JP2008309592A - 軸トルク検出装置および異常検出装置 - Google Patents

軸トルク検出装置および異常検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】部品点数の削減あるいは小型化の少なくともいずれか一方を図ることができる軸トルク検出装置を提供すること。
【解決手段】セカンダリプーリ軸31に発生する出力軸トルクを検出する軸トルク検出装置において、セカンダリプーリ軸31上に配置する部材(パーキングギヤ11、軸受35,36、セカンダリ隔壁38)のセカンダリプーリ軸31に対する軸方向への移動を規制する一対のロックナットであるセカンダリ第1ロックナット39aとセカンダリ第2ロックナット39bと、セカンダリプーリ軸31上のセカンダリ第1ロックナット39aとセカンダリ第2ロックナット39bの位相差を検出する位相差検出部82aと、検出された位相差に基づいてセカンダリプーリ軸31に発生する出力軸トルクを算出する軸トルク算出部82bとを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軸トルク検出装置および異常検出装置に関するものである。
一般に、車両には、駆動源である内燃機関や電動機が発生する駆動力、すなわちベルト式無段変速機の入力トルクを車両の走行状態に応じた最適の条件で路面に伝達するために、駆動源の出力側に変速機が設けられている。変速機には、変速比を無段階(連続的)に制御する無段変速機と、変速比を段階的(不連続)に制御する有段変速機とがある。ここで、無段変速機には、プライマリプーリとセカンダリプーリとに巻き掛けられたベルトを介して、プライマリプーリからセカンダリプーリに入力トルクを伝達するベルト式無段変速機がある。
ベルト式無段変速機では、セカンダリプーリのセカンダリプーリ軸、すなわち出力側のプーリ軸に発生する出力軸トルクを検出する軸トルク検出装置が備えられている。従来の軸トルク検出装置は、上記駆動源が発生する駆動力を算出し、算出した駆動力に基づいて出力軸トルクを推定するものであった。従来の軸トルク検出装置では、算出された駆動力からプライマリプーリのプライマリプーリ軸、すなわち入力側のプーリ軸に発生する入力軸トルクをトルクコンバータのトルク比から算出し、算出された入力軸トルクと、ベルト式無段変速機の変速比(プライマリプーリ軸の入力軸回転数とセカンダリプーリ軸の出力軸回転数との比)とに基づいて出力軸トルクを算出するものである。しかし、従来の軸トルク検出装置では、検出された出力軸トルクが駆動力に基づいて推定されるものであるため、精度が低いという問題があった。
そこで、回転軸の軸トルクを直接検出する技術が提案されている。例えば、特許文献1に示す従来の軸トルク検出装置(回転軸のトルク計測装置)は、回転軸上に一対の歯車の位相差に基づいて軸トルクを検出するものである。
特開平07−72024号公報
しかしながら、特許文献1に示すような従来の軸トルク検出装置では、回転軸の軸トルクを検出するために、回転軸上に一対の歯車を新たに設ける必要がある。既存の歯車を用いようとしても、回転軸上に一対の歯車が必要となるため、既存の歯車と同じ位相となる歯車が必要となる。従って、部品点数が増加し、軸方向における長さである軸長が増加することで小型化を図ることができない虞があった。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、部品点数の削減あるいは小型化の少なくともいずれか一方を図ることができる軸トルク検出装置および精度良く異常を検出することができる異常検出装置を提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明では、回転軸に発生する軸トルクを検出する軸トルク検出装置において、回転軸上に配置する部材の回転軸に対する軸方向への移動を規制する一対のロックナットと、回転軸上の一対のロックナットの位相差を検出する位相差検出手段と、検出された位相差に基づいて回転軸に発生する軸トルクを算出する軸トルク算出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、回転軸上に配置する部材、例えば回転軸を回転自在に支持する軸受などを回転軸に対して軸方向に移動することを規制するために、予め回転軸上に設けられる一対のロックナットの位相差に基づいて回転軸に発生する軸トルクを検出する。従って、位相差検出手段は、回転軸上に一対の歯車を新たに設けずに、回転軸の二箇所における位相差を検出することができるので、精度良く軸トルクを検出することができるとともに、部品点数の削減を図ることができる。また、回転軸上に一対の歯車を新たに設けないので、軸長の増加を抑制することができるので、小型化を図ることができる。
また、本発明では、上記軸トルク検出装置において、回転軸は、プーリ軸に固定された固定シーブとプーリ軸に対して軸方向に移動自在に支持された可動シーブとの間でベルトを挟み込むことで、駆動源から伝達された駆動力を入力側から出力側に伝達する2つのプーリを備えるベルト式無段変速機における入力側プーリ軸あるいは出力側プーリ軸のうち少なくともいずれか一方であり、駆動源が発生する駆動力を算出する駆動力算出手段および算出された駆動力に基づいて前記軸トルクを推定する軸トルク推定手段をさらに備え、軸トルク推定手段は、回転軸の低回転時に、算出された駆動力に基づいて軸トルクを推定し、軸トルク算出手段は、回転軸の高回転時に、検出された位相差に基づいて軸トルクを算出することを特徴とする。
一対のロックナットの位相差に基づいて軸トルクを検出する場合は、回転軸が回転していなければ、軸トルクを検出することができない。つまり、回転軸の回転速度、すなわち回転数の増加に応じて、検出間隔における回転軸の位置の変化が増加することとなる。ここで、回転軸の回転数が低い場合、すなわち低回転時には、検出間隔における回転軸の位置の変化が小さくなるため、低回転時に軸トルクの変動があると、検出された軸トルクが軸トルクの変動に追従できず検出された軸トルクの精度が低下する虞がある。しかしながら、本発明によれば、検出された軸トルクの精度が低下する虞がある低回転時には、駆動力に基づいて軸トルクを推定するので、回転軸の低回転時において検出された軸トルクの精度が低下することを抑制することができる。これにより、回転軸の回転数に拘わらず精度良く軸トルクを検出することができる。
また、本発明では、プーリ軸に固定された固定シーブとプーリ軸に対して軸方向に移動自在に支持された可動シーブとの間でベルトを挟み込むことで、駆動源から伝達された駆動力を入力側から出力側に伝達する2つのプーリを備えるベルト式無段変速機の異常を検出する異常検出装置において、出力側プーリ軸上に配置する部材のプーリ軸に対する軸方向への移動を規制する一対のロックナットと、出力側プーリ軸上の一対のロックナットの位相差を検出する位相差検出手段と、検出された位相差に基づいて出力側プーリ軸に発生する出力軸トルクを算出する出力軸トルク算出手段と、駆動源が発生する駆動力を算出する駆動力算出手段と、算出された駆動力と算出された軸トルクとに基づいて異常を検出する異常検出手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明では、上記異常検出装置において、算出された駆動力に基づいて入力側プーリ軸に発生する入力軸トルクを算出する入力軸トルク算出手段と、算出された入力軸トルクと算出された出力軸トルクとに基づいてベルト式無段変速機の実効率を算出する実効率算出手段と、ベルト式無段変速機の目標効率を算出する目標効率算出手段と、をさらに備え、算出された実効率と算出された目標効率との差に基づいて異常を検出することを特徴とする。
本発明によれば、異常検出手段は、駆動源が発生する駆動力と、実際に精度良く検出された出力軸トルクとに基づいて異常を検出する、例えば実際のベルト式無段変速機の伝達効率である実効率を精度良く算出し、算出された実効率と、現在のベルト式無段変速機の駆動状態に応じて予想される目標のベルト式無段変速機の伝達効率である目標効率との差に基づいて異常を検出する。つまり、固定シーブと可動シーブとによりベルトを挟み込む力であるベルト挟圧力の実際値と目標値とを比較することができ、ベルト挟圧力の異常を精度良く検出することができる。従って、ベルト式無段変速機の異常を精度良く検出することができる。
本発明にかかる軸トルク検出装置は、部品点数の削減および小型化を図ることができるという効果を奏する。また、異常検出装置は、精度良くベルト式無段変速機の異常を検出することができるという効果を奏する。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施の形態により、この発明が限定されるものではない。また、下記の実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。ここで、下記の実施の形態における軸トルク検出装置および異常検出装置は、ベルト式無段変速機に備えられるものである。また、下記の実施の形態では、駆動源として、内燃機関(ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなど)を用いるが、これに限定されるものではなく、モータなどの電動機を駆動源として用いても良い。
[実施の形態1]
図1は、ベルト式無段変速機の構成例を示す図である。図2は、ロックナットを示す図である。図3は、制御装置の概略構成例を示す図である。ベルト式無段変速機1−1は、本発明にかかる軸トルク検出装置を備えるものであり、図1に示すように、駆動源である内燃機関100の駆動力(ベルト式無段変速機1−1へ入力される入力トルク)が入力され、入力された内燃機関100の駆動力を所定の変速比で、車輪160,160に伝達するものである。
内燃機関100の駆動力は、クランクシャフト101を介してトルクコンバータ110に伝達される。トルクコンバータ110は、発進機構であり、内燃機関100の駆動力を所定のトルク比で前後進切替機構120に伝達するものである。前後進切替機構120は、伝達された内燃機関100の駆動力の伝達方向を切り替えるものであり、これによりベルト式無段変速機1−1が搭載された車両が前進あるいは後進をする。前後進切替機構120で伝達方向が決定された内燃機関100の駆動力は、ベルト式無段変速機1−1に伝達される。なお、トルクコンバータ110の制御、例えばロックアップのON/OFF制御および前後進切替機構120の制御、すなわち駆動力の伝達方向の切替制御は、油圧制御回路9から供給される油圧が用いられる。これらの制御を行うための油圧制御回路9の油圧制御は、制御装置8により行われる。
ベルト式無段変速機1−1で変速比が所定の変速比に変更された内燃機関100の駆動力は、ベルト式無段変速機1−1の後述するセカンダリプーリ3のセカンダリプーリ軸31を介して動力伝達経路130に伝達される。動力伝達経路130は、ベルト式無段変速機1−1と最終減速機140とを連結するものである。動力伝達機構130に伝達された内燃機関100の駆動力は、最終減速機140に伝達され、最終減速機140と車輪160,160とを連結するドライブシャフト150,150を介して、車輪160,160に伝達される。
ベルト式無段変速機1−1は、プライマリプーリ2と、セカンダリプーリ3と、入力側センサ4と、出力側第1センサ5と、出力側第2センサ6と、制御装置8と、油圧制御回路9とにより構成されている。なお、7は、内燃機関100の運転制御を行うECU(Engine Control Unit)である。ECU7は、内燃機関100が搭載された車両の各所に取り付けられたセンサから入力された各種入力信号と、図示しない記憶部に記憶されている各種マップとに基づいて内燃機関100の運転制御、例えば図示しない燃料噴射弁の噴射制御、スロットルバルブのスロットル開度制御、点火プラグの点火制御などを行う。また、11は、パーキングギヤである。
ベルト式無段変速機1−1が備える軸トルク検出装置は、回転軸に発生する軸トルク、実施の形態1では、セカンダリプーリ3の後述するセカンダリプーリ軸31に発生する出力軸トルクを検出するものである。軸トルク検出装置は、一対のロックナットであるセカンダリ第1ロックナット39aおよびセカンダリ第2ロックナット39bと、出力側第1センサ5と、出力側第2センサ6と、制御装置8とにより構成される。
プライマリプーリ2は、入力側のプーリであり、前後進切替機構120を介して伝達された内燃機関100からの駆動力をベルトVにより、出力側のプーリであるセカンダリプーリ3に伝達するものである。プライマリプーリ2は、図1に示すように、プライマリプーリ軸21と、プライマリ固定シーブ22と、プライマリ可動シーブ23と、プライマリプーリ2にベルト挟圧力を発生させることでベルト式無段変速機1−1の変速比を変更するプライマリ油圧室24とにより構成されている。
プライマリプーリ軸21は、軸受25,26により回転可能に支持されている。また、プライマリプーリ軸21は、内部に図示しない作動油通路を有している。作動油通路は、油圧制御回路9に接続されており、油圧制御回路9からプライマリ油圧室24に供給される作動油が流入する。
プライマリ固定シーブ22は、プライマリ可動シーブ23と対向する位置に、プライマリプーリ軸21と一体回転するように設けられている。ここでは、プライマリ固定シーブ22は、プライマリプーリ軸21の外周から径方向外側に突出する環状部として形成されている。つまり、実施の形態1では、プライマリ固定シーブ22は、プライマリプーリ軸21の外周に一体的に設けられている。
プライマリ可動シーブ23は、プライマリプーリ軸21にプライマリプーリ軸21上を軸方向に摺動可能にスプライン嵌合されている。つまり、プライマリ可動シーブ23は、プライマリプーリ軸21に対して軸方向に移動自在に支持されている。プライマリ固定シーブ22とプライマリ可動シーブ23との間、すなわちプライマリ固定シーブ22のプライマリ可動シーブ23に対向する面と、プライマリ可動シーブ23のプライマリ固定シーブ22と対向する面との間で、V字形状のプライマリ溝27が形成されている。プライマリ溝27には、無端であるベルトVが巻き掛けられている。つまり、ベルトVは、プライマリ固定シーブ22とプライマリ可動シーブ23との間に挟み込まれている。
プライマリ油圧室24は、プライマリ可動シーブ23のプライマリ固定シーブ22と対向する面と反対側の背面23aと、プライマリプーリ軸21に固定されたリング形状のプライマリ隔壁28とに構成されている。プライマリ可動シーブ23の背面23aには、軸方向の一方向に突出、すなわちプライマリ固定シーブ22側に突出する円筒形状の突出部23bが形成されている。突出部23bとプライマリ隔壁28との間には、例えばシールリングなどの図示しないプライマリ油圧室用シール部材が設けられている。つまり、プライマリ油圧室24を構成するプライマリ可動シーブ23の背面23aとプライマリ隔壁28とは、シール部材によりシールされている。
プライマリ油圧室24には、プライマリプーリ軸21の図示しない作動油通路に流入した作動油が供給される。つまり、油圧制御回路9は、プライマリ油圧室24に作動油を供給し、プライマリ油圧室24の油圧により、プライマリ可動シーブ23を軸方向に摺動させ、プライマリ可動シーブ23をプライマリ固定シーブ22に対して接近あるいは離隔させるものである。プライマリ油圧室24は、プライマリ油圧室24に供給される作動油により、プライマリ可動シーブ23を軸方向に押圧する可動シーブ押圧力をプライマリ可動シーブ23に作用させることで、プライマリ溝27に巻き掛けられるベルトVに対するベルト挟圧力を発生させ、プライマリ可動シーブ23のプライマリ固定シーブ22に対する軸方向位置を変更するものである。これにより、プライマリ油圧室24は、ベルト式無段変速機1−1の変速比を変更させる機能を有するものである。
ここで、軸受26およびプライマリ隔壁28は、プライマリロックナット29により、プライマリプーリ軸21に対して固定されている。プライマリロックナット29は、図2に示すように、リング形状であり、外周面に凸部29aと凹部29bとが交互に形成され、中央部にプライマリプーリ軸21が挿入される開口部29cが形成されている。ここで、凸部29aおよび凹部29bは、それぞれ等間隔に形成されている。なお、各凹部29bは、プライマリロックナット29をプライマリプーリ軸21に固定する際に用いる図示しない工具の先端部が挿入され、プライマリロックナット29を工具に保持するものである。
セカンダリプーリ3は、図1に示すように、出力側のプーリであり、ベルトVによりプライマリプーリ2に伝達された内燃機関100からの出力トルクを動力伝達経路130、最終減速機140、ドライブシャフト150,150を介して車輪160,160に伝達するものである。セカンダリプーリ3は、セカンダリプーリ軸31と、セカンダリ固定シーブ32と、セカンダリ可動シーブ33と、セカンダリプーリ3にベルト挟圧力を発生させることで、ベルトVの張力を調整するセカンダリ油圧室34とにより構成されている。
セカンダリプーリ軸31は、プーリ軸受35,36により回転可能に支持されている。また、セカンダリプーリ軸31は、内部に図示しない作動油通路を有している。作動油通路は、油圧制御回路9に接続されており、油圧制御回路9からセカンダリ油圧室34に供給される作動油が流入する。
セカンダリ固定シーブ32は、セカンダリ可動シーブ33と対向する位置にセカンダリプーリ軸31と一体回転するように設けられている。ここでは、セカンダリ固定シーブ32は、セカンダリプーリ軸31の外周から径方向外側に突出する環状部として形成されている。つまり、実施の形態1では、セカンダリ固定シーブ32は、セカンダリプーリ軸31の外周に一体的に設けられている。
セカンダリ可動シーブ33は、セカンダリプーリ軸31にセカンダリプーリ軸31上を軸方向に摺動可能にスプライン嵌合されている。つまり、セカンダリ可動シーブ33は、セカンダリプーリ軸31に対して軸方向に移動自在に支持されている。セカンダリ固定シーブ32とセカンダリ可動シーブ33との間、すなわちセカンダリ固定シーブ32のセカンダリ可動シーブ33に対向する面と、セカンダリ可動シーブ33のセカンダリ固定シーブ32と対向する面との間で、V字形状のセカンダリ溝37が形成されている。セカンダリ溝37には、無端であるベルトVが巻き掛けられている。つまり、ベルトVは、セカンダリ固定シーブ32とセカンダリ可動シーブ33との間に挟み込まれている。
セカンダリ油圧室34は、セカンダリ可動シーブ33のセカンダリ固定シーブ32と対向する面と反対側の背面33aと、セカンダリプーリ軸31に固定されたリング形状のセカンダリ隔壁28とに構成されている。セカンダリ可動シーブ33の背面33aには、軸方向の一方向に突出、すなわちセカンダリ固定シーブ32側に突出する円筒形状の突出部33bが形成されている。突出部33bとセカンダリ隔壁38との間には、例えばシールリングなどの図示しないセカンダリ油圧室用シール部材が設けられている。つまり、セカンダリ油圧室34を構成するセカンダリ可動シーブ33の背面33aとセカンダリ隔壁38とは、シール部材によりシールされている。
セカンダリ油圧室34には、セカンダリプーリ軸31の図示しない作動油通路に流入した作動油が供給される。つまり、油圧制御回路9は、セカンダリ油圧室34に作動油を供給し、セカンダリ油圧室34の油圧により、セカンダリ可動シーブ33を軸方向に摺動させ、セカンダリ可動シーブ33をセカンダリ固定シーブ32に対して接近あるいは離隔させるものである。セカンダリ油圧室34は、セカンダリ油圧室34に供給される作動油により、セカンダリ可動シーブ33を軸方向に押圧する可動シーブ押圧力をセカンダリ可動シーブ33に作用させることで、セカンダリ溝37に巻き掛けられるベルトVに対するベルト挟圧力を発生させ、セカンダリ可動シーブ33のセカンダリ固定シーブ32に対する軸方向位置を変更するものである。これにより、セカンダリ油圧室34は、ベルトVのプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3に対する接触半径を一定に維持し、ベルトVの張力を調整する機能を有するものである。なお、セカンダリプーリ3には、ベルトVに対してベルト挟圧力を発生する手段として、セカンダリ油圧室34のみならずトルクカムを備えていても良い。
ここで、軸受35およびセカンダリ隔壁38は、セカンダリ第1ロックナット39aにより、セカンダリプーリ軸31に対して固定されている。つまり、セカンダリ第1ロックナット39aは、回転軸であるセカンダリプーリ軸31上に配置する部材である軸受35およびプライマリ隔壁38のセカンダリプーリ軸31に対する軸方向への移動を規制するものである。また、軸受36およびパーキングギヤ11は、セカンダリ第2ロックナット39bにより、セカンダリプーリ軸31に対して固定されている。つまり、セカンダリ第2ロックナット39bは、回転軸であるセカンダリプーリ軸31上に配置する部材である軸受35およびパーキングギヤ11のセカンダリプーリ軸31に対する軸方向への移動を規制するものである。一対のロックナットであるセカンダリ第1ロックナット39aおよびセカンダリ第2ロックナット39bは、図2に示すように、リング形状であり、外周面に凸部39c,39dと凹部39e,39fとがそれぞれ交互に形成され、中央部にセカンダリプーリ軸31が挿入される開口部39g,39hがそれぞれ形成されている。ここで、凸部39c,39dおよび凹部39e,39fは、それぞれ等間隔に形成されている。なお、各凹部39e,39fは、セカンダリ第1ロックナット39aおよびセカンダリ第2ロックナット39bをセカンダリプーリ軸31にそれぞれ固定する際に用いる図示しない工具の先端部が挿入され、セカンダリロックナット39を工具に保持するものである。
ここで、セカンダリ第1ロックナット39aの凸部39cおよび凹部39eと、セカンダリ第2ロックナット凸部39cおよび凹部39fとの基準位相、すなわちセカンダリプーリ軸31に出力軸トルクが発生していない状態における回転方向における相対位置は、セカンダリ第1ロックナット39aおよびセカンダリ第2ロックナット凸部39cの締め込み量で調整することができる。従って、セカンダリプーリ軸31の二箇所における位相差を検出するための一対の測定対象がセカンダリ第1ロックナット39aおよびセカンダリ第2ロックナット凸部39c、すなわち一対のロックナットであることで、測定対象が一対の歯車の場合と比較して位相誤差を抑制することができる。これにより、位相誤差を補正するために制御装置8が学習する必要がないので、位相差を精度良く測定することができる。
入力側センサ4は、入力側のプーリ、すなわちプライマリプーリ2の回転数、すなわち入力軸回転数を検出するものである。入力側センサ4は、実施の形態1では、図2に示すように、プライマリロックナット29と対向する位置に配置される。従って、入力側センサ4は、プライマリロックナット29がプライマリプーリ2とともに回転した際に、凸部29aと凹部29bとが繰り返し対向することとなり、プライマリロックナット29までの距離が変化する。入力側センサ4は、プライマリロックナット29までの距離の変化に基づいた物理量の変化に基づいてプライマリプーリ軸21の回転数をプライマリプーリ2の回転数として検出する。入力側センサ4は、例えば光学式センサや磁気式センサである。また、入力側センサ4は、制御装置8と接続されており、入力側センサ4により検出された物理量の変化が入力側入力信号として制御装置8に出力される。制御装置8は、入力側入力信号に基づいて、プライマリプーリ軸21の回転数を算出し、プライマリプーリ2の回転数を取得する。
出力側第1センサ5は、位相差検出手段の一部を構成するものであり、出力側のプーリ、すなわちセカンダリプーリ3の第1回転数を検出するものである。出力側第1センサ5は、実施の形態1では、図2に示すように、セカンダリ第1ロックナット39aと対向する位置に配置される。従って、出力側第1センサ5は、セカンダリ第1ロックナット39aがセカンダリプーリ3とともに回転した際に、凸部39cと凹部39eとが繰り返し対向することとなり、セカンダリ第1ロックナット39aまでの距離が変化する。出力側第1センサ5は、セカンダリ第1ロックナット39aまでの距離の変化に基づいた物理量の変化に基づいてセカンダリプーリ軸31の任意の位置における回転数を検出する。出力側第1センサ5は、例えば光学式センサや磁気式センサである。また、出力側第1センサ5は、制御装置8と接続されており、出力側第1センサ5により検出された物理量の変化が出力側第1入力信号として制御装置8に出力される。制御装置8は、出力側第1入力信号に基づいて、セカンダリプーリ3の第1回転数を算出する。
出力側第2センサ6は、位相差検出手段の一部を構成するものであり、出力側のプーリ、すなわちセカンダリプーリ3の第2回転数を検出するものである。出力側第2センサ6は、実施の形態1では、図2に示すように、セカンダリ第2ロックナット39bと対向する位置に配置される。従って、出力側第2センサ6は、セカンダリ第2ロックナット39bがセカンダリプーリ3とともに回転した際に、凸部39dと凹部39fとが繰り返し対向することとなり、セカンダリ第2ロックナット39bまでの距離が変化する。出力側第2センサ6は、セカンダリ第2ロックナット39bまでの距離の変化に基づいた物理量の変化に基づいてセカンダリプーリ軸31の任意の位置、上記出力側第2センサ6が回転数を検出する位置と異なる位置における回転数を検出する。出力側第2センサ6は、例えば光学式センサや磁気式センサである。また、出力側第2センサ6は、制御装置8と接続されており、出力側第2センサ6により検出された物理量の変化が出力側第2入力信号として制御装置8に出力される。制御装置8は、出力側第2入力信号に基づいて、セカンダリプーリ3の第2回転数を算出する。
制御装置8は、ベルト式無段変速機1−1の駆動を制御、特に変速比を制御するものである。制御装置8は、油圧制御回路9と接続されており、油圧制御回路9の油圧制御を行うことで、プライマリ油圧室24の油圧およびセカンダリ油圧室34の油圧を調整する。従って、制御装置8は、プライマリプーリ2におけるベルト挟圧力およびセカンダリプーリ3におけるベルト挟圧力を調整し、変速比を制御するものである。また、制御装置8は、ECU7と接続されており、ECU7から内燃機関100に供給される燃料の燃料供給量や、内燃機関100に空気を導入する図示しない吸気経路の圧力、内燃機関100の機関回転数、上記スロットル開度などが入力される。
また、制御装置8は、図3に示すように、上記入力信号や出力信号の入出力を行う入出力部(I/O)81と、処理部82と、マップなどを格納する記憶部83とにより構成されている。処理部82は、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成されている。処理部82は、少なくとも位相差検出部82aと、出力軸トルク算出部82bと、駆動力算出部82cと、入力軸トルク算出部82dと、出力軸トルク推定部82eとを有している。処理部82は、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成されている。記憶部83は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ROM(Read Only Memory)のような読み出しのみが可能なメモリ、あるいはRAM(Random Access Memory)のような読み書きが可能なメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
位相差検出部82aは、位相差検出手段の一部を構成するものであり、回転軸であるセカンダリプーリ軸31上の一対のロックナット(セカンダリ第1ロックナット39aおよびセカンダリ第2ロックナット39b)の位相差を検出するものである。出力軸トルク算出部82bは、軸トルク算出手段であり、位相差検出部82aにより検出された位相差に基づいて回転軸であるセカンダリプーリ軸31に発生する軸トルク、すなわち出力軸トルクを算出するものである。駆動力算出部82cは、駆動力算出手段であり、駆動源が発生する駆動力を算出するものである。入力軸トルク算出部82dは、上記駆動力算出部82cにより算出された駆動力に基づいて入力側のプーリ、すなわちプライマリプーリ軸21の入力軸トルクを算出するものである。出力軸トルク推定部82eは、軸トルク推定手段であり、上記入力軸トルク算出部82dにより算出された入力軸トルクに基づいて出力側のプーリ、すなわちセカンダリプーリ軸31の軸トルク、すなわち出力軸トルクを算出するものである。つまり、出力軸トルク推定部82eは、算出された駆動力に基づいて軸トルク、実施の形態1では出力側のプーリの軸トルクである出力軸トルクを推定するものである。
次に、本発明にかかる軸トルク検出装置を備えるベルト式無段変速機1−1の駆動動作のうち、出力軸トルクの検出方法について説明する。図4は、実施の形態1のベルト式無段変速機における出力軸トルクの検出方法のフローを示す図である。図5は、セカンダリ第1ロックナットとセカンダリ第2ロックナットとの位相差を示す図である。なお、制御装置8による出力軸トルクの検出は、制御装置8の制御周期ごとに行われるものである。
まず、制御装置8の処理部82は、出力軸回転数Noutが所定回転数N1を超えるか否かを判断する(ステップST101)。ここでは、処理部82は、出力側第1センサ5により制御装置8に出力された出力側第1入力信号に基づいて算出するセカンダリプーリ3の第1回転数をセカンダリプーリ3の回転数、すなわち出力軸回転数Noutとする。また、所定回転数N1は、回転軸であるセカンダリプーリ軸31の低回転時と高回転時と判断する基準であり、例えば100rpm程度である。つまり、処理部82は、セカンダリプーリ軸31が低回転時であるか高回転時であるかを判断する。
次に、処理部82の位相差検出部82aは、出力軸回転数Noutが所定回転数N1を超えると判断(ステップST101肯定)、すなわちセカンダリプーリ軸31が高回転時であると判断すると、位相差を検出する(ステップST102)。ここでは、位相差検出部82aは、出力側第1センサ5により制御装置8に出力された出力側第1入力信号および出力側第2センサ6により制御装置8に出力された出力側第2入力信号に基づいて、一対のロックナットであるセカンダリ第1ロックナット39aおよびセカンダリ第2ロックナット39bの位相差を検出する。出力側第1センサ5からの出力側第1入力信号の出力値である出力側第1センサ出力値はセカンダリ第1ロックナット39aまでの距離で変化し、出力側第2センサ6からの出力側第2入力信号の出力値である出力側第2センサ出力値はセカンダリ第2ロックナット39bまでの距離で変化するため、図5に示すように、それぞれ略パルス波形となる。出力軸トルクがセカンダリプーリ軸31に発生していない場合は、出力側第1センサ出力値の波形と、出力側第2センサ出力値の波形とが同期する。しかし、出力軸トルクがセカンダリプーリ軸31に発生すると、セカンダリプーリ軸31に出力軸トルクによる捻れが発生するため、出力側第1センサ出力値の波形と、出力側第2センサ出力値の波形との位相に差、すなわち位相差tが発生する。位相差検出部82aは、位相差tの大きさ、例えば出力側第1センサ5に凸部39cから凹部39eが対向した際における出力側第1センサ出力値の変化から、出力側第2センサ6に凸部39dから凹部39fが対向した際における出力側第2センサ出力値が変化するまでの時間と出力軸回転数Noutとに基づいて、一対のロックナットであるセカンダリ第1ロックナット39aおよびセカンダリ第2ロックナット39bの位相差を検出する。
次に、処理部82の出力軸トルク算出部82bは、出力軸トルクToutを算出する(ステップST103)。ここでは、出力軸トルク算出部82bは、上記位相差検出部82aにより検出された一対のロックナットであるセカンダリ第1ロックナット39aとセカンダリ第2ロックナット39bとの位相差に基づいて出力軸トルクToutを算出する。これにより、軸トルク検出装置は、高回転時において出力軸トルクToutを検出する。ここで、検出された位相差の大きさは、セカンダリプーリ軸31の捻れの大きさに比例する。セカンダリプーリ軸31の捻れの大きさは、セカンダリプーリ軸31に発生する出力軸トルクの増加に応じて増加する。従って、位相差が大きさに応じて出力軸トルクToutを算出することができる。
以上のように、本発明にかかる軸トルク検出装置を備えるベルト式無段変速機1−1では、セカンダリプーリ軸31上に配置する軸受35、セカンダリ隔壁38、軸受36、パーキングギヤ11などをセカンダリプーリ軸31に対して軸方向に移動することを規制するために、予めセカンダリプーリ軸31上に設けられる一対のロックナットであるセカンダリ第1ロックナット39aとセカンダリ第2ロックナット39bの位相差に基づいてセカンダリプーリ軸31に発生する出力軸トルクToutを検出する。従って、本発明にかかる軸トルク検出装置は、位相差検出部82aがセカンダリプーリ軸31の二箇所における位相差を直接検出することができるので、精度良く出力軸トルクを検出することができる。また、本発明にかかる軸トルク検出装置は、セカンダリプーリ軸31上に一対の歯車を新たに設けないので、ベルト式無段変速機1−1の部品点数の削減を図ることができる。また、本発明にかかる軸トルク検出装置は、セカンダリプーリ軸31上に一対の歯車を新たに設けないので、軸長の増加を抑制することができ、ベルト式無段変速機1−1の小型化を図ることができる。
次に、処理部82の駆動力算出部82cは、出力軸回転数Noutが所定回転数N1以下であると判断(ステップST101否定)、すなわちセカンダリプーリ軸31が低回転時であると判断すると、駆動力Tmを算出する(ステップST104)。ここでは、駆動力算出部82cは、ECU7から制御装置8に出力された各種データ、例えば内燃機関100に供給される燃料の燃料供給量や、内燃機関100に空気を導入する図示しない吸気経路の圧力、内燃機関100の機関回転数、上記スロットル開度などに基づいて内燃機関100が発生する駆動力Tmを算出する。
次に、処理部82の入力軸トルク算出部82dは、入力軸トルクTinを算出する(ステップST105)。ここでは、入力軸トルク算出部82dは、上記駆動力算出部82cが算出した駆動力Tmをトルクコンバータ110のトルク比により補正、すなわち駆動力Tmにトルク比を加算することにより、入力軸トルクTinを算出する。トルクコンバータ110のトルク比は、トルクコンバータ110の差動回転数、すなわち内燃機関100の機関回転数と上記処理部82が算出した入力軸回転数Ninとの差に基づいて算出することができる。なお、トルク比は、一般的なロックアップ機能を有するトルクコンバータ110であれば例えば2〜1の間である。
次に、処理部82の出力軸トルク推定部82eは、出力軸トルクToutを推定する(ステップST106)。ここでは、出力軸トルク推定部82eは、上記入力軸トルク算出部82dが算出した入力軸トルクTinをベルト式無段変速機1−1の目標効率により補正、すなわち駆動力Tmに目標効率を加算することにより、出力軸トルクToutを算出する。これにより、軸トルク検出装置は、低回転時において出力軸トルクToutを検出する。ベルト式無段変速機1−1の目標効率は、上記入力軸トルク算出部82dが算出した入力軸トルクTinと、上記処理部82が算出した入力軸回転数Ninと、プライマリプーリ2あるいはセカンダリプーリ3がベルトVに対して発生するベルト挟圧力とに基づいて算出することができる。なお、ベルト挟圧力は、プライマリ油圧室24あるいはセカンダリ油圧室34の油圧を油圧センサなどで検出することで算出することができる。
出力軸トルク算出部82bにより算出、あるいは出力軸トルク推定部82eにより推定された出力軸トルクToutは、例えば制御装置8がベルト式無段変速機1−1の駆動制御を行う際や、ECU7が内燃機関100の運転制御を行う際に用いられる。
以上のように、一対のロックナットであるセカンダリ第1ロックナット39aとセカンダリ第2ロックナット39bの位相差に基づいて出力軸トルク算出部82bにより検出された出力軸トルクToutの精度が低下する虞がある低回転時には、内燃機関100の駆動力Tmに基づいて出力軸トルク推定部82eにより出力軸トルクToutを推定する。従って、セカンダリプーリ軸31の低回転時において、軸トルク検出装置の検出間隔におけるセカンダリプーリ軸31の位置の変化が小さくなり、例えば出力側第1センサ5に対して凸部36cから凹部39eが対向するまでの間隔、および出力側第2センサ6に対して凸部39dから凹部39fが対向するまでの間隔が長くなり、これらに対応した出力側第1センサ出力値の変化および出力側第1センサ出力値の変化の頻度が少なくなり、検出された出力軸トルクToutが出力軸トルクの変動に追従できないことを抑制することができる。従って、軸トルク検出装置により検出された出力軸トルクの精度が低下することを抑制することができる。これにより、セカンダリプーリ軸31の回転数、すなわち出力軸回転数Noutに拘わらず精度良く出力軸トルクToutを検出することができる。
なお、上記実施の形態1では、出力軸回転数Noutに基づいて、一対のロックナットの位相差に基づいて出力軸トルクToutを検出するか、駆動力に基づいて出力軸トルクToutを検出するかの2つの出力軸トルクToutの検出方法を切り替えるが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、入力軸回転数Ninや、トルクコンバータ110の上述した差動回転数、ロックアップクラッチを備える場合はロックアップのON/OFF状態に基づいて2つの出力軸トルクToutの検出方法を切り替えても良い。
また、上記実施の形態1では、出力軸回転数Noutが低回転時か高回転時かに基づいて、2つの出力軸トルクToutの検出方法を切り替えるが、出力軸回転数Noutに拘わらず一対のロックナットであるセカンダリ第1ロックナット39aとセカンダリ第2ロックナット39bの位相差に基づいて出力軸トルクToutを検出しても良い。
[実施の形態2]
次に、実施の形態2にかかるベルト式無段変速機1−2について説明する。図6は、実施の形態2にかかるECUの概略構成例を示す図である。実施の形態2にかかるベルト式無段変速機1−2は、本発明にかかる異常検出装置を備えるものであり、図1に示すように、プライマリプーリ2と、セカンダリプーリ3と、入力側センサ4と、出力側第1センサ5と、出力側第2センサ6と、制御装置8と、油圧制御回路9とにより構成されている。ここで、実施の形態2にかかるベルト式無段変速機1−2の基本的構成は、図1に示す実施の形態1にかかるベルト式無段変速機1−1の基本的構成とほぼ同一であるため、同一箇所の説明は省略あるいは簡略化する。
ベルト式無段変速機1−2が備える異常検出装置は、ベルト式無段変速機1−2の異常、例えばプライマリプーリ2あるいはセカンダリプーリ3が発生するベルト挟圧力の異常や、プライマリ油圧室24あるいはセカンダリ油圧室34に作動油を供給する油圧制御回路9の異常を検出するものである。異常検出装置は、一対のロックナットであるセカンダリ第1ロックナット39aおよびセカンダリ第2ロックナット39bと、出力側第1センサ5と、出力側第2センサ6と、制御装置8とにより構成される。
制御装置8の処理部82は、図6に示すように、位相差検出部82aと、出力軸トルク算出部82bと、駆動力算出部82cと、入力軸トルク算出部82dと、実効率算出部82fと、目標効率算出部82gと、異常検出部82hとを有している。実効率算出部82fは、実効率算出手段であり、入力軸トルク算出部82dにより算出された入力軸トルクと、出力軸トルク算出部82bにより算出された出力軸トルクとに基づいて実際のベルト式無段変速機1−2の伝達効率である実効率を算出するものである。また、目標効率算出部82gは、目標効率算出手段であり、現在のベルト式無段変速機1−2の駆動状態に応じて予想される目標のベルト式無段変速機の伝達効率である目標効率を算出するものである。また、異常検出部82hは、実効率算出部82fにより算出された実効率と、目標効率算出部82gにより算出された目標効率とに基づいて異常を検出するものである。
次に、実施の形態2にかかるベルト式無段変速機1−2の異常の検出方法について説明する。図6は、実施の形態2のベルト式無段変速機の異常の検出方法のフローを示す図である。ここで、実施の形態2にかかるベルト式無段変速機1−2の異常の検出方法において、実施の形態1にかかるベルト式無段変速機1−1における出力軸トルクの検出方法と同一部分は、省略あるいは簡略化して説明する。なお、制御装置8によるベルト式無段変速機1−2の異常の検出は、制御装置8の制御周期ごとに行われるものである。
まず、制御装置8の処理部82の駆動力算出部82cは、駆動力Tmを算出する(ステップST201)。ここで、駆動力算出部82cは、ECU7から制御装置8に出力された各種データ、例えば内燃機関100に供給される燃料の燃料供給量や、内燃機関100に空気を導入する図示しない吸気経路の圧力、内燃機関100の機関回転数、上記スロットル開度などに基づいても内燃機関100が発生する駆動力Tmを算出する。
次に、処理部82の入力軸トルク算出部82dは、入力軸トルクTinを算出する(ステップST202)。ここでは、入力軸トルク算出部82dは、上記駆動力算出部82cが算出した駆動力Tmをトルクコンバータ110のトルク比により補正、すなわち駆動力Tmにトルク比を加算することにより、入力軸トルクTinを算出する。
次に、処理部82の位相差検出部82aは、位相差を検出する(ステップST203)。ここでは、位相差検出部82aは、出力側第1センサ5により制御装置8に出力された出力側第1入力信号および出力側第2センサ6により制御装置8に出力された出力側第2入力信号に基づいて、一対のロックナットであるセカンダリ第1ロックナット39aおよびセカンダリ第2ロックナット39bの位相差を検出する。
次に、処理部82の出力軸トルク算出部82bは、出力軸トルクToutを算出する(ステップST204)。ここでは、出力軸トルク算出部82bは、上記位相差検出部82aにより検出された一対のロックナットであるセカンダリ第1ロックナット39aとセカンダリ第2ロックナット39bとの位相差に基づいて出力軸トルクToutを算出する。
次に、処理部82の実効率算出部82fは、実効率ηRを算出する(ステップST205)。ここでは、実効率算出部82fは、入力軸トルク算出部82dにより算出された入力軸トルクTinと、出力軸トルク算出部82bにより算出された出力軸トルクToutとに基づいて、ベルト式無段変速機1−2の実効率ηRを算出する。具体的には、実行率算出部82fは、入力軸トルクTinと、出力軸トルクToutと、入力軸回転数Ninと、出力軸回転数Noutと、下記の式(1)とにより実効率ηRを算出する。

ηR=(Nout×Tout)/(Nin×Tin) …(1)
次に、処理部82の目標効率算出部82gは、目標効率ηOを算出する(ステップST206)。ここでは、目標効率算出部82gは、例えば上記入力軸トルク算出部82dが算出した入力軸トルクTinと、上記処理部82が算出した入力軸回転数Ninと、プライマリプーリ2あるいはセカンダリプーリ3がベルトVに対して発生するベルト挟圧力とに基づいて目標効率ηOを算出する。なお、ベルト挟圧力は、プライマリ油圧室24あるいはセカンダリ油圧室34の油圧を油圧センサなどで検出することで算出することができる。
次に、処理部82の異常検出部82hは、実効率ηRと目標効率ηOとを比較する(ステップST207)。ここでは、異常検出部82hは、実効率ηRが目標効率ηOよりも所定値η1以上低いか否かを判断する。つまり、異常検出部82hは、実効率ηRが目標効率ηOから所定値η1を引いた値以上であるか否かを判断する(ηR≧ηO−η1)。ここで、所定値η1は、例えばベルト挟圧力や、油圧制御回路9が正常の場合における目標効率ηOと実効率ηRとの差を超える値である。
次に、処理部82の異常検出部82hは、実効率ηRと目標効率ηOとを比較して、実効率ηRが目標効率ηOから所定値η1を引いた値未満である場合(ステップST207肯定)は、ベルト式無段変速機1−2が正常であると判断し、現制御周期を終了し、次に制御周期に移行する。また、処理部82の異常検出部82hは、実効率ηRが目標効率ηOから所定値η1を引いた値以上である場合(ステップST207否定)は、ベルト式無段変速機1−2が異常であると判断する(ステップST208)。なお、ベルト式無段変速機1−2の異常を検出した場合は、例えば制御装置8がベルト式無段変速機1−2の駆動制御をフェイルセーフ制御に切り替え、図示しないインストルメントパネルにベルト式無段変速機1−2の異常を表示する。
以上のように、本発明にかかる異常検出装置を備えるベルト式無段変速機1−2では、異常検出部82hは、駆動源である内燃機関100が発生する駆動力Tmに基づいた入力軸トルクTinと、出力軸トルク算出部82bにより実際に精度良く検出された出力軸トルクToutとに基づいて異常を検出する。実施の形態2では、実効率算出部82fにより精度良く算出された実効率ηRと、目標効率算出部82gにより算出された目標効率との差に基づいて異常を検出する。つまり、プライマリプーリ2あるいはセカンダリプーリ3がベルトVに対して発生するベルト挟圧力の実際値と目標値とを比較することができ、ベルト挟圧力の異常を精度良く検出することができる。また、ベルト挟圧力は、プライマリ油圧室24あるいはセカンダリ油圧室34の油圧により発生するものであるため、プライマリ油圧室24あるいはセカンダリ油圧室34の油圧の異常、すなわち油圧制御回路9の異常をも検出することができる。これにより、ベルト式無段変速機の異常を精度良く検出することができる。
また、ベルト挟圧力を検出する検出手段、例えばプライマリ油圧室24あるいはセカンダリ油圧室34の油圧を検出する油圧センサなどを用いずに、ベルト挟圧力の異常を検出することができる。さらに、ベルト式無段変速機1−2の異常を検出することができるので、本発明にかかる異常検出装置を備えたベルト式無段変速機1−2は、異常時考慮した強度設定により設計、製造されたベルト式無段変速機と比較して、低コスト化を図ることができる。
なお、上記実施の形態2では、異常検出装置が一対のロックナットの位相差に基づいて出力軸トルクToutを算出するが本発明は、これに限定されるものではない。例えば、異常検出装置の実効率算出部82fは、実施の形態1にかかる軸トルク検出装置により検出された出力軸トルクToutを取得し、取得された出力軸トルクToutに基づいて、実効率ηRを算出しても良い。
ベルト式無段変速機の構成例を示す図である。 ロックナットを示す図である。 実施の形態1にかかるECUの概略構成例を示す図である。 実施の形態1のベルト式無段変速機における出力軸トルクの検出方法のフローを示す図である。 セカンダリ第1ロックナットとセカンダリ第2ロックナットとの位相差を示す図である。 実施の形態2にかかるECUの概略構成例を示す図である。 実施の形態2のベルト式無段変速機の異常の検出方法のフローを示す図である。
符号の説明
1 ベルト式無段変速機
2 プライマリプーリ
21 プライマリプーリ軸
22 プライマリ固定シーブ
23 プライマリ可動シーブ
23a 背面
23b 突出部
24 プライマリ油圧室
25,26 軸受
27 プライマリ溝
28 プライマリ隔壁
29 プライマリロックナット
3 セカンダリプーリ
31 セカンダリプーリ軸
32 セカンダリ固定シーブ
33 セカンダリ可動シーブ
33a 背面
33b 突出部
34 セカンダリ油圧室
35,36 軸受
37 セカンダリ溝
38 セカンダリ隔壁
39a セカンダリ第1ロックナット
39b セカンダリ第2ロックナット
4 入力側センサ
5 出力側第1センサ
6 出力側第2センサ
7 ECU
8 制御装置
81 入出力部
82 処理部
82a 位相差検出部(位相差検出手段)
82b 出力軸トルク算出部(軸トルク算出手段、出力軸トルク算出手段)
82c 駆動力算出部(駆動力算出手段)
82d 入力軸トルク算出部(軸トルク推定手段、入力軸トルク算出手段)
82e 出力軸トルク推定部(軸トルク推定手段)
82f 実効率算出部(実効率算出手段)
82g 目標効率算出部(目標効率算出手段)
82h 異常検出部
83 記憶部
9 油圧制御回路
11 パーキングギヤ
100 内燃機関
101 クランクシャフト
110 トルクコンバータ
120 前後進切替機構
130 動力伝達経路
140 最終減速機
150 ドライブシャフト
160 車輪

Claims (4)

  1. 回転軸に発生する軸トルクを検出する軸トルク検出装置において、
    前記回転軸上に配置する部材の当該回転軸に対する軸方向への移動を規制する一対のロックナットと、
    前記回転軸上の一対のロックナットの位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記検出された位相差に基づいて回転軸に発生する軸トルクを算出する軸トルク算出手段と、
    を備えることを特徴とする軸トルク検出装置。
  2. 前記回転軸は、プーリ軸に固定された固定シーブとプーリ軸に対して軸方向に移動自在に支持された可動シーブとの間でベルトを挟み込むことで、駆動源から伝達された駆動力を入力側から出力側に伝達する2つのプーリを備えるベルト式無段変速機における前記入力側プーリ軸あるいは前記出力側プーリ軸のうち少なくともいずれか一方であり、
    前記駆動源が発生する駆動力を算出する駆動力算出手段および前記算出された駆動力に基づいて前記軸トルクを推定する軸トルク推定手段をさらに備え、
    前記軸トルク推定手段は、前記回転軸の低回転時に、前記算出された駆動力に基づいて前記軸トルクを推定し、
    前記軸トルク算出手段は、前記回転軸の高回転時に、前記検出された位相差に基づいて前記軸トルクを算出することを特徴とする請求項1に記載の軸トルク検出装置。
  3. プーリ軸に固定された固定シーブとプーリ軸に対して軸方向に移動自在に支持された可動シーブとの間でベルトを挟み込むことで、駆動源から伝達された駆動力を入力側から出力側に伝達する2つのプーリを備えるベルト式無段変速機の異常を検出する異常検出装置において、
    前記出力側プーリ軸上に配置する部材の当該プーリ軸に対する軸方向への移動を規制する一対のロックナットと、
    前記出力側プーリ軸上の一対のロックナットの位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記検出された位相差に基づいて出力側プーリ軸に発生する出力軸トルクを算出する出力軸トルク算出手段と、
    前記駆動源が発生する駆動力を算出する駆動力算出手段と、
    前記算出された駆動力と、前記算出された軸トルクとに基づいて前記異常を検出する異常検出手段と、
    を備えることを特徴とする異常検出装置。
  4. 前記算出された駆動力に基づいて前記入力側プーリ軸に発生する入力軸トルクを算出する入力軸トルク算出手段と、
    前記算出された入力軸トルクと前記算出された出力軸トルクとに基づいて前記ベルト式無段変速機の実効率を算出する実効率算出手段と、
    前記ベルト式無段変速機の目標効率を算出する目標効率算出手段と、
    をさらに備え、前記算出された実効率と前記算出された目標効率との差に基づいて前記異常を検出することを特徴とする請求項3に記載の異常検出装置。
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