JP2008309248A - 保持器及びその保持器を使用した直動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定方向に延出したガイドレールと、ガイドレールに沿って移動可能なスライダと、スライダの移動に伴ってガイドレールとスライダとの間を回転しながら転走自在に配置された複数の転動体4とを備えた直動装置に用いられた保持器3であって、保持器は、ガイドレールとスライダとの間に配され、個々の転動体を1つずつ回転可能に保持するための内周面が形成された複数のポケットを有しており、各ポケットには、その内周面が部分的に転動体の転動面4Sと接触するように形成されている。
【選択図】図4
Description
無限ストロークタイプでは、スライダ内部に転動体が循環するための循環軌道を格納しており、スライダは、ガイドレールが延伸する限り往復移動(ストローク)することができる。また、転動体は外部から遮断されているので、異物等の外部環境に対する防塵対策も施し易いという利点もあって、一般に幅広く利用されている。
これにより、スライダ2をガイドレール1に沿って移動させる際、保持器3で保持された複数の転動体4は、それぞれ、第1ガイド面1aと第1スライド面2aとの間、第2ガイド面1bと第2スライド面2bとの間を回転しながら転走することになる。
この構成において、各ケージ部31は、ガイドレール1の凹部12とスライダ2の凸部21との間に配され、連結部32は、ガイドレール1の上部ガイド面11とスライダ2との間に配されている。この場合に、ケージ部31は、第1ガイド面1aと第1スライド面2aとの間、及び、第2ガイド面1bと第2スライド面2bとの間において、複数の転動体4を1つずつ転動自在に保持する複数のポケットPを備えている。
なお、ポケットPは、図13及び図14に示すように、ポケットPのガイドレール1側には、転動体4をポケットPに挿入するための開口POが形成されており、当該開口POは、転動体4が出入り自由な大きさに設定されている。また、ポケットPのスライダ2側は、転動体4の転動面に沿った内周面に形成されるとともに、転動体4を転走方向に対して拘束するため、絞り込まれた開口POが形成されている。
本発明による保持器3は、一般的な有限ストロークタイプの直動装置に使用可能であり、直動装置の構成部品の全体形状は、前述した有限ストロークタイプの直動装置(図9〜図14参照)の全体形状と同様であるので、同一の符号を用いることで、その説明を省略する。
また、本実施形態では、転動体としてころが選択されている場合を説明するが、転動体として玉が選択されている場合であっても本発明を適用可能である。
この場合、ケージ部31は、その連結部32側に、第1ガイド面1aと第1スライド面2aとの間を回転しながら転走する複数の転動体4を所定間隔で保持する複数の第1ポケットP1を備えるとともに、その反連結部側に、第2ガイド面1bと第2スライド面2bとの間を回転しながら転走する複数の転動体4を所定間隔で保持する複数の第2ポケットP2を備えている。
これにより、転動体4は、ガイドレール1側及びスライダ2側の双方のいずれにも、開口POから脱落することがなく、両開口POを介して、第1及び第2ガイド面1a,1bと第1及び第2スライダ面2a,2bとに転がり接触しながら転走可能となる。
ここで、転動体4としてのころ4は、第1ガイド面1aと第1スライド面2aとに転がり接触する円筒状の転動面4Sと、転動面4Sの両端に形成された円形状の端面4Tとを有している。また、挿入開口P3は、転動体(ころ)4の端面4Tの直径よりも大きな内径寸法に設定されている。この場合、転動体(ころ)4をその端面4T側から挿入開口P3に差し入れることで、当該転動体(ころ)4を1つずつ第1のポケットP1に挿入することができる。なお、図面では一例として、第1のポケットP1の連結部側に隣接して挿入開口P3を形成したが、例えば、ケージ部31の連結部側に所定距離だけ離間させて挿入開口P3を設け、その挿入開口P3が第1のポケットP1と連通するように構成し、転動体を該挿入開口P3から第1のポケットP1へ挿入するようにしても良い。
このときのケージ部31と連結部32の固定方法として、連結部32の接続面32aには、ケージ部31の連結部側に向けて突出した接続片32dが設けられており、一方、ケージ部31の連結部側には、接続片32dに対向した位置に、該接続片32dが嵌合して収容される接続凹部31cが設けられている。また、接続片33bには、固定用のネジSWのネジ軸部が貫通可能な貫通穴33eが設けられ、接続凹部31dには、ネジSWが螺合するネジ穴31eが設けられている。
なお、上記固定方法に限らず、ケージ部31と連結部32が堅牢かつ着脱自在に固定可能であれば、他の固定方法が採用されても良い。例えば、嵌合片(スナップ)と嵌合受け部による固定方法や接着剤による固定方法が採用されていても良い。また、ガイドレール1から外した状態で、各列のポケットP1,P2へ、転動体の脱落のおそれなく容易に組み立てることができる。
ここで、転動体4としてのころ4は、第2ガイド面1bと第2スライド面2bとに転がり接触する円筒状の転動面4Sと、転動面4Sの両端に形成された円形状の端面4Tとを有している。
また、挿入開口P3は、転動体(ころ)4の端面4Tの直径よりも大きな内径寸法に設定されている。この場合、転動体(ころ)4をその端面4T側から挿入開口P3に差し入れることで、当該転動体(ころ)4を1つずつ第2のポケットP2に挿入することができる。なお、図面では一例として、第2のポケットP2の連結部側に隣接して挿入開口P3を形成したが、例えば、ケージ部31の非連結部側に所定距離だけ離間させて挿入開口P3を設け、その挿入開口P3が第2のポケットP2と連通するように構成し、転動体を該挿入開口P3から第2のポケットP2へ挿入するようにしても良い。
この場合、各ポケットP2へ転動体(ころ)4を挿入した状態において、ケージ部31に蓋部33の接続面33aを固定すると、第2のポケットP2の挿入開口P3に蓋部33の接続面33aが当て付けられ、これにより、挿入開口P3が同時に閉口されることにより、全ての転動体4は、ポケットP2から抜け落ちることなくケージ部31に保持される。
このときのケージ部31と蓋部33の固定方法として、蓋部33の接続面33aには、ケージ部31の非連結部側に向けて突出した接続片33bが設けられており、一方、ケージ部31の非連結部側には、接続片33bに対向した位置に、該接続片33bが嵌合して収容される接続凹部31dが設けられている。
なお、上記固定方法に限らず、ケージ部31と蓋部33が堅牢かつ着脱自在に固定可能であれば、他の固定方法が採用されても良い。例えば、嵌合片(スナップ)と嵌合受け部による固定方法や接着剤による固定方法が採用されていても良い。
なお、上記実施例において、第1ポケットP1及び第2ポケットP2に保持された相互の個々の転動体(ころ)4の配置構成については特に言及しなかったが、当該各転動体(ころ)4の回転中心を全て同一位置に整列させるようにしてもよい。即ち、各転走列相互の個々の転動体(ころ)4をその位置が互いに同位相(全列同位相)となるように位置決めさせる。これにより、ガイドレール1とスライダ2との間で転走する転動体4の通過振動が抑制される。
一方、連結受部52は、保持器アセンブリ3aの連結部32の上部連結部32bにおいて、その転走方向他端部5bの中央部分の上面を一部所定量だけ窪ませて形成し且つ、連結片51が嵌合可能な嵌合穴53を備えている。この場合、嵌合穴53は、連結片51の延出部51aが嵌合可能な延出穴53aと連結片51の嵌合片51bが嵌合可能な嵌合受穴53bとを連続させて構築されている。
なお、連結した保持器アセンブリ3a同士を分離させる場合には、上述した連結工程とは逆の工程にすれば良い。
なお、図面では一例として、2つの保持器アセンブリ3aを分離連結する構成を示したが、これに限定されることなく、保持器アセンブリ3aの個数は、直動装置のストローク量にあわせて設定すれば良い。例えば、3つ以上の保持器アセンブリ3aを用いて1つの保持器3を連続構成するようにしても良い。
なお、連結構造は、保持器アセンブリ3aのポケットPが配列されている部分を避けて配されていれば、これに限定されず、他の部分に配されていても良い。例えば、保持器アセンブリ3aの連結部32の側面に配されていても良い。
なお、上述した実施例では、連結構造を上部連結部32bの転走方向一端部5a及び他端部5bの中央部分に設けたが、これに限定されず、連結構造は、上部連結部32bの転走方向一端部5a及び他端部5bの中央部分から距離をあけて複数設けられても良い。
また、保持器3の連結部32を薄板プレス成形として、該連結部32に樹脂成形によるケージ部31が組み付けられていても良い。
また、上述した実施例において、各保持器アセンブリ3aの長さ寸法については特に言及しなかったが、それぞれ違った長さの保持器アセンブリ3aを使用しても良いし、同一の長さの保持器アセンブリ3aを使用しても良い。
また、上述した実施例では、一例として、実施例1で説明したように、ケージ部31が連結部32に対して着脱自在に取り付け可能な構成を備えた、保持器アセンブリ3aを連結可能にしたが、これに限定されず、ケージ部31と連結部32が着脱不能に一体に構成された保持器アセンブリ3aを連結可能にしてもよい。この場合にも、そのような構成による保持器アセンブリ3aに上述した連結構造を備えれば良い。
この場合、図では一例として、凸片63がポケットPの内周面に整列して配されている構成を示したが、これに限定されることなく、凸片63は、ポケットPの内周面に任意に点在して配されていても良い。例えば、凸片63がポケットPの内周面の3点に配されていても良い。なお、凸片63の数や配置位置については、凸片63に保持された転動体4が円滑に転動可能であれば良く、直動装置のテーブルに載荷される被搬送物の重量や、直動装置の使用目的や使用環境に合わせて任意に設定すれば良いので、ここでは特に数値限定しない。
例えば、図6(a)に示すように、ポケットPの内周面は、転動体4の転走方向S(図2(c))に対して直交した内壁面64を有する矩形状の内壁構造に形成されている。
この場合、内壁構造は、転動体(ころ)4の転走方向Sに沿った転動体(ころ)4の回転中心を結んだ中心線4Lと交差する内壁面64の交差位置65から、該中心線4Lと直交し且つ、両開口PO方向に向けて削り込んだ凹部64aにより形成された内壁面64と、該内壁面64のポケット径方向の両端から両開口POに向けて屈折して絞り込んだ傾斜面64bとで矩形状に構成されている。
さらに、傾斜面64bは開口POに向けて絞り込まれているので、転動体4の脱落を防止するとともに、該開口POを形成する傾斜面64bも転動体4の転動面4Sと線接触するので、開口POと転動体4との摺動抵抗も軽減される。
従って、その接触面積は、該転動面4Sに沿って連続した円弧形状の内周面と比べて小さくなるので、内周面と転動面4Sとの摺動抵抗を軽減することができる。
なお、上述したポケットPの内壁面は、図では、平面に形成したが、これに限定されず、該内壁面と転動体4の転動面4Sとの線接触が可能であれば、曲面(円弧面)に形成しても良い。例えば、ポケットPの内壁面は、転動体4の転動面4Sの曲率半径と異なった曲率半径で形成されても良く、或いは、転動面4Sに対して凸状の曲面で形成されていても良い。
これらの場合であっても、上述した実施例と同様の作用及び効果を得ることができる。
2 スライダ
3 保持器
4 転動体
4S 転動体の転動面
P ポケット
Claims (5)
- 所定方向に延出したガイドレールと、
ガイドレールに沿って移動可能なスライダと、
スライダの移動に伴ってガイドレールとスライダとの間を回転しながら転走自在に配置された複数の転動体とを備えた直動装置に用いられた保持器であって、
保持器は、ガイドレールとスライダとの間に配され、個々の転動体を1つずつ回転可能に保持するための内周面が形成された複数のポケットを有しており、
各ポケットには、その内周面が部分的に転動体の転動面と接触するように形成されていることを特徴とする直動装置用の保持器。 - 各ポケットの内周面には、当該内周面に沿って連続した複数の凹凸が設けられ、凸部のみに対して、転動体の転動面が接触することを特徴とする請求項1に記載の直動装置用の保持器。
- 各ポケットの内周面には、当該内周面に沿って断続した一つ以上の凸片が設けられ、該凸片に対して、転動体の転動面が接触することを特徴とする請求項1に記載の直動装置用の保持器。
- 各ポケットの内周面は、複数の平面によって構成され、該平面に対して、転動体の転動面が線接触することを特徴とする請求項1に記載の直動装置用の保持器。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の保持器が使用されている直動装置。
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