JP3469294B2 - 線型帰還シフトレジスタおよび半導体集積回路装置 - Google Patents

線型帰還シフトレジスタおよび半導体集積回路装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は線形帰還シフトレジス
タ、およびそれを具備する半導体集積回路装置に係り、
特にLSI(Large Scale Integration : 大規模集積回
路)、さらにはVLSI(Very Large Scale Integrati
on)、ULSI(Ultra Large ScaleIntegration )の
テスト容易化設計(Design For Testability)、特に組
込み自己テスト(Built-In Self Test)に有用な線型帰
還シフトレジスタ、およびそれを具備する半導体集積回
路に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体技術の急速な進歩により、LSI
を、より一層大規模化・複雑化・高性能化したVLSI
が登場し、さらにはULSIの登場が間近という状況に
なりつつある。これに伴って、これらのチップをどのよ
うにテストすべきかという問題が極めて深刻な問題とな
ってきた。従来のLSIチップでは通常動作用に定義さ
れた機能だけを用いてLSIテスタでテストすることが
一般に行なわれていたが、VLSI、ULSIでは膨大
な量のテストベクトルを作成する必要があり、しかも、
これらチップのテストに対応できるLSIテスタもます
ます高性能、従ってより高価なものに限定される。さら
に、これらテストベクトルがどの程度十分にチップをテ
ストしているかの客観的な判定は別に行なわなければな
らず、多大なCPUコストが必要となる。
【0003】こうした理由から、従来の手法でVLS
I、ULSIのチップを完全にテストするのは、現実的
に見てほぼ不可能である。こうした深刻な問題に対する
解として、チップの内部にあらかじめテストを容易にす
るためのテスト用回路を組込み、低コストで完全にテス
トするテスト容易化設計(Design For Testability)が
注目され普及しつつある。
【0004】テスト容易化設計の一種である組込み自己
テスト(Built-In Self Test:以下、BISTと略記)
は、被テスト回路(Device Under Test : 以下、DUT
と略記)であるLSIチップ内部の回路ブロックに対す
るテストデータ発生回路とテスト結果判定回路とを、そ
のLSIチップに内蔵させ、外部からの信号でテストを
開始させ、テスト終了後、良否判定結果信号または判定
のためのテスト結果を出力させるというテストで、LS
Iテスタがほとんど不要であり、テストコスト削減にき
わめて有効である。しかも、チップを実使用と同じ条件
下でテストでき、システムに組込んだ後もテストでき
る。これら多くの極立った利点により、VLSIおよび
ULSIのテストにおいてBISTは極めて重要な役割
を果たすものと期待されている。
【0005】上記のようなBISTにおいて最も基本的
な技術は、シグネチャ解析(Signa-ture Analysis )と
呼ばれるものである。この技術は、線型帰還シフトレジ
スタ(Linear Feedback Shift Register:以下、LFS
Rと略記)を基本としている。
【0006】まず、上記LFSRについて説明する。L
FSR(ビット幅をnとする)は、テストデータ発生回
路としてもテスト結果判定回路としても利用できる。テ
ストデータ発生回路としてのLFSR(ビット幅n=
8)は、図10(a)に示すように、シリアル接続された
n個のD型フリップフロップ(以下、F/Fと略記)
と、所定のF/Fの出力Qの排他的論理和(Exclusive-
OR : 以下、XORと略記)を生成して前記シリアル接
続の第1番目のF/FのD入力に入力する帰還(Feedba
ck)回路とから構成される簡単なレジスタ回路である。
【0007】上記F/Fにall-0 以外の初期値(このL
FSRでは初期化用の回路は省略している)設定してか
ら動作させると、2n −1個(LFSRで得られる最大
個数)のほぼランダムなデータ(擬似乱数)出力を一定
順序で繰り返す。この擬似乱数は、n個のF/Fの出力
のいずれか(Outi ,i=0,…,7)を利用すれば
シーケンシャルに取り出すこともできるし、これらの出
力全てを利用すれば並列に取り出すこともできる。
【0008】最近の多ビット幅でデータ処理がなされる
VLSIやULSIでは、後者の方式が一般的かつ重要
である。さて、シグネチャ解析は、LFSRをテスト結
果判定回路として利用する技術である。この場合も、D
UTからの出力をシリアルに入力するタイプのLFSR
と、MISR(Multiple Input Signature Register )
とも呼ばれる並列入力タイプのLFSRとがあるが、V
LSIやULSIではやはり後者の方が圧倒的に重要で
ある。そこで以後は、これに絞って説明していくことと
する。nビット並列入力型のLFSRの例を図10b(ビ
ット幅n=8)に示す。LFSR内のビットi(i=
0,…,6)のF/FのQ出力Qi (=Outi )とビ
ットi+1の外部データIni+1 が付加されたXOR回
路を介してビットi+1のF/FのD入力に入力される
ようになっており、また、ビット0のF/FのD入力に
は、前述のLFSRの帰還回路の出力FB(=Q0 XO
R Q5 XOR Q6 XOR Q7 )とビット0の外部データ
とがXOR回路を介して入力されるようになっている。
新たにLFSR内部に生成されるデータをQ′i (i=
0,…,7)として、これらを式で表現すると、 Q′O =InO XOR FB ……(式1) Q′i+1 =Ini XOR Qi (i=0,…,6)……(式2) となる(但し、 XORはXOR演算を表わす記号)。上記
のような構成のため、ある確定値が格納されたLFSR
にDUTからの応答出力が順次印加されていくと、それ
らの値に応じて内部のF/Fにほぼランダムなデータが
形成されていき、最終的にはある固有のテスト結果デー
タがLFSR内に形成されていることとなる。このLF
SR内部に生成されるデータをシグネチャ(Signature
: 署名)と呼び、DUTからの応答出力を印加してシ
グネチャを生成していく動作をシグネチャ圧縮(Signat
ure Compression )またはシグネチャ解析(Signature
Analysis)動作と呼ぶ。シグネチャ解析は、一連のテス
トデータに対するDUTからの応答出力をシグネチャ圧
縮し、最後にLFSR内に残ったテスト結果(シグネチ
ャ)を期待値と1回だけ比較することにより、DUT
(自身の内部の回路ブロック)の良否判定を行なう解析
法である。
【0009】一般に、十分なテストデータでシグネチャ
圧縮を実行した後に、上記のシグネチャが正しい確率
は、正常時と異なる出力があったにも拘らず、最終のシ
グネチャ(テスト結果)が正常時と同一になってしまう
エイリアス(Alias )確率を1から差し引いた、1−2
-nとなる。エイリアス確率は、一般にnが大きく(n>
24)なれば無視できるので、多ビット(n≧32)幅
のデータ処理が一般的なVLSIやVLSIでは、シグ
ネチャ解析の信頼性は極めて高いものとなる。
【0010】なお、上記のLFSRはBIST専用に設
けることもあるが、テスト用回路の節約という意味か
ら、通常動作用のレジスタを転用することも多く行なわ
れている。
【0011】上記のような従来例にあっては、LFSR
は、一つの回路ブロックと見なされていた結果、外部か
ら単一のクロックを受取って動作するもののみが考えら
れてきた。LFSRを用いたBISTは、まず、RO
M,RAM,PLAといった、規則的な構造を持ったも
のから適用が始まった。これらは、いわばレジスタ、F
/Fによって「閉じられた」回路ブロックであり、通常
それらの出力は、システムクロックのエッジで出力レジ
スタに格納されるというタイミング条件となっており、
この出力レジスタをLFSR化してシグネチャ圧縮回路
として用いるBISTにおいて、そのDUTのAC動作
ディレイ故障のチェックも同時に実現できるようになっ
ていた。
【0012】また、より一般に、上記のような規則的構
造の回路ブロックでなく、いわゆるランダムロジック内
においても、システムクロックのエッジで変化するレジ
スタ、F/Fで「閉じられた」構造のDUTを実現でき
れば(重要でない信号はBIST期間中固定値になるよ
うにしても良い)、そのAC出力ディレイも含めてチェ
ック可能なBISTを有効にインプリメントできるた
め、こうしたBISTも場合によっては使用されるよう
になってきている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般の
LSIのI/O(Input/Output)部においては、例えば
LSIの出力端子における信号のディレイは、システム
クロックのエッジを基準として、その1周期未満の所定
の時間遅れるようになっている。このため、従来のシス
テムクロックのエッジで動作するLFSRを用いたBI
STを、LSIの出力端子部に適用した場合、LFSR
においてデータサンプリングが行なわれるタイミング
(システムクロックのエッジ)での論理値のチェックは
可能だが、DUTからのAC出力のディレイ故障を検出
できないという問題があった。
【0014】即ち、LSIの入出力端子への従来のBI
STの適用は、基本的にAC出力ディレイのチェックと
いう重要な項目を欠いた形でしか実現できない、という
大きな問題があった。
【0015】また、現在および将来的に、VLSIまた
はULSIの内部において、複数のクロック(同一のク
ロックの異なるエッジも含む)に同期して動作する回路
ブロックを混在させて高性能を達成しようとする設計手
法が重要になってくる可能性は非常に高い。これに対
し、従来のLFSRを用いるBISTでは、エイリアス
確率を無視できる程度に抑えるために十分なビット幅で
構成する必要があるため、各クロックで動作するレジス
タ、F/Fのグループ毎に余分なF/Fを追加してLF
SRを構成しなければならなくなる可能性が高く、結果
的に面積を増加させざるを得ない、という問題があっ
た。
【0016】さらに、こうしたオーバーヘッドを嫌っ
て、BISTの適用自体を断念するという事態にもなり
かねなかった。この発明は、上記問題点に鑑みて為され
たもので、その目的は、互いに異なるクロックにより動
作するフリップフロップを含みながらも、擬似乱数発
生、または線型帰還の条件を満足する線型帰還シフトレ
ジスタおよびそれを具備した半導体集積回路装置を提供
することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明に係る線型帰還シフトレジスタでは、第1
クロックに同期して動作する複数のフリップフロップを
含む第1フリップフロップの組と、前記第1フリップフ
ロップの組にシリアルに結合され、前記第1クロックと
は異なる第2クロックに同期して動作する複数のフリッ
プフロップを含む第2フリップフロップの組と、前記第
2フリップフロップの組の、最終段フリップフロップに
格納されたデータを、前記第1、第2フリップフロップ
の組の、任意のフリップフロップに格納されたデータと
排他的論理和をとりながら、前記第1フリップフロップ
の組の、初段フリップフロップに帰還させる帰還回路と
を、少なくとも備え、前記第1、第2フリップフロップ
の組との間、及び前記帰還回路と前記初段フリップフロ
ップとの間の少なくともいずれか一方に、擬似乱数発
生、または線型帰還の条件を成立させる成立手段が挿入
されていることを特徴としている。
【0018】
【作用】上記構成の線型帰還シフトレジスタであると、
複数のフリップフロップの組が、互いに異なるクロック
に同期して動作するとしても、これらのフリップフロッ
プの組相互間に、擬似乱数発生または線型帰還の条件を
成立させる成立手段を挿入したことにより、複数のフリ
ップフロップの組が1個のLFSRとして協調的に動作
することができる。よって、この線型帰還シフトレジス
タは、フリップフロップ毎に異なるクロックに同期して
動作することが許されるようになる。
【0019】このような線型帰還シフトレジスタは、L
SIにおいて、特に組込み自己テスト(BIST)など
に有効に応用できる。例えば近年のLSI中に設けられ
ている、バウンダリ・スキャン回路中に設けられたフリ
ップフロップ群が、複数のクロックに同期して動作する
ような上記フリップフロップの組になっている、と考え
る。これらが互いに異なるクロックで動作することか
ら、LSIのシステム・クロックエッジだけではなく、
互いに異なるクロックエッジでのシグネチャ圧縮が可能
となる。このため、システム・クロックに同期する方式
の回路では達成できなかった、LSIの入出力端子部に
適用した場合の被テスト回路からのAC出力ディレイ故
障の検出が可能となる。
【0020】さらにバウンダリ・スキャン回路を、上記
構成のように、線型帰還の条件を成立させる成立手段を
挿入しながら、互いに連結させて、上記線型帰還シフト
レジスタに構築することもできる。このように構築すれ
ば、エイリアス確率を無視できる程度の十分なビット幅
を持つ線型帰還シフトレジスタが、新たなフリップフロ
ップを追加することなく得ることができ、面積効率が向
上する。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例につき、図面を参照
しつつ説明する。図1は、この発明の第1の実施例に係
る並列入力型LFSRを示す図である。図1に示すLF
SRは、複数(ここでは3種類)のクロックCLK1,CLK
2, CLK3の下で動作するnビット幅の並列入力型LF
SRである。この並列入力型LFSRは、フリップフロ
ップ(F/F)10,11より成り、クロックCLK2に同
期して動作する第1の組 101、F/F12,13より成
り、クロックCLK3に同期して動作する第2の組 102、並
びにF/F14,…,15より成り、クロックCLK1に同
期して動作する第3の組 103をそれぞれ含んでいる。こ
れらの組 101, 102, 103はそれぞれ、シリアル接続さ
れている。第1の組 101と第2の組 102とが互いに接続
される接続点には、互いにシリアル接続されたディレイ
3およびF/F2が挿設されている。また、第3の組 1
03は帰還回路200 を介して第1の組 101に接続されてい
る。そして、帰還回路200 と第1の組 101との接続点に
はF/F1が挿設されている。このF/F1のD端子に
は帰還信号FBが入力される。F/F1のQ端子はXO
R(排他的論理和)ゲ−ト20の第1入力に接続され、
XORゲ−ト20の第2入力はデ−タ信号端子d0 に接
続されている。XORゲ−ト20の出力はF/F10の
D端子に接続されている。F/F10のQ端子はXOR
ゲ−ト21の第1入力に接続されているとともに、帰還
回路200 中のXORゲ−ト30の第1入力に接続されて
いる。XORゲ−ト21の第2入力はデ−タ信号端子d
1 に接続されている。XORゲ−ト21の出力はF/F
11のD端子に接続され、このF/F11のQ端子はデ
ィレイ3の一端に接続されている。ディレイ3の他端は
F/F2のD端子に接続され、このF/F2のQ端子は
XORゲ−ト22の第1入力に接続されているととも
に、帰還回路200 中のXORゲ−ト31の第1入力に接
続されている。XORゲ−ト22の第2入力はデ−タ信
号端子d2 に接続されている。XORゲ−ト22の出力
はF/F12のD端子に接続され、このF/F12のQ
端子はXORゲ−ト23の第1入力に接続されている。
XORゲ−ト23の第2入力はデ−タ信号端子d3 に接
続され、その出力はF/F13のD端子に接続されてい
る。F/F13のQ端子はXORゲ−ト24の第1入力
に接続されている。XORゲ−ト24の第2入力はデ−
タ信号端子d4 に接続され、その出力はF/F14のD
端子に接続されている。F/F14のQ端子は帰還回路
200 中のXORゲ−ト32の第1入力に接続されるとと
もに、他のF/F組 101, 102と同様な接続により、図
示せぬXORゲ−トの第1入力に接続される。そして、
図示せぬXORゲ−トの出力は図示せぬF/FのD端子
に接続され、そのQ端子はXORゲ−ト25の第1入力
に接続される(これは、デ−タ信号端子dの数に応じて
F/F組中に2個以上のF/Fが存在されても良いこと
を表す)。XORゲ−ト25の第2入力はデ−タ信号端
子dn-1 に接続され、その出力はF/F15のD端子に
接続されている。F/F15のQ端子は、XORゲ−ト
32の第2入力に接続され、その出力はXORゲ−ト3
1の第2入力に接続される。XORゲ−ト31の出力は
XORゲ−ト30の第2入力に接続されている。XOR
ゲ−ト30の出力はF/F1のD端子に接続されてい
る。このXORゲ−ト30の出力は帰還信号FBであ
る。尚、この実施例において、帰還信号FBを生成する
ための、F/F出力は、後述する動作説明のために、適
当なF/Fより選んでいる。
【0022】LFSR中に設けられているF/F1,
2,10〜15は、3種類のクロック信号CLK1,CLK2,
CLK3の立ち上がりエッジ(以下、それぞれCLK1↑,CLK2
↑,CLK3↑と略記)で、D端子への入力をラッチする。
ここで、F/F1,14,…,15はCLK1↑で、F/F
10,11、2はCLK2↑で、F/F12,13はCLK3↑
で、D端子への入力をラッチする(ここではクロック信
号の立ち上がりのエッジでデータをラッチするF/Fを
例示しているが、その他の構造のF/Fでも差支えな
い)。これら各クロックCLK1,CLK2,CLK3相互のタイミ
ング関係を図2に示す。
【0023】複数のクロックによってLFSRを動作さ
せる場合、DUT(被テスト回路)からの、どのデータ
と、LFSR内部の、どのデータとをシグネチャ圧縮さ
せているかが曖昧になりやすいが、この点を確実に押さ
えた上でLFSRを構成しないと、それをシグネチャ圧
縮回路として使用するつもりでBISTを実行させて
も、シグネチャ圧縮という動作条件が満たされず、期待
している高品質のBISTが実現できなくなる恐れがあ
る。
【0024】ここで一般に、いかなる同期方式の論理回
路も、基本となるシステムクロックの各サイクルに応じ
て定義される所定の入力に対して出力を与えるようにな
っていることを考慮すると、シグネチャ圧縮したいデー
タの組を明確に定義することができる。これを踏まえ、
図1に示すLFSRにおいては、シグネチャ圧縮したい
図示せぬDUTからのデータdO ,…,dn-1 があり、
これらのデータは、下記(1)〜(3)の順序で、対応
するF/Fに圧縮される(他のデータとXORされ、ラ
ッチされることを圧縮される、と表現することにす
る)。
【0025】(1)デ−タd4 ,…,dn-1 がCLK1↑に
よってF/F14,…,15に圧縮される。 (2)デ−タd0 ,d1 がCLK2↑によってF/F10,
11に圧縮される。
【0026】(3)デ−タd2 ,d3 がCLK3↑によって
F/F12,13に圧縮される。 これらの動作に関するタイミング・チャートを、図2に
示す。上記データの組dO ,…,dn-1 はハッチングし
た部分に相当し、下向きの矢印で示した時刻において対
応するF/Fに圧縮される。なお、“X”で示した部分
は、有効なデータでないことを示す。
【0027】さて、従来例において説明したと同様、デ
ータdO ,…,dn-1 とLFSR内部のF/Fのデータ
0 ,…,qn-1 とでシグネチャ圧縮を行なった結果、
LFSR内部のF/Fのデータがq′0 ,…,q′n-1
に変化したとすると、以下が成立していなければならな
い。
【0028】 q′O =dO XOR FB ……(式3) (FB=q0 XOR q1 XOR q4 XOR qn-1 q′i =di XOR qi-1 (i=1,…,n−1) ……(式4) 上記に注意しつつ、前記(1)〜(3)の動作について
詳しく説明する。
【0029】まず(1)においては、d4 ,dn-1 とq
4 ,…,qn-1 から、q′4 ,…,q′n-1 が(式4)
を満足するように生成され、対応するF/F14,…,
15に格納される。但し帰還信号FBは、FB′=q0
XOR q1 XOR q′4 XOR q′n-1 に変化してしまうこと
に注意が必要である。
【0030】次に(2)においては、d1 ,q0 ,q′
1 の間では(式4)が成立し、問題ない(但し、CLK3↑
でのデータのラッチに関係するq1 はq′1 に変化して
いることは注意しておく必要がある)。しかしながら
(式3)に関しては、帰還信号FBが既にFB′に変化
してしまっているため、従来のようなLFSRの構成の
ままではq′0 =d0 XOR FB′となってしまい、シグ
ネチャ圧縮の条件が崩れてしまうことになる。そこで、
この実施例では、図1に示したように、CLK1↑で帰還信
号FBをラッチして保持するF/F1を挿入することに
より、(式3)の関係が満足されるようにしている。
【0031】さらに(3)においては、d3 ,q2
q′3 の間では(式4)が成立し、問題はない。しかし
ながら、(2)の場合と同様、従来のLFSRの構成の
ままでは、q′2 =d1 XOR q′1 となってしまい、シ
グネチャ圧縮の条件が崩れてしまう。そこで、この実施
例では、やはり(2)の場合と同様にして、CLK2↑でデ
ータをラッチして保持するF/F2を挿入し、(式3)
の関係を満足できるようにしている。尚、ディレイ3
は、F/F11のデータが正しくF/F2に伝搬できる
ようにするために、設けられているものであるが、不要
な場合もある(要、不要となる条件については発明の本
質にあまり関係ないので、ここでは詳述しない)。
【0032】以上のように、この実施例では、互いに異
なるクロックに同期して動作する複数のF/F組を、シ
グネチャ圧縮のための線型帰還条件が満足されるよう、
一時的にデータを保持するF/F1,2を適切な位置に
挿入することにより、1個のLFSRとして協調的に動
作させることができる。
【0033】次に、この発明の第2の実施例について図
1〜図3を参照して説明する。この第2の実施例に係る
装置は、第1の実施例において、F/F1,2が果たし
ていた役割を、より簡単な回路で実現できる回路を備え
たものである。図3(a)は、この簡単化された回路の
構成を示す図である。
【0034】図3(a)に示すように、簡単化された回
路は、基本的にラッチ動作をする回路である。この回路
には参照符号40を付し、ラッチ回路と呼ぶことにす
る。ラッチ回路40は、端子Dに接続された入力部とし
てのクロックト・インバ−タ(clocked inverter)41
と、このクロックト・インバ−タ41の出力が入力さ
れ、端子DOに接続された出力としてのインバ−タ42
と、これらのクロックト・インバ−タ41とインバ−タ
42とのノ−ド43に接続されたラッチ部44とを含ん
でいる。ラッチ部44は、ノ−ド43に入力を接続した
インバ−タ45と、このインバ−タ45の出力が入力さ
れるクロックト・インバ−タ46とから成る。クロック
ト・インバ−タ46の出力はノ−ド43に接続される。
図3(b)には、クロックト・インバ−タ41、46の
基本的な回路構成が示されている。入力としては、制御
入力1、制御入力2、および入力の3個があり、1個の
出力を持つ。通常の使用法では、制御入力2としては、
制御入力1の反転を用いるようになっており、制御入力
1=Low (以後、0と書く)の時、入力の値によらず出
力はhi-Z(ハイ・インピ−ダンス)となり、制御入力1
=High(以後、1と書く)の時インバ−タと同じ論理的
動作を行うようになっている。クロック信号は、端子C
に与えられ、クロックト・インバ−タ41の制御入力
2、およびクロックト・インバ−タ46の制御入力1に
供給される。また、ラッチ回路40中には、端子Cに与
えられたクロック信号の反転信号を生成するためのイン
バ−タ47が設けられており、その出力は、クロックト
・インバ−タ41の制御入力1、およびクロックト・イ
ンバ−タ46の制御入力2に供給される。図中、クロッ
クト・インバ−タ41、46の近傍に付された黒丸印
は、隣接した入力が制御入力2であることを示す。
【0035】次に、図1に示すLFSRに、このラッチ
回路40を組み込んだ場合の動作について説明する。ま
ず、図2から分かるように、CLK2↑でデータd0 ,d1
が圧縮されるのは、CLK1=1の期間中である。即ち、帰
還信号FBを保持するのは、CLK1=1の期間だけで良い
ことになる。
【0036】図3(a)に示されるラッチ回路40は、
C端子に入力されるクロック信号の立ち上がりエッジで
DI端子への入力データをラッチしてクロック信号=1
の期間中保持し、クロック信号=0の期間中はD端子へ
の入力をDO端子に伝搬する。よって、図1に示される
F/F1の代わりに、このラッチ回路40を設け、その
C端子にCLK1を接続(図1のノードa,bにそれぞれD
I端子,DO端子を接続する)することで、F/F1の
ほぼ半分の回路量のラッチ回路により、目的を十分果た
すことができることが理解される。
【0037】また、図2から分かるように、データd
2 ,d3 が圧縮されるCLK3↑は、CLK2↓(CLK2
の立ち下がりエッジ)と重なっている。ここでもし、F
/F2を、図3(a)に示されるラッチ回路40で置き
換えようとする場合、C端子=CLK2に設定することにな
るが、この際、もし、CLK2とCLK3との間にスキューがあ
り、CLK3↑が、CLK2↓に対し、ラッチ回路40のDI端
子からDO端子を介して、図1のXORゲ−ト22の出
力までの伝搬遅延程度より遅れていたとすると、既に変
化したデータq′1 が、DUTからのデータd1 とXO
RされてF/F12にラッチされてしまう危険がある。
但し、この点に十分注意した上でCLK2↓とCLK3↑との間
のタイミング設計をすれば、上記の伝搬遅延時間は達成
可能なクロック間スキューよりもかなり長いため、ラッ
チ回路40を用いることができる。但し、実際にはこう
したタイミング設計は面倒なことが多く、ある程度のリ
スクも伴うため、設計の簡便さと動作の確実さからは、
F/F2を用いる方が望ましい、ということになる。
【0038】以上の説明から理解されるように、この発
明の本質は、互いに異なるクロックに同期して動作する
複数のF/Fの組を互いに結合させて、1個のLFSR
を構成するに際し、データを送出する側のF/F(F/
FのQ出力を入力として生成される帰還信号も含む)を
動作させるクロックが、データを受取る側のF/Fを動
作させるクロックより先行している場合に、シグネチャ
圧縮の条件が崩れないよう、前者のF/Fに格納されて
いたデータを一時保持するためのF/Fまたはラッチを
挿入する、ということである。この点から、上記では、
各クロックは、周期が同一で位相のみ異なっているとい
う例について説明したが、この発明は、周期の異なるク
ロックが混在する場合にも適用可能である。
【0039】また、上述の実施例において、DUTから
の出力間の相対的な位置を自由に変更できるならば、L
FSR内部に挿入すべきF/Fまたはラッチの数は、最
小で1個にまで抑制することができる。例えば、シグネ
チャ圧縮動作条件を満足させるよう、時系列的に順次付
けられた複数のクロックCLK1,CLK2,…のエッジによっ
てデータが変化するF/Fのグループ1,2,…が、L
FSR内部でのデータ(帰還データを除く)の流れと反
対方向に順に並べられた構成になっている場合、帰還信
号を保持するためのF/Fまたはラッチだけを挿入すれ
ば良い。こうした情報をうまく活用することにより、現
実のインプリメントにおいて、付加回路の量を有効に削
減することが可能である。
【0040】次に、第3の実施例として、この発明に係
るLFSRを、擬似乱数発生回路として用いた例につい
て説明する。図4に示すように、擬似乱数発生回路を構
成する場合には、図1に示された回路から、DUTから
の出力をシグネチャ圧縮するためのXOR回路20〜2
5を削除し、正しい動作の保証のためディレイ3を適当
な位置に付加すればよい(これらディレイ3は不要であ
る場合もある)。
【0041】図4中、図1と同じ参照符号が割り当てら
れているものは、同じ意味で使用されている。クロック
CLK1,CLK2,CLK3も、図2に示すものと同じタイミング
で変化する。
【0042】従来例で触れた最大長(2n −1サイク
ル)の擬似乱数発生の条件を以下に示す(帰還信号FB
は最大長を与えるような構成になっているとしてい
る)。 q′O =FB=q0 XOR q1 XOR q4 XOR qn-1 q′i =qi-1 (i=1,…,n−1) 擬似乱数発生では、シグネチャ圧縮の場合と異なり、い
ずれのクロックが最初かという定義が難しいが、上述し
たこの発明の本質を踏まえて見ていくと、この定義いか
んによらず、従来のようなLFSRの構成にすると、一
般に、 q′i =q′i-1 =qi-2 となってしまい、上述の条件を満たさなくなることが容
易に分かる。それ故、やはり図4に示したようにF/F
1,2(またはラッチ)を設けることが最も望ましいこ
とになる。
【0043】次に、第4の実施例として、この発明に係
るLFSRを、LSIのI/O(Input /Output)部に
適用した半導体集積回路装置について説明する。本来、
LSIのI/O部の入出力端子にレジスタやF/Fが設
けられていることはあまりないため、この発明をこの部
分に適用しようとすると、各入出力端子にF/Fを付加
する必要があり、面積増加の面から現実的でなくなって
しまうように見える。そこで、まず、この実施例の技術
的な背景・実現性について一寸説明しておく。
【0044】近年、LSIの大規模化・複雑化に伴い、
複数のLSIを搭載するボードのテストが著しく困難化
するとの懸念から、各LSIのI/O部を構成する入出
力端子に対してスキャン動作可能なF/Fを配し、その
LSIからの出力データをボード外部で直接観測した
り、ボード外部から任意のデータをそのLSIに供給で
きるようにして、ボードレベルのテストを容易化するバ
ウンダリ・スキャン手法(Boundary Scan Method)が提
唱され、数年前にIEEE標準1149.1となり、現
在に至っている。バウンダリ・スキャンという呼び方
は、上記のようなスキャン可能なF/F(バウンダリ・
スキャンF/Fと呼ぶ)が、LSIの周縁部(Boundar
y)に配置されるところから来ている。いずれにして
も、ボードレベルのテスト容易化という観点から、今後
LSIのI/O部にレジスタ、F/Fが配置される可能
性は高くなりつつあり、こうした状況下においては、以
下で述べる実施例は極めて実現性が高いものとなる。
【0045】さて、図5に示すように、LSI50内部
には、BISTの対象となる論理回路ブロック(DU
T)51、入力用テストデータ発生回路ブロック52、
3種類のバウンダリ・スキャン回路(以下B.S.C.
と略記)ブロック53、54、55、クロック発生回路
56がそれぞれ設けられている。ここで、テストデータ
発生回路ブロック52は、例えば図4、または図10(a)
に示す構成を基本としたLFSRである。また、B.
S.C.ブロック53、54、55は互いに接続され、
例えば図1に示す構成を基本として一つのLFSRを構
成し、テスト結果判定回路57として機能する。論理回
路ブロック51には入力端子部71があり、この入力端
子部71は、テストデ−タ発生回路の出力端子部72に
接続されている。また、論理回路ブロック51には出力
端子部73、74、75があり、出力端子部73はB.
S.C.ブロック53の入力端子部76に、出力端子部
74はB.S.C.ブロック54の入力端子部77に、
出力端子部75はB.S.C.ブロック55の入力端子
部78にそれぞれ接続されている。
【0046】BIST実行時、論理回路ブロック51は
入力用テストデータ発生回路ブロック52の出力をテス
ト入力データとして受取り、この入力デ−タに基づいた
応答出力を、B.S.C.ブロック53〜55に対して
応答出力を与えるようになっている。
【0047】B.S.C.ブロック53〜55は、BI
ST実行時、それぞれの内部のバウンダリ・スキャンF
/Fが、クロック発生回路ブロック56(後述)から供
給される異なるクロック信号CLK1,CLK2,CLK3にそれぞ
れ同期して動作し、全体として、この発明によるLFS
Rを構成する。それ故、これらのB.S.C.ブロック
のいずれかは、例えば図1で示したような、本発明によ
る、シグネチャ圧縮条件をみたすための回路要素を内蔵
している(図示せず)。また、これらのB.S.C.ブ
ロックは、線型帰還回路を構成するためのFBI(帰還
信号入力)端子またはFBO(帰還信号出力)端子を有
している。また、バウンダリ・スキャン転送のためのB
SI(バウンダリ・スキャン入力)端子およびBSO
(バウンダリ・スキャン出力)端子を有している。B.
S.C.ブロック53のBSI端子には、他のバウンダ
リ・スキャン回路ブロック(図示せず)からのバウンダ
リ・スキャン出力が接続されているが、BIST動作時
には、帰還信号を選択するため、前記出力は切り離され
るようになっている。B.S.C.ブロック55のBS
O端子は、さらに他のB.S.C.ブロック(図示せ
ず)のBSI端子に接続される。
【0048】B.S.C.ブロック53〜55(出力端
子用)の内部構成(1ビット分)を、図6に示す。図6
に示すように、F/F60は、バウンダリ・スキャン動
作に使用されるバウンダリ・スキャンF/Fであり、D
UTからの出力の並列シグネチャ圧縮動作において、L
FSRを構成するF/Fとしても使用される。クロック
発生回路ブロック56からのクロック信号は、このF/
Fの端子Cに供給されることになる。DUT(被テスト
回路、即ち論理回路ブロック51)の出力端子はDI端
子に接続されており、S2=0で与えられる通常動作
時、マルチプレクサ63、およびDO端子を介してLS
I50の出力端子(出力パッド:図示せず)に出力され
る。
【0049】また、S0=0,S1=1の時、バウンダ
リ・スキャン動作を行い、B.S.C.ブロック53〜
55内の各ビットのF/F60に相当するF/Fの内容
をシリアルに転送する。DUT(被テスト回路、即ち論
理回路ブロック51)からの出力は、LFSRの入力に
導かれ、CLK =CLK1↑,CLK2↑,CLK3↑の時、B.S.
C.ブロック53,54,55において、シグネチャ圧
縮動作が行なわれる。なお、S0=1,S1=0の時、
CLK1↑,CLK2↑,CLK3↑により、それぞれB.S.C.
ブロック53,54,55において、DUTからの出力
をラッチできるようになっている。F/F61は、バウ
ンダリ・スキャンF/F60を利用したバウンダリ・ス
キャンデータの転送中に、LSI外部に対し、異常な動
作を誘発するようなデータが偶然に供給されないように
するためのものである。F/F61の内容は、まずバウ
ンダリ・スキャン動作モードによって、各バウンダリ・
スキャンF/F60に必要なデータを転送した後、更新
(updating)クロックCLK-UDを立ち上げれば変更できる
ようになっている。
【0050】また、上記クロック発生回路56は、LS
I50外部からの基本クロック入力信号CLK0の周波数を
定数倍し、この定数倍された周波数に対応する周期を、
最小のきざみ幅とするLSI50内部への複数のクロッ
ク(CLK1,CLK2,CLK3)を発生させる。回路ブロック5
6の構成の一例を図7に示す(CLK0の周波数を4倍にす
る場合)。
【0051】図7に示すように、この回路ブロックは、
PLL(Phase Locked Loop )回路64、2ビットカウ
ンタ65、2ビットデコーダ66から構成されている。
PLL回路は、外部からの基本クロック入力信号CLK0の
周波数を、整数倍する回路である。ここではクロック入
力信号CLK0から、その4倍の周波数のクロック信号CLK
を発生させている。この信号CLK によって、カウンタ6
5がカウントアップされる。デコーダ66は、カウンタ
65の出力値00,01,10,11に対し、それぞれ
クロック出力CLK1,CLK2,CLK3,CLK4だけを1にするよ
うになっている(尚、CLK4はLSI50内では使用され
ていない)。カウンタ65は、リセット信号RST=1
によって11を出力するような初期化が行なわれる。以
上のような図7に示される回路によって得られるクロッ
ク信号のタイミング・チャートを図8に示しておく。
【0052】但し、厳密にいえば、この例のように3種
類のクロックエッジでのシグネチャ圧縮によっては、従
来例に比べれば相当改善されるが、DUTのAC出力デ
ィレイに対する極めて正確なチェックはやや難しい。よ
り厳密な時間分解能を要求する場合は、例えば回路ブロ
ック56内部のPLL回路で、上記実施例より高周波の
クロック信号CLK を発生させるようにして、さらにクロ
ックのエッジ間の時間のきざみ幅を細かくしてLFSR
に適用するようにする必要がある。
【0053】なお、上記で回路ブロック56によって供
給していた複数のクロックをLSI外部から複数のピン
を介して供給する、というインプリメントも勿論可能で
ある。 さらに、特に図示しないが、テストデ−タ発生
回路として、図4に示したような擬似乱数発生可能な線
型シフトレジスタ(LFSR)をインプリメントするこ
とも勿論可能である。この時には、テストデ−タ発生回
路の出力が、DUTの入力端子に導かれる。
【0054】この発明は、以上説明してきた実施例以外
にも様々な回路に適用することができる。例えば、図9
に示すBILBO(Built-In Logic Block Observer )
に対してもインプリメントできる。BISTは、自動テ
ストデータ発生回路から多数のテストデータをDUT
(被テスト回路)に供給し、これらに対するDUTの多
数の応答出力をLFSRでシグネチャ圧縮し、最後にL
FSR内にある結果(シグネチャ)をチェックするだけ
で故障検出(detection )が可能、という大きな利点を
持つが、その裏返しとして、DUTが異常な出力をした
サイクルやその異常データを知ることができず、故障箇
所を特定する故障診断(diagnosis )に相当の困難を伴
う、という弱点を持つ。BILBOは、LFSRに対し
簡単な回路を付加して、シグネチャ圧縮と共にスキャン
動作も可能な構成とすることで、この弱点を克服しよう
としたものである。BILBOの動作は、図9から分か
るように、2種類の制御信号B1 ,B2 で規定される。
1 =1,B2 =1の時、通常動作し(DUTからの各
出力Z1 〜Z8 が別々のD型F/Fにラッチされる)、
1 =1,B2 =0の時、並列入力のLFSRとして動
作し、並列シグネチャ圧縮可能となる。また、B1
0,B2 =0の時、スキャン動作する。このBILBO
を、内部のF/Fが、互いに異なるクロックに同期して
動作するような場合にも適用しようとした場合、この発
明を用いれば良いのは容易に理解できよう。全てこうし
た、LFSRを基本にした回路に対してこの発明を適用
した類いのものは、この発明の範疇に含まれるべきもの
である。また、この発明の実施例から論理ゲートやトラ
ンジスタ等の回路要素レベルの変更や、各種信号の極性
の変更等により得られるものも当然この発明の範囲内で
ある。
【0055】上記実施例により説明されたLFSRで
は、F/F毎に異なるクロックに同期して動作すること
を許して擬似乱数を発生したり、シグネチャ圧縮を実行
できるようにしたため、例えば、複数のクロックに同期
して動作するLSIの内部や、信号が種々のタイミング
で変化するLSIのI/O部において、面積効率が高
く、DUTのAC出力ディレイ故障も検出可能な高機能
なBISTを構築できるようになる。
【0056】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明によれ
ば、互いに異なるクロックにより動作するF/F を含みな
がらも、擬似乱数発生または線型帰還の条件を満足する
線型帰還シフトレジスタおよびそれを具備した半導体集
積回路装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の第1の実施例に係る線型帰還
シフトレジスタの構成図。
【図2】図2はこの発明の第1の実施例に係る線型帰還
シフトレジスタのタイミング・チャ−ト。
【図3】図3はこの発明の第2の実施例に係る線型帰還
シフトレジスタが具備するラッチ回路を説明するための
図で、(a)図はその構成図、(b)図は(a)図に示
されるクロックト・インバ−タの回路図。
【図4】図4はこの発明の第3の実施例に係る線型帰還
シフトレジスタの構成図。
【図5】図5はこの発明の第4の実施例に係る半導体集
積回路装置の構成図。
【図6】図6はこの発明の第4の実施例に係る半導体集
積回路装置が備えるバウンダリ・スキャン回路を構成す
る基本回路の1ビット分の構成図。
【図7】図7はこの発明の第4の実施例に係る半導体集
積回路装置が備えるクロック発生回路の構成図。
【図8】図8は図7に示すクロック発生回路のタイミン
グ・チャ−ト。
【図9】図9はBILBOの構成を示す構成図。
【図10】図10は従来の線型帰還シフトレジスタの構成
図で、(a)図はテストデ−タ発生回路としての線型帰
還シフトレジスタの構成図、(b)図はテスト結果判定
回路としての線型帰還シフトレジスタの構成図。
【符号の説明】
1,2…フリップフロップ、3…ディレイ、10〜16
…フリップフロップ、20〜25…排他的論理和ゲ−
ト、30〜32…排他的論理和ゲ−ト、40…ラッチ回
路、50…LSI、51…論理回路ブロック、52…入
力用テストデ−タ発生回路、53〜55バウンダリ・ス
キャン回路、56…クロック発生回路、101,102,103 …
フリップフロップの組、200 …帰還回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−115872(JP,A) 特開 平3−35500(JP,A) 特開 平4−222995(JP,A) 特開 平5−128889(JP,A) 特開 昭50−68439(JP,A) 特開 平4−328476(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 7/58 G01R 31/28 G06F 11/22 310

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1クロックに同期して動作する複数の
    フリップフロップを含む第1フリップフロップの組と、 前記第1フリップフロップの組にシリアルに結合され、
    前記第1クロックとは異なる第2クロックに同期して動
    作する複数のフリップフロップを含む第2フリップフロ
    ップの組と、 前記第2フリップフロップの組の、最終段フリップフロ
    ップに格納されたデータを、前記第1、第2フリップフ
    ロップの組の、任意のフリップフロップに格納されたデ
    ータと排他的論理和をとりながら、前記第1フリップフ
    ロップの組の、初段フリップフロップに帰還させる帰還
    回路とを、少なくとも備え、 前記第1、第2フリップフロップの組との間、及び前記
    帰還回路と前記初段フリップフロップとの間の少なくと
    もいずれか一方に、 擬似乱数発生、または線型帰還の条
    件を成立させる成立手段が挿入されていることを特徴と
    する線型帰還シフトレジスタ。
  2. 【請求項2】 前記成立手段は、前記第1フリップフロ
    ップの組中の、フリップフロップに格納されたデータ
    を、擬似乱数発生、または線型帰還の条件を成立させる
    ように遅延させ、前記第2フリップフロップの組中のフ
    リップフロップ、及び前記帰還回路に入力させる遅延回
    路であることを特徴とする請求項1に記載の線型帰還シ
    フトレジスタ。
  3. 【請求項3】 前記遅延回路は、フリップフロップ、
    ラッチ回路の少なくともいずれか一方を含み、前記遅延回路が含むフリップフロップ、及び前記ラッチ
    回路は、前記第1クロックが前記第2クロックより先行
    している場合に、擬似乱数発生、または線型帰還の条件
    が崩れないように、前記第1フリップフロップの組中
    の、フリップフロップに格納されていたデータを、一時
    保持する ことを特徴とする請求項2に記載の線型帰還シ
    フトレジスタ。
  4. 【請求項4】 半導体集積回路チップ内部、外部のいず
    れかから発生された第1クロックに同期して動作する複
    数のフリップフロップを含む第1フリップフロップの組
    と、前記第1フリップフロップの組にシリアルに結合さ
    れ、前記第1 クロックとは異なり、半導体集積回路チッ
    プ内部、外部のいずれかから発生された第2クロックに
    同期して動作する複数のフリップフロップを含む第2フ
    リップフロップの組と、前記第2フリップフロップの組
    の、最終段フリップフロップに格納されたデータを、前
    記第1、第2フリップフロップの組の、任意のフリップ
    フロップに格納されたデータと排他的論理和をとりなが
    ら、前記第1フリップフロップの組の、初段フリップフ
    ロップに帰還させる帰還回路とを、少なくとも備え、前
    記第1、第2フリップフロップの組との間、及び前記帰
    還回路と前記初段フリップフロップとの間の少なくとも
    いずれか一方に、擬似乱数発生、または線型帰還の条件
    を成立させる成立手段が挿入された線型帰還シフトレジ
    スタを具備し、 前記第1、第2フリップフロップの組中の、フリップフ
    ロップ の出力が前記チップ内部に設けられた半導体集積
    回路部の少なくとも入力端子として機能する端子に電気
    的に結合され、前記線型帰還シフトレジスタがテストデ
    ータ発生回路として機能されていることを特徴とする半
    導体集積回路装置。
  5. 【請求項5】 半導体集積回路チップ内部、外部のいず
    れかから発生された第1クロックに同期して動作する複
    数のフリップフロップを含む第1フリップフロップの組
    と、前記第1フリップフロップの組にシリアルに結合さ
    れ、前記第1クロックとは異なり、半導体集積回路チッ
    プ内部、外部のいずれかから発生された第2クロックに
    同期して動作する複数のフリップフロップを含む第2フ
    リップフロップの組と、前記第2フリップフロップの組
    の、最終段フリップフロップに格納されたデータを、前
    記第1、第2フリップフロップの組の、任意のフリップ
    フロップに格納されたデータと排他的論理和をとりなが
    ら、前記第1フリップフロップの組の、初段フリップフ
    ロップに帰還させる帰還回路とを、少なくとも備え、前
    記第1、第2フリップフロップの組との間、及び前記帰
    還回路と前記初段フリップフロップとの間の少なくとも
    いずれか一方に、擬似乱数発生、または線型帰還の条件
    を成立させる成立手段が挿入された線型帰還シフトレジ
    スタを具備し、 前記第1、第2フリップフロップの組中の、フリップフ
    ロップ の入力が前記チップ内部に設けられた半導体集積
    回路部の少なくとも出力端子として機能する端子に電気
    的に結合され、前記線型帰還シフトレジスタがテスト結
    果判定回路として機能されていることを特徴とする半導
    体集積回路装置。
  6. 【請求項6】 半導体集積回路チップ外部から基本クロ
    ックの供給を受け、この基本クロックから、少なくとも
    前記第1、第2クロックを発生させるクロック発生手段
    を前記チップ内部に、さらに具備し、前記クロック発生
    手段は、前記基本クロックの周波数を定数倍し、この定
    数倍された周波数に対応する周期を最小のきざみ幅とし
    て、前記第1、第2クロックを生成することを特徴とす
    る請求項4あるいは請求項5いずれか1項に記載の半導
    体集積回路装置。
  7. 【請求項7】 前記クロック発生手段は、PLL回路を
    含むことを特徴とする請求項6に記載の半導体集積回路
    装置。
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