JP2008308647A - 木材補修用2−シアノアクリレート系接着剤組成物 - Google Patents

木材補修用2−シアノアクリレート系接着剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、2−シアノアクリレート系接着剤自体の速硬化性、安定性や接着性といった性能を損なわず、又、1液性で操作が簡便という特徴も維持し、木材の補修の際に木粉に混合して硬化させたのち、その硬化物の表面を研磨処理する事が可能である2−シアノアクリレート系接着剤組成物を提供する事にある。
【解決手段】
(A)2−シアノアクリレート100重量部に対して(B)式(1)で示される芳香族カルボン酸類化合物0.05〜2重量部、(C)速硬化添加剤0.05〜2重量部、(D)アニオン重合禁止剤0.00001〜0.01重量部含有する2−シアノアクリレート系接着剤組成物を用いることにより、上記課題が解決される。
【化1】
Figure 2008308647

【選択図】なし

Description

本発明は、主として木材の傷、亀裂、節による欠損部の補修を目的とし、硬化後に加工する場合の加工性が良好となる、木材補修用2−シアノアクリレート系接着剤組成物に関する。
2−シアノアクリレート系接着剤は、主成分である2−シアノアクリレートのもつ特異なアニオン重合性により、被着体表面に付着するわずかな水分等のような微弱なアニオン等によって重合を開始し、各種材料を短時間で強固に接着することができるものである。このため、いわゆる瞬間接着剤として工業用、医療用、家庭用等の分野において広く用いられている。
瞬間接着剤に対する要求も日々多様化してきており、本題に挙げている木材の補修も
そのひとつである。
2−シアノアクリレート系接着剤は、空気中の水分や木材表面の水分により速やかに硬化し、金属、プラスチック、木材、ゴム等に優れた接着速度と接着強度を示す、良好な接着剤であるが、反面、硬化後の樹脂層が固い為、硬化後の表面研磨等が出来難い物であり、
それが原因となり、工具の破損等が発生し、工程が停止する為、木粉に接着剤を混合して木材を補修する場合に良好な接着剤とは言えない。
それゆえ、木材の補修用途には、通常着色したエポキシ樹脂系接着剤を充填する方法がとられている。しかし、エポキシ樹脂は硬化速度が遅いため生産性が悪く、接着性の悪さから補修部分が剥離する欠点があった。
上記の問題を解決する方法として、2−シアノアクリレート系接着剤を用いた方法が提案されており、例えば、(1)2−シアノアクリレートに切削加工性向上剤としてフィラー類を混合した組成物と無機質または有機質の中空微小球からなる2剤型充填接着剤を用いる方法(特許文献1)、(2)硬化物のショア硬度が40〜60である接着剤組成物を用いる方法(特許文献2)、(3)フタル酸エステル、アセチルクエン酸トリエステル、または(メタ)アクリロイル基を有するモノマー若しくはオリゴマーから選ばれる可塑剤を配合し酸分が1.0×10−6〜10.0×10−6グラム当量数/gとなる2−シアノアクリレート系接着剤を用いる方法(特許文献3)が提案されている。
しかしながら、(1)は2剤型接着剤であり、使用直前に2剤を混ぜる工程必要となり、1液で速硬化を特徴とする瞬間接着剤の特徴が損なわれ、結果として工程を長くなっている。また、(2)および(3)では、硬化後の表面について硬くなりすぎ、実質的に研磨処理が出来ないという問題があるため、2−シアノアクリレート系接着剤自体の速硬化性、安定性や接着性といった性能を損なわず、又、1液性で操作が簡便という特徴も維持し、木粉に混合して硬化させた際にその硬化物の表面を研磨処理する事が可能である2−シアノアクリレート系接着剤組成物の開発が望まれていた。
特開平6−329995号公報
特許3389846号公報
特開2005−89532号公報
本発明の目的は、2−シアノアクリレート系接着剤自体の速硬化性、安定性や接着性といった性能を損なわず、又、1液性で操作が簡便という特徴も維持し、木材の補修の際に木粉に混合して硬化させたのち、その硬化物の表面を研磨処理する事が可能である2−シアノアクリレート系接着剤組成物を提供する事にある。
本発明者らは鋭意検討の結果、(A)2−シアノアクリレート100重量部に対して(B)式(1)で示される芳香族カルボン酸類化合物0.05〜2重量部含有する2−シアノアクリレート系接着剤組成物
Figure 2008308647

(式中、Rは水素原子、直鎖または分岐のあるアルキル基またはアルコキシアルキル基をRは水素原子、直鎖または分岐のあるアルキル基またはアルコキシアルキル基を表し、RおよびRは同一であっても異なっていてもよい。rは、1〜3の整数を表す。)により、上記課題が解決されることを見出し、発明を完成させた。
本発明の2−シアノアクリレート系接着剤組成物により、2−シアノアクリレート系接着剤自体の速硬化性、安定性や接着性といった性能を損なわず、又、1液性で操作が簡便という特徴も維持し、木材の補修の際に木粉に混合して硬化させたのち、その硬化物の表面を研磨処理する事が可能となる。
本発明における(A)2−シアノアクリレートは、式(2)で示される2−シアノアクリレートが好適に用いられる。
Figure 2008308647

(式中Rは炭素数1〜16の置換基を有していてもよい飽和または不飽和の脂肪族もしくは脂環族基又は芳香族基を示す。)
本発明における(A)2−シアノアクリレ−トの具体例としては、例えば、2−シアノアクリル酸のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、オクチル、ネオペンチル、シクロヘキシル、エチルヘキシル、ドデシル、アリル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシプロピル、ベンジル、フェニル、クロロエチル、テトラヒドロフルフリル等のエステル類が挙げられる。また、これらの2−シアノアクリレートは1種又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明における(B)式(1)
Figure 2008308647
(式中、Rは水素原子、直鎖または分岐のあるアルキル基またはアルコキシアルキル基をR水素原子、直鎖または分岐のあるアルキル基またはアルコキシアルキル基を表し、RおよびRは同一であっても異なっていてもよい。rは、1〜3の整数を表す。)で示される芳香族カルボン酸類化合物としては、例えば、サルチル酸、アセチルサリチル酸、バニリン酸、レゾルシン酸、プロトカテキュ酸、ピペロニル酸、没食子酸、没食子酸メトキシエチルエステルなどが挙げられ、これらの中でもサルチル酸およびアセチルサリチル酸が好ましい。
芳香族カルボン酸類化合物は、必要により1種または2種以上の混合物として用いことができ、その添加量は2−シアノアクリレート100重量部に対して0.05〜2重量部であり、好ましくは、0.06〜1.4重量部であり、より好ましくは0.1〜1重量部である。 添加量が0.05重量部より少ないと木粉と混合固化させた場合に充分な柔らかさが出ず、目的とする加工性が得られない。2重量部より多いと2−シアノアクリレート系接着剤が本来持つ速硬化性が低下する。
本発明における(C)速硬化添加剤としては、通常、多価アルコール類、ポリアルキレンオキサイド誘導体、カリックスアレン化合物等が挙げられ、これらのうち、ポリアルキレンオキサイド誘導体、カリックスアレン化合物が好ましく用いられる。
速硬化添加剤のうち、多価アルコール類として具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ポリブタジエンジオール、クロルプロピレングリコール、3−メチルペンタンジオール、2,2−ジエチルプロパンジオール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、2,5−ヘキサンジオールなどが挙げられ、これらの誘導体としては、そのアルキル、アルケニル、アリール、及びアラルキルエーテル、又はエステル、具体的には例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、テトラメチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコール酢酸エステル、エチレングリコールモノラウレート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、エチルセロソルブステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、セロソルブアクリレート、セロソルブメタクリレート、セロソルブクロトネートなどが挙げられる。
速硬化添加剤のうち、ポリアルキレンオキサイド誘導体としては、式(3)
Figure 2008308647
(式中、X およびX は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換若しくは非置換のアルキル、アルケニル、アリール又はアラルキル基を示す。pは1以上の整数、qは2以上の整数を示し、末端は環形成されていてもよい。)
なる繰り返し単位を有する化合物から選ばれた1種以上が挙げられる。
ポリアルキレンオキサイド誘導体の具体的な例としては、例えば、トリオキサン重合体、ポリアルキレングリコール(例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(#200、#400、#600、#1000、#2000等)、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンオキシド、ポリ3,3−ビス(クロロメチル)ブチレンオキシド、ポリ1,3−ジオキソラン、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックポリマーなど。)、ポリアルキレングリコールモノエーテル(例えば、メチルカルビトール、カルビトール、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールベンジルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ポリエチレングリコールプロピルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールアリルエーテルなど。)、ポリアルキレングリコールジエーテル(例えば、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジステアリルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテルなど。)、ポリアルキレングリコールモノエステル(例えば、ジエチレングリコールモノプロピオネート、テトラエチレングリコールモノアセテート、トリプロピレングリコールモノ−n−ブチレート、ポリエチレングリコールモノアセテート、ポリエチレングリコールモノプロピオネート、ポリエチレングリコールラウレート、ポリエチレングリコールセバケート、ポリエチレングリコールステアレート、ポリエチレングリコールオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ジエチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、ジエチレングリコールクロトネートなど。)、ポリアルキレングリコールジエステル(例えば、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジステアレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジクロトネート、ポリエチレングリコールジアセテート、ポリエチレングリコールジ−n−ブチレート、ポリエチレングリコールジウラレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジクロトネート、ポリエチレングリコールジ−2−シアノアクリレート、ポリエチレングリコールステアリル−メタクリレート、ポリエチレングリコールラウリル−アクリレートなど。)、ポリアルキレングリコールモノエーテルモノエステル(例えば、メチルカルビトール、カルビトール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラオキシエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリオキシエチレングリコールモノラウリルエーテル、ポリオキシエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル等のグリコールモノエーテル化合物のアクリレート、メタクリレート、クロトネート、又は2−シアノアクリレートなど。)、その他ビスフェノールA−ポリアルキレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−ポリアルキレンオキシド付加物、グリセリン−ポリアルキレンオキシド付加物、アジピン酸−ポリアルキレンオキシド付加物、トリメット酸−ポリアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。その他環状化合物としては例えば、18−クラウン−6−エーテル、15−クラウン−5−エーテル、12−クラウン−4−エーテル、ジチオ−15−クラウンエーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6−エーテル、 1.2−ナフト−15−クラウン−5−エーテル、 1.2−メチルベンゾ−18−クラウン−6−エーテル等が挙げられ、これらの中でもポリエチレングリコール#200、ポリエチレングリコール#400、ポリエチレングリコール#600、ポリエチレングリコール#1000、ポリエチレングリコール#2000、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルのアクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルのメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルのクロトネート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの2−シアノアクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルのアクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルのメタクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルのクロトネート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルの2−シアノアクリレート、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルのアクリレート、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルのメタクリレート、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルのクロトネート、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテルの2−シアノアクリレート、、18−クラウン−6−エーテル、15−クラウン−5−エーテル、12−クラウン−4−エーテルが好ましい。これらの添加剤は1種又は2種以上を使用してもよい。
カリックスアレン化合物としては、従来公知のカリックスアレン化合物を用いることができ、具体的には式(4)
Figure 2008308647
(式中、Rは水素原子、更に置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシル基および置換されていてもよいアルキルオキシカルボニル基であり、RはH又は置換されていてもよいアルキル基である。また、yは4,6又は8である。)
で示されるカリックスアレン化合物が挙げられる。このようなカリックスアレン化合物としては、具体的には、5,11,17,23,29,35−ヘキサ−tert−ブチル−37,38,39,40,41,42−ヘキサヒドロオキシカリックス〔6〕アレン、37,38,39,40,41,42−ヘキサヒドロオキシカリックス〔6〕アレン、或いは例えば特開昭60−179428号公報に記載されている37,38,39,40,41,42−ヘキサ−(2−エトキシ−2−オキソエトキシ)−カリックス〔6〕アレン、25,26,27,28−テトラ−(2−エトキシ−2−オキソエトキシ)−カリックス〔4〕アレン等が挙げられ、これらの中でも5,11,17,23,29,35−ヘキサ−tert−ブチル−37,38,39,40,41,42−ヘキサヒドロオキシカリックス〔6〕アレンおよび25,26,27,28−テトラ−(2−エトキシ−2−オキソエトキシ)−カリックス〔4〕アレンが好ましい。
速硬化添加剤の添加量は、2−シアノアクリレート100重量部に対して、0.05〜2重量部であり、好ましくは、0.1〜1重量部である。添加量が2重量部より多いと木粉と混合固化させた場合に充分な柔らかさが得られず、加工性が低下し、0.05重量部より少ないと2−シアノアクリレート系接着剤が本来持つ速硬化性が低下する。
本発明における(D)アニオン重合禁止剤としては、具体的には二酸化イオウ、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、ホウフッ化水素酸、トリアルキルボレート等が挙げられ、これらのうち、二酸化イオウ、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、ホウフッ化水素酸が好ましい。 なかでもホウフッ化水素酸がより好ましく、これらの化合物は目的に応じて1種又は2種以上を併用して使用することが出来る。
アニオン重合禁止剤の添加量は2−シアノアクリレート100重量部に対して0.00001〜0.01重量部であり、好ましくは、0.00005〜0.005重量部が更に好ましい範囲である。
添加量が0.00001重量部より少ないと木粉と混合固化させた場合に充分な柔らかさが得られず、加工性が低下し、0.01重量部より多いと2−シアノアクリレート系接着剤が本来持つ速硬化性が低下する。
本発明の2−シアノアクリレート系接着剤には、本発明の効果が阻害されない範囲で、エラストマー等の増粘剤を配合する事が出来る。
本発明において必要に応じて用いられるエラストマーとは、α−シアノアクリレートを溶解又は分散させることができる常温付近でゴム状弾性を有するものを意味し、具体的にはアクリル酸エステル系共重合体エラストマー、スチレン−ブタジエン共重合体系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、クロロプレン系エラストマー、カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、フッ素系エラストマー、ポリイソプレン系エラストマー、エピクロルヒドリン系エラストマー、エチレン−プロピレン共重合体系エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エラストマー等から選択されるものが挙げられ、これらは1種又は2種以上を併用してもよい。
特にアクリル酸エステル系共重合体エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマーは好ましく用いられる。アクリル酸エステル系共重合体エラストマーは一般にはアクリルゴムとよばれるものであり、具体的には、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸、アクリロニトリル、或いはエチレン等からなる二元、三元乃至はそれ以上の共重合体であり、これらは、ノックスタイト A,PA (日本オイルシール)、ニポール AR (日本ゼオン)、ベイマック(Vamac)( デュポン社)、レオコート R(東レコーテックス)、パラクロン BX (新中村化学)、シアナクリル(Cyanacryl R,L,C)(アメリカンシアナミッド社) 、ハイカー(Hycar)(B.F.グードリッチ社) 、トーアクロン AR,SA(東亜ペイント)等の商品名で市販されているものを、通常、未加硫或いは未架橋の状態でそのまま使用される。また、市販されているポリエステル系エラストマーとしては、エリーテルUE3400(ユニチカ社製)、バイロン(東洋紡)、ケミット(東レ)等が挙げられ、市販されているウレタン系エラストマーとしては、デスモコール( 住友バイエルウレタン社製ウレタン系エラストマー) 等が挙げられる。
また、本発明の2−シアノアクリレート系接着剤組成物には、従来、2−シアノアクリレート系接着剤に添加して用いられている安定剤(例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、カテコール、ピロガロール等のラジカル重合禁止剤等)、可塑剤(フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソデシル等)、着色剤、香料、溶剤、強度向上剤、脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸等、目的に応じ、2−シアノアクリレートモノマーの安定性を阻害しない範囲で適宜、添加配合して使用することができる。
(実施例)
以下、実施例により本発明をさらに詳しく述べる。
<試験方法>
(木粉硬化速度)
φ31.0mmのポリエチレン製の皿に杉木粉を1g測り取り、その上に2−シアノアクリレート系接着剤を0.1g滴下後、硬化が終了するまでの時間を計測した。
(粘度)
JIS K−6833「接着剤の一般試験方法」に準ずる方法によりB型回転粘度計(東機産業製)にて測定した。 なお、表中で初期粘度とは、接着剤組成物配合直後に測定した値であることを、また保存後粘度とは、接着剤組成物を70℃で7日間保存後に測定した値であることを示す。
(接着性)
JIS G−3141準拠の鋼試験片(エンジニアリングテストサービス製)、及びメープル試験片(エンジニアリングテストサービス製)を12.5×25mmの接着面積で接着した後、常温で24時間保管後、剪断方向に引張試験を実施した。
(木粉混合硬化樹脂の作成法および切削性)
φ31.0mmのポリエチレン製の皿に100メッシュスルーの胡桃粉又は杉木粉を0.5g測り取り、その上に2−シアノアクリレート系接着剤を0.5g滴下後、常温で24時間保管する。ポリエチレン製の皿上より木粉混合硬化樹脂を取り出し、1日後、1週間後に工作用のはさみ(420−J2ステンレス鋼製)で切削した。以下、次項に示す基準で評価を行なった。
(切削性判定基準)
割れなくスムーズにカットできた物を◎、割れは無くとも、硬さを感じた物は○、切削時に若干のヒビが入った物を△、切削時にヒビが大きく入った物を×とし、それぞれ表−1に記載した。
(A)エチル−2−シアノアクリレート100重量部に対し、(B)サリチル酸0.1重量部、(C)NkエステルM90G0.4重量部および(D)ホウフッ化水素酸0.001重量部のホウフッ化水素酸を添加して接着剤組成物1を調製した。この2−シアノアクリレート系接着剤組成物1について、木粉硬化速度、粘度、接着性、切削性の各試験を実施し、その結果を表1に記載した。
実施例1において、(A)エチル−2−シアノアクリレート100重量部に対し、(B)サリチル酸0.1重量部を添加する代わりに、(B)サリチル酸0.3重量部を添加する以外は実施例1と同様にして、2−シアノアクリレート系接着剤組成物2を調製した。この2−シアノアクリレート系接着剤組成物2について、木粉硬化速度、粘度、接着性、切削性の各試験を実施し、その結果を表1に記載した。
実施例1において、(A)エチル−2−シアノアクリレート100重量部に対し、(D)ホウフッ化水素酸0.001重量部を添加する代わりに、(D)ホウフッ化水素酸0.005重量部を添加する以外は実施例1と同様にして、2−シアノアクリレート系接着剤組成物3を調製した。この2−シアノアクリレート系接着剤組成物3について、木粉硬化速度、粘度、接着性、切削性の各試験を実施し、その結果を表1に記載した。
実施例1において、(A)エチル−2−シアノアクリレート100重量部に対し、(B)サリチル酸0.1重量を添加する代わりに、(B)アセチルサリチル酸0.5重量部を添加する以外は実施例1と同様にして、2−シアノアクリレート系接着剤組成物4を調製した。この2−シアノアクリレート系接着剤組成物4について、木粉硬化速度、粘度、接着性、切削性の各試験を実施し、その結果を表2に記載した
実施例1において、(A)エチル−2−シアノアクリレート100重量部に対し、(B)サリチル酸0.1重量部と(C)NkエステルM90G0.4重量部を添加する代わりに、(B)サリチル酸0.3重量部と(C)12−クラウン−4−エーテル0.5重量部を添加する以外は実施例1と同様にして、2−シアノアクリレート系接着剤組成物5を調製した。この2−シアノアクリレート系接着剤組成物5について、木粉硬化速度、粘度、接着性、切削性の各試験を実施し、その結果を表2に記載した
実施例1において、(A)エチル−2−シアノアクリレート100重量部に対し、(B)サリチル酸0.1重量部と(C)NkエステルM90G0.4重量部を添加する代わりに、(B)サリチル酸0.3重量部と(C)12−クラウン−4−エーテル0.5重量部およびレオコートR1020 1重量部を添加する以外は実施例1と同様にして、2−シアノアクリレート系接着剤組成物6を調製した。この2−シアノアクリレート系接着剤組成物6について、木粉硬化速度、粘度、接着性、切削性の各試験を実施し、その結果を表2に記載した。
(比較例1)
実施例1において、(A)エチル−2−シアノアクリレート100重量部に対し、サリチル酸0.1重量部を添加しない以外は実施例1と同様にして、2−シアノアクリレート系接着剤組成物7を調製した。この2−シアノアクリレート系接着剤組成物7について、木粉硬化速度、粘度、接着性、切削性の各試験を実施し、その結果を表3に記載した。
(比較例2)
実施例1において、(A)エチル−2−シアノアクリレート100重量部に対し、(B)サリチル酸0.1重量部と(C)NkエステルM90G0.4重量部を添加する代わりに、(C)12−クラウン−4−エーテル0.5重量部とアセチルクエン酸トリブチル(ATBC)20重量部とを添加する以外は、実施例1と同様にして、2−シアノアクリレート系接着剤組成物8を調製した。この2−シアノアクリレート系接着剤組成物8について、木粉硬化速度、粘度、接着性、切削性の各試験を実施し、その結果を表3に記載した。


Figure 2008308647
SA:サリチル酸 ASA:アセチルサルチル酸
M90G:メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート
(新中村化学工業製)

Figure 2008308647
12CRE:12−クラウン−4−エーテル(田岡化学工業製)
R1020:レオコートR1020(アクリルゴム 東レコーテックス製)



Figure 2008308647

Claims (3)

  1. (A)2−シアノアクリレート100重量部に対して(B)式(1)で示される芳香族カルボン酸類化合物0.05〜2重量部、(C)速硬化添加剤0.05〜2重量部、(D)アニオン重合禁止剤0.00001〜0.01重量部含有することを特徴とする木材補修用2−シアノアクリレート系接着剤組成物。
    Figure 2008308647
    (式中、Rは水素原子、直鎖または分岐のあるアルキル基またはアルコキシアルキル基をRは水素原子、直鎖または分岐のあるアルキル基またはアルコキシアルキル基を表し、RおよびRは同一であっても異なっていてもよい。rは、1〜3の整数を表す。)
  2. (B)式(1)で示される芳香族カルボン酸類化合物がサリチル酸及び/またはアセチルサリチル酸であることを特徴とする請求項1記載の木材補修用2−シアノアクリレート系接着剤組成物。
  3. (D)アニオン重合禁止剤がホウフッ化水素酸であることを特徴とする請求項1〜2記載の木材補修用2−シアノアクリレート系接着剤組成物。
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