
天然粒子の非限定例には、商品名サイパーネット(Sipernet)でデグサ・ヒュルス(Degussa−Huls)から入手可能である、親水性及び疎水性形態の種々の沈殿シリカ粒子が挙げられる。商品名サイパーネットD11(商標)でデグサから入手可能な疎水性の合成非晶質シリカである、プリシピテーテッド(Precipitated)(商標)が好ましい粒子である。スノーテックス(Snowtex)コロイド状シリカ粒子は、日産化学アメリカ社(Nissan Chemical America Corporation)より入手可能である。
合成粒子の非限定例には、ナイロン、シリコーン樹脂類、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂類、尿素樹脂類、及びアクリル粉末類が挙げられる。有用な粒子の非限定例は、マイクロイーズ(Microease)110S、114S、116(微粉化合成ろう類)、マイクロポリ(Micropoly)210、250S(微粉化ポリエチレン)、マイクロスリップ(Microslip)(微粉化ポリテトラフルオロエチレン)、及びマイクロシルク(Microsilk)(ポリエチレン及びポリテトラフルオロエチレンの組み合わせ)であり、これらのすべてがマイクロパウダー社(Micro Powder, Inc.)より入手可能である。追加の例には、フェノメネックス(Phenomenex)から入手可能なルナ(Luna)(滑らかなシリカ粒子)粒子、コボ・プロダクツ社(Kobo Products,Inc.)から入手可能なMP−2200(ポリメチルメタクリレート)、EA−209(エチレン/アクリレートコポリマー)、SP−501(ナイロン−12)、ES−830(ポリメチルメタクリレート)、BPD−800、BPD−500(ポリウレタン)粒子、及びGEシリコーンズ(GE Silicones)から商標名トスパール(Tospearl)粒子として販売されるシリコーン樹脂が挙げられる。ガンツパール(Ganzpearl)GS−0605架橋ポリスチレン(プレスパース(Presperse)から入手可能)もまた有用である。
無機顔料の非限定例としては、酸化鉄類、第二鉄アンモニウムフェロシアナイド、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、酸化クロム、及びクロモキシドグリーン(サンケミカル(Sun Chemical)から)が挙げられる。
ハイブリッド粒子の非限定例には、ガンツパールGSC−30SR(絹雲母と架橋ポリスチレンのハイブリッド粉末)、及びSM−1000、SM−200(プレスパースより入手可能である雲母とシリカのハイブリッド粉末)が挙げられる。
剥離剤粒子
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は、多相パーソナルケア組成物の少なくとも1つの相中に、ポリエチレン、微結晶ろう、ホホバエステル類、非晶質シリカ、タルク、トラカルシウムオルトホスフェート、又はこれらのブレンドなどから成る群から選択される剥離剤粒子を含むことができる。剥離剤粒子は、粒子の長軸に沿って約100μm〜約600μm、好ましくは約100μm〜約300μmの粒径寸法を有する。剥離剤粒子は、約4Mohs未満、好ましくは約3Mohs未満の硬度を有する。このように測定される硬度は、特定の物質の破砕に対する抵抗性の基準である。これは、粒子状成分の研磨性の比較的良好な指標であることが知られている。モーススケールに従って硬度が上昇するように配列された物質の例は以下である:h(硬度)−1:タルク;h−2:セッコウ、岩塩、一般的な結晶性塩、重晶石、白亜、ブリムストン;h−4:蛍石、軟質ホスフェート、マグネサイト、石灰岩;h−5:アパタイト、硬質ホスフェート、硬質石灰岩、クロマイト、ボーキサイト;h−6:長石、イルメナイト、ホルンブレンド類;h−7:石英、花崗岩;h−8:トパーズ;h−9:コランダム、エメリー;及びh−10:ダイヤモンド。
好ましくは、剥離剤粒子は、クレンジング基材と区別される色を有する。剥離剤粒子は、好ましくは、組成物の約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満の濃度で存在する。
光沢粒子
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は、多相パーソナルケア組成物の少なくとも1つの相中に光沢粒子を含むことができる。光沢粒子の非限定例には下記が含まれる:干渉顔料、多層顔料、金属粒子、固晶及び液晶、又はこれらの組み合わせ。
干渉顔料は、粒子基材物質の表面を薄膜でコーティングすることにより調製される真珠光沢を有する顔料である。粒子基体物質は、一般に小板状体の形状である。薄膜は高屈折率を有する透明又は半透明な物質である。高屈折率物質は、小板状体基体/コーティング層の境界面からの入射光線の反射と、コーティング層の表面からの入射光線の反射との間の相互干渉作用の結果として生じる真珠光沢を示す。多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは組成物の約20重量%以下、より好ましくは約10重量%以下、更により好ましくは約7重量%以下、なおより好ましくは多相パーソナルケア組成物の約5重量%以下を構成する。多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは多相パーソナルケア組成物の少なくとも約0.1重量%、より好ましくは少なくとも約0.2重量%、更により好ましくは少なくとも約0.5重量%、なおより好ましくは組成物の少なくとも約1重量%を構成する。顔料が、同時係属出願番号60/469,075(2003年5月8日出願)で記載されている色素付着テープストリップ法(Pigment Deposition Tape Strip Method)で記載されているように、適用され、すすがれる場合、皮膚に付着する顔料は、好ましくは、少なくとも0.5μg/cm2、より好ましくは少なくとも1μg/cm2、更により好ましくは少なくとも5μg/cm2である。
本発明の干渉顔料は、小板状体粒子である。多相パーソナルケア組成物の小板状体粒子は、好ましくは約5μm以下、より好ましくは約2μm以下、更により好ましくは約1μm以下の厚さを有する。多相パーソナルケア組成物の小板状体粒子は、好ましくは少なくとも約0.02μm、より好ましくは少なくとも約0.05μm、更により好ましくは少なくとも約0.1μm、なおより好ましくは少なくとも約0.2μmの厚さを有する。
粒径は不透明度及び艶を決定する。粒径は、粒子状物質の直径厚さを測定することにより決定する。本明細書で使用するとき、「直径」という用語は、粒子状物質の長軸にわたる最大距離を意味する。直径は、当該技術分野において既知のいずれかの好適な方法、例えばマルバーン・インスツルメンツ(Malvern Instruments)により製造された粒径分析器マスターサイザー(Mastersizer)2000によって決定することができる。安定な多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは約200μm以下、より好ましくは100μm以下、更により好ましくは約80μm以下、なおより好ましくは約60μm以下の平均直径を有する。安定な多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは少なくとも約0.1μm、より好ましくは少なくとも約1.0μm、更により好ましくは少なくとも約2.0μm、なおより好ましくは少なくとも約5.0μmの直径を有する。
安定な多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、多層構造を含むことができる。粒子状物質の中央は、通常は1.8未満の屈折率(RI)を有する平坦な基材である。多種多様の粒子基材が本明細書で有用である。非限定例は、天然雲母、合成雲母、グラファイト、タルク、カオリン、アルミナフレーク、ゼオライト、窒化ホウ素、酸塩化物、シリカフレーク、ガラスフレーク、セラミックス、二酸化チタン、CaSO4、CaCO3、BaSO4、ボロシリケート、及びこれらの混合物であり、好ましくは雲母、酢酸セルロース、PTFE、変性デンプン、シリカ、及びアルミナフレーク類である。
薄膜の一層又は薄膜の多層が、上記の基材表面上にコーティングされる。薄膜は高屈折物質から製造される。これらの物質の屈折率は、通常は1.8を超える。
多種多様の薄膜が本明細書で有用である。非限定例は、TiO2、Fe23、SnO2、Cr23、ZnO、ZnS、ZnO、SnO、ZrO2、CaF2、Al23、BiOCl、及びこれらの混合物であり、又は別個の層の形態では、好ましくはTiO2、Fe23、Cr23、SnO2である。多層構造については、薄膜はすべて高屈折率物質から成ること、又は最上層として高RI被膜を有する、高RI物質及び低RI物質を有する薄膜の交互の配列であることができる。
干渉色は、薄膜の厚さの関数であり、具体的な色についての厚さは異なる物質について異なってもよい。TiO2について、40nm〜60nmの層又はその整数倍は銀色を与え、60nm〜80nmは黄色、80nm〜100nmは赤色、100nm〜130nmは青色、130nm〜160nmは緑色を与える。干渉色に加えて、その他の透明な吸収顔料は、TiO2層の最上部に、又はそれと共に沈殿することができる。一般的な物質は、赤酸化鉄又は黒酸化鉄、フェロシアン化第二鉄、酸化クロム又はカルミンである。その光度に加えて干渉顔料の色は、皮膚の色調に対するヒトの知覚に顕著な影響を及ぼすことが見出された。一般に、好ましい色は、銀、金、赤、緑、及びこれらの混合である。一実施形態では、皮膚の色調に対するヒトの知覚はヒトの皮膚の色調の白色化である。
本明細書で有用な干渉顔料の非限定例には、プレスパース社(Persperse,Inc.)より商標名プレスティージ(PRESTIGE)(登録商標)、フロナク(FLONAC)(登録商標)として供給されるもの;EMDケミカルズ社(EMD Chemicals,Inc.)より商標名ティミロン(TIMIRON)(登録商標)、カラロナ(COLORONA)(登録商標)、ディクロナ(DICHRONA)(登録商標)、及びキシロナ(XIRONA)(登録商標)として供給されるもの;及びエンゲルハード社(Engelhard Co.)より商標名フラメンコ(FLAMENCO)(登録商標)、ティミカ(TIMICA)(登録商標)、デュオクローム(DUOCHROME)(登録商標)として供給されるものが挙げられる。
本発明の実施形態では、干渉顔料表面は疎水性であるか、又は疎水性に修飾されたかのいずれかである。同時係属出願番号60/469,075(2003年5月8日出願)で記載されている粒子接触角試験を使用して、干渉顔料の接触角が決定される。接触角が大きければ大きいほど、干渉顔料の疎水性は大きくなる。本発明の干渉顔料は、少なくとも60°、より好ましくは80°よりも大きな、更により好ましくは100°よりも大きな、なおより好ましくは100°よりも大きな接触角を有する。疎水性に変性された干渉顔料すなわちHMIPは、相内にHMIPを閉じ込め、HMIPのより多くの付着を可能にする。好ましくはHMIPと相の比率は、1:1〜約1:70、より好ましくは1:2〜約1:50、更により好ましくは1:3〜約1:40、最も好ましくは1:7〜約1:35である。
本発明の実施形態において、HMIPは、好ましくは利益相内に閉じ込められている。これには、利益相の粒径は一般にHMIPよりも大きくなることが必要となる。本発明の好ましい実施形態において、利益相粒子は、利益粒子当たり少量のHMIPしか含有しない。好ましくは、これは20未満、より好ましくは10未満、最も好ましくは5未満である。これらのパラメータ、利益相液滴のHMIPに対する相対的な大きさ及び利益粒子当たりのHMIP粒子のおおよその数は、光学顕微鏡による視覚検査を使用して決定することができる。
HMIP及び利益相は、プレミックスにより又は別個で組成物中に混合することができる。別個の添加の場合、配合物の加工時に疎水性顔料が利益相を分割して入り込む。本発明のHMIPは、好ましくは、全粒子重量の約20重量%以下、より好ましくは約15重量%以下、更により好ましくは約10重量%以下を構成する疎水性コーティングを有する。本発明のHMIPは、好ましくは、全粒子重量の少なくとも約0.1重量%、より好ましくは少なくとも約0.5重量%、更により好ましくは少なくとも約1重量%を構成する疎水性コーティングを有する。本明細書で有用な疎水性表面処理の非限定例には、シリコーン類、アクリレートシリコーンコポリマー類、アクリレートポリマー類、アルキルシラン、イソプロピルチタニウムトリイソステアレート、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸マグネシウム、ペルフルオロアルコールホスフェート、ペルフルオロポリメチルイソプロピルエーテル、レシチン、カルナウバろう、ポリエチレン、キトサン、ラウロイルリシン、植物脂質抽出物類、及びこれらの混合物が挙げられ、好ましくはシリコーン類、シラン類、及びステアレート類が挙げられる。表面処理企業には、USコスメティックス(US Cosmetics)、コボ・プロダクツ社(KOBO Products Inc.)、及びカードレ社(Cardre Inc.)が挙げられる。
美白剤
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は、美白剤を含むことができる。これらの美白剤は好ましくは、組成物の約0.0001重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜約2重量%で存在する。好適な美白剤としては、コウジ酸、アルブチン、トラネキサム酸、アスコルビン酸及びそれらの誘導体(例えば、アスコルビン酸リン酸マグネシウム又はアスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビルグルコシドなど)を包含する、当該技術分野で既知のものが挙げられる。本明細書で使用するのに好適な他の美白剤物質としては、アクチホワイト(Actiwhite)(登録商標)(コグニス(Cognis))、エンブリカ(Emblica)(登録商標)(ロナ(Rona))、アゼログリシナ(Azeloglicina)(サイネルガ(Sinerga))、セピホワイト(Sepiwhite)、ヘキサミジン、糖アミン類、(例えば、N−アセチルグルコサミン)、フィトステロール類(例えば、1以上のシトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラジカステロール等)、及び抽出物類(例えば、クワ抽出物)が挙げられる。
ビーズ
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は、ビーズを含むことができる。これらのビーズは好ましくは、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約3重量%で存在する。ビーズはいずれの色であってもよい。ビーズは、安定な多相パーソナルケア組成物の1つの相中又は複数の相中に入れられてよい。ビーズは白色化、潤いを与えること、老化防止、洗浄、剥離作用、花の香り、長持ちする香り、及び本明細書中に列記された任意成分のためのキャリアに関する信号のために用いられてよい。好適なビーズとしては、軟質又は硬質のビーズを包含する当該技術分野で既知のものが挙げられる。軟質ビーズの好適な例としては、インデュケム(Induchem)によって製造されたユニスフィア類、ユニスフィアズ(Unispheres)NT−2806(ピンク(Pink))が挙げられる。硬質ビーズの好適な例としては、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、好ましくはアキュテック(Accutech)製造のもの、が挙げられる。
任意成分
種々の好適な任意成分を安定な多相パーソナルケア組成物に使用することができる。こうした任意成分とは、最も典型的には、化粧品での使用が認可された、CTFA化粧品成分ハンドブック(CTFA Cosmetic Ingredient Handbook)、第2版、化粧品工業会(The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.)、1988、1992のような参考文献に記載されている物質である。これらの任意物質は、本明細書に記載のそれぞれの相を包含する、本発明の組成物のあらゆる態様で使用することができる。
非限定的な任意成分には、保湿剤及び溶質が挙げられる。多様な保湿剤及び溶質を使用することができ、これらは、パーソナルケア組成物の約0.1重量%〜約50重量%、好ましくは約0.5重量%〜約35重量%、より好ましくは約2重量%〜約20重量%の濃度で存在することができる。好ましい保湿剤はグリセリンである。
好ましい水溶性有機物質は、下記構造のポリオール:
R1−O(CH2−CR2HO)n
(式中、R1=H、C1〜C4アルキル;R2=H、CH3、n=1〜200);C2〜C10アルカンジオール類;グアニジン;グリコール酸及びグリコール酸塩(例えば、アンモニウム及び第四級アルキルアンモニウム);乳酸及び乳酸塩(例えば、アンモニウム及び第四級アルキルアンモニウム);ソルビトール、グリセロール、ヘキサントリオール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコールなどのような多価アルコール類;ポリエチレングリコール;糖類及びデンプン類;糖及びデンプン誘導体(例えば、アルコキシル化グルコース);パンテノール(D−、L−、及びD,L−形態を包含);ピロリドンカルボン酸;ヒアルロン酸;ラクトアミドモノエタノールアミン;アセトアミドモノエタノールアミン;尿素;及び一般構造(HOCH2CH2xNHyのエタノールアミン類(式中、x=1〜3;y=0〜2、x+y=3)、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。最も好ましいポリオール類は、グリセリン、ポリオキシプロピレン(1)グリセロール及びポリオキシプロピレン(3)グリセロール、ソルビトール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、スクロース、尿素、及びトリエタノールアミンから成る群から選択される。
非イオン性のポリエチレン/ポリプロピレングリコールポリマー類が、好ましくは皮膚コンディショニング剤として使用される。本明細書で有用な特に好ましいポリマー類は、xが2に等しく、nが平均値約2,000を有するPEG−2M(PEG2−Mはまた、ユニオンカーバイド(Union Carbide)からのポリオックス(Polyox)WSR(登録商標)N−10として、及びPEG−2,000としても知られている);xが2に等しく、nが平均値約5,000を有するPEG−5M(PEG5−Mはまた、両方共にユニオンカーバイドからのポリオックスWSR(登録商標)35及びポリオックスWSR(登録商標)N−80として、並びにPEG−5,000及びポリエチレングリコール200,000としても知られている);xが2に等しく、nが平均値約7,000を有するPEG−7M(PEG7−Mはまた、ユニオンカーバイドからのポリオックスWSR(登録商標)N−750としても知られている);xが2に等しく、nが平均値約9,000を有するPEG−9M(PEG9−Mはまた、ユニオンカーバイドからのポリオックスWSR(登録商標)N−3333としても知られている);xが2に等しく、nが平均値約14,000を有するPEG−14M(PEG14−Mはまた、両方ともユニオンカーバイドからのポリオックスWSR−205及びポリオックスWSR(登録商標)N−3000としても知られている);並びに、xが2に等しく、nが平均値約90,000を有するPEG−90Mである。(PEG−90Mはまた、ユニオンカーバイドからのポリオックスWSR(登録商標)−301としても知られている。)
これらの任意成分の他の非限定例には、ビタミン類及びそれらの誘導体(例えば、アスコルビン酸、ビタミンE、トコフェリルアセテートなど);日焼け止め剤;増粘剤(例えば、ポリオールアルコキシエステル、クローダ(Croda)からクロシックス(Crothix)として入手可能);クレンジング組成物の抗菌保全性を維持する防腐剤;抗ニキビ薬(レゾルシノール、サリチル酸など);酸化防止剤;アロエベラ抽出物、アラントインなどのような皮膚鎮静・皮膚回復剤;キレート化剤及び金属イオン封鎖剤;並びに、芳香剤、精油、皮膚感覚剤、顔料、真珠光沢剤(例えば、雲母及び二酸化チタン)、レーキ、着色剤など(例えば、丁子油、メンソール、カンファー、ユーカリ油、及びオイゲノール)のような審美的目的に適した剤が挙げられる。
降伏応力及びゼロ剪断粘度法
クレンジング相は界面活性剤構成成分を含み、この界面活性剤構成成分は、組成物中で組み合わせる前に測定されるか、又は組成物中で組み合わせた後、遠心分離、ピペット操作、機械的な切断、すすぎ、濾過若しくは他の分離手段のような好適な物理的分離手段によりその界面活性剤構成成分を分離することにより測定される。
降伏応力及びゼロ剪断粘度を決定するためには、TAインストロメンツAR2000レオメーター(TA Instruments AR2000 Rheometer)のような応力制御レオメーターが用いられる。測定は、4cmの直径の平行板測定システム及び1mmのギャップで25℃で実施される。形状は、得られたトルクを応力に変換するための剪断応力ファクターが79580m-3である。
最初に、界面活性剤構成成分を得、レオメーター基板上の所定位置に配置し、測定形状(上部板)を基板よりも1mm上方の位置へと移動させる。形状縁部における過剰の界面活性剤構成成分を形状をロックした後にかき集めることによって除去する。界面活性剤構成成分が、肉眼で又は触って確認できる数平均直径が約150ミクロンよりも大きな粒子(例えばビーズ)を含む場合には、基板と上部板との間に設定されるギャップは、4mm又は第95体積百分位数粒径(percentile particle diameter)の直径の8倍のうちの小さい方まで増加される。界面活性剤構成成分がいずれかの寸法において5mmよりも大きいいずれかの粒子を有する場合には、その粒子間の構成成分はその構成成分を測定する前に粒子を除去することによって測定される。
測定は、5分間にわたる0.1Pa〜1,000Paの連続した剪断応力傾斜のプログラムされた適用を介して対数型進行を用いて、すなわち対数スケール上で一様に間隔をあけた測定点を用いて実行される。応力増加10当たり30個の測定点が得られる。応力、ひずみ及び粘度が記録される。測定結果が不完全な場合、例えば物質がギャップから流出した場合には、得られた結果を評価して不完全なデータ点を除外する。降伏応力は以下のように決定される。応力(Pa)及びひずみ(単位なし)のデータをその対数(底10)をとることによって変換する。0.2Pa及び2.0Paの応力間で得られたデータ、約30点のみに関して、log(応力)をlog(ひずみ)に対してグラフに表す。応力1Paにおける粘度が500Pa−sec未満であるが75Pa−secよりも大きい場合には、0.2Pa〜1.0Paのデータについてのみlog(応力)をlog(ひずみ)に対してグラフに表し、続いて以下の数学的手順を行う。応力1Paにおける粘度が75Pa−sec未満である場合には、ゼロ剪断粘度は試験中に得られる3つの最大粘度値の平均であって、降伏応力はゼロであり、以下の数学的手順は使用されない。指示された応力領域において対数変換されたデータを用いた結果に関して直線回帰を行い、以下の形の等式が得られる:
(1)Log(ひずみ)=m*Log(応力)+b
0.1〜1,000Paの測定における各応力に関して、得られた回帰を用いて、等式(1)中において、得られた係数mとb、及び実際の応力を用いてlog(ひずみ)の予想値を得る。予想されるlog(ひずみ)から真数(すなわち各xに対する10x)をとることによって各応力における予想されるひずみが得られる。各測定点において予想されるひずみを実際のひずみと比較し、等式(2)を用いて各点における変化%を得る。
(2)変化%=100*(測定されたひずみ−予想されるひずみ)/測定されたひずみ
降伏応力は、変化%が10%を超える最初の応力(Pa)であり、その後の(もっと大きな)応力では、構造の流動又は変形の開始に起因して10%よりも更に大きな変化をもたらす。ゼロ剪断粘度は、0.1Paと降伏応力の間で及びそれらを包含して得られる粘度データに関するパスカル秒(Pa−sec)で表した粘度の第1平均値をとることにより得られる。第1平均粘度をとった後、第1平均値の5倍よりも大きくかつ平均値の0.2x未満のすべての粘度値を除外し、指示されたデータ点を除いて同じ粘度データである第2の平均粘度値が得られる。そのようにして得られた第2の平均粘度がゼロ剪断粘度である。
起泡体積試験
安定な模様をなした多相パーソナルケア組成物のクレンジング相、界面活性剤構成成分又は構造化ドメインの起泡体積は、メスシリンダー及び回転装置を用いて測定される。10mlの増分毎に印が付けられ、その底部の内側から1,000mlの印までの高さが36.8cm(14.5インチ)の1,000mlメスシリンダー(例えば、パイレックス(Pyrex)No.2982)を使用する。蒸留水(25℃で100g)をメスシリンダーに添加する。このシリンダーは、回転装置内にクランプ固定されるが、これにより、メスシリンダーの中心を横断する回転軸にシリンダーがクランプ固定される。0.50gの界面活性剤構成成分又はクレンジング相をシリンジからメスシリンダー中に、シリンダーの側部の水の線よりも上で注入し(適切な投与を確実にするために秤量する)、シリンダーに蓋をする。構造化ドメインを評価する場合、0.25ccのみを用い、他のことはすべて同じに保つ。シリンダーを18秒当たり約10回転の速度で完全な20回転の間回転させ、垂直な位置で停止させて1回目の回転シーケンスを完結させる。生成された泡に対して15秒間水切りさせるようにタイマーを設定する。15秒のこのような水切りの後、基部(上部に泡が浮いている底部へと水切りされたあらゆる水を包含する)から上方の起泡高さをmlで記録することによって、第1の起泡体積を10ml目盛りの単位で測定する。
泡の上面が均一でない場合、メスシリンダー断面の半分ほどに及ぶのが見られる最も低い高さが、第1の起泡体積(ml)になる。泡が粗すぎて、泡を含むフォームセル(「バブル」)が単一又はほんのわずかしかシリンダー断面全体に広がらない場合、空間を満たすのに少なくとも10個のフォームセルが必要になる高さが、やはり基部からのmlによる第1の起泡体積になる。いずれの寸法においても2.5cm(1インチ)より大きいフォームセルは、どこで発生しようとも、泡ではなく、中身のない空気として指定される。メスシリンダーの上部に集まるが水切りされないフォームもまた、その上部のフォームがそれ自体連続的な層である場合、定規を使用して層の厚さを測定し、そこに集まったフォームのmlを基部から測定されたフォームのmlに加えることによって、測定値に組み込む。最大起泡高さは1,000mlである(全起泡高さがメスシリンダーの1,000mlの印を超えた場合でも)。第1の回転が完了してから30秒後に、第1の回転シーケンスと速度及び持続時間が同一である第2の回転シーケンスを開始する。第2の起泡体積は、第1の場合と同じ方式で、同様に15秒の水切り時間の後に記録する。第3のシーケンスが完了され、水切りと測定値取得に関して各シーケンス間で同様の方式で同一の休止時間をおいて、第3の起泡体積を測定する。
各シーケンスの後の起泡の結果を合算し、総起泡体積が、3つの測定値の合計としてmlで決定される。瞬間起泡体積は、第1の回転シーケンスのみの後のmlによる結果、すなわち、第1の起泡体積である。本発明による組成物は、この試験において、従来のエマルション形態をした類似の組成物よりもはるかに良好な性能を示す。
超遠心分離法:
超遠心分離法は、界面活性剤構成成分を含むクレンジング相を含む安定な多相パーソナルケア組成物中に存在する構造化ドメイン又は不透明な構造化ドメインの百分率を決定するために使用される。この方法は、超遠心分離による組成物の、分離しているが区別可能な層への分離を伴う。本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は、複数の区別可能な層、例えば非構造化界面活性剤層、構造化界面活性剤層、及び利益層、を有することができる。
最初に、約4gの安定な多相パーソナルケア組成物をベックマン遠心分離管(Beckman Centrifuge Tube)(11×60mm)中に分与する。次に、その遠心分離管を超遠心分離器(Ultracentrifuge)(ベックマンL8−M型(Beckman Model L8-M)又は同等品)中に配置し、超遠心分離器を以下の条件に設定する:50,000rpm、18時間、及び25C。
18時間の超遠心分離後、電子デジタルキャリパー(Electronic Digital Caliper )を用いて各層の高さを測定する(0.01mm以内)ことによって相対的な相の体積を決定する。最初に、超遠心分離管中の全ての物質を包含する合計の高さをHaとして測定する。第2に、利益層の高さをHbとして測定する。第3に、構造化界面活性剤層をHcとして測定する。利益層は、その低い湿分含量(カールフィッシャー滴定(Karl Fischer Titration)によって測定した場合10%未満の水)によって判定される。それは一般に遠心分離管の最上部に存在する。総界面活性剤層高さ(Hs)はこの等式によって計算できる:
s=Ha−Hb
構造化界面活性剤層構成成分は、幾つかの層又は単一の層を含んでいてよい。超遠心分離の際、一般に超遠心分離管の底部又は底部の次に等方性層が存在する。この透明な等方性層は典型的に、非構造化ミセル界面活性剤層を示す。この等方性相よりも上方の層は一般に、より高度に規則化された構造(液晶のような)を有するより高い界面活性剤濃度を含む。これらの構造化された層は、時に肉眼に対して不透明、半透明、又は透明である。一般に構造化された層と非構造化等方性層との間には、はっきりとした相の境界が存在する。構造化された界面活性剤層の物理的性質は、偏向光の下での顕微鏡試験によって決定できる。構造化された界面活性剤層は典型的に、偏向光の下で識別可能な外観を示す。構造化界面活性剤層を特徴付けるための別の方法は、X線回折技術を用いることである。構造化界面活性剤層は、主として液晶構造の長い空隙部に関連することが多い多数の直線を示す。Hcが個々の構造化層の合計であるような、複数の構造化層が存在してもよい。コアセルベート相又はいずれかのタイプのポリマー−界面活性剤相が存在する場合には、それは構造化相とみなされる。
最後に、構造化ドメイン体積比を次式に基づいて計算する:
構造化ドメイン体積比=Hc/Hs×100%
利益相が全く存在しない場合には、界面活性剤層の高さとして合計の高さを使用する、Hs=Ha
使用方法
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は、好ましくは、適用される表面への皮膚クレンジング剤、疎水性物質、及び粒子の有効な送達を提供するのに十分な量で、皮膚又は毛髪の所望の領域に局所適用される。組成物は、皮膚に直接適用すること、又はクレンジングパフ、洗い布、スポンジ若しくは他の用具を用いて間接的に適用することができる。組成物は、好ましくは、局所適用の前、その間、又はその後に水で希釈され、次に皮膚又は毛髪はすすがれるか又は拭き取られ、好ましくは、水を使用して、又は水不溶性基材と水とを組み合わせて使用して、適用された表面からすすぎ落とされる。
したがって、本発明はまた、上述した本発明の組成物の適用を通じて皮膚を洗浄する方法も対象とする。また、本発明の方法は、上述した本発明の組成物の適用を通じて、適用された表面に、所望の皮膚活性剤の有効な送達をもたらす方法、及び本明細書に記載のそのような有効な送達によってもたらされる利益も対象とする。
製造方法
本発明の安定な多相パーソナルケア組成物は、所望の多相製品形態を製造及び配合するのに好適なあらゆる既知の技術、又はその他の有効な技術によって調製されてもよい。練り歯磨きチューブでの充填技術を回転台設計と組み合わせることが有効である。加えて、本発明は、米国特許第6,213,166号で開示されるような方法及び装置により調製されることができる。この方法及び装置は、2つ以上の組成物が単一の容器に渦巻き形状で充填されることを可能にする。この方法では、少なくとも2つのノズルを用いて容器に充填することが必要となる。容器はスタチックミキサー上に置かれ、組成物を容器内に導入しながら回転される。
あるいは、最初に、ポンプとホースが取り付けられた別個の保存タンク中に別個の組成物を入れることにより、少なくとも2つの相を組み合わせることが有効である。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に、相は組み合わせセクションからブレンドセクションへ移動され、相は、得られる単一の製品が相の区別できる模様を示すようにブレンドセクションで混合される。模様は、縞模様、大理石模様、幾何学模様及びこれらの混合から成る群から選択される。次の工程は、ブレンドセクションで混合された製品をホースを介して単一のノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器の中に設置し、容器を得られた製品で充填することを伴う。本発明の具体的な諸実施形態に適用されるような方法の具体的な非限定例が、以下の実施例で説明される。
安定な多相パーソナルケア組成物が様々な色の模様を含有する場合、消費者がパッケージを通してその模様を見ることができるように、これらの組成物を透明又は半透明のパッケージに包装することが望ましいことがある。また、対象組成物の粘度のため、分与を容易にするために、パッケージを上下逆に、キャップを下にして保管させるための、消費者への指示書を包含することも望ましい場合がある。
本明細書にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、あらゆるより小さい数値限定を、そのようなより小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含すると理解されるべきである。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのようなより大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内にあるあらゆるより狭い数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が本明細書にすべて明示的に記載されているかのように包含する。
特に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、及び請求の範囲におけるすべての割合、比率、及び百分率は重量基準であり、すべての数値限定は、当該技術分野により提供される通常の程度の精度で使用される。
以下の実施例は、本発明の範囲内の実施形態を更に記載及び例示する。これらの実施例は、説明の目的で提示されているに過ぎず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく多くの変形が可能であるため、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
以下のクレンジング相(実施例1〜21)が非限定例として調製される。
Figure 2008515923
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Figure 2008515923
クレンジング相は、従来の配合及び混合技術によって調製することができる。最初に水及び皮膚利益構成成分及び増粘剤を混合容器中に加え、均質な分散物が形成されるまで攪拌することにより、クレンジング相を調製する。次いで、以下のものを以下の順番で加える:界面活性剤類、EDTA二ナトリウム、防腐剤及び塩化ナトリウムの半分、並びに芳香剤と残りの塩化ナトリウムとを除く他のすべての防腐剤と微量成分。混合容器を攪拌する間、コカミドモノエタノールアミンを用いる場合には、65〜70℃に加熱し、その他の場合は周囲温度に保つ。加熱が用いられた場合には45Cに冷却する。更なる安定性のために、任意選択的に、エクスパンセル(Expancel)091DE40 d30(エクスパンセル社(Expancel, Inc.)から)のような、約30kg/m3の密度を有する気体が充填されたミクロスフェアを、バッチの約0.1〜0.5%で用いることができる。別個の容器中で、構造化ポリマーを芳香剤と共に予め湿潤させ、残りの塩化ナトリウムと同時に攪拌しながら混合容器に加える。均質となるまで攪拌を保ち、次いでスタチック混合エレメントを通してポンプで送ってあらゆるポリマーの塊を分散させ、バッチを完結させる。コアセルベートの量を、25mlメスシリンダー(例えば、パイレックス(Pyrex)No.3255)中で23ml蒸留水と2ml界面活性剤を完全に混合(振盪)し、それを24℃(75°F)で1週間静置し、その後底部の濁った相の量を観測し、mlで、又は1mlよりも少ない場合には、底部からの高さを測定することによって測定する。
実施例22〜30
以下の実施例22〜30については、芳香剤を組成物に加えないことを除いて、実施例1のクレンジング相を調製する。以下の実施例では、組成物は芳香剤を含まないクレンジング相1であることを意味し、化学的な重量ではなく添加された重量の合計として示される。実施例22〜27は、ポリマー構成成分を芳香剤と共に予め湿潤させ、このポリマー−芳香剤混合物を等しい重量の芳香剤を含まないクレンジング相とスパチュラを用いて手で混ぜ合わせて、ペーストを調製し、残りのクレンジング相を加えてかき混ぜ、最後に追加の水を加えて手でかき混ぜることによって少量を調製する(例えば約5分間に合計75gが調製される)。調製後、実施例を調べて肉眼で及び触って検知される塊が無いことを確かめる。実施例28〜30は、ポリマーを高剪断により塊がなくなるまで水中に分散させ、この混合物を芳香剤を含まないクレンジング相及び芳香剤と均質になるまで、約2分間、手で激しくかき混ぜることによって混ぜ合わせることにより調製する。次いで実施例の組成物を軽く遠心分離し(混合瓶中で2500rpm、3分間)、脱気する。
Figure 2008515923
非起泡性構造化水相
実施例31〜32の非起泡性構造化水相は、ポリマーを高剪断により水中に分散させ、塩、及びワセリンと鉱油を除く残りの成分を加え、トリエタノールアミンでpH7.0に中和し(およそのTEA濃度が示されている)、50℃に加熱し、80℃の液体としてワセリンと鉱油を加え、そして高剪断を用いずに均質になるまで攪拌することによって調製する。水溶性構成成分を全く有さない顔料を用いるのが好ましい。ワセリン構成成分に関しては、大部分の粒子に対して約5〜100ミクロンの粒径が得られる。
Figure 2008515923
利益相
以下の成分を有する利益相を調製することができる。実施例33〜35の利益相は、ワセリンを混合容器に加えることによって調製することができる。88℃(190°F)に加熱する。次に鉱油及び粒子を加える。顔料が確実に良好に分散されるようにバッチを高剪断する。バッチの攪拌を保持し、バッチを周囲温度にゆっくりと冷ます。水溶性構成成分を全く有さない顔料を用いるのが好ましい。ワセリン構成成分に関しては、大部分の粒子に対して約5〜100ミクロンの粒径が得られる。
Figure 2008515923
ワセリンは、クロンプトン社(Crompton Corporation)(米国ペンシルベニア州ペトロリア(Petrolia))のウィトコ事業部(Witco division)から入手できる。G2218ワセリンは、約59℃(華氏139度)の完全融点、99℃(210°F)で約75〜86SUSのセイボルト粘度、192〜205dmmの透過率、剪断指数約0.53で約42Pa−sの稠度値、370Paの構造剛性及び43.2℃(109.8°F)の流動開始温度を有する。ワセリンのガスクロマトグラフィーはC20〜C120の間の炭化水素が存在することを示す。C22〜28、C44〜50、及びC94〜116の偶数鎖長を有する炭化水素に対するGCの平均ピーク高さの比率をとると、ワセリンは、約0.72:1.0:0.32のピーク高さの比率を有する。ヒドロブライト(Hydrobrite)1000は、ほぼすべての鉱油類と比較して高い粘度を有する。
組成
模様をなした安定な多相パーソナルケア組成物は、以下の手順によって調製することができる。利益相は連続脂質相であり、この利益相は45℃の出口温度を有する掻き取り式熱交換器を通して再循環される別個のタンク中で80℃に維持される。45℃の脂質は、ポンプで充填工程へと送られるか又は再循環タンクへと戻される。非起泡性構造化水相は連続水相であり、ホッパー中に保持されて、充填工程へと重力供給される。クレンジング相は充填器の上の重力供給タンク中にて周囲温度に維持される。クレンジング相及び利益相又は非起泡性構造化水相は、4−エレメントスタチックミキサー(コッホ/SMXタイプ(Koch/SMX type))を含有する直径3/4インチ(2センチ)のパイプを通って特定の体積比で同時にポンプで送られ、その単一のパイプが回転台の上の10オンス(約290ml)ボトル内で終端する(exits into)。その台は325rpm回転スピードに設定され、組成物は約2.0秒で315ml充填され、充填が底部から上部へと層をなす様式で進行するように回転台は充填中に下降される。均一で比較的水平な縞模様が得られる。相の温度及び粘度、スタチックミキサーエレメントのタイプ及びエレメントの数、パイプ直径、回転スピード等を調節することによって、種々多様な模様を得ることができる。
更に、本発明は、米国特許第6,213,166号に開示されているような方法及び装置によって調製することができ、この方法及び装置は2つ以上の組成物を少なくとも2本のノズルを用いて単一容器へとらせん形状で充填させるものである。
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

Claims (20)

  1. 少なくとも2つの視覚的に区別できる相を含み、
    少なくとも1つの視覚的に区別できる相はクレンジング相の2重量%〜90重量%の界面活性剤構成成分を含むクレンジング相を含み;及び
    前記クレンジング相は高分子相構造化剤を含み;及び
    前記視覚的に区別できる相は模様を形成する
    安定な多相パーソナルケア組成物。
  2. 少なくとも2つの視覚的に区別できる相を含み、
    少なくとも1つの視覚的に区別できる相はクレンジング相の2重量%〜90重量%の界面活性剤構成成分を含むクレンジング相を含み;及び
    前記クレンジング相は少なくとも45%の構造化ドメイン体積比を有する
    安定な多相パーソナルケア組成物。
  3. 前記組成物は高分子相構造化剤を更に含む、請求項2に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  4. 前記高分子相構造化剤は、解膠ポリマー類、天然由来のポリマー類、合成ポリマー類、架橋ポリマー類、ブロックポリマー類、ブロックコポリマー類、コポリマー類、親水性ポリマー類、非イオン性ポリマー類、アニオン性ポリマー類、疎水性ポリマー類、疎水変性ポリマー類、会合性ポリマー類、オリゴマー類、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1及び3に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  5. 前記多相パーソナルケア組成物は前記クレンジング相の0.05重量%〜10重量%の前記高分子相構造化剤を含む、請求項1及び3に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  6. 前記クレンジング相は液晶相誘発構造化剤を更に含む、請求項1及び2に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  7. 前記液晶相誘発構造化剤は、脂肪酸類、脂肪族アルコール類、脂肪酸エステル類、トリヒドロキシステアリン、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項6に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  8. 前記クレンジング相は該クレンジング相の5重量%〜40重量%の前記界面活性剤構成成分;好ましくはクレンジング相の10重量%〜30重量%の前記界面活性剤構成成分;より好ましくはクレンジング相の12重量%〜25重量%の前記界面活性剤構成成分;なおより好ましくはクレンジング相の13重量%〜20.5重量%の前記界面活性剤構成成分;最も好ましくはクレンジング相の14重量%〜18.5重量%の前記界面活性剤構成成分を含む、請求項1及び2に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  9. 前記視覚的に区別できる相は、クレンジング相、利益相、非起泡性構造化水相、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1及び2に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  10. 前記クレンジング相と第2の相との比率が99:1〜1:99、好ましくは90:10〜10:90、より好ましくは80:20〜20:80、なおより好ましくは70:30〜30:70、最も好ましくは50:50である、請求項1及び2に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  11. 前記クレンジング相は、
    (i)少なくとも1種のアニオン性界面活性剤;
    (ii)少なくとも1種の電解質;
    (iii)少なくとも1種のアルカノールアミド;及び
    (v)水
    を含み、
    非ニュートンずり減粘性であり、及び
    3000cps(3Pa・s)以上の粘度を有する、
    請求項1及び2の安定な多相パーソナルケア。
  12. 追加の慣用の界面活性剤類を任意選択的に更に含む、請求項11に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  13. 前記クレンジング相は、
    a.(i)3.4〜15.0のHLBを有する少なくとも1つの非イオン性界面活性剤;
    (ii)少なくとも1つのアニオン性界面活性剤;
    (iii)少なくとも1つの両性界面活性剤;
    を含む界面活性剤構成成分、及び
    b.電解質
    を含む、請求項1及び2に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  14. 前記視覚的に区別できる相は模様を形成する、請求項2に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  15. 前記模様は、縞模様、幾何学模様、大理石模様、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1及び14に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  16. 前記クレンジング相は0.5パスカルよりも大きな降伏応力を与える、請求項1及び2に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  17. 前記クレンジング相は500Pa−sよりも大きなゼロ剪断粘度を与える、請求項1及び2に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  18. 前記クレンジング相は少なくとも600mlの総起泡体積を与える、請求項1及び2に記載の安定な多相パーソナルケア組成物。
  19. 前記組成物は任意選択的な利益構成成分を追加で含み、前記任意選択的な利益構成成分は、ビタミン類及びこれらの誘導体の皮膚軟化剤類、粒子類、ビーズ類、皮膚白色化剤類、芳香剤類、着色剤類;日焼け止め剤類;防腐剤類;抗ニキビ薬剤類;酸化防止剤類;キレート化剤類;精油類、皮膚感覚剤類、抗菌剤類、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1及び2に記載の安定な多相パーソナルクレンジング組成物。
  20. 皮膚又は毛髪に皮膚利益をもたらす方法であって、
    a)請求項1又は請求項2に記載の安定な多相パーソナルケア組成物の有効量を、クレンジングパフ、洗い布、スポンジ、及びヒトの手から成る群から選択される用具上に分与する工程;
    b)前記用具を用いて前記組成物を前記皮膚又は毛髪に局所適用する工程;及び
    c)前記皮膚又は毛髪を水ですすぐことによって、前記皮膚又は毛髪から前記組成物を除去する工程
    を含む方法。
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