JP2008309155A - ロータリ・ピストン機械 - Google Patents

Abstract

【課題】自動車のエンジン空間内へのスペースを節約すし、吸引側と圧力側との間における回転速度に依存する圧力差の不都合を克服する。
【解決手段】ロータリ・ピストン機械はバイパス流路を有し、バイパス流路は、機械の吐出ハウジング４の側壁６に配置された２つの開口１５、１６と、この側壁６内へと伸びる流路１７とにより形成される。バイパス流路１７は、一側では側壁６の壁部領域より区画形成され、反対側ではこの側壁６に組み込まれた流路カバー１９により区画形成される。圧力逃がしバルブ１４のハウジングは、流路カバー１９においてカップ形状に形成される。ハウジングの円筒状内側表面２７内で、閉塞部材は、ピストンの様に動作する。
【選択図】図１

Description

本発明は、少なくとも２つのロータリ・ピストンを囲繞する吐出ハウジングを有するロータリ・ピストン機械であって、前記吐出ハウジングは、相互に平行な２つの側壁により区画形成され、少なくとも一つの流入側流路および少なくとも一つの流出側流路を備え、前記ロータリ・ピストンは、前記吐出ハウジングの前記側壁に支持されたシャフトに固定され、該シャフトの１つは、前記側壁の一方を貫通して外部へ抜け、前記吐出ハウジングの圧力側は、バイパス流路を通じて前記吐出ハウジングの吸引側と接続され、前記バイパス流路は、前記側壁の一方に沿って伸び、圧力逃がしバルブを有するロータリ・ピストン機械に関する。

この形式の機械は、多くの実施例および用途において知られている。この形式の機械の要約は、非特許文献１に示されている。このようなロータリ・ピストン機械の実施例は特許文献１において言及され、その場合に吐出ハウジングの圧力側は、吐出ハウジングの側壁に沿い伸びるバイパス流路を通じて吐出ハウジングの吸引側に接続されている。

米国特許第１，６９４，８０５号公報 "ロータリ・ピストン機械（Rotary Piston Machine）"（ロンドン、イリフェ社［Iliffe］、１９６５年）

本発明は、継手なしでスペースを節約して自動車のエンジン空間内に装着することができ経済的に製造することができるロータリ・ピストン機械であって、広範囲に変化する回転速度においても送風機または圧縮機としての用途に適した吸引性能もしくは吐出性能を可能にするロータリ・ピストン機械を実現する課題に基づくものである。

この課題は、冒頭で言及された形式のロータリ・ピストン機械に対し、バイパス流路を備える側壁であって、吐出ハウジングと、ロータリ・ピストン動作を制御する手段を備える歯車ボックス・ハウジングと、の間の中間壁部の役割を持つ側壁により解決される。

本発明の好適実施例は、従属請求項の主題であり、図面に基づく以下の説明から理解される。

たとえばルーツ（繭）型式により製作された本発明に係るロータリ・ピストン機械１は、代表的実施例に関して、ダイキャスト・プレス処理により軽合金から製造された吐出ハウジング４を有する。吐出ハウジング４は、相互に平行な２つの側壁５、６と、周囲の外壁７とにより区画形成されている。これらの側壁の一方の側壁５は、外部壁７と融合して単一部材となり、ハウジングシェル８が形成される。吐出ハウジング４の他方の側壁６は、床壁部を備える第２ハウジングシェル９を形成し、側壁に平行なカバー壁部１０により閉じられ、歯車ボックス・ハウジング１１を区画形成する。吐出ハウジング４においては、ロータリ・ピストン２、３の回転軸に平行に、空気取入口１２が外方に開いている。圧力側の空気出口１３は、長円形もしくは楕円形の吐出ハウジング４の反対側の側面の外部に向けて径方向に伸びている。

上記機械の選択用途に対して機械の吸引側と圧力側との間の過剰な圧力低下を回避するために、そして自動車の駆動装置との直接連結のために大きな回転速度が生じる場合、吐出ハウジング４の圧力側は、圧力逃がしバルブ１４を有するバイパス流路１７を通じて吐出ハウジングの吸引側に接続される。このバイパス流路１７は、たとえば、吐出ハウジング４の側壁６内に配置された２つの開口１５、１６と、この側壁６に沿い伸びる流路１７’とから成る。

図１、図２および図３（ｂ）から理解できるように、バイパス流路１７は、側壁６における長い凹部として形成された流路１７’を有する。流路１７’は、流路カバー１９の縁部領域の取入れ口を良好に形成するために段付きの周縁部１８を備える。これに加えて流路１７’は、ロータリ・ピストン２、３の駆動シャフト２０、２１を結ぶ直線２２に対して直角に伸びる。流路１７’のこの配列は、その基本であるスペースを節約する実施形態に加え、次のような利点を有している。これは、流路１７’の一端における圧力逃がしバルブ１４の配列に関して、吐出ハウジング４の傍らに配置されてロータリ・ピストンを駆動する歯車ボックス・ハウジング１１の歯車２３、２４により使用されない領域内にある。

圧力逃がしバルブ１４のバルブ・ハウジング２５は、図１および図３（ｃ）に示すように、バイパス流路１７を覆う流路カバー１９の一端にて、カップ形状に形成される。このバルブ・ハウジング２５は、中空ピストンとして形成された閉塞部材２６を入れ子式に囲繞して、ハウジング２５の内側面が閉塞部材２６に対する円筒状表面２７を形成する。圧力逃がしバルブ１４の閉鎖圧力を決定するバルブ・スプリング２８の一端はバルブ・ハウジング２５の床部２９上に位置し、他端は、閉塞部材２６の床部３０上に位置する。そして、バルブ・スプリング２８は、バルブ・ハウジング２５と閉塞部材２６との間に囲繞される。

軽合金から製作された、本発明に係る機械のハウジングの実施形態は、たとえば歯車２３、２４に対する他の金属と対照的に大きな熱膨張を受けることから、ロータリ・ピストン２、３の歯車２３、２４を支持する駆動シャフト２０、２１もまた好適には中空シャフトとして製作される。それらの弾性は、熱膨張を容易に補償することができる。更に、この弾性は、圧力嵌めによるロータリ・ピストン２、３および／または歯車２３、２４の接続を容易に可能とすることで、大きな製造許容誤差を、ゆえに上記機械の更に容易な製造を可能にする。

本発明に係る機械の更なる好適な実施形態において、歯車２３、２４は異なる金属材料から製作され、その場合に例えば、一方は鋼鉄で且つ他方は青銅で製作される。このような材料の組み合わせによれば、相互に噛合する歯車２３、２４によるノイズの生成も低減される。

その外部軸式ロータリ・ピストン機械の流入および流出接続部を通過する２つのロータリ・ピストンを有する外部軸式ロータリ・ピストン機械の断面図である。 図１に示す断面に対して直角であり両方のロータリ・ピストンの軸を含む図１の機械の断面図である。 （ａ）は、図１および図２に示す機械のロータリ・ピストンを、それらの駆動シャフトと共に示す斜視図である。（ｂ）は、図１および図２に示す機械の歯車ボックス・ハウジングのハウジングシェルの斜視図である。（ｃ）は、図１および図２に示す機械のバイパス・カバーを、関連する閉塞部材およびバルブ・スプリングと共に示す斜視図である。

符号の説明

１ ロータリ・ピストン機械
２、３ ロータリ・ピストン
４ 吐出ハウジング
５ 側壁
６ 側壁／中間壁部
７ 外壁
８ ハウジングシェル
９ 第２ハウジングシェル
１０ カバー壁部
１１ 歯車ボックス・ハウジング
１２ 流入側流路／空気取入口
１３ 流出側流路／圧力側の空気吐出口
１４ 圧力逃がしバルブ
１５、１６ 開口
１７ バイパス流路
１７’ 流路
１８ 段付き周縁部
１９ 流路カバー
２０、２１ 駆動シャフト
２２ 直線
２３、２４ 歯車
２５ バルブ・ハウジング
２６ 閉塞部材
２７ 円筒状表面
２８ バルブ・スプリング
２９、３０ 床部

Claims (7)

1. 少なくとも２つのロータリ・ピストン（２、３）を囲繞する吐出ハウジング（４）を有するロータリ・ピストン機械であって、
   前記吐出ハウジング（４）は、相互に平行な２つの側壁（５、６）により区画形成され、少なくとも一つの流入側流路（１２）および少なくとも一つの流出側流路（１３）を備え、
   前記ロータリ・ピストン（２、３）は、前記吐出ハウジング（４）の前記側壁（５、６）に支持されたシャフト（２０、２１）に固定され、
   該シャフト（２０、２１）の１つ（２１）は、前記側壁の一方（６）を貫通して外部へ抜け、
   前記吐出ハウジング（４）の圧力側は、バイパス流路（１７）を通じて前記吐出ハウジング（４）の吸引側と接続され、
   前記バイパス流路（１７）は、前記側壁の一方（６）に沿って伸び、圧力逃がしバルブ（１４）を有し、
   前記バイパス流路（１７）を備える前記側壁の一方（６）は、前記吐出ハウジング（４）と、ロータリ・ピストン動作を制御する手段（２３、２４）を備える歯車ボックス・ハウジング（１１）との間の中間壁部としての役割を持つことを特徴とする、ロータリ・ピストン機械。
2. 前記バイパス流路（１７）の流路カバー（１９）の所定領域は圧力逃がしバルブ（１４）のバルブ・ハウジング（２５）として形成されることを特徴とする、請求項１に記載の機械。
3. カップ形状の前記バルブ・ハウジング（２５）は、その内壁が円筒状表面（２７）を形成して、中空ピストンとして製作された閉塞部材（２６）を入れ子式に囲繞し、
   前記バルブ・ハウジングと閉塞部材との間で閉鎖圧力を決定するバルブ・スプリング（２８）が囲繞されることを特徴とする、請求項２に記載の機械。
4. シャフトが相互に離れて配列された２つのロータリ・ピストン（２、３）は前記吐出ハウジング（４）内に囲繞され、
   前記中間壁部（６）を貫通して伸びる前記シャフト（２０、２１）は、前記歯車ボックス・ハウジング（１１）内に囲繞され、相互に噛合してロータリ・ピストン動作を制御する手段を形成する前記歯車（２３、２４）に接続され、
   前記中間壁部（６）に配置された前記バイパス流路（１７）の一部分は、前記シャフト（２０、２１）を結ぶ直線（２２）に対して直角に伸び、
   前記バルブ・ハウジング（２５）は、前記歯車対（２３、２４）の近傍における側で前記歯車ボックス・ハウジング（１１）内へと伸びることを特徴とする、請求項１に記載の機械。
5. 前記ロータリ・ピストン（２、３）は前記吐出ハウジング（４）内に囲繞され、
   前記ロータリ・ピストンは、前記歯車ボックス・ハウジング（１１）内に囲繞されて相互に噛合しロータリ・ピストン動作を制御する手段を形成する歯車（２３、２４）により制御され、
   前記ロータリ・ピストン（２、３）および前記歯車（２３、２４）を支持する前記シャフト（２０、２１）は、夫々が中空に製作されることを特徴とする、請求項１に記載の機械。
6. 相互に噛合する前記歯車（２３、２４）の一方は鋼鉄で且つ他方は非鉄金属で製作されることを特徴とする、請求項５に記載の機械。
7. 前記バイパス流路（１７）は、前記吐出ハウジングの前記側壁の一方（６）に配置された開口（１５、１６）により形成され、
   前記バイパス流路（１７）は、前記側壁（６）に沿って伸び、
   前記バイパス流路（１７）の一部が、一方側では前記吐出ハウジングの前記側壁（６）の壁部領域により区画形成され、反対側では流路カバー（１９）により区画形成されることを特徴とする、請求項１に記載の機械。

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