JP2008304446A - フライアッシュのタイプの判定方法及びこれを利用したフライアッシュのポゾラン反応性判定方法 - Google Patents

フライアッシュのタイプの判定方法及びこれを利用したフライアッシュのポゾラン反応性判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フライアッシュのポゾラン反応性の判定において、ポゾラン反応性を判定するための試験体作成及び養生期間を大幅に短縮することができると共に、コンクリート用混和材としてのフライアッシュ毎の長期的な強度発現の傾向に合わせてモルタル圧縮強度を適確に評価することができるようにする。
【解決手段】ポゾラン活性度評価指数と養生期間別モルタル活性度指数との相関の回帰直線をフライアッシュのタイプ別に推定する工程(S1)と、モルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュについてポゾラン活性度評価指数を求める工程(S2)と、判定対象のフライアッシュの属性から判断されるフライアッシュのタイプの回帰直線に判定対象のフライアッシュのポゾラン活性度評価指数を代入して養生期間別のモルタル活性度指数を求める工程(S3)とを有するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、フライアッシュのタイプの判定方法及びこれを利用したフライアッシュのポゾラン反応性判定方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、石炭火力発電所から産出されるフライアッシュをセメントと混合した場合に硬化体中でもたらされる強度発現性即ちフライアッシュのポゾラン反応性の迅速な判定並びにフライアッシュの品質指標値の迅速な提示に用いて好適な方法に関する。
従来のポゾラン反応性評価手法としては、JIS A 6201に示されているモルタル試験法により求められるモルタル活性度指数、すなわち、セメント単味モルタルの圧縮強度に対するフライアッシュ25%置換混合モルタルの圧縮強度の比率を用いる方法がある(非特許文献1)。
日本工業規格 JIS A 6201 コンクリート用フライアッシュ,1999年2月改正,財団法人日本規格協会.
しかしながら、JIS A 6201に示されている方法では、試験体作成の1日間に加えてモルタル圧縮強度試験に供するまでの養生期間に91日間を要するために出荷後3ヶ月以降にフライアッシュの品質が提示されることになる。このため、フライアッシュの特性が未だ不明の段階で使用することになるという問題がある。
また、JIS A 6201に示されている方法では、養生期間91日までに発揮されるモルタル圧縮強度を長期的な圧縮強度の指標として、すなわち、養生期間91日までの圧縮強度発現の傾向が同じフライアッシュについてはそれ以降の長期的な圧縮強度発現の傾向も同じであるとの前提に立ち、養生期間91日までの圧縮強度に基づいて長期的な圧縮強度を予測している。
しかしながら、本発明者は、JIS A 6201に示されている方法に代わるポゾラン反応性評価方法の検討を行う中で、フライアッシュが産出される発電用ボイラーや使用される燃料炭種や燃料炭種の粉末度や発電用ボイラーの燃焼条件が異なる場合に、そして、発電用ボイラーや燃料炭種が異なる場合に特に、養生初期から中期にかけてのモルタル活性度指数の変化の挙動即ちモルタル圧縮強度の発現の傾向が同じでも長期的なモルタル活性度指数の変化の挙動が異なる場合があることを発見した。
具体的には、本発明者は、三つの発電用ボイラーから産出された合計26のフライアッシュ試料のそれぞれについてJIS A 6201に示されている方法によって養生期間別のモルタル活性度指数を求めた。そして、養生期間28日におけるモルタル活性度指数に対する養生期間91日,6ヶ月,1年におけるモルタル活性度指数を比較し、養生期間の長期化即ち材齢の増加に伴うモルタル活性度指数の変化の挙動の検証を行った。
検証の結果、養生期間が長くなるに従ってモルタル活性度指数が増加を続けるフライアッシュ試料と、養生期間6ヶ月までは養生期間が長くなるに従ってモルタル活性度指数が増加を続けるものの6ヶ月以降は養生期間が長くなってもモルタル活性度指数が増加しないフライアッシュ試料とがあることが確認された。
ここで、JIS A 6201に示されている方法では、養生期間91日までのモルタル圧縮強度の増加傾向が同じフライアッシュはそれ以降の長期的な圧縮強度の増加傾向も同じであるとの前提に立ち、養生期間91日までの圧縮強度の増加傾向に基づいて長期的な圧縮強度を予測している。しかしながら、実際には、上述のように、モルタル圧縮強度が養生期間6ヶ月以降増加を続けるフライアッシュと増加が停止するフライアッシュとがある。したがって、長期的に発揮されるモルタル圧縮強度をJIS A 6201に示されている方法を用いて養生期間91日までの強度発現の傾向に基づいていずれのフライアッシュについても一様に見込むと、圧縮強度の増加が養生期間6ヶ月以降停止するフライアッシュについては圧縮強度を過大に評価してしまうという問題がある。よって、JIS A 6201に示されている方法はモルタル圧縮強度の予測精度が高いとは言い難い。
そこで、本発明は、ポゾラン反応性を判定するための試験体作成及び養生期間を大幅に短縮することができると共に、コンクリート用混和材としてのフライアッシュ毎の長期的な強度発現の傾向に合わせてモルタル圧縮強度を適確に評価することができるフライアッシュのタイプの判定方法及びこれを利用したフライアッシュのポゾラン反応性判定方法を提供することを目的とする。
請求項1記載のポゾラン反応性に係るフライアッシュのタイプの判定方法は、前記の発明者独自の新たな発見に基づくものであり、発電用ボイラーから産出されるフライアッシュの養生期間別のモルタル活性度指数を求めると共にモルタル活性度指数を養生期間別に比較し、養生期間が長くなるに従ってモルタル活性度指数が増加を続けるポゾラン反応中庸型か、または、一定の養生期間を超えるとモルタル活性度指数の増加が停止するポゾラン反応初期卓越型かを判定するようにしている。
このフライアッシュのタイプの判定方法によると、モルタル活性度指数を養生期間別に比較することによって、フライアッシュが、養生期間が長くなるに従ってモルタル活性度指数が増加を続けるポゾラン反応中庸型と一定の養生期間を超えるとモルタル活性度指数の増加が停止するポゾラン反応初期卓越型とのどちらであるのかが判定される。
さらに、請求項2記載のフライアッシュのポゾラン反応性判定方法は、前記の発明者独自の新たな発見を利用するものであり、発電用ボイラーから産出されるフライアッシュのポゾラン活性度評価指数及び養生期間別のモルタル活性度指数を求める工程と、モルタル活性度指数を養生期間別に比較する工程と、比較の結果に基づいてフライアッシュの発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせ毎にポゾラン反応中庸型とポゾラン反応初期卓越型とのどちらであるかを判断する工程と、ポゾラン活性度評価指数と養生期間別モルタル活性度指数との相関の回帰直線をポゾラン反応中庸型とポゾラン反応初期卓越型との別に推定する工程と、モルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュについてポゾラン活性度評価指数を求める工程と、判定対象のフライアッシュの発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせから判断されるポゾラン反応中庸型若しくはポゾラン反応初期卓越型の回帰直線に判定対象のフライアッシュのポゾラン活性度評価指数を代入して養生期間別のモルタル活性度指数を求める工程とを有するようにしている。
したがって、このフライアッシュのポゾラン反応性判定方法によると、ポゾラン活性度評価指数と養生期間別のモルタル活性度指数との相関の回帰直線を推定すると共に、モルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュについてポゾラン活性度評価指数を求めることにより養生期間別のモルタル活性度指数が求められる。さらに、モルタル活性度指数を求めるための回帰直線をポゾラン反応中庸型フライアッシュの場合とポゾラン反応初期卓越型フライアッシュの場合とに分けて推定することによりフライアッシュの属性であるフライアッシュが産出される発電用ボイラーと使用される燃料炭種との組み合わせに基づいて決定されるフライアッシュの特性に適確に対応したモルタル活性度指数が求められる。
なお、本発明において、ポゾラン活性度評価指数とは、フライアッシュを含むモルタル試料の懸濁液とフライアッシュを含まないモルタル試料の懸濁液とのカルシウムイオン(Ca2+)消費率に基づく指標である。
また、請求項3記載のフライアッシュのポゾラン反応性判定方法は、発電用ボイラーから産出されるフライアッシュの養生期間別のモルタル活性度指数を求める工程と、モルタル活性度指数を養生期間別に比較する工程と、比較の結果に基づいてフライアッシュの発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせ毎にポゾラン反応中庸型とポゾラン反応初期卓越型とのどちらであるかを判断する工程と、モルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュについてポゾラン活性度評価指数を求める工程と、判定対象のフライアッシュの発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせからポゾラン反応中庸型フライアッシュと判断される場合には判定対象のフライアッシュのポゾラン活性度評価指数xをy=0.31x+83.9に代入して養生期間91日のモルタル活性度指数yを求め、判定対象のフライアッシュの発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせからポゾラン反応初期卓越型フライアッシュと判断される場合には判定対象のフライアッシュのポゾラン活性度評価指数xをy=0.29x+80.1に代入して養生期間91日のモルタル活性度指数yを求める工程とを有するようにしている。
さらに、請求項4記載のフライアッシュのポゾラン反応性判定方法は、発電用ボイラーから産出されるフライアッシュの養生期間別のモルタル活性度指数を求める工程と、モルタル活性度指数を養生期間別に比較する工程と、比較の結果に基づいてフライアッシュの発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせ毎にポゾラン反応中庸型とポゾラン反応初期卓越型とのどちらであるかを判断する工程と、モルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュについてポゾラン活性度評価指数を求める工程と、判定対象のフライアッシュの発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせからポゾラン反応中庸型フライアッシュと判断される場合には判定対象のフライアッシュのポゾラン活性度評価指数xをy=0.45x+98.8に代入して養生期間1年のモルタル活性度指数yを求め、判定対象のフライアッシュの発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせからポゾラン反応初期卓越型フライアッシュと判断される場合には判定対象のフライアッシュのポゾラン活性度評価指数xをy=0.45x+85.3に代入して養生期間1年のモルタル活性度指数yを求める工程とを有するようにしている。
したがって、このフライアッシュのポゾラン反応性判定方法によると、モルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュについてポゾラン活性度評価指数を求めると共に、ポゾラン活性度評価指数と養生期間別のモルタル活性度指数との間の関係式を用いることによって養生期間別のモルタル活性度指数が求められる。さらに、モルタル活性度指数を求めるための回帰直線をポゾラン反応中庸型フライアッシュの場合とポゾラン反応初期卓越型フライアッシュの場合とに分けて推定することによりフライアッシュの属性であるフライアッシュが産出される発電用ボイラーと使用される燃料炭種との組み合わせに基づいて決定されるフライアッシュの特性に適確に対応したモルタル活性度指数が求められる。
本発明のフライアッシュのタイプの判定方法によれば、フライアッシュが、養生期間が長くなるに従ってモルタル活性度指数が増加を続けるポゾラン反応中庸型と一定の養生期間を超えるとモルタル活性度指数の増加が停止するポゾラン反応初期卓越型とのどちらであるのかが判定されるので、コンクリート用混和材としてのフライアッシュの特性を明らかにし、その特性に応じてフライアッシュの性能を適確に評価することが可能である。
また、本発明のフライアッシュのポゾラン反応性判定方法によれば、フライアッシュのポゾラン活性度評価指数を求めると共にポゾラン活性度評価指数と養生期間別のモルタル活性度指数との間の関係式を用いて養生期間別のモルタル活性度指数を求めるようにしているので、長期間に亘る養生は必要とされず、フライアッシュのポゾラン反応性の判定に要する時間を大幅に短縮することが可能である。
さらに、本発明のフライアッシュのポゾラン反応性判定方法によれば、ポゾラン反応中庸型及びポゾラン反応初期卓越型の二つのフライアッシュの特性に適確に対応したモルタル活性度指数が求められるので、コンクリート用混和材としてのフライアッシュの長期的な強度発現の予測精度の向上を図ることができ、モルタル圧縮強度を適確に評価することが可能である。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
本発明のポゾラン反応性に係るフライアッシュのタイプの判定方法は、発電用ボイラーから産出されるフライアッシュの養生期間別のモルタル活性度指数を求めると共にモルタル活性度指数を養生期間別に比較し、養生期間が長くなるに従ってモルタル活性度指数が増加を続けるポゾラン反応中庸型か、または、一定の養生期間を超えるとモルタル活性度指数の増加が停止するポゾラン反応初期卓越型かを判定するものである。
そして、図1に、このポゾラン反応性に係るフライアッシュのタイプの判定方法を利用した本発明のフライアッシュのポゾラン反応性判定方法の実施形態の一例を示す。このフライアッシュのポゾラン反応性判定方法は、発電用ボイラーから産出されるフライアッシュのポゾラン活性度評価指数及び養生期間別のモルタル活性度指数を求める工程(S1−1a及びS1−1b)と、モルタル活性度指数を養生期間別に比較する工程(S1−2)と、比較の結果に基づいてフライアッシュの発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせ毎にポゾラン反応中庸型とポゾラン反応初期卓越型とのどちらであるかを判断する工程(S1−2)と、ポゾラン活性度評価指数と養生期間別モルタル活性度指数との相関の回帰直線をポゾラン反応中庸型とポゾラン反応初期卓越型との別に推定する工程(S1−3及びS1−4)と、モルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュについてポゾラン活性度評価指数を求める工程(S2)と、判定対象のフライアッシュの発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせから判断されるポゾラン反応中庸型若しくはポゾラン反応初期卓越型の回帰直線に判定対象のフライアッシュのポゾラン活性度評価指数を代入して養生期間別のモルタル活性度指数を求める工程(S3)とを有する。
なお、S1の処理(即ちS1−1からS1−4までの処理)はフライアッシュのポゾラン反応性を判定するための事前の準備に該当する処理であってポゾラン反応性の判定を行うフライアッシュの発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせ毎に一回だけ行えば良く、発電用ボイラーから産出されるフライアッシュ毎に品質指標値としてのポゾラン反応性を判定する際にはS2及びS3の処理のみを行う。
本発明のフライアッシュのポゾラン反応性判定方法の実行にあたっては、まず、促進化学試験を行ってフライアッシュのポゾラン活性度評価指数を求める(S1−1a)。
ポゾラン活性度評価指数を求めるための促進化学試験は、まず、フライアッシュ、普通ポルトランドセメント及びイオン交換水を調合した評価用試料と、普通ポルトランドセメント及びイオン交換水を調合した基準試料とを作成する。評価用試料及び基準試料それぞれの材料の調合割合を表1に示す。なお、試料作成に用いる各材料及びイオン交換水の使用量は表1に示す量に限られるものではなく、各材料及びイオン交換水の比率が同じであればそれぞれの使用量を増減させても良い。本実施形態では、試験実施に係る作業性を考慮して表1に示す配合量を基本配合とする。
Figure 2008304446
試料の作成は、まず、各材料を計量して密封性の高いポリプロピレン製のふた付き容器(表1に示す配合量の場合には例えば100ml程度の容量のもの)に入れ、攪拌器を用いて室温にて1時間の攪拌を行う。この際、十分な懸濁状態となるように攪拌し、容器の底で材料が沈殿・固化しないようにする。
続いて、ふたを締付けた容器を80℃の恒温槽内に18時間入れて懸濁液内での反応を促進させる。なお、反応初期の段階において容器を振る攪拌作業を数回行う。
反応液を室温まで冷却した後、開口径が0.2μmのポリエチレン製のメンブレンフィルターでろ液を採取し、50倍に希釈する。
そして、希釈状態のろ液中のカルシウムイオンの濃度を定量する。カルシウムイオン濃度の定量は、具体的には例えば、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICPとも呼ばれる)や原子吸光光度計等の分析装置を用いて行う。
評価用試料及び基準試料の各ろ液のカルシウムイオン濃度を用い、数式1によってカルシウムイオン消費率を算出する。この数式1によって算出されるカルシウムイオン消費率がポゾラン活性度評価指数API(Assessed Pozzolanic−activity Indexの略)である。
Figure 2008304446
ここに、API:ポゾラン活性度評価指数(%),Ca(C):基準試料懸濁液におけるカルシウムイオン濃度,Ca(F+C):評価用試料懸濁液におけるカルシウムイオン濃度。
さらに、JIS A 6201に準拠したモルタル強度試験を行ってフライアッシュのモルタル活性度指数を求める(S1−1b)。
日本工業規格の一つであるJIS A 6201は、コンクリート用フライアッシュについての規格であり、コンクリートの性能・品質について規定している。JIS A 6201自体は周知であり、これに定められているモルタル強度試験の方法並びにモルタル活性度指数の導出方法も周知であるのでここでは詳細については省略する。
本発明では、養生期間28日,91日,6ヶ月,1年についてJIS A 6201に準拠したモルタル強度試験を行ってモルタル活性度指数を算出する。なお、モルタル活性度指数とは、フライアッシュのポゾラン活性を評価する指標であって、水結合材比を一定としたときの、基準モルタルであるセメント単味モルタルの圧縮強度に対する試験モルタルであるフライアッシュ25%置換混合モルタルの圧縮強度の比率をいう。
JIS A 6201に準拠したモルタル強度試験は、S1−1aの処理においてポゾラン活性度評価指数を求めたフライアッシュそれぞれについて行う。すなわち、発電用ボイラーから産出されるフライアッシュ試料毎にポゾラン活性度評価指数と養生期間別モルタル活性度指数とが整理される。
次に、S1−1bの処理で得られたJIS A 6201に準拠したモルタル強度試験の結果を用いて養生期間別のモルタル活性度指数の比較を行う(S1−2)。
具体的には、S1−1bの処理において算出された養生期間別のモルタル活性度指数を用いて、フライアッシュ毎の養生期間28日のモルタル活性度指数に対する養生期間91日,6ヶ月,1年のモルタル活性度指数の増減を整理する。
この養生期間別のモルタル活性度指数の比較結果から、発電用ボイラーから産出されるフライアッシュが、養生期間が長くなるに従ってモルタル活性度指数が増加を続けるタイプか、一定の養生期間を超えるとモルタル活性度指数の増加が停止するタイプかを判断する。具体的には例えば、養生期間91日のモルタル活性度指数と養生期間6ヶ月及び1年のモルタル活性度指数との間に大きな増加がみられない場合や、養生期間6ヶ月のモルタル活性度指数と養生期間1年のモルタル活性度指数との間に大きな増加がみられない場合には後者のタイプであると判断する。
そして、養生期間28日のモルタル活性度指数に対し養生期間が長くなるに従ってモルタル活性度指数が増加を続けるタイプのフライアッシュをポゾラン反応中庸型フライアッシュと呼ぶ。また、一定の養生期間を超えるとモルタル活性度指数の増加が停止するタイプのフライアッシュをポゾラン反応初期卓越型フライアッシュと呼ぶ。なお、以降では、適宜、ポゾラン反応中庸型とポゾラン反応初期卓越型とのことをフライアッシュのタイプと呼ぶ。
なお、本発明においては、S1−4の処理において相関データの回帰直線を推定するために、発電用ボイラーから産出されポゾラン反応性の判定を行うフライアッシュのタイプ毎に二以上のフライアッシュ試料についての試験データ即ちポゾラン活性度評価指数と養生期間別モルタル活性度指数との組み合わせデータが必要とされる。また、一つの試料に対して試験を複数回繰り返して行って平均値を試験値とすることが望ましい。
次に、S1−1aの処理によって整理されたポゾラン活性度評価指数とS1−1bの処理によって整理されたモルタル活性度指数との相関データを作成する(S1−3)。
発電用ボイラーで産出されたフライアッシュに関するポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との相関データ(以下適宜、単に相関データと表記する)の作成は、S1−2の処理によって判断されたフライアッシュのタイプ別、即ちポゾラン反応中庸型フライアッシュとポゾラン反応初期卓越型フライアッシュとの別に行う。
次に、S1−3の処理によって整理されたポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との相関データの回帰直線を推定する(S1−4)。
ポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との相関データの回帰直線の推定も、S1−2の処理によって判断されたフライアッシュのタイプ別に行う。
さらに、この処理では、モルタル活性度指数の養生期間別データを用いて材齢別に相関データの回帰直線を推定する。例えば、養生期間91日のモルタル活性度指数予測のための回帰直線は養生期間91日のモルタル活性度指数データとポゾラン活性度評価指数データとを用いて推定し、養生期間1年のモルタル活性度指数予測のための回帰直線は養生期間1年のモルタル活性度指数データとポゾラン活性度評価指数データとを用いて推定する。なお、相関データの回帰直線の推定は、例えば最小二乗法を用いて行う。
以上のS1の処理により、発電用ボイラーから産出されるフライアッシュのポゾラン活性度評価指数からポゾラン反応中庸型フライアッシュとポゾラン反応初期卓越型フライアッシュとの別に材齢別のモルタル活性度指数を推定する関係式が求まる。そして、発電用ボイラーから産出されるフライアッシュがポゾラン反応中庸型フライアッシュとポゾラン反応初期卓越型フライアッシュとのどちらであるのかはフライアッシュの発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせから判断される。
次に、モルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュを用いて促進化学試験を行ってポゾラン活性度評価指数を求める(S2)。
具体的にはS1−1aの処理における促進化学試験の手順に従って、モルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュ、例えば発電用ボイラーから産出され出荷される前のフライアッシュについてポゾラン活性度評価指数を求める。
次に、S1−4の処理で推定されたポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との間の関係式、及び、S2の処理で求められたポゾラン活性度評価指数を用いてモルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュの材齢別のモルタル活性度指数を推定する(S3)。
具体的には、S1−4の処理で推定されたポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との相関データの回帰直線であって、フライアッシュのタイプ別に材齢別のモルタル活性度指数を推定する関係式にS2の処理で求められたポゾラン活性度評価指数を代入してモルタル活性度指数を求める。
この際、S1−4の処理において推定される関係式はフライアッシュのタイプ別であるので、フライアッシュの発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせ毎にS1−2の処理において判断されたフライアッシュのタイプに従い、具体的には、モルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュについての発電用ボイラーと使用される燃料炭種との組み合わせから当該フライアッシュがポゾラン反応中庸型フライアッシュとポゾラン反応初期卓越型フライアッシュとのどちらであるのかを判断し、該当するタイプの関係式を用いる。さらに、S1−4の処理において推定される関係式は硬化体の材齢別であるので、例えば品質指標値として提示が必要とされるモルタル活性度指数の材齢に該当する関係式を用いる。
以上の処理により、フライアッシュのタイプ別に材齢別のモルタル活性度指数が推定される。そして、ポゾラン活性度評価指数は1日で求めることが可能であるので、フライアッシュの出荷時に当該フライアッシュの品質指標値として強度特性を示すことができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、S1−4の処理において、発電用ボイラーで産出されたフライアッシュに係る相関データの全てを一つのデータ集合として扱ってフライアッシュのタイプ別に一つの回帰直線を推定するようにしているが、これに限られず、相関データを発電用ボイラー別に分けたり更に使用される燃料炭種別に分けたりして、発電用ボイラー毎に回帰直線を推定したり更に燃料炭種毎に回帰直線を推定したりするようにしても良い。なお、この場合には、回帰直線を推定する区分毎に二以上のフライアッシュ試料についての試験データが必要とされる。そして、この場合には、S3の処理において、モルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュの属性(即ち発電用ボイラーや燃料炭種)に合わせてモルタル活性度指数の予測に用いる回帰直線を選択する。
また、本実施形態では、フライアッシュのタイプを判断するためのフライアッシュの属性としてフライアッシュが産出される発電用ボイラーと使用される燃料炭種とを考慮するようにしているが、フライアッシュの属性はこれに限られるものではなく、燃料炭種の粉末度や発電用ボイラーの燃焼条件を更に考慮するようにしても良い。この場合には、発電用ボイラーと燃料炭種と粉末度と燃焼条件との中からフライアッシュの属性として考慮するものを適宜選択し、例えばS1−2の処理において、選択された属性の組み合わせ毎にフライアッシュがポゾラン反応中庸型フライアッシュとポゾラン反応初期卓越型フライアッシュとのどちらであるのかを判断する。
また、本実施形態では、ポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との相関データを用いてS1−4の処理において回帰直線を推定すると共に、当該処理において推定された回帰直線を用いてS3の処理でモルタル活性度指数を推定するようにしているが、これに限られず、ポゾラン反応中庸型フライアッシュについてのポゾラン活性度評価指数と材齢91日のモルタル活性度指数との間の関係式として数式2を用いると共に、ポゾラン反応初期卓越型フライアッシュについてのポゾラン活性度評価指数と材齢91日のモルタル活性度指数との間の関係式として数式3を用いるようにしても良い。さらに、ポゾラン反応中庸型フライアッシュについてのポゾラン活性度評価指数と材齢1年のモルタル活性度指数との間の関係式として数式4を用いると共に、ポゾラン反応初期卓越型フライアッシュについてのポゾラン活性度評価指数と材齢1年のモルタル活性度指数との間の関係式として数式5を用いるようにしても良い。なお、数式2から数式5は、本発明者が収集したデータを用いて推定したポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との相関の回帰直線である。
(数2)y=0.31x+83.9
(数3)y=0.29x+80.1
(数4)y=0.45x+98.8
(数5)y=0.45x+85.3
ここに、y:モルタル活性度指数(%),x:ポゾラン活性度評価指数(%)。
なお、数式2から数式5の回帰直線を用いて推定されるモルタル活性度指数yの値に対して変動幅を±5とする範囲、即ち推定値y±5の範囲をモルタル活性度指数yの予測範囲として用いるようにしても良い。
本発明のフライアッシュのポゾラン反応性判定方法を実際の発電用ボイラーから産出されたフライアッシュのモルタル活性度指数の算出に適用した実施例を図2から図8を用いて説明する。
本実施例では、四つの発電用ボイラーから各々産出された複数試料のフライアッシュと、国内発電所から無作為にサンプリングしたフライアッシュとについてのポゾラン反応性を判定する場合を例に挙げて説明する。以降では、この四つの発電用ボイラーのことを発電用ボイラーA,B,C及びDと呼ぶ。そして、発電用ボイラーAについては15試料、発電用ボイラーBについては5試料、発電用ボイラーCについては6試料、発電用ボイラーDについては4試料、そして、国内の8発電用ボイラーから無作為にサンプリングした8試料のフライアッシュを試料として用いた。
まず、促進化学試験を行ってフライアッシュ試料別にポゾラン活性度評価指数を求めた(S1−1a)。
本実施例の評価用試料及び基準試料それぞれの材料の調合割合を表2に示す。また、本実施例で用いた普通ポルトランドセメントの化学組成及び物理特性を表3に示す。本実施例では、クリンカー純度の高いセメントである社団法人セメント協会製研究用セメントを用いた。なお、本実施例では、合計38のフライアッシュ試料それぞれについて促進化学試験を3回繰り返して行い、それらの平均値を試験値として用いた。
Figure 2008304446
Figure 2008304446
また、JIS A 6201に準拠したモルタル強度試験を行ってフライアッシュ試料別にモルタル活性度指数を求めた(S1−1b)。
本実施例では、発電用ボイラーAから産出された15試料、発電用ボイラーBから産出された5試料、発電用ボイラーCから産出された6試料、発電用ボイラーDから産出された4試料、8発電用ボイラーから無作為にサンプリングした8試料のフライアッシュ試料それぞれについてJIS A 6201に準拠したモルタル強度試験を行ってモルタル活性度指数を求めた。
次に、S1−1bの処理で得られたJIS A 6201に準拠したモルタル強度試験の結果を用いて養生期間別のモルタル活性度指数の比較を行った(S1−2)。
発電用ボイラーAから産出されたフライアッシュについて養生期間28日のモルタル活性度指数の値を横軸とし、養生期間91日,6ヶ月及び1年のモルタル活性度指数の値を縦軸として整理を行って図2に示す結果が得られた。また、発電用ボイラーBから産出されたフライアッシュについて図3、発電用ボイラーCから産出されたフライアッシュについて図4、発電用ボイラーDから産出されたフライアッシュについて図5、及び、8発電用ボイラーから無作為にサンプリングした8試料のフライアッシュについて図6に示す結果が得られた。
図2に示す結果から、発電用ボイラーAから産出された15試料のうちの12のフライアッシュ試料については、養生期間28日のモルタル活性度指数に対して養生期間が長くなるに従ってモルタル活性度指数が増加を続けるタイプ、即ちポゾラン反応中庸型フライアッシュと判断された。一方、残りの3つのフライアッシュ試料については(図2中符号イで示す)、養生期間28日のモルタル活性度指数に対して養生期間91日及び6ヶ月のモルタル活性度指数は増加しているものの、養生期間1年のモルタル活性度指数は養生期間6ヶ月のモルタル活性度指数と変わらないことが確認された。したがって、残りの3つのフライアッシュ試料は、一定の養生期間を超えるとモルタル活性度指数の増加が停止するタイプ、即ちポゾラン反応初期卓越型フライアッシュと判断された。
さらに、図3に示す結果から、発電用ボイラーBから産出されたフライアッシュは、養生期間28日のモルタル活性度指数に対して養生期間が長くなるに従ってモルタル活性度指数が増加を続けるタイプ、即ちポゾラン反応中庸型フライアッシュと判断された。
また、図4に示す結果から、発電用ボイラーCから産出されたフライアッシュは、養生期間28日のモルタル活性度指数に対して養生期間91日及び6ヶ月のモルタル活性度指数は増加しているものの、養生期間1年のモルタル活性度指数は養生期間6ヶ月のモルタル活性度指数と変わらないことが確認された。したがって、発電用ボイラーCから産出されたフライアッシュは、一定の養生期間を超えるとモルタル活性度指数の増加が停止するタイプ、即ちポゾラン反応初期卓越型フライアッシュと判断された。
また、図5に示す結果から,発電用ボイラーDから産出されたフライアッシュは、養生期間が長くなるに従ってモルタル活性度指数が増加を続けるタイプ、即ちポゾラン反応中庸型フライアッシュと判断された。
さらに、図6に示す8発電用ボイラーから無作為にサンプリングした8試料のフライアッシュは、養生期間が長くなるに従ってモルタル活性度指数が増加を続けるタイプ、即ちポゾラン反応中庸型フライアッシュと判断された。
次に、S1−1aの処理によって整理されたポゾラン活性度評価指数とS1−1bの処理によって整理されたモルタル活性度指数との相関データを作成した(S1−3)。
本実施例では、ポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との相関データの作成はS1−2の処理によって判断されたフライアッシュのタイプ別に行った。具体的には、ポゾラン反応中庸型である発電用ボイラーAから産出された12のフライアッシュ試料及び発電用ボイラーBから産出されたフライアッシュ、ボイラーDから産出されたフライアッシュ、及び8発電用ボイラーから無作為にサンプリングした8試料のフライアッシュの試験結果を用いてポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との相関データを作成し、さらに、ポゾラン反応初期卓越型である発電用ボイラーAから産出された3つのフライアッシュ試料及び発電用ボイラーCから産出されたフライアッシュの試験結果を用いてポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との相関データを作成した。
また、本実施例では、養生期間91日及び養生期間1年の二つの養生期間即ち材齢について相関データを作成した。
次に、S1−3の処理によって整理されたポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との相関データの回帰直線を推定した(S1−4)。
ポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との相関データの回帰直線の推定もS1−2の処理によって判断されたフライアッシュのタイプ別に、更に養生期間毎に行った。具体的には、本実施例では、養生期間91日と1年とのそれぞれについて、ポゾラン反応中庸型フライアッシュのポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との相関データの回帰直線を推定し、さらに、ポゾラン反応初期卓越型フライアッシュのポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との相関データの回帰直線を推定した。
回帰直線の推定の結果、ポゾラン反応中庸型フライアッシュについては、養生期間即ち材齢91日の相関データの回帰直線は数式6のようになった。また、材齢1年の相関データの回帰直線は数式7のようになった。なお、材齢91日の相関データの相関係数は0.86、材齢1年の相関データの相関係数は0.90となり、両者共に良好な相関が認められると共に両者の相関を適確に説明し得る回帰直線が推定されたと判断された。ポゾラン反応中庸型フライアッシュの材齢別の回帰直線を図7に示す。図7において、上の直線が材齢期間1年の回帰直線であり、下の直線が材齢期間91日の回帰直線である。
(数6)y=0.31x+83.9
(数7)y=0.45x+98.8
ここに、y:モルタル活性度指数(%),x:ポゾラン活性度評価指数(%)。
さらに、ポゾラン反応初期卓越型フライアッシュについては、材齢91日の相関データの回帰直線は数式8のようになった。また、材齢1年の相関データの回帰直線は数式9のようになった。なお、材齢91日の相関データの相関係数は0.87、材齢1年の相関データの相関係数は0.94となり、両者共に良好な相関が認められると共に両者の相関を適確に説明し得る回帰直線が推定されたと判断された。ポゾラン反応初期卓越型フライアッシュの材齢別の回帰直線を図8に示す。図6において、上の直線が材齢期間1年の回帰直線であり、下の直線が材齢期間91日の回帰直線である。
(数8)y=0.29x+80.1
(数9)y=0.45x+85.3
ここに、y:モルタル活性度指数(%),x:ポゾラン活性度評価指数(%)。
次に、発電用ボイラーから産出され出荷される前のフライアッシュを用いて促進化学試験を行ってポゾラン活性度評価指数を求めた(S2)。
S1−1aの処理における促進化学試験の手順に従って、出荷される前のフライアッシュについてポゾラン活性度評価指数を求めた。
次に、S1−4の処理で推定されたポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との間の関係式、及び、S2の処理で求められたポゾラン活性度評価指数を用いて発電用ボイラーから産出され出荷される前のフライアッシュの材齢別のモルタル活性度指数を推定した(S3)。
具体的には、S2の処理で求められたポゾラン活性度評価指数xを、ポゾラン反応中庸型フライアッシュの場合で材齢91日のモルタル活性度指数を推定する場合は数式6のxに代入し、材齢1年のモルタル活性度指数を推定する場合には数式7のxに代入し、さらに、ポゾラン反応初期卓越型フライアッシュの場合で材齢91日のモルタル活性度指数を推定する場合には数式8のxに代入し、材齢1年のモルタル活性度指数を推定する場合には数式9のxに代入してモルタル活性度指数yを求めた。
本実施例の場合には、発電用ボイラーAやBから産出されるポゾラン反応中庸型フライアッシュについてのポゾラン活性度評価指数xを数式6や7に代入して材齢別のモルタル活性度指数を求め、発電用ボイラーAやCから産出されるポゾラン反応初期卓越型フライアッシュについてのポゾラン活性度評価指数xを数式8や9に代入して材齢別のモルタル活性度指数を求めた。
なお、図7及び図8に示す結果から、各図中実線で示される直線であって数式6から数式9に対応する各回帰直線に対して変動幅を±5とする範囲(各図中破線で示される範囲)に着目すると、この変動幅±5の範囲に本実施例で用いた試料の相関結果が概ね収まっていることが確認された。このことから、数式6から数式9の回帰直線を用いて推定されるモルタル活性度指数yの値に対して変動幅を±5とする範囲、即ち推定値y±5の範囲をモルタル活性度指数yの予測範囲として用いるようにしても良い。
また、上述の実施例では、材齢91日及び1年のモルタル活性度指数を予測するようにしているが、これに限られず、養生期間28日や6ヶ月のモルタル活性度指数を予測するようにしても良い。
本発明のフライアッシュのポゾラン反応性判定方法の実施形態の一例を説明するフローチャートである。 実施例の発電用ボイラーAから産出されたフライアッシュについての養生期間別のモルタル活性度指数の比較を説明する図である。 実施例の発電用ボイラーBから産出されたフライアッシュについての養生期間別のモルタル活性度指数の比較を説明する図である。 実施例の発電用ボイラーCから産出されたフライアッシュについての養生期間別のモルタル活性度指数の比較を説明する図である。 実施例の発電用ボイラーDから産出されたフライアッシュについての養生期間別のモルタル活性度指数の比較を説明する図である。 実施例の国内の8発電用ボイラーから無作為にサンプリングしたフライアッシュについての養生期間別のモルタル活性度指数の比較を説明する図である。 実施例のポゾラン反応中庸型フライアッシュのポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との材齢別の相関データの回帰直線を説明する図である。 実施例のポゾラン反応初期卓越型フライアッシュのポゾラン活性度評価指数とモルタル活性度指数との材齢別の相関データの回帰直線を説明する図である。

Claims (4)

  1. 発電用ボイラーから産出されるフライアッシュの養生期間別のモルタル活性度指数を求めると共に前記モルタル活性度指数を前記養生期間別に比較し、前記養生期間が長くなるに従って前記モルタル活性度指数が増加を続けるポゾラン反応中庸型か、または、一定の前記養生期間を超えると前記モルタル活性度指数の増加が停止するポゾラン反応初期卓越型かを判定することを特徴とするポゾラン反応性に係るフライアッシュのタイプの判定方法。
  2. 発電用ボイラーから産出されるフライアッシュのポゾラン活性度評価指数及び養生期間別のモルタル活性度指数を求める工程と、前記モルタル活性度指数を前記養生期間別に比較する工程と、前記比較の結果に基づいて前記フライアッシュの前記発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせ毎にポゾラン反応中庸型とポゾラン反応初期卓越型とのどちらであるかを判断する工程と、前記ポゾラン活性度評価指数と前記養生期間別モルタル活性度指数との相関の回帰直線を前記ポゾラン反応中庸型と前記ポゾラン反応初期卓越型との別に推定する工程と、前記モルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュについて前記ポゾラン活性度評価指数を求める工程と、前記判定対象のフライアッシュの前記発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせから判断される前記ポゾラン反応中庸型若しくはポゾラン反応初期卓越型の回帰直線に前記判定対象のフライアッシュの前記ポゾラン活性度評価指数を代入して前記養生期間別のモルタル活性度指数を求める工程とを有することを特徴とするフライアッシュのポゾラン反応性判定方法。
  3. 発電用ボイラーから産出されるフライアッシュの養生期間別のモルタル活性度指数を求める工程と、前記モルタル活性度指数を前記養生期間別に比較する工程と、前記比較の結果に基づいて前記フライアッシュの前記発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせ毎にポゾラン反応中庸型とポゾラン反応初期卓越型とのどちらであるかを判断する工程と、前記モルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュについて前記ポゾラン活性度評価指数を求める工程と、前記判定対象のフライアッシュの前記発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせから前記ポゾラン反応中庸型フライアッシュと判断される場合には前記判定対象のフライアッシュの前記ポゾラン活性度評価指数xをy=0.31x+83.9に代入して養生期間91日の前記モルタル活性度指数yを求め、前記判定対象のフライアッシュの前記発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせから前記ポゾラン反応初期卓越型フライアッシュと判断される場合には前記判定対象のフライアッシュの前記ポゾラン活性度評価指数xをy=0.29x+80.1に代入して養生期間91日の前記モルタル活性度指数yを求める工程とを有することを特徴とするフライアッシュのポゾラン反応性判定方法。
  4. 発電用ボイラーから産出されるフライアッシュの養生期間別のモルタル活性度指数を求める工程と、前記モルタル活性度指数を前記養生期間別に比較する工程と、前記比較の結果に基づいて前記フライアッシュの前記発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせ毎にポゾラン反応中庸型とポゾラン反応初期卓越型とのどちらであるかを判断する工程と、前記モルタル活性度指数の判定を行うフライアッシュについて前記ポゾラン活性度評価指数を求める工程と、前記判定対象のフライアッシュの前記発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせから前記ポゾラン反応中庸型フライアッシュと判断される場合には前記判定対象のフライアッシュの前記ポゾラン活性度評価指数xをy=0.45x+98.8に代入して養生期間1年の前記モルタル活性度指数yを求め、前記判定対象のフライアッシュの前記発電用ボイラーと燃料炭種との組み合わせから前記ポゾラン反応初期卓越型フライアッシュと判断される場合には前記判定対象のフライアッシュの前記ポゾラン活性度評価指数xをy=0.45x+85.3に代入して養生期間1年の前記モルタル活性度指数yを求める工程とを有することを特徴とするフライアッシュのポゾラン反応性判定方法。
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