JP2008500028A - 癌マーカーとしてのsenp1 - Google Patents

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Abstract

本発明は、試料中のSENP1および/またはテロメラーゼの量を検出することによる癌細胞の検出方法を提供する。

Description

(発明の分野)
本発明は試料中のSENP1及び/又はテロメラーゼの量を検出することで癌細胞を検出する方法を提供する。
(発明の背景)
ヒト正常成人体における大半の細胞は分裂しない。しかし、癌細胞は増殖制御を免れ、無制限に分裂する。これを行なうために、これらは染色体の末端、いわゆるテロメアを含む染色体を複製しなければならない。テロメア配列を染色体末端に付加するテロメラーゼ酵素の活性化(Collins, K., Curr. Opin Cell Biol. 12(2000) 378-383に概説)は、この老化を克服し得る。Bodnar, A.G.,ら,Science 279 (1998)349-352;De Lange, T., Science 279 (1998) 334-335に概説、を参照されたい。活性テロメラーゼを有する細胞株は不死になる。インビボで、活性テロメラーゼを有する以前の老化細胞は腫瘍に成長する。テロメラーゼ活性は本質的に全ての主要な癌の型に検出されてきた(Shay, J.W.及びBacchetti, S., Eur. J. Cancer, 33 (1997) 787-791;Cong, Y.S.,ら,Microbiol. Mol. Biol. Rev. 66 (2002) 407-425)。Hanahan及びWeinbergはテロメラーゼ触媒サブユニットの発現を、癌に共通する主要事象の6つのうちの1つとして示した(Cell 100 (2000) 57-70)。テロメラーゼ(TERT及びTERC)をコードする遺伝子の発現が癌の診断、モニタリング、及び予後のための分子マーカーとして提案されている。
しかしながら、所定の癌型の全ての腫瘍は検出レベルのテロメラーゼ活性を含まない。例えば、Shay, J.W.及びBacchetti, S. Eur. J. Cancer, 33(1997) 787-791);Yan, P.らCancer Res. 59 (1999) 3166-3170を参照。それゆえに、テロメラーゼ非依存性の機構によって不死化される腫瘍を同定する分子マーカーを同定することが重要である。
(発明の要約)
本発明は膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、及び小腸癌並びにSENP1の発現量に関連があることを示すデータを提供する。従ってSENP1は膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、及び小腸癌の検出のための有用なマーカーを提供する。
いくつかの態様において、本発明は、生物試料中にSENP1の発現を検出する方法を提供する。いくつかの態様において、該方法は乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、及び小腸癌からなる群より選択される癌を有する個体や、あるいは疑いのある個体からの生物試料中のSENP1の量を測定することを含む。
いくつかの態様において、該方法は個体からの生物試料中のSENP1の量を測定することを含み、並びに乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、及び小腸癌からなる群より選択される癌の診断を記録することを含む。
いくつかの態様において、該方法は個体からの生物試料中のSENP1の量を測定することを含み、ここで生物試料は乳房生検材料、結腸生検材料、腎臓生検材料、肺生検材料、卵巣生検材料、膵臓生検材料、小腸生検材料、気管支洗浄液及び糞便からなる群より選択される。いくつかの態様において、該方法は、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、及び小腸癌からなる群より選択される癌の診断を記録することをさらに含む。
いくつかの態様において、該方法は、個体からの生物試料を取得することをさらに含む。
いくつかの態様において、該方法は、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、及び小腸癌からなる群より選択される癌の診断を記録することをさらに含む。
いくつかの態様において、SENP1の量は試料中のSENP1をコードするポリヌクレオチドを検出することによって検出される。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドの配列が決定される。いくつかの態様において、検出工程は増幅反応におけるポリヌクレオチドを増幅することを含む。いくつかの態様において、増幅反応の間、オリゴヌクレオチドが少なくとも配列番号:1の断片の増幅を誘導する(prime)ように、増幅反応は配列番号:1の少なくとも10個の連続したヌクレオチド又はその相補鎖に少なくとも90%相同である配列を含む、少なくとも2つの異なるオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、増幅反応は定量増幅反応である。いくつかの態様において、増幅反応の増幅産物は検出可能な標識オリゴヌクレオチドが産物にハイブリダイズすることを含む工程で検出される。いくつかの態様において、検出可能な標識オリゴヌクレオチドが蛍光部分を含む。いくつかの態様において、検出可能な標識オリゴヌクレオチドが消光部分を含む。
いくつかの態様において、増幅反応は、ポリメラーゼが検出可能な標識オリゴヌクレオチドを断片化し得る条件下で5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を有する鋳型依存性の核酸ポリメラーゼを含む。いくつかの態様において、増幅反応は逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)である。いくつかの態様において、該RT-PCR反応は、定量RT-PCR反応である。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドの量が正常化される。
いくつかの態様において、SENP1の量が試料中のSENP1ポリペプチドを検出することで測定される。いくつかの態様において、ポリペプチドが、抗体とポリペプチドを接触させることで検出される。
いくつかの態様において、SENP1はSENP1活性を検出することで検出される。
いくつかの態様において、該方法は生物試料中のテロメラーゼの量を測定することをさらに含む。いくつかの態様において、テロメラーゼがテロメラーゼ活性を検出することで検出される。いくつかの態様において、テロメラーゼ活性が2つ以上のTTAGG繰り返しを含むオリゴヌクレオチドの伸長を検出することによって検出される。
いくつかの態様において、テロメラーゼは試料中のテロメラーゼの構成要素を検出することによって検出される。いくつかの態様において、該構成要素はヒトテロメラーゼRNA(TERC)である。いくつかの態様において、該構成要素はヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)である。いくつかの態様において、テロメラーゼはヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)mRNAを検出することで検出される。いくつかの態様において、該方法は多重化増幅反応におけるSENP1ポリヌクレオチド及びテロメラーゼポリヌクレオチドを増幅することを含む。いくつかの態様において、テロメラーゼポリヌクレオチドはヒトテロメラーゼRNA(TERC)である。いくつかの態様において、テロメラーゼポリヌクレオチドはヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)mRNAである。
いくつかの態様において、該方法は試料中のSENP1及びテロメラーゼの量を、SENP1標準及びテロメラーゼ標準のそれぞれと比較することをさらに含み、ここでSENP1標準は非癌細胞中のSENP1を示し、テロメラーゼ標準は非癌細胞中のテロメラーゼ量を示す。いくつかの態様において、標準は予め測定された値である。
いくつかの態様において、該個体はヒトである。いくつかの態様において、該方法は、癌治療のための予後及び/又は個体のための生存を記録することをさらに含む。いくつかの態様において、該方法は個体における癌の進行を記録することをさらに含む。
本発明はまた、SENP1アンタゴニストを同定するための方法を提供する。いくつかの態様において、該方法は多数の薬剤をSENP1発現細胞に接触させることを含み、ここで該細胞はテロメラーゼを発現せず、該細胞は腫瘍性の表現型を示し、及び腫瘍性の表現型を阻害する薬剤を選択することを含み、そこでSENP1アンタゴニストを同定する。いくつかの態様において、該細胞はTERTを発現しない。いくつかの態様において、該方法は、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、及び小腸癌からなる群より選択される癌細胞への選択薬剤の効果を試験することをさらに含む。いくつかの態様において、腫瘍性の表現型は、腫瘍性の細胞増殖である。いくつかの態様において、腫瘍性の表現型は、腫瘍性の増殖と関連するポリペプチド又はRNAの発現である。いくつかの態様において、該細胞はSENP1を内在的に発現する。いくつかの態様において、該細胞はSENP1をコードする外因性発現カセットを含む。
本発明はまた、癌を有する個体を治療する方法を提供する。いくつかの態様において、該方法は、ヒトにSENP1のアンタゴニストの治療量を投与することを含み、ここで該個体は癌でない細胞と比べて増大したSENP1の発現によって特徴付けられる癌を有する。いくつかの態様において、癌は膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、及び小腸癌からなる群より選択される。いくつかの態様において、アンタゴニストは以下の工程:細胞がテロメラーゼを発現せず、かつ細胞が新生物(neoplastic)表現型を発現する多数の薬剤をSENP1発現細胞に接触させる工程、及び新生物表現型を阻害する薬剤を選択する工程によって同定され、それによりSENP1アンタゴニストが同定される。いくつかの態様において、SENP1のアンタゴニスト及び薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物が提供される。いくつかの態様において、SENP1のアンタゴニストが医薬における使用のために提供される。いくつかの態様において、SENP1のアンタゴニストが、癌、特に乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、及び小腸癌の治療のための、医薬の製造において又は医薬の製造のために使用される。特に好ましくは膀胱癌である。
本発明はまた、SENP1のプロテアーゼ活性の阻害剤を提供する。いくつかの態様において、阻害剤はGlu-Gln-Thr-Gly-Gly、又はその模倣物を含むアミノ酸配列を含み、ここで最後のGlyはアルデヒドで末端化される。いくつかの態様において、阻害剤は核局在シグナル配列を含む。いくつかの態様において、核局在シグナル配列はPro-Lys-Lys-Thr-Gln-Arg-Argを含む。
本発明はまた、個体からの生物試料中のSENP1及びテロメラーゼの量の測定を提供する。いくつかの態様において、SENP1の量が試料中のSENP1をコードするポリヌクレオチドを検出することによって検出される。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドはRNAである。
いくつかの態様において、ポリヌクレオチドの配列が決定される。いくつかの態様において、検出工程は増幅反応におけるポリヌクレオチドを増幅することを含む。いくつかの態様において、増幅反応の間、オリゴヌクレオチドが少なくとも配列番号:1の断片の増幅を誘導するように、増幅反応は配列番号:1の少なくとも10個の連続したヌクレオチド又はその相補鎖に少なくとも90%相同である配列を含む、少なくとも2つの異なるオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、増幅反応は定量増幅反応である。いくつかの態様において、増幅反応の増幅産物は検出可能な標識オリゴヌクレオチドを産物にハイブリダイズさせることを含む工程において検出される。いくつかの態様において、検出可能な標識オリゴヌクレオチドは、蛍光部分を含む。いくつかの態様において、検出可能な標識オリゴヌクレオチドは消光部分を含む。いくつかの態様において、増幅反応は、ポリメラーゼが検出可能な標識オリゴヌクレオチドを断片化し得る条件下で5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を有する鋳型依存性の核酸ポリメラーゼを含む。
いくつかの態様において、増幅反応は逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)である。いくつかの態様において、RT-PCR反応は定量RT-PCR反応である。
いくつかの態様において、ポリヌクレオチドの量が正常化される。
いくつかの態様において、SENP1の量は試料中のSENP1ポリヌクレオチドを検出することによって測定される。いくつかの態様において、ポリペプチドはポリペプチドを抗体と接触させることで検出される。いくつかの態様において、SENP1はSENP1活性を検出することで検出される。いくつかの態様において、テロメラーゼはテロメラーゼ活性を検出することで検出される。いくつかの態様において、テロメラーゼ活性が2つ以上のTTAGG繰り返しを含むオリゴヌクレオチドの伸長を検出することで検出される。いくつかの態様において、テロメラーゼは試料中のテロメラーゼの構成要素を検出することで検出される。いくつかの態様において、該構成要素はヒトテロメラーゼRNA(TERC)である。いくつかの態様において、該構成要素はヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)である。
いくつかの態様において、テロメラーゼはヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)mRNAを検出することで検出される。
いくつかの態様において、該方法は多重化増幅反応におけるSENP1ポリヌクレオチド及びテロメラーゼポリヌクレオチドを増幅することを含む。いくつかの態様において、該テロメラーゼポリヌクレオチドはヒトテロメラーゼRNA(TERC)である。いくつかの態様において、テロメラーゼポリヌクレオチドは、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)mRNAである。
いくつかの態様において、該方法は試料中のSENP1及びテロメラーゼの量を、非癌細胞におけるSENP1及びテロメラーゼ量を示すSENP1標準及びテロメラーゼ標準と比較することをさらに含む。いくつかの態様において、標準は予め測定された値である。いくつかの態様において、該個体はヒトである。
いくつかの態様において、生物試料は体液を含む。いくつかの態様において、体液は血液である。いくつかの態様において、体液は尿である。いくつかの態様において、試料は組織生検由来である。いくつかの態様において、該方法はさらに個体由来の生物試料を得ることを含む。
いくつかの態様において、個体は癌を有するかまたは有すると疑われる。いくつかの態様において、癌は膀胱癌である。
いくつかの態様において、該方法は個体における癌の有無の診断を記録することをさらに含む。いくつかの態様において、方法は癌治療の予後および/または個体の生存を記録することをさらに含む。いくつかの態様において、方法は個体の癌の進行を記録することをさらに含む。これらの態様のいくつかにおいて、癌は膀胱癌である。
また、本発明は、個体由来の生物試料中の癌細胞を検出するためのキットも提供する。いくつかの態様において、該キットは;
a) 配列番号:1を含むオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドが増幅反応にかけられる場合に該オリゴヌクレオチドが配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するような、少なくとも10個の連続した配列番号:1のヌクレオチドまたはその相補鎖に少なくとも90%同一である配列を含む少なくとも一つのオリゴヌクレオチド;
b) 少なくとも10個の連続した配列番号:1のヌクレオチドまたはその相補鎖に少なくとも90%同一である配列を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチド;
c) オリゴヌクレオチドおよびTERCまたはTERT mRNAが増幅反応にかけられる場合に、該オリゴヌクレオチドがTERCまたはTERT mRNAの少なくとも断片の増幅を誘導するような、少なくとも10個の連続した
i) ヒトテロメラーゼRNA(TERC);
ii) ヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)mRNA;
iii) TERCの相補鎖;または
iv) TERTの相補鎖;
のヌクレオチドに少なくとも90%同一である配列を含む少なくとも一つのオリゴヌクレオチド;ならびに
d) 少なくとも10個の連続した:
i) ヒトテロメラーゼRNA(TERC);
ii) ヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)mRNA;
iii) TERCの相補鎖;または
iv) TERTの相補鎖
のヌクレオチドに少なくとも90%同一である配列を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチド、
を含む。
いくつかの態様において、配列番号:1を含むオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドが増幅反応にかけられる場合にオリゴヌクレオチドが配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するように、該キットは少なくとも10個の連続した配列番号:1のヌクレオチド、またはその相補鎖に少なくとも90%同一である配列を含む少なくとも二つの異なるオリゴヌクレオチドを含み;オリゴヌクレオチドおよびTERCまたはTERT mRNAが増幅反応にかけられた場合にオリゴヌクレオチドがTERCまたはTERT mRNAの少なくとも断片の増幅を誘導するように、少なくとも二つの異なるオリゴヌクレオチドは少なくとも10個の連続した:
i) ヒトテロメラーゼRNA(TERC);
ii) ヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)mRNA;
iii) TERCの相補鎖;または
iv) TERTの相補鎖;
のヌクレオチドに少なくとも90%同一である配列を含む。
いくつかの態様において、該キットは逆転写酵素をさらに含む。いくつかの態様において、キットは熱安定性DNAポリメラーゼをさらに含む。
いくつかの態様において、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドは蛍光部分を含む。いくつかの態様において、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドは消光部分を含む。
また、本発明は反応混合物も提供する。いくつかの態様において、反応混合物は:
a) 配列番号:1を含むオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドが増幅反応にかけられる場合にオリゴヌクレオチドが配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するように、少なくとも10個の連続した配列番号:1のヌクレオチド、またはその相補鎖に少なくとも90%同一である配列を含む、少なくとも一つのオリゴヌクレオチド;
b) 少なくとも10個の連続した配列番号:1のヌクレオチドまたはその相補鎖に少なくとも90%同一である配列を含む、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチド;
c) オリゴヌクレオチドおよびTERCまたはTERT mRNAが増幅反応にかけられる場合にオリゴヌクレオチドがTERCまたはTERT mRNAの少なくとも断片の増幅を誘導するように、少なくとも10個の連続した:
i) ヒトテロメラーゼRNA(TERC);
ii) ヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)mRNA;
iii) TERCの相補鎖;または
iv) TERTの相補鎖;
のヌクレオチドに少なくとも90%同一である配列を含む、少なくとも一つのオリゴヌクレオチド;ならびに
d) 少なくとも10個の連続した:
i) ヒトテロメラーゼRNA(TERC);
ii) ヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)mRNA;
iii) TERCの相補鎖;または
iv) TERTの相補鎖;
のヌクレオチドに少なくとも90%同一である配列を含む、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチド、
を含む。
いくつかの態様において、配列番号:1を含むオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドが増幅反応にかけられる場合にオリゴヌクレオチドが配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するように、反応混合物は少なくとも10個の連続した配列番号:1のヌクレオチド、またはその相補鎖に少なくとも90%同一である配列を含む少なくとも二つの異なるオリゴヌクレオチドを含み;オリゴヌクレオチドおよびTERCまたはTERT mRNAが増幅反応にかけられた場合にオリゴヌクレオチドがTERCまたはTERT mRNAの少なくとも断片の増幅を誘導するように、少なくとも二つの異なるオリゴヌクレオチドは少なくとも10個の連続した:
i) ヒトテロメラーゼRNA(TERC);
ii) ヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)mRNA;
iii) TERCの相補鎖;または
iv) TERTの相補鎖;
のヌクレオチドに少なくとも90%同一である配列を含む。
いくつかの態様において、反応混合物は逆転写酵素をさらに含む。いくつかの態様において、反応混合物は熱安定性DNAポリメラーゼをさらに含む。いくつかの態様において、反応混合物は蛍光部分を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドをさらに含む。いくつかの態様において、反応混合物は消光部分を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドをさらに含む。
また、本発明は個体由来の生物試料中のSENP1およびテロメラーゼの量の測定を提供する。いくつかの態様において、SENP1の量は試料中のSENP1をコードするポリヌクレオチドを検出することにより検出される。いくつかの態様においてポリヌクレオチドはRNAである。
いくつかの態様において、ポリヌクレオチドの配列が決定される。いくつかの態様において、該検出工程は増幅反応でのポリヌクレオチドの増幅工程を含む。いくつかの態様において、増幅反応の際にオリゴヌクレオチドが配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するように、増幅反応は、少なくとも10個の連続した配列番号:1のヌクレオチドまたはその相補鎖に少なくとも90%同一である配列を含む、少なくとも二つの異なるオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、増幅反応は定量的な増幅反応である。いくつかの態様において、増幅反応の増幅反応産物は、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドの産物に対するハイブリダイズを含む工程で検出される。いくつかの態様において、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドは蛍光部分を含む。いくつかの態様において、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドは消光部分を含む。いくつかの態様において、増幅反応は、ポリメラーゼが検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを断片化し得る条件下で、5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を有する鋳型依存的な核酸ポリメラーゼを含む。
いくつかの態様において、増幅反応は逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)である。いくつかの態様において、RT-PCR反応は定量的RT-PCR反応である。
いくつかの態様において、ポリヌクレオチドの量は標準化される。
いくつかの態様において、SENP1の量は試料中のSENP1ポリペプチドを検出することにより測定される。いくつかの態様において、該ポリペプチドは、ポリペプチドを抗体と接触させることにより検出される。
いくつかの態様において、SENP1はSENP1活性を検出することで検出される。
いくつかの態様において、テロメラーゼはテロメラーゼ活性を検出することで検出される。いくつかの態様において、テロメラーゼ活性は2つ以上のTTAGGの繰り返しを含むオリゴヌクレオチドの伸長を検出することで検出される。
いくつかの態様において、テロメラーゼは試料中のテロメラーゼの成分を検出することで検出される。いくつかの態様において、該成分は、ヒトテロメラーゼRNA(TERC)である。いくつかの態様において、該成分はヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)である。
いくつかの態様において、テロメラーゼはヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)mRNAを検出することで検出される。
いくつかの態様において、該方法は、多重化増幅反応でSENP1ポリヌクレオチドおよびテロメラーゼポリヌクレオチドを増幅することを含む。いくつかの態様において、テロメラーゼポリヌクレオチドはヒトテロメラーゼRNA(TERC)である。いくつかの態様において、テロメラーゼポリヌクレオチドはヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)mRNAである。
いくつかの態様において、該方法は、試料中のSENP1およびテロメラーゼの量と、非癌細胞のSENP1およびテロメラーゼ量を示すSENP1標準およびテロメラーゼ標準を比較することをさらに含む。いくつかの態様において、該標準は予め測定された値である。
いくつかの態様において、個体はヒトである。
いくつかの態様において、生物試料としては体液が含まれる。いくつかの態様において、体液は血液である。いくつかの態様において、体液は尿である。いくつかの態様において、試料は組織生検由来である。いくつかの態様において、該方法は個体から生物試料を得ることをさらに含む。
いくつかの態様において、個体は癌を有するか、または有すると疑われる。
いくつかの態様において、癌は膀胱癌である。
いくつかの態様において、方法は個体中の癌の有無の診断を記録することをさらに含む。いくつかの態様において、方法は、癌治療の予後および/または個体の生存を記録することをさらに含む。いくつかの態様において、方法は個体における癌の予後を記録することをさらに含む。これらの態様のいくつかにおいて、癌は膀胱癌である。
定義
「SENP1」はセントリン(sentrin)/SUMO特異的プロテアーゼポリペプチド、またはポリペプチドをコードしたポリヌクレオチドについて言う。具体的なSENP1ポリヌクレオチドとしては、例えばGenbank受託番号NM_014554(配列番号:1)が挙げられる。具体的なSENP1ポリペプチドとしては、例えばGenbank受託番号NP_055369(配列番号:2)として表されるポリペプチドが挙げられる。「SENP1」としては、本明細書中に具体的に提供される本配列の対立遺伝子バリアント、ならびにその断片および変異体が包含されることを意図する。SENP1ポリヌクレオチドは、一般的に、配列番号:1に少なくとも90%、95%または99%同一であるか、配列番号:2をコードするDNA配列に少なくとも90%、95%または99%同一である。SENP1ポリヌクレオチドとしては、例えばSENP1ポリペプチドをコードするmRNAならびにSENP1ポリペプチドをコードするDNA配列(例えばcDNAまたはゲノムDNA)が挙げられる。SENP1ポリペプチドは、一般的に配列番号:2に少なくとも90%、95%または99%同一である。
「テロメラーゼ」は、染色体の末端(テロメア)を維持するリボタンパク質複合体、またはリボタンパク質の構成物をコードするポリヌクレオチドについて言う。Shippen-Lentzら, Science 247 (1990) 546;Greidenら, Nature 337 (1989) 331参照。テロメラーゼには二つの主要なコンポーネント:テロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(遺伝子TERTにコードされる)およびテロメラーゼRNAコンポーネント(遺伝子TERCにコードされる)が含まれる。対応するヒトコンポーネントはTERT(例えばヌクレオチド配列:NM_003219(配列番号:4)にコードされる、例えばタンパク質配列:NP_003210(配列番号:3))およびTERC(NR_001566(配列番号:5))として公知である。TERTをコードするRNAのスプライシングバリアントが、本定義に包含されることが意図される。
「複数の薬剤を細胞に接触させること」は、少なくとも二つの薬剤を一つまたは複数の細胞に接触させることについて言う。複数の薬剤を単一の細胞または細胞のプールに接触させ得る一方で、該語句は、例えば各細胞または細胞のプールが単一の薬剤と接触するように、第一の薬剤を第一の細胞または細胞のプールに、第二の薬剤を第二の細胞または細胞のプールに接触させる工程も包含する。
「SENP1またはテロメラーゼの量を測定すること」は、当業者に公知である任意の技術を用いて、SENP1もしくはテロメラーゼポリペプチドもしくはポリヌクレオチド(例えば構造RNA、mRNAまたはcDNA)、または試料中のSENP1もしくはテロメラーゼ活性の量を定量する工程について言う。
「新生物(neoplastic)表現型」は、新生細胞(neoplastic cell)の表現型について言う。具体的な表現型としては、例えばソフトアガー上の細胞の生育;足場非依存性;接触阻害および/または成長密度制限の減少;細胞増殖;細胞の形質転換;成長因子または血清の非依存性;腫瘍特異的マーカーレベルの蓄積;Matrigelへの侵襲性;インビボでの腫瘍の成長と転移;転移している細胞のmRNAおよびタンパク質の発現パターン;ならびに癌細胞の他の特性が挙げられる。
「増幅反応」は、鋳型核酸配列のコピー数の増加または鋳型核酸の存在を示すシグナルの増加を生じる任意の反応(例えば化学的または酵素的)について言う。「選択的な増幅」または「選択的に増幅すること」は、配列の集団中の特定の配列の増幅について言う。
用語「生物試料」には、単一の生物から得られる種々の試料タイプが包含され、これは診断アッセイまたはモニタリングアッセイに使用され得る。該用語としては、尿、尿沈渣、血液、唾液、および生物起源の他の液体試料、生検標本または組織培養物またはそれ由来の細胞およびその子孫細胞等の固体組織試料が包含される。該用語には、採取した後に、試薬、可溶化、堆積、または特定の成分に対する濃縮等による何らかの方法で操作を施される試料が包含される。該用語は臨床試料を包含し、細胞培養の細胞、細胞上清、細胞溶解物、血清、血漿、生物液および組織試料が含まれる。
「アンタゴニスト」は、SENP1を発現する細胞に接触させた場合にSENP1活性または発現を抑制する分子ついて言う。アンタゴニストは、SENP1に結合して部分的にまたは完全にSENP1の活性または発現を、活性阻害、減少、妨害、活性化遅延、不活性化、鈍化、またはダウンレギュレーションするような化合物である。
本明細書で用いる場合、用語「核酸」、「ヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は、プライマー、プローブ、検出されるオリゴマー断片、オリゴマー対照および非標識ブロッキングオリゴマーについて言い、一般的なポリデオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D-リボースを含む)、およびプリンもしくはピリミジン塩基または修飾されたプリンもしくはピリミジン塩基の任意の他のN-グリコシドである。
核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドには、ホスホジエステル結合か、またはホスホトリエステル、ホスホラミデート、シロキサン、カルボネート、カルボキシメチルエステル、アセトアミデート、カルバメート、チオエーテル、架橋されたホスホラミデート、架橋されたメチレンホスホネート、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホロジチオエート、架橋されたホスホロチオエートまたはスルホン結合およびかかる結合の組み合わせを含むがこれに限定されない修飾された結合が含まれ得る。該用語にはペプチド核酸(PNA)およびインターカレート核酸(intercalating nucreic acid)(INA)が包含される。
核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドには、生物学的に生じる5個の塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシンおよびウラシル)および/または生物学的に生じる5個の塩基以外の塩基が含まれ得る。これらの塩基は多くの目的、例えばハイブリダイゼーションの安定化もしくは不安定化;プローブの分解の促進もしくは抑制のため;または検出可能部分もしくは消光部分のための結合点として提供され得る。例えば、本発明のポリヌクレオチドには、一つ以上の修飾された、非標準的な、または誘導された塩基部分が含まれ、限定されないがN6-メチルアデニン、N6-タートブチルベンジルアデニン、イミダゾール、置換イミダゾール、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルケオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-メチルアデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D マンノシルケオシン、5′-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、シュードウラシル、ケオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル) ウラシル、(acp3)w、2,6-ジアミノプリン、および5-プロピニルピリミジンが挙げられ得る。修飾された、非標準的な、または誘導された塩基部分の他の例は、米国特許第6,001,611、5,955,589、5,844,106、5,789,562、5,750,343、5,728,525および5,679,785号中に見られ得、その全体が参照により本明細書中に援用される。
さらに、核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドには一つ以上の修飾された糖部分が含まれ、限定されないが、アラビノース、2-フルオロアラビノース、キシルロース、およびヘキソースが挙げられる。
本発明が核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの供給源に限定されることは意図されない。核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは、ヒトもしくは非ヒト哺乳類、または他の任意の生物、または任意の組換え供給源由来のもの、インビトロでもしくは化学合成により合成されたもの由来であり得る。核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、cDNA、DNA-RNA、ロックト核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)、それらのハイブリッドまたは任意の混合物であり得、二重鎖、単鎖または部分的に二重鎖の形態で存在し得る。本発明の核酸としては、例えば細菌等の微生物、酵母、ウイルス、ウイロイド、カビ、真菌、植物、動物、ヒト等の生物学的材料の遺伝子、染色体、プラスミド、ゲノムが挙げられる、精製されたかもしくは精製されていない形態の核酸およびそのフラグメントの両方が挙げられる。用語核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドの間の長さで区別することは意図されず、これらの用語は同意義に使用される。これらの用語は二重および単鎖DNA、ならびに二重および単鎖RNAを包含する。オリゴヌクレオチドは任意の長さであり得るが、それらは500ヌクレオチドよりも小さい、例えば5〜100、10〜100、10〜30、または15〜50ヌクレオチドを有し得る。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は本明細書中で同意義に使用され、アミノ酸残基のポリマーについて言う。該用語は、一つ以上のアミノ酸残基が天然に存在するアミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸ポリマーおよび天然に存在しないアミノ酸ポリマーに対応するものの人工的な化学的模倣物であるアミノ酸ポリマーについて適用される。
用語「アミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸および合成されたアミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣物について言う。天然に存在するアミノ酸は、遺伝的なコードによりコードされるもの、ならびに後に修飾されるアミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、γカルボキシグルタメート、およびO-ホスホセリンである。アミノ酸類似体は、天然に存在するアミノ酸と同一の基本的化学構造、すなわち水素に結合するα炭素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基を有する化合物、例えばホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムについて言う。かかる類似体は、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同一の基本的化学構造を保持する。アミノ酸模倣物は、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なるが、天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能する構造を有する化合物について言う。
本明細書中で、アミノ酸は、IUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionに推奨され、一般的に公知である三文字記号かまたは一文字記号のいずれかで言及され得る。同様に、ヌクレオチドは一般的に許容される一文字コードで言及され得る。
語句「選択的に(または特異的に)ハイブリダイズする」は、結合、二重鎖形成、または複合体混合物(例えば、全細胞のまたはライブラリーDNAもしくはRNA)中に配列が存在する場合、ストリンジェントなハイブリダイズ条件下での、特定のヌクレオチド配列への分子の優先的なハイブリダイズ(例えば、ハイブリダイズしている分子の少なくとも50%)について言う。プライマーがポリヌクレオチドの複合体混合物(例えば細胞から単離された)を含む反応液混合物中で鋳型を増幅して、少なくとも最も主要な増幅産物であり好ましくは反応の唯一の有意な(例えば試料中の全ての増幅産物の少なくとも90〜95%を示す)増幅産物である増幅産物を生成する場合、ポリヌクレオチドプライマーは増幅反応液中で(例えば約60℃のアニーリング温度で)ポリヌクレオチド鋳型に特異的にハイブリダイズする。
語句「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、プローブが核酸の複合体混合物中のその標的配列に優先的にハイブリダイズする条件について言う。ストリンジェントな条件は配列依存的であり、異なる環境下で異なる。より長い配列はより高い温度で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションについての広範なガイドは、Tijssen, Techniques in Biochemistry and Molecular Biology--Hybridization with Nucleic Probes, 「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid assays」 (1993)に見られる。一般的に、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度pHで特異的な配列の熱融点(Tm)より約5〜10℃低く選択される。Tmは、標的に対して相補的なプローブの50%が平衡状態で標的配列にハイブリダイズする温度である(規定のイオン強度、pH、核酸濃度で)(Tmで標的配列が過剰に存在する場合プローブの50%が平衡状態で占有される)。ストリンジェントな条件はpH7.0〜8.3で、塩濃度が約1.0Mナトリウムイオン未満で、典型的に約0.01〜1.0Mナトリウムイオン濃度(または他の塩)であり、温度が短いプローブ(例えば10〜50ヌクレオチド)に対して少なくとも約30℃で長いプローブ(例えば50ヌクレオチドより大きい)に対して約60℃である。また、ストリンジェントな条件はホルムアミド等の脱安定化剤の添加により達成され得る。選択的または特異的なハイブリダイゼーションについて、陽性のシグナルはバックグラウンドの少なくとも2倍、随意にバックグラウンドハイブリダイゼーションの10倍である。例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、以下の通りであり得る:50%ホルムアミド、5xSSC、1%SDS、42℃でインキュベーション、または5xSSC、および1%SDS、65℃でインキュベーション後、0.2xSSC、および0.1%SDS、65℃で洗浄。
ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸であっても、それらがコードするポリペプチドが実質的に同一であれば、それらの核酸は実質的に同一である。これは、例えば、遺伝コードによって許容される最大のコドン縮重を用いて核酸のコピーが生成される場合に起こる。かかる場合においては、核酸は、典型的には中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする。例示的な「中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」としては、40%ホルムアミド、1 M NaCl、1%SDSのバッファ中で37℃のハイブリダイゼーション、および1X SSC中45℃での洗浄が挙げられる。陽性のハイブリダイゼーションは、少なくともバックグラウンドの2倍である。当業者は、代替的なハイブリダイゼーションおよび洗浄条件を利用して同様のストリンジェンシーの条件を提供し得ることを容易に認めるであろう。
PCRに関しては、プライマーの長さに依存してアニーリング温度は約32℃〜48℃の間で変化してもよいが、約36℃の温度が低ストリンジェンシー増幅に典型的である。高ストリンジェンシーPCR増幅に関しては、高ストリンジェンシーアニーリング温度はプライマーの長さおよび特異性に依存して約50℃〜約60℃までの範囲であり得るが、約62℃の温度が典型的である。高ストリンジェンシー増幅および低ストリンジェンシー増幅の両方の例示的なサイクル条件としては、90℃〜95℃で約30秒〜約2分の変性期、50℃〜70℃で約5秒〜約2分のアニーリング期、および約70℃で約1分〜約5分の伸長期が挙げられるが、これらに限定されない。
「抗体」は、抗原に特異的に結合および認識する免疫グロブリン遺伝子またはその断片由来のフレームワーク領域を含むポリペプチドをいう。認識される免疫グロブリン遺伝子としては、κ、λ、α、γ、δ、εおよびμ定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が挙げられる。軽鎖は、κまたはλのいずれかとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δまたはεとして分類され、これらは、次いでそれぞれ免疫グロブリンクラスIgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEを定義する。
例示的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、四量体を含む。各四量体は、2つの同一な対のポリペプチド鎖から構成され、各対は、1つの「軽」(約25 kDa)および1つの「重」鎖(約50〜70 kDa)を有する。各鎖のN末端は、抗体認識に主に関与する約100〜110個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を定義する。用語、可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)はそれぞれ、これらの軽鎖および重鎖をいう。
抗体は、例えば、インタクトな免疫グロブリンとして、または種々のペプチダーゼでの消化によって生成された、多くの十分特徴付けられた断片として、存在する。従って、例えば、ペプシンは、ヒンジ領域におけるジスルフィド結合の下で抗体を消化して、それ自身はジスルフィド結合によってVH-CH1に連結された軽鎖であるFabのダイマー、F(ab)'2を生じる。F(ab)'2は、穏やかな条件下で還元されてヒンジ領域におけるジスルフィド結合を断裂し、それによってF(ab)'2ダイマーをFab'モノマーに変換し得る。Fab'モノマーは、本質的に、ヒンジ領域の一部を有するFabである(Fundamental Immunology (Paulら、第3版、1993年)参照)。インタクトな抗体の消化に関して種々の抗体断片が定義されるが、当業者は、かかる断片が化学的に、または組み替えDNA方法論を用いることによってのいずれかでデノボ合成され得ることを理解するであろう。このように、用語、抗体はまた、本明細書中で使用される場合、抗体全体の修飾によって生成された抗体断片、もしくは組み替えDNA方法論を用いてデノボ合成されたもの(例えば、単鎖Fv)、またはファージディスプレイライブラリーを用いて同定されたもの(例えば、McCaffertyら、Nature 348 (1990) 552-554参照)のいずれかも含む。
モノクローナルまたはポリクローナル抗体の調製のために、当該分野で公知の任意の技術を用い得る(例えば、KohlerおよびMilstein、Nature 256 (1975) 495-497;Kozborら、Immunology Today 4 (1983) 72;Coleら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy (1985)中、pp. 77-96参照)。単鎖抗体の生成の技術(米国特許第4,946,778号)を適合させて、本発明のポリペプチドに対する抗体を生成し得る。また、トランスジェニックマウス、または他の哺乳動物等の他の生物を用いて、ヒト化抗体を発現してもよい。あるいは、ファージディスプレイ技術を用いて、選択された抗原に特異的に結合する、抗体、およびヘテロマーのFab断片を同定し得る(例えば、McCaffertyら、Nature 348 (1990) 552-554;Marksら、Biotechnology 10 (1992) 779-783参照)。
用語、抗体に「特異的に(または選択的に)結合する」、またはタンパク質もしくはペプチドに関する場合これと「特異的に(または選択的に)免疫反応性がある」は、タンパク質および他の生物製剤の不均一な集団におけるタンパク質の存在に限定的な結合反応をいう。したがって、特定された抗体は、バックグラウンドの少なくとも2倍、特定のタンパク質に結合し、実質的に、有意な量で、試料中に存在する他のタンパク質に結合しない。かかる条件下での抗体への特異的結合は、特定のタンパク質に対する特異性に関して選択された抗体を必要とし得る。例えば、SENP1に対して惹起されたポリクローナル抗体を選択して、SENP1に特異的に免疫反応性があって、SENP1の多型バリアントおよび対立遺伝子を除く他のタンパク質とは免疫反応性のないポリクローナル抗体だけを得ることができる。この選択は、他の種由来のSENP1分子と交差反応するかまたは非SENP1タンパク質と交差反応する抗体を引き抜くことによって成され得る。種々のイムノアッセイ形式を用いて、特定のタンパク質と特異的に免疫反応性のある抗体を選択し得る。例えば、固相ELISAイムノアッセイを通法により用いて、タンパク質に特異的に免疫反応性のある抗体が選択される(例えば、HarlowおよびLane, Antibodies, A Laboratory Manual (1988)の、特異的免疫反応性を測定するのに用いられ得るイムノアッセイの形式および条件の記載について参照)。典型的には、特異的または選択的反応は、バックグラウンドシグナルまたはノイズの少なくとも2倍、より典型的にはバックグラウンドの10〜100倍より大きくなる。
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列に関連して、用語「同一な」または「100%の同一性」は、同じ配列である2つ以上の配列または部分配列をいう。比較ウインドウ、または以下の配列比較アルゴリズムの1つを用いてもしくは手作業のアラインメントおよび目視検査によって測定した設計された領域にわたる、最大の類似性について比較およびアラインメントしたときに、2つの配列が特定のパーセンテージの、同じであるアミノ酸残基またはヌクレオチドを有する場合(すなわち、特定の領域にわたって、または特定されない場合、配列全体にわたって、60%の同一性、任意に65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%の同一性)、2つの配列は「実質的に同一」または一定のパーセントの同一性である。本発明は、SENP1ポリヌクレオチドもしくはテロメラーゼポリヌクレオチドまたはそれらの相補鎖の、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、40、50またはそれ以上の連続したヌクレオチドに実質的に同一なオリゴヌクレオチドを提供する。
配列比較については、典型的には1つの配列が参照配列として機能し、これに対して試験配列を比較する。配列比較アルゴリズムを用いた場合、試験および参照配列はコンピューターに入力され、部分配列の同等なものが指定され、必要に応じて、配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。デフォルトプログラムパラメーターを用いるか、または代替的パラメーターを指定し得る。配列比較アルゴリズムは、次いで、プログラムパラメーターに基づき、参照配列に対する試験配列の配列同一性パーセントを計算する。
本明細書中で使用される場合、「比較ウインドウ」は、2つの配列が任意にアラインメントされた後に同じ数の連続した位置の参照配列と配列が比較され得る、5から600まで、通常は約10〜約100、より通常には約15〜約50からなる群より選択される連続した位置の数のうちいずれか1つのセグメントについていうことを含む。比較のための配列のアラインメントの方法は、当該分野で周知である。比較のための配列の最適なアラインメントは、例えば、SmithおよびWaterman, Adv. Appl. Math. 2 (1970) 482cの局所的相同性アルゴリズムによって、NeedlemanおよびWunsch, J. Mol. Biol. 48 (1970) 443の相同性アラインメントアルゴリズムによって、PearsonおよびLipman, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85 (1988) 2444の類似性検索方法によって、これらのアルゴリズムのコンピューター化された実行(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)によって、または手作業のアラインメントおよび目視検査(例えば、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology (1995別冊)参照)によって、行われ得る。
配列同一性パーセントおよび配列類似性の測定に適切なアルゴリズムの2つの例は、BLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムであり、これらはそれぞれ、Altschulら、Nuc. Acids Res. 25 (1977) 3389-3402、およびAltschulら、J. Mol. Biol. 215 (1990) 403-410に記載されている。BLAST解析を行うためのソフトウエアは、国立バイオテクノロジー情報センターを通して公的に利用可能である。このアルゴリズムは、データベース配列における同じ長さの単語とアラインメントしたときにいくらかの正の値の閾値スコアTに符合するかまたは満たすかのいずれかである、問い合わせ配列における長さWの短い単語を同定することによって、ハイスコアの配列対(HSP)をまず同定することを含む。Tは、近隣の単語のスコア閾値と呼ばれる(Altschulら、上掲)。これらの最初の近隣の単語のヒットは、それらを含むより長いHSPを見つけるための検索を開始するための種として作用する。単語のヒットは、累積アラインメントスコアが増加し得る限り、各配列に沿って両方向に拡張される。
累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パラメーターM(適合する残基の対に対する報酬スコア;常に>0)およびN(ミスマッチ残基に対するペナルティスコア;常に<0)を用いて計算される。アミノ酸配列については、スコアリングマトリクスを用いて累積スコアが計算される。各方向への単語のヒットの拡張は、累積アラインメントスコアがその最大の得られた値から量Xだけ減少した場合;1つ以上の負のスコアの残基アラインメントが蓄積したために累積スコアがゼロ以下になった場合;またはいずれかの配列の末端に達した場合に停止される。BLASTアルゴリズムパラメーターW、TおよびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列について)は、デフォルトとして、11の単語の長さ(W)、10の期待値(E)、M=5、N=4および両方の鎖の比較を用いる。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、3の単語の長さ、および10の期待値(E)、ならびに50のBLOSUM62スコアリングマトリクス(HenikoffおよびHenikoff、Proc., Natl. Acad. Sci. USA 89 (1989) 10915参照)アラインメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=4、ならびに両方の鎖の比較を用いる。いずれのプログラムも、低複雑性フィルター「オフ」で行われる。
BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列の間の類似性の統計的解析も行う(例えば、KarlinおよびAltschul、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 (1993) 5873-5787参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される、類似性の1つの尺度は、最小の合計確率(P(N))であり、これは2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列の間の適合が偶然起こる確率の指標を提供する。例えば、参照核酸に対する試験核酸の比較における最小の合計確率が約0.2未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、核酸は参照配列に類似していると見なされる。
(発明の詳細な説明)
I. 序論
所定の癌の型の全ての腫瘍が検出可能なレベルのテロメラーゼ活性を含むわけではない。例えば、Shay, J.W.およびBacchetti, S. Eur. J. Cancer, 33 (1997) 787-791;Yan, P.ら、Cancer Res. 59 (1999) 3166-3170を参照のこと。一般に、種々の型の腫瘍の50〜100%が、測定可能なテロメラーゼ活性を有する(Bryan, T.M., Nature Medicine 3 (1997) 1271-1274;Kim, N.W.ら、Science 266 (1994) 2011-2015;Bacchetti, S.およびCounter, C.M. Int. J. Oncology 7 (1995) 423-432)。そのため、このようにテロメラーゼ活性を検出できないことは、低いレベルを測定できないためであり得るが、テロメラーゼの発現は癌を引き起こすのに十分であり得るがこれは必ずしも必要ではない、という可能性の方が高い。つまり、いくつかの腫瘍は、活性のあるテロメラーゼを発現し得ない。実際、いくつかの不死化細胞系および腫瘍はテロメラーゼなしにテロメアを維持できることがわかっている。例えば、Bryanら、Nature Medicine 3 (1997) 1271-1274;Scheel, C.およびPoremba, C. Virchows Arch 440 (2002) 573-582;McEachern, M.J.ら、Annu. Rev. Genet. 34 (2000) 331-358を参照のこと)。少なくともいくつかの場合において、このテロメアの代替的な延長(ALT)は相同組み換えによって起こる(Dunham, M.A.ら、Nature Genetics 26 (2000) 447-450)。上皮細胞は、繊維芽細胞よりも、ALTによって不死化される頻度がかなり低いと思われる(Bryan, T.M.ら、Nature Medicine 3 (1997) 1271-1274);Mehle, C.ら、Oncogene 13 (1996) 161-166)。
興味深いことに、癌は、原点においては主に上皮であり、これは一般に、テロメラーゼ陽性の腫瘍の高いパーセンテージを占め得る。しかしながら、いくつかの患者の集団における腫瘍のテロメアがテロメラーゼ非依存性機構によって維持される場合、これは、癌の再発を診断またはモニタリングするよう設計された任意のテロメラーゼベースのアッセイについて得ることができる感度の上限を設定する。ある種の腫瘍は、テロメラーゼを唯一の癌マーカーとして用いた検出を免れるであろう。
発明者らは、テロメラーゼを発現しない腫瘍を検出する方法の必要性を認識した。本発明は、部分的に、SENP1の発現の増加が、検出可能なテロメラーゼレベルを有さない癌を同定するのに有用なマーカーであるという発見に基づく。このように、試料中のSENP1およびテロメラーゼの両方を検出することによって、有意な数の癌を検出することができる。したがって、本発明は、試料中のSENP1およびテロメラーゼの量を測定することによって生物試料中の癌細胞の存在を検出する方法を提供する。
また、本発明は、部分的に、SENP1の発現の増加が、例えば膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、小腸癌および膀胱癌を含む癌を同定するのに有用なマーカーであるという発見に基づく。さらに、発明者らは、SENP1およびテロメラーゼの両方をマーカーとして使用することによって、いずれかのマーカーを単独で使用するよりも、選択された癌の検出に、より高い感度および特異性が見込まれ得ることを示した。したがって、本発明は、試料中の、SENP1および任意にテロメラーゼの量を測定することによって生物試料中の癌細胞の存在を検出する方法を提供する。このように、本発明のいくつかの態様において、SENP1およびテロメラーゼの両方が検出され、ここで、いずれかのマーカーの増加が、例えば膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、小腸癌、または膀胱癌の存在を示す。
本発明は、組み換え遺伝学の分野の通法の技術に依存する。本発明における使用の一般的な方法を開示している基礎的なテキストとしては、Sambrookら、Molecular Cloning, A Laboratory Manual(第3版、2001年);Kriegler, Gene Transfer and Expression: A laboratory Manual (1990);およびCurrent Protocols in Molecular Biology (Ausubelら編、2002年)が挙げられる。
II. SENP1および/またはテロメラーゼの検出および定量
本発明は、連続したまたは同時の、1つまたは複数のアッセイにおける、当業者に公知の、SENP1および/もしくはテロメラーゼポリヌクレオチド(SENP1 mRNA、SENP1 cDNA、TERT mRNA、TERT cDNA、TERC RNA、TERC cDNA等を含む)ならびに/またはSENP1および/もしくはテロメラーゼポリペプチドならびに/またはSENP1および/もしくはテロメラーゼの活性を定量する任意の方法を提供する。SENP1の検出またはテロメラーゼ検出の例示的なアプローチとしては、例えば、(a)ポリヌクレオチドハイブリダイゼーションおよび/または増幅反応ベースのアッセイを使用することを含む、SENP1またはテロメラーゼポリヌクレオチドの検出;(b)SENP1もしくはテロメラーゼのポリペプチドもしくはポリヌクレオチドに特異的に結合する薬剤を含む親和性薬剤ベースのアッセイを使用することを含む、SENP1またはテロメラーゼタンパク質の検出;ならびに/または(c)SENP1またはテロメラーゼ活性の検出、が挙げられる。これらの方法の全ては、それに続く直接または間接的な、検出された標的、すなわちSENP1およびテロメラーゼの定量を可能にする。
典型的には、ここで検出される癌関連SENP1ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、配列番号:1に対して、または配列番号:2をコードするポリヌクレオチドに対して、または例えばGenBankから入手可能な1つ以上のSENP1配列に対して(例えば、NM_014554のSENP mRNA配列およびNP_055369のSENP1ポリペプチド参照)、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上同一である。同様に、ここで検出されるテロメラーゼポリヌクレオチド(例えば、TERT RNAまたはTERC)またはポリペプチド(例えば、TERT)は、テロメラーゼポリヌクレオチドまたはポリペプチドに対して、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上同一である。検出されるSENP1またはテロメラーゼのポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、癌関連ポリヌクレオチドもしくはポリペプチド、またはその任意のバリアント、誘導体、もしくは断片の機能的または非機能的形態を表し得る。典型的には、生物試料中の癌関連ポリヌクレオチドまたはポリペプチドのレベルおよび/または存在が検出される。
テロメラーゼ発現を検出する方法としては、SENP1の検出に用いられるのと同じ型の方法(例えば、テロメラーゼおよびSENP1両方のポリヌクレオチドが検出される)または異なる方法(例えば、SENP1ポリヌクレオチドおよびテロメラーゼ活性が検出される)を挙げることができる。しかしながら、使用者の便宜上、テロメラーゼおよびSENP1の両方に、同じ検出アッセイを使用するのが望ましい。例えば、いくつかの態様において、定量多重逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)反応を用いて、試料中のSENP1およびテロメラーゼ両方の発現を定量し得る。いくつかの態様においては、リアルタイム定量的RT-PCRが行われる。
A. mRNA発現の検出
検出アッセイは、単離されたmRNAから生じたmRNAまたはcDNAを含有する調製物に関して、試料中のmRNA転写産物の相対レベルを反映するように行われ得る。テロメラーゼRNAを検出する方法は記載されており、SENP1の検出に一般に適応され得る。例えば、米国特許第6,582,964号;第5,846,723号;第6,607,898号;米国特許公開第2002/0012969号;およびAngelopoulouら、Anticancer Res. 23 (2003) 4821-4829を参照のこと。
1. 増幅ベースのアッセイ
a. 検出方法
いくつかの態様において、RNAのレベルは、PCR等の増幅反応を用いて測定され得る。例えば、1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーを使用することにより、SENP1ポリヌクレオチドのある領域(例えば、SENP1またはテロメラーゼcDNA)を増幅し得る。本発明に有用な増幅反応としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびリガーゼ連鎖反応(LCR)(米国特許第4,683,195号および第4,683,202号;PCR Protocols. A Guide to Methods and Applications (Innisら編、(1990))参照、鎖置換増幅(SDA)(Walkerら、Nucleic Acids Res. 20 (1992) 1691-1696;Walker, PCR Methods Appl 3 (1993) 1-6)、転写媒介増幅(Phyfferら、J. Clin. Microbiol. 34 (1996) 834-841;Vuorinenら、J. Clin. Microbiol. 33 (1995) 1856-1859)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)(Compton, Nature 350 (1991) 91-92)、ローリングサークル増幅(RCA)(Lisby, Mol. Biotechnol. 12 (1999) 75-99);Hatchら、Genet. Anal. 15 (1999) 35-40)分枝DNAシグナル増幅(bDNA)(例えば、Iqbalら、Mol. Cell Probes 13 (1999) 315-320参照)およびQ-βレプリカーゼ(Lizardiら、Bio/Technology 6 (1988) 1197)が挙げられるが、これらに限定されない。
任意の型の増幅反応が用いられ得るが、いくつかの態様においては、PCRを用いてDNA鋳型が増幅される。PCRプライマーは、典型的には、例えばPCR反応において使用される条件下で、SENP1ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするように設計される。例えば、プライマーは、典型的には、(限定されないが、50 mMビシン、pH 8.0、115 mM酢酸カリウム、8%グリセロール、3 mM酢酸マンガン、各200 uMのデオキシアデノシン三リン酸、デオキシシチジン三リン酸、デオキシグアノシン三リン酸、および500 uMのデオキシウリジン三リン酸、2単位のウラシルN-グリコシラーゼ(UNG)、10単位のDNAポリメラーゼ、各200 nMのフォワードおよびリバースプライマー、ならびに任意にポリヌクレオチドプローブを含有するもの等の)標準的なPCRバッファ中、約60℃でハイブリダイズする。一般に、プライマーは、有意な相同性、または生物試料中(例えば、ヒトゲノム中)でよく見られる他のポリヌクレオチドへのハイブリダイゼーションを避けるよう、設計および/または試験される。増幅の代替的な方法(例えば、LCR、SDA、RCA、Q-β等)は記載されており、これらを使用することもできる。
いくつかの態様において、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を用いてSENP1またはテロメラーゼRNAを検出し得る。RT-PCR法は、当業者に周知である(例えば、Current Protocols in Molecular Biology (Ausubelら編、2002年)参照)。
SENP1ポリヌクレオチドの検出に使用される増幅方法は、例えば、定量RT-PCRを含むリアルタイムPCR等の、定量PCR方法論を含み得る。定量増幅の方法は、例えば、米国特許第6,180,349号;第6,033,854号;および第5,972,602号に、ならびに、例えば、Gibsonら、Genome Research 6 (1996) 995-1001;DeGravesら、Biotechniques 34 (2003) 106-110, 112-115;Deiman B.ら、Mol Biotechnol. 20 (2002) 163-179)に開示されている。
試料中の特定のRNAの量を定量するために、目的の遺伝子を含むプラスミドのランオフ転写から標準曲線を作成し得る。標準曲線は、アッセイにおいて用いられる初期cDNA濃度に関連する、リアルタイムPCRで測定された閾値(Ct)値を用いて作成し得る。また、標準曲線は、標準的ポリヌクレオチド(例えば、以前に定量された配列)に関して作成し得る。これにより、比較目的のための標準の量に対する生物試料の初期RNA含有量の標準化が可能になる。例えば、The PCR Technique: Quantitative PCR, J. Larrick(編)1997)を参照のこと。
増幅産物の検出のためのある方法は、(例えばCOBAS TaqMan 48 AnalyzerTM(Roche Molecular Systems, Pleasanton, CA)を用いた)5'ヌクレアーゼPCRアッセイである。例えば、Hollandら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88 (1991) 7276-7280;Leeら、Nucleic Acids Res. 21 (1993) 3761-3766;米国特許第6,214,979号;第5,804,375号;第5,487,972号;および第5,210,015号を参照のこと。このアッセイは、増幅反応の間の、ハイブリダイゼーション、および二重標識された蛍光発生プローブの切断によって、特定のPCR産物の蓄積を検出する。蛍光発生プローブは、蛍光レポーター色素および消光色素の両方で標識された、(例えば、SENP1もしくはテロメラーゼのポリヌクレオチドまたはその相補鎖にハイブリダイズする)オリゴヌクレオチドからなり得る。PCRの間に、このプローブは、増幅されているセグメントにハイブリダイズした場合に、DNAポリメラーゼの5'-ヌクレアーゼ活性によって切断され、切断されるのはその場合のみである。プローブの切断によって、レポーター色素の蛍光強度の増加が生じる。
いくつかの態様において、5'ヌクレアーゼ活性を有する酵素は、熱安定性の熱活性化核酸ポリメラーゼである。かかる熱安定性ポリメラーゼとしては、真正細菌の属、テルムス、サーモトガおよびテルモシフォの種々の種由来の天然および組み替え形態のポリメラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、本発明の方法で用いられ得るテルムス種ポリメラーゼとしては、米国特許第5,405,774号、第5,352,600号、第5,079,352号、第4,889,818号、第5,466,591号、第5,618,711号、第5,674,738号、および第5,795,762号に記載されるような、テルムス・アクアチクス(Thermus aquaticus)(Taq)DNAポリメラーゼ、テルムス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)(Tth)DNAポリメラーゼ、テルムス種Z05(Z05)DNAポリメラーゼ、サーモトガ・マリティマ(Thrematoga maritima)DNAポリメラーゼ、サーモトガ・ネアポリタナ(Thermatoga neapolitana)DNAポリメラーゼおよびテルムス種sps17(sps17)が挙げられる。
エネルギー伝達の使用に依存する、増幅産物を検出する別の方法は、TyagiおよびKramer(Nature Biotech. 14 (1996) 303-309)によって記載されている「分子ビーコンプローブ」法であり、これはまた、米国特許第5,119,801号および第5,312,728号の主題でもある。この方法は、ヘアピン構造を形成し得るオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを使用する。ハイブリダイゼーションプローブの一方の末端(5'または3'いずれかの末端)には、供与体フルオロフォアがあり、もう一方の末端には、受容体部分がある。TyagiおよびKramerの方法の場合、この受容体部分は消光であり、つまり、供与体によって放出されたエネルギーを受容体が吸収するが、このとき、それ自身は蛍光を発しない。このように、ビーコンがヘアピン(閉じた)コンフォメーションにある場合は供与体フルオロフォアの蛍光が消光されるが、ビーコンが開いたコンフォメーションにある場合、供与体フルオロフォアの蛍光は検出可能である。PCRで使用される場合、ハイブリダイズしないままのものは蛍光を発しないが、PCR産物の鎖の一つにハイブリダイズする分子ビーコンプローブは、「開いたコンフォメーション」にあり、蛍光が検出される(TyagiおよびKramer、Nature Biotechnol. 14 (19969 303-306。その結果、PCR産物の量が増加すると蛍光の量が増加し、そのため、PCRの進行の尺度として用いられ得る。当業者は、他の定量的増幅の方法もまた利用可能であることを認めるであろう。
リアルタイムPCR法に有用な他の型のプローブとしては、Proligo, C(Boulder, CO)から「単標識」および「二重標識」形式で入手可能な、ScorpionTMプローブが挙げられる。また、Batesら、Mol. Plant Pathol. 2 (2001) 275-280も参照のこと。
さらに別の例において、本発明の2つのプライマーおよび1つのプローブを用いて、核酸配列ベースの増幅(NASBA)を用いて標的核酸を検出および定量し得る。いくつかのNASBA法において、逆転写酵素、T7 RNAポリメラーゼおよびRNアーゼHを含む、3つの酵素が用いられる。最終的な増幅産物は、検出対象の核酸とは逆の極性を有する一本鎖RNAである。増幅されたRNA産物は、いくつかの態様において、ルテニウム標識検出器プローブと共に磁性粒子に結合された標的特異的捕捉プローブ、および電気化学発光(ECL)を測定できる装置(NucliSens Reader;bioMerieux)の使用を介して検出され得る。あるいは、NASBAによって増幅されたRNAは、上述のように、増幅反応に分子ビーコンプローブを含むことによって、リアルタイムで特異的に検出され得る。本発明のプライマーおよびプローブの使用に関するさらなる手引きは、Compton, Nature 350 (1991) 91-92およびKievitsら、J. Virol. Methods 35 (1991) 273-286による論文に見ることができる。
核酸プライマーおよびプローブを用いて標的核酸を検出および定量する方法の別の例としては、ナノ粒子の使用が挙げられる。かかる方法においては、検出対象の核酸の異なる領域にハイブリダイズし得る、本発明のプライマーまたはプローブ等の2つのオリゴヌクレオチドが、ナノ粒子に共有結合される。ナノ粒子は、ハイブリダイゼーション条件下で標的核酸に接触する。核酸が存在する場合には、核酸はナノ粒子に結合されたオリゴヌクレオチドに結合し、検出され得る高分子量複合体を生じる。この複合体は、限定されることなく当業者に公知の任意の方法によって検出され得る。ある態様において、この複合体は、複合体の沈殿によって検出される。本発明のプライマーおよびプローブと共にナノ粒子を用いる方法に関するさらなる手引きは、Tatonら、Science 289 (2000) 1757-1760および米国特許第6,506,564号、第6,495,324号、第6,417,340号、第6,399,303号、および第6,361,944号に見ることができる。
さらに別の例において、ローリングサークル増幅(「RCA」)を、標的核酸を検出および定量する方法の一部として用い得る。RCA法のある態様において、DNAの環が、相補プライマーのポリメラーゼ伸長によって増幅される。本発明の任意のプライマーまたはプローブを、かかる方法に用い得る。DNAを環状化する方法は当該分野で周知であり、例えば、DNA分子の末端を、分子内ライゲーションに好都合な条件下で共にライゲートすることが挙げられる。一本鎖産物コンカテマー産物が、次いで、限定されることなく当業者に公知の任意の核酸検出方法によって検出され得る。例えば、コンカテマー産物は、本発明の検出可能に標識されたプローブを用いて検出され得る。既知の配列の核酸を検出する方法の他の例は、本明細書中に広範囲に記載されている。RCAの他の態様において、コンカテマー産物に相補的な第二のプライマーを用い得る。このプライマーによって、環状DNA鋳型に存在する配列の指数的増幅が可能になる。増幅の産物は、例えば、本発明の検出可能に標識されたプローブを用いることによっても、検出され得る。標的核酸を検出するためのRCA法における本発明のプライマーおよびプローブの使用に関するさらなる手引きは、米国特許第6,344,329号、第6,350,580号、第6,221,603号、第6,210,884号、第5,648,245号および第5,714,320号、ならびにWO95/35390に見ることができる。
かかる方法の別の例において、標的核酸は、鎖置換増幅(「SDA」)を用いて検出および定量され得る。かかる方法において、増幅された核酸は、蛍光部分、消光部分、およびこれら2つの部分を分離させる遺伝子工学で作成された制限部位を含む一本鎖プライマーの組み込みによって、検出される。SDAでの使用のために本発明の任意のプライマーまたはプローブをどのように改変するかは、当業者に容易に理解されよう。
SDAで用いられる第一の増幅反応において、例えばチオdCTPの存在下で、プライマーを用いて標的核酸が増幅され、それによって、プライマーが増幅産物に組み込まれる。次いで、制限エンドヌクレアーゼを用いて、プライマーの制限部位にニックを入れ得る。制限エンドヌクレアーゼは、増幅産物にチオdCTPが組み込まれているために、増幅産物の両方の鎖を切断することができない。最後に、ニックによって生じたプライマーの3'末端を用いて、新しい重合反応が開始されるようになり得、それによって、鋳型鎖からニックに対する鎖の3'の部分に置換し得る。鎖の置換によって蛍光部分が消光部分から分離され、それによって、蛍光部分によって発光される蛍光の消光が妨げられる。SENP1またはテロメラーゼポリヌクレオチドは、そのため、蛍光の存在および/または量を測定することによって、検出および/または定量され得る。SDAでの使用のためのプライマーおよびプローブの選択および改変に関するさらなる手引きは、Littleら、Clin. Chem. 45 (1999) 777-784、および米国特許第6,528,254号および第6,528,632号に見ることができる。
別の例において、SENP1またはテロメラーゼポリヌクレオチドは、転写媒介増幅(「TMA」)を用いて検出および定量され得る。TMAは、RNAポリメラーゼおよび逆転写酵素を用いて検出対象の核酸を増幅するRNA転写増幅系である。この方法において、RNAポリメラーゼのためのプロモーターを有する本発明のプライマーを用いて、標的RNAの逆転写が開始されるようになる。次いで、逆転写酵素のRNアーゼ活性によってRNA鋳型が分解され、cDNA鎖が遊離する。第二の鎖合成は、本発明の第二のプライマーによって開始されるようになり、逆転写酵素によって触媒される。次いで、RNAポリメラーゼが、第二の鎖で合成されたプロモーターを認識し、第二の鎖からの複数のサイクルのRNA転写を触媒する。次いでRNA産物は、検出され得るか、別の回の増幅のための鋳型として提供され得る。
TMAのRNA産物は、次いで当業者に公知の任意の方法によって検出および定量され得る。ある態様において、RNA産物は、本発明のプローブで検出され得る。他の態様において、RNA産物は、アクリジン−エステル標識(Gen-Probe, Inc., San Diego, CA)で標識された本発明のプローブで検出され得る。かかる標識は、ハイブリダイズしていないプローブから化学的に除去され得るが、ハイブリダイズしたプローブでは標識は妨げられないままである。このように、かかる態様において、標的核酸の存在は、アクリジン−エステル標識の存在を検出することによって検出され得る。TMAベースの方法における本発明のプライマーおよびプローブの使用におけるさらなる手引きは、Arnoldら、Clin. Chem. 35 (1989) 1588-1594;Millerら、J. Clin. Microbiol. 32 (1994) 393-397;ならびに米国特許第6,335,166号および第6,294,338号に見ることができる。
他の態様において、核酸にハイブリダイズして核酸を検出し得る単一の核酸プライマーまたはプローブを用いる、当業者に公知の任意のアッセイを用いて、SENP1またはテロメラーゼポリヌクレオチドを検出し得る。例えば、SENP1またはテロメラーゼポリヌクレオチドは、プライマー伸長反応を開始させるプライマーを用いて検出され得る。核酸ポリメラーゼによるプライマーの好結果の伸長は、SENP1またはテロメラーゼポリヌクレオチドの存在を示す。SENP1またはテロメラーゼポリヌクレオチドを検出するために当業者によって記載または適応されているように使用され得る方法を記載する単一のプライマーまたはプローブ検出方法の他の例は、米国特許第6,440,707号、第6,379,888号、第6,368,803号、第6,365,724号、第6,361,944号、第6,352,827号、第6,326,145号、第6,312,906号、第6,268,128号、第6,261,784号、第6,177,249号、第6,140,055号、第6,130,047号、第6,124,090号、第6,121,001号、第6,110,677号、第6,054,279号、第6,022,686号、第5,981,176号、第5,958,700号、第5,945,283号、第5,935,791号、第5,919,630号、第5,888,739号、第5,888,723号、第5,882,867号、第5,876,924号、第5,866,336号、第5,856,092号、第5,853,990号、第5,846,726号、第5,814,447号、第5,808,036号、第5,800,989号、第5,795,718号、第5,792,614号、第5,710,028号、第5,683,875号、第5,683,872号、第5,679,510号、第5,641,633号、第5,597,696号、第5,595,890号、第5,571,673号、第5,547,861号、第5,525,462号、第5,514,546号、第5,491,063号、第5,437,977号、第5,294,534号、第5,118,605号、第5,102,784号、第4,994,373号、第4,851,331号、第4,767,700号に見ることができる。
b. 本発明のプライマー
例示的なオリゴヌクレオチドプライマーは、SENP1ポリヌクレオチドもしくはテロメラーゼ(例えば、TERCまたはTERT)ポリヌクレオチドまたはその相補鎖の少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、40、50、または他の数の連続したヌクレオチドに、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%同一な配列を含み得る。
行われる検出方法に依存する適切な反応条件下での鋳型核酸に対するプローブのハイブリダイゼーションを確実にするのに十分な熱力学的安定性を生じるように、プローブの長さおよび組成を選択し得る。例えば、改変されたか、標準的でないか、または誘導されたヌクレオチドを有するプローブは、同様の熱力学的ハイブリダイゼーション特性をし、通常のヌクレオチドを有するものよりも長く、または短くあり得る。かかる標準的でない塩基の例は、米国特許第6,320,005号、第6,174,998号、第6,001,611号、および第5,990,303号に見ることができる。別の例として、G/Cに富んだ配列を有するプローブは、A/Tに富んだ配列を有する同様の長さのプローブよりも高い温度で標的配列にアニーリングし得る。
c. 本発明のプローブ
例示的な、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブは、SENP1ポリヌクレオチドもしくはテロメラーゼ(例えば、TERCまたはTERT)ポリヌクレオチドまたはその相補鎖の、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、40、50、または他の数の連続したヌクレオチドに、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%同一な配列を含み得る。
本明細書中に記載されるプローブヌクレオチド配列に加えて、プローブは、本発明の方法を阻害しない、さらなるヌクレオチド配列または他の部分を含み得る。本発明のいくつかの態様において、プローブは、本発明の方法を容易にする、さらなるヌクレオチド配列または他の部分を含み得る。例えば、プローブは、その3'末端でブロッキングされて、プローブによる望ましくない核酸重合の開始を防ぎ得る。また、プローブ内に、プローブまたはプローブ断片とヌクレオチド配列とのハイブリダイゼーションを安定化または不安定化する部分が存在し得る。本発明のプローブはまた、上で定義されたような、改変されたか、標準的でないか、または誘導されたヌクレオチドを含み得る。
本発明のある態様において、プローブは、検出可能部分を含み得る。検出可能部分は、限定されることなく、当業者に公知な任意の検出可能部分であり得る。さらに、検出可能部分は、限定されることなく、当業者に公知な任意の手段によって検出可能であり得る。例えば、検出可能部分は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的または化学的手段によって検出可能であり得る。
本発明のプローブを検出するのに用いられ得る種々の検出可能部分、ならびにプローブに対するそれらの結合のための方法は、当業者に公知であり、酵素(例えば、アルカリホスファターゼおよびセイヨウワサビペルオキシダーゼ)および酵素基質、放射性部分、蛍光部分、発色団、化学発光標識、OriginTM(Igen, Rockville, MD)等の電気化学発光標識、特異的結合パートナーを有するリガンド、または、互いに相互作用してシグナルを増強、変化または消失させ得る他の任意の標識が挙げられるが、これらに限定されない。勿論、熱安定性DNAポリメラーゼを用いて高温で5'ヌクレアーゼ反応が行われる場合、いくつかの態様において、検出可能部分は、かかる高温によって、分解されないか、そうでなければ検出不可能にならない。ある態様において、検出可能部分は、蛍光部分であり得る。蛍光部分は、限定されることなく、当業者に公知な任意の蛍光部分であり得る。いくつかの態様において、ワイドストークシフト(wide Stokes shift)を有する蛍光部分を用いて、モノクロメータよりむしろフィルターを有する蛍光計の使用が可能になり、検出の効率が上がる。ある態様において、蛍光部分は、フルオレセインファミリーの色素(Integrated DNA Technologies, Inc., Coralville, IA)、ポリハロフルオレセインファミリーの色素、ヘキサクロロフルオレセインファミリーの色素、クマリンファミリーの色素(Molecular Probes, Inc., Eugene, Or)、ローダミンファミリーの色素(Integrated DNA Technologies, Inc.)、シアニンファミリーの色素、オキサジンファミリーの色素、チアジンファミリーの色素、スクアライン(squaraine)ファミリーの色素、キレート化ランタニドファミリーの色素、およびBODIPY(登録商標)ファミリーの色素(Molecular Probes, Inc.)からなる群より選択され得る。いくつかの態様において、蛍光部分は、6-カルボキシフルオレセイン(FAMTM)(Integrated DNA Technologies, Inc.)である。本発明のプローブ、方法およびキットに使用され得る蛍光部分の他の例は、米国特許第6,406,297号、第6,221,604号、第5,994,063号、第5,808,044号、第5,880,287号、第5,556,959号、および第5,135,717号に見ることができる。
他の態様において、検出可能部分は、蛍光部分以外の検出可能部分であり得る。放射性部分の中では、32P標識化合物が好ましい。限定されることなく、当業者に公知な任意の方法を用いて、32Pをプローブに導入し得る。例えば、プローブは、キナーゼによる5'標識によって、またはニックトランスレーションによるランダムな挿入によって、32Pで標識され得る。酵素である検出可能部分は、典型的には、その活性によって検出され得る。例えば、アルカリホスファターゼは、適切な基質化合物に対するその酵素の作用によって生じる蛍光を測定することによって検出され得る。特異的結合パートナーの一つが検出可能部分として用いられる場合、プローブの存在は、特異的結合パートナーの一つに対する分子の特異的結合を検出することによって検出され得る。例えば、抗原をプローブに連結させ得、その抗原に特異的なモノクローナル抗体を用いて抗原の存在を検出し得、その結果プローブの存在を検出し得る。検出可能部分として使用され得る他の特異的結合パートナーとしては、ビオチンおよびアビジンまたはストレプトアビジン、IgGおよびプロテインA、ならびに当該分野で周知の他の多数の受容体−リガンド対が挙げられる。蛍光部分でない検出可能部分のさらに他の例は、米国特許第5,525,465号、第5,464,746号、第5,424,414号、および第4,948,882号に見ることができる。
同じ標識がいくつかの異なる様式で機能し得るので、検出可能部分の上記の記載は、種々の標識を異なるクラスに分類することを意図しない。例えば、125Iは、放射活性部分として、または電子密度の高い試薬として機能し得る。セイヨウワサビペルオキシダーゼは、酵素として、またはモノクローナル抗体に対する抗原として機能し得る。さらに、所望の効果のために種々の検出可能部分を結合させ得る。例えば、プローブをビオチンで標識し、その存在を、125Iで標識されたアビジンで、またはセイヨウワサビペルオキシダーゼで標識された抗ビオチンモノクローナル抗体で検出し得る。他の順列および可能性のあるものは、当業者に容易に明らかであり、本発明の範囲内で均等物と見なされる。
検出可能部分をプローブに連結または結合させる方法は、勿論、使用される1つまたは複数の検出可能部分の型、およびプローブ上の検出可能部分の位置に依存する。
検出可能部分は、種々の技術によって直接または間接的にプローブに結合され得る。使用される検出可能部分の正確な型に依存して、検出可能部分は、プローブの5'または3'末端に配置されるか、プローブのヌクレオチド配列の内部に配置されるか、または種々の大きさおよび組成物のスペーサーアームに結合されて、シグナル相互作用を容易にし得る。市販のホスホルアミダイト試薬を用いて、適切に保護されたホスホルアミダイトを介していずれかの末端に官能基(例えば、チオールまたは一級アミン)を含むオリゴヌクレオチドを生成し得、例えばInnisら(編)、PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, 1990)に記載されているプロトコールを用いて、そこに検出可能部分を結合し得る。
オリゴヌクレオチド官能化試薬を導入して、オリゴヌクレオチドプローブ配列の、典型的には5'末端に、1つ以上のメルカプト、アミノまたはヒドロキシル部分を導入する方法は、米国特許第4,914,210号に記載されている。5'リン酸基は、ポリヌクレオチドキナーゼおよび[γ-32P]ATPを用いることによって放射性同位体として導入されて、レポーター基を提供し得る。合成の間に導入されるアミノチミジン残基またはアルキルアミノリンカーを、ビオチンのN-ヒドロキシスクシンイミドエステルと反応させることによって、5'末端にビオチンが付加され得る。蛍光部分を含む検出可能部分をプローブに結合させる他の方法は、米国特許第5,118,802号に見ることができる。
例えばポリヌクレオチドターミナルトランスフェラーゼを使用してコルジセピン35S-dATPおよびビオチン化dUTP等の所望の部分を付加することによって、プローブの3'末端に検出可能部分を結合させることも可能である。オリゴヌクレオチド誘導体もまた、本発明のプローブ、方法およびキットに使用され得る検出可能部分である。例えば、エテノ(etheno)-dAおよびエテノ−Aは、オリゴヌクレオチドプローブに組み込まれ得る公知の蛍光アデニンヌクレオチドである。同様に、エテノ-dCは、プローブ合成に用いられ得る別の類似体である。かかるヌクレオチド誘導体を含むプローブは、分解されて、例えばポリメラーゼの5'-3'ヌクレアーゼ活性によって、インタクトなプローブよりもかなり強く蛍光を発するモノヌクレオチドを遊離し得る。
本発明のある態様において、プローブは、1つより多い検出可能部分で標識され得る。かかる態様のいくらかにおいては、各検出可能部分は、それぞれプローブの異なる塩基に結合され得る。他の態様においては、1つより多い検出可能部分が、プローブの同じ塩基に結合され得る。
ある態様においては、検出可能部分は、プローブの5'末端に結合され得る。他の態様においては、検出可能部分は、プローブの5'末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、約35、約40残基または他の数の残基の範囲内の残基において、プローブに結合され得る。検出可能部分は、プローブの残基の任意の位置に結合され得る。例えば、検出可能部分は、プローブ中のヌクレオチドの、糖、リン酸、または塩基部分に結合され得る。他の態様において、検出可能部分は、プローブの2つの残基の間に結合され得る。
本発明のある態様において、プローブは蛍光部分および消光部分を含み得る。かかる態様において、上記のように、蛍光部分は当業者にとって公知である任意の蛍光部分であり得る。さらに消光部分は、限定無しで当業者にとって公知である任意の消光部分であり得る。ある態様において、消光部位はフルオレセインファミリーの色素、ポリハロフルオレセインファミリーの色素、ヘキサクロロフルオレセインファミリーの色素、クマリンファミリーの色素、ローダミンファミリーの色素、シアニンファミリーの色素、オキサジンファミリーの色素、チアジンファミリーの色素、スクアラインファミリーの色素、キレート化ランタニドファミリーの色素、BODIPY(登録商標)ファミリーの色素、および非蛍光消光部分からなる群より選択され得る。ある態様において、非蛍光消光部分はBHQTMファミリーの色素、Iowa BlackTM、またはDabcyl(Integrated DNA Technologies, Inc)であり得る。具体的な消光部分の他の例としては、例えば限定されないが、TAMRA(N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン)(Molecular Probes, Inc.)、DABCYL(4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸)、Iowa BlackTM(Integrated DNA Technologies, Inc)、Cy3TM(Integrated DNA Technologies, Inc)またはCy5TM(Integrated DNA Technologies, Inc)が挙げられる。好ましい態様において、消光部分はCy5TMである。本発明のプローブ、方法、およびキットに使用され得る消光部分の他の例は、米国特許第6,399,392号、6,348,596号、6,080,068号、および5,707,813号中に見出され得、各々がその全体において参照により本明細書に援用される。
ある態様において、消光部分はプローブの3’末端に結合され得る。他の態様において、消光部分はプローブの5’末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、約35、約40である残基か、または他の数の残基に結合し得る。好ましい態様において、蛍光部分はプローブの5’末端に結合し、消光部分はプローブの5’末端の約9残基内にある残基に結合する。消光部分はプローブの残基の任意の部分に結合し得る。例えば消光部分は、糖、リン酸塩、またはプローブ中のヌクレオチドの塩基部分に結合し得る。他の態様において、消光部分はプローブの2残基間に結合し得る。
任意の特定の理論または作用の機構に束縛されることを意図しないが、プローブが未処理の場合、蛍光部分により放射される光子は消光部分に吸収され得、かくして消光されるということが考えられる。次いで消光部分は、異なる波長の光子としてか、または熱としてのいずれかで光子のエネルギーを放出する。かくして消光部分は蛍光部分でもあり得る。上記したように、この現象は蛍光共鳴エネルギー伝達(「FRET」)とよばれる。蛍光部分および消光部分間にプローブを分裂することによって、消光部分による蛍光部分の放射された蛍光の消光が減少することとなる。
一般に、蛍光部分および消光部分間のエネルギー伝達は、蛍光部分および消光部分間の距離、ならびに特定の蛍光部分−消光部分ペアの臨界移動距離に依存する。臨界移動距離は、所定の消光部分と対になった所定の蛍光部分に対して特徴的でありかつ一定でもある。さらに、蛍光部分−消光部分ペアの臨界移動距離が蛍光部分および消光部分間の距離に近い場合、消光部分に関して蛍光部分の空間的な関係はより細かく決定され得る。したがって経験のある実務者は、プローブ上の消光部分から蛍光部分を離す距離に近い臨界移動距離を有するために、蛍光部分および消光部分を選択し得る。特定の蛍光部分−消光部分ペアの臨界移動距離は当該分野で周知であり、例えばWuおよびBrand、Anal. Biochem. 218 (1994) 1-13による論文中に見出せ得る。
特定の蛍光部分−消光部分ペアの部分に対する他の基準としては、例えば蛍光部分による蛍光放射の収量;蛍光部分によって放射された蛍光の波長;消光部分の吸光係数;もしあれば、消光部分によって放射された蛍光の波長;およびもしあれば、消光部分による蛍光放射の収量を含む。さらに消光部分もまた蛍光部分である場合、消光部分および蛍光部分は、一方から放射された蛍光が他方から放出された蛍光と容易に区別し得るために選択され得る。特定の蛍光部分−消光部分ペアの選択におけるさらなるガイダンスは、KlostermeierおよびMillar、Biopolymers 61 (2002) 159-179による概説論文中に見出せ得る。
本発明のかかる局面に使用され得る蛍光部分および消光部分の例示的な組み合わせとしては、限定されないが、蛍光部分ローダミン590および消光部分クリスタルバイオレットが挙げられる。蛍光および消光部分の好ましい組み合わせは、蛍光部分6−カルボキシフルオレセインおよび消光部分Cy5TMである。本発明のプローブ、方法、およびキットに使用され得る蛍光部分−消光部分ペアの他の例は、米国特許第6,245,514号に見出せ得る。
FRETにおいて蛍光または消光部分の双方(both)で使用され得る分子の例としては、フルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、2’7’−ジメトキシ−4’5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン、ローダミン、6−カルボキシローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン、および5−(2’−アミノエチル)アミノナフタレン−1−スルホン酸(EDANS)が挙げられる。蛍光部分が供与体であるかまたは受容体であるかは、その励起および放射スペクトル、ならびにペアとなる蛍光部分で規定される。例えばFAMTMは、488nmの波長を有する光によって最も効果的に励起され、500〜650nmのスペクトルを有する光を放射し、最大525nmで放射する。したがってFAMTMは、例えば消光部分の励起最大値514nmを有する、消光部分としてのTAMRAと共に用いるための好適な蛍光部分である。
2.ハイブリダイゼーションに基づいたアッセイ
核酸ハイブリダイゼーション技法を用いた、SENP1またはテロメラーゼポリヌクレオチド(それらから生成されたRNAまたはcDNA)のレベルの検出および/または定量化方法は、当業者にとって公知である(Sambrookら、(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版、第1〜3巻、Cold Spring Harbor Press, New Yorkを参照)。生物試料は、SENP1またはテロメラーゼ特異的プローブを用いてスクリーニングされ得る。かかるプローブは、SENP1もしくはテロメラーゼRNA、またはその相補鎖の領域の配列に対応する。規定された条件の下で、試験核酸に対するかかるプローブの特異的ハイブリダイゼーションは、試料中のSENP1またはテロメラーゼポリヌクレオチドの存在を示すものである。規定された条件は、複合混合物の他のポリヌクレオチド(例えば、細胞由来のゲノムDNA)に対して有意にハイブリダイズすることなく、その標的に対するプローブのハイブリダイゼーションが可能となるのに十分であろう。所望の場合、2つ以上のプローブを同一の試験試料に使用してもよい。プローブは、SENP1もしくはテロメラーゼRNA配列もしくはその相補鎖ヌクレオチドの8、15、20、50、もしくは100または他の数と同様に少数(few)を含み得るか、あるいは500、1kbまたは全RNA配列もしくはその相補鎖と同様に多数(many)を含み得る。いくつかの態様において、プローブは12〜100ヌクレオチド、または16〜50ヌクレオチドもしくは18〜40ヌクレオチド長の間である。
SENP1またはテロメラーゼポリヌクレオチドの存在、非存在、および/または量を評価するための1つの方法は、ノザンブロットを含む:mRNAを所定の生物試料から単離し、電気泳動で分離しかつゲルから固形担体へ移す(例えば、ニトロセルロース膜)。次いで、標識化SENP1またはテロメラーゼプローブを膜に対してハイブリダイズし、mRNAを同定および/または定量化する。SENP1またはテロメラーゼポリヌクレオチドの発現も、例えばドットブロッティング、インサイチュハイブリダイゼーション、RNアーゼ保護、プローブDNAマイクロチップアレイ等、当該分野で公知の他の技法で分析し得る。
多数の異なるプローブが使用される場合、かなり有用な代替方法は「リバース」ドットブロット形式であり、ここで増幅された配列は標識を含み、プローブは固形担体に結合する。本発明のアッセイ方法が試料に対して同時に実行される方法のバッテリー(battery)の1つとして使用された場合、この形式は有用であり得る。この形式において、非標識化プローブは膜に結合し、適切にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の下で標識化試料に曝露される。次いで非ハイブリダイズ化標識試料は、好適にストリンジェントな条件の下で洗浄により除去され、次いでフィルターが結合配列の存在のためにモニターされる。
フォワードおよびリバースドットブロットアッセイは、マイクロタイタープレート中で都合よく実行され得る;米国特許出願第07/695,072号および米国特許第5,232,829号を参照。プローブは、例えばマイクロタイタープレートに接着するウシ血清アルブミン(BSA)に結合し得、それによりプローブを固定する。SENP1またはテロメラーゼポリヌクレオチドを検出するために本発明のプローブを使用する方法の別の例が、米国特許第6,383,756号に記載されており、それは膜に結合する核酸を検出する方法を提供する。
別の例において、SENP1またはテロメラーゼポリヌクレオチドが分枝DNAに基づいた方法を用いて検出され得る。かかる方法において、デンドリマーモノマー(dendrimer monomer)は、各鎖の中心部分に位置した配列相補性の領域を共有する2つのDNA鎖を構成する。2つの鎖をアニールしてモノマーを形成する場合、得られる構造は4つの一本鎖末端で縁取られた中心が二本鎖である中心を有する。デンドリマーは、互いに対しモノマーの一本鎖末端のハイブリダイゼーションによってモノマーから集められ得るが、一方まだ多くの一本鎖末端を遊離した状態である。これらの遊離一本鎖末端は、本発明の任意のプライマーおよびプローブの配列を有し得る。デンドリマーは、本発明のプローブと関係がある上記のように、限定なしで当業者に公知の任意の検出可能な部分で検出可能であるように標識化され得る。
次いでデンドリマーは、例えば以下に記載の「ドットブロット」アッセイにおいて、プローブとして使用され得る。さらにデンドリマーは、プローブが直接検出される、当業者にとって公知である任意の方法のプローブとして使用され得る。ドットブロットまたはサザンハイブリダイゼーション等の任意の二次的反応または変更を伴わずにプローブの存在が決定され得る場合、プローブは直接検出される。プローブとしてのデンドリマーの選択および使用に対するさらなるガイダンスは、米国特許第6,261,779号、ならびにNilsenら、J. Theoretical Biology 187 (1997) 273-284; Capaldiら、Nucleic. Acids Res., 28 (2000) 21e; Wangら、J. Am. Chem. Soc. 120 (1998) 8281-8282; およびWangら、Electroanalysis 10 (1998) 553-556中に見出せ得る。
B.SENP1 DNAの検出
いくつかの場合において、SENP1をコードするゲノムDNAを検出しかつ分析することは有利であろう。例えば、癌もしくは他の疾患と関連する変異を同定するためにSENP1をコードするか、またはSENP1調節配列を含むゲノム配列の構造および/またはヌクレオチド配列を決定することは有用であり得る。同様に、SENP1 cDNA配列は分析および/またはヌクレオチド配列決定され得る。
いくつかの場合において、SENP1ゲノム配列は分析され、一般に生じる対立遺伝子および癌と関連する対立遺伝子間で多型性(例えばバリアント)を同定する。分子分析のタイプとしては、限定されないが:RFLP分析、PCRに基づく分析、SNP分析等が挙げられる。
C.SENP1またはテロメラーゼポリペプチドの検出および定量化
SENP1またはテロメラーゼポリヌクレオチドの検出に加えて、SENP1またはテロメラーゼポリペプチドを検出するためにイムノアッセイ等の親和性アッセイも使用し得る。イムノアッセイは試料中のSENP1またはテロメラーゼポリペプチドを定量化するために典型的に使用され得る。適用可能な技術の一般的概観は、Harlow & Lane, Antibodies: A Laboratory Manual(1988)の中に見出せ得る。
SENP1またはテロメラーゼポリペプチドと特異的に反応するポリクローナルおよびモノクローナル抗体の生成方法は、当業者にとって公知である(例えばColigan, Current Protocols in Immunology (1991); Harlow & Lane,前述; Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice(第2版、1986);ならびにKohlerおよびMilstein, Nature 256 (1975) 495-497を参照。かかる技法はファージまたは同様のベクター中の組み換え抗体のライブラリーからの抗体の選択による抗体の調製、ならびにウサギまたはマウスを免疫化することによるポリクローナルおよびモノクローナル抗体の調製を含む(例えばHuseら、Science 246 (1989) 1275-1281; Wardら、Nature 341 (198) 544-546を参照)。
SENP1および/またはテロメラーゼポリペプチドは、SENP1またはテロメラーゼそれぞれに特異的に反応する抗体を生成するために使用され得る。例えば組み換えSENP1またはその抗原性断片を単離かつ精製し、例えばその後真核細胞または原核細胞で組み換え発現が起こる。次いで抗体を生成し得る動物に生成物を注射する。モノクローナル抗体かポリクローナル抗体のいずれかが生じ得、続いてタンパク質を測定するためにイムノアッセイにおいて使用される。
モノクローナル抗体およびポリクローナル血清を回収し、例えば固形担体上で固定された免疫原による固相イムノアッセイ等のイムノアッセイにおける免疫原タンパク質に対し滴定し得る。典型的に、104以上の滴定濃度を有するポリクローナル抗血清を選択し、競合結合イムノアッセイを使用して非SENP1またはテロメラーゼ(telomerse)タンパク質に対するそれらの交差反応を試験する。特異的ポリクローナル抗血清およびモノクローナル抗体は、通常少なくとも約0.1mM、より通常では少なくとも約1μM、任意に少なくとも約0.1μM以上(or better)、および任意に0.01μM以上のKdで結合し得る。
一度SENP1および/またはテロメラーゼ特異的抗体を利用すれば、SENP1またはテロメラーゼポリペプチドを様々なイムノアッセイ法で検出し得る。免疫学的手順およびイムノアッセイ的手順の総論に関して、Basic and Clinical Immunology (Stites & Terr編、第7版 1991)を参照。さらに本発明のイムノアッセイは、任意のいくつかの形態(configulation)において実行され得、Enzyme Immunoassay (Maggio編、1980);ならびにHarlow & Lane,前述中に広範囲にわたって検討されている。
SENP1および/またはテロメラーゼポリペプチドは、任意の多数のよく認知された免疫結合アッセイを用いて検出および/または定量され得る(例えば米国特許第4,366,241;4,376,110;4,517,288;および4,837,168号を参照)。一般のイムノアッセイの総論に関して、Methods in Cell Biology: Antibodies in Cell Biology, 第37巻(Asai編、1993);Basic and Clinical Immunology (StitesおよびTerr編、第7版 1991)を参照。免疫結合アッセイ(またはイムノアッセイ)は、えり抜きのタンパク質または抗原(この場合、SENP1もしくはテロメラーゼポリペプチドまたはその抗原性部分配列(subsequence))に特異的に結合する抗体を典型的に使用する。抗体(例えば抗-SENP1または抗-テロメラーゼ)は、当業者にとって周知であり、上記したような任意の多数の手段で生成され得る。
イムノアッセイもまた、抗体および抗原により形成される複合体に特異的に結合しかつ複合体を標識する標識剤をしばしば使用する。標識剤は、それ自体が抗体/抗原複合体を含む部分の1つであり得る。かくして標識剤は、標識化SENP1もしくはテロメラーゼポリペプチドまたは標識化抗-SENP1もしくは抗-テロメラーゼ抗体であり得る。あるいは標識剤は、抗体/SENP1または抗体/テロメラーゼ複合体に特異的に結合する、二次抗体等の第三の部分であり得る(二次抗体は、一次抗体が由来する種の抗体に対して典型的に特異的である)。プロテインAまたはプロテインG等の、免疫グロブリン定常領域に特異的に結合し得る他のタンパク質も標識剤として使用され得る。これらのタンパク質は、様々な種からの免疫グロブリン定常領域と強い非免疫原反応性を示す(例えば、Kronvalら、J. Immunol. 111 (1973) 1401-1406;Akerstromら、J. Immunol. 135 (1985) 2589-2542を参照)。標識剤は、ストレプトアビジン等の別の分子が特異的に結合し得るビオチン等の検出可能な部分で修飾され得る。様々な検出可能部分は当業者にとって周知である。
アッセイを通して、試薬のそれぞれの組み合わせの後にインキュベーション工程および/または洗浄工程が必要とされ得る。インキュベーション工程は約5秒〜数時間、任意に約5分〜約24時間まで変化し得る。しかし、インキュベーション時間はアッセイ形式、抗原、溶液の容量、濃度等に依存し得る。アッセイは10℃〜40℃等の温度範囲にわたって実施され得るが、通常は室温で行われ得る。
試料中のSENP1またはテロメラーゼポリペプチドを検出するためのイムノアッセイは、競合的か非競合的かのいずれかであり得る。非競合イムノアッセイは、抗原の量が直接測定されるアッセイである。「サンドイッチ」アッセイにおいて、例えば抗-SENP1または抗テロメラーゼ抗体は、それらが固定される固形担体に対し直接的に結合され得る。次いでこれら固定化された抗体は、試験試料中に存在するSENP1またはテロメラーゼポリペプチドを捕捉する。かくして固定されたSENP1またはテロメラーゼポリペプチドは、次いで標識を有する(bear)二次抗-SENP1または抗テロメラーゼ抗体等の標識剤により結合される。あるいは、二次抗体は標識を欠いているかもしれないが、続いて二次抗体が由来する種の抗体に対して特異的である標識化三次抗体により結合され得る。二次または三次抗体は、例えばストレプトアビジンである別の分子が、検出可能な部分を提供するために特異的に結合するビオチン等の検出可能な部分で典型的に修飾される。
競合アッセイにおいて、試料中に存在するSENP1またはテロメラーゼポリペプチドの量は、試料中に存在する未知のSENP1またはテロメラーゼポリペプチドによる抗-SENP1または抗テロメラーゼ抗体から置き換えられた(競合した)、既知の、添加された(外因性)SENP1またはテロメラーゼポリペプチドの量を測定することによって、間接的に測定される。1つの競合アッセイにおいて、SENP1またはテロメラーゼポリペプチドの既知量を試料に添加し、次いで該試料をSENP1またはテロメラーゼポリペプチドに特異的に結合する抗体と接触させる。抗体に結合した外因性SENP1またはテロメラーゼポリペプチドの量は、試料中に存在するSENP1またはテロメラーゼポリペプチドの濃度に対して反比例する。いくつかの態様において、抗体は固形担体上で固定される。抗体に結合されたSENP1またはテロメラーゼポリペプチドの量は、SENP1/抗体もしくはテロメラーゼ/抗体複合体に存在するSENP1もしくはテロメラーゼポリペプチドの量を測定するか、あるいは残りの非複合体タンパク質の量を測定するかのいずれかによって決定され得る。
ウェスタンブロット(イムノブロット)分析もまた、試料中のSENP1またはテロメラーゼポリペプチドの存在を検出かつ定量化するために使用され得る。該技法は一般に、分子量に基づいたゲル電気泳動法によって試料タンパク質を分離すること、分離したタンパク質を好適な固形担体(ニトロセルロースフィルター、ナイロンフィルター、または誘導化ナイロンフィルター)に移すこと、およびSENP1またはテロメラーゼに特異的に結合する抗体で試料をインキュベートすることを含む。抗-SENP1または抗テロメラーゼ抗体は、固形担体上のSENP1またはテロメラーゼに特異的に結合する。これらの抗体は直接的に標識され得るか、あるいは、抗-SENP1または抗テロメラーゼ抗体に特異的に結合する標識化抗体(例えば標識化ヒツジ抗マウス抗体)を使用して続いて検出され得る。
イムノアッセイにおける非特異的結合を最小にすることがしばしば望ましいということを当業者は理解されたい。特にアッセイが固形物質上に固定された抗原または抗体を含む場合、物質に対する非特異的結合量を最小にすることが望ましい。かかる非特異的結合を減少させる手段は、当業者にとって周知である。典型的に、この技法は物質をタンパク質組成物で被覆することを含む。特に、ウシ血清アルブミン(BSA)、脱脂粉乳、およびゼラチン等のタンパク質組成物が幅広く使用されている。
該アッセイで使用される抗体の特異的結合を有意に妨げるものでない限り、アッセイに使用される特定の標識または検出可能な基は、本発明の臨界局面(critical aspect)ではない。検出可能な基は、検出可能な物理的または化学的特性を有する任意の材料であり得る。かかる検出可能な標識は、イムノアッセイの分野においてかなり発展してきており、一般にかかる方法において有用である大抵の任意の標識は、本発明に適用され得る。かくして標識とは、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気関係的、視覚的または化学的手段により検出可能な任意の組成物である。本発明における有用な標識としては、磁性ビーズ、フルオレセイン色素、放射性同位体、酵素、およびコロイド状金または着色ガラス等の比色標識、またはプラスチックビーズが挙げられる。
D.SENP1またはテロメラーゼ活性の検出および定量化
SENP1またはテロメラーゼの量もまた、タンパク質の活性を検出することで測定され得る。
SENP1は、タンパク質からセントリンを除去するプロテアーゼである。例えば米国特許第6,596,527;Gongら、J Biol Chem. 275 (2000) 3355-3359;およびBaileyら、J Biol Chem. 279 (2004) 692-703を参照。例えばSENP1活性は、試料中の既知量のセントリン化タンパク質からセントリンの除去を検出することによって検出され得る。
テロメラーゼ活性は当該分野で公知のいくつかのアッセイにより測定され得る。例えばHiyamaら、Cancer Lett. 194 (2003) 221-233を参照。例えばPCRを用いてテロメラーゼ活性を高感度に検出するために、TRAP(テロメアリピート増幅プロトコール)が使用され得る。Kim N. W.ら、Science 206 (1994) 2011-2015;Piatyszek M. A.ら、Meth. Cell Sci. 17 (1995) 1-15;Woodringら、Nuc. Acids Res. 23 (1995) 3794-3795;米国特許第6,551,774;6,391,554;および5,837,453号を参照。この方法は、単一プライマー伸長アッセイ系によるテロメラーゼの検出を含み、おおまかに3工程に分けられる。第一に、テロメラーゼを細胞から抽出する。次いでテロメラーゼによるTTAGGG鎖の伸長反応が行われ、反応生成物が2つのプライマーを使用してPCRにより増幅される。最終的に、増幅した生成物を電気泳動にかけ、オートラジオグラフィにおけるラダーを確認することによってテロメラーゼ活性を検出する。
TRAPの変型はリアルタイムにおけるSYBRグリーンを含み、テロメラーゼ活性を定量化する。例えば、Wegeら、Nuc. Acids Res. 31 (2003) e3を参照。
TRAPの別の変型は、テロメア伸長PCR(PTEP)とよばれる。例えばChenら、Biotechniques 35 (2003) 158-162を参照。TRAPと同様に、この方法はPCR増幅に基づき、続いてインビトロテロメラーゼ反応となるが、一方ここでのインビトロテロメラーゼ反応は、無作為にというよりもむしろ時期尚早に終結される。
これとは別に、テロメア伸長生成物は鋳型としての代わりに初期プライマーとして使用され、テロメラーゼプライマーで直接的に増幅し得ない鋳型として特別に構成されたプラスミドDNAによる増幅を引き起こす。最終生成物は、テロメラーゼ活性を反映する特異的DNA断片である。他の方法もテロメラーゼ活性を検出するために使用し得ることも当業者は理解するであろう。例えば米国特許公開第2002/0025518号を参照。
III.本発明のアッセイのための定量化基準
本発明の多くの態様において、生物試料におけるSENP1またはテロメラーゼの量が1つ以上の標準値と比較される。一般に、標準値は健康な個体(癌と診断されてない、および/またはかなりの数の癌細胞を含んでいない)からの生物試料に見られるSENP1またはテロメラーゼの量を表す。異なる標準値は多くの因子によって適切となり得る。例えば、健康な個体からの生物試料のSENP1またはテロメラーゼの量は、SENP1またはテロメラーゼを定量化するために使用される方法により変化し得る。さらに標準値は、診断アッセイに生じうる偽陽性および偽陰性の割合により変化し得る。例えば標準値が低く設定される場合、偽陰性の数は減少するが偽陽性の割合(癌細胞を有するとしてスコアされる、癌が存在しないもの)は増加するであろう。かくして、偽陰性または偽陽性結果に対する許容誤差に依存して、使用者は試料中のSENP1またはテロメラーゼの量と異なる標準値とを比較し得る。
いくつかの場合において、標準値は、平均値、メジアン、または癌細胞を欠いていることが知られているか、または癌細胞を含んでいることが知られているかのいずれかである多数の試料に基づく他の統計的計算に基づいて決定され得る。標準値はそれぞれのアッセイに対し再計算する必要はないが、予め決められた単一(single)値または単一範囲であり得る。標準値はコンピュータメモリに保存し得、必要なときにアクセスし得る。
他の態様において、標準値は、それぞれの生物試料、一連の生物試料が加工されるそれぞれの時間に対して決定される。これらの場合において、標準値は、癌細胞を含まないと知られているか、少なくとも推測される試料中のSENP1またはテロメラーゼの量である。いくつかの態様において、これらの標準試料は、癌に対して試験される場合、同一の個体から回収され得る。例えば、固形(solid)腫瘍および非癌含有試料を同一の個体から獲得し、非癌含有試料中のSENP1および/またはテロメラーゼの量は、標準値の基礎を形成し得る。他の態様において、標準試料を別の個体または複数の個体から獲得し得る。
いくつかの場合において、SENP1またはテロメラーゼの量(目的の生物試料および非癌基準由来の両方)は、第二の値に対して標準化される。標準化は、例えば使用者またはアッセイにより、検出された量中に導かれるエラーを除去しもしくは最小にするか、または試料中の細胞の数の変化により引き起こされるエラーを最小にするのに有用である。標準化は典型的に、いくつかの同様のエラーを取り込む値に基づく。例えば、同一の生物試料中の第二の転写物の量は、SENP1またはテロメラーゼ値を標準化するために使用され得る。典型的に、第二の転写物は、試料中の癌細胞の存在または非存在に影響されないことが公知であるか、または推測される。「標準化転写物」(「ハウスキーピング遺伝子」の転写物としても公知)の具体例としては、限定されないが、以下のヒトタンパク質:タンパク質ホスファターゼ1、触媒性サブユニット、αアイソフォーム(PPP1CA)、TATAボックス結合タンパク質(例えばM55654)、HPRT1(例えばM26434)、β-グルクロニダーゼ、β2-ミクログロブリン、ホスホグリセロールキナーゼ1(例えばNM000291)、β-アクチン(例えばNM001101)、トランスフェリンレセプター(例えばNM003234)、グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(例えばNM002046)、ヒト血清アルブミン(例えばNM000477)、チューブリン、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(例えばNM000194)、ミトコンドリアリボソームタンパク質L32(例えばNM031903)、28S RNA、18S RNA、5-アミノレブリン酸合成酵素、およびポルホビリノーゲンデアミナーゼが挙げられる。LightCycler h-Housekeeping Gene Selection Set(Roche Applied Sciences, カタログ番号3310159);Thellin, O.ら、J. Biotechnol. 75 (1999) 291;Warrington, J.A.ら、Physiol. Genomics 2 (2000) 143も参照。当業者は、特に多くのハウスキーピング遺伝子が同等の標準化値を提供することを認識するであろう。標準化転写物またはタンパク質の量で単純に値を割ることを含む、任意の一般に公知である統計方法にしたがって、値は標準化され得る。
IV.癌の診断、予後または病期の記録
本発明の方法は、試料中のSENP1および/もしくはテロメラーゼの量および/または、例えば膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および小腸癌を含む、癌の診断、予後または病期の記録を含み得る。
この情報はテキストまたはデータとして記録され得、コンピュータの読み取り可能な形式で保存され得る。かかるコンピュータシステムは典型的に、中央処理装置、システムメモリー(典型的にRAM)、入力/出力(I/O)コントローラ、ディスプレイアダプタを介するディスプレイ画面、連続ポート、キーボード、ストレージインターフェース(storage interface)を介する固定化ディスクドライブおよびフロッピーディスクを受け入れるために適切に作動するフロッピーディスクドライブ等の外部装置、ならびにCD-ROMを受け入れるために適切に作動するCD-ROM(もしくはDVD-ROM)装置等の主要サブシステムを含む。連続ポートを介して接続されたネットワークインターフェース等の多くの他の装置が接続され得る。
コンピュータシステムも、イーサネットケーブル(同軸ケーブルまたは10ベースT)、電話線、ISDN線、ワイヤレスネットワーク、光ファイバー、または他の好適な信号伝送媒体等のデータリンクを介して接続された多数のコンピュータ計算(computing)装置を含むネットワークに接続され、ここで少なくとも1つのネットワーク装置(例えばコンピュータ、ディスクアレイ、等)は、本発明のアッセイから獲得された小パターンコード化データを構成する磁区(例えば磁気ディスク)および/または充電区(charge domain)(例えばDRAMセルの配列)のパターンを含む。
コンピュータシステムは、生物試料中のSENP1またはテロメラーゼの定量化の結果を解釈するためのコードを含み得る。かくして具体的な態様において、遺伝子型結果がコンピュータに提供され、ここで中央処理装置が、例えば膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および小腸癌から選択される特定の癌の病期の診断、予後または決定を定めるためのコンピュータプログラムを実行する(is executes)。
V.癌の診断
本方法は多くの種類の癌の診断、予後、分類および処置に使用され得る。第一次性癌、転移性癌、および再発性癌等の、任意の進行の病期における癌が検出され得る。多くの型の癌に関する情報が、例えば米国癌協会(www.cancer.org)または例えばWilsonら (1991) Harrison’s Principles of Internal Medicine、第12版、McGraw-Hill, Incから見出せ得る。検出され得る具体的な癌としては、例えば上皮性悪性腫瘍、神経膠腫、中皮腫、メラノーマ、リンパ腫、白血病、腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、膠芽腫、白血病、リンパ腫、前立腺癌、およびバーキットリンパ腫、頭頸部癌、結腸癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、食道癌、胃癌、膵臓癌、肝胆道癌、胆嚢癌、小腸癌、直腸癌、腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌、陰茎癌、尿道癌、精巣癌、子宮頸癌、膣癌、子宮癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、膵内分泌癌、カルチノイド癌、骨肉腫、皮膚癌、網膜芽腫、ホジキンリンパ腫、ならびに非ホジキンリンパ腫が挙げられる。さらなる癌に対して、Cancer:Principles and Practice(DeVita, V.T.ら編1997)を参照。
本発明は哺乳動物(例えばヒト)が癌を有するかどうか、生物試料が癌細胞を含有するかどうかを決定する方法、哺乳動物が癌を発症する可能性を推定する方法、および癌を有する哺乳動物の抗癌処置の効力をモニターする方法を提供する。かかる方法は、癌細胞が上昇したレベルのSENP1ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドを有するという発見に基づくものである。したがって、細胞が上昇したレベルのSENP1またはテロメラーゼを含有するかどうかを決定することにより、細胞が癌性であるかどうかを決定することが可能となる。さらに癌細胞の存在が間接的に決定され得、例えばある態様において、癌細胞を含有しないが、体内のどこかに癌細胞を有する動物から採取された生物試料は、癌細胞の存在を反映して上昇したレベルのSENP1またはテロメラーゼを含み得る。
本発明の多数の態様において、SENP1またはテロメラーゼのレベルおよび/もしくは存在が生物試料中に検出され、それにより生物試料中またはある態様において生物試料が除去された哺乳類中の癌性細胞の有無を検出する。いくつかの態様において、生物試料は、癌性細胞を含むと疑われる組織由来の組織試料を含む。例えば、膀胱癌を有すると疑われる個体において、膀胱組織に生検を実施するか、または尿を入手する。他の態様において、SENP1またはテロメラーゼの量を体液中で測定する(例えば尿沈渣、例えばMelissourgosら, Urology 62 (2003) 362-36 7参照)、唾液、血液、精液等)。いくつかの態様において、胸部、結腸、腎臓、肺、卵巣、膵臓、および小腸より選択される組織由来の生検におけるSENP1の量は、かかる組織中の癌の検出に用いられる。いくつかの態様において、例えば肺癌を診断するために、気管支洗浄中にSENP1の量が測定される。いくつかの態様において、例えば結腸または小腸癌を診断するために、糞試料由来のSENP1の量が測定される。他の態様において、癌性細胞、例えば腫瘍由来の細胞を含むと知られている組織試料をSENP1またはテロメラーゼレベルについて分析し、癌についての情報、例えば特定の治療の効果、動物の生存の見込み等を決定する。しばしば、該方法は、さらなる診断方法、例えば他の癌マーカーの検出等と共に組み合わせて用いられる。
さらに、本方法は処理の経過の効果を評価するために用いられ得る。例えば、生物試料が増加したSENP1またはテロメラーゼの量を含むことが見出された癌を有する哺乳類において、SENP1またはテロメラーゼレベルの時間経過を観測することで、抗癌治療の効果を評価し得る。例えば、治療の前もしくは治療の初期の哺乳類から得た試料中のSENP1またはテロメラーゼレベルと比較した際に、治療後の哺乳類から得た生物試料中のレベルの減少により、効果的な治療が示される。
癌を検出する方法には、一つ以上の他の癌関連ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の検出が含まれ得る。従って、SENP1もしくはテロメラーゼを、いずれか単独、共に、または癌の診断もしくは予後のための他のマーカーとの組み合わせで使用し得る。
本発明の方法を使用して、癌を有する哺乳類の治療の最適な方針が決定され得る。例えば、SENP1またはテロメラーゼの増加したレベルが見られることで、癌を有する哺乳類の生存の見込みが減少することが示され得、これにより該哺乳類のためのより積極的な治療が示される。さらに、SENP1もしくはテロメラーゼのレベルまたはSENP1もしくはテロメラーゼの診断的存在の有無(すなわち標準値を超えたSENP1もしくはテロメラーゼの量)と、一つのもしくは別の抗癌剤の相対的な効果との関連は容易に確立することができる。例えば回顧的に、すなわち将来的に一つ以上の型の抗癌治療を行なう哺乳類から以前に得た試料のSENP1もしくはテロメラーゼレベルを検出すること、ならびにSENP1もしくはテロメラーゼレベルと公知の治療効果を関連付けることにより、かかる分析を行い得る。
SENP1および/もしくはテロメラーゼの発現に基づいて診断、予後、危険性の評価または分類をする場合に、SENP1および/もしくはテロメラーゼの発現量を、上述のように基準値と比較し得る。いくつかの場合において、生物試料中のSENP1および/またはテロメラーゼの発現が基準値よりも高いなら、癌の診断または予後を行い得る。いくつかの場合において、生物試料のSENP1および/またはテロメラーゼの発現量が、基準値(または試料を含む非癌中のSENP1および/またはテロメラーゼの発現を示す値)に比較して少なくとも10%より大きい、25%より大きい、50%より大きい、75%より大きい、90%より大きい、2倍、3倍、5倍、10倍、50倍、または100倍より大きい。
VI. 試料の調製および核酸の増幅
試料は一般的に、被験体、典型的には哺乳類被験体、より典型的にはヒト被験体由来であるか、それらから単離される。これらの試料に必要とされる、例えば生検、擦過、静脈穿刺、綿球での採取、または当該分野に公知の他の技術を含む、本質的に任意の技術、が随意に利用される。
標本の保存、細胞の培養、これらの供給源からの核酸の単離および調製の方法は一般的に当該分野に公知であり、これらの多くは本明細書中に提供される参照および/または実施例にさらに記載される。
さらに説明するために、本明細書中に記載した標的核酸を分析する前に、典型的に種々の成分の複雑な混合物を含む試料から、これらの核酸を精製または単離し得る。採取した試料中の細胞を、典型的に溶解して細胞内容物を放出させる。例えば尿沈渣中の細胞は、種々の酵素、化学物質と接触させることで溶解し得、および/または当該分野に公知の他のアプローチにより溶解し得る。いくつかの態様において、細胞溶解物中で核酸を直接分析する。他の態様において、検出以前に核酸をさらに精製するか、または細胞溶解物から抽出する。本質的に任意の核酸抽出方法を用いて、本発明の方法に使用される試料中の核酸を精製し得る。核酸の精製に用いられ得る例示的な技術としては、例えば、アフィニティークロマトグラフィー、固形支持体上に固定されたプローブとのハイブリダイゼーション、液体-液体抽出(例えば、フェノール-クロロホルム抽出等)、沈殿(例えば、エタノールの使用等)、濾紙による抽出、ミセル形成試薬(例えば、セチル-トリメチル臭化アンモニウム等)での抽出、固定されたインターカレート(intercalating)色素への結合(例えばエチジウムブロマイド、アクリジン等)、シリカゲルまたは二価の土類への吸着、カオトロピック条件下での磁性ガラス粒子または有機シラン粒子への吸着等が挙げられる。また、試料の加工は、米国特許第5,155,018号、第6,383,393号および第5,234,809号に記載される。
さらに例証するために、修飾されていない核酸はシリカ表面を有する物質と結合し得る。本発明の方法の実行における使用に対して、随意に適合する過程の多くは、当該分野で記載される。例示するために、Vogelsteinら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76 (1979) 615-619により、ヨウ化ナトリウム存在下で、グラウンドフリントガラス(ground flint glass)を用いたアガロースゲルからの核酸の精製が記載される。Markoら, Anal. Biochem. 121 (1982) 382-387により、過塩素酸ナトリウムの存在下で、ガラス粉上の細菌からの核酸の精製が記載される。DE-A 3734442において、ガラス繊維フィルター上の核酸が単離される。これらのガラス繊維フィルターに結合した核酸を洗浄し、続いてメタノール含有Tris/EDTAバッファで溶出する。Jakobiら, Anal. Biochem. 175 (1988) 196-201に同様の手順が記載される。特に、Jakobiらにより、カオトロピック塩溶液中での核酸のガラス表面への選択的な結合、ならびにアガロース、タンパク質、および細胞残留物等の混入物からの核酸の分離が記載される。混入物からガラス粒子を分離するために、粒子を遠心分離し得るか、またはガラス繊維フィルターにより流体を取り出し得る。さらに、塩およびエタノールの添加による沈殿後に核酸を固定するための、磁性粒子の使用が、例えばAldertonら, Anal. Biochem. 201 (1992) 166-169および PCT/GB91/00212に記載される。この手順において、磁性粒子と共に核酸を凝集させる。磁場に付すことおよび一回以上の洗浄工程を行うことで、凝集物を元の溶媒から分離する。少なくとも一回の洗浄工程の後、典型的に核酸はTrisバッファに溶解される。
例えばストレプトアビジンを含む層で覆われた多孔性のガラスマトリクス中の磁性粒子はまた、本発明の特定の態様に利用され得る。これらの粒子を用いて、例えばビオチンに結合した核酸およびタンパク質を単離し得る。フェリ磁性、強磁性、および超常磁性粒子も、随意に使用される。磁性ガラス粒子、および本明細書中に記載される方法の実行における使用に適合し得る関連する方法も、例えばWO 01/37291に記載される。
VIa. 本発明の好ましい態様
本発明の特に好ましい態様が以下に記載される。本発明の好ましい態様は、生物試料中のSENP1の発現の検出方法であり、該方法は、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および小腸癌からなる群より選択される癌を有するかまたは有すると疑われる個体由来の生物試料中のSENP1の量を測定する工程を含む。
該方法は、生物試料中のSENP1の量を測定する前に個体から生物試料を採取する工程を任意に含み得る。好ましくは、該方法はさらに、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および小腸癌からなる群より選択される癌の診断を記録する工程を含む。
好ましい態様において、試料中のSENP1をコードするポリヌクレオチドを検出することで、SENP1の量を測定する。従って、好ましくは、SENP1の量を測定する工程は、試料中のSENP1をコードするポリヌクレオチドを検出する工程を含む。この検出工程は、増幅反応においてポリヌクレオチドを増幅することを含み得る。好ましくは、増幅反応中にオリゴヌクレオチドが配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するように、該増副反応は、配列番号:1の少なくとも10個の連続したヌクレオチドに対して少なくとも90%の同一性を有する配列、またはその相補鎖を含む少なくとも二つの異なるオリゴヌクレオチドを含む。好ましくは、該増幅反応の増幅産物は、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドが該産物にハイブリダイズすることを含む工程で検出される。好ましくは、増幅反応は、ポリメラーゼが検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを断片化し得る条件下で、鋳型依存型の5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼを含む。
好ましい態様において、該方法は生物試料中のテロメラーゼの量を測定する工程をさらに含む。好ましくは、該方法は、試料中のSENP1およびテロメラーゼの量とSENP1標準およびテロメラーゼ標準の量それぞれとを比較する工程をさらに含み、SENP1標準は非癌化細胞中のSENP1を示し、テロメラーゼ標準は非癌化細胞中のテロメラーゼの量を示す。
要約すると、本発明の好ましい態様において、SENP1発現の検出方法は、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および小腸癌からなる群より選択される癌を有するか、または有すると疑われる個体由来の生物試料中で施され、該方法は
a) 生物試料中のSENP1をコードするポリヌクレオチドを増幅反応で増幅する工程、および
b) 工程a)の増幅産物の量を決定して、生物試料中のSENP1発現を検出する工程
により、生物試料中のSENP1の量を決定する工程を含む。
好ましくは、増幅反応中に少なくとも二つの異なるオリゴヌクレオチドが配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するように、増幅反応は、少なくとも10個の連続した配列番号:1のヌクレオチド、またはその相補鎖に対して、少なくとも90%同一である配列を含む少なくとも二つの異なるオリゴヌクレオチドを含む。
好ましくは、増幅反応の増幅産物(の量)は、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドと産物のハイブリダイズを含む工程で検出される。好ましくは、鋳型依存性核酸ポリメラーゼが検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを断片化し得るような条件下で、増幅反応は5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を有する該ポリメラーゼをさらに含む。好ましい態様において、方法は生物試料中のテロメラーゼの量を決定する工程をさらに含み得る。好ましくは、方法は、試料中のSENP1およびテロメラーゼの量とSENP1標準およびテロメラーゼ標準の量それぞれとを比較する工程をさらに含み、SENP1標準は非癌化細胞中のSENP1を示し、テロメラーゼ標準は非癌化細胞中のテロメラーゼの量を示す。好ましくは、該標準は、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌または膵臓癌に罹患していない対照個体由来の生物試料(細胞を含む)である。
該方法は、生物試料中のSENP1の量を決定される以前の個体から、生物試料を得る工程を任意で含む。好ましくは、方法は、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌および小腸癌からなる群より選択される癌の診断を記録する工程をさらに含む。
本発明の別の好ましい態様において、患者由来の生物試料が、膀胱癌細胞、乳癌細胞、結腸癌細胞、腎臓癌細胞、肺癌細胞、卵巣癌細胞、膵臓癌細胞および小腸癌細胞からなる群より選択される癌細胞を含むかどうかを決定するために、該方法は提供され、
a) 生物試料中のSENP1の量を決定する工程、
b) 膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌または膵臓癌に罹患していない対照個体由来の生物試料中のSENP1の量を決定する工程
を含み、患者由来の生物試料中のSENP1の量と対照個体由来の生物試料中のSENP1の量との有意差が、生物試料が癌細胞を含むことの指標となる。
好ましくは、有意差は1.5倍かまたはより大きい差であり、より好ましくは2倍かまたはより大きい差である。
生物試料中のSENP1の量を決定する工程は、好ましくは
a) 生物試料中のSENP1をコードするポリヌクレオチドを増幅反応で増幅する工程、および
b) 工程a)の増幅産物の量を検出して、生物試料中のSENP1の量を決定する工程
を含む。
好ましくは、増幅反応中にオリゴヌクレオチドが配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するように、増幅反応は、少なくとも10個の連続した配列番号:1のヌクレオチド、またはその相補鎖に対して、少なくとも90%同一である配列を含む少なくとも二つの異なるオリゴヌクレオチドを含む。
好ましくは、増幅反応の増幅産物(の量)は、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドと産物のハイブリダイズを含む工程において検出される。好ましくは、鋳型依存性核酸ポリメラーゼが検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを断片化し得るような条件下で、増幅反応は5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を有する鋳型依存性核酸ポリメラーゼをさらに含む。好ましい態様において、方法は生物試料中のテロメラーゼの量を決定する工程をさらに含む。好ましくは、方法は、試料中のSENP1およびテロメラーゼの量とSENP1標準およびテロメラーゼ標準の量それぞれとを比較する工程をさらに含み、SENP1標準は非癌化細胞中のSENP1を示し、テロメラーゼ標準は非癌化細胞中のテロメラーゼの量を示す。好ましくは、該標準は、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌または膵臓癌に罹患していない対照個体由来の生物試料(細胞を含む)である。
該方法は、生物試料中のSENP1の量を決定される以前の個体から、生物試料を得る工程を任意で含む。好ましくは、方法は、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌および小腸癌からなる群より選択される癌の診断を記録する工程をさらに含む。
VII. キット
また、本発明はSENP1およびテロメラーゼ(例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、または活性)を検出することで癌と診断するキットも提供する。本発明のキットは一般的にSENP1および/もしくはテロメラーゼポリペプチド、ならびに/または、SENP1および/もしくはテロメラーゼポリヌクレオチドを検出する試薬を含み、任意にその使用説明書を含有する。
いくつかの態様において、本発明のキットはSENP1および/またはテロメラーゼのポリヌクレオチドを増幅するための試薬を含む。かかる試薬は、例えばSENP1および/もしくはテロメラーゼに特異的なプライマー、ならびに/または検出可能に標識されたプローブ(例えば、5’エキソヌクレアーゼ、分子ビーコンまたはScorpionプローブ)を含み得る。該キットは、熱安定性ポリメラーゼ、逆転写酵素、ヌクレオチド、バッファおよび塩、または本明細書に記載されるか、もしくは当該分野で公知の他の構成要素を任意に含み得る。
いくつかの場合において、配列番号:1を含むオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドが増殖反応にかけられた場合に該オリゴヌクレオチドが配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するように、該キットは、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、35、50個またはそれより多くの連続した配列番号:1のヌクレオチドまたはその相補鎖に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%または95%同一である配列を含む、少なくとも一つのオリゴヌクレオチドを含む。
いくつかの場合において、キットはまた、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、35、50個またはそれより多い連続した配列番号:1のヌクレオチドまたはその相補鎖に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%または95%同一である配列を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチド含む。
いくつかの場合において、オリゴヌクレオチド、およびTERCまたはTERT mRNAが増幅反応にかけられ、オリゴヌクレオチドがTERCまたはTERT mRNAの少なくとも一部の増幅を誘導する場合、キットは、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、35、50個またはそれより多くの連続した
i) ヒトテロメラーゼRNA(TERC);
ii) ヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)mRNA;
iii) TERCの相補鎖;または
iv) TERTの相補鎖
のヌクレオチドに対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%または95%同一である配列を含む少なくとも一つのオリゴヌクレオチドを含む。
いくつかの場合、キットは、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、35、50個またはそれ以上の連続した
i) ヒトテロメラーゼRNA(TERC);
ii) ヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)mRNA;
iii) TERCの相補鎖;または
iv) TERTの相補鎖
のヌクレオチドに対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%または95%同一である配列を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを含む。
他の態様において、本発明のキットはSENP1またはテロメラーゼのポリペプチドに特異的に結合する試薬を含む。例えば、いくつかの態様において、本発明のキットはSENP1またはテロメラーゼに特異的に結合する一次抗体を含む。また、該キットは、一次抗体(すなわち、異なる種由来)および検出可能な標識に結合する二次抗体を含み得る。
VIII. SENP1のアンタゴニストのスクリーニング
細胞中の、例えば哺乳類細胞中の、例えばヒト細胞中のSENP1の活性レベルを調節する薬剤を同定するために、多くの異なるスクリーニングプロトコルが利用可能であり得る。一般論として、スクリーニング方法は、例えば、SENP1と結合してSENP1の活性を阻害することによって、またはSENP1のアクチベーターがSENP1を活性化することを阻害することによって、SENP1と相互作用する薬剤を同定するために、多くの薬剤をスクリーニングすることを含み得る。
1. SENP1結合アッセイ
同定された少なくともいくつかの薬剤がSENP1アンタゴニストであり得るように、SENP1に結合し得る薬剤についてスクリーニングすることで、予備スクリーニングを行い得る。通常、結合アッセイは、SENP1タンパク質と一つ以上の試験剤とを、タンパク質と試験剤とが結合複合体を形成し得るように十分な時間接触させることを含む。形成された任意の結合複合体は、多くの確立された任意の解析技法を用いて検出され得る。タンパク質結合アッセイとしては、限定されないが、免疫組織化学的結合アッセイ、フローサイトメトリーまたはSENP1のコンホメーションを維持する他のアッセイが挙げられる。かかるアッセイに利用されるSENP1は、自然に発現され得るか、クローン化され得るかまたは合成され得る。
また、結合アッセイは、例えばSENP1と相互作用する内在性のタンパク質の同定に有用である。
2. 細胞および試薬
本発明のスクリーニング方法は、インビトロまたは細胞ベースのアッセイとして行われ得る。細胞ベースのアッセイは、SENP1ポリペプチドを内在的に、または外来的に発現する任意の細胞で行い得る。いくつかの態様において、細胞ベースのアッセイは、減少されたかもしくは検出不可能なテロメラーゼ活性もしくは発現を有するか、および/または新生物(neoplastic)表現型を有する細胞を使用して行われ得る。いくつかの態様において、TERTの発現が陰性の不死の細胞系を潜在的なSENP1インヒビターに対する感受性について試験する。これらのテロメラーゼ陰性細胞系は、自らのテロメアをテロメラーゼ非依存型メカニズム(Alternative Lengthening of Teromereまたは「ALT」)で複製すると思われるので、かかるスクリーニングに有用であると考えられる。本発明の範囲を特定の作用機構に限定することを意図しないが、SENP1はALTの維持に関与すると考えられる。次いで、SENP1インヒビターによるALTの抑制によって、結果的にこれらの細胞の分裂の抑制を伴うテロメアの構造変化が生じることが予想される。対照的に、細胞系においてテロメラーゼが活性である場合には、SENP1インヒビターの存在下においてでもテロメラーゼにより細胞分裂が可能になり続ける。
テロメラーゼを発現しない細胞(「ALT」細胞)の例は、文献中に知られている。例えばTsutsui, TらCarcinogenesis 24 (2003) 953-965; Bryan, T.M., Hum Mol Genet 6 (1997) 921-926; Guilleret, I. ら, Carcinogenesis 23 (2002) 2025-2030参照。ALT細胞系の例としては、限定されないが、SUSM-1、WI38 VA13/2RA、BET-3M、GM847、MeT-4A、IIICF/c、IIICF-T/A6、MDAH 087、Saos-2および U-2細胞が挙げられる。
ALTの抑制は、テロメアの長さの変化(Roche Applied Biosystems製のTeloTAGGG Telomere Length Assayまたは Tsutsui, T.ら, Carcinogenesis 24 (2003) 953-965)、またはALTを行なわない細胞中でのPML-NBの正常な点状の出現の代わりに、ALT細胞中に「ドーナツ型」で存在するPML小体の出現等の形態的マーカーの変化についてのアッセイにより検出され得る(例えばYeager, T.R. ら, Cancer Res. 59 (1999) 4175-4179参照、細胞分裂の阻害(例えば、異なる時点での細胞数の計測(例えば、Guava Technology TMの製品を使用して)、ソフトアガーベースのアッセイを使用した異なる時点でのコロニー数の計測、細胞がそのとき存在している細胞周期の段階を決定するための細胞周期決定技術、顕微鏡、染色体解析、CellomicsTM技術を用いた可視的な解析、またはウェスタンブロットもしくは免疫組織化学解析等でタンパク質発現を解析によって決定される)。
細胞ベースのアッセイには、SENP1に結合する薬剤またはその薬剤によるSENP1活性の調節についてスクリーニングするために、SENP1を含有する細胞全体または細胞断片が包含され得る。細胞ベースのアッセイに使用される細胞は、初代細胞もしくは腫瘍細胞または他の種類の不死の細胞系であり得る。内在的にSENP1を発現しない細胞中で、当然SENP1を発現し得る。
3. シグナル活性または下流の事象
SENP1により調節されるシグナル活性または他の下流の事象も、SENP1アンタゴニストを同定するために観察され得る。従って、いくつかの態様において、多くの薬剤を、SENP1を発現する細胞に接触させ、その後、シグナルまたは下流の事象の変化について該細胞をスクリーニングする。少なくともいくつかの同定された薬剤がSENP1を直接アンタゴナイズすると思われるので、SENP1によって調節される下流の事象を調節する薬剤のプールは、典型的にSENP1アンタゴニストに富んでいる。下流の事象はSENP1の抑制の結果として生じるその活性または発現を含み、例えば減少した細胞成長(例えば、ソフトアガー中の、またはGuava Technologies TM、Hayward、CAのもの等の細胞解析系を使用するコロニー数の計測のように測定される)、細胞周期段階の変化(Cellomics、Pittsburgh、PA等の例えばHT抗体染色画像解析を使用して、または標準的な細胞学的方法により測定される);または例えばウェスタンブロットまたは顕微鏡によるものを含んだタンパク質発現の変化を含み得る。
懸濁液中でのソフトアガー生育またはコロニー形成
正常細胞は接触および成長のために固形の基板を要する。新生細胞はこの表現型を消失し、基板から解離して成長する。例えば、新生細胞は攪拌された浮遊培養、または半固形アガーまたはソフトアガー等の懸濁された半固形培地中で生育し得る。腫瘍抑制遺伝子をトランスフェクトされるかまたはSENP1アンタゴニストと接触される場合、新生細胞は正常の表現型を再生し得、接触および生育のために固形の基板を要するであろう。従って、懸濁液中でのソフトアガー生育またはコロニー形成のアッセイを使用して、異常な細胞内増殖およびトランスフォーメーションを減じるかまたは消失させる薬剤を同定し得る。
懸濁液中でのソフトアガー生育またはコロニー形成のアッセイ技術は、Freshney、Culture of Animal Cells a Manual of Basic Technique (3版、1994)に記載され、本明細書中に参照によって援用される。
接触阻害および生育の密度制限
典型的に、正常細胞は他の細胞に接触するまで、ペトリ皿の平坦で、組織化されたパターン中で生育する。細胞がお互いに接触すると、接触阻害を受け生育を停止する。しかしながら細胞を形質転換した場合、接触阻害を受けず、組織されていない病巣で、高密度で生育し続ける。従って、形質転換された細胞は、正常細胞よりも高い飽和密度まで生育する。このことは、規則正しい正常な周辺細胞のパターンの病巣での方向性を失った単層細胞または球状の細胞の形成により形態的に検出され得る。あるいは、飽和密度で(3H)-チミジンを有する標識指標を用いて、生育の密度制限を測定し得る。Freshney (1994)、上述を参照。腫瘍抑制遺伝子を形質転換された場合、形質転換された細胞は正常な表現型を再生し、接触阻害を受け、低密度で生育するようになる。
飽和密度で(3H)-チミジンを有する標識指標を用いて、生育の密度制限を測定し得る。例えば、形質転換された宿主細胞を、候補SENP1アンタゴニスト接触させ、次いで非制限培地条件下で、一定時間(例えば24時間)、飽和密度まで成育し得る。(3H)-チミジンで標識された細胞の割合は、放射性同位体により決定され得る。Freshney (1994)、上述を参照。
成長因子または血清依存性
形質転換された細胞は、その正常体よりも低い血清依存性を有する(例えば、Temin, J. Natl. Cancer Insti. 37 (1966) 167-175; Eagleら, J. Exp. Med. 131 (1970) 836-879参照);Freshney、上述。これは部分的に、形質転換された細胞の種々の成長因子の放出のためである。候補SENP1アンタゴニストと接触した細胞の成長因子または血清依存性を対照のものと比較し得る。
腫瘍特異的マーカーレベル
腫瘍または新生細胞は、その正常体よりも増加した量の特定の因子を放出する(以下「腫瘍特異的マーカー」)。例えば、ヒトグリオーマから、正常脳細胞よりも高レベルでプラスミノーゲン活性化因子(PA)が放出される(例えばBiological Responses in Cancer, pp. 178-184 (Mihich編 1985)のGullino, Angiogenesis, tumor vascularization, and potential interference with tumor growth.参照)。同様に、腫瘍細胞において、その正常体よりも高レベルで腫瘍脈管形成因子(TAF)が放出される。例えば、Folkman, Angiogenesis and Cancer, Sem Cancer Biol. (1992)参照。
これらの因子の放出を測定する種々の技術は、Freshney(1994)上述、に記載される。また、Unklessら, J. Biol. Chem. 249 (1974) 4295-4305; Strickland & Beers, J. Biol. Chem. 251 (1976) 5694-5702; Whurら, Br. J. Cancer 42 (1980) 305-312; Biological Responses in Cancer, pp. 178-184 (Mihich編 1985)の Gullino, Angiogenesis, tumor vascularization, and potential interference with tumor growth; Freshney Anticancer Res. 5 (1985) 111-130参照。
Matrigelへの侵襲性
SENP1アンタゴニストを同定するためのアッセイに、Matrigelまたはいくつかの他の細胞外マトリクス構成要素への侵襲性の程度を使用し得る。腫瘍細胞は、悪性腫瘍と、Matrigelまたはいくつかの他の細胞外マトリクス構成要素への細胞の侵襲性との良い相関を示す。このアッセイにおいて、新生細胞が使用され得、ここで薬剤との接触の後の該細胞の侵襲性の減少により、該薬剤がSENP1アンタゴニストであることが示され得る。
Freshney (1994) 上述に記載される技術を使用し得る。簡潔に、宿主細胞の侵襲のレベルは、Matrigelまたはいくつかの他の細胞外マトリクス構成要素でコーティングされたフィルターを使用することで測定され得る。ゲルへの侵入、またはフィルターの遠位側を通過する侵入が、侵襲と見なされ、細胞数および移動距離、または細胞を125Iで予め標識することおよびフィルターの遠位側またはディッシュの底放射能を測定することにより、組織学的に評価される。例えばFreshney (1984) 上述を参照。
4. 検証
任意の前述のスクリーニング方法により最初に同定された薬剤を、さらに試験して推定上の活性を検証する。いくつかの態様において、適切な動物モデルでかかる試験を行なう。かかる方法の基本的な形式は、処置を受けるヒト疾患モデルとして提供される動物に対する最初のスクリーニングの間に、同定された主要な化合物を投与することを含み、次いで、SENP1が実際に調節されるか、および/または疾患または症状が改善されるかを決定する。検証試験に利用される動物モデルは、一般に任意の種の哺乳類である。適切な動物の具体例としては、限定はされないが、霊長類、マウス、およびラットが挙げられる。
5. SENP1と相互作用する薬剤
SENP1の調節因子として試験された薬剤は任意の低分子化学物質、またはポリペプチド(例えばペプチド)、糖、核酸(例えばsiRNAもしくはアンチセンスポリヌクレオチドを含む)もしくは脂質等の生物学的実体であり得る。水溶液または有機(特にDMSOベース)溶媒に可溶性であるほとんどの化合物が使用されるが、本質的に任意の化学物質は、本発明のアッセイの潜在的調節因子(例えばアンタゴニスト)またはリガンドとして使用され得る。アッセイの工程の自動化、およびアッセイのために任意の便利な化合物の提供により、アッセイを設計して巨大な化学ライブラリーをスクリーニングするが、これらは典型的に並行して行なわれる(例えば、機械化アッセイにおいてマイクロタイタープレート上、マイクロタイター形式で)。Sigma(St. Louis, MO)、Aldrich(St. Louis, MO)、Sigma-Aldrich(St. Louis, MO)、Fluka Chemika-Biochemica Analytika (Buchs, Switzerland)等が挙げられる、化学物質の供給業者が多くあることは好ましい。
いくつかの態様において、該薬剤は分子量1,500ダルトン未満、およびいくつかの場合において、1,000、800、600、500、または400ダルトン未満の分子量を有する。より大きな分子量を有する薬剤よりも、より小さい分子が、経口吸収を含む薬理動態的特徴に適合性のある生理化学的特性を有する可能性がより大きいので、相対的に小さい大きさの薬剤が所望であり得る。例えば、下記:5個のH-結合供与体よりも大きいものを有するもの(OHおよびNHの合計として表される);500より大きい分子量を有するもの;5を超えるLogP(または4.15を超えるMLogP)を有するもの;および/または10個のH-結合受容体よりも大きいもの(NおよびOの合計として表される)のようにLipinskiらにより、透過性および溶解性に基づく薬物として成功する可能性のより低い薬剤が記載される。例えば、Lipinskiら Adv Drug Delivery Res 23 (1997) 3-25参照。
いくつかの態様において、ハイスループットスクリーニング法には、多くの潜在的治療化合物(潜在的な調節因子またはリガンド化合物)を含有する組み合わせの化学またはペプチドライブラリーを提供する工程が含まれる。次いで、かかる「組み合わせの化学ライブラリー」または「リガンドライブラリー」を一つ以上のアッセイで、本明細書に記載のようにスクリーニングして、望ましい特徴的な活性を示すこれらのライブラリーメンバー(特定の化学種またはサブクラス)を同定する。このようにして同定される化合物は、従来の「リード化合物」として提供され得るか、またはそれ自身が潜在的なもしくは実際の治療剤として使用され得る。
組み合わせの化学ライブラリーは、多くの化学的な「基礎的要素」を組み合わせることで、化学合成または生合成のいずれかで作製された、様々な化学物質の集合体である。例えば、ポリペプチドライブラリー等の直鎖状の組み合わせの化学ライブラリーは、所定の化合物の長さ(すなわち、ポリペプチド化合物のアミノ酸数)について、全ての可能な方法で、一連の化学的な基礎的要素(アミノ酸)を組み合わることで形成される。化学的な基礎的要素の組み合わせにより、数百万の化学物質が合成され得る。
組み合わせの化学ライブラリーの調製およびスクリーニングは当業者に周知である。かかる組み合わせの化学ライブラリーとしては、限定されないが、ペプチドライブラリー(例えば米国特許第5,010,175号、Furka, Int. J. Pept. Prot. Res. 37 (1991) 487-493; およびHoughtonら, Nature 354 (1991) 84-88参照)が挙げられる。また、化学的多様性ライブラリーを作製するために、他の化学物質も使用され得る。かかる化学物質としては、限定されないが:ペプトイド(例えばPCT公開公報WO 91/19735)、コードされたペプチド(例えばPCT公開公報WO 93/20242)、ランダムバイオオリゴマー(例えばPCT公開公報WO 92/00091)、ベンゾジアゼピン(例えば米国特許第5,288,514号)、ヒダントイン、ベンゾジアゼピンおよびジペプチド等の多量体(diversomer)(Hobbsら, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 90 (1993) 6909-6913)、ビニロガス(vinylogous)ポリペプチド(Hagiharaら, J. Amer. Chem. Soc. 114 (1992) 6568)、グルコース付加物(scaffolding)を有する非ペプチダル(peptidal)ペプチド模倣物(Hirschmannら, J. Amer. Chem. Soc. 114 (1992) 9217-9218)、小化合物ライブラリーの類似有機合成物(Chenら, J. Amer. Chem. Soc. 116 (1994) 2661)、オリゴカルバメート(Choら, Science 261 (1993) 1303)、および/またはペプチジルホスホン酸(Campbellら, J. Org. Chem. 59 (1994) 658)、核酸ライブラリー(Ausubel, BergerおよびSambrook全て上述を参照)、ペプチド核酸ライブラリー(例えば、米国特許第5,539,083号参照)、抗体ライブラリー(例えば、Vaughnら, Nature Biotechnology, 14 (1996) 309-314およびPCT/US96/10287参照)、炭水化物ライブラリー(例えば、Liangら, Science, 274 (1996) 1520-1522)および米国特許第5,593,853号参照)、小有機分子ライブラリー(例えば、ベンゾジアゼピン、Baum C&EN, Jan 18, page 33 (1993);イソプレノイド、米国特許第5,569,588号;チアゾリジノンおよびメタチアザノン、米国特許第5,549,974号;ピロリジン、米国特許第5,525,735号および第5,519,134号;モルフォリノ化合物、米国特許第5,506,337号;ベンゾジアゼピン、第5,288,514号等参照)が挙げられる。
組み合わせのライブラリーの調製のための装置は市販されている(例えば、357 MPS、390 MPS、Advanced Chem Tech、Louisville KY、Symphony、Rainin、Woburn、MA、433A Applied Biosystems、Foster City、CA、9050 Plus、Millipore、Bedford、MA参照)。また、無数の組み合わせライブラリーそれ自体が市販されている(例えば、ComGenex、Princeton、N.J., Tripos、Inc., St. Louis、MO、3D Pharmaceuticals、Exton、PA、Martek Biosciences、Columbia、MD等参照)。
SENP1は構造的に、ユビキチンファミリーのタンパク質に関連しており、この類似点を用いて、SENP1アンタゴニストの設計を補助し得る。小ユビキチン様(Ub1)修飾因子(Small Ubiquitin-Like Modifiers)(SUMO;Muller, Sら, Nat Rev Mol Cell Biol 2 (2001) 202-210)およびYeh, E.T.ら, Gene 248 (2000) 1-14に概説される)のファミリーは、SENP1がそのメンバーであり、ユビキチンファミリーに関連している。二つのファミリー間の同一性は20%未満であるが、全体的な構造は非常に類似している(コア残基間で2.1Å rmsd [SUMO-1およびユビキチンの21〜93および1〜72、それぞれ](Bayer, Pら, J Mol Biol. 280 (1998) 275-286))。両タンパク質は、自身のC末端の-COOH基を介して標的タンパク質のリシン側鎖のε-NH2基と(イソペプチド結合)共有結合をしている。ユビキチンおよびSUMOは、C末端付近に、保存されたジ-グリシンモチーフを有する。ユビキチンとSUMOの結合は、複数の工程:C-尾部の分裂、活性化および最終的な転移を含む複雑な過程である(Johnson, E.S.ら, Embo J 16 (1997) 5509-5519; Gong, L.ら, FEBS Lett 448 (1999) 185-189)。
ユビキチンとは異なり、ユビキチンLys-48に対応するGlnへの置換のためにSUMOはポリマー連結(attachment)を形成しない。SUMOおよびユビキチンの経路は、主に修飾のために異なっており:最もよく特徴付けられた、ユビキチン化の結果は、分解のためのタグ付加されたタンパク質の26 Sプロテアソームに対する標的化である。SUMO化タンパク質は分解されないようになっている。
三つのSUMO遺伝子がヒトで同定されている(受託番号については表1を参照)。Smt3とヒトSUMO-1との間には、62.0/49.0%の配列類似性/同一性がある(表2参照)。ヒトSUMO-1についての溶液(solution)構造は明らかにされている(Bayer, P.ら, J Mol Biol. 280 (1998) 275-286)。
SUMO化はダイナミックで、可逆的な過程である。SUMOの標的からの分裂(脱SUMO化)は、酵母ではULPと名付けられた(ユビキチン様プロテアーゼについて)システインプロテアーゼ、およびヒトではSENPまたはSUSP(セントリン/SUMO特異的プロテアーゼについて)によって触媒される(Li, S.J.およびM. Hochstrasser, Nature 398 (1999) 246-251; Bailey, D.およびP. O'Hare, J Biol Chem 279 (2004) 692-703)。2個のULPが酵母で(Ulp1およびUlp2)、および少なくとも7個SENPがヒトで同定されている(表1参照)。これらのプロテアーゼは、SUMO化経路で、ジ-グリシンモチーフの作製のためのC末端尾部のプロセッシング、およびGly-Lysイソペプチド結合の加水分解による解離(de-conjugation)の二つの役割を担っている。それらはユビキチンのイソペプチド結合は切断しない。酵母においてはUlp1の解離作用が必要不可欠である(Li, S.J.およびM. Hochstrasser, Nature 398 (1999) 246-251)。別のSUMO形態に作用するように、哺乳類で種々の異なるSENPが進化したと仮説を立てることが妥当である。また、細胞内(sub-cellular)局在により生理学的に有意なSUMOイソペプチダーゼの特異性の制限が生じる(place)。例えばSENP1は、インビボではなく、インビトロでRan GAP1からSUMO-1を解離し得る。これは、SENP1は核に局在するが、Ran GAP1は核孔複合体の細胞質中微小繊維と接触しているという事実のためである(Gong, L.ら, J Biol Chem 275 (2000) 3355-3359)。SENP1の171〜177の位置に核局在シグナル(NSL1)が見られる。
7個のヒトSENPおよび2個のULP配列の配列比較により、絶対的に保存された、触媒性の三つ組みを形成するCys、HisおよびAsp残基、ならびに活性部位にオキシアニオンホールを形成するGlnを有するコアC末端触媒性ドメイン(SENP1の残基420〜643;表3参照)中に、保存が存在することが示される(Gong, L.ら, J Biol Chem 275 (2000) 3355-3359)。C末端触媒性ドメインの発現が単独で、構成的な触媒活性を示すSUMO-1のレベルの低下を誘導するために、可変的なN末端ドメインは調整的な役割を担うと考えられている(Bailey, D.およびP. O'Hare, J Biol Chem 279 (2004) 692-703)。
酵母Ulp1とSmt3との複合体の構造が明らかにされている(例えば、Mossessova, E.およびC.D. Lima, Mol Cell 5 (2000) 865-876参照)。この構造および上述の配列比較を用いて、Molocを使用したヒトSENP1およびSUMO-1の相同性モデルを作製した(Gerber, P.R.およびK. Muller, J Comput Aided Mol Des 9 (1995) 251-268)。SUMO-1基質を用いたモデル化ヒトSENP1の活性部位で観察される相互作用は、実験的な酵母およびモデル化ヒト構造において非常に類似している(表4参照)。SUMO-1のGlu93残基およびGln94残基に関連する複数の水素結合が存在するが、Thr95との相互作用はほとんどない。また、表4には、SENPファミリーの他のメンバーの相同な残基が挙げられ、これらのGlu93-Gln94の水素結合相互作用が保存されているかどうかについて推測がなされる。この解析に基づいて、重要な水素結合の4個のうち2個が失われているので、SUMO-1と他のSENP1ファミリーのメンバーとに交差反応性がほとんどないと予想される。具体的に、この解析により、EQTGG基質/インヒビターはSENP1およびUlp1に対して高度に特異的であり、ヒトセントリン/SUMO特異的プロテアーゼファミリーの他のメンバーとは交差反応しないことが示される。従って、いくつかの態様において、本発明のSENP1アンタゴニストは配列EQTGG、またはその模倣物を含む。
上述のように、この情報を考慮すると、SENP1のインヒビターを開発するためにいくつかのアプローチが存在する。いくつかの態様において、ヒトSUMO-1(C末端ドメイン、NMR(Bayer, P.ら. J Mol Biol. 280 (1998) 275-286))およびSENP1/SUMO-1複合体(X線(Mossessova, E.およびC.D. Lima, Mol Cell 5 (2000) 865-876))の酵母相同体の両方に該構造が利用可能であるので、当業者は構造に基づくインヒビターの設計、ならびに推定抑制効果についての化合物の仮想スクリーニングを行い得る。
いくつかの態様において、本発明のSENP1アンタゴニストはアルデヒドを含む。アルデヒドはチオヘミアセタールを形成するために、潜在的なシステインプロテアーゼのインヒビターである。これらの安定な共有電子対の内転(covalent adduct)は遷移状態を模倣する。システインプロテアーゼの機構を解明するためにアルデヒドが使用される例としては、パパイン(Schroder, E.ら, FEBS Lett, 315 (1993) 38-42)およびユビキチンカルボキシル末端ヒドロラーゼ(Pickart, C.M.およびI.A. Rose, J Biol Chem 261 (1986) 10210-10217)が挙げられる。C末端アルデヒドに対するNaBH4によるSmt3基質の減少を用いて、酵母Ulp1の共結晶化研究についての安定な遷移状態アナログを作製した(Mossessova, E.およびC.D. Lima, Mol Cell 5 (2000) 865-876)。これにより、Gly-Glyアルデヒドは、潜在的なSENP1システインプロテアーゼのインヒビターとして提供され得た。
SUMO-1のC末端Gly-Glyの上流の3アミノ酸(Glu-Gln-Thr)、またはその模倣物は、該残基がSENP1/SUMO-1相互作用の特異性に有意に寄与するため、インヒビターに有用であり得る(表4および表5)。Thr95はSENP1と強くは相互作用しないが、切断され易いペプチド結合とGlu93-Gln94との間に間隔を開ける性質を提供する。
SENP1/SUMO-1複合体の構造によりリシンおよび標的タンパク質の両側にある残基はSENP1と相互作用しないことが示されるが、選択的なインヒビターの設計にはこれらのアミノ酸およびその官能基を模倣する部分が含まれ得た。
特異性を検証するための一つの可能な手段としては、ユビキチンカルボキシル末端ヒドロラーゼ(PfamモチーフUCH; PF00443)等の、構造的にSENP1に高度に関連するタンパク質のファミリーに対する提唱されたSENP1インヒビターの結合、機能および機構について実際にスクリーニングすることがある。Swissprotデータベースの検索により、ヒトのUCHファミリーに属する、三つの配列が明らかとなる(表1)。いくつかのUCHの構造が明らかとなっており、ヒトUCH-L3アイソザイム(Johnston, S.C.ら, Embo J, 16(13):3787-96 (1997))およびユビキチンC末端アルデヒドを有する複合体中の酵母の酵素(Johnston, S.C.ら, Embo J. 18 (1999) 3877-3887)が含まれる。鋳型としてこれらのX線構造を使用して、他のファミリーのメンバーについての相同性モデルが構築され得た。SENP1インヒビターの高度に特異的なインヒビターは、任意のUCHではなく、SENP1と有利に相互作用した。従っていくつかの態様において、本発明のスクリーニング法としては、SENP1に結合および/またはSENP1を抑制するが、少なくとも一つのユビキチンカルボキシル末端ヒドロラーゼは抑制しない薬剤を選択することがさらに含まれる。
SENP1の核局在化はその基質特異性により重要な役割を担う。従っていくつかの態様において、提案されたインヒビターと他のシステインプロテアーゼとの最小の交差反応性を保証するために、Trojan HorseデザインにおいてSENP1自体の核局在配列(NLS1; PKKTQRR)をインヒビターの一部として利用し得る。このヘプタペプチド配列は、SENP1-SUMO1相同体モデル化複合体のSUMO-1構造についてモデル化された場合、SENP1 Lys500を有するインヒビターArg6' を含むただ一つの立体的重複を示す。しかしながら、SUMO-1の最初の92アミノ酸が失われたので、立体的または荷電的な好ましくない相互作用を避けるためにコンホメーションを調整するように、ヘプタペプチド間に十分な間隔があった。従っていくつかの場合において、SENP1のインヒビターは一つ以上の下記の:1)Gly Glyアルデヒド、2)Glu-Gln-Thr配列、またはその模倣物、および/または3)PKKTQRR等の核局在シグナルを含む。
IX. 医薬組成物および投与
例えば膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および小腸癌が挙げられる癌を治療するために、哺乳類被験体にSENP1のアンタゴニストを直接投与し得る。投与は、治療する組織と最終的に接触させるような化学療法薬または他の抗癌薬の導入に通常用いられる任意の経路によってであり得る。特定の組成物を投与するために一つより多い経路が用いられ得るが、しばしば特定の経路は、別の経路よりも迅速で、より効果的な反応を提供し得る。単一の活性成分としてか、または化学療法薬もしくは他の抗癌剤と組み合わせてのいずれかで、SENP1アンタゴニストを個体に投与し得る。
従って、SENP1のアンタゴニストおよび薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供することが本発明の目的である。本発明の別の態様において、医薬における使用のためにSENP1のアンタゴニストは提供される。本発明の別の態様において、癌、特に、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および小腸癌の治療のための医薬剤の製造においてか、または医薬剤の製造のためにSENP1のアンタゴニストは使用される。膀胱癌は特に好ましい。
本発明の医薬組成物は薬学的に許容され得る担体を含み得る。薬学的に許容され得る担体は投与される特定の組成物、ならびに該組成物の投与に使用される特定の方法により部分的に決定される。従って、本発明の医薬組成物の、広範囲で適切な製剤化が存在する(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 第17版. 1985参照)。単独かまたは他の適切な成分と組み合わせて、SENP1アンタゴニストは、吸入により投与されるようにエーロゾル製剤に作製され得る(すなわち「霧状」であり得る)。エーロゾル製剤は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素等の加圧型の許容され得る高圧ガス中に配置され得る。
投与に適した製剤としては抗酸化剤、バッファ、水性および非水性溶液、静菌剤を含み得る等張滅菌溶液および製剤を等張にする溶質、ならびに懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤および防腐剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁物が挙げられる。本発明の実施において、組成物は、例えば、経口、鼻腔、局所的、静脈中、腹腔内、鞘内で投与され得る。アンタゴニストの製剤は、アンプルおよびバイアル等の単位用量または複数用量の密封された容器中に提供され得る。溶液および懸濁液は、前述の種類の滅菌性の粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。また、アンタゴニストは、調製された食物または薬物の一部としても投与され得る。
本発明の状況において、患者に投与される用量は、被験体において経時的に有利な応答をもたらすのに十分なはずである。任意の患者に対して最適な投与レベルは、使用される特異的なアンタゴニストの効果、年齢、体重、身体的活動および患者の食事、他の薬物との可能な組み合わせ、ならびに特定の疾患の重症度に依存する。また、用量の程度も、特定の被験体において特定の化合物またはベクターの投与に伴って生じる任意の不利な副作用の存在、性質および程度によって決定される。
投与すべきアンタゴニストの有効量の決定において、医者はアンタゴニストの循環血漿レベル、アンタゴニストの毒性、および抗アンタゴニスト抗体の生産を評価し得る。一般的に、アンタゴニストの用量等価物は、典型的な被験体に対して約1 ng/kg〜10 mg/kgである。投与は、単一用量または分割用量によって達成され得る。
実施例
実施例1:SENP1/テロメラーゼ発現と膀胱癌の関連
本件出願人らの研究により、増加したレベルのセントリン/SUMO特異的プロテアーゼ(SENP1)mRNAは、尿沈渣中に測定可能なテロメラーゼ(TERT)mRNAを発現しない腫瘍を有する、膀胱癌患者の尿沈渣中に存在することが示される。このように、TERTを発現していない場合、SENP1の測定を使用して、特に癌、必ずしもそれだけではないが、を診断、観測し得、および癌の予後を評価し得る。
本件出願人らの現在の研究により、SENP1 mRNAの発現の増加は検出可能なレベルのテロメラーゼmRNAを発現していない腫瘍由来の細胞と関連があることが示される。本件出願人らの知識の及ぶ限りでは、このことは、癌患者由来のテロメラーゼ陰性試料においてSENP1が増加するという最初の立証である。この状況において、SENP1は、癌についての診断、観測および予後による試験において有用なマーカーを提供する。また、腫瘍におけるテロメラーゼの発現は必ずしもSENP1の過剰発現を妨げるわけではないことは注目する価値がある。従って、SENP1の過剰発現は、テロメラーゼ陽性であるいくつかの腫瘍の検出に対する有用なマーカーである。
健康であるかまたは膀胱癌を有すると診断されたヒト被験体から尿(100 ml)を採取した。これらの試料由来の細胞を低速遠心分離(700 x g 10分間)により採取し、リン酸緩衝生理食塩水で2度洗浄した。溶解バッファ中に溶解した細胞をRoche HighPure total RNA kitにかけた。Roche HighPure total RNA kitを用いて全RNAを精製した。定量的リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)により、テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)をコードする遺伝子の発現、試料由来のRNAの産生を観測するために用いられたタンパク質ホスファターゼ1触媒性サブユニットαアイソフォーム(PPP1CA)遺伝子の発現について試料をアッセイした。
現在の研究について、膀胱癌患者由来の19個のテロメラーゼ陰性試料、および健康な被験体由来の19個のテロメラーゼ陰性試料を定量的リアルタイムRT-PCRにより分析した。各アッセイにおいて、実験条件は以下のようであった:100μl反応溶液中に50 mMビシン、pH8.0、115 mM酢酸カリウム、8%グリセロール、3 mM酢酸マグネシウム、各200μMデオキシアデノシン三リン酸、デオキシシチジン三リン酸、デオキシグアノシン三リン酸、500μMのデオキシウリジン三リン酸、Applied Biosystemsの2単位のウラシルN-グリコシラーゼ(UNG)、10単位のrTth DNAポリメラーゼ(Applied Biosystemsのテルムス・サーモフィルス由来のDNAポリメラーゼの組換え体)、10 nM 5’ヌクレアーゼプローブ、フォワードおよびリバースの各200 nMのプライマーが含有された。SENP1 RNAを逆転写、増幅して蛍光標識されたプローブで検出した。
以下のサイクル条件でABI Prism 7700中でアッセイを行なった:PCR産物の持込による任意の汚染のUNG媒介除去を可能にするような最初の50℃、2分間のインキュベーション工程、95℃ 1分間の変性、および60℃、30分間の逆転写工程の後、95℃、20秒での変性および60℃、40秒でのアニーリング/伸長を50サイクル行なった。これらの固定されたアッセイ条件が任意であること、ならびに様々なバッファ、塩、グリセロール/DMSO濃度、ヌクレオチド濃度、プライマーおよびプローブ濃度、逆転写酵素、DNAポリメラーゼ酵素、RT-PCRのための2酵素/1チューブまたは2酵素/2チューブ法、UNG有りおよび無し、二価の陽イオンとしてマグネシウムまたはマンガンの使用、種々のプライマー/プローブ濃度、配列ならびに熱サイクル条件によって同一の結果が得られることは注目する価値がある。プライマーおよびプローブの配列は以下の通りである:SENP1についてCAAGAAGTGCAGCTTATAATCCAA(配列番号:6;フォワード「センス」プライマー)およびGTCTTTCGGGTTTCGAGGTAA(配列番号:7;リバース「アンチセンス」プライマー)、CTCAGACAGTTTTCTTGGCTCAGGCG(配列番号:8;プローブ);PPP1CAに対してGAGCACACCAGGTGGTAGAA(配列番号:9;フォワードプライマー)、GGGCTTGAGGATCTGGAAA(配列番号:10;リバースプライマー)、GAGTTTGACAATGCTGGCGCCATGATGAGT(配列番号:11;プローブ)。
SENP1 mRNAの量は、定量的リアルタイムRT-PCRによって測定した。SENP1の相対コピー数は、RNA定量標準物を基準に測定した。これらの標準物は、既知濃度のPPP1CAランオフ(run-off)転写物からなり、逆転写され、実験試料と同じ条件下でPCRによって増幅される。サイクル閾(Ct)値は、増幅反応の開始時に存在するmRNAの量のめやす(measure)を提供するために計算した。増幅反応における効率は、異なるプライマー/プローブセットと、または標準物対ヒト被験体試料において、後者の場合では、試料調製物を介して媒介され得る逆転写のインヒビターの存在の可能性によるが、全く同じであることは、あったとしても、めったにないため、コピー数は、絶対コピー数としてではなく、試料中の所定の転写物の相対コピーで示す。
表Iに示すように、健常被験体におけるSENP1のメジアンコピー数は4であり、膀胱癌テロメラーゼ陰性患者におけるメジアンは1899コピーである。計算時の異常値の影響を緩和するために、平均ではなくメジアンを計算する。これらの試料に対する受信者動作特性曲線 (図1) (Agresti, A., Categorical Data Analysis, pp. 228-230 (2002)の方法に従って決定)は、SENP1に基づいて、テロメラーゼ陰性膀胱癌患者がテロメラーゼ陰性健常被験体と識別され得ることを示す。まず得られた近似の結果に対し、患者のこのサブセットは、互いに100%感度および90%特異性で識別され得る。
また、このデータを、各試料中に存在するハウスキーピング遺伝子のレベルに対して標準化し得る。かかる標準化は、初期試料中の細胞数の変動、あらゆるRNA分解または試料中のインヒビターの存在を制御する。この場合、同じ条件下で予め測定したPPP1CAのレベルを標準化に使用した。計算は以下のとおりとした。所定の試料中のSENP1 mRNAの相対コピー数を、同じ試料中のPPP1CA mRNAの相対コピー数で除算した。操作および記録を容易にするため、この数に1×105を積算した。したがって、表IIに示すSENP1 mRNAの標準化したコピー数は、PPP1CA mRNA 1×105コピーあたりのSENP1 mRNAのコピー数を表す。健常被験体におけるSENP1 mRNAのメジアン標準化したコピー数は1096であり、膀胱癌テロメラーゼ陰性患者におけるメジアンは11994である。これらのデータの受信者動作特性曲線 (図 2)は、SENP1に基づいて、テロメラーゼ陰性膀胱癌患者がテロメラーゼ陰性健常被験体と識別され得ることを示す。まず得られた近似の結果に対し、患者のこのサブセットは、互いに90%感度および70%特異性で識別され得る。
本発明者らの結果は、SENP1が、患者由来の試料中の細胞内に見られるmRNAに基づいて、癌患者を健常患者から識別するためのマーカーとして使用され得ることを示す。
実施例2: SENP1および/またはテロメラーゼ発現と乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および小腸癌との関係
100 mgの凍結固形組織を、7.5 mlのUltraspec溶液(Biotexc)中で30秒間ホモジナイズした。全RNAを、Biotecx Ultraspec(登録商標)RNAキットを用いて抽出した。RNAを、QIAGEN DNアーゼ処理を含むQIAGEN RNeasyミニキットを用いてさらに精製した (最大100 ugの全RNAについて)。cDNAを、反応あたり3〜50 ugの全RNAを用い、Invitrogen SuperscriptTM Double-Strand cDNA合成キットに記載の方法に基づいて合成した。試薬は、特に記載のない限り、Invitrogenから購入したものとした。第1の鎖合成反応では、試薬の最終濃度は、以下のとおり:5 pM ポリdTプライマー(Affymetrix #900375)、1X 第1鎖バッファ、0.01M DTT、0.5 mMの各dATP、dCTP、dGTPおよびdTTP、400単位のSuperScriptTMII RNアーゼH-逆転写酵素 (SSRT) とし、全反応容量を20μlとした。第1鎖プライマー(1μl)を、全RNA (容量を10μlにするため+RNアーゼ無含有水)とともに70℃で10分間インキュベートした後、氷上で2分間インキュベーションした。第1鎖バッファ、DTTおよびdNTPを添加した後、42℃で2分間インキュベーションした。SSRT IIの添加後、試料を1時間42oCでインキュベートした。次いで、第2鎖合成を行なった。第1鎖合成由来の全反応液20μlに、以下の試薬: 1×第2鎖バッファ、0.2 mMの各dATP、dCTP、dGTP、およびdTTP、10 Uの大腸菌DNA リガーゼ、40 Uの大腸菌DNAポリメラーゼ I、2 UのRNアーゼ H、20 UのT4 DNAポリメラーゼを、表示した最終濃度まで添加し、全反応容量を150μlとした。T4 DNA ポリメラーゼ以外、全ての試薬を混合し、2時間16oCでインキュベートした。次いで、T4 DNA Polを添加した後、16oCで5分間インキュベートした。各試料について、得られたds cDNA全150μlを、Phase Lock Gel (Brinkmannから入手可能)の使用によって以下のようにして精製した。150μlのds cDNAを、等容量のフェノール-クロロホルム-イソアミルアルコールと混合した。水相を新しいチューブに移し、RNAを、酢酸アンモニウムおよびエタノールを用い、標準法によって沈殿させた後、氷冷100 %エタノールで2回洗浄した。ペレットを乾燥させ、2〜10 ulのRNアーゼ無含有脱イオン水中に再懸濁させた。cDNAを、OD260を測定することにより定量した。
定量的PCRを試料において、以下の条件下: 7 ngのcDNA、1×TaqMan(登録商標) Universal Master Mix (Applied Biosytemsから入手可能な購入したストック液を2×とみなした)、2.4μMの各フォワードおよびリバースヒト GAPDH プライマー、および0.5 uM ヒト GAPDH TaqManプローブで行ない、目的の特定の遺伝子のプライマーおよびプローブを同じ反応チューブに、GAPDH プライマーおよびプローブについて記載の濃度で添加した。これらのプライマーおよびプローブの配列は、SENP1では、CAAGAAGTGCAGCTTATAATCCAA (フォワード「センス」プライマー)およびGTCTTTCGGGTTTCGAGGTAA (リバース「アンチセンス」プライマー)、CTCAGACAGTTTTCTTGGCTCAGGCG (TaqManプローブ); TERTでは、TGGGCACGTCCGCA (フォワード)、GGCGTGGTGGCACATGAA (リバース)、TCATCGAGCAGAGCTCCTCCCTGAATGAGG (TaqManプローブ)であった。7個のハウスキーピング遺伝子のパネル(下記参照)のものを含むすべてのプライマーおよびプローブはABIから購入した。各アッセイの全容量は20μlであった。サイクルは、ABI Prism(登録商標)7900 HT Sequence Detection Systemにおいて行なった。50℃で2分間の初期インキュベーションの後、95℃で10分間、次いで95℃で15秒間および60℃で1分間を40〜55サイクル行った。
SENP1およびTERT mRNA (目的遺伝子またはGOIとよぶ)の相対発現レベルを、以下のようにして計算した。サイクル閾(Ct)値は、SENP1およびTERT、GAPDHならびに7個の「ハウスキーピング」ヒト遺伝子のパネルについてのRT-PCRから測定した。この7個の遺伝子は、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ, β-グルクロニダーゼ、β2-ミクログロブリン、ホスホグリセレートキナーゼ、シクロフィリン、β-アクチン、および大リボソームタンパク質POであった。ハウスキーピング遺伝子のパネルのCtに基づいて、GAPDH Ctを、期待された値が得られるように調整した。この調整は、GAPDHが特定の試料において「平均」ハウスキーピング遺伝子としての挙動を示さないことによって説明され得るGAPDH Ctの予期しないあらゆる小さな差を補正する。次いで、GOIの相対発現レベルを、
Ct(調整GAPDH)−Ct(GOI)=ΔCt
2ΔCt=GOIの相対発現レベル
として計算する。
図3〜11および表IIIに示すように、本発明者らの現在のデータは、種々の癌において、すべてではないが一部の腫瘍は、正常細胞よりも高いテロメラーゼ (TERT)発現の上昇を示すことを示す。同様に、すべてではないが一部の腫瘍は、SENP1発現の増加を示す。SENP1およびTERTの両方を組合せて癌の分子マーカーとして使用することは、いずれかのマーカー単独の使用よりも、より多数の腫瘍組織由来試料が癌陽性と識別されるのを可能にする。したがって、いずれかのマーカーの上方調節が癌について陽性と評価される分子アッセイは、癌検出の感度の増加を示し得る。この感度の増加は、驚くべきことではないが、いくぶん特異性の減少(すなわち、癌を有しない被験体が癌を有すると識別され得る数の増加)という犠牲が生じ得る。ある特定の診断状況でアッセイを使用するには、正しい判定を最大限にし、したがって感度および特異性を最大限にし得る陽性および陰性判定のための標準化された値が選択され得る。示した実施例において、選択された閾値は、個々のマーカーの各々について、およそ80%特異性を与え得る。特に記載のない限り、TERTの検出の閾はゼロである。
表IIIは、テロメラーゼおよびsenp1の単独マーカーまたは組合せマーカーとしての性能のまとめを提供する。感度は、癌陽性と判定されたある特定の組織型の癌陽性試料の数を、その組織型の癌陽性試料の総数で除したものである。特異性は、癌陰性と判定されたある特定の組織型の癌陰性(または正常)試料の数を、その組織型の癌陰性試料の総数で除したものである。ある特定のアッセイの「精度」は、その感度と特異性の合計と規定する。
本明細書に記載した実施例および態様は、例示の目的だけのために示し、これに鑑みた種々の変更または変形が当業者に示唆され、それらが本出願および添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれるべきことが理解される。本明細書に引用した全ての刊行物、特許および特許出願は、参照によりあらゆる目的でその全体が本明細書に援用される。








図1は、テロメラーゼ陰性膀胱癌患者の尿沈渣および健康な被験体の尿沈渣由来のSENP1 mRNAの典型的なレシーバー-オペレーター曲線を示す。 図2は、ハウスキーピング遺伝子タンパク質ホスファターゼ1の触媒性サブユニット αアイソフォーム(PPP1CA)に対して標準化されたSENP1のレシーバー-オペレーター曲線を示す。 図3Aおよび3Bは、正常な膀胱組織および膀胱腫瘍組織における、調整されたGAPDHの発現に対するSENP1およびTERTの発現レベルを示す。同一軸上にグラフを示す都合上、TERT発現に1×105の因数をかけた。 図4Aおよび4Bは、正常な乳房組織および乳房腫瘍組織における、調整されたGAPDHの発現に対するSENP1およびTERTの発現レベルを示す。同一軸上にグラフを示す都合上、TERT発現に1×104の因数をかけた。 図5Aおよび5Bは、正常な結腸組織および結腸腫瘍組織における、調整されたGAPDHの発現に対するSENP1およびTERTの発現レベルを示す。同一軸上にグラフを示す都合上、TERT発現に1×103の因数をかけた。 図6Aおよび6Bは、正常な腎臓組織および腎臓腫瘍組織における、調整されたGAPDHの発現に対するSENP1およびTERTの発現レベルを示す。同一軸上にグラフを示す都合上、TERT発現に1×104の因数をかけた。試料#3は、示された直線スケールが抜け落ちている値を有することを記す。 図7Aおよび7Bは、正常な肺組織および肺腫瘍組織における、調整されたGAPDHの発現に対するSENP1およびTERTの発現レベルを示す。同一軸上にグラフを示す都合上、TERT発現に1×104の因数をかけた。試料#1および#20は、示された直線スケールが抜け落ちている値を有することを記す。 図8Aおよび8Bは、正常な卵巣組織および卵巣腫瘍組織における、調整されたGAPDHの発現に対するSENP1およびTERTの発現レベルを示す。同一軸上にグラフを示す都合上、TERT発現に1×105の因数をかけた。 図9Aおよび9Bは、正常な膵臓組織および膵臓腫瘍組織における、調整されたGAPDHの発現に対するSENP1およびTERTの発現レベルを示す。同一軸上にグラフを示す都合上、TERT発現に1×105の因数をかけた。 図10Aおよび10Bは、正常な膵臓組織(第2セット)および膵臓腫瘍組織(第2セット)における、調整されたGAPDHの発現に対するSENP1およびTERTの発現レベルを示す。同一軸上にグラフを示す都合上、TERT発現に1×104の因数をかけた。 図11Aおよび11Bは、正常な小腸組織および小腸腫瘍組織における、調整されたGAPDHの発現に対するSENP1およびTERTの発現レベルを示す。同一軸上にグラフを示す都合上、TERT発現に1×103の因数をかけた。

Claims (50)

  1. 乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および小腸癌からなる群より選択される癌を有するか、または有することが疑われる個体由来の生物試料中のSENP1の量を測定する工程を含む、生物試料においてSENP1発現を検出する方法。
  2. 個体から生物試料を得る工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および小腸癌からなる群より選択される癌の診断を記録する工程をさらに含む、請求項1または2記載の方法。
  4. SENP1の量が、試料中においてSENP1をコードするポリヌクレオチドを検出することにより測定される、請求項1〜3いずれか記載の方法。
  5. 検出工程が、増幅反応においてポリヌクレオチドを増幅することを含む、請求項4記載の方法。
  6. 増幅反応中、少なくとも2つの異なるオリゴヌクレオチドが配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するように、増幅反応が、配列番号:1の少なくとも10個の連続するヌクレオチドまたはその相補鎖と少なくとも90%同一である配列を含む少なくとも2つの異なるオリゴヌクレオチドを含む、請求項5記載の方法。
  7. 増幅反応の増幅産物が、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを該産物にハイブリダイズさせることを含む工程において検出される、請求項5または6記載の方法。
  8. 鋳型依存性核酸ポリメラーゼが、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを断片化するのを可能にする条件下で5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を有する該ポリメラーゼを含む、請求項5〜7いずれか記載の方法。
  9. 生物試料中のテロメラーゼの量を測定する工程をさらに含む、請求項1〜8いずれか記載の方法。
  10. 試料中のSENP1およびテロメラーゼの量を、それぞれSENP1標準およびテロメラーゼ標準と比較する工程をさらに含み、ここで、該SENP1標準は非癌細胞におけるSENP1を表し、該テロメラーゼ標準は非癌細胞におけるテロメラーゼ量を表す、請求項9記載の方法。
  11. 個体由来の生物試料中のSENP1の量を測定する工程;および
    乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および小腸癌からなる群より選択される癌の診断を記録する工程
    を含む、生物試料においてSENP1発現を検出する方法。
  12. 個体から生物試料を得る工程をさらに含む、請求項11記載の方法。
  13. SENP1の量が、試料中においてSENP1をコードするポリヌクレオチドを検出することにより検出される、請求項11または12記載の方法。
  14. 検出工程が、増幅反応においてポリヌクレオチドを増幅することを含む、請求項13記載の方法。
  15. 増幅反応中、少なくとも2つの異なるオリゴヌクレオチドが配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するように、増幅反応が、配列番号:1の少なくとも10個の連続するヌクレオチドまたはその相補鎖と少なくとも90%同一である配列を含む少なくとも2つの異なるオリゴヌクレオチドを含む、請求項14記載の方法。
  16. 増幅反応の増幅産物が、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを該産物にハイブリダイズさせることを含む工程において検出される、請求項14または15記載の方法。
  17. 鋳型依存性核酸ポリメラーゼが、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを断片化するのを可能にする条件下で5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を有する該ポリメラーゼを含む、請求項14〜16いずれか記載の方法。
  18. 生物試料中のテロメラーゼの量を測定する工程をさらに含む、請求項11〜17いずれか記載の方法。
  19. 試料中のSENP1およびテロメラーゼの量を、それぞれSENP1標準およびテロメラーゼ標準と比較する工程をさらに含み、ここで、該SENP1標準は非癌細胞におけるSENP1を表し、該テロメラーゼ標準は非癌細胞におけるテロメラーゼ量を表す、請求項18記載の方法。
  20. 個体由来の生物試料中のSENP1の量を測定する工程を含み、生物試料が、乳房生検材料、結腸生検材料、腎臓生検材料、肺生検材料、卵巣生検材料、膵臓生検材料、小腸生検材料、気管支洗浄液および便からなる群より選択される、生物試料においてSENP1発現を検出する方法。
  21. 個体から生物試料を得る工程をさらに含む、請求項20記載の方法。
  22. 乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および小腸癌からなる群より選択される癌の診断を記録する工程をさらに含む、請求項20または21記載の方法。
  23. SENP1の量が、試料中においてSENP1をコードするポリヌクレオチドを検出することにより検出される、請求項20〜22いずれか記載の方法。
  24. 検出工程が、増幅反応においてポリヌクレオチドを増幅することを含む、請求項23記載の方法。
  25. 増幅反応中、少なくとも2つの異なるオリゴヌクレオチドが配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するように、増幅反応が、配列番号:1の少なくとも10個の連続するヌクレオチドまたはその相補鎖と少なくとも90%同一である配列を含む少なくとも2つの異なるオリゴヌクレオチドを含む、請求項24記載の方法。
  26. 増幅反応の増幅産物が、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを該産物にハイブリダイズさせることを含む工程において検出される、請求項24または25記載の方法。
  27. 鋳型依存性核酸ポリメラーゼが、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを断片化するのを可能にする条件下で5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を有する該ポリメラーゼを含む、請求項24〜26いずれか記載の方法。
  28. 生物試料中のテロメラーゼの量を測定する工程をさらに含む、請求項20〜27いずれか記載の方法。
  29. 試料中のSENP1およびテロメラーゼの量を、それぞれSENP1標準およびテロメラーゼ標準と比較する工程をさらに含み、ここで、該SENP1標準は非癌細胞におけるSENP1を表し、該テロメラーゼ標準は非癌細胞におけるテロメラーゼ量を表す、請求項28記載の方法。
  30. 複数の薬剤を、SENP1を発現する細胞であって、テロメラーゼを発現しないが新生物表現型を発現する細胞と接触させる工程、
    および
    新生物表現型を阻害する薬剤を選択し、それにより、SENP1アンタゴニストを同定する工程
    を含む、SENP1アンタゴニストの同定方法。
  31. 細胞がTERTを発現しない、請求項30記載の方法。
  32. 癌細胞に対する選択された薬剤の効果を試験する工程をさらに含む、請求項30または31記載の方法。
  33. SENP1のアンタゴニストおよび薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
  34. 癌の処置用の医薬の製造のためのSENP1のアンタゴニストの使用。
  35. 癌が、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および小腸癌からなる群より選択される、請求項34記載の使用。
  36. アンタゴニストが、
    複数の薬剤を、SENP1を発現する細胞であって、テロメラーゼを発現しないが新生物表現型を発現する細胞と接触させる工程、
    および
    新生物表現型を阻害する薬剤を選択し、それにより、SENP1アンタゴニストを同定する工程
    によって同定される、請求項33記載の医薬組成物または請求項34もしくは35記載の使用。
  37. Glu-Gln-Thr-Gly-Glyを含有するアミノ酸配列、またはその擬似物を含み、末端Glyがアルデヒドで終結している、SENP1プロテアーゼ活性のインヒビター。
  38. 核局在化シグナル配列を含む、請求項37記載のインヒビター。
  39. 核局在化シグナル配列がPro-Lys-Lys-Thr-Gln-Arg-Argを含む、請求項38記載のインヒビター。
  40. 個体由来の生物試料中のSENP1およびテロメラーゼの量を測定する工程を含む方法であって、SENP1の量が、試料中のSENP1をコードするRNAの量を検出することにより検出される、方法。
  41. 個体から生物試料を得る工程をさらに含む. 請求項40記載の方法。
  42. 癌の診断を記録する工程をさらに含む、請求項40または41記載の方法。
  43. SENP1の量が、試料中においてSENP1をコードするポリヌクレオチドを検出することにより検出される、請求項40〜42いずれか記載の方法。
  44. 検出工程が、増幅反応においてポリヌクレオチドを増幅することを含む、請求項43記載の方法。
  45. 増幅反応中、少なくとも2つの異なるオリゴヌクレオチドが配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するように、増幅反応が、配列番号:1の少なくとも10個の連続するヌクレオチドまたはその相補鎖と少なくとも90%同一である配列を含む少なくとも2つの異なるオリゴヌクレオチドを含む、請求項44記載の方法。
  46. 増幅反応の増幅産物が、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを該産物にハイブリダイズさせることを含む工程において検出される、請求項44または45記載の方法。
  47. 増幅反応が、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを断片化するのを可能にする条件下で5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を有する鋳型依存性核酸ポリメラーゼを含む、請求項44〜46いずれか記載の方法。
  48. 試料中のSENP1およびテロメラーゼの量を、それぞれSENP1標準およびテロメラーゼ標準と比較する工程をさらに含み、ここで、該SENP1標準は非癌細胞におけるSENP1を表し、該テロメラーゼ標準は非癌細胞におけるテロメラーゼ量を表す、請求項40〜47いずれか記載の方法。
  49. a) 配列番号:1の少なくとも10個の連続するヌクレオチドまたはその相補鎖と少なくとも90%同一である配列を含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドであって、配列番号:1を含むポリヌクレオチドとともに増幅反応に供されたとき、配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するような少なくとも1つのオリゴヌクレオチド;
    b) 配列番号:1の少なくとも10個の連続するヌクレオチドまたはその相補鎖と少なくとも90%同一である配列を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチド;
    c) i) ヒトテロメラーゼ RNA (TERC);
    ii) ヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT) mRNA;
    iii) TERCの相補鎖;または
    iv) TERTの相補鎖;
    の少なくとも10個の連続するヌクレオチドと少なくとも90%同一である配列を含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドであって、TERCまたはTERT mRNAとともに増幅反応に供されたとき、TERCまたはTERT mRNAの少なくとも断片の増幅を誘導するような少なくとも1つのオリゴヌクレオチド;および
    d) i) ヒトテロメラーゼ RNA (TERC);
    ii) ヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT) mRNA;
    iii) TERCの相補鎖;または
    iv) TERTの相補鎖
    の少なくとも10個の連続するヌクレオチドと少なくとも90%同一である配列を含む、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチド
    を含む、個体由来の生物試料中の癌細胞を検出するためのキット。
  50. a) 配列番号:1の少なくとも10個の連続するヌクレオチドまたはその相補鎖と少なくとも90%同一である配列を含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドであって、配列番号:1を含むポリヌクレオチドとともに増幅反応に供されたとき、配列番号:1の少なくとも断片の増幅を誘導するような、少なくとも1つのオリゴヌクレオチド;
    b) 配列番号:1の少なくとも10個の連続するヌクレオチドまたはその相補鎖と少なくとも90%同一である配列、を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチド
    c) i) ヒトテロメラーゼ RNA (TERC);
    ii) ヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT) mRNA;
    iii) TERCの相補鎖;または
    iv) TERTの相補鎖;
    の少なくとも10個の連続するヌクレオチドと少なくとも90%同一である配列を含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドであって、TERCまたはTERT mRNAとともに増幅反応に供されたとき、TERCまたはTERT mRNAの少なくとも断片の増幅を誘導するような少なくとも1つのオリゴヌクレオチド;および
    d) i) ヒトテロメラーゼ RNA (TERC);
    ii) ヒトテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT) mRNA;
    iii) TERCの相補鎖;または
    iv) TERTの相補鎖
    の少なくとも10個の連続するヌクレオチドと少なくとも90%同一である配列を含む、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを含む、反応混合物。
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