JP2008303267A - 含フッ素組成物の硬化方法 - Google Patents

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Yasunori Sakano
安則 坂野
Noriyuki Koike
則之 小池
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Abstract

【課題】硬化性フロロポリエーテル系組成物を、加熱雰囲気に置く事無く、かつ短時間で硬化可能な方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
(1)下記成分(A)及び(B)を含む含フッ素組成物を基材に施与する工程、及び
(A)下記式(1)で示される、両末端に1級もしくは2級のアミノ基を有する含フッ素アミノ化合物
Figure 2008303267

(Rfは2価のパーフロロポリエーテル残基であり、Zはそれぞれ独立に、酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいてよい炭素数1〜20の2価の基であり、Xは酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいてよい、炭素数1〜30の2価の基であり、Yは酸素原子を含んでいてよい、1級もしくは2級のアミノ基を有する炭素数1〜30の有機基であり、nは0〜20の整数である)、
(B)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物を、前記成分(A)の1級アミノ基と2級アミノ基のモル数の総和に対して、エポキシ基のモル数の総和が0.1〜10となる量、
(2)施与された前記組成物に、マイクロ波を5分〜2時間照射する工程
を含む含フッ素組成物の硬化物を調製する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は含フッ素組成物の硬化方法に関し、詳細にはマイクロ波を利用する硬化方法に関する。
フロロポリエーテル誘導体は撥水性、撥油性、耐熱性、耐薬品性、離型性、耐溶剤性、潤滑性等の優れた性質を有する。それらの性質を利用して、離型剤、潤滑剤、防汚剤等の用途に古くから利用されているが、近年では硬化性組成物としての用途が広がってきている。
例えば、フロロポリエーテルの末端にジアミン類を反応させて得られる含フッ素アミン化合物と多官能性エポキシとを含む硬化性組成物が知られている(特許文献1)。また、本発明者らは、パーフロロ基を含む一分子中に少なくとも3個のエポキシ基を含む化合物とパーフロロ基を含み1分子中にすくなくとも2個のアミノ基を有する化合物からなる含フッ素硬化性組成物について、特許出願した(特願2005−379095号)。
これらの組成物から得られる硬化物は、耐溶剤性、耐薬品性などフロロポリエーテル誘導体の特性によるさまざまな優れた性質を示す。しかし、短時間で硬化物を得るには加熱が必要であり、加熱せずに室温で硬化させると数時間〜数日という長い期間が必要である。このため、例えば、加熱炉に入れることができない形状や材質に、これらのフロロポリエーテル組成物を適用することが困難であるという問題があった。
エポキシ樹脂組成物を、加熱炉を使用せずに、短時間で硬化する方法として、マイクロ波照射が知られている(特許文献2)。しかし、マイクロ波により効果的に発熱されるためには、誘電率及び誘電正接の値が高いことが必要であり、遅硬化性のエポキシ樹脂組成物を短時間で硬化させるためには、フェライト等の発熱促進剤を配合する必要があるとされている。
一般に、パーフロロポリエーテル構造を有する物質は、誘電率及び誘電正接が低いことが知られており、例えば、1GHz〜30GHzのマイクロ波帯での発熱が小さいことを利用した耐プラズマ性フッ素系エラストマーシールが知られている(特許文献3)。従って、マイクロ波による硬化は、フロロポリエーテル組成物を短時間で硬化するには不適切であることが予想される。
特許第3487146号公報 特開2002−20453号公報 特開2003−183402号公報
本発明は、硬化性フロロポリエーテル系組成物を、加熱雰囲気に置く事無く、かつ短時間で硬化可能な方法を提供することを目的とする。
驚くことに、上記予測に反し、フロロポリエーテル系組成物にマイクロ波を照射することによって、上記目的が達成されることが見出された。
即ち、本発明は、下記のものである。
(1)下記成分(A)及び(B)を含む含フッ素組成物を基材に施与する工程、及び
(A) 下記式(1)で示される、両末端に1級もしくは2級のアミノ基を有する含フッ素アミノ化合物
Figure 2008303267
(Rfは2価のパーフロロポリエーテル残基であり、Zはそれぞれ独立に、酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいてよい炭素数1〜20の2価の基であり、Xは酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいてよい、炭素数1〜30の2価の基であり、Yは酸素原子を含んでいてよい、1級もしくは2級のアミノ基を有する炭素数1〜30の有機基であり、nは0〜20の整数である)、
(B)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物を、前記成分(A)の1級アミノ基と2級アミノ基のモル数の総和に対して、エポキシ基のモル数の総和が0.1〜10となる量、
(2)施与された前記組成物に、マイクロ波を5分〜2時間照射する工程
を含む含フッ素組成物の硬化物を調製する方法。
上記本発明の方法によれば、発熱促進剤を加えずとも、数十分程度で含フッ素組成物の硬化物を得ることができる。また、含フッ素組成物が塗布された基材を加熱炉に入れる必要がなく、種々の形状の硬化物を得ることができる。
マイクロ波は、周波数300MHz〜30GHzの電磁波である。通常、溶液又は固体等のマイクロ波吸収帯は10GHz以下の領域にある。従って、本発明で使用するマイクロ波の周波数も、原理的には300MHz〜10GHzの範囲であればよいが、実際上、日本国内で一般的に使用可能なマイクロ波は、2.45GHzに限られている。発振出力は、基材、施与された組成物の形状等に応じて、適宜調節することが好ましいが、典型的には、0.05KW〜20kW、特に0.1kW〜1kWである。照射するマイクロ波はパルス波あるいは連続波のどちらの形態でも利用できる。照射時間は目的や被照射体の条件により異なるが、マイクロ波照射のみで完全硬化させる場合には、5分〜2時間照射する。またマイクロ波照射による硬化だけでなく、マイクロ波照射を、加熱あるいは室温硬化の前後に用いたり、加熱条件下でマイクロ波照射し、所望の硬化時間に調整してもよい。
本発明における組成物は、(A)両末端に1級もしくは2級のアミノ基を有する含フッ素アミノ化合物を含む。
Figure 2008303267
ここでRf基は2価のパーフロロポリエーテル残基であり、なかでも炭素数が3個以下のフロロアルキレン基と酸素原子を含む繰り返し単位からなるパーフロロポリエーテル残基が好ましい。このような繰り返し単位として以下に示すものが例示される。
−CFO−
−CFCFO−
−CFCFCFO−
−CF(CF)CFO−
これらの繰り返し単位の複数種類から構成されていてもよい。
特に好ましいRfとしては下記構造のものが挙げられる。
Figure 2008303267
ここで、a及びbは1〜200の整数であり、c及びdは1〜4の整数である。これらの数は、Rfの平均分子量が、300〜100,000、より好ましくは400〜20,000、最も好ましくは900〜20,000となるような数であることが好ましい。
式(1)におけるXは、nが2以上である場合にはそれぞれ独立に、酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいて良い、炭素数1〜30の2価の基であり、例えば以下のものがあげられる。
Figure 2008303267

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Figure 2008303267
ここで、eは0〜6の整数であり、Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜14の1価の炭化水素基である。この中でも特に、下記の基
Figure 2008303267

Figure 2008303267

Figure 2008303267

が好ましい。
の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などの非置換一価炭化水素基や、これらの基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものが包含される。
は炭素数1〜20の2価の炭化水素基であり、部分的にフッ素置換されていても良い。例として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、及び下記の基が包含される。
Figure 2008303267

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式(1)におけるZは、互いに独立に、酸素及び/又は窒素原子を含んでいて良い、炭素数1〜20の2価の基である。Zの例には以下の基が包含される。
Figure 2008303267

Figure 2008303267

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Figure 2008303267
(但し、e、Rは前述の通りである。)
この中でも特に
Figure 2008303267

Figure 2008303267

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が好ましい。
式(1)におけるYは少なくとも一個の1級もしくは2級のアミノ基を有する炭素数1〜30の有機基である。Yの例には以下の基が包含される。
Figure 2008303267

Figure 2008303267

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Figure 2008303267
(但し、e、R、Rは前述の通りであり、qは1〜6の整数である)。
この中でも特に
Figure 2008303267

Figure 2008303267
が好ましい。
式(1)で表される化合物のうち特に好ましい例は以下のとおりである。
Figure 2008303267

Figure 2008303267

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Figure 2008303267
(以上、全て、aの平均値が0〜2、n+m=10〜150)

Figure 2008303267

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(n+m=10〜150)

下記のパーフロロポリエーテルジメチルエステルとトリエチレンテトラアミンから得られるアミド化合物。
Figure 2008303267
(n+m=10〜150)
本発明における組成物の(B)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物の例には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型系エポキシ樹脂、トリグリシジルp-アミノフェノール、ジグリシジルアニリン等のグリシジルアミン、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂やトリグリシジルイソシアヌレートや以下の構造のエポキシ化合物が挙げられる。
Figure 2008303267


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Figure 2008303267
この中でも特にビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型系エポキシ樹脂、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルが好適である。
また、下記一般式(2)にて示される含フッ素2価アルコールと
HO−CH−Rf−CHOH (2)
下記式(3)にて示されるエポキシ基含有化合物
Figure 2008303267

とを付加反応させることによって得られる生成物であって、200〜2500のエポキシ当量を有する含フッ素エポキシ化合物を使用することも出来る。
上式(2)で表される化合物において、Rf基は前述の通りであるが、以下の構造をなすものが特に好ましい。
Figure 2008303267

Figure 2008303267
(但し、a、b、c、dは前述の通りであり、f及びgはそれぞれに独立に1〜300の整数であり、それぞれの繰り返し単位の配列はランダムであってよい)
式(2)で表される化合物の例として、下記式のアルコール末端パーフルオロポリエーテルが挙げられる。
Figure 2008303267
一方、式(3)におけるRは、炭素数1〜40の、p価(pは2〜8の整数)の飽和もしくは不飽和炭化水素基で、酸素原子、窒素原子を含んでもよい。式(3)で表される化合物の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型系エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルや以下の構造の化合物が挙げられる。
Figure 2008303267

Figure 2008303267


Figure 2008303267


Figure 2008303267

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Figure 2008303267

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Figure 2008303267
この中でもポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルが好適である。
上記式 (2)の含フッ素2価アルコールと式(3)の多価エポキシ化合物との付加反応は例えば以下のような方法で実施できる。(3)多価エポキシ化合物を2〜20モルに対して、(2)2価含フッ素アルコール1モル、溶媒および触媒を反応器に仕込み、70〜120℃に加熱し、3〜200時間攪拌する。反応後の反応溶液から、蒸留、抽出、洗浄、吸着等の操作及びこれらの組み合わせで未反応のエポキシ成分を除去する。
付加反応の触媒としては例えばトリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、トリ(p−アニシル)ホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、フェニルジメチルホスフィン等の鎖状ホスフィン、あるいはテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラオクチルアンモニウムブロマイド、ヘキサジエチルアンモニウムブロマイド、テトラオクチルアンモニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩等が使用できる。
上記反応に際しては、反応に影響を与えない範囲内で各成分を有機溶剤で希釈することもできる。この場合、有機溶剤としては、各成分、反応物を溶解し、可能なものを使用することが、反応の進行をスムーズに行うために好適である。このような有機溶剤としては、例えばn−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、石油エーテル、キシレン等の炭化水素系溶剤、ジエチルエーテル、n−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、ジブチルケトン、酢酸エチル等のケトン系溶剤、メチレンクロライド、クロルベンゼン、クロロホルム等の塩化炭化水素系溶剤、アセトニトリル等のニトリル系溶剤、トリフルオロベンゼン、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン、パーフルオロオクタン等のフッ素系溶剤などを挙げることができ、これらを必要に応じて1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明において用いられる硬化性組成物は、上記(A)成分を組成物総重量に対して10重量パーセント以上含み、ここで(A)成分に対する(B)成分の配合比は、配合物中に含まれる1級アミノ基と2級アミノ基の配合物中のモル数の総和に対して、エポキシ基のモル数の総和の比が好ましくは0.1〜10、特に好ましくは0.9〜5.0となるような配合が好適である。
本発明において用いられる含フッ素硬化性組成物には、上記必須成分以外に任意成分としてその実用性を高めるために種々の添加剤を添加することができる。これら添加剤として具体的には、3級アミン化合物、イミダゾール類、ルイス酸等の硬化促進剤、アセチレンブラック等のカーボンブラック、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、二酸化チタン、酸化アルミニウム、石英粉末、炭素粉末、タルク、ベントナイト等の補強剤、アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等の繊維質充填剤、顔料、染料等の着色剤、ベンガラ、酸化セリウム等の耐熱性向上剤、耐寒性向上剤、防錆剤、β−30(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等の接着性向上剤、フェライト、水等のマイクロ波発熱促進剤、さらに1官能のフッ素化、非フッ素化のエポキシ化合物などが挙げられる。なお、これら任意成分としての添加剤の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。但しマイクロ波の照射による放電現象が起こるような金属粉や昇温により容易に揮発する危険性のある溶剤を多量に含むことものは好ましくない。
該組成物は、各成分及び所望により任意成分をミキサー、ニーダー等の公知の混合手段で混合することによって、作ることができる。得られた組成物は、種々の基材、例えば金属、プラスチック、セラミック、ガラス等、に施与することができる。
実施例
下記の表1記載の質量部の、(A)成分と(B)成分を、室温においてミキサーで5分間攪拌混合した後に、約10gを、厚み約2mmになるように、ガラス製型に流し込んだ後、実施例については周波数2.45GHz、出力750Wの電子レンジ中で、参考例については、表に示す各温度に設定したオーブン中で、夫々硬化を行った。得られた硬化物のDuro−A硬度を測定した。
Figure 2008303267
※配合量は質量部数
表1に示す各成分は以下のとおりである。
含フッ素アミノ化合物(A−1):

Figure 2008303267
(rの平均値=0.3)
Figure 2008303267
(n+mの平均値=35)

含フッ素アミノ化合物(A−2):
Figure 2008303267

Figure 2008303267
(n+mの平均値=35)

含フッ素アミノ化合物(A-3)
下記式、
Figure 2008303267
(h+iの平均値=35)

で示されるメチルエステル末端パーフルオロポリエーテル100gとトリエチレンテトラアミン12.3g、フッ素化溶剤PF−5080(住友3M社製)50gを混合、攪拌し、80℃で24時間加熱した。室温まで冷却した後、反応溶液にメタノール 50g、エチルエーテル50gを添加し、攪拌、静置後に分離した下層を回収し、メタノール 50g、エチルエーテル50gで洗浄を2回繰り返した。洗浄後の下層は1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン100gで希釈し、活性炭10gで吸着処理後、ろ過を行った後に溶媒を留去し、粘度510Pa・sの黄色透明な液体 83g(A−3)を得た。アミノ基の活性水素価は1220g/molであった。

エポキシ化合物(B−1):
Figure 2008303267

エポキシ化合物(B−2):
下記方法により調製した。
反応容器に、147gの下記構造の含フッ素2価アルコール(平均分子量 1000)、

Figure 2008303267

100gのビスフェノールAジグリシジルエーテル、1gのトリフェニルホスフィン及び、147gのベンゾトリフロリドを仕込み、90℃にて21時間攪拌した。次いで、溶媒のベンゾトリフロライドをストリップにより取り除き、淡褐色のオイル状生成物245g(エポキシ化合物(B−2))を得た。B−2のエポキシ当量は617g/molであった。

エポキシ化合物(B−3):
下記方法により調製した。
反応容器に、100gの下記構造の含フッ素2価アルコール(平均分子量1000)、
Figure 2008303267
48.6gのトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、1gのテトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、100gの1、3−ビストリフルオロメチルベンゼンを仕込み95℃で72時間反応させた。反応後の溶液からストリップにより1,3−ビストリフルオロメチルベンゼンを除去したのちに、アサヒクリンAK225(旭硝子製)100g、酢酸エチル50g、水50gを添加し十分攪拌した。静置後に分液した最下層を回収し、再び酢酸エチル50g、水50gを添加して攪拌、静置、分離を行った。回収された最下層成分からストリップで溶媒を除去し、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン100gを添加した溶液に、活性炭5gで吸着、ろ過を行った後に再びストリップで溶媒を除去し、粘度7.8Pa・s、エポキシ当量625g/molの透明な液体(B−3)126gを得た。
表1に示すように、マイクロ波照射により短時間で、加熱又は室温硬化品と同等の硬度を有する硬化物が得られていることが分かる。
本発明の方法は、加熱炉に入れることができない部品の接着、封止などに、有用である。また、従来の室温硬化の組成物についても、より速く硬化をさせることができ、生産性を高めることができる。

Claims (5)

  1. (1)下記成分(A)及び(B)を含む含フッ素組成物を基材に施与する工程、及び
    (A) 下記式(1)で示される、両末端に1級もしくは2級のアミノ基を有する含フッ素アミノ化合物
    Figure 2008303267
    (Rfは2価のパーフロロポリエーテル残基であり、Zはそれぞれ独立に、酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいてよい炭素数1〜20の2価の基であり、Xは酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいてよい、炭素数1〜30の2価の基であり、Yは酸素原子を含んでいてよい、1級もしくは2級のアミノ基を有する炭素数1〜30の有機基であり、nは0〜20の整数である)、
    (B)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物を、前記成分(A)の1級アミノ基と2級アミノ基のモル数の総和に対して、エポキシ基のモル数の総和が0.1〜10となる量、
    (2)施与された前記組成物に、マイクロ波を5分〜2時間照射する工程
    を含む含フッ素組成物の硬化物を調製する方法。
  2. Rfの平均分子量が900〜20,000である請求項1記載の方法。
  3. 式(1)のRfが下記式で表される、請求項1または2記載の方法。
    Figure 2008303267

    (但し、a及びbは1〜200の整数であり、c、dは1〜4の整数である。)
  4. 式(1)でZが
    Figure 2008303267
    または
    Figure 2008303267
    (但し Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜14の1価の炭化水素基であり、その水素原子の一部がフッ素原子に置換されていても良く、eは0〜6の整数である)
    で表される基であり、
    Xが
    Figure 2008303267
    または
    Figure 2008303267
    (但しRは前述の通りであり、mは1〜6の整数である)
    で表される基であり、
    Yが
    Figure 2008303267
    で表される基である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. (B)成分が、下記式(2)で表される含フッ素2価アルコールと

    HO-CH2-Rf-CH2OH (2)

    下記式(3)にて示されるエポキシ基含有化合物とを
    Figure 2008303267

    (Rfは2価のパーフロロポリエーテル残基であり、Rは、酸素原子を含でいてよい炭素数1〜40のp価の飽和もしくは不飽和炭化水素基であり、pは2〜8の整数である)
    付加反応させることによって得られる生成物であって、200〜2500のエポキシ当量を有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
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