JP2008508565A - 光学ケーブルおよび光学ケーブルを製造するための方法 - Google Patents

光学ケーブルおよび光学ケーブルを製造するための方法 Download PDF

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Abstract

光学ケーブル(1)が、ケーブルシース(11)と、該ケーブルシース(11)の内側に配置された少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)とを有している。光学的な伝送エレメント(101,102)のうちの1つが、バッファチューブ(1011)と、少なくとも1つの光導波体(1011)と、少なくとも1つの膨潤エレメント(10111)とを有している。バッファチューブ(1011)は少なくとも1つの光導波体(10101)と少なくとも1つの膨潤エレメント(10111)とを取り囲んでいる。膨潤エレメント(10111)は、水の供給により膨潤可能な膨潤材料を含んでいる。水が光学的な伝送エレメントに侵入すると、膨潤エレメント(10111)は膨潤し、光学的な伝送エレメントをシールし、これにより光学的な伝送エレメントの長手方向での水の拡散は防止される。

Description

本発明は、僅かな破断伸びのバッファチューブ(Aderhuelle)を有する、光学的な伝送エレメントを備えた光学ケーブルに関する。さらに本発明は、光学的な伝送エレメントの高い長手方向水密性が得られる光学ケーブルを製造するための方法に関する。
ブロードバンドのコミュニケーションネットを構成するために設けられる光学ケーブルは多数の光導波体を有している。一般的に光学ケーブルは、バッファファイバまたは「ユニット」と言われる複数の光学的な伝送エレメントを有している。いずれの光学的な伝送エレメントも複数の光導波体のうちのいくつかを有している。
例えば光学ケーブルは、12の光学的な伝送エレメントを有しており、各光学的な伝送エレメントは12の光導波体を有している。
さらに光学ケーブルは、1つのケーブルシースと1つのケーブルコアとを有している。ケーブルシースはケーブルコアを取り囲んでいる。光学的な伝送エレメントはケーブルコアの内側に配置されている。ケーブルシースはケーブルコアを保護するために設けられていて、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)又はポリアミド(PA)のような材料を有している。
所定の長さを有した光学ケーブルの一区分では、幾分、比較的長い長さを有している光学的な伝送エレメントの複数の区分が延びている。光学ケーブルのこの区分における光学的な伝送エレメントの過剰な長さにより、光学ケーブルの屈曲もしくは伸張の際に光学的な伝送エレメントが過剰な引張応力を受けることが回避される。
例えば、円形の横断面を有する光学ケーブルの一区分に、光学的な伝送エレメントを、この区分の長手方向軸線の周りに螺旋状に配置することができる。この場合、この区分の長手方向軸線に沿って延びる中央ファイバを、光学的な伝送エレメントの配置を安定化させるために設けることもできる。
光学ケーブルのケーブルコアは一般的にコア充填材料を有している。コア充填材料はケーブルシースによって取り囲まれている。光学的な伝送エレメントはコア充填材料に埋め込まれている。
光学ケーブルの光学的な伝送エレメントはバッファチューブを有している。光学的な伝送エレメントの光導波体はバッファチューブによって取り囲まれている。光学的な伝送エレメントのバッファチューブは通常、マトリックスポリマを有しており、このマトリックスポリマには充填材料が埋め込まれている。マトリックスポリマは例えばエチルビニルアセテートまたはポリ塩化ビニルである。充填材料は例えばチョークである。充填材料の質量の割合が高いことにより、バッファチューブの破断伸びおよび引張強さは減じられる。これにより光学的な伝送エレメントのバッファチューブは特別な工具なしに剥離することができる。
通常、光学的な伝送エレメントの所定の長さを有する一区分では、幾分、比較的長い長さを有している光導波体の複数の区分が延びている。光学的な伝送エレメントのこの区分において光導波体が過剰な長さにより、光学的な伝送エレメントの屈曲又は伸張の際に、過剰な引張応力が光導波体に生じることが回避される。
例えば、円形の横断面を有する光学的な伝送エレメントの一区分に、光導波体をそれぞれ、この区分の長手方向軸線の周りに螺旋状に配置することもできる。この場合、長手方向軸線に沿って延び、光導波体の配置を安定化させる中央ファイバが設けられていても良い。
さらに光学的な伝送エレメントはバッファファイバ充填材料を有している。バッファファイバ充填材料はバッファチューブに取り囲まれている。光学的な伝送エレメントの光導波体はバッファファイバ充填材料に埋め込まれている。
バッファファイバ充填材料により、光学的な伝送エレメントのバッファチューブの内側における光導波体の可動性の制限はできるだけ僅かであるべきであって、これにより光学ケーブルの屈曲の際に光導波体は、その過剰な長さを利用して互いにまたはバッファチューブに対して摺動することができる。これにより過剰な引張応力が光導波体で生じることはない。バッファチューブと光導波体との間の中間室が完全に充填され、水密に閉じられるために、バッファファイバ充填材料として通常、高い粘性を有さない物質、例えばチキソトロピー性のゲルが使用される。
しかしながらバッファファイバ充填材料の成分とバッファチューブのマトリックスポリマとの間には、移行によるチューブの材料吸収となる相互作用がある。この移行により、バッファファイバ充填材料とバッファチューブとの機械的な特性が変化する。
高い粘性のゲルを含むバッファファイバ充填材料を使用することによりこのような移行は回避される。しかしながら、高い粘性を有するゲルは極めてゆっくりにしか変形することができない。これにより例えば、バッファファイバ充填材料の、光導波体間の小さい中間室間への侵入は極めて遅く、このことは光学ケーブルの製造の際に、複数の光導波体を1つの光学的な伝送エレメントへと加工する速度を著しく遅くする。
従って本発明の課題は、バッファチューブが僅かな破断伸びを有していて、その光導波体はバッファチューブの内側で高い可動性を有しており、バッファチューブの内側では長手方向での水の拡散が回避されるような光学的な伝送エレメントを備えた光学ケーブルを提供することである。
本発明によればこの課題は、請求項1の特徴を備えた光学ケーブルにより解決される。
本発明による光学ケーブルは、ケーブルシースと該ケーブルシースによって取り囲まれたケーブルコアとを有している。ケーブルコアは中央に配置された膨潤フィラメントと、少なくとも2つの光学的な伝送エレメントとを有している。少なくとも2つの光学的な伝送エレメントは、中央に配置された膨潤フィラメントの周りに配置されている。光学的な伝送エレメントのうちの少なくとも1つはバッファチューブと、少なくとも1つの光導波体と、少なくとも1つの膨潤エレメントとを有している。膨潤エレメントは、光学的な伝送エレメントを長手方向でシールするために、水の供給により膨潤可能な膨潤材料を有している。さらにバッファチューブは少なくとも1つの光導波体と少なくとも1つの膨潤エレメントとを有している。
即ち本発明による光学ケーブルでは、少なくとも1つの光学的な伝送エレメントが乾いた膨潤エレメントを有している。
有利には光学的な伝送エレメントはゲルを有さない中間室を有している。
一定の質量のゲル状のバッファファイバ充填材料の代わりに、水との接触の際に質量が著しく増大する乾いた膨潤材料を備えた膨潤エレメントが設けられている。
特に、光学的な伝送エレメントはバッファチューブの内側に、少なくとも1つの光導波体と少なくとも1つの膨潤エレメントとに隣接していて、膨潤材料の膨潤により水密に閉鎖可能な中間室を有している。
バッファチューブと光導波体との間の中間室により、光導波体は高い可動性を有する。光学ケーブルの屈曲の際には、光導波体は過剰に長く形成されていることによりどこでも簡単に互いに、またはバッファチューブに対して摺動することができる。
有利には光学的な伝送エレメントの少なくとも1つの膨潤エレメントがファイバとして形成されている。このようなファイバは、バッファチューブの内側で、少なくとも1つの光導波体に隣接して配置されている。
例えば複数の膨潤性の繊維がバッファチューブの内側で複数の光導波体の間に均一に分配されている。このようにして、バッファチューブの内側の各中間室の近傍に膨潤エレメントが存在する。これにより比較的小さい膨潤性を備えた材料も、膨潤エレメントとして使用することができる。
有利には光学的な伝送エレメントの少なくとも1つの膨潤エレメントを、バッファチューブの内面上に層として配置することができる。
この場合、膨潤エレメントが光学的な伝送エレメントの光導波体を取り囲む。従ってバッファチューブが亀裂して侵入する水は、まず最初に膨潤材料に当たり、これにより、水が光導波体に達し、その光学特性に悪影響を与える前に、光学的な伝送エレメントは亀裂の周りでシールされる。
有利には、光学的な伝送エレメントの少なくとも1つの膨潤エレメントが、少なくとも1つの光導波体の外面上に配置されている。
このような場合、膨潤エレメントが、光学的な伝送エレメントの各光導波体を取り囲む。従って、バッファチューブの内側の各中間室の近傍に、膨潤エレメントが存在していることが保証されている。これにより比較的僅かな膨潤性を有する膨潤材料を使用することもできる。さらに、侵入する水が、光導波体の光学特性に悪影響を与える前に、光導波体の周りに配置されている膨潤材料に達することが保証されている。
有利には、光学的な伝送エレメントの少なくとも1つの膨潤エレメントが、膨潤性のポリマの溶融物から押し出される。特に、ポリマの溶融点または軟化点はできるだけ低いが、光学的な伝送エレメントのバッファチューブの溶融点または軟化点よりは高い。
有利には光学的な伝送エレメントの少なくとも1つの膨潤エレメントがマトリックスポリマおよび、マトリックスポリマに埋め込まれた膨潤性の充填材料を有している。
膨潤エレメントはこの場合、マトリックスポリマと充填材料の混合物の溶融物から押し出し成形することができる。
有利には光学的な伝送エレメントは、膨潤材料を備えたヤーンを有している。このヤーンはバッファチューブの内側で延びていて、少なくとも1つの光導波体に対して隣接している。
例えば、円形の横断面を有した光学的な伝送エレメントの一区分では、この区分の長手方向軸線に沿ったヤーンが中央で延びている。この場合、光導波体はそれぞれ螺旋状にヤーンの周りに配置されていて良い。
有利には、光学的な伝送エレメントの膨潤エレメントが、少なくとも1つのヤーンの外面上に層として配置されている。
この層は、マトリックスポリマと、マトリックスポリマに埋め込まれている充填材料とを有していて良い。
特にヤーンはポリエステルを有している。
有利には光学的な伝送エレメントは、バッファチューブと光導波体との間に中間室を有していて、この中間室には、少なくとも1つの膨潤エレメントを有している粉体が配置されている。
特に膨潤性の粉体は、例えばタルクのような別の充填材料を有していて良い。
有利には、光学的な伝送エレメントのバッファチューブは、軟性的に調節されたベースポリマと、このベースポリマに埋め込まれている充填材料とを有している。ベースポリマと充填材料の全質量における充填材料の質量の割合は、バッファチューブの破断伸びが著しく減じられていて、有利には20〜90%であるように選択されている。特にこの質量の割合は70%である。
有利には、軟性的に調節されているベースポリマは、エチルビニルアセテート(EVA)とポリ塩化ビニル(PVC)の材料の1つを有していて、充填材料は膨潤粉体を有している。
有利には少なくとも1つの光導波体が、光導波体の外面上に配置されて、アクリレートを含む層を有している。
有利には、膨潤材料はポリアクリル酸または、例えばポリアクリル酸ナトリウムのようなポリアクリル酸の塩を有している。
さらに、本発明の課題は、光学的な伝送エレメントが、破断伸びの低いバッファチューブを有していて、長手方向での水の拡散が防止されるような光学ケーブルを製造するための方法を提供することである。
この課題は、本発明によれば、請求項18の特徴を備えた光学ケーブルを製造するための方法により解決される。
光学ケーブルを製造するための本発明による方法は、少なくとも2つの光学的な伝送エレメントを形成するステップを有している。少なくとも2つの光学的な伝送エレメントのうち少なくとも1つを、少なくとも1つの光導波体を供給するステップと、少なくとも1つの膨潤エレメントを形成する次のステップと、少なくとも1つの光導波体と少なくとも1つの膨潤エレメントの周りにバッファチューブを押し出す次のステップとによって形成する。次いで少なくとも2つの光学的な伝送エレメントを、中央に配置された膨潤フィラメントの周りに配置する。
光学ケーブルの本発明による製造の際には、光導波体が埋め込まれるようなゲル状のバッファファイバ充填材料は供給されない。その代わりに乾いた膨潤エレメントが使用される。
有利には、少なくとも1つの膨潤エレメントを形成するステップは、膨潤性のポリマの溶融剤を準備するステップと、膨潤性のポリマから繊維として少なくとも1つの膨潤エレメントを押し出す次のステップとを有している。
例えば複数の光導波体と複数の膨潤フィラメントとが生ぜしめられ、互いに撚られる。
有利には、少なくとも1つの膨潤エレメントを生ぜしめるためのステップは、膨潤性のポリマの溶融物を準備するステップと、膨潤性のチューブとして少なくとも1つの膨潤エレメントを少なくとも1つの光導波体の周りに押し出すためのステップとを有している。
例えば、押し出し機内に挿入される全ての光導波体の周りの共通のチューブとして膨潤性のチューブが形成される。この場合、この膨潤性のチューブをバッファチューブと共に同心的に押し出すことができる。
しかしながらこの膨潤性のチューブは第1のステップで、個々の光導波体の周りのチューブとして形成してから、第2のステップで全光導波体の周りにバッファチューブを形成しても良い。この場合、その都度、膨潤性のチューブもバッファチューブも押し出すことができる。
有利には、少なくとも1つの膨潤エレメントを形成するステップが、膨潤性の充填材料とマトリックスポリマとの混合物を準備するステップと、膨潤性の充填材料とマトリックスポリマとの混合物から、少なくとも1つの光導波体の周りに膨潤性のチューブを生ぜしめるためのステップとを有している。
この場合、それ自体膨潤不可能なマトリックスポリマに、膨潤性の充填材料を予め混合する。次いで、充填材料とマトリックスポリマとの混合物から膨潤性のチューブを生ぜしめる。
有利には、少なくとも1つの膨潤エレメントを形成するステップは、少なくとも1つのヤーンを準備するステップと、マトリックスポリマと充填材料との混合物によって膨潤材料を生ぜしめる次のステップと、膨潤材料を含む少なくとも1つのヤーンをコーティングする続くステップとを有している。
例えば、複数のヤーンは膨潤性の材料によってコーティングすることができ、次いで光導波体と撚ることができる。
有利には、少なくとも1つの膨潤エレメントを形成するステップは、膨潤材料を有する粉体を供給するステップを有している。
例えば、光導波体を撚る際に粉体を撒布することができる。
有利には、少なくとも1つの膨潤エレメントを形成するステップは、膨潤粉体を供給するステップと、別の充填材料を供給するステップ、例えばタルクを供給するステップを有している。
有利には、膨潤材料としての膨潤エレメントはポリアクリル酸または、例えばポリアクリル酸ナトリウムのようなポリアクリル酸の塩を有している。
次に本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
実施例
図1には本発明の第1実施例による光学ケーブルが示されている。光学ケーブル1は、ケーブルコアと言われるケーブル内部を取り囲むケーブルシース11を有している。ケーブルシース11は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)またはポリアミド(PA)のような材料を有している。さらに、光学ケーブル1は、ケーブルシース11の内側に配置されている光学的な伝送エレメント101,102を有している。光学的な伝送エレメント101はバッファチューブ1011を有している。バッファチューブ1011は、ポリ塩化ビニルまたはエチルビニルアセテートのようなマトリックスポリマを有していて、その中にチョークのような受動充填材が埋め込まれている。この充填材の質量の割合を介して、バッファチューブ1011の破断伸びまたは引張強さが調節される。有利には破断伸びは低く調節され、これによりバッファチューブ1011は特別な工具なしに取り除くことができる。光学的な伝送エレメント101はさらに、光導波体10101,10102と、膨潤エレメント10111とを有している。光導波体10101,10102と膨潤エレメント10111とはバッファチューブ1011内部に配置されている。特に中央に配置された膨潤フィラメント12は光学的な伝送エレメント101,102とともにルーズに、ケーブルシース11に取り囲まれたケーブルコア内に挿入される。
膨潤エレメント10111は単数または複数設けることができる。膨潤エレメント10111は、膨潤性のポリマを含むファイバとして形成することができる。このファイバは、内部に膨潤性の充填材が埋め込まれているマトリックスポリマを有していても良い。このファイバは、それ自体は膨潤可能ではないが、表面に塗布された膨潤性の層を有しているヤーンを有していても良い。この場合、膨潤性の層は膨潤性のポリマまたはマトリックスポリマおよびその内部に埋め込まれた膨潤性の充填材を有していて良い。
膨潤エレメントは有利には、ポリアクリル酸または、例えばポリアクリル酸ナトリウムのようなポリアクリル酸の塩を膨潤材料として有している。膨潤材料はこの場合、充填材としてマトリックスポリマに埋め込むことができる。
図1に示した光学ケーブル1を製造するためにはまず最初に光学的な伝送エレメント101を形成する。そのためにまず最初に光導波体10101,10102と少なくとも1つの膨潤エレメント10111を形成する。次いで少なくとも1つの膨潤エレメント10111を光導波体10101,10102と一緒に押し出し成形機に供給し、押し出し成形機でバッファチューブ1011を押し出し成形する。その後、光学的な伝送エレメント101を光学的な伝送エレメント102とともに別の押し出し成形機に供給し、この押し出し成形機からケーブルシース11を押し出し成形する。
膨潤エレメント10111を形成するために、ファイバをポリマの溶融剤から押し出すことができる。短い繊維部材を形成し、1つの繊維にすることもできる。溶融剤のためには、膨潤性で吸水性の高いポリマが使用される。しかしながら、膨潤性の充填材のために単にマトリックスを成すポリマを使用することもできる。この場合、充填材を次の混合過程で、ポリマの溶融剤内に入れる。例えば、膨潤性の充填材は粉体としてポリマのマトリックスに装入される。
図2Aには第1実施例による光学ケーブル1の光学的な伝送エレメント101が示されている。光学的な伝送エレメント101はバッファチューブ1011と、光導波体10101,10102と、膨潤エレメント10111とを有している。光導波体10101と10102と膨潤エレメント10111とはバッファチューブ1011によって取り囲まれている。膨潤エレメント10111はファイバ又はヤーンとして形成されている。このようなファイバ又はこのようなヤーンは、内部に膨潤性の充填材が埋め込まれている膨潤性のポリマまたはマトリックスポリマを有していて良い。
図1及び図2Aに示した第1実施例では、膨潤エレメント10111を、膨潤性ではないファイバまたは膨潤性ではないヤーンに膨潤性の層を形成することにより形成することもできる。この場合この層は、膨潤性のポリマまたは膨潤性の材料が充填されたマトリックスポリマを取り付けることにより形成される。
図2Bには、第2実施例による光学ケーブル1の光学的な伝送エレメント101が示されている。光学的な伝送エレメント101は、バッファチューブ1011と、光導波体10101と10102と、膨潤エレメント10112とを有している。光導波体10101と10102と膨潤エレメント10112とはバッファチューブ1011の内側に配置されている。さらに、膨潤エレメント10112は光導波体10101と10102の外面に設けられている。膨潤エレメント10112は、膨潤性のポリマまたは膨潤性の充填材が入れられているマトリックスポリマを有している。膨潤エレメント10112は光導波体10101と10102上に押し出し成形することができる。選択的には膨潤エレメント10112は光導波体10101と10102の外面の被覆により形成することができる。
図2Cには、第3実施例による光学ケーブル1の光学的な伝送エレメント101が示されている。光学的な伝送エレメント101はバッファチューブ1011と、光導波体10101と10102と、膨潤エレメント10113とを有している。光導波体10101と10102と膨潤エレメント10113とは、バッファチューブ1011の内側に配置されている。さらに膨潤エレメント10113はバッファチューブ1011の内面に配置されている。膨潤エレメント10113は、膨潤性のポリマまたは膨潤性の充填材を埋め込まれているマトリックスポリマを有している。この場合、膨潤エレメント10113は溶融剤から押し出すことができる。
図2Dには、第4実施例による光学ケーブル1の光学的な伝送エレメント101が示されている。光学的な伝送エレメント101はバッファチューブ1011と、光導波体10101と10102と、ヤーン1012と、膨潤エレメント10114とを有している。光導波体10101と10102と膨潤エレメント10114とはバッファチューブ1011によって取り囲まれている。ヤーン1012は例えばポリエステルを有していて、バッファチューブ1011の内側で延びており、光導波体10101と10102に隣接している。この場合、ヤーン1012は中心には位置されていて、例えば光導波体10101と10102の位置をバッファチューブ1011の内側で位置固定している。有利には光学ケーブル1の一区分内に光導波体10101と10102を、ヤーン1012を取り囲む螺旋の形状で配置することができる。即ちヤーン1012は、光導波体10101と10102の配置を安定化させるための中央部材としても機能する。膨潤エレメント10114は例えば膨潤性の層としてヤーン1012の外面に設けられている。膨潤エレメント10114は、膨潤性のポリマまたは膨潤性の材料を有する充填材が埋め込まれているマトリックスポリマを有していて良い。
図2Eには、第5実施例による光学ケーブル1の光学的な伝送エレメント101が示されている。光学的な伝送エレメント101はバッファチューブ1011と光導波体10101と10102とを有している。光導波体10101と10102はバッファチューブ1011の内側に配置されている。光導波体10101と10102は、ファイバコーティング101011と101021と、これらファイバコーティング101011と101021によって取り囲まれているグラスファイバ101012と101022とを有している。ファイバコーティング101011と101021は例えばアクリレートを有している。光学的な伝送エレメント101はさらに膨潤エレメント10115を有している。膨潤エレメント10115は粉体として形成されていて、バッファチューブ1011内側で光導波体10101と10102の間に撒布されている。
粉体として形成された膨潤エレメント10115は、バッファチューブ1011自体に含まれているマトリックスポリマに充填材として埋め込むことができる。このような場合、光学的な伝送エレメント101の製造には有利には、マトリックスポリマと充填材とから成る混合物を含有する溶融剤からバッファチューブ1011を押し出し成形するステップがある。
本発明の有利な実施例による光学ケーブルを示した図である。 本発明の第1実施例による光学ケーブルの光学的な伝送エレメントを示した図である。 本発明の第2実施例による光学ケーブルの光学的な伝送エレメントを示した図である。 本発明の第3実施例による光学ケーブルの光学的な伝送エレメントを示した図である。 本発明の第4実施例による光学ケーブルの光学的な伝送エレメントを示した図である。 本発明の第5実施例による光学ケーブルの光学的な伝送エレメントを示した図である。
符号の説明
1 光学ケーブル、 11 ケーブルシース、 12 膨潤フィラメント、 101,102 光学的な伝送エレメント、 1011 バッファチューブ、 1012 ヤーン、 10101,10102 光導波体、 10111〜10115 膨潤エレメント、 101011,101021 ファイバコーティング、 101012,101022 グラスファイバ

Claims (25)

  1. 光学ケーブル(1)であって、
    ケーブルシース(11)と、該ケーブルシース(11)によって取り囲まれたケーブルコアとを有しており、
    該ケーブルコアは、中央に配置された膨潤フィラメント(12)と、少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)とを有しており、
    少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)は、中央に配置された膨潤フィラメント(12)の周りに配置されていて、前記少なくとも2つの光学的な伝送エレメントのうち少なくとも1つの光学的な伝送エレメント(101)が、
    少なくとも1つの光導波体(10101,10102)と、
    光学的な伝送エレメント(101)をシールするために、水により膨潤可能な膨潤材料を有する少なくとも1つの膨潤エレメント(10111,10112,10113,10114,10115)と、
    少なくとも1つの光導波体(10101,10102)と少なくとも1つの膨潤エレメント(10111,10112,10113,10114,10115)と取り囲むバッファチューブ(1011)とを有していることを特徴とする光学ケーブル。
  2. 少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)のうちの少なくとも1つ(101)が、ゲルのない中間室を有している、請求項1記載の光学ケーブル。
  3. 少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)のうちの少なくとも1つ(101)が、バッファチューブ(1011)の内側で少なくとも1つの光導波体(10101,10102)と、少なくとも1つの膨潤エレメント(10111,10112,10113,10114,10115)とに隣接していて、膨潤材料の膨潤により水密に閉鎖可能である中間室(1013)を有している、請求項1記載の光学ケーブル。
  4. 少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)のうちの少なくとも1つの光学的な伝送エレメント(101)の少なくとも1つの膨潤エレメント(10111)が、バッファチューブ(1011)の内側で、少なくとも1つの光導波体(10101,10102)に隣接して配置されているファイバとして形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の光学ケーブル。
  5. 少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)のうちの少なくとも1つの光学的な伝送エレメント(101)の少なくとも1つの膨潤エレメント(10113)が、バッファチューブ(1011)の内面上に層として配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の光学ケーブル。
  6. 少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)のうちの少なくとも1つの光学的な伝送エレメント(101)の少なくとも1つの膨潤エレメント(10112)が、少なくとも1つの光導波体(10101)の外面上に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の光学ケーブル。
  7. 少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)のうちの少なくとも1つの光学的な伝送エレメント(101)の少なくとも1つの膨潤エレメント(10111,10112,10113,10114,10115)が、膨潤性のポリマの溶融剤から押し出し成形されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の光学ケーブル。
  8. 少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)のうちの少なくとも1つの光学的な伝送エレメント(101)の少なくとも1つの膨潤エレメント(10111,10112,10113,10114,10115)が、マトリックスポリマと、その内部に埋め込まれた膨潤性の充填材を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の光学ケーブル。
  9. 少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)のうちの少なくとも1つの光学的な伝送エレメント(101)が、膨潤材料を有した少なくとも1つのヤーン(1012)を有していて、該ヤーンがバッファチューブ(1011)の内側で、少なくとも1つの光導波体(10101,10102)に隣接して延びている、請求項1から3までのいずれか1項記載の光学ケーブル。
  10. 少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)のうちの少なくとも1つの光学的な伝送エレメント(101)の少なくとも1つの膨潤エレメント(10114)が、少なくとも1つのヤーン(1012)の外面上に層として配置されている、請求項9記載の光学ケーブル。
  11. ヤーンがポリエステルを有している、請求項9又は10記載の光学ケーブル。
  12. 少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)のうちの少なくとも1つの光学的な伝送エレメント(101)が、バッファチューブ(1011)と光導波体(10101,10102)との間に中間室(1013)を有しており、粉体が前記中間室(1013)内に配置されており、前記粉体が、少なくとも1つの膨潤エレメント(10115)を有している、請求項1又は2記載の光学ケーブル。
  13. 粉体が別の充填材を有している、請求項12記載の光学ケーブル。
  14. 少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)のうちの1つの光学的な伝送エレメント(101)のバッファチューブ(1011)が、軟質に調整されたベースポリマと充填材とを有しており、ベースポリマと充填材の全質量における充填材の質量の割合が20〜90%である、請求項1から13までのいずれか1項記載の光学ケーブル。
  15. 軟質に調整されたベースポリマが、エチルビニルアセテートおよびポリ塩化ビニルの材料の1つを有していて、充填材が膨潤粉体(10115)を有している、請求項14記載の光学ケーブル。
  16. 少なくとも1つの光導波体(10101)が、光導波体(10101)の外面に配置されていてアクリレートを含む層(101011)を有している、請求項1から15までのいずれか1項記載の光学ケーブル。
  17. 膨潤エレメント(10111,10112,10113,10114,10115)の膨潤材料が、ポリアクリル酸またはポリアクリル酸の塩を有している、請求項1から16までのいずれか1項記載の光学ケーブル。
  18. 光学ケーブル(1)を製造するための方法であって、次のステップを有しており、即ち、
    少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)を形成し、該2つの光学的な伝送エレメントのうちの少なくとも1つの光学的な伝送エレメント(101)を、
    少なくとも1つの光導波体(10101,10102)を供給し、
    少なくとも1つの膨潤材料(10111,10112,10113,10114,10115)を生ぜしめ、
    バッファチューブ(1011)を、少なくとも1つの光導波体(10101,10102)と、少なくとも1つの膨潤エレメント(10111,10112,10113,10114,10115)の周りに押し出し成形し、
    少なくとも2つの光学的な伝送エレメント(101,102)を、中央に配置された膨潤フィラメント(12)の周りに配置することにより形成することを特徴とする、光学ケーブルを製造するための方法。
  19. 少なくとも1つの膨潤エレメント(10111,10112,10113,10114,10115)を生ぜしめるために次のステップ、即ち、
    膨潤性のポリマの溶融物を準備し、
    ファイバとしての少なくとも1つの膨潤エレメント(10111)を膨潤性のポリマから押し出し成形する、のステップを有している、請求項18記載の方法。
  20. 少なくとも1つの膨潤エレメント(10111,10112,10113,10114,10115)を生ぜしめるために、次のステップ、即ち、
    膨潤性のポリマの溶融物を準備し、
    膨潤性のチューブとして少なくとも1つの膨潤エレメント(10112,10113)を、少なくとも1つの光導波体(10101,10102)の周りに押し出し成形する、のステップを有している、請求項18記載の方法。
  21. 少なくとも1つの膨潤エレメント(10111,10112,10113,10114,10115)を生ぜしめるために、次のステップ、即ち、
    膨潤性の充填材とマトリックスポリマとの混合物を準備し、
    少なくとも1つの光導波体(10101,10102)のための膨潤性のチューブ(10112,10113)を前記混合物の溶融物から生ぜしめる、請求項18記載の方法。
  22. 少なくとも1つの膨潤エレメント(10114)を生ぜしめるために、
    少なくとも1つのヤーン(1012)を準備し、
    該少なくとも1つのヤーン(1012)に膨潤性の材料をコーティングする、のステップを有している、請求項18記載の方法。
  23. 少なくとも1つの膨潤エレメント(10115)を生ぜしめるために、膨潤性の材料を有する粉体を供給する、請求項18記載の方法。
  24. 少なくとも1つの膨潤エレメント(10115)を生ぜしめるために、膨潤性の材料を供給し、付加的な充填材を供給する、請求項18記載の方法。
  25. 膨潤エレメント(10111,10112,10113,10114,10115)がポリアクリル酸またはポリアクリル酸の塩を有している、請求項18から24までのいずれか1項記載の方法。
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