JP2008309260A - 動力伝達機構用緩衝部材及び電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

動力伝達機構用緩衝部材及び電動式パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】出力軸10の先端部とウォーム軸6の基端部との間に設けるトルク継手部20に組み込んだ緩衝部材21の形状及び構造を工夫する事により、上記両軸10、6同士の間で歯打ち音と呼ばれる騒音や振動が発生する事を有効に防止できる構造を実現する。
【解決手段】緩衝部材21を、それぞれが別体に造られた、緩衝筒部24と突っ張り軸部25とにより構成する。このうちの緩衝筒部24を、スプライン軸部12aの外周面とスプライン孔11aの内周面との間に挟持する。又、上記突っ張り軸部25を、上記スプライン軸部12aの先端面と上記スプライン孔11aの奥端面との間で、軸方向に弾性的に圧縮する。上記緩衝筒部24と上記突っ張り軸部25とを、それぞれ別体の弾性材により構成している為、これら緩衝筒部24と突っ張り軸部25とを、それぞれ異なる特性を有する弾性材により造る事ができ、軸方向に関する弾力の調節と、トルク伝達方向に関する弾力の調節とを、それぞれ独立して行なえる。
【選択図】図4

Description

本発明の動力伝達機構用緩衝部材及び電動式パワーステアリング装置のうち、電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置として利用するもので、電動モータを補助動力として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図るものである。又、同じく動力伝達機構用緩衝部材は、例えば、上述の様な電動式パワーステアリング装置を構成する減速機のウォーム軸の基端部と、上記電動モータの出力軸の先端部との接続部に設けるトルク継手部の様な、伝達軸同士の間で動力を伝達する動力伝達機構に組み込み、これら伝達軸同士の間に必要な弾力(周方向並びに軸方向弾力)を付与するものである。本発明は、伝達軸同士の間に(ウォーム軸と出力軸との間に)付与する弾力(円周方向並びに軸方向の弾力)を所望値(最適値)に規制し易くできる構造を実現し、これら両軸同士の間で歯打ち音と呼ばれる騒音や振動が発生する事を有効に防止すべく発明したものである。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。電動式パワーステアリング装置は、油圧式のパワーステアリング装置に比べて小型・軽量にでき、補助動力の大きさ(トルク)の制御が容易で、しかもエンジンの動力損失が少ない等の利点がある。
電動式パワーステアリング装置の構造は、各種知られているが、何れの構造の場合でも、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸に電動モータの補助動力を、減速機を介して付与する。この減速機として一般的には、ウォーム減速機が使用されている。ウォーム減速機を使用した電動式パワーステアリング装置の場合、上記電動モータにより回転駆動されるウォームと、上記回転軸と共に回転するウォームホイールとを噛合させて、上記電動モータの補助動力をこの回転軸に伝達自在とする。
例えば特許文献1には、図9〜10に示す様な電動式パワーステアリング装置が記載されている。ステアリングホイール1により所定方向に回転させられる、回転軸であるステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3の内側に回転自在に支持しており、この部分にウォームホイール4を固定している。このウォームホイール4と噛合するウォーム歯5をウォーム軸6の軸方向中間部に設け、電動モータ7により回転駆動されるウォーム8の両端部は、深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受9a、9bにより、上記ハウジング3内に回転自在に支持されている。
上記ウォーム8を上記電動モータ7の出力軸10により回転駆動する為に、特許請求の範囲に記載した第一の伝達軸に相当する上記ウォーム軸6の基端部にスプライン孔11を、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で形成している。又、同じく第二の伝達軸に相当する上記出力軸10の先端部にスプライン軸部12を形成している。そして、このスプライン軸部12と上記スプライン孔11とをスプライン係合させる事で、上記出力軸10と上記ウォーム軸6とを、回転力の伝達を自在に結合している。
更に、図10に示した従来構造の場合、上記ウォームホイール4と上記ウォーム歯5との噛合部のバックラッシュをなくす為に、上記ウォーム軸6の先端部(図10の右端部)を上記ウォームホイール4に向け弾性的に押圧する様にしている。即ち、上記ウォーム軸6の先端部で先端側の転がり軸受9aよりも突出した部分に押圧駒13を外嵌し、この押圧駒13と上記ハウジング3との間にコイルばね14等の弾性部材を設けている。そして、このコイルばね14により、上記押圧駒13を介して、上記ウォーム歯5を上記ウォームホイール4に向け押圧している。この様な構成により、これらウォーム歯5とウォームホイール4との間のバックラッシュを抑え、上記電動モータ7の起動時や回転方向の変換時に、上記ウォームホイール4と上記ウォーム歯5との噛合部での歯打ち音の発生を抑えている。
上述の様な電動式パワーステアリング装置では、上記ウォームホイール4と上記ウォーム歯5との噛合部での歯打ち音の発生を抑えられるが、上記スプライン軸部12と上記スプライン孔11とのスプライン係合部での歯打ち音の発生は抑えられない。特に、このスプライン係合部には、或る程度隙間を設ける必要がある。この理由は、上記スプライン孔11と上記スプライン軸部12とをスプライン係合させる作業を容易に行なえる様にする必要上、更には、上記ウォームホイール4と上記ウォーム歯5との間のバックラッシュを抑えるべく、上記ウォーム軸6の先端部を上記ウォームホイール4に向け揺動変位させる必要上である。この様な必要上設けられる、上記スプライン係合部の隙間に基づいて、上記電動モータ7の起動時や回転方向の変換時に、このスプライン係合部で、雄スプライン歯の側面と雌スプライン歯の側面との衝突に基づく、騒音や振動が発生する。
ウォーム減速機のウォーム軸(例えば第一の伝達軸)と電動モータの出力軸(例えば第二の伝達軸)との間でトルクを伝達する為のトルク継手部(動力伝達機構)で、歯打ち音と呼ばれる騒音や振動が発生する事を防止する為の構造として従来から、特許文献2に記載された構造が知られている。この構造の場合には、電動モータの出力軸とウォーム減速機のウォーム軸との互いに対向する端面に凹凸部を形成し、これら両凹凸係合部を、弾性部材を介して凹凸係合させている。この様に、金属材料製の上記出力軸と上記ウォーム軸とに設けた、上記両凹凸係合部の円周方向側面同士を上記弾性部材を介して噛合させれば、噛合部で歯打ち音の如き騒音や振動が発生する事を抑えられる。
又、特許文献3には、電動モータの出力軸の先端面とウォーム減速機のウォーム軸の基端面との間に弾性部材を挟持し、これら両軸に軸方向の弾力を付与し、これら両軸の軸方向のがたつきをなくす事で、上記噛合部で歯打ち音の如き騒音や振動が発生する事を抑える為の構造が記載されている。上記特許文献2、3に記載された発明は、それぞれ上記騒音や振動を抑える面から効果があるが、これら騒音や振動をより確実に抑える為に、凹凸係合部での金属同士の当接を防止すると共に、上記両軸を軸方向に押圧する為には、別個独立した構造を組み込む必要がある。上記トルク継手部にこれら別個独立した構造を組み込む事は、スペース上難しい。又、仮に組み込めたとしても、組立作業が面倒になり、製造コストが嵩む。
これに対して、特許文献4、5には、凹凸係合部での金属同士の当接を防止する為の構造と、両軸を軸方向に押圧する為の構造とを一体とした構造が記載されている。例えば、特許文献4には、図11に示す様に、1対の連結部材15a、15bを、弾性部材16を介して、凹凸係合させる構造が記載されている。この従来構造では、上記両連結部材15a、15bと弾性部材16とをトルク伝達方向に関し凹凸係合させると共に、これら両連結部材15a、15bの間で弾性部材16を軸方向に押圧する。この様な特許文献4に記載された構造によれば、単一の構造で、凹凸係合部での金属同士の当接を防止すると共に、1対の軸を軸方向に押圧できる。但し、この様な特許文献4に記載された構造の場合、部品点数の省略化や構造の簡素化、並びに、これに伴う組立作業の容易化を図れても、トルク伝達方向に関する弾力と軸方向の弾力とを独立して調節できず、これら両方向の弾力を何れも最適な値に調節する事が難しい。
一方、特許文献5に記載された発明の構造の場合には、上記特許文献4に記載された構造と同様、図12に示す様に、1対の連結部材15c、15dを、弾性部材16aを介して、凹凸係合させる。但し、上記特許文献5に記載された構造の場合には、この弾性部材16aの軸方向端面に突起17、17を設け、1対の軸に対し軸方向の弾力を付与する様に構成している。この様な特許文献5に記載された構造の場合には、上記各突起17、17の数や大きさにより軸方向の弾力を、トルク伝達方向の弾力とは独立して調節できる。但し、上記各突起17、17の大きさ(断面積及び高さ)や数に限度がある為、軸方向の弾力を所望の大きさに規制する事が難しい(限度内でしか弾力を規制できない)。又、これら各突起17、17を、トルク伝達方向の弾力を付与する部分に一体に形成している為、このトルク伝達方向と軸方向とで、弾性等、弾性材の特性を変える事も難しい。
特開2004−306898号公報 特表2002−518242号公報 特開2002−255047号公報 特開2005−306141号公報 特開2006−177505号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、電動モータの出力軸(第二の伝達軸)の先端部とウォーム減速機のウォーム軸(第一の伝達軸)の基端部との間に設けるトルク継手部(動力伝達機構)に組み込む緩衝部材(弾性部材)の形状及び構造を工夫する事により、上記両軸同士の間に付与する弾力{円周方向(トルク伝達方向)並びに軸方向の弾力}を所望値(最適値)に規制し易くできる構造を実現し、これら両軸同士の間で歯打ち音と呼ばれる騒音や振動が発生する事を有効に防止すべく発明したものである。
本発明の動力伝達機構用緩衝部材及び電動式パワーステアリング装置のうち、請求項1に記載した動力伝達機構用緩衝部材は、第一の伝達軸(例えば電動式パワーステアリング装置を構成するウォーム減速機のウォーム軸)と、第二の伝達軸(例えば電動式パワーステアリング装置を構成する電動モータの出力軸)とを備えた動力伝達機構(例えば電動式パワーステアリング装置のトルク継手部)に組み込まれるものである。
このうちの第一の伝達軸は、その端部に有底のスプライン孔を設けている。
又、上記第二の伝達軸は、その端部に、上記スプライン孔とトルク伝達可能にスプライン係合する、スプライン軸部を設けている。
そして、上記第一、第二両伝達軸同士の間に組み込まれた状態で、これら第一、第二両伝達軸同士の間に、周方向(トルク伝達方向)並びに軸方向の弾力を付与する。
特に、本発明の動力伝達機構用緩衝部材に於いては、それぞれが弾性材により、互いに別体に造られた、緩衝筒部と突っ張り軸部とから成る。
このうちの緩衝筒部は、上記スプライン軸部に外嵌可能なものである。
又、上記突っ張り軸部は、上記緩衝筒部の内部空間のうちの先端側(組み付け状態でスプライン軸部の先端側に対応する側)を覆う状態で設けられた覆い板部に、この緩衝筒部の先端側に突出する状態で係合したものである。尚、上記覆い板部は、上記スプライン軸部の先端面を完全に覆う必要はなく、必要に応じて軽量化等の為のスリット(切り欠き)等を設ける事は自由である。又、上記突っ張り軸部は、例えば、充実円柱状、又は、中空円柱状のもの、或は、(中空の)有底円筒状のもの等が採用可能である。
そして、上記緩衝筒部を上記スプライン軸部の外周面と上記スプライン孔の内周面との間に挟持すると共に、上記突っ張り軸部を、このスプライン軸部の先端面と上記スプライン孔の奥端面との間で軸方向に弾性的に圧縮した状態で、これらスプライン軸部とスプライン孔との間に組み付ける。
又、上述の様な請求項1に記載した動力伝達機構用緩衝部材を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、上記突っ張り軸部の外周面{で、例えばこの突っ張り軸部の基端寄り部(組み付け状態でスプライン軸部の基端に対応する側の基端寄り部)}に設けた、この突っ張り軸部の外周面のうちで他の部分よりも外径寸法が小さい小径面部(例えば小径円筒面部。尚、小径面部の断面形状は円形、矩形、楕円形、三角形、径方向に凹凸を有する花弁形等、特に問わない)を、上記覆い板部の中心に設けた貫通孔(例えば円孔。尚、貫通孔の断面形状は、小径面部の断面形状に対応するものであれば良く、円形、矩形、楕円形、三角形、径方向に凹凸を有する花弁形等、特に問わない)に内嵌する。そして、上記覆い板部の厚さ寸法よりも上記小径面部の軸方向寸法を大きくする事により、この小径面部の軸方向寸法に応じた範囲内で、上記突っ張り軸部と緩衝筒部とを互いに軸方向の相対変位を可能に係合させる。尚、上記貫通孔の内径寸法は、上記小径面部の外径以上で、且つ、この小径面部から軸方向に外れた上記他の部分の外径よりも小さくする。
又、請求項3に記載した本発明の電動式パワーステアリング装置は、ハウジングと、回転軸と、ウォームホイールと、ウォームと、電動モータと、動力伝達機構に相当するトルク継手部とを備える。
このうちのハウジングは、固定の部分に支持されて回転する事がない。
又、上記回転軸は、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。尚、この様な回転軸としては、前述の図9に示したステアリングシャフト2の他、中間シャフト18、ステアリングギヤユニット19の入力軸(ピニオン軸)等が採用可能である。勿論、上記回転軸が何れであるかにより、上記ハウジングを支持する為の固定の部分は異なる。
又、上記ウォームホイールは、上記ハウジングの内部で上記回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されており、この回転軸と共に回転する。
又、上記ウォームは、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成る。そして、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向端部を、軸受により、上記ハウジングに対し回転自在に支持している。
又、上記電動モータは、上記ウォームを回転駆動する為、その出力軸を上記ウォーム軸と同心に配置している。尚、ウォームとウォームホイールとの噛合部のバックラッシュを解消する必要上、上記出力軸と上記ウォーム軸とは、完全に同心ではないが、実質上(ほぼ)同心である。
又、上記トルク継手部は、上記出力軸の先端部と上記ウォーム軸の基端部との間に設けられて、この出力軸からこのウォーム軸へのトルクの伝達を自在としている。そして、上記トルク継手部は、前記第一の伝達軸の端部に相当する、この出力軸の先端部と上記ウォーム軸の基端部とのうちの一方の端部に、当該端部の端面に開口する状態で設けられた有底のスプライン孔と、第二の伝達軸の端部に相当する、上記出力軸の先端部と上記ウォーム軸の基端部とのうちの他方の端部に設けられた、上記スプライン孔とトルク伝達可能にスプライン係合するスプライン軸部とから成る。
特に、本発明の電動式パワーステアリング装置に於いては、前記動力伝達機構用緩衝部材である緩衝部材を備える。この緩衝部材は、それぞれが弾性材により、互いに別体に造られた、緩衝筒部と突っ張り軸部とから成る。
このうちの緩衝筒部は、上記スプライン軸部に外嵌可能なものである。
又、上記突っ張り軸部は、上記緩衝筒部の内部空間のうちの先端側(組み付け状態でスプライン軸部の先端側に対応する側)を覆う状態で設けられた覆い板部に、この緩衝筒部の先端側に突出する状態で係合したものである。尚、上記覆い板部は、上記スプライン軸部の先端面を完全に覆う必要はなく、必要に応じて軽量化等の為のスリット(切り欠き)等を設ける事は自由である。又、上記突っ張り軸部は、例えば、充実円柱状、又は、中空円柱状のもの、或は、(中空の)有底円筒状のもの等が採用可能である。
そして、上記緩衝筒部を上記スプライン軸部の外周面と上記スプライン孔の内周面との間に挟持すると共に、上記突っ張り軸部を、このスプライン軸部の先端面と上記スプライン孔の奥端面との間で軸方向に弾性的に圧縮した状態で、これらスプライン軸部とスプライン孔との間に上記緩衝部材を組み付けている。
又、上述の様な請求項3に記載した電動式パワーステアリング装置を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した様に、上記突っ張り軸部の外周面{で、例えばこの突っ張り軸部の基端寄り部(組み付け状態でスプライン軸部の基端に対応する側の基端寄り部)}に設けた、この突っ張り軸部の外周面のうちで他の部分よりも外径寸法が小さい小径面部(例えば小径円筒面部。尚、小径面部の断面形状は円形、矩形、楕円形、三角形、径方向に凹凸を有する花弁形等、特に問わない)を、上記覆い板部の中心に設けた貫通孔(例えば円孔。尚、貫通孔の断面形状は、小径面部の断面形状に対応するものであれば良く、円形、矩形、楕円形、三角形、径方向に凹凸を有する花弁形等、特に問わない)に内嵌する。そして、上記覆い板部の厚さ寸法よりも上記小径面部の軸方向寸法を大きくする事により、この小径面部の軸方向寸法に応じた範囲内で、上記突っ張り軸部と緩衝筒部とを互いに軸方向の相対変位を可能に係合させる。尚、上記貫通孔の内径寸法は、上記小径面部の外径以上で、且つ、この小径面部から軸方向に外れた上記他の部分の外径よりも小さくする。
上述の様な構成を有する本発明の動力伝達機構用緩衝部材及び電動式パワーステアリング装置によれば、第一の伝達軸(ウォーム減速機のウォーム軸)の基端部と第二の伝達軸(電動モータの出力軸)の先端部との間に設けた動力伝達機構(トルク継手部)で、これら両軸同士の間に付与する弾力(円周方向並びに軸方向の弾力)を所望値(最適値)に規制して、これら両軸同士の間で歯打ち音と呼ばれる騒音や振動が発生する事を有効に防止できる。
先ず、(動力伝達機構用)緩衝部材のうちの緩衝筒部が、動力伝達機構部(トルク継手部)で、トルク伝達方向に関して金属同士が突き当たる事を防止する。この為、例えば伝達軸(例えば電動モータの出力軸)の回転開始時(例えば電動モータの起動時)や回転方向の変換時に、上記動力伝達機構部分(トルク継手部)で、金属同士の衝突に基づく騒音や振動が発生する事を防止できる。
又、上記(動力伝達機構用)緩衝部材のうちの突っ張り軸部が、第一の伝達軸(ウォーム軸)と第二の伝達軸(出力軸)とを互いに離れる方向に、弾性的に押圧する。この為、これら第一の伝達軸(ウォーム軸)と第二の伝達軸(出力軸)とが、軸方向にがたつく事がなく、これら両軸の軸方向のがたつきに伴って騒音や振動が発生する事を防止できる。
又、本発明の場合には、上記緩衝筒部と上記突っ張り軸部とを、それぞれ別体の弾性材により構成している。この為、これら緩衝筒部と突っ張り軸部とを、それぞれ異なる特性を有する弾性材により造る事ができ、軸方向に関する弾力の調節と、トルク伝達方向に関する弾力の調節とを、それぞれ独立して行なえる。即ち、上記突っ張り軸部の軸方向に関する弾性変形の特性を、上記緩衝筒部を構成する弾性材の特性に影響されず、自由に設定できる。この為、これら突っ張り軸部と緩衝筒部とに必要な弾力を、それぞれ最適な値に規制し易くでき、上記動力伝達機構部分(トルク継手部)で、歯打ち音と呼ばれる騒音や振動が発生する事を有効に防止できる。又、上記緩衝筒部の先端側開口部を覆う状態で設けた覆い板部に、上記突っ張り軸部を係合させる為、これら突っ張り軸部と緩衝筒部とを組み合わせた状態では、これら両部を一体的に取り扱う事ができ、緩衝部材の組み付け作業が面倒になる事もない。しかも、筒状に形成された上記緩衝筒部は、スプライン軸部に容易に取り付ける(装着する)事ができる。又、このスプライン軸部への取り付けの前後に亙り、上記緩衝筒部が型崩れする{変形する。例えば自重で潰れたり、取り付け時に偏って(不均一に)拡径する}事を、上記覆い板部により防止する事もできる。
又、請求項2、4に記載した様に、上記突っ張り軸部と上記緩衝筒部とを互いに軸方向の相対変位を可能に係合させれば、これら緩衝筒部と突っ張り軸部との軸方向に関する位置関係を高精度に規制しなくても、或は、覆い板部の側面の形状とスプライン軸部の先端面の形状とを高精度に一致させなくても、上記突っ張り軸部の弾力を設計通りのものにできる。即ち、例えば緩衝筒部と突っ張り軸部とを一体に形成した場合、上記覆い板部の側面の形状と上記スプライン軸部の先端面の形状とが合致しないと、上記緩衝部材がこのスプライン軸部の所定位置に装着されず(所定位置に嵌らず)、例えば上記突っ張り軸部とスプライン軸部の先端面との間に隙間を生じたり、上記覆い板部や緩衝筒部が不必要に弾性変形する可能性がある。この様な装着状態の場合、上記突っ張り軸部の軸方向の圧縮量に対応する弾力が、設計通りのものとならず(覆い板部や緩衝筒部の不必要な弾性変形に伴う弾力が加味されたものとなり)、所望の弾力を得られなくなる可能性がある。又、上記緩衝筒部と突っ張り軸部との位置関係も高精度に規制しないと、上述した場合と同様に、隙間や不必要な弾性変形を生じ、上記突っ張り軸部の弾力を設計通りのものにできなくなる可能性がある。これに対して、上述の様に突っ張り軸部と緩衝筒部とを互いに軸方向の相対変位を可能に係合させた場合には、位置関係や形状のずれを、この相対変位により吸収できる。この為、上記位置関係や形状を高精度に規制しなくても、上記突っ張り軸部の圧縮量の管理を所望通りに行なう事ができ、上記第一、第二両伝達軸同士(出力軸とウォーム軸との)の間に、これら第一、第二両伝達軸同士(出力軸とウォーム軸と)の軸方向に関する位置決め精度に応じた、適切な弾力を付与できる。
[実施の形態の第1例]
図1〜7は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、電動式パワーステアリング装置を構成する電動モータ7の出力軸10の先端部とウォーム8のウォーム軸6の基端部との間に設けた(動力伝達機構に相当する)トルク継手部20で、歯打ち音と呼ばれる騒音や振動が発生する事を有効に防止できる構造を実現すべく、スプライン孔11aの内周面及び奥端面とスプライン軸部12aの外周面及び先端部との間に組み込む(動力伝達機構用)緩衝部材21の構造を工夫した点にある。その他、電動式パワーステアリング装置全体の構造及び作用に就いては、前述した従来構造と同様であるから、この従来構造と同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。尚、前述の図9〜10と図1とで、ハウジング3に対する電動モータ7の取付方向が異なっているが、この点は、設置する自動車に応じ適宜設計的に変更するものであって、本発明の特徴部分とは関係がない。
本例の構造の場合には、図1〜3に示す様に、第一の伝達軸に相当するウォーム軸6の基端部に上記スプライン孔11aを、このウォーム軸6の基端面に開口する状態で、このウォーム軸6と同心に形成している。又、第二の伝達軸に相当する、上記電動モータ7の出力軸10の先端部に上記スプライン軸部12aを、この出力軸10と同心に形成している。そして、このスプライン軸部12aと上記スプライン孔11aとをスプライン係合させる事で、上記出力軸10と上記ウォーム軸6とを、回転力の伝達を可能に結合している。但し、上記スプライン軸部12aの外周面に形成した雄スプライン歯のピッチ、並びに、上記スプライン孔11aの内周面に形成した雌スプライン歯のピッチは、通常のスプライン歯のピッチよりも粗くしている。図示の例では、これら各スプライン歯の中心角ピッチを、それぞれ60度としている。
又、上記両軸12a、6の中心軸に直交する仮想平面に関する、上記各スプライン歯並びにスプライン溝の断面形状は、頂部を丸めた、略二等辺三角形乃至は等脚台形としている。本例の場合、上記スプライン孔11aの雌スプライン歯の断面形状を略二等辺三角形とし、同じく雌スプライン溝の断面形状を等脚台形としている。又、上記スプライン軸部12aの先半部22の雄スプライン歯並びに雄スプライン溝の断面形状を略二等辺三角形とし、同じく基半部23の雄スプライン歯の断面形状を等脚台形とすると共に、雄スプライン溝の断面形状を略二等辺三角形としている。尚、これら各スプライン歯並びにスプライン溝の断面形状は、上記出力軸10と上記ウォーム軸6との間でトルク伝達を行なえる形状であれば良く、図示のものに限らず、インボリュート曲線(インボリュートスプライン)等、各種形状を採用できる。
又、上記スプライン軸部12aの基半部23の外周面と、上記スプライン孔11aの内周面とは、略同じ形状としている(周方向に関する所定の隙間と径方向に関する微小隙間とを有する)。これに対して、上記スプライン軸部12aの先半部22の外周面は、上記スプライン孔11aの内周面の大きさに比べて十分に小さなものとしている。そして、これらスプライン軸部12aの先半部22の外周面とスプライン孔11aの内周面との間、及び、このスプライン軸部12aの先端面とスプライン孔11aの奥端面との間に、前記緩衝部材21を設置している。
この緩衝部材21は、図4〜7に詳示する様に、ニトリルゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、エチレンアクリルゴム(AEM)等のゴム、或いはポリウレタンの如き熱可塑性エラストマー、合成樹脂等の弾性材により、それぞれが別体に造られた、緩衝筒部24と突っ張り軸部25とから成る。このうちの緩衝筒部24は、上記スプライン軸部12aに外嵌可能(装着可能)な有底円筒状のもので、断面形状を、このスプライン軸部12aの外周面形状に合わせて、六つ星筒状に形成している。又、上記緩衝筒部24の内周面の自由状態での大きさは、好ましくは、上記スプライン軸部12aの外周面の大きさよりも僅かに小さくして、上記緩衝筒部24をこのスプライン軸部12aに、軽い締り嵌めで外嵌できる様にしている。又、この緩衝筒部24の外周面の大きさは、上記スプライン孔11aの内周面の大きさと同じかこれよりも僅かに小さくして、上記緩衝筒部24をこのスプライン孔11aに、軽い締り嵌め乃至は隙間嵌により内嵌できる様にしている。電動式パワーステアリング装置を組み立てた状態で、この様な緩衝筒部24は、上記スプライン軸部12aの先半部22の外周面と上記スプライン孔11aの内周面との間に設置される。
又、上記緩衝筒部24の内部空間のうちの先端側(組み付け状態でスプライン軸部12aの先端側に対応する側)は、底部に対応する覆い板部26により覆われている。上記突っ張り軸部25は、この様な緩衝筒部24の先端側を覆う状態で設けられた上記覆い板部26に、この緩衝筒部24の先端側に突出する状態で係合している。この為に本例の場合は、上記突っ張り軸部25の外周面に、この突っ張り軸部25の外周面のうちで他の部分よりも外径寸法が小さい小径面部27を設けている。そして、上記覆い板部26の中心に設けた貫通孔28にこの小径面部27を内嵌する事により、上記突っ張り軸部25を上記緩衝筒部24に係合させている。電動式パワーステアリング装置を組み立てた状態で、上記突っ張り軸部25は、上記スプライン軸部12aの先端面と上記スプライン孔11aの奥端面との間に、軸方向に弾性的に圧縮された状態で設置される。
尚、上記覆い板部26は、上記スプライン軸部12aの先端面を完全に覆う必要はなく、必要に応じて軽量化等の為のスリット(切り欠き)等を設ける事は自由である。又、上記突っ張り軸部25は、例えば、充実円柱状、又は、中空円柱状のもの、或は、(中空の)有底円筒状のもの等が採用可能である。有底円筒状とするか、充実円柱状、中空円柱状とするかは、必要とする弾力の大きさ等に応じて設計的配慮で選択する。又、本例の場合は、上記貫通孔28の内径を、上記小径面部27の外径よりも僅かに大きく、且つ、この小径面部27から軸方向に外れた上記他の部分の外径よりも小さくしている。又、これと共に、上記覆い板部26の厚さ寸法よりも、上記小径面部27の軸方向寸法を大きくしている。そして、この様に構成する事により、この小径面部27の軸方向寸法に応じた範囲内で(軸方向寸法と厚さ寸法との差分)、上記突っ張り軸部25と緩衝筒部24とを互いに軸方向の相対変位を可能に係合させている。上記突っ張り軸部25は、上記覆い板部26の貫通孔28に、この貫通孔28を押し広げつつ(或は、突っ張り軸部25の基端部を縮径する方向に変形させつつ)挿通する(押し込む)。そして、この様にして、上記突っ張り軸部25の小径面部27を覆い板部26の貫通孔28に係合させた状態で、上記スプライン軸部12aの先半部22に上記緩衝部材21を、上記緩衝筒部24を押し広げつつ装着する。この場合に、この緩衝筒部24が径方向に不必要に押し広げられて、この緩衝筒部24が型崩れするのを、上記覆い板部26により防止でき、この緩衝筒部24の装着状態での安定性を確保できる。そして、この様に緩衝部材21を装着した上記スプライン軸部12aを、上記スプライン孔11a内に挿入する事により、これらスプライン軸部12aとスプライン孔11aとを、トルク伝達可能に連結する。尚、上記貫通孔28の内径は、上記小径面部27の外径よりも、多少(嵌合に伴って上記緩衝筒部24の形状が歪まない程度に)小さくしても良い。
尚、本例の場合は、上記小径面部27を、上記突っ張り軸部25の外周面で、この突っ張り軸部25の基端寄り部(組み付け状態でスプライン軸部12aの基端に対応する側の基端寄り部)に設けている。但し、この小径面部27を、上記突っ張り軸部25の外周面の軸方向略全体に亙って(基端寄り部から先端寄り部の全体に亙って)設ける事もできる。即ち、上記突っ張り軸部25の先端縁並びに基端縁にのみ、他の部分よりも外径寸法が大きい(小径面部27よりも外径寸法が大きい)凸部を全周に亙って、或は、周方向に亙って間欠的に設ける事もできる。何れにしても、上記突っ張り軸部25が上記覆い板部26から抜け落ちる事を防止でき、且つ、上記緩衝筒部24と突っ張り軸部25とが必要な軸方向相対変位を行なう事ができる様に構成すれば良い。又、本例の場合は、上記小径面部27の断面形状、並びに、上記貫通孔28の断面形状を、円形としているが、この形状に限定するものではなく、矩形、楕円形、三角形、径方向に凹凸を有する形状等、何れのものも採用できる。
前記電動モータ7の出力軸10の先端部と、前記ウォーム軸6の基端部との間に、上述の様な、スプライン孔11aとスプライン軸部12aと緩衝部材21とを備えたトルク継手部20を設けた本例の電動式パワーステアリング装置は、使用時に、次の様にして、このトルク継手部20で、金属同士の衝突に基づく騒音や振動が発生する事を防止する。
先ず、トルク伝達方向に関して、上記スプライン孔11aの内周面に設けた雌スプライン歯の円周方向側面と、上記スプライン軸部12aの外周面に設けた雄スプライン歯の円周方向側面とが金属同士で衝突する事は、上記スプライン孔11aの内周面と上記スプライン軸部12aの先半部22の外周面との間に存在する、上記緩衝部材21の緩衝筒部24により防止される。この為、上記電動モータ7の起動時や回転方向の変換時に、上記各スプライン歯の円周方向側面同士の係合部で、上記騒音や振動が発生する事がなくなる。
即ち、図3(a)に示した、上記スプライン軸部12aとスプライン孔11aとが円周方向に関して中立の状態から、例えばこのうちのスプライン軸部12aがこのスプライン孔11aに対し、同図の反時計方向に(相対)回転すると、同図(b)に示す様に、このスプライン軸部12aの先半部22に外嵌する上記緩衝筒部24の外周面と上記スプライン孔11aの内周面が、互いにトルクの伝達方向に対向する部分同士(円周方向側面同士)で当接する。そして、この状態から、上記スプライン軸部12aが同図の反時計方向に更に回転すると、上記緩衝筒部24が周方向に押し潰される方向に弾性変形しつつ、同図(c)に示す様に、上記スプライン孔11aの内周面と上記スプライン軸12aの基半部23の外周面とのうちで、互いにトルクの伝達方向に対向する部分同士が当接する。そして、この当接に基づいて上記スプライン軸部12aとスプライン孔11aとの間でトルク伝達が行なわれる。この際、これらスプライン孔11aの内周面とスプライン軸部12aの基半部23aの外周面との当接は、上記緩衝筒部24の弾性変形に基づいて、穏やかに行なわれる(衝突に基づく騒音や振動が抑えられる)。又、上記両周面(円周方向側面)同士の当接に基づくトルク伝達時に、上記緩衝筒部24が過度に押し潰される事はないので、この緩衝筒部24の耐久性が損なわれる事はない。
又、上記出力軸10と上記ウォーム軸6とが軸方向にがたつく事は、前記突っ張り軸部25がこれら両軸10、6を、互いに離れる方向に弾性的に押圧する事により防止される。この為、これら両軸10、6のがたつきに伴う騒音や振動の発生が防止される。
更に、本例の場合には、上記緩衝筒部24と上記突っ張り軸部25とを、それぞれ別体の弾性材により構成している。この為、これら緩衝筒部24と突っ張り軸部25とを、それぞれ異なる特性を有する弾性材により造る事ができ、軸方向に関する弾力の調節と、トルク伝達方向に関する弾力の調節とを、それぞれ独立して、且つ、微細に行なえる。即ち、上記突っ張り軸部25の軸方向に関する弾性変形の特性を、上記緩衝筒部24を構成する弾性材の特性に影響されず、自由に設定できる。この為、これら突っ張り軸部25と緩衝筒部24とに必要な弾性を、それぞれ最適な値に規制し易くでき、トルク継手部20で、歯打ち音と呼ばれる騒音や振動が発生する事を有効に防止できる。又、上記緩衝筒部24の先端側開口部を覆う状態で設けた覆い板部26に、上記突っ張り軸部25を係合させる為、これら突っ張り軸部25と緩衝筒部24とを一体的に取り扱う事ができ、緩衝部材21の組み付け作業が面倒になる事もない。しかも、筒状に形成された上記緩衝筒部24は、スプライン軸部12aに容易に取り付ける(装着する、外嵌する)事ができる。又、このスプライン軸部12aへの取り付けの前後に亙り、上記緩衝筒部24が型崩れする{変形する。例えば自重で潰れたり、取り付け時に偏って(不均一に)拡径する}事を、上記覆い板部26により防止する事もできる。又、本例の緩衝部材21の試作を行なう場合には、上記緩衝筒部24並びに突っ張り軸部25を各種の弾性材によりそれぞれ成形し、これらを種々組み合わせつつ、それぞれの評価を行なう事ができる為、最適な緩衝筒部24と突っ張り軸部25との組み合わせを選択し易くできる(チューニングを容易に行なえる)。
又、本例の場合は、上記突っ張り軸部25と上記緩衝筒部24とを互いに軸方向の相対変位を可能に係合させている。この為、これら緩衝筒部24と突っ張り軸部25との軸方向に関する位置関係を高精度に規制しなくても、或は、覆い板部26の側面の形状とスプライン軸部12aの先端面の形状とを高精度に一致させなくても、上記突っ張り軸部25の弾力を設計通りのものにできる。即ち、例えば上記緩衝筒部24と突っ張り軸部25とを一体に形成した場合、上記覆い板部26の内面の形状と上記スプライン軸部12aの先端面の形状とが合致しないと、上記緩衝部材24がこのスプライン軸部12aの所定位置に装着されず(所定位置に嵌らず)、例えば上記突っ張り軸部25とスプライン軸部12aの先端面との間に隙間を生じたり、上記覆い板部26や上記緩衝筒部24が不必要に弾性変形する可能性がある。この様な装着状態の場合、上記突っ張り軸部25の軸方向の圧縮量に対応する弾力が、設計通りのものとならず(覆い板部26や緩衝筒部24の不必要な弾性変形に伴う弾力が加味されたものとなり)、所望の弾力を得られなくなる可能性がある。
又、一体の場合、上記緩衝筒部24と突っ張り軸部25との位置関係も高精度に規制しないと、上述した場合と同様に隙間や不必要な弾性変形を生じ、上記突っ張り軸部25の弾力を設計通りのものにできなくなる可能性がある。これに対して、上述の様に突っ張り軸部25と緩衝筒部24とを互いに軸方向の相対変位を可能に係合させた本例の場合には、位置関係や形状のずれを、この相対変位により吸収できる。この為、上記位置関係や形状を高度に規制しなくても、上記スプライン軸部12aの先端面と前記スプライン孔11aの奥端面との間での、上記突っ張り軸部25の圧縮量の管理を所望通りに行なう事ができ、前記出力軸10とウォーム軸6との間に、これら出力軸10とウォーム軸6の軸方向に関する位置決め精度に応じた適切な弾力を付与できる。
[実施の形態の第2例]
図8は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、緩衝部材21aに設けた突っ張り軸部25aの先端部の形状を、先端に向かう程外径が小さくなる方向に傾斜した、円すい凸面状としている。そして、上記突っ張り軸部25aの先端面と、摺り鉢状の円すい凹面である、スプライン孔11aの奥端面との係合により、これら突っ張り軸部25aとスプライン孔11aとを同心に位置させる様にしている。
その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図10と同様の図。 図1のA部拡大図。 図2のB−B断面に相当する図で、(a)は中立状態を、(b)は(a)の状態からスプライン軸部が反時計方向に回転した状態を、(c)は(b)の状態から更に回転した状態を、それぞれ示している。 第1例に組み込む緩衝部材を組み付け状態で、且つ、スプライン孔を軸方向に切断して図2のC矢印方向から見た状態で示す斜視図。 緩衝部材の一部を切断して示す、図4と同様の図。 第1例に組み込む緩衝部材を取り出すと共に、突っ張り軸部を取り外した状態で示す斜視図。 同じく緩衝部材を取り出し、突っ張り軸部を取り付けた状態で一部を切断して示す、図6と同様の図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1のD部に相当する拡大図。 従来構造の第1例を示す、電動式パワーステアリング装置の全体構成の部分切断側面図。 図9の拡大E−E断面図。 従来構造の第2例を示す、継手部の分解斜視図。 同第3例を示す、継手部の分解斜視図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4 ウォームホイール
5 ウォーム歯
6 ウォーム軸
7 電動モータ
8 ウォーム
9a、9b 転がり軸受
10 出力軸
11、11a スプライン孔
12、12a スプライン軸部
13 押圧駒
14 コイルばね
15a、15b、15c、15d 連結部材
16、16a 弾性部材
17 突起
18 中間シャフト
19 ステアリングギヤユニット
20 トルク継手部
21、21a 緩衝部材
22 先半部
23 基半部
24 緩衝筒部
25、25a 突っ張り軸部
26 覆い板部
27 小径面部
28 貫通孔

Claims (4)

  1. 端部に有底のスプライン孔を設けた第一の伝達軸と、端部にこのスプライン孔とトルク伝達可能にスプライン係合するスプライン軸部を設けた第二の伝達軸とを備えた動力伝達機構に組み込まれ、これら第一、第二両伝達軸同士の間に周方向並びに軸方向の弾力を付与する動力伝達機構用緩衝部材に於いて、それぞれが弾性材により、互いに別体に造られた、上記スプライン軸部に外嵌可能な緩衝筒部と、この緩衝筒部の先端側を覆う状態で設けられた覆い板部に、この緩衝筒部の先端側に突出する状態で係合した突っ張り軸部とから成り、このうちの緩衝筒部を上記スプライン軸部の外周面と上記スプライン孔の内周面との間に挟持すると共に、上記突っ張り軸部を、このスプライン軸部の先端面と上記スプライン孔の奥端面との間で軸方向に弾性的に圧縮した状態で、これらスプライン軸部とスプライン孔との間に組み付けるものである事を特徴とする動力伝達機構用緩衝部材。
  2. 突っ張り軸部の外周面に設けた、この突っ張り軸部の外周面のうちで他の部分よりも外径寸法が小さい小径面部を、覆い板部の中心に設けた貫通孔に内嵌し、この覆い板部の厚さ寸法よりも上記小径面部の軸方向寸法を大きくする事により、この小径面部の軸方向寸法に応じた範囲内で、上記突っ張り軸部と緩衝筒部とを互いに軸方向の相対変位を可能に係合させた、請求項1に記載した動力伝達機構用緩衝部材。
  3. 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸と、上記ハウジングの内部でこの回転軸の一部に、この回転軸と同心に支持されて、この回転軸と共に回転するウォームホイールと、ウォーム軸の軸方向中間部にウォーム歯を設けて成り、このウォーム歯を上記ウォームホイールと噛合させた状態で、上記ウォーム軸の軸方向端部を軸受により上記ハウジングに対し回転自在に支持されたウォームと、このウォームを回転駆動する為、その出力軸を上記ウォーム軸と同心に配置した電動モータと、これら出力軸の先端部とウォーム軸の基端部との間に設けられて、この出力軸からこのウォーム軸へのトルクの伝達を自在とした、動力伝達機構に相当するトルク継手部とを備え、このトルク継手部は、第一の伝達軸の端部に相当する、上記出力軸の先端部と上記ウォーム軸の基端部とのうちの一方の端部に、当該端部の端面に開口する状態で設けられた有底のスプライン孔と、第二の伝達軸の端部に相当する、上記出力軸の先端部と上記ウォーム軸の基端部とのうちの他方の端部に設けられた、上記スプライン孔とトルク伝達可能にスプライン係合するスプライン軸部とから成るものである電動式パワーステアリング装置に於いて、それぞれが弾性材により、互いに別体に造られた、上記スプライン軸部に外嵌可能な緩衝筒部と、この緩衝筒部の先端側を覆う状態で設けられた覆い板部に、この緩衝筒部の先端側に突出する状態で係合した突っ張り軸部とから成る緩衝部材を備え、上記緩衝筒部を上記スプライン軸部の外周面と上記スプライン孔の内周面との間に挟持すると共に、上記突っ張り軸部を、このスプライン軸部の先端面と上記スプライン孔の奥端面との間で軸方向に弾性的に圧縮した状態で、これらスプライン軸部とスプライン孔との間に上記緩衝部材を組み付けた事を特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  4. 突っ張り軸部の外周面に設けた、この突っ張り軸部の外周面のうちで他の部分よりも外径寸法が小さい小径面部を、覆い板部の中心に設けた貫通孔に内嵌し、この覆い板部の厚さ寸法よりも上記小径面部の軸方向寸法を大きくする事により、この小径面部の軸方向寸法に応じた範囲内で、上記突っ張り軸部と緩衝筒部とを互いに軸方向の相対変位を可能に係合させた、請求項3に記載した電動式パワーステアリング装置。
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