JP2008304043A - 粘性流体封入ダンパ - Google Patents

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Shinsuke Asai
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Abstract

【課題】粘性流体封入ダンパを支持部材又は被支持部材に対して組み付ける際の、相手側の軸体の挿入作業性が良好であるとともに、挿込みが完全に行われたか否かを容易に確認でき、しかも一旦挿し込まれた後においては容易に軸体が抜け出すことのない粘性流体封入ダンパを提供する。
【解決手段】粘性流体封入ダンパ10において、撹拌筒部18を、エラストマーにて形成した有底筒状の主部34と、主部34の内部且つ底部34a側に埋込状態に部分的に設けた硬質樹脂製のコア部材38とで構成して、それらの内側に挿込孔40を形成する。そしてコア部材38には、底部34a側から起立する弾性アーム60とその先端側で径方向内方に突出する掛止爪部62を具備させ、軸体の挿込時にその頭部に対して掛止爪部62を抜け方向に弾性掛止させて、そこでクリック感を発生させるようにする。
【選択図】 図2

Description

この発明はシリコーンオイル等の粘性流体を内部に封入して成る粘性流体封入ダンパに関する。
近年、CDプレーヤ等のディスクプレーヤ,AV機器,パソコンのHDD装置,ビデオカメラ等の小型精密機器において、密閉容器内部にシリコーンオイル等の粘性流体を封入して成る小型の粘性流体封入ダンパが、防振用として広く用いられるようになって来ている。
例えばCDプレーヤ等のディスクプレーヤ、特に車載用のものにおいては、車両等の振動がそのままディスクプレーヤの本体機構部ユニットに伝達されてしまうと音飛び等を生じることから、これを防止すべく、従来、図8(A)に示しているようにスプリング200を介して支持したディスクプレーヤの本体機構部ユニット(被支持部材)202と、支持フレーム(支持部材)204との間に粘性流体封入ダンパ206を介装することが行われている。
図8(B)はかかる粘性流体封入ダンパ206として従来用いられているものの具体的な構造例を、その取付構造例とともに示したもので(下記特許文献1に開示)、図示のようにこの例の粘性流体封入ダンパ206は、密閉の容器の内部にシリコーンオイル等の高粘性の粘性流体210を封入した形態をなしている。
ここで粘性流体封入ダンパ206は、円筒形状の周壁部214と、周壁部214の軸方向の一端側を閉鎖する底壁部216と、周壁部214の軸方向の他端側に連続して形成されたエラストマーから成る薄肉の可撓膜220と、可撓膜220の中心部で底壁部に向って突出する状態で設けられた撹拌筒部218とを有していて、それらによって密閉容器を構成しており、その内部に上記の粘性流体210が封入されている。
この粘性流体封入ダンパ206は、周壁部214を支持フレーム(支持部材)204に形成した貫通孔222内に嵌入させる状態で、底壁部216において固定ねじ224により支持フレーム204に固定されるようになっている。
撹拌筒部218はエラストマーにて有底筒状に形成されていて、内側に挿込孔226を有しており、そこに予め本体機構部ユニット202にかしめ付け固定された、先端に径方向外方に突出した形状の大径の頭部227を有する金属製の軸体212を挿し込むことで、粘性流体封入ダンパ206が本体機構部ユニット202に組み付けられる。
この粘性流体封入ダンパ206の場合、支持フレーム204に振動が加わったとき、撹拌筒部218及び軸体212が高粘性の粘性流体210内部で相対変位し、これにより粘性流体210が粘性流動してエネルギー吸収(振動吸収)し、支持フレーム204から本体機構部ユニット202への振動伝達を遮断ないし抑制する。
しかしながらこの粘性流体封入ダンパ206の場合、本体機構部ユニット202への組付けのために金属製の軸体212を撹拌筒部218の内側の挿込孔226に挿し込む際、撹拌筒部218が極めて変形し易い可撓膜220の中心部に設けられていることから、また撹拌筒部自体がエラストマーにて形成されていて、それ自身変形し易いものであることから、挿込孔226への軸体212の挿込みがしづらく、挿込作業が困難である問題があった。
また軸体212を挿込孔226に挿し込んだときに、軸体212が完全に奥まで挿し込まれているか否かの確認が難しい問題があった。
そこで軸体212に所定の挿込み深さの位置に印を付けておいて、その印に基いて軸体212が挿込孔226に十分に挿し込まれたかどうかを確認するようにしているが、そのようにしても、軸体212が挿込孔226に十分深くまで挿し込まれたことの手応えが感じられないために、場合によって挿込みが浅くなってしまうことがあり、而して軸体212の挿込みが浅いときには、使用中に大きな振幅で外部から振動が伝わったときに軸体212が挿込孔226から抜け出し外れてしまう恐れがあった。
而して軸体212が挿込孔226から抜けてしまうと、粘性流体封入ダンパ206は防振性能を発揮できなくなってしまう。
この問題は、軸体212が挿込孔226に完全に奥まで挿し込まれておらず、挿込みが浅い場合においても生ずる。
更に、軸体212の挿込みが浅いと使用中に軸体212が挿込孔226内で摩擦摺動を起し、そしてそのことによって撹拌筒部218が損傷する恐れがあり、このことが耐久性低下に繋がる問題があった。
特開2003−139182号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、粘性流体封入ダンパを支持部材又は被支持部材に対して組み付ける際の、相手側の軸体の挿込作業性が良好であるとともに、挿込みが完全に行われたか否かを容易に確認でき、しかも一旦挿し込まれた後においては容易に軸体が抜け出すことのない粘性流体封入ダンパを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、(a)筒状の周壁部と、(b)該周壁部の軸方向の一端側を閉鎖する底壁部と、(c)該周壁部の該軸方向の他端側で該周壁部に連続して形成されたエラストマーから成る可撓膜と、(d)有底筒状をなして該可撓膜の中央部に且つ前記底壁部の側に突出する状態に設けられた撹拌筒部と、を有する密閉容器の内部に粘性流体を封入して成り、先端部に径方向外方に突出する形状の抜止用の頭部を有する支持部材又は被支持部材側の軸体を前記撹拌筒部の内側の挿込孔に挿し込むことによって該支持部材又は被支持部材に組み付けられ、該撹拌筒部の撹拌による前記粘性流体の粘性流動に基いて振動減衰する粘性流体封入ダンパにおいて、前記撹拌筒部を、エラストマーにて形成した有底筒状の主部と、該主部の内部且つ底部側に埋込状態に部分的に設けた硬質樹脂製のコア部材とで構成して、それら主部とコア部材との内側に前記挿込孔を形成し、且つ該コア部材には、前記底部側から起立する弾性アームと、該弾性アームの先端側で径方向内方に突出し、前記軸体の頭部に抜け方向に弾性掛止する掛止爪部とを具備させ、該コア部材にて該軸体を抜止めするとともに、前記主部の内周面を前記軸体の外周面に密着状態に嵌合させるようになしてあることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記コア部材を有底筒状となして、筒壁に形成した軸方向の溝により筒壁全体にて前記弾性アーム及び前記掛止爪部を構成してあることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記主部は前記軸体の挿込前の自由形状で、該軸体に嵌合する部分の内径が該軸体の対応する部分の外径よりも小径をなしていて、該軸体の挿込みにより径方向に圧縮状態で該軸体に嵌合するものとなしてあることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように請求項1のものは、撹拌筒部をエラストマーにて形成した有底筒状の主部と、その内部且つ底部側に埋込状態で部分的に設けた硬質樹脂製のコア部材とで構成して、それらの内側に挿込孔を形成し、またコア部材には弾性アームと、その先端側の掛止爪部とを具備させて、支持部材又は被支持部材に備えた軸体の頭部に対する掛止爪部の弾性掛止により軸体の抜止めをなすとともに、主部の内周面を軸体の外周面に密着状態に嵌合させるようになしたものである。
かかる請求項1の粘性流体封入ダンパにあっては、軸体を撹拌筒部の内部に所定深さまで挿し込むと、コア部材の弾性アームの弾性変形に基いて、その先端側の掛止爪部が軸体の頭部に勢い良く弾性掛止し、ここにおいて軸体が撹拌筒部に対し抜止状態に結合される。
ここで弾性アーム及び掛止爪部は硬質樹脂製のコア部材に設けられているため、このような掛止爪部をエラストマー自体に設けて掛止させるようになした場合に比べて軸体の抜き力を大とすること、即ち軸体との結合力を大とすることができ、従って粘性流体封入ダンパの使用中において、かかる軸体が撹拌筒部から抜け出るのを有効に防止することができる。
従って軸体が撹拌筒部から抜け出ることによって、粘性流体封入ダンパの防振性能が発揮されなくなってしまう問題を解決することができる。
この請求項1では、掛止爪部が軸体の頭部に対し弾性的に勢い良く掛止する際に、そこでクリック感を発生させる。
そしてそのクリック時に発生したクリック音や、或いは手に伝わる衝撃によって、軸体が正しく正規の位置まで撹拌筒部の内部の奥深くまで挿し込まれたことを、作業者は直ちに認識することができる。
即ち、粘性流体封入ダンパが正しく支持部材又は被支持部材に適正に組み付けられたことを明確に認識することができる。
そのため撹拌筒部内側の挿込孔への軸体の挿込作業性が良好となり、また挿込みが完全に行われたか否かを容易に確認することができるために、挿込みが浅くなってしまうのを防止できる。
従って挿込みが浅くなることによって、ダンパ使用中に軸体が撹拌筒部から抜けてしまったり、或いは完全に抜けないまでも半挿し状態のままで軸体が撹拌筒部で相対的な摩擦摺動を起し、そのことによって粘性流体封入ダンパの減衰性能が低下したり或いはその摩擦摺動に基いて撹拌筒部が損傷し、そのことが耐久性低下に繋がる問題も併せて解決することができる。
尚、撹拌筒部に挿し込んだ軸体は、通常外部から加わる力によっては抜け出ることはないが、作業者の意思に基いてこれを撹拌筒部から抜き出そうとしたとき、コア部材における弾性アームの弾性変形によって、即ち使用者が弾性アームを径方向外向きに弾性変形させるに必要な力を加えることによって、軸体をコア部材即ち撹拌筒部から抜き出すことが可能である。
一方で請求項1では、撹拌筒部におけるコア部材以外の部分、即ちエラストマーにて形成した主部の内周面が軸体の外周面に密着嵌合した状態となる。
そしてそのことによって、軸体に対する保持を補助することができ、軸体に対する保持力を高めることができる。
尚、コア部材を撹拌筒部の全長に亘って主部の内部に埋め込んでおくといったことも考えられる。
しかしながらそのようにすると、粘性流体封入ダンパの防振作用時に、撹拌筒部における主部の可撓膜側の付根の部分、或いは可撓膜の撹拌筒部周りの部分に応力集中が生じて、同部分に局部的に大きな歪みが発生し、そのことによって同部分で亀裂が発生し易くなって耐久性低下に繋がる問題を生ずる。
しかるにこの請求項1では、コア部材が撹拌筒部の底部側に埋込状態に部分的に設けられているだけであるため、撹拌筒部における主部の付根の部分、或いは可撓膜の撹拌筒部周りの部分に応力集中が生じるのを緩和でき、それらの部分での亀裂発生を抑制し得て耐久性能を高めることができる。
また撹拌筒部の、コア部材の埋込個所を除いた部分はエラストマーで形成した軟らかい部分となるため、軸体及び撹拌筒部の動きの自由度を高く保持することができ、このことによって粘性流体を十分に粘性流動させ得て、減衰特性を高く保持することができる。
またコア部材を撹拌筒部の底部側に部分的に設けておくことで、軸体を挿込孔に挿し込んだときにコア部材の弾性アームが弾性的に拡がり易くなり、軸体の挿込作業性をより良好となすことができる。
本発明では、上記コア部材を有底筒状となして、筒壁に形成した軸方向の溝により、筒壁全体にて上記の弾性アーム及び係合爪部を構成しておくことができる(請求項2)。
このようにしておけば、軸体の頭部を有底筒状をなすコア部材に弾性的に嵌め込むことによって、掛止爪部が軸体の頭部に勢い良く弾性掛止し、そこで大きなクリック感を発生するとともに、コア部材による軸体の頭部に対する拘束力が高まって、軸体の抜き力をより強くすることができる。
また請求項3に従って、主部における嵌合部の自由形状時の内径を軸体の対応する部分の外径よりも小径となしておき、軸体の挿込みによって同部分を径方向に圧縮状態として軸体に嵌合させるようになしておくことができる。
このようにすれば、軸体に対する主部の密着嵌合力をより強くし得て、主部による軸体の保持力を一層高めることができる。
また軸体が撹拌筒部の内部で動いたときに、軸体が撹拌筒部内でがたつきを生じず、撹拌筒部を軸体の動きに良好に追従させることができる利点が得られる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1及び図2において、10は車載用ディスクプレーヤの防振支持に用いられる粘性流体封入ダンパで、円筒形状の周壁部12とその軸方向の一端側を閉鎖する底壁部14と、周壁部12の軸方向の他端側で周壁部12に連続して形成された薄肉の可撓膜16と、可撓膜16の中心部に設けられて底壁部14側に突出する撹拌筒部18とを有している。
これら周壁部12,底壁部14,可撓膜16及び撹拌筒部18は全体として密閉容器をなしていて、その内部にシリコーンオイル等の粘性流体20が封入されている。
この粘性流体封入ダンパ10は、撹拌筒部18が後述する軸体46とともに粘性流体20内部で相対移動して、その際の粘性流体20に対する撹拌作用に基いて、即ち粘性流体20の粘性流動に基いて減衰作用(防振作用)をなす。
底壁部14は凹部22を有していて、そこに周壁部12の下部が埋め込まれている。
底壁部14はまた、周壁部12からその軸直角方向に延出する固定部24を有しており、その固定部24に固定孔26が設けられている。
粘性流体封入ダンパ10は、この固定部24における固定孔26において、図8に示す固定ねじにより支持フレーム(支持部材)に固定される。即ち周壁部12を図8の支持フレームの貫通孔に嵌め込んだ状態で、底壁部14が固定ねじにより支持フレームに締結され、固定される。
周壁部12は、下端部に環状のフランジ部30を有する外周壁部28と、内周壁部32との積層構造をなしている。
この実施形態では、外周壁部28と底壁部14とが硬質樹脂(ここではポリプロピレン)にて構成され、また内周壁部32,可撓膜16及び撹拌筒部18(厳密には後述の主部34)がゴム,熱可塑性エラストマー等の軟質のエラストマー(ここでは熱可塑性エラストマー(TPE)が用いられている)にて一体に成形されている。
尚、底壁部14は外周壁部12とは別体に成形されており、粘性流体20の注入後において周壁部12の図中下端部に固着され、周壁部12と一体化されている。
この実施形態では、底壁部14は周壁部12に対し超音波溶着にて固着されている。
上記撹拌筒部18は、可撓膜16と同じ材質のエラストマーにて形成した有底円筒状の主部34と、主部34の内部且つ底部34a側に埋込状態に部分的に設けた硬質樹脂製(ここではポリプロピレン製)のコア部材38とで構成されており、それら主部34とコア部材38との内側に挿込孔40が形成されている。
ここで主部34には埋込凹部42が形成されていて、そこにコア部材38が埋込状態に主部34に固着されている。
このコア部材38は、単独でこれを成形した後に主部34の内側に後接着で固着することも可能であるが、この実施形態ではコア部材38が2色成形により主部34に一体に成形されている。
即ちこの実施形態では外周壁部28とコア部材38とが、エラストマーから成る内周壁部32,可撓膜16及び撹拌筒部18における主部34と2色成形により一体成形されている。
尚、40aは挿込孔40の挿込開口を表しており、また44は、後述の軸体46に対して密着嵌合する、コア部材38よりも図中上側の主部34の嵌合部を表している。
この実施形態において、嵌合部44の内周面は断面円形をなし且つ同径で軸方向にストレート形状に延びて挿込開口40aに到っている。
図4及び図6において、46は図8の本体機構部ユニット(被支持部材)202、詳しくは金属プレートからなるメカシャーシから延び出した金属製の軸体で、先端部に径方向外方に突出した形状の頭部48を有しており、またこの頭部48と軸本体部50との間に、頭部48よりも小径をなす横断面円形のネック部52を有している。
更にこのネック部52と軸本体部50との間、及び頭部48との間には、逆テーパ形状をなすテーパ部54、及びテーパ形状をなすテーパ部56がそれぞれ形成されている。
ここで頭部48は横断面形状が円形をなし、また軸本体部50は横断面形状が円形で軸方向に同径で延びている。
この実施形態において、軸本体部50の直径dは、上記主部34における嵌合部44の、軸体46挿込前における内径dよりも大径をなしている。
即ち主部34における嵌合部44は、軸体46における軸本体部50の外径dよりも小径形状で予め形成されている。
従って軸体46を挿込孔40に挿し込んだとき、嵌合部44は外径dと内径dとの差に応じた圧縮代で径方向に圧縮された状態となる。
上記コア部材38は、図3に詳しく示しているように有底円筒形状をなしており、その内面形状が、上記軸体46における軸本体部50より下側部分の外面形状と対応した形状とされている。
このコア部材38は、筒壁が周方向に180°隔たった2個所で切り欠かれており、その切欠きにより軸方向に延びる溝58が筒壁にそれぞれ形成されている。
そしてこの溝58の部分を除いた筒壁の全体によって、底部38aから図中上向きに起立する弾性アーム60と、弾性アーム60の上端側(先端側)で径方向内方に突出する掛止爪部62が形成されている。
ここで掛止爪部62は軸体46におけるネック部52に嵌り合う部分、つまり頭部48に対して軸体46の抜け方向に掛止する部分で、その内周面の形状が、ネック部52の外周面の形状に対応した形状とされている。
またその内径はネック部52の外径と同等、ないしネック部52との間に微小クリアランスを形成する程度にネック部52よりも僅かに大径とされている。
この掛止爪部62の図中上側と下側とには、軸体46におけるテーパ部54,56に対応したテーパ形状,逆テーパ形状のテーパ部64,66が形成されている。
また掛止爪部62下側でコア部材38の内側に形成される凹形状部は、上記軸体46における頭部48に対して微小クリアランスで嵌合する形状とされている。
次に本実施形態の粘性流体封入ダンパ10を相手部材、詳しくはここでは本体機構部ユニットに組み付ける際の作用を図4〜図6に基いて説明する。
この実施形態では、図4及び図6(I)に示すように、相手部材側の軸体46を、撹拌筒部18に対して軸方向に対向する位置に位置させ、その状態で図6(II)に示しているように軸体46を撹拌筒部18の挿込開口40aを通じて挿込孔40に挿し込む。
このとき、軸体46の頭部48がコア部材38の掛止爪部62に到ると、軸体46の挿込みの力によってコア部材38の弾性アーム60が弾性的に押し拡げられ(図6(III))、そして弾性アーム60の弾性的な拡開を伴って、更に挿込孔40の奥深くまで挿し込まれる。即ち頭部48がコア部材38内部に挿し込まれる。
そして頭部48がコア部材38の掛止爪部62を図中下向きに乗り越えたところで、弾性アーム60の弾性復元力によって掛止爪部62が軸体46のネック部52に勢い良く嵌り込んだ状態となる(図6(IV))。
即ち掛止爪部62が頭部48に対し軸体46の抜け方向に、弾性アーム60の弾発力によって勢い良く掛止した状態となる。
ここにおいて軸体46の頭部48が所定周方向に亘ってコア部材38の筒壁により把持された状態となり、軸体46がコア部材38から抜止めされる。
即ち軸体46が撹拌筒部18の内側の挿込孔40から図中上向きに抜け防止される。
図6(III)〜(IV)にかけてコア部材38の掛止爪部62が軸体46の頭部48に弾性的に勢いよく掛止する際、そこで「カチッ」といったクリック音を発生し、またその際の衝撃が軸体46の側にもクリック感となって伝達される。
従って作業者はそのクリック感に基づいて、軸体46が正しく挿込孔40奥深くの正規位置まで挿し込まれたことを明確に認識するができる。
以上のように本実施形態の粘性流体封入ダンパ10では、軸体46を撹拌筒部18の内部に所定深さまで挿し込むと、コア部材38の弾性アーム60の弾性変形に基いて、その先端側の掛止爪部62が軸体46の頭部48に勢い良く弾性掛止し、ここにおいて軸体46が撹拌筒部18に対し抜止状態に結合される。
また弾性アーム60及び掛止爪部62は硬質樹脂製のコア部材38に設けられているため、このような掛止爪部62をエラストマー自体に設けて掛止させるようになした場合に比べて軸体46との結合力を大とすることができ、従って粘性流体封入ダンパ10の使用中に軸体46が撹拌筒部18から抜け出るのを有効に防止し得て、軸体46の抜けにより粘性流体封入ダンパ10の防振性能が発揮されなくなってしまう問題を解決することができる。
また掛止爪部62が軸体46の頭部48に対し弾性的に勢い良く掛止する際に、そこでクリック感を発生させ、そのクリック音や、或いは手に伝わる衝撃によって、軸体46が正しく正規の位置まで撹拌筒部18の内部の奥深くまで挿し込まれたことを、作業者は直ちに認識することができる。
即ち、粘性流体封入ダンパ10が正しく適正に組み付けられたことを明確に認識することができる。
そのため撹拌筒部18内側の挿込孔40への軸体46の挿込作業性が良好となり、また挿込みが完全に行われたか否かを容易に確認することができるために、挿込みが浅くなってしまうのを防止できる。
従って挿込みが浅くなることによって、粘性流体封入ダンパ10使用中に軸体46が撹拌筒部18から容易に抜けてしまったり、或いは完全に抜けないまでも半挿し状態のままで軸体46が撹拌筒部18で相対的な摩擦摺動を起し、そのことによって粘性流体封入ダンパ10の減衰性能が低下したり、或いはその摩擦摺動に基いて撹拌筒部18が損傷し、そのことが耐久性低下に繋がる問題も併せて解決することができる。
尚、撹拌筒部18に挿し込んだ軸体46は、通常外部から加わる力によっては抜け出ることはないが、作業者の意思に基いてこれを撹拌筒部18から抜き出そうとしたとき、コア部材38における弾性アーム60の弾性変形によって、即ち使用者が弾性アーム60を径方向外向きに弾性変形させるに必要な力を加えることによって、軸体46をコア部材38から即ち撹拌筒部18から抜き出すことが可能である。
本実施形態では、撹拌筒部18におけるコア部材38以外の部分、詳しくはエラストマーにて形成した主部34の嵌合部44が軸体46の外周面に密着嵌合した状態となる。
そしてそのことによって、軸体46に対する保持を補助することができ、軸体46に対する保持力を高めることができる。
しかも嵌合部44は径方向に圧縮状態で軸体46に嵌合するため、軸体46に対する主部34の密着嵌合力をより強くし得て、主部34による軸体46の保持力を一層高めることができる。
また軸体46が撹拌筒部18への挿込状態で動いたときに、軸体46が撹拌筒部18内でがたつきを生じず、撹拌筒部18を軸体の動きに良好に追従させることができる。
尚、図7に示す粘性流体封入ダンパ10Aのように、コア部材38を撹拌筒部18の全長(上下方向全長)に亘って、主部34の内部に埋め込んでおくといったことも考えられる。
しかしながらそのようにすると、粘性流体封入ダンパ10Aの防振作用時に、撹拌筒部18における主部34の可撓膜16側の付根の部分P、或いは可撓膜16の撹拌筒部18周りの部分に応力集中が生じて、同部分に局部的に大きな歪みが発生し、そのことによって同部分で亀裂が発生し易くなって耐久性低下に繋がる問題を生ずる。
しかるに本実施形態では、コア部材38が撹拌筒部18の底部34a側に埋込状態に部分的に設けられているだけであるため、撹拌筒部18における主部34の付根の部分、或いは可撓膜16の撹拌筒部18周りの部分に応力集中が生じるのを緩和でき、それらの部分での亀裂発生を抑制し得て耐久性能を高めることができる。
また撹拌筒部18の、コア部材38の埋込個所を除いた部分はエラストマーで形成した軟らかい部分となるため、軸体46及び撹拌筒部18の動きの自由度を高く保持することができ、このことによって粘性流体20を十分に粘性流動させ得て、減衰特性を高く保持することができる。
またコア部材38を撹拌筒部18の底部34a側に部分的に設けておくことで、軸体46を挿込孔40に挿し込んだときに、コア部材38の弾性アーム60が弾性的に拡がり易くなり、軸体46の挿込作業性をより良好とすることができる。
また本実施形態では、筒壁全体にて上記の弾性アーム60及び係止爪部62が構成してあるため、軸体46の頭部48を、有底筒状をなすコア部材38に弾性的に嵌め込むことによって、そこで大きなクリック感を発生させることができるとともに、コア部材38による軸体46の頭部48に対する拘束力が高まって、軸体46の抜き力をより強くすることができる。
以上本発明の実施形態を詳述したが、これはあくまで一例示である。
例えば上記粘性流体封入ダンパ10は、本体機構部ユニットに対し縦向き(上下向き)に配置することも、横向きに配置することもできるし、また本発明の粘性流体封入ダンパは上記のCDプレーヤ以外の他の様々な小型精密機器における防振用として適用することが可能である。
また上記コア部材38を上例以外の他の様々な形態で構成することが可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
本発明の一実施形態である粘性流体封入ダンパを一部切り欠いて示す斜視図である。 同実施形態の粘性流体封入ダンパの断面図である。 同実施形態におけるコア部材を示した図である。 同実施形態の粘性流体封入ダンパのメカシャーシへの組付方法を示した斜視図である。 同実施形態の粘性流体封入ダンパのメカシャーシへの組付方法を示した断面図である。 同実施形態の作用説明図である。 同実施形態の利点説明のために示した比較例図である。 従来の粘性流体封入ダンパの一例を示す図である。
符号の説明
10 粘性流体封入ダンパ
12 周壁部
14 底壁部
16 可撓膜
18 撹拌軸部
20 粘性流体
34 主部
34a 底部
38 コア部材
40 挿込孔
46 軸体
48 頭部
60 弾性アーム
62 掛止爪部

Claims (3)

  1. (a)筒状の周壁部と、(b)該周壁部の軸方向の一端側を閉鎖する底壁部と、(c)該周壁部の該軸方向の他端側で該周壁部に連続して形成されたエラストマーから成る可撓膜と、(d)有底筒状をなして該可撓膜の中央部に且つ前記底壁部の側に突出する状態に設けられた撹拌筒部と、を有する密閉容器の内部に粘性流体を封入して成り、先端部に径方向外方に突出する形状の抜止用の頭部を有する支持部材又は被支持部材側の軸体を前記撹拌筒部の内側の挿込孔に挿し込むことによって該支持部材又は被支持部材に組み付けられ、該撹拌筒部の撹拌による前記粘性流体の粘性流動に基いて振動減衰する粘性流体封入ダンパにおいて
    前記撹拌筒部を、エラストマーにて形成した有底筒状の主部と、該主部の内部且つ底部側に埋込状態に部分的に設けた硬質樹脂製のコア部材とで構成して、それら主部とコア部材との内側に前記挿込孔を形成し、
    且つ該コア部材には、前記底部側から起立する弾性アームと、該弾性アームの先端側で径方向内方に突出し、前記軸体の頭部に抜け方向に弾性掛止する掛止爪部とを具備させ、該コア部材にて該軸体を抜止めするとともに、前記主部の内周面を前記軸体の外周面に密着状態に嵌合させるようになしてあることを特徴とする粘性流体封入ダンパ。
  2. 請求項1において、前記コア部材を有底筒状となして、筒壁に形成した軸方向の溝により筒壁全体にて前記弾性アーム及び前記掛止爪部を構成してあることを特徴とする粘性流体封入ダンパ。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記主部は前記軸体の挿込前の自由形状で、該軸体に嵌合する部分の内径が該軸体の対応する部分の外径よりも小径をなしていて、該軸体の挿込みにより径方向に圧縮状態で該軸体に嵌合するものとなしてあることを特徴とする粘性流体封入ダンパ。
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