JP2008309303A - シフトポジション検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シフトレバーの操作途中の遷移状態において、センサの正常、あるいは異常を判定できるようにし、遷移状態の時間が長くなってもセンサ異常と誤判定されないようにすることを目的とする。
【解決手段】本発明に係るシフトポジション検出装置は、センサ動作用部材53と複数のセンサとの位置関係に対応したポジション信号を出力する手段52を備え、遷移状態において、センサの正常時には、センサが予め決められた順番に変化してポジション信号が変化する構成であり、前記遷移状態において、センサが予め決められた順番に変化しているときは、遷移状態の開始から異常処理が行われるまでの時間を所定時間とし、センサが予め決められた順番に変化しないときは、異常処理が行われるまでの時間を短縮する。
【選択図】図4

Description

本発明は、シフトレバー装置のシフトレバーの動作に連動して相対的に移動可能なセンサ動作用部材と複数のセンサとを備え、前記センサ動作用部材と複数のセンサとの位置関係の変化により前記複数のセンサの出力信号組み合わせであるポジション信号が変化する構成で、前記ポジション信号よって前記シフトレバーのシフトポジションを検出する構成のシフトポジション検出装置に関する。
これに関連する従来のシフトポジション検出装置が特許文献1に記載されている。
このシフトポジション検出装置は、シフトレバー装置のシフトレバー側にマグネットが取り付けられており、ハウジング側に磁界を検出する4個のホールICが取り付けられている。このため、シフトレバーがP、F、D、N、Rの各シフトポジションにあるときに、前記マグネットと4個のホールICとが各シフトポジションに対応する位置関係となる。そして、前記マグネットと4個のホールICとの位置関係に対応してそれらのホールICがオン(1)・オフ(0)する。即ち、各シフトポジションによって4個のホールICがオン(1)・オフ(0)する組み合わせが異なり、それらの組み合わせから各シフトポジションが検出される。
特開2004−138235号公報
上記したシフトポジション検出装置では、4個のホールICのオン(1)・オフ(0)の組み合わせから各シフトポジションを検出する構成である。しかし、4個のホールICのオン(1)・オフ(0)の組み合わせ(ポジション信号)が各シフトポジションを表す正規ポジション信号から外れた場合には、シフトレバーの操作途中(遷移状態)なのか、あるいはセンサの異常なのか判断ができなくなる。したがって、一般的に、シフトポジション検出装置では、前記ポジション信号が正規ポジション信号から外れたときに起動するタイマを設け、前記タイマがタイムアップする前に次の正規ポジション信号が検出されなかった場合には、センサ異常と判定して異常処理を行うようにしている。
しかし、この方法では、シフトレバーをゆっくり操作することで、次の正規ポジション信号が検出されるまでに時間が掛り、その前にタイマがタイムアップするおそれがある。このため、センサが正常であっても、センサ異常と判定されることがある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シフトレバーの操作途中の遷移状態において、センサの正常、あるいは異常を判定できるようにし、シフトレバーがゆっくり操作されることで、任意の正規ポジション信号が検出されてから次の正規ポジション信号が検出されるまでの時間が長くなってもセンサ異常と誤判定されないようにすることである。
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、シフトレバー装置のシフトレバーの動作に連動して相対的に移動可能なセンサ動作用部材と複数のセンサとを備え、前記センサ動作用部材と複数のセンサとの位置関係の変化により前記複数のセンサの出力信号組み合わせであるポジション信号が変化する構成で、前記ポジション信号よって前記シフトレバーのシフトポジションを検出する構成のシフトポジション検出装置であって、前記センサ動作用部材と前記複数のセンサとの位置関係に対応したポジション信号を出力するポジション信号出力手段を備え、前記シフトレバーが互いに隣接するシフトポジション間を移動する遷移状態において、前記センサが正常な時には、前記センサが予め決められた順番に変化して前記ポジション信号出力手段のポジション信号が変化する構成であり、前記遷移状態において、前記センサが予め決められた順番に変化しているときは、前記遷移状態の開始から異常処理が行われるまでの時間を所定時間とし、前記センサが予め決められた順番に変化しないときは、異常処理が行われるまでの時間を短縮することを特徴とする。
本発明によると、シフトレバーが互いに隣接するシフトポジション間を移動する遷移状態では、センサが正常な時には、前記センサが予め決められた順番に変化してポジション信号出力手段のポジション信号が変化する構成である。このため、前記遷移状態において、前記センサが予め決められた順番に変化しているときは、正常な遷移状態と判定して遷移状態の開始から異常処理が行われるまでの時間を所定時間とする。即ち、正常な遷移状態の場合には、遷移状態の開始から終了までの時間を所定時間確保できるようになり、シフトレバーをゆっくり操作してもセンサ異常と判定されることはない。
また、遷移状態において、前記センサが予め決められた順番に変化しないときは、センサ異常と判定して異常処理が行われるまでの時間が短縮される。即ち、センサ異常時には速やかに異常処理が行われるようになるため、安全性が確保される。
請求項2の発明によると、遷移状態の開始から所定時間が経過したときに動作して異常処理を実行させる第1のタイマと、前記遷移状態の開始から前記所定時間よりも短い時間が経過したときに動作して異常処理を実行させる第2のタイマとを備えていることを特徴とする。
請求項3の発明によると、センサ動作用部材には、センサをオンさせる反応領域と、前記センサをオフさせる非反応領域とが設けられており、前記反応領域と前記非反応領域とが、遷移状態において前記複数のセンサが予め決められた順番で変化するように構成されていることを特徴とする。
このように、センサ動作用部材の反応領域と非反応領域により、センサを予め決められた順番で変化させることができるため、特にコストアップにはならない。
請求項4の発明によると、シフトレバーが一のシフトポジションから別のシフトポジションへ移動する際に、移動先のシフトポジションによって、最初に変化する前記センサが異なることを特徴とする。
このため、最初に変化するセンサによってシフトレバーの移動先のシフトポジションを判定できる。したがって、予め制御の準備ができるようになり、全てのセンサが正しく変化してから制御を行うよりも、制御時間の短縮を図ることができる。
本発明によると、遷移状態においてセンサの正常、あるいは異常が判定できるようになり、シフトレバーがゆっくり操作されることで、遷移状態が長く続いてもセンサ異常と誤判定されないようになる。さらに、センサ異常時には速やかに異常処理が行われるため、安全性が確保される。
以下、図1〜図10に基づいて、本発明の実施形態1に係るシフトポジション検出装置の説明を行う。本実施形態に係るシフトポジション検出装置は車両のシフトレバー装置において使用される装置であり、図1〜図3にシフトポジション検出装置を備えるシフトレバー装置の断面図及び全体斜視図が示されている。図4はシフトポジション検出装置の分解斜視図等であり、図5〜図9はシフトポジション検出装置の動作を表す図面である。また、図10はシフトポジション検出装置の遷移状態における各センサの動作を表す模式図である。
なお、図中の前後左右上下は車両の前後左右上下に対応している。
<シフトレバー装置10の概要について>
先ず、シフトポジション検出装置50の説明を行う前にシフトレバー装置10の概要について説明する。
シフトレバー装置10は、例えば、ハイブリッド車に使用されるシフトバイワイヤ式のシフトレバー装置であり、図1〜図3に示すように、側面視略台形状のハウジング12とシフトレバー30とを備えている。ここで、図2は図1のII−II矢視断面図を表している。
前記ハウジング12には、その両側板部14の下部に左右方向に延びるシフト軸16が架設されている。そして、そのシフト軸16に支持部材20がハウジング12内でシフト方向(前後方向)に回動可能に支持されている。支持部材20は、上部が開放された扁平箱形に形成されており、その支持部材20にシフトレバー30のレバー基部32が、図2に示すように、仮想軸線Jを中心にセレクト方向(左右方向)に移動できるように収納されている。前記支持部材20の上部開口は、シフトレバー30等が挿通される貫通孔26を備える蓋部材25によって塞がれている。
即ち、シフトレバー30は、レバー基部32、支持部材20及びシフト軸16の働きでハウジング12に対してシフト方向(前後方向)及びセレクト方向(左右方向)に移動可能になる。
シフトレバー30のレバー基部32の後側面32bには、図1に示すように、後方に突出する連動アーム33が取り付けられている。連動アーム33は、支持部材20の切欠き凹部22を通過して後方に突出しており、その連動アーム33の突出端33rがシフトポジション検出装置50(後記する)のセンサ動作用部材53に連結されている。
また、レバー基部32には、図2等に示すように、プランジャ34がシフトレバー30と平行に上下動可能なように組み込まれており、そのプランジャ34がプランジャスプリング35によって上方の付勢力を受けている。そして、プランジャ34の先端が、図2に示すように、ゲート部材40(後記する)の傾斜カム面43にプランジャスプリング35の力で押し付けられている。
ゲート部材40は、図1〜図3に示すように、ハウジング12の上部開口12uを塞ぐとともに、シフトレバー30が通されるゲート孔41を備える蓋状の部材である。ゲート孔41は、シフトパターンに対応してH字状に形成されており、図5(A)に示すように、縦方向に延びる左右2本のシフトラインと、それらのシフトラインを横方向に連絡するセレクトラインとを有している。
ゲート孔41において、左側のシフトラインとセレクトラインとの交差部にH(ホーム)ポジションが設定され、右側のシフトラインとセレクトラインとの交差部にN(ニュートラル)ポジションが設定されている。また、左側のシフトラインの前側に+(シフトアップ)ポジションが設定され、左側のシフトラインの後側に−(シフトダウン)ポジションが設定されている。さらに、右側のシフトラインの前側にR(リバース)ポジションが設定され、右側のシフトラインの後側にD(ドライブ)ポジションが設定されている。
ここで、前述のように、ゲート部材40の傾斜カム面43には、図2に示すように、プランジャ34がプランジャスプリング35の力を受けて当接している。このため、シフトレバー30が前記セレクトラインを右方向(H→N)に移動しようとすると、傾斜カム面43の働きでプランジャ34が下方に移動してプランジャスプリング35を押し縮める。これにより、シフトレバー30は、プランジャスプリング35の力と傾斜カム面43の働きで左方向(H方向)の力を受けるようになる。即ち、シフトレバー30の操作力が開放されると、シフトレバー30はプランジャスプリング35の力で基準位置であるHポジションに復帰されるようになる。
<シフトポジション検出装置50について>
シフトポジション検出装置50は、シフトレバー30により選択されたシフトポジションを電気的に検出し、位置検出信号であるポジション信号を出力する装置である。シフトポジション検出装置50は、図1に示すように、ハウジング12の後傾斜板13に形成された検出装置取り付け部13eに装着されている。シフトポジション検出装置50は、図4(A)に示すように、浅い箱状に形成された収容ケース51と、その収容ケース51の開口側に蓋状に嵌め込まれるホルダ部材55とを備えている。そして、収容ケース51とホルダ部材55とが形成する空間内にセンサ基板52とセンサ動作用部材53及び中継部材54とが収納されている。
センサ基板52は、例えば、磁界を検出するホールICからなる位置検出センサ60を複数個(図では7個)備える基板であり、収容ケース51の底面側に固定されている。
センサ動作用部材53は、後記するように、位置検出センサ60を動作させるための板状部材であり、中継部材54を介して、ホルダ部材55に対して縦方向、横方向に摺動できる状態で取り付けられている。センサ動作用部材53は、センサ基板52に対して一定間隔を隔てた状態で平行に配置されており、そのセンサ動作用部材53の裏面に形成された係合筒部53tがホルダ部材55の開口55hから前下方に突出している。そして、図1に示すように、センサ動作用部材53の係合筒部53tにシフトレバー30のレバー基部32に形成された連動アーム33の突出端33rが連結されている。これにより、センサ動作用部材53はシフトレバー30に連動するようになり、シフトレバー30に位置によってセンサ基板52の位置検出センサ60とセンサ動作用部材53との位置関係が変化する。
<位置検出センサ60の配置とセンサ動作用部材53とについて>
センサ基板52には、図4、図6等に示すように、No.1〜No.7の7個の位置検出センサ60(以下、No.1〜No.7センサという)が予め決められた間隔で位置決めされている。No.1〜No.7センサは、所定の方向の磁界のみを検知するように構成されており、磁界を検知したときにオン信号(1)、磁界を検知しないときにオフ信号(0)を出力できるように構成されている。
センサ動作用部材53は、図6(A)に示すように、その表面が9行9列に区分されており、第2行、第4行、第6行、第8行が図において上下に三分割されている。また、第2列、第4列、第6列、第8列が図において横方向に三分割されている。そして、斜線部が反応領域、空白部が非反応領域となっている。ここで、反応領域(斜線部)はセンサが対面したときにオン信号(1)を出力する領域であり、非反応領域(空白部)はセンサが対面したときにオフ信号(0)を出力する領域である。例えば、第3行では、第1列から第2列の前部までと、第6列から第8列の中央部までが反応領域であり、第2列の中央部から第5列までと、第8列の後部から第9列までが非反応領域である。同様に、第7行では、第3列から第8列までが反応領域であり、第1列から第2列までと、第9列が非反応領域である。
図6(A)は、シフトレバー30がH(ホーム)ポジションにあるときのセンサ基板52(No.1〜No.7センサ)とセンサ動作用部材53との位置関係を表している。このとき、No.1センサは反応領域(斜線部)に対面しているためオン信号(1)を出力する。No.2センサは非反応領域(空白部)に対面しているためオフ信号(0)を出力する。同様に、No.3センサはオン信号(1)、No.4センサはオン信号(1)、No.5センサはオフ信号(0)、No.6センサはオン信号(1)、No.7センサはオフ信号(0)を出力する。したがって、シフトレバー30がH(ホーム)ポジションにあるときのセンサ出力信号の組み合わせ、即ち、ポジション信号は、図5(B)の表に示すように、「1011010」となる。
図6(A)に示すように、シフトレバー30がH(ホーム)ポジションにあるときに、シフトレバー30をN(ニュートラル)ポジション側に操作すると、センサ基板52のNo.1〜No.7センサに対してセンサ動作用部材53が右方向に移動する。そして、シフトレバー30がN(ニュートラル)ポジションに到達すると、図6(B)に示すように、センサ動作用部材53は2列分だけ右にずれるようになる。この結果、シフトレバー30がN(ニュートラル)ポジションにあるときのセンサ出力信号の組み合わせ、即ち、ポジション信号は、図5(B)の表に示すように、「0110011」となる。
図7から図9は、シフトレバー30をH(ホーム)からN(ニュートラル)まで移動させるとき(遷移状態)の途中経過を順番に表している。ここで、図7(A)は、図6(A)と一致している。
シフトレバー30をH(ホーム)からN(ニュートラル)側に操作すると、センサ基板52のNo.1〜No.7センサに対してセンサ動作用部材53が右方向に移動し、図7(B)に示すように、最初にNo.1センサが反応領域(斜線部)から非反応領域(空白部)に移動する。即ち、最初にNo.1センサの出力がオン信号(1)からオフ信号(0)に変わる。したがって、ポジション信号(遷移ポジション信号)は、図10のVIIB矢視に示すように、「0011010」となる。
次に、図8(A)に示すように、No.7センサが非反応領域(空白部)から反応領域(斜線部)に移動する。即ち、次にNo.7センサの出力がオフ信号(0)からオン信号(1)に変わる。したがって、遷移ポジション信号は、図10のVIIIA矢視に示すように、「0011011」となる。
次に、図8(B)に示すように、No.2センサが非反応領域(空白部)から反応領域(斜線部)に移動する。即ち、次にNo.2センサの出力がオフ信号(0)からオン信号(1)に変わる。したがって、遷移ポジション信号は、図10のVIIIB矢視に示すように、「0111011」となる。
最後に、図9に示すように、No.4センサが反応領域(斜線部)から非反応領域(空白部)に移動した後、シフトレバー30がN(ニュートラル)ポジションに到達する。即ち、最後にNo.4センサの出力がオン信号(1)からオフ信号(0)に変わり、ポジション信号は、図10のIX矢視に示すように、N(ニュートラル)のポジション信号「0110011」と一致する。
ここで、シフトレバー30をN(ニュートラル)からH(ホーム)側に操作する場合には、上記とは逆に、No.4センサ、No.2センサ、No.7センサ、No.1センサの順番で変化する。即ち、センサ動作用部材53の第2列、第4列、第6列、第8列が横方向に三分割されているため、反応領域と非反応領域の境界位置を調整できるようになり、遷移状態中に四個のセンサを予め決められた順番で変化させることができるようになる。
シフトレバー30をH(ホーム)から+(シフトアップ)側に操作する場合には、センサ動作用部材53が図6(A)の状態から上方に移動し、図10の左上部に示すように、No.2センサ、No.3センサ、No.6センサ、No.7センサの順番で変化する。そして、シフトレバー30が+(シフトアップ)に到達したときに、センサ動作用部材53は図6(A)の状態から2行分だけ上にずれ、ポジション信号は「1101001」となる。
なお、センサ動作用部材53の第2行、第4行、第6行、第8行が上下に三分割されているため、反応領域と非反応領域の境界位置を調整可能になり、遷移状態中に四個のセンサを予め決められた順番で変化させることができるようになる。
シフトレバー30をH(ホーム)から−(シフトダウン)側に操作する場合には、センサ動作用部材53が図6(A)の状態から下方に移動し、図10の左下部に示すように、No.4センサ、No.2センサ、No.3センサ、No.5センサの順番で変化する。そして、シフトレバー30が−(シフトダウン)に到達したときに、センサ動作用部材53は図6(A)の状態から2行分だけ下にずれ、ポジション信号は「1100110」となる。
シフトレバー30をN(ニュートラル)からR(リバース)側に操作する場合には、センサ動作用部材53が図6(B)の状態から上方に移動し、図10の右上部に示すように、No.5センサ、No.6センサ、No.1センサ、No.2センサの順番で変化する。そして、シフトレバー30がR(リバース)に到達したときに、センサ動作用部材53は図6(B)の状態から2行分だけ上にずれ、ポジション信号は「1010101」となる。
シフトレバー30をN(ニュートラル)からD(ドライブ)側に操作する場合には、センサ動作用部材53が図6(B)の状態から下方に移動し、図10の右下部に示すように、No.7センサ、No.5センサ、No.6センサ、No.4センサの順番で変化する。そして、シフトレバー30がD(ドライブ)に到達したときに、センサ動作用部材53は図6(B)の状態から2行分だけ下にずれ、ポジション信号は「0111100」となる。
即ち、上記したNo.1〜No.7センサを備えるセンサ基板52が本発明のポジション信号出力手段に相当する。
また、上記したように、シフトレバー30が一のシフトポジションから別のシフトポジションへ移動する際に、移動先のシフトポジションによって、最初に変化する前記センサが異なっている(図10参照)。したがって、最初に変化する前記センサによってシフトレバー30の移動先のシフトポジションを判定できるようになる。
ここで、シフトレバー30がH(ホーム)、N(ニュートラル)、+(シフトアップ)、−(シフトダウン)、R(リバース)、及びD(ドライブ)の各ポジションにあるときのポジション信号を、以後、正規ポジション信号と呼ぶことにする。
<シフトポジション検出装置50の動作について>
センサ基板52から出力されたポジション信号は、図4(B)に示すように、制御部100に入力される。制御部100は、センサ基板52から出力されたポジション信号から各センサの正常・異常を判定する部分であり、センサ異常時には異常処理部103を動作可能に構成されている。
また、シフトレバー30が各シフトポジション(H、+、−、N、R、D)にあるときの正規ポジション信号と、シフトレバー30が互いに隣接するシフトポジション間を移動する遷移状態のときの遷移ポジション信号及びセンサの変化順序がメモリ101に記憶されている。
また、制御部100には、センサ異常時に異常処理部103を動作させるまでの時間を調整する第1タイマと第2タイマとが設けられている。
第1タイマと第2タイマとは、シフトレバー30が互いに隣接するシフトポジション間を移動する遷移状態の開始時に起動される構成で、第1タイマは約5秒後、第2タイマは約100ms(約0.1秒)後に異常処理部103を動作させる。
そして、遷移状態において、各々のセンサが予め決められた順番に変化しているときは、正常な遷移状態と判定されて第1タイマが選択される。即ち、遷移状態の開始から異常処理が行われるまでの時間がT1(=約5秒)に設定される。したがって、正常な遷移状態の場合には、遷移状態の開始から終了までの時間を約5秒確保できるようになり、シフトレバー30をゆっくり操作してもセンサ異常と判定されることはない。
なお、正常な遷移状態と判定された場合でも、遷移状態の開始から終了までの時間が約5秒以上経過した場合には異常であり、異常処理部103が動作する。
また、遷移状態において、各々のセンサが予め決められた順番に変化しないときは、センサ異常と判定されて第2タイマが選択される。即ち、遷移状態の開始から異常処理が行われるまでの時間がT2(=約0.1秒)に設定される。したがって、センサ異常時には速やかに異常処理が行われるようになり、安全性が確保される。
ここで、異常処理とは、警報ランプの点滅や警報音による報知の他、スロットルバルブを絞る等して車両を安全な状態に移行させる処理をいう。
また、センサ動作用部材53の反応領域と非反応領域の境界部分を調整することにより、遷移状態においてセンサを予め決められた順番で変化させることができるため、特にコストアップにはならない。
また、最初に変化するセンサによってシフトレバー30の移動先のシフトポジションを判定できるため、予め制御の準備ができるようになり、全てのセンサが正しく変化してから制御を行うよりも、制御時間の短縮を図ることができる。
<変更例について>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、センサ動作用部材53の第2行、第4行、第6行、第8行を上下に三分割し、第2列、第4列、第6列、第8列を横方向に三分割して、遷移状態中に四個のセンサを予め決められた順番で変化させる例を示した。しかし、第2行〜第8行、第2列〜第8列の分割数を変更して、遷移状態中に順番に変化するセンサの個数を変更することも可能である。
また、本実施形態では、遷移状態中に四個のセンサが予め決められた順番で変化しない場合には、遷移状態の開始からT2(約0.1秒)が経過したときに異常処理を行う例を示した。しかし、遷移状態中にセンサが予め決められた順番で変化しないことが検出されたタイミングで速やかに異常処理を行うことも可能である。
また、センサ基板52にNo.1〜No.7の7台のセンサを装着する例を示したがセンサの数は適宜変更可能である。
本発明の本実施形態1に係るシフトポジション検出装置を備えるシフトレバー装置の縦断面図である。 図1のII−II矢視断面図である。 前記シフトポジション検出装置を備えるシフトレバー装置の分解斜視図である。 前記シフトポジション検出装置の分解斜視図(A図)、ブロック図(B図)である。 前記シフトレバー装置のゲート孔の模式平面図(A図)、各シフトポジションにおけるポジション信号の表示図(B図)である。 センサ基板の各センサとセンサ動作用部材との位置関係を表す模式図(A図、B図)である。 遷移状態の途中経過におけるセンサ基板の各センサとセンサ動作用部材との位置関係を表す模式図である(A図、B図)。 遷移状態の途中経過におけるセンサ基板の各センサとセンサ動作用部材との位置関係を表す模式図である(A図、B図)。 遷移状態の途中経過におけるセンサ基板の各センサとセンサ動作用部材との位置関係を表す模式図である。 シフトポジション検出装置の遷移状態における各センサの動作を表す模式図である。
符号の説明
10・・・・シフトレバー装置
30・・・・シフトレバー
50・・・・シフトポジション検出装置
52・・・・センサ基板(ポジション信号出力手段)
53・・・・センサ動作用部材
60・・・・位置検出センサ(センサ)
100・・・制御部(第1タイマ、第2タイマ)
101・・・メモリ

Claims (4)

  1. シフトレバー装置のシフトレバーの動作に連動して相対的に移動可能なセンサ動作用部材と複数のセンサとを備え、前記センサ動作用部材と複数のセンサとの位置関係の変化により前記複数のセンサの出力信号組み合わせであるポジション信号が変化する構成で、前記ポジション信号よって前記シフトレバーのシフトポジションを検出する構成のシフトポジション検出装置であって、
    前記センサ動作用部材と前記複数のセンサとの位置関係に対応したポジション信号を出力するポジション信号出力手段を備え、
    前記シフトレバーが互いに隣接するシフトポジション間を移動する遷移状態において、前記センサが正常な時には、前記センサが予め決められた順番に変化して前記ポジション信号出力手段のポジション信号が変化する構成であり、
    前記遷移状態において、前記センサが予め決められた順番に変化しているときは、前記遷移状態の開始から異常処理が行われるまでの時間を所定時間とし、前記センサが予め決められた順番に変化しないときは、異常処理が行われるまでの時間を短縮することを特徴とするシフトポジション検出装置。
  2. 請求項1に記載されたシフトポジション検出装置であって、
    前記遷移状態の開始から所定時間が経過したときに動作して異常処理を実行させる第1のタイマと、前記遷移状態の開始から前記所定時間よりも短い時間が経過したときに動作して異常処理を実行させる第2のタイマとを備えていることを特徴とするシフトポジション検出装置。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載されたシフトポジション検出装置であって、
    前記センサ動作用部材には、前記センサをオンさせる反応領域と、前記センサをオフさせる非反応領域とが設けられており、
    前記反応領域と前記非反応領域とが、遷移状態において前記複数のセンサが予め決められた順番で変化するように構成されていることを特徴とするシフトポジション検出装置。
  4. 請求項1又は請求項3のいずれかに記載されたシフトポジション検出装置であって、
    前記シフトレバーが一のシフトポジションから別のシフトポジションへ移動する際に、移動先のシフトポジションによって、最初に変化する前記センサが異なることを特徴とするシフトポジション検出装置。
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