JP2008509389A - 論理回路、及びその試験方法 - Google Patents

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Abstract

論理回路であって、−少なくとも1つの第1の組み合わせ論理回路42、−データ入力d及びデータ出力qを有し、前記データ出力qは前記第1の組み合わせ論理回路42の入力と接続される第1のデータラッチ44、−前記第1のデータラッチ44のデータ入力dと接続された出力qを有する第2のスキャン可能なデータラッチ43、及び−前記第1の組み合わせ論理回路42の出力と接続された入力dを有する第3のスキャン可能なデータラッチ47、を有し、前記第2のスキャン可能なデータラッチ43は、第1のクロックclk1により駆動されるよう適応され、前記第1のデータラッチ44及び前記第3のスキャン可能なデータラッチ47は、第2のクロックclk2により駆動されるよう適応され、前記第1及び第2のクロックclk1及びclk2は、重複しないクロック信号である、論理回路。

Description

本発明は、スキャン試験可能な論理回路及びスキャン試験可能な論理回路の試験方法に関する。
特許文献1は、図1に示されるようなLSSD設計ルールによる従来の回路設計を開示している。LSSDは、レベル・センシティブ・スキャン設計の略である。回路は、2つの異なる種類のラッチ14及び16を有する。ラッチ16は、標準的なDラッチである。Dラッチは、入力d(データ入力)及び出力q(データ出力)を有する。更に、Dラッチ16は、図1にclk2として示されるクロック入力を有する。クロック入力clk2がLowである限り、出力qは、図1のDラッチ16の入力における値を引き継がない。ラッチは「不透明」であり、ラッチ16からの出力qは不変のままである。クロック入力clk2がHigh状態の場合、Dラッチは透過である。この場合、出力qは、Dラッチの入力における値を引き継ぐ。このように、Dラッチを介した情報の転送は、クロックclk2のレベルと同期する。
図1のラッチ14は、スキャン可能又は試験可能なラッチである。これは、情報が試験のために外部から当該ラッチに導入されて良いことを意味する。ラッチ14はまた、d入力(データ入力)、出力q及び図1にclk1として示されるクロック入力を有する。更に、ラッチ14は、入力ti及び入力teを有する。teは試験イネーブルの略であり、tiは試験入力の略である。スキャン可能なラッチへの試験イネーブル入力teがLow状態である限り、図1のラッチ14は、図1のラッチ16と全く同様に機能する。試験イネーブル入力teがLowである限り、ラッチ14への入力tiは、ラッチ14の出力qに如何なる影響も及ぼさない。試験イネーブルteがHigh状態になると、試験入力tiは、出力qにラッチされて良い。このように、情報は、外部情報源からラッチ14へ導入されて良い。
図1の参照符号10及び12は、組み合わせ論理回路を示す。図1において、PIは、組み合わせ論理回路10への情報入力を示し、参照符号POは、組み合わせ論理回路12からの情報出力を示す。図1のクロックclk1及びclk2は、重複しないクロックである。これは、クロック2がLowである場合のみクロック1がHighであることを意味する。逆も同様である。図1のラッチ14及び16は、シフトレジスターを表す。情報は、ラッチ14及び16を連続して通じてシフトされる。
図1の参照符号10及び12は、組み合わせ論理回路を表す。組み合わせ論理要素は、少なくとも1つの出力チャネル及び1つ以上の入力チャネルを有する素子であり、全てのチャネルは離散状態により特徴付けられる。如何なる瞬間においても各出力チャネルの状態は、同一の瞬間の入力チャネルの状態により完全に決定される。対照的に、順序論理回路は、1つ以上の入力及び1つ以上の出力を利用する回路設計である。これら入力及び出力の状態は、定められたルールにより関連付けられ、部分的に前の状態に依存する。順序回路の出力は、現在の入力及び前の入力に依存する。組み合わせ論理回路の出力を組み合わせ論理回路の入力へフィードバックすることにより、組み合わせ論理回路は、順序回路に変わる。出力の状態は、入力の前の状態に依存する。
論理システムの機能部分は、組み合わせ及び順序回路の両者で形成される。組み合わせ回路の試験及び試験パターンを計算するために計算手順が利用可能であるが、このような手順は、順序回路に適用することが困難であり、及び複雑な順序論理回路の試験パターンを生成する問題のための如何なる解決策も確立されていない。従って、論理システム内の全ての順序回路が、組み合わせ回路に効率的に変換され、回路網の試験手順を達成することが必要である。これは、図1の回路のラッチ14及び16を挿入することによりなされる。図1の組み合わせ論理回路10を試験するため、組み合わせ論理回路への入力は、所定の点において適切な時間に知られていなければならず、及び出力は同時に測定されなければならない。組み合わせ論理回路10の入力は、入力PIを有する。入力PIは、帰還ループにより供給される入力と同様に、外部的に決定されて良い。帰還入力は、ラッチ14を介し、試験入力をラッチ16へシフトすることにより定められる。クロック2及びクロック1がHighの場合、ラッチ16の出力は、組み合わせ論理回路10へ入力される。この場合、ラッチ14の試験イネーブル入力teは、Lowに変化し、従って組み合わせ論理回路の出力はラッチ14へ入力される。ラッチ14の出力は、組み合わせ論理回路10の所定の入力に対する応答を表す。このように、組み合わせ論理回路はサブシステムを表し、試験され得る。更に、ラッチ14及び16は、組み合わせ論理回路12への入力を、別の時点において試験のために決定するために利用されて良い。組み合わせ論理回路12は、論理サブシステムを表す。そして組み合わせ論理回路の出力は、出力POにおいて直接測定され得る。
図1の回路は、レベル・センシティブ論理システムを表す。如何なる許容された入力状態の変化に対する定常状態の応答も、システム内の回路及び配線遅延に依存しない場合、論理システムは、レベル・センシティブである。また、入力状態の変化が1つ以上の入力信号の変化を有する場合、応答は、入力信号が変化する順序に依存してはならない。定常状態応答は、全ての論理ゲート出力、特にフリップフロップ又は帰還ループのような内部記憶要素の出力の最終的な値である。レベル・センシティブ・システムは、一連の許容された入力状態の変化の結果として、システムを新しい内部状態で安定化させるため、変化の間に十分な時間ラップを有し動作すると考えられる。「許容された入力状態の変化」の語は、入力変化の制限に関連する。これらの制限は、ほぼ例外なく信号のシステムクロックに適用される。
図1の回路は、以上の記述によるレベル・センシティブ・スキャン設計を表す。クロック信号clk1及びclk2は、ラッチ14及び16を設定する十分な持続期間を有する。クロック信号clk1及びclk2のHighの期間は、当該ラッチに格納された値が変化するために十分でなければならない。更に、クロック信号clk1及びclk2がHighからLowへ変化する前の時間間隔は、全てのラッチが変化し、帰還接続により起動された組み合わせ論理回路を通じて伝達するために十分でなければならない。このような動作は、レベル・センシティブ・システムの要件を満たし、及び回路パラメータへの依存が最小限である。
図1の回路は、レベル・センシティブ論理システムの例である。図1の回路は、順序論理システムである。図1の順序論理回路は、組み合わせ論理回路のための自動的に生成された試験パターンを用い、当該順序論理回路の組み合わせ論理サブシステムを試験することにより、試験され得るよう設計される。従って、順序試験生成の問題は、組み合わせ試験生成の問題に縮減され得る。順序論理回路は、組み合わせパターンのみを用い試験されて良く、以下のルールに従うことにより設計されて良い。
回路の組み合わせサブシステムへの入力は、データ入力PIにより直接制御されるか、又は図1のようなラッチ14及び16を有するシフトレジスター(srl)の出力により制御されなければならない。更に、組み合わせ論理サブシステムの出力は、直接観察可能であるか、又は図1のようなラッチ14及び16を有するシフトレジスターの入力から観察可能でなければならない。閉ループの場合、シフトレジスターは、入力の制御及び図1に示されたような組み合わせ回路の出力を観察するために用いられて良い。このように、組み合わせ論理システムは、互いに独立に試験され得る。
図2は、従来のL1L2回路を示す。この回路設計は、特許文献2に開示されている。この回路は、組み合わせ試験パターンのみを用いて試験され得るよう設計される。この設計は、LSSD回路の上述のルールに従う設計と異なる。図2の回路は、3個の組み合わせ論理回路10、22及び26を有する。組み合わせ論理回路10は、ラッチ14及び16を介し組み合わせ論理回路10の入力と接続される出力を有する。従って、組み合わせ論理回路10、ラッチ14及び16は、組み合わせ回路12と同様に、図1の回路構成に相当する。図2の回路は、組み合わせ論理回路22及び26だけ図1の回路と異なる。組み合わせ論理回路22の出力は、ラッチ24を介し、組み合わせ論理回路26の入力と接続される。組み合わせ論理回路26の出力は、ラッチ28を介し、組み合わせ論理回路22の入力と接続される。留意すべき点は、図2の回路の下の新たな部分が閉ループを構成することである。組み合わせ論理回路22及び26は、閉ループの部分である。以上に説明されたLSSD設計ルールに対応するため、図2の回路がどのように変更される必要があるかを検討する。
組み合わせ論理回路22及び26を有する閉ループにより、図2の回路の下部は、順序論理回路を構成する。LSSD設計ルールによると、このような順序回路は、閉ループにシフトレジスターラッチを挿入することにより、試験可能になる。図1のシフトレジスターは、組み合わせ論理回路22の出力と接続されなければならない。シフトレジスターは、組み合わせ論理回路26の入力を制御するために用いられる。組み合わせ論理回路26の他の入力は、入力PIにより制御されて良い。更に、対応するラッチの対は、組み合わせ論理回路26の出力を観察し、同時に組み合わせ論理回路22への帰還入力を制御しなければならない。従って、図2の回路は、図1のようにラッチ14及び16の対を、それぞれラッチ24及び28の代わりに有する。図2の回路は、LSSD設計ルールにより要求されるより少ないラッチを有するので、複雑さが少ない。回路は、2つのスキャン可能なラッチ24及び28を有する。ラッチ24及び28は、異なるクロックclk1及びclk2で駆動される。
組み合わせ論理回路26は、以下のように試験され得る。組み合わせ論理回路26への入力は、ラッチ24の出力と同様に入力PIにより直接制御される。ラッチ24の出力は、ラッチ24の試験入力ti及び試験イネーブル入力により外部から制御されて良い。入力は、クロックclk1のHighの期間の間に変化する。組み合わせ論理回路26の出力は、ラッチ28において直ちに生じるクロックclk2のHighの期間の間に、ラッチ28へ入力される。この場合、ラッチ28の試験イネーブル信号は、Lowである。このように、組み合わせ論理回路26の所定の入力に対する反応が、試験され得る。組み合わせ論理回路22の試験は、相応して動作する。この場合、ラッチ28及び24は役割を変える。ラッチ28は、組み合わせ論理回路22の入力を制御するために用いられ、また組み合わせ論理回路22からの出力を受信する。更に、組み合わせ論理回路22への入力は、図2のラッチ16の出力により定められる。
留意すべき点は、図2のラッチ16が冗長でないことである。図2の組み合わせ論理回路10は、ラッチ14のみを用いて試験され得ない。なぜなら、組み合わせ論理回路10の出力は、組み合わせ論理回路10の入力を駆動するからである。組み合わせ論理回路の入力が、ラッチ14のみによって決定される場合、続いて生じる回路10の出力は、回路10の入力を直ちに変更することなく、ラッチ14へ入力されてはならない。ラッチ14のクロックがHighの場合、ラッチ14への入力は、ラッチ14の出力へ直ちに転送され、そして従って論理回路10の入力を駆動する。論理回路10の入力は、試験中、所定の状態を有さない。
図3は、図2の変更を示す。図2及び図3の同一の構成要素は、同一の参照符号により示される。図2と比較して異なる点は、図3の回路では、接続32及び30が追加されていることである。図3の組み合わせ論理回路10は、3個の入力を有する。追加の入力30は、ラッチ28の出力により駆動される。ラッチ28は、スキャン可能である。従って、組み合わせ論理回路10への入力は、クロックclk2のHighの期間の間、ラッチ28、16及び入力PIにより制御され得る。
論理回路の試験を組み合わせ論理回路の試験に縮減するため、試験される論理回路を有する各組み合わせ論理回路の入力及び出力信号は、所定の時間期間の間、制御されなければならない。回路は全体として、当該論理回路の構成要素である組み合わせ論理回路を試験することにより試験される。組み合わせ試験のための論理回路設計のL1L2設計ルールは、以下のように纏められる。
組み合わせ論理回路が、外部から制御されない入力及び/又は出力を有する場合、これら入力及び出力は、ラッチに接続されなければならない。入力を制御するラッチ及び特定の組み合わせ論理回路の出力を受信するラッチは、異なる重複しないクロックにより駆動されなければならない。2つの隣接するラッチは、異なる重複しないクロックにより駆動されなければならない。以下のラッチ(スレーブラッチ)は、スキャン不可能なデータラッチ(Dラッチ)であって良い。または、ラッチはスキャン可能なラッチでなければならない。例えば図1では、ラッチ16はラッチ14により駆動される。従って、ラッチ16は、単にスキャン不可能なデータラッチ(Dラッチ)であって良い。
図4aは、スキャン試験可能に作られた回路の例を示す。図4aの回路は、2つの組み合わせ論理回路40及び42を有する。両方の論理回路とも2つの入力及び1つの出力を有する。更に、図4aの回路は、3つのスキャン不可能なデータラッチ44、46及び48を有する。この議論では、これらラッチのクロック信号は、未だ選択されておらず、回路の機能動作により影響されないと考える。組み合わせ論理回路40の出力は、ラッチ44を介し、組み合わせ論理回路40の入力へ供給される。組み合わせ論理回路40の第2の入力は、データラッチ48により制御される。組み合わせ論理回路40を上述のL1L2設計ルールに従いスキャン試験可能にするため、組み合わせ論理回路の入力及び出力は、所定の時間期間の間、制御可能でなければならない。図4aのラッチ44及び組み合わせ論理回路40の周囲の閉ループは、図1及び図2の上部に示された閉ループに相当する。L1L2設計ルールによると、2つのラッチは、この閉ループ内に存在しなければならない。従って、スキャン可能なラッチ43は、図4bの回路に挿入される。ラッチ43及び44は、異なる重複しないクロック信号であるクロック1及びクロック2により駆動される。組み合わせ論理回路40の出力が、クロック1のHighの期間の間、ラッチ43へ入力されるが、ラッチ44の出力により駆動される組み合わせ論理回路40への入力は、不変のままである(クロック2はLowである)。組み合わせ論理回路40の出力は、ラッチ43に記録されて良い。同時に組み合わせ論理回路40の上側の入力は、定められた値を有する。組み合わせ論理回路40の下側の入力は、図4bのスキャン可能なラッチ47により駆動されて良い。
ラッチ47及び48の対は、この場合、図4bに示されるように用いられなければならない。なぜなら、上述の設計ルールによると、同一のクロックによりクロックを供給される如何なる2つのラッチも互いに従わないからである。ラッチ47のみが図4bの下側の線に存在する場合、この要件は満たされない。ラッチ47がclk1でクロック供給される場合、ラッチ47及び43は、同一のクロック信号を有する。これは許されない。一方ラッチ47がclk2を有する場合、ラッチ44及び47及び47は、同一のクロック信号を有する。これもまた許されない。従って、第2のラッチ48は、図4bに示されるように、回路に挿入されなければならない。
組み合わせ論理回路42を試験するため、回路の入力及び出力は、所定の時間期間の間、制御されなければならない。組み合わせ論理回路42の下側の入力は、ラッチ44により制御されて良い。ラッチ44はまた、組み合わせ論理回路40を試験するために用いられる。組み合わせ論理回路42の出力は、ラッチ47により観察されて良い。ラッチ47はまた、ラッチ48の入力を制御するために用いられる。組み合わせ論理回路42の上側の入力だけは、試験のために制御されたままである。この目的のため、スキャン可能なラッチ45は、図4bの回路に挿入される。しかしこの場合も、ラッチの対45及び46は、回路内で用いられなければならない。なぜなら、単一のラッチが、クロック2で駆動されるラッチ44及びクロック1で駆動されるラッチ47と隣接しているからである。従って、L1L2設計ルールは、図4bに示されるような回路構成を要求する。
この特定の例では、L1L2試験は、通常のLSSD試験になんら利点を有さない。一般に、L1L2試験により得られる利点が大きくなるのは、回路が少数の小さい帰還ループを有し、及びより多くのパイプライン構造を有する場合である。特定のハンドシェイク制御では、回路は、標準的にこのような小さい帰還ループを多く有する。これは、L1L2最適化がLSSD最適化に及ぼす影響を低減する。図4bの例は、L1L2設計ルールが有意な量の追加ラッチを有する回路設計を生じ得る場合を示す。L1L2設計ルールに従い試験可能な図4aの回路を作るため、3個の追加ラッチが導入されなければならない。従って、回路の面積及び電力消費は高く、及び速度は比較的遅い。
米国特許第3761695号明細書 米国特許第4293919号明細書 チャールズ・エル・サイツ(Charles L. Seitz)、システム・タイミング(System timing)、イントロダクション・トゥー・ブイエルエスアイ・システムズ(Introduction to VLSI Systems)、アディソン・ウェスリー(Addison− Wesley)、1980年、7章、p.12−34
本発明の目的は、速く、従来のスキャン試験可能な回路より小型で低消費電力の論理回路を提供することである。更に、本発明の目的は、本発明による論理回路をスキャン試験させる試験方法を提供することである。
本発明の目的は、請求項1に記載の論理回路により解決される。本発明による論理回路は、第1の組み合わせ論理回路を有する。論理回路は、データ入力及びデータ出力を備える第1のデータラッチを更に有する。第1のデータラッチのデータ出力は、第1の組み合わせ論理回路の入力と接続される。論理回路は、出力を備える第2のスキャン可能なデータラッチを更に有する。第2のスキャン可能なデータラッチは、第1のデータラッチのデータ入力に接続される。第1及び第2のデータラッチは、ラッチの対を形成する(例えば、図1のラッチのように)。論理回路は、入力を備える第3のスキャン可能なデータラッチを更に有する。第3のスキャン可能なデータラッチは、第1の組み合わせ論理回路の出力に接続される。第2のスキャン可能なデータラッチは、第1のクロックにより駆動されるよう適応される。第1のデータラッチは、第3のスキャン可能なデータラッチと同様に、第2のクロックにより駆動されるよう適応される。第1及び第2のクロックは、重複しないクロック信号である。留意すべき点は、この回路がL1L2設計ルールに従わないことである。第1及び第3のデータラッチは、同一のクロック信号により駆動されるが、互いに隣接している。これは、上述の第2のL1L2設計ルールによると許されない。にもかかわらず、本発明による論理回路は、スキャン試験可能である。
本発明による論理回路26は、以下のように試験され得る。つまり、始めに、試験データは第2のスキャン可能なデータラッチに入力される。これは、第1のクロックのHighの期間の間に行われる。データは第2のスキャン可能なデータラッチに入力される。この場合、第2のスキャン可能なデータラッチの試験イネーブル入力は、第2のスキャン可能なデータラッチが試験入力からデータを受信するよう駆動される。第1のクロックがLowになると、試験データは、第2のデータラッチの出力から読み出し可能である。クロック1及び2は重複しないので、第2のクロックは、第1のクロックのLowの期間の間、Highの期間を有する。この場合、論理回路の第1のデータラッチは、透過である。従って、第2のデータラッチの出力における試験データは、試験されるべき第1の組み合わせ論理回路の入力へ直ちに転送される。第1のデータラッチは冗長である。ラッチは論理遅延を示すが、これは試験を妨げない。第1の組み合わせ論理回路は、第2のクロック信号の隣接するHighの期間の間、第2のスキャン可能なデータラッチにより駆動される。同時に、つまり、第2のクロック信号の隣接するHighの期間の間、試験されるべき第1の組み合わせ論理回路の出力は、第3のスキャン可能なデータラッチに格納されて良い。第1のデータラッチは、第1の組み合わせ論理回路の試験の間、冗長であるが、このラッチの提供は、試験に必要とされるラッチの数を低減させ得る。これは、特に図4bの回路で真である。特に、第1及び第2のラッチが、単一の追加の組み合わせ論理回路を有する閉ループの部分である場合、追加の第2の組み合わせ論理回路は、第1及び第2のデータラッチの両方を用いて試験されるだけで良い。第1のデータラッチは、第2の組み合わせ論理回路を試験するために必要である。第1のデータラッチは、第1の組み合わせ論理回路が試験される場合、冗長である。両方の組み合わせ論理回路が試験される必要があるので、第1のデータラッチは、回路内で必要な構成要素である。しかし図5のようにラッチ47がクロック2をクロック供給される場合、ラッチ46及び48は、図4bから除去されて良い。クロック2でクロック供給されるラッチ47は、クロック信号が回路の機能要件により影響されない場合のみ、許される。ハンドシェイク回路では、これは一般的な場合でなく、提案された方法が有効である。従来の同期回路では、しかしながら、しばしばクロック信号は既に決定され、提案された方法は用いられ得ない。
請求項1に記載の回路設計は、回路からより多くのダミーラッチを除去させる。これは、特に、短い帰還ループが多いとして知られているハンドシェイク回路に適切である。本発明による回路設計及び試験方法は、ハンドシェイク回路に実装されて良い。ハンドシェイク回路設計は、次第にデジタルICに適してきている。この技術の主な特徴は、低電力及び低電磁気放射特性である。
本発明による回路設計による最適化は、ラッチに基づく回路内のスレーブラッチ(スキャン不可能なラッチ)の数を低減するために用いられて良い。これは、回路面積を低減し、回路の速度を向上し、及びまた電力消費を低減する。多くの小さい帰還ループを有する回路では、利益が大きい。
本発明の好適な実施例は、図を参照して説明される。
図5に示された本発明の実施例は、図4aの回路のスキャン試験可能な変更を有する。
留意すべき点は、図5の回路は4個のラッチ43、44、45及び47のみを有するが、図4bの従来技術によるスキャン試験可能な回路は6個のラッチを有することである。図5の回路と図4bの回路の重要な違いは、組み合わせ論理回路42に加えてラッチ43、44、47の構成である。これら構成要素の構成の間の唯一の違いは、ラッチ47のクロック供給にある。図5のラッチ47はクロック2でクロック供給されるが、図4bのラッチ47はクロック1でクロック供給される。従来技術のL1L2設計ルールによると、ラッチ47は、ラッチ44と同一のクロックで制御されてはならない。本発明の論理回路によると、クロックclk及びclkが重複しないクロックである場合、このような構成は明らかに許される。ラッチ44は、組み合わせ論理回路42の試験の間、冗長である。クロック1によりクロック供給されるラッチ43の出力は、クロック2のHighの期間の間、組み合わせ論理回路42の入力へ転送される。なぜなら、ラッチ44は、クロック2のHighの期間の間、透過であるからである。従って、論理ゲート42の下側の入力は、通常、スキャン可能なラッチ43を用い定められて良い。図5bの組み合わせ論理回路42の上側の入力は、別のスキャン可能なラッチ45に接続される。クロック2のHighの期間の間のラッチ45の出力は、スキャン可能なラッチ45に格納された情報と等しい。従って、組み合わせ論理回路42へのデータ入力は、クロック2のHighの期間の間、試験のために定められて良い。クロック2のHighの期間の間の組み合わせ論理回路の出力は、クロック2のHighの期間の間、スキャン可能なラッチ47へ入力される。これは、スキャン可能なラッチ47の試験イネーブル入力(te)が試験入力(ti)をディスエーブルし、及びスキャン可能なラッチ47の通常のデータ入力dをイネーブルする場合、達成される。このように、組み合わせ論理回路42は、本発明により試験され得る。
留意すべき点は、そうでなければ、図5の回路が従来のL1L2スキャン設計ルールを満足することである。図5の組み合わせ論理回路40、ラッチ43更にラッチ44を有する閉ループは、図1の回路の実現である。組み合わせ論理回路40、ラッチ43、44及び45、組み合わせ論理回路42更にラッチ47を有する閉ループは、L1L2スキャン設計ルールに従う。周辺のラッチは、常に異なるクロックでクロック供給される。閉ループ内の如何なる2つの隣接ラッチも、同一のクロックでクロック供給されない。
図6は、本発明の第2の実施例を示す。図6の回路は、2つの部分を有する。第1の部分は、描かれた実線により互いに接続された全ての構成要素を有する。回路のこの部分は、図3の従来の回路に正に対応する。回路の第2の部分は、破線により互いに接続される部品を有する。従来の設計ルールによると、これらの接続は許されない。しかし本発明の回路では、これらの接続は許される。
図3では、ラッチ16の出力は、組み合わせ論理回路10及び22に接続される。しかし、ラッチ16の出力は、組み合わせ論理回路26に接続されない。なぜなら、ラッチ28及び16は、同一のクロック2で駆動されるからである。ラッチ16が組み合わせ論理回路26の入力と接続される場合、ラッチ16及び18は、互いに隣接していると考えられる。従来の設計ルールによると、隣接するラッチは、同一のクロックでクロック供給されてはならない。一方、図6では、ラッチ16の出力は、組み合わせ論理回路26の入力と接続される。本発明は、このような接続を明らかに許す。図6のラッチ14、16、組み合わせ論理回路26及びラッチ28の構成は、図5のラッチ43、44、組み合わせ論理回路42及びラッチ47の構成に相当する。更に、組み合わせ論理回路60、ラッチ62及びラッチ64は、図6の回路に設けられる。これら新しい構成要素の構成は、1つの例外を除いて、図6に示される回路の上側部分の組み合わせ論理回路10、ラッチ14及びラッチ16の構成に相当する。つまり、ラッチ14に相当するラッチ62は、クロック1の代わりにクロック2でクロック供給され、及びラッチ16に相当するラッチ64は、クロック2の代わりにクロック1でクロック供給される。ラッチ64の出力は、各組み合わせ論理回路(10、22、26及び60)の入力と接続される。また、図6では、ラッチ16の出力は、各組み合わせ論理回路の入力と接続される。本発明によると、ラッチの対14、16又はラッチの対62、64のようなラッチの対の出力は、組み合わせ論理回路の出力と接続されたラッチに関係なく、これら組み合わせ論理回路の入力と接続されて良い。図6から分かるように、本発明の論理回路は、図3の従来技術による試験可能な回路より多くの接続を許す。
図7aは、重複しないクロックを生成する従来の回路を示す。このような回路は、例えば非特許文献1から知られている。
回路は、たすきがけのNORゲート71、72の対に基づく。NORゲート71、72は、重複しない周期の継続時間を決定する遅延要素(d及びd)と結合される。回路は、クロック周期を決定する外部参照クロックにより制御される。
ラッチ−クロック信号clk及びclkの立ち上がりは、遅延要素d及びdにより遅延され、立ち下がりは参照クロックの後に直ちに続く。遅延要素により導入される遅延は、クロック周波数のほんの一部でなければならず、実際にはクロック周期の25%より小さい。本発明による論理回路の試験方法は、冗長なスレーブラッチが、異なるクロックで動作する2つのマスターラッチの間に存在することを許す。図8aに図示されるように、スレーブラッチ85は、受信マスターラッチ87と同一のクロックによりクロック供給されなければならない。このスレーブラッチ85は、マスターラッチ84からマスターラッチ87へのこの経路では冗長である。しかし、スレーブラッチ85の存在は、回路を通じる異なる経路の試験のために必要とされ得る。示されるように、スレーブラッチは、スレーブラッチの総数を最小化するclk及びclk内の分割をさせ、clkでクロック供給されるマスターラッチと同様にclkでクロック供給されるマスターラッチをも駆動し得る。全てのスキャン要素がラッチである限り、システムは動作することを保証される。しかしながら、受信マスターラッチが、図8のようにスキャンC要素である場合、追加の要件を満たす必要がある。この要件は、C要素87の入力が安定であり且つC要素87のクロック入力がHighである全時間の間に安定のままである必要があるということである。この時間の間、C要素87は、通常の非スキャンC要素として動作し、C要素87の入力における変化の影響は、当該要素の内部状態を直ちに更新する。
図8bに問題が図示される。図8aの回路は、スキャン連鎖(図に示されない)を介し、x=0、y=c=1及びz=0のように初期化される。正常動作では、C要素は、clkがアクティブになった時、C要素の入力cにおけるxの値を見なければならない。正常な動作は、従って、先ずxからcへ伝幡し、結果としてc=0を生じ、そして次にC要素87のクロックをイネーブルし、及びd=1且つc=0なのでLowを維持する。図8bの回路の実際の動作は、しかしながら、スレーブラッチ85及びC要素87に同時にクロック供給する。この場合、C要素87がイネーブルされ、その間cはHighのままであり、従って出力zもHighになる。論理遅延cがLowになった後、出力はHighを維持する。なぜならC要素87の内部状態が更新されたからである。この問題の解決策は、スレーブラッチに用いられるクロック信号を、スキャンC要素に用いられるクロック信号から分離することである。C要素のクロックの立ち上がりは、スレーブラッチのクロックの立ち上がりに対して遅延される必要がある。
これは、信号がスレーブラッチを通じスキャンC要素の入力へ伝幡し、その間C要素のクロックがアクティブでないことを許す。この目的のための適切なクロック発生器の実際の実施例は、図9aに示される。タイミング図は図9bに示される。
この動作を達成するために遅延要素の別のセットを追加する代わりに、図9aの設計は、既に存在する遅延要素d、dを再利用する。同一の遅延要素d、dは、重複しない周期を生成するために用いられ、またC要素の更に遅延されたクロック信号clk1C、clk2Cを得るために用いられる。参照クロックのアクティブエッジに対し、通常のクロック信号clk、clkは、1遅延素子分だけ遅延している。またC要素のクロックclkC1、clkC2は、両方の遅延要素分だけ遅延している。このクロック発生器を有するので、回路は、論理遅延がクロック発生器内の遅延要素の遅延より小さい限り、正常に動作する。
C要素の新しいクロックは、元のクロックと接続された1つの入力及び当該クロックを遅延したもう1つの入力を有するANDゲート93、94により生成される。立ち上がりのみが遅延される。立ち下がりは同一のままである。なぜなら立ち下がりは、元の立ち下がりを超え、クロック信号(例えばclk2C及びclkの間)の重複しない周期を減少させることが許されないからである。
ハンドシェイク回路での使用を可能にするため、2つの更なる機能が回路で対応されることが望ましい。両機能は、図10に図示されたように、提案されたクロック発生器内で容易に統合され得る。
非同期モードの対応は、両方のクロック信号をアクティブにすることにより達成される。新しい制御信号「試験モード(TestMode)」が追加される。制御信号「TestMode」は、「TestMode」がLowである時、回路のL1及びL2の両方の部分をHighにする2つのANDゲート107、108を制御する(非同期回路動作を示す)。試験モードのANDゲート107、108は、たすきがけのNORゲート101、102と結合され得る。
統合された逆多重化。用いられるスキャンC要素は、LSSD型のクロック信号を必要とする。これは、スキャン入力(クロックclk1CS、clk2CS)又は通常のデータ入力(クロックclk1CEN、clk2CEN)が当該要素によりキャプチャーされる必要があるか否かに依存して、2つの分離クロックが用いられることを意味する。通常モードイネーブル信号clk1CEN及びclk2CENを生成する、逆多重化のANDゲート103、104は、3入力ANDゲートへのC要素クロックのANDゲートに結合される。
スキャンシフトのために用いられる他の2つのクロック信号clk1CS及びclk2CSを生成するANDゲート105、106は、第3の入力を必要としない。なぜならスキャンシフトの間、3章に記載された問題は、決して生じ得ないからである。
留意すべき点は、本発明の保護範囲は、本願明細書に記載の実施例に限定されないことである。また同様に、本発明の保護範囲は、請求項の参照符号により限定されない。「有する」の表現は、請求項に記載された以外の部分を排除するものではない。要素に付される単数表記の語は、当該要素の複数の存在を排除するものではない。本発明は、新しい特徴又は特徴の組み合わせのそれぞれに存在する。
レベル・センシティブ・スキャン設計(LSSD)に従う、従来の論理回路を示す。 L1L2スキャン設計に従う、従来の論理回路を示す。 従来のL1L2スキャン設計ルールに従う、別の従来の論理回路を示す。 従来のLSSD又はL1L2スキャン設計試験を用いて試験され得ない、従来の論理回路である。 LSSDと同様にL1L2スキャン設計に従う、図4aの変更である。 本発明による、論理回路の第1の実施例を示す。 本発明による、論理回路の第2の実施例を示す。 クロック信号を生成する従来の回路を示す。 図7aの回路により生成されるクロック信号を示す。 本発明による、スキャン試験可能な回路の一部を図示する。 図8aの回路部分で生じる信号を示す。 クロック信号を生成する改良された回路を示す。 図9aの回路により生成されるクロック信号を示す。 クロック信号を生成する更に改良された回路を示す。

Claims (6)

  1. 論理回路であって
    −少なくとも1つの第1の組み合わせ論理回路;
    −データ入力及びデータ出力を有し、前記データ出力は前記第1の組み合わせ論理回路の入力と接続される第1のデータラッチ;
    −前記第1のデータラッチの前記データ入力と接続された出力を有する第2のスキャン可能なデータラッチ、及び
    −前記第1の組み合わせ論理回路の出力と接続された入力を有する第3のスキャン可能なデータラッチ、を有し、
    前記第2のスキャン可能なデータラッチは、第1のクロックにより駆動されるよう適応され、前記第1のデータラッチ及び前記第3のスキャン可能なデータラッチは、第2のクロックにより駆動されるよう適応され、前記第1及び第2のクロックは、重複しないクロック信号である、論理回路。
  2. 前記組み合わせ論理回路の入力と接続された前記第1のデータラッチは、スキャン不可能なデータラッチである、請求項1記載の論理回路。
  3. 前記第1のデータラッチの出力は、第2の組み合わせ論理回路の入力と接続され、及び前記第2の組み合わせ論理回路は、前記第2のスキャン可能なデータラッチのデータ入力と接続される、請求項2記載の論理回路。
  4. 前記第1の組み合わせ論理回路の入力と接続された出力を有する第4のデータラッチを更に有し、前記第4のデータラッチは、前記第1のクロック信号により駆動されるよう適応される、請求項1、2又は3記載の論理回路。
  5. 前記第4のデータラッチのデータ入力は、前記第1のデータラッチのデータ出力と接続される、請求項4記載の論理回路。
  6. 方法であって、前記請求項の1つに記載の論理回路の前記第1の組み合わせ論理回路を試験し、前記方法は:
    −前記第1のクロックのHighの期間の間、試験データを、試験入力を介し、前記第2のスキャン可能なデータラッチへ入力する段階;
    −前記第2のクロックのHighの期間を保証する間、前記試験データを前記第1の組み合わせ論理回路へ転送する段階;
    −前記第2のクロックのHighの期間を保証する間、前記第1の組み合わせ論理回路の出力を、前記第3のスキャン可能なデータラッチに格納する段階;及び
    −前記第3のスキャン可能なデータラッチに格納された情報を読み出す段階、
    を有する、試験方法。
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