JP2008308799A - 手袋の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】指又部分を含む周縁のピンホールや破れを防ぐことが可能な手袋を作ることができる手袋の製造方法を提供する。
【解決手段】手袋の製造方法は、第1および第2生地12,13を重ね合わせ、かつ、第3および第4生地14,15を重ね合わせる第1重ね合わせ工程10と、第1および第2生地12,13を第1溶着線で溶着して第1複合生地を作り、かつ、第3および第4生地14,15を第2溶着線で溶着して第2複合生地を作る複合生地作成工程と、第1および第2複合生地を重ね合わせる第2重ね合わせ工程と、重ね合わせたそれら複合生地のうちの手挿入口となる側縁を除いた部位を手および手首の形を画く第3溶着線で溶着しつつ、手袋部分を第3溶着線において複合生地から溶断させる手袋部分型抜き工程と、第2および第4生地13,15が内側になるように手袋部分を裏返す裏返し工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、着用者の前腕から五指へ向かう部位のうちの少なくとも手の甲と手の平と五指とを包被する手袋の製造方法に関する。
対向面にエンボス加工が施された第1および第2合成樹脂フィルムを重ね合わせて紙の上に置くフィルム重ね合わせ工程と、手の形に作られた溶着刃を外側方向へ傾斜させた状態で合成樹脂フィルムに押し付け、合成樹脂フィルムを紙の上に溶着するフィルム溶着工程と、手の形に溶着された合成樹脂フィルムの周囲の不要なフィルムを取り去る不要フィルム除去工程とを有する手袋の製造方法がある(特許文献1参照)。この製造方法は、合成樹脂フィルムを紙の上に溶着するから、溶着時におけるフィルムの溶着箇所での破損を防ぐことができる。
特開平5−247705号公報
前記特許文献1に開示の製造方法によって作られた手袋は、その使用中に伸縮を繰り返すと、指又部分(指と指との間の付け根部分)を含む周縁に作用する引張力や剥離力、ずれ応力でフィルムどうしの溶着が周縁において不用意に解除され、指又部分を含む周縁にピンホールや破れが生じる場合がある。
本発明の目的は、指又部分を含む周縁のピンホールや破れを防ぐことが可能な手袋を作ることができる手袋の製造方法を提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、着用者の前腕から五指に向かう部位のうちの少なくとも手の甲と手の平と五指とを包被する手袋の製造方法である。
前記前提における本発明の特徴として、製造方法が、第1生地および第2生地の面が互いに当接するようにそれら生地を重ね合わせ、かつ、第3生地および第4生地の面が互いに当接するようにそれら生地を重ね合わせる第1工程と、第1および第2生地どうしをそれら生地の側縁に沿って延びる第1溶着線で溶着して第1複合生地を作り、かつ、第3および第4生地どうしをそれら生地の側縁に沿って延びる第2溶着線で溶着して第2複合生地を作る第2工程と、第1および第2溶着線を互いに一致させた状態で第1および第3生地の面が互いに当接するようにそれら複合生地を重ね合わせる第3工程と、重ね合わせた第1および第2複合生地のうちの手挿入口となる側縁を除いた部位を前腕から五指へ向かう部位のうちの少なくとも手の形を画く第3溶着線で溶着しつつ、第3溶着線の内側に作られる手袋部分を該第3溶着線において複合生地から切り離す第4工程と、第2および第4生地が内側になるとともに、第1および第3生地が外側になるように手袋部分を裏返す第5工程とを有することにある。
本発明の一例として、第4工程では、前腕から五指へ向かう部位のうちの少なくとも手の形に作られた手袋成形金型を使用し、手袋成形金型を高周波加熱することで該手袋成形金型の周縁において第1および第2複合生地を溶着しつつ、手袋部分を複合生地から溶断させる。
本発明の他の一例としては、第1生地と前記第3生地とが伸縮性を有する熱溶着性フィルムであり、第2生地と前記第4生地とが熱可塑性合成樹脂繊維から作られたニットである。
本発明の他の一例としては、第1〜第4生地が伸縮性を有する溶着性フィルムであり、第2および第4生地の定加重時伸び率が第1および第3生地の定加重時伸び率よりも大きい。
本発明の他の一例としては、熱溶着性フィルムがガス透過性を有し、熱溶着性フィルムの透湿度が1000〜6000g/m・24hrの範囲にある
本発明の他の一例としては、熱溶着性フィルムの厚み寸法が15〜100μmの範囲にあり、熱溶着性フィルムの定加重時伸び率が20〜300%の範囲にある。
本発明にかかる手袋の製造方法によれば、第1および第2複合生地のうちの手挿入口となる側縁を除いた部位を少なくとも手の形を画く第3溶着線で溶着するから、指又部分を含む周縁において第1〜第4生地が接合されているとともに、それら生地の周縁を除く残余の部位が非接合である手袋を製造することができる。この製造方法は、指又部分を含む周縁に引張力や剥離力、ずれ応力が作用し、周縁において第1〜第4生地のうちのいずれかの生地の接合が解除されたとしても、他の生地どうしの接合が維持される手袋を作ることができ、指又部分を含む周縁のピンホールや破れを防ぐことが可能な手袋を作ることができる。この製造方法は、第1〜第4生地の周縁を除く残余の部位が非接合である手袋を作ることができ、周縁を除く残余の部位においてそれら生地が自由に動くことが可能な手袋を作ることができる。また、この製造方法は、手袋部分を裏返す裏返し工程が含まれるから、第1〜第4生地の周縁が手袋の内側へ向かって延出する手袋を作ることができ、第1〜第4生地の周縁が外物に接触することから生じる生地どうしの接合の解除を防ぐことが可能な手袋を作ることができる。
手袋成形金型を高周波加熱することで第1および第2複合生地を溶着しつつ、手袋部分を複合生地から溶断させる手袋の製造方法は、手袋成形金型の周縁で第1〜第4生地を確実に溶着しつつ、金型の内側に作られる手袋部分を第3溶着線において複合生地から確実に溶断させることができ、手袋を短時間に大量に生産することができる。
第1および第3生地が伸縮性を有する熱溶着性フィルムであり、第2および第4生地が熱可塑性合成樹脂繊維から作られたニットである手袋の製造方法は、第1および第3生地であるフィルムどうしが溶着され、第1生地であるフィルムと第2生地であるニットとが溶着され、さらに、第3生地であるフィルムと第4生地であるニットとが溶着された手袋を作ることができる。この製造方法は、それによって作られた手袋の着用中に第2生地に引張力や剥離力、ずれ応力が作用し、第1生地と第2生地との接合が解除されたとしても、引張力や剥離力、ずれ応力が第2生地から第3生地や第4生地に伝わることはなく、第2および第3生地の接合が維持されるとともに、第3および第4生地の接合が維持されるから、指又部分を含む周縁のピンホールや破れを防ぐことが可能な手袋を作ることができる。また、この製造方法は、それによって作られた手袋の着用中に第4生地に引張力や剥離力、ずれ応力が作用し、第3生地と第4生地との接合が解除されたとしても、引張力や剥離力、ずれ応力が第4生地から第1生地や第2生地に伝わることはなく、第2および第4生地の接合が維持されるとともに、第1および第2生地の接合が維持されるから、指又部分を含む周縁のピンホールや破れを防ぐことが可能な手袋を作ることができる。
第1〜第4生地が伸縮性を有する溶着性フィルムであり、第2および第4生地の定加重時伸び率が第1および第3生地のそれよりも大きい手袋の製造方法は、第1および第3生地であるフィルムどうしが溶着され、第1および第2生地であるフィルムどうしが溶着され、さらに、第3および第4生地であるフィルムどうしが溶着された手袋を作ることができる。この製造方法は、それによって作られた手袋の着用中に第2生地に引張力や剥離力、ずれ応力が作用し、第1生地と第2生地との接合が解除されたとしても、引張力や剥離力、ずれ応力が第2生地から第3生地や第4生地に伝わることはなく、第2および第3生地の接合が維持されるとともに、第3および第4生地の接合が維持されるから、指又部分を含む周縁のピンホールや破れを防ぐことが可能な手袋を作ることができる。また、この製造方法は、それによって作られた手袋の着用中に第4生地に引張力や剥離力、ずれ応力が作用し、第3生地と第4生地との接合が解除されたとしても、引張力や剥離力、ずれ応力が第4生地から第1生地や第2生地に伝わることはなく、第2および第4生地の接合が維持されるとともに、第1および第2生地の接合が維持されるから、指又部分を含む周縁のピンホールや破れを防ぐことが可能な手袋を作ることができる。この製造方法は、第2および第4生地の定加重時伸び率が第1および第3生地のそれよりも大きく、第2および第4生地が着用者の手の動きに追従し、着用者が手を激しく動かしたとしても、それら生地が破損することがない手袋を作ることができる。さらに、第2および第4生地が着用者の手の動きに追従することで、第1および第2生地と第3および第4生地との接合が維持され、指又部分を含む周縁のピンホールや破れを確実に防ぐことが可能な手袋を作ることができる。
熱溶着性フィルムがガス透過性を有し、熱溶着性フィルムの透湿度が1000〜6000g/m・24hrの範囲にある手袋の製造方法は、手袋内部の湿気を外気に逃がすことができ、着用中における蒸れを防ぐことが可能な手袋を作ることができる。この製造方法は、着用者の手の蒸れを防ぐことができ、長時間の使用において着用者に不快感を与えることがない手袋を作ることができる。
熱溶着性フィルムの厚み寸法が15〜100μmの範囲にあり、熱溶着性フィルムの定加重時伸び率が20〜300%の範囲にある手袋の製造方法は、第1および第3生地が熱溶着性フィルムである場合、第2生地が伸び限界以上に伸長されて破損したとしても、第1生地がそれにともなって破損することはなく、第4生地が伸び限界以上に伸長されて破損したとしても、第3生地がそれにともなって破損することはない手袋を作ることができる。また、第1〜第4生地が熱溶着性フィルムである場合、優れた伸縮性を有する第1〜第4生地が着用者の手の動きに追従し、着用者が手を激しく動かしたとしても、それら生地が破損することがない手袋を作ることができる。さらに、第2および第4生地が着用者の手の動きに追従することで、第1および第2生地と第3および第4生地との接合が維持され、指又部分を含む周縁のピンホールや破れを防ぐことが可能な手袋を作ることができる。
添付の図面を参照し、本発明に係る手袋の製造方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。図1は、第1重ね合わせ工程10(第1工程)の一例を示す斜視図であり、図2は、複合生地作成工程11(第2工程)の一例を示す斜視図である。図1,2では、長手方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、厚み方向を矢印Zで示す。この製造方法は、長手方向へ連続する第1〜第4生地原反12,13,14,15(第1〜第4生地)を使用し、着用者の前腕から五指へ向かう部位のうち、手首と手と五指とを包被するクリーンルーム用防塵手袋70(図6参照)を作る。この製造方法は、生地原反12,13,14,15を重ね合わせる第1重ね合わせ工程10(第1工程)と、生地原反12,13,14,15を溶着する複合生地作成工程11(第2工程)と、複合生地原反35,36を重ね合わせる第2重ね合わせ工程45(第3工程)と、複合生地原反35,36から手袋部分61を作る手袋部分型抜き工程46(第4工程)と、手袋部分61を裏返す裏返し工程47(第5工程)とから形成されている。
第1生地原反12と第3生地原反14とは、長手方向と幅方向とへ伸縮性を有する熱溶着性フィルムである。熱溶着性フィルムには、キャスティング法やエキストルージョン法、カレンダー法等の公知の技術によって製造されるポリウレタンフィルムが使用されている。なお、第1および第3生地原反には、ポリウレタンフィルムの他に、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルムポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニルデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、塩酸ゴムフィルム、ポリイミドフィルムのうちのいずれかのフィルムを使用することもできる。
第2生地原反13と第4生地原反15とは、熱可塑性合成樹脂繊維から作られたニット(編み物)である。熱可塑性合成樹脂繊維には、ナイロン繊維が使用されている。熱可塑性合成樹脂繊維には、ナイロン繊維の他に、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ビニルデン繊維、ポリウレタン繊維のうちのいずれかの繊維を使用することもできる。また、熱可塑性合成樹脂繊維には、異形断面繊維、中空繊維、異形中空繊維、芯−鞘型繊維を使用することもできる。第1〜第4生地原反12,13,14,15は、所定幅を有する同形同大のものであり、長手方向へ延びる両側縁16,17,18,19,20,21,22,23を有する。
第1重ね合わせ工程19は、連続する第1および第2生地原反12,13を長手方向へ供給し、それら生地原反12,13の側縁16,18を一致させるとともに、側縁17,19を一致させた状態でそれら生地原反12,13の一面が互いに当接するようにそれら生地原反12,13を重ね合わせる。さらに、連続する第3および第4生地原反14,15を長手方向へ供給し、それら生地原反14,15の側縁20,22を一致させるとともに、側縁21,23を一致させた状態でそれら生地原反14,15の一面が互いに当接するようにそれら生地原反14,15を重ね合わせる。なお、第1〜4生地原反12,13,14,15は、図示はしていないが、原反巻き取りロールに巻き取られており、ニップロール24,25の回転によって巻き取りロールから繰り出される。
第1重ね合わせ工程10では、第1および第2生地原反12,13が回転するニップロール24,25の間に進入し、それら生地原反12,13がニップロール24,25によって矢印X1で示す長手方向前方へ搬送され、ガイド27によってそれら生地原反12,13の両側縁16,17,18,19の位置合わせが行われた後、それら生地原反12,13がニップロール28,29の間に進入し、それら生地原反12,13の重ね合わせが行われる。さらに、第3および第4生地原反14,15が回転するニップロール30,31の間に進入し、それら生地原反14,15がニップロール30,31によって長手方向前方へ搬送され、ガイド32によってそれら生地原反14,15の両側縁20,21,22,23の位置合わせが行われた後、それら生地原反14,15がニップロール33,34の間に進入し、それら生地原反14,15の重ね合わせが行われる。
複合生地作成工程11は、第1および第2生地原反12,13の側縁16,18どうし(側縁16,17の近傍を含む)を溶着して第1複合生地原反35(第1複合生地)を作り、第3および第4生地原反14,15の側縁20,22どうし(側縁20,22の近傍を含む)を溶着して第2複合生地原反36(第2複合生地)を作る。複合生地作成工程11では、重なり合う第1および第2生地原反12,13がニップロール37の回転によってフラットな受け台38の上に移動する。それら生地原反12,13が受け台38の上に移動すると、生地原反12,13の移動が一時停止する。複合生地作成工程11では、矢印Z1で示すように、生地原反13の上方から長手方向へ延びる直線状の金型39が下降し、受け台38の上に位置する生地原反12,13の側縁16,18およびその近傍に金型39が圧接し、生地原反12,13の側縁16,18およびその近傍が受け台38と金型39とに挟まれる。
金型39には、高周波誘導加熱コイル(図示せず)が装着されている。金型39が生地原反12,13に圧接すると、高周波誘導加熱コイルに高周波電源(図示せず)から高周波電圧が印可される。高周波誘導加熱コイルに高周波電圧が印可されると、コイルに高周波電流が流れ、高周波電流と鎖交する方向へ磁束が発生する。発生した磁束が金型39に作用すると、金型39に渦電流が発生し、それによって金型39自体が瞬時に発熱(ジュール熱)する。複合生地作成工程11では、高温の金型39によって第1および第2生地原反12,13の側縁16,18およびその近傍が溶着し、第1および第2生地原反12,13どうしが側縁16,18に沿って延びる熱溶着線40(第1溶着線)によって接合され、第1複合生地原反35が作られる。金型39は、所定時間経過後に矢印Z2で示す生地原反13の上方へ上昇する。金型39が上昇すると、第1複合生地原反35が矢印X1で示す長手方向前方へ移動する。生地原反35が受け台38から前方へ移動し、生地原反12,13が受け台38の上に移動すると、生地原反12,13の移動が再び停止し、金型39によって生地原反12,13どうしが側縁16,18に沿って延びる熱溶着線40(第1溶着線)によって接合される。
さらに、重なり合う第3および第4生地原反14,15がニップロール41の回転によってフラットな受け台42の上に移動する。それら生地原反14,15が受け台42の上に移動すると、生地原反14,15の移動が一時停止する。次に、生地原反14の上方から金型43が下降し、受け台42の上に位置する生地原反14,15の側縁20,22およびその近傍に金型43が圧接し、生地原反14,15の側縁20,22およびその近傍が受け台42と金型43とに挟まれる。複合生地作成工程11では、高温の金型43によって第3および第4生地原反14,15の側縁20,22およびその近傍が溶着し、第3および第4生地原反14,15どうしが側縁20,22に沿って延びる熱溶着線44(第2溶着線)によって接合され、第2複合生地原反36が作られる。
金型43は、所定時間経過後に生地原反14の上方へ上昇する。金型43が上昇すると、第2複合生地原反36が長手方向前方へ移動する。生地原反36が受け台42から前方へ移動し、生地原反14,15が受け台42の上に移動すると、生地原反14,15の移動が再び停止し、金型43によって生地原反14,15どうしが側縁20,22に沿って延びる熱溶着線44(第1溶着線)によって接合される。なお、複合生地作成工程11における第1および第2生地原反12,13どうしの溶着と第3および第4生地原反14,15どうしの溶着とは同期して行われる。したがって、生地原反12,13,14,15の移動およびその一時停止も同期して行われる。
図3は、第2重ね合わせ工程45(第3工程)の一例を示す斜視図であり、図4は、手袋部分型抜き工程46(第4工程)の一例を示す斜視図である。図5は、手袋部分を裏返す裏返し工程47(第5工程)の一例を示す斜視図である。第2重ね合わせ工程45では、第1および第2複合生地原反35,36の側縁49,51を一致させるとともに、側縁50,52を一致させた状態で第1および第3生地原反12,14の面が互いに当接するようにそれら複合生地原反35,36を重ね合わせる。第2重ね合わせ工程45では、第1および第2複合生地原反35,36が回転するニップロール53,54の間に進入し、それら複合生地原反35,36がニップロール53,54によって長手方向前方へ搬送され、ガイド55によってそれら複合生地原反35,36の両側縁49,50,51,52の位置合わせが行われた後、複合生地原反35,36がニップロール56,57の間に進入し、複合生地原反35,36どうしの重ね合わせが行われる。複合生地原反35,36を重ね合わせると、第1および第3生地原反12,14が互いに対向するとともに、第1生地原反12の外側に第2生地原反13が位置し、第3生地原反14の外側に第4生地原反15が位置する。
手袋部分型抜き工程46では、重ね合わせた第1および第2複合生地35,36のうちの手挿入口58となる側縁49,51を除いた部位を手袋成形金型59の周縁60において溶着しつつ、手袋成形金型59の内側に作られる手袋部分61を溶着箇所において複合生地原反35,36から溶断させる。重なり合う複合生地原反35,36は、ニップロール62によってガイド63を通り、フラットな受け台64の上に移動する。複合生地原反35,36が受け台64の上に移動すると、複合生地原反35,36の移動が一時停止する。手袋部分型抜き工程46では、矢印Z1で示すように、複合生地原反35の上方から手袋成形金型59が下降し、複合生地原反35,36の側縁49,51と金型59の端縁65とが一致するように、受け台64の上に位置する複合生地原反35,36に金型59が圧接し、複合生地原反35,36が受け台64と金型59とに挟まれる。手袋成形金型59は、手首を含む手の形に作られ、端縁65を除く周縁60が下方へ延出している。
手袋成形金型59には、高周波誘導加熱コイル(図示せず)が装着されている。手袋成形金型59が複合生地原反35,36に圧接すると、高周波誘導加熱コイルに高周波電源(図示せず)から高周波電圧が印可される。高周波誘導加熱コイルに高周波電圧が印可されると、コイルに高周波電流が流れ、手袋成形金型59に渦電流が発生し、それによって金型59自体が瞬時に発熱(ジュール熱)する。手袋部分型抜き工程46では、高温の手袋成形金型59の周縁60(端縁65を除く)によって第1〜第4生地原反12,13,14,15が溶着し、それら生地原反12,13,14,15が手首を含む手の形の熱溶着線66(第3溶着線)によって接合され、手袋部分61が作られる。
手袋成形金型59は、所定時間経過後に矢印Z2で示す複合生地原反35の上方へ上昇する。金型59が上昇すると、複合生地原反35,36が矢印X1で示す長手方向前方へ移動する。手袋部分61が受け台64から離れると、バキューム手段(図示せず)によって手袋部分61が矢印Z3で示す複合生地原反35,36の下方へ吸引され、手袋部分61が熱溶着線66において複合生地原反35,36から溶断して原反35,36から切り離される。
なお、各生地原反12,13,14,15、35,36の溶着や切断に高周波溶着および高周波切断を利用しているが、それの他に、ヒーター溶着および溶断の技術、超音波溶着および溶断の技術を利用することもできる。また、バキューム手段に替えて、手袋部分61が受け台64から離れた後、部分61の上方から部分61を下方へ押す棒部材を使用し、棒部材によって部分61を熱溶着線66において複合生地原反35,36から切り離すこともできる。
裏返し工程47では、矢印Z4で示すように、第2および第4生地13,15が内側になるとともに、第1および第3生地12,14が外側になるように、複合生地原反35,36から切り離された手袋部分61を裏返す。手袋部分61を裏返すと、クリーンルーム用防塵手袋70が完成する。この製造方法によって作られた手袋70は、第1〜第4生地12,13,14,15の周縁が手袋70の内側へ向かって延出している。この製造方法は、第1および第2複合生地35,36のうちの手挿入口58となる側縁49,51を除いた部位を熱溶着線66で溶着するから、指又部分71を含む周縁72において第1〜第4生地12,13,14,15が接合されているとともに、それら生地12,13,14,15の周縁72を除く残余の部位73が非接合である手袋70を製造することができる。この製造方法は、手袋成形金型59を高周波加熱することで第1および第2複合生地35,36を溶着しつつ、手袋部分61を複合生地35,36から溶断させるから、手袋成形金型59の周縁60で第1〜第4生地12,13,14,15を確実に溶着しつつ、金型59の内側に作られる手袋部分61を熱溶着線66において複合生地35,36から確実に溶断させることができ、手袋70を短時間に大量に生産することができる。
第1および第3生地原反12,14(熱溶着性フィルム)は、ガス透過性を有し、その透湿度が1000〜6000g/m・24hrの範囲、好ましくは、2000〜4000g/m・24hrの範囲にある。第1および第3生地原反12,14の透湿度が1000g/m・24hr未満では、この製造方法で作られた手袋70の通気性が第1および第3生地12,14によって低下し、手袋70内部の湿気を外気に逃がすことができず、手袋70内部が蒸れ易く、長時間の使用において着用者に不快感を与える手袋70が作られてしまう。ただし、第1および第3生地12,14(熱溶着性フィルム)には、ガス透過性がないものを使用することもできる。なお、第1および第3生地原反原反12,14の透湿度は、JIS L 1099A−I法に準拠して測定した。以下、透湿度の測定法を説明する。
(1)第1および第3生地原反12,14を裁断し、直径7cmの円形の透湿度測定用試料を用意した。JIS L 1099A−I法に規定の恒温・恒湿装置、風速計、化学はかり、円形板、透湿カップ、吸湿剤を用意した。(2)約40℃に温めた透湿カップに吸湿剤を約33g入れ、カップに振動を与えて均一にした後、薬さじで表面を平らにならし、円形板を用いて吸湿剤と試料の下面との間の離間寸法を3mmになるように調整した。次に、試料の表面を吸湿剤側に向け、試料が透湿カップに対して同心円になるように、試料を透湿カップの開口部に乗せた。さらに、パッキンおよびリングを装着し、ちょうナットによって試料を透湿カップに固定した後、粘着テープによって試料の外周縁部と透湿カップの周縁部とを固着して試験体を作成した。(3)試験体を、温度40±2℃、湿度(90±5)%RH()の恒温・恒湿装置内(試料の約1cm上部の風速が0.8m/sを超えない位置)に置いた。24時間経過後に試験体を恒温・恒湿装置内から取り出し、直ちに試験体の第1質量を1mgの単位まで測定した。第1質量を測定した後、試験体を再び恒温・恒湿装置内の同位置に置き、さらに24時間経過後に試験体を恒温・恒湿装置内から取り出し、直ちに試験体の第2質量を1mgの単位まで測定した。(4)試験体の第1および第2質量を測定した後、次式によって透湿度を求めた。透湿度(g/m・24hr)={10×(α1−α2)}/S、ここで、α1は第1質量であり、α2は第2質量である。α1−α2は試験体の24時間当たりの質量の変化量(mg/hr)であり、Sは透湿面積(cm)である。求めた試料の透湿度を第1および第3生地原反12,14の透湿度とした。
第1および第3生地原反12,14(熱溶着性フィルム)は、その厚み寸法が15〜100μmの範囲、好ましくは、30〜60μmの範囲にあり、その定加重時伸び率が20〜300%の範囲にある。定加重時伸び率が20%未満では、第1および第3生地原反12,14の伸び限界が低く、この製造方法で作られた手袋70の着用中に第1および第3生地12,14が不用意に破損してしまう場合がある。第1および第3生地原反12,14の定加重時伸び率は、JIS L 1018(クラブ法)に準拠して測定した。以下、定加重時伸び率の測定法を説明する。
(1)第1および第3生地原反12,14を裁断し、幅10cm、長さ15cmの定加重時伸び率測定用試料を5枚用意した。定加重時伸び率の測定には、引張試験機を使用した。(2)試料の長さ方向一端部を引張試験機の上部クランプに固定し、試料に長さ7.6cm間隔の印を付けた。試料の長さ方向他端部に初荷重(51mN(500gf)、引っ張り速度5±1、10±1または30±2cm/min)を加え、静かに一定加重を加えたまま1分間放置した。1分間放置した後の印間の長さを測り、次式によって定加重時伸び率を求めた。定加重時伸び率(%)={(L1−L)/L}×100、ここで、Lは元の印間の長さ(cm)であり、L1は一定加重を加えて1分間放置した後の印間の長さ(cm)である。なお、定加重時伸び率は、それらすべての試料について求めた定加重時伸び率の平均値である。求めた試料の定加重時伸び率の平均値を第1および第3生地原反12,14の定加重時伸び率とした。
図6は、前記製造方法によって作られたクリーンルーム用防塵手袋70の斜視図であり、図7は、図6の手袋70の分解斜視図である。図8は、図6のA−A線端面図であり、図9は、図6のB−B線端面図である。図10は、図6のC−C線端面図である。クリーンルーム用防塵手袋70は、着用者の前腕から五指へ向かう部位のうち、手首と手と五指とを包被する。手袋70を着用するには、手挿入口58から手を挿入する。なお、手袋70の長さや幅、大きさについて特に限定はなく、着用者の前腕から五指へ向かう部位のすべてを包被するものであってもよく、着用者の手と五指とを包被するものであってもよい。手袋70の長さや幅、大きさは、手袋成形金型59の形や大きさを変えることによって調整することができる。
手袋70は、手首と手の甲と手の甲から続く五指の上部を覆う第1および第2生地12,13と、手首と手の平と手の平から続く五指の下部を覆う第3および第4生地14,15とから形成されている。第1〜第4生地12,13,14,15は、同形同大であり、その平面形状が着用者の手首および手の形に成形されている。第1および第2生地12,13は、手首の上部および手の上部(手の甲と手の甲から続く五指の上部)を包被可能な大きさを有する。第3および第4生地14,15は、手首の下部および手の下部(手の平と手の平から続く五指の下部)を包被可能な大きさを有する。
手袋70では、図7に示すように、それら生地12,13,14,15が手袋70の厚み方向へ重なり合っている。第2生地13と第4生地15とは、互いに重なり合って内手袋を形成している。第1生地12は、第2生地13の外側に位置し、生地13に重なっている。第3生地14は、第4生地15の外側に位置し、生地15に重なっている。第1生地12と第3生地14とは、外手袋を形成している。手袋70では、図8〜図10に示すように、それら生地12,13,14,15の周縁60a,60b,60c,60dが手袋70の内側へ向かって延出している。
手袋70では、手挿入口58を除き、第1生地12の周縁6Aおよびその近傍と第2生地13の周縁60bおよびその近傍とがそれら生地12,13の周縁60a,60bに沿って延びる熱溶着線66(第3溶着線)によって接合され、第3生地14の周縁60cおよびその近傍と第4生地15の周縁60dおよびその近傍とがそれら生地14,15の周縁60c,60dに沿って延びる熱溶着線66(第3溶着線)によって接合されており、第2生地13の周縁60bおよびその近傍と第4生地15の周縁60dおよびその近傍とがそれら生地13,15の周縁60b,60dに沿って延びる熱溶着線66(第3溶着線)によって接合されている。手挿入口58では、図10に示すように、第1生地12と第2生地13とがそれら生地12,13の端縁(側縁16,18)に沿って延びる熱溶着線40(第1溶着線)によって接合され、第3生地14と第4生地15とがそれら生地14,15の端縁(側縁20,22)に沿って延びる熱溶着線44(第2溶着線)によって接合されている。それら生地12,13,14,15の周縁60a,60b,60c,60dと手挿入口58の端縁とを除いた残余の部位73では、それら生地12,13,14,15が接合されておらず、一方の生地の動きが他方の生地によって阻止されることはなく、それら生地12,13,14,15が自由に動くことができる。熱溶着線66は、手袋70の外側に露出することなく、手袋70の内側に位置している。
前記製造方法によって作られたクリーンルーム用防塵手袋70は、その着用中に第2生地13に引張力や剥離力、ずれ応力が作用し、指又部分71(指と指との間の付け根部分)を含む周縁60b,60bにおいて第1生地12と第2生地13との接合が解除されたとしても、生地12,13どうしの接合解除によって引張力や剥離力、ずれ応力を消滅させることができ、引張力や剥離力、ずれ応力が第2生地13から第3生地14や第4生地15に伝わることはなく、第2生地13と第3生地14との接合が維持されるとともに、第3生地14と第4生地15との接合が維持され、周縁60a,60b,60c,60dにおけるピンホールや破れの発生を確実に防ぐことができる。また、手袋70の着用中に第4生地15に引張力や剥離力、ずれ応力が作用し、指又部分71を含む周縁60c,60dにおいて第3生地14と第4生地15との接合が解除されたとしても、生地14,15どうしの接合解除によって引張力や剥離力、ずれ応力を消滅させることができ、引張力や剥離力、ずれ応力が第4生地15から第1生地12や第2生地13に伝わることはなく、第2生地13と第4生地15との接合が維持されるとともに、第1生地12と第2生地13との接合が維持されるから、周縁60a,60b,60c,60dにおけるピンホールや破れの発生を確実に防ぐことができる。
手袋70は、第1〜第4生地12,13,14,15の周縁60a,60b,60c,60dが手袋70の内側へ向かって延出し、それら生地12,13,14,15の周縁60a,60b,60c,60d(熱溶着線66)が手袋70の外側に露出することがないから、それら生地12,13,14,15の周縁60a,60b,60c,60d(熱溶着線66)が手袋70の外側に露出する場合と比較し、第1〜第4生地12,13,14,15の周縁60a,60b,60c,60dが外物に接触することはなく、周縁60a,60b,60c,60dが外物に接触することから生じるそれら生地12,13,14,15どうしの接合の解除を防ぐことができる。手袋70は、周縁60a,60bを除く残余の部位73において第1生地12の伸縮性が第2生地13に拘束されることはなく、第2生地13の残余の部位73が伸び限界以上に伸長されて破損したとしても、それにともなって第1生地12が破損することはなく、手袋70の一気の破損を防ぐことができる。また、周縁60c,60dを除く残余の部位73において第3生地14の伸縮性が第4生地15に拘束されることはなく、第4生地15の残余の部位が伸び限界以上に伸長されて破損したとしても、それにともなって第4生地が破損することはなく、手袋の一気の破損を防ぐことができる。
手袋70は、第1および第3生地12,14の透湿度が1000〜6000g/m・24hrの範囲にあるから、手袋70内部からの塵埃の漏れを防ぎつつ、手袋70内部の湿気を外気に逃がすことができ、手袋70の着用中における蒸れを防ぐことができる。この手袋70は、着用者の手の蒸れを防ぐことができるから、長時間の使用において着用者に不快感を与えることがない。手袋70は、第1および第3生地12,14の定加重時伸び率が20〜300%の範囲にあるから、第2生地13が伸び限界以上に伸長されて破損したとしても、それにともなって第1生地12が破損することはなく、第4生地15が伸び限界以上に伸長されて破損したとしても、それにともなって第3生地14が破損することはなく、手袋70の一気の破損を確実に防ぐことができる。また、手袋70の着用中に第1および第3生地12,14が伸長されたとしても、それら生地12,14が不用意に破損することはない。
図11は、他の一例として示すクリーンルーム用防塵手袋70の分解斜視図であり、図12は、図11の手袋70における図8と同様の端面図である。このクリーンルーム用防塵手袋70が図6のそれと異なるところは、第2生地13と第4生地15とが長さ方向と幅方向とへ伸縮性を有する熱溶着性フィルムである点にあり、この手袋70のその他の構成は図6の手袋70のそれらと同一であるから、図6と同一の符号を付すことで、この手袋70のその他の構成の説明は省略する。
第2および第4生地13,15には、ポリウレタンフィルムが使用されているが、上述した他の熱溶着性フィルムを使用することもできる。第2および第4生地13,15は、第1および第3生地12,14(熱溶着性フィルム)と同様に、ガス透過性を有し、その透湿度が1000〜6000g/m・24hrの範囲、好ましくは、2000〜4000g/m・24hrの範囲にある。第2および第4生地13,15の透湿度が1000g/m・24hr未満では、手袋70の通気性が第2および第4生地13,15によって低下し、手袋70内部の湿気を外気に逃がすことができず、手袋70内部が蒸れ易く、長時間の使用において着用者に不快感を与える。第1および第3生地12,14(熱溶着性フィルム)や第2および第4生地13,15(熱溶着性フィルム)には、ガス透過性がないものを使用することもできる。なお、第2および第4生地原反13,15の透湿度の測定法は、図6の手袋70の第1および第3生地原反12,14の透湿度のそれと同様に、JIS L 1099A−I法に準拠して測定した。
第2および第4生地13,15は、その厚み寸法が15〜100μmの範囲、好ましくは、30〜60μmの範囲にあり、その定加重時伸び率が50〜300%の範囲にある。なお、この手袋70では、第1および第3生地12,14の定加重時伸び率が20〜100%の範囲にあり、第2および第4生地13,15の定加重時伸び率が第1および第3生地12,14のそれよりも大きい。第2および第4生地原反13,15の定加重時伸び率の測定法は、図6の手袋70の第1および第3生地原反12,14のそれと同様に、JIS L 1018(クラブ法)に準拠して測定した。
手袋70では、図11に示すように、それら生地12,13,14,15が手袋70の厚み方向へ重なり合っている。第2生地13と第4生地15とは、互いに重なり合って内手袋を形成している。第1生地12は、第2生地の13外側に位置し、生地13に重なっている。第3生地14は、第4生地15の外側に位置し、生地15に重なっている。第1生地12と第3生地14とは、外手袋を形成している。手袋70では、図11に示すように、それら生地12,13,14,15,16の周縁60a,60b,60c,60dが手袋70の内側へ向かって延出している。
手袋70では、手挿入口58を除き、第1生地12の周縁60aおよびその近傍と第2生地13の周縁60bおよびその近傍とがそれら生地12,13の周縁60a,60bに沿って延びる熱溶着線66(第3溶着線)によって接合され、第3生地14の周縁60cおよびその近傍と第4生地15の周縁60dおよびその近傍とがそれら生地14,15の周縁60c,60dに沿って延びる熱溶着線66(第3溶着線)によって接合されており、第1生地12の周縁60aおよびその近傍と第3生地14の周縁60cおよびその近傍とがそれら生地12,14の周縁60a,60cに沿って延びる熱溶着線66(第3溶着線)によって接合されている。手挿入口58では、第1生地12と第2生地13とがそれら生地12,13の端縁(側縁16,18)に沿って延びる熱溶着線40(第1溶着線)によって接合され、第3生地14と第4生地15とがそれら生地14,15の端縁(側縁20,22)に沿って延びる熱溶着線44(第2溶着線)によって接合されている。
それら生地12,13,14,15の周縁60a,60b,60c,60dと手挿入口58の端縁とを除いた残余の部位73では、それら生地12,13,14,15が接合されておらず、一方の生地の動きが他方の生地によって阻止されることはなく、それら生地12,13,14,15が自由に動くことができる。熱溶着線66は、手袋70の外側に露出することなく、手袋70の内側に位置している。この手袋70の製造方法は、第2および第4生地原反13,15にポリウレタンフィルム(熱溶着性フィルム)を使用することを除き、図6の手袋70の製造方法と同一であるから、図1〜図5を援用し、その説明は省略する。
第2および第4生地原反13,15としてポリウレタンフィルム(熱溶着性フィルム)を使用した製造方法によって作られたクリーンルーム用防塵手袋70は、その着用中に第2生地13に引張力や剥離力、ずれ応力が作用し、指又部分71(図6参照)を含む周縁60a,60bにおいて第1生地12と第2生地13との接合が解除されたとしても、生地12,13どうしの接合解除によって引張力や剥離力、ずれ応力を消滅させることができ、引張力や剥離力、ずれ応力が第2生地13から第3生地14や第4生地15に伝わることはなく、第2生地13と第3生地14との接合が維持されるとともに、第3生地14と第4生地15との接合が維持されるから、周縁60a,60b,60c,60dにおけるピンホールや破れの発生を確実に防ぐことができる。また、手袋70の着用中に第4生地15に引張力や剥離力、ずれ応力が作用し、指又部分71を含む周縁60c,60dにおいて第3生地14と第4生地15との接合が解除されたとしても、生地14,15どうしの接合解除によって引張力や剥離力、ずれ応力を消滅させることができ、引張力や剥離力、ずれ応力が第4生地15から第2生地14や第1生地13に伝わることはなく、第2生地13と第4生地15との接合が維持されるとともに、第1生地12と第2生地13との接合が維持されるから、周縁60a,60b,60c,60dにおけるピンホールや破れの発生を確実に防ぐことができる。
この手袋70は、第2および第4生地13,15の定加重時伸び率が第1および第3生地12,14の定加重時伸び率よりも大きいから、第2および第4生地13,15が着用者の手の動きに追従し、着用者が手を激しく動かしたとしても、それら生地13,15が破損することはない。さらに、第2および第4生地13,15が着用者の手の動きに追従することで、第1および第2生地12,13と第3および第4生地14,15との接合が維持され、指又部分71を含む周縁60a,60b,60c,60dにおけるピンホールや破れの発生を確実に防ぐことができる。手袋70は、第1〜第4生地12,13,14,15の周縁60a,60b,60c,60dが手袋70の内側へ向かって延出し、それら生地12,13,14,15の周縁60a,60b,60c,60d(熱溶着線66)が手袋70の外側に露出することがないから、それら生地12,13,14,15の周縁60a,60b,60c,60d(熱溶着線66)が手袋70の外側に露出する場合と比較し、第1〜第4生地12,13,14,15の周縁60a,60b,60c,60dが外物に接触することはなく、周縁60a,60b,60c,60dが外物に接触することから生じるそれら生地12,13,14,15どうしの接合の解除を防ぐことができる。手袋70は、第1〜第4生地12,13,14,15の透湿度が1000〜6000g/m・24hrの範囲にあるから、手袋70内部からの塵埃の漏れを防ぎつつ、手袋70内部の湿気を外気に逃がすことができ、手袋70の着用中における蒸れを防ぐことができる。この手袋70は、着用者の手の蒸れを防ぐことができるから、長時間の使用において着用者に不快感を与えることがない。
第1重ね合わせ工程(第1工程)の一例を示す斜視図。 複合生地作成工程(第2工程)の一例を示す斜視図。 第2重ね合わせ工程(第3工程)の一例を示す斜視図。 手袋部分型抜き工程(第4工程)の一例を示す斜視図。 裏返し工程(第5工程)の一例を示す斜視図。 製造方法によって作られたクリーンルーム用防塵手袋の斜視図。 図6の手袋の分解斜視図。 図6のA−A線端面図。 図6のB−B線端面図。 図6のC−C線端面図千駄木 他の一例として示すクリーンルーム用防塵手袋の分解斜視図。 図11の手袋における図8と同様の端面図。
符号の説明
10 第1重ね合わせ工程(第1工程)
11 複合生地作成工程(第2工程)
12 第1生地原反(第1生地)
13 第2生地原反(第2生地)
14 第3生地原反(第3生地)
15 第4生地原反(第4生地)
16 側縁
18 側縁
20 側縁
22 側縁
35 第1複合生地原反(第1複合生地)
36 第2複合生地原反(第2複合生地)
40 熱溶着線(第1溶着線)
44 熱溶着線(第2溶着線)
45 第2重ね合わせ工程(第3工程)
46 手袋部分型抜き工程(第4工程)
47 裏返し工程(第5工程)
58 手挿入口
61 手袋部分
66 熱溶着線(第3溶着線)
70 クリーンルーム用防塵手袋

Claims (6)

  1. 着用者の前腕から五指に向かう部位のうちの少なくとも手の甲と手の平と五指とを包被する手袋の製造方法において、
    第1生地および第2生地の面が互いに当接するようにそれら生地を重ね合わせ、かつ、第3生地および第4生地の面が互いに当接するようにそれら生地を重ね合わせる第1工程と、前記第1および第2生地どうしをそれら生地の側縁に沿って延びる第1溶着線で溶着して第1複合生地を作り、かつ、前記第3および第4生地どうしをそれら生地の側縁に沿って延びる第2溶着線で溶着して第2複合生地を作る第2工程と、前記第1および第2溶着線を互いに一致させた状態で前記第1および第3生地の面が互いに当接するようにそれら複合生地を重ね合わせる第3工程と、重ね合わせた第1および第2複合生地のうちの手挿入口となる前記側縁を除いた部位を前記前腕から五指へ向かう部位のうちの少なくとも手の形を画く第3溶着線で溶着しつつ、前記第3溶着線の内側に作られる手袋部分を該第3溶着線において複合生地から切り離す第4工程と、前記第2および第4生地が内側になるとともに、前記第1および第3生地が外側になるように前記手袋部分を裏返す第5工程とを有することを特徴とする手袋の製造方法。
  2. 前記第4工程では、前記前腕から五指へ向かう部位のうちの少なくとも手の形に作られた手袋成形金型を使用し、前記手袋成形金型を高周波加熱することで該手袋成形金型の周縁において第1および第2複合生地を溶着しつつ、前記手袋部分を複合生地から溶断させる請求項1記載の手袋の製造方法。
  3. 前記第1生地と前記第3生地とが、伸縮性を有する熱溶着性フィルムであり、前記第2生地と前記第4生地とが、熱可塑性合成樹脂繊維から作られたニットである請求項1または請求項2に記載の手袋の製造方法。
  4. 前記第1〜第4生地が、伸縮性を有する溶着性フィルムであり、前記第2および第4生地の定加重時伸び率が、前記第1および第3生地の定加重時伸び率よりも大きい請求項1または請求項2に記載の手袋の製造方法。
  5. 前記熱溶着性フィルムが、ガス透過性を有し、前記熱溶着性フィルムの透湿度が、1000〜6000g/m・24hrの範囲にある請求項3または請求項4に記載の手袋の製造方法。
  6. 前記熱溶着性フィルムの厚み寸法が、15〜100μmの範囲にあり、前記熱溶着性フィルムの定加重時伸び率が、20〜300%の範囲にある請求項3ないし請求項5いずれかに記載の手袋の製造方法。
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CN114732183A (zh) * 2017-02-28 2022-07-12 金森圭史朗 手套制造穿戴装置、手套制造穿戴方法及手套

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