JP2008308379A - ガス中の酸素除去装置及び高純度窒素ガスの製造装置 - Google Patents

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【課題】高純度の窒素ガスを製造することができる高純度窒素ガスの製造装置を提供する。
【解決手段】大気11を圧縮するコンプレッサー12と、大気11中の塵を除去するフィルター13と、圧縮空気中の窒素成分と酸素成分とを分離させる中空糸が束ねられた中空糸膜14と、中空糸膜14から分離されて窒素成分中に含まれる微量酸素を除去し、高純度の窒素ガスを製造する脱酸素装置18とを具備してなる高純度窒素ガスの製造装置であって、前記脱酸素装置18に充填される脱酸素剤が、酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス中の酸素ガスを除去するガス中の酸素除去装置、及び窒素ガス中の酸素を除去して高純度の窒素ガスを製造する高純度窒素ガスの製造装置に関するものである。
従来より、窒素ガスの製造方法および製造装置に関する技術としては、PSA方式と膜分離方式と深冷分離方式の3種類が知られている。
PSA方式は、Pressure Swing Adsorption、の略称を意味していて、圧縮空気を活性炭の一種である吸着材に通し、高圧力下で特定のガスを吸着し、低圧力下で特定のガスを吐き出す、という吸着材の特性を利用して、圧縮空気から酸素等を吸着することで窒素を分離する方式である。
膜分離方式は、圧縮空気を中空糸状の高分子膜である中空糸膜内に送り込み、圧縮空気に含まれている各ガス成分の膜への透過量の差を利用して窒素を分離する方式である。
また、深冷分離方式は、ガスを圧縮、冷却して液化させ沸点の差を利用して蒸留法によって分離する方式である。
また、圧縮空気を鉄粉に接触させることで酸化鉄とし、それによって前記圧縮空気中の酸素を減少させることで窒素ガスを残存させることを特徴とする窒素ガスの製造方法が提案されている(特許文献1)。
特開2003−119009号公報
しかしながら、鉄粉の酸素吸収機能を発揮させる場合には、水分が必要となり、従来では水分及びアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩の添加が必須であった。
このように、水分が添加されているため水蒸気が存在し、窒素ガスの高純度化の妨げになる、という問題がある。
そこで、窒素ガスを高純度化するに際して、水分等の悪影響がない酸素吸収剤の出現が切望されている。
また、窒素ガスに限らず、窒素ガス以外のガスに含まれる酸素ガスを除去する簡易なガス中の酸素除去装置の出現も切望されている。
本発明は、前記問題に鑑み、ガス中の酸素ガスを除去するガス中の酸素除去装置、及び高純度の窒素ガスを製造することができる高純度窒素ガスの製造装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、ガス中に含まれる酸素ガスを除去する脱酸素装置を有するガス中の酸素除去装置であって、前記脱酸素装置に充填される脱酸素剤が、酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤であることを特徴とするガス中の酸素除去装置にある。
第2の発明は、第1の発明において、前記酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤が、炭酸セリウムを前駆体とし、これを還元してなると共に、蛍石類似構造の超格子構造を有してなることを特徴とするガス中の酸素除去装置にある。
第3の発明は、第2の発明において、前記酸化セリウムが、CeO2-xの酸素欠陥構造を有すると共に、xが0.5以上であることを特徴とするガス中の酸素除去装置にある。
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)又はイットリウム(Y)のいずれか一種又はこれらの混合物を、前記酸化セリウム系脱酸素剤に固溶させてなることを特徴とするガス中の酸素除去装置にある。
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記酸化セリウム系脱酸素剤が着脱自在のカートリッジに充填されてなることを特徴とするガス中の酸素除去装置にある。
第6の発明は、第5のガス中の酸素除去装置に用いる酸化セリウム系脱酸素剤が充填されてなることを特徴とするガス中の酸素除去装置用カートリッジにある。
第7の発明は、窒素ガス中に含まれる酸素ガスを除去して高純度の窒素ガスを製造する脱酸素装置を有する高純度窒素ガスの製造装置であって、前記脱酸素装置に充填される脱酸素剤が、酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤であることを特徴とする高純度窒素ガスの製造装置にある。
第8の発明は、第7の発明において、前記酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤が、炭酸セリウムを前駆体とし、これを還元してなると共に、蛍石類似構造の超格子構造を有してなることを特徴とする高純度窒素ガスの製造装置にある。
第9の発明は、第8の発明において、前記酸化セリウムが、CeO2-xの酸素欠陥構造を有すると共に、xが0.5以上であることを特徴とする高純度窒素ガスの製造装置にある。
第10の発明は、第7乃至9のいずれか一つの発明において、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)又はイットリウム(Y)のいずれか一種又はこれらの混合物を、前記酸化セリウム系脱酸素剤に固溶させてなることを特徴とする高純度窒素ガスの製造装置にある。
第11の発明は、第7乃至10のいずれか一つの発明において、前記酸化セリウム系脱酸素剤が着脱自在のカートリッジに充填されてなることを特徴とする高純度窒素ガスの製造装置にある。
第12の発明は、第7乃至11のいずれか一つの発明において、大気を圧縮するコンプレッサーと、大気中の塵を除去するフィルターと、圧縮空気中の窒素成分と酸素成分とを分離させる中空糸が束ねられた中空糸膜と、中空糸膜から分離されて窒素成分中に含まれる微量酸素を除去し、高純度の窒素ガスを製造する脱酸素装置とを具備してなることを特徴とする高純度窒素ガスの製造装置にある。
第13の発明は、第11又は12の高純度窒素ガスの製造装置に用いる酸化セリウム系脱酸素剤が充填されてなることを特徴とする高純度窒素ガスの製造装置用カートリッジにある。
本発明によれば、酸素欠陥を有する酸化セリウムを用いることにより、従来の鉄粉を用いて酸素を除去する必要がなく、しかも酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤は水分吸収機能を発揮するので、窒素ガスに含有する微量な水分をさらに除去することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態及び実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態及び実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[第1の実施の形態]
図1は本実施の形態にかかる高純度窒素ガスの製造装置の概略図である。
図1に示すように、高純度窒素ガスの製造装置10は、大気11を圧縮するコンプレッサー12と、大気11中の塵を除去するフィルター13と、圧縮空気中の窒素成分と酸素成分とを分離させる中空糸が束ねられた中空糸膜14と、中空糸膜14から分離されて窒素成分中に含まれる微量酸素を除去し、高純度の窒素ガスを製造する脱酸素装置18とを具備してなる高純度窒素ガスの製造装置であって、前記脱酸素装置18に充填される脱酸素剤が、酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤を用いるようにしている。
本実施の形態では、脱酸素装置18に脱酸素剤カートリッジ19を着脱自在に装填可能としてなり、前記脱酸素剤カートリッジ19内に、酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤を充填してなるものである。
ここで、コンプレッサー12の空気タンクに貯蔵された圧縮空気は、圧縮空気配管を介して圧縮空気内の異物を除去するプレフィルターやミクロミストフィルター等のフィルター13を経由し、中空糸膜40に送り込まれるように構成されている。
尚、コンプレッサー12とフィルター13の間には、圧縮空気を乾燥させるドライヤー等の乾燥手段を配設するようにしてもよい。
また、前記プレフィルターやミクロミストフィルターを併用する場合には、前記プレフィルターでは、圧縮空気内に存在する3μ以上の大きい異物を除去する機能とし、一方のミクロミストフィルターは、圧縮空気内に存在する0.01μ以上の小さい異物を除去する機能を発揮するものとするのが望ましい。また、ミクロミストフィルターの下流に圧縮空気内の臭いを除去する能力のある活性炭フィルターを配設するようにしてもよい。
但し、フィルターの能力に関しては、記載された能力に限定される訳ではない。
一方、中空糸膜14は、ポリエステル製で何千ものストロー状の中空糸が束ねられたものより形成され、中空糸の内部に圧縮空気を通すことで、それぞれのガスが固有に持っている中空糸の膜の透過スピードの違いを利用し、空気中に最も多く含まれている窒素ガスを残存させる装置である。
この場合、圧縮空気を構成しているガスが中空糸膜14の膜を透過するスピードは、早く放出するガスと放出しにくいガスがあり、残ったガスが窒素ガスということになる。 特に、中空糸の膜がポリエステル製の場合、水蒸気が一番透過しやすく、以下水素やヘリウムが続き、更に炭酸ガスと一酸化炭素が続き、最後に酸素とアルゴンと窒素が一番透過しにくく、その中でも窒素ガスが一番透過しにくいガスということで残存することとなる。
また、温度が変化しない場合には、圧縮空気の圧力と時間、即ち流量によって、発生する窒素ガスの純度は左右される。
尚、中空糸膜14の膜を構成するものとしては、例えばポリエステルの他に、ポリオレフィンやポリプロピレン等の樹脂も考えられる。
ここで、圧縮空気が中空糸膜14を通過することによって残存した窒素ガスは、窒素ガス配管を経由した後に分岐部15に到達するように構成されている。
更に、この分岐部15からは、二つの配管系統が構成されており、その一つの配管系統は、窒素ガス第一分岐管L1と第1開閉弁16を構成している。
また、別の配管系統としては、窒素ガス第二分岐管L2が構成されており、この第二分岐管L2には、第2開閉弁17、脱酸素装置18及び酸素濃度計20が順に介装されている。
ここで、第1及び第2開閉弁16、17の目的は、これらを開閉することによって、二つの配管系統L1、L2のうちの何れかを選択出来るように配設したものである。
一方、窒素ガス第二分岐管L2に介装した脱酸素装置18は、圧縮空気が中空糸膜14を通過することで残存した窒素ガスに含まれている少量の酸素を除去する目的で配設したものである。
この場合、脱酸素装置18には、酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤が充填されている。
本発明による、窒素ガスの製造方法および製造装置は前述したように構成されており、以下に、その動作について説明する。
先ず、コンプレッサー12を作動させることで、大気11を取り込み圧縮空気を作り出している。ここで、作り出された圧縮空気は、例えばプレフィルター及びミクロミストフィルターからなるフィルター13を経由して異物が除去され、中空糸膜14に送り込まれる。
一方、中空糸膜14では、圧縮空気に含まれている酸素を中心に、水蒸気や水素やヘリウムや炭酸ガスや一酸化炭素やアルゴン等を取り除いて、窒素ガスを残留させ送り出している。そして、酸素リッチガスという形で酸素を中心とするガスを外部に排出し、残存した窒素ガスを窒素ガス配管に送り出している。なお、この中空糸膜14を経過した後の窒素ガスの純度は、95〜99.9%位であり、僅かではあるが酸素を含んでいる。
そして、中空糸膜14より送り出された窒素ガスは、窒素ガス配管を経由して分岐部15の位置に到達する。
従って、第1開閉弁16を開放し第2開閉弁17を閉鎖すると、中空糸膜14より送り出された窒素ガスは、窒素ガス第一分岐管L1より窒素ガスとしてそのまま使用可能となっている。尚、この場合の窒素ガスは、純度が95〜99.9%位のものである。
一方、第1開閉弁16を閉鎖し第2開閉弁17を開放すると、中空糸膜14より送り出された窒素ガスは、窒素ガス第二分岐管L2より脱酸素装置18に送り込まれる。 ここで、送り込まれた窒素ガスは少量の酸素を含んでいるが、脱酸素装置18内に装填された脱酸素剤カートリッジ19内に充填された酸化セリウム系脱酸素剤と接触することで酸素が吸着除去され、それによって酸素を減少させることで送り込まれた窒素ガスの純度の向上に寄与している。
この様にして、中空糸膜14より送り出され脱酸素装置18に送り込まれた窒素ガスはより純度を高め、酸素濃度計20を経由し、高純度窒素ガス21として使用可能となる。尚、この場合の高純度窒素ガス21は、純度が99〜99.99999%位まで可能となっている。
ここで、酸素濃度計20を配設した目的は、窒素ガスの純度を見きわめるために設けたものである。 一方、脱酸素装置18の酸化の能力は時間の経過とともに劣化していく。 従って、酸素濃度計20は、脱酸素装置18を形成している酸化セリウム系脱酸素剤の交換時期を見きわめるためにも設けたものでもある。
ここで、前記酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤としては、酸化セリウムを還元処理して酸素欠陥を有するものである。また、酸化セリウムに添加される添加元素としては、前記無機酸化物のイオン半径近傍の元素を添加することが好ましいが、添加により酸素吸収量が増大するものであれば、これに限定されるものではない。
ここで、添加される元素としては、例えばマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)又はイットリウム(Y)のいずれか一種又はこれらの混合物を挙げることができ、前記酸化セリウムに固溶させることで酸化セリウム系脱酸素剤を得るようにしてもよい。
なお、前記の元素の総添加量としては、1〜20mol%とするのが好ましい。これは、1mol%未満ではその添加効果の発現量が小さいからである。
また、一般に価数変化が無い又は少ないものを酸化セリウムに添加する場合には、酸素の吸収量の増大効果は発現されないが、前記添加元素のような特定のイオン半径を有する元素であれば、20mol%程度までの添加で酸化セリウムの蛍石型の格子の膨張が抑制され、酸素欠陥が多く保持され、この結果酸素吸収量の増加を図ることができるからである。
また、酸化セリウム系脱酸素剤は、酸素吸収能力を有すると共に、水分除去機能を有するので水分除去機能を備えたものとすることができる。
ここで、酸化セリウムは、高温還元処理により結晶格子中から酸素が引き抜かれて下記式(1)のように、酸素欠陥状態(CeO2-x:xは0以上、0.5未満))となり、酸素吸収サイトを有することとなる。そして、この酸素吸収サイトが雰囲気中の酸素と下記式(2)に示すようにして反応するので脱酸素剤としての効果が発揮される。酸化セリウムは蛍石構造(Fluorite−Type)であるので、構造的に安定となり、酸素欠陥による酸素吸収サイトを安定して保持できる。また、酸素イオン導電性が高いので、内部まで酸素が出入りすることができ、酸素吸収能力が良好である。
CeO2+xH2→CeO2-x+xH2O ・・・(1)
CeO2-x+(X/2)O2→CeO2 ・・・(2)
ここで、xは0以上、0.5未満である。
また、本発明の前記酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤として、炭酸セリウムを前駆体とし、これを直接還元してなると共に、超格子構造を有する酸化セリウムからなるものを用いるようにしてもよい。
すなわち、炭酸セリウムから直接高温還元処理を施して、超格子構造を有する酸化セリウム還元粉とすることにより、従来のような炭酸セリウムから酸化セリウムを経由した後に、還元処理して結晶格子中から酸素を引抜き酸素欠陥状態(CeO2-x:xは0以上、0.5未満)とするものとは異なり、酸素の供給源は炭酸基中の酸素のみとなり、酸素欠乏状態で焼成され、酸素欠陥を非常に多く含んだ超格子構造(CeO2-x:xは0.5以上)となり、従来法の炭酸セリウムから酸化セリウムを経由して還元するものと比較して、大幅に酸素吸収能力が向上することとなる。
そして、この酸化セリウム中の酸素欠陥が雰囲気中の酸素と下記式(3)に示すようにして反応するので脱酸素剤としての効果が発揮される。超格子構造の酸化セリウムであっても蛍石類似構造であるので、構造的には安定であり、酸素欠陥を安定して保持できる。また、蛍石類似構造であるので、酸素イオン導電性が高く、結晶内部まで酸素が出入りすることができる。この結果、酸素吸収能力が従来法の酸素欠陥を有する酸化セリウムと較べて増大することとなる。
CeO2-x+(X/2)O2→CeO2 ・・・(3)
ここで、xは0.5以上である。
すなわち、通常のセリウム(Ce)の価数は4価又は3価であるため、CeO2を還元処理すると、4価のときは2個のO2-であるが、3価のときには1.5個のO2-となり、単位グラムあたりの最大酸素吸収量は計算上34mL/gとなる。
しかしながら、炭酸セリウムを直接還元処理した酸化セリウム(以下「直接還元酸化セリウム」ともいう)は、酸素欠陥が長周期的に配列した超格子構造をとり安定構造となり、且つそこから更に酸素欠陥が生成するので、通常の酸化セリウム型よりも酸素吸収量が多くなり、計算量の34mL/g以上の酸素吸収量を示すこととなる。それに伴い、酸化セリウムの価数は異常原子価の状態となるので、一部2価以下になっている。
前記高純度窒素ガスの製造装置10に用いる高純度窒素ガスの製造装置用カートリッジは、不活性雰囲気下において酸化セリウム系脱酸素剤をカートリッジ本体内に充填することで得られる。
また、前記二酸化炭素で被覆することによりカートリッジの形態以外の形態でも脱酸素装置内に組み込むようにしてもよい。
本発明によれば、従来のように鉄粉系脱酸素剤では、水分、塩化ナトリウム等の触媒が必須であったが、酸化セリウム系脱酸素剤を用いることで、触媒の添加が不要となり、高純度窒素中に微量の水分が含有されることを回避することができる。この結果、例えば半導体製造に用いる場合においても、その微量な水分による悪影響を回避することができる。
また、本発明に用いる脱酸素剤である酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤は、水分除去機能も発揮するので、中空糸膜14を通過した窒素ガス中に含まれる極微量な水分もさらに除去することができ、高純度でしかも水分が完全に除去された99.99%以上の窒素ガスを提供することができる。
本発明の高純度窒素ガスの製造装置は、図1に示すような高純度窒素ガスの製造装置に限定されるものではなく、空気中の窒素成分と酸素成分とを分離し、その後分離した窒素成分中の微量に存在する酸素を、酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤で除去するようにすることができるものであればいずれの装置構成であってもよい。また、窒素ボンベに充填された窒素ガス中に残留する微量の酸素成分を本発明の高純度窒素ガスの製造装置で除去するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、窒素ガス中に含まれる酸素ガスの除去を行うようにしているが、本発明では窒素ガスに限定されず、図1の装置構成を、窒素ガス以外のガス中に存在する酸素ガスを除去するガス中の酸素除去装置に適用するようにしてもよい。
以上のように、本発明に係る高純度窒素ガスの製造装置は、高純度の窒素ガスを製造することができるので、例えば半導体製造用の純度の高い窒素が要求される高純度窒素ガスの製造に適している。
本実施の形態にかかる高純度窒素ガスの製造装置の概略図である。
符号の説明
10 高純度窒素ガスの製造装置
11 大気
12 コンプレッサー
13 フィルター
14 中空糸膜
15 分岐部
18 脱酸素装置
19 脱酸素剤カートリッジ

Claims (13)

  1. ガス中に含まれる酸素ガスを除去する脱酸素装置を有するガス中の酸素除去装置であって、
    前記脱酸素装置に充填される脱酸素剤が、酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤であることを特徴とするガス中の酸素除去装置。
  2. 請求項1において、
    前記酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤が、炭酸セリウムを前駆体とし、これを還元してなると共に、蛍石類似構造の超格子構造を有してなることを特徴とするガス中の酸素除去装置。
  3. 請求項2において、
    前記酸化セリウムが、CeO2-xの酸素欠陥構造を有すると共に、xが0.5以上であることを特徴とするガス中の酸素除去装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)又はイットリウム(Y)のいずれか一種又はこれらの混合物を、前記酸化セリウム系脱酸素剤に固溶させてなることを特徴とするガス中の酸素除去装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
    前記酸化セリウム系脱酸素剤が着脱自在のカートリッジに充填されてなることを特徴とするガス中の酸素除去装置。
  6. 請求項5のガス中の酸素除去装置に用いる酸化セリウム系脱酸素剤が充填されてなることを特徴とするガス中の酸素除去装置用カートリッジ。
  7. 窒素ガス中に含まれる酸素ガスを除去して高純度の窒素ガスを製造する脱酸素装置を有する高純度窒素ガスの製造装置であって、
    前記脱酸素装置に充填される脱酸素剤が、酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤であることを特徴とする高純度窒素ガスの製造装置。
  8. 請求項7において、
    前記酸素欠陥を有する酸化セリウム系脱酸素剤が、炭酸セリウムを前駆体とし、これを還元してなると共に、蛍石類似構造の超格子構造を有してなることを特徴とする高純度窒素ガスの製造装置。
  9. 請求項8において、
    前記酸化セリウムが、CeO2-xの酸素欠陥構造を有すると共に、xが0.5以上であることを特徴とする高純度窒素ガスの製造装置。
  10. 請求項7乃至9のいずれか一つにおいて、
    マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)又はイットリウム(Y)のいずれか一種又はこれらの混合物を、前記酸化セリウム系脱酸素剤に固溶させてなることを特徴とする高純度窒素ガスの製造装置。
  11. 請求項7乃至10のいずれか一つにおいて、
    前記酸化セリウム系脱酸素剤が着脱自在のカートリッジに充填されてなることを特徴とする高純度窒素ガスの製造装置。
  12. 請求項7乃至11のいずれか一つにおいて、
    大気を圧縮するコンプレッサーと、
    大気中の塵を除去するフィルターと、
    圧縮空気中の窒素成分と酸素成分とを分離させる中空糸が束ねられた中空糸膜と、
    中空糸膜から分離されて窒素成分中に含まれる微量酸素を除去し、高純度の窒素ガスを製造する脱酸素装置とを具備してなることを特徴とする高純度窒素ガスの製造装置。
  13. 請求項11又は12の高純度窒素ガスの製造装置に用いる酸化セリウム系脱酸素剤が充填されてなることを特徴とする高純度窒素ガスの製造装置用カートリッジ。
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