JP2008306197A - 窒化物系半導体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】オーミック電極と窒化物系半導体層とのオーミック特性が熱により劣化するのを抑制することが可能な窒化物系半導体素子を提供する。
【解決手段】この窒化物系半導体素子(窒化物系半導体レーザ素子)は、p側オーミック電極6に、約1nmの厚みを有するとともにp型コンタクト層5の主表面に接触して形成されるSi層6aと、Si層6a上に形成される約20nmの厚みを有するPd層6bとを含むとともに、n側オーミック電極9に、約1nmの厚みを有するとともにn型GaN基板1の下面に接触して形成されるSi層9aと、Si層9aの下面上に形成される約6nmの厚みを有するAl層9bと、Al層9bの下面上に形成される約30nmの厚みを有するPd層9cとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物系半導体素子に関し、特に、窒化物系半導体層上に形成されるオーミック電極を備えた窒化物系半導体素子に関する。
従来、窒化物系半導体層上に形成されるオーミック電極を備えた窒化物系半導体素子が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、n型の窒化物系半導体層上にオーミック電極を形成した後、約500℃〜約700℃でアニールすることにより、オーミック電極が窒化物系半導体層と良好にオーミック接触される技術が開示されている。
また、従来、InGaN層およびAlGaN層などの窒化物系半導体層の主表面に接触するようにAlを主成分とする層やTi層などを形成したオーミック電極を備えた窒化物系半導体素子が知られている。この窒化物系半導体素子では、ウェハプロセスにより製造された状態では、オーミック電極と窒化物系半導体層とのオーミック特性が良好である一方、組立工程において半田付けなどの際に約250℃〜約350℃の熱が加わると、オーミック特性が劣化する。このようにオーミック電極と窒化物系半導体層とのオーミック特性が劣化すると、ダイオード特性の順方向電圧(Vf)が上昇するので、消費電力が増加するという不都合がある。このため、従来では、上記特許文献1と同様、オーミック電極を形成した後、約500℃〜約700℃の高温でアニールすることにより、オーミック電極を窒化物系半導体層と良好にオーミック接触させていた。
特開平9−69623号公報
このように、従来の窒化物系半導体素子では、オーミック電極を形成した後、高温でアニールしない場合には、オーミック電極と窒化物系半導体層とのオーミック特性が、組立時の熱により劣化する場合があるという問題点があった。
また、上記特許文献1に開示された窒化物系半導体素子では、上記従来の窒化物系半導体素子と同様、n型の窒化物系半導体層上にオーミック電極を形成した後、約500℃〜約700℃の高温でアニールしない場合には、オーミック電極と窒化物系半導体層とのオーミック特性が、組立時の熱により劣化する場合があるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、オーミック電極と窒化物系半導体層とのオーミック特性が熱により劣化するのを抑制することが可能な窒化物系半導体素子を提供することである。
上記目的を達成するために、本願発明者が鋭意検討した結果、窒化物系半導体層上に形成されるオーミック電極を、シリコン層を含むように構成することにより、オーミック電極と窒化物系半導体層とのオーミック特性が熱により劣化するのを抑制することが可能であることを見出した。
すなわち、この発明の第1の局面による窒化物系半導体素子は、主表面を有する窒化物系半導体層と、窒化物系半導体層の主表面上に形成されるオーミック電極とを備え、オーミック電極は、窒化物系半導体層の主表面に接触して形成されるシリコン層と、シリコン層上に形成される第1金属層とを含む。
この第1の局面による窒化物系半導体素子では、上記のように、オーミック電極を、窒化物系半導体層の主表面に接触して形成されるシリコン層と、シリコン層上に形成される第1金属層とを含むように構成することによって、窒化物系半導体層の主表面に接触するシリコン層の作用により、オーミック電極の形成後の組立工程において、たとえば、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、オーミック特性が劣化しにくくなるので、熱によりオーミック電極と窒化物系半導体層とのオーミック特性が劣化するのを抑制することができる。この点は、後述する実験により確認済みである。このシリコン層の作用としては、以下の点が考えられる。バンドギャップの大きい窒化物系半導体層(たとえば、バンドギャップ:約3.5eV)の主表面に直接第1金属層を形成する場合と異なり、バンドギャップの小さいシリコン層(たとえば、バンドギャップ:約1.1eV)を介して第1金属層を形成することにより、オーミック電極を窒化物系半導体層により良好にオーミック接触させることができるとともに、組立工程において、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも上記良好なオーミック接触の状態を維持することができると考えられる。
上記第1の局面による窒化物系半導体素子において、好ましくは、前記第1金属層は、前記窒化物系半導体層とオーミック接触することが可能な金属を含む。
上記第1の局面による窒化物系半導体素子において、好ましくは、オーミック電極は、p型の窒化物系半導体層上に形成され、第1金属層は、PdおよびPtの少なくとも一方を含む。このように構成すれば、オーミック接触が得られにくいp型の窒化物系半導体層においても、PdおよびPtの少なくとも一方を含む第1金属層をシリコン層を介してp型の窒化物系半導体層上に形成することにより、容易に、オーミック電極とp型の窒化物系半導体層とのより良好なオーミック接触を得ることができ、かつ、組立工程において約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、その良好なオーミック接触の状態を維持することができる。
上記第1の局面による窒化物系半導体素子において、オーミック電極は、n型の窒化物系半導体層上に形成され、オーミック電極は、シリコン層と第1金属層との間に配置されるAl層をさらに含んでいてもよい。このように構成すれば、n型の窒化物系半導体層上にオーミック電極を形成する場合に、容易に、オーミック電極とn型の窒化物系半導体層とのより良好なオーミック接触を得ることができ、かつ、組立工程において約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、その良好なオーミック接触の状態を維持することができる。
上記第1の局面による窒化物系半導体素子において、好ましくは、前記オーミック電極は、n型の前記窒化物系半導体層上に形成されており、前記シリコン層と前記第1金属層との間に、Pd層及びPt層のいずれか一方を少なくとも含む。
上記第1の局面による窒化物系半導体素子において、好ましくは、シリコン層はアモルファスシリコンからなる。このような構成にすれば、アモルファスシリコンが多くの欠陥を含んでいるため、窒化物系半導体層とオーミック電極との間が、アモルファスシリコンに含まれる欠陥によって導通状態となる。これによって、窒化物系半導体素子を有する窒化物半導体電子デバイスの組み立て工程で生じる熱の影響よって、オーミック電極の特性が劣化することを抑制できると考えられる。
上記第1の局面による窒化物系半導体素子において、好ましくは、オーミック電極上に形成される第2金属層をさらに備える。このように構成すれば、容易に、オーミック電極を、第2金属層を介して外部と電気的に接続することができる。
上記第1の局面による窒化物系半導体素子において、好ましくは、シリコン層は、0.5nm以上30nm以下の厚みを有する。シリコン層をこのような厚みに設定すれば、容易に、オーミック電極と窒化物系半導体層とをより良好にオーミック接触させることができ、かつ、組立工程において約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、その良好なオーミック接触の状態を維持することができることを実験により確認済みである。
この発明の第2の局面による窒化物系半導体素子は、p型の窒化物系半導体層と、p型の窒化物系半導体層上に形成されるオーミック電極とを備え、オーミック電極は、p型の窒化物系半導体層上に形成されるシリコン層と、シリコン層上に形成される第1金属層とを含む。
この第2の局面による窒化物系半導体素子では、上記のように、オーミック電極を、p型の窒化物系半導体層上に形成されるシリコン層と、シリコン層上に形成される第1金属層とを含むように構成することによって、p型の窒化物系半導体層上に形成されるシリコン層の作用により、オーミック接触が得られにくいp型の窒化物系半導体層においても、オーミック電極とp型の窒化物系半導体層との良好なオーミック接触を得ることができるとともに、オーミック電極の形成後の組立工程において、たとえば、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、オーミック特性が劣化しにくくなるので、熱によりオーミック電極とp型の窒化物系半導体層とのオーミック特性が劣化するのを抑制することができる。この点は、後述する実験により確認済みである。このシリコン層の作用としては、以下の点が考えられる。バンドギャップの大きい窒化物系半導体層(たとえば、バンドギャップ:約3.5eV)の主表面に直接第1金属層を形成する場合と異なり、バンドギャップの小さいシリコン層(たとえば、バンドギャップ:約1.1eV)を介して第1金属層を形成することにより、オーミック電極をp型の窒化物系半導体層により良好にオーミック接触させることができるとともに、組立工程において、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも上記良好なオーミック接触の状態を維持することができると考えられる。
上記第2の局面による窒化物系半導体素子において、好ましくは、p型の窒化物系半導体層と、シリコン層との間には、p型の窒化物系半導体層にオーミック接触することが可能なオーミック金属層が設けられている。このようにp型の窒化物系半導体層上にオーミック金属層を介してシリコン層を形成し、かつ、そのシリコン層上に第1金属層を形成する場合にも、シリコン層の作用により、オーミック金属層、シリコン層および第1金属層を含むオーミック電極と、p型の窒化物系半導体層とのより良好なオーミック接触を得ることができ、かつ、組立工程において約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、その良好なオーミック接触の状態を維持することができる。
この発明の第3の局面による窒化物系半導体素子は、n型の窒化物系半導体層と、前記n型の窒化物系半導体層上に形成されるオーミック電極とを備え、前記オーミック電極は、前記n型の窒化物系半導体層上に形成されるシリコン層と、前記シリコン層上に形成される第1金属層とを含み、前記第1金属層は、前記n型の窒化物系半導体層にオーミック接触することが可能な材料を含んでおり、前記オーミック電極は、前記シリコン層と前記第1金属層との間に、Pd層及びPt層のいずれか一方を少なくとも含む。
この第3の局面による窒化物系半導体素子では、n型の窒化物系半導体層と第1金属層との間に、シリコン層及びPd層又はシリコン層及びPt層が形成されているため、窒化物系半導体素子を有する窒化物系半導体電子デバイスの組み立て工程で生じる熱の影響によって、オーミック電極の特性が劣化することを抑制できる。
ここで、Pd層及びPt層は、p型窒化物系半導体層に対してはオーミック接触するが、n型窒化物系半導体層に対してはショットキー接合を形成する材料である。本局面による窒化物系半導体素子では、n型の窒化物系半導体層のオーミック電極としては通常用いることがないPd層又はPt層をオーミック電極に含めることによって、オーミック電極の特性劣化の抑制を図ったものである。
上記第3の局面による窒化物系半導体素子において、好ましくは、前記シリコン層は、アモルファスシリコンからなる。このように構成すれば、アモルファスシリコンが多くの欠陥を含んでいるため、n型の窒化物系半導体層とPd層(又は、Pt層)との間が、アモルファスシリコンに含まれる欠陥によって導通状態となる。これによって、窒化物系半導体素子を有する窒化物系半導体電子デバイスの組み立て工程で300℃〜400℃程度の熱処理が加えられても、第1金属層とPd層(又は、Pt層)との間で多少の反応が起きるだけで、n型の窒化物系半導体層と第1金属層とのオーミック接触が保持されると考えられる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(窒化物系半導体素子)の構造を示した断面図である。図2〜図4は、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造を詳細に説明するための図である。図1〜図4を参照して、まず、第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造について説明する。
第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、図1に示すように、n型GaN基板1の主表面上に、約400nmの厚みを有するAlGa1−xN(x=0.07)からなるn型クラッド層2が形成されている。なお、n型GaN基板1は、本発明の「n型の窒化物系半導体層」の一例である。n型クラッド層2上には、MQW構造(多重量子井戸構造)の活性層3が形成されている。この活性層3は、図2に示すように、約3nmの厚みを有するInGa1−xN(x=0.15)からなる複数の井戸層3aと、約20nmの厚みを有するInGa1−xN(x=0.02)からなる複数の障壁層3bとが交互に積層されたMQW構造を有する。また、活性層3上には、図1に示すように、約400nmの厚みを有する凸部と、平坦部とを含むとともに、MgがドープされたAlGa1−xN(x=0.07)からなるp型クラッド層4が形成されている。
また、p型クラッド層4の凸部上には、約10nmの厚みを有するとともに、MgがドープされたInGa1−xN(x=0.02)からなるp型コンタクト層5が形成されている。p型クラッド層4の凸部とp型コンタクト層5とにより、電流通路となるリッジ部が構成されている。なお、p型コンタクト層5は、本発明の「p型の窒化物系半導体層」の一例である。また、p型コンタクト層5上には、p側オーミック電極6が形成されている。なお、p側オーミック電極6は、本発明の「オーミック電極」の一例である。
ここで、第1実施形態では、p側オーミック電極6は、図3に示すように、約1nmの厚みを有するとともに、p型コンタクト層5の表面に接触して形成されるアモルファスシリコンからなるSi(シリコン)層6aと、約20nmの厚みを有するPd層6bとによって構成されている。なお、Pd層6bは、本発明の「第1金属層」の一例である。
また、図1に示すように、リッジ部およびp側オーミック電極6の側面を覆うように、SiOからなる電流ブロック層7が形成されている。
また、第1実施形態では、p側オーミック電極6および電流ブロック層7上の所定領域には、p側オーミック電極6の上面に接触するように、パッド電極8が形成されている。なお、パッド電極8は、本発明の「第2金属層」の一例である。このパッド電極8は、p側オーミック電極6側から順に、約100nmの厚みを有するTi層(図示せず)、約150nmの厚みを有するPd層(図示せず)および約300nmの厚みを有するAu層(図示せず)によって構成されている。
また、n型GaN基板1の裏面(下面)上の所定領域には、n側オーミック電極9が形成されている。なお、n側オーミック電極9は、本発明の「オーミック電極」の一例である。
また、第1実施形態では、n側オーミック電極9は、図4に示すように、n型GaN基板1側から順に、約1nmの厚みを有するとともに、n型GaN基板1の下面に接触して形成されるアモルファスシリコンからなるSi層9a、約6nmの厚みを有するAl層9bおよび約30nmの厚みを有するPd層9cによって構成されている。なお、Al層9bおよびPd層9cは、本発明の「第1金属層」の一例である。また、第1実施形態では、n側オーミック電極9の下面上には、図1に示すように、約300nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極10が形成されている。なお、パッド電極10は、本発明の「第2金属層」の一例である。
次に、第1実施形態の窒化物系半導体レーザ素子について、約20mAの順方向電流を流した場合の順方向電圧を測定した結果について説明する。なお、比較例として、p側オーミック電極にSi層を設けることなくPd層のみを設けるとともに、n側オーミック電極にSi層を設けることなくAl層およびPd層のみを設けた従来の窒化物系半導体レーザ素子についても順方向電圧を測定した。その結果、第1実施形態の窒化物系半導体レーザ素子では、ウェハプロセス後は、4.4Vの順方向電圧であるとともに、組立工程後は、4.2Vの順方向電圧であった。これに対して、従来の窒化物系半導体レーザ素子では、ウェハプロセス後は、上記第1実施形態と同等の4.4Vの順方向電圧であるとともに、組立工程後は、7.5Vの順方向電圧であった。すなわち、従来の窒化物系半導体レーザ素子では、組立工程後に順方向電圧が上昇するのに対して、第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、順方向電圧が改善する結果となった。この結果から、p側オーミック電極6を、約1nmの厚みを有するとともに、p型コンタクト層5に接触するように形成されるSi層6aを含むように構成するとともに、n側オーミック電極9を、約1nmの厚みを有するとともに、n型GaN基板1に接触して形成されるSi層9aを含むように構成することによって、p側オーミック電極6とp型コンタクト層5とのオーミック特性と、n側オーミック電極9とn型GaN基板1とのオーミック特性とが、p側オーミック電極6およびn側オーミック電極9の形成後の組立時の半田付けの際に加わる約250℃〜約350℃の熱により劣化するのを抑制することができることが確認できた。
第1実施形態では、上記のように、p側オーミック電極6を、約1nmの厚みを有するとともにp型コンタクト層5の主表面に接触して形成されるSi層6aと、Si層6a上に形成される約20nmの厚みを有するPd層6bとを含むように構成するとともに、n側オーミック電極9を、約1nmの厚みを有するとともにn型GaN基板1の下面に接触して形成されるSi層9aと、Si層9aの下面上に形成される約6nmの厚みを有するAl層9bと、Al層9bの下面上に形成される約30nmの厚みを有するPd層9cとを含むように構成することによって、p型コンタクト層5およびn型GaN基板1の主表面にそれぞれ接触するSi層6aおよび9aの作用により、p側オーミック電極6およびn側オーミック電極9の形成後の組立時の半田付けの際に、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、オーミック特性が劣化しにくくなる。これにより、熱によりp側オーミック電極6とp型コンタクト層5とのオーミック特性と、n側オーミック電極9とn型GaN基板1とのオーミック特性とが劣化するのを抑制することができる。この点は、後述する実験により確認済みである。このSi層6aおよび9aの作用としては、以下の点が考えられる。バンドギャップの大きいp型コンタクト層5およびn型GaN基板1(バンドギャップ:約3.5eV)の主表面に直接Pd層6bおよびAl層9bをそれぞれ形成する場合と異なり、バンドギャップの小さいSi層6aおよび9a(バンドギャップ:約1.1eV)をそれぞれ介してPd層6bおよびAl層9bを形成することにより、p側オーミック電極6およびn側オーミック電極9をp型コンタクト層5およびn型GaN基板1それぞれに、より良好にオーミック接触させることができるとともに、組立時の半田付けの際に、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも上記良好なオーミック接触の状態を維持することができると考えられる。
また、第1実施形態では、Si層6aおよび9aを、アモルファスシリコンとして形成することによって、アモルファスシリコンからなるSi層6aおよび9aでは、内部に多くの欠陥(図示せず)を有するので、その多くの欠陥(図示せず)を介して電子を通過させることができる。これにより、Pd層6bとp型コンタクト層5との間と、Al層9bとn型GaN基板1との間とをSi層6aおよび9aをそれぞれ介して電子が通過しやすくすることができるので、容易に、p側オーミック電極6およびn側オーミック電極9をp型コンタクト層5およびn型GaN基板1にそれぞれオーミック接触させることができる。
図5〜図8は、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図1〜図8を参照して、第1実施形態による窒化物系半導体素子の製造プロセスについて説明する。
まず、図5に示すように、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、n型GaN基板1の主表面上に、約400nmの厚みを有するAlGa1−xN(x=0.07)からなるn型クラッド層2と、MQW構造の活性層3と、約400nmの厚みを有するとともに、MgがドープされたAlGa1−xN(x=0.07)からなるp型クラッド層4と、約10nmの厚みを有するとともに、MgがドープされたInGa1−xN(x=0.02)からなるp型コンタクト層5とを順次成長させる。なお、活性層3を成長させる際には、約3nmの厚みを有するInGa1−xN(x=0.15)からなる複数の井戸層3a(図2参照)と、約20nmの厚みを有するInGa1−xN(x=0.02)からなる複数の障壁層3b(図2参照)とを交互に成長させる。この後、電子ビーム蒸着法を用いて、p型コンタクト層5上に、p側オーミック電極6および約300nmの厚みを有するSiO層11を形成する。なお、第1実施形態では、p側オーミック電極6を形成する場合には、約1nmの厚みを有するSi層6a(図3参照)および約20nmの厚みを有するPd層6b(図3参照)を順次形成する。この際、Si層6aは、電子ビーム蒸着法により形成されるので、アモルファスシリコンとして形成される。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、SiO層11上の所定領域に、レジスト12を形成する。
次に、図6に示すように、レジスト12をマスクとして、RIE(Reactive Ion Etching)法を用いて、SiO層11の上面からp型クラッド層4の途中の深さまでの所定領域を除去することにより、p型クラッド層4の表面の一部を露出させる。これにより、p型クラッド層4に平坦部と凸部とが形成されるとともに、p型クラッド層4の凸部とその凸部上のp型コンタクト層5とからなるリッジ部が形成される。この場合、SiO層11およびp側オーミック電極6は、CFガスによるRIE法を用いて除去するとともに、p型コンタクト層5およびp型クラッド層4は、ClガスによるRIE法を用いて除去する。この後、レジスト除去液を用いた工程およびバッファードHFを用いた工程を経て、レジスト12とSiO層11とを除去する。
次に、図7に示すように、プラズマCVD法を用いて、全面を覆うように、約300nmの厚みを有するSiOからなる電流ブロック層7を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術を用いて、p側オーミック電極6上に位置する電流ブロック層7上の部分に開口部13aを有するレジスト13を形成する。この場合、レジスト13の開口部13aは、上方に向かって開口幅が徐々に大きくなる傾斜形状を有するように形成される。そして、レジスト13をマスクとして、CFガスによるRIE法を用いて、レジスト13の開口部13aの部分の電流ブロック層7をエッチングする。この際、レジスト13の開口部13aの開口幅は、図7の矢印で示すように、エッチングの進行に伴って少しずつ大きくなる。これにより、電流ブロック層7の上面は、平坦化される。この後、レジスト13が除去されて、図8に示す状態になる。
この後、第1実施形態では、図1に示したように、電子ビーム蒸着法を用いて、p側オーミック電極6の上面および電流ブロック層7の所定領域上に、p側オーミック電極6側から順に、約100nmの厚みを有するTi層(図示せず)、約150nmの厚みを有するPd層(図示せず)および約300nmの厚みを有するAu層(図示せず)を堆積してパッド電極8を形成する。その後、研磨およびエッチング技術を用いて、n型GaN基板1を約100nmの厚みを有するように形成する。
その後、第1実施形態では、電子ビーム蒸着法を用いて、n型GaN基板1の下面(裏面)上の所定領域に、n型GaN基板1側から順に、約1nmの厚みを有するSi層9a(図4参照)、約6nmの厚みを有するAl層9b(図4参照)および約30nmの厚みを有するPd層9c(図4参照)を堆積してn側オーミック電極9を形成する。この際、Si層9aは、電子ビーム蒸着法により形成されるので、アモルファスシリコンとして形成される。そして、電子ビーム蒸着法を用いて、n側オーミック電極9の下面上に、約300nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極10を形成する。
図9〜図24は、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。次に、図9〜図24を参照して、上記第1実施形態の窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験について説明する。この実験では、p側オーミック電極およびn側オーミック電極それぞれのオーミック特性を測定するための試料(図9参照)を作製して評価を行った。この試料の作製方法としては、まず、図9に示すように、MOCVD法を用いて、n型GaN基板21上に約3nmの厚みを有するp型InGaN層22を形成した。そして、真空蒸着法により、p型InGaN層22上に所定の間隔を隔てて2つのp側オーミック電極23を形成した。そして、真空蒸着法により、n型GaN基板21の下面上に所定の間隔を隔てて2つのn側オーミック電極24を形成した。
まず、図9〜図21を参照して、上記第1実施形態の窒化物系半導体レーザ素子のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験について説明する。この実験では、p側オーミック電極23を、p型InGaN層22に接触するSi層とそのSi層上の約20nmの厚みを有するPd層とを含むように構成するとともに、Si層の厚みを変化させた。具体的には、Si層を、約0.5nm、約1nm、約2nm、約10nm、約15nm、約20nmおよび約30nmの厚みで形成した試料をそれぞれ作製した。また、比較例として、p側オーミック電極23を約10nmの厚みを有するPd層のみにより形成した試料と、p側オーミック電極23を、Si層の代わりに設けられた約1nmの厚みを有するPt層と、Pt層上に形成された約10nmの厚みを有するPd層とにより形成した試料と、p側オーミック電極23をPt層のみにより形成した試料とを作製した。そして、上記試料の形成後、および、所定の温度(約300℃、約350℃、約400℃、約500℃および約600℃)で5分間熱処理した後の電流−電圧特性(I−V特性)を測定した。その結果を図10〜図16、図18および図19に示す。また、試料の形成後の熱処理をしない状態(as depo.状態)での抵抗値を基準として規格化を行い、抵抗値の変化割合を算出した。その結果を図17および図20に示す。なお、電流−電圧特性は、半導体特性測定器の1つであるカーブトレーサを用いて測定した。以下、これらの測定結果について説明する。
p側オーミック電極23を、p型InGaN層22に接触する約0.5nm以上約30nm以下の厚みを有するSi層を含むように構成した場合には、図10〜図16に示したI−V特性および図17に示した抵抗変化割合から明らかなように、約350℃以下で熱処理を行った場合に、p側オーミック電極23のオーミック特性は劣化しないことが判明した。また、Si層の厚みが15nm以上の場合には、図14〜図16に示したI−V特性および図17に示した抵抗変化割合から明らかなように、約400℃で熱処理をすると、オーミック特性が劣化することが判明した。これに対して、p側オーミック電極23を、約10nmの厚みを有するPd層のみにより形成した場合には、図18に示したI−V特性および図20に示した抵抗変化割合から明らかなように、約300℃で熱処理を行った場合にも、p側オーミック電極23のオーミック特性が劣化するとともに、熱処理の温度が高くなるにしたがって、オーミック特性の劣化が進行することが判明した。また、p側オーミック電極23をSi層を含まないでPt層およびPd層により形成した場合には、図19に示したI−V特性および図20に示した抵抗変化割合から明らかなように、約300℃で熱処理を行った場合にも、p側オーミック電極23のオーミック特性が劣化するとともに、熱処理の温度に対して抵抗値が増減する不安定な状態となることが判明した。また、p側オーミック電極23をPt層のみにより形成した場合には、図20に示した抵抗変化割合から明らかなように、約300℃および約400℃で熱処理を行った場合に、p側オーミック電極23のオーミック特性が劣化することが判明した。
以下、第1実施形態の対応するSi層の各厚みでのI−V特性および比較例のI−V特性について詳細に説明する。Si層の厚みが約0.5nmの場合には、図10に示すように、約400℃以下で熱処理を行った場合には、p側オーミック電極23のオーミック特性は、熱処理を行わない場合(as depo.)と同じであり、劣化しなかった。一方、約500℃で熱処理を行った場合には、抵抗値(R=V/I)が少し増加し、p側オーミック電極23のオーミック特性が少し劣化した。また、約600℃で熱処理を行った場合には、p側オーミック電極23のオーミック特性が大幅に劣化し、オーミック接触が得られなかった。また、Si層の厚みが約1nmの場合には、図11に示すように、約500℃以下で熱処理を行った場合には、p側オーミック電極23のオーミック特性は、熱処理を行わない場合(as depo.)と同じであり、劣化しなかった。そして、約600℃で熱処理を行った場合には、抵抗値が増加し、p側オーミック電極23のオーミック特性が劣化した。また、Si層の厚みが約2nmの場合には、図12に示すように、約500℃以下で熱処理を行った場合には、p側オーミック電極23のオーミック特性は、熱処理を行わない場合(as depo.)と同じであり、劣化しなかった。そして、約600℃で熱処理を行った場合には、抵抗値が増加し、p側オーミック電極23のオーミック特性が劣化した。また、Si層の厚みが約10nmの場合には、図13に示すように、約400℃以下で熱処理を行った場合には、p側オーミック電極23のオーミック特性は、熱処理を行わない場合(as depo.)と同じであり、劣化しなかった。そして、約500℃で熱処理を行った場合には、抵抗値が少し増加し、p側オーミック電極23のオーミック特性が少し劣化した。そして、約600℃で熱処理を行った場合には、抵抗値がさらに増加し、p側オーミック電極23のオーミック特性がさらに劣化した。
また、Si層の厚みが約15nmの場合には、図14に示すように、約350℃以下で熱処理を行った場合には、p側オーミック電極23のオーミック特性は、熱処理を行わない場合(as depo.)と同じであり、劣化しなかった。そして、約400℃で熱処理を行った場合には、抵抗値が少し増加し、p側オーミック電極23のオーミック特性が少し劣化した。そして、約500℃および約600℃で熱処理を行った場合には、オーミック特性が大幅に劣化した。また、Si層の厚みが約20nmの場合には、図15に示すように、約350℃以下で熱処理を行った場合には、p側オーミック電極23のオーミック特性は、熱処理を行わない場合(as depo.)と同じであり、劣化しなかった。そして、約400℃〜約600℃で熱処理を行った場合には、オーミック特性が大幅に劣化した。また、Si層の厚みが約30nmの場合には、図16に示すように、約350℃以下で熱処理を行った場合には、p側オーミック電極23のオーミック特性は、熱処理を行わない場合(as depo.)と同じであり、劣化しなかった。そして、約400℃〜約600℃で熱処理を行った場合には、オーミック特性が大幅に劣化した。
これに対して、p側オーミック電極23を約10nmの厚みを有するPd層のみにより形成した比較例の場合には、図18に示すように、約300℃で熱処理を行った場合にも、抵抗値が増加し、p側オーミック電極23のオーミック特性が劣化した。また、約400℃で熱処理を行った場合には、p側オーミック電極23のオーミック特性が大幅に劣化し、オーミック接触が得られなかった。また、約500℃および600℃で熱処理を行った場合には、p側オーミック電極23のオーミック特性がさらに劣化した。また、p側オーミック電極23をPt層およびPd層により形成した場合には、図19に示すように、約300℃で熱処理を行った場合にも、抵抗値が少し増加し、p側オーミック電極23のオーミック特性が少し劣化した。また、約400℃で熱処理を行った場合には、p側オーミック電極23のオーミック特性が大幅に劣化し、オーミック接触が得られなかった。また、約500℃で熱処理を行った場合には、オーミック特性が回復して、試料の形成後と同じオーミック特性が得られた。また、600℃で熱処理を行った場合には、p側オーミック電極23のオーミック特性が大幅に劣化し、オーミック接触が得られなかった。
なお、p側オーミック電極23にSi層を含めることにより、約350℃以下で熱処理を行った場合に、p側オーミック電極23のオーミック特性が劣化しないのは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、p側オーミック電極23を、約0.5nm〜約30nmの厚みを有するとともにp型InGaN層22の主表面に接触して形成されるSi層と、Si層上に形成される約20nmの厚みを有するPd層とを含むように構成することによって、バンドギャップの大きいp型InGaN層22(バンドギャップ:約3.5eV)の主表面に直接Pd層を形成する場合と異なり、バンドギャップの小さいSi層(バンドギャップ:約1.1eV)を介してPd層を形成することにより、p側オーミック電極をp型InGaN層22により良好にオーミック接触させることができるとともに、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、良好なオーミック接触の状態を維持することができたためであると考えられる。
また、上記のようにSi層を真空蒸着法により形成することによって、Si層は、アモルファスシリコンとして形成される。このようにアモルファスシリコンからなるSi層では、Si層の内部に多くの欠陥を有するので、その多くの欠陥を介して電子を通過させることができる。これにより、Pd層とp型InGaN層22との間をSi層を介して電子が通過しやすくすることができるので、容易に、p側オーミック電極23をp型InGaN層22にオーミック接触させることができたと考えられる。
なお、上記第1実施形態の変形例として、p側オーミック電極23を、p型InGaN層22に接触する約1nmの厚みを有するSi層と、Si層上に形成された約20nmの厚みを有するPd層と、Pd層上に形成された約10nmの厚みを有するAu層とを含むように構成した場合についても電流−電圧特性を測定した。その結果、図21に示すように、p側オーミック電極23を、p型InGaN層22に接触する約1nmの厚みを有するSi層と、Si層上に形成された約20nmの厚みを有するPd層とを含むように構成した場合(図11参照)と同じ電流−電圧特性が得られた。これにより、p側オーミック電極23のPd層上にAu層を形成する場合と、Au層を形成しない場合とでオーミック特性に差がないことが判明した。
次に、図9および図22〜図24を参照して、上記第1実施形態の窒化物系半導体レーザ素子のn側オーミック電極の効果を確認するために行った実験について説明する。この実験では、図9に示した第1実施形態に対応する試料のn側オーミック電極24を、n型GaN基板21の裏面(下面)に接触する約1nmの厚みを有するSi層と、Si層の下面上に形成された約6nmの厚みを有するAl層と、Al層の下面上に形成された約30nmの厚みを有するPd層とを含むように構成した。また、比較例として、n側オーミック電極24を、n型GaN基板21の裏面(下面)に接触する約6nmの厚みを有するAl層と、Al層の下面上に形成された約30nmの厚みを有するPd層とを含むように構成した。そして、上記p側オーミック電極の効果を確認するために行った実験と同様にして、電流−電圧特性(I−V特性)を測定し、抵抗値の変化割合を算出した。その結果を図22〜図24に示す。
n側オーミック電極24をSi層、Al層およびPd層により形成した第1実施形態に対応する試料の場合には、図22および図24に示すように、約300℃で熱処理を行った場合に、n側オーミック電極24のオーミック特性は、熱処理を行わない場合(as depo.)と同じであり、劣化しなかった。その一方、約400℃で熱処理を行った場合には、抵抗値が少し増加し、p側オーミック電極23のオーミック特性が少し劣化した。また、約500℃で熱処理を行った場合には、試料の形成後よりも良好なオーミック特性が得られた。また、600℃で熱処理を行った場合には、試料の形成後よりもさらに良好なオーミック特性が得られた。これに対して、n側オーミック電極24をAl層およびPd層により形成した比較例の試料の場合には、図23および図24に示すように、約300℃で熱処理を行った場合にも、n側オーミック電極24のオーミック特性が大幅に劣化し、オーミック接触が得られなかった。これにより、n側オーミック電極24をSi層、Al層およびPd層により形成した第1実施形態の試料の場合には、n側オーミック電極24をAl層およびPd層により形成した比較例の試料の場合に比べて、熱処理によりn側オーミック電極24のオーミック特性の劣化が抑制されることが判明した。
なお、n側オーミック電極24をSi層を含むように構成することによって、熱処理に起因するn側オーミック電極24のオーミック特性の劣化が抑制されるのは、p側オーミック電極23の場合と同様の理由によるものと考えられる。
(第2実施形態)
図25は、本発明の第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(窒化物系半導体素子)の構造を示した断面図である。図26は、図25に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造を詳細に説明するための図である。図25および図26を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、p側オーミック電極のSi層の厚みを約2nmに大きくする場合について説明する。
第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、図25に示すように、上記第1実施形態と同じ組成および厚みを有するn型GaN基板1、n型クラッド層2、活性層3およびp型クラッド層4が形成されている。また、p型クラッド層4の凸部上には、上記第1実施形態と同様、約10nmの厚みを有するとともに、MgがドープされたInGa1−xN(x=0.02)からなるp型コンタクト層5が形成されている。また、p型クラッド層4の凸部の側面および平坦部の上面を覆うように、SiOからなる電流ブロック層107が形成されている。
また、電流ブロック層107の上面上の所定領域と、p型コンタクト層5の上面および側面を覆うように、p側オーミック電極106が形成されている。なお、p側オーミック電極106は、本発明の「オーミック電極」の一例である。ここで、第2実施形態では、p側オーミック電極106は、図26に示すように、p型コンタクト層5側から順に、約2nmの厚みを有するとともに、p型コンタクト層5の表面に接触して形成されるアモルファスシリコンからなるSi(シリコン)層106aと、Si層106aの上面上に形成された約20nmの厚みを有するPd層106bとによって構成されている。つまり、この第2実施形態では、p側オーミック電極106のSi層106aの厚みを、第1実施形態のp側オーミック電極6のSi層6aの厚み(1nm)と異なり、2nmに設定している。この第2実施形態のp側オーミック電極106のそれ以外の構成は、第1実施形態のp側オーミック電極6と同じである。なお、Pd層106bは、本発明の「第1金属層」の一例である。
また、p側オーミック電極106上には、図25に示すように、パッド電極108が形成されている。なお、パッド電極108は、本発明の「第2金属層」の一例である。このパッド電極108は、p側オーミック電極106側から順に、約100nmの厚みを有するTi層(図示せず)および約1μmの厚みを有するAu層(図示せず)によって構成されている。
また、n型GaN基板1の下面(裏面)上の所定領域には、上記第1実施形態と同じ組成および厚みを有するn側オーミック電極9およびパッド電極10が形成されている。すなわち、n側オーミック電極9は、図4に示したように、n型GaN基板1側から順に、約1nmの厚みを有するとともに、n型GaN基板1の下面に接触して形成されるアモルファスシリコンからなるSi層9a、約6nmの厚みを有するAl層9bおよび約100nmの厚みを有するPd層9cによって構成されている。
次に、第2実施形態の窒化物系半導体レーザ素子について、約20mAの順方向電流を流した場合の順方向電圧を測定した結果について説明する。第2実施形態の窒化物系半導体レーザ素子では、上記第1実施形態と同様に、ウェハプロセス後は、4.4Vの順方向電圧であるとともに、組立工程後は、4.2Vの順方向電圧であった。この結果から、上記第1実施形態と異なり、p側オーミック電極106のSi層106aの厚みを約2nmに大きくした場合にも、上記第1実施形態と同様、p側オーミック電極106とp型コンタクト層5とのオーミック特性が組立時の約250℃〜約350℃の熱により劣化するのを抑制することができることが確認できた。
第2実施形態では、上記のように、p側オーミック電極106を、約2nmの厚みを有するとともにp型コンタクト層5の主表面に接触して形成されるSi層106aと、Si層106a上に形成される約20nmの厚みを有するPd層106bとを含むように構成するとともに、n側オーミック電極9を、約1nmの厚みを有するとともにn型GaN基板1の下面に接触して形成されるSi層9aと、Si層9aの下面上に形成される約6nmの厚みを有するAl層9bと、Al層9b上に形成される約100nmの厚みを有するPd層9cとを含むように構成することによって、上記第1実施形態と同様、p型コンタクト層5およびn型GaN基板1の主表面にそれぞれ接触するSi層106aおよび9aの作用により、p側オーミック電極106およびn側オーミック電極9の形成後の組立時の半田付けの際に、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、オーミック特性が劣化しにくくなる。これにより、熱によりp側オーミック電極106とp型コンタクト層5とのオーミック特性と、n側オーミック電極9とn型GaN基板1とのオーミック特性とが劣化するのを抑制することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
図27〜図30は、図25に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図25〜図30を参照して、第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスについて説明する。
まず、図5に示した第1実施形態と同様のプロセスを用いて、n型GaN基板1上に、n型クラッド層2、活性層3、p型クラッド層4およびp型コンタクト層5を順次成長させる。この後、図27に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、p型コンタクト層5上に、約300nmの厚みを有するSiO層111を形成する。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、SiO層111上の所定領域に、レジスト112を形成する。
次に、図28に示すように、レジスト112をマスクとして、RIE法を用いて、SiO層111の上面からp型クラッド層4の途中の深さまでの所定領域を除去することにより、p型クラッド層4の表面の一部を露出させる。これにより、p型クラッド層4に平坦部と凸部とが形成されるとともに、p型クラッド層4の凸部とその凸部上のp型コンタクト層5とからなるリッジ部が形成される。この場合、上記第1実施形態と同様、SiO層111は、CFガスによるRIE法を用いて除去するとともに、p型コンタクト層5およびp型クラッド層4は、ClガスによるRIE法を用いて除去する。この後、レジスト除去液を用いた工程およびバッファードHFを用いた工程を経て、レジスト112とSiO層111とを除去する。
次に、図29に示すように、プラズマCVD法を用いて、全面を覆うように、SiOからなる電流ブロック層107を形成する。その後、上記第1実施形態によるレジスト13を形成するプロセスと同様にして、フォトリソグラフィ技術を用いて、p型コンタクト層5上に位置する電流ブロック層107上の部分に開口部113aを有するレジスト113を形成する。そして、上記第1実施形態と同様のプロセスを用いて、レジスト113をマスクとして、CFガスによるRIE法を用いて、レジスト113の開口部113aの部分の電流ブロック層107をエッチングする。この後、レジスト113が除去されて、図30に示す状態になる。
この後、図25に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、p型コンタクト層5の上面および電流ブロック層107の所定領域上に、p側オーミック電極106を形成する。
また、第2実施形態では、p側オーミック電極106を形成する場合には、約2nmの厚みを有するSi層106a(図26参照)および約20nmの厚みを有するPd層106b(図26参照)を順次形成する。この際、Si層106aは、電子ビーム蒸着法により形成されるので、アモルファスシリコンとして形成される。
そして、電子ビーム蒸着法を用いて、p側オーミック電極106上に、p側オーミック電極106側から順に、約100nmの厚みを有するTi層(図示せず)および約1μmの厚みを有するAu層(図示せず)を堆積してパッド電極108を形成する。その後、上記第1実施形態と同様のプロセスを用いて、n型GaN基板1の下面(裏面)上の所定領域に、Si層9a(図4参照)、Al層9bおよびPd層9cからなるn側オーミック電極9と、Au層からなるパッド電極10を形成する。
(第3実施形態)
図31は、本発明の第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子(窒化物系半導体素子)の構造を示した断面図である。図32および図33は、図31に示した第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を詳細に説明するための図である。図31〜図33を参照して、この第3実施形態では、上記第1実施形態と異なり、p側オーミック電極をGaNからなるp型コンタクト層上に形成するとともに、p側オーミック電極をSi層、Pd層およびTi層により構成する場合について説明する。
第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子では、図31に示すように、サファイア基板201上に、約400nmの厚みを有するGaNからなるn型クラッド層202が形成されている。なお、n型クラッド層202は、本発明の「n型の窒化物系半導体層」の一例である。n型クラッド層202上の所定領域には、上記第1実施形態による活性層3と同じ組成および厚みの層を積層したMQW構造の活性層203が形成されている。
ここで、第3実施形態では、活性層203上には、約400nmの厚みを有するとともに、MgがドープされたGaNからなるp型コンタクト(クラッド)層205が形成されている。なお、p型コンタクト層205は、本発明の「p型の窒化物系半導体層」の一例である。また、p型コンタクト層205の上面からn型クラッド層202の途中の深さまでの所定領域が除去されている。
また、p型コンタクト層205上の所定領域には、光を透過する機能を有するp側オーミック電極206が形成されている。なお、p側オーミック電極206は、本発明の「オーミック電極」の一例である。また、第3実施形態では、p側オーミック電極206は、図32に示すように、p型コンタクト層205側から順に、約1nmの厚みを有するとともに、p型コンタクト層205の表面に接触して形成されるアモルファスシリコンからなるSi(シリコン)層206a、約5nmの厚みを有するPd層206b、および、約1nmの厚みを有するTi層206cによって構成されている。なお、Pd層206bは、本発明の「第1金属層」の一例である。
また、p側オーミック電極206およびn型クラッド層202を覆うように、SiOからなる表面保護膜207が形成されている。この表面保護膜207は、p側オーミック電極206上の所定領域に開口部207aを有するとともに、n型クラッド層202上の所定領域に開口部207bを有する。また、p側オーミック電極206には、開口部207aを介して、パッド電極208が接触するように形成されている。なお、パッド電極208は、本発明の「第2金属層」の一例である。このパッド電極208は、p側オーミック電極206側から順に、約10nmの厚みを有するTi層(図示せず)、約100nmの厚みを有するPd層(図示せず)および約300nmの厚みを有するAu層(図示せず)によって構成されている。
また、n型クラッド層202には、開口部207bを介して、n側オーミック電極209が接触するように形成されている。なお、n側オーミック電極209は、本発明の「オーミック電極」の一例である。このn側オーミック電極209は、図33に示すように、n型クラッド層202側から順に、約1nmの厚みを有するとともに、n型クラッド層202の表面に接触して形成されるアモルファスシリコンからなるSi層209a、約6nmの厚みを有するAl層209bおよび約100nmの厚みを有するPd層209cによって構成されている。なお、Al層209bおよびPd層209cは、本発明の「第1金属層」の一例である。また、n側オーミック電極209上には、図31に示すように、約300nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極210が形成されている。なお、パッド電極210は、本発明の「第2金属層」の一例である。
次に、第3実施形態の窒化物系半導体発光ダイオード素子について、約20mAの順方向電流を流した場合の順方向電圧を測定した結果について説明する。なお、比較例として、従来の窒化物系半導体発光ダイオード素子についても順方向電圧を測定した。なお、従来の窒化物系半導体発光ダイオード素子は、約2nmの厚みを有するPd層、約4nmの厚みを有するAu層および約1nmの厚みを有するNi層により形成したp側オーミック電極と、p側オーミック電極上に形成された約300nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極と、約6nmの厚みを有するAl層および約30nmの厚みを有するPd層により形成したn側オーミック電極と、n側オーミック電極上に形成された約300nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極とを含むように形成した。その結果、第3実施形態の窒化物系半導体発光ダイオード素子では、ウェハプロセス後は、約3.5Vの順方向電圧であるとともに、組立工程後も、約3.5Vの順方向電圧であった。これに対して、従来の窒化物系半導体発光ダイオード素子では、ウェハプロセス後は、約3.5Vの順方向電圧であるとともに、組立工程後は、約4.0Vの順方向電圧であった。すなわち、従来の窒化物系半導体発光ダイオード素子では、組立工程後に順方向電圧が上昇するのに対して、第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子では、順方向電圧が変化しない結果となった。この結果から、上記第1実施形態と異なり、p側オーミック電極206をGaNからなるp型コンタクト層205上に形成するとともに、n側オーミック電極209をGaNからなるn型クラッド層202上に形成した場合にも、上記第1実施形態と同様、p側オーミック電極206とp型コンタクト層205とのオーミック特性と、n側オーミック電極209とn型クラッド層202とのオーミック特性とが、組立時の約250℃〜約350℃の熱により劣化するのを抑制することができることが確認できた。なお、p側オーミック電極206の光透過率は、約70%程度であり、従来のp側オーミック電極の光透過率と同等であった。
第3実施形態では、上記のように、p側オーミック電極206を、約1nmの厚みを有するとともにp型コンタクト層205の主表面に接触して形成されるSi層206aと、Si層206a上に約5nmの厚みを有するPd層206bと、約1nmの厚みを有するTi層206cとを含むように構成するとともに、n側オーミック電極209を、約1nmの厚みを有するとともにn型クラッド層202の主表面に接触して形成されるSi層209aと、Si層209a上に形成される約6nmの厚みを有するAl層209bと、Al層9b上に形成される約100nmの厚みを有するPd層209cとを含むように構成することによって、上記第1実施形態と同様、p型コンタクト層205およびn型クラッド層202の主表面にそれぞれ接触するSi層206aおよび209aの作用により、p側オーミック電極206およびn側オーミック電極209の形成後の組立時の半田付けの際に、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、オーミック特性が劣化しにくくなる。これにより、熱によりp側オーミック電極206とp型コンタクト層205とのオーミック特性と、n側オーミック電極209とn型クラッド層202とのオーミック特性とが劣化するのを抑制することができる。この点は、後述する実験により確認済みである。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
図34〜図38は、図31に示した第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図31〜図38を参照して、第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスについて説明する。
まず、第3実施形態では、図34に示すように、MOCVD法を用いて、サファイア基板201上に、約400nmの厚みを有するGaNからなるn型クラッド層202と、MQW構造の活性層203と、約400nmの厚みを有するとともに、MgがドープされたGaNからなるp型コンタクト(クラッド)層205とを順次成長させる。なお、活性層203は、上記第1実施形態の活性層3と同様に形成する。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、p型コンタクト層205上の所定領域に、レジスト212を形成する。
次に、図35に示すように、レジスト212をマスクとして、RIE法を用いて、p型コンタクト層205の上面からn型クラッド層202の途中の深さまでの所定領域を除去することにより、n型クラッド層202の表面の一部を露出させる。この後、レジスト212を除去する。
次に、図36に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、p型コンタクト層205上の所定領域に、p側オーミック電極206を形成する。なお、この第3実施形態では、p側オーミック電極206を形成する場合に、約1nmの厚みを有するSi層206a(図32参照)、約5nmの厚みを有するPd層206bおよび約1nmの厚みを有するTi層206cを順次形成する。この際、Si層206aは、電子ビーム蒸着法により形成されるので、アモルファスシリコンとして形成される。そして、プラズマCVD法を用いて、全面を覆うように、約300nmの厚みを有するSiOからなる表面保護膜207を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術を用いて、表面保護膜207上の所定領域にレジスト213を形成する。
次に、図37に示すように、レジスト213をマスクとして、バッファードHFを用いて、表面保護膜207をエッチングする。これにより、表面保護膜207に、開口部207aが形成される。この後、レジスト213を除去する。
そして、図38に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、開口部207aにより露出されたp側オーミック電極206の表面に、p側オーミック電極206側から順に、約10nmの厚みを有するTi層(図示せず)、約100nmの厚みを有するPd層(図示せず)および約300nmの厚みを有するAu層(図示せず)を堆積してパッド電極208を形成する。
その後、図31に示したように、表面保護膜207に開口部207aを形成したプロセスと同様のプロセスを用いて、n型クラッド層202上の表面保護膜207の所定領域に開口部207bを形成する。そして、電子ビーム蒸着法を用いて、開口部207bにより露出されたn型クラッド層202の表面に、n型クラッド層202側から順に、約1nmの厚みを有するSi層209a(図33参照)、約6nmの厚みを有するAl層209b(図33参照)および約100nmの厚みを有するPd層209c(図33参照)を堆積してn側オーミック電極209を形成する。この際、Si層209aは、電子ビーム蒸着法により形成されるので、アモルファスシリコンとして形成される。そして、電子ビーム蒸着法を用いて、n側オーミック電極209上に、約300nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極210を形成する。
図39は、図31に示した第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。次に、図9および図39を参照して、上記第3実施形態の窒化物系半導体発光ダイオード素子のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験について説明する。この実験では、上記第1実施形態と同様、p側オーミック電極およびn側オーミック電極それぞれのオーミック特性を測定するための試料(図9参照)を作製して評価を行った。この試料は、図9に示したように、n型GaN基板21上に約3nmの厚みを有するp型GaN層22aを形成した。そして、真空蒸着法により、p型GaN層22a上に所定の間隔を隔てて2つのp側オーミック電極23を形成した。そして、真空蒸着法により、n型GaN基板21の下面上に所定の間隔を隔てて2つのn側オーミック電極24を形成した。なお、p側オーミック電極23は、約2nmの厚みを有するSi層を設けるとともに、Si層上に約20nmの厚みを有するPd層を形成することにより形成した。そして、上記第1実施形態のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験と同様にして、電流−電圧特性を測定した。その結果を図39に示す。
p側オーミック電極23をp型GaN層22a上に形成した第3実施形態の場合には、図39に示すように、約400℃以下で熱処理を行った場合に、p側オーミック電極23のオーミック特性は劣化しないことが判明した。具体的には、約400℃以下で熱処理を行った場合には、p側オーミック電極23のオーミック特性は、熱処理を行わない場合(as depo.)と同じであり、劣化しなかった。そして、約500℃および約600℃で熱処理を行った場合には、抵抗値が少し増加し、p側オーミック電極23のオーミック特性が少し劣化した。
(第4実施形態)
図40は、本発明の第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子(窒化物系半導体素子)の構造を示した断面図である。図41および図42は、図40に示した第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を詳細に説明するための図である。図40〜図42を参照して、この第4実施形態では、上記第3実施形態と異なり、p側オーミック電極をSi層、Pt層、Ti層およびPd層により構成する場合について説明する。
第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子では、図40に示すように、n型GaN基板301の下面上に、約400nmの厚みを有する凸部と、平坦部とを含むGaNからなるn型クラッド層302が形成されている。なお、n型GaN基板301は、本発明の「n型の窒化物系半導体層」の一例である。n型クラッド層302の凸部の下面上の所定領域には、上記第1実施形態による活性層3と同じ組成および厚みの層を積層したMQW構造の活性層303が形成されている。また、活性層303の下面上には、約400nmの厚みを有するとともに、MgがドープされたGaNからなるp型コンタクト(クラッド)層305が形成されている。なお、p型コンタクト層305は、本発明の「p型の窒化物系半導体層」の一例である。また、p側コンタクト層305の下面からn型クラッド層302の途中の深さまでの所定領域が除去されている。
また、p側コンタクト層305およびn型クラッド層302の下面側を覆うように、SiOからなる表面保護膜307が形成されている。この表面保護膜307は、p型コンタクト層305の下面上の所定領域の部分に開口部307aを有する。また、p型コンタクト層305には、開口部307aを介して、p側オーミック電極306が接触するように形成されている。なお、p側オーミック電極306は、本発明の「オーミック電極」の一例である。
ここで、第4実施形態では、p側オーミック電極306は、図41に示すように、p型コンタクト層305側から順に、約2nmの厚みを有するとともに、p型コンタクト層305の下面に接触して形成されるアモルファスシリコンからなるSi(シリコン)層306aと、約20nmの厚みを有するPt層306bと、約10nmの厚みを有するTi層306cと、約100nmの厚みを有するPd層306dとによって構成されている。なお、Pt層306b、Ti層306cおよびPd層306dは、本発明の「第1金属層」の一例である。また、p側オーミック電極306の下面上には、p側オーミック電極306の下面に接触するように、約300nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極308が形成されている。なお、パッド電極308は、本発明の「第2金属層」の一例である。
また、n型GaN基板301上の所定領域には、図40に示すように、n側オーミック電極309が形成されている。なお、n側オーミック電極309は、本発明の「オーミック電極」の一例である。このn側オーミック電極309は、図42に示すように、n型GaN基板301側から順に、約1nmの厚みを有するとともに、n型GaN基板301の表面に接触して形成されるアモルファスシリコンからなるSi層309aと、約10nmの厚みを有するAl層309bと、約100nmの厚みを有するPd層309cとによって構成されている。なお、Al層309bおよびPd層309cは、本発明の「第1金属層」の一例である。また、n側オーミック電極309上には、図40に示すように、約300nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極310が形成されている。なお、パッド電極310は、本発明の「第2金属層」の一例である。
次に、第4実施形態の窒化物系半導体発光ダイオード素子について、約20mAの順方向電流を流した場合の順方向電圧を測定した結果について説明する。第4実施形態の窒化物系半導体発光ダイオード素子では、上記第3実施形態と同様、ウェハプロセス後の順方向電圧に対して、組立工程後の順方向電圧が変化しない結果となった。この結果から、上記第3実施形態と異なり、p側オーミック電極をSi層、Pt層、Ti層およびPd層を含むように構成した場合にも、上記第3実施形態と同様、p側オーミック電極306とp型コンタクト層305とのオーミック特性と、n側オーミック電極309とn型GaN基板301とのオーミック特性とが、p側オーミック電極306およびn側オーミック電極309の形成後の組立時の半田付けの際に加わる約250℃〜約350℃の熱により劣化するのを抑制することができることが確認できた。なお、p側オーミック電極306の光反射率は、発光波長400nmで約70%程度であり、従来のp側オーミック電極の光反射率と同等であった。
第4実施形態では、上記のように、p側オーミック電極306を、約2nmの厚みを有するとともにp型コンタクト層305の下面に接触して形成されるSi層306aと、Si層306aの下面上に形成される約20nmの厚みを有するPt層306bと、Pt層306bの下面上に形成される約10nmの厚みを有するTi層306cと、Ti層306cの下面上に形成される約100nmの厚みを有するPd層306dとを含むように構成するとともに、n側オーミック電極309に、約1nmの厚みを有するとともにn型GaN基板301の表面に接触して形成されるSi層309aと、Si層309a上に形成される約10nmの厚みを有するAl層309bと、Al層309b上に形成される約100nmの厚みを有するPd層309cとを含むように構成することによって、上記第1実施形態と同様、p型コンタクト層305およびn型GaN基板301の主表面にそれぞれ接触するSi層306aおよび309aの作用により、p側オーミック電極306およびn側オーミック電極309の形成後の組立時の半田付けの際に、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、オーミック特性が劣化しにくくなる。これにより、熱によりp側オーミック電極306とp型コンタクト層305とのオーミック特性と、n側オーミック電極309とn型GaN基板301とのオーミック特性とが劣化するのを抑制することができる。この点は、後述する実験により確認済みである。
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
図43〜図46は、図40に示した第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図40〜図46を参照して、第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスについて説明する。なお、窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造時には、n型基板の上に各層を形成するので、第4実施形態では、図40を180度回転させて、上下を逆にした状態(図43〜図46の状態)で説明する。
まず、図43に示すように、MOCVD法を用いて、n型GaN基板301の下面上に、約400nmの厚みを有するGaNからなるn型クラッド層302と、MQW構造の活性層303と、約400nmの厚みを有するとともに、MgがドープされたGaNからなるp型コンタクト(クラッド)層305とを順次成長させる。なお、活性層303は、上記第1実施形態の活性層3と同様に形成する。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、p型コンタクト層305上の所定領域に、レジスト312を形成する。
次に、図44に示すように、レジスト312をマスクとして、RIE法を用いて、p型コンタクト層305の下面からn型クラッド層302の途中の深さまでの所定領域を除去することにより、n型クラッド層302の表面の一部を露出させる。この後、レジスト312を除去する。
次に、図45に示すように、プラズマCVD法を用いて、全面を覆うように、約300nmの厚みを有するSiOからなる表面保護膜307を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術を用いて、表面保護膜307上の所定領域にレジスト313を形成する。そして、レジスト313をマスクとして、バッファードHFを用いて、表面保護膜307をエッチングする。これにより、表面保護膜307に、開口部307aが形成される。この後、レジスト313が除去する。
そして、図46に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、開口部307aにより露出されたp型コンタクト層305の表面に、p側オーミック電極306を形成する。なお、第4実施形態では、p側オーミック電極306を形成する場合には、約2nmの厚みを有するSi層306a(図41参照)と、約20nmの厚みを有するPt層306bと、約10nmの厚みを有するTi層306cと、約100nmの厚みを有するPd層306dとを順次形成する。この際、Si層306aは、電子ビーム蒸着法により形成されるので、アモルファスシリコンとして形成される。そして、電子ビーム蒸着法を用いて、p側オーミック電極306上に、約300nmの厚みを有するAu層を堆積してパッド電極308を形成する。
その後、図40に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、n型GaN基板301上の所定領域に、n型GaN基板301側から順に、約1nmの厚みを有するSi層309a(図42参照)、約10nmの厚みを有するAl層309bおよび約100nmの厚みを有するPd層309cを堆積してn側オーミック電極309を形成する。この際、Si層309aは、電子ビーム蒸着法により形成されるので、アモルファスシリコンとして形成される。そして、電子ビーム蒸着法を用いて、n側オーミック電極309上に、約300nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極310を形成する。
図47および図48は、図40に示した第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。次に、図9、図47および図48を参照して、上記第4実施形態の窒化物系半導体発光ダイオード素子のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験について説明する。この実験では、上記第1実施形態と同様、p側オーミック電極およびn側オーミック電極それぞれのオーミック特性を測定するための試料(図9参照)を作製して評価を行った。また、p側オーミック電極23(図9参照)を、約1nmの厚みを有するSi層と、そのSi層上に約20nmの厚みを有するPt層とを含むように構成した。そして、上記第1実施形態のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験と同様にして、電流−電圧特性を測定し、抵抗値の変化割合を算出した。電流−電圧特性の測定結果を図47に示すとともに、抵抗値の変化割合の算出結果を図48に示す。
p側オーミック電極23をSi層およびPt層により形成した第4実施形態の場合には、図47および図48に示すように、熱処理によりp側オーミック電極23のオーミック特性の劣化が抑制されることが判明した。また、p側オーミック電極23をSi層およびPt層により形成した場合には、図48に示すように、p側オーミック電極23をSi層およびPd層により形成した上記第1実施形態の窒化物系半導体発光ダイオード素子と同程度に良好なオーミック特性が得られることが判明した。具体的には、p側オーミック電極23をSi層およびPt層により形成した場合には、図47に示すように、約300℃で熱処理をすることによって、p側オーミック電極23のオーミック特性は、熱処理を行わない場合(as depo.)と同じであり、劣化しなかった。そして、約400℃で熱処理を行った場合には、抵抗値が少し増加し、p側オーミック電極23のオーミック特性が少し劣化した。また、約500℃および約600℃で熱処理を行った場合には、試料の形成後(熱処理を行わない場合)と同じオーミック特性が得られた。
(第5実施形態)
図49は、本発明の第5実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(窒化物系半導体素子)の構造を示した断面図である。図50および図51は、図49に示した第5実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造を詳細に説明するための図である。図49〜図51を参照して、この第5実施形態では、上記第1実施形態と異なり、p側オーミック電極のみにSi層を含めるとともに、Si層とp側コンタクト層との間にPt層またはPd層をさらに設ける場合について説明する。
第5実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、図49に示すように、上記第1実施形態と同じ組成および厚みを有するn型GaN基板1、n型クラッド層2、活性層3、p型クラッド層4およびp型コンタクト層5が形成されている。また、p型コンタクト層5上には、p側オーミック電極406が形成されている。なお、p側オーミック電極406は、本発明の「オーミック電極」の一例である。
ここで、第5実施形態では、p側オーミック電極406は、図50に示すように、p型コンタクト層5側から順に、約1nmの厚みを有するとともに、p型コンタクト層5にオーミック接触することが可能なPt(Pd)層406aと、約1nmの厚みを有するアモルファスシリコンからなるSi(シリコン)層406bと、Si層406bの上面上に形成された約20nmの厚みを有するPd層406cとによって構成されている。なお、Pt(Pd)層406aは、約1nmの小さい厚みであるため、島状(図示せず)に形成されていると考えられる。したがって、p型コンタクト層5のPt(Pd)層406aが形成されていない部分には、Si層406bが部分的に接触していると考えられる。なお、Pt(Pd)層406aは、本発明の「オーミック金属層」の一例であり、Pd層406cは、本発明の「第1金属層」の一例である。
また、図49に示すように、上記第1実施形態と同様、p型クラッド層4の凸部の側面および平坦部の上面を覆うように、上記第1実施形態と同じ組成および厚みを有する電流ブロック層7が形成されている。そして、p側オーミック電極406および電流ブロック層7上の所定領域には、p側オーミック電極406の上面に接触するように、パッド電極408が形成されている。なお、パッド電極408は、本発明の「第2金属層」の一例である。このパッド電極408は、p側オーミック電極406側から順に、約100nmの厚みを有するTi層(図示せず)、約200nmの厚みを有するPd層(図示せず)および約300nmの厚みを有するAu層(図示せず)によって構成されている。
また、n型GaN基板1の下面上の所定領域には、n側オーミック電極409が形成されている。また、第5実施形態では、n側オーミック電極409は、図51に示すように、n型GaN基板1側から順に、約6nmの厚みを有するAl層409aおよび約100nmの厚みを有するPd層409bによって構成されている。また、n側オーミック電極409の下面上には、図49に示すように、上記第1実施形態と同じ組成および厚みを有するパッド電極10が形成されている。
次に、第5実施形態の窒化物系半導体レーザ素子について、約20mAの順方向電流を流した場合の順方向電圧を測定した結果について説明する。なお、比較例として、p側オーミック電極にSi層を設けることなくPd層のみを設けるとともに、n側オーミック電極にSi層を設けることなくAl層およびPd層のみを設けた従来の窒化物系半導体レーザ素子についても順方向電圧を測定した。その結果、第5実施形態の窒化物系半導体レーザ素子では、ウェハプロセス後は、4.4Vの順方向電圧であるとともに、組立工程後は、4.8Vの順方向電圧であった。これに対して、従来の窒化物系半導体レーザ素子では、ウェハプロセス後は、4.5Vの順方向電圧であるとともに、組立工程後は、7.5Vの順方向電圧であった。すなわち、従来の窒化物系半導体レーザ素子では、組立工程後に順方向電圧が3.0V上昇するのに対して、第5実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、組立工程後に順方向電圧が0.4V上昇する結果となった。これは、第5実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、n側オーミック電極409が従来構造であるので、組立工程後に順方向電圧が0.4V上昇する一方、p側オーミック電極406にSi層406bを設けることによって、組立工程後にオーミック特性が劣化するのを抑制することができたためであると考えられる。また、p型コンタクト層5とp側オーミック電極406のSi層406bとの間に、約1nmの厚みを有するPt(Pd)層406aを設けた場合にも、p側オーミック電極406をp型コンタクト層5に良好に接触させることができることが確認できた。
第5実施形態では、上記のように、p側オーミック電極406を、約1nmの厚みを有するとともにp型コンタクト層5上に形成されるPt(Pd)層406aと、Pt(Pd)層406a上に形成される約1nmの厚みを有するSi層406bと、Si層406b上に形成される約20nmの厚みを有するPd層406cとを含むように構成することによって、上記第1実施形態と同様、p型コンタクト層5上に形成されるSi層406bの作用により、p側オーミック電極406の形成後の組立時の半田付けの際に、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、オーミック特性が劣化しにくくなる。これにより、熱によりp側オーミック電極406とp型コンタクト層5とのオーミック特性が劣化するのを抑制することができる。この点は、後述する実験により確認済みである。このSi層406bの作用としては、以下の点が考えられる。すなわち、上記第1実施形態と同様、バンドギャップの大きいp型コンタクト層5(バンドギャップ:約3.5eV)の主表面に直接Pd層406cを形成する場合と異なり、バンドギャップの小さいSi層406b(バンドギャップ:約1.1eV)を介してPd層406cを形成することにより、p側オーミック電極406をp型コンタクト層5に、より良好にオーミック接触させることができるとともに、組立時の半田付けの際に、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも上記良好なオーミック接触の状態を維持することができると考えられる。
また、上記第5実施形態では、p型コンタクト層5とSi層406bとの間に、p型コンタクト層5にオーミック接触することが可能な約1nmの厚みを有するPt(Pd)層406aを設けている。このようにp型コンタクト層5上にPt(Pd)層406aを介してSi層406bを形成し、かつ、そのSi層406b上にPd層406cを形成する場合にも、Si層406bの作用により、Pt(Pd)層406a、Si層406bおよびPd層406cを含むp側オーミック電極406と、p型コンタクト層5とのより良好なオーミック接触を得ることができ、かつ、組立工程において約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、その良好なオーミック接触の状態を維持することができる。
なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
次に、図49〜図51を参照して、第5実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスについて説明する。
まず、図5に示した第1実施形態と同様のプロセスを用いて、n型GaN基板1上に、n型クラッド層2、活性層3、p型クラッド層4およびp型コンタクト層5を順次成長させる。この後、図49に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、p型コンタクト層5上に、p側オーミック電極406を形成する。
また、第5実施形態では、p側オーミック電極406を形成する場合には、約1nmの厚みを有するPt(Pd)層406a(図50参照)、約1nmの厚みを有するSi層406bおよび約20nmの厚みを有するPd層406cを順次形成する。この際、Pt(Pd)層406aは、約1nmの小さい厚みに形成されるので、島状(図示せず)に形成されると考えられる。したがって、p型コンタクト層5のPt(Pd)層406aが形成されない部分には、Si層406bが部分的に接触すると考えられる。また、Si層406bは、電子ビーム蒸着法により形成されるので、アモルファスシリコンとして形成される。そして、図49に示すように、上記第1実施形態と同様にして、電流ブロック層7を形成する。
次に、電子ビーム蒸着法を用いて、p側オーミック電極406の上面および電流ブロック層7の所定領域上に、p側オーミック電極406側から順に、約100nmの厚みを有するTi層(図示せず)、約200nmの厚みを有するPd層(図示せず)および約300nmの厚みを有するAu層(図示せず)を堆積してパッド電極408を形成する。その後、研磨およびエッチング技術を用いて、n型GaN基板1を約100nmの厚みを有するように形成する。その後、電子ビーム蒸着法を用いて、n型GaN基板1の下面(裏面)上の所定領域に、n型GaN基板1側から順に、約6nmの厚みを有するAl層409a(図51参照)および約100nmの厚みを有するPd層409bを堆積してn側オーミック電極409を形成する。そして、上記第1実施形態と同様にして、n側オーミック電極409の下面上に、パッド電極10を形成する。
図52および図53は、図49に示した第5実施形態による窒化物系半導体レーザ素子のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。次に、図9、図52および図53を参照して、上記第5実施形態の窒化物系半導体レーザ素子のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験について説明する。この実験では、上記第1実施形態と同様、p側オーミック電極のオーミック特性を測定するための試料(図9参照)を作製して評価を行った。また、p側オーミック電極23(図9参照)を、約1nmの厚みを有するPt層と、そのPt層上に形成される約1nmの厚みを有するSi層と、そのSi層上に形成される約20nmの厚みを有するPd層とを含むように構成した試料と、p側オーミック電極23を、約1nmの厚みを有するPd層と、そのPd層上に形成される約1nmの厚みを有するSi層と、そのSi層上に約20nmの厚みを有するPd層とを含むように構成した試料とを作製した。そして、上記第1実施形態のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験と同様にして、電流−電圧特性を測定した。その結果を図52および図53に示す。
p側オーミック電極23をPt層、Si層およびPd層により形成した第5実施形態の場合には、約600℃以下で熱処理を行った場合に、p側オーミック電極23のオーミック特性は劣化しないことが判明した。また、p側オーミック電極23をPd層、Si層およびPd層により形成した第5実施形態の場合にも、約500℃以下で熱処理を行った場合に、p側オーミック電極23のオーミック特性は劣化しないことが判明した。具体的には、p側オーミック電極23をPt層、Si層およびPd層により形成した場合には、図52に示すように、約300℃〜約600℃で熱処理をすることによって、p側オーミック電極23のオーミック特性は、熱処理を行わない場合(as depo.)と同じであり、劣化しなかった。また、p側オーミック電極23をPd層、Si層およびPd層により形成した場合には、図53に示すように、約300℃〜約500℃で熱処理をすることによって、p側オーミック電極23のオーミック特性は、熱処理を行わない場合(as depo.)と同じであり、劣化しなかった。そして、約600℃で熱処理を行った場合には、抵抗値が増加し、p側オーミック電極23のオーミック特性が劣化した。これらの結果から、p側オーミック電極23を構成するSi層をp型コンタクト層(p型InGaN層22)と接触させることなく、Si層とp型コンタクト層との間にPd層またはPt層を形成した場合にも、Si層の作用により、p側オーミック電極23とp型コンタクト層(p型InGaN層22)とのより良好なオーミック接触を得ることができ、かつ、組立工程において、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、その良好なオーミック接触の状態を維持できることを確認することができた。
(第6実施形態)
図54は、本発明の第6実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(窒化物系半導体素子)の構造を示した断面図である。図55および図56は、図54に示した第6実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造を詳細に説明するための図である。図54〜図56を参照して、この第6実施形態では、上記第1実施形態と異なり、n側オーミック電極のみにSi層を含める場合について説明する。
第6実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、図54に示すように、上記第1実施形態と同じ組成および厚みを有するn型GaN基板1、n型クラッド層2、活性層3、p型クラッド層4およびp型コンタクト層5が形成されている。また、p型コンタクト層5上には、p側オーミック電極506が形成されている。
ここで、第6実施形態では、p側オーミック電極506は、図55に示すように、p型コンタクト層5側から順に、約1nmの厚みを有するPt層506aと、約20nmの厚みを有するPd層506bとによって構成されている。
また、図54に示すように、上記第1実施形態と同様、p型クラッド層4の凸部の側面および平坦部の上面を覆うように、上記第1実施形態と同じ組成および厚みを有する電流ブロック層7が形成されている。そして、p側オーミック電極506および電流ブロック層7上の所定領域には、p側オーミック電極506の上面に接触するように、パッド電極508が形成されている。このパッド電極508は、p側オーミック電極506側から順に、約100nmの厚みを有するTi層(図示せず)、約200nmの厚みを有するPd層(図示せず)および約300nmの厚みを有するAu層(図示せず)によって構成されている。
また、n型GaN基板1の下面上の所定領域には、n側オーミック電極509が形成されている。なお、n側オーミック電極509は、本発明の「オーミック電極」の一例である。なお、第6実施形態では、n側オーミック電極509は、図56に示すように、n型GaN基板1側から順に、約1nmの厚みを有するとともに、n型GaN基板1の表面に接触して形成されるアモルファスシリコンからなるSi(シリコン)層509a、約6nmの厚みを有するAl層509bおよび約30nmの厚みを有するPd層509cによって構成されている。なお、Al層509bおよびPd層509cは、本発明の「第1金属層」の一例である。また、n側オーミック電極509の下面上には、図54に示すように、上記第1実施形態と同じ組成および厚みを有するパッド電極10が形成されている。
次に、第6実施形態の窒化物系半導体レーザ素子について、約20mAの順方向電流を流した場合の順方向電圧を測定した結果について説明する。なお、比較例として、上記第5実施形態と同様、p側オーミック電極にSi層を設けることなくPd層のみを設けるとともに、n側オーミック電極にSi層を設けることなくAl層およびPd層のみを設けた従来の窒化物系半導体レーザ素子についても順方向電圧を測定した。その結果、第6実施形態の窒化物系半導体レーザ素子では、ウェハプロセス後は、4.4Vの順方向電圧であるとともに、組立工程後は、7.0Vの順方向電圧であった。これに対して、従来の窒化物系半導体レーザ素子では、ウェハプロセス後は、4.5Vの順方向電圧であるとともに、組立工程後は、7.5Vの順方向電圧であった。すなわち、従来の窒化物系半導体レーザ素子では、組立工程後に順方向電圧が3.0V上昇するのに対して、第6実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、組立工程後に順方向電圧が2.6V上昇する結果となった。これは、第6実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、p側オーミック電極506が従来構造であるので、組立工程後に順方向電圧が2.6V上昇する一方、n側オーミック電極509にSi層509aを設けることによって、組立工程後にオーミック特性が劣化するのを抑制することできたためであると考えられる。
第6実施形態では、上記のように、n側オーミック電極509を、約1nmの厚みを有するとともにn型GaN基板1の下面に接触して形成されるSi層509aと、Si層509aの下面上に形成される約6nmの厚みを有するAl層509bと、Al層509bの下面上に形成される約30nmの厚みを有するPd層509cとを含むように構成することによって、上記第1実施形態と同様、n型GaN基板1の主表面に接触するSi層509aの作用により、n側オーミック電極509の形成後の組立時の半田付けの際に、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、オーミック特性が劣化しにくくなる。これにより、熱によりn側オーミック電極509とn型GaN基板1とのオーミック特性とが劣化するのを抑制することができる。
なお、第6実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
次に、図54〜図56を参照して、第6実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスについて説明する。
まず、図5に示した第1実施形態と同様のプロセスを用いて、n型GaN基板1上に、n型クラッド層2、活性層3、p型クラッド層4およびp型コンタクト層5を順次成長させる。この後、図54に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、p型コンタクト層5上に、p側オーミック電極506を形成する。
また、第6実施形態では、p側オーミック電極506を形成する場合には、約1nmの厚みを有するPt層506a(図55参照)および約20nmの厚みを有するPd層506bを順次形成する。そして、図54に示すように、上記第1実施形態と同様にして、電流ブロック層7を形成する。
次に、電子ビーム蒸着法を用いて、p側オーミック電極506の上面および電流ブロック層7の所定領域上に、p側オーミック電極506側から順に、約100nmの厚みを有するTi層(図示せず)、約200nmの厚みを有するPd層(図示せず)および約300nmの厚みを有するAu層(図示せず)を堆積してパッド電極508を形成する。その後、研磨およびエッチング技術を用いて、n型GaN基板1を約100nmの厚みを有するように形成する。その後、上記第1実施形態と同様のプロセスを用いて、n型GaN基板1の下面上の所定領域に、n側オーミック電極509を形成する。なお、n側オーミック電極509は、Si層509aと、約6nmの厚みを有するAl層509bと、約30nmの厚みを有するPd層509cとによって形成する。そして、n側オーミック電極509の下面上に上記第1実施形態と同様の組成および厚みを有するパッド電極10を形成する。
(第7実施形態)
図57は、本発明の第7実施形態によるバイポーラトランジスタ(窒化物系半導体素子)の構造を示した断面図である。図58〜図60は、図57に示した第7実施形態によるバイポーラトランジスタの構造を詳細に説明するための図である。図57〜図60を参照して、この第7実施形態では、上記第1〜第6実施形態と異なり、本発明の窒化物系半導体素子をバイポーラトランジスタに適用した場合について説明する。
第7実施形態によるバイポーラトランジスタでは、図57に示すように、サファイア基板601上に、約500nmの厚みを有するアンドープのn型GaN層602と、約300nmの厚みを有するGaNからなるn型のコレクタ層603とが形成されている。なお、n型のコレクタ層603は、本発明の「n型の窒化物系半導体層」の一例である。また、n型のコレクタ層603上の所定領域には、コレクタオーミック電極604が形成されている。なお、コレクタオーミック電極604は、本発明の「オーミック電極」の一例である。このコレクタオーミック電極604は、図58に示すように、コレクタ層603側から順に、約1nmの厚みを有するとともに、コレクタ層603の表面に接触して形成されるアモルファスシリコンからなるSi(シリコン)層604aと、約6nmの厚みを有するAl層604bと、約30nmの厚みを有するPd層604cとによって構成されている。なお、Al層604bおよびPd層604cは、本発明の「第1金属層」の一例である。また、コレクタオーミック電極604上には、約300nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極605が形成されている。なお、パッド電極605は、本発明の「第2金属層」の一例である。
また、第7実施形態では、コレクタ層603上のコレクタオーミック電極604およびパッド電極605と所定の間隔を隔てた領域に、約200nmの厚みを有するとともに、MgがドープされたInGa1−xN(x=0.02)からなるp型のベース層606が形成されている。なお、p型のベース層606は、本発明の「p型の窒化物系半導体層」の一例である。また、p型のベース層606上の所定領域には、ベースオーミック電極607が形成されている。なお、ベースオーミック電極607は、本発明の「オーミック電極」の一例である。このベースオーミック電極607は、図59に示すように、ベース層606側から順に、約1nmの厚みを有するとともに、ベース層606の表面に接触して形成されるアモルファスシリコンからなるSi層607aと、約20nmの厚みを有するPd層607bとによって構成されている。なお、Pd層607bは、本発明の「第1金属層」の一例である。また、ベースオーミック電極607上には、約10nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極608が形成されている。なお、パッド電極608は、本発明の「第2金属層」の一例である。
また、第7実施形態では、ベース層606上のベースオーミック電極607およびパッド電極608と所定の間隔を隔てた領域に、約300nmの厚みを有するGaNからなるn型のエミッタ層609が形成されている。なお、n型のエミッタ層609は、本発明の「n型の窒化物系半導体層」の一例である。また、n型のエミッタ層609上の所定領域には、エミッタオーミック電極610が形成されている。なお、エミッタオーミック電極610は、本発明の「オーミック電極」の一例である。このエミッタオーミック電極610は、図60に示すように、エミッタ層609側から順に、約1nmの厚みを有するとともに、エミッタ層609の表面に接触して形成されるアモルファスシリコンからなるSi層610aと、約6nmの厚みを有するAl層610bと、約30nmの厚みを有するPd層610cとによって構成されている。なお、Al層610bおよびPd層610cは、本発明の「第1金属層」の一例である。また、エミッタオーミック電極610上には、約300nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極611が形成されている。なお、パッド電極611は、本発明の「第2金属層」の一例である。
次に、第7実施形態の窒化物系半導体素子からなるバイポーラトランジスタについて、電流増幅率(ベース電流に対するコレクタ電流の増幅率)を測定した結果について説明する。なお、比較例として、コレクタオーミック電極にSi層を設けることなくAl層およびPd層を設けるとともに、ベースオーミック電極にSi層を設けることなくPd層のみを設け、かつ、エミッタオーミック電極にSi層を設けることなくAl層およびPd層を設けた従来の窒化物系半導体素子からなるバイポーラトランジスタについても電流増幅率を測定した。第7実施形態のバイポーラトランジスタでは、ウェハプロセス後は、約13の電流増幅率であるとともに、組立工程後も、約13の電流増幅率であった。これに対して、従来の窒化物系半導体素子からなるバイポーラトランジスタでは、ウェハプロセス後は、上記第7実施形態と同等の約13の電流増幅率であるとともに、組立工程後は、約10の電流増幅率に低下した。これは、従来のバイポーラトランジスタでは、組立時の約250℃〜約350℃の熱により、コレクタ、ベース、エミッタのオーミック特性が劣化することによって、コレクタオーミック電極604とコレクタ層603との界面、ベースオーミック電極607とベース層606との界面、および、エミッタオーミック電極610とエミッタ層609との界面において、電圧降下が生じるためであると考えられる。この結果から、バイポーラトランジスタをバイポーラトランジスタに用いる場合にも、コレクタ、ベース、エミッタのオーミック特性が、組立時の半田付けの際に加わる約250℃〜約350℃の熱により劣化するのを抑制することができることが確認できた。
第7実施形態では、上記のように、コレクタオーミック電極604を、約1nmの厚みを有するとともにコレクタ層603の表面に接触して形成されるSi層604aと、約6nmの厚みを有するAl層604bと、約30nmの厚みを有するPd層604cとを含むように構成するとともに、ベースオーミック電極607を、約1nmの厚みを有するとともにベース層606の表面に接触して形成されるSi層607aと、約20nmの厚みを有するPd層607bとを含むように構成し、かつ、エミッタオーミック電極610を、約1nmの厚みを有するとともにエミッタ層609の表面に接触して形成されるSi層610aと、約6nmの厚みを有するAl層610bと、約30nmの厚みを有するPd層610cとを含むように構成することによって、上記第1実施形態と同様、コレクタ層603、ベース層606およびエミッタ層609の主表面にそれぞれ接触するSi層604a、607aおよび610aの作用により、コレクタオーミック電極604、ベースオーミック電極607およびエミッタオーミック電極610の形成後の組立時の半田付けの際に、約250℃〜約350℃の熱が加わった場合にも、オーミック特性が劣化しにくくなる。これにより、熱によりコレクタオーミック電極604とコレクタ層603とのオーミック特性と、ベースオーミック電極607とベース層606とのオーミック特性と、エミッタオーミック電極610とエミッタ層609とのオーミック特性とが劣化するのを抑制することができる。
なお、第7実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
図61〜図64は、図57に示した第7実施形態によるバイポーラトランジスタの製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図57〜図64を参照して、第7実施形態によるバイポーラトランジスタの製造プロセスについて説明する。
まず、図61に示すように、MOCVD法を用いて、サファイア基板601上に、約500nmの厚みを有するアンドープのn型GaN層602と、約300nmの厚みを有するGaNからなるn型のコレクタ層603と、約200nmの厚みを有するとともに、MgがドープされたInGa1−xN(x=0.02)からなるp型のベース層606と、約300nmの厚みを有するGaNからなるn型のエミッタ層609とを順次成長させる。 そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、エミッタ層609の所定領域にレジスト612を形成する。
次に、図62に示すように、レジスト612をマスクとして、RIE法を用いて、エミッタ層609の所定領域を除去する。
そして、図63に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて、ベース層606およびエミッタ層609の所定領域にレジスト613を形成する。その後、レジスト613をマスクとして、RIE法を用いて、ベース層606の所定領域を除去する。
この後、図64に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、ベース層606上に、ベースオーミック電極607および約10nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極608を形成する。なお、ベースオーミック電極607を形成する場合には、約1nmの厚みを有するSi層607a(図59参照)および約20nmの厚みを有するPd層607bを順次形成する。この際、Si層607aは、電子ビーム蒸着法により形成されるので、アモルファスシリコンとして形成される。
そして、図57に示すように、電子ビーム蒸着法を用いて、n型のコレクタ層603およびエミッタ層609上の所定領域に、コレクタオーミック電極604および約300nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極605と、エミッタオーミック電極610および約300nmの厚みを有するAu層からなるパッド電極611とをそれぞれ形成する。なお、コレクタオーミック電極604を形成する場合には、約1nmの厚みを有するSi層604a、約6nmの厚みを有するAl層604bおよび約30nmの厚みを有するPd層604cを順次形成する。また、エミッタオーミック電極610を形成する場合には、上記コレクタオーミック電極604を形成するプロセスと同様にして、約1nmの厚みを有するSi層610a、約6nmの厚みを有するAl層610bおよび約30nmの厚みを有するPd層610cを順次形成する。この際、Si層604aおよび610aは、電子ビーム蒸着法により形成されるので、アモルファスシリコンとして形成される。
(第8実施形態)
以下において、本発明の第8実施形態について説明する。なお、第8実施形態に係る窒化物系半導体素子は、上述した第3実施形態に示した窒化物系半導体素子と同様の構成を有している。従って、以下においては、上述した第3実施形態と第8実施形態との相違点について主として説明する。
具体的には、上述した第3実施形態では、n側オーミック電極209は、n型クラッド層202から順に積層されたSi層209a、Al層209b及びPd層209cによって構成されている。これに対して、第8実施形態では、n側オーミック電極は、n型クラッド層(n型の窒化物系半導体層)から順に積層されたSi層、Pd層(又は、Pt層)及びAl層によって構成されている。
すなわち、第8実施形態において、n側オーミック電極は、Si層とAl層(第1金属層)との間に、Pd層(又は、Pt層)を含んでいる。
以下において、本発明の第8実施形態に係る窒化物系半導体素子の構成について、図面を参照しながら説明する。図65は、本発明の第8実施形態に係る窒化物系半導体素子の構成を示す図である。
図65に示すように、窒化物系半導体素子は、サファイア基板801と、n型クラッド層802と、活性層803と、p型コンタクト層805と、p側オーミック電極806と、表面保護膜807と、パッド電極808と、n側オーミック電極809と、パッド電極810とを有する。
n型クラッド層802は、AlGa1−xN(x=0.07)によって構成されており、400nmの厚みを有する。活性層803は、InGa1−xN(x=0.15)によって構成された井戸層と、InGa1−xN(x=0.02)によって構成された障壁層とを有しており、井戸層及び障壁層は交互に積層されている。また、井戸層は3nmの厚みを有しており、障壁層は20nmの厚みを有している。
p型クラッド層805は、AlGa1−xN(x=0.07)によって構成されており、400nmの厚みを有する。なお、p型クラッド層805には、ドーパント材としてMgがドープされている。また、p型クラッド層805上には、ドーパント材としてMgがドープされたp型コンタクト層(不図示)が積層されている。
p側オーミック電極806は、図66に示すように、Si層806aと、Pd層806bと、Au層806cとを有している。Si層806a、Pd層806b及びAu層806cは、p型コンタクト層805からこの順で積層されている。また、Si層806aは1nmの厚みを有しており、Pd層806bは30nmの厚みを有しており、Au層806cは300nmの厚みを有している。
なお、Si層806aは、上述したように、アモルファスシリコンによって構成されていることが好ましい。また、p側オーミック電極806は、Pd層806bに代えて、Pt層を有していてもよい。
表面保護膜807は、SiOによって構成されており、n型クラッド層802及びp側オーミック電極806を覆うように配置されている。
パッド電極808は、例えば、Si、Ti及びAuによって構成されており、Si、Ti及びAuは、p側オーミック電極806からこの順で積層されている。また、Siは3nmの厚みを有しており、Tiは200nmの厚みを有しており、Auは300nmの厚みを有している。
n側オーミック電極809は、図67に示すように、Si層809aと、Pd層809bと、Al層809cとを有している。Si層809a、Pd層809b及びAl層809cは、n型クラッド層802からこの順で積層されている。また、Si層809aは3nmの厚みを有しており、Pd層809bは2nmの厚みを有しており、Al層809cは6nmの厚みを有している。
なお、Si層809aは、上述したように、アモルファスシリコンによって構成されていることが好ましい。また、n側オーミック電極809は、Pd層809bに代えて、Pt層を有していてもよい。
パッド電極810は、例えば、Si、Ti及びAuによって構成されており、Si、Ti及びAuは、n側オーミック電極809からこの順で積層されている。また、Siは3nmの厚みを有しており、Tiは200nmの厚みを有しており、Auは300nmの厚みを有している。
なお、第8実施形態に係る窒化物系半導体素子の製造プロセスは、上述した第3実施形態と同様であるため、その説明については省略する。
(第9実施形態)
以下において、本発明の第9実施形態について説明する。なお、第9実施形態に係る窒化物系半導体素子は、上述した第2実施形態に示した窒化物系半導体素子と同様の構成を有している。従って、以下においては、上述した第2実施形態と第9実施形態との相違点について主として説明する。
具体的には、上述した第2実施形態では、n側オーミック電極9は、n型GaN基板1から順に積層されたSi層9a、Al層9b及びPd層9cによって構成されている。これに対して、第9実施形態では、n側オーミック電極は、n型クラッド層(n型の窒化物系半導体層)から順に積層されたSi層、Pd層(又は、Pt層)及びAl層によって構成されている。
すなわち、第9実施形態において、n側オーミック電極は、Si層とAl層(第1金属層)との間に、Pd層(又は、Pt層)を含んでいる。
以下において、本発明の第9実施形態に係る窒化物系半導体素子の構成について、図面を参照しながら説明する。図68は、本発明の第9実施形態に係る窒化物系半導体素子の構成を示す図である。
図68に示すように、窒化物系半導体素子は、n型GaN基板901と、n型クラッド層902と、活性層903と、p型クラッド層904と、p型コンタクト層905と、p側オーミック電極906と、電流ブロック層907と、パッド電極908と、n側オーミック電極909と、パッド電極910とを有する。
n型クラッド層902は、AlGa1−xN(x=0.07)によって構成されており、400nmの厚みを有する。活性層903は、InGa1−xN(x=0.15)によって構成された井戸層と、InGa1−xN(x=0.02)によって構成された障壁層とを有しており、井戸層及び障壁層は交互に積層されている。また、井戸層は3nmの厚みを有しており、障壁層は20nmの厚みを有している。
p型クラッド層904は、AlGa1−xN(x=0.07)によって構成されており、400nmの厚みを有する。なお、p型クラッド層904には、Mgがドーパント材としてドープされている。
p型コンタクト層905は、InGa1−xN(x=0.02)によって構成されており、10nmの厚みを有する。なお、p型コンタクト層905には、Mgがドーパント材としてドープされている。
p側オーミック電極906は、図69に示すように、Si層906aと、Pd層906bと、Au層906cとを有している。Si層906a、Pd層906b及びAu層906cは、p型コンタクト層905からこの順で積層されている。また、Si層906aは1nmの厚みを有しており、Pd層906bは30nmの厚みを有しており、Au層906cは300nmの厚みを有している。
なお、Si層906aは、上述したように、アモルファスシリコンによって構成されていることが好ましい。また、p側オーミック電極906は、Pd層906bに代えて、Pt層を有していてもよい。
電流ブロック層907は、SiOによって構成されており、300nmの厚みを有している。また、電流ブロック層907は、p型クラッド層904上に設けられている。
パッド電極908は、例えば、Si、Ti及びAuによって構成されており、Si、Ti及びAuは、p側オーミック電極906からこの順で積層されている。また、Siは3nmの厚みを有しており、Tiは200nmの厚みを有しており、Auは300nmの厚みを有している。
n側オーミック電極909は、図70に示すように、Si層909aと、Pd層909bと、Al層909cとを有している。Si層909a、Pd層909b及びAl層909cは、n型GaN基板901からこの順で積層されている。また、Si層909aは3nmの厚みを有しており、Pd層909bは2nmの厚みを有しており、Al層909cは6nmの厚みを有している。
なお、Si層909aは、上述したように、アモルファスシリコンによって構成されていることが好ましい。また、n側オーミック電極909は、Pd層909bに代えて、Pt層を有していてもよい。
パッド電極910は、例えば、Si、Ti及びAuによって構成されており、Si、Ti及びAuは、n側オーミック電極909からこの順で積層されている。また、Siは3nmの厚みを有しており、Tiは200nmの厚みを有しており、Auは300nmの厚みを有している。
なお、第9実施形態に係る窒化物系半導体素子の製造プロセスは、上述した第2実施形態と同様であるため、その説明については省略する。
以下において、第8実施形態及び第9実施形態に係る窒化物系半導体素子のn側オーミック電極の効果を確認するために行った実験について説明する。
最初に、n側オーミック電極の効果を確認するための試料及び確認方法について説明する。図71は、n側オーミック電極の効果を確認するための試料及び確認方法について説明するための図である。
図71に示すように、n型GaN基板21上に所定の間隔を空けてn側オーミック電極24を真空蒸着法によって形成した。
なお、n側オーミック電極24の試料としては、以下の4種類の試料を作成した。具体的には、本発明の第8実施形態及び第9実施形態に係るn側オーミック電極の試料として、n型GaN基板21から順にSI層(3nm)、Pd(2nm)層及びAl層(6nm)が積層された試料(以下、Si/Pd/Al(3/2/6nm)試料)と、n型GaN基板21から順にSI層(3nm)、Pt(2nm)層及びAl層(6nm)が積層された試料(以下、Si/Pt/Al(3/2/6nm)試料)とを形成した。一方、比較例に係るn側オーミック電極の試料として、n型GaN基板21から順にAl層(6nm)及びPd(10nm)層が積層された試料(以下、Al/Pd(6/10nm)試料)と、n型GaN基板21から順にAl層(6nm)及びPt(10nm)層が積層された試料(以下、Al/Pt(6/10nm)試料)とを形成した。
最初に、n側オーミック電極24に測定針25を接触させて、電流−電圧特性(I−V特性)を測定した結果について説明する。図72は、この実験に係る各試料の電流−電圧特性(I−V特性)を示す図である。なお、図72では、n側オーミック電極24をn型GaN基板21に蒸着した直後の特性、及び、窒素雰囲気中でn側オーミック電極24に熱処理を加えた後の特性が示されている。
図72(a)及び図72(b)に示すように、Si/Pd/Al(3/2/6nm)試料及びSi/Pt/Al(3/2/6nm)試料では、組み立て工程で行われる熱処理(ダイボンド)の温度と同等である350℃の熱を加えても、I−V特性の劣化がほとんど見られなかった。
これに対して、図72(c)及び図72(d)に示すように、Al/Pd(6/10nm)試料及びAl/Pt(6/10nm)試料では、300℃程度の熱を加えると、I−V特性が急激に劣化することが確認された。
次に、n側オーミック電極24をn型GaN基板21に蒸着した後に熱処理を加えていない状態(as depo.状態)における抵抗値を基準として規格化を行って、n側オーミック電極24に熱処理を加えることによって変化する抵抗値の変化割合について測定した。図73は、この実験に係る各試料の抵抗値の変化割合を示す図である。
図73に示すように、Si/Pd/Al(3/2/6nm)試料及びSi/Pt/Al(3/2/6nm)試料では、各試料に熱処理を加えても、抵抗値の変化がほとんど見られなかった。これに対して、Al/Pd(6/10nm)試料及びAl/Pt(6/10nm)試料では、300℃程度の熱を加えると、抵抗値が急激に劣化することが確認された。
図72及び図73に示した実験結果から明らかなように、Si層、Pd層(又は、Pt層)及びAl層がこの順で積層されたn側オーミック電極、すなわち、Si層とAl層(第1金属層)との間にPd層(又は、Pt層)が設けられたn側オーミック電極によれば、組み立て工程で行われる熱処理によってオーミック特性が低下することを抑制できることが確認された。
最後に、Si層、Pd層(又は、Pt層)及びAl層の厚みが異なる2種類の試料を作成して、各試料の抵抗値の変化割合について測定した。図74は、この実験に係る各試料の抵抗値の変化割合を示す図である。
なお、この実験では、n側オーミック電極23の試料として、Si層、Pd層(又は、Pt層)及びAl層の厚みがそれぞれ1nm、1nm及び60nmである試料(以下、1/1/60試料)と、Si層、Pd層(又は、Pt層)及びAl層の厚みがそれぞれ30nm、20nm及び60nmである試料(以下、30/20/60試料)とを作成した。
図74に示すように、Si層、Pd層(又は、Pt層)の厚みを変化させると、熱処理による抵抗値の変化割合が変化することが確認された。すなわち、抵抗値の変化割合は、Si層、Pd層(又は、Pt層)の厚みに依存する性質を有することが確認された。
(その他の実施形態)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第7実施形態では、窒化物系半導体層上に形成されるオーミック電極を備えた本発明の窒化物系半導体素子を、窒化物系半導体レーザ素子、窒化物系半導体発光ダイオード素子およびバイポーラトランジスタに適用した例について説明したが、本発明はこれに限らず、窒化物系半導体層上に形成されるオーミック電極を備えた窒化物系半導体素子を、窒化物系半導体レーザ素子、窒化物系半導体発光ダイオード素子およびバイポーラトランジスタ以外の窒化物系半導体素子に適用してもよい。
また、上記第5実施形態では、p型コンタクト層に接触するPt(Pd)層をp型コンタクト層上に島状に形成するとともに、p型コンタクト層上のPt(Pd)層が形成されていない部分に、接触するようにSi層を形成した例について説明したが、本発明はこれに限らず、p型コンタクト層上にPt(Pd)層を層状に形成し、その層状のPt(Pd)層上にSi層を形成してもよい。
本発明の第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(窒化物系半導体素子)の構造を示した断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造を詳細に説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造を詳細に説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造を詳細に説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 本発明の第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(窒化物系半導体素子)の構造を示した断面図である。 図25に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造を詳細に説明するための図である。 図25に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図25に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図25に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図25に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 本発明の第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子(窒化物系半導体素子)の構造を示した断面図である。 図31に示した第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を詳細に説明するための図である。 図31に示した第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を詳細に説明するための図である。 図31に示した第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図31に示した第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図31に示した第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図31に示した第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図31に示した第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図31に示した第3実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 本発明の第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子(窒化物系半導体素子)の構造を示した断面図である。 図40に示した第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を詳細に説明するための図である。 図40に示した第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の構造を詳細に説明するための図である。 図40に示した第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図40に示した第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図40に示した第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図40に示した第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図40に示した第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図40に示した第4実施形態による窒化物系半導体発光ダイオード素子のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 本発明の第5実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(窒化物系半導体素子)の構造を示した断面図である。 図49に示した第5実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造を詳細に説明するための図である。 図49に示した第5実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造を詳細に説明するための図である。 図49に示した第5実施形態による窒化物系半導体レーザ素子のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図49に示した第5実施形態による窒化物系半導体レーザ素子のp側オーミック電極の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 本発明の第6実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(窒化物系半導体素子)の構造を示した断面図である。 図54に示した第6実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造を詳細に説明するための図である。 図54に示した第6実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の構造を詳細に説明するための図である。 本発明の第7実施形態によるバイポーラトランジスタ(窒化物系半導体素子)の構造を示した断面図である。 図57に示した第7実施形態によるバイポーラトランジスタの構造を詳細に説明するための図である。 図57に示した第7実施形態によるバイポーラトランジスタの構造を詳細に説明するための図である。 図57に示した第7実施形態によるバイポーラトランジスタの構造を詳細に説明するための図である。 図57に示した第7実施形態によるバイポーラトランジスタの製造プロセスを説明するための断面図である。 図57に示した第7実施形態によるバイポーラトランジスタの製造プロセスを説明するための断面図である。 図57に示した第7実施形態によるバイポーラトランジスタの製造プロセスを説明するための断面図である。 図57に示した第7実施形態によるバイポーラトランジスタの製造プロセスを説明するための断面図である。 本発明の第8実施形態による窒化物系半導体素子の構造を説明するための図である。 図65に示した本発明の第8実施形態による窒化物系半導体素子の構造を詳細に説明するための図である。 図65に示した本発明の第8実施形態による窒化物系半導体素子の構造を詳細に説明するための図である。 本発明の第9実施形態による窒化物系半導体素子の構造を説明するための図である。 図68に示した本発明の第9実施形態による窒化物系半導体素子の構造を詳細に説明するための図である。 図68に示した本発明の第9実施形態による窒化物系半導体素子の構造を詳細に説明するための図である。 図65に示した第8実施形態及び図68に示した第9実施形態による窒化物系半導体素子のn側オーミック電極の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図65に示した第8実施形態及び図68に示した第9実施形態による窒化物系半導体素子のn側オーミック電極の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図65に示した第8実施形態及び図68に示した第9実施形態による窒化物系半導体素子のn側オーミック電極の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。 図65に示した第8実施形態及び図68に示した第9実施形態による窒化物系半導体素子のn側オーミック電極の効果を確認するために行った実験を説明するための図である。
符号の説明
1、301 n型GaN基板(n型の窒化物系半導体層)
202 n型クラッド層(n型の窒化物系半導体層)
5、205、305 p型コンタクト層(p型の窒化物系半導体層)
6、106、206、306、406 p側オーミック電極(オーミック電極)
6a、9a、106a、206a、209a、306a、309a、406b、509a、604a、607a、610a Si(シリコン)層
6b、9c、106b、206b、209c、306d、309c、406c、509c、604c、607b、610c Pd層(第1金属層)
8、10、108、208、210、308、310、408、605、608、611 パッド電極(第2金属層)
9、209、309、509 n側オーミック電極(オーミック電極)
9b、209b、309b、509b、604b、610b Al層(第1金属層)
306b Pt層(第1金属層)
306c Ti層(第1金属層)
406a Pt(Pd)層(オーミック金属層)
603 コレクタ層(n型の窒化物系半導体層)
604 コレクタオーミック電極(オーミック電極)
606 ベース層(p型の窒化物系半導体層)
607 ベースオーミック電極(オーミック電極)
609 エミッタ層(n型の窒化物系半導体層)
610 エミッタオーミック電極(オーミック電極)
801、901 基板
802、902 n型クラッド層
803、903 活性層
904 p型クラッド層
805、905 p型コンタクト層
806、906 p側オーミック電極
806a、906a Si層
806b、906b Pd層
806c、906c Au層
807 表面保護層
907 電流ブロック層
809、909 n側オーミック電極
809a、909a Si層
809b、909b Pd層
809c、909c Al層
810、910 パッド電極

Claims (6)

  1. n型の窒化物系半導体層と、
    前記n型の窒化物系半導体層上に形成されるオーミック電極とを備え、
    前記オーミック電極は、前記n型の窒化物系半導体層上に形成されるシリコン層と、前記シリコン層上に形成される第1金属層とを含む、窒化物系半導体素子。
  2. 前記オーミック電極は、前記シリコン層と前記第1金属層との間に配置されるAl層をさらに含む、請求項1に記載の窒化物系半導体素子。
  3. 前記オーミック電極は、前記シリコン層と前記第1金属層との間に、Pd層及びPt層のいずれか一方を少なくとも含む、請求項1に記載の窒化物系半導体素子。
  4. 前記シリコン層は、アモルファスシリコンからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化物系半導体素子。
  5. 前記オーミック電極上に形成される第2金属層をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化物系半導体素子。
  6. 前記シリコン層は、0.5nm以上30nm以下の厚みを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒化物系半導体素子。
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