JP2008310022A - 電動顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】 観察条件を再現した後で電源が再投入された場合に、再現される観察条件の一部を初期化することで、標本の破損や人体への影響を防止する。
【解決手段】 複数の電動装置と、複数の電動装置を駆動させたときに、該複数の電動装置の位置情報をそれぞれ取得する取得手段と、位置情報を観察条件の一つとして記憶する記憶手段と、記憶手段から観察条件の一つとして記憶された位置情報を読み出して、前記複数の電動装置を駆動する制御手段と、複数の電動装置のそれぞれに給電を行う電源装置と、位置情報に基づいて複数の電動装置が駆動された後、電源装置により複数の電動装置への再給電が行われたときに、記憶手段から読み出された位置情報の少なくとも一部を初期化する初期化手段と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 複数の電動装置と、複数の電動装置を駆動させたときに、該複数の電動装置の位置情報をそれぞれ取得する取得手段と、位置情報を観察条件の一つとして記憶する記憶手段と、記憶手段から観察条件の一つとして記憶された位置情報を読み出して、前記複数の電動装置を駆動する制御手段と、複数の電動装置のそれぞれに給電を行う電源装置と、位置情報に基づいて複数の電動装置が駆動された後、電源装置により複数の電動装置への再給電が行われたときに、記憶手段から読み出された位置情報の少なくとも一部を初期化する初期化手段と、を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、観察条件を記憶し、また記憶された観察条件を用いた制御を行うことが可能な電動顕微鏡に関する。
顕微鏡は、微細な試料(標本)を拡大して観察したり、観察像を写真やビデオ画像として記録するものとして用いられ、また、生物分野から工業分野の検査工程までの幅広い分野で利用されている。
従来、顕微鏡は、対物レンズの倍率の切り替えやステージの移動など、観察条件を変更する場合には、これら動作を手動にて行うことが一般的であったが、手間がかかる上に、再現性に劣るという問題があった。最近では、このような観察条件を変更する際に、上述した対物レンズの倍率の変更や、ステージの移動などを電動で制御するものや、電動で制御された顕微鏡の各部の位置等を観察条件として複数記憶させておき、記憶された観察条件を用いることで、過去に設定した観察条件を容易に再現できるものが提供されている(特許文献1等)。
特開2002−14288号公報
このような顕微鏡において、観察条件を再現した状態で電源をオフにし、再度電源をオンにした場合には、電源投入時の初期化処理が実行された後、記憶された全ての観察条件を再現するように顕微鏡の各部が制御される。このように、電源再投入時に、観察条件を再現するように顕微鏡の各部が制御されると、例えば標本を入れ替えていたとするとステージと対物レンズとの相対位置が変化する(再調整される)ことになり、対物レンズによる標本の破損などが発生する。また、この他に、レーザ光などの全反射照明を再現する場合には、異なる倍率の対物レンズに切り替えられていたとすると、レーザ光が意図しない方向に反射する、つまり反射したレーザ光がユーザに向けて照射されてしまうという問題もある。
本発明は、上述した課題を解決するために発明されたものであり、観察条件を再現した後で電源が再投入された場合に、再現される観察条件の一部を初期化することで、標本の破損や人体への影響を防止することができるようにした電動顕微鏡を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の電動顕微鏡は、標本の観察条件に合わせて複数の可動部を電動駆動する複数の電動装置と、前記複数の電動装置を駆動させたときに、前記複数の可動部の位置情報をそれぞれ取得する取得手段と、前記位置情報を観察条件の一つとして記憶する記憶手段と、前記記憶手段から前記観察条件の一つとして記憶された位置情報を読み出して、前記複数の電動装置を駆動し、前記複数の可動部の設定状態を再現する制御手段と、前記複数の電動装置のそれぞれに給電を行う電源装置と、前記位置情報に基づいて前記複数の電動装置が駆動された後、前記電源装置により前記複数の電動装置への再給電が行われたときに、前記記憶手段から読み出された位置情報の少なくとも一部を初期化する初期化手段と、を備えたことを特徴とする。
また、前記初期化手段によって初期化される位置情報は、光学部材の位置情報、又は標本を照明する照明部材の位置情報の少なくとも一方が含まれていることを特徴とする。
また、前記取得手段によって取得された位置情報を選択する際に操作される選択操作手段を備え、前記記憶手段は、前記選択操作手段によって選択された位置情報を観察条件の一つとして記憶することを特徴とする。
また、前記選択操作手段は、前記記憶手段に記憶された観察条件、又は位置情報の選択を行うことが可能であり、前記制御手段は、前記選択操作手段によって選択された観察条件又は位置情報を用いて、対応する電動装置を作動させることを特徴とする。
また、前記観察条件を構成する全ての要素の更新及び前記位置情報のみの更新の少なくとも何れか一方の更新を行う情報更新手段を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、観察条件を再現したときに電源が再投入された場合であっても、標本の破損や、光源からの照射光による人体への影響を防止することができる。
図1に示すように、顕微鏡10は、電動ファイバ光源11を利用して標本26を観察する全反射照明観察と、光源40を利用して標本26を観察する透過観察など、複数の観察方法で標本26の観察や標本画像の取得を行うことができる。
全反射照明観察を行う場合には、シャッタ内蔵型の電動ファイバ光源11が用いられる。この電動ファイバ光源11は、その光軸に直交する方向に移動することが可能であり、標本26へのレーザ光の入射角度を変更できるようになっている。
電動ファイバ光源11から出射されたレーザ光は、コレクタレンズ12を透過した後、フイルタターレット13に設けられたフイルタブロック14a〜14nのうち、光路上に配置されたフイルタブロックに到達する。これらフイルタブロックは、抽出する波長域がそれぞれ異なるように設定され、抽出する波長域にあわせたフイルタブロックが光路上に配置される。フイルタブロック14a〜14nの構成は同一であることから、フイルタブロック14aについて説明し、他のフイルタブロックについては、その説明を省略する。
フイルタブロック14aは、励起フイルタ15a、ダイクロイックミラー16a及び吸収フイルタ17aから構成されている。励起フイルタ15aは、標本の励起に必要な波長の光を抽出するために設けられている。ダイクロイックミラー16aは、電動ファイバ光源11からのレーザ光を標本26に向けて全反射させる。吸収フイルタ17aは、ダイクロイックミラー16aを透過した際に生じる散乱光などを分離する。
ダイクロイックミラー16aを反射したレーザ光は、レボルバ20に設けられた対物レンズ21a〜21nのうち、光路上に配置された対物レンズに到達する。以下では、対物レンズ21aが光路上に配置された場合について説明する。対物レンズ21aに到達したレーザ光は、対物レンズ21aを透過するときに、対物レンズ21aの後焦点面の辺縁部で集光される。この対物レンズ21aを透過したレーザ光は、ステージ25上の標本26の背面側で全反射される。
ステージ25上に載置された標本26は蛍光試薬で染色されており、標本26の背面側で全反射したレーザ光により生じる励起光が照射される。この励起光の照射により染色部分から蛍光が発生する。この蛍光は、励起光よりも長波長の光となる。この波長域の蛍光は、対物レンズ21aに集められた後、フイルタブロック14aに到達する。その後、蛍光は全反射ミラー27,28にて、その伝播方向を変化させられながら、結像レンズ29を介して光路分割プリズム30に到達する。
光路分割プリズム30は、蛍光の一部を反射して、接眼レンズ31に供給する。ユーザー(観察者)は、この接眼レンズ31を介して蛍光像を直に観測することができる。一方、残りの蛍光は、光路分割プリズム30を透過した後、CCDなどの撮像素子32に入射される。撮像素子32に入射される蛍光は、撮像素子32の結像面にて結像される。なお、この撮像素子32は、撮像制御回路55によって作動制御される。
透過観察を行う場合には、光源40が用いられる。光源40は、励起光よりも生体標本を痛める度合いの少ない、例えば800nmの照明光を出射する。この照明光は、コレクタレンズ41,およびシャッタ42を介して、全反射ミラー43に到達する。照明光は、全反射ミラー43で反射した後、バンドパスフイルタ44を介して特定波長に制限される。その後、コンデンサ45、集光レンズ46などを透過し、ステージ25上の標本26に照射される。
標本26に照射された透過光は、対物レンズ21aに集められた後、ダイクロイックミラー16aに到達する。この波長域の透過光は、ダイクロイックミラー16aを透過し、撮像素子32によって取り込まれる。
蛍光照明駆動回路50は、シャッタ内蔵型の電動ファイバ光源11を点灯させる、又は消灯させるとともに、内蔵されるシャッタ(図示せず)の開閉動作を行う。透過照明駆動回路51は、光源40を点灯、又は消灯させるとともに、シャッタ42の開閉動作を行う。
ターレット駆動機構52は、フイルタターレット13を作動させて、光路上に配置するフイルタブロックの切り替えを行う。レボルバ駆動機構53は、レボルバ20を作動させて光路上に配置する対物レンズの切り替えを行うとともに、レボルバ20を上下方向に移動させる。ステージ駆動機構54は、ステージ25をXY平面に沿って移動させる。なお、符号56は、電源装置であり、この電源装置56によって、顕微鏡10の各部に給電、又は給電の停止が実行される。
この顕微鏡10は、制御回路を備えている。この制御回路60は、CPU61、ROM62、RAM63を備えている。CPU61は、顕微鏡10の各部を統括的に制御する。CPU61は顕微鏡10の各部を作動させたときに、電動ファイバ光源11の位置、フイルタターレット13の位置(或いはフイルタブロックの種類)、レボルバ20の位置(或いは光路上に配置される対物レンズの種類や、光軸方向における位置)などの顕微鏡10の各部の位置情報や、全反射照明観察、透過観察などの観察方法を取得し、RAM63に一時記憶する。ROM62は、CPU61によって使用されるプログラムやデータなどが記憶されている。
RAM63は、プログラムを実行することによって生成される演算子や、観察情報などが記憶される。観察情報は、標本26の観察や標本画像の取得における顕微鏡10の状態を示す情報(以下、状態情報)を観察条件毎にまとめたものであり、状態情報が1つも記憶されていない場合には、観察情報は未登録となる。状態情報としては、電動ファイバ光源11、フイルタターレット13及びレボルバ20の位置、ステージ25のXY平面上の位置、観察方法等が挙げられる他に、電源装置56による再給電時に位置情報をリセットするか否かを示す自動解除フラグが挙げられる。この自動解除フラグは、観察条件に合わせて顕微鏡10の各部を駆動させたときに取得される位置情報のそれぞれに対して設定され、位置情報をRAM63に記憶するときには、位置情報と関連付けられる。
この顕微鏡10は、コントローラ65を備えており、このコントローラ65により、顕微鏡10の各部を作動するときに操作される。コントローラ65は入力操作部66と表示部67とを備えている。入力操作部66は、フイルタターレット13やレボルバ20の切り替えなど、顕微鏡10の各部を個別に作動させるときに操作される他に、観察情報の登録、更新及び削除を行うときに操作される。さらに、この入力操作部66は、登録された観察情報から使用する状態情報を選択する場合や、状態情報の各項目のいずれかを選択する場合に操作される。表示部67は、顕微鏡10における標本26の観察時における状態情報の表示や、観察情報の登録、更新及び削除を行う際の表示などが行われる。
次に、顕微鏡10における標本26の観察及び撮像の流れについて図2を用いて説明する。
ステップS1では、CPU61は、RAM63を参照して、観察情報が記憶されているか否かを判定する。RAM63に観察情報が記憶されている場合には、観察情報が登録されていると判定し、ステップS2へと進む。一方、RAM63に観察情報が記憶されていない場合には、観察情報が登録されていないと判定され、ステップS6へと進む。
ステップS2では、登録された観察情報を利用するか否かが判定される。この判定は、ユーザーによる入力操作部66の操作に基づいて判定される。入力操作部66の操作によって、登録された観察情報を利用することが判定された場合には、ステップS3に進む。一方、登録された観察情報を利用しないと判定された場合には、ステップS6へと進む。
ステップS3では、観察情報として記録された状態情報の一覧から使用する状態情報を選択する。つまり、CPU61はRAM63から観察情報を読み出して、観察情報として登録された状態情報の一覧を表示部67に表示する。この表示を受けて、ユーザーは入力操作部66を操作して、表示部67に表示された状態情報から用いる状態情報を選択する。この選択が行われると、ステップS4に進む。
ステップS4では、状態情報の各項目から使用する項目を選択する。つまり、CPU61は、選択された状態情報の各項目(観察方法、電動ファイバ光源11の位置情報、フイルタターレットの位置情報、対物レンズの位置情報等)を表示部67に表示する。この表示を受けて、ユーザーは、入力操作部66を操作して、表示された状態情報を示す各項目から使用する項目を選択する。この選択が終了すると、ステップS5に進む。
ステップS5では、選択された項目に対応する制御が実行される。つまり、状態情報の一つとしてレボルバ20の位置情報が登録されており、その項目を選択した場合には、レボルバ駆動機構53を介して、レボルバ20が作動し、位置情報として登録された対物レンズが光路上に配置される。なお、登録されている状態情報を全て用いる場合には、全ての項目を選択すればよい。このステップS5の処理が終了すると、ステップS6に進む。
ステップS6では、入力操作部66を用いた入力操作が行われたか否かが判定される。この判定で、入力操作部66を用いた入力操作が行われたと判定された場合には、ステップS7に進み、入力操作が行われていないと判定された場合には、その処理が終了する。
ステップS7では、ステップS6で入力操作が行われたことが判定されているので、その入力操作に制御が実行される。
これにより、予め登録されている観察条件を容易に再現することができる。この際、CPU61は、作動させた各部の位置情報等を取得する。
次に、標本26の観察や標本画像の取得したときの観察条件を観察情報として登録、更新及び削除する流れについて図3を用いて説明する。
ステップS11は、観察情報が登録されているか否かの判定処理である。このステップS11では、CPU61は、RAM63を参照して観察情報が記憶されているか否かを判定する。この判定でRAM63に観察情報が登録されていない(未登録となる)場合には、S12に進み、観察情報が登録されている場合には、観察情報を更新する処理(ステップS21)に進む。
ステップS12は、観察情報として記憶する状態情報の名称を入力する処理である。上述したように、観察情報は、状態情報毎にまとめられているので、このステップS12では、各状態情報を認識できるように、ユーザーが入力操作部66を操作して、意図する状態情報の名称を入力する。ステップS12における状態情報の名称が入力されると、ステップS13に進む。
ステップS13は、状態情報として登録する項目を選択する処理である。このステップS13に進むと、表示部67には現在の顕微鏡10の状態が項目毎に、例えば観察方法や、電動ファイバ光源11、フイルタターレット13及びレボルバ20の位置などが表示されるので、ユーザーは、入力操作部66を操作して、ユーザーの意図する、つまり、ユーザーが状態情報として記憶させたい項目を選択する。登録する項目の選択が終了すると、ステップS14に進む。
ステップS14は、ステップS12、S13における処理で入力された状態情報の名称や、選択された項目で良いか否かの確認処理である。つまり、表示部67に、状態情報の名称や、選択された項目で良いか否かを確認する表示が、表示部67に表示される。ユーザーは、入力操作部66を用いて確認に対する入力操作を実行する。この入力操作によって、状態情報の名称や選択された項目で良いとする場合には、ステップS15に進み、再度入力する場合には、ステップS14に進む。
ステップS15は、観察情報の登録処理である。つまり、CPU61は、入力された状態情報の名称、選択された項目、及び選択された項目に対する位置情報などを状態情報としてまとめた観察情報をRAM63に記憶する。このときに、選択された項目に対する自動解除フラグの設定が実行され、対象となる項目と、自動解除フラグとを対応付けた上で、観察情報をRAM63に記憶する。これにより、ユーザーの意図する情報のみが観察情報として記憶させることができる。
ステップS11で観察情報が登録されていると判断された場合には、ステップS21に進む。
ステップS21は、観察情報を更新するか否かの確認処理である。この確認処理では表示部67に観察情報を更新するか否かの確認表示が行われる。この確認表示を受けて、ユーザーは入力操作部を操作する。この入力操作部の操作が観察情報を更新するものであれば、ステップS22に進む。一方、観察情報を更新しないものであれば、ステップS31に進む。
ステップS22は、観察情報として状態情報を新たに追加するか否かの確認処理である。この確認処理では、表示部67に、観察情報として状態情報を新たに追加するか、既に登録されている状態情報の位置情報のみを更新するかの確認表示が行われる。ユーザーによる入力操作部66の操作により新たに状態情報を追加するときには、ステップS23に進み、状態情報の位置情報のみを更新するときには、ステップS27に進む。つまり、このステップS22において、現在の顕微鏡10の状態(観察方法や、電動ファイバ光源11、フイルタターレット13及びレボルバ20の位置など)を新たな状態情報として追加することで観察情報を更新するか、既に登録されている状態情報の位置情報を更新することで観察情報を更新するかが選択される。
ステップS23は、追加する状態情報の名称を入力する処理である。この状態情報の入力する処理は、ステップS12と同様に、入力操作部66を用いて行われる。この処理が終了すると、ステップS24に進む。
ステップS24は、状態情報として登録する項目を選択する処理である。この処理については、ステップS13と同様であるので、その詳細は省略する。ステップS24で項目が選択されると、ステップS25へ進む。
ステップS25は、入力された内容の確認処理である。この確認処理についても、ステップS14と同様であるので、ここでは、その詳細を省略する。このステップS14の処理で、入力された内容が良ければ、ステップS26に進み、入力された内容を修正する場合には、ステップS23に戻る。
ステップS26は、入力された内容に基づいて状態情報が作成される処理である。この処理により、CPU61は、選択された項目、及びそれら項目に対する位置情報を新たな状態情報としてまとめた上でRAM63に記憶する。これにより、観察情報が更新される。
ステップS27は、ステップS22で状態情報として記憶された位置情報のみを更新する場合に進む処理である。このステップS27において、CPU61は、先に状態情報として記憶された項目の位置情報を、現在の顕微鏡10の状態(設定された観察条件に調整された顕微鏡10の各部)から取得された位置情報に書き換える。これにより、観察情報が更新される。
ステップS21で、観察情報の更新が選択されない場合には、ステップS31に進む。ステップS31は、登録されている観察情報を削除するか否かを確認する処理である。このステップS31では、表示部21に、観察情報を削除するか否かの確認表示が行われる。ユーザーは、観察情報を削除する場合には、入力操作部66を用いて、その旨を示す操作を実行する。この場合、ステップS32に進む。なお、ステップS32は、観察情報を削除する処理である。これにより、RAM63に記憶された観察情報が削除される。これによれば、観察情報の更新、及び削除などの処理をユーザーの意図で行うことができ、ユーザーが意図する情報を観察情報として保存する、又は削除することができる。
この顕微鏡10において、標本26の交換などの際に電源装置56による給電を停止する場合がある。図4に示すように、対象となる項目の位置情報をリセットする場合には、自動解除フラグ「1」が設定され、位置情報をリセットしない場合には、自動解除フラグ「0」が設定される。なお、図4では、Z軸調整(Focus)と照明光の入射角(TIRF Angle)とに対して自動解除フラグ「1」が設定されているが、これに限定されるものではない。また、この自動解除フラグは、観察条件等に合わせて自動的に設定されるものであってもよいし、ユーザが設定してもよいものとする。
図5は、再給電が行われたときの状態情報が更新される場合の流れを示すフローチャートである。
ステップS41は、電源装置56における再給電が行われたか否かを判定する処理である。例えば電源装置56における再給電が行われたと判定された場合には、ステップS42に進み、電源装置56における再給電が行われていないと判定された場合には、この処理が終了される。
ステップS42〜S44は、Z軸調整の項目に対して自動解除フラグ「1」が設定されている場合の更新処理であり、ステップS45〜S47は、照明光の入射角の項目に対して自動解除フラグ「1」が設定されている場合の更新処理であるが、これら処理の流れは一例であるので、これに限定されるものではない。
ステップS42に進むと、Z軸調整の項目に対して自動解除フラグ「1」が設定されているか否かが判定される。この判定で、自動解除フラグ「1」の場合には、ステップS43に進み、自動解除フラグ「0」の場合には、ステップS45に進む。
ステップS43に進むと、Z軸調整の項目に対応付けられた位置情報がリセットされる。このリセットの後、ステップS44に進む。
ステップS44に進むと、自動解除フラグが「0」に書き換えられる。そして、ステップS45に進み、照明光の入射角の項目に対する更新処理が実行される。なお、ステップS45〜ステップS47の処理内容は、ステップS42〜ステップS44の処理内容と同様であることから、ここではその詳細を省略する。そして、自動解除フラグ「1」が設定されている項目全てに対して、同様の処理が行われていく。
この更新処理が終了した後、CPU61は、書き換えられた状態情報を読み出して、顕微鏡10の各部を作動させる。なお、更新処理が実行されると、自動解除フラグ「1」に設定されていた項目に対する位置情報は初期状態(例えば出荷時の状態)となることから、例えばZ軸調整の項目に対応付けられた位置情報がリセットされた場合には、レボルバ20が初期位置に保持される(駆動しない)。これによれば、新たにステージ25にセットされた標本26を破損させずに済む。また、照明光の入射角の項目に対応付けられた位置情報がリセットされた場合には、電動ファイバ光源11の位置が初期位置(例えば出荷時の状態)となることから、電動ファイバ光源11から照射されるレーザ光を、ユーザーに向けて反射させずに済む。
本実施形態では倒立顕微鏡を例に取り上げているが、これに限定する必要はなく、正立顕微鏡であってもよい。
本実施形態では、標本の観察及び標本画像の取得を同時に行える顕微鏡の例を取り上げている。これに限定される必要はなく、標本の観察、又は標本画像の取得の何れか一方のみを行う顕微鏡であってもよい。
10…顕微鏡,11…電動ファイバ光源,13…フイルタターレット,14a〜14n…フイルタブロック,20…レボルバ,21a〜21n…対物レンズ,25…ステージ,55…電源装置,60…CPU,65…コントローラ,66…入力操作部,67…表示部
Claims (5)
- 標本の観察条件に合わせて複数の可動部を電動駆動する複数の電動装置と、
前記複数の電動装置を駆動させたときに、前記複数の可動部の位置情報をそれぞれ取得する取得手段と、
前記位置情報を観察条件の一つとして記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記観察条件の一つとして記憶された位置情報を読み出して、前記複数の電動装置を駆動し、前記複数の可動部の設定状態を再現する制御手段と、
前記複数の電動装置のそれぞれに給電を行う電源装置と、
前記位置情報に基づいて前記複数の電動装置が駆動された後、前記電源装置により前記複数の電動装置への再給電が行われたときに、前記記憶手段から読み出された位置情報の少なくとも一部を初期化する初期化手段と、
を備えたことを特徴とする電動顕微鏡。 - 請求項1記載の電動顕微鏡において、
前記初期化手段によって初期化される位置情報は、光学部材の位置情報、又は標本を照明する照明部材の位置情報の少なくとも一方が含まれていることを特徴とする電動顕微鏡。 - 請求項1又は2記載の電動顕微鏡において、
前記取得手段によって取得された位置情報を選択する際に操作される選択操作手段を備えており、
前記記憶手段は、前記選択操作手段によって選択された位置情報を観察条件の一つとして記憶することを特徴とする電動顕微鏡。 - 請求項3記載の電動顕微鏡において、
前記選択操作手段は、前記記憶手段に記憶された観察条件、又は位置情報の選択を行うことが可能であり、
前記制御手段は、前記選択操作手段によって選択された観察条件又は位置情報を用いて、対応する電動装置を作動させることを特徴とする電動顕微鏡。 - 請求項1〜4いずれか1つ記載の電動顕微鏡において、
前記観察条件を構成する全ての要素の更新及び前記位置情報のみの更新の少なくとも何れか一方の更新を行う情報更新手段を備えていることを特徴とする電動顕微鏡。
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