JP2008308998A - 減筒運転の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】気筒毎の磨耗量の差を低減すると共に、フリクションの増加を抑制する減筒運転の制御方法を提供することを目的にする。
【解決手段】複数の気筒8の吸・排気バルブ13の開閉動作を休止し得る可変バルブ機構14を備えた減筒運転の制御方法であって、
複数の気筒8のうち一部を休止状態にするよう一部の気筒8に対して燃料の供給を停止し且つ吸・排気バルブ13の開弁動作を不作動にし、更に一部の気筒8と他の気筒8に対して休止状態を交互に繰り返して減筒運転を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンの減筒運転を制御する減筒運転の制御方法に関するものである。
一般的に、自動車等のエンジンにおける燃費率は、70〜80%負荷運転最高回転速度の40〜60%回転の付近で最良となるように設計されているため、普通走行時には負荷が設計値より低い燃費率の悪い条件で運転されることになる。
この対策として、必要な出力に応じてエンジンの着火気筒を減らし、その減らした気筒だけで負荷条件を上げてエンジンを駆動することにより燃費率の向上等を図る減筒運転が従来より提案されている。
また、近年においては、排気管途中に装備した排気浄化用触媒が低負荷時に活性温度に達し難いことへの対策として、減筒運転を低負荷時に実行することで排気温度を高温に維持できるようにすることも提案されている。
尚、この種の減筒運転に関連する先行技術文献情報としては、例えば、下記の特許文献1等が既に存在している。
特開平9−264163号公報
しかしながら、減筒運転を行う際には、複数の気筒のうち休止する気筒が予め決まっているため、常時作動する気筒に対して、圧縮、膨張行程に起因するピストン、ライナ間の摩耗量が多く、気筒毎に摩耗量の差を生じるという問題があった。又、長時間減筒運転を行う場合には、休止する気筒のライナ温度が低下するため、オイル粘度の上昇により、フリクションが増加するという問題があった。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、気筒毎の摩耗量の差を低減すると共に、フリクションの増加を抑制する減筒運転の制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、複数の気筒の吸・排気バルブの開閉動作を休止し得る可変バルブ機構を備えた減筒運転の制御方法であって、
複数の気筒のうち一部を休止状態にするよう一部の気筒に対して燃料の供給を停止し且つ吸・排気バルブの開弁動作を不作動にし、更に一部の気筒と他の気筒に対して前記休止状態を交互に繰り返して減筒運転を行うことを特徴とする減筒運転の制御方法、に係るものである。
本発明において、休止状態の切替制御は、一部の気筒と他の気筒における減筒運転でのエンジン回転数を検出し、一部の気筒と他の気筒との切替を判断することが好ましい。
本発明において、休止状態の切替制御は、一部の気筒が減筒運転する状態と、他の気筒が減筒運転する状態とをカウントし、カウントが少ない方の気筒を更に減筒運転させることが好ましい。
本発明において、休止状態の切替制御は、減筒運転する一部の気筒の総合計カウント数から、減筒運転の開始前までのカウント数を減算し、減算したカウント数と切替ポイントの基準カウント数とを比較し、他の気筒による減筒運転への切替を判断することが好ましい。
而して、このようにすれば、一部の気筒と他の気筒に対して休止状態を交互に繰り返して減筒運転を行うので、減筒運転時に複数のうち常時作動する気筒、及び常時休止する気筒を無くし、気筒毎の摩耗量の差を低減して耐久性を向上させることができる。又、長時間減筒運転を行う場合であっても、ライナ温度が低下するような気筒の休止を防止するので、オイル粘度の上昇によるフリクションの増加を抑制することができる。
上記した本発明の減筒運転の制御方法によれば、一部の気筒と他の気筒に対して休止状態を交互に繰り返して減筒運転を行うので、気筒毎の摩耗量の差を低減すると共に、フリクションの増加を抑制することができるという優れた効果を奏し得る。
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1〜図4は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図1中1はターボチャージャ2を搭載したエンジンを示し、エアクリーナ3から導かれた吸気4が吸気管5を通し前記ターボチャージャ2のコンプレッサ2aへと送られ、該コンプレッサ2aで加圧された吸気4がインタークーラ6へと送られて冷却され、該インタークーラ6から更に吸気マニホールド7へと吸気4が導かれてエンジン1の各気筒8に分配されるようになっている。
このエンジン1の各気筒8から排出された排気ガス9は、排気マニホールド10を介しターボチャージャ2のタービン2bへと送られ、該タービン2bを駆動した排気ガス9が排気管11及びマフラ12を介し車外へ排出されるようになっている。
又、エンジン1には、図2に示す如く、バルブ13(図中には排気バルブを図示)の開閉タイミング及びリフトを変化させ得るようにした油圧式の可変バルブ機構14が備えられており、油圧式の可変バルブ機構14は、気筒8の並び方向に延びるカムシャフト15に、各気筒8に対応して吸気用と排気用のカム16(図中では吸気用のカムを図示)が並設されており、前記カムシャフト15の近傍を平行に延びるロッカーシャフト17には、前記カム16により一端をローラ18aを介し押し上げられて傾動するロッカーアーム18が装備されている。
そして、このロッカーアーム18の一端が上方の油圧ユニット19に備えられたマスターピストン20を押し上げ、前記油圧ユニット19内に穿設された開弁用油通路21に油圧を発生させてブリッジ22直上のスレーブピストン23を下降せしめ、このスレーブピストン23によりブリッジ22を介し両バルブ13を押し下げて開弁し得るようになっている。
又、前記油圧ユニット19内の開弁用油通路21には、該開弁用油通路21の油圧の保持・開放を切り替えるための3ウェイ式のソレノイドバルブ24(油圧供給手段)を介して給油通路25が接続されており、図示しないエンジン駆動のオイルポンプにより送り込まれる作動油26を開弁用油通路21に導き入れて該開弁用油通路21内を満たし、マスターピストン20の作動時には、エンジン制御コンピュータ(ECU:Electronic Control Unit)を成す制御装置27からの制御信号27aに基づき、開弁用油通路21の油圧の保持・開放を適宜に切り替えてスレーブピストン23の追従時期や作動量を制御することでバルブ13の開閉タイミングやリフトを調節し得るようにしてある。
一方、図1に示す如く、エンジン制御コンピュータ(ECU:Electronic Control Unit)を成す制御装置27(制御手段)には、図示しないアクセルの開度をエンジン1の負荷として検出するアクセルセンサ28(負荷センサ)と、エンジン1の回転数を検出する回転センサ29とからのアクセル開度信号28a及び回転数信号29aが入力されるようになっており、これらのアクセル開度信号28a及び回転数信号29aに基づいて、各気筒8に燃料を噴射する燃料噴射装置30に向け燃料の噴射タイミング及び噴射量を指令する燃料噴射信号30aが出力されるようになっている。
又、前記燃料噴射装置30は、各気筒8毎に装備される図示しない複数のインジェクタにより構成されており、これら各インジェクタの電磁弁が前記制御装置27からの燃料噴射信号30aにより適宜に開弁制御されて燃料の噴射タイミング及び噴射量(開弁時間)が適切に制御されるようになっている。
制御装置27では、アクセル開度信号28a及び回転数信号29aに基づき通常モードの燃料噴射信号30aが決定されるようになっている一方、アクセル開度信号28a及び回転数信号29aに基づきエンジン1が所定の運転領域で運転されていると判定された時に通常モードから減筒モードに切り替わり、この減筒モードに切り替わった際には、一部の気筒8の燃料噴射をカットするよう燃料噴射信号30a(燃料噴射指令)が出力され、燃料の供給を停止するようになっている。
例えば、ここで例示しているエンジン1が、図3に#1〜#6で示す如き6つの気筒8から成る直列6気筒エンジンであって、その着火順序が#1→#4→#2→#6→#3→#5である場合には、半分の気筒8の燃料噴射をカットした後も燃焼が等間隔で行われるよう#1,#2,#3の気筒8と#4,#5,#6の気筒8とにグループ分けし、何れか一方のグループ(例えば#1,#2,#3の気筒8)の燃料噴射をカットすると共に、可変バルブ機構14によりバルブ13の開弁動作を減筒モードの間だけ不作動としている。
具体的には、制御装置27での制御が通常モードから減筒モードに切り替わった際に、図2に示す如く、制御装置27から制御信号27aが休止指令として可変バルブ機構14のソレノイドバルブ24に出力されて、該ソレノイドバルブ24がアキュームレータ等へ油圧を開放した状態に保持し、マスターピストン20が作動していてもスレーブピストン23が追従しなくなり、バルブ13の開弁動作を全く不作動としている。
更に、制御装置27は、一部の気筒8のグループと他の気筒8のグループとに対して休止状態を交互に繰り返して減筒運転を行うように制御している。
具体的には、一部の気筒8のグループと他の気筒8のグループにおける減筒運転時のエンジン回転数(回転数信号29a)を検出して一部の気筒8と他の気筒8との切替時期を判断しており、休止状態の切替制御の一例を示すと、図4に示す如く、減筒運転の作動フラグがオンになっている状態(ステップS1)から、一部のグループ(ここでは#1,#2,#3の気筒8(A群))が減筒運転(作動)する状態をカウントして一部のグループの総合計カウント数(C)を算出すると同時に、他のグループ(ここでは#4,#5,#6の気筒8(B群))が減筒運転(作動)する状態をカウントして他のグループの総合計カウント数(C)を算出し、一部のグループの総合計カウント数(C)と他のグループの総合計カウント数(C)とを比較する(ステップS2)。
次に、一部のグループの総合計カウント数(C)が他のグループの総合計カウント数(C)よりも小さい場合(YES)には、減筒運転で一部のグループ(A群)を作動させ(ステップS3)、一部のグループの総合計カウント数(C)が他のグループの総合計カウント数(C)よりも大きい場合(NO)には、減筒運転で他のグループ(B群)を作動させる(ステップS4)。
続いて、一部のグループ(A群)を作動させる場合(ステップS3)には、一部の気筒8の総合計カウント数(C)から、一部のグループにおいて減筒運転(作動)を開始した時までの過去のカウント数(CA0)を減算し、減算したカウント数(C−CA0)と、予め設定した切替ポイントの基準カウント数(C)とを比較し(ステップS5)、減算したカウント数(C−CA0)が基準カウント数(C)より小さい場合(NO)には、切替ポイントに達していないとして一部のグループ(A群)の減筒運転(作動)を維持し、減算したカウント数(C−CA0)が基準カウント数(C)より大きい場合(YES)には、切替ポイントに達したとして他のグループ(B群)の減筒運転(作動)へ切り替える(ステップS4へ移行)。
一方、他のグループ(B群)を作動させる場合(ステップS4)には、他の気筒8の総合計カウント数(C)から、他のグループにおいて減筒運転(作動)を開始した時までの過去のカウント数(CB0)を減算し、減算したカウント数(C−CB0)と、予め設定した切替ポイントの基準カウント数(C)とを比較し(ステップS6)、減算したカウント数(C−CB0)が基準カウント数(C)より小さい場合(NO)には、切替ポイントに達していないとして他のグループ(B群)の減筒運転(作動)を維持し、減算したカウント数(C−CB0)が基準カウント数(C)より大きい場合(YES)には、切替ポイントに達したとして一部のグループ(A群)の減筒運転(作動)へ切り替える(ステップS3へ移行)。
減筒運転における休止状態の切替制御は上記のように行われ、一部のグループと他のグループとに対して休止状態を交互に繰り返し、減筒運転の終了に伴って当該休止状態の切替制御を終了する。
而して、実施の形態の一例によれば、一部の気筒8のグループと、他の気筒8のグループとに対して休止状態を交互に繰り返して減筒運転を行うので、減筒運転時に複数のうち常時作動する気筒8、及び常時休止する気筒8を無くし、気筒8毎の摩耗量の差を低減して耐久性を向上させることができる。又、長時間減筒運転を行う場合であっても、ライナ温度が低下するような気筒8の休止を防止するので、オイル粘度の上昇によるフリクションの増加を抑制することができる。
実施の形態の一例において、休止状態の切替制御は、一部の気筒8のグループと他の気筒8のグループにおける減筒運転でのエンジン回転数を夫々検出し、一部の気筒8のグループと他の気筒8のグループとの切替を判断すると、一部のグループと他のグループとの切替時期を適切に判断し得るので、気筒8毎の摩耗量の差を低減して耐久性を一層向上させると共に、フリクションの増加を好適に抑制することができる。
実施の形態の一例において、休止状態の切替制御は、一部の気筒8のグループが減筒運転(作動)する状態と、他の気筒8のグループが減筒運転(作動)する状態とを夫々カウントし、カウントが少ない方の気筒8のグループを更に減筒運転(作動)させると、一部のグループと他のグループとの切替時期を正確に判断し得るので、気筒8毎の摩耗量の差を低減して耐久性を一層向上させると共に、フリクションの増加を好適に抑制することができる。
実施の形態の一例において、休止状態の切替制御は、減筒運転(作動)する一部の気筒8のグループによる総合計カウント数から、減筒運転(作動)の開始前までのカウント数を減算し、減算したカウント数と切替ポイントの基準カウント数とを比較し、他の気筒8による減筒運転(作動)への切替を判断すると、一部のグループと他のグループとの切替時期を一層正確に判断し得るので、気筒8毎の摩耗量の差を低減して耐久性を大幅に向上させると共に、フリクションの増加を最適に抑制することができる。
尚、本発明の減筒運転の制御方法は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、図示以外の可変バルブ機構を用いて実施することも可能であること、減筒運転の切替はエンジン回転数の代わりに休止時間を用いても良いこと、直列6気筒エンジン以外のエンジンでも良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明を実施する形態の一例を示す概略図である。 図1のエンジンに用いられている可変バルブ機構の一例を示す概略図である。 図1のエンジンの減筒気筒について説明する模式図である。 減筒運転において休止状態の切替制御を示すフローである。
符号の説明
8 気筒
13 バルブ(吸・排気バルブ)
14 可変バルブ機構

Claims (4)

  1. 複数の気筒の吸・排気バルブの開閉動作を休止し得る可変バルブ機構を備えた減筒運転の制御方法であって、
    複数の気筒のうち一部を休止状態にするよう一部の気筒に対して燃料の供給を停止し且つ吸・排気バルブの開弁動作を不作動にし、更に一部の気筒と他の気筒に対して前記休止状態を交互に繰り返して減筒運転を行うことを特徴とする減筒運転の制御方法。
  2. 休止状態の切替制御は、一部の気筒と他の気筒における減筒運転でのエンジン回転数を検出し、一部の気筒と他の気筒との切替を判断することを特徴とする請求項1に記載の減筒運転の制御方法。
  3. 休止状態の切替制御は、一部の気筒が減筒運転する状態と、他の気筒が減筒運転する状態とをカウントし、カウントが少ない方の気筒を更に減筒運転させることを特徴とする請求項1に記載の減筒運転の制御方法。
  4. 休止状態の切替制御は、減筒運転する一部の気筒の総合計カウント数から、減筒運転の開始前までのカウント数を減算し、減算したカウント数と切替ポイントの基準カウント数とを比較し、他の気筒による減筒運転への切替を判断することを特徴とする請求項3に記載の減筒運転の制御方法。
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