JP2008303795A - ガソリンベーパ回収用吸脱着塔 - Google Patents

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Tadaaki Kawaguchi
忠明 川口
Kunio Fujijo
邦雄 藤條
Takeshi Sugimoto
猛 杉本
Yasuhiro Tanimura
泰宏 谷村
Hiroyuki Morimoto
裕之 森本
Keizo Fukuhara
啓三 福原
Yuji Motomura
祐治 本村
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Abstract

【課題】吸脱着塔内に充填した吸着剤の流動を効果的に抑制することによって、安全性及び安定性の高い運転を実現可能にしたガソリンベーパ回収用吸脱着塔を提供する。
【解決手段】円筒状の容器1を有し、容器1内部に吸着剤13が収容され、容器1の下側から流入してくる空気に含まれているガソリンベーパを吸着剤13に吸着させて、空気のガソリンベーパ含有量を所定の濃度以下とし、吸着剤13に吸着されたガソリンベーパを脱着する吸脱着塔11は、吸着剤13の流出を防止するフィルタ61と、弾性体63と、フィルタ61と弾性体63の間に配置され、弾性体63の押圧力をフィルタ61全体均一に伝達させるパンチングメタル62と、容器1の胴径よりも大きな径を有し、容器1を覆い、中心部に空気出口孔65が形成された蓋部64とを備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、気化したガソリン(以下、ガソリンベーパと称する)を吸脱着するガソリンベーパ回収用吸脱着塔に関し、特に内部に充填される吸着剤の流動を抑制するようにしたガソリンベーパ回収用吸脱着塔に関するものである。
自動車のガソリンタンク内部は、下部に液化しているガソリンが貯留しており、上部にガソリンベーパが飽和状態で存在している。そして、自動車にガソリンを給油する際、ガソリンタンク内に存在しているガソリンベーパが給油口から追い出され、大気中へ放出されることになっていた。このように、ガソリンベーパをそのまま大気中へ放出してしまうと、光化学スモッグの原因となり、人体や環境に悪影響を及ぼすという問題に発展することになる。
そこで、吸着剤を利用して、ガソリンベーパを回収し、回収したガソリンベーパを液化して再利用するようにしたガス状炭化水素の回収装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。このガス状炭化水素の回収装置は、シリカゲルやゼオライト等の吸着剤を充填した吸着塔及び脱着塔を備え、時間の経過に応じて、吸着塔と脱着塔の機能を反転させ、ガソリンベーパの回収(吸着)及び再利用(脱着)を実行するようになっている。このように、吸脱着塔を2塔設け、その機能を適宜切り換えることによって、安定性の高い運転を実現するようになっている。
この吸脱着塔の外部構造は、円筒構造となっており、壁面にかかる圧力を均一化することを可能としている。また、吸脱着塔の内部構造は、吸着剤への伝熱を考慮し、フィンチューブ熱交換器を配置し、フィンチューブ熱交換器を構成するアルミフィンの間に吸着剤を充填し、上下に吸着剤流出防止ネットを設け、吸着剤が配管に流出することを防止するようにしている。さらに、吸脱着塔の上流部には、吸着剤へのガソリンベーパの吸着を均一化するためのパンチングメタル等で作製された整流板が設置可能になっている。
特開2006−198604号公報(第11〜12頁、第12図)
吸脱着塔に充填される吸着剤は、塔内に流れ込むガソリンベーパ(詳しくは、ガソリンベーパを含んだ空気)の流入速度(流速)によって流動する。ガソリンベーパは、吸着時は吸脱着塔の下側から上側に向かって流れるようになっているために(脱着時は逆)、ガソリンベーパの塔内流速によっては、吸着剤が粉砕してしまう可能性がある。また、吸脱着を繰り返す際における塔内の正圧、負圧によって、粉砕された吸着剤の一部が吸脱着塔の外部に流出し、脱着ポンプや吸引ポンプ、電磁弁等の機能部品を故障させてしまう可能性がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、吸脱着塔内に充填した吸着剤の流動を効果的に抑制することによって、安全性及び安定性の高い運転を実現可能にしたガソリンベーパ回収用吸脱着塔を提供するものである。
本発明に係るガソリンベーパ回収用吸脱着塔は、円筒状の容器を有し、前記容器内部に吸着剤が収容され、前記容器の下側から流入してくる空気に含まれているガソリンベーパを前記吸着剤に吸着させて、前記空気のガソリンベーパ含有量を所定の濃度以下とし、前記吸着剤に吸着されたガソリンベーパを脱着するガソリンベーパ回収用吸脱着塔であって、前記吸着剤の粒径よりも小さな目を有し、前記吸着剤の流出を防止するフィルタと、前記フィルタを押圧する弾性体と、前記フィルタと前記弾性体の間に配置され、前記弾性体の押圧力を前記フィルタ全体均一に伝達させるパンチングメタルと、前記容器の胴径よりも大きな径を有し、前記容器を覆い、中心部に空気出口孔が形成された蓋部とを備えたことを特徴とする。
本発明に係るガソリンベーパ回収用吸脱着塔は、吸着剤の粒径よりも小さな目を有し、吸着剤の流出を防止するフィルタと、フィルタを押圧する弾性体と、フィルタと弾性体の間に配置され、弾性体の押圧力をフィルタ全体均一に伝達させるパンチングメタルと、容器の胴径よりも大きな径を有し、容器を覆い、中心部に空気出口孔が形成された蓋部とを備えたので、吸着剤の変動を抑制することができ、安全性及び安定性の高いガソリンベーパの吸着運転を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るガソリンベーパ回収用吸脱着塔(以下、単に吸脱着塔11a、吸脱着塔11bと称する)を搭載したガソリンベーパ回収装置100全体の回路構成を示す概略回路構成図である。まず、図1に基づいて、ガソリンベーパ回収装置100全体の回路構成について説明する。このガソリンベーパ回収装置100は、ガソリンベーパを吸着又は脱着する2つの吸脱着塔(吸脱着塔11a及び吸脱着塔11b)を備え、この2つの吸脱着塔の機能を適宜切り換えてガソリンベーパを回収(吸着)、再利用(脱着)するようになっている。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
ガソリンベーパ回収装置100は、自動車等にガソリンを給油するためのガソリン計量器とともに、ガソリンスタンド等に設置されるようになっている。そして、ガソリンベーパ回収装置100は、自動車等の給油口から大気中に放出されるガソリンベーパを回収し、再利用する機能を有している。このガソリンベーパ回収装置100は、大きく分けてガソリンベーパ凝縮回路10と、冷媒回路40と、ブライン回路50とで構成されている。また、このガソリンベーパ凝縮回路10は、ガソリンベーパ吸着回路20と、ガソリンベーパ脱着回路30とで構成されている。
[ガソリンベーパ吸着回路20]
吸脱着塔11aでガソリンベーパを吸着する場合のガソリンベーパ吸着回路20は、2つの給油ノズル21と、2つの第1電磁弁22と、ガソリン吸引ポンプ23と、ガソリン凝縮器24と、気液分離器25と、第2電磁弁26aと、吸脱着塔11aと、第3電磁弁27aと、第1減圧弁28とがガソリン吸着用配管29で順次接続されて構成される。一方、吸脱着塔11bでガソリンベーパを吸着する場合のガソリンベーパ吸着回路20は、2つの給油ノズル21と、2つの第1電磁弁22と、ガソリン吸引ポンプ23と、ガソリン凝縮器24と、気液分離器25と、第2電磁弁26bと、吸脱着塔11bと、第3電磁弁27bと、第1減圧弁28とがガソリン吸着用配管29で順次接続されて構成される。
第2電磁弁26a及び第2電磁弁26bの切り換えと、第3電磁弁27a及び第3電磁弁27bの切り換えとを制御することで、吸脱着塔11a及び吸脱着塔11bのいずれか一方にガソリンベーパを吸着させるようになっている。すなわち、上記の各電磁弁を制御することで、吸脱着塔11a又は吸脱着塔11bのいずれか一方がガソリンベーパの吸着を行なう吸着塔として機能し、他方がガソリンベーパの脱着を行なう脱着塔として機能するようになっているのである。なお、吸脱着塔11aと吸脱着塔11bとの切り換えは、所定の時間間隔で行なったり、吸脱着塔11a又は吸脱着塔11bのうち吸着塔として機能しているもののガソリンベーパの出口近傍の濃度に応じて行なったりするとよい。
給油ノズル21は、自動車にガソリンを給油する機能を有している。また、給油ノズル21は、自動車の給油口から放出されるガソリンベーパを吸引する際の入口として機能している。ここでは、2つの給油ノズル21がガソリンベーパ吸着回路20に設けられている場合を例に示しているが、給油ノズル21の設置数を特に限定するものではない。第1電磁弁22は、給油ノズル21から吸引されたガソリンベーパの逆流を防止する機能を有している。この第1電磁弁22は、給油ノズル21の設置数に応じて設けるようになっている。
ガソリン吸引ポンプ23は、ガソリンベーパを給油ノズル21から吸引・加圧(たとえば、200kPaG)する機能を有している。ガソリン凝縮器24は、ガソリンベーパ凝縮容器51内に備えられており、内部を導通するガソリンベーパが冷却されるものである。図1に示すように、このガソリン凝縮器24は、らせん状に構成するとよい。気液分離器25は、液体状態のガソリンベーパを捕捉することで、液体状態のガソリンベーパと気体状態のガソリンベーパとを分離するものである。
第2電磁弁26a及び第2電磁弁26bは、開閉が制御されることで、ガソリンベーパを含む空気を導通したりしなかったりする機能を有している。吸脱着塔11aは、ガソリンベーパを吸着する吸着塔としての機能と、ガソリンベーパを脱着する脱着塔としての機能とを有している。この吸脱着塔11aの容器1aの内部には、後述する吸着剤冷却器12aと吸着剤13aとが設けられている。吸脱着塔11bの容器1bの内部にも吸脱着塔11aと同様に、後述する吸着剤冷却器12bと吸着剤13bとが設けられており、ガソリンベーパを吸着する吸着塔としての機能と、ガソリンベーパを脱着する脱着塔としての機能とを有している。
吸着剤冷却器12aは、ガソリンベーパ凝縮容器51内に充填されているブライン52によって、吸脱着塔11aの容器1aの内部を冷却する機能を有している。吸着剤冷却器12bも吸着剤冷却器12aと同様に、ガソリンベーパ凝縮容器51内に充填されているブライン52によって、吸脱着塔11bの容器1bの内部を冷却する機能を有している。つまり、吸着剤冷却器12a及び吸着剤冷却器12bを吸脱着塔11a及び吸脱着塔11bに設けることによって、少量の吸着剤13a及び吸着剤13bでガソリンベーパの吸着を行なうことが可能になっている。
吸着剤13a及び吸着剤13bは、ガソリンベーパを含む空気からガソリンベーパを吸着するものであり、たとえば平均1vol%以下のガソリンベーパを含む空気とするものである。この吸着剤13a及び吸着剤13bとしては、たとえばシリカゲルやゼオライト、活性炭等を使用することができる(特に、4〜100オングストロームの孔径をもつシリカゲルが好ましい)。つまり、いずれか一方の吸着剤13a又は吸着剤13bにガソリンベーパを吸着させ、他方の吸着剤13a又は吸着剤13bでガソリンベーパを脱着させている。そして、ガソリンベーパ回収装置100は、吸脱着塔11a及び吸脱着塔11bの吸着と脱着とを交互に切り換えて、連続運転するようになっているのである。
第3電磁弁27a及び第3電磁弁27bは、開閉が制御されることで、1vol%以下のガソリンベーパを含む空気を導通したりしなかったりするものである。第1減圧弁28は、吸脱着塔11a又は吸脱着塔11bを経由した後における1vol%以下のガソリンベーパを含む空気を減圧するものである。ガソリン吸着用配管29は、ガソリンベーパを含む空気を導通する配管である。なお、各電磁弁は、マイクロコンピュータ等の制御手段(図示省略)が行なうようになっている。
[ガソリンベーパ脱着回路30]
吸脱着塔11bでガソリンベーパを脱着する場合のガソリンベーパ脱着回路30は、第2減圧弁31と、第4電磁弁32bと、吸脱着塔11bと、第5電磁弁33bと、脱着ポンプ34とがガソリン脱着用配管35で順次接続されて構成される。一方、吸脱着塔11aでガソリンベーパを吸着する場合のガソリンベーパ脱着回路30は、第2減圧弁31と、第4電磁弁32aと、吸脱着塔11aと、第5電磁弁33aと、脱着ポンプ34とがガソリン脱着用配管35で順次接続されて構成される。
第4電磁弁32a及び第4電磁弁32bの切り換えと、第5電磁弁33a及び第5電磁弁33bの切り換えを、ガソリンベーパ吸着回路20での各電磁弁との制御に応じて制御することで、吸脱着塔11a及び吸脱着塔11bのいずれかでガソリンベーパを脱着させるようになっている。すなわち、ガソリンベーパ脱着回路20の各電磁弁を、ガソリンベーパ吸着回路20の各電磁弁と併せて制御することで、吸脱着塔11aと吸脱着塔11bとを適宜切り換えるようになっているのである。
第2減圧弁31は、吸引された空気を減圧して、たとえば−80kPaGにするものである。第4電磁弁32a及び第4電磁弁32bは、開閉が制御されることで、空気を導通したりしなかったりする機能を有している。ガソリンベーパ脱着回路30を構成する吸脱着塔11bは、上述したようにガソリンベーパを脱着する脱着塔として機能する。また、吸脱着塔11aも吸脱着塔11bと同様に、ガソリンベーパ脱着回路30を構成する場合には、ガソリンベーパを脱着する脱着塔として機能することになる。
第5電磁弁33a及び第5電磁弁33bは、開閉が制御されることで、ガソリンベーパを含む空気を導通したりしなかったりする機能を有している。脱着ポンプ34は、空気を吸脱着塔11b又は吸脱着塔11aに供給するために、外気から空気を吸引する機能を有している。ガソリン脱着用配管35は、空気やガソリンベーパを含む空気を導通する配管である。このガソリン脱着用配管35は、ガソリンベーパ吸着回路20の第1電磁弁22とガソリン吸引ポンプ23との間におけるガソリン吸着用配管29に接続されている。
[冷媒回路40]
冷媒回路40は、圧縮機41と、凝縮器42と、絞り装置43と、蒸発器44とが冷媒配管45で順次接続されたヒートポンプサイクルとして構成されている。つまり、冷媒回路40は、冷媒配管45内に冷媒を導通し、この冷媒が各構成機器を循環することで、ガソリンベーパ凝縮容器51内に充填されているブライン52を冷却するようになっているのである。また、凝縮器42の近傍には、凝縮器42に空気を供給するためのファン等の送風機46が設けられている。
圧縮機41は、冷媒配管45を流れる冷媒を吸入して、その冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にするものである。凝縮器42は、冷媒の凝縮熱を放出し、その冷媒を凝縮液化するものである。絞り装置43は、減圧弁や電子式膨張弁、温度式膨張弁、キャピラリーチューブ等で構成されており、その冷媒を減圧して膨張させるものである。蒸発器44は、ブライン52から熱を奪い(つまり、ブライン52を冷却し)、その冷媒を蒸発ガス化するものである。
この冷媒回路40に使用できる冷媒について説明する。冷媒回路40に使用できる冷媒には、たとえば可燃性の無いHFC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒であるR407C(R32/R125/R134a)やR410A(R32/R125)、R404A(R125/R143a/R134a)等がある。その他、自然冷媒である二酸化炭素(CO2 )等を使用することもできる。なお、冷媒回路40に使用できる冷媒をこれらに限定するものではなく、ガソリンベーパ回収装置100の設置場所等の諸条件に応じて決定すればよい。
[ブライン回路50]
ブライン回路50は、ガソリンベーパ凝縮容器51と、ブラインポンプ53と、吸着剤冷却器12a及び吸着剤冷却器12bとがブライン配管54で順次接続されて構成されている。ガソリンベーパ凝縮容器51は、ブライン52を貯留するブラインタンクとして機能する。ブライン52は、たとえばプロピレングリコールやガソリン、灯油といった石油系物質等で構成される不凍液である。このブライン52は、冷媒回路40を制御することによって、1〜5℃程度の範囲を維持している。つまり、ガソリンベーパ凝縮容器51内では、ブライン52が攪拌されるようになっており、温度の調節がされているのである。なお、0℃以上でガソリンベーパを凝縮させる場合には、水をブライン52としてもよい。
ブラインポンプ53は、ガソリンベーパ凝縮容器51に貯留されているブライン52を吸引・加圧する機能を有している。つまり、ブライン52は、ブラインポンプ53によってブライン回路50を循環するようになっているのである。吸着剤冷却器12a及び吸着剤冷却器12bは、ガソリンベーパ凝縮容器51から供給されるブライン52によって吸脱着塔11a及び吸脱着塔11bの内部を冷却するようになっている。吸脱着塔11a及び吸脱着塔11bの内部温度を低くすることにより、ガソリンベーパの吸着容量を大きくすることができる。
たとえば、吸脱着塔11aでガソリンベーパが吸着されている場合、吸着剤冷却器12aでは、吸着剤13aにガソリンベーパを吸着する際の吸着熱によってブライン52の温度が上昇し、吸着剤冷却器12bでは、吸着剤13bからガソリンベーパを脱着する際の脱着熱によってブライン52の温度が低下することになっている。吸着剤冷却器12a及び吸着剤冷却器12bのそれぞれから流出したブライン52は、合流し、再度ガソリンベーパ凝縮容器51に流入するようになっている。
また、ガソリンベーパ凝縮容器51には、内部のブライン52の液面を検出するための液面計55が設けられている。なお、図示していないが、ガソリンベーパ凝縮容器51には、内部のブライン52の温度を検知するためのサーミスタや温度計等の温度センサが設けられており、この温度センサが検出した温度情報が図示省略の制御手段に送られて、ブライン52の温度を所定範囲内で維持するように冷媒回路40が制御されるようになっている。この制御手段は、各電磁弁の開閉や、各ポンプの駆動周波数、圧縮機41の駆動周波数、送風機46の回転数、各減圧弁の開度等を制御する。
次に、ガソリンベーパ回収装置100の動作について説明する。
まず、冷媒回路40を動作させて、蒸発器44の温度を低下させる。具体的には、圧縮機41を駆動させ、冷媒を循環させることによって、ガソリンベーパ凝縮容器51内に設けられている蒸発器44の温度を低下させる。このとき、ガソリンベーパ凝縮容器51内に充填されているブライン52を所定の温度にまで低下させる。そして、ブライン52が所定の温度に達したら、圧縮機41の駆動を停止する。なお、ガソリンベーパ凝縮容器51は、保冷剤等で保冷するとよい。
ブライン52の温度が所定の範囲より上昇したら、圧縮機41の駆動を再開する。つまり、図示省略の制御手段は、温度センサからの温度情報に基づいて、ブライン52の温度を所定の範囲で維持するように冷媒回路40(特に、圧縮機41の駆動周波数)を制御しているのである。ガソリンベーパ凝縮容器51内のブライン52の温度が所定の範囲に制御されることで、ガソリンベーパ回収運転の準備が整うことになる。そして、ガソリン計量器からガソリンが給油されると、ガソリンベーパ回収運転が開始される。
ガソリンベーパ回収運転は、給油ノズル21から自動車等のガソリンタンクに給油される際に、給油口から追い出される(排出される)ガソリンベーパ(常温で約40Vol%)をガソリンベーパ凝縮回路10内に吸引することから開始する。つまり、ガソリンベーパ凝縮回路10を構成するガソリン吸引ポンプ23の運転によって、給油ノズル21を介してガソリンベーパ凝縮回路10内にガソリンベーパが吸引されるのである。吸引されたガソリンベーパは、ガソリンベーパ凝縮容器51内のガソリン凝縮器24内を徐々に冷却されながら上方から下方へと流れる。冷却されたガソリンベーパは、その一部が液化してガソリンベーパ凝縮容器51から流出する。
液化したガソリンは、気液分離器25で捕捉、回収され、ガソリンベーパを含む空気から分離される。気液分離器25で捕捉されたガソリンは、給油機等に給油され、再利用されることになる。また、液化しなかったガソリンベーパは、吸脱着塔11aの容器1a又は吸脱着塔11bの容器1bに流入する。つまり、ガソリンベーパ凝縮容器51のみでは、ガソリンベーパの全部を液化、回収することはできないために、ガソリンベーパは吸脱着塔11a及び吸脱着塔11bで吸着及び脱着され、回収されることになる。なお、吸脱着塔11aの容器1a又は吸脱着塔11bの容器1bに流入するガソリンベーパは、それぞれの下側から流入し、上側に向かって流れるようになっている。
吸脱着塔11aでガソリンベーパを吸着する場合は、第2電磁弁26aが開制御、第2電磁弁26bが閉制御され、気液分離器25を流出したガソリンベーパを含む空気が吸脱着塔11aの容器1aに流入する。吸脱着塔11aでは、吸脱着塔11aの容器1b内部に設けられている吸着剤13aでガソリンベーパが吸着される。したがって、ガソリンベーパを含む空気からガソリンベーパが吸着されるので、ガソリンベーパ濃度が低減する。たとえば、吸着剤13aは、ガソリンベーパを吸着することによって、ガソリンベーパの含有量を1vol%以下とする。そして、1vol%以下のガソリンベーパを含む空気は、開制御されている第3電磁弁27a及び第1減圧弁28を経て、大気に放出される。
一方、吸脱着塔11bでは、ガソリンベーパの脱着が行なわれる。具体的には、脱着ポンプ34が駆動されることにより、空気が第2減圧弁31で減圧され(たとえば、−80kPaG)、第4電磁弁32bを経て吸脱着塔11bの容器1bに流入する。つまり、吸着剤13bに吸着されているガソリンベーパは、吸脱着塔11bの容器1bに流入した空気によって、吸着剤13bから脱着されるのである。そして、空気に含まれるガソリンベーパの含有量を増加し(つまりガソリンベーパ濃度を高く)、吸脱着塔11bから流出させ、再利用する。
吸脱着塔11bから流出したガソリンベーパは、脱着ポンプ23に吸引され、再度ガソリンベーパ吸着用配管29(つまりガソリンベーパ吸着回路20)に流入する。そして、給油ノズル21から流入したガソリンベーパと合流して、ガソリンベーパ凝縮容器51に流入する。このようにして、ガソリンベーパ回収装置100では、ガソリンベーパの回収率の向上を図るようにしている。
吸脱着塔11a及び吸脱着塔11bは、所定の時間間隔や、吸脱着塔11a又は吸脱着塔11bの出口近傍のガソリンベーパ濃度によって、機能が切り換わるようになっている。それは、吸着剤13a及び吸着剤13bでガソリンベーパを吸着できる量には、所定の限界が存在し、連続運転を実行するには、ガソリンベーパの吸着と脱着とを切り換える必要があるからである。上述した例では、吸着塔として機能していた吸脱着塔11aが脱着塔として機能させ、脱着塔として機能していた吸脱着塔11bが吸着塔として機能させる。なお、吸脱着塔11a及び吸脱着塔11bの切り換えは、各電磁弁の開閉を制御することで行われるようになっている。
ここで、吸脱着塔11aの容器1a及び吸脱着塔11bの容器1bに充填される吸着剤13a及び吸着剤13bの流動について説明する。なお、吸脱着塔11a及び吸脱着塔11bは、同様の構造となっているため、吸脱着塔11a及び吸脱着塔11bをまとめて吸脱着塔11として説明する。図2は、吸脱着塔11の縦断面構成を示した断面図である。図3は、吸着剤11の縦断面構成を模式的に示した概略断面図である。図4は、吸脱着塔11の内部を透視して示した透視斜視図である。図5は、吸着剤13の充填状態を説明するための説明図である。図6は、吸着剤13の粒径とガソリンベーパの塔内流速との関係を示したグラフである。
図2〜図5に示すように、吸脱着塔11の容器1(容器1a及び容器1b)内部には、吸着剤冷却器12(吸着剤冷却器12a及び吸着剤冷却器12b)が配置されている。吸着剤冷却器12は、図5に示すように、たとえばフィンチューブ熱交換器で構成するとよい。そして、吸脱着塔11の容器1内部に吸着剤13(吸着剤13a及び吸着剤13b)を充填する際に、吸着剤冷却器12を構成するフィンの間に吸着剤13を詰め込むようにするとよい。上述したように、吸着時は、吸脱着塔11の容器1には、ガソリンベーパが下側から流入し、上側に向かって流れるようになっている(図3〜図5に示す上向きの矢印)。このガソリンベーパは、給油量に応じた所定の速度を伴って吸脱着塔11に流入するようになっている。
このとき、吸着剤13は、吸脱着塔11の容器1に流入するガソリンベーパの塔内流速によって流動することになる。吸脱着塔11の容器1に流入するガソリンベーパの塔内流速によっては、吸着剤13の流動が大きくなり、吸着剤13が粉砕してしまう可能性がある。また、吸着剤13が粉砕すると、吸着と脱着を繰り返す際における吸脱着塔11の容器1の内部の正圧、負圧によって、その一部が吸脱着塔11の外部に流出し、ガソリンベーパ回収装置100を構成する各機能部品(たとえば、ガソリン吸引ポンプや電磁弁等)を故障させてしまう可能性がある。
図6に基づいて、吸着剤13が流動しないガソリンベーパの塔内流速について説明する。この図6では、横軸が吸着剤粒径(Dp[mm])を、縦軸が吸脱着塔11の容器1内で吸着剤13が流動しない最大流速(V[m/s])をそれぞれ示している。この試験結果から、平均粒径が0.75[mm]の吸着剤13を使用したとき、ガソリンベーパの塔内流速を0.562[m/s]以下とすれば、吸着剤13が流動しないことがわかった。つまり、0.75[mm]を吸着剤13の最大粒径とすると、ガソリンベーパの塔内流速の最大値が0.562[m/s]となるのである。
また、この流速を実現するためには、吸脱着塔11の容器1の胴径(容器1の内部の直径)を55[mm]以上とすればよいこともわかった。塔内流速は、塔内流量(たとえば、80[l/min])を吸脱着塔の断面積(たとえば、0.0211[m2 ])で割ることで算出できる。したがって、吸脱着塔11の容器1の胴径は、塔内流速を0.562[m/s]、塔内流量を80[l/min]として逆算することによって算出することができるのである。
一般的に、給油ノズル21からガソリンが給油されると、40〜80[l/min]程度のガソリンベーパがガソリンタンクから追い出される。そこで、ガソリンベーパの流量に関わらず、容器1の胴径を55[mm]以上(たとえば、164[mm])とすることにより、吸着剤13の粒径の大小に関わらず、容器1の内部におけるガソリンベーパ流速度を0.562[m/s]以下に制御することができる。これにより、吸着剤13の破砕を防止し、ガソリンベーパ回収装置100の信頼性が向上することになる。また、ガソリンベーパの吸着効率を向上させることもできる。
さらに、吸脱着塔11の入出口におけるガソリンベーパ濃度を設定することで、容器1内部に流入するガソリンベーパの流量が既知であり、吸着するガソリンベーパの量をある程度特定することでき、必要な吸着剤13の量を決定することができる。しかしながら、吸着剤13が流動しないようにガソリンベーパの流速を制御していたとしても、不測の事態に備えて、ガソリンベーパ回収装置100の安全性を更に向上させることが要求される。そこで、この実施の形態では、吸脱着塔11の構造を工夫することによって、更に高い安全性を実現可能にしている。つまり、吸脱着塔11は、吸着剤13の流動を効果的に抑制できる構造を特徴としているのである。
ここで、この実施の形態の特徴事項である吸脱着塔11の構成(上部の構成及び下部の構成)について詳細に説明する。図7は、吸脱着塔11の上部の断面構成を拡大して示した拡大縦断面図である。図8は、吸脱着塔11の上部を分解した状態を示す分解斜視図である。図9は、吸脱着塔11の上部外側の縦断面構造を拡大して示す拡大断面図である。まず、図7〜図9に基づいて、吸脱着塔11の上部(内側及び外側)の構成について詳細に説明する。
図2及び図7に示すように、吸脱着塔11の上部は、フィルタ61、パンチングメタル62、弾性体63及び蓋部64が下側から順に積層されて構成されている。すなわち、吸脱着塔11の内部に吸着剤13を充填し、その上側にフィルタ61及びパンチングメタル62が載置し、パンチングメタル62の上側から弾性体63で押圧することによって、吸着剤13を上側から均一の力で押さえ込むようになっている。このような構成とすることで、吸着剤13の嵩の変動に対応するようになっている。
また、吸脱着塔11は、図4及び図7に示すように容器が円筒状に構成されている。そして、フィルタ61、パンチングメタル62及び蓋部64の形状も、図7に示すように容器1の円筒状に対応するよう円盤状に構成されている。なお、図2、図4及び図5に示したように、蓋部64は吸脱着塔11の上部外側に配置されるようになっており、フィルタ61、パンチングメタル62及び弾性体63は吸脱着塔11の上部内側に配置されるようになっている。まず、吸脱着塔11の上部内側の構造について説明する。
フィルタ61は、吸脱着塔11の容器1の上側から吸着剤13が流出してしまうのを防止する機能を有している。したがって、フィルタ61は、吸着剤13の大きさ(粒径)よりも小さな目を有するフィルタ密度を有していればよい。また、フィルタ密度の異なる複数枚のフィルタ61を積層させるようにしてもよい。この場合、下側に配置されるフィルタ61のフィルタ密度を粗、上側に配置されるフィルタ61のフィルタ密度を密にすれば、フィルタ密度を一定としたものに比べて、容器1内部の圧力損失を低減することができる。なお、フィルタ61の素材や厚さを特に限定するものではない。
パンチングメタル62は、弾性体63からの力をフィルタ61に均一に伝達する機能を有している。このパンチングメタル62には、複数の孔が形成されている。したがって、吸着剤13から脱着したガソリンベーパを少量含んだ空気が吸脱着塔11の上側から流出することができるようになっている。なお、パンチングメタル62に形成する孔の数や大きさを特に限定するものではない。また、パンチングメタル62の材料や厚さも特に限定するものではない。
弾性体63は、蓋部64とパンチングメタル62との間に設けられ、吸着剤13の流動に応じて、フィルタ61及びパンチングメタル62を吸着剤13に押圧させる機能を有している。したがって、吸着剤13が流動しても、それに応じてフィルタ61及びパンチングメタル62が上下に移動するので、吸着剤13の流動による影響を抑制することが可能になっている。この弾性体63は、コイルバネ(図2、図5及び図8参照)や板バネ、空気バネ、ゴム等で構成するとよく、特に材料及び構造を特定するものではない。
蓋部64は、中央部に空気出口孔65が形成されており、この空気出口孔65から容器1内部の空気が流出するようになっている。また、図2に示すように、空気出口孔65に貫通させる吐出管66を設けるようにしてもよい。さらに、吐出管66を設けた場合には、容器1の内部側の端部に流出防止メッシュ67を設けるとよい。そうすれば、吸着剤13が粉砕し、その一部がフィルタ61を通り抜けてしまったとしても、空気出口孔65から外部に流出させないようにすることが可能になる。なお、流出防止メッシュ67は、吸着剤13の粒径よりも小さいメッシュ構造をしているもので構成してあればよく、厚さや材料を特に限定するものではない。たとえば、金属製メッシュや不織布等で流出防止メッシュ67を構成するとよい。
図9に基づいて、吸脱着塔11の上部外側、つまり蓋部64を吸脱着塔11の上方端部に固定する仕方について説明する。蓋部64は、その平面形状が容器1の平面形状よりも大きくなっているため、吸脱着塔11の上方外側に配置、固定されるようになっている。吸脱着塔11の気密性が確保されていない場合や、強度が不足している場合には、ガソリンベーパの漏れが発生し、吸着性能が低下することになってしまう。そこで、吸脱着塔11は、ガソリンベーパの吸着を効率よく実行するために、蓋部64を用いて気密性及び強度を確保し、ガソリンベーパの吸着時、容器1の内部を、所定の圧力(たとえば、3[kg/cm2 ・abs])で維持できるようにしている。
図9に拡大して示すように、容器1の上方端部には、フランジ部71が設けられている。このフランジ部71は、容器1の側壁と一体として形成してもよく、容器1の側壁と別体として形成し、取り付けるようにしてもよい。また、容器1の側壁外側と、フランジ部71との間に所定の空間部72を形成するように、フランジ部71は、所定の回数折り曲げられて形成されている。この空間部72には、蓋部64と吸脱着塔11との密着性を高めるためにパッキン73が設けられるようになっている。このパッキン73は、蓋部64と吸脱着塔11との密着性を高めるためのもので構成すればよく、材料及び形状を特に限定するものではない。たとえば、O−リングやシール剤でパッキン73を構成するとよい。
蓋部64とフランジ部71とは、ネジ等の上部締結部材74で締結され、固定されるようになっている。したがって、蓋部64及びフランジ部71には、上部締結部材74を貫通させるための蓋部貫通孔75及びフランジ貫通孔76が形成されている。また、図9に示すように、上部締結部材74がネジである場合には、雄ネジを上から挿入し、フランジ部71の下側に設けてある雌ネジで締結すればよい。なお、フランジ貫通孔76に溝を形成し、締結するようにしてもよい。このようにすることで、吸脱着塔11の上側から、吸着剤13の充填や蓋部64の締結等の作業をすることができ、作業性を向上させているのである。
すなわち、吸脱着塔11の上部では、溶接作業等の手間の要する作業をしなくて済むことになり、作業性を向上させるとともに、メンテナンス等も比較的容易に実行することができるのである。なお、上部締結部材74の個数は、蓋部64とフランジ部71とが気密性よく締結できる程度であればよく、特に限定するものではない。また、フランジ部71の構造は、空間部72が形成でき、蓋部64と締結できればよく、特に限定するものではない。さらに、フランジ部71の材料は、吸脱着塔11と同様な材料で構成してもよく、異なる材料で構成してもよい。
次に、吸脱着塔11の下部内側の構成について詳細に説明する。図10は、吸脱着塔11の下部の断面構成を拡大して示した拡大縦断面図である。図4及び図10に示すように、吸脱着塔11の下部内側には、台座81が配置されている。この台座81は、吸脱着塔11の容器1の下部に所定の空間を設けるための機能を果たすようになっている。すなわち、台座81を配置することによって、容器1内部のガソリンベーパ入口直後に空間を設け、吸着剤13を存在させないようにしているのである。
容器1内部のガソリンベーパ入口直後に吸着剤13を充填した場合には、容器1の下部(入口孔85)から流入したガソリンベーパが入口直後から広範囲に広がることなく、容器1の上部に到達することになる。そのため、充填されている吸着剤13に均一にガソリンベーパが接触せず、吸着剤13の能力を有効に利用できていなかった。また、吸脱着塔11の容器1へ液ガソリンが流入した場合に、この液ガソリンが吸着剤13に直接接触してしまうことになる。こうなると、吸着剤13が十分に能力を発揮することができなくなり、吸着性能が低下することになる。
そこで、吸脱着塔11は、台座81を配置し、吸脱着塔11内部のガソリンベーパ入口直後に空間を設け、流入したガソリンベーパを分散させて吸着剤13に接触するようにするとともに、液ガソリンが流入した場合でも空間内に捕捉し、吸着剤13に直接接触させないようにしている。この台座81は、平面形状が正方形状や長方形状としてもよく(図4参照)、容器1の平面形状に合わせて円形状としてもよい。また、台座81には、複数の貫通孔が形成されている(図4参照)。したがって、吸脱着塔11の容器1の下側から流入したガソリンベーパが上側に流れるようになっている。
また、図10に示すように、入口孔85に貫通させる吸入管86を設けるようにしてもよい。さらに、吸入管86を設けた場合には、容器1の内部側の端部に分散メッシュ82を設けるとよい。分散メッシュ82を設けることで、容器1内部に異物が混入してしまうのを防止できるとともに、容器1内部に流入したガソリンベーパをより効率よく、分散させることができる。したがって、吸脱着塔11は、台座81によって形成される空間と、分散メッシュ82とによって、容器1内部に流入したガソリンベーパを高効率で分散させ、吸着剤13の一部だけに吸着させることなく、吸着剤13の全体に均等に吸着させることができ、吸着性能を向上させている。
台座81の上部には、複数枚の粗密度の異なる荷重分散メッシュ83が積層配置されている。この荷重分散メッシュ83は、容器1内部に異物が混入してしまったとしても、その異物が吸着剤13に到達するのを防ぐことができるとともに、ガソリンベーパを更に分散させて吸着剤13に接触させることができる。また、荷重分散メッシュ83には、吸着剤13の荷重が加わることになる。この吸着剤13の荷重によって、荷重分散メッシュ83が破損する可能性がある。そこで、積層させる複数枚(たとえば、2枚)の荷重分散メッシュ83の粗密度を異なるものとして、吸着剤13の荷重を分散させるようにしている。
図10に示すように、下側に配置される荷重分散メッシュ83のメッシュ密度を粗、上側に配置される荷重分散メッシュ83のメッシュ密度を密にすれば、メッシュ密度を一定としたものに比べて、吸着剤13の荷重を適当に分散させることができる。なお、分散メッシュ82及び荷重分散メッシュ83は、吸着剤13の粒径よりも小さいメッシュ構造をしているもので構成してあればよく、厚さや材料を特に限定するものではない。たとえば、不織布等で分散メッシュ82及び荷重分散メッシュ83を構成するとよい。
図11は、吸脱着塔11の容器1の内部に配置する吸着剤冷却器12の固定の仕方を説明するための説明図である。図11に基づいて、吸脱着塔11の下部の構成、特に吸着剤冷却器12の固定について詳細に説明する。容器1内に配置される吸着剤冷却器12が支持されない状態でガソリンベーパが流入したり振動等が加わったりすると、吸着剤冷却器12に接続しているブライン配管54(ブライン入口側配管91及びブライン出口側配管92)に局所的な力が加わり、配管が折損する危険性がある。また、吸着剤冷却器12の位置がずれ、容器1内の吸着剤13の冷却が均一に行なえないという可能性がある。
そこで、吸脱着塔11は、吸着剤冷却器12を容器1の下部及び側面部で固定し、縦横方向のずれを防止している。具体的には、吸着剤冷却器12を容器1内に装着する際、吸着剤冷却器12の端部の板金部を容器1の側面に接触させる程度に折り曲げる。こうすることで、吸着剤冷却器12の横方向のずれを防止することができる。また、吸着剤冷却器12の下部をネジ等の下部締結部材93で締結することにより固定する。こうすることで、吸着剤冷却器12の縦方向のずれを防止することができる。
したがって、吸着剤冷却器12を容器1内部で所定の位置に固定でき、容器1内の吸着剤13を均一に冷却できることになる。また、吸着剤冷却器12に接続しているブライン配管54への負荷を軽減できる。なお、下部締結部材93は、容器1の下部に配置される台座81と、吸着剤冷却器12とを固定するようになっている。したがって、台座81の側面には、下部締結部材93が貫通できる貫通孔を形成しておくとよい。また、図11に示すように、下部締結部材93がネジである場合には、雄ネジを横から挿入し、台座81によって形成される空間に設けてある雌ネジで締結すればよい。なお、台座81の貫通孔に溝を形成し、締結するようにしてもよい。
以上のように、ガソリンベーパ回収装置100に搭載される吸脱着塔11は、上部の構成を工夫することによって、吸脱着塔11の容器1の内部に充填される吸着剤13の流動を効果的に押さえ込み、安全性を向上させることができるとともに、下部の構成を工夫することによって、吸脱着塔11の容器1の内部に配置する吸着剤冷却器12を容易に固定でき、吸着剤13の冷却を均一に行なえるようにしている。したがって、安全性及び安定性の高い吸脱着塔11を提供することが可能になる。
実施の形態に係るガソリンベーパ回収用吸脱着塔を搭載したガソリンベーパ回収装置全体の回路構成を示す概略回路構成図である。 吸脱着塔の縦断面構成を示した断面図である。 吸着剤の縦断面構成を模式的に示した概略断面図である。 吸脱着塔の内部を透視して示した透視斜視図である。 吸着剤の充填状態を説明するための説明図である。 吸着剤が流動しない範囲におけるガソリンベーパの塔内流速を説明するためのグラフである。 吸脱着塔の上部の断面構成を拡大して示した拡大縦断面図である。 吸脱着塔の上部を分解した状態を示す分解斜視図である。 吸脱着塔の上部外側の縦断面構造を拡大して示す拡大断面図である。 吸脱着塔の下部の断面構成を拡大して示した拡大縦断面図である。 吸脱着塔の内部に配置する吸着剤冷却器の固定の仕方を説明するための説明図である。
符号の説明
1 容器、1a 容器、1b 容器、10 ガソリンベーパ凝縮回路、11 吸脱着塔、11a 吸脱着塔、11b 吸脱着塔、12 吸着剤冷却器、12a 吸着剤冷却器、12b 吸着剤冷却器、13 吸着剤、13a 吸着剤、13b 吸着剤、20 ガソリンベーパ吸着回路、21 給油ノズル、22 第1電磁弁、23 ガソリン吸引ポンプ、24 ガソリン凝縮器、25 気液分離器、26a 第2電磁弁、26b 第2電磁弁、27a 第3電磁弁、27b 第3電磁弁、28 第1減圧弁、29 ガソリン吸着用配管、30 ガソリンベーパ脱着回路、31 第2減圧弁、32a 第4電磁弁、32b 第4電磁弁、35 ガソリン脱着用配管、40 冷媒回路、41 圧縮機、42 凝縮器、43 絞り装置、44 蒸発器、45 冷媒配管、46 送風機、50 ブライン回路、51 ガソリンベーパ凝縮容器、52 ブライン、53 ブラインポンプ、54 ブライン配管、55 液面計、61 フィルタ、62 パンチングメタル、63 弾性体、64 蓋部、65 空気出口孔、66 吐出管、67 流出防止メッシュ、71 フランジ部、72 空間部、73 パッキン、74 上部締結部材、75 蓋部貫通孔、76 フランジ貫通孔、81 台座、82 分散メッシュ、83 荷重分散メッシュ、85 入口孔、86 吸入管、91 ブライン入口側配管、92 ブライン出口側配管、93 下部締結部材、100 ガソリンベーパ回収装置。

Claims (10)

  1. 円筒状の容器を有し、前記容器内部に吸着剤が収容され、前記容器の下側から流入してくる空気に含まれているガソリンベーパを前記吸着剤に吸着させて、前記空気のガソリンベーパ含有量を所定の濃度以下とし、前記吸着剤に吸着されたガソリンベーパを脱着するガソリンベーパ回収用吸脱着塔であって、
    前記吸着剤の粒径よりも小さな目を有し、前記吸着剤の流出を防止するフィルタと、
    前記フィルタを押圧する弾性体と、
    前記フィルタと前記弾性体の間に配置され、前記弾性体の押圧力を前記フィルタ全体均一に伝達させるパンチングメタルと、
    前記容器の胴径よりも大きな径を有し、前記容器を覆い、中心部に空気出口孔が形成された蓋部とを備えた
    ことを特徴とするガソリンベーパ回収用吸脱着塔。
  2. 前記フィルタ、前記弾性体及び前記パンチングメタルを前記容器の上部内側に設けるとともに、前記蓋部を前記容器の上部外側に設けるようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載のガソリンベーパ回収用吸脱着塔。
  3. フィルタ密度の異なる複数枚で前記フィルタを構成し、
    下側から順に前記フィルタ密度を密にする
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガソリンベーパ回収用吸脱着塔。
  4. 前記容器の上方端部にフランジ部を設け、
    前記蓋部と前記フランジ部とを上部締結部材を用いて締結、固定するようにした
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガソリンベーパ回収用吸脱着塔。
  5. 前記容器の側面外側と前記フランジとの間に所定の空間部が形成できるように前記フランジ部を形成し、
    前記空間部にパッキンを設けるようにした
    ことを特徴とする請求項4に記載のガソリンベーパ回収用吸脱着塔。
  6. 前記容器の下部内側に空間を形成するための台座を設けた
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガソリンベーパ回収用吸脱着塔。
  7. 前記容器の下側にガソリンベーパを含んだ空気が流入するための入口孔を形成し、
    前記入口孔に分散メッシュを設けるとともに、
    前記台座の上部に複数枚の粗密度の異なる荷重分散メッシュを積層配置させた
    ことを特徴とする請求項6に記載のガソリンベーパ回収用吸脱着塔。
  8. 前記容器の内部に前記吸着剤を冷却するための吸着剤冷却器を設け、
    前記吸着剤冷却器の端部の板金部を折り曲げて前記容器の側面に接触させ、
    前記吸着剤冷却器の下部を下部締結部材で締結、固定するようにした
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のガソリンベーパ回収用吸脱着塔。
  9. 円筒状の容器を有し、前記容器内部に吸着剤が収容され、前記容器の下側から流入してくる空気に含まれているガソリンベーパを前記吸着剤に吸着させて、前記空気のガソリンベーパ含有量を所定の濃度以下とし、前記吸着剤に吸着されたガソリンベーパを脱着するガソリンベーパ回収用吸脱着塔であって、
    前記容器の胴径及び前記吸着剤の粒径から、前記ガソリンベーパを含んだ空気が前記容器内に流入する際の速度を所定の速度以下に制御した
    ことを特徴とするガソリンベーパ回収用吸脱着塔。
  10. 前記容器の胴径を55mm以上とし、前記ガソリンベーパを含んだ空気の速度を0.562m/s以下に制御した
    ことを特徴とする請求項9に記載のガソリンベーパ回収用吸脱着塔。
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