JP2008312403A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電位の偏りが起こりうる現象の際に、対地電位の上昇あるいは下降による拡大被害を防ぐことができる電力変換装置を提供することである。
【解決手段】交流を直流に変換するコンバータ部と、コンバータ部で得られた直流を交流に変換するインバータ部と、コンバータ部とインバータ部との間に接続された直流リンク回路と、直流リンク回路の正電位と負電位との間に接続されるコンデンサと、直流リンク回路の正負の電位の中間電位を仮想中性点として接地する接地回路と、コンデンサの電荷を放電する放電回路と、直流リンク回路の地
絡を検出する地絡検知手段と、地絡検知手段が地絡を検知したときは放電回路を
流通させ直流リンク回路の電圧を放電する制御部とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】交流を直流に変換するコンバータ部と、コンバータ部で得られた直流を交流に変換するインバータ部と、コンバータ部とインバータ部との間に接続された直流リンク回路と、直流リンク回路の正電位と負電位との間に接続されるコンデンサと、直流リンク回路の正負の電位の中間電位を仮想中性点として接地する接地回路と、コンデンサの電荷を放電する放電回路と、直流リンク回路の地
絡を検出する地絡検知手段と、地絡検知手段が地絡を検知したときは放電回路を
流通させ直流リンク回路の電圧を放電する制御部とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、交流電力を一旦直流電力に変換し、その直流電力を再び所定の交流電力に変換する電力変換装置に関する。
例えば、鉄道列車用の電力変換装置では、架線からの交流電力を集電装置を介して入力し、電力変換装置で直流に変換し、所定の交流電力に変換するようにしている。
図8は従来の電力変換装置を交流鉄道主回路システムに適用した構成図である。集電装置11から交流がき電され、遮断器12及び主変圧器13を介し、複数台の電力変換装置14へ接続されている。さらに、主変圧器13と電力変換装置14との間には接触器15が接続されている。なお、接触器15は電力変換装置14に内蔵される場合もある。
電力変換装置14は、交流を直流に変換するコンバータ部16と直流を交流に変換するインバータ部17とを有し、コンバータ部16とインバータ部17とが直流リンク回路18により接続され、直流リンク回路18の正極線19及び負極線20の間にコンデンサ21が接続されている。また、接地回路22は直流リンク回路18の正極線19と負極線20との正負のおよそ中間の電位となる箇所を仮想中性点23として接地する。また、コンデンサ21の電荷を放電する放電回路24を有する。放電回路24は回路不使用時に直流電圧を放電するものである。
仮想中性点23は、直列に接続した接地コンデンサ25や分圧抵抗26を用いて形成される。地絡検出手段27は、直流リンク回路18の地絡を検出するものである。そして、電力変換装置14で変換された交流電力で電動機28を駆動する。
ここで、交流電源で駆動される鉄道車両の電力変換装置14としては、正負2レベルを有する2レベルシステムと、正負及び中間出力を有する3レベルシステムとが一般に知られている(特許文献1参照)。
2レベルシステムでは、2レベルコンバータと2レベルインバータとの中間にある直流リンク回路18は、負極側を接地するのが一般的である。その場合、接地電位と主回路との電圧が正極線19と負極線20との間の電圧と同等になる。なお、ここでいう「接地」とは車体の電位と同等の電位に接続することをいう。同様に、以下の「対地」は対車体と同義であり、「地絡」とは、車体電位との短絡をいうこととする。これに対し、図8のように、正極線19と負極線20との中間を仮想中性点23として接地するものでは、主回路の対地電圧を正極線19と負極線20との間の電圧のおよそ半分に抑えられるという利点がある。仮想中性点23は、直流リンク回路18の正極線19と負極線20との間を直列に接続した接地コンデンサ25や分圧抵抗26で分圧して形成している。
また、従来の電力変換装置14として、図9に示すようなものもある。図9のものは、図8のものに対し、放電回路24に代えて、正側と中間電位、及び負側と中間電位に、それぞれ接触器を配して正側放電回路29及び負側放電回路30を設けたものである。
特開2005−110336号公報
しかしながら、図8に示した従来のものでは、電力変換装置14の地絡故障に対する保護はコンバータ部16の上流にある接触器15、あるいは主変圧器13の上流にある遮断器12によって電流を遮断するのみであった。従って、直流リンク回路18の主回路に異常電圧が発生することがあった。
例えば、直流リンク回路18の負側が地絡した場合、仮想中性点23の電位と負側電位とが同電位になるため、正側の対地電位が上昇し正負間のコンデンサ21にかかる電圧にほぼ等しくなる。一方で、主回路は正負にかかる電圧の半分を対地電圧として想定しているため、正側電位の上昇により、新たに地絡箇所とは別の箇所で絶縁破壊などの故障を起こし被害が拡大するおそれがあった。
また、図9に示した従来のものでは、接触器の動作不良などで、片側の接触器のみが開いて、他方が閉じたままとなる故障が想定される。この場合も、前述の地絡の場合と同様の現象となり、対地電位が上昇してしまう。また、3レベルシステムの場合には中性点が存在するが、正負間を接続し中性点に接続しないコンデンサ21が存在する場合は、上記と同様の事象が起こる。
以上の様に、中性点を接地する方式で、中性点を介さないコンデンサ21が存在する回路では、故障の仕方によって電位の偏りが起こり、対地の電圧が正負間電圧の中間値を大きく超えてしまう場合が想定され、結果として、絶縁破壊などの拡大事故を起こす恐れがある。
本発明の目的は、電位の偏りが起こりうる現象の際に、対地電位の上昇あるいは下降による拡大被害を防ぐことができる電力変換装置を提供することである。
本発明は、交流を直流に変換するコンバータ部と、前記コンバータ部で得られた直流を交流に変換するインバータ部と、前記コンバータ部とインバータ部との間に接続された直流リンク回路と、前記直流リンク回路の正電位と負電位との間に接続されるコンデンサと、前記直流リンク回路の正負の電位の中間電位を仮想中性点として接地する接地回路と、前記コンデンサの電荷を放電する放電回路と、前記直流リンク回路の地絡を検出する地絡検知手段と、前記地絡検知手段が地絡を検知したときは前記放電回路を流通させ前記直流リンク回路の電圧を放電する制御部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、電位の偏りが起こりうる現象の際に、対地電位の上昇あるいは下降による拡大被害を防ぐことができる電力変換装置を提供できる。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる電力変換装置14を交流鉄道主回路システムに適用した構成図である。集電装置11の下流には遮断器12が設けられ、遮断器12には主変圧器13が接続されている。主変圧器13には複数ないし単数の電力変換装置14が接触器15を介して接続され、電力変換装置14のそれぞれに複数ないし単数の電動機28が接続され電動機28を駆動する。そして、それぞれの電力変換装置14は自身の主回路を接触器15で遮断する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる電力変換装置14を交流鉄道主回路システムに適用した構成図である。集電装置11の下流には遮断器12が設けられ、遮断器12には主変圧器13が接続されている。主変圧器13には複数ないし単数の電力変換装置14が接触器15を介して接続され、電力変換装置14のそれぞれに複数ないし単数の電動機28が接続され電動機28を駆動する。そして、それぞれの電力変換装置14は自身の主回路を接触器15で遮断する。
電力変換装置14は、交流を直流に変換するコンバータ部16と、直流を交流に変換するインバータ部17とを有し、コンバータ部16とインバータ部17との間に直流リンク回路18が接続されている。直流リンク回路18の正極線19と負極線20との間にコンデンサ21が接続され、また、接地回路22は、正極線19と負極線20との間のおよそ中間の電位となる箇所を仮想中性点23として接地する。また、回路不使用時に直流電圧を放電するコンデンサ21の電荷を放電する放電回路24を有する。仮想中性点23は、直列に接続した接地コンデンサ25や分圧抵抗26を用いて形成される。地絡検出手段27は、図1では電流センサにより検出するものを想定したものを示しているが、継電器を駆動するものであってもよい。
制御部31はコンバータ16及びインバータ17を制御する。また、地絡検知手段27が地絡を検知したときは、制御部31は遮断器12及び接触器15を開放するとともに、放電回路24を流通させ直流リンク回路18の電圧を放電する。図2は本発明の第1の実施の形態における制御内容の説明図である。本発明の第1の実施の形態では、地絡検出手段27によって地絡を検出した際に、接触器15や遮断器12を開き、放電回路24によりコンデンサ21の電荷を放電する。
第1の実施の形態によれば、地絡検知手段27が地絡を検知したとき、遮断器12及び接触器15を開放するとともに、放電回路24を流通させ直流リンク回路18の電圧を放電するので、主回路の対地電位を接地電位にすることができる。
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態に係わる電力変換装置14を交流鉄道主回路システムに適用した構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、放電回路24に代えて、正側と中間電位、及び負側と中間電位に、それぞれ接触器を配して正側放電回路29及び負側放電回路30を設けたものである。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係わる電力変換装置14を交流鉄道主回路システムに適用した構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、放電回路24に代えて、正側と中間電位、及び負側と中間電位に、それぞれ接触器を配して正側放電回路29及び負側放電回路30を設けたものである。
図3に示すように、正側放電回路29及び負側放電回路30は、仮想中性点23を境に、正側と負側に分割されている。制御部31はコンバータ16及びインバータ17を制御する。また、正側放電回路29及び負側放電回路30のいずれか一方が通流した場合に他方も通流させる。つまり、一方が通流した場合には双方を流通させる。
図4は本発明の第2の実施の形態における制御内容の説明図である。本発明の第2の実施の形態では、図4(a)に示すように、負側放電回路30が通流した際には接触器15及び正側放電回路29も通流させる。逆に、正側放電回路29が通流した場合には、図4(b)に示すように、接触器15及び負側放電回路30を通流させる。
第2の実施の形態によれば、正側放電回路29あるいは負側放電回路30が閉じた場合には、直ちに他方の放電回路も閉じるので、主回路の対地電位を接地電位にできる。
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態に係わる電力変換装置14を交流鉄道主回路システムに適用した構成図である。この第3の実施の形態は、図3に示した第2の実施の形態に対し、放電回路24を追加して設けたものである。図3と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図5は、本発明の第3の実施の形態に係わる電力変換装置14を交流鉄道主回路システムに適用した構成図である。この第3の実施の形態は、図3に示した第2の実施の形態に対し、放電回路24を追加して設けたものである。図3と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図5において、制御部31はコンバータ16及びインバータ17を制御する。また、正側放電回路29及び負側放電回路30のいずれか一方が通流した場合に他方も通流させ、放電回路24も通流させる。
図6は本発明の第3の実施の形態における制御内容の説明図である。本発明の第3の実施の形態では、図6(a)に示すように、負側放電回路30が通流した際には接触器15及び正側放電回路29も通流させるとともに放電回路24も通流させる。逆に、正側放電回路29が通流した場合には、図6(b)に示すように、接触器15及び負側放電回路30を通流させるとともに放電回路24も通流させる。
第3の実施の形態によれば、正側放電回路29あるいは負側放電回路30が閉じた場合には、直ちに他方の負側放電回路30または正側放電回路29及びも放電回路24を閉じるので、主回路の対地電位を接地電位にできる。
(第4の実施の形態)
図7は本発明の第4の実施の形態に係わる電力変換装置14を交流鉄道主回路システムに適用した構成図である。この第4の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、インバータ部17は2レベルインバータ回路であり、直流リンク回路18の正側から仮想中性点23への正側電圧を検出する正側電圧検出手段32と、直流リンク回路18の負側から仮想中性点23への負側電圧を検出する負側電圧検出手段33とを設けたものである。
図7は本発明の第4の実施の形態に係わる電力変換装置14を交流鉄道主回路システムに適用した構成図である。この第4の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、インバータ部17は2レベルインバータ回路であり、直流リンク回路18の正側から仮想中性点23への正側電圧を検出する正側電圧検出手段32と、直流リンク回路18の負側から仮想中性点23への負側電圧を検出する負側電圧検出手段33とを設けたものである。
図7に示すように、制御部31はコンバータ16及びインバータ17を制御する。また、制御部31は正側電圧検出手段32及び負側電圧検出手段33の検出信号を入力し、正側電圧検出手段32及び負側電圧検出手段33の少なくもいずれか一方が設定値を超える電圧を検出したときは、放電回路24を流通させ全電圧を放電する。
ここで、3レベルの回路では、正側電位を監視する正側電圧検出手段32と負側電位を監視する負側電圧検出手段33との双方を備えることは一般的である。一方、2レベルの回路では、一般には1台の電圧監視手段を正電位と負電位の間に備える構成となる。本発明の第4の実施の形態では、2レベルの回路に対して、正側電圧検出手段32と負側電圧検出手段33とを設けたものである。
例えば、制御部31は正極線19の電圧が設定値を超えた場合に回路異常と判断し、放電回路24よりコンデンサ21の電荷を放電する。同様に、負電位が設定値を超えた場合にも回路異常と判断し、放電回路24よりコンデンサ21の電荷を放電する。ここで、第4の実施の形態は、第1の実施の形態に対してではなく、放電回路24を有する第3の実施の形態に対しても適用できる。
第4の実施の形態によれば、正側及び負側の電位を監視し、少なくともいずれか一方の電位が設定値を越えた場合には、放電回路を閉じるので主回路の対地電位を接地電位にできる。
11…集電装置、12…遮断器、13…主変圧器、14…電力変換装置、15…接触器、16…コンバータ部、17…インバータ部、18…直流リンク回路、19…正極線、20…負極線、21…コンデンサ、22…接地回路、23…仮想中性点、24…放電回路、25…接地コンデンサ、26…分圧抵抗、27…地絡検出手段、28…電動機、29…正側放電回路、30…負側放電回路、31…制御部、32…正側電圧検出手段、33…負側電圧検出手段
Claims (5)
- 交流を直流に変換するコンバータ部と、前記コンバータ部で得られた直流を交流に変換するインバータ部と、前記コンバータ部とインバータ部との間に接続された直流リンク回路と、前記直流リンク回路の正電位と負電位との間に接続されるコンデンサと、前記直流リンク回路の正負の電位の中間電位を仮想中性点として接地する接地回路と、前記コンデンサの電荷を放電する放電回路と、前記直流リンク回路の地絡を検出する地絡検知手段と、前記地絡検知手段が地絡を検知したときは前記放電回路を流通させ前記直流リンク回路の電圧を放電する制御部とを備えたことを特徴とする電力変換装置。
- 交流を直流に変換するコンバータ部と、前記コンバータ部で得られた直流を交流に変換するインバータ部と、前記コンバータ部とインバータ部との間に接続された直流リンク回路と、前記直流リンク回路の正電位と負電位との間に接続されるコンデンサと、前記直流リンク回路の正負の電位を接地コンデンサで分圧して中間電位を仮想中性点として接地する接地回路と、前記接地回路の正側の接地コンデンサの電荷を放電する正側放電回路と、前記接地回路の負側の接地コンデンサの電荷を放電する負側放電回路と、前記正側放電回路及び負側放電回路のいずれか一方が通流した場合に他方も通流させる制御部とを備えたことを特徴とする電力変換装置。
- 交流を直流に変換するコンバータ部と、前記コンバータ部で得られた直流を交流に変換するインバータ部と、前記コンバータ部とインバータ部との間に接続された直流リンク回路と、前記直流リンク回路の正電位と負電位との間に接続されるコンデンサと、前記コンデンサの電荷を放電する放電回路と、前記直流リンク回路の正負の電位を接地コンデンサで分圧して中間電位を仮想中性点として接地する接地回路と、前記接地回路の正側の接地コンデンサの電荷を放電する正側放電回路と、前記接地回路の負側の接地コンデンサの電荷を放電する負側放電回路と、前記正側放電回路及び負側放電回路のいずれか一方が通流した場合に他方も通流させる制御部とを備えたことを特徴とする電力変換装置。
- 前記制御部は、前記正側放電回路及び負側放電回路のいずれか一方が通流した場合に、前記放電回路も通流することを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
- 前記インバータ部は2レベルインバータ回路であり、前記直流リンク回路の正側から仮想中性点への正側電圧を検出する正側電圧検出手段と、直流リンク回路の負側から仮想中性点への負側電圧を検出する負側電圧検出手段とを有し、前記制御部は、前記正側電圧検出手段及び前記負側電圧検出手段の少なくもいずれか一方が設定値を超える電圧を検出したときは、前記放電回路を流通させ全電圧を放電することを特徴とする請求項1、3又は4記載の電力変換装置。
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